説明

画像検査装置

【課題】 印刷途上において、簡便に欠陥分類の調整を行うことが可能な画像検査装置を提供する。
【解決手段】 画像像検査装置100は、印刷用紙5の第1面51に形成された印刷画像の検査を行う第1面検査処理部70と、印刷用紙5の第2面52に形成された印刷画像の検査を行う第2面検査処理部80と、印刷結果情報等を保存する記憶手段90と、オペレータによる入力部62からの選択操作を受け付けて、第1面撮影画像、第2面撮影画像、第1面検査処理部70および第2面検査処理部80の検査結果等のうち選択された内容を所定の表示態様で表示部61に表示する表示制御部92を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体の表裏両面に対して印刷が行われた印刷画像を検査する画像検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物の生産を行う印刷システムにおいては、印刷物の品質を確保するために、印刷用紙などの記録媒体に印刷が行われた印刷画像に対して、画像検査装置による検査が行われている。そして、検査により印刷画像に欠陥有りと判断された印刷物は、不良印刷物として廃棄されている。
【0003】
不良印刷物が大量に発生するのを防止するには、印刷画像上の欠陥の原因を突き止め、その情報を印刷制御へフィードバックすることが有効である。ところが、欠陥の種類の判定や欠陥の程度の判定は、人の目視により感覚的に決められた検査条件に従って行われているのが現状であり、オペレータの熟練度により検査条件の設定にバラツキがある。このため、印刷画像の欠陥判定に差が生じている。このような、オペレータの熟練度による検査条件の設定のバラツキを低減するため、特許文献1には、ファジー回路とニューラルネットワークを備え、欠陥の特徴等をファジー推論するとともにニューラルネットワークの自己学習機能により、熟練したオペレータでなくても判定すべき欠陥パターンの種別の登録および変更を容易に行うことができる欠陥パターン種別判定装置が提案されている。
【0004】
また、印刷用紙の表裏両面に対して印刷が行われた印刷画像の検査においては、表面(第1面)に印刷された絵柄等が裏面(第2面)に透けて見えるウラ写りを、欠陥として誤判定する場合がある。このため、特許文献2には、第1面の画像データと第2面の画像データとの濃度差に関し、紙の属性に応じてしきい値を決定し、しきい値以上である領域を誤り領域と特定することにより、ウラ写りを欠陥とする誤判定を低減したデータ処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−333170号公報
【特許文献2】特開2009−78457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された欠陥パターン種別判定装置を、印刷シートごとに印刷する絵柄や図案が異なるバリアブル印刷を行う印刷システムに採用したとしても、欠陥分類を実現するためのフィルタ設定を適切に教示するには、ある程度の学習回数が必要であり、事前に適切な教示データを準備することは困難である。
【0007】
また、両面印刷において、第1面の絵柄等が第2面に透けて見えるウラ写りは、印刷シートごとに印刷する絵柄や図案が異なるバリアブル印刷においては、印刷シートごとに場所や程度が異なる。このため、特許文献2に記載されたデータ処理装置のように、紙の属性だけでしきい値を決定して誤り領域を特定すると、ウラ写りを欠陥と判定しないために薄い紙ではしきい値を高く設定してしまうことになり、結果として、検出すべき欠陥を見逃すおそれがある。
【0008】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、印刷途上において、簡便に欠陥分類の調整を行うことが可能な画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、記録媒体上に形成された印刷画像を撮像部により撮影し、前記撮像部により取得した画像を複数の表示態様に対する選択操作を受け付けて、選択された表示態様で表示部に表示する表示制御手段を備え、前記記録媒体の第1面と第2面の両面に形成された印刷画像を検査する画像検査装置であって、印刷ジョブデータに含まれる前記記録媒体の第1面に画像を形成するための第1面画像形成用データから生成された第1面基準画像と、前記記録媒体の第1面に形成された画像を撮影して得た第1面撮影データから生成された第1面撮影画像との相違から第1面の欠点を検出する第1面欠点検出手段と、前記第1面欠点検出手段が検出した欠点を分類する第1面フィルタを適用し、欠点の評価を行う第1面欠点評価手段と、印刷ジョブデータに含まれる前記記録媒体の第2面に画像を形成するための第2面画像形成用データから生成された第2面基準画像と、前記記録媒体の第2面に形成された画像を撮影して得た第2面撮影データから生成された第2面撮影画像との相違から第2面の欠点を検出する第2面欠点検出手段と、前記第2面欠点検出手段が検出した第2面の欠点を分類する第2面フィルタの設定を提示する第2面フィルタ設定提示手段と、前記第2面フィルタ設定提示手段により提示された前記第2面フィルタの設定を、前記第1面撮影データを利用して変更する第2面フィルタ設定変更手段と、前記第2面フィルタを適用し、前記第2面欠点検出手段が検出した欠点の評価を行う第2面欠点評価手段と、前記第1面欠点評価手段において使用した第1面フィルタの設定と、前記第2面欠点評価手段において使用した第2面フィルタの設定と、を含む印刷結果情報を保存する記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2面フィルタ設定変更手段は、前記第1面画像形成用データに基づいて決定された設定となるように第2面フィルタの設定を変更する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第2面欠点評価手段による欠点分類の結果から除外すべき類似欠点が発生した領域を類似欠点領域として登録する類似欠点登録手段を備える。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記第1面画像形成用データおよび前記第2面画像形成用データ、または、第1面撮影画像を利用して、第2面において欠点から除外すべき類似欠点が発生する類似欠点領域を推定する類似欠点領域推定手段を備える。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記表示制御手段は、前記第1面フィルタを適用して前記第1面欠点評価手段により欠点を分類した結果、および、前記第2面フィルタを適用して前記第2面欠点評価手段により欠点を分類した結果を、前記第1面撮影画像、および、前記第2面撮影画像に重畳させて前記表示部に表示する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、第1面フィルタの設定を提示する第1面フィルタ設定提示手段と、前記第1面フィルタ設定提示手段により提示された前記第1面フィルタの設定を変更する第1面フィルタ設定変更手段と、を備える。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1面フィルタ設定変更手段は、前記印刷ジョブデータに含まれる事前印刷用紙における固定印刷部と可変印刷部の位置情報に基づいて決定された設定に前記第1面フィルタの設定を変更し、前記第2面フィルタ設定変更手段は、前記印刷ジョブデータに含まれる事前印刷用紙における固定印刷部と可変印刷部の位置情報に基づいて決定された設定に前記第2面フィルタの設定を変更する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記表示制御手段は、前記第2面撮影画像を所定の間隔で分割した領域ごとに検出された欠点の数を複数の印刷シートについて集計して算出された欠点の発生頻度を、前記第2面撮影画像に重畳させて前記表示部に表示する。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、インクを吐出する多数のノズルが形成された印刷ヘッドを複数個列設することにより印刷用紙の幅方向に亘ってノズルを列設させた印刷部に対して、前記印刷用紙をノズルの列設方向と直交する方向に相対的に移動させることにより印刷を行うインクジェット画像記録装置により印刷された画像を検査するものであり、前記所定の間隔で分割した領域は、前記第2面撮影画像を前記印刷ヘッドのノズルの列設方向の長さを一辺とする矩形状に分割した領域である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記第1面欠点検出手段において検出された欠点の数、および、前記第2面欠点検出手段において検出された欠点の数を、前記ノズルの列設方向と直交する方向に積算することにより前記印刷ヘッドごとに欠点の総数を求め、積算された欠点の総数が第1のしきい値を超えた印刷ヘッドについては、故障していることを示し、積算された欠点の総数が第2のしきい値より大きく、かつ、第1のしきい値より小さい印刷ヘッドについては、点検が必要であることを示す警告手段を備える。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の発明において、前記第2面欠点評価手段は、前記印刷結果情報に含まれる第2面欠点検出手段が検出した欠点に対し、前記第2面フィルタ設定変更手段により設定を変更した第2面フィルタを再適用し、前記表示制御手段は、第2面フィルタの再適用結果を前記第2面撮影画像上に重畳して提示し、前記記憶手段は、再適用された第2面フィルタ設定を前記印刷結果情報とともに再度保存する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、絵柄・図案の変化が大きいバリアブル印刷においても、絵柄・図案に応じて印刷途上において第2面フィルタ設定を変更することができ、欠陥分類の調整を行うことが可能となる。これにより、印刷用紙の両面に印刷された印刷画像の検査を精度よく行うことができる。
【0021】
請求項3および請求項4に記載の発明によれば、ウラ写り等の不良と判定しない印刷欠陥を不良と判定する誤判定を軽減することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、オペレータは、印刷画像上で視覚的に欠点の発生状況を認識することができる。
【0023】
請求項6および請求項7に記載の発明によれば、事前印刷用紙に対して追い刷りを行う際にも、事前印刷の絵柄を印刷欠陥と判定する誤判定を軽減し、印刷用紙の両面に印刷された印刷画像の検査を効率よく行うことができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、印刷シートの所定の領域ごとの欠点の発生頻度を容易に識別することができ、用紙位置に依存する欠点か否かを把握することができる。
【0025】
請求項9および請求項10に記載の発明によれば、複数のノズルヘッドを備えるインクジェット画像記録装置において、ノズルの吐出不良等が原因となって発生する欠陥を把握することができ、ノズルヘッドの管理を適切に行うことができる。
【0026】
請求項11に記載の発明によれば、印刷終了後であっても、異なるフィルタ設定により画像の検査をやり直すことができるとともに、再印刷の際には、適切なフィルタ設定を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明に係る画像検査装置を適用する画像記録装置の要部を模式的に示す概要図である。
【図2】印刷ヘッド1の底面の一部を模式的に示す概要図である。
【図3】画像検査における欠点分類の概要を模式的に示す説明図である。
【図4】この発明に係る画像検査装置100の機能構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態に係る画像検査装置200の機能構成を示すブロック図である。
【図6】表示部61への表示態様の一例を示す模式図である。
【図7】表示部61への表示態様の一例を示す模式図である。
【図8】第3実施形態に係る画像検査装置300の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る画像検査装置を備えた画像記録装置の要部を模式的に示す概要図である。
【0029】
この画像記録装置は、ガイドローラ6に案内されて移動する長尺状の記録媒体である印刷用紙5に対し、インクジェット方式で4色印刷を実行するものである。図1に示すように、画像記録装置は、印刷用紙5の第1面(表面)51を印刷する第1面印刷ユニット11と、第2面(裏面)52を印刷する第2面印刷ユニット12と、印刷用紙5の印刷面を第1面51から第2面52に反転する反転ユニット7と、この画像記録装置全体を制御するコンピュータ60を備える。
【0030】
コンピュータ60は、内部に記憶装置としてのRAM、ROMと、演算装置としてのCPUを備えるとともに、表示部61と入力部62を備える。表示部61は、第1面印刷ユニット11に配設された撮像部8aにより撮影された印刷用紙5の第1面51上の印刷画像、および、第2面印刷ユニット12に配設された撮像部8bにより撮影された印刷用紙5の第2面52上の印刷画像を表示する表示部として機能する。
【0031】
撮像部8a、8bは、X方向に撮像素子であるCCDイメージセンサを列設した構成を有し、CCDイメージセンサにより読み取った印刷画像の撮影データを後述する画像検査装置に送信する。
【0032】
第1面印刷ユニット11および第2面印刷ユニット12は、印刷用紙5に対してシアン(C)のインクで印刷を行うための印刷ヘッド1cと、 印刷用紙5に対してマゼンタ(M)のインクで印刷を行うための印刷ヘッド1mと、印刷用紙5に対してイエロー(Y)のインクで印刷を行うための印刷ヘッド1yと、印刷用紙5に対してブラック(K)のインクで印刷を行うための印刷ヘッド1kとが、この順に配設された構成を有する印刷部10を備える。
【0033】
図2は、印刷ヘッド1の底面の一部を模式的に示す概要図である。
【0034】
各印刷ヘッド1c、1m、1y、1k(以下、これらを総称して「印刷ヘッド1」という)においては、印刷用紙5の移動方向と直交する印刷用紙5の幅(図1における紙面に垂直な方向)と同程度の領域に亘って配置されたノズルヘッド2の列が、印刷用紙5の移動方向に複数列、配設されている。図2に示すように、ノズルヘッド2の底面には、X方向に多数のインク吐出ノズル21が一定ピッチで形成されている。そして、ノズルヘッド2が、印刷用紙5の幅方向であるX方向に配列されるとともに、印刷用紙5の移動方向であるY方向に互い違いに配列されることにより、印刷用紙5の幅と同程度の領域に亘ってノズルが一定ピッチで配設されることになる。この画像記録装置では、第1面印刷ユニット11および第2面印刷ユニット12において、CMYKの色成分で表された画像形成用データに従って、各色の印刷ヘッド1におけるノズルヘッド2からインクを吐出させることにより、印刷用紙5の第1面51と第2面52にカラーの印刷画像が形成される。そして、印刷用紙5が第1面印刷ユニット11および第2面印刷ユニット12の印刷部10の下方を一回通過するのみにて、両面印刷が行われる。
【0035】
次に、この発明に係る画像検査装置について説明する。図3は、画像検査における欠点分類の概要を模式的に示す説明図である。この図3において、X軸は図1における印刷用紙5の幅方向に対応し、Y軸は図1における印刷用紙5の搬送方向に対応する。また、Z軸は、欠点の程度を示す評価値を示す。
【0036】
画像検査においては、まず、撮像部8a、8bにより撮影した1シート分の撮影画像40について、基準画像との間で比較を行い、両者の相違を検出する。例えば、基準画像と撮影画像40の対応する各画素単位で濃度比較を行い、所定の濃度差以上の画素位置を欠点として検出する。そして、それらの検出欠点について、濃度差の程度、欠点の大きさ(面積)、色等に関するいくつかの条件に基づいて評価値を算出し、その評価値をもとに、出荷が可能な軽微な欠点A、中程度の欠点B、出荷できない欠点である不良欠点Cに分類している。なお、この明細書においては、このような欠点分類を行う要素をフィルタと呼称し、フィルタ設定には、軽微な欠点A、中程度の欠点B、不良欠点Cの境界値であるフィルタ値、および、フィルタ値を構成する面積しきい値等の設定が含まれる。
【0037】
図3に示す撮影画像40は、両面に画像が記録された印刷用紙5の撮影画像を、第2面52側から見たものであり、第1面51に印刷された絵柄が第2面52側から透けて見えるウラ写り領域41a、41bが存在している。ウラ写りは、第1面51側のインクが第2面52側にまで抜けてしまったウラ抜け(ウラ抜けは出荷できない欠点に分類される。)とは異なり、オペレータの目視による検査では不良とされない印刷欠陥である。
【0038】
しかしながら、第1面51と第2面52に同一設定のフィルタを適用した場合、ウラ写りは、図3に領域42a、42bで示すように、中程度の欠点Bと不良欠点Cとの境界に近い、評価値が高い欠点となることが多い。また、印刷シートごとに絵柄や図案が変化するバリアブル印刷では、印刷途上においてウラ写り領域41a、41bの出現状況が変化する。このため、この発明に係る画像検査装置においては、印刷途上において、フィルタ値を変更、あるいは、ウラ写り領域に対してフィルタ値による分類から除外される例外規則を設け、さらには、ウラ写り領域からウラ抜けを検出可能なウラ抜け検出規則を設けて、ウラ抜けは印刷欠陥とするがウラ写りは印刷欠陥と判定しない構成を採用している。
【0039】
図4は、この発明に係る画像検査装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0040】
この画像検査装置100は、印刷用紙5の第1面51に形成された印刷画像の検査を行う第1面検査処理部70と、印刷用紙5の第2面52に形成された印刷画像の検査を行う第2面検査処理部80と、印刷結果情報等を保存する記憶手段90と、オペレータによる入力部62からの選択操作を受け付けて、第1面撮影画像、第2面撮影画像、第1面検査処理部70および第2面検査処理部80の検査結果等のうち選択された内容を所定の表示態様で表示部61に表示する表示制御部92を備える。
【0041】
さらに、第1面検査処理部70は、第1面欠点検出部71と、第1面欠点評価部74を備え、第2面検査処理部80は、第2面欠点検出部81と、第2面フィルタ設定提示部82と、第2面フィルタ設定変更部83と、第2面欠点評価部84を備える。
【0042】
この画像検査装置100における画像検査は、コンピュータ60により印刷ジョブデータが投入され、第1面印刷ユニット11および第2面印刷ユニット12による印刷が開始されると、所定の時間間隔で撮像部8a、8bからの撮影データが画像検査装置100に取り込まれ、第1面検査処理部70において印刷用紙5の第1面検査、第2面検査処理部80において第2面検査が、それぞれ実行される。
【0043】
第1面検査は、第1面検査処理部70に撮像部8aからの撮影データを取り込み、第1面欠点検出部71において基準画像と撮影データから生成された撮影画像とを比較し、第1面欠点を検出する。ここでの基準画像は、印刷ジョブデータに含まれる第1面画像形成用データを第1面印刷ユニット11から第1面検査処理部70に取り込み、第1面画像形成用データであるCMYKデータを、撮像部8aの読み取り分解能相当のRGBデータに変換することにより作成されたものである。そして、第1面欠点検出部71では、基準画像と撮影画像との濃度を画素単位で比較し、濃度差が所定のしきい値以上のものを欠点としている。続いて、第1面欠点評価部74において、第1面に検出された欠点に対して第1面フィルタを適用し、欠点が、先に図3を参照して説明した、出荷が可能な軽微な欠点A、中程度の欠点B、出荷できない不良欠点Cのいずれに該当するかの評価を行う。なお、この実施形態では、第1面フィルタの設定は、印刷開始前に予め設定しているものを印刷終了時まで使用している。
【0044】
第2面検査は、第2面検査処理部80に撮像部8bからの撮影データを取り込み、第2面欠点検出部81において基準画像と撮影データから生成された撮影画像とを比較し、第2面欠点を検出する。ここでの基準画像は、第1面検査における基準画像と同様に、印刷ジョブデータに含まれる第2面画像形成用データを第2面印刷ユニット12から第2面検査処理部80に取り込み、第2面画像形成用データであるCMYKデータを、撮像部8bの読み取り分解能相当のRGBデータに変換することにより作成されたものである。そして、第2面欠点検出部81では、基準画像と撮影画像との濃度を画素単位で比較し、濃度差が所定のしきい値以上のものを欠点としている。なお、第2面欠点検出部81での濃度差のしきい値は、第1面欠点検出部71におけるしきい値と同じ値を使用している。
【0045】
続いて、第2面フィルタ設定提示部82により印刷途上の現時点で設定されている第2面フィルタ設定を提示する。第2面フィルタ設定提示部82は、第2面フィルタ設定の内容を表示部61に表示することにより、オペレータに現在の第2面フィルタ設定を提示する。そして、提示されている設定の第2面フィルタを適用して、第2面欠点評価部84により第2面欠点検出部81おいて検出された欠点の評価を行う。欠点評価の結果、第2面フィルタ設定を変更する必要ある場合には、第1面検査処理部70を介して取得した第1面撮影データを利用して、第2面フィルタ設定変更部83により第2面フィルタの設定を変更する。
【0046】
第2面の欠点評価の結果、第2面フィルタ設定を変更する必要あるか否か判断は、オペレータが表示部61に表示された第2面の欠点評価の結果を確認することにより行う。また、第1面撮影データを利用した第2面フィルタ設定変更部83における第2面フィルタ設定の変更は、オペレータによる操作を介在させた変更と、オペレータによる操作を介在させない自動変更のどちらでも行うことができる。
【0047】
オペレータによる操作を介在させた変更は、オペレータが目視により表示部61に表示された第1面撮影画像と第2面の欠点評価の結果とを照らし合わせて、第1面撮影画像のインクの色が濃い部分が第2面にウラ写りし、その領域の欠点が中程度の欠点Bまたは不良欠点Cに分類されていると確認できた場合に、オペレータの入力部62からの入力操作に応じて、第2面フィルタ設定をオペレータの所望の状態に変更することである。
【0048】
また、自動変更は、例えば、第1面撮影データが保持する濃度データから第1面において所定濃度以上となる領域を記憶しておき、所定濃度以上の領域がある場合には、ウラ写りの発生可能性ありとして、フィルタ値を自動的に変更する等の設定変更を行うことである。
【0049】
変更された第2面フィルタ設定は、現在の第2面フィルタ設定として更新保存されるとともに、第2面フィルタ設定提示部82により、更新された第2面フィルタ設定の内容が表示部61に表示される。第2面フィルタ設定の変更後に印刷が行われた印刷画像に対しては、設定が変更された第2面フィルタを適用して、第2面欠点評価部84において第2面の欠点の評価が行われる。なお、この画像検査装置100においては、第2面フィルタ設定が印刷開始から印刷終了までの間の印刷途上において、第2面フィルタ設定を変更する必要ある場合に繰り返し変更することが可能な構成となっている。
【0050】
第1面検査と第2面検査の結果は、逐次表示部61に表示され、オペレータは、表示部61の表示を確認することにより、不良欠点Cに分類された欠点を含む印刷シート(出荷できない不良印刷物)を容易に判別することができる。
【0051】
印刷が終了し、第1面検査と第2面検査とが終了すると、画像検査装置100は、終了時の第2面フィルタ設定を最新の第2面フィルタ設定として記憶部90に保存する。記憶部90には、最新第2面フィルタ設定の他、第1面欠点検出部71において検出された欠点、および、第2面欠点検出部81において検出された欠点の情報を含む第1面検査および第2面検査の結果等が、印刷結果情報として保存される。第2面フィルタ設定は、印刷途上において設定変更を繰り返していると、印刷開始時と印刷終了時とでは、大きく異なる場合がある。このため、この画像検査装置100では、最新第2面フィルタ設定を呼び出し、最初のシートから最後のシートまでの欠点検出結果(第1面欠点検出部71において検出された欠点、および、第2面欠点検出部81において検出された欠点)に対して、第2面フィルタを適用して欠点分類をやり直すことができる構成としている。
【0052】
また、印刷結果情報を、画像記録装置側の制御部に送信し、第1面フィルタ設定および第2面フィルタ設定とともにJDF(Job Definition Format)ファイルとして保存しておけば、再印刷の際には、このJDFの記述から第1面フィルタ設定および第2面フィルタ設定を展開することで、再印刷や類似の印刷業務において、印刷途上でのフィルタ設定の変更頻度を抑えることも可能となる。
【0053】
なお、この実施形態の第1面検査処理部70に、第2面検査処理部80の第2面フィルタ設定提示部82と第2面フィルタ設定変更部83と同様の機能を有する第1面フィルタ設定提示部と、第1面フィルタ設定変更部とさらに備えるようにしてもよい。この実施形態では、第1面フィルタ設定に関しては、印刷途上においてその設定変更は行えなかったが、このような変形を加えることにより、第1面フィルタ設定に関しても、印刷途上において設定変更が可能となる。
【0054】
印刷用紙5が予め何らかの絵柄が印刷されている事前印刷用紙である場合には、事前印刷領域に応じて第1面フィルタおよび第2面フィルタの設定を変更することにより、事前印刷画像を誤って印刷欠陥であると判定することを防止することができる。また、事前印刷の印刷ジョブデータを予め取得しておけば、事前印刷用紙における固定印刷部と可変印刷部の位置情報を利用して、それぞれ第1面フィルタおよび第2面フィルタの設定を異ならせて設定し、その設定を表示部61に表示してオペレータに提示することもできる。
【0055】
図5は、第2実施形態に係る画像検査装置200の機能構成を示すブロック図である。図6および図7は、表示部61への表示態様の一例を示す模式図である。なお、上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0056】
この画像検査装置200は、図5に示すように、第1面検査処理部70において、第1面フィルタ設定提示部72と第1面フィルタ設定変更部73とを備え、第2面検査処理部80において、類似欠点登録部85を備える。ここで、類似欠点とは、先に図3を参照して説明したウラ写り等、オペレータの目視による検査では不良と判断されないが、欠点の程度を示す評価値が高く、機械的な検査では不良と判断される可能性が高い欠点を意味する。
【0057】
類似欠点登録部85は、第2面欠点検出部81により検出した欠点に対し、第2面フィルタ設定提示部82により提示された設定の第2面フィルタを適用し第2面欠点評価部84で欠点分類を行った結果、中程度の欠点Bおよび不良欠点Cに分類された欠点のうち、例外規則を適用して欠点から除くことができる欠点を、類似欠点として登録するものである。
【0058】
印刷が開始され、第1面検査処理部70および第2面検査処理部80による印刷画像の検査が行われると、図6に示すように、8枚の表面(第1面51)の撮影画像と8枚の裏面(第2面52)の撮影画像が印刷シートの表裏が対応するように表示部61に縮小表示されるとともに、第1面フィルタおよび第2面フィルタの適用結果が、各撮影画像に重畳して表示される。なお、第2面撮影画像には、第2面に形成されている画像に加え、第1面撮影画像の左右反転像が、もとの画像の濃度よりも低い濃度で現れている。
【0059】
図6の縮小表示された撮影画像の1つを、オペレータが入力部62を操作して選択すると、図7に示すように、その選択された撮影画像が拡大表示される。この表示態様においては、撮影画像とフィルタ適用結果とを重畳して表示する検査対象表示領域65と、現在のフィルタ設定等を示す設定領域66とが設けられている。この図7においては、検査対象表示領域65に第2面52の撮影画像と、第2面フィルタを適用した結果を重畳させて示している。なお、図6および図7に示す表示態様の表示制御は、表示制御部92において行われる。
【0060】
検査対象表示領域65では、第1面欠点評価部74および第2面欠点評価部84において、中程度の欠点Bおよび不良欠点Cに分類された欠点が表示されるとともに、所定の発生頻度以上で欠点が存在する領域が矩形枠で示されている。この矩形枠の長辺は、この印刷画像を形成したインクジェット画像記録装置のノズルヘッド2の幅(図2におけるX方向の長さ)に相当する。そして、撮影画像を一辺がノズルヘッド2の幅相当の矩形領域に分割し、分割された矩形領域のそれぞれにおいて、複数の印刷シートを対象とした欠点の発生頻度を算出している。
【0061】
バリアブル印刷では、複数の印刷シートに亘って同じ領域に欠点が発生する場合には、絵柄の変化に関係がない、インク吐出ノズル21の吐出不良や、印刷用紙5の搬送経路の汚れ付着(例えば、搬送ローラ6からの汚れ転写)等が疑われる。このため、この矩形領域での欠点発生頻度を、例えば印刷シートの100シート分を用いて算出し、欠点発生頻度を高・中・低の3段階に分け、それらの枠の色を変えるなどの表示をすることで、欠点の発生頻度をオペレータに識別させている。ここで、矩形枠の一辺をノズルヘッド2の幅としていることから、欠点発生頻度は、ノズルヘッド2ごとの印刷管理においても有用な情報となる。
【0062】
なお、図7においては、図示の都合上、欠点発生頻度が高い領域は二重線、中程度の領域は実線、低い領域は破線で示す枠で示している。また、第1面欠点評価部74および第2面欠点評価部84において、中程度の欠点Bおよび不良欠点Cに分類された欠点の位置は、X印などを検査対象表示領域65の撮影画像上に配置することにより示すことができるが、この図7においては、図示を省略している。
【0063】
図7の検査対象表示領域65に表示された例では、欠点の発生頻度が高くないため、矩形枠は表示されないが、中程度の欠点Bおよび不良欠点Cに分類された欠点が存在する領域を円で囲っている。これはウラ写りと思われる類似欠点があることを示す。オペレータは、この円で囲った領域を入力部62により選択し、類似欠点領域として登録する。そして、類似欠点領域として登録が完了した領域の欠点については、欠点から除外する。ただし、主に、基準画像と撮影画像の濃度差からウラ抜けと判断できる欠点については、欠点として残すようにする。
【0064】
しかる後、第2面フィルタ設定の変更が行われる。設定領域66には、調整ボタン67が設けられ、オペレータが入力部62を介して調整ボタン67を動かすことにより、フィルタ値の変更が可能となっている。そして、第2面欠点評価部84において変更された第2面フィルタを適用した欠陥分類が行われ、その結果は、第2面撮影画像に重畳して再び表示される。
【0065】
また、変更された第2面フィルタの設定は、印刷終了後の印刷結果情報の最初のシートから最後のシートまでの欠点検出結果に対して使用することもできる。このときの第2面フィルタの適用結果も、記憶部90に保存しておいた撮影画像に重畳して表示部61に表示される。
【0066】
この実施形態では、欠点発生頻度を算出する単位を矩形枠の一辺をノズルヘッド2の幅としていることから、インク吐出ノズル21の列設方向についてノズルヘッド2の幅により分割され、インク吐出ノズル21の列設方向と直交する方向(印刷用紙5の搬送方向)に伸びる帯状領域について欠点の数を積算すると、ノズルヘッド2の状態を知ることができる。すなわち、積算された欠点の総数が第1しきい値をこえたノズルヘッド2は故障している可能性があり、積算された欠点の総数が第2のしきい値より小さいノズルヘッド2は、深刻な不具合が生じる前に点検する必要があると考えられる。このようなノズルヘッド2の状態をオペレータにわかり易く知らせるために、積算された欠点の総数が第1しきい値をこえたノズルヘッド2についは、故障していることを表示部61に表示し、積算された欠点の総数が第2のしきい値より小さいノズルヘッド2については、点検が必要であることを表示部61に表示する警告手段を、この画像検査装置200に追加して備えてもよい。
【0067】
図8は、第3実施形態に係る画像検査装置300の機能構成を示すブロック図である。なお、上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0068】
この画像検査装置300は、第2面検査処理部80において、さらに類似欠点領域推定部86を備える。類似欠点領域推定部86は、第1面51の絵柄においてウラ写りが発生しやすい領域を、第1面画像形成用データおよび前記第2面画像形成用データ、または、第1面撮影画像を利用して特定することで、特定された領域の第2面52の対応する領域を、ウラ写りによる欠点が発生しやすい類似欠点領域と推定するものである。
【0069】
第1面画像形成用データおよび前記第2面画像形成用データを利用して類似欠点領域を推定する処理は、RGBデータなどの画像データをRIP(Raster Image Processor)により画像記録装置による印刷が可能なラスターイメージに展開する際に行う。すなわち、第1面ラスターイメージデータと第2面ラスターイメージデータの位置あわせを印刷シートごとに行い、第1面側での濃度が所定値以上の領域を特定することで、類似欠点領域を推定する。印刷時に、推定した類似欠点領域の情報を第2面フィルタ設定に付加しておけば、推定した類似欠点領域にある欠点を第2面フィルタの適用から自動的に除外でき、オペレータの作業負担を低減することができる。
【0070】
さらに、ラスターイメージに展開する際に類似欠点領域の推定ができない場合には、第1面画像形成用データおよび前記第2面画像形成用データに換えて第1面撮影画像を利用することにより類似欠点領域の推定を行ってもよい。この場合には、第1面検査処理部70における第1面検査の際に、第1面撮影画像において、所定濃度以上の領域を特定し、その情報を第2面検査処理部80において利用することにより類似欠点領域を推定することができる。
【0071】
なお、推定した類似欠点領域については、ウラ抜けである欠点の検出精度を下げないようにするため、基準画像と撮影画像との濃度差が所定値以上の欠点については除外しない等の検査規則を設定して、ウラ抜けとウラ写りの判別を行う。
【符号の説明】
【0072】
1 印刷ヘッド
2 ノズルヘッド
5 印刷用紙
6 搬送ローラ
7 反転ユニット
8 撮像部
10 印刷部
11 第1面印刷ユニット
12 第2面印刷ユニット
21 インク吐出ノズル
40 撮影画像
41 ウラ写り領域
42 領域
51 第1面
52 第2面
60 コンピュータ
61 表示部
62 入力部
65 検査対象表示領域
66 設定領域
67 調整ボタン
70 第1面検査処理部
71 第1面欠点検出部
72 第1面フィルタ設定提示部
73 第1面フィルタ設定変更部
74 第1面欠点評価部
80 第2面検査処理部
81 第2面欠点検出部
82 第2面フィルタ設定提示部
83 第2面フィルタ設定変更部
84 第2面欠点評価部
85 類似欠点登録部
86 類似欠点領域推定部
90 記憶部
92 表示制御部
100 画像検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に形成された印刷画像を撮像部により撮影し、前記撮像部により取得した画像を複数の表示態様に対する選択操作を受け付けて、選択された表示態様で表示部に表示する表示制御手段を備え、前記記録媒体の第1面と第2面の両面に形成された印刷画像を検査する画像検査装置であって、
印刷ジョブデータに含まれる前記記録媒体の第1面に画像を形成するための第1面画像形成用データから生成された第1面基準画像と、前記記録媒体の第1面に形成された画像を撮影して得た第1面撮影データから生成された第1面撮影画像との相違から第1面の欠点を検出する第1面欠点検出手段と、
前記第1面欠点検出手段が検出した欠点を分類する第1面フィルタを適用し、欠点の評価を行う第1面欠点評価手段と、
印刷ジョブデータに含まれる前記記録媒体の第2面に画像を形成するための第2面画像形成用データから生成された第2面基準画像と、前記記録媒体の第2面に形成された画像を撮影して得た第2面撮影データから生成された第2面撮影画像との相違から第2面の欠点を検出する第2面欠点検出手段と、
前記第2面欠点検出手段が検出した第2面の欠点を分類する第2面フィルタの設定を提示する第2面フィルタ設定提示手段と、
前記第2面フィルタ設定提示手段により提示された前記第2面フィルタの設定を、前記第1面撮影データを利用して変更する第2面フィルタ設定変更手段と、
前記第2面フィルタを適用し、前記第2面欠点検出手段が検出した欠点の評価を行う第2面欠点評価手段と、
前記第1面欠点評価手段において使用した第1面フィルタの設定と、前記第2面欠点評価手段において使用した第2面フィルタの設定と、を含む印刷結果情報を保存する記憶手段と、
を備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像検査装置において、
前記第2面フィルタ設定変更手段は、前記第1面画像形成用データに基づいて決定された設定となるように第2面フィルタの設定を変更する画像検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像検査装置において、
前記第2面欠点評価手段による欠点分類の結果から除外すべき類似欠点が発生した領域を類似欠点領域として登録する類似欠点登録手段を備える画像検査装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像検査装置において、
前記第1面画像形成用データおよび前記第2面画像形成用データ、または、第1面撮影画像を利用して、第2面において欠点から除外すべき類似欠点が発生する類似欠点領域を推定する類似欠点領域推定手段を備える画像検査装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像検査装置において、
前記表示制御手段は、前記第1面フィルタを適用して前記第1面欠点評価手段により欠点を分類した結果、および、前記第2面フィルタを適用して前記第2面欠点評価手段により欠点を分類した結果を、前記第1面撮影画像、および、前記第2面撮影画像に重畳させて前記表示部に表示する画像検査装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像検査装置において、
第1面フィルタの設定を提示する第1面フィルタ設定提示手段と、
前記第1面フィルタ設定提示手段により提示された前記第1面フィルタの設定を変更する第1面フィルタ設定変更手段と、
を備える画像検査装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像検査装置において、
前記第1面フィルタ設定変更手段は、前記印刷ジョブデータに含まれる事前印刷用紙における固定印刷部と可変印刷部の位置情報に基づいて決定された設定に前記第1面フィルタの設定を変更し、
前記第2面フィルタ設定変更手段は、前記印刷ジョブデータに含まれる事前印刷用紙における固定印刷部と可変印刷部の位置情報に基づいて決定された設定に前記第2面フィルタの設定を変更する画像検査装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像検査装置において、
前記表示制御手段は、前記第2面撮影画像を所定の間隔で分割した領域ごとに検出された欠点の数を複数の印刷シートについて集計して算出された欠点の発生頻度を、前記第2面撮影画像に重畳させて前記表示部に表示する画像検査装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像検査装置において、
インクを吐出する多数のノズルが形成された印刷ヘッドを複数個列設することにより印刷用紙の幅方向に亘ってノズルを列設させた印刷部に対して、前記印刷用紙をノズルの列設方向と直交する方向に相対的に移動させることにより印刷を行うインクジェット画像記録装置により印刷された画像を検査するものであり、
前記所定の間隔で分割した領域は、前記第2面撮影画像を前記印刷ヘッドのノズルの列設方向の長さを一辺とする矩形状に分割した領域である画像検査装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像検査装置において、
前記第1面欠点検出手段において検出された欠点の数、および、前記第2面欠点検出手段において検出された欠点の数を、前記ノズルの列設方向と直交する方向に積算することにより前記印刷ヘッドごとに欠点の総数を求め、積算された欠点の総数が第1のしきい値を超えた印刷ヘッドについては、故障していることを示し、積算された欠点の総数が第2のしきい値より大きく、かつ、第1のしきい値より小さい印刷ヘッドについては、点検が必要であることを示す警告手段を備える画像検査装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の画像検査装置において、
前記第2面欠点評価手段は、前記印刷結果情報に含まれる第2面欠点検出手段が検出した欠点に対し、前記第2面フィルタ設定変更手段により設定を変更した第2面フィルタを再適用し、
前記表示制御手段は、第2面フィルタの再適用結果を前記第2面撮影画像上に重畳して提示し、
前記記憶手段は、再適用された第2面フィルタ設定を前記印刷結果情報とともに再度保存する画像検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−72846(P2013−72846A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214308(P2011−214308)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】