説明

画像復元装置および画像復元方法

【課題】より正確な復元画像を生成することができる画像復元装置を提供する。
【解決手段】RAWデータの2種類のGプレーンが結合されたGプレーンを生成するGプレーン結合処理部202と、Gプレーンを45+90×n度回転した回転Gプレーンを生成するGプレーン回転処理部203と、各プレーンを周波数空間へ変換するフーリエ変換処理部105と、復元用PSFデータを周波数空間へ変換するPSFデータフーリエ変換処理部107と、復元用PSFデータを用いてプレーン毎に画像復元を行う画像復元処理部108と、各プレーンを逆フーリエ変換する逆フーリエ変換処理部109と、回転Gプレーンを逆方向に45+90×n度回転させて逆回転Gプレーンを生成するGプレーン逆回転処理部205と、逆回転Gプレーンを画像復元後の2つのGプレーンに分離するGプレーン分離処理部206と、各プレーンを結合するベイヤーRAW結合処理部207とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ(以下DSC)等で撮影した画像の電子データに対して信号処理を行い、画質の改善を行う技術に関するものである。特に本発明は、焦点のボケた画像に対して復元処理を行い、ボケの無い画像へ変換する画像復元装置および画像復元方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像復元技術としては、位相板を含む光学系を用いて被写体距離によらず均一なボケを持った画像を撮像し、信号処理によりボケた画像から復元画像処理を行う画像復元装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図5は、従来の画像復元装置100の構成を示す図である。
【0003】
同図において、撮像素子101は光学系を通して得た光信号を電子データへ変換し、ベイヤーRAWデータ102を生成していた。次に現像処理部103にて、ベイヤーRAWデータ102に対してデモザイク処理および色空間変換処理を行い、ビットマップデータへと変換していた。次にビットマップ分離処理部104にてビットマップデータのRGBデータを各色プレーンへと変換し、色プレーン毎にフーリエ変換処理部105にてフーリエ変換処理を行って周波数空間へと変換したうえで、画像復元処理部108にて画像復元処理を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−136145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の画像復元装置は、撮像素子で受光した画像データに対してデモザイク処理等の現像処理を行い、ビットマップ形式の画像データへ変換処理を行った後の画像データに対して画像復元処理を行う。このため、従来の画像復元装置では、元々の光線のボケ形状が現像処理によって変形してしまうために、正確に復元処理が行えないという課題を有していた。
【0006】
ここで一般的な現像処理について図6を用いて説明する。同図は、画像データの画素配列を示す図である。
【0007】
撮像素子の各セルは、赤・青・緑等のカラーフィルタによって単一色に減光された光線を輝度値に変換し、RAW画像データ301として記録する。すなわちRAW画像データ301では、各画素の輝度情報は赤・青・緑のいずれか一色のみである。
【0008】
RAW画像データ301の画素配列の並びは実装により異なるが、代表的な画素配列であるベイヤー配列では、同図の(a)に示すように、赤・青・緑の比がそれぞれ1:1:2の割合で配置する。緑の画素比が多いのは、人間の視覚特性が緑色の波長に対して敏感であるためである。
【0009】
そして、同図の(b)に示すように、RAW画像データ301から人間の知覚できるビットマップ画像データ302へ変換する処理が必要であり、一般的にこれを現像処理と呼ぶ。ビットマップ画像データ302は各画素に対してRGBの3種類の色情報を持つため、現像処理ではある色情報が存在しない画素に対しては、周辺画素の色情報から補間して作成した色を埋める。
【0010】
このときの補間アルゴリズムは実装によって異なるが、カラーフィルタで失われた情報を完全に復元することは困難であり、誤差を含んだ色情報となる。このように現像処理によって誤差を含む画像データに対して復元処理を実行したとしても、現画像に正確に復元することはできない。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、より正確な復元画像を生成することができる画像復元装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像復元装置は、ベイヤー配列の撮像素子から取得されたRAWデータから分離されたRGBの色成分毎のプレーンのうち2種類のG成分のプレーンであるG1プレーンとG2プレーンとが交互に混合されるように結合されたGプレーンを生成するGプレーン結合処理部と、生成された前記Gプレーンを(45+90×n)(nは整数)度回転した回転Gプレーンを生成するGプレーン回転処理部と、前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーンを周波数空間へ変換するフーリエ変換処理部と、復元用の点拡散関数(PSF)データである復元用PSFデータを周波数空間へ変換するPSFデータフーリエ変換処理部と、変換された前記復元用PSFデータを用いて、前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーン毎に画像復元を行う画像復元処理部と、前記画像復元が行われた各プレーンを逆フーリエ変換により変換する逆フーリエ変換処理部と、前記逆フーリエ変換により変換された前記回転Gプレーンを、前記Gプレーン回転処理部による回転方向と逆方向に(45+90×n)度回転させて、逆回転Gプレーンを生成するGプレーン逆回転処理部と、生成された前記逆回転Gプレーンを、前記G1プレーン及び前記G2プレーンに対応する画像復元後の2つのGプレーンに分離するGプレーン分離処理部と、分離された2つのGプレーンを含む各色成分のプレーンを結合してベイヤー配列のRAWデータを生成するベイヤーRAW結合処理部とを備える。
【0013】
これによれば、Gプレーンを結合して回転Gプレーンを生成し、各色成分のプレーンを周波数空間へ変換して、当該プレーン毎に画像復元を行う。本構成によって、周波数空間上での復元処理を行うことにより、現像処理によってボケ形状が変形することなく復元処理を行うことができるため、より正確な復元画像を生成することができる。
【0014】
また、好ましくは、さらに、ベイヤー配列の撮像素子から取得したRAWデータをRGBの色成分毎のプレーンに分離するベイヤーRAW分離処理部を備え、前記Gプレーン結合処理部は、前記ベイヤーRAW分離処理部が分離したプレーンから前記G1プレーン及び前記G2プレーンを取得することで、前記Gプレーンを生成する。
【0015】
これによれば、撮像素子から取得したRAWデータをRGBの色成分毎のプレーンに分離することで、G1プレーン及びG2プレーンを取得し、Gプレーンを生成する。つまり、1つの撮像素子から取得したRAWデータを分離することで、Gプレーンを生成することができる。このため、複数の撮像素子を用いることなく、正確な復元画像を生成することができる。
【0016】
また、前記Gプレーン結合処理部は、前記G1プレーンを取得するための撮像素子と、前記G2プレーンを取得するための撮像素子とから、前記G1プレーン及び前記G2プレーンをそれぞれ取得することで、前記Gプレーンを生成することにしてもよい。
【0017】
これによれば、2つの撮像素子からG1プレーン及びG2プレーンを取得し、Gプレーンを生成する。つまり、RAWデータをRGBの色成分毎のプレーンに分離することなく、撮像素子から直接G1プレーン及びG2プレーンを取得することができる。このため、RAWデータを色成分毎のプレーンに分離する処理を行うことなく、正確な復元画像を生成することができる。
【0018】
また、好ましくは、さらに、GプレーンについてのPSFデータを、(45+90×n)度回転するとともに、前記回転Gプレーンと同じスケールに変換するPSF拡大・縮小・回転処理部を備え、前記PSFデータフーリエ変換処理部は、前記PSF拡大・縮小・回転処理部によって変換されたPSFデータである前記復元用PSFデータを周波数空間へ変換する。
【0019】
これによれば、Gプレーンについての復元用PSFデータを生成して、当該復元用PSFデータを周波数空間へ変換する。これにより、Gプレーンについての画像復元を正確に行うことができる。
【0020】
また、さらに、GプレーンについてのPSFデータが、(45+90×n)度回転されるとともに、前記回転Gプレーンと同じスケールに変換された前記復元用PSFデータを保持しているPSFデータメモリを備えることにしてもよい。
【0021】
これによれば、Gプレーンについての復元用PSFデータをメモリに保持する。これにより、Gプレーンについての復元用PSFデータを生成することなく、Gプレーンについての画像復元を正確に行うことができる。
【0022】
また、本発明は、このような画像復元装置として実現できるだけでなく、当該画像復元装置を構成する各処理部を備え当該画像復元装置を制御する集積回路として実現したり、当該各処理部の処理をステップとする方法として実現したりすることができる。さらに、本発明は、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る画像復元装置によれば、より正確な復元画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1における画像復元装置の全体構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるGプレーン結合処理部およびGプレーン回転処理部の動作を説明する図
【図3】本発明の実施の形態1におけるGプレーンのセルピッチ幅の変化を示す図
【図4】本発明の実施の形態2におけるGプレーンのデータ処理部分の構成図
【図5】従来の画像復元装置の全体構成図
【図6】画像データの画素配列を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における画像復元装置200の全体構成図である。なお、同図において、図5と同じ構成要素については同じ符号を用いている。
【0027】
同図に示すように、画像復元装置200は、撮像素子101、ベイヤーRAW分離処理部201、Gプレーン結合処理部202、Gプレーン回転処理部203、フーリエ変換処理部105、PSFデータメモリ106、PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204、PSFデータフーリエ変換処理部107、画像復元処理部108、逆フーリエ変換処理部109、Gプレーン逆回転処理部205、Gプレーン分離処理部206、ベイヤーRAW結合処理部207、現像処理部103、及び画像データメモリ111を備えている。
【0028】
撮像素子101は、光学系を通して得た光信号を電子データへ変換し、ベイヤーRAWデータ102を生成するベイヤー配列の撮像素子である。
【0029】
ベイヤーRAW分離処理部201は、撮像素子101から取得したベイヤーRAWデータ102のRGBプレーンを色別に分離したプレーンへと分割する。つまり、ベイヤーRAW分離処理部201は、ベイヤーRAWデータ102のRGBプレーンを、Rプレーン、Gプレーン及びBプレーンに分割する。
【0030】
Gプレーン結合処理部202は、ベイヤーRAW分離処理部201が分割したプレーンのうち二種類のGプレーンを一枚のプレーンへ結合する。
【0031】
Gプレーン回転処理部203は、Gプレーン結合処理部202が結合したプレーンを回転させる。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態1におけるGプレーン結合処理部202およびGプレーン回転処理部203の処理を示した図である。
【0033】
同図に示すように、Gプレーン結合処理部202は、二種類のGプレーンであるG1プレーン401とG2プレーン402とが交互に混合されるように結合された一枚のGプレーン403を生成する。ここで、G1プレーン401とG2プレーン402とが結合したGプレーン403は、一画素ごとに空白を持ち、G1プレーン401とG2プレーン402の要素が交互に並べられる。
【0034】
そして、Gプレーン回転処理部203は、結合されたGプレーン403を(45+90×n)(nは整数)度回転させる。ここでは、一例として、Gプレーン回転処理部203は、結合されたGプレーン403を45度回転させることとする。また、回転させる方向はどちらでも良い。回転後のGプレーンである回転Gプレーン404はG1プレーン401とG2プレーン402の間の空白の無い配置となる。
【0035】
ここで、G1プレーン401およびG2プレーン402から、回転Gプレーン404への各画素間の関係は、以下の式1により表される。式1において、x,yは回転Gプレーン404上の二次元座標であり、hは、G1プレーン401およびG2プレーン402の高さである。また、xy座標は1から始まるものとする。
【0036】
【数1】

【0037】
図3は、本発明の実施の形態1におけるGプレーンのセルピッチ幅の変化について示した図である。G1プレーン401およびG2プレーン402のセルピッチ幅を2とおいた時、Gプレーン回転処理部203による上記変換処理により生成された回転Gプレーン404のセルピッチ幅は、√2となる。
【0038】
図1に戻り、フーリエ変換処理部105は、フーリエ変換処理を行って、Gプレーン、RプレーンおよびBプレーンをそれぞれ周波数空間へ変換する。
【0039】
PSFデータメモリ106は、点拡散関数(以下、PSF(Point Spread Function)という)データを格納している。
【0040】
PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204は、Gプレーンについて、PSFデータメモリ106に格納されているPSFデータの変換を行い、復元用のPSFデータである復元用PSFデータを生成する。
【0041】
具体的には、PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204は、PSFデータのセルピッチ幅がGプレーン回転処理部203の処理後のGプレーンのセルピッチ幅と異なる場合は、当該セルピッチ幅が同一となるよう、PSFデータの拡大または縮小処理を行う。
【0042】
また、PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204は、Gプレーン回転処理部203で回転させる方向と同じ方向に、PSFデータを(45+90×n)度回転させる。ここでは、Gプレーン回転処理部203がGプレーン403を45度回転させているため、PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204も、PSFデータを45度回転させる。上記処理により、PSFデータは、回転したGプレーンと対応する復元用PSFデータに変換される。
【0043】
PSFデータフーリエ変換処理部107は、フーリエ変換処理を行って、復元用PSFデータを周波数空間へ変換する。なお、Rプレーン及びBプレーンについては、PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204による変換処理は行われないため、PSFデータフーリエ変換処理部107は、PSFデータメモリ106に格納されているPSFデータを復元用PSFデータとして、そのまま周波数空間へ変換する。
【0044】
画像復元処理部108は、周波数空間上で、各色成分のプレーンを当該各プレーンに対応する復元用PSFデータで除算することで、画像復元を行う。
【0045】
逆フーリエ変換処理部109は、逆フーリエ変換により復元後のデータを画像空間へ変換する。
【0046】
Gプレーン逆回転処理部205は、逆フーリエ変換処理部109が変換した復元後のデータのうちGプレーンについて、Gプレーン回転処理部203で回転された方向と逆方向に(45+90×n)度回転させることで、画像復元後の回転Gプレーン404を元の画像方向と等しくなるように変換することで、逆回転Gプレーンを生成する。ここでは、Gプレーン回転処理部203がGプレーン403を45度回転させているため、Gプレーン逆回転処理部205は、Gプレーン回転処理部203で回転された方向と逆方向に45度回転させる。
【0047】
Gプレーン分離処理部206は、二つのGプレーンが混合された状態を、二種類の別のプレーンへと変換する。つまり、Gプレーン分離処理部206は、逆回転Gプレーンを、G1プレーン401およびG2プレーン402に対応する画像復元後の2つのGプレーンに分離する。
【0048】
画像復元後の回転Gプレーン404から、画像復元後のG1プレーン401およびG2プレーン402への各画素間の関係は、以下の式2及び式3により表される。なお、式2及び式3において、x,yはG1プレーン401またはG2プレーン402上の二次元座標であり、hは、G1プレーン401およびG2プレーン402の高さである。また、xy座標は1から始まるものとする。
【0049】
G1(x,y)=G(h+x−y,x+y−1) (式2)
G2(x,y)=G(h+x−y+1,x+y−1) (式3)
【0050】
ベイヤーRAW結合処理部207は、Rプレーン及びBプレーンと、二種類のGプレーンとを結合し、一枚のベイヤーRAWデータ102aへと変換する。
【0051】
現像処理部103は、ベイヤーRAWデータ102aにデモザイク処理やホワイトバランス補正等を施し、ビットマップデータへと変換したものを画像データメモリ111へ記録する。
【0052】
かかる構成によれば、Gプレーンを結合して回転Gプレーン404を生成し、各プレーンを周波数空間へ変換して、プレーン毎に画像復元を行う。つまり、Gプレーンを回転させるGプレーン回転処理部203を設けることにより、より高い周波を含む周波数空間上での復元処理が可能となる。このため、現像処理によってボケ形状が変形することなく復元処理を行うことができるため、正確で高精彩な復元画像を得ることができる。
【0053】
また、撮像素子101から取得したベイヤーRAWデータ102をRGBの色成分毎のプレーンに分離することで、G1プレーン401及びG2プレーン402を取得し、Gプレーン403を生成する。つまり、1つの撮像素子101から取得したベイヤーRAWデータ102を分離することで、Gプレーン403を生成することができる。このため、複数の撮像素子を用いることなく、正確な復元画像を生成することができる。
【0054】
また、Gプレーンについての復元用PSFデータを生成して、当該復元用PSFデータを周波数空間へ変換する。これにより、Gプレーンについての画像復元を正確に行うことができる。
【0055】
なお、本実施の形態において、画像復元装置200は、GプレーンのPSFデータを変形させるためにPSFデータ拡大・縮小・回転処理部204を備えることとした。しかし、画像復元装置200は、PSFデータ拡大・縮小・回転処理部204を備えておらず、あらかじめ変形させた復元用PSFデータをPSFデータメモリ106に格納しておくことにしても良い。
【0056】
これにより、Gプレーンについての復元用PSFデータを生成することなく、Gプレーンについての画像復元を正確に行うことができる。
【0057】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における画像復元装置300のGプレーンのデータ処理部分の構成図である。なお、同図において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0058】
具体的には、同図は、図1に示された実施の形態1における画像復元装置200の撮像素子101、ベイヤーRAW分離処理部201、Gプレーン結合処理部202、Gプレーン回転処理部203、フーリエ変換処理部105及び画像復元処理部108の部分の構成図である。なお、上記部分以外の構成要素については、本実施の形態2における画像復元装置300は、実施の形態1における画像復元装置200と同じ構成要素を備えている。
【0059】
図4において、G1撮像素子601a,G2撮像素子601b,RB撮像素子601cはそれぞれ、G1プレーン401、G2プレーン402、RBプレーン602cに対応した撮像素子である。なお、RBプレーン602cは、RとBが交互に混合された一枚のプレーンである。
【0060】
つまり、本実施の形態2においては、複数の撮像素子を用いることにより、Gプレーン結合処理部202は、実施の形態1のベイヤーRAW分離処理部201によって生成したG1プレーン401およびG2プレーン402を、G1撮像素子601a及びG2撮像素子601bより直接取得する。
【0061】
そして、Gプレーン結合処理部202は、G1プレーン401とG2プレーン402とを一枚のプレーンへ結合する。
【0062】
RBプレーン分離処理部603は、RBプレーン602cについて、RとBが交互に混合された一枚のプレーンを、RプレーンとBプレーンへと分離する。
【0063】
また、以降の処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
上記構成により、RAWデータをRGBの色成分毎のプレーンに分離することなく、撮像素子から直接G1プレーン401及びG2プレーン402を取得することができる。このため、RAWデータを色成分毎のプレーンに分離する処理を行うことなく、複数の撮像素子からなる画像復元装置300においても、実施の形態1と同様に復元処理画像の精度向上が可能となる。
【0065】
以上、本発明に係る画像復元装置について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0066】
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明にかかる画像復元装置は、デジタルスチルカメラやデジタルムービー等として有用である。またパーソナルコンピュータ用ソフトウェア等の用途にも応用できる。
【符号の説明】
【0068】
100、200、300 画像復元装置
101 撮像素子
102、102a ベイヤーRAWデータ
103 現像処理部
104 ビットマップ分離処理部
105 フーリエ変換処理部
106 PSFデータメモリ
107 PSFデータフーリエ変換処理部
108 画像復元処理部
109 逆フーリエ変換処理部
110 ビットマップ結合処理部
111 画像データメモリ
201 ベイヤーRAW分離処理部
202 Gプレーン結合処理部
203 Gプレーン回転処理部
204 PSFデータ拡大・縮小・回転処理部
205 Gプレーン逆回転処理部
206 Gプレーン分離処理部
207 ベイヤーRAW結合処理部
301 RAW画像データ
302 ビットマップ画像データ
401 G1プレーン
402 G2プレーン
403 Gプレーン
404 回転Gプレーン
601a G1撮像素子
601b G2撮像素子
601c RB撮像素子
602c RBプレーン
603 RBプレーン分離処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイヤー配列の撮像素子から取得されたRAWデータから分離されたRGBの色成分毎のプレーンのうち2種類のG成分のプレーンであるG1プレーンとG2プレーンとが交互に混合されるように結合されたGプレーンを生成するGプレーン結合処理部と、
生成された前記Gプレーンを(45+90×n)(nは整数)度回転した回転Gプレーンを生成するGプレーン回転処理部と、
前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーンを周波数空間へ変換するフーリエ変換処理部と、
復元用の点拡散関数(PSF)データである復元用PSFデータを周波数空間へ変換するPSFデータフーリエ変換処理部と、
変換された前記復元用PSFデータを用いて、前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーン毎に画像復元を行う画像復元処理部と、
前記画像復元が行われた各プレーンを逆フーリエ変換により変換する逆フーリエ変換処理部と、
前記逆フーリエ変換により変換された前記回転Gプレーンを、前記Gプレーン回転処理部による回転方向と逆方向に(45+90×n)度回転させて、逆回転Gプレーンを生成するGプレーン逆回転処理部と、
生成された前記逆回転Gプレーンを、前記G1プレーン及び前記G2プレーンに対応する画像復元後の2つのGプレーンに分離するGプレーン分離処理部と、
分離された2つのGプレーンを含む各色成分のプレーンを結合してベイヤー配列のRAWデータを生成するベイヤーRAW結合処理部と
を備える画像復元装置。
【請求項2】
さらに、
ベイヤー配列の撮像素子から取得したRAWデータをRGBの色成分毎のプレーンに分離するベイヤーRAW分離処理部を備え、
前記Gプレーン結合処理部は、前記ベイヤーRAW分離処理部が分離したプレーンから前記G1プレーン及び前記G2プレーンを取得することで、前記Gプレーンを生成する
請求項1に記載の画像復元装置。
【請求項3】
前記Gプレーン結合処理部は、前記G1プレーンを取得するための撮像素子と、前記G2プレーンを取得するための撮像素子とから、前記G1プレーン及び前記G2プレーンをそれぞれ取得することで、前記Gプレーンを生成する
請求項1に記載の画像復元装置。
【請求項4】
さらに、
GプレーンについてのPSFデータを、(45+90×n)度回転するとともに、前記回転Gプレーンと同じスケールに変換するPSF拡大・縮小・回転処理部を備え、
前記PSFデータフーリエ変換処理部は、前記PSF拡大・縮小・回転処理部によって変換されたPSFデータである前記復元用PSFデータを周波数空間へ変換する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像復元装置。
【請求項5】
さらに、
GプレーンについてのPSFデータが、(45+90×n)度回転されるとともに、前記回転Gプレーンと同じスケールに変換された前記復元用PSFデータを保持しているPSFデータメモリを備える
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像復元装置。
【請求項6】
ベイヤー配列の撮像素子から取得されたRAWデータから分離されたRGBの色成分毎のプレーンのうち2種類のG成分のプレーンであるG1プレーンとG2プレーンとが交互に混合されるように結合されたGプレーンを生成するGプレーン結合処理ステップと、
生成された前記Gプレーンを(45+90×n)(nは整数)度回転した回転Gプレーンを生成するGプレーン回転処理ステップと、
前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーンを周波数空間へ変換するフーリエ変換処理ステップと、
復元用の点拡散関数(PSF)データである復元用PSFデータを周波数空間へ変換するPSFデータフーリエ変換処理ステップと、
変換された前記復元用PSFデータを用いて、前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーン毎に画像復元を行う画像復元処理ステップと、
前記画像復元が行われた各プレーンを逆フーリエ変換により変換する逆フーリエ変換処理ステップと、
前記逆フーリエ変換により変換された前記回転Gプレーンを、前記Gプレーン回転処理ステップでの回転方向と逆方向に(45+90×n)度回転させて、逆回転Gプレーンを生成するGプレーン逆回転処理ステップと、
生成された前記逆回転Gプレーンを、前記G1プレーン及び前記G2プレーンに対応する画像復元後の2つのGプレーンに分離するGプレーン分離処理ステップと、
分離された2つのGプレーンを含む各色成分のプレーンを結合してベイヤー配列のRAWデータを生成するベイヤーRAW結合処理ステップと
を含む画像復元方法。
【請求項7】
ベイヤー配列の撮像素子から取得されたRAWデータから分離されたRGBの色成分毎のプレーンのうち2種類のG成分のプレーンであるG1プレーンとG2プレーンとが交互に混合されるように結合されたGプレーンを生成するGプレーン結合処理ステップと、
生成された前記Gプレーンを(45+90×n)(nは整数)度回転した回転Gプレーンを生成するGプレーン回転処理ステップと、
前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーンを周波数空間へ変換するフーリエ変換処理ステップと、
復元用の点拡散関数(PSF)データである復元用PSFデータを周波数空間へ変換するPSFデータフーリエ変換処理ステップと、
変換された前記復元用PSFデータを用いて、前記回転Gプレーンを含む各色成分のプレーン毎に画像復元を行う画像復元処理ステップと、
前記画像復元が行われた各プレーンを逆フーリエ変換により変換する逆フーリエ変換処理ステップと、
前記逆フーリエ変換により変換された前記回転Gプレーンを、前記Gプレーン回転処理ステップでの回転方向と逆方向に(45+90×n)度回転させて、逆回転Gプレーンを生成するGプレーン逆回転処理ステップと、
生成された前記逆回転Gプレーンを、前記G1プレーン及び前記G2プレーンに対応する画像復元後の2つのGプレーンに分離するGプレーン分離処理ステップと、
分離された2つのGプレーンを含む各色成分のプレーンを結合してベイヤー配列のRAWデータを生成するベイヤーRAW結合処理ステップと
をコンピュータに実行させる画像復元プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−4820(P2012−4820A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137524(P2010−137524)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】