説明

画像生成プログラムおよび装置

【課題】画像を構成する図形の配列パターンがもつリズム感を損なわずに簡単に図形密度の変更と画像の変倍ができる手段を提供する。
【解決手段】元画像及び変更後の画像のサイズ、元画像中の図形の個数及び属性パラメータ、及び変更後の画像中に生成すべき図形の個数等を取得する。元画像及び変更後の画像間の図形密度変更率を決定する。変更後の画像中に第2グリッド座標を設定する。各グリッド座標の格子点にインデックスを付与する。第2グリッド座標の格子点毎に、所定個数の参照格子点を選択し、所定の格子間距離を求め、関係する参照図形を選択する。第2グリッド座標の格子点毎に生成すべき各図形の属性パラメータを、関係する参照図形の属性パラメータから、対応する格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出する。算出した属性パラメータに基づき、変更後の画像における第2グリッド座標の各格子点に図形を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成プログラムおよび装置、特に、規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された等間隔または不等間隔のグリッド座標の対応する格子点に配置された元画像から、元画像を構成する図形の密度をグリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成するプログラムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、画像を縦横方向に拡大および縮小する(変倍する)方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。そして、これらの画像変倍方法によれば、画像中に含まれる文字や図形の品質を劣化させることなく、画像を縦横方向に拡大および縮小することができる。
【0003】
ところで、画像の中には、規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されたものがあり、このような画像を従来の画像変倍法を用いて変倍処理すると、画像を構成する個々の図形が変倍されるだけでなく、図形間のスペースもまた変倍される。
その結果、元の画像を構成する図形の配列パターンが有していたリズム感が大きく損なわれてしまうことがしばしば問題となっていた(図33の矢印A参照)。
【0004】
また、図形から構成される画像を作成するツールとして、ドローソフトのIllustrator(登録商標)が知られている。このツールには、指定した2個以上の図形の間に任意の数の図形を配列させる機能があり、その効果を確定させる前であれば、何度でも図形の個数を変更することができる。
【0005】
しかし、効果を確定させた後に図形の個数を変更する場合は、個々の図形を手動で制御する必要がある。手動で画像の特定の部分の図形の個数を変更すると、その周辺の図形の配列パターンにも影響を与え、図形の配列パターンが有していたリズム感が損なわれてしまう。
これを解消するには、特定の部分に対する修正を繰り返し行うか、画像全体を再度生成する必要があり、非常に手間と時間がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−251399号公報
【特許文献2】特開2002−358515号公報
【特許文献3】特開2005−283694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、規則的に配列された2以上の相似図形から構成された画像を、簡単に、図形密度を変更しつつ変倍することができる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1発明によれば、規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された等間隔または不等間隔の第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置された元画像から、前記元画像を構成する図形の密度を前記第1グリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成するプログラムであって、
(1)前記第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、および前記元画像中の前記縦方向および前記横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを取得する手順と、
(2)変更後の画像中の前記縦方向および前記横方向にそれぞれ生成すべき図形の個数を取得する手順と、
(3)前記元画像中の前記第1グリッド座標の縦方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記縦方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率を決定するとともに、前記元画像中の前記第1グリッド座標の横方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記横方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の横方向の図形密度変更率を決定する手順と、
(4)前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する手順と、
(5)前記第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)を付与するとともに、前記第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)を付与する手順と、
(6)前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた所定の個数の前記第1グリッド座標の格子点を参照格子点として選択し、前記参照格子点のそれぞれから当該第2グリッド座標の格子点までのインデックスの値の差で測った距離、または前記参照格子点間のインデックスの値の差で測った距離、またはその両方からなる格子点間距離を求めるとともに、前記参照格子点に配置された前記元画像の図形をそれぞれ参照図形として選択する手順と、
(7)前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各図形の属性パラメータを、当該第2グリッド座標の格子点に関係する前記参照図形の属性パラメータから、当該参照図形に対応する前記格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出し、
(8)前記手順(7)で算出した前記生成すべき各図形の属性パラメータに基づき、前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の各格子点に、前記生成すべき図形を生成する手順と、を順次コンピュータに実行させることを特徴とする画像生成プログラムが提供される。
ここで、「各図形が第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置される」とは、「各図形が当該図形の近傍に位置する第1グリッド座標の格子点と1:1で対応づけられていること」を意味する。
【0009】
第1発明の好ましい実施例によれば、前記手順(1)において、さらに前記元画像の縦横サイズを取得し、前記手順(2)において、さらに前記変更後の画像の縦横サイズを取得し、前記手順(3)において、前記元画像の縦横サイズおよび前記変更後の画像の縦横サイズから、前記元画像および前記変更後の画像間の画像拡大・縮小率を決定し、前記手順(4)において、前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率、および前記画像拡大・縮小率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定するようになっている。
【0010】
第1発明の別の好ましい実施例によれば、前記図形の属性パラメータは、前記図形の形状パラメータ、色パラメータ、大きさパラメータ、傾きパラメータおよび位置パラメータを含んでいる。
【0011】
第1発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記手順(6)において、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の1個の格子点を、前記参照格子点として選択するようになっている。あるいは、前記手順(6)において、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点を、前記参照格子点として選択するようになっている。あるいは、前記手順(6)において、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点の最も近傍に位置する前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点の合計4個の格子点に加えて、前記合計4個の格子点にそれぞれ隣接する前記第1グリッド座標の合計12個の格子点を、前記参照格子点として選択するようになっている。
【0012】
第1発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記手順(6)において、前記元画像が1の画像の全体からなり、前記変更後の画像の辺縁領域において、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた前記第1グリッド座標の格子点が前記所定の個数に満たない場合、前記元画像を構成する前記図形の配列の規則性に基づいて、前記第1グリッド座標の不足する格子点を補うようになっている。
【0013】
上記課題を解決するため、また、第2発明によれば、規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置された元画像から、前記元画像を構成する図形の密度を前記第1グリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成する装置であって、前記第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、および前記元画像中の前記第1グリッド座標の縦方向および横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを取得する初期パラメータ取得部と、変更後の画像中の前記縦方向および前記横方向にそれぞれ生成すべき図形の個数を取得する変更パラメータ取得部と、前記元画像中の前記第1グリッド座標の縦方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記縦方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率を決定するとともに、前記元画像中の前記第1グリッド座標の横方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記横方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の横方向の図形密度変更率を決定する変更率決定部と、前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する変更グリッド座標設定部と、前記第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)を付与するとともに、前記第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)を付与し、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた所定の個数の前記第1グリッド座標の格子点を参照格子点として選択し、前記参照格子点のそれぞれから当該第2グリッド座標の格子点までのインデックスの値の差で測った距離、または前記参照格子点間のインデックスの値の差で測った距離、またはその両方からなる格子点間距離を求めるとともに、前記参照格子点に配置された前記元画像の図形をそれぞれ参照図形として選択する参照点選択部と、前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各図形の属性パラメータを、当該第2グリッド座標の格子点に関係する前記参照図形の属性パラメータから、当該参照図形に対応する前記格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出する変更属性パラメータ算出部と、前記変更属性パラメータ算出部で算出された前記生成すべき各図形の属性パラメータに基づき、前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の各格子点に、前記生成すべき図形を生成する変更画像生成部と、を備えたことを特徴とする画像生成装置が提供される。
ここで、「各図形が第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置される」とは、「各図形が当該図形の近傍に位置する第1グリッド座標の格子点と1:1で対応づけられていること」を意味する。
【0014】
第2発明の好ましい実施例によれば、前記初期パラメータ取得部は、さらに前記元画像の縦横サイズを取得し、前記変更パラメータ取得部は、さらに前記変更後の画像の縦横サイズを取得し、前記変更率決定部は、さらに前記元画像の縦横サイズおよび前記変更後の画像の縦横サイズから、前記元画像および前記変更後の画像間の画像拡大・縮小率を決定し、前記変更グリッド座標設定部は、前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率、および前記画像拡大・縮小率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する。
【0015】
第2発明の別の好ましい実施例によれば、前記図形の属性パラメータは、前記図形の形状パラメータ、色パラメータ、大きさパラメータ、傾きパラメータおよび位置パラメータを含んでいる。
【0016】
第2発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記参照点選択部は、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の1個の格子点を、前記参照格子点として選択する。あるいは、前記参照点選択部は、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点を、前記参照格子点として選択する。あるいは、前記参照点選択部は、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点の最も近傍に位置する前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点の合計4個の格子点に加えて、前記合計4個の格子点にそれぞれ隣接する前記第1グリッド座標の合計12個の格子点を、前記参照格子点として選択する。
【0017】
第2発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記参照点選択部は、前記元画像が1の画像の全体からなり、前記変更後の画像の辺縁領域において、前記第2グリッド座標の格子点に関係づけられた前記第1グリッド座標の格子点が前記所定の個数に満たない場合、前記元画像を構成する前記図形の配列の規則性に基づいて、前記第1グリッド座標の不足する格子点を補う。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像を変倍(縦横方向に拡大・縮小)すると同時に、その画像を構成する図形の密度を縦横方向に変更し、さらには、この図形の密度の変更に対応して各図形の属性パラメータを変更するようにしたので、画像が規則的に配列された2以上の相似図形から構成されている場合に、その図形の配列パターンが有するリズム感を損なわずに画像を変倍処理することができる。それによって、元の画像の特長を有したバリエーション画像を短時間で複数枚作成することが可能となり、デザイナーによるデザインの創作活動を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による画像生成プログラムのフロー図である。
【図2】参照格子点の選択方法を説明する図である。
【図3】参照格子点の選択方法を説明する図である。
【図4】2点選択法を用いた場合の、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図5】4点選択法を用いた場合の、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図6】16点選択法を用いた場合の、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図7】元画像の1例を示す平面図である。
【図8】図7の元画像を構成する各長方形の角度パラメータを示すテーブルである。
【図9】図7の元画像を構成する各長方形の位置パラメータを示すテーブルである。
【図10】図7の元画像中に設定された、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との関係を示す図である。
【図11】図10に示した、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図12】生成すべき長方形の角度パラメータと、関係する元画像の長方形の角度パラメータとの関係を示す図である。
【図13】生成すべき各長方形の角度パラメータを示すテーブルである。
【図14】生成すべき各長方形の位置パラメータを示すテーブルである。
【図15】図7の元画像の図形密度を変更した画像を示す平面図である。
【図16】元画像の別の例を示す平面図である。
【図17】図17の元画像を構成する各円の大きさパラメータを示すテーブルである。
【図18】図17の元画像を構成する各円の位置パラメータを示すテーブルである。
【図19】図17の元画像中に設定された、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図20】図19に示した、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図21】生成すべき円の大きさパラメータと、関係する元画像の円の大きさパラメータとの関係を示す図である。
【図22】生成すべき各円の大きさパラメータを示すテーブルである。
【図23】生成すべき各円の位置パラメータを示すテーブルである。
【図24】図16の元画像の図形密度を変更した画像を示す平面図である。
【図25】元画像の別の例を示す平面図である。
【図26】図25の元画像を構成する各長方形の角度パラメータおよび位置パラメータを示すテーブルである。
【図27】図25の元画像中に設定された、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との位置関係を示す図である。
【図28】図27に示した、第2グリッド座標の格子点と対応する第1グリッド座標の参照格子点との関係を示す図である。
【図29】生成すべき長方形の角度パラメータと、関係する元画像の長方形の角度パラメータとの関係を示す図である。
【図30】生成すべき各長方形の角度パラメータおよび位置パラメータを示すテーブルである。
【図31】図25の元画像の図形密度を変更した画像を示す平面図である。
【図32】本発明による画像生成装置のブロック図である。
【図33】本願発明のプログラムによる変倍処理の結果と、従来例による変倍処理の結果を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。本発明による画像生成プログラムは、規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された等間隔または不等間隔の第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置された元画像から、元画像を構成する図形の密度を第1グリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成するものである。ここで、「各図形が第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置される」とは、「各図形が当該図形の近傍に位置する第1グリッド座標の格子点と1:1で対応づけられていること」を意味する。
【0021】
図1は、本発明による画像生成プログラムのフロー図である。
図1を参照して、本発明のプログラムによれば、コンピュータは、まず、元画像の縦横サイズ、第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、元画像中の当該縦方向および当該横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを取得する(図1の手順(a))。この場合、元画像は、1の画像の画像全体であってもよいし、1の画像の少なくとも1つの画像部分であってもよい。
【0022】
図形の属性パラメータは、一般に、図形の特徴および配置を特定するものであればよいが、図形の形状パラメータ、色パラメータ、大きさパラメータ、傾きパラメータおよび位置パラメータを含んでいることが好ましい。
図形の形状パラメータとしては、例えば、図形の縦横比、図形の各頂点位置、図形を構成する線の長さ、太さおよび曲がりの程度が挙げられる。
図形の色パラメータは、色を数値化したものであれば、特に限定されないが、例えば、各種色に番号を付したカラーナンバー、各種色を色の3要素である色相、明度、彩度について段階表示したもの、分光化学データであるスペクトルまたはスペクトル反射率で数値化したもの、さらには、RGB等の3原色の等色関数化したもの、あるいは、XYZ、Lab等に等色関数化したもの等であってもよい。
図形の大きさパラメータとしては、例えば、図形の幅、高さおよびサイズ、線のみから構成される図形における線の太さおよび長さ、図形の拡大縮小率が挙げられる。
図形の位置パラメータは、画像の縦横方向に設定されたxy座標系における図形中の所定の位置のxy座標である。
【0023】
また、手順(a)におけるデータの取得は、例えば、第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、および元画像中の当該縦方向および当該横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを含むデータが格納されたデータファイルを、コンピュータが読み込むことによって実行される。
【0024】
次に、コンピュータは、変更後の画像の縦横サイズ、変更後の画像中の当該縦方向および当該横方向にそれぞれ生成すべき図形の個数を取得する(図1の手順(b))。これらのデータの取得は、例えば、オペレータが、コンピュータに備えられた公知のユーザーインターフェースを通じてデータを手入力することによって実行される。
【0025】
コンピュータは、その後、元画像の縦横サイズおよび変更後の画像の縦横サイズから、元画像および変更後の画像間の画像拡大・縮小率を決定し、また、元画像中の第1グリッド座標の縦方向に配置された図形の個数、および変更後の画像中の当該縦方向に生成すべき図形の個数から、元画像および変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率を決定するとともに、元画像中の第1グリッド座標の横方向に配置された図形の個数、および変更後の画像中の当該横方向に生成すべき図形の個数から、元画像および変更後の画像間の横方向の図形密度変更率を決定する(図1の手順(c))。
【0026】
さらに、コンピュータは、変更後の画像中に、第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、第1グリッド座標の格子点間隔の比率、および生成すべき図形の個数、および図形密度変更率、および画像拡大・縮小率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する(図1の手順(d))。
【0027】
なお、この実施例は、元画像と変更後の画像との間で画像の縦横サイズが変更される場合を考慮した構成となっているが、元画像および変更後の画像間で画像の縦横サイズが変更されず、図形密度のみが変更される場合には、上記一連の手順においてそれらの画像の縦横サイズのデータは不要となり、よって、コンピュータが元画像および変更後の画像の縦横サイズを取得する必要はない。
【0028】
そして、コンピュータは、第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)を付与するとともに、第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)を付与する(図1の手順(e))。
【0029】
次に、コンピュータは、第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた所定の個数の第1グリッド座標の格子点を参照格子点として選択し、参照格子点のそれぞれから当該第2グリッド座標の格子点までのインデックスの値の差で測った距離、または参照格子点間のインデックスの値の差で測った距離、またはその両方からなる格子点間距離を求めるとともに、参照格子点に配置された元画像の図形をそれぞれ参照図形として選択する(図1の手順(f))。
【0030】
参照格子点の選択方法は、次の3つの方法のうちのいずれかであることが好ましい。
(i)2点選択法
この場合、コンピュータは、図2Aに示すように、第2グリッド座標の格子点a毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点aに最も近い第1グリッド座標の格子点b1と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点b1に隣接する第1グリッド座標の1個の格子点b2を、参照格子点として選択する。
2点選択法は、特に、元画像が、第1グリッド座標の縦方向または横方向に1列に配列された図形のみから構成される場合に最適である。
【0031】
(ii)4点選択法
この場合、コンピュータは、図2Bに示すように、第2グリッド座標の格子点a毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点aに最も近い第1グリッド座標の格子点b1と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点b1に隣接する第1グリッド座標の3個の格子点b2〜b4を、参照格子点として選択する。
4点選択法は、特に、元画像が、第1グリッド座標の縦方向または横方向に2列以上にわたって配列された図形から構成される場合に最適である。
【0032】
(iii)16点選択法
この場合、コンピュータは、図3に示すように、第2グリッド座標の格子点a毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点の最も近傍に位置する第1グリッド座標の格子点b1と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点b1に隣接する第1グリッド座標の3個の格子点b2〜b4の合計4個の格子点b1〜b4(図3A)に加えて、当該合計4個の格子点b1〜b4にそれぞれ隣接する第1グリッド座標の合計12個の格子点c1〜c12を、参照格子点として選択する(図3B)。
16点選択法は、特に、元画像が、第1グリッド座標の縦方向または横方向に4列以上にわたって配列された図形から構成される場合に最適である。
【0033】
また、手順(f)において、元画像が1の画像の全体からなり、変更後の画像の辺縁領域において、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた第1グリッド座標の格子点が所定の個数に満たない場合、コンピュータが、元画像を構成する図形の配列の規則性に基づいて、第1グリッド座標の不足する格子点を補うような構成とすることもできる。かかる構成とすることにより、元画像を構成する図形の配列パターンがリピート性を有している場合に、当該リピート性を損なうことなく図形密度を変更することができる。
【0034】
その後、コンピュータは、変更後の画像における第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各図形の属性パラメータを、当該第2グリッド座標の格子点に関係する参照図形の属性パラメータから、当該参照図形に対応する格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出する(図1の手順(g))。
【0035】
この重み付け計算は、次のようにして実行される。
(i)2点選択法を用いた場合
図4を参照して、第2グリッド座標の1の格子点をFd(n、m)とし、この格子点Fd(n、m)に対する2個の参照格子点をRef1およびRef2とする。また、x軸方向に沿ったFd(n、m)とRef1との間のインデックスの値の差で測った距離をdx1とし、x軸方向に沿ったRef1とRef2との間のインデックスの値の差で測った距離をdx2とする。このとき、Ref1およびRef2に関係する参照図形の属性パラメータを、それぞれ、Pref1およびPref2として、Fd(n、m)に関係する生成すべき図形の属性パラメータP(n、m)は、次式によって求められる。
P(n、m)=Pref1+(dx1/dx2)×(Pref2−Pref1) (1)
【0036】
(ii)4点選択法を用いた場合
図5を参照して、第2グリッド座標の1の格子点をFd(n、m)とし、この格子点Fd(n、m)に対する4個の参照格子点をRef1〜Ref4とする。また、x軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef1およびRef3のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdx1とし、x軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef2およびRef4のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdx2とし、さらに、y軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef1およびRef2のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdy1とし、y軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef3およびRef4のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdy2とする。このとき、Ref1〜Ref4に関係する参照図形の属性パラメータを、それぞれ、Pref1〜Pref4として、Fd(n、m)に関係する生成すべき図形の属性パラメータP(n、m)は、次式によって求められる。
P(n、m)=dy2×(dx2×Pref1+dx1×Pref2
+dy1×(dx2×Pref3+dx1×Pref4) (2)
【0037】
(iii)16点選択法を用いた場合
図6を参照して、第2グリッド座標の1の格子点をFd(n、m)とし、この格子点Fd(n、m)に対する16個の参照格子点をRef1〜Ref16とする。また、x軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef6〜Ref9のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdx1とし、x軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef1、Ref3、Ref5およびRef10のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdx2とし、x軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef2、Ref4、Ref11およびRef16のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdx3とし、x軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef12〜Ref15のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdx4とする。また、y軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef5、Ref6、Ref15およびRef16のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdy1とし、y軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef1、Ref2、Ref7およびRef14のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdy2とし、y軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef3、Ref4、Ref8およびRef13のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdy3とし、y軸方向に沿った、Fd(n、m)とRef9〜Ref12のそれぞれとの間のインデックスの値の差で測った距離をdy4とする。
【0038】
このとき、まず、dx(k=1〜4)およびdy(t=1〜4)のそれぞれに基づく重み係数wx(k=1〜4)およびwy(t=1〜4)が次式によって算出される。
【数1】

【0039】
これらの重み係数wx(k=1〜4)およびwy(t=1〜4)を用いて、Fd(n、m)に関係する生成すべき図形の属性パラメータP(n、m)が、次式によって求められる。
【数2】

ここで、Pref(k、t)は、Ref1〜Ref16に関係する参照図形の属性パラメータPref1〜Pref16を表しており、Pref(k、t)とPref1〜Pref16との対応関係は、表1に示すとおりである。
【表1】

【0040】
そして、コンピュータは、算出した生成すべき各図形の属性パラメータに基づき、変更後の画像における第2グリッド座標の各格子点に、生成すべき図形を生成する(図1の手順(h))。それによって、元画像から変更した画像が得られる。
こうして、本発明によれば、画像を変倍(縦横方向に拡大・縮小)すると同時に、その画像を構成する図形の密度を縦横方向に変更し、さらには、この図形の密度の変更に対応して各図形の属性パラメータを変更するようにしたので、画像が規則的に配列された2以上の相似図形から構成されている場合に、その図形の配列パターンが有するリズム感を損なわずに画像を変倍処理することができる(図33の矢印B参照)。
【0041】
(実施例1)
次に、この画像生成プログラムについて、具体例を挙げてより詳細に説明する。図7を参照して、この実施例では、元画像は、画像の縦横方向にそれぞれ、10個および20個、規則的に傾斜しかつ等間隔で並べられた同一の長方形から構成される。また、元画像の縦横サイズは、320mm×320mmである。そして、元画像の縦横方向に等間隔の第1グリッド座標が設定され、第1グリッド座標の各格子点に各1つの長方形が関係づけられている。
なお、この実施例では、元画像を構成する長方形が元画像の縦横方向に等間隔で配列され、かつ、等間隔な第1グリッド座標が設定されているので、第1グリッド座標の各格子点に各1つの長方形が配置されることになる。
【0042】
本発明によれば、まず、手順(a)において、元画像のデータファイルがコンピュータに読み込まれ、それによって、元画像の縦横サイズ(320mm×320mm)、第1グリッド座標の縦横方向のそれぞれの格子点間隔の比率(1:1:1・・・:1)、元画像中の縦横方向にそれぞれ配置された長方形の個数(縦に10個、横に20個)、各長方形の属性パラメータ(角度パラメータおよび位置パラメータ以外のパラメータはすべて同一)が、コンピュータによって取得される。図8は、元画像を構成する各長方形の取得された角度パラメータを示すテーブルであり、図9は、元画像を構成する各長方形の取得された位置パラメータを示すテーブルである。
【0043】
次に、手順(b)において、変更後の画像の縦横サイズ(320mm×320mm)、変更後の画像中の縦横方向にそれぞれ生成すべき長方形の個数(縦に10個、横に20個)が、オペレータによって、ユーザーインターフェースを通じてコンピュータに手入力される。
そして、手順(c)において、元画像および変更後の画像間の画像拡大・縮小率(1倍)と、元画像および変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率(1倍)と、元画像および変更後の画像間の横方向の図形密度変更率(2倍)が決定される。
【0044】
さらに、手順(d)において、変更後の画像(空の画像)中に、第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされる第2グリッド座標(縦方向の格子間隔は第1グリッド座標の格子間隔と同じで、横方向の格子間隔が第1グリッド座標の格子間隔の1/2)が設定される。
そして、手順(e)において、第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)が付与されるとともに、第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)が付与される。
【0045】
その後、手順(f)において、4点選択法を用いて、図10および図11に示すように、第2グリッド座標の格子点Fd(n、m)毎に、4個の参照格子点、
Ref1=Ref1(i=n/2、j=m)(n/2の値の小数点以下は切り捨てられる。以下同様)、
Ref2=Ref2(i=n/2、j=m+1)、
Ref3=Ref3(i=n/2+1、j=m)、
Ref4=Ref4(i=n/2+1、j=m+1)
が選択される。
また、参照格子点Ref1〜Ref4のそれぞれから格子点Fd(n、m)までの格子点間距離、dx1=0.5、dx2=0.5、dy1=0、dy2=1が求められる。
さらには、参照格子点に関係づけられた参照図形(元画像の長方形)が選択される。
【0046】
そして、手順(g)において、変更後の画像における第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各長方形の属性パラメータ(角度パラメータおよび位置パラメータ)が、関係する参照図形(元画像の長方形)の属性パラメータ(角度パラメータおよび位置パラメータ)から、上記式(2)に従って算出される。
例えば、図12を参照して、第2グリッド座標の格子点Fd(3、4)に生成すべき長方形の角度パラメータP(3、4)は、Fd(3、4)に対する4個の参照格子点Ref1(1、4)、Ref2(2、4)、Ref3(1、5)、Ref4(2、5)に関係する元画像の長方形の角度パラメータ値30°、41°、86°、84°を用いて、
P(3、4)=1×(0.5×30°+0.5×41°)
+0×(0.5×86°+0.5×84°)=35.5°≒35°
(小数点以下は切り捨て)
となる。
図13は、こうして算出された、生成すべき長方形の角度パラメータを示すテーブルであり、図14は、同様にして算出された、生成すべき長方形の位置パラメータを示すテーブルである。
【0047】
そして、手順(h)において、手順(g)で算出された、生成すべき各長方形の属性パラメータに基づき、変更後の画像における第2グリッド座標の各格子点に、生成すべき長方形が生成され、図15に示すような、変更した画像が得られる。
【0048】
(実施例2)
図16を参照して、この実施例では、元画像は、画像の縦横方向にそれぞれ、30個および5個、規則的に異なる径(大きさ)を有しかつ等間隔で並べられた円から構成される。また、元画像の縦横サイズは、320mm×320mmである。そして、元画像の縦横方向に等間隔の第1グリッド座標が設定され、第1グリッド座標の各格子点に各1つの円が関係づけられている。
なお、この実施例では、元画像を構成する各円が等間隔で配列され、かつ、等間隔な第1グリッド座標が設定されているので、第1グリッド座標の各格子点に各1つの円が配置されることになる。
【0049】
本発明によれば、まず、手順(a)において、元画像のデータファイルがコンピュータに読み込まれ、それによって、元画像の縦横サイズ(320mm×320mm)、第1グリッド座標の縦横方向のそれぞれの格子点間隔の比率(1:1:1・・・:1)、元画像中の縦横方向にそれぞれ配置された円の個数(縦に30個、横に15個)、各円の属性パラメータ(大きさパラメータおよび位置パラメータ以外のパラメータはすべて同一)が、コンピュータによって取得される。図17は、元画像を構成する各円の取得された大きさパラメータを示すテーブルであり、図18は、元画像を構成する各円の取得された位置パラメータを示すテーブルである。
【0050】
次に、手順(b)において、変更後の画像の縦横サイズ(320mm×320mm)、変更後の画像中の縦横方向にそれぞれ生成すべき円の個数(縦に30個、横に15個)が、オペレータによって、ユーザーインターフェースを通じてコンピュータに手入力される。
そして、手順(c)において、元画像および変更後の画像間の画像拡大・縮小率(1倍)と、元画像および変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率(1倍)と、元画像および変更後の画像間の横方向の図形密度変更率(3倍)が決定される。
【0051】
さらに、手順(d)において、変更後の画像(空の画像)中に、第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされる第2グリッド座標(縦方向の格子間隔は第1グリッド座標の格子間隔と同じで、横方向の格子間隔が第1グリッド座標の格子間隔の1/3)が設定される。
そして、手順(e)において、第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)が付与されるとともに、第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)が付与される。
【0052】
その後、手順(f)において、16点選択法を用いて、図19および図20に示すように、第2グリッド座標の格子点Fd(n、m)毎に、16個の参照格子点
Ref1=Ref1(i=n/3、j=m)(n/2の値の小数点以下は切り捨てられる。以下同様)、
Ref2=Ref2(i=n/3+1、j=m)、
Ref3=Ref3(i=n/3、j=m+1)、
Ref4=Ref4(i=n/3+1、j=m+1)、
Ref5=Ref5(i=n/3、j=m−1)、
Ref6=Ref6(i=n/3−1、j=m−1)、
Ref7=Ref7(i=n/3−1、j=m)、
Ref8=Ref8(i=n/3−1、j=m+1)、
Ref9=Ref9(i=n/3−1、j=m+2)、
Ref10=Ref10(i=n/3、j=m+2)、
Ref11=Ref11(i=n/3+1、j=m+2)、
Ref12=Ref12(i=n/3+2、j=m+2)、
Ref13=Ref13(i=n/3+2、j=m+1)、
Ref14=Ref14(i=n/3+2、j=m)、
Ref15=Ref15(i=n/3+2、j=m−1)、
Ref16=Ref16(i=n/3+1、j=m−1)
が選択される。
また、参照格子点Ref1〜Ref16のそれぞれから格子点Fd(n、m)までの格子点間距離、dx1=4/3(=1.33)、dx2=1/3(=0.33)、dx3=2/3(=0.66)、dx4=5/3(=1.66)、dy1=1、dy2=0、dy3=1、dy4=2が求められる。
さらに、参照格子点に関係づけられた参照図形(元画像の円)が選択される。
【0053】
そして、手順(g)において、変更後の画像における第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各円の属性パラメータ(大きさパラメータおよび位置パラメータ)が、関係する参照図形(元画像の円)の属性パラメータ(大きさパラメータおよび位置パラメータ)から、上記式(3)〜(5)に従って算出される。
例えば、図21を参照して、第2グリッド座標の格子点Fd(7、3)に生成すべき円の大きさパラメータP(7、3)は、Fd(7、3)に対する16個の参照格子点Fd(1、2)、Fd(1、3)、Fd(1、4)、Fd(1、5)、Fd(2、2)、Fd(2、3)、Fd(2、4)、Fd(2、5)、Fd(3、2)、Fd(3、3)、Fd(3、4)、Fd(3、5)、Fd(4、2)、Fd(4、3)、Fd(4、4)、Fd(4、5)に関係する元画像の円の大きさパラメータ値を用いて、次のように算出される。
【0054】
まず、dx1〜dx4、dy1〜dy4の値を用いて、上記式(3)、(4)に従って、重み係数wx1〜wx4、wy1〜wy4が算出される。
wx1=4−8×1.33+5×(1.33)−(1.33)
=−0.148148148
wx2=1−2×(0.33)+(0.33)=0.814814815
wx3=1−2×(0.66)+(0.66)=0.407407407
wx4=4−8×1.66+5×(1.66)−(1.66)
=−0.074074074
wy1=1−2×1+1=0
wy2=1−2×0+0=1
wy3=1−2×1+1=0
wy4=0
【0055】
そして、上記式(5)に、これらの重み係数と、16個の参照格子点に関係する元画像の円の大きさパラメータが代入され、P(7、3)の値が得られる。このとき、式(5)中のwx×wyの項の計算値は、表2のようになる。
【表2】

表2の各値を合計することにより、
式(5)の分母=0.999
となる。
【0056】
また、Pref(k、t)×wx×wyの計算値は、表3のようになる。
【表3】

【0057】
表3の各値を合計することにより、
式(5)の分子=4.807
となる。そして、
P(7、3)=4.807/0.999=4.812≒4(小数点以下は切り捨て)
となる。
【0058】
図22は、こうして算出された、生成すべき円の大きさパラメータを示すテーブルであり、図23は、同様にして算出された、生成すべき円の位置パラメータを示すテーブルである。
【0059】
そして、手順(h)において、手順(g)で算出された、生成すべき各円の属性パラメータに基づき、変更後の画像における第2グリッド座標の各格子点に、生成すべき円が生成され、図24に示すような、変更した画像が得られる。
【0060】
(実施例3)
図25を参照して、この実施例では、元画像は、実施例1で用いた元画像の一部分からなっている(図25の点線で描かれた枠内)。そして、元画像は、画像の横方向1列に、規則的に傾斜しかつ等間隔で並べられた10個の同一の長方形から構成される。また、元画像の縦横サイズは、32mm×160mmである。そして、元画像の横方向に等間隔の第1グリッド座標が設定され、第1グリッド座標の各格子点に各1つの長方形が関係づけられている。この場合、第1実施例と同様、第1グリッド座標の各格子点に各1つの長方形が配置される。
【0061】
本発明によれば、まず、手順(a)において、元画像のデータファイルがコンピュータに読み込まれ、それによって、元画像の縦横サイズ(32mm×160mm)、第1グリッド座標の縦横方向のそれぞれの格子点間隔の比率(1:1:1・・・:1)、元画像中の横方向に配置された長方形の個数(10個)、各長方形の属性パラメータ(角度パラメータおよび位置パラメータ以外のパラメータはすべて同一)が、コンピュータによって取得される。図26Aは、元画像を構成する各長方形の取得された角度パラメータを示すテーブルであり、図26Bは、元画像を構成する各長方形の取得された位置パラメータを示すテーブルである。
【0062】
次に、手順(b)において、変更後の画像の縦横サイズ(32mm×160mm)、変更後の画像中の横方向に生成すべき長方形の個数(20個)が、オペレータによって、ユーザーインターフェースを通じてコンピュータに手入力される。
そして、手順(c)において、元画像および変更後の画像間の画像拡大・縮小率(1倍)と、元画像および変更後の画像間の横方向の図形密度変更率(2倍)が決定される。
【0063】
さらに、手順(d)において、変更後の画像(空の画像)中に、第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされる第2グリッド座標(横方向の格子間隔が第1グリッド座標の格子間隔の1/2)が設定される。
そして、手順(e)において、第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j=0)(iは整数)が付与されるとともに、第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m=0)(nは整数)が付与される。
【0064】
その後、手順(f)において、2点選択法を用いて、図27および図28に示すように、第2グリッド座標の格子点Fd(n、0)毎に、2個の参照格子点、
Ref1=Ref1(i=n/2、j=0)(n/2の値の小数点以下は切り捨てられる。以下同様)、
Ref2=Ref2(i=n/2+1、j=0)
が選択される。
また、Fd(n、0)およびRef1間の格子点間距離dx1=0.5と、Ref1およびRef2間の格子点間距離dx2=1が求められる。
さらには、参照格子点に関係づけられた参照図形(元画像の長方形)が選択される。
【0065】
そして、手順(g)において、変更後の画像における第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各長方形の属性パラメータ(角度パラメータおよび位置パラメータ)が、関係する参照図形(元画像の長方形)の属性パラメータ(角度パラメータおよび位置パラメータ)から、上記式(1)に従って算出される。
例えば、図29を参照して、第2グリッド座標の格子点Fd(3、0)に生成すべき長方形の角度パラメータP(3、0)は、Fd(3、0)に対する2個の参照格子点Ref1(2、0)、Ref2(3、0)に関係する元画像の長方形の角度パラメータ値79°、86°を用いて、
P(3、0)=68°×0.5×(79°−68°)=73.5°≒73°
(小数点以下は切り捨て)
となる。
図30Aは、こうして算出された、生成すべき長方形の角度パラメータを示すテーブルであり、図30Bは、同様にして算出された、生成すべき長方形の位置パラメータを示すテーブルである。
【0066】
そして、手順(h)において、手順(g)で算出された、生成すべき各長方形の属性パラメータに基づき、変更後の画像における第2グリッド座標の各格子点に、生成すべき図形が生成され、図31に示すような、変更した画像が得られる。
【0067】
図32は、本発明による画像生成装置のブロック図である。本発明による画像生成装置は、規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置された元画像から、前記元画像を構成する図形の密度を前記第1グリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成するものである。ここで、「各図形が第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置される」とは、「各図形が当該図形の近傍に位置する第1グリッド座標の格子点と1:1で対応づけられている」ことを意味する。
【0068】
図32を参照して、本発明によれば、元画像の縦横サイズ、第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、元画像中の第1グリッド座標の縦方向および横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを取得する初期パラメータ取得部1が備えられる。この場合、元画像は、1の画像の画像全体であってもよいし、1の画像の少なくとも1つの画像部分であってもよい。
【0069】
図形の属性パラメータは、一般に、図形の特徴および配置を特定するものであればよいが、図形の形状パラメータ、色パラメータ、大きさパラメータ、傾きパラメータおよび位置パラメータを含んでいることが好ましい。
図形の形状パラメータとしては、例えば、図形の縦横比、図形の各頂点位置、図形を構成する線の長さ、太さおよび曲がりの程度が挙げられる。図形の大きさパラメータとしては、例えば、図形の幅、高さおよびサイズ、線のみから構成される図形における線の太さおよび長さ、図形の拡大縮小率が挙げられる。
図形の色パラメータは、色を数値化したものであれば、特に限定されないが、例えば、各種色に番号を付したカラーナンバー、各種色を色の3要素である色相、明度、彩度について段階表示したもの、分光化学データであるスペクトルまたはスペクトル反射率で数値化したもの、さらには、RGB等の3原色の等色関数化したもの、あるいは、XYZ、Lab等に等色関数化したもの等であってもよい。
【0070】
初期パラメータ取得部1によるデータの取得は、例えば、元画像の縦横サイズ、第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、元画像中の第1グリッド座標の縦方向および横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを含むデータが格納されたデータファイルを、初期パラメータ取得部1が読み込むことによってなされる。
【0071】
本発明によれば、また、変更後の画像中の縦方向および前記横方向にそれぞれ生成すべき図形の個数を取得する変更パラメータ取得部2が備えられる。変更パラメータ取得部2によるデータの取得は、例えば、変更パラメータ取得部2に備えられた公知のユーザーインターフェースを通じてオペレータがデータを手入力することによってなされる。
【0072】
また、本発明によれば、元画像の縦横サイズおよび変更後の画像の縦横サイズから、元画像および変更後の画像間の画像拡大・縮小率を決定し、また、元画像中の第1グリッド座標の縦方向に配置された図形の個数、および変更後の画像中の当該縦方向に生成すべき図形の個数から、元画像および変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率を決定するとともに、元画像中の第1グリッド座標の横方向に配置された図形の個数、および変更後の画像中の当該横方向に生成すべき図形の個数から、元画像および変更後の画像間の横方向の図形密度変更率を決定する変更率決定部3が備えられる。
【0073】
さらに、本発明によれば、変更後の画像中に、第1グリッド座標に重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、第1グリッド座標の格子点間隔の比率、および生成すべき図形の個数、および図形密度変更率、および画像拡大・縮小率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する変更グリッド座標設定部4が備えられる。
【0074】
また、本発明によれば、第2グリッド座標の格子点毎に、当該第2グリッド座標の格子点の近傍に位置する所定の個数の第1グリッド座標の格子点を参照格子点として選択し、参照格子点のそれぞれから当該第2グリッド座標の格子点までの格子点間距離を求めるとともに、参照格子点に配置された元画像の図形をそれぞれ参照図形として選択する参照点選択部5が備えられる。
【0075】
参照点選択部5による参照格子点の選択は、次の3つの方法のうちのいずれかに基づいてなされることが好ましい。
(i)2点選択法
参照点選択部5は、図2Aに示すように、第2グリッド座標の格子点a毎に、当該第2グリッド座標の格子点aに最も近い第1グリッド座標の格子点b1と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点b1に隣接する第1グリッド座標の1個の格子点b2を、参照格子点として選択する。
2点選択法は、特に、元画像が、第1グリッド座標の縦方向または横方向に1列に配列された図形のみから構成される場合に最適である。
(ii)4点選択法
参照点選択部5は、図2Bに示すように、第2グリッド座標の格子点a毎に、当該第2グリッド座標の格子点aに最も近い第1グリッド座標の格子点b1と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点b1に隣接する第1グリッド座標の3個の格子点b2〜b4を、参照格子点として選択する。
4点選択法は、特に、元画像が、第1グリッド座標の縦方向または横方向に2列以上にわたって配列された図形から構成される場合に最適である。
(iii)16点選択法
参照点選択部5は、図3に示すように、第2グリッド座標の格子点a毎に、当該第2グリッド座標の格子点の最も近傍に位置する第1グリッド座標の格子点b1と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点b1に隣接する第1グリッド座標の3個の格子点b2〜b4の合計4個の格子点b1〜b4(図3A)に加えて、当該合計4個の格子点b1〜b4にそれぞれ隣接する第1グリッド座標の各3個の格子点(c1〜c3、d1〜d3、e1〜e3、f1〜f3)を、参照格子点として選択する(図3B)。
16点選択法は、特に、元画像が、第1グリッド座標の縦方向または横方向に4列以上にわたって配列された図形から構成される場合に最適である。
【0076】
また、参照点選択部5は、元画像が1の画像の全体からなり、変更後の画像の辺縁領域において、第2グリッド座標の格子点の近傍に位置する第1グリッド座標の格子点が所定の個数に満たない場合、元画像を構成する図形の配列の規則性に基づいて、第1グリッド座標の不足する格子点を補うようになっていてもよい。かかる構成とすることにより、元画像を構成する図形の配列パターンがリピート性を有している場合に、当該リピート性を損なうことなく図形密度を変更することができる。
【0077】
変更後の画像における第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各図形の属性パラメータを、当該第2グリッド座標の格子点に関係する参照図形の属性パラメータから、当該参照図形に対応する格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出する変更属性パラメータ算出部6と、変更属性パラメータ算出部6で算出された生成すべき各図形の属性パラメータに基づき、変更後の画像における第2グリッド座標の各格子点に、生成すべき図形を生成する変更画像生成部7が備えられる。
【符号の説明】
【0078】
1 初期パラメータ取得部
2 変更パラメータ取得部
3 変更率決定部
4 変更グリッド座標設定部
5 参照点選択部
6 変更属性パラメータ算出部
7 変更画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された等間隔または不等間隔の第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置された元画像から、前記元画像を構成する図形の密度を前記第1グリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成するプログラムであって、
(1)前記第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、および前記元画像中の前記縦方向および前記横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを取得する手順と、
(2)変更後の画像中の前記縦方向および前記横方向にそれぞれ生成すべき図形の個数を取得する手順と、
(3)前記元画像中の前記第1グリッド座標の縦方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記縦方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率を決定するとともに、前記元画像中の前記第1グリッド座標の横方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記横方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の横方向の図形密度変更率を決定する手順と、
(4)前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する手順と、
(5)前記第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)を付与するとともに、前記第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)を付与する手順と、
(6)前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた所定の個数の前記第1グリッド座標の格子点を参照格子点として選択し、前記参照格子点のそれぞれから当該第2グリッド座標の格子点までのインデックスの値の差で測った距離、または前記参照格子点間のインデックスの値の差で測った距離、またはその両方からなる格子点間距離を求めるとともに、前記参照格子点に関係づけられた前記元画像の図形をそれぞれ参照図形として選択する手順と、
(7)前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各図形の属性パラメータを、当該第2グリッド座標の格子点に関係する前記参照図形の属性パラメータから、当該参照図形に対応する前記格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出し、
(8)前記手順(7)で算出した前記生成すべき各図形の属性パラメータに基づき、前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の各格子点に、前記生成すべき図形を生成する手順と、を順次コンピュータに実行させることを特徴とする画像生成プログラム。
【請求項2】
前記手順(1)において、さらに前記元画像の縦横サイズを取得し、前記手順(2)において、さらに前記変更後の画像の縦横サイズを取得し、前記手順(3)において、前記元画像の縦横サイズおよび前記変更後の画像の縦横サイズから、前記元画像および前記変更後の画像間の画像拡大・縮小率を決定し、前記手順(4)において、前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率、および前記画像拡大・縮小率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像生成プログラム。
【請求項3】
前記図形の属性パラメータは、前記図形の形状パラメータ、色パラメータ、大きさパラメータ、傾きパラメータおよび位置パラメータを含んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像生成プログラム。
【請求項4】
前記手順(6)において、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の1個の格子点を、前記参照格子点として選択することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像生成プログラム。
【請求項5】
前記手順(6)において、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点を、前記参照格子点として選択することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像生成プログラム。
【請求項6】
前記手順(6)において、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点の最も近傍に位置する前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点の合計4個の格子点に加えて、前記合計4個の格子点にそれぞれ隣接する前記第1グリッド座標の合計12個の格子点を、前記参照格子点として選択することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像生成プログラム。
【請求項7】
前記手順(6)において、前記元画像が1の画像の全体からなり、前記変更後の画像の辺縁領域において、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた前記第1グリッド座標の格子点が前記所定の個数に満たない場合、前記元画像を構成する前記図形の配列の規則性に基づいて、前記第1グリッド座標の不足する格子点を補うことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像生成プログラム。
【請求項8】
規則的に配列された2以上の互いに相似する図形から構成されるとともに、各図形が予め設定された第1グリッド座標の格子点に関係づけて配置された元画像から、前記元画像を構成する図形の密度を前記第1グリッド座標の縦方向または横方向または縦横方向に変更した画像を生成する装置であって、
前記第1グリッド座標の縦方向および横方向のそれぞれの格子点間隔の比率、および前記元画像中の前記第1グリッド座標の縦方向および横方向にそれぞれ配置された図形の個数、および各図形の属性パラメータを取得する初期パラメータ取得部と、
変更後の画像中の前記縦方向および前記横方向にそれぞれ生成すべき図形の個数を取得する変更パラメータ取得部と、
前記元画像中の前記第1グリッド座標の縦方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記縦方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の縦方向の図形密度変更率を決定するとともに、前記元画像中の前記第1グリッド座標の横方向に配置された図形の個数、および前記変更後の画像中の前記横方向に生成すべき図形の個数から、前記元画像および前記変更後の画像間の横方向の図形密度変更率を決定する変更率決定部と、
前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定する変更グリッド座標設定部と、
前記第1グリッド座標の各格子点に対し、当該第1グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(i、j)(i、jは共に整数)を付与するとともに、前記第2グリッド座標の各格子点に対し、当該第2グリッド座標の座標原点を基準に2次元のインデックス(n、m)(n、mは共に整数)を付与し、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に関係づけられた所定の個数の前記第1グリッド座標の格子点を参照格子点として選択し、前記参照格子点のそれぞれから当該第2グリッド座標の格子点までのインデックスの値の差で測った距離、または前記参照格子点間のインデックスの値の差で測った距離、またはその両方からなる格子点間距離を求めるとともに、前記参照格子点に関係づけられた前記元画像の図形をそれぞれ参照図形として選択する参照点選択部と、
前記変更後の画像中における前記第2グリッド座標の格子点毎に、生成すべき各図形の属性パラメータを、当該第2グリッド座標の格子点に関係する前記参照図形の属性パラメータから、当該参照図形に対応する前記格子点間距離に基づく重み付け計算によって算出する変更属性パラメータ算出部と、
前記変更属性パラメータ算出部で算出された前記生成すべき各図形の属性パラメータに基づき、前記変更後の画像における前記第2グリッド座標の各格子点に、前記生成すべき図形を生成する変更画像生成部と、を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項9】
前記初期パラメータ取得部は、さらに前記元画像の縦横サイズを取得し、前記変更パラメータ取得部は、さらに前記変更後の画像の縦横サイズを取得し、前記変更率決定部は、さらに前記元画像の縦横サイズおよび前記変更後の画像の縦横サイズから、前記元画像および前記変更後の画像間の画像拡大・縮小率を決定し、前記変更グリッド座標設定部は、前記変更後の画像中に、前記第1グリッド座標に座標原点を一致させて重ね合わされるとともに、縦方向および横方向に、前記第1グリッド座標の前記格子点間隔の比率、および前記生成すべき図形の個数、および前記図形密度変更率、および前記画像拡大・縮小率に対応する格子点数および格子点間隔を有する第2グリッド座標を設定することを特徴とする請求項8に記載の画像生成装置。
【請求項10】
前記図形の属性パラメータは、前記図形の形状パラメータ、色パラメータ、大きさパラメータ、傾きパラメータおよび位置パラメータを含んでいることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像生成装置。
【請求項11】
前記参照点選択部は、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の1個の格子点を、前記参照格子点として選択することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項12】
前記参照点選択部は、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点に最も近い前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点を、前記参照格子点として選択することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項13】
前記参照点選択部は、前記第2グリッド座標の格子点毎に、当該格子点が有するインデックスn、mの値と前記第1グリッド座標の各格子点が有するインデックスi、jの値との比較に基づき、当該第2グリッド座標の格子点の最も近傍に位置する前記第1グリッド座標の格子点と、当該最も近い第1グリッド座標の格子点に隣接する前記第1グリッド座標の3個の格子点の合計4個の格子点に加えて、前記合計4個の格子点にそれぞれ隣接する前記第1グリッド座標の合計12個の格子点を、前記参照格子点として選択することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項14】
前記参照点選択部は、前記元画像が1の画像の全体からなり、前記変更後の画像の辺縁領域において、前記第2グリッド座標の格子点に関係づけられた前記第1グリッド座標の格子点が前記所定の個数に満たない場合、前記元画像を構成する前記図形の配列の規則性に基づいて、前記第1グリッド座標の不足する格子点を補うことを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれかに記載の画像生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−14587(P2012−14587A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152277(P2010−152277)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000148151)株式会社川島織物セルコン (104)
【Fターム(参考)】