画像形成装置
【課題】電圧印加回路の共通化した画像形成装置において、異常放電を抑制する。
【解決手段】感光ドラム41と、前記感光ドラム41を帯電させる複数のスコロトロン帯電器50と、各前記スコロトロン帯電器50が共通接続され、各前記スコロトロン帯電器50に電圧を印加する帯電電圧印加回路200と、各前記スコロトロン帯電器50に設けられた各ワイヤ53と、各前記スコロトロン帯電器50に設けられた各グリッド電極55と、前記各グリッド電極55に流れるグリッド電流を検出する電流検出部260と、前記帯電電圧印加回路200の出力調整により、前記各グリッド電極55に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値となるように、前記最大グリッド電流を定電流制御するグリッド電流制御部110とを備える。
【解決手段】感光ドラム41と、前記感光ドラム41を帯電させる複数のスコロトロン帯電器50と、各前記スコロトロン帯電器50が共通接続され、各前記スコロトロン帯電器50に電圧を印加する帯電電圧印加回路200と、各前記スコロトロン帯電器50に設けられた各ワイヤ53と、各前記スコロトロン帯電器50に設けられた各グリッド電極55と、前記各グリッド電極55に流れるグリッド電流を検出する電流検出部260と、前記帯電電圧印加回路200の出力調整により、前記各グリッド電極55に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値となるように、前記最大グリッド電流を定電流制御するグリッド電流制御部110とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーレーザプリンタ等の多色の画像形成装置には、各現像剤の色数(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)と同じ数の帯電器が設けられている ものがある。下記特許文献1には、この種の画像形成装置において、各帯電器に高電圧を印加する高圧電源ユニット(電圧印加回路)を共通化することで、部品点数の削減、装置の小型化を図ったものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−142483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように高圧電源ユニットを共通化した場合、各帯電器に印加する電圧レベルを個々に調整できなくなる。一方、各帯電器に設けられたワイヤ汚れは必ずしも均一にはならない。そのため、電圧電源ユニットを共通化した場合、各帯電器の放電量にばらつきが発生し、異常放電が発生することがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電圧印加回路の共通化した画像形成装置において、異常放電を抑制することを目的とする。
【0005】
本明細書によって開示される画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電させる複数のスコロトロン帯電器と、各前記スコロトロン帯電器が共通接続され、各前記スコロトロン帯電器に電圧を印加する帯電電圧印加回路と、各前記スコロトロン帯電器に設けられた各ワイヤと、各前記スコロトロン帯電器に設けられた各グリッド電極と、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流を検出する電流検出部と、前記帯電電圧印加回路の出力調整により、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値となるように、前記最大グリッド電流を定電流制御するグリッド電流制御部とを備える。
尚、第一閾値とは、グリッド電流の上限に対応する閾値を意味し、グリッド電流の上限値や、上限値に対して裕度をもたせた数値を用いることが出来る。
【0006】
本明細書によって開示される画像形成装置では、最大グリッド電流が第一閾値に定電流制御されるので、帯電器の異常放電、すなわち帯電器のワイヤから感光体に大きな放電電流が流れることを防止できる。そのため、感光体の劣化を未然に防止することが可能となる。
【0007】
上記画像形成装置では、以下とすることが好ましい。
・前記グリッド電流制御部は、制御開始時、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち、値が最小となる最小グリッド電流が前記基準値になるように前記最小グリッド電流を定電流制御し、前記最大グリッド電流が前記第一閾値に達した以降は、前記最大グリッド電流が前記第一閾値になるように前記最大グリッド電流を定電流制御する。
【0008】
・前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が前記基準値より小さい第二閾値以下になったスコロトロン帯電器について、エラーを報知する第一報知部を備える。尚、第二閾値とは、グリッド電流の下限に対応する閾値を意味し、グリッド電流の下限値や、下限値に対して裕度をもたせた数値を用いることが出来る。
【0009】
・複数設けられる各前記感光体に対してそれぞれ各色の現像剤を供給する各現像器と、前記各現像器に対して現像電圧を印加する現像電圧印加回路と、前記各現像器の現像電圧が目標値になるように、前記現像電圧印加回路を制御する現像電圧制御部とを備え、
前記現像電圧制御部は、前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が基準値を下回るスコロトロン帯電器に対向する前記感光体に前記現像剤を供給する前記現像器について、前記現像電圧の前記目標値を下げる制御を行う。
【0010】
・印加される現像電圧が下限値以下になった前記現像器から前記現像剤を供給される前記感光体を帯電させる前記スコロトロン帯電器について、エラーを報知する第二報知部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、電圧印加回路を共通化した画像形成装置において、異常放電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1に係るプリンタの内部構成を表す概略断面図
【図2】プロセスユニットの構造を模式的に示した図
【図3】帯電器の構造を模式的に示した図
【図4】高圧電源装置の電気的構成を示すブロック図
【図5】グリッド電流制御フローを示す図
【図6】プリンタの電気的構成を示すブロック図
【図7】印字枚数と帯電電圧の関係を示すグラフ
【図8】印字枚数と各チャンネルのグリッド電流の関係を示すグラフ
【図9】印字枚数と帯電器の負荷の大きさの関係を示すグラフ
【図10】実施形態2のグリッド電流制御フローを示す図
【図11】印字枚数と現像電圧の目標値の関係を示すグラフ
【図12】グリッド電流制御の別フローを示す図
【図13】プリンタの他の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
【0014】
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のプリンタ1(本発明の「画像形成装置」の一例)の内部構成を表す概略断面図である。以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は各部の符号にB(ブラック)、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),の添え字を付し、区別しない場合は添え字を省略する。
【0015】
プリンタ1は、給紙部3、画像形成部5、搬送機構7、定着部9、ベルトクリーニング機構20および高圧電源装置100を含む構成である。給紙部3は、プリンタ1の最下部に設けられており、シート(用紙、OHPシートなど)15を収容するトレイ17と、ピックアップローラ19とを備える。トレイ17に収容されたシート15は、ピックアップローラ19により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ11,レジストレーションローラ12を介して搬送機構7に送られる。
【0016】
搬送機構7は、シート15を搬送するものであり、プリンタ1内において給紙部3の上側に設置されている。搬送機構7は、駆動ローラ31、従動ローラ32、およびベルト34を含み、ベルト34は、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に架け渡されている。駆動ローラ31が回動すると、ベルト34は、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cと対向する側の表面が、図1中の右方向から左方向へ移動する。これにより、レジストレーションローラ12から送られてきたシート15が、画像形成部5下へと搬送される。
【0017】
また、ベルト34には、4つの感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに対応して、4つの転写ローラ33B、33Y、33M、33Cが設けられている。各転写ローラ33は、ベルト34を間に挟みつつ各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに対して向かい合う位置に配置されている。
【0018】
画像形成部5は4個のプロセスユニット40B、40Y、40M、40Cおよび4個の露光装置49B、49Y、49M、49Cを含む。各プロセスユニット40B、40Y、40M、40Cは、シート15の搬送方向(図1の左右方向)に一列状に配置されている。
【0019】
各プロセスユニット40は同一構造であり、各色の感光ドラム(本発明の「感光体」の一例)41B、41Y、41M、41C、現像剤である各色のトナー(例えば正帯電性の非磁性1成分トナー)を収容するトナーケース43、現像ローラ(本発明の「現像器」の一例)45及び帯電器50B、50Y、50M、50Cを含む構造となっている。
【0020】
各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cは、例えばアルミニウム製の基材上に、正帯電性の感光層が形成されたものであり、アルミニウム製の基材がプリンタ1のグラウンドに接地されている。
【0021】
現像ローラ45は、トナーケース43の下部にて供給ローラ46と対向配置されており、両間をトナーが通過するときに回転に伴う摩擦によりトナーを正極性に摩擦帯電させ、均一な薄層として感光ドラム41B、41Y、41M、41C上へ供給する機能を果たす。
【0022】
各帯電器50B、50Y、50M、50Cは、スコロトロン型の帯電器であり、図2、図3に示すように、シールドケース51、ワイヤ53及び金属製のグリッド電極55を有する。シールドケース51は、感光ドラム41の回転軸方向に長い角筒型をしている。シールドケース51のうち、感光ドラム41との対向面は放電口52として開口している。
【0023】
ワイヤ53は例えばタングステン線からなる。ワイヤ53は、シールドケース51内において回転軸方向(図3の左右方向)に張り渡されており、後述する帯電電圧印加回路200により高電圧が印加される。ワイヤ53は高電圧の印加により、シールドケース51内においてコロナ放電を生じさせる。そして、コロナ放電により生じたイオンが放電口52から感光ドラム41側に放電電流として流れることで、感光ドラム41の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0024】
そして、シールドケース51の放電口52には、スリットや透孔を有する板状のグリッド電極55が取り付けられている。このグリッド電極55に電圧を加え、その加えた電圧を制御することで、感光ドラム41の帯電電圧を制御することが可能となっている。
【0025】
また、帯電器50B、50Y、50M、50Cにはワイヤクリーナ57が設けられている。ワイヤクリーナ57はワイヤ53に沿って摺動自在な構成となっている。このワイヤクリーナ57を、オペレータがワイヤ53に沿って往復させることで、ワイヤ53の汚れを落とすことが出来る。
【0026】
各露光装置49B、49Y、49M、49Cは、例えば、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの回転軸方向に沿って一列状に並んだ複数の発光素子(例えばLEDやレーザ光源)を有し、外部より入力される画像データに応じて発光することにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面に静電潜像を形成する機能を果たす。
【0027】
上記のように構成されたレーザプリンタ1による一連の画像形成処理について簡単に説明すると、プリンタ1は印刷データDを受信すると(図6参照)、印刷処理を開始する。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面は、その回転に伴って、各帯電器50B、50Y、50M、50Cにより一様に正帯電される。そして、各露光装置49から各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに向けてレーザ光がそれぞれ照射される。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面には、印刷データに応じた所定の静電潜像が形成、すなわち一様に正帯電された感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面のうち、レーザ光が照射された部分は電位が下がる。
【0028】
次いで、現像ローラ45の回転により、現像ローラ45上に担持されかつ正帯電されているトナーが、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面上に形成される静電潜像に供給される。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの静電潜像は、可視像化され、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0029】
また、上記したトナー像を形成するための処理と並行して、シート15を搬送する処理が行われる。すなわち、ピックアップローラ19の回動により、トレイ17からシート15が一枚ずつ用紙搬送経路Yへと送り出される。用紙搬送経路Yに送り出されたシート15は、搬送ローラ11、ベルト34により、転写位置(感光ドラム41と転写ローラ33とが接触する点)に運ばれる。
【0030】
すると、この転写位置を通るときに、各転写ローラ33に印加される転写バイアスによって、各感光ドラム41の表面上に担持された各色のトナー像(現像剤像)がシート15の表面に順次、重畳転写される。かくして、シート15上には、カラーのトナー像(現像剤像)が形成される。その後、ベルト34の後方に設けられた定着部9を通過するときに、転写されたトナー像(現像剤像)は熱定着され、シート15は排紙トレイ60上に排紙される。
【0031】
2.高圧電源装置100の構成
高圧電源装置100は、図4に示すように、帯電電圧印加回路200、PWM信号平滑回路210、帯電電圧検出回路240、定電圧回路250B、250Y、250M、250C、グリッド電流検出部260B、260Y、260M、260C、現像電圧印加回路270B、270Y、270M、270C、現像電圧検出回路280B、280Y、280M、280C及び制御装置110を備えている。
【0032】
PWM信号平滑回路210は、抵抗とコンデンサから構成された積分回路であり、制御装置110のPWMポートP0から出力されるPWM信号S0を平滑して、帯電電圧印加回路200に設けられたトランジスタTr1のベースに出力するものである。
【0033】
帯電電圧印加回路200は、DC24Vの入力電圧から6kV〜8kV程度の高電圧を生成して、各帯電器50に印加する機能を果たすものである。本実施形態では、帯電電圧印加回路200に自励式のフライバックコンバータ(RCC)を用いており、帯電電圧印加回路200は、トランス201と、トランスの二次側に設けられた平滑回路203と、トランス201の一次側に設けられたトランジスタTr1と、帰還コイル205を備えてなる。
【0034】
トランジスタTR1は、トランス201をスイッチングするものであり、エミッタをグランドに接続し、コレクタをトランス201の一次側の巻き線に接続している。そして、ベースには、帰還コイル205を介してPWM信号平滑回路210が接続されている。
【0035】
帯電電圧印加回路200の出力ラインLoには、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53が共通接続されている。これにより、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voが各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53に印加される構成となっている。
【0036】
帯電電圧検出回路240は、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを検出するものであり、トランス201の一次側に設けられた補助巻線241と、抵抗及びコンデンサからなる積分回路243から構成されている。この帯電電圧検出回路240は、制御装置110のA/DポートA0に接続されており、制御装置110に対して、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voのデータが取り込まれる構成となっている。
【0037】
また、図4に示すように、この実施形態では各帯電器50B、50Y、50M、50Cごとに接続ラインL1〜L4がそれぞれ設けられており、各帯電器50B、50Y、50M、50Cの各グリッド電極55が、各接続ラインL1〜L4を通じてグラウンドに接続されている。そして、各接続ラインL1〜L4上には定電圧回路250とグリッド電流検出部260がそれぞれ設けられている。
【0038】
定電圧回路250B、250Y、250M、250Cは直列接続された3つのツェナーダイオードから構成されており、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電極55の電圧の値を、ツェナーダイオード1個あたりの降伏電圧を3倍した電圧値(例えば、250V×3)に定電圧化する。
【0039】
各グリッド電流検出部260B、260Y、260M、260Yは、各定電圧回路250B、250Y、250M、250Cと直列接続された各抵抗R1〜R4からなる。そして、各抵抗R1〜R4のうち各定電圧回路250B、250Y、250M、250Cとの接続点は制御装置110に設けられた各A/DポートA1〜A4にそれぞれ信号線を介して接続されている。以上のことから、各接続ラインL1〜L4に流れる電流(各グリッド電流Ig)の大きさに比例した電圧が、各A/DポートA1〜A4に入力される。そのため、各A/DポートA1〜A4の入力電圧のレベルを読み取ることで、制御装置110において、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電流Igの大きさを検出できる構成となっている。
【0040】
次に、現像電圧印加回路270B、270Y、270M、270Cは、各現像ローラ45B、45Y、45M、45Cに現像電圧Vd1〜Vd4を印加する機能を果たすものであり、各現像ローラ45B、45Y、45M、45Cに対応して個別に設けられている。
【0041】
各現像電圧印加回路270B〜270は、帯電電圧印加回路200の出力ラインLoに共通接続されている。以下、現像電圧印加回路270Bを代表させて回路説明を行う。現像電圧印加回路270Bは、抵抗Raと制御トランジスタTr2とを備える。抵抗Raは一端を帯電電圧印加回路200の出力ラインLoに接続している。
【0042】
制御トランジスタTrは、NPNトランジタであり、コレクタを抵抗Raの他端に接続し、エミッタをグラウンドに接続している。また、制御トランジスタTrのベースは、信号線を介して、制御装置110のPWMポートP1に接続されている。そして、信号線には、コンデンサCと抵抗Rからなる積分回路が設けられており、制御装置110のPWMポートP1から出力されるPWM信号を平滑して制御トランジスタTr2のベースに印加する構成となっている。
【0043】
以上のことから、制御トランジスタTr2のベースに印加する電圧をPWM信号により調整することで、現像ローラ45Bに印加される現像電圧を制御できる。尚、印加される現像電圧は、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voから抵抗Raによる電圧降下分を差し引いた電圧となる。
【0044】
また、現像電圧印加回路270Y、270M、270Cも、現像電圧印加回路270Bと同じく抵抗Raと制御トランジスタTr2から構成されていて、制御トランジスタTr2のベースに印加する電圧をPWM信号により調整することで、各現像ローラ45Y、45M、45Cに印加される現像電圧を制御できる。
【0045】
また、各現像電圧印加回路270B〜270Cには、図4に示すように、出力電圧(現像電圧)Vd1〜Vd4を検出する現像電圧検出回路280B〜280Cが設けられている。現像電圧検出回路280B〜280Cは、直列接続された抵抗Rb、Rcにより構成されており、現像電圧印加回路270B〜270Cの制御トランジスタTrに並列接続されている。
【0046】
抵抗Rb、Rcの中間接続点には、各現像電圧印加回路270の出力電圧Vd1〜Vd4を抵抗比に従って分圧した電圧が発生する。そして、制御装置110の各A/DポートA5〜A8は、信号線を通じて、各現像電圧検出回路280B〜280Cを構成する抵抗Rb、Rcの中間接続点に接続されている。
【0047】
従って、各A/DポートA5〜A8の電圧レベルから、各現像電圧印加回路270B〜270Cの出力電圧Vd1〜Vd4を検出できるようになっている。
【0048】
制御装置110は、帯電器50のグリッド電極55に流れるグリッド電流Igを制御する機能や、各現像ローラ45Y、45M、45Cに印加される現像電圧Vd1〜Vd4を制御する機能を果たすものであり、5つのPWMポートP0〜P4と、9つのA/DポートA0〜A8を備える。
【0049】
尚、グリッド電流Igの制御は、PWMポートP0からPWM信号S0を出力して帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整することにより行われる。また、各現像電圧Vd1〜Vd4の制御は、PWMポートP1〜P4から各現像電圧印加回路270B〜270CにPWM信号を出力することにより行われる。
【0050】
制御装置110はCPUを内蔵して構成すること、特定用途向け集積回路(ASIC)により構成することが可能である。制御装置110は、不揮発性の記憶部(図略)を内蔵しており、そこに、次に説明するグリッド電流制御フローを実行するための各種データ(例えば、以下(a)〜(d)のデータ)を記憶させている。
【0051】
(a)グリッド電流Igの基準値のデータ(250μA)
(b)グリッド電流Igの上限値のデータ(300μA)
(c)グリッド電流Igの下限値のデータ(200μA)
(d)帯電電圧印加回路200の出力電圧Voの上限値のデータ(8kV)
【0052】
尚、グリッド電流Igは、帯電器50から感光ドラム41に流れる放電電流と概ね比例関係にあることが知られており、感光ドラム41に流れる放電電流のレベルを図る指標となる。すなわち、グリッド電流Igが、基準値である250μA流れていれば、感光ドラム41に流れる放電電流が基準レベルとなり、感光ドラム41の帯電量が画質を保つための適正レベルになる。
【0053】
また、グリッド電流Igが上限値である300μAから下限値である200μAの範囲にあれば、感光ドラム41に流れる放電電流の大きさも概ね許容範囲に収まる関係となっている。尚、グリッド電流Igの上限値である300μAが、本発明の「第一閾値」の一例であり、グリッド電流Igの下限値である200μAが、本発明の「第二閾値」の一例である。
【0054】
次に、図5を参照して制御装置110により実行されるグリッド電流制御フローについて説明を行う。尚、以下の説明において各チャンネルCHとは、各帯電器50B、50Y、50M、50Cを指すものとし、この例では帯電器50BをCH1、帯電器50YをCH2、帯電器50MをCH3、帯電器50CをCH4とする。
【0055】
図6に示すように、ホストコンピュータなどの上位装置から印刷データDが出力されると、その印刷データDはインターフェースIFを通じてプリンタ1にて受信される。すると、プリンタ1の全体を制御統括する主制御部80から高圧電源装置100の制御装置110に対して、印刷処理開始指令が与えられる。
【0056】
これにより、制御装置110は図5のグリッド電流制御フローをスタートさせ、帯電電圧印加回路20を介して各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53に帯電電圧を印加する。尚、帯電電圧の初期目標は、例えば「6kV」である。そして、帯電電圧の印加に続いて、制御装置110は、各A/DポートA1〜A4の入力電圧から各チャンネルCHのグリッド電流Igを算出し、モニタする(S10)。
【0057】
その後、制御装置110は、A/DポートA0の入力値(電圧検出回路240にて検出される電圧値)に基づいて、帯電電圧印加回路の出力電圧Voを検出し、出力電圧Voのレベルを判定する。具体的には、出力電圧Voが上限値である8kVより小さいか判定を行い、出力電圧Voが上限値である8kVより小さい場合にはYES判定となり、その後S30へ移行する。また、8kV以上である場合には、NO判定となり、その後、S90へ移行する。
【0058】
出力電圧Voが8kVより小さいと判定され、S30に移行した場合、制御装置110は、S10でモニタした各チャンネルCHのグリッド電流Igの電流値を比較して、最大グリット電流Igを求める。そして、最大グリッド電流Igのレベルを判定する。具体的には、最大グリッド電流Igが上限値である300μAより小さいか判定を行い、最大グリッド電流Igが300μAより小さい場合にはYES判定となり、その後、S40へ移行する。また、300μA以上である場合にはNO判定となり、その後、S60へ移行する。ここでは、YES判定されたものとして説明を続ける。
【0059】
最大グリッド電流Igが300μAより小さいと判定され、S40に移行した場合、制御装置110は、各チャンネルCHのグリッド電流Igのうち最小グリット電流Igが250μAの定電流になるように、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整する。
【0060】
図8の例では、チャンネルCH1のグリッド電流Igが最小であることから、制御装置110は、チャンネルCH1に対するA/DポートA1の入力電圧をモニタして、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整し、チャネルCH1のグリッド電流Igを250μAに定電流制御する。
【0061】
その後、処理はS50に移行して、帯電電圧の印加が終了したか判定が行われる。帯電電圧の印加が終了していなければ、S50ではNO判定され、処理はS10に移行し、S10から順に上記同様の処理が実行される。
【0062】
そのため、帯電電圧の印加開始後、S20、S30でNO判定されない、すなわち次の2つの条件を満たす限り、S10〜S50の処理が繰り返される状態となり、チャネルCH1のグリッド電流Igが250μAの定電流に制御される状態が続く。このように、本実施形態では、帯電電圧の印加開始後、最小グリッド電流Igが基準値に制御される。そのため、各帯電器50の放電量や、各感光ドラム41に対する帯電量を適正レベル以上に保つことが可能であり、帯電量不足による画質の低下を抑制できる。
【0063】
条件1は、帯電電圧出力回路200の出力電圧Voが8kV以下である。
条件2は、最大グリッド電流Igが上限値である300μA以下である。
【0064】
そして、印字の終了に伴って帯電電圧の印加が完了すると、S50にてNO判定される。S50でNO判定された場合、その後、制御装置110は、帯電電圧出力回路200の出力を停止させる。以上により一連の処理は終了する。
【0065】
ところで、帯電電圧の印加に伴うコロナ放電により、各帯電器50のワイヤ53にはシリカや粉塵が付着することから、各帯電器50のワイヤ53の抵抗値は、印字枚数の増加に伴って大きくなる。
【0066】
そのため、最小グリット電流Igを250μAの定電流に維持しようとすると、印字枚数の増加に伴って、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voは上昇傾向となり(図7参照)、また、250μAに定電流制御されているチャンネル(図8の例では、チャンネルCH1)を除き、グリッド電流Igはいずれも上昇傾向となる(図8参照)。尚、グリッド電流Igの上昇度合いが、チャンネル間で異なるのは、ワイヤ53に対するシリカや塵の付着量が各チャンネル間で異なるからである。
【0067】
本実施形態のグリッド電流制御フローでは、S10で各チャンネルのグリッド電流Igをモニタしつつ、S30にて最大グリッド電流Igが300μAより小さいか判定しており、帯電電圧の印加中に、最大グリッド電流Igが上限値である300μAに達すると、S30でNO判定される。
【0068】
この場合、グリッド電流制御フローは、S10〜S50の処理を順に繰り返す状態から外れ、S60に移行する(S30:NO判定)。そして、S60に移行すると、定電流制御の対象となるチャンネルを、最小グリッド電流Igのチャンネルから最大グリッド電流Igのチャンネルに切り換え、制御装置100は、最大グリット電流Igが300μAの定電流になるように帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整する。
【0069】
図8の例では、チャンネルCH4のグリッド電流Igが最大であることから、定電流制御の対象となるチャンネルがCH1からCH4に切り換えられ、制御装置110は、チャンネルCH4に対するA/DポートA4の入力電圧をモニタして、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整し、チャネルCH4のグリッド電流Igを300μAに定電流制御する。
【0070】
そして、チャンネルの切り換え以降は、S20でNO判定される場合とS70でNO判定される場合を除いて、チャネルCH4のグリッド電流Igを300μAに定電流制御する状態が続く(図8中の期間2)。
【0071】
そのため、全4チャンネルについてグリッド電流Igを上限値以下に抑えることが出来ることから、帯電器50の異常放電、すなわち帯電器50のワイヤ53から感光ドラム41に大きな放電電流が流れることを防止できる。そのため、感光ドラム41の劣化を未然に防止することが可能となる。
【0072】
また、図9に示すように、印字枚数増加に伴う、各帯電器50の負荷の大きさは、ワイヤ53の抵抗値の大きさに比例する。本実施形態では、定電流制御するチャンネルを、印字枚数の増加に伴って、最小グリッド電流のチャンネル、すなわちワイヤ53の抵抗値が大きく帯電器50の負荷が大きなチャンネルから、最大グリッド電流のチャンネル、すなわちワイヤ53の抵抗値が小さく帯電器50の負荷が小さなチャンネルに切り換えている。
【0073】
そのため、チャンネルの切り換えを行わない場合に比べて、図7に示すように、印字枚数の増加に伴う、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voの上昇を抑えることが可能となる。よって、帯電器50が異常放電し難くなるし、出力電圧Voが上限に達するまでの時間を延ばすことが出来るので、印字枚数を増やすことが可能となる。
【0074】
次に、S70では最小グリッド電流Igのレベルを判定する。具体的には、最小グリッド電流Igが下限値である200μA以上か判定が行われる。最大グリッド電流Igを300μAに定電流制御している時に、最小グリッド電流Igが下限値である200μAを下回ると、S70の判定処理にてNO判定されることになり、S90の処理が実行される。
【0075】
S90では、制御装置110により、帯電電圧印加回路200の出力を停止させる処理と、グリッド電流Igが200μAを下回ったチャンネルについてエラーを表示させる処理が実行される。図8の例では、チャンネルCH1がエラー表示の対象となり、例えば、チャンネル1の帯電器50Bについてワイヤ53の清掃を促すメッセージが、図外の表示部に表示される。
【0076】
このようなエラー表示を行うことで、グリッド電流Igが下限値を下回った状態で印刷が行われることを回避できるため、画質の低下を防ぐことが可能となる。
【0077】
また、先に説明したように、印刷枚数の増加に伴って各ワイヤ53の抵抗値は大きくなることから、図8中の期間1、図8中の期間2とも、帯電電圧印加回路200の出力電圧Vo、すなわち各帯電器50の帯電電圧は上昇してゆく。本実施形態では、帯電電圧印加回路200の出力電圧VoのレベルをS20で判定しており、出力電圧Voが上限値である8kVを超えると、S20でNO判定され、処理はS80に移る。
【0078】
S80に移行すると、制御装置110は、A/DポートA0の入力電圧をモニタして、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを8kVに定電圧制御する。そのため、各帯電器50に印加される帯電電圧を上限値である8kV以下に抑えることが可能となり、帯電器50の異常放電を防止できる。
【0079】
尚、制御装置110にて実行される、図5中のS30、S60の処理により、本発明の「グリッド電流制御部」の機能である「前記帯電電圧印加回路の出力調整により、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値、すなわち上記例では300μAとなるように前記最大グリッド電流を定電流制御する」が実現されている。
【0080】
また、制御装置110にて実行される、図5中のS30、S40の処理により、本発明の「グリッド電流制御部」の機能である「制御開始時、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち、値が最小となる最小グリッド電流が前記基準値、すなわち上記例では250μAになるように前記最小グリッド電流を定電流制御する」が実現されている。
【0081】
また、制御装置110にて実行される、図5中のS70、S90の処理により、本発明の「第一報知部」の機能である「前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が前記基準値より小さい第二閾値、すなわち上記例では200μA以下になったスコロトロン帯電器について、エラーを報知する」が実現されている。
【0082】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10ないし図12によって説明する。実施形態2は、実施形態1と同様に、帯電電圧の印加開始後は最小グリッド電流Igを250μAに定電流制御すると共に、印刷枚数の増加に伴って最大グリッド電流Igが上限値に達すると、それ以降は、最大グリッド電流Igを上限値である300μAに制御する。そして、最大グリッド電流Igを300μAに定電流制御している場合に、グリッド電流Igが減少傾向を示すチャンネルの現像電圧Vdを下げる制御を行うものであり、実施形態1のグリッド電流制御フロー(図5に示すフロー)に対して、図10にて一点鎖線枠に示すS100からS140までの処理を追加している。
【0083】
S100〜S140の処理は、S110〜S130を各チャンネルについてそれぞれ実行する、すなわちチャンネル数である4回(n=1〜4)、繰り返すループ処理となっている。尚、図10のS100、S140に示す記号nは、帯電器50のチャンネルを表している。また、S100に記載の「n=1、4、1」は初期値が「1」、最終値が「4」で、1ずつカウントアップすることを意味する。
【0084】
S110では選択されたチャンネルnについて、制御装置110によりグリッド電流Igの大きさが判定される。具体的には、グリッド電流Igが基準値である250μAより小さいか判定される。
【0085】
グリッド電流Igが250μAより小さい場合はYES判定され、S120に移行する。S120では、そのチャンネルについて、現像電圧Vdの目標値を、基準値である400Vから下げる処理が行われる。具体的には、次の(1)式に従って、現像電圧Vdの目標値がグリッド電流Igの低下に追従して下げられる。
【0086】
Vd=400−(250−Ig)×α・・・・・(1)
Igはグリット電流(μA)の大きさを示す。
αは任意の定数である。
【0087】
一方、グリッド電流Igが250μA以上の場合はNO判定され、S130に移行する。S130では、そのチャンネルについて、現像電圧Vdの目標値を基準値である400Vに設定する処理が行われる。
【0088】
これらの処理を行うことで、例えば、図8に示す期間2において、グリッド電流が250μAを下回る2つのチャンネルCH1、CH2は、図11に示すように、現像電圧Vdの目標値が、グリッド電流Igの低下に追従して、下げられることになる。
【0089】
このように実施形態2では、グリッド電流が250μAを下回るチャンネルは現像電圧Vdの目標値を下げるので、感光ドラム側の帯電電圧と現像器側の現像電圧の電位差を一定にできる。そのため、感光ドラム41の露光部分に対して現像剤であるトナーを確実に付着させることが可能となることから、いわゆる印字かぶりなどを未然に防止することができ、画質の低下を抑制できる。
【0090】
また、図12に示すように、図10のグリッド電流制御フローに対して、S123の処理、S125の処理を追加して、現像電圧Vdの目標値が下限値(例えば、300V)を下回っている場合(S123:NO判定の場合)には、そのチャンネルについて、図外の表示部にエラー表示することが好ましい(S125)。このようにすれば、現像電圧Vdが下限値を下回ることがないので、現像剤であるトナーの帯電量が不足することがなく、画質の低下を一層抑制できる。
【0091】
尚、制御装置110にて実行される、図10のS110、S120の処理により、本発明の「現像電圧制御部」の機能である「前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が基準値、すなわち上記例では250μAを下回るスコロトロン帯電器に対向する前記感光体に前記現像剤を供給する前記現像器について、前記現像電圧の前記目標値を下げる」が実現されている。
【0092】
また、制御装置110にて実行される、図12のS123、S125の処理により、本発明の「第二報知部」の機能である「印加される現像電圧が下限値以下になった前記現像器から前記現像剤を供給される前記感光体を帯電させる前記スコロトロン帯電器について、エラーを報知する」が実現されている。
【0093】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
(1)実施形態1では、本願発明の「第一閾値」にグリッド電流Igの上限値を適用した例を示し、本願発明の「第二閾値」にグリッド電流Igの下限値を適用した例を示した。「第一閾値」は基準値以上であって上限値に対応した数値であればよく、例えば、上限値に対して裕度を持たせた数値、すなわち上限値より少しだけ小さい数値に設定してもよい。また、第二閾値は基準値以下であって下限値に対応した数値であればよく、例えば、下限値に対して裕度を持たせた数値、すなわち下限値より少しだけ大きな数値に設定してもよい。
【0095】
(2)実施形態1では、帯電電圧の印加開始後、最大グリッド電流Igが300μAに達するまでの間(図8の期間1)、最小グリッド電流Igを250μAに定電流制御した。帯電電圧印加直後、最大グリッド電流Igが300μAに達するまでの間(図8の期間1)の制御の方法は、上記以外にも、4チャンネルのグリッド電流Igのト―タル値が1mAになるように定電流制御してもよい。
【0096】
(3)実施形態2では、グリッド電流Igが基準値である250μAを下回るチャンネルについて、現像電圧Vdの目標値を下げたが、現像電圧Vdを下げるかどうかを決めるグリッド電流の閾値は、基準値である250μAに限定されるものではなく、例えば、グリッド電流Igが下限値である200μAを下回るチャンネルについて、現像電圧の基準値を下げてもよい。
【0097】
(4)実施形態1〜2では、プリンタ1の構成例として、1つの感光ドラム41に1つの帯電器50を対応させたもの(言い換えれば、各色ごとに感光ドラム41を有するもの)を例示した。本発明は、実施形態1、2で挙げた構成のプリンタ1の他にも、例えば、図13に示すように1つの感光ドラム300に対して複数の帯電器310、320を対応させて配置したもの(感光ドラム300上に各色のトナー像を重ねた後、シートに一括転写するもの)にも適用することが可能である。尚、図13中の符号315は帯電器310と組みをなすプロセスユニット(現像器)、符号325は帯電器320と組をなすプロセスユニットである。
【0098】
(5)実施形態1〜2では、各チャンネルCH1〜4のそれぞれに、グリッド電流検出回路260B、260Y、260M、260Cを設けた例を示したが、チャンネル間でグリッド電流検出回路を共通化してもよい。この場合、各チャンネル間でグリッド電流を、時分割して検出するとよい。
【符号の説明】
【0099】
1…プリンタ
41B、41Y、41M、41C(総称して41)…感光ドラム(本発明の「感光体」の一例)
50B、50Y、50M、50C(総称して50)…スコロトロン帯電器
45B、45Y、45M、45C(総称して45)…現像ローラ(本発明の「現像器」の一例)
53…ワイヤ
55…グリッド電極
110…制御装置(本発明の「グリッド電流制御部」、本発明の「第一報知部」、本発明の「現像電圧制御部」、本発明の「第二報知部」の一例)
200…帯電電圧印加回路
260B、260Y、260M、260C(総称して260)…グリッド電流検出回路(本発明の「電流検出部」の一例)
270B、270Y、270M、270C(総称して270)…現像電圧印加回路
280B、280Y、280M、280C(総称して280)…現像電圧検出回路
Ig…グリッド電流
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーレーザプリンタ等の多色の画像形成装置には、各現像剤の色数(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)と同じ数の帯電器が設けられている ものがある。下記特許文献1には、この種の画像形成装置において、各帯電器に高電圧を印加する高圧電源ユニット(電圧印加回路)を共通化することで、部品点数の削減、装置の小型化を図ったものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−142483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように高圧電源ユニットを共通化した場合、各帯電器に印加する電圧レベルを個々に調整できなくなる。一方、各帯電器に設けられたワイヤ汚れは必ずしも均一にはならない。そのため、電圧電源ユニットを共通化した場合、各帯電器の放電量にばらつきが発生し、異常放電が発生することがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電圧印加回路の共通化した画像形成装置において、異常放電を抑制することを目的とする。
【0005】
本明細書によって開示される画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電させる複数のスコロトロン帯電器と、各前記スコロトロン帯電器が共通接続され、各前記スコロトロン帯電器に電圧を印加する帯電電圧印加回路と、各前記スコロトロン帯電器に設けられた各ワイヤと、各前記スコロトロン帯電器に設けられた各グリッド電極と、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流を検出する電流検出部と、前記帯電電圧印加回路の出力調整により、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値となるように、前記最大グリッド電流を定電流制御するグリッド電流制御部とを備える。
尚、第一閾値とは、グリッド電流の上限に対応する閾値を意味し、グリッド電流の上限値や、上限値に対して裕度をもたせた数値を用いることが出来る。
【0006】
本明細書によって開示される画像形成装置では、最大グリッド電流が第一閾値に定電流制御されるので、帯電器の異常放電、すなわち帯電器のワイヤから感光体に大きな放電電流が流れることを防止できる。そのため、感光体の劣化を未然に防止することが可能となる。
【0007】
上記画像形成装置では、以下とすることが好ましい。
・前記グリッド電流制御部は、制御開始時、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち、値が最小となる最小グリッド電流が前記基準値になるように前記最小グリッド電流を定電流制御し、前記最大グリッド電流が前記第一閾値に達した以降は、前記最大グリッド電流が前記第一閾値になるように前記最大グリッド電流を定電流制御する。
【0008】
・前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が前記基準値より小さい第二閾値以下になったスコロトロン帯電器について、エラーを報知する第一報知部を備える。尚、第二閾値とは、グリッド電流の下限に対応する閾値を意味し、グリッド電流の下限値や、下限値に対して裕度をもたせた数値を用いることが出来る。
【0009】
・複数設けられる各前記感光体に対してそれぞれ各色の現像剤を供給する各現像器と、前記各現像器に対して現像電圧を印加する現像電圧印加回路と、前記各現像器の現像電圧が目標値になるように、前記現像電圧印加回路を制御する現像電圧制御部とを備え、
前記現像電圧制御部は、前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が基準値を下回るスコロトロン帯電器に対向する前記感光体に前記現像剤を供給する前記現像器について、前記現像電圧の前記目標値を下げる制御を行う。
【0010】
・印加される現像電圧が下限値以下になった前記現像器から前記現像剤を供給される前記感光体を帯電させる前記スコロトロン帯電器について、エラーを報知する第二報知部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、電圧印加回路を共通化した画像形成装置において、異常放電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1に係るプリンタの内部構成を表す概略断面図
【図2】プロセスユニットの構造を模式的に示した図
【図3】帯電器の構造を模式的に示した図
【図4】高圧電源装置の電気的構成を示すブロック図
【図5】グリッド電流制御フローを示す図
【図6】プリンタの電気的構成を示すブロック図
【図7】印字枚数と帯電電圧の関係を示すグラフ
【図8】印字枚数と各チャンネルのグリッド電流の関係を示すグラフ
【図9】印字枚数と帯電器の負荷の大きさの関係を示すグラフ
【図10】実施形態2のグリッド電流制御フローを示す図
【図11】印字枚数と現像電圧の目標値の関係を示すグラフ
【図12】グリッド電流制御の別フローを示す図
【図13】プリンタの他の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
【0014】
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のプリンタ1(本発明の「画像形成装置」の一例)の内部構成を表す概略断面図である。以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は各部の符号にB(ブラック)、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),の添え字を付し、区別しない場合は添え字を省略する。
【0015】
プリンタ1は、給紙部3、画像形成部5、搬送機構7、定着部9、ベルトクリーニング機構20および高圧電源装置100を含む構成である。給紙部3は、プリンタ1の最下部に設けられており、シート(用紙、OHPシートなど)15を収容するトレイ17と、ピックアップローラ19とを備える。トレイ17に収容されたシート15は、ピックアップローラ19により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ11,レジストレーションローラ12を介して搬送機構7に送られる。
【0016】
搬送機構7は、シート15を搬送するものであり、プリンタ1内において給紙部3の上側に設置されている。搬送機構7は、駆動ローラ31、従動ローラ32、およびベルト34を含み、ベルト34は、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に架け渡されている。駆動ローラ31が回動すると、ベルト34は、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cと対向する側の表面が、図1中の右方向から左方向へ移動する。これにより、レジストレーションローラ12から送られてきたシート15が、画像形成部5下へと搬送される。
【0017】
また、ベルト34には、4つの感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに対応して、4つの転写ローラ33B、33Y、33M、33Cが設けられている。各転写ローラ33は、ベルト34を間に挟みつつ各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに対して向かい合う位置に配置されている。
【0018】
画像形成部5は4個のプロセスユニット40B、40Y、40M、40Cおよび4個の露光装置49B、49Y、49M、49Cを含む。各プロセスユニット40B、40Y、40M、40Cは、シート15の搬送方向(図1の左右方向)に一列状に配置されている。
【0019】
各プロセスユニット40は同一構造であり、各色の感光ドラム(本発明の「感光体」の一例)41B、41Y、41M、41C、現像剤である各色のトナー(例えば正帯電性の非磁性1成分トナー)を収容するトナーケース43、現像ローラ(本発明の「現像器」の一例)45及び帯電器50B、50Y、50M、50Cを含む構造となっている。
【0020】
各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cは、例えばアルミニウム製の基材上に、正帯電性の感光層が形成されたものであり、アルミニウム製の基材がプリンタ1のグラウンドに接地されている。
【0021】
現像ローラ45は、トナーケース43の下部にて供給ローラ46と対向配置されており、両間をトナーが通過するときに回転に伴う摩擦によりトナーを正極性に摩擦帯電させ、均一な薄層として感光ドラム41B、41Y、41M、41C上へ供給する機能を果たす。
【0022】
各帯電器50B、50Y、50M、50Cは、スコロトロン型の帯電器であり、図2、図3に示すように、シールドケース51、ワイヤ53及び金属製のグリッド電極55を有する。シールドケース51は、感光ドラム41の回転軸方向に長い角筒型をしている。シールドケース51のうち、感光ドラム41との対向面は放電口52として開口している。
【0023】
ワイヤ53は例えばタングステン線からなる。ワイヤ53は、シールドケース51内において回転軸方向(図3の左右方向)に張り渡されており、後述する帯電電圧印加回路200により高電圧が印加される。ワイヤ53は高電圧の印加により、シールドケース51内においてコロナ放電を生じさせる。そして、コロナ放電により生じたイオンが放電口52から感光ドラム41側に放電電流として流れることで、感光ドラム41の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0024】
そして、シールドケース51の放電口52には、スリットや透孔を有する板状のグリッド電極55が取り付けられている。このグリッド電極55に電圧を加え、その加えた電圧を制御することで、感光ドラム41の帯電電圧を制御することが可能となっている。
【0025】
また、帯電器50B、50Y、50M、50Cにはワイヤクリーナ57が設けられている。ワイヤクリーナ57はワイヤ53に沿って摺動自在な構成となっている。このワイヤクリーナ57を、オペレータがワイヤ53に沿って往復させることで、ワイヤ53の汚れを落とすことが出来る。
【0026】
各露光装置49B、49Y、49M、49Cは、例えば、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの回転軸方向に沿って一列状に並んだ複数の発光素子(例えばLEDやレーザ光源)を有し、外部より入力される画像データに応じて発光することにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面に静電潜像を形成する機能を果たす。
【0027】
上記のように構成されたレーザプリンタ1による一連の画像形成処理について簡単に説明すると、プリンタ1は印刷データDを受信すると(図6参照)、印刷処理を開始する。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面は、その回転に伴って、各帯電器50B、50Y、50M、50Cにより一様に正帯電される。そして、各露光装置49から各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cに向けてレーザ光がそれぞれ照射される。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面には、印刷データに応じた所定の静電潜像が形成、すなわち一様に正帯電された感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面のうち、レーザ光が照射された部分は電位が下がる。
【0028】
次いで、現像ローラ45の回転により、現像ローラ45上に担持されかつ正帯電されているトナーが、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面上に形成される静電潜像に供給される。これにより、各感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの静電潜像は、可視像化され、感光ドラム41B、41Y、41M、41Cの表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0029】
また、上記したトナー像を形成するための処理と並行して、シート15を搬送する処理が行われる。すなわち、ピックアップローラ19の回動により、トレイ17からシート15が一枚ずつ用紙搬送経路Yへと送り出される。用紙搬送経路Yに送り出されたシート15は、搬送ローラ11、ベルト34により、転写位置(感光ドラム41と転写ローラ33とが接触する点)に運ばれる。
【0030】
すると、この転写位置を通るときに、各転写ローラ33に印加される転写バイアスによって、各感光ドラム41の表面上に担持された各色のトナー像(現像剤像)がシート15の表面に順次、重畳転写される。かくして、シート15上には、カラーのトナー像(現像剤像)が形成される。その後、ベルト34の後方に設けられた定着部9を通過するときに、転写されたトナー像(現像剤像)は熱定着され、シート15は排紙トレイ60上に排紙される。
【0031】
2.高圧電源装置100の構成
高圧電源装置100は、図4に示すように、帯電電圧印加回路200、PWM信号平滑回路210、帯電電圧検出回路240、定電圧回路250B、250Y、250M、250C、グリッド電流検出部260B、260Y、260M、260C、現像電圧印加回路270B、270Y、270M、270C、現像電圧検出回路280B、280Y、280M、280C及び制御装置110を備えている。
【0032】
PWM信号平滑回路210は、抵抗とコンデンサから構成された積分回路であり、制御装置110のPWMポートP0から出力されるPWM信号S0を平滑して、帯電電圧印加回路200に設けられたトランジスタTr1のベースに出力するものである。
【0033】
帯電電圧印加回路200は、DC24Vの入力電圧から6kV〜8kV程度の高電圧を生成して、各帯電器50に印加する機能を果たすものである。本実施形態では、帯電電圧印加回路200に自励式のフライバックコンバータ(RCC)を用いており、帯電電圧印加回路200は、トランス201と、トランスの二次側に設けられた平滑回路203と、トランス201の一次側に設けられたトランジスタTr1と、帰還コイル205を備えてなる。
【0034】
トランジスタTR1は、トランス201をスイッチングするものであり、エミッタをグランドに接続し、コレクタをトランス201の一次側の巻き線に接続している。そして、ベースには、帰還コイル205を介してPWM信号平滑回路210が接続されている。
【0035】
帯電電圧印加回路200の出力ラインLoには、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53が共通接続されている。これにより、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voが各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53に印加される構成となっている。
【0036】
帯電電圧検出回路240は、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを検出するものであり、トランス201の一次側に設けられた補助巻線241と、抵抗及びコンデンサからなる積分回路243から構成されている。この帯電電圧検出回路240は、制御装置110のA/DポートA0に接続されており、制御装置110に対して、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voのデータが取り込まれる構成となっている。
【0037】
また、図4に示すように、この実施形態では各帯電器50B、50Y、50M、50Cごとに接続ラインL1〜L4がそれぞれ設けられており、各帯電器50B、50Y、50M、50Cの各グリッド電極55が、各接続ラインL1〜L4を通じてグラウンドに接続されている。そして、各接続ラインL1〜L4上には定電圧回路250とグリッド電流検出部260がそれぞれ設けられている。
【0038】
定電圧回路250B、250Y、250M、250Cは直列接続された3つのツェナーダイオードから構成されており、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電極55の電圧の値を、ツェナーダイオード1個あたりの降伏電圧を3倍した電圧値(例えば、250V×3)に定電圧化する。
【0039】
各グリッド電流検出部260B、260Y、260M、260Yは、各定電圧回路250B、250Y、250M、250Cと直列接続された各抵抗R1〜R4からなる。そして、各抵抗R1〜R4のうち各定電圧回路250B、250Y、250M、250Cとの接続点は制御装置110に設けられた各A/DポートA1〜A4にそれぞれ信号線を介して接続されている。以上のことから、各接続ラインL1〜L4に流れる電流(各グリッド電流Ig)の大きさに比例した電圧が、各A/DポートA1〜A4に入力される。そのため、各A/DポートA1〜A4の入力電圧のレベルを読み取ることで、制御装置110において、各帯電器50B、50Y、50M、50Cのグリッド電流Igの大きさを検出できる構成となっている。
【0040】
次に、現像電圧印加回路270B、270Y、270M、270Cは、各現像ローラ45B、45Y、45M、45Cに現像電圧Vd1〜Vd4を印加する機能を果たすものであり、各現像ローラ45B、45Y、45M、45Cに対応して個別に設けられている。
【0041】
各現像電圧印加回路270B〜270は、帯電電圧印加回路200の出力ラインLoに共通接続されている。以下、現像電圧印加回路270Bを代表させて回路説明を行う。現像電圧印加回路270Bは、抵抗Raと制御トランジスタTr2とを備える。抵抗Raは一端を帯電電圧印加回路200の出力ラインLoに接続している。
【0042】
制御トランジスタTrは、NPNトランジタであり、コレクタを抵抗Raの他端に接続し、エミッタをグラウンドに接続している。また、制御トランジスタTrのベースは、信号線を介して、制御装置110のPWMポートP1に接続されている。そして、信号線には、コンデンサCと抵抗Rからなる積分回路が設けられており、制御装置110のPWMポートP1から出力されるPWM信号を平滑して制御トランジスタTr2のベースに印加する構成となっている。
【0043】
以上のことから、制御トランジスタTr2のベースに印加する電圧をPWM信号により調整することで、現像ローラ45Bに印加される現像電圧を制御できる。尚、印加される現像電圧は、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voから抵抗Raによる電圧降下分を差し引いた電圧となる。
【0044】
また、現像電圧印加回路270Y、270M、270Cも、現像電圧印加回路270Bと同じく抵抗Raと制御トランジスタTr2から構成されていて、制御トランジスタTr2のベースに印加する電圧をPWM信号により調整することで、各現像ローラ45Y、45M、45Cに印加される現像電圧を制御できる。
【0045】
また、各現像電圧印加回路270B〜270Cには、図4に示すように、出力電圧(現像電圧)Vd1〜Vd4を検出する現像電圧検出回路280B〜280Cが設けられている。現像電圧検出回路280B〜280Cは、直列接続された抵抗Rb、Rcにより構成されており、現像電圧印加回路270B〜270Cの制御トランジスタTrに並列接続されている。
【0046】
抵抗Rb、Rcの中間接続点には、各現像電圧印加回路270の出力電圧Vd1〜Vd4を抵抗比に従って分圧した電圧が発生する。そして、制御装置110の各A/DポートA5〜A8は、信号線を通じて、各現像電圧検出回路280B〜280Cを構成する抵抗Rb、Rcの中間接続点に接続されている。
【0047】
従って、各A/DポートA5〜A8の電圧レベルから、各現像電圧印加回路270B〜270Cの出力電圧Vd1〜Vd4を検出できるようになっている。
【0048】
制御装置110は、帯電器50のグリッド電極55に流れるグリッド電流Igを制御する機能や、各現像ローラ45Y、45M、45Cに印加される現像電圧Vd1〜Vd4を制御する機能を果たすものであり、5つのPWMポートP0〜P4と、9つのA/DポートA0〜A8を備える。
【0049】
尚、グリッド電流Igの制御は、PWMポートP0からPWM信号S0を出力して帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整することにより行われる。また、各現像電圧Vd1〜Vd4の制御は、PWMポートP1〜P4から各現像電圧印加回路270B〜270CにPWM信号を出力することにより行われる。
【0050】
制御装置110はCPUを内蔵して構成すること、特定用途向け集積回路(ASIC)により構成することが可能である。制御装置110は、不揮発性の記憶部(図略)を内蔵しており、そこに、次に説明するグリッド電流制御フローを実行するための各種データ(例えば、以下(a)〜(d)のデータ)を記憶させている。
【0051】
(a)グリッド電流Igの基準値のデータ(250μA)
(b)グリッド電流Igの上限値のデータ(300μA)
(c)グリッド電流Igの下限値のデータ(200μA)
(d)帯電電圧印加回路200の出力電圧Voの上限値のデータ(8kV)
【0052】
尚、グリッド電流Igは、帯電器50から感光ドラム41に流れる放電電流と概ね比例関係にあることが知られており、感光ドラム41に流れる放電電流のレベルを図る指標となる。すなわち、グリッド電流Igが、基準値である250μA流れていれば、感光ドラム41に流れる放電電流が基準レベルとなり、感光ドラム41の帯電量が画質を保つための適正レベルになる。
【0053】
また、グリッド電流Igが上限値である300μAから下限値である200μAの範囲にあれば、感光ドラム41に流れる放電電流の大きさも概ね許容範囲に収まる関係となっている。尚、グリッド電流Igの上限値である300μAが、本発明の「第一閾値」の一例であり、グリッド電流Igの下限値である200μAが、本発明の「第二閾値」の一例である。
【0054】
次に、図5を参照して制御装置110により実行されるグリッド電流制御フローについて説明を行う。尚、以下の説明において各チャンネルCHとは、各帯電器50B、50Y、50M、50Cを指すものとし、この例では帯電器50BをCH1、帯電器50YをCH2、帯電器50MをCH3、帯電器50CをCH4とする。
【0055】
図6に示すように、ホストコンピュータなどの上位装置から印刷データDが出力されると、その印刷データDはインターフェースIFを通じてプリンタ1にて受信される。すると、プリンタ1の全体を制御統括する主制御部80から高圧電源装置100の制御装置110に対して、印刷処理開始指令が与えられる。
【0056】
これにより、制御装置110は図5のグリッド電流制御フローをスタートさせ、帯電電圧印加回路20を介して各帯電器50B、50Y、50M、50Cのワイヤ53に帯電電圧を印加する。尚、帯電電圧の初期目標は、例えば「6kV」である。そして、帯電電圧の印加に続いて、制御装置110は、各A/DポートA1〜A4の入力電圧から各チャンネルCHのグリッド電流Igを算出し、モニタする(S10)。
【0057】
その後、制御装置110は、A/DポートA0の入力値(電圧検出回路240にて検出される電圧値)に基づいて、帯電電圧印加回路の出力電圧Voを検出し、出力電圧Voのレベルを判定する。具体的には、出力電圧Voが上限値である8kVより小さいか判定を行い、出力電圧Voが上限値である8kVより小さい場合にはYES判定となり、その後S30へ移行する。また、8kV以上である場合には、NO判定となり、その後、S90へ移行する。
【0058】
出力電圧Voが8kVより小さいと判定され、S30に移行した場合、制御装置110は、S10でモニタした各チャンネルCHのグリッド電流Igの電流値を比較して、最大グリット電流Igを求める。そして、最大グリッド電流Igのレベルを判定する。具体的には、最大グリッド電流Igが上限値である300μAより小さいか判定を行い、最大グリッド電流Igが300μAより小さい場合にはYES判定となり、その後、S40へ移行する。また、300μA以上である場合にはNO判定となり、その後、S60へ移行する。ここでは、YES判定されたものとして説明を続ける。
【0059】
最大グリッド電流Igが300μAより小さいと判定され、S40に移行した場合、制御装置110は、各チャンネルCHのグリッド電流Igのうち最小グリット電流Igが250μAの定電流になるように、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整する。
【0060】
図8の例では、チャンネルCH1のグリッド電流Igが最小であることから、制御装置110は、チャンネルCH1に対するA/DポートA1の入力電圧をモニタして、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整し、チャネルCH1のグリッド電流Igを250μAに定電流制御する。
【0061】
その後、処理はS50に移行して、帯電電圧の印加が終了したか判定が行われる。帯電電圧の印加が終了していなければ、S50ではNO判定され、処理はS10に移行し、S10から順に上記同様の処理が実行される。
【0062】
そのため、帯電電圧の印加開始後、S20、S30でNO判定されない、すなわち次の2つの条件を満たす限り、S10〜S50の処理が繰り返される状態となり、チャネルCH1のグリッド電流Igが250μAの定電流に制御される状態が続く。このように、本実施形態では、帯電電圧の印加開始後、最小グリッド電流Igが基準値に制御される。そのため、各帯電器50の放電量や、各感光ドラム41に対する帯電量を適正レベル以上に保つことが可能であり、帯電量不足による画質の低下を抑制できる。
【0063】
条件1は、帯電電圧出力回路200の出力電圧Voが8kV以下である。
条件2は、最大グリッド電流Igが上限値である300μA以下である。
【0064】
そして、印字の終了に伴って帯電電圧の印加が完了すると、S50にてNO判定される。S50でNO判定された場合、その後、制御装置110は、帯電電圧出力回路200の出力を停止させる。以上により一連の処理は終了する。
【0065】
ところで、帯電電圧の印加に伴うコロナ放電により、各帯電器50のワイヤ53にはシリカや粉塵が付着することから、各帯電器50のワイヤ53の抵抗値は、印字枚数の増加に伴って大きくなる。
【0066】
そのため、最小グリット電流Igを250μAの定電流に維持しようとすると、印字枚数の増加に伴って、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voは上昇傾向となり(図7参照)、また、250μAに定電流制御されているチャンネル(図8の例では、チャンネルCH1)を除き、グリッド電流Igはいずれも上昇傾向となる(図8参照)。尚、グリッド電流Igの上昇度合いが、チャンネル間で異なるのは、ワイヤ53に対するシリカや塵の付着量が各チャンネル間で異なるからである。
【0067】
本実施形態のグリッド電流制御フローでは、S10で各チャンネルのグリッド電流Igをモニタしつつ、S30にて最大グリッド電流Igが300μAより小さいか判定しており、帯電電圧の印加中に、最大グリッド電流Igが上限値である300μAに達すると、S30でNO判定される。
【0068】
この場合、グリッド電流制御フローは、S10〜S50の処理を順に繰り返す状態から外れ、S60に移行する(S30:NO判定)。そして、S60に移行すると、定電流制御の対象となるチャンネルを、最小グリッド電流Igのチャンネルから最大グリッド電流Igのチャンネルに切り換え、制御装置100は、最大グリット電流Igが300μAの定電流になるように帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整する。
【0069】
図8の例では、チャンネルCH4のグリッド電流Igが最大であることから、定電流制御の対象となるチャンネルがCH1からCH4に切り換えられ、制御装置110は、チャンネルCH4に対するA/DポートA4の入力電圧をモニタして、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを調整し、チャネルCH4のグリッド電流Igを300μAに定電流制御する。
【0070】
そして、チャンネルの切り換え以降は、S20でNO判定される場合とS70でNO判定される場合を除いて、チャネルCH4のグリッド電流Igを300μAに定電流制御する状態が続く(図8中の期間2)。
【0071】
そのため、全4チャンネルについてグリッド電流Igを上限値以下に抑えることが出来ることから、帯電器50の異常放電、すなわち帯電器50のワイヤ53から感光ドラム41に大きな放電電流が流れることを防止できる。そのため、感光ドラム41の劣化を未然に防止することが可能となる。
【0072】
また、図9に示すように、印字枚数増加に伴う、各帯電器50の負荷の大きさは、ワイヤ53の抵抗値の大きさに比例する。本実施形態では、定電流制御するチャンネルを、印字枚数の増加に伴って、最小グリッド電流のチャンネル、すなわちワイヤ53の抵抗値が大きく帯電器50の負荷が大きなチャンネルから、最大グリッド電流のチャンネル、すなわちワイヤ53の抵抗値が小さく帯電器50の負荷が小さなチャンネルに切り換えている。
【0073】
そのため、チャンネルの切り換えを行わない場合に比べて、図7に示すように、印字枚数の増加に伴う、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voの上昇を抑えることが可能となる。よって、帯電器50が異常放電し難くなるし、出力電圧Voが上限に達するまでの時間を延ばすことが出来るので、印字枚数を増やすことが可能となる。
【0074】
次に、S70では最小グリッド電流Igのレベルを判定する。具体的には、最小グリッド電流Igが下限値である200μA以上か判定が行われる。最大グリッド電流Igを300μAに定電流制御している時に、最小グリッド電流Igが下限値である200μAを下回ると、S70の判定処理にてNO判定されることになり、S90の処理が実行される。
【0075】
S90では、制御装置110により、帯電電圧印加回路200の出力を停止させる処理と、グリッド電流Igが200μAを下回ったチャンネルについてエラーを表示させる処理が実行される。図8の例では、チャンネルCH1がエラー表示の対象となり、例えば、チャンネル1の帯電器50Bについてワイヤ53の清掃を促すメッセージが、図外の表示部に表示される。
【0076】
このようなエラー表示を行うことで、グリッド電流Igが下限値を下回った状態で印刷が行われることを回避できるため、画質の低下を防ぐことが可能となる。
【0077】
また、先に説明したように、印刷枚数の増加に伴って各ワイヤ53の抵抗値は大きくなることから、図8中の期間1、図8中の期間2とも、帯電電圧印加回路200の出力電圧Vo、すなわち各帯電器50の帯電電圧は上昇してゆく。本実施形態では、帯電電圧印加回路200の出力電圧VoのレベルをS20で判定しており、出力電圧Voが上限値である8kVを超えると、S20でNO判定され、処理はS80に移る。
【0078】
S80に移行すると、制御装置110は、A/DポートA0の入力電圧をモニタして、帯電電圧印加回路200の出力電圧Voを8kVに定電圧制御する。そのため、各帯電器50に印加される帯電電圧を上限値である8kV以下に抑えることが可能となり、帯電器50の異常放電を防止できる。
【0079】
尚、制御装置110にて実行される、図5中のS30、S60の処理により、本発明の「グリッド電流制御部」の機能である「前記帯電電圧印加回路の出力調整により、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値、すなわち上記例では300μAとなるように前記最大グリッド電流を定電流制御する」が実現されている。
【0080】
また、制御装置110にて実行される、図5中のS30、S40の処理により、本発明の「グリッド電流制御部」の機能である「制御開始時、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち、値が最小となる最小グリッド電流が前記基準値、すなわち上記例では250μAになるように前記最小グリッド電流を定電流制御する」が実現されている。
【0081】
また、制御装置110にて実行される、図5中のS70、S90の処理により、本発明の「第一報知部」の機能である「前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が前記基準値より小さい第二閾値、すなわち上記例では200μA以下になったスコロトロン帯電器について、エラーを報知する」が実現されている。
【0082】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10ないし図12によって説明する。実施形態2は、実施形態1と同様に、帯電電圧の印加開始後は最小グリッド電流Igを250μAに定電流制御すると共に、印刷枚数の増加に伴って最大グリッド電流Igが上限値に達すると、それ以降は、最大グリッド電流Igを上限値である300μAに制御する。そして、最大グリッド電流Igを300μAに定電流制御している場合に、グリッド電流Igが減少傾向を示すチャンネルの現像電圧Vdを下げる制御を行うものであり、実施形態1のグリッド電流制御フロー(図5に示すフロー)に対して、図10にて一点鎖線枠に示すS100からS140までの処理を追加している。
【0083】
S100〜S140の処理は、S110〜S130を各チャンネルについてそれぞれ実行する、すなわちチャンネル数である4回(n=1〜4)、繰り返すループ処理となっている。尚、図10のS100、S140に示す記号nは、帯電器50のチャンネルを表している。また、S100に記載の「n=1、4、1」は初期値が「1」、最終値が「4」で、1ずつカウントアップすることを意味する。
【0084】
S110では選択されたチャンネルnについて、制御装置110によりグリッド電流Igの大きさが判定される。具体的には、グリッド電流Igが基準値である250μAより小さいか判定される。
【0085】
グリッド電流Igが250μAより小さい場合はYES判定され、S120に移行する。S120では、そのチャンネルについて、現像電圧Vdの目標値を、基準値である400Vから下げる処理が行われる。具体的には、次の(1)式に従って、現像電圧Vdの目標値がグリッド電流Igの低下に追従して下げられる。
【0086】
Vd=400−(250−Ig)×α・・・・・(1)
Igはグリット電流(μA)の大きさを示す。
αは任意の定数である。
【0087】
一方、グリッド電流Igが250μA以上の場合はNO判定され、S130に移行する。S130では、そのチャンネルについて、現像電圧Vdの目標値を基準値である400Vに設定する処理が行われる。
【0088】
これらの処理を行うことで、例えば、図8に示す期間2において、グリッド電流が250μAを下回る2つのチャンネルCH1、CH2は、図11に示すように、現像電圧Vdの目標値が、グリッド電流Igの低下に追従して、下げられることになる。
【0089】
このように実施形態2では、グリッド電流が250μAを下回るチャンネルは現像電圧Vdの目標値を下げるので、感光ドラム側の帯電電圧と現像器側の現像電圧の電位差を一定にできる。そのため、感光ドラム41の露光部分に対して現像剤であるトナーを確実に付着させることが可能となることから、いわゆる印字かぶりなどを未然に防止することができ、画質の低下を抑制できる。
【0090】
また、図12に示すように、図10のグリッド電流制御フローに対して、S123の処理、S125の処理を追加して、現像電圧Vdの目標値が下限値(例えば、300V)を下回っている場合(S123:NO判定の場合)には、そのチャンネルについて、図外の表示部にエラー表示することが好ましい(S125)。このようにすれば、現像電圧Vdが下限値を下回ることがないので、現像剤であるトナーの帯電量が不足することがなく、画質の低下を一層抑制できる。
【0091】
尚、制御装置110にて実行される、図10のS110、S120の処理により、本発明の「現像電圧制御部」の機能である「前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が基準値、すなわち上記例では250μAを下回るスコロトロン帯電器に対向する前記感光体に前記現像剤を供給する前記現像器について、前記現像電圧の前記目標値を下げる」が実現されている。
【0092】
また、制御装置110にて実行される、図12のS123、S125の処理により、本発明の「第二報知部」の機能である「印加される現像電圧が下限値以下になった前記現像器から前記現像剤を供給される前記感光体を帯電させる前記スコロトロン帯電器について、エラーを報知する」が実現されている。
【0093】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
(1)実施形態1では、本願発明の「第一閾値」にグリッド電流Igの上限値を適用した例を示し、本願発明の「第二閾値」にグリッド電流Igの下限値を適用した例を示した。「第一閾値」は基準値以上であって上限値に対応した数値であればよく、例えば、上限値に対して裕度を持たせた数値、すなわち上限値より少しだけ小さい数値に設定してもよい。また、第二閾値は基準値以下であって下限値に対応した数値であればよく、例えば、下限値に対して裕度を持たせた数値、すなわち下限値より少しだけ大きな数値に設定してもよい。
【0095】
(2)実施形態1では、帯電電圧の印加開始後、最大グリッド電流Igが300μAに達するまでの間(図8の期間1)、最小グリッド電流Igを250μAに定電流制御した。帯電電圧印加直後、最大グリッド電流Igが300μAに達するまでの間(図8の期間1)の制御の方法は、上記以外にも、4チャンネルのグリッド電流Igのト―タル値が1mAになるように定電流制御してもよい。
【0096】
(3)実施形態2では、グリッド電流Igが基準値である250μAを下回るチャンネルについて、現像電圧Vdの目標値を下げたが、現像電圧Vdを下げるかどうかを決めるグリッド電流の閾値は、基準値である250μAに限定されるものではなく、例えば、グリッド電流Igが下限値である200μAを下回るチャンネルについて、現像電圧の基準値を下げてもよい。
【0097】
(4)実施形態1〜2では、プリンタ1の構成例として、1つの感光ドラム41に1つの帯電器50を対応させたもの(言い換えれば、各色ごとに感光ドラム41を有するもの)を例示した。本発明は、実施形態1、2で挙げた構成のプリンタ1の他にも、例えば、図13に示すように1つの感光ドラム300に対して複数の帯電器310、320を対応させて配置したもの(感光ドラム300上に各色のトナー像を重ねた後、シートに一括転写するもの)にも適用することが可能である。尚、図13中の符号315は帯電器310と組みをなすプロセスユニット(現像器)、符号325は帯電器320と組をなすプロセスユニットである。
【0098】
(5)実施形態1〜2では、各チャンネルCH1〜4のそれぞれに、グリッド電流検出回路260B、260Y、260M、260Cを設けた例を示したが、チャンネル間でグリッド電流検出回路を共通化してもよい。この場合、各チャンネル間でグリッド電流を、時分割して検出するとよい。
【符号の説明】
【0099】
1…プリンタ
41B、41Y、41M、41C(総称して41)…感光ドラム(本発明の「感光体」の一例)
50B、50Y、50M、50C(総称して50)…スコロトロン帯電器
45B、45Y、45M、45C(総称して45)…現像ローラ(本発明の「現像器」の一例)
53…ワイヤ
55…グリッド電極
110…制御装置(本発明の「グリッド電流制御部」、本発明の「第一報知部」、本発明の「現像電圧制御部」、本発明の「第二報知部」の一例)
200…帯電電圧印加回路
260B、260Y、260M、260C(総称して260)…グリッド電流検出回路(本発明の「電流検出部」の一例)
270B、270Y、270M、270C(総称して270)…現像電圧印加回路
280B、280Y、280M、280C(総称して280)…現像電圧検出回路
Ig…グリッド電流
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を帯電させる複数のスコロトロン帯電器と、
各前記スコロトロン帯電器が共通接続され、各前記スコロトロン帯電器に電圧を印加する帯電電圧印加回路と、
各前記スコロトロン帯電器に設けられた各ワイヤと、
各前記スコロトロン帯電器に設けられた各グリッド電極と、
前記各グリッド電極55に流れるグリッド電流を検出する電流検出部と、
前記帯電電圧印加回路の出力調整により、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値となるように、前記最大グリッド電流を定電流制御するグリッド電流制御部とを備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記グリッド電流制御部は、
制御開始時、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち、値が最小となる最小グリッド電流が前記基準値になるように前記最小グリッド電流を定電流制御し、
前記最大グリッド電流が前記第一閾値に達した以降は、前記最大グリッド電流が前記第一閾値になるように前記最大グリッド電流を定電流制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が前記基準値より小さい第二閾値以下になったスコロトロン帯電器について、エラーを報知する第一報知部を備える請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数設けられる各前記感光体に対してそれぞれ各色の現像剤を供給する各現像器と、
前記各現像器に対して現像電圧を印加する現像電圧印加回路と、
前記各現像器の現像電圧が目標値になるように、前記現像電圧印加回路を制御する現像電圧制御部とを備え、
前記現像電圧制御部は、前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が基準値を下回るスコロトロン帯電器に対向する前記感光体に前記現像剤を供給する前記現像器について、前記現像電圧の前記目標値を下げる制御を行う請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
印加される現像電圧が下限値以下になった前記現像器から前記現像剤を供給される前記感光体を帯電させる前記スコロトロン帯電器について、エラーを報知する第二報知部を備える請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を帯電させる複数のスコロトロン帯電器と、
各前記スコロトロン帯電器が共通接続され、各前記スコロトロン帯電器に電圧を印加する帯電電圧印加回路と、
各前記スコロトロン帯電器に設けられた各ワイヤと、
各前記スコロトロン帯電器に設けられた各グリッド電極と、
前記各グリッド電極55に流れるグリッド電流を検出する電流検出部と、
前記帯電電圧印加回路の出力調整により、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち値が最大となる最大グリッド電流が基準値以上の第一閾値となるように、前記最大グリッド電流を定電流制御するグリッド電流制御部とを備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記グリッド電流制御部は、
制御開始時、前記各グリッド電極に流れるグリッド電流のうち、値が最小となる最小グリッド電流が前記基準値になるように前記最小グリッド電流を定電流制御し、
前記最大グリッド電流が前記第一閾値に達した以降は、前記最大グリッド電流が前記第一閾値になるように前記最大グリッド電流を定電流制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が前記基準値より小さい第二閾値以下になったスコロトロン帯電器について、エラーを報知する第一報知部を備える請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数設けられる各前記感光体に対してそれぞれ各色の現像剤を供給する各現像器と、
前記各現像器に対して現像電圧を印加する現像電圧印加回路と、
前記各現像器の現像電圧が目標値になるように、前記現像電圧印加回路を制御する現像電圧制御部とを備え、
前記現像電圧制御部は、前記最大グリッド電流の定電流制御中に、前記グリッド電極に流れるグリッド電流が基準値を下回るスコロトロン帯電器に対向する前記感光体に前記現像剤を供給する前記現像器について、前記現像電圧の前記目標値を下げる制御を行う請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
印加される現像電圧が下限値以下になった前記現像器から前記現像剤を供給される前記感光体を帯電させる前記スコロトロン帯電器について、エラーを報知する第二報知部を備える請求項4に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−97042(P2013−97042A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237208(P2011−237208)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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