説明

画像撮影編集装置および方法、並びにプログラム

【課題】写真シール作成装置の娯楽性を向上させることにより、収益性を向上させることができるようにする。
【解決手段】編集時間制御部221は、利用者により選択される撮影コースに応じた撮影作業であって、利用者による撮影作業において行われる各種の処理である処理過程において、その利用者よりも先に撮影作業を行った先の利用者が編集作業に費やすことのできる時間である編集時間を変更させる処理の処理過程となった場合、先の利用者が行っている編集作業における編集時間を制限する。本発明は、例えば、ゲームセンタ等に設置される写真シール作成装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像撮影編集装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、写真シール作成装置の娯楽性を向上させることにより、収益性を向上させることができるようにした画像撮影編集装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の写真シール作成装置は、娯楽(遊戯)施設等に設置され、被写体を撮影し、撮影により得られた画像に編集(落書き)を行い、編集画像若しくは撮影画像を写真シール紙に印刷するという流れで1ゲームが終了する。また、この一連の写真シール作成ゲームの流れにおいては、それぞれ時間制限が設定されているため、撮影や編集に費やせる時間が決まっている。
【0003】
近年、回転率を向上させるために、撮影作業を行う空間と編集作業を行う空間とを別々に設けた写真シール作成装置が開発されている。つまり、そのような写真シール作成装置は、撮影作業と編集作業とを、別々の2つのユーザグループが並行して行える2重接客対応写真シール作成装置である。
【0004】
また、近年、撮影よりも撮影で得た撮影画像に編集を施すことに重点をおきながら、写真シール作成ゲームを楽しんでいる利用者が増加している。そのような利用者の満足度を向上させるために、先の利用者が編集空間での編集作業中に、次の利用者が撮影空間で撮影作業を行える撮影猶予時間を開始すると、先の利用者が編集作業を行える編集猶予時間を制限したり、延長したりする写真シール作成装置が開発されている。このような写真シール作成装置においては、撮影猶予時間は、撮影空間に設置されている画面をタッチしたり、ゲームスタートボタンを押下することで開始され、これにより撮影時間が管理される。
【0005】
さらに、利用者が編集作業を行える編集猶予時間の延長方法に関する技術としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0006】
【特許文献1】特許第3324038号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の分離型画像プリント供給装置では、先の利用者の編集時間の途中や予め定められている編集時間を経過した後で、新たな次の利用者が画面タッチにより撮影を開始し、その撮影を終了するまでの撮影残時間が先の利用者の編集猶予時間の延長時間とされるが、様々な撮影画像を得るために、利用者任せの撮影を行うことができる撮影コースや、撮影ポーズの案内に従って連続して撮影を行うことができる撮影コース等のように複数の撮影コースがあり、それらの撮影コース毎に撮影できる回数が設定されているため、撮影コースによって撮影猶予時間にバラツキがあり、ゲームの操作に慣れているヘビーユーザや撮影に重点をおいていない利用者は、撮影作業がはやく終わるので撮影猶予時間以内に撮影作業が終了してしまうため、先の利用者が編集作業を終えるまで撮影空間で待たなければならず、それによりゲームの流れが悪くなり、回転率も低下するという問題があった。
【0008】
さらにまた、撮影猶予時間の撮影開始(画面タッチによる撮影操作開始)がトリガとなり、編集猶予時間が延長され編集空間を占有する時間が増えるため、写真シール作成装置の利用を待っている利用者は、先の利用者が撮影作業を終了し撮影空間から退出するまで、つまり、先に編集作業を行っている利用者が編集を終了するまで待たなければならず、写真シール作成装置を占有する時間が長くなり、回転率が低下するという問題もある。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、撮影作業の途中の所定の処理過程をトリガとして編集時間を制御し、写真シール作成装置の娯楽性および収益性を向上させるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の画像撮影編集装置は、画像撮影編集ゲームとして、利用者に、前記利用者を被写体として撮影する撮影作業、および前記撮影作業により撮影された画像を編集する編集作業を行わせ、さらに、編集作業で編集された画像を出力し、前記利用者に提供する画像撮影編集装置において、異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業を選択させる選択手段と、選択された前記撮影作業で前記利用者を撮影する撮影手段と、前記利用者の操作に応じて、撮影された前記利用者の画像に編集を施す編集手段と、選択された前記撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間を制限する編集時間制限手段とを備える。
【0011】
画像撮影編集装置は、例えば、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲームとして行わせ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供する写真シール作成装置である。
【0012】
本発明の一側面の画像撮影編集装置においては、異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業が選択され、選択された撮影作業で利用者が撮影され、利用者の操作に応じて、撮影された利用者の画像に編集が施され、選択された撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間が制限される。
【0013】
従って、撮影コースによる撮影時間のバラツキに関係なく、延長される編集時間の制限を制御できるため、撮影空間での待ち時間がなくなり、ゲームの流れをよくすることができる。また、写真シール作成装置の占有時間が短くなるので、利用者の待ち時間もなくなり、回転率を向上させることができる。それにともなって、利用者のゲームの遊戯性の満足度を向上させることができる。
【0014】
この選択手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を含む撮影コース選択部により構成され、撮影手段は、例えば、画像を得るためのCCD(Charge Coupled Device)を利用した撮像素子等により構成されるCCDカメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等により構成される。これにより、撮影コース毎に先の利用者の編集時間を制限することが可能となる。
【0015】
また、編集手段は、例えば、CPU等を含む編集処理部により構成され、編集時間制限手段は、例えば、CPU等を含む編集時間制御部により構成される。これにより、撮影コースによる撮影時間のバラツキに関係なく、先の利用者の編集時間を制限することが可能となる。
【0016】
前記編集時間制限手段には、前記利用者により選択された前記撮影作業において行われる各種の処理である処理過程において、前記先の利用者の前記編集時間を変更させる所定の処理過程となった場合、前記先の利用者の編集時間を制限させることができる。
【0017】
前記編集時間制限手段には、前記利用者により選択された前記撮影作業に応じた所定回数目の撮影開始時刻を経過した場合、前記先の利用者の編集時間を制限させることができる。
【0018】
前記所定の処理過程は、前記利用者により選択される前記撮影作業毎に定められるようにすることができる。これにより、撮影コースによる撮影時間のバラツキに関係なく、延長される編集作業の制限を制御できる。
【0019】
前記編集時間制限手段には、前記利用者による前記撮影作業の終了する時刻である撮影終了時刻が、前記先の利用者による前記編集作業の終了する時刻である編集終了時刻よりも遅くなるように、前記編集時間を制御させることができる。
【0020】
これにより、撮影空間での待ち時間がなくなり、即座に編集空間を利用することができるので、回転率を向上させることができる。
【0021】
前記編集時間の残り時間の表示を制御する表示制御手段をさらに設けることができる。これにより、編集作業を行っている先の利用者は、残り時間を確認しながら編集作業を行うことができる。
【0022】
本発明の一側面の画像撮影編集方法は、画像撮影編集ゲームとして、利用者に、前記利用者を被写体として撮影する撮影作業、および前記撮影作業により撮影された画像を編集する編集作業を行わせ、さらに、編集作業で編集された画像を出力し、前記利用者に提供する画像撮影編集装置の画像撮影編集方法において、異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業を選択させ、選択された前記撮影作業で前記利用者を撮影し、前記利用者の操作に応じて、撮影された前記利用者の画像に編集を施し、選択された前記撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間を制限するステップを含む。
【0023】
本発明の一側面の画像撮影編集方法においては、異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業が選択され、選択された撮影作業で利用者が撮影され、利用者の操作に応じて、撮影された利用者の画像に編集が施され、選択された撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間が制限される。
【0024】
本発明の一側面のプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、例えば、ドライブにより読み出され、写真シール作成装置にインストールされる。記録媒体は、フロッピ(登録商標)ディスク等よりなる磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk)等よりなる光ディスク、MD(Mini Disk)(登録商標)等よりなる光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブルメディアにより構成される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の一側面によれば、画像撮影編集装置(写真シール作成装置)の娯楽性および収益性を向上させることができる。
【0026】
特に、本発明の一側面によれば、撮影コースによる撮影時間のバラツキに関係なく、延長される編集時間の制限を制御できるため、撮影空間での待ち時間がなくなり、ゲームの流れをよくすることができる。また、画像撮影編集装置(写真シール作成装置)の占有時間が短くなるので、利用者の待ち時間もなくなり、回転率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す図である。
【0029】
図1に示される写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供する代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。図1の写真シール作成装置1は、画像撮影編集装置の一例である。
【0030】
写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、例えば、メーカや販売会社等から、それらの店舗の経営者に販売される。写真シール作成装置1を購入した経営者は、店舗(例えばゲームセンタ)にその写真シール作成装置1を設置して管理・運営し、女子高校生や女子中学生に代表される一般の利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。
【0031】
従って、店舗の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。さらに、各店舗の広さや形状は通常同じでなく、かつ、写真シール作成装置1とともに設置される他のゲーム機等も異なるため、設置場所の自由度が高いほど望ましい。
【0032】
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる方法がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる。ただし、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。つまり、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
【0033】
例えば、写真シール作成装置1は、ゲームをプレイしたことのない利用者が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、一度プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、所謂リピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。すなわち、写真シール作成装置1の収益が向上する。
【0034】
利用者にとって、写真シール作成装置1には、大きく分けて、写真シール作成ゲームをプレイすること(写真シールの作成作業)と、成果物として写真シールを得ること(完成した写真シールそのもの)の2つの娯楽性がある。
【0035】
前者の、写真シール作成ゲームの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能や落書き機能の多機能化、操作性の向上、またはプレイ時間や待ち時間の調整等がある。後者の、写真シールの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等がある。なお、主な利用者層である女子高校生や女子中学生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話を行ったりする。従って、この写真シールが写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすこともあるので、写真シールの娯楽性を向上させることは、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、所謂、口コミによる新規利用者を増やすことも期待することができる。
【0036】
写真シール作成装置1は、このような特徴を有するが、その筐体11は、図1に示されるように、撮影ユニット12、編集ユニット13の2つのユニットに大きく分けられる。
【0037】
撮影ユニット12は、被写体(利用者等)を撮影する機能を有しており、後述する内部の空間(撮影空間)において被写体の撮影が行われる。この撮影ユニット12は、大きく、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの2つに分けられる。
【0038】
前方ユニット12Aは、撮影空間の前方とされる側のユニットであり、撮影空間の利用者の撮影に関する処理を行ったり、利用者の写真シール作成プレイに関する操作を受け付けたりする。後方ユニット12Bは、撮影空間の後方とされる側のユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの内部は、空洞(空間)となっており、利用者が撮影を行う際に利用される空間(後述する撮影空間)の一部として構成される。この後方ユニット12Bの内部には、背景に利用する可動式のカーテンや利用者がポーズをとるために利用するステージ等が設けられている。なお、背景に利用される背景カーテンは、緑等の1色の固定されたカーテンであってもよい。このように、1色のカーテンを用いることで、クロマキー処理により被写体を抜き出ししやすくすることができる。
【0039】
編集ユニット13は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)を有し、上記前方ユニット12Aの裏面に設けられている。
【0040】
筐体11には、さらに後方ユニット12Bの上方に、撮影タイミングに合わせて撮影空間内に向けてストロボ発光するフラッシュを内蔵した天井ストロボボックス14が設けられている。この天井ストロボボックス14は、さらに内部に蛍光灯が配置されており、撮影空間(撮影空間内の利用者)を常時照らす照明としても機能する。撮影空間は、後述するように簡易的に閉鎖的な空間として構成される。従って、外部より光が進入しづらく、暗くなりがちで利用者の操作性が低下する恐れがある。天井ストロボボックス14が、その照明により撮影空間を明るく照らすことにより、そのような恐れを回避し、操作性を向上させることができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aや後方ユニット12Bにも設けられている。
【0041】
また、筐体11には、前方ユニット12Aの右側面に、利用者が待ち時間にゲーム等を行うための事後接客用モニタ15およびシール紙の排出口16が設けられている。
【0042】
図2は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
【0043】
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図2に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、カーテン21−1とカーテン21−2が設けられ、撮影作業が行われる撮影空間や編集作業(編集入力作業)が行われる編集空間等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、カーテン21−1およびカーテン21−2は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集入力画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
【0044】
このカーテン21−1およびカーテン21−2の外側の面は、通常、広告を掲載する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画が印刷される。
【0045】
以上のような写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させる。
【0046】
その結果、写真シール作成装置1を設置した店舗の経営者は、写真シール作成装置1による収益率の向上を期待することができる。
【0047】
図3は、図1の写真シール作成装置1を、上から見た図である。筐体11の前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間の空間は、撮影空間31とされ、撮影空間31において被写体となる利用者の画像の撮影が行われる。また、筐体11の前方ユニット12Aに接する図中上側の空間は、編集空間32とされ、編集空間32において、編集ユニット13を利用して撮影空間31で撮影された画像の編集(例えば落書き等)が行われる。さらに、筐体11の前方ユニット12Aの右側面に接する図中右側の空間は、事後接客領域33とされ、事後接客領域33において、撮影空間31で撮影された撮影画像に対して編集空間32で編集がなされた編集画像に基づく写真シールが、シール紙の排出口16から排出され、利用者に提供される。
【0048】
すなわち、写真シール作成装置1は、撮影、編集、印刷を分けて3箇所(撮影空間31乃至事後接客領域33)で接客(3重接客)を行うように構成されている。例えば、図3の例では、3組の顧客(利用者)に対して同時に接客が行われている。第1組目の利用者である利用者A1と利用者B1は、撮影空間31において自分自身を被写体として撮影を行っている。同時に、編集空間32においては、第2組目の利用者A2と利用者B2が編集を行っており、同時に、事後接客領域33においては、第3組目の利用者A3と利用者B3が、写真シールが印刷され、排出口16から排出される(提供される)のを待っている。なお、このときの待ち時間を利用して、事後接客用モニタ15にゲーム等を行うための画像が表示され、利用者A3と利用者B3は、事後接客用モニタ15を操作してゲーム等を楽しむこともできる。
【0049】
利用者A3と利用者B3が、排出口16から排出された写真シールを受け取って退出すると、画像の編集を終えた利用者A2と利用者B2は、矢印に沿って編集空間32から事後接客領域33に移動する。また、撮影を終えた利用者A1と利用者B1は、矢印に沿って図中左側より撮影空間31から退出し、編集空間32に移動する。そして、利用者A1と利用者B1が撮影空間31から退出したのを確認して、それまで待機していた新たな利用者A0と利用者B0が図中右側より撮影空間31に入場する。
【0050】
このように、図1の写真シール作成装置1は、多重接客(この例では3重接客)を行うことで、回転率を上げるように構成されており、撮影空間31において利用者が撮影に費やすことができる時間(撮影時間)、編集空間32において利用者が編集に費やすことができる時間(編集時間)は、それぞれ予め設定された限られた時間となっている。
【0051】
次に、以上のような写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の各ユニットを説明する。
【0052】
図4は、前方ユニット12Aの構成例を示す図である。図4に示される正面12A−1は、撮影空間31内に面する側面であり、撮影作業を行う利用者にとって前方に位置する面である。つまり、利用者は、撮影空間31において、基本的にこの正面12A−1に向かって(前方ユニット12A側を向いて)撮影作業を行う。
【0053】
この正面12A−1には、撮影空間31内の被写体を撮影する(本撮影を行う)カメラ51、カメラ51により取得された画像や撮影結果等を表示するカメラ画像表示部52、撮影空間31内を照明したり、カメラ51による撮影タイミングに合わせてフラッシュ光を発光したりする照明53−1乃至照明53−7、利用者の操作を受け付けるタッチパネルモニタ54、並びに、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置場55−1乃至荷物置場55−3が設けられている。
【0054】
カメラ51は、本撮影として、利用者を撮影し、画像を得るためのCCDを利用した撮像素子等により構成され、利用者を撮影し、画像(動画)を取得する(取得画像)。カメラ51によって取得された取得画像は、本撮影として、所定のタイミングのフレーム画像が抜き出され、撮影画像(静止画)として保存される。なお、カメラ51として、CCDの代わりに、例えばCMOSセンサを用いたカメラを使用してもよい。もちろん、これら以外にも、利用者を撮影し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなカメラを用いるようにしてもよい。また、カメラ51の個数も任意である。
【0055】
カメラ画像表示部52は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)により構成され、例えば、カメラ51の取得画像、撮影画像に合成する合成用画像、撮影結果として保存される撮影画像、または撮影作業の手順を案内する案内画像等、撮影作業に関する画像を表示するモニタである。
【0056】
照明53−1乃至照明53−7は、複数の、蛍光灯およびストロボ発光可能な照明装置により構成され、撮影空間31を明るくし、操作性や安全性を確保するために、撮影空間31を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングに対応するタイミングでストロボ発光し、撮影される利用者に光を照射する。以下において、照明53−1乃至照明53−7を互いに区別して説明する必要の内場合、照明53と称する。
【0057】
また、照明53−6の右側には、タッチパネルモニタ54が設けられている。タッチパネルモニタ54は、例えば、タッチパネルを内蔵するディスプレイとして構成される。タッチパネルモニタ54には、ディスプレイに表示される各種の選択に対して、決定するときに操作される「○ボタン」、決定したものをキャンセルするときに操作される「×ボタン」、またカーソル等を上下左右に移動するときに操作される「矢印ボタン」等が適宜配置される。
【0058】
荷物置場55−1乃至荷物置場55−3は、撮影時における利用者の手荷物や衣類等の置き場所として利用する棚である。荷物置場55−1乃至荷物置場55−3は、いずれも、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとるのに邪魔にならず、かつ、照明53の光の照射の妨げとならない位置に設けられている。利用者は、手荷物等を荷物置場55−1乃至荷物置場55−3のいずれかに置くことにより、より快適に撮影作業を行うことができる。
【0059】
次に、図5を参照して、編集ユニット13の構成について説明する。
【0060】
図5に示されるように、編集ユニット13は、編集される画像を表示するタブレット内蔵モニタ71、編集入力を行うためのタッチペン72−1およびタッチペン72−2、並びに編集方法や残り時間の案内、BGM(Back Ground Music)等の音声を出力するスピーカ73により構成される。
【0061】
タブレット内蔵モニタ71には、例えば、タブレットが重畳されており、利用者は、表示されている画像(撮影空間31において撮影された画像)に対し、任意の文字や図形等を、タブレット内蔵モニタ71の近傍に設置されたタッチペン72−1またはタッチペン72−2を利用して書き込む(入力する)。このタッチペン72−1およびタッチペン72−2は、専用の止め具を用いて、着脱可能に設置されている。
【0062】
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
【0063】
図6は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付し、その説明を省略する。
【0064】
図6において、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部である制御装置101を有しており、その制御装置101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部111、編集部112、およびプリンタ113がそれぞれ所定のバスを介して接続される。
【0065】
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記録媒体を有しており、制御装置101より供給される画像データや各種設定情報をその記録媒体に保存したり、記録媒体に記録されている設定情報を読み出して制御装置101に供給したりする。
【0066】
通信部103は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信装置(図示せず)に接続され、制御装置101に制御されて、他の通信装置と通信を行う。例えば、通信部103は、制御装置101より供給される送信情報を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信情報を制御装置101に供給したりする。
【0067】
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM、DVDを含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリ等のリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御装置101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
【0068】
ROM106には、制御装置101において実行されるプログラムやデータが予め格納されており、ROM106は、制御装置101の指示に基づいて、プログラムやデータを制御装置101に供給する。RAM107は、制御装置101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
【0069】
撮影部111は、撮影ユニット12に関するブロックであり、硬貨処理部121、照明装置122、カメラ51、カメラ画像表示部52、タッチパネルモニタ54、スピーカ123、背景制御部124、およびカーテン部125を有する。
【0070】
硬貨処理部121は、硬貨投入排出部(図示は省略する)を有し、硬貨の投入、選別、および排出等に関する処理を行う。例えば、利用者により硬貨投入排出部に、写真シール作成ゲームの代金として所定の金額の硬貨が投入されると、硬貨処理部121は、その金額を算出したり、その算出結果に基づいて、写真シール作成ゲームを開始させる起動信号を制御装置101に供給したり、お釣りの返却や、不正な硬貨の排出等の処理を行ったりする。
【0071】
照明装置122は、照明53を有し、制御装置101より供給される照明制御信号に基づいて、これらを点灯させたり、消灯させたり、またはフラッシュ光を発光させたりする。
【0072】
カメラ51は、上述したように、前方ユニット12Aの正面12A−1の中央付近に設けられ、制御装置101に制御されて撮影空間31内の被写体(利用者)の撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御装置101の制御の下、取り込んだ取得画像を画像データとして制御装置101に供給する。また、カメラ51は、制御装置101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像の取得(本撮影)を行う。その撮影画像の画像データも取得画像の画像データと同様に、制御装置101に供給される。
【0073】
カメラ画像表示部52は、前方ユニット12Aの正面12A−1のカメラ51近傍に設けられたモニタであり、制御装置101より供給されるRGB信号に基づいた撮影作業に関する画像を表示する。
【0074】
タッチパネルモニタ54は、制御装置101より供給されるRGB信号に基づいた撮影作業に関する画像を表示する。タッチパネルモニタ54の表面には、無色透明のタッチパネルが重畳されており、利用者が、自分自身の指等を用いてこのタッチパネルにタップ(接触または近接)すると、その位置情報が制御装置101に供給される。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0075】
スピーカ123は、例えば、前方ユニット12A等の、撮影空間31内の所定の場所に設けられ、制御装置101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
【0076】
背景制御部124は、制御装置101により制御され、後方ユニット12Bに設けられたカーテン部125の動作を制御する。カーテン部125は、互いに色や模様の異なる複数の背景カーテンを有し、背景制御部124の制御に基づいて、それらの上げ下げを行い、選択された背景カーテンを後方ユニット12Bの内側側面(撮影空間31内の前方ユニット12Aの正面12A−1に対向する側面)に吊設する。
【0077】
編集部112は、編集ユニット13に関するブロックであり、タブレット内蔵モニタ71、タッチペン72−1、タッチペン72−2、およびスピーカ73を有する。
【0078】
タブレット内蔵モニタ71は、編集用モニタ131およびタブレット132から構成される。編集用モニタ131は、編集ユニット13に設けられたモニタであり、制御装置101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮影画像等、編集に関する画像の表示を行う。この編集用モニタ131の画面表示部分には、タッチペン72−1またはタッチペン72−2により指示された位置を検出するための無色透明のタブレット132(またはタッチパネル)が重畳されている。
【0079】
利用者が、タッチペン72−1またはタッチペン72−2を操作してこのタブレット132にタップ(接触または近接)すると、その位置情報が制御装置101に供給される(図示は省略する)。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像(撮影画像を用いて作成された合成画像)に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
【0080】
スピーカ73は、制御装置101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
【0081】
プリンタ113は、制御装置101より印刷用の画像を印刷データとして取得すると、その印刷用の画像をシール紙ユニット141より取り出したシール紙142に印刷する。プリンタ113は、その印刷されたシール紙142を写真シールとして排出口16より排出し、利用者に提供する。
【0082】
次に、制御装置101について説明する。図7は、制御装置101が有する機能ブロックの構成例を示す図である。図7に示されるように、制御装置101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金(硬貨)に関する処理を行う硬貨投入受付処理部201、利用者を撮影する撮影作業に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する編集作業に関する処理を行う編集処理部203、シール紙142への画像印刷に関する処理を行う印刷処理部204、および事後接客に関する処理を行う事後接客処理部205を有する。
【0083】
撮影処理部202は、図7に示されるように、撮影コース選択部211、処理判定部212、および通知部213を有する。なお、撮影空間31において利用者が撮影作業に費やすことができる時間(撮影時間)は、撮影処理部202によって実行される、撮影作業に応じた各種の処理を行うための時間と同じなので、以下、撮影時間を撮影処理時間T1とも称して説明する。
【0084】
撮影コース選択部211は、利用者の操作に応じて、撮影コースを選択する。
【0085】
ここで、撮影コースとは、写真シール作成ゲームにおいて、撮影方法によって分けられたゲーム(撮影作業)の種類である。本実施の形態では、それらの撮影コース毎に、例えば、7枚,8枚,9枚等の撮影枚数(撮影回数)が異なっている。
【0086】
処理判定部212は、利用者により選択される撮影コースに応じた撮影作業であって、利用者による撮影作業において行われる各種の処理である処理過程において、その利用者よりも先に撮影作業を行った先の利用者が編集作業に費やせる時間(編集時間)を変更させる所定の処理過程となったか否かを判定する。処理判定部212は、判定の結果を通知部213に供給する。
【0087】
所定の処理過程には、例えば、9回撮影するうちの7回目の撮影開始時刻等の処理過程が適宜設定される。すなわち、本実施の形態においては、撮影コース毎に所定の処理過程が設定される。
【0088】
通知部213は、処理判定部212から供給される判定の結果が、所定の処理過程となったことを示している場合、後述する編集無制限時間T3のカウントダウンの開始の指示(以下、カウントダウン開始指示と称する)を、編集処理部203に通知する。
【0089】
編集処理部203は、図7に示されるように、編集時間制御部221および表示制御部222を有する。
【0090】
編集時間制御部221は、利用者が編集作業に費やせる時間である編集時間を制御(制限)する。また、編集時間制御部221は、通知部213から供給されるカウントダウン開始指示に基づいて、先の利用者が行っている編集作業における編集時間を制御する。
【0091】
ここで、編集時間には、編集処理時間T2、編集無制限時間T3、編集無制限の猶予時間T4の3種類がある。編集処理時間T2は、利用者が編集作業に費やせる通常の時間である。また、編集無制限時間T3は、例えば、次に編集作業を行う利用者が存在しない場合等に設定される、編集時間を無期限に延長した時間である。さらにまた、編集無制限の猶予時間T4は、通知部213から供給されるカウントダウン開始指示に基づいて設定される、編集無制限時間T3が終了するまでの猶予の時間である。
【0092】
以下、編集処理時間T2、編集無制限時間T3、および編集無制限の猶予時間T4を総称して、編集時間と称して説明する。
【0093】
表示制御部222は、タブレット内蔵モニタ71の編集用モニタ131に表示される各種の画面の表示を制御する。また、表示制御部222は、通知部213から供給されるカウントダウン開始指示に基づいて、編集時間のカウントダウンの表示を制御する。
【0094】
次に、写真シール作成ゲームの流れについて、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
写真シール作成ゲームを行う利用者は撮影空間31に移動し、最初に、撮影空間31において、撮影ユニット12の硬貨投入排出部(図示は省略する)にコインを投入し、ゲームの代金を支払う。制御装置101の硬貨投入受付処理部201は、ステップS1において、このような硬貨投入を受け付け、正当な代金が投入されたと判定した場合、処理をステップS2に進める。
【0096】
ステップS2において、撮影処理部202は、撮影空間31に移動した利用者に対して撮影処理を行い、それにより得られた撮影画像の画像データを記憶部102またはRAM107に保持させる。この撮影処理の詳細については後述する。
【0097】
撮影処理において、撮影作業が終了すると、利用者は、編集空間32への移動を案内される。利用者は、編集空間32に移動し、ゲームを進行させる。ステップS3において、編集処理部203は、編集空間32に移動した利用者に対して、その編集空間32の編集インタフェースを用いて編集処理を行い、撮影空間31における本撮影により得られた撮影画像に対する、ペンやスタンプ画像等の合成用画像を合成する編集作業を行わせ、編集画像を得る。この編集処理の詳細については後述する。
【0098】
以上のような編集作業が終了すると、印刷処理部204は、ステップS4において、以上の作業により得られた印刷用の画像をシール紙142に印刷する印刷処理を行う。
【0099】
ステップS5において、事後接客処理部205は、印刷処理が終了するまでの間、編集作業を終了した利用者に対して、その利用者を飽きさせないように、例えば、ミニゲーム、画像登録、または画像転送等の作業を行わせる事後接客処理を行う。
【0100】
そして印刷処理が終了すると、印刷処理部204は、ステップS6おいて画像が印刷されたシール紙である、図9に示されるような写真シール251を排出口16から排出し、成果物として利用者に提供する。写真シール251を排出すると印刷処理部204は、その利用者(その利用者の組)に対する写真シール作成ゲームを終了する。
【0101】
図9は、利用者に提供される写真シールの例を示す図である。図9に示されるように、1枚の写真シール251には、印刷用の画像が複数印刷される。通常、複数種類の印刷用の画像がそれぞれ複数印刷される。このようにシール紙142に印刷する印刷用の画像は、例えば撮影作業や編集作業のように印刷処理の開始までに、利用者により選択される。また、印刷時のレイアウトは、例えば撮影作業または編集作業のように印刷処理の開始までに、予め定められた複数のパターンのなかから利用者により選択される。
【0102】
次に、図10のフローチャートを参照して、図8のステップS2において実行される撮影処理の詳細について説明する。
【0103】
撮影処理が開始されると、ステップS31において、撮影コース選択部211は、例えば、利用者に撮影コースを選択させる撮影コース選択画面をタッチパネルモニタ54に表示し、利用者に、撮影コースを選択させる。
【0104】
撮影コースには、例えば、撮影ポーズの案内に従って連続して撮影を行うコースや、利用者任せの撮影を行うコース等、複数のコースがあり、それらの撮影コース毎に、例えば、7枚,8枚,9枚等の撮影枚数(撮影回数)が異なっている。なお、本実施の形態では、撮影コースは、上記した2種類の撮影コース以外にも、例えば、風景の画像等の背景画像を選択させ、その背景画像とを合成して利用者を撮影するコースや、モデルが着た衣装の画像等の前景画像を選択させ、その前景画像とを合成して利用者を撮影するコース等、様々な撮影コースとすることが可能である。
【0105】
ステップS32において、撮影処理部202は、例えば、利用者に写りを選択させる写り選択画面(図示は省略する)、または、利用者に明るさを選択させる明るさ選択画面(図示は省略する)をタッチパネルモニタ54に表示し、利用者に、「写り」や「明るさ」を選択させて、「写り」や「明るさ」等の撮影に関する各種の設定値を調整する。
【0106】
具体的には、撮影処理部202は、例えば、「ふんわり」や「くっきり」等の予め用意されたモデルのイメージ画像を写り選択画面に表示し、それらのイメージ画像を利用者に選択させることで、イメージ画像に対応する「写り」を調整する。同様にまた、撮影処理部202は、例えば、「美白」や「美黒」等の予め用意されたモデルのイメージ画像を明るさ選択画面に表示し、それらのイメージ画像を利用者に選択させることで、イメージ画像に対応する「明るさ」を調整する。
【0107】
ステップS33において、撮影処理部202は、例えば、カメラ51により取得された取得画像がリアルタイムで表示される(即時表示される)ライブビュー画像を、カメラ画像表示部52に表示する。
【0108】
ステップS34において、撮影処理部202は、撮影(本撮影)までのカウントダウンを行う等した後、撮影を行い、取得画像よりフレーム画像を1フレーム抽出し、静止画の撮影画像とする。
【0109】
ステップS35において、処理判定部212は、所定回数目の撮影開始時刻であるか否かを判定する。具体的には、処理判定部212は、利用者によって、例えば、9回の撮影を行う撮影コースが選択され、その利用者が9回の撮影のうちの6回目の撮影を行っているとき、7回目の撮影開始時刻が経過したか等、所定の処理過程となったか否かを判定する。
【0110】
ステップS35において、所定回数目の撮影開始時刻ではないと判定された場合、ステップS33に戻り、ステップS35において、例えば7回目の撮影開始時刻等、所定回数目の撮影開始時刻であると判定されるまで、撮影処理部202による撮影処理が繰り返される。
【0111】
一方、ステップS35において、所定回数目の撮影開始時刻であると判定された場合、ステップS36において、処理判定部212は、先の利用者によって、編集空間32で行われる編集作業に費やされた時間が、例えば3分等の所定の編集処理時間T2に達したか否かを判定する。
【0112】
ステップS36において、所定の編集処理時間T2に達したと判定された場合、ステップS37において、処理判定部212は、編集時間が無制限の設定になっているか否かを判定する。ここで、編集時間が無制限に設定されるのは、例えば、撮影作業を行っている新たな利用者が存在しない場合である。すなわち、その場合、現在編集作業を行っている利用者の次に編集作業を行う利用者が存在しないことになるので、編集時間制御部221は、所定の編集処理時間T2が経過した後、その編集処理時間T2を無制限に延長し、編集時間を無制限の設定(編集無制限時間T3に設定)にする。これにより、編集時間は編集無制限時間T3となるので、現在編集作業を行っている利用者は、無制限に編集作業を行うことができる。
【0113】
ステップS37において、編集時間が無制限の設定になっている(すなわち、編集無制限時間T3に設定されている)と判定された場合、ステップS38において、通知部213は、編集無制限時間T3のカウントダウンの開始の指示であるカウントダウン開始指示を、編集処理部203に通知する。
【0114】
一方、ステップS36において、所定の編集処理時間T2に達していないと判定された場合、例えば、先の利用者によって行われている編集作業の編集処理時間T2が終わっていないので、ステップS37およびステップS38をスキップし、処理は、ステップS39に進む。また、ステップS37において、編集処理時間T2が無制限の設定になっていないと判定された場合、編集処理時間T2を延長していないので、ステップS38をスキップし、処理は、ステップS39に進む。すなわち、先の利用者の編集作業が所定の編集処理時間T2に達していなかったり、先の利用者の編集作業の編集処理時間T2が延長されていない場合には、カウントダウン開始指示の通知が抑制される。
【0115】
ステップS39において、撮影処理部202は、残回数の撮影を行い、取得画像よりフレーム画像を1フレーム抽出した静止画の撮影画像の画像データを記憶部102に保持させる。すなわち、残回数は、利用者によって選択される撮影コースに応じた撮影枚数(撮影回数)から、撮影を終了した枚数(回数)を引いた差分である。例えば、利用者によって、9回の撮影を行う撮影コースが選択され、その利用者が9回の撮影のうちの6回目の撮影を終了したとき、残回数は、3回となる。
【0116】
ステップS40において、撮影処理部202は、例えば3回である残回数等、所定回数の撮影が終了したか、または所定の撮影処理時間T1が経過したか否かを判定する。
【0117】
ステップS40において、所定回数の撮影が終了せず、かつ、所定の撮影処理時間T1が経過していないと判定された場合、ステップS39に戻り、所定回数の撮影が終了するか、または所定の撮影処理時間T1が経過するまで、ステップS39およびステップS40の処理が繰り返される。これにより、利用者によって選択された撮影コースに応じた回数の撮影が行われる。
【0118】
一方、ステップS40において、所定回数の撮影が終了したか、または所定の撮影処理時間T1が経過したと判定された場合、ステップS41において、撮影処理部202は、編集無制限の猶予時間T4が経過していることを確認する。すなわち、先の利用者の編集作業の編集時間は、利用者の撮影作業の所定の過程がトリガとなり(この例の場合、7回目の撮影開始時刻がトリガとなり)、編集無制限時間T3から編集無制限の猶予時間T4に切り替わっており、さらに、その編集無制限の猶予時間T4は、利用者による撮影作業の終了時間(各コース毎のトリガのポイントとなる時刻から撮影作業の終了時刻までの時間)よりもはやく終わるように設定されるので、ステップS40において、「Yes」と判定された場合、「編集無制限の猶予時間T4=0」となる。これにより、利用者は、撮影空間31で待つことなく編集空間32に移動できる。
【0119】
ステップS42において、撮影処理部202は、例えば、撮影画像のなかから、編集作業の対象にする編集対象画像を選択させる編集対象画像選択画面をタッチパネルモニタ54に表示し、利用者に、編集対象画像を選択させ、選択された編集対象画像を記憶部102に保存する。
【0120】
ステップS43において、撮影処理部202は、例えば、「編集コーナーに移動してね。」等の、利用者の編集空間32への移動を促す移動案内画面を、カメラ画像表示部52またはタッチパネルモニタ54に表示して、撮影処理を終了し、図8のステップS2に処理を戻し、ステップS3以降の処理を実行させる。これにより、利用者は、撮影空間31から編集空間32に移動することになる。
【0121】
以上のように、撮影空間31側で、利用者により選択される撮影コースに応じた撮影作業であって、利用者による撮影作業において行われる各種の処理である処理過程において、例えば、9回撮影するうちの7回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となった場合、カウントダウン開始指示を編集空間32側に通知することで、編集空間32で編集作業を行っている先の利用者の編集時間を、撮影時間(例えば撮影回数等)に応じた最適な時間に制御することができる。
【0122】
次に、図11のフローチャートを参照して、図8のステップS3において実行される編集処理の詳細について説明する。
【0123】
編集処理が開始されると、ステップS51において編集処理部203は、撮影処理(図8のステップS2の処理)によって、記憶部102に記憶されている編集対象画像を取得する。
【0124】
ステップS52において、編集処理部203は、例えば、印刷処理が終了するまでの間、編集作業を終了した利用者に対して、利用者を飽きさせないように、例えば、ミニゲーム等のゲームを選択させるゲーム選択画面を、タブレット内蔵モニタ71に表示し、事後接客処理(ゲーム)の種類を選択させる。
【0125】
ステップS53において、編集処理部203は、利用者によるタッチペン72の操作に応じてタブレット132から供給される入力に関する情報に基づいて、編集開始ボタンが操作されたか否かを判定する。
【0126】
ステップS53において、編集開始ボタンが操作されていないと判定された場合、ステップS53に戻り、編集開始ボタンが操作されるまで、判定の処理が繰り返される。
【0127】
一方、ステップS53において、編集開始ボタンが操作されたと判定された場合、ステップS54において、表示制御部222は、例えば、編集対象画像を編集するための編集入力画面をタブレット内蔵モニタ71に表示し、利用者からの編集入力の受付を開始する。
【0128】
ステップS55において、編集処理部203は、例えば3分等の所定の編集処理時間T2が経過したか否かを判定する。
【0129】
ステップS55において、所定の編集処理時間T2が経過していないと判定された場合、ステップS54に戻り、所定の編集処理時間T2が経過するまで、ステップS54およびステップS55の処理が繰り返される。これにより、編集作業を行っている利用者は、所定の編集処理時間T2が経過するまで、タブレット内蔵モニタ71に表示された編集入力画面を操作して、編集対象画像を編集できる。
【0130】
一方、ステップS55において、所定の編集処理時間T2が経過したと判定された場合、編集時間制御部221は、ステップS56において、編集無制限時間T3の設定が可能であるか否かを判定し、編集無制限時間T3の設定が可能であると判定した場合、ステップS57において、編集無制限時間T3を設定する。
【0131】
すなわち、編集時間制御部221は、上述したように、例えば、撮影作業を行っている新たな利用者が存在しない場合、次に編集作業を行う利用者が存在しないことになるので、所定の編集処理時間T2が経過した後、さらに、その編集処理時間T2を無制限に延長した時間である編集無制限時間T3を設定する。これにより、現在編集作業を行っている利用者は、無制限に編集作業を続けることができる。
【0132】
つまり、所定の編集処理時間T2は経過したが、新たに編集無制限時間T3が設定されているので、ステップS58において、表示制御部222は、編集入力画面をタブレット内蔵モニタ71に引き続き表示し、利用者からの編集入力を受付ける。そして、表示制御部222は、利用者によって、編集対象画像に対して編集入力があった場合、その編集入力に応じた編集画像を編集入力画面に表示する。
【0133】
編集時間制御部221は、ステップS59において、編集無制限時間T3のカウントダウン開始が指示されたか否かを判定し、編集無制限時間T3のカウントダウン開始が指示されたと判定した場合、ステップS60において、編集無制限の猶予時間T4を設定する。
【0134】
すなわち、撮影空間31で撮影作業を行っている利用者によって、例えば、7回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となった場合、撮影空間31側からカウントダウン開始指示が通知されるので、編集時間制御部221は、そのカウントダウン開始指示に基づいて、最適な編集無制限の猶予時間T4を設定する。
【0135】
この編集無制限の猶予時間T4としては、例えば、撮影空間31において撮影作業を行っている利用者が撮影作業を終了後、先の利用者の編集作業を待つことなく、直ぐに編集空間32に移動して編集作業を行える時間等が設定される。換言すれば、利用者による撮影作業と先の利用者による編集作業とを同じ時間軸で考えると、先の利用者の編集作業は、利用者の撮影作業よりもはやく終了するように設定されている。
【0136】
一方、ステップS59において、編集無制限時間T3のカウントダウン開始が指示されていないと判定された場合、ステップS58に戻り、編集無制限時間T3のカウントダウン開始が指示されるまで、ステップS58およびステップS59の処理が繰り返される。
【0137】
ステップS61において、表示制御部222は、図12に示すように、例えば、タブレット内蔵モニタ71に表示された編集入力画面271に、編集時間(編集無制限の猶予時間T4)のカウントダウン(図12の残り時間表示部286)を表示する。
【0138】
図12の編集入力画面271は、落書き編集の対象となる撮影画像を表示する落書き対象画像表示領域281、撮影画像に対する落書きツールを選択する各種のボタン群が設けられた落書きツール表示部282、落書き編集が行われる撮影画像に関する情報を表示する画像情報表示欄283、編集時間の残り時間を示す残り時間表示部286、および落書き編集作業の終了を指示するボタン287から構成される。
【0139】
画像情報表示欄283には、現在、落書き対象画像表示領域281に表示されている画像の番号(またはサムネイル画像)を示す画像番号表示部284、利用者が操作することにより、対応する画像が落書き対象画像表示領域281に表示される、画像指定のためのサムネイル画像285A乃至サムネイル画像285Dが表示される。なお、サムネイル画像285A乃至サムネイル画像285Dには画像番号に対応する画像(落書き対象画像)を縮小した画像が表示される。また、以下において、サムネイル画像285A乃至サムネイル画像285Dを区別する必要がない場合、単に、サムネイル画像285と称する。
【0140】
各サムネイル画像285には、撮影空間31で撮影された画像が、例えば、撮影順等に従って、1つずつ割り当てられている。利用者がこのサムネイル画像285を操作する(例えば、サムネイル画像285にタッチペン72で触れることによりサムネイル画像285をボタンとして操作する)と、操作されたサムネイル画像285に対応する撮影画像が落書き対象画像表示領域281に表示される。また、このとき、操作されたサムネイル画像285に表示されている画像が、画像番号表示部284に表示される。
【0141】
落書き対象画像表示領域281に表示された画像に対して、利用者は、タッチペン72−1またはタッチペン72−2を用いて、落書きツール表示部282を操作し、落書きツールを選択する等してから、落書き編集入力を行う。
【0142】
図12の編集入力画面271の例では、落書きツールとしての「ペン」には、「ラメ」、「立体」、「モノクロ」、および「カラフル」のように、「ペン」の種類を表わすボタンが4つ表示される。また、落書きツールとしての「スタンプ」には、「ハート」、「キラキラ」、「コロコロ」、「リアル」、「落書きサイン」、および「ロゴ」のように「スタンプ」の種類を表わすボタンが6つ表示される。利用者は、これらのボタンのなかから所望のボタンを選択することにより、タッチペン72−1またはタッチペン72−2を、選択されたボタンに対応する落書きツールとして利用することができる。
【0143】
残り時間表示部286には、例えば「300秒」等の編集時間(編集処理時間T2、編集無制限時間T3、編集無制限の猶予時間T4)の残り時間が表示される。なお、残り時間表示部286に表示される編集時間が編集無制限時間T3である場合には、「300秒」等の時間表示の代わりに、「無制限」と表示するようにしてもよい。
【0144】
これにより、この残り時間は、時間の経過とともにカウントダウンして表示されるので、編集作業を行っている先の利用者は、残り時間を確認しながら確実に編集作業を行うことができる。
【0145】
このような構成の編集入力画面271を用いて、利用者は編集作業を行う。
【0146】
なお、図12の編集入力画面271は、1モニタに2画像表示構成(1モニタに落書き対象画像表示領域281と落書きツール表示部282が左右に表示される構成)であり、サムネイル画像285は左右共有として表示され、左右のタッチペンによって、各々の落書き対象画像表示領域に表示することができる構成である。また、図12は、編集入力画面271の構成例を説明するものであり、上述した各部のレイアウトや画面のアスペクト比等は図12に示される以外のものであってももちろんよい。
【0147】
図11のフローチャートに戻り、ステップS62において、編集時間制御部221は、編集無制限の猶予時間T4を経過したか否かを判定する。
【0148】
ステップS62において、編集無制限の猶予時間T4を経過していないと判定された場合、ステップS61に戻り、編集無制限の猶予時間T4を経過したと判定されるまで、ステップS61およびステップS62の処理が繰り返される。すなわち、編集作業を行っている先の利用者は、編集無制限の猶予時間T4を経過するまで、編集作業を続けることができる。
【0149】
一方、ステップS62において、編集無制限の猶予時間T4が経過したと判定された場合、処理は、ステップS63に進む。
【0150】
また、上述した、ステップS56において、編集無制限時間T3の設定が可能ではないと判定された場合、ステップS57乃至ステップS62をスキップし、編集無制限時間T3の設定を行わないで、処理は、ステップS63に進む。
【0151】
ステップS63において、編集処理部203は、例えば、図12の編集入力画面271に対する、編集入力の受付を終了して、編集処理を終了し、図8のステップS3に処理を戻り、ステップS4以降の処理を実行させる。
【0152】
以上のように、撮影空間31側の利用者による撮影作業において行われる各種の処理である処理過程において、例えば、9回撮影するうちの7回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となった場合、撮影空間31側からカウントダウン開始指示が通知されるので、編集空間32では、そのカウントダウン開始指示に基づいて、先の利用者の編集時間を、撮影時間(例えば撮影回数等)に応じた最適な時間に制御することができる。
【0153】
ところで、上述したフローチャートでは、写真シール作成装置1による、写真シール作成ゲーム処理の一連の流れを説明したが、次に、図13のタイミングチャートを参照して、複数の利用者(ユーザグループ)のそれぞれが、図3に示したような、写真シール作成ゲームの各作業を行うときの撮影時間と編集時間との関係について説明する。
【0154】
図13において、図中左側に記述された、「ユーザグループA」、「ユーザグループB」、「ユーザグループC」、「ユーザグループX」、「ユーザグループY」、および「ユーザグループZ」は、それぞれ、ユーザグループの名称であり、その名称に対応する右側の四角は、各ユーザグループにおける撮影時間と編集時間を示している。
【0155】
また、図13では、説明を分かり易くするために、従来の写真シール作成装置における、撮影時間と編集時間との関係も表現している。すなわち、ユーザグループA、ユーザグループB、およびユーザグループCは、従来の写真シール作成装置を使用し、ユーザグループX、ユーザグループY、およびユーザグループZは、図1の写真シール作成装置1を使用している。換言すれば、図中上側の3つのタイミングチャートは、従来の写真シール作成装置のタイミングチャートを示し、図中下側の3つのタイミングチャートは、図1の写真シール作成装置1のタイミングチャートを示している。
【0156】
なお、図13の各タイミングチャートにおいては、時間の方向は、図中左から右に向かう方向とされている。また、図13では、撮影処理時間T1Xの「X」は、ユーザグループの名称に対応し(この場合は「ユーザグループX」)、この撮影処理時間T1X以外の編集処理時間T2X、編集無制限時間T3X、編集無制限の猶予時間T4X等についても同様とされる。また、上記四角に記された「撮影空間」と「編集空間」は、対応する時間において行われる作業が、図3の撮影空間31または編集空間32で行われることを示す。すなわち、例えば、撮影処理時間T1Xの間に行われる撮影作業は撮影空間31で行われ、編集処理時間T2X、編集無制限時間T3X、および編集無制限の猶予時間T4Xの間に行われる編集作業は編集空間32で行われることを示す。
【0157】
まず、図13の上側のタイミングチャートを参照して、従来の写真シール作成装置における撮影時間と編集時間との関係を説明する。
【0158】
ユーザグループAは、撮影処理時間T1Aの間、撮影空間31において撮影作業を行い、続いて編集空間32に移動し、編集処理時間T2Aの間、編集作業を行う。その後、ユーザグループAが編集空間32に移動した後の撮影空間31に、ユーザグループBが来ると、ユーザグループBの撮影処理開始をトリガにして、撮影処理時間T1Bの終了時刻が編集処理時間T2Aの終了時刻を超える場合、ユーザグループAの編集処理時間T2Aが、編集延長時間T3A’だけ延長される。つまり、この編集延長時間T3A’は、ユーザグループBの撮影処理時間T1Bが終了する残りの撮影処理残時間T3A”と一致することになる。
【0159】
ユーザグループBは、撮影処理時間T1Bの間、撮影空間31において撮影作業を行う。そして、ユーザグループAの編集延長時間T3A’(編集時間)と、ユーザグループBの撮影処理時間T1B(撮影時間)とは、同じタイミングで終了するので、ユーザグループBは、ユーザグループAが編集作業を終えて、編集空間32から事後接客領域33に移動し、それにより編集空間32に空きができてから編集空間32に移動する。すなわち、この場合、ユーザグループBは、撮影空間31で、編集空間32からユーザグループAが出ていくのを待つ必要がある。そのため、写真シール作成ゲームの流れが悪くなって、回転率も悪くなる。
【0160】
その後、ユーザグループBは、編集処理時間T2Bの間、編集作業を行うが、その間、撮影空間31に、他のユーザグループが来ない場合、誰も撮影作業を行なわないので、次に編集作業を行うユーザグループが存在しないため、編集処理時間T2Bを編集無制限時間T3Bまで、無制限に延長する。
【0161】
その後、撮影空間31に、新たなユーザグループCが来ると、上述したように、ユーザグループCの撮影処理開始をトリガにして、ユーザグループBの編集作業の延長時間が、編集延長時間T3B’に設定される。つまり、この編集延長時間T3B’は、ユーザグループCの撮影処理時間T1Cの終了時刻と一致することになる。続いて、ユーザグループCは、撮影処理時間T1Cの間、撮影空間31において撮影作業を行う。そして、ユーザグループBの編集延長時間T3B’(編集時間)と、ユーザグループCの撮影処理時間T1C(撮影時間)とは、同じタイミングで終了するので、ユーザグループCは、ユーザグループBが編集空間32から事後接客領域33に移動して、編集空間32に空きができてから編集空間32に移動する。
【0162】
以上のように、従来の写真シール作成装置においては、撮影空間31で撮影を行った利用者は、編集空間32の先の利用者が編集作業を終了した後、事後接客領域33に移動し、それにより、編集空間32に空きができてから、その編集空間32に移動していた。
【0163】
次に、図13の下側のタイミングチャートを参照して、図1の写真シール作成装置1における撮影時間と編集時間との関係を説明する。
【0164】
ユーザグループXは、撮影処理時間T1Xの間、撮影空間31において撮影作業を行い、続いて、編集空間32に移動し、編集処理時間T2Xの間、編集作業を行う。ユーザグループXによって、編集作業が行われている間、撮影空間31に、他のユーザグループが来ない場合、次に編集作業を行うユーザグループが存在しないので、編集処理時間T2Xを編集無制限時間T3Xまで、無制限に延長する。
【0165】
その後、撮影空間31に、新たなユーザグループYが来ると、撮影空間31では、ユーザグループYによる撮影作業が行われる。撮影空間31におけるユーザグループYの撮影作業においては、撮影処理時間T1Yの間に、例えば、9回撮影するうちの7回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となったとき、カウントダウン開始指示を、ユーザグループXが編集作業を行っている編集空間32側に通知する。
【0166】
ユーザグループYのいる撮影空間31側からのカウントダウン開始指示が通知された、ユーザグループXのいる編集空間32側では、そのカウントダウン開始指示に基づいて、最適な編集無制限の猶予時間T4Xが設定され、編集作業の残り時間のカウントダウンが開始される。そして、カウントダウンの終了、つまり、設定された編集無制限の猶予時間T4Xを経過すると、編集空間32でのユーザグループXの編集作業が終了し、ユーザグループXは、編集空間32から事後接客領域33に移動する。つまり、このとき、編集空間32は、誰も存在せず、空き状態となる。
【0167】
その後、一定の時間が経過すると撮影処理時間T1Yの終了時刻となり、撮影空間31でのユーザグループYの撮影作業が終了し、ユーザグループYは、既にユーザグループXが移動した後の誰もいない編集空間32に移動する。続いて、ユーザグループYは、編集処理時間T2Yの間、編集作業を行うが、その間、撮影空間31に、他のユーザグループがやってこないと、上述したように、次に編集作業を行うユーザグループが存在しないため、編集処理時間T2Yを編集無制限時間T3Yまで、無制限に延長する。
【0168】
その後、撮影空間31に、新たなユーザグループZが来ると、撮影空間31では、ユーザグループZによる撮影作業が行われる。撮影空間31におけるユーザグループZの撮影作業においては、撮影処理時間T1Zの間に、例えば、7回撮影するうちの5回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となったとき、カウントダウン開始指示を、ユーザグループYが編集作業を行っている編集空間32側に通知する。
【0169】
上述したように、ユーザグループZのいる撮影空間31側からのカウントダウン開始指示が通知された、ユーザグループYのいる編集空間32側では、そのカウントダウン開始指示に基づいて、最適な編集無制限の猶予時間T4Yが設定され、編集作業の残り時間のカウントダウンが開始される。そして、カウントダウンの終了、つまり、設定された編集無制限の猶予時間T4Yを経過すると、編集空間32でのユーザグループYの編集作業が終了し、ユーザグループYが編集空間32から事後接客領域33に移動することで、編集空間32は、空き状態となる。その後、一定の時間が経過すると撮影処理時間T1Zの終了時刻となり、撮影空間31でのユーザグループZの撮影作業が終了し、ユーザグループZは、既にユーザグループYが移動した後の誰もいない編集空間32に移動し、編集処理時間T2Zの間、編集作業を行う。
【0170】
以上のように、写真シール作成装置1においては、撮影空間31で撮影作業を行っている利用者によって、例えば、9回撮影するうちの7回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となったとき、カウントダウン開始指示が編集空間32に通知され、編集空間32では、通知されたカウントダウン開始指示に応じて編集無制限の猶予時間T4が設定される。
【0171】
これにより、例えば、図13の点線で示すように、ユーザグループAの編集空間32にいる時間と、ユーザグループXの編集空間32にいる時間とを比べると、ユーザグループXの編集空間32にいる時間のほうが、ユーザグループAの編集空間32にいる時間よりも短いことは明らかである。つまり、写真シール作成装置1の占有時間が短縮されるとともに、待ち時間がなくなり、回転率を向上させることが可能となる。
【0172】
また、例えば、図13に示すように、従来の写真シール作成装置と比べて、編集空間32におけるユーザグループXの編集無制限の猶予時間T4Xを短く制御することができるので、ユーザグループYが撮影空間31で待たずに、直ぐに編集空間32を利用することができる。その結果、写真シール作成ゲームの流れがよくなり、回転率を向上させることができる。
【0173】
次に、図14のタイミングチャートを参照して、撮影コース毎のカウントダウン開始指示を通知するタイミングについて説明する。
【0174】
図14の例では、図中上側から順に、「9枚撮影コース」の撮影処理のタイミングチャート、「8枚撮影コース」の撮影処理のタイミングチャート、「7枚撮影コース」の撮影処理のタイミングチャートが示されている。
【0175】
なお、「9枚撮影コース」、「8枚撮影コース」、および「7枚撮影コース」は、上述した、撮影コースの一例である。また、図14の各タイミングチャートにおいては、「7枚撮影コース」の撮影処理のタイミングチャートの下方の矢印に示されるように、時間の方向は、図中左から右に向かう方向とされている。
【0176】
さらにまた、図14において、四角は、撮影処理(図8のステップS2の処理)で行われる各処理を示し、「コース選択」は、利用者に、撮影コースを選択させる、図10のステップS31の処理に対応し、「写り・明るさ選択」は、利用者に、「写り」や「明るさ」を選択させる、図10のステップS32の処理に対応する。「1」乃至「9」は、撮影回数を示し、例えば、「1」である数字が付された四角は「1回目の撮影」を示す。同様に、「2」である数字が付された四角は「2回目の撮影」、…、「9」である数字が付された四角は「9回目の撮影」を示し、それぞれ、図10のステップS33乃至ステップS41の処理に対応する。さらに、「編集対象画像選択」は、利用者に、編集対象画像を選択させる、図10のステップS42に対応する。
【0177】
すなわち、図14の各タイミングチャートは、図10のフローチャートで説明した撮影処理に対応し、撮影コース毎に撮影する枚数が異なるので、その分、撮影コース毎に撮影処理時間T1が異なる。例えば、「9枚撮影コース」は、「8枚撮影コース」や「7枚撮影コース」よりも撮影する枚数が多いので、その撮影枚数分、撮影処理時間T1は長くなる。逆に、「7枚撮影コース」は、「9枚撮影コース」や「8枚撮影コース」よりも撮影する枚数が少ないので、その撮影枚数分、撮影処理時間T1は短くなる。
【0178】
また、図14において、数字が付された四角の境界に記された点線は、先の利用者が行っている編集作業の終了を指示するタイミングを示している。具体的には、図中下側の時間軸上のP9で示すように、「9枚撮影コース」では、「6回目の撮影」と「7回目の撮影」との境界、つまり、「7回目の撮影」の撮影開始時刻がカウントダウン開始指示を通知するタイミングとなる。同様に、時間軸上のP8とP7で示すように、「8枚撮影コース」では、「6回目の撮影」の撮影開始時刻がトリガとなり、「7枚撮影コース」では、「5回目の撮影」の撮影開始時刻がトリガとなる。
【0179】
つまり、撮影コースには、例えば、「9枚撮影コース」、「8枚撮影コース」、または「7枚撮影コース」等があるが、それらの撮影コース毎に撮影処理時間T1が異なるため、先の利用者が行っている編集作業に対して通知するカウントダウン開始指示の最適なタイミングも、撮影コース毎に異なっている。そこで、図14では、例えば、P9,P8,P7等のポイントで示すように、撮影コース毎に、カウントダウン開始指示を通知するタイミングを変えることで(つまり、上述した、所定の処理過程を変えることで)、撮影コースによる撮影時間のバラツキに関係なく、延長される編集時間の制限を制御することができる。これにより、撮影コース毎にトリガとなるポイントが設定されるので、撮影コース毎に撮影枚数が異なっていても、編集無制限の猶予時間T4を、全撮影コースにおいて統一された時間とすることが可能となる。
【0180】
その結果、撮影空間31での待ち時間がなくなり、写真シール作成ゲームの流れをよくすることができる。また、写真シール作成装置1の占有時間が短くなるので、利用者の待ち時間もなくなり、回転率を向上させることができる。
【0181】
なお、上述した例では、所定回数目の撮影開始時刻をトリガするとして説明したが、トリガのポイントは、撮影処理における所定の処理過程であればよい。例えば、トリガのポイントは、所定回数目の撮影終了時刻、撮影コース選択時、写りや明るさ選択時、または背景選択時等となる。また、撮影コースの撮影枚数として、9枚、8枚、7枚の3パターンを一例にして説明したが、それ以外の枚数であっても同様に処理される。
【0182】
ところで、上述した例においては、別々の3つのユーザグループによって行われる、撮影処理、編集処理、および事後接客処理を並行して処理できる3重接客対応の写真シール作成装置1について説明したが、本実施の形態は、例えば、1つの撮影部と1つの編集部を有する2重接客対応の写真シール作成装置や、1つの撮影部と2つの編集部を有する3重接客対応の写真シール作成装置や、1つの撮影部と2つの編集部、および事後接客部を有する4重接客対応の写真シール作成装置や、その写真シール作成装置に対して、さらに、事前接客部を設けた5重接客対応の写真シール作成装置等にも適用することができる。そこで、次に、その一例として、5重接客対応の写真シール作成装置について説明する。
【0183】
図15は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の他の例を示す図である。なお、図15では、図1と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。すなわち、図15において、写真シール作成装置1は、図1の写真シール作成装置1に、事前接客ユニット301が設けられ、さらに、編集ユニット13の代わりに、複数の編集インタフェース部を有する編集ユニット302が設けられている。
【0184】
事前接客ユニット301は、写真シール作成ゲームにおける撮影や編集等の行程の前に合成用の画像の取り込みやその取り込まれた画像の編集等を行うユニットである。事前接客ユニット301は、モニタやタッチペン等のユーザインタフェースを有する上部ユニット301Aと、画像取り込み時の台となる下部ユニット301Bを有する。
【0185】
編集ユニット302は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)が、対向する2つの面のそれぞれに設けられている。
【0186】
図16は、図15の写真シール作成装置1を、編集ユニット302側より見た斜視図である。
【0187】
編集ユニット302は、図16に示されるように、前方ユニット12Aの、後方ユニット12B側の面(つまり、撮影空間側の面)と反対の面に隣接して設置される。編集ユニット302の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース部302Aと第2編集インタフェース部302Bがそれぞれ設けられている。つまり、編集ユニット302には、写真シール作成ゲームを行う複数組の利用者が、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット302を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェースが設けられている。
【0188】
また、編集ユニット302の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームがプレイされることに作成された写真シールが排出されて利用者に提供される写真シール排出部302Cが設けられている。
【0189】
以上のような図15の写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。図15の写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、図15の写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、図15の写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させる。
【0190】
次に、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う空間の移動について、図17を参照して説明する。
【0191】
図17は、ゲーム中に利用者が、図15の写真シール作成装置1を上から見た平面図である。図17に示されるように、利用者は、事前接客ユニット301前方周辺の領域である事前接客領域351において、事前接客ユニット301に代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する(利用者A)。ゲームを開始すると、利用者は、最初に、事前接客領域351において事前接客ユニット301に向かって事前接客作業を行う。そして、それが終わると、利用者は、図中点線で示される、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間に形成される、撮影作業を行う撮影空間352に、事前接客ユニット301の横付近より入場する(利用者B)。
【0192】
なお、事前接客ユニット301が、点線で示されるように前方ユニットの反対側にも設けることも可能であり、この場合、利用者は、その事前接客ユニット301のある方から写真シール作成ゲームを開始し(利用者A’)、事前接客終了後、上述した側と反対側より撮影空間352に入場する(利用者B)。
【0193】
撮影空間352に入場した利用者(利用者B)は、前方ユニット12Aの正面に設けられた、例えばCCDやCMOSセンサ等を用いたデジタルカメラやLCD等のモニタを利用して利用者自身を撮影させる撮影作業を行う。
【0194】
撮影作業が終了すると利用者は、得られた撮影画像のなかから編集・印刷を行うためにキープする編集対象画像を選択し、表示された移動案内に従って、撮影作業を行った撮影空間352から、図中点線で示される、編集作業を行う編集空間へと移動する。
【0195】
編集ユニット302の、前方ユニット12Aから見て右側(第1編集インタフェース部302Aの前方)に第1編集空間353Aが設けられ、左側(第2編集インタフェース部302Bの前方)に第2編集空間353Bが設けられている。つまり、この写真シール作成装置1においては、第1編集空間353Aの利用者(利用者C)および第2編集空間353Bの利用者(利用者C’)の、合計2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。撮影空間352の利用者(利用者B)は、この2つの編集空間のうち、空いている方に案内される。第1編集空間353Aまたは第2編集空間353Bに移動すると、利用者は、落書き等の編集作業を行う。
【0196】
その後、編集入力が終了すると、利用者(利用者Cまたは利用者C’)は、次に、印刷設定作業を行い、分割数等の設定を行う。そして印刷が開始されると、利用者は、その印刷中にミニゲームを行う。そして、印刷が終了すると、写真シール排出部302C前方の印刷排出待ち領域354に移動し(利用者D)、排出された写真シール251を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
【0197】
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、事前接客領域351の利用者A(または利用者A’)が、撮影空間352に移動すると、事前接客領域351が未使用になる。この段階で、図15の写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に事前接客領域351を使用させ、新たな写真シール作成ゲームを開始させることができる。同様に、撮影空間352の利用者Bが、第1編集空間353Aまたは第2編集空間353Bに移動すると、撮影空間352が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に撮影空間352を使用させることができる。さらに、第1編集空間353Aの利用者C、または、第2編集空間353Bの利用者C’が、印刷排出待ち領域354に移動すると、その編集空間(第1編集空間353Aまたは第2編集空間353B)が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者にその編集空間を使用させることができる。
【0198】
つまり、図15の写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間辺りおよび単位床面積辺りの回転率を向上させるために、事前接客領域351、撮影空間352、第1編集空間353A、第2編集空間353B、および印刷排出待ち領域354を用いて、同時に、複数組の利用者に、写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客(この例では5重接客)を行うことができる)。
【0199】
次に、図15の写真シール作成装置1を構成する各ユニットについて簡単に説明する。
【0200】
図18は、事前接客ユニット301の斜視図である。事前接客ユニット301は、写真シール作成ゲームの代金の投入を受け付け、写真シール作成ゲームの最初の作業工程である、事前接客作業を利用者に行わせる。事前接客ユニット301は、上部ユニット301Aと下部ユニット301Bよりなり、その両ユニットの間において、画像の取り込みを行う。
【0201】
上部ユニット301Aの、前方ユニット12Aが隣接される側と反対側の側面である正面301A−1と左側面301A−2の上部には、その点灯消灯により撮影空間352の利用状況を示す照明361および照明362が設けられている。
【0202】
正面301A−1には、さらに、案内音声、効果音、またはBGM等を出力するスピーカ363、CRTモニタやLCDよりなり、取り込んだ画像の提示や編集に利用される事前表示部364、利用者が事前表示部364に表示された画像に対する指示入力を行う際に操作するタッチペン365−1およびタッチペン365−2が設けられている。上部ユニット301Aの下側の左右には、上部ユニット301Aと下部ユニット301Bの間の、画像の取り込み(事前撮影)が行われる空間を照らす照明366−1および照明366−2が設けられている。これらの照明366−1および照明366−2は、この事前撮影の被写体を照明するとともに、事前撮影が行われる空間の側面を仕切り、外部光の侵入を抑制し、空間内の光環境の安定化に寄与する。
【0203】
下部ユニット301Bの上面には、事前撮影される物体が置かれる事前撮影台371が形成される。また、下部ユニット301Bの正面301B−1には、物を置くための棚372が設けられている。棚372には、どのようなものが設置されてもよいが、例えば、事前撮影される画像が印刷された冊子であるサンプルブック374が設置される。棚372には、固定棒373が設けられており、サンプルブック374が、盗難されないように、鎖375を介してその固定棒373に固定される。
【0204】
下部ユニット301Bの正面301B−1には、さらに、写真シール作成ゲームの代金の投入を受け付けるとともに、投入されたものが、所定の硬貨以外の場合、それを排出する硬貨投入排出部376や、メンテナンス用のドア等が設けられている。
【0205】
図19は、編集ユニット302の、撮影ユニット12側から見て右側面の構成例(第1編集空間353A側の構成例)を示す図である。
【0206】
図19において、この右側面には、第1編集インタフェース部302Aが設けられている。その上には、カーテン等で仕切られているために暗くなる第1編集空間353Aを照らすための照明381が設けられている。
【0207】
第1編集インタフェース部302Aには、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集するためのGUI画像等を表示する編集表示部382、利用者が編集表示部382に表示された画像に対する指示入力を行う際に操作する2本のタッチペン(タッチペン383−1およびタッチペン383−2)、並びに、例えば、編集作業等の案内音声、効果音、またはBGM等を出力するスピーカ384が設けられている。
【0208】
なお、編集ユニット302の第2編集空間353B側の構成も、図19に示される第1編集空間353A側の構成と基本的に同様であるので、その説明については省略する。
【0209】
図20は、編集ユニット302の、写真シール排出部302Cの構成例を示す図である。
【0210】
図20に示されるように、写真シール排出部302Cには、第1編集空間353Aにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第1編集インタフェース部302Aが操作されて作成された写真シール)が排出される排出口391−1と、第2編集空間353Bにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第2編集インタフェース部302Bが操作されて作成された写真シール)が排出される排出口391−2の、2つの排出口が設けられている。
【0211】
図21は、図15の写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。なお、図21では、図6と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。すなわち、図15では、図6のブロック図と比べて、事前接客部401が設けられ、さらに、編集部112の代わりに、編集部402Aおよび編集部402Bが設けられている。
【0212】
事前接客部401は、事前接客ユニット301に関するブロックであり、硬貨処理部411、照明装置412、カメラ413、事前表示部364、タッチパネル414、タッチペン365−1、タッチペン365−2、並びにスピーカ363を有する。
【0213】
硬貨処理部411は、上述した硬貨投入排出部376を有し、硬貨の投入、選別、および排出等に関する処理を行う。例えば、利用者により硬貨投入排出部376に、写真シール作成ゲームの代金として所定の金額の硬貨が投入されると、硬貨処理部411は、その金額を算出したり、その算出結果に基づいて、写真シール作成ゲームを開始させる起動信号を制御装置101に供給したり、お釣りの返却や、不正な硬貨の排出等の処理を行ったりする。
【0214】
照明装置412は、照明361、照明362、および照明366を有し、制御装置101より供給される照明制御信号に基づいて、これらを点灯させたり、消灯させたり、またはフラッシュ光を発光させたりする。
【0215】
カメラ413は、上述したように、上部ユニット301Aの内部に設けられ、制御装置101に制御され、事前撮影台371に戴置された被写体(例えば写真や小物等)の撮影を行う。
【0216】
事前表示部364は、上部ユニット301Aの正面301A−1に設けられたモニタであり、制御装置101より供給されるRGB信号に基づく画像を表示する。また、事前表示部364の表面には、無色透明のタッチパネル414が重畳されている。利用者が、タッチペン365−1またはタッチペン365−2を操作してこのタッチパネル414にタップ(接触または近接)すると、その位置情報が制御装置101に供給される(図示は省略する)。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0217】
スピーカ363は、上部ユニット301Aの正面301A−1に設けられ、制御装置101より供給される音声信号の音声(事前接客作業の案内音声等)を出力する。
【0218】
撮影部111は、図6の撮影部111と比べて、硬貨処理部121が設けられていない以外の構成は同じであるので、その説明は省略する。
【0219】
編集部402Aは、第1編集インタフェース部302Aに関するブロックであり、編集表示部382、タッチパネル421、タッチペン383−1、タッチペン383−2、およびスピーカ384を有する。
【0220】
編集表示部382は、第1編集インタフェース部302Aに設けられたモニタであり、制御装置101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮影画像等、編集に関する画像の表示を行う。この編集表示部382の画面表示部分には無色透明のタッチパネル421が重畳されている。利用者が、タッチペン383−1またはタッチペン383−2を操作してこのタッチパネル421にタップ(接触または近接)すると、その位置情報が制御装置101に供給される(図示は省略する)。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
【0221】
スピーカ384は、制御装置101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声等)を出力する。
【0222】
なお、第2編集インタフェース部302Bに関するブロックである編集部402Bは、編集部402Aと同様の構成を有するので、その説明は省略する。
【0223】
以上のような、5重接客に対応している図15の写真シール作成装置1においても、3重接客に対応している図1の写真シール作成装置1と同様に、撮影空間352で撮影作業を行っている利用者によって、例えば、9回撮影するうちの7回目の撮影開始時刻等の所定の処理過程となったとき、カウントダウン開始指示が第1編集空間353Aまたは第2編集空間353B側に通知される。そして、カウントダウン開始指示が通知された第1編集空間353Aまたは第2編集空間353B側では、通知されたカウントダウン開始指示に応じた編集無制限の猶予時間T4が設定される。
【0224】
なお、第1編集空間353Aおよび第2編集空間353Bのように編集空間が複数ある場合に、第1編集空間353Aまたは第2編集空間353Bのいずれかにカウントダウン開始指示を通知する方法としては、例えば、編集時間の経過時間が長いほうの利用者(編集空間)に対して、本実施の形態の編集時間制限手段を用いるようにする。
【0225】
その後、設定された編集無制限の猶予時間T4を経過すると、第1編集空間353Aまたは第2編集空間353Bでの先の利用者の編集作業が終了し、先の利用者が印刷排出待ち領域354に移動することで、少なくとも第1編集空間353Aまたは第2編集空間353Bのいずれか一方は、空き状態となる。そして、一定の時間が経過すると、撮影空間352での利用者の撮影作業が終了し、その利用者は、既に先の利用者が移動した後の誰もいない第1編集空間353Aまたは第2編集空間353Bに移動し、編集作業を行う。
【0226】
以上のように、例えば、図15の写真シール作成装置1のように、1台の写真シール作成装置で多重に接客できる接客部(空間や領域)を有している装置ほど、写真シール作成ゲームの流れがよくなり、回転率が向上する相乗効果を得ることができる。
【0227】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、ネットワークやリムーバブルメディア等の記録媒体からインストールされる。
【0228】
以上において、印刷媒体は、シール紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙や、ポスター用の紙、テレホンカード等のカード、あるいは、Tシャツ等の布地等に印刷するようにしてもよい。
【0229】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0230】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す図である。
【図2】図1の写真シール作成装置の設置例を示す外観図である。
【図3】ゲーム中に利用者が、図1の写真シール作成装置を上から見た平面図である。
【図4】図1の前方ユニットの構成例を示す図である。
【図5】図1の編集ユニットの構成例を示す図である。
【図6】図1の写真シール作成装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図7】制御装置が有する機能ブロックの構成例を示す図である。
【図8】写真シール作成ゲーム処理について説明するフローチャートである。
【図9】利用者に提供される写真シールの例を示す図である。
【図10】撮影処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図11】編集処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図12】編集入力画面の構成例を示す模式図である。
【図13】写真シール作成ゲームの各作業を行うときの撮影時間と編集時間との関係について説明するタイミングチャートである。
【図14】各撮影コースにおける撮影処理について説明するタイミングチャートである。
【図15】本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の他の例を示す図である。
【図16】図15の写真シール作成装置を、編集ユニット側より見た斜視図である。
【図17】ゲーム中に利用者が、図15の写真シール作成装置を上から見た平面図である。
【図18】図15の事前接客ユニットの斜視図である。
【図19】図15の編集ユニットの、撮影ユニット側から見て右側面の構成例を示す図である。
【図20】図15の編集ユニットの、写真シール排出部の構成例を示す図である。
【図21】図15の写真シール作成装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0232】
1 写真シール作成装置
12 撮影ユニット
13 編集ユニット
51 カメラ
52 カメラ画像表示部
54 タッチパネルモニタ
71 タブレット内蔵モニタ
101 制御装置
111 撮影部
112 編集部
201 硬貨投入受付処理部
202 撮影処理部
203 編集処理部
204 印刷処理部
205 事後接客処理部
211 撮影コース選択部
212 処理判定部
213 通知部
221 編集時間制御部
222 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像撮影編集ゲームとして、利用者に、前記利用者を被写体として撮影する撮影作業、および前記撮影作業により撮影された画像を編集する編集作業を行わせ、さらに、編集作業で編集された画像を出力し、前記利用者に提供する画像撮影編集装置において、
異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業を選択させる選択手段と、
選択された前記撮影作業で前記利用者を撮影する撮影手段と、
前記利用者の操作に応じて、撮影された前記利用者の画像に編集を施す編集手段と、
選択された前記撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間を制限する編集時間制限手段と
を備える画像撮影編集装置。
【請求項2】
前記編集時間制限手段は、前記利用者により選択された前記撮影作業において行われる各種の処理である処理過程において、前記先の利用者の前記編集時間を変更させる所定の処理過程となった場合、前記先の利用者の編集時間を制限する
請求項1に記載の画像撮影編集装置。
【請求項3】
前記編集時間制限手段は、前記利用者により選択された前記撮影作業に応じた所定回数目の撮影開始時刻を経過した場合、前記先の利用者の編集時間を制限する
請求項2に記載の画像撮影編集装置。
【請求項4】
前記所定の処理過程は、前記利用者により選択される前記撮影作業毎に定められる
請求項2に記載の画像撮影編集装置。
【請求項5】
前記編集時間制限手段は、前記利用者による前記撮影作業の終了する時刻である撮影終了時刻が、前記先の利用者による前記編集作業の終了する時刻である編集終了時刻よりも遅くなるように、前記編集時間を制御する
請求項1に記載の画像撮影編集装置。
【請求項6】
前記編集時間の残り時間の表示を制御する表示制御手段をさらに備える
請求項1に記載の画像撮影編集装置。
【請求項7】
画像撮影編集ゲームとして、利用者に、前記利用者を被写体として撮影する撮影作業、および前記撮影作業により撮影された画像を編集する編集作業を行わせ、さらに、編集作業で編集された画像を出力し、前記利用者に提供する画像撮影編集装置の画像撮影編集方法において、
異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業を選択させ、
選択された前記撮影作業で前記利用者を撮影し、
前記利用者の操作に応じて、撮影された前記利用者の画像に編集を施し、
選択された前記撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間を制限する
ステップを含む画像撮影編集方法。
【請求項8】
画像撮影編集ゲームとして、利用者に、前記利用者を被写体として撮影する撮影作業、および前記撮影作業により撮影された画像を編集する編集作業を行わせ、さらに、編集作業で編集された画像を出力させ、前記利用者に提供させる処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
異なる制限時間が設定されている複数の撮影作業から、利用者を撮影する撮影作業を選択させ、
選択された前記撮影作業で前記利用者を撮影し、
前記利用者の操作に応じて、撮影された前記利用者の画像に編集を施し、
選択された前記撮影作業中に、前記利用者よりも先に前記撮影作業を行った先の利用者の編集時間を制限する
ステップを含む処理を、コンピュータに行わせるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−203285(P2008−203285A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35774(P2007−35774)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】