説明

画像形成装置

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は一般に画像形成装置に関し、特に例えば、画像形成のプロセスに電子写真記録方式や静電記録方式等が採用されているカラー電子写真複写機やカラーレーザビームプリンタ(以下、「LBP」という)のごときカラー画像形成装置に関する。
従来の技術 近年、カラー画像形成装置の需要が急増し、それに伴ってカラー画像形成装置に関する各種研究、開発が盛んに行なわれるようになってきた。上述した研究、開発は、カラー画像形成装置を構成する各部に亘って広範囲で行なわれているが、カラー画像形成装置を構成する要素として最も重要なものの1つである像担持体の分野においても、アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する感光体ドラムが開発されるに到っている。前述したアモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する感光体には、周知のように表面硬度が高く、半導体レーザ(770nm〜800nm)等の長波長光に高い感度を示し、然も、繰り返し使用による劣化も殆んど認められない等の優れた特質がある。そのため、最近では前記カラー画像形成装置の中でも特に高速複写機やLBP等の電子写真用感光体として採用されるようになってきている。上述したアモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する感光体ドラムを具備したカラー画像形成装置には、各種用途に合わせて複数色の色分け現象や或いは所謂カラー現像等が行える装置が現出するに到っている。前述した複数色の色分け現像のうち、例えば2色の色分け現像を行なうカラー画像形成装置の概要は、以下のようである。即ち、既に周知のように、アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する感光体ドラムを始め、像露光手段、感光体ドラムの外周面に沿って配設されている画像形成のプロセスを実行するのに必要な周辺機器類としてクリーナ、除電ランプ、主帯電器、転写帯電器等と2個の現像器等とを具備した構成となっている。前記2個の現像器中、感光体ドラムの回転方向下流側に配設されている現像器には、通常、黒色の現像剤が収容されている。前記黒色の現像剤が収容されている現像器よりも感光体ドラムの回転方向上流側に配設されている現像器には、通常、黒色以外の色の現像剤(即ち、例えば、赤色の現像剤のごとき有彩色の現像剤)が収容されている。
発明が解決しようとする課題 ところで、上述したごとき構成の2色の色分け現像を行なうカラー画像形成装置にあっては、アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する感光体が多くのダングリングボンド(未結合手)を有しており、局在準位が多くOPC感光体等と比較して表面電位の暗減衰が大きい。そのため、主帯電器からの距離が異なる黒色現像剤を収容している現像器に対応している感光体ドラム外周面上の部位(以下「第2の部位」という)と、有彩色現像剤を収容している現像器に対応している感光体ドラム外周面上の部位(以下「第1の部位」という)とで感光体ドラムの表面電位が異なってしまうので、複写画像の画像濃度が変動するという欠点がある。即ち、例えば膜厚30μのアモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する感光体上の前記第1の部位における暗部電位が480Vのときに、前記第2の部位における暗部電位は400Vと80Vも大幅に減衰してしまっているので、前記第1、第2の現像器にて夫々現像された可視画像間で濃度差が生ずることとなる。そこで、前記第1、第2の部位において一定値以上の画像濃度を持った可視画像を得るために、前記第2の部位における暗部電位の値に基づいて感光体ドラム外周面上に付与する帯電量を決定する方法が提案された。前記提案に係る方法を採用すると、前記第2の部位にて感光体ドラムの表面電位の値を決定することとなるので、前記第1の部位における暗部電位の値が必要以上に高くなり過ぎてしまうために、複写画像にかぶりが生じてしまうという欠点があった。又、第1の現像器内に収容されている有彩色現像剤は、周知のように非磁性トナーとキャリアとから成る二成分系現像剤であり第1の現像器を使用して現像を行なう場合には、前記第1の部位における感光体ドラムの帯電量が必要以上に大きくなるので、前記非磁性トナーの消費量が必要以上に多くなるのみならず、前記非磁性トナーの装置本体内への飛散や所謂ボタ落ち等が発生しやすくなるという不具合があった。このような不具合に鑑みて、特開昭61−20962号公報並びに特開昭61−120175号公報等にて夫々掲載されているごとき方法が提案されるに到った。上記両公報に係る提案の概要は、感光体ドラム外周面上の潜像電位を、電位センサにて測定することによって、主帯電器の帯電能力の環境変動、ワイヤーの汚れ、光学系の汚れ等に起因する前記感光体ドラム上の潜像電位の変動を修正したり、原稿に所定の露光量を与え、電位センサによって検出された感光体ドラムの表面電位の値から適正露光量を求めて該求めた適正露光量を自動的に設定するようになっているものである。
しかしながら、前記提案にあっては、前記第1の部位、前記第2の部位において潜像電位を同一電位に保持するために主帯電器出力を可変調整する必要があり、装置本体に設けられている電位制御システムにより第2の現像器使用時には第1の現像器使用時より主帯電器出力が多くなるように制御しなければならない。上記制御において、給電手段たる高圧トランスから主帯電器に供給する一次電流値を可変させる方法を採用する場合には、感光体ドラム表面近傍に配置されている電位センサにて感光体ドラムの表面電位を継続的に測定し、該測定の結果得られた前記第1、第2の部位における暗減衰電位に応じて前記一次電流値を可変させなけれはならず、装置の長期に亘る使用によって電位センサが汚れるとこの電位センサの表面電位検出精度が低下することとなって、良好で高品位な画質を持った複写画像を得ることができないという問題点があった。
従って本発明は、上述したごとき問題点を解決するために創案されたものであって、その目的は、主帯電器に対して給電される一次電流値を一定値に保持した状態で且つ主帯電器からの距離が異なる複数個の現像器の配設位置に夫々対応している感光体ドラム上の部位の表面電位が同一電位になるようにすることによって、装置の長期に亘る使用により電位センサの表面電位検出精度が低下しても、該検出精度の低下に影響されることなく良好で高品位な画質を持った複写画像を得ることが可能な画像形成装置を提供することである。
課題を解決するための手段 上記目的は本発明に係る画像形成装置によって達成される。要約すれば本発明の第1の態様は、アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する像担持体と、前記像担持体を像形成前に露光することにより前記像担持体上の残留電荷を除電する前露光手段と、前記像担持体の近傍に所定距離を隔てて配設されており、前記前露光手段による除電工程を経て前記像担持体上に形成された潜像を可視画像化する複数の現像手段とを備えた画像形成装置であって、該像担持体を帯電する主帯電器から異なる距離に配置された現像手段が上流側にカラー現像器、下流側に黒現像器を配置し、該主帯電器が略同一出力で、各現像器位置の電位が略同一になるように、前記各々の現像手段の選択に応じて前記前露光手段から照射される露光量を可変すべく前記前露光手段を制御する制御手段を具備したことを特徴とする画像形成装置である。又、本発明の第2の態様によれば、アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する像担持体と、前記像担持体を像形成前に露光することにより前記像担持体上の残留電荷を除電する前露光手段と、前記像担持体の近傍に所定距離を隔てて配設されており、前記前露光手段による除電工程を経て前記像担持体上に形成された潜像を可視画像化する複数の現像手段とを備えた画像形成装置であって、該像担持体を帯電する主帯電器から異なる距離に配置された現像手段が上流側にカラー現像器、下流側に黒現像器を配置し、該主帯電器が略同一出力で、各現像器位置の電位が略同一になるように、前記各々の現像手段の選択に応じて前記前露光手段から照射される露光の波長を可変すべく前記前露光手段を制御する制御手段を具備したことを特徴とする画像形成装置である。
実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する。
第1図は、本発明の一実施例に従うカラー画像形成装置を示したものである。第1図にて図示されるカラー画像形成装置は、画像形成のプロセスに電子写真記録方式を採用した2色の色分け現像を行なうカラー画像形成装置であって、その全体的な構成は既に周知であるが、その概要を説明すれば以下のようである。即ち、第1図において、カラー画像形成装置本体(以下、単に「装置本体」という)(図示しない)内の略中央部には、像担持体即ち感光体ドラム1が配設されている。前記感光体ドラム1は、第1図矢印方向(時計方向)に回転自在に支持されており、前記感光体ドラム1の外周面近傍には、感光体ドラム1の回転方向上流側から下流側に向って順に所定の間隔を置いてクリーニング器11、前露光手段即ち除電ランプ18、帯電手段即ち主帯電器2、電位センサ5、現像手段即ち第1現像器6、現像手段即ち第2現像器7、転写材供給機構20、転写帯電器9、転写帯電器9と隣接して分離帯電器10、転写材搬送機構21等が夫々配設されている。装置本体(図示しない)内の転写材搬送機構21の搬送方向下流側(第1図左方)には、定着器12が配設されている。装置本体(図示しない)内の感光体ドラム1の上方領域には、光学系22が配設されている。光学系22は、像露光手段即ち原稿17を露光する原稿露光ランプ16及び原稿露光ランプ16に対して駆動電源を給電する原稿露光ランプ電源15、光学レンス19等を具備している。前述した主帯電器2には高圧トランス14が接続されており、又前記第1現像器6の現像スリーブ6aと第2現像器7の現像スリーブ7aには、夫々現像バイアス電圧印加手段即ち現像バイアス電源8が接続されている。前記原稿露光ランプ電源15、高圧トランス14、現像バイアス電源8には、制御手段即ちコントコールユニット13が接続されている。上述した構成について更に説明すれば、以下のようである。即ち、感光体ドラム1には、アモルファス・シリコンを主成分とする膜厚30μの光導電層を有するφ108mmの円筒状の感光体ドラムが使用されており、コントロールユニット13の制御下で、プロセススピードが340mm/secにて回転駆動されるようになっている。クリーニング器11は、感光体ドラム1外周面上に残留している現像剤をかき取り除去するものである。除電ランプ18は、感光体ドラム1外周面上の残留電荷を除電するようになっているもので、本実施例においては、第2図にて示すように、700nmの波長の前露光を照射する前露光LEDアレイ18aと、610nmの波長の前露光を照射する前露光LEDアレイ18bとを備えた構成となっている。除電ランプ18に関しては、後に詳述する。主帯電器2は、高圧トランス14からの給電によって駆動して、感光体ドラム1外周面上を所定の電位で均一に帯電するようになっている。原稿露光用ランプ16には、例えばハロゲンランプが使用されており、前記原稿露光用ランプ16は、原稿露光ランプ電源15からの給電を受けて、光学系22を構成する複数個の反射ミラーや光学レンズ19等を介して主帯電器2と電位センサ5とによって画定されている間隙から感光体ドラム1外周面上に画像露光3を照射して感光体ドラム1外周面上に静電潜像を形成するようになっている。画像露光3の光路と電位センサ5との間には、ブランク露光4が設定されている。電位センサ5は、感光体ドラム1の表面電位を測定して、該測定した値をコントロールユニット13に出力する。第1現像器6、第2現像器7は、夫々前記感光体ドラム1外周面上に形成された静電潜像を可視画像化するようになっている。本実施例では、第1現像器6には、トナーとキャリアとから成る有彩色(赤色)の二成分系現像剤が収容されており、又、第2現像器7には、黒色の一成分系磁性現像剤が収容されている。現像バイアス電源8は、スイッチング手段によって第1現像器6の現像スリーブ6aと第2現像器7の現像スリーブ7aとに選択的に接続可能となっており、直流電圧成分に交流電圧成分が重畳された現像バイアス電圧を印加するようになっている。転写材供給機構20は、図示しない給紙トレイから供給される転写材を受けて、該転写材を所定のタイミングで感光体ドラム1外周面と転写帯電器9及び分離帯電器10とによって画定される対向間隙に送出するようになっている。転写帯電器9は、前記転写材に対して感光体ドラム1外周面上に形成された可視画像を転写するものである。分離帯電器10は、転写帯電器9によって前記可視画像の転写を受けた転写材を、感光体ドラム1外周面から分離するようになっている。転写材搬送機構21は、分離帯電器10によって感光体ドラム1外周面から分離された転写材を受けて定着器12方へと搬送するようになっている。定着器12は、転写材搬送機構21によって搬送されてきた転写材を受けて、該転写材に転写された可視画像を転写材上に定着するようになっている。コントロールユニット13は、前述した除電ランプ18を始め、高圧トランス14、原稿露光ランプ電源15、現像バイアス電源8をその制御下におく。コントロールユニット13は、電位センサ5からの出力信号を受けて感光体ドラム1の表面電位をフィードバック制御する。即ち、コントロールユニット13は、感光体ドラム1外周面上に所望の暗部電位を得るために、電位センサ5から出力される表面電位測定値に基づいて高圧トランス14の駆動を制御する。コントロールユニット13は、感光体ドラム1外周面上に所望の明部電位を得るために、電位センサ5から出力される表面電位測定値に基づいて原稿露光ランプ電源15の駆動を制御する。コントロールユニット13は、現像バイアス電源8の駆動を制御することによって、第1現像器6の現像スリーブ6aに印加する現像バイアス電圧の値、第2現像器7の現像スリーブ7aに印加する現像バイアス電圧の値を夫々可変調整することが可能なように構成されている。
次に上述したごとき構成のカラー画像形成装置の制御動作について説明する。まず、第1図にて図示したコントロールユニット13によって感光体ドラム1がプロセススピード340mm/secにて回転駆動させた所、主帯電器2が配設されている部位に対応している感光体ドラム1外周面上の部位が、第1の現像器6が配設されている部位と対向する位置にまで到達するのに要する時間は170msecに、第2の現像器7が配設されている部位と対向する位置にまで到達するのに要する時間は305msecに、除電ランプ18が配設されている部位と対向する位置にまで到達するのに要する時間は840m−secになった(第3図(イ)参照)。次いで、電位センサ5により感光体ドラム1上の表面電位を測定し、該測定結果に基づいて前記コントロールユニット13が前記除電ランプ18の駆動を制御することによって、第3図(ロ)曲線A、第3図(ロ)曲線Bにて夫々示す暗減衰曲線が得られた。第3図(ロ)曲線Aにて示す暗減衰曲線は、前記第2の現像器7が配設されている部位と対応する感光体ドラム1上の部位、即ち、前記第2の部位における表面電位を400Vに設定したときの主帯電器2による一次帯電が実行された時点を基準とした暗減衰カーブである。第3図(ロ)曲線Bにて示す暗減衰曲線は、前記第1の現像器6が配設されている部位と対応する感光体ドラム1の部位、即ち、前記第1の部位における表面電位を400Vに設定したときの主帯電器2による一次帯電が実行された時点を基準とした暗減衰カーブである。上述したごとき制御によって、感光体ドラム1上の表面電位を第3図(ロ)曲線A、曲線Bにて図示するよに設定した後、高圧トランス14から主帯電器2に対して供給される一次帯電電流値を500μAに固定するとともに、700nmの波長にて感光体ドラム1に対して前露光を照射する前露光LEDアレイ18aに印加する前露光点灯電圧を可変させ、第4図(イ)曲線Cにて示すように前記第1の部位における表面電位を変化させるとともに、第4図(イ)曲線Dにて示すように前記第2の部位における表面電位を変化させる制御を行なった。同様に、610nmの波長にて感光体ドラム1に対して前露光を照射する前露光LEDアレイ18bに印加する前露光点灯電圧を可変させ、第4図(ロ)曲線Eにて示すように前記第1の部位における表面電位を変化させるとともに、第4図(ロ)曲線Fにて示すように前記第2の部位における表面電位を変化させる制御をも行なった。
実験例1 以上述べたごとき条件下において、第2の現像器7を使用して感光体ドラム1上に黒色の可視画像を形成するときには、前露光LEDアレイ18a(波長700nm)に対して印加する前露光点灯電圧を、第4図(イ)曲線Dに基づいて17Vとし、第1の現像器6を使用して感光体ドラム1上に赤色の可視画像を形成するときには、前記前露光LEDアレイ18a(波長700nm)に対して印加する前露光点灯電圧を、第4図(イ)曲線Cに基づて17.4Vとするとともに、前記第1、第2の部位における表面電位の値が400Vになるように設定して、各々の現像器6、7において夫々連続1万枚のコピーを行なった結果、かぶりやトナー飛散等の画像欠陥のない良好で高品位な画質を持った複写画像を得ることができた。
比較例1 比較例として、前記前露光LEDアレイ18a(前露光の波長700nm)に対して印加する前露光点灯電圧を17Vに固定し、前記第2の部位にて暗部電位の値が400Vになるように主帯電器2に給電する電流値を設定し、他の条件に関しては前記実験例1と同様として実験を行なった結果、第1の現像器6によって形成された赤色の可視画像が電位が取れ過ぎてかぶりが発生してしまった。
実験例2 前述したごとき制御によって、感光体ドラム1上の表面電位を第3図(ロ)曲線A、曲線Bにて図示するように設定した後、高圧トランス14から主帯電器2に対して供給される一次帯電電流を500μAに固定するとともに、第1の現像器6を使用して感光体ドラム1上に赤色の可視画像を形成するときには、700nmの波長にて感光体ドラム1に対して前露光を照射する前露光LEDアレイ18aを駆動せしめ前露光LEDアレイ18aに対して印加する前露光点灯電圧を、第4図(イ)曲線Cに基づいて17.4Vとし、第2の現像器7を使用して感光体ドラム1上に黒色の可視画像を形成するときには、610nmの波長にて感光体ドラム1に対して前露光を照射する前露光LEDアレイ18bを駆動せしめ、前露光LEDアレイ18bに対して印加する前露光点灯電圧を、第4図(ロ)曲線Fに基づいて27.5Vとした。他の条件に関しては、前記実験例1と同様として実験を行なった結果、前記実験例1におけると同様にかぶりやトナー飛散等の画像欠陥のない良好で高品位な画質を持った複写画像を得ることができた。
比較例2 比較例として、前記第1の現像器6に黒色現像剤を収容せしめ、前記第2の現像器7に赤色現像剤を収容せしめて、実験例1、実験例2におけると同様の実験を行なった所、第2の現像器7を使用して赤色の可視画像を形成したときに、第1の現像器6に収容されている黒色現像剤が若干ではあるが混色しているのが認められ、黒ずんだ赤色の可視画像となってしまい鮮明な赤色の可視画像を得ることができなかった。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、アモルファスシリコン感光体の周囲に複数の現像手段を配置した画像形成装置において、像担持体を帯電する主帯電器から異なる距離に配置された現像手段が上流側にカラー現像器、下流側に黒現像器を配置し、主帯電器が略同一出力で、各現像器位置の電位が略同一になるように、各々の現像手段の選択に応じて前露光手段から照射される露光量或いは露光の波長を可変すべく前露光手段を制御する制御手段を有する構成とされるので、主帯電手段に対して給電される一次電流値を一定値に保持した状態で且つ主帯電手段からの距離が異なる複数個の現像手段の配設位置に夫々対応している像担持体上の部位の表面電位を同一とすることができ、装置の長期に亘る使用により電位センサの表面電位検出精度が低下しても、該検出精度の低下に影響されることなく混色やかぶりのない良好で高品位な画質を持った複写画像を得ることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に従うカラー画像形成装置を示した概要図である。
第2図は、本発明の一実施例に従うカラー画像形成装置が具備する除電ランプの詳細構成図である。
第3図(イ)は、本発明の一実施例に従うカラー画像形成装置における各プロセスユニットの配置関係を示した図である。
第3図(ロ)は、本発明の一実施例に従うカラー画像形成装置において実行される各工程における感光体ドラム上の表面電位の変化を示した図である。
第4図(イ)、第4図(ロ)は、本発明の一実施例に従うカラー画像形成装置において、前露光の光量、波長と感光体ドラム上の表面電位変化との関係を示した図である。
1:感光体ドラム
6:第1現像器
7:第2現像器
13:コントロールユニット
18:除電ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する像担持体と、前記像担持体を像形成前に露光することにより前記像担持体上の残留電荷を除電する前露光手段と、前記像担持体の近傍に所定距離を隔てて配設されており、前記前露光手段による除電工程を経て前記像担持体上に形成された潜像を可視画像化する複数の現像手段とを備えた画像形成装置であって、該像担持体を帯電する主帯電器から異なる距離に配置された現像手段が上流側にカラー現像器、下流側に黒現像器を配置し、該主帯電器が略同一出力で、各現像器位置の電位が略同一になるように、前記各々の現像手段の選択に応じて前記前露光手段から照射される露光量を可変すべく前記前露光手段を制御する制御手段を具備したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】アモルファス・シリコンを主成分とする光導電層を有する像担持体と、前記像担持体を像形成前に露光することにより前記像担持体上の残留電荷を除電する前露光手段と、前記像担持体の近傍に所定距離を隔てて配設されており、前記前露光手段による除電工程を経て前記像担持体上に形成された潜像を可視画像化する複数の現像手段とを備えた画像形成装置であって、該像担持体を帯電する主帯電器から異なる距離に配置された現像手段が上流側にカラー現像器、下流側に黒現像器を配置し、該主帯電器が略同一出力で、各現像器位置の電位が略同一になるように、前記各々の現像手段の選択に応じて前記前露光手段から照射される露光の波長を可変すべく前記前露光手段を制御する制御手段を具備したことを特徴とする画像形成装置。

【第2図】
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【第4図(イ)】
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【第1図】
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【第3図(イ)】
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【第3図(ロ)】
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【第4図(ロ)】
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【特許番号】第2978497号
【登録日】平成11年(1999)9月10日
【発行日】平成11年(1999)11月15日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭63−271567
【出願日】昭和63年(1988)10月27日
【公開番号】特開平2−116869
【公開日】平成2年(1990)5月1日
【審査請求日】平成7年(1995)9月25日
【審判番号】平10−154
【審判請求日】平成10年(1998)1月5日
【出願人】(999999999)キヤノン株式会社
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開 昭63−172285(JP,A)
【文献】特開 昭61−117572(JP,A)
【文献】特開 昭58−223156(JP,A)
【文献】特開 昭60−202455(JP,A)
【文献】特開 昭60−202456(JP,A)
【文献】特開 昭63−257776(JP,A)
【文献】特開 昭63−136071(JP,A)
【文献】実開 昭62−109168(JP,U)
【文献】実開 昭61−132849(JP,U)
【文献】実開 昭61−112371(JP,U)