説明

画像提供装置

【課題】 高さが異なる複数のユーザが利用しやすい画像提供装置を提供する。
【解決手段】 高さが異なる複数の被写体を撮影する撮影手段と、撮影された画像を表示する表示手段と、表示される画像を選択させる操作手段と、選択された画像を出力する画像提供手段とを備えた画像提供装置であって、前記撮影手段は、顔位置の高い被写体を撮影する第1のカメラと、前記第1のカメラより低い位置に設けられ、顔位置の低い被写体を撮影する第2のカメラとを備え、前記表示手段は、第1のモニタ5と、前記第1のモニタ5より低い位置に設けられた第2のモニタとを備え、前記画像提供手段は、前記撮影手段により撮影された画像のうちからユーザに所望の画像を選択させ、前記選択された画像を出力するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さが異なる複数の被写体を撮影する撮影手段と、撮影された画像を表示する表示手段と、表示された画像を選択させる操作手段と、選択された画像を出力する画像提供手段とを備えた画像提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームセンター等に設置され、被写体を撮影し画像をプリント排出する画像提供装置が広く普及している。このような画像提供装置は、カップル、友人若しくは親子など多様なユーザに利用される。ここで、従来の画像提供装置は、カメラ及びモニタが、成人用の高さに固定的に取付けられているため、顔の位置が低く撮影範囲に届かない子供等と一緒に撮影する場合は、例えば、親等の同伴者が備え付けの踏み台を子供に使わせるか、子供を抱き上げて撮影範囲に納めることが必要になっている。また、特許文献1のように、可動アームの先端にカメラを備えたことにより、アームを下方に動かして撮影することが可能な映像プリント遊戯装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3071822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1記載の映像プリント遊戯装置も、モニタが高い位置で固定されている。そのため、顔位置の低いユーザは、同伴者の協力を必要とせずとも当該アームを下方に動かすことで自己を撮影範囲に収めることができるが、表示された画像を確認するためには下からモニタを見上げる状態なってしまう。この場合、モニタの視野角如何によっては満足に自己の画像を確認することが困難である。また、子供と同程度の顔位置の老人や車椅子使用者は、踏み台に上がることも、同伴者が抱上げることも困難であるため、これらの者は、たとえ同伴者がその場にいたとしても自己の画像を満足に確認することができない。このように、従来の画像提供装置は、顔位置の低いユーザに対してユーザフレンドリーとはいえない構成になっているため、これらユーザが積極的に画像提供装置を利用することが困難である。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するため、顔位置の低いユーザ同士であっても、また複数のユーザの中に顔位置の低いユーザが含まれる場合であってもこれら全てのユーザが利用し易く親しみやすい画像提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、高さが異なる複数の被写体を撮影する撮影手段と、撮影された画像を表示する表示手段と、表示された画像を選択させる操作手段と、選択された画像を出力する画像提供手段とを備えた画像提供装置であって、前記撮影手段は、顔位置の高い被写体を撮影する第1のカメラと、前記第1のカメラより低い位置に設けられ、顔位置の低い被写体を撮影する第2のカメラとを備え、前記表示手段は、第1のモニタと、前記第1のモニタより低い位置に設けられた第2のモニタとを備え、前記画像提供手段は、前記撮影手段により撮影された画像のうちからユーザに所望の画像を選択させ、前記選択された画像を出力するものである。
【0007】
このような構成によれば、第1のカメラより低い位置に第2のカメラを備えたことにより、顔位置の低いユーザでも適切に撮影範囲に収めることができる。また、第1のモニタより低い位置に第2のモニタを備えたことにより、モニタの視野角にかかわらず、モニタに表示された画像を正面から確認させることができる。このように、ユーザフレンドリーな構成にしたことによって、顔位置の低いユーザ同士であっても、また複数のユーザの中に顔位置の低いユーザが含まれる場合であってもこれら全てのユーザが利用し易く親しみやすい画像提供装置を提供することができる。
【0008】
この発明の1の実施形態によれば、前記第1及び第2のモニタは、前記第1若しくは第2のカメラで撮影された画像のうち少なくとも1つの画像をユーザの選択により表示するものである。
【0009】
このような構成により、第1若しくは第2のモニタのうちから、画像を表示させるモニタを選択させることができる。また、選択されたモニタに第1及び第2のカメラで撮影された何れの画像を表示させるかを選択させることができる。例えば、ユーザは、まず第1のモニタを選択し、このモニタに表示させる画像を、第1及び第2のカメラで撮影された画像のうちから選択することができる。
【0010】
この発明の別の1実施形態によれば、前記第1及び第2のモニタのうち少なくとも一つのモニタは、前記第1及び第2のカメラで撮影された夫々の画像を連続的に表示するものである。さらに、前記撮影された全ての画像を一覧表示し、この一覧表示された画像からユーザに複数の画像を選択させ、前記第1及び2のカメラで撮影された画像を連続的に表示するものである。
【0011】
このような構成により、第1及び第2のカメラで撮影された複数の画像を連続表示することにより、ユーザに簡易に画像を確認させることができる。また、複数の画像を一覧表示し、ユーザに所望の画像を選択させてから連続表示をすることによって、画像が絞込まれ、より簡易に画像を確認させることができる。
【0012】
この発明の更なる別の1実施形態によれば、前記操作手段は、前記第1のカメラ若しくは第1のモニタの近傍に設けられた第1の操作部と、前記第2のカメラ若しくは第2のモニタの近傍に設けられた第2の操作部とを備えるものである。
【0013】
このような構成により、顔位置の高さにかかわらず、ユーザはどちらか使いやすい操作部を選択して操作ができる。
【0014】
この発明の更なる別の1実施形態によれば、前記第1の操作部は、前記第2の操作部の少なくとも一部の操作を制限させるものである。
【0015】
このような構成により、例えば、子供やペット等が第2の操作部に悪戯して同伴者の意図しない操作を行わせないようにすることができる。
【0016】
この発明の更なる別の1実施形態によれば、前記第1及び第2のカメラによって撮影された夫々の画像を、所定の面積割合及び位置に基づいて切出し、前記切出された夫々の画像を合成する画像合成手段を備え、前記表示手段は、前記合成された画像を表示するものである。さらに、前記第2のカメラで撮影された被写体を捕捉して認識し、前記認識された画像を出力する追尾手段を備え、前記合成手段は、前記出力された画像と前記第1のカメラで撮影された画像とを合成するものである。
【0017】
このような構成により、例えば、高さが異なる複数のユーザを第1若及び第2のカメラで夫々撮影し、一画像として提供することができる。また、追尾機能を備えることにより、例えば、撮影時にカメラの前で挙動が安定しない子供やペットを適切に撮影することができる。
【発明の効果】
【0018】
このような発明によれば、顔位置の低いユーザ同士であっても、また複数のユーザの中に顔位置の低いユーザが含まれる場合であっても全てのユーザが利用し易く楽しめる画像提供装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、シャッターを切る前の画像を「動画」、シャッターを切った瞬間の画像を「静止画」、及び両者を含む場合を「画像」と夫々表記する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係る画像提供装置の全体斜視図を示している。この図において符号1で示す画像提供装置は、筐体2と、この筐体2の前面に備えられた第1及び第2のカメラ3、4、第1及び第2のモニタ5、6、コイン投入口9、赤外線通信部10及びスピーカ14と、筐体2の内部に備えられたプリント排出部11及び制御ユニット12と、筐体2の上部外周を被覆するカーテン13(一部切り欠いて示す)とからなる。なお、図示しないが、演出用の照明関連装置を備えるものであってもよい。
【0021】
第1及び第2のカメラ3、4は、何れも従来の画像提供装置と同様に撮影角度が調節可能なデジタルカメラで構成されている。これらのカメラ3、4は、後述する制御ユニット12により、一の操作により同時に静止画を撮影する(シャッターを切る)ように制御されるが、個別に撮影操作を行えるものであってもよい。図示の例では、第1及び第2のカメラ3、4を1個ずつ設けているが、一方若しくは両方を複数個設けてもよい。また、これらのカメラ3、4は、広角度や解像度の異なる種類のカメラであってもよい。なお、以下においては、説明の便宜上、第1のカメラで撮影した画像を「第1の画像」、第2のカメラで撮影した画像を「第2の画像」と表記する。
【0022】
第1のカメラ3は、主に顔位置の高い被写体を好適に撮影できるものであり、地上(筐体の底面。以下同様。)から140〜160センチメートル付近に設置される。また、第2のカメラ4は、主に顔位置の低い被写体を好適に撮影できるものであり、レンズ中心の高さは地上から100〜120センチメートル付近に設置される。
【0023】
第1のモニタ5、6は、何れも液晶モニタであり、第1及び第2のカメラ3,4で第1及び第2の動画をリアルタイムで表示するとともに、シャッターが切られた瞬間の静止画を一定時間(3〜5秒程度)表示するものである。また、ユーザに対して各種の操作案内メッセージも表示される。これらのモニタ5、6は、複数画像の一覧表示が可能なワイドサイズタイプが好適に採用される。表示する画像の切替えは、後述の操作部7、8によってユーザが選択可能である。モニタ起動時の表示画像の割当ては、第1の動画は第1のモニタ5に、第2の動画は第2のモニタ6に夫々表示するように予め設定される。
【0024】
第1のモニタ5は、第1のカメラ3の下方であって、モニタ中心部が地上から120〜140センチメートル付近に設置される。本実施例では、顔位置の高いユーザが見易いように上方に向かって若干の傾斜をつけて設置されている。なお、ユーザにとって見易い角度となるように角度調整機能を備えてもよい。また、第2のモニタ6は、第2のカメラ4の下方であって、モニタ中心高さが80〜100センチメートル付近に設置される。
【0025】
赤外線通信部10は、ユーザの所有する携帯電話等に、選択された静止画を画像データとして送信するものである。
【0026】
プリント排出部11は、ユーザが選択した静止画を筐体2に内蔵されたプリンタ11aでシール台紙に印刷してプリント排出口11bから排出するものである。赤外線通信を利用して画像データを無線送信するか、プリンタで印刷するかは、利用回ごと、画像ごとにユーザに選択させるようにしてもよい。
【0027】
前記第1及び第2のモニタ5、6は、第1及び第2の操作部7、8が画面上に表示されて一体化されたタッチパネルで構成されている。この第1の操作部7は、図2に示すように、第1のモニタ切替えボタン7a及び7bと、第2のモニタ切替えボタン7c及び7dと、合成ボタン7eと、連続表示ボタン7fと、制限ボタン7gとによって構成される。第1の操作部7は、これらのボタンは、所定の操作案内メッセージ等とともに第1のモニタ5に表示される。
【0028】
第1のモニタ切替えボタン7a、7bは、第1及び第2の画像のうちから第1のモニタ5に表示させる画像をユーザに選択させるためのボタンである。例えば、上記した初期設定の状態で、ユーザが第1のモニタ切替えボタン7bをタッチすると、第1のモニタ5に第2の画像(動画)が表示される。さらに、この状態でユーザが第1のモニタ切替えボタン7aをタッチすると、第1の動画と第2の動画とが並列的に表示される。
【0029】
第2のモニタ切替えボタン7c及び8cは、第1及び第2の画像のうちから第2のモニタ6に表示させる画像を選択させるものである。表示される画像の切り替え操作は、第1のモニタ切替えボタン7a、7bと同様である。
【0030】
合成ボタン7eは、第1及び第2の動画を合成モードに移行させるためのものである。なお、合成処理については後述する。
【0031】
連続表示ボタン7fは、複数の画像の連続表示と通常表示とを切り替えるためのボタンである。例えば、第1のモニタ5に動画が表示されている場合や、複数の静止画が後述する画像格納部17に格納されている場合に、ユーザがこのボタン7fをタッチすると、複数の画像がスライドショー的に連続表示される。
【0032】
制限ボタン7gは、第2の操作部8からの入力操作の一部又は全部を制限するためのボタンである。例えば、この制限ボタン7gをタッチすると、第2の操作部8のボタン表示のうち操作が制限されるボタンが消灯するように設定される。
【0033】
これら合成ボタン7e、連続表示ボタン7f及び制限ボタン7gはタッチして夫々の機能が実行されると、例えば「OFF」の表示に切替えるように構成される。
【0034】
第2の操作部8は、図3に示すように、第1のモニタ切替えボタン8a及び8bと、第2のモニタ切替えボタン8c及び8dと、合成ボタン8eと、連続表示ボタン8fとによって構成される。この第2の操作部8は、制限ボタン7g以外は、第1の操作部7と同様の構成を備えるので、詳細説明は省略する。
【0035】
これらの操作部7、8は、上記した複数のボタンのほかに、背景や文字等を書くことができるタッチペン等の操作手段を有するものであってもよい。
【0036】
図4は、画像提供装置1の制御ユニット12の機能ブロック図を示している。この制御ユニット12は、図示しないCPUにシステムバスを介してRAMと、ROMやHDDなどの外部記憶装置と、入出力インタフェース(I/F)とが接続された構成を有する。この外部記憶装置に、撮影された静止画を格納する画像格納部17と、本発明の機能を奏するコンピュータプログラムとが格納される。入出力I/Fには、出力装置として、上記した第1及び第2のモニタ5、6、音響関連装置21、赤外線通信部10及びプリント排出部11が夫々接続される。また、入力装置として、第1及び第2のカメラ3、4、第1及び第2の操作部7、8、コイン関連装置20が夫々接続される。入力装置から各種データが入力されることで、外部記憶装置にインストールされたソフトウェアプログラムがCPUによってRAM上に呼び出されて実行されることで、この発明の機能を奏するようになっている。
【0037】
前記ソフトウェアプログラムは、動画から被写体の顔などの特徴情報を特定することで被写体を認識して捕捉する追尾部15と、複数の画像を合成する画像合成部16と、前記操作部7、8から入力された操作信号を受け付ける操作受付部18と、赤外線通信部10やプリント排出部11に対してユーザが選択した画像信号を出力する画像提供部19とを備えている。これらの機能部は、実際には、独立したプログラム、そのルーチン、モジュールなどである。
【0038】
このような機能構成において、ユーザがコイン投入口9にコインが投入したことをコイン関連装置20を介して制御ユニット12が感知すると、この制御ユニット12は、第1及び第2のカメラ3,4を起動させ、被写体の動画撮影を開始する。また、制御ユニット12は、撮影された動画を第1及び第2のモニタ5,6に表示する。ここで、ユーザに画像の明るさ、背景の色等の撮影環境を設定させる所定の案内メッセージを第1及び第2のモニタ5、6に表示させてもよい。
【0039】
全ての撮影環境が設定されると、制御ユニット12は、第1及び第2のモニタ5、6に撮影ボタン(図示せず)を表示させる。この撮影ボタンがタッチされたことを感知すると、音響関連装置21を介してスピーカ14から秒読み等の撮影合図音を報知させ、この秒読みが終了した瞬間の画像を切り出して前記画像格納部17にシリアル番号と共に格納する。この時、シリアル番号が撮影可能枚数(例えば、5枚)に達しているかを常に監視する。
【0040】
ここで、第1、第2のカメラで動画を撮影中に、前記操作受付部18が少なくとも一つのモニタ切替えボタン7a〜7d若しくは8a〜8dの入力を感知すると、前記制御ユニット12はその切替え指示に従って第1、第2の画像をモニタ5、6に出力する。
【0041】
また、前記撮影可能枚数の静止画撮影が終了すると、前記制御ユニット12の操作受付部18は、画像格納部17に格納された全ての静止画を読み出して第1、第2のモニタ5、6に一覧表示し、ユーザから所望の画像の選択を受け付ける。ユーザが画像を選択すると,この操作受付部18は画像のシリアル番号をメモリに一時的に記憶すると共に、ユーザに画像提供方法(赤外線通信か、プリントか)の選択画面(ボタン)を表示して提供方法の選択を受け付ける。そして、ユーザから選択された画像のシリアル番号及び提供方法の識別記号を前記画像提供部19に転送する。画像提供部19は、受信した画像のシリアル番号に従って前記画像格納部17から出力対象の画像を読み出すと共に、提供方法の識別記号に従って出力先を決定し、読み出した画像を赤外線通信部10若しくはプリント排出部11に出力する。
【0042】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る画像提供装置の具体的な使用例を説明する。これらの図に示す例は、何れも背の高い大人と背の低い子供が2台のカメラで撮影する場合である。
【0043】
まず、図5は、大人が子供の高さに合わせてしゃがむことで、両者の顔がともに第2のカメラ4及びモニタ6のほぼ正面に位置している場合である。この場合は、高い位置の第1のカメラ3と低い位置の第2のカメラ4の両方で2人の顔を撮影し、気に入った方の画像を出力できる。
【0044】
ユーザが、正面にある第2の操作部8(図3参照)の第2のモニタ切替えボタン8dをタッチしたり、連続表示ボタン8fをタッチすることで、しゃがみこんだ状態のままで正面の第2のモニタ6で、図5bに示す第1の動画と、図5cに示す第2の動画とを容易に確認できる。ユーザは、第1のカメラ3で撮影したい場合には、予め第1のカメラ3の向きを下方に調整しておく。
【0045】
また、この動画と同一画面上には、明るさや背景などの撮影環境を設定するための案内メッセージ及び選択ボタンが表示され、ユーザは案内に従って撮影環境を設定していく。撮影環境がすべて設定されると画面上に撮影ボタンが表示される。ユーザは、自己の撮影体制が整い次第、この撮影ボタンにタッチする。すると、前記スピーカ14からカウントダウンなどの撮影合図音が出力され、第1及び/若しくは第2のカメラ3、4で所定のタイミングで静止画撮影が行われる。この静止画は前記画像格納部17にシリアル番号と共に格納されるとともに、一定時間第2のモニタ6に表示され、その後再び第2の動画に切替わる。このような操作を、画像格納部17に格納された静止画が所定の撮影可能枚数(回数)に達するまで、若しくはユーザが出力画像の選択ボタンを押すまで繰り返す。
【0046】
静止画が撮影可能枚数に達すると、画像格納部17に格納された全ての静止画が第1及び第2のモニタ5,6に一覧表示される。ユーザは画面上に表示された一覧から所望の静止画をタッチして選択する。このとき、ユーザによって第1の操作部7若しくは第2の操作部8の連続表示ボタン7f、8fがタッチされると、選択された静止画が第1及び第2のモニタ5、6に連続表示される。一定時間若しくは一定回数の連続表示が終了すると、出力する画像を最終決定するための決定ボタン(図示せず)が表示される。ユーザが、この決定ボタンをタッチすると、第2のモニタ6に、赤外線通信及びプリント排出のうちから所望の画像提供方法を選択させる画面が表示され、ユーザに選択された画像提供方法によって選択された画像が提供される。
【0047】
次に、図6は、大人と子供が夫々立ったままで、両者の顔が第1及び第2のカメラ3、4のほぼ正面に位置している場合を示している。この場合は、第1のカメラ3と第2のカメラ4とで夫々のユーザの顔を撮影し、これらの画像を合成して出力できる。
【0048】
まず、第1及び第2のモニタ5、6には初期設定により第1及び第2の画像が夫々表示される。この状態で、ユーザが第1若しくは第2の操作部7、8の画像合成ボタン7e、8eにタッチすると、前記画像合成部16が起動し、図6b及び図6cに示すように、画像を合成するために予め設定された切出し枠(図中に点線で示す)を第1及び第2のモニタ5、6に表示された夫々の動画に重ねて表示する。この時、前記追尾部15も起動して、画像から夫々の被写体(ユーザ)の顔の輪郭や目、鼻、口、耳などの形状・位置などの特徴情報を抽出して被写体を認識し、この被写体の動きを捕捉してカメラの焦点を合わせたまま保持する。前記画像合成部16は、図6dに示す第2の画像から切出し枠に沿って画像を切り出すとともに、第1の画像からも同様に画像を切り出す。
【0049】
そして、これら切り出した2つの画像を図6eに示すように所定位置に配置して、この画像を第1及び第2のモニタ5、6に夫々表示する。複数の画像を配置するレイアウト(上下、左右、大小など)をユーザが指定できるようにしてもよい。この合成された動画と同一画面上に撮影環境を設定するための案内メッセージ及び選択ボタンが表示される。切出し枠の外側に生じた余白は、予め設定されているか若しくはユーザによって作成される背景や文字等をこの環境設定時に合成させる。全ての環境設定が整うと画面上に撮影ボタンが表示され、上記と同様の処理によってユーザに提供される。
【0050】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態においては、背が高いユーザと背が低いユーザとが利用する場合を説明したが、飼い主とペット、車椅子利用者と介護者などの多様な組み合わせのユーザにとって使い勝手がよいものである。
【0052】
また、第1、第2の操作部7、8のレイアウトなども適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の1実施形態に係る画像提供装置の外観斜視図である。
【図2】図2は、第1の操作部の配置図である。
【図3】図3は、第2の操作部の配置図である
【図4】図4は、画像提供装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、画像提供装置の利用状態の一例を示す図である。
【図6】図6は、画像提供装置の利用状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1…画像提供装置
2…筐体
3…第1のカメラ
4…第2のカメラ
5…第1のモニタ
6…第2のモニタ
7…第1の操作部
7a、7b…第1のモニタ切替えボタン
7c、7d…第2のモニタ切替えボタン
7e…合成ボタン
7f…連続表示ボタン
7g…制限ボタン
8…第2の操作部
8a、8b…第1のモニタ切替えボタン
8c、8d…第2のモニタ切替えボタン
8g…合成ボタン
8f…連続表示ボタン
9…コイン投入口
10…赤外線通信部
11…プリント排出部
11a…プリンタ
11b…プリント排出口
12…制御ユニット
13…カーテン
14…スピーカ
15…追尾部
16…画像合成部
17…画像格納部
18…操作受付部
19…画像提供部
20…コイン関連装置
21…音響関連装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さが異なる複数の被写体を撮影する撮影手段と、撮影された画像を表示する表示手段と、表示された画像を選択させる操作手段と、選択された画像を出力する画像提供手段とを備えた画像提供装置であって、
前記撮影手段は、顔位置の高い被写体を撮影する第1のカメラと、前記第1のカメラより低い位置に設けられ、顔位置の低い被写体を撮影する第2のカメラとを備え、
前記表示手段は、第1のモニタと、前記第1のモニタより低い位置に設けられた第2のモニタとを備え、
前記画像提供手段は、前記撮影手段により撮影された画像のうちからユーザに所望の画像を選択させ、前記選択された画像を出力するものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像提供装置において、
前記第1及び第2のモニタは、前記第1若しくは第2のカメラで撮影された画像のうち少なくとも1つの画像をユーザの選択により表示するものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像提供装置において、
前記第1及び第2のモニタのうち少なくとも一つのモニタは、前記第1及び第2のカメラで撮影された夫々の画像を連続的に表示するものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項4】
請求項3記載のモニタにおいて、
さらに、前記撮影された全ての画像を一覧表示し、この一覧表示された画像からユーザに複数の画像を選択させ、前記第1及び2のカメラで撮影された画像を連続的に表示するものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像提供装置において、前記操作手段は、
さらに、前記第1のカメラ若しくは第1のモニタの近傍に設けられた第1の操作部と、前記第2のカメラ若しくは第2のモニタの近傍に設けられた第2の操作部とを備えるものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像提供装置において、
前記第1の操作部は、前記第2の操作部の少なくとも一部の操作を制限させるものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像提供装置において、
さらに、前記第1及び第2のカメラによって撮影された夫々の画像を、所定の面積割合及び位置に基づいて切出し、前記切出された夫々の画像を合成する画像合成手段を備え、
前記表示手段は、前記合成された画像を表示するものである
ことを特徴とする画像提供装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像提供装置において、
さらに、前記第2のカメラで撮影された被写体を捕捉して認識する追尾手段を備え、
前記画像合成手段は、前記追尾手段が出力した画像と前記第1のカメラで撮影された画像とを合成するものである
ことを特徴とする画像提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−296457(P2009−296457A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149636(P2008−149636)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】