説明

画像測定装置及び画像測定方法

【課題】操作者の手間が少なく、画像中の図形情報の測定を迅速且つ確実に行う。
【解決手段】CPU41は、撮像ユニット17で撮像された被測定対象物の画像を取り込み、取り込んだ画像に含まれる図形の輪郭線をハフ変換によって検出し、検出した輪郭線上にエッジ検出ツールを設定し、設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像測定装置及び画像測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどによりワークの測定箇所を撮像し、この撮像画像からエッジ検出などを行う画像測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
エッジ検出は、例えば、操作者により撮像画像内に設定されたエッジ検出ツールに基づいて、撮像画像に含まれる測定対象図形のエッジ情報(位置座標など)を取得し、当該測定対象図形の位置や幅などの図形情報を測定する技術である。
【0003】
エッジ検出ツールとしては、例えば、図14(a)に示す、矩形のツール(以下、ボックスツールと呼ぶ)73や、図14(b)に示す、円環形のツール(以下、円ツールと呼ぶ)74などが知られている。
【0004】
ボックスツール73は、画像の直線部72aのエッジ検出に適しており、中点の位置座標(X、Y)と、両端の長さWと、両側の幅Hと、角度θとによって定義される。
このボックスツール73の場合、幅Hの中に予め設定された間隔ΔHで、矢印の基端から先端に向かうエッジ検出が繰り返される。
円ツール74は、円形画像72bのエッジ検出に適しており、位置座標(X、Y)と、測定を開始する内径r1と、測定を終了する外径r2によって定義される。
この円ツール74の場合、予め設定された角度Δθで、座標(X、Y)を中心として回転し、矢印の基端から先端に向かうエッジ検出が繰り返される。
【0005】
また、画像測定装置においては、上記エッジ検出ツールの移動量や測定回数を設定することで、等間隔で規則的に並んだ測定対象図形を連続して測定する「ステップアンドリピート機能」と呼ばれる機能を備えたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−247719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の画像測定装置は、上記したエッジ検出を行うのに、エッジ検出ツールを操作者が手動で撮像画像内に設定しなければならず、図形情報の測定時の手間が多いものであった。
また、ステップアンドリピート機能を用いて図形情報の測定を行う場合には、撮像画像内に設定したエッジ検出ツールの移動量や測定回数も設定する必要があり、更に手間が多いものであった。
【0008】
本発明の課題は、操作者の手間が少なく、画像中の図形情報の測定を迅速且つ確実に行うことのできる画像測定装置及び画像測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、
請求項1に記載の発明は、画像測定装置において、
被測定対象物を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された被測定対象物の画像を取り込む取り込み手段と、
前記取り込み手段により取り込まれた画像に含まれる図形の輪郭線を、ハフ変換によって検出する輪郭線検出手段と、
前記輪郭線検出手段により検出された輪郭線上に、エッジ検出ツールを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定を行う測定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像測定装置において、
操作者が、図形情報の測定を行う図形の形状を指定する指定手段を備え、
前記輪郭線検出手段は、前記取り込み手段により取り込まれた画像に含まれる図形の中から、前記指定手段により指定された形状の図形の輪郭線を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の画像測定装置による画像測定方法であって、
前記撮像手段で撮像された被測定対象物の画像を取り込む取り込み工程と、
前記取り込み工程により取り込まれた画像に含まれる図形の輪郭線を、ハフ変換によって検出する輪郭線検出工程と、
前記輪郭線検出工程により検出された輪郭線上に、エッジ検出ツールを設定する設定工程と、
前記設定工程により設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定を行う測定工程と、
を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像測定方法において、
前記輪郭線検出工程では、前記取り込み手段により取り込まれた画像に含まれる図形の中から、操作者が、図形情報の測定を行う図形の形状を指定する指定手段により指定した形状の図形の輪郭線が検出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像手段で撮像された被測定対象物の画像が取り込まれると、取り込まれた画像に含まれる図形の輪郭線がハフ変換によって検出され、検出された輪郭線上にエッジ検出ツールが設定され、設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定が行われる。
即ち、画像が取り込まれると自動的にエッジ検出ツールが設定され、図形情報の測定が行われる。
このため、操作者が手動でエッジ検出ツールを設定する必要がない。
また、等間隔で規則的に並んだ図形の図形情報を連続して測定する場合、エッジ検出ツールの移動量や測定回数を設定する必要がない。
また、図形の輪郭線は、ハフ変換によって検出されるため、画像処理の分野で公知の技術であるハフ変換を画像測定装置の処理に取り入れることで、迅速な測定を実現することが可能となる。
よって、操作者の手間が少なく、画像中の図形情報の測定を迅速且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における画像測定装置の全体構成を示す外観図である。
【図2】図1の画像測定装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】画像測定装置に取り込まれる原画像の一例である。
【図4】原画像の画質を補正した補正画像の一例である。
【図5】輪郭線を検出した画像の一例である。
【図6】エッジ検出ツールを設定した画像の一例である。
【図7】エッジ検出ツールにより測定を行う図形の図形情報を示した一例である。
【図8】画像測定装置に取り込まれる原画像の一例である。
【図9】原画像の画質を補正した補正画像の一例である。
【図10】輪郭線を検出した画像の一例である。
【図11】エッジ検出ツールを設定した画像の一例である。
【図12】エッジ検出ツールにより測定を行う図形の図形情報を示した一例である。
【図13】本発明における画像測定処理を示すフローチャートである。
【図14】エッジ検出ツールについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して、本発明に係る画像測定装置について、詳細に説明する。
画像測定装置100は、測定テーブル13上に載置されたワーク(被測定対象物)12を撮像し、その画像データを処理して画像内の所定の図形のエッジを検出し、これにより該図形に関する線幅等の図形情報を計測する装置である。
【0016】
画像測定装置100は、図1、2に示すように、装置本体部10と、表示部20と、操作部30と、制御部40と、等を備えて構成されている。
【0017】
装置本体部10は、ワーク12を載置する測定テーブル13と、ワーク12を撮像する撮像ユニット(撮像手段)17と、等を備えている。
【0018】
測定テーブル13は、架台11上に装着されており、図示しないY軸駆動機構によってY軸方向に駆動される。架台11の両側縁中央部には、上方に延びる支持アーム14,15が固定されており、この支持アーム14,15の両上端部を連結するようにX軸ガイド16が固定されている。このX軸ガイド16には、撮像ユニット17が支持されている。
【0019】
撮像ユニット17は、図示しないX軸駆動機構によってX軸ガイド16に沿って駆動される。撮像ユニット17の下端部には、CCDカメラ18が測定テーブル13と対向するように装着されている。
また、撮像ユニット17の内部には、図示しない照明装置及びフォーカシング機構の他、CCDカメラ18のZ軸方向の位置を移動させるZ軸駆動機構が内蔵されている。
【0020】
表示部20は、例えば液晶表示パネルを備え、制御部40から入力される制御信号に従って、各種の画像や設定画面などの表示を行う。
具体的に、表示部20には、例えば、撮像ユニット17にて撮像されて取り込まれた画像(原画像:図3、図8参照)や、画像測定処理の各工程にて遷移していく画像(図4〜7、図9〜12)などが表示される。
ここで、原画像について説明する。
原画像は、1乃至複数の図形を含んだ白黒濃淡画像である。
ここで、「図形」とは、原画像の中の測定対象となる領域であり、例えば、所定の幅を有する直線(図3参照)や、円(図8参照)などの形状を成している。
図形は、図形以外の領域と比較して明暗が異なった、原画像の中の暗い或いは明るい領域である。
【0021】
操作部30は、例えば、キーボードなどの操作キー群、マウスなどのポインティングデバイスなどを備え、操作者により操作されると、その操作に伴う操作信号を制御部40に出力する。
【0022】
この操作部30は、指定手段として、操作者が、原画像における図形の中から、図形情報の測定を行う図形の形状を指定する場合などに使用される。
具体的には、操作者は、表示部20に表示された設定画面を用いて、操作部30により「直線」や「円」等の指定を行うことで、図形の形状を指定する。操作者が図形の形状を指定すると、原画像の中に存在する図形の中から、その形状の図形が選択されてエッジ検出が行われ、当該図形に関する図形情報の測定が行われることとなる。
これにより、操作者は、エッジ検出すべき図形を任意に指定することができる。即ち、取り込んだ原画像に、複数の異なる形状の図形が存在する場合、操作者は、操作部30により図形の形状を指定することで、所望の形状の図形の図形情報のみ測定を行うことができる。
【0023】
また、操作部30は、ワークの撮像指示操作や、画像測定処理の開始指示操作を行う場合などに操作される。
【0024】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)41と、RAM(Random Access Memory)42と、記憶部43と、等を備えて構成され、システムバスなどを介して、測定テーブル13と、撮像ユニット17と、表示部20と、操作部30と、等と接続されている。
【0025】
CPU41は、例えば、記憶部43に記憶されている画像測定機用の各種処理プログラムに従って、各種制御処理を行う。
【0026】
RAM42は、例えば、CPU41によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備えている。
【0027】
記憶部43は、例えば、画像測定装置100で実行可能なシステムプログラムや、そのシステムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU41によって演算処理された各種処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部43に記憶されている。
【0028】
具体的には、記憶部43は、原画像(白黒濃淡画像)データを記憶する画像データ記憶部43a、プログラムを記憶するプログラム記憶部43bを備えている。
プログラム記憶部43bには、例えば、取り込みプログラム431、画質補正プログラム432、輪郭線検出プログラム433、設定プログラム434、測定プログラム435、等が格納されている。
【0029】
取り込みプログラム431は、例えば、撮像ユニット17で撮像されたワーク12の画像を取り込む機能を、CPU41に実現させるプログラムである。
具体的に、操作者が操作部30によりワークの撮像指示操作を行って撮像ユニット17のCCDカメラ18によりワーク12の撮像がなされると、CPU41は、取り込みプログラム431を実行して原画像(図3、図8参照)を画像データとして取り込んで、画像データ記憶部43aに格納する。
CPU41は、かかる取り込みプログラム431を実行することによって、取り込み手段として機能する。
【0030】
画質補正プログラム432は、例えば、取り込みプログラム431の実行により取り込まれた原画像の画質を補正する機能を、CPU41に実現させるプログラムである。
具体的に、CPU41は、画質補正プログラム432を実行することで、例えば、白黒濃淡画像である原画像の画像データを白と黒の2階調に変換する2値化処理や、各種の画像フィルタによりノイズを除去するノイズ除去処理などを実行する(図4、図9参照)。
なお、画質補正処理としては、上記した2値化処理やノイズ除去処理以外にも公知の種々の処理を適用可能である。
CPU41は、かかる画質補正プログラム432を実行することによって、画質補正手段として機能する。
【0031】
輪郭線検出プログラム433は、例えば、画質補正プログラム432の実行により画質の補正された補正画像に含まれる図形の輪郭線を検出する機能を、CPU41に実現させるプログラムである。
具体的に、CPU41は、輪郭線検出プログラム433を実行することで、図形の輪郭線をハフ変換(Hough変換)によって検出する(図5、図10参照)。
ハフ変換とは、画像処理の分野で公知の技術であり、座標変換によって点の集合から直線や曲線の式を定める手法である。
従って、画像に含まれる図形の中から、直線部や曲線部を有する図形の輪郭線の検出が好適に実施される。
なお、ユーザが、操作部30の操作により、図形情報の測定を行う図形の形状を指定していた場合、CPU41は、補正画像に含まれる図形の中から、指定された形状の図形の輪郭線のみを検出する。
CPU41は、かかる輪郭線検出プログラム433を実行することによって、輪郭線検出手段として機能する。
【0032】
設定プログラム434は、輪郭線検出プログラム433の実行により検出された輪郭線上に、エッジ検出ツールを設定する機能を、CPU41に実現させるプログラムである。
具体的に、CPU41は、設定プログラム434を実行することで、検出された輪郭線の形状に応じて、予め設定されたエッジ検出ツールを選択し、輪郭線上に、選択したエッジ検出ツールを設定する。
例えば、検出した輪郭線が直線の場合、CPU41は、その直線の輪郭線上に、エッジ検出ツールとして矩形のボックスツールT1(図6参照)を設定する。
また、例えば、検出した輪郭線が円の場合、CPU41は、その円の輪郭線上に、エッジ検出ツールとして円環形の円ツールT2(図11参照)を設定する。
CPU41は、かかる設定プログラム434を実行することによって、設定手段として機能する。
【0033】
測定プログラム435は、設定プログラム434の実行により設定されたエッジ検出ツールにより、図形に関する図形情報の測定を行う機能を、CPU41に実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、直線の幅を求める場合、CPU41は、ボックスツールT1によりエッジの位置を検出する。次に、CPU41は、あるボックスツールT1で検出したエッジの位置から、対向するボックスツールT1で検出したエッジの位置までを計測して直線の幅を求める(図7参照)。
また、例えば、円の半径を求める場合、CPU41は、円ツールT2によりエッジの位置を検出し、円の中心点や半径を求める(図12参照)。
CPU41は、かかる測定プログラム435を実行することによって、測定手段として機能する。
【0034】
ここで、上述の取り込みプログラム431、画質補正プログラム432、輪郭線検出プログラム433、設定プログラム434、測定プログラム435の実行に伴って、表示部20に表示される画像を例示する。
【0035】
図3〜7は、直線状の図形に対して輪郭線を検出し、ボックスツールT1を設定して、図形情報として線幅を測定する例である。
【0036】
図3は、3本の直線状図形S1〜S3の図形を含む原画像の一例である。図3において、直線状図形S1〜S3は、他の領域よりも輝度が暗い暗部となっている。
【0037】
図4は、図3の原画像を画質補正した補正画像の一例である。
図4は、画質補正として2値化処理が成された例であり、2値化の黒部分である直線状図形S1〜S3が原画像に対しより黒く、2値化の白部分である背景が原画像に対しより白くなっている。このように、画質補正を施すことで、図形(直線状図形S1〜S3)が背景に対して鮮明になり、その輪郭線の検出が可能となる。
【0038】
図5は、ハフ変換により直線状図形S1〜S3の輪郭線を検出した際の画像の一例である。
図5では、検出した直線状図形S1〜S3の輪郭線として、直線L1〜L6が白線で表示されている。
【0039】
図6は、ボックスツールT1を設定した画像の一例である。
図6では、直線L1〜L6に対応した6つのボックスツールT1が設定されている。
【0040】
図7は、ボックスツールT1により測定される図形情報(線幅)を示している。
図7に示すように、直線L1とL2との間隔t1、直線L3とL4との間隔t2、直線L5とL6との間隔t3が、それぞれ直線状図形S1〜S3の線幅として測定される。
【0041】
また、図8〜12は、円状の図形に対して輪郭線を検出し、円ツールT2を設定して、図形情報として円の中心点や半径等を測定する例である。
【0042】
図8は、大小2つの円状図形S4、S5の図形を含む原画像の一例である。図8において、円状図形S4、S5は、他の領域よりも輝度が明るい明部となっている。
【0043】
図9は、図8の原画像を画質補正した補正画像の一例である。
図9は、画質補正として、例えばノイズ除去処理が成された例であり、原画像中のノイズが除去され、原画像と比較して、図形(円状図形S4、S5)が背景に対して鮮明な画像となっている。
【0044】
図10は、ハフ変換により円状図形S4、S5の輪郭線を検出した際の画像の一例である。
図10では、検出した円状図形S4、S5の輪郭線として、円L7、L8が黒線で表示されている。
【0045】
図11は、円ツールT2を設定した画像の一例である。
図11では、円L7、L8の各々に対して、円ツールT2、T2が設定されている。
【0046】
図12は、円ツールT2、T2により測定される図形情報を示している。
図12に示すように、検出されたエッジ上の複数の点から等しい位置が円の中心点P0として測定される。
また、円の中心点P0から、エッジ上のある点P1までが半径として測定される。
【0047】
次に、画像測定装置100における画像測定処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS11において、操作者がワークの撮像指示操作を行って、撮像ユニット17によりワーク12の撮像が行われると、CPU41は、撮像されたワーク12の画像を原画像データとして画像データ記憶部43aに取り込む(図3、図8参照)(取り込み工程)。
次いで、ステップS12において、操作者は、操作部30により、図形情報を測定する図形の形状を指定して、画像測定処理の開始指示操作を行う。
次いで、ステップS13において、CPU41は、原画像データの画質を補正する(図4、図9参照)(画質補正工程)。
次いで、ステップS14において、CPU41は、補正画像内に存在する図形の中から、上記ステップS12において操作者により指定された形状の図形の輪郭線をハフ変換によって検出する(図5、図10参照)(輪郭線検出工程)。
次いで、ステップS15において、CPU41は、検出した輪郭線上に、エッジ検出ツール(T1、T2)を設定する(図6、図11参照)(設定工程)。
次いで、ステップS16において、CPU41は、エッジ検出ツールにより、図形に関する図形情報を測定して(図7、図12参照)(測定工程)、本処理を終了する。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、撮像ユニット17で撮像されたワーク12の原画像データが取り込まれると、取り込まれた原画像データの原画像に含まれる図形の輪郭線がハフ変換によって検出され、検出された輪郭線上にエッジ検出ツールが設定され、設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定が行われる。
即ち、画像が取り込まれると自動的にエッジ検出ツールが設定され、図形情報の測定が行われる。
このため、操作者が手動でエッジ検出ツールTを設定する必要がない。
また、等間隔で規則的に並んだ図形の図形情報を連続して測定する場合、エッジ検出ツールTの移動量や測定回数を設定する必要がない。
また、図形の輪郭線は、ハフ変換によって検出されるため、画像処理の分野で公知の技術であるハフ変換を画像測定装置の処理に取り入れることで、迅速な測定を実現することが可能となる。
よって、操作者の手間が少なく、測定を迅速且つ確実に行うことができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、操作者が、図形情報の測定を行う図形の形状を指定する操作部30を備え、取り込まれた画像に含まれる図形の中から、操作部30により指定された形状の図形の輪郭線が検出される。
このため、原画像に複数種類の形状の図形が混在している場合、操作者の任意の図形に対してのみ測定を行うことができる。
【0050】
なお、上記実施形態においては、原画像の画質が補正された後、画像に含まれる図形の輪郭線が検出される構成を例示して説明したが、画質補正処理は、原画像の状態によって適宜実行されるものであって、必ずしも実行されなくても良い。
【0051】
また、上記実施形態においては、操作部30により指定された図形に関する図形情報の測定を行う構成を例示して説明したが、図形の指定は必ずしも実行されなくても良い。
この場合、原画像に含まれる図形全てに対してエッジ検出ツールが設定されることとなる。
【符号の説明】
【0052】
100 画像測定装置
10 装置本体部
11 架台
12 ワーク(被測定対象物)
13 測定テーブル
14,15 支持アーム
16 X軸ガイド
17 撮像ユニット(撮像手段)
18 カメラ
20 表示部
30 操作部(指定手段)
40 制御部
41 CPU(取り込み手段、輪郭線検出手段、設定手段、測定手段)
42 RAM
43 記憶部
43a 画像データ記憶部
43b プログラム記憶部
431 取り込みプログラム(取り込み手段)
432 画質補正プログラム
433 輪郭線検出プログラム(輪郭線検出手段)
434 設定プログラム(設定手段)
435 測定プログラム(測定手段)
S1-S3 直線状図形
S4、S5 円状図形
T1 ボックスツール(エッジ検出ツール)
T2 円ツール(エッジ検出ツール)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象物を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された被測定対象物の画像を取り込む取り込み手段と、
前記取り込み手段により取り込まれた画像に含まれる図形の輪郭線を、ハフ変換によって検出する輪郭線検出手段と、
前記輪郭線検出手段により検出された輪郭線上に、エッジ検出ツールを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定を行う測定手段と、
を備えることを特徴とする画像測定装置。
【請求項2】
操作者が、図形情報の測定を行う図形の形状を指定する指定手段を備え、
前記輪郭線検出手段は、前記取り込み手段により取り込まれた画像に含まれる図形の中から、前記指定手段により指定された形状の図形の輪郭線を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像測定装置による画像測定方法であって、
前記撮像手段で撮像された被測定対象物の画像を取り込む取り込み工程と、
前記取り込み工程により取り込まれた画像に含まれる図形の輪郭線を、ハフ変換によって検出する輪郭線検出工程と、
前記輪郭線検出工程により検出された輪郭線上に、エッジ検出ツールを設定する設定工程と、
前記設定工程により設定されたエッジ検出ツールにより、前記図形に関する図形情報の測定を行う測定工程と、
を有することを特徴とする画像測定方法。
【請求項4】
前記輪郭線検出工程では、前記取り込み手段により取り込まれた画像に含まれる図形の中から、操作者が、図形情報の測定を行う図形の形状を指定する指定手段により指定した形状の図形の輪郭線が検出されることを特徴とする請求項3に記載の画像測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−36964(P2013−36964A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175755(P2011−175755)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】