説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の小型化を図る。
【解決手段】画像形成装置は、所定方向に並列配置された複数の感光体ドラムと、複数の感光体ドラムと対向配置される無端状のベルト73と、ベルト73の下方に配置され、ベルト73の表面に付着した付着物を回収する回収ユニット100とを備える。回収ユニット100は、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されており、付着物を収容する収容部111と、収容部111の上方で当該収容部111の内外を上下方向に連通する回収口112とを有する筐体110と、回収口112の上方に配置された先端部121がベルト73に摺接することでベルト73の表面に付着した付着物を掻き取るブレード120と、ブレード120の先端部121よりも下に設けられ、回収口112を閉塞する閉塞位置(a)と、回収口112を開放する開放位置(b)との間を筐体110に対して変位可能に構成されたシャッタ130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状のベルトの表面に付着した付着物を回収する回収ユニットを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の感光体ドラムと、感光体ドラムと対向配置される無端状のベルトと、ベルトの下側に配置され、ベルトの表面に付着した付着物を回収するベルトクリーナカートリッジ(回収ユニット)とを備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の回収ユニットは、上部に開口部を有する円筒状の容器本体と、ベルトの表面に当接するクリーニングブレード(ブレード)と、側面視において略円弧状をなしており、筐体の壁面に沿って回転することで開口部を開閉するシャッタとを有して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−222168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のシャッタは、開口部を閉塞したときに、開口部とブレードを上から覆うので、回収ユニットが画像形成装置本体に装着されるときにシャッタが開くためには、ベルトと回収ユニット(ブレード)との間に、ある程度大きな隙間を確保する必要がある。そのため、画像形成装置本体内に空間を確保する必要が生じることとなり、これによって、画像形成装置本体が大型化するため、装置全体が大型化するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、回収ユニットが筐体の開口部を開閉するシャッタを有する構成において、画像形成装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、所定方向に並列配置された複数の感光体ドラムと、複数の感光体ドラムと対向配置される無端状のベルトと、ベルトの下方に配置され、ベルトの表面に付着した付着物を回収する回収ユニットとを備えている。
回収ユニットは、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されており、筐体と、ブレードと、シャッタとを備えている。
筐体は、付着物を収容する収容部と、収容部の上方で当該収容部の内外を上下方向に連通する開口部とを有する。
ブレードは、開口部の上方に配置された先端部がベルトに摺接することでベルトの表面に付着した付着物を掻き取る。
シャッタは、ブレードの先端部よりも下に設けられ、開口部を閉塞する閉塞位置と、開口部を開放する開放位置との間を筐体に対して変位可能に構成されている。
【0008】
このような構成によれば、閉塞位置と開放位置との間を筐体に対して変位可能に構成されたシャッタが、ブレードの先端部よりも下に設けられているので、ベルトとブレードを近づけて配置することが可能となる。これにより、画像形成装置本体内に確保するスペースを小さくできるので、画像形成装置本体の小型化が可能となり、結果として、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0009】
前記した画像形成装置において、シャッタは、開口部を開閉する本体部を有し、少なくとも本体部が筐体内に配置されている構成とすることができる。
【0010】
このような構成によれば、シャッタを開いたとき、および、閉じたときに、本体部が筐体から飛び出さないため、画像形成装置本体内に本体部が変位(移動)するためのスペースを確保する必要がなくなり、画像形成装置のさらなる小型化を図ることができる。
【0011】
前記した各画像形成装置において、複数の感光体ドラムは、ベルトの下方に配置されている構成とすることができる。
【0012】
このような構成によれば、回収ユニットと感光体ドラムの両方がベルトの下方、すなわち、ベルトに対して同じ側に配置されることになるので、回収ユニットがベルトの下方に配置され、感光体ドラムがベルトの上方に配置される構成と比較して、画像形成装置を上下方向において小型化することができる。
【0013】
前記した画像形成装置は、複数の感光体ドラムおよび回収ユニットを支持し、画像形成装置本体に装着された装着位置と、画像形成装置本体の外側に移動した外側位置との間を移動可能に構成された支持体をさらに備える構成とすることができる。
この場合、画像形成装置は、支持体が装着位置から外側位置へ移動する間にシャッタを開放位置から閉塞位置に変位させ、支持体が外側位置から装着位置へ移動する間にシャッタを閉塞位置から開放位置に変位させるように構成されていることが望ましい。
【0014】
このような構成によれば、シャッタを開閉するための特別の操作が不要となるので、画像形成装置の操作性を向上させることができる。
【0015】
前記した画像形成装置において、回収ユニットは、シャッタを閉塞位置に付勢する付勢部材を備える構成とすることができる。
この場合、画像形成装置本体は、支持体が外側位置から装着位置へ移動するときに、シャッタに当接することで付勢部材の付勢力に抗してシャッタを開放位置に変位させる押圧部を有する構成とすることができる。
【0016】
このような構成によれば、比較的簡単な構成で、支持体が装着位置から外側位置へ移動する間にシャッタを開放位置から閉塞位置に変位させ、支持体が外側位置から装着位置へ移動する間にシャッタを閉塞位置から開放位置に変位させることができる。
【0017】
前記した各画像形成装置において、シャッタは、筐体に対して回動可能に支持されている構成とすることができる。
【0018】
このような構成によれば、シャッタが回動軌跡から外に飛び出すことがないので、シャッタが筐体に対して平行移動可能に支持される構成と比較して、シャッタの変位範囲(移動範囲)を小さくすることができる。これにより、画像形成装置本体内のシャッタが変位するためのスペースを小さくできるので、画像形成装置のさらなる小型化を図ることができる。
【0019】
前記した画像形成装置において、シャッタは、閉塞位置において、開口部の縁部に当接する構成とすることができる。
【0020】
このような、シャッタが閉塞位置において開口部の縁部に当接する構成、言い換えると、シャッタが閉塞位置においてブレードに当接しない構成とすることで、ベルトに対して高い位置精度が要求されるブレードの位置ずれを抑制することができる。これにより、ブレードの掻き取り能力(回収ユニットの回収能力)を良好に保つことができる。
【0021】
前記した各画像形成装置において、シャッタは、閉塞位置において、開口部の縁部、筐体の壁、または、ブレードに当接する構成とすることができる。
この場合、シャッタの当接部、および、シャッタが当接する相手側の被当接部の少なくとも一方には、弾性部材が設けられている構成とすることができる。
【0022】
このような構成によれば、シャッタが当接する際の衝撃を和らげることができる。特に、シャッタがブレードに当接する構成では、ブレードの位置ずれを抑制することができるので、回収ユニットの回収能力を保つことができる。
【0023】
前記した支持体を備える画像形成装置において、支持体は、画像形成装置本体に対し、複数の感光体ドラムおよびブレードがベルトに接触する装着位置と、装着位置から下方に移動した位置であって複数の感光体ドラムおよびブレードがベルトから離間する離間位置と、外側位置との間を移動可能に構成することができる。
【0024】
このような構成によれば、離間位置において複数の感光体ドラムおよびブレードがベルトから離間することで、当該離間位置と外側位置との間で支持体を良好に移動させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、シャッタがブレードの先端部よりも下に設けられていることで、回収ユニットが筐体の開口部を開閉するシャッタを有する構成において、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタの概略構成を示す図である。
【図2】本体筐体内から支持体を引き出したときの状態を示す図である。
【図3】支持体が装着位置にあるときの状態を示す図(a)と、支持体が離間位置にあるときの状態を示す図(b)である。
【図4】第1実施形態に係る回収ユニットにおいてシャッタが閉塞位置にあるときの断面図(a)と、シャッタが開放位置にあるときの断面図(b)である。
【図5】第1実施形態に係る回収ユニットにおいてシャッタが開放位置にあるときの平断面図である。
【図6】第2実施形態に係る回収ユニットにおいてシャッタが閉塞位置にあるときの断面図(a)と、シャッタが開放位置にあるときの断面図(b)と、シャッタを開放するための構成の説明図(c)である。
【図7】第3実施形態に係る回収ユニットにおいてシャッタが閉塞位置にあるときの断面図(a)と、シャッタが開放位置にあるときの断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の概略構成について簡単に説明した後、本発明の特徴部分の構成について詳細に説明する。
【0028】
また、以下の説明において、方向は、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0029】
<カラープリンタの概略構成>
図1に示すように、カラープリンタ1は、画像形成装置本体の一例としての本体筐体2内に、用紙Sを供給する給紙部3と、供給された用紙Sに画像を形成する画像形成部4と、回収ユニット100とを主に備えている。
【0030】
本体筐体2の前部には、プロセスユニット6を本体筐体2の外部に引き出すための開口2Aが形成されており、この開口2Aを開閉するためのフロントカバー21が回動可能に設けられている。また、本体筐体2の上部には、本体筐体2から排出された用紙Sが載置される排紙トレイ22が設けられている。
【0031】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、用紙Sを収容する給紙トレイ31と、用紙Sを給紙トレイ31から画像形成部4に供給する給紙機構32とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、給紙機構32によって1枚ずつ分離されて画像形成部4に供給される。
【0032】
画像形成部4は、露光ユニット5と、プロセスユニット6と、転写ユニット7と、定着ユニット8とを主に備えて構成されている。
【0033】
露光ユニット5は、給紙トレイ31の上方に設けられ、図示しないレーザ光源やポリゴンミラー、複数のレンズ、複数の反射鏡などを備えている。画像データに基づいてレーザ光源から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラーや反射鏡で反射されたり、レンズを通過したりして、各感光体ドラム62の表面で高速走査される(鎖線参照)。
【0034】
プロセスユニット6は、露光ユニット5の上方に配置され、支持体61と、所定方向(本実施形態においては前後方向)に並列配置された4つ(複数)の感光体ドラム62と、各感光体ドラム62に対応して設けられた4組の帯電器63および現像装置64とを主に備えている。
【0035】
支持体61は、4つの感光体ドラム62、4つの帯電器63、4つの現像装置64および回収ユニット100を支持する部材であり、上下が開口した略枠状をなしている。詳細については後述するが、支持体61(プロセスユニット6)は、フロントカバー21を開くことで、本体筐体2に対して引き出し可能(移動可能)に構成されている(図2参照)。
【0036】
転写ユニット7は、プロセスユニット6の上方に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトの一例としての中間転写ベルト73と、4つの1次転写ローラ74と、2次転写ローラ75とを主に備えている。
【0037】
中間転写ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に張設され、下側の面が4つの感光体ドラム62と対向配置されている。言い換えると、4つの感光体ドラム62は、中間転写ベルト73の下方に配置されている。また、各1次転写ローラ74は、中間転写ベルト73を挟んで感光体ドラム62と対向配置され、2次転写ローラ75は、中間転写ベルト73を挟んで駆動ローラ71と対向配置されている。
【0038】
定着ユニット8は、駆動ローラ71の上方に設けられ、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを主に備えている。
【0039】
このような画像形成部4では、感光体ドラム62の表面が、帯電器63により一様に帯電された後、露光ユニット5からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム62上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム62の表面に現像装置64からトナー(現像剤)が供給されることで、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム62上にトナー像が形成される。
【0040】
各感光体ドラム62上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト73上に順次重ね合わせて転写される。そして、給紙部3から搬送された用紙Sが、中間転写ベルト73と2次転写ローラ75との間を搬送されることで、中間転写ベルト73上のトナー像が用紙Sに転写される。トナー像が転写された用紙Sは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を搬送されることでトナー像が熱定着される。
【0041】
トナー像が熱定着された用紙Sは、排出ローラ23によって本体筐体2内から外部に排出され、排紙トレイ22上に載置される。
【0042】
<カラープリンタの詳細構成>
次に、支持体61および支持体61を移動可能とする本体筐体2の構成について説明する。
【0043】
図2に示すように、支持体61は、感光体ドラム62や回収ユニット100などを支持する左右のパネル61A(片側のみ図示)と、左右のパネル61Aの前端を連結する前パネル61Bと、左右のパネル61Aの後端を連結する後パネル61Cとを主に有して構成されている。
【0044】
左右のパネル61Aの後端部には、それぞれ、後方に向けて延びるローラ取付部61Dが設けられており、各ローラ取付部61Dの左右方向外側の面には、外側に向けて突出するガイド61Eと、ガイド61Eの後方に設けられた回転可能なガイドローラ61Fとが設けられている。
【0045】
前パネル61Bの前面には、支持体61を移動させる際にユーザによって把持されるハンドル61Hが設けられており、後パネル61Cには、後述する押圧部25が挿通される2つの貫通孔61Gが設けられている(図5も参照)。
【0046】
本体筐体2内には、露光ユニット5と転写ユニット7との間の左右両側(本体筐体2に装着された支持体61の左右両側)に、左右一対のサイドフレーム9(片側のみ図示)が設けられている。このサイドフレーム9には、左右方向外側に向けて凹む形状をなし、前端部が開放された、第1ガイド溝91と、第2ガイド溝92とが左右対称に設けられている。
【0047】
第1ガイド溝91は、支持体61の左右のパネル61Aから左右方向外側に突出する感光体ドラム62の軸62Aを案内する溝である。この第1ガイド溝91は、前後方向に延びて前端部が開放された第1溝部91Aと、第1溝部91Aの後端部および適宜な3箇所の位置から後斜め上方に延びる4つの第2溝部91Bと、各第2溝部91Bの後端部から後方に延びる第3溝部91Cとから構成されている。
【0048】
第2ガイド溝92は、支持体61のガイド61Eおよびガイドローラ61Fを案内する溝である。そして、第2ガイド溝92は、前後方向に延びて前端部が開放された第1溝部92Aと、第1溝部92Aの後端部から後斜め上方に延び、さらに後方に向けて延びる第2溝部92Bとから構成されている。
【0049】
図1および図3(a)に示すように、支持体61が本体筐体2に装着されているとき、各感光体ドラム62の軸62Aは、それぞれ、第1ガイド溝91の第3溝部91Cの後端に位置している。また、ガイドローラ61Fは、第2ガイド溝92の第2溝部92Bの後端に位置し、ガイド61Eは、第2溝部92B内に位置している。このとき、各感光体ドラム62および後述するブレード120は、中間転写ベルト73の下側の面に接触している。以下、このときの支持体61の位置を「装着位置」という。
【0050】
フロントカバー21を開き、ハンドル61Hを把持して支持体61を前方に引くと、図3(b)に示すように、各軸62Aは、それぞれ、第3溝部91Cに沿って前方に移動し、さらに、第2溝部91Bに沿って前斜め下方に移動する。また、ガイドローラ61Fおよびガイド61Eは、第2溝部92Bから前斜め下方の第1溝部92Aの後端に移動する。これにより、支持体61が装着位置から前斜め下方(下方)に移動するため、各感光体ドラム62およびブレード120は、中間転写ベルト73から離間する。以下、このときの支持体61の位置を「離間位置」という。
【0051】
離間位置から支持体61をさらに前方に引くと、各軸62Aは、第1溝部91Aに沿って前方に移動し、ガイドローラ61Fおよびガイド61Eは、第1溝部92Aに沿って前方に移動する。そして、図2に示すように、支持体61は、最終的に、本体筐体2の外側に移動する(本体筐体2から引き出される)こととなる。以下、支持体61が本体筐体2内から外側に移動した位置を「外側位置」という。
【0052】
なお、外側位置にある支持体61を本体筐体2に装着するときには、まず、ガイドローラ61Fおよびガイド61Eを第2ガイド溝92に挿入し、支持体61を後方へ押していく。そして、各感光体ドラム62の軸62Aを第1ガイド溝91に順次挿入していき、さらに支持体61を後方に向けて押し込むことにより、離間位置を経て、支持体61を装着位置に装着することができる。
【0053】
以上のような構成により、支持体61(プロセスユニット6)は、本体筐体2に対し、装着位置(図1参照)と、離間位置(図3(b)参照)と、外側位置との間を移動可能となっている。本実施形態においては、支持体61が前後方向に移動している間の大部分は、各感光体ドラム62およびブレード120が中間転写ベルト73から離間しているので、各感光体ドラム62や中間転写ベルト73の表面に傷などがつくことを抑制することができる。
【0054】
<回収ユニットの構成>
次に、回収ユニット100の詳細な構成について説明する。
回収ユニット100は、中間転写ベルト73の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を回収する装置である。
【0055】
この回収ユニット100は、支持体61に対して着脱自在となっており、支持体61に装着された状態で本体筐体2に対して着脱可能に装着されるように構成されている。回収ユニット100は、支持体61に装着されたとき、並列配置された感光体ドラム62の後方に配置され、図1に示すように、本体筐体2に装着されたとき、感光体ドラム62とともに中間転写ベルト73の下方に配置される。
【0056】
図4(a),(b)に示すように、回収ユニット100は、筐体110と、ブレード120と、シャッタ130と、付勢部材の一例としてのコイルバネ140と、弾性部材の一例としての弾性シート150とを主に備えて構成されている。
【0057】
筐体110は、ブレード120やシャッタ130などを支持する略箱状の部材であり、回収したトナーなどの付着物を収容する収容部111を形成している。筐体110の上壁(収容部111の上方)には、収容部111の内外を上下方向に連通する開口部の一例としての回収口112が設けられており、筐体110の後壁の下寄り(シャッタ130の回動軸114よりも下方)には、貫通した挿通口113が設けられている。
【0058】
図5に示すように、回収口112は、ブレード120に沿うように左右方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。また、挿通口113は、回収ユニット100が支持体61に装着されたときの支持体61の貫通孔61Gと対向する位置に対応して、筐体110の後壁の左右両側に1つずつ設けられている。
【0059】
図4(b)に示すように、ブレード120は、回収ユニット100が本体筐体2に装着されたとき(支持体61が装着位置にあるとき)に、その先端部121が中間転写ベルト73の下側の面に接触し、回転駆動する中間転写ベルト73に摺接することで中間転写ベルト73の表面に付着した付着物を掻き取る部材である。
【0060】
このブレード120は、ウレタンゴムなどにより構成されており、筐体110の上壁に支持されて、先端部121が回収口112(筐体110の上壁)の上方で回収口112と対向するように配置されている。これにより、ブレード120によって掻き取られた付着物は、ブレード120から落下し、回収口112を通って収容部111内に収容されることとなる。
【0061】
シャッタ130は、回収口112を開閉する部材であり、図4(a)に示す、回収口112を閉塞する閉塞位置と、図4(b)に示す、回収口112を開放する開放位置との間を筐体110に対して変位可能に構成されている。
【0062】
このシャッタ130は、略上下方向および左右方向に延びる板状の本体部131と、本体部131の左右両側の略上下方向中央よりも下寄りの部分から前方に向けて突出する左右一対の被支持部132と、本体部131の下部に取り付けられた可撓性フィルム133とを主に有して構成されている。
【0063】
本体部131は、回収口112を開閉する部位であり、一対の被支持部132が、筐体110の左右の壁から左右方向内側に向けて突出する略円柱状の回動軸114に係合することで、筐体110に対して略前後方向に回動可能に支持されている。
【0064】
この本体部131は、図4(b)に示す開放位置のとき、上下方向に沿って延びる姿勢となって収容部111内と外部とを連通させ(回収口112を開放し)、図4(a)に示す閉塞位置のとき、前斜め上から後斜め下に沿って延びる姿勢となり、かつ、ブレード120の真下において回収口112の前縁部112Aに当接して、収容部111内と外部との連通を遮断する(回収口112を閉塞する)。
【0065】
可撓性フィルム133は、PET樹脂などから形成された左右方向に長い略矩形状のフィルムであり、上端が本体部131の下部後面に貼着などにより取り付けられており、下端が筐体110の後壁内面に接着などにより固着されている。この可撓性フィルム133は、本体部131の姿勢に応じて適宜撓むことで、シャッタ130の位置によらず、筐体110の後壁と本体部131との間の隙間を塞いで、収容部111内から外部へ付着物が漏れることを抑制している。
【0066】
なお、本体部131の左右両端部には、それぞれ、シール部材134(図5参照)が設けられており、本体部131と筐体110の左右の壁との間から付着物が漏れることを抑制している。
【0067】
以上のようなシャッタ130は、その姿勢(位置)に関わらず、ブレード120の先端部121(の上端)よりも下に設けられており、閉塞位置と開放位置との間の回動によって本体部131の上端部がブレード120よりも上に飛び出すことがないようになっている。また、本実施形態において、シャッタ130は、ブレード120の先端部121よりも下であって、かつ、筐体110の前後左右の壁と底壁とによって囲まれた領域内に配置されている。
【0068】
コイルバネ140は、回動軸114の略下方に設けられたバネ取付部115と、本体部131の下部との間に配置され、本体部131の下部を後斜め上方に向けて付勢することで、本体部131に、回動軸114を中心として図示時計回り方向に回動させる付勢力を与えている。すなわち、コイルバネ140は、本体部131(シャッタ130)を閉塞位置に向けて付勢している。
【0069】
なお、本体部131の下部は、シャッタ130が閉塞位置にあるとき、その両端が挿通口113と対向しており、支持体61の貫通孔61G(図5参照)および挿通口113に挿通される押圧部25の先端と当接可能となっている。
【0070】
弾性シート150は、発泡弾性体などから形成された左右方向に長いシート状の部材であり、シャッタ130が閉塞位置にあるときに、シャッタ130の上端前面(当接部)と、回収口112の前縁部112A(シャッタ130が当接する相手側の被当接部)との間に配置されている。本実施形態において、弾性シート150は、回収口112の前縁部112Aに貼着されることなどによって設けられている。
【0071】
この弾性シート150は、開放位置から閉塞位置に変位するシャッタ130が前縁部112Aに当接したときの衝撃を吸収する。また、本実施形態において、弾性シート150は、シール性も有しており、シャッタ130が閉塞位置にあるときに、シャッタ130と前縁部112Aとの間から付着物が漏れることを抑制している。
【0072】
<シャッタの開閉動作>
次に、シャッタ130を開放するための本体筐体2側の構成と、シャッタ130の開閉動作について説明する。
【0073】
図1に示すように、本体筐体2内には、転写ユニット7の従動ローラ72の下方に、前方に向けて突出する左右一対の押圧部25(片方のみ図示)が設けられている。この一対の押圧部25は、支持体61が外側位置(より具体的には離間位置)から装着位置へ移動するときに、それぞれ、支持体61の貫通孔61Gと、回収ユニット100の挿通口113とに挿通され、本体部131の下部(回動軸114よりも下側の部分)に当接するようになっている(図5参照)。
【0074】
図4(a)に示すように、本体筐体2(支持体61)から取り外された回収ユニット100は、コイルバネ140の作用により、シャッタ130が閉塞位置にある。回収ユニット100を支持体61に装着し、支持体61を外側位置から本体筐体2内に装着していくと、支持体61は、まず、図3(b)に示す離間位置に到達する。
【0075】
そして、離間位置から支持体61を後方に向けて押し込むと、感光体ドラム62の軸62Aが第1ガイド溝91の第2溝部91Bに沿って移動し、支持体61のガイドローラ61Fが第2ガイド溝92の第1溝部92Aの後端部の傾斜面に沿って移動することで、支持体61は、図3(a)に示す装着位置へと移動する。
【0076】
この過程において、押圧部25が、貫通孔61Gと挿通口113に挿通され、シャッタ130の下部に当接し、さらにシャッタ130の下部を前方に向けて押圧することで、シャッタ130は、コイルバネ140の付勢力に抗して図示反時計回り方向に回動し、コイルバネ140を押し縮めながら、図4(b)に示す開放位置に変位することとなる。
【0077】
一方、支持体61を、装着位置から外側位置へ移動させるときには、図4(a)に示すように、シャッタ130と押圧部25との当接が解除されるため、シャッタ130は、コイルバネ140の付勢力によって図示時計回り方向に回動し、閉塞位置に変位することとなる。
【0078】
以上のように、本実施形態のカラープリンタ1は、支持体61が装着位置から外側位置へ移動する間にシャッタ130を開放位置から閉塞位置に変位させ、支持体61が外側位置から装着位置へ移動する間にシャッタ130を閉塞位置から開放位置に変位させるように構成されている。
【0079】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
閉塞位置と開放位置との間を変位可能に構成されたシャッタ130が、ブレード120の先端部121よりも下に設けられているので、中間転写ベルト73とブレード120を近づけて配置することが可能となる。これにより、本体筐体2内に確保するスペースを小さくできるので、本体筐体2の小型化が可能となり、カラープリンタ1の小型化を図ることができる。
【0080】
回収ユニット100と感光体ドラム62の両方が中間転写ベルト73の下方に配置されているので、回収ユニット100と感光体ドラム62とが中間転写ベルト73を挟んで反対側に配置される構成と比較して、カラープリンタ1を上下方向に小型化することができる。
【0081】
また、支持体61が装着位置から外側位置へ移動する間にシャッタ130を閉塞位置に変位させ、支持体61が外側位置から装着位置へ移動する間にシャッタ130を開放位置に変位させるように構成されているので、シャッタ130を開閉するための特別の操作が不要となるため、カラープリンタ1の操作性を向上させることができる。
【0082】
特に、本実施形態では、主に、回収ユニット100に設けられたコイルバネ140と、本体筐体2に設けられた押圧部25とにより上記構成を実現しているので、支持体61の移動に連動してシャッタ130を開閉させる構成を比較的簡単な構成とすることができている。
【0083】
また、シャッタ130が回動可能に支持されていることで、平行移動可能に支持される構成と比較して、シャッタ130の変位範囲(移動範囲)を小さくすることができる。これにより、本体筐体2内のシャッタ130が変位するためのスペースを小さくできるので、カラープリンタ1のさらなる小型化を図ることができる。
【0084】
さらに述べると、本実施形態においては、回動するシャッタ130が筐体110の前後左右の壁と底壁とによって囲まれた領域内に配置され、閉塞位置と開放位置との間の移動によって筐体110から外側に飛び出さないため、本体筐体2内の回収ユニット100の前後左右および下方にシャッタ130を受け入れるためのスペースを設ける必要がない。これにより、カラープリンタ1の一層の小型化が可能となっている。
【0085】
また、閉塞位置において、シャッタ130がブレード120に当接しないので、中間転写ベルト73に対して高い位置精度が要求されるブレード120の位置ずれを抑制することができる。これにより、ブレード120の掻き取り能力(回収ユニット100の回収能力)を良好に保つことができる。
【0086】
また、閉塞位置においてシャッタ130が当接する回収口112の前縁部112Aに弾性シート150が設けられているので、シャッタ130が当接する際の衝撃を和らげることができる。
【0087】
さらに、支持体61が、感光体ドラム62とブレード120が中間転写ベルト73に接触する装着位置と、感光体ドラム62とブレード120が中間転写ベルト73から離間する離間位置と、外側位置との間を移動可能に構成されているので、特に、離間位置と外側位置との間で支持体61を良好に移動させることができる。
【0088】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、先に説明した実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0089】
図6(a),(b)に示すように、本実施形態の回収ユニット200は、収容部111および回収口112が主に設けられた筐体210と、ブレード120と、シャッタ230と、シャッタ230を閉塞位置に付勢するコイルバネ240と、弾性部材250とを主に備えて構成されている。
【0090】
筐体210は、収容部111と、収容部111の上方で収容部111の内外を上下方向に連通する回収口112とを有している。
【0091】
シャッタ230は、筐体210に対して前後方向にスライド移動(平行移動)可能に支持されており、図6(a)に示す、回収口112を閉塞する閉塞位置と、図6(b)に示す、回収口112を開放する開放位置との間を変位可能に構成されている。このシャッタ230は、図6(c)に示すように、左右方向に延びる板状の本体部231と、本体部231の前部の左右両端から筐体210の外側に突出する一対の被押圧部234とを主に有して構成されている。
【0092】
本体部231は、図6(b)に示す開放位置のとき、収容部111内と外部とを連通させ(回収口112を開放し)、図6(a)に示す閉塞位置のとき、筐体210の後壁に当接して、収容部111内と外部との連通を遮断する(回収口112を閉塞する)。
【0093】
本実施形態のシャッタ230は、ブレード120の先端部121よりも下に設けられている。さらに、シャッタ230は、本体部231の全体が常に筐体210内に配置されており、シャッタ230を開いたとき、および、閉じたときに、本体部231が筐体210から飛び出さないようになっている。
【0094】
弾性部材250は、発泡弾性体などから形成された部材であり、シャッタ130が閉塞位置にあるときに、シャッタ230の後端部(当接部)と、筐体210の後壁(シャッタ230が当接する相手側の被当接部)との間に配置されている。本実施形態において、弾性部材250は、シャッタ230(本体部231)の後端部に貼着されることなどによって設けられており、開放位置から閉塞位置に変位するシャッタ230が筐体210の後壁に当接したときの衝撃を吸収する。
【0095】
次に、本実施形態におけるシャッタ230を開放するための本体筐体2側の構成と、シャッタ230の開閉動作について簡単に説明する。
【0096】
図6(c)に示すように、本体筐体2内には、左右のサイドフレーム9(図2参照)から左右方向内側に向けて突出する左右一対の押圧部93が設けられている。この一対の押圧部93には、回収ユニット200が装着された図示しない支持体が外側位置(離間位置)から装着位置へ移動するときに、筐体210の左右の壁から突出した被押圧部234が前から当接するようになっている。
【0097】
支持体が外側位置から装着位置へと移動する過程において、固定された押圧部93に対し被押圧部234が前から当接すると、被押圧部234は押圧部93に押されて前方へスライド移動するので、これに連動して、本体部231も筐体210内を前方に移動することとなる。これにより、シャッタ230が、図6(b)に示す開放位置に変位する。
【0098】
一方、支持体を、装着位置から外側位置へ移動させるときには、被押圧部234と押圧部93との当接が解除されるため、シャッタ230は、コイルバネ240の付勢力によって後方へスライド移動し、図6(a)に示す閉塞位置に変位することとなる。
【0099】
以上によれば、本実施形態においても、前記した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0100】
また、本実施形態では、本体部231が筐体210内に配置されていることで、シャッタ230の開閉により本体部231が筐体210から前後に飛び出さないため、本体筐体2内の回収ユニット200の前後に本体部231が移動するためのスペースを確保する必要がない。これにより、カラープリンタ1のさらなる小型化(とくに前後方向の小型化)を図ることができる。
【0101】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図7(a),(b)に示すように、本実施形態の回収ユニット300は、収容部111と回収口112を有する筐体310と、ブレード120と、シャッタ330と、シャッタ330を閉塞位置に付勢するコイルバネ240とを主に備えて構成されている。
【0102】
シャッタ330は、筐体210に対して前後方向にスライド移動可能に支持されており、図7(a)に示す、回収口112を閉塞する閉塞位置と、図7(b)に示す、回収口112を開放する開放位置との間を変位可能に構成されている。このシャッタ330は、左右方向に延びる板状の本体部331と、本体部331の後部に設けられた左右方向に延びる平面視略矩形状の連通口335とを主に有して構成されている。
【0103】
本実施形態のシャッタ330も、ブレード120の先端部121よりも下に設けられている。また、本実施形態のシャッタ330(本体部331)は、筐体310の後壁に設けられた貫通孔316に挿入されており、閉塞位置にあるときに、筐体310の後壁から後方に突出するようになっている。
【0104】
次に、本実施形態におけるシャッタ330を開放するための本体筐体2側の構成と、シャッタ330の開閉動作について簡単に説明する。
本体筐体2内には、装着された回収ユニット300の後方となる位置に、押圧部の他の例としての壁26が設けられている。
【0105】
回収ユニット300が装着された図示しない支持体が外側位置から装着位置へと移動する過程において、壁26にシャッタ330が当接すると、シャッタ330は壁26に押されて前方へスライド移動する。これにより、シャッタ230は、図7(b)に示す、回収口112、連通口335および収容部111が連通する開放位置に変位することとなる。
【0106】
一方、支持体を、装着位置から外側位置へ移動させるときには、シャッタ330と壁26との当接が解除されるため、シャッタ330は、コイルバネ240の付勢力によって後方へスライド移動し、図7(a)に示す、本体部331によって回収口112と収容部111との連通が閉塞される閉塞位置に変位することとなる。
【0107】
以上によれば、本実施形態においても、前記した第1実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0109】
前記実施形態では、サイドフレーム9に設けられたガイド溝91,92によって支持体61が装着位置と離間位置との間を上下に移動可能に構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置本体内に手動または電動で駆動する公知の昇降機構を設け、この昇降機構によって支持体が装着位置と離間位置との間を上下に移動可能に構成されていてもよい。
【0110】
なお、前記実施形態のカラープリンタ1のように、サイドフレーム9に設けられたガイド溝91,92によって支持体61を上下に移動可能とすることで、昇降機構を設けるような構成と比較して、画像形成装置本体内に確保するスペースを小さくすることができる。これにより、画像形成装置のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0111】
前記実施形態では、支持体61が装着位置と、離間位置と、外側位置との間を移動可能に構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明において、支持体は、離間位置を経ずに、装着位置と外側位置との間で移動可能に構成されていてもよい。
【0112】
前記第1実施形態では、シャッタ130が閉塞位置において回収口112の前縁部112A(開口部の縁部)に当接し、シャッタ130が当接する相手側の被当接部(前縁部112A)に弾性シート150(弾性部材)が設けられていた。また、前記第2実施形態では、シャッタ230が閉塞位置において筐体210の後壁(壁)に当接し、シャッタ230の当接部(後端部)に弾性部材250が設けられていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0113】
例えば、前記第1実施形態において、弾性部材は、シャッタ130の当接部(上端前面)に設けられていてもよいし、シャッタ130と前縁部112Aの両方に設けられていてもよい。また、前記第2実施形態において、弾性部材は、シャッタ230が当接する相手側の被当接部(筐体210の後壁)に設けられていてもよいし、筐体210の後壁とシャッタ230の両方に設けられていてもよい。
【0114】
さらに、シャッタは、閉塞位置において、ブレードに当接するように配設されていてもよい。この場合、シャッタの当接部分、および、シャッタが当接するブレードの被当接部の少なくとも一方には、弾性部材を設けることが望ましい。これによれば、ベルトに対して高い位置精度が要求されるブレードの位置ずれを抑制できるので、回収ユニットの回収能力を保つことができる。
【0115】
前記実施形態では、付勢部材としてコイルバネ140を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、トーションバネなどのコイルバネ以外のバネ部材や、発泡弾性体などの弾性変形可能な部材であってもよい。
【0116】
前記実施形態では、支持体が装着位置から外側位置へ移動する間にシャッタを閉塞位置に変位させ、支持体が外側位置から装着位置へ移動する間にシャッタを開放位置に変位させるように構成したが、シャッタの開閉方法はこれに限定されるものではない。例えば、シャッタは、支持体を画像形成装置本体に装着した後に、手動または電動によって開閉するように構成されていてもよい。具体的には、画像形成装置本体の側壁に、シャッタの一部と係合する操作部を設け、例えば、ユーザが操作部をスライドさせることでシャッタがスライド移動して閉塞位置と開放位置の間で変位するように構成されていてもよい。
【0117】
前記実施形態では、回収ユニット100は、支持体61に支持された状態で本体筐体2(画像形成装置本体)に対して着脱可能に構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、回収ユニットは、画像形成装置本体に対して、直接、着脱可能に構成されていてもよい。
【0118】
前記実施形態で示した回収ユニットの筐体やブレード、シャッタなどの具体的な構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、筐体が略直方体形状に形成されていたが、別の形状に形成されていてもよい。
【0119】
前記実施形態では、並列配置された感光体ドラム62が中間転写ベルト73(ベルト)の下方に配置されていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、複数の感光体ドラムは、ベルトの上方に配置されていてもよい。
【0120】
前記実施形態では、無端状のベルトとして中間転写ベルト73を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、複数の感光体ドラムとの間で用紙を搬送する搬送ベルトなどであってもよい。
【0121】
前記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ1(プリンタ)を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 カラープリンタ
2 本体筐体
9 サイドフレーム
25 押圧部
61 支持体
62 感光体ドラム
73 中間転写ベルト
100 回収ユニット
110 筐体
111 収容部
112 回収口
112A 後縁部
114 回動軸
120 ブレード
121 先端部
130 シャッタ
131 本体部
132 被支持部
140 コイルバネ
150 弾性シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に並列配置された複数の感光体ドラムと、
前記複数の感光体ドラムと対向配置される無端状のベルトと、
前記ベルトの下方に配置され、前記ベルトの表面に付着した付着物を回収する回収ユニットと、を備えた画像形成装置であって、
前記回収ユニットは、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されており、
付着物を収容する収容部と、前記収容部の上方で当該収容部の内外を上下方向に連通する開口部とを有する筐体と、
前記開口部の上方に配置された先端部が前記ベルトに摺接することで前記ベルトの表面に付着した付着物を掻き取るブレードと、
前記ブレードの先端部よりも下に設けられ、前記開口部を閉塞する閉塞位置と、前記開口部を開放する開放位置との間を前記筐体に対して変位可能に構成されたシャッタと、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シャッタは、前記開口部を開閉する本体部を有し、少なくとも前記本体部が前記筐体内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の感光体ドラムは、前記ベルトの下方に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の感光体ドラムおよび前記回収ユニットを支持し、前記画像形成装置本体に装着された装着位置と、前記画像形成装置本体の外側に移動した外側位置との間を移動可能に構成された支持体をさらに備え、
前記支持体が前記装着位置から前記外側位置へ移動する間に前記シャッタを前記開放位置から前記閉塞位置に変位させ、前記支持体が前記外側位置から前記装着位置へ移動する間に前記シャッタを前記閉塞位置から前記開放位置に変位させるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回収ユニットは、前記シャッタを前記閉塞位置に付勢する付勢部材を備え、
前記画像形成装置本体は、前記支持体が前記外側位置から前記装着位置へ移動するときに、前記シャッタに当接することで前記付勢部材の付勢力に抗して前記シャッタを前記開放位置に変位させる押圧部を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記シャッタは、前記筐体に対して回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記シャッタは、前記閉塞位置において、前記開口部の縁部に当接することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記シャッタは、前記閉塞位置において、前記開口部の縁部、前記筐体の壁、または、前記ブレードに当接し、
前記シャッタの当接部、および、前記シャッタが当接する相手側の被当接部の少なくとも一方には、弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記支持体は、画像形成装置本体に対し、前記複数の感光体ドラムおよび前記ブレードが前記ベルトに接触する前記装着位置と、前記装着位置から下方に移動した位置であって前記複数の感光体ドラムおよび前記ブレードが前記ベルトから離間する離間位置と、前記外側位置との間を移動可能に構成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−97127(P2013−97127A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238973(P2011−238973)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】