説明

画像形成装置

【課題】手掛け部に滑り止めを設ける作業を容易にすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置(複合機1)は、画像形成装置の左右外側の側面を形成する一対の側面カバー40と、側面カバー40に左右方向内側に向けて凹むように形成される手掛け部30と、一対の側面カバー40を連結する連結部材50と、連結部材50とは別に設けられ、手掛け部30に対して内側から組み付けられる組付部材60とを備える。手掛け部30の上壁31には、上下に貫通する挿入孔31Aが形成され、組付部材60には、下方に突出する突起61が設けられる。そして、手掛け部30に組付部材60を組み付けると、突起61が挿入孔31Aを通って手掛け部30の上壁31から下方に向けて突出するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体筐体の左右の側面に手掛け部を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、本体筐体の左右の側面に凹状の手掛け部を形成し、この手掛け部内に滑り止め用の部材を接着剤で固定するものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、ユーザが手掛け部に手を掛けて画像形成装置を持ち上げる際に、滑り止め用の部材に手が引っ掛かることで、手掛け部から手が滑ることが抑えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−189752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような画像形成装置では、滑り止め用の部材を手掛け部に取り付ける際、滑り止め用の部材に接着剤の量を調整しながら塗り付ける手間や、手掛け部の上面を見上げるようにして当該上面の適正な位置に滑り止め用の部材を下から位置合わせして貼り付ける手間が必要であるため、その作業が煩雑になるといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、手掛け部に滑り止めを設ける作業を容易にすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置の左右外側の側面を形成する一対の側面カバーと、前記側面カバーに左右方向内側に向けて凹むように形成される手掛け部と、前記一対の側面カバーを連結する連結部材と、前記連結部材とは別に設けられ、前記手掛け部に対して内側から組み付けられる組付部材と、を備える。
前記手掛け部の上壁には、上下に貫通する挿入孔が形成され、前記組付部材には、下方に突出する突起が設けられる。
そして、前記手掛け部に前記組付部材を組み付けると、前記突起が前記挿入孔を通って前記手掛け部の上壁から下方に向けて突出するようになっている。
【0007】
この構成によれば、手掛け部に組付部材を組み付けるだけで、挿入孔から下方に突出した突起によって滑り止めが構成されるので、手掛け部に滑り止めを設ける作業を容易にすることができる。
【0008】
また、前記した構成において、前記組付部材は、前記手掛け部の上壁と前記連結部材との間で挟み込まれて保持されているのが望ましい。
【0009】
これによれば、組付部材を手掛け部に固定するためのネジ等を設ける必要がないので、コストダウンを図ることができる。
【0010】
また、前記した構成において、前記組付部材には、前記突起が複数設けられているのが望ましい。
【0011】
これによれば、手掛け部に手を掛けるときに手が突起に引っ掛かりやすいので、滑り止めの効果をより発揮することができる。
【0012】
また、前記した構成において、前記手掛け部には、前記複数の突起に対応して前記挿入孔が複数形成されているのが望ましい。
【0013】
これによれば、複数の突起を1つの挿入孔に通す形態に比べ、手掛け部の剛性を上げることができるので、手掛け部に手を掛けて画像形成装置を持ち上げるときに、手掛け部の変形を抑えることができる。
【0014】
また、前記した構成において、前記複数の突起は、前記手掛け部の開口縁に沿って間隔を空けて並べられ、前記間隔が、ユーザの指よりも小さく形成されているのが望ましい。
【0015】
これによれば、ユーザが手掛け部に手を掛けたときに、指が複数の突起の間を通り抜けるのを抑えることができるので、指を確実に突起に引っ掛けることができ、滑り止めの効果を確実に発揮することができる。
【0016】
また、前記した構成において、前記突起と前記手掛け部の底壁との間隔は、ユーザの指よりも大きく形成されているのが望ましい。
【0017】
これによれば、突起と手掛け部の底壁との間に指を確実に入れることができるので、突起の内側から指を確実に引っ掛けることができる。
【0018】
また、前記した構成において、前記手掛け部の上壁または前記連結部材に向けて前記組付部材を付勢する弾性部材をさらに備えるのが望ましい。
【0019】
これによれば、弾性部材によって組付部材が手掛け部または連結部材に押し付けられるので、組付部材の上下方向のガタツキを抑えることができる。
【0020】
また、前記した構成において、前記組付部材は、前後方向に延びる基部と、基部の前後の端部から下方に延びる前壁部および後壁部と、当該前壁部および当該後壁部に設けられる係合部とを備え、前記手掛け部の前壁および後壁には、前記係合部に係合する被係合部が設けられているのが望ましい。
【0021】
これによれば、手掛け部の上壁と連結部材とで組付部材を挟み込む前に、係合部と被係合部との係合によって組付部材を手掛け部に仮組みすることができるので、組付作業を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、手掛け部に滑り止めを設ける作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機を示す斜視図である。
【図2】複合機を棚に収納した状態を示す図である。
【図3】手掛け部を下から見上げた状態を示す斜視図である。
【図4】連結部材等を示す斜視図である。
【図5】組付部材と手掛け部を左右方向外側から見上げた状態を示す分解斜視図である。
【図6】組付部材と手掛け部を左右方向内側から見下ろした状態を示す分解斜視図である。
【図7】組付部材と手掛け部を左右方向内側から見上げた状態を示す分解斜視図である。
【図8】連結部材を左右方向外側から見た状態を示す斜視図である。
【図9】手掛け部付近の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としての複合機1は、本体筐体10と、原稿読取装置20と、画像形成部PF(図2参照)を備えている。
【0025】
なお、本実施形態において、画像形成部PFは、公知の感光体や露光装置を備えて構成される部分であり、この画像形成部PFよりも用紙搬送方向下流側には、用紙上の画像を熱定着する図示せぬ定着装置が設けられている。そして、画像形成部PFおよび定着装置で画像が形成された用紙は、本体筐体10の上部に形成された排出口11を通って、本体筐体10の上部に配置される排出トレイ12上に排出されるようになっている。
排出口11と排紙トレイ12は、画像形成部PFの上に備えられる連結部材50に形成されている。連結部材50の左右方向両端部には、図4に示すように、上方に突出する一対の側壁部52が形成され、各側壁部52の上部には、本体筐体10の上面10Bを構成するカバー部材71がそれぞれ取り付けられている。
【0026】
また、連結部材50の後側上部には、原稿読取装置20の筐体である読取装置用筐体72が取り付けられている。原稿読取装置20は、原稿を前方に搬送しながら、原稿の画像を読み取る装置であり、本体筐体10の上面10Bを構成する上壁14の下側に設けられている。
上壁14とカバー部材71は、前方に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されており、上面10Bの後端は、装置筐体10の前後方向中央よりも後ろ側まで形成されている。上面10Bの後端からは、後方に向かうにつれて下方に傾斜する後面10Eが形成されている。上面10Bと後面10Eとにより、装置筐体10の上部の側面視は、上に備えられる頂点が後方に傾いた三角形状になっている。
読取装置20の後方には、折りたたむことで収納できる読取用給紙トレイ16が備えられている。読取用給紙トレイ16から給紙された原稿は、原稿読取装置20によって画像が読み取られる。画像が読み取られた原稿は、排紙トレイ12の上方に備えられる読取用排紙トレイ17上に排紙される。
【0027】
本体筐体10は、左右の側面10Aの上部に左右方向内側へ凹むように形成される手掛け部30を有するとともに、その上面10Bが前方に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されている。そして、手掛け部30は、前後方向における略中央の位置であって、本体筐体10の上面10Bの近傍、詳しくは、ユーザが上面10Bと同時に把持することができる位置に配置されている。本実施形態においては、原稿読取装置20よりも下方であって、排紙トレイ12よりも上方の位置に設けられている。
連結部材50は画像形成部PFよりも上方に配置されており、画像形成するための図示しない高圧基板やギヤ列などを保持していない。高圧基板やギヤ列を保持する必要がないため、手掛け部30を形成するときにスペース的な制約が少なく、自由に手掛け部30を設けることで装置の小型化を図ることができる。
【0028】
なお、手掛け部30の位置は、適宜設定することができる。例えば、複合機1を使用すると想定されるユーザのうち最も手の小さなユーザの手に合わせた位置としてもよいし、標準的な大きさの手に合わせた位置としてもよい。具体的には、例えば、手掛け部30の位置は、上面10Bからの最短距離が15mm〜60mmとなるような位置にすることができる。
【0029】
そして、前述したように本体筐体10の上面10Bが前斜め下方に向かって斜めに形成されることによって、図2に示すように、複合機1が収納スペースの小さな棚R内に収納されて、本体筐体10と、棚Rの上壁R1および左右の壁R2(1つのみ図示)との間隔が狭い場合であっても、本体筐体10の上方の空間Sを利用してユーザの手Hの全体を手掛け部30付近まで容易にアクセスすることができるようになっている。また、手掛け部30が上面10Bの近傍に配置されることにより、本体筐体10と棚Rの左右の壁R2との間に手先だけを入れれば、容易に手掛け部30に手を掛けることができるので、複合機1を狭い収納スペースから容易に取り出すことが可能となっている。
【0030】
なお、このような狭い棚R内に複合機1を収納するケースとしては、例えば未使用時には複合機1のコンセントを外して棚R内に収納し、使用するときに複合機1を棚Rから取り出す場合などがある。
【0031】
また、手掛け部30の上面30Aは、本体筐体10の下面10Dと平行(水平)に形成されている。これにより、本体筐体10の斜めの上面10Bと手掛け部30の上面30Aとによって把持部10Cが手Hの形状に合った三角形状となるので、ユーザが把持部10Cを掴み易くなり、複合機1を棚R内から容易に引き出すことが可能となっている。すなわち、人間の手Hは、小指、薬指、中指の順に各指の長さが長くなるため、手を軽く握ったときには、親指の付け根の腹と、中指、薬指、小指の指先を結ぶ線とが三角形になって、親指の付け根の腹と各指先が三角形状の把持部10Cにフィットするようになっている。
【0032】
なお、把持部10Cの上面10Bの傾き(手掛け部30の上面30Aに対する傾き)は、適宜設定することができる。ただし、鈍角よりも鋭角の方がユーザが握り易いため、鋭角にするのが望ましい。具体的には、例えば、上面10Bの傾きは、10°〜35°とすることができる。
【0033】
また、手掛け部30の上面30Aが本体筐体10の下面10Dと平行であることにより、例えば地面に置いた複合機1を持ち上げるときに、本体筐体10の下面10Dを設置面に対して平行に保ったまま持ち上げることができるので、複合機1を持ち上げるときに本体筐体10が傾いて下面10Dが設置面にぶつかるのを抑えることが可能となっている。
【0034】
また、図1に示すように、本体筐体10の上面10Bの左右方向略中央部には、複合機1を操作するための複数のボタンスイッチBSやテンキーTKが設けられている。そして、これらの複数のボタンスイッチBSやテンキーTKよりも左右方向外側には、前述した手掛け部30の上面30Aと本体筐体10の上面10Bとによって断面視略三角形状の把持部10C(ドットで示す部分)が形成されるようになっている。
【0035】
詳しくは、手掛け部30の後述する底壁35から左右方向内側に離れた位置に複数のボタンスイッチBSやテンキーTKが設けられることで、把持部10CがボタンスイッチBS等から左右方向に離れて形成されるようになっている。そして、このように把持部10Cが複数のボタンスイッチBSやテンキーTKから左右方向外側に離れて配置されることによって、ユーザが把持部10Cを握ったときに手がボタンスイッチBS等に触れないので、複合機1の持ち運び時にボタンスイッチBS等に負荷がかかるのを抑えることが可能となっている。
【0036】
次に、本体筐体10を構成する各部材について詳細に説明する。
図3〜図5に示すように、本体筐体10は、前述した手掛け部30が形成される左右一対の側面カバー40(1つのみ図示)と、一対の側面カバー40を連結する連結部材50と、連結部材50とは別に設けられ、手掛け部30に対して内側から組み付けられる組付部材60とを主に備えている。
【0037】
側面カバー40は、複合機1の左右外側の側面10Aを形成する部材であり、その上部には、前述した左右方向内側へ向けて凹む手掛け部30が形成されている。手掛け部30は、左右方向外側へ開口する凹部であり、図5〜図7に示すように、側面カバー40から左右方向内側に屈曲する上壁31、下壁32、前壁33および後壁34と、これらの壁31〜34の左右方向内側の端部を繋ぐ底壁35(図3参照)とを有している。
【0038】
そして、手掛け部30の上壁31には、上下に貫通する5つ(複数)の挿入孔31Aが形成されている。これに対し、組付部材60には、下方に突出する突起61が、複数の挿入孔31Aに対応するように複数設けられている。そして、図3に示すように、手掛け部30に組付部材60を組み付けると、各突起61が各挿入孔31Aを通って手掛け部30の上壁31から下方に向けて突出するようになっている。
【0039】
これにより、手掛け部30に組付部材60を組み付けるだけで、挿入孔31Aから下方に突出した突起61によって滑り止めが構成されるので、手掛け部30に滑り止めを設ける作業を容易にすることが可能となっている。また、突起61が複数設けられることにより、手掛け部30に手を掛けるときに手が突起61に引っ掛かりやすいので、滑り止めの効果をより発揮することが可能となっている。
【0040】
さらに、挿入孔31Aが複数の突起61に対応して複数形成されているので、例えば複数の突起を1つの挿入孔に通す形態に比べ、手掛け部30の剛性を上げることができ、その結果、手掛け部30に手を掛けて複合機1を持ち上げるときに、手掛け部30の変形を抑えることが可能となっている。
【0041】
また、複数の挿入孔31Aは、凹状の手掛け部30の開口縁30Bに沿って間隔を空けて並べられ、その間隔が、ユーザの指よりも小さく形成されている。これにより、手掛け部30に組付部材60を組み付けたときに、各挿入孔31Aから下方に突出する各突起61が手掛け部30の開口縁30Bに沿って間隔を空けて並べられ、その間隔が、ユーザの指よりも小さく形成されるようになっている。
【0042】
ここで、「各突起61の間隔」は、適宜設定することができる。例えば、複合機1を使用すると想定されるユーザのうち最も指の小さなユーザの指よりも小さくしてもよいし、標準的な大きさの指よりも小さくしてもよい。
【0043】
このように突起61の間隔を設定することで、ユーザが手掛け部30に手を掛けたときに、指が複数の突起61の間を通り抜けるのを抑えることができるので、指を確実に突起61に引っ掛けることができ、滑り止めの効果を確実に発揮することが可能となっている。
【0044】
また、各挿入孔31Aと手掛け部30の底壁35との間隔(左右方向の距離)は、ユーザの指よりも大きく形成されている。これにより、手掛け部30に組付部材60を組み付けたときに、各挿入孔31Aから下方に突出する各突起61と底壁35との間隔が、ユーザの指よりも大きく形成されるようになっている。
【0045】
ここで、「突起61と底壁35との間隔」は、適宜設定することができる。例えば、複合機1を使用すると想定されるユーザのうち最も指の大きなユーザの指よりも大きくしてもよいし、標準的な大きさの指よりも大きくしてもよい。
【0046】
このように突起61と底壁35との間隔を設定することで、突起61と底壁35との間に指を確実に入れることができるので、突起61の内側から指を確実に引っ掛けることが可能となっている。
【0047】
図4に示すように、連結部材50は、前後左右方向に延びる略板状の部材であり、連結部材50の左右方向両端面のうち前後方向略中央部には、手掛け部30よりも一回り大きな凹部である保持用凹部53がそれぞれ設けられている。
【0048】
保持用凹部53は、左右方向外側に開口する凹部であり、図8に示すように、上壁部53A、下壁部53B、前壁部53C、後壁部53Dおよび底壁部53Eを有している。そして、この保持用凹部53内に前述した手掛け部30が配置されるように左右の側面カバー40が連結部材50で連結されることで、図9に示すように、組付部材60が手掛け部30の上壁31と保持用凹部53の上壁部53Aとの間で挟み込まれて保持されるようになっている。
【0049】
これにより、組付部材60を手掛け部30に固定するためのネジ等を設ける必要がないので、コストダウンを図ることが可能となっている。
【0050】
図7に示すように、組付部材60は、樹脂製の部材であり、前後方向に延びる長尺状の基部62と、基部62の前後の端部から下方に延びる前壁部63および後壁部64とを備えて構成されている。
【0051】
基部62の左右方向外側の端部には、前述した複数の突起61が形成され、基部62の左右方向略中央部には、上下方向に撓み変形可能な弾性部材の一例としてのバネ部65が一体に形成されている。バネ部65は、左右両側に貫通孔62Aが形成されることで基部62の他部とは別に撓み変形可能となっており、その前後方向中央部が下方に突出するように形成されている。
【0052】
また、バネ部65は、前後方向において間隔を空けて3つ(複数)設けられている。そして、このバネ部65は、図9に示すように、組付部材60が手掛け部30の上壁31と保持用凹部53の上壁部53Aとの間で挟み込まれた際に、手掛け部30の上壁31と接触して撓むことで、組付部材60を保持用凹部53の上壁部53Aに向けて付勢するようになっている。
【0053】
これにより、バネ部65によって組付部材60が保持用凹部53の上壁部53Aに押し付けられるので、組付部材60の上下方向のガタツキを抑えることが可能となっている。
【0054】
なお、本実施形態では、基部62の左右方向外側の端部(複数の突起61が形成される部分)には、上方に向けて突出する突出壁66が前後方向に延びるように、詳しくは複数の突起61が形成される範囲(図5参照)にわたって形成されている。そして、この突出壁66の上端が保持用凹部53の上壁部53Aに接触するようになっている。
【0055】
これにより、手掛け部30に手を掛けて複合機1を持ち上げる際に、手から突起61に対して上方に押し込むような力が加わった場合であっても、突起61の真上にある突出壁66と保持用凹部53の上壁部53Aとの当接により、基部62が変形するのを抑えることが可能となっている。そして、このように基部62の変形を抑えることで、突起61が挿入孔31A内に潜り込むのを確実に抑えることが可能となっている。
【0056】
図6および図7に示すように、前壁部63および後壁部64の下端には、前後方向内側に突出する係合部の一例としての係合爪63A,64Aが形成されている。これに対し、手掛け部30の前壁33および後壁34には、係合爪63A,64Aに係合する被係合部の一例としての被係合爪33A,34Aが前後方向外側に突出するように形成されている。
【0057】
これにより、手掛け部30の上壁31と連結部材50とで組付部材60を挟み込む前に、係合爪63A,64Aと被係合爪33A,34Aとの係合によって組付部材60を手掛け部30に仮組みすることができるので、組付作業をより容易にすることが可能となっている。
【0058】
以上によれば、本実施形態において、前述した効果に加え以下に示す効果を得ることができる。
連結部材50よりもはるかに小さい組付部材60を手掛け部30に組み付ければよいため、例えば手掛け部の挿入孔に挿入される突起を連結部材に形成するものに比べ、挿入孔31Aに突起61を挿入させやすく、その組付作業を容易にすることができる。また、組付部材60と連結部材50を別部材としたので、組付部材60と連結部材50をそれぞれ違う材質(例えば、滑り難い材質や剛性の高い材質)にすることができる。
【0059】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、弾性部材の一例として組付部材60に一体に形成されるバネ部65を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、組付部材とは別に設けられる板バネ、線バネ、コイルバネ等を弾性部材として用いてもよい。また、前記実施形態では、弾性部材(バネ部65)によって組付部材60を連結部材50(保持用凹部53の上壁部53A)に向けて付勢したが、本発明はこれに限定されず、これとは逆に、弾性部材によって組付部材を手掛け部の上壁に向けて付勢してもよい。
【0060】
また、本実施形態では、上面10Bを構成する部材(カバー部材71と上壁14)全てを前斜め下方に向けて傾斜させたが、本発明はこれに限定されず、把持部10Cを形成する部材(本実施形態ではカバー部材71)のみを前斜め下方に向けて傾斜させてもよい。
また、本実施形態では、手掛け部30を排紙トレイ12と画像読取装置20の間に設けたが、本発明はこれに限定されず、手掛け部を左右方向で画像読取装置20と重なる位置または、左右方向において排出トレイ12と重なる位置に形成していてもよい。
【0061】
前記実施形態では、突起61および挿入孔31Aを複数設けたが、本発明はこれに限定されず、突起や挿入孔は1つであってもよい。また、複数の突起と、これらの突起が挿入される1つの挿入孔を設けてもよい。
【0062】
前記実施形態では、係合部および被係合部の一例として突起状の係合爪63A,64Aおよび被係合爪33A,34Aを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば一方が凸状で、他方が凹状に形成されていてもよい。
【0063】
前記実施形態では、複合機1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えばプリンタや複写機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 複合機
30 手掛け部
31 上壁
31A 挿入孔
40 側面カバー
50 連結部材
60 組付部材
61 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の左右外側の側面を形成する一対の側面カバーと、
前記側面カバーに左右方向内側に向けて凹むように形成される手掛け部と、
前記一対の側面カバーを連結する連結部材と、
前記連結部材とは別に設けられ、前記手掛け部に対して内側から組み付けられる組付部材と、を備え、
前記手掛け部の上壁には、上下に貫通する挿入孔が形成され、
前記組付部材には、下方に突出する突起が設けられ、
前記手掛け部に前記組付部材を組み付けると、前記突起が前記挿入孔を通って前記手掛け部の上壁から下方に向けて突出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記組付部材は、前記手掛け部の上壁と前記連結部材との間で挟み込まれて保持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記組付部材には、前記突起が複数設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記手掛け部には、前記複数の突起に対応して前記挿入孔が複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の突起は、前記手掛け部の開口縁に沿って間隔を空けて並べられ、
前記間隔が、ユーザの指よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記突起と前記手掛け部の底壁との間隔は、ユーザの指よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記手掛け部の上壁または前記連結部材に向けて前記組付部材を付勢する弾性部材をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記組付部材は、前後方向に延びる基部と、基部の前後の端部から下方に延びる前壁部および後壁部と、当該前壁部および当該後壁部に設けられる係合部とを備え、
前記手掛け部の前壁および後壁には、前記係合部に係合する被係合部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−97121(P2013−97121A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238831(P2011−238831)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】