説明

画像形成装置

【課題】装置自体を大きくすることなく水蒸気を取り除くことができ、かつ、装置外に排出される水蒸気の量を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、搬送される記録紙上に転写されるトナー像を熱によって定着する定着器91と、定着器91で定着することによって記録紙から発生する水蒸気を、画像形成装置外に排出するための排気口を有する外装カバーと、水蒸気の一部を吸収する、多孔質の水分吸着部材220とを備え、水分吸着部材220は、定着器91の上方でかつ外装カバーの下方に固定され、かつ、水蒸気が記録紙の搬送経路の一部に沿って上昇した後、水蒸気が水分吸着部材220を通過する位置に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機などの画像形成装置、特に、記録紙上にトナー像を転写し、熱によって定着する電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置では、記録紙上に転写されたトナー像を定着器で熱により記録紙に定着させる際に、記録紙が高温で加熱されるため、記録紙に含まれる水分が蒸発する。この水蒸気が上方に移動し、画像形成装置の各部材で結露した場合、各部材が腐食する恐れがある。特に、電子部材で結露が発生した場合、電極の腐食および電気回路の短絡等の障害が発生する恐れがある。また、結露した水滴が記録紙および定着器に落下した場合、記録紙の変形、定着不良または水滴が付着した記録紙を取り出したユーザに水滴が付着する等の問題が生じる。
【0003】
そこで、上記のような問題に対応するための技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載の技術では、定着器の上方に通風路を設け、水蒸気を自然滞留により画像形成装置外に排出することができるとともに、通風路内に格子状のリブを設け、結露した水蒸気を表面張力により付着させ、自然乾燥させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−90855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された画像形成装置は、水蒸気を取り除くために、装置内に通風路が必要となる。すなわち、装置自体が大きくなるという問題が生じる。また、上記特許文献1に記載された画像形成装置は、画像形成装置外に排出される水蒸気の量を抑制することができないため、大量の水蒸気が画像形成装置外に排出される可能性がある。したがって、大量の水蒸気が装置上部に設置された読取機構に入り込むことにより、読取不良が発生、或いは、所定の環境においては、水蒸気が煙の様に見えるため、ユーザが故障であると間違えたりするといった問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、装置自体を大きくすることなく水蒸気を取り除くことができ、かつ、装置外に排出される水蒸気の量を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る画像形成装置は、記録紙に画像を形成する画像形成装置であって、搬送される記録紙上に転写されるトナー像を熱によって定着する定着器と、前記定着器で定着することによって前記記録紙から発生する水蒸気を、前記画像形成装置外に排出するための排気口を有する外装カバーと、前記水蒸気の一部を吸収する、多孔質の水分吸着部材とを備え、前記水分吸着部材は、前記定着器の上方でかつ前記外装カバーの下方に固定され、かつ、前記水蒸気が前記記録紙の搬送経路の一部に沿って上昇した後、前記水蒸気が前記水分吸着部材を通過する位置に固定されている。
【0009】
この構成によれば、水分吸着部材は、水蒸気が記録紙の搬送経路の一部に沿って上昇した後、水蒸気が水分吸着部材を通過する位置に固定されている。すなわち、装置内に、水蒸気を取り除くための専用通風路が設けられているわけではないので、装置自体を大きくすることなく水蒸気を取り除くことが可能となる。
【0010】
また、多孔質の水分吸着部材により水蒸気の一部を吸収するので、装置外に排出される水蒸気の量をある一定量以下に抑制する。
【0011】
また、好ましくは、さらに、前記搬送経路に沿って設けられた固定部材及び通紙ガイドを備え、前記外装カバーは前記画像形成装置内に固定され、前記水分吸着部材は、前記外装カバーと前記固定部材とで挟まれた状態で固定されている。
【0012】
この構成によれば、水分吸着部材が、本来、画像形成装置に備えられている機構である、外装カバーと通紙ガイドとで挟みこまれることによって、水分吸着部材を確実に固定する。
【0013】
また、好ましくは、前記外装カバーには、前記水分吸着部材の位置あわせをするための突起を有する固定部材が取り付けられている。
【0014】
この構成によれば、水分吸着部材を所望の位置に設置できる。
【0015】
また、前記外装カバーには、前記固定部材及び前記通紙ガイドが着脱可能に取り付けられ、前記水分吸着部材が交換可能である。
【0016】
この構成によれば、水分吸着部材を容易に交換でき、装置外に排出される水蒸気の量を調整できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、装置自体を大きくすることなく水蒸気を取り除くことができ、かつ、装置外に排出される水蒸気の量を調整して抑制する画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る複合機の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る複合機の本体の内部を示す正面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る複合機の要部を示す要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る複合機のジャムアクセスカバーを開放した際の外観斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る複合機の水分吸着部の分解斜視図である。
【図6A】本発明の実施の形態に係る複合機の水分吸着部(閉状態)の側面図である。
【図6B】本発明の実施の形態に係る複合機の水分吸着部(開状態)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0020】
また、本発明の実施の形態では、画像形成装置が複合機である場合について説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る複合機の外観斜視図である。
【0022】
本発明の実施の形態に係る複合機501は、スキャナとして機能する画像読取部511と、コピー部数やファクシミリ送信先などを指示するための操作パネル512と、記録媒体としての記録紙100に画像を形成する画像形成部等を内蔵した本体513と、記録紙100を順次供給する給紙カセット514と、画像が形成された記録紙100を排紙する排紙トレイ515とを備えている。
【0023】
また、本発明の実施の形態に係る複合機501は、本体513の正面側(操作パネル512が設けられている側)にフロントカバー521を備えるとともに、一側面にジャムアクセスカバー522を備えている。フロントカバー521およびジャムアクセスカバー522は開閉可能である。例えば、メンテナンス作業等を行う場合に、フロントカバー521およびジャムアクセスカバー522を開放することで、本体513の内部にアクセスすることができる。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に係る複合機の本体の内部を示す正面断面図である。
【0025】
本実施の形態に係る複合機501は、記録紙100を供給する給紙カセット514を本体513の下部に備えている。給紙カセット514は、装置正面側(図2の紙面手前側)に引出可能である。給紙カセット514の上方には、画像形成部11が備えられ、さらにその上には、定着器91および排紙トレイ515が備えられている。
【0026】
本体513の内部には、給紙カセット514から排紙トレイ515へ記録紙100を搬送するための搬送路531(本発明の記録紙の搬送経路に相当)が形成されている。この搬送路531は、給紙カセット514の一端側から上方に向かって延びて画像形成部11に至り、さらに上方へ延びて定着器91を通過した後、水平方向へ湾曲して排紙トレイ515上に至るように構成されている。なお、図2では示していないが、排紙トレイ515の上方に画像読取部511および操作パネル512が配置されている。
【0027】
給紙カセット514は、上方開放状に形成されており、その底部には板状のフラッパ532が設けられている。記録紙100は、フラッパ532の上に複数枚重ねて積層される。フラッパ532を上方へ押し上げるための付勢バネ(図示せず)がフラッパ532に取り付けられている。さらに、フラッパ532の上方には給紙ローラ21が配置されている。以上の構成により、フラッパ532が上方へ付勢された状態で給紙ローラ21が駆動することにより、給紙カセット514内にある最上層の記録紙100が分離して取り出され、搬送路531に向けて記録紙100が送り出される。
【0028】
搬送路531において、給紙ローラ21のすぐ下流側には分離ローラ22が配置されている。分離ローラ22は、それに対向配置されるローラとの間に記録紙100をニップしつつ駆動されることで、記録紙100を1枚ずつに分離する。分離ローラ22の下流側には、レジストローラ23が配置されている。レジストローラ23は、それに対向配置されるローラとの間に記録紙100をニップしつつ駆動されることで、記録紙100の斜行を矯正しつつ下流側の画像形成部11へ記録紙100を搬送する。
【0029】
画像形成部11は、記録紙100に画像を形成するものであって、図2に示すように、感光ドラム12の周囲に、帯電器13と、LEDヘッド14と、現像器15と、転写ローラ16と、クリーナ17とを配置した構成になっている。
【0030】
感光ドラム12は、その表面に有機感光体による光導電膜が形成されるとともに、電動モータ(図示せず)によって回転駆動されるように構成されている。
【0031】
帯電器13は、いわゆるスコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものに構成され、帯電器13によって感光ドラム12の表面が均一に、例えば負に帯電される。
【0032】
露光部としてのLEDヘッド14は、帯電器13より下流側(感光ドラム12の回転方向の下流側をいう。以下、現像器15、転写ローラ16およびクリーナ17の説明において同じ。)に配置されており、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を記録紙100の幅方向に多数並べて備えた構成となっている。LEDヘッド14の表面には、屈折率分布型レンズを多数並べたレンズアレイが配置される。LEDヘッド14は、通信回線を介して受信したファクシミリ原稿の画像データ、または、画像読取部511で読み取った画像データなどに対応して選択的に発光する。この結果、感光ドラム12の表面が選択的に露光され、露光部分の電荷エネルギーが消失することで静電潜像が形成される。
【0033】
現像器15は、LEDヘッド14の下流側に配置されている。現像器15は、トナーとキャリアとを現像剤として用いる2成分現像方式で構成されている。具体的には、現像器15は、合成樹脂製の現像剤容器35と、現像剤容器35の内部に配置されたスクリュー形状の2つの撹拌部材31及び32と、感光ドラム12に対し僅かな隙間を形成しつつ近接配置されるとともに、現像剤容器35に支持される現像剤担持体33と、この現像剤担持体33の表面に近接して配置される規制プレート34とを備えている。
【0034】
撹拌部材31及び32は回転駆動され、これによってトナーとキャリアとを均等に混合させつつ、2成分現像剤を現像剤容器35内で循環させるように構成されている。
【0035】
現像剤担持体33は、非磁性体の材料であり、筒状に形成され、円柱状の磁気体36の外側に嵌合される。
【0036】
内部の磁気体36は、その磁気によって2成分現像剤を現像剤担持体33の表面に吸着し、この状態で現像剤担持体33を回転させることで、2成分現像剤は現像剤担持体33の表面に保持されつつ感光ドラム12側へ送られる。なお、現像剤担持体33表面の2成分現像剤の厚みは、規制プレート34によって均一となるように規制される。
【0037】
その後、感光ドラム12と現像剤担持体33との近接部分において、現像剤担持体33表面の2成分現像剤のうちトナーが、LEDヘッド14による露光部に相当する部分においてのみ、感光ドラム12の表面へ選択的に移動する。この結果、感光ドラム12の表面上に、静電潜像に対応したトナー像が形成される。なお、2成分現像剤のうちキャリアおよび感光ドラム12側へ移動しなかった残りのトナーは、現像剤容器35内で回収される。
【0038】
転写ローラ16は、現像器15の下流側に配置されるとともに、感光ドラム12から搬送路531を挟んで反対側に配置されている。転写ローラ16は電源から所定の電圧が印加されている。したがって、感光ドラム12の表面に形成されたトナー像は、感光ドラム12の回転によって転写ローラ16側へ近づくように移動し、その電界吸引力によって記録紙100に転写される。
【0039】
クリーナ17は、転写ローラ16の下流側に配置されており、転写ローラ16の部分で記録紙100に転写されなかった残留トナーを除電するとともに、感光ドラム12の表面から掻きとって貯留するように構成されている。
【0040】
画像形成部11の構成のうち、少なくとも感光ドラム12と、帯電器13と、現像器15と、クリーナ17とは、合成樹脂製のカートリッジに収容され、プロセスカートリッジ(プロセスユニット)として構成される。画像形成部11において、トナー像が転写された記録紙100は、感光ドラム12の回転によって、搬送路531下流側の定着器91へ送られる。
【0041】
図3は、本発明の実施の形態に係る複合機の要部を示す要部断面図である。
【0042】
図3に示すように、定着器91は、搬送される記録紙100上に転写されるトナー像を熱によって定着するものであり、回転駆動されるヒートロール92と、ヒートロール92に対向して配置されるプレスローラ93とを備える。また、定着器91は、ヒートロール92およびプレスローラ93を収容するハウジング55を備える。プレスローラ93は、付勢バネ(図示せず)によってヒートロール92に対して押し付けられている。この構成により、記録紙100がヒートロール92とプレスローラ93との間を通過した際、高温のヒートロール92の熱およびプレスローラ93による圧力によって、トナー像のトナーが融解して記録紙100に定着する。この際、記録紙100に含まれる水分が、ヒートロール92の熱によって水蒸気70となる。水蒸気70は、図3に示すように、搬送路531の一部に沿って上昇する。その後、水蒸気70は、定着器91の上方に配置されている、水分吸着部200中の水分吸着部材220の方へ移動する。水蒸気70は、水分吸着部材220によって一部吸収され、吸収されなかった水蒸気70は、複合機501外に排出される。
【0043】
また、定着器91には、記録紙100がヒートロール92に貼りついたまま周囲に巻きつくことを防止するための分離爪94が設けられている。
【0044】
また、定着器91より下流側には搬送ローラ95が設けられ、さらに下流側に排紙ローラ96が設けられる。この構成で、定着器91から搬送された記録紙100は、搬送ローラ95とそれに対向配置される従動ローラとの間でニップされ、下流側に送られる。さらに、記録紙100は、排紙ローラ96とそれに対向配置される従属ローラとの間でニップされて、排紙トレイ515上に排出される。
【0045】
図4は、本発明の実施の形態に係る複合機のジャムアクセスカバーを開放した際の外観斜視図である。
【0046】
例えば、メンテナンス作業および後に説明する水分吸着部材220を交換する作業において、ジャムアクセスカバー522を開放することにより、複合機501の内部にある定着器91と水分吸着部200とにアクセスすることができる。
【0047】
図5は、本発明の実施の形態に係る複合機の水分吸着部の分解斜視図である。
【0048】
水分吸着部200は、外装カバー210と、水分吸着部材220と、固定部材230と、通紙ガイド240とを備える。
【0049】
外装カバー210は、複合機501の筐体の一部を構成するカバーであり、プラスチック製である。また、外装カバー210には、定着器91から発生した水蒸気70を排出するために設けられた格子状のスリットである排気口215を有している。
【0050】
水分吸着部材220は、図3に示すように、定着器91の上方でかつ外装カバー210の下方に固定され、かつ、水蒸気70が搬送路531の一部に沿って上昇した後、水蒸気70が水分吸着部材220を通過する位置に固定されている。
【0051】
また、水分吸着部材220は、水蒸気70の一部を吸収するためのものであり、例えばスポンジのような多孔質材料である。水分吸着部材220は、直径1mmの孔が水分吸着部材220の表面および内部に、格子状に設けられている。
【0052】
上記水分吸着部材220の寸法により、複合機501外に排出される水蒸気の量をある一定量以下に抑制することができる。なお、水分吸着部材220によって吸収されなかった水蒸気70は、排気口215を通じて、複合機501外に排出される。
【0053】
固定部材230は、水分吸着部材220の位置あわせ機能を有し、プラスチック製である。また、固定部材230には、水分吸着部材220の寸法に合うように、プラスチック製の突起250が、図5に示すように二隅に設けられている。水分吸着部材220を、固定部材230に設けられた突起250にはめ込むことにより、水分吸着部材220を所望の位置に固定できる。
【0054】
通紙ガイド240は、図3における搬送路531に沿って設けられており、プラスチック製である。記録紙100は、通紙ガイド240の下面に沿って排紙トレイ515の方向に搬送される。記録紙100が確実に排紙ローラ96とそれに対向配置される従属ローラとの間でニップされて、排紙トレイ515上に排出されるように通紙ガイド240は設けられている。
【0055】
図6Aは、本発明の実施の形態に係る複合機の水分吸着部(閉状態)の側面図である。図6Bは、本発明の実施の形態に係る複合機の水分吸着部(開状態)の側面図である。
【0056】
外装カバー210は複合機501内に固定され、固定部材230および通紙ガイド240は外装カバー210に固定されている。また、水分吸着部材220は、外装カバー210と固定部材230とで挟まれている。外装カバー210と固定部材230と通紙ガイド240とは、図3における、排紙ローラ96に対向配置される従動ローラ付近に設置され、外装カバー210を開閉するための回転軸216で連結されている。また、外装カバー210には、水分吸着部材220の固定機能を有する固定部材230がネジによって着脱可能に取り付けられている。したがって、回転軸216を支点にして外装カバー210を開放した後、ネジを取り外すことにより、固定部材230を外装カバー210から取り外すことができるため、容易に水分吸着部材220の交換を行うことができる。
【0057】
以上のように、実施の形態に係る複合機501によれば、水分吸着部材220は、水蒸気70が搬送路531の一部を上昇した後、水蒸気70が水分吸着部材220を通過する位置に固定されている。すなわち、複合機501内に、水蒸気70を取り除くための専用通風路が設けられているわけではないので、複合機501自体を大きくすることなく水蒸気70を取り除くことができる。また、多孔質の水分吸着部材220により水蒸気70の一部を吸収するので、複合機501外に排出される水蒸気70の量をある一定量以下に抑制することができる。
【0058】
以上、本発明の一態様に係る画像形成装置について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、または異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0059】
例えば、水分吸着部材220は、スポンジに限られず、布、不織布、セラミック、木材の単体またはそれらの混合物でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、例えば、複合機などの画像形成装置、特に、記録紙上にトナー像を転写し、熱によって定着する電子写真方式の画像形成装置として、装置自体を大きくすることなく水蒸気を取り除くことができ、かつ、装置外に排出される水蒸気の量を抑制することができる画像形成装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0061】
11 画像形成部
12 感光ドラム
13 帯電器
14 LEDヘッド
15 現像器
16 転写ローラ
17 クリーナ
21 給紙ローラ
22 分離ローラ
23 レジストローラ
31、32 撹拌部材
33 現像剤担持体
34 規制プレート
35 現像剤容器
36 磁気体
55 ハウジング
70 水蒸気
91 定着器
92 ヒートロール
93 プレスローラ
94 分離爪
95 搬送ローラ
96 排紙ローラ
100 記録紙
200 水分吸着部
210 外装カバー
215 排気口
216 回転軸
220 水分吸着部材
230 固定部材
240 通紙ガイド
250 突起
501 複合機
511 画像読取部
512 操作パネル
513 本体
514 給紙カセット
515 排紙トレイ
521 フロントカバー
522 ジャムアクセスカバー
531 搬送路
532 フラッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に画像を形成する画像形成装置であって、
搬送される記録紙上に転写されるトナー像を熱によって定着する定着器と、
前記定着器で定着することによって前記記録紙から発生する水蒸気を、前記画像形成装置外に排出するための排気口を有する外装カバーと、
前記水蒸気の一部を吸収する、多孔質の水分吸着部材とを備え、
前記水分吸着部材は、前記定着器の上方でかつ前記外装カバーの下方に固定され、かつ、前記水蒸気が前記記録紙の搬送経路の一部に沿って上昇した後、前記水蒸気が前記水分吸着部材を通過する位置に固定されている
画像形成装置。
【請求項2】
さらに、
前記搬送経路に沿って設けられた固定部材及び通紙ガイドを備え、
前記外装カバーは前記画像形成装置内に固定され、
前記水分吸着部材は、前記外装カバーと前記固定部材とで挟まれた状態で固定されている
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外装カバーには、前記水分吸着部材の位置あわせをするための突起を有する固定部材が取り付けられている
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外装カバーには、前記固定部材及び前記通紙ガイドが着脱可能に取り付けられ、前記水分吸着部材が交換可能である
請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2013−97054(P2013−97054A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237507(P2011−237507)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】