説明

画像生成装置、方法、およびプログラム

【課題】CT画像からアーチファクトを削除し、その部分のCT値を再現することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】入力部(11)は、第1のX線で撮像対象を撮像した第1の画像と、第1の画像に対応するアーチファクトのない第2の画像を入力する。アーチファクト領域推定部(17)は、第1の画像をアーチファクト領域と非アーチファクト領域とに区分けし、第2の画像におけるアーチファクト領域に対応する領域の各画素の画素値、および、第1のX線による撮像で得られる画素値と第2の画像の画素値との相関関係に基づいて、第1の画像におけるアーチファクト領域の各画素についてアーチファクトがない場合の画素値を推定する。画像補正部(19)は、推定されたアーチファクト領域の各画素の画素値のデータと、第1の画像の非アーチファクト領域の各画素の画素値のデータとを合成して修復画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療用画像のアーチファクトを除去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
がんの放射線治療においては実際の治療の前に治療計画が行われる。治療計画では、放射線を照射すべき腫瘍と、放射線を照射すべきでない重要臓器とを識別し、どの方向からどのような放射線を、どの程度の線量で照射すべきかが決定される。
【0003】
このような治療計画では患者を撮影したCT(Computed Tomography)画像が用いられる。まず、撮影されたCT画像を見ての視覚的な判断によって腫瘍や臓器が抽出される。抽出された腫瘍や臓器の位置によって放射線を照射する方向が決定される。またCT画像におけるCT値によって照射すべき放射線の線量が計算される。CT値とは物質による放射線の吸収量を示す値であり、単位はHU(Hounsfiled Unit)である。
【0004】
しかしながら、放射線治療においては腫瘍の近傍に存在する金属系の物質が問題となることがある。金属は高い吸収率でX線を吸収するので、その周辺においてCT装置の検出器への信号が極端に低下し、CT画像にメタルアーチファクトというノイズが現われる。図1は、人間の頭部のCT画像に現われたメタルアーチファクトを示す図である。図1の左右の画像を見比べると、左側の画像には、発生原因箇所から放射状にメタルアーチファクト91が生じているのが分かる。このようなメタルアーチファクトが発生したCT画像をそのまま用いて放射線治療の線量を計算すると、照射すべき線量の計算精度が著しく悪化してしまう。また、そのCT画像を目測と手作業で修正して用いたとしても、やはり照射すべき線量の計算精度は良くない。
【0005】
また、近年では治療計画においてメタルアーチファクトが問題となる場合が増えている。近年、放射線治療技術が急速な進化を遂げており、その結果、強度変調放射線治療や陽子線治療といった高精度の放射線治療が提供されつつある。しかしながら、放射線治療の精度が向上しても、メタルアーチファクトによって劣化したCT画像を用いた治療計画では線量の計算精度が良くないので、せっかくの放射線治療の高い精度を十分に活用できない場合がある。
【0006】
また、高精度放射線治療においては頭頸部を治療対象とする症例が数多くある。頭頸部を対象とする放射線治療においては、歯科治療で歯に埋め込まれた金や銀などの金属が腫瘍の近傍に存在する場合が多く、治療計画ではCT画像にメタルアーチファクトが現われる場合が多い。
【0007】
この問題に対して、CT画像からアーチファクトを自動的に除去する技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、CT撮像平面と垂直な仮想平面を設定し、仮想平面において、CT値が所定の閾値内の画素で構成され、画素数が所定値以下の領域をアーチファクトとして除去するというものである。この技術は、金属等の発生原因箇所から放射状にアーチファクトが現れるので、CT撮像平面に垂直な平面ではアーチファクトが極めて狭い点状の領域として現れるという性質に着目し、その形状的特徴からアーチファクトを識別するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−201089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の通り、特許文献1に記載された技術によればアーチファクトを識別することは可能である。しかしながら、アーチファクトを削除する場合、その部分のCT値を再現することはできないので、その画素は周囲の画素のCT値や空気のCT値(−1000HU)に置換される。その結果、一部の画素の情報がCT画像から欠落するので、治療計画および治療の精度が低下する可能性があった。
【0010】
本発明の目的は、CT画像からアーチファクトを削除し、その部分の画素値を再現することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による画像生成装置は、第1のX線で撮像対象を撮像した第1の画像と、前記第1の画像に対応するアーチファクトのない第2の画像を入力する入力部と、前記第1の画像を、アーチファクトが生じている領域であるアーチファクト領域と、アーチファクトが生じていない領域である非アーチファクト領域とに区分けし、前記第2の画像における前記アーチファクト領域に対応する領域の各画素の画素値、および、前記第1のX線による撮像で得られる画素値と前記第2の画像の画素値との相関関係に基づいて、前記第1の画像における前記アーチファクト領域の各画素についてアーチファクトがない場合の画素値を推定するアーチファクト領域推定部と、推定された前記アーチファクト領域の各画素の画素値のデータと、前記第1の画像の前記非アーチファクト領域の各画素の画素値のデータとを合成して修復画像を生成する画像補正部と、を有している。
【0012】
また、前記第2の画像は、前記第1のX線に比べてアーチファクトが生じにくい第2のX線で撮像した画像であるとしてもよい。
【0013】
また、前記第2の画像は、前記第2のX線で、前記第1の画像の撮像対象と同一の撮像対象を撮像した画像であってもよい。
【0014】
また、前記第1の画像から、アーチファクトを含まない相関関係算出用の領域を抽出する領域区分け手段と、前記第1の画像における前記相関関係算出用の領域の各画素の画素値と、前記第2の画像における前記相関関係算出用の領域に対応する領域の各画素の画素値とに基づいて、前記相関関係を求める相関関係算出部とを更に有することにしてもよい。
【0015】
また、前記相関関係算出部は、算出した前記相関関係の情報を履歴データとして保存し、それ以降に新たに相関関係を算出するとき、前記履歴データを演算に利用することにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、CT画像からアーチファクトを削除し、その部分の画素値を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】人間の頭部のCT画像に現われたメタルアーチファクトを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるCT画像処理装置のブロック図である。
【図3A】位置合わせ処理を説明するための概念図である。
【図3B】位置合わせ処理を説明するための概念図である。
【図4】人体の頭部のCT画像に対する平滑化の前後の様子を示す図である。
【図5】領域区分けの処理と相関関係の算出について説明するための図である。
【図6】体輪郭よりも外側に高いCT値および内側に低いCT値を示す部分が存在するkV−CT画像の例である。
【図7】アーチファクトの要因となる物質が存在するMV−CT画像の例である。
【図8A】アーチファクトが除去されたkV−CT画像の生成について説明するための概念図である。
【図8B】アーチファクトが除去されたkV−CT画像の生成について説明するための概念図である。
【図9】図3AのkV−CT画像21を修復した修復画像を示す図である。
【図10】人体の頭部の画像からアーチファクトが除去される様子を示す図である。
【図11】人体の頭部の画像からアーチファクトが除去される様子を示す図である。
【図12】CT画像処理装置10の一連の動作を示すフローチャートである。
【図13】kV−CT画像21あるいはMV−CT画像22に基づいて、アーチファクトあるいはその要因となる物質が撮像されているか否か判断し、アーチファクトを除去する処理を実行するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2は、本発明の一実施形態によるCT画像処理装置のブロック図である。図2を参照すると、CT画像処理装置10は、入力部11、位置合わせ部12、平滑部13、領域区分け部14、相関関係算出部15、履歴データ保存部16、アーチファクト領域推定部17、輪郭強調部18、画像補正部19、および画像表示部20を有している。
【0019】
入力部11は、同じ撮像対象(ここでは人体)を撮像したkV(kiro voltage)−CT画像とMV(mega voltage)−CT画像を入力する。kV−CT画像は、kV―X線によって撮像されたCT画像である。MV−CT画像は、MV―X線によって撮像されたCT画像である。kV−CT画像にはアーチファクトが発生しやすく、それに比べてMV−CT画像にはアーチファクトが発生しにくい。
【0020】
kV−CT画像は治療計画に適した鮮明な画像が得られるので、治療計画に広く用いられている。kV−X線としては、電子を100kVほどの電圧で加速させた後、タングステンターゲットに電子線を照射させることで発生する制動X線が利用される。この制動X線は電子線のエネルギーを最大値とするエネルギー分布を持つ。
【0021】
kV−X線と物質との相互作用では光電効果とコンプトン散乱の双方が支配的である。光電効果は物質の原子番号の5乗に比例し、コンプトン散乱は1乗に比例する。そのため、原子番号が高い金属系の物質があると、X線の強度が大幅に減弱してしまい、物質を通過した後のX線を精度良く検出できなくなる。そのためCT画像上でデータ欠損が起こり、アーチファクトが現れる。
【0022】
一方、MV−CT画像は、例えば放射線治療装置であるリニアックで撮像される。リニアックには、電子をメガオーダの電圧で加速して発生させた治療用高エネルギーX線を利用するコーンビームCT機能が搭載された装置が数多い。この種の装置で得られるコーンビームCT画像がMV−CT画像であり、例えば、骨骼構造を主に利用した治療における患者の位置決めに用いられている。
【0023】
MV−X線と物質との相互作用ではコンプトン散乱が支配的である。MV−X線は金属系の物質に対してもX線強度の減弱が比較的小さい。そのため、金属系物質によるメタルアーチファクトが出にくい。しかし、コーンビームCTでは、エネルギーが高いため人体を構成する軟組織系の物質での減弱が小さい。そのため、画質にコントラストが付きにくく、またX線の散乱成分の影響で画質が劣化するという問題がある。MV−CT画像は、治療計画の線量計算にそのまま利用するには適しているとは言えない。
【0024】
入力部11は、例えば、不図示のkV−CT撮像装置およびMV−CT撮像装置から記録媒体を介してkV−CT画像およびMV−CT画像を取得するものであってもよい。また、入力部11は、不図示のサーバに蓄積されたkV−CT画像およびMV−CT画像を取り出してくるものであってもよい。また、入力部11は、例えば、kV−CT撮像装置およびMV−CT撮像装置と通信回線で接続されており、kV−CT撮像装置から通信回線を介してkV−CT画像を受信し、MV−CT撮像装置からMV−CT画像を受信するものであってもよい。
【0025】
位置合わせ部12は、入力部11によって入力されたkV−CT画像における撮像対象とMV−CT画像における撮像対象の位置を対応づける位置合わせ処理を行う。異なる撮像装置で撮像したkV−CT画像とMV−CT画像では撮像対象の位置、サイズ、角度などが異なることがある。また、撮像対象が人体なので、撮像対象の形状が多少異なることもある。位置合わせ処理は、そのような撮像対象のずれ等を補正し、できるだけ一致させるための処理であり、例えば6軸移動、拡大、縮小、および回転などの画像処理により行われる。更に、人体のように撮像対象が変形し得る場合には、撮像対象のデフォーメーション(変形)が行われる場合もある。
【0026】
具体的には、位置合わせ部12は、kV−CT画像とMV−CT画像の中で歯の画像を検出し、それらの歯の画像が重なり合うように、画像の6軸移動、拡大、縮小、回転、デフォーメーション等を行うとよい。例えば、kV−CT画像とMV−CT画像の両方から、複数の歯からなる歯全体の形状を抽出し、その形状の部分の位置、向き、大きさが一致するように、6軸移動、拡大、縮小、回転、デフォーメーション等の画像処理を行うとよい。
【0027】
歯や頭蓋骨は殆ど変形せず、また形状がある程度決まっているので、検出しやすい部位であり、位置合わせの基準に好適である。アーチファクトは主に歯に埋め込まれた金属から生じている場合が多いので、歯を基準に位置合わせを行うと、アーチファクトが生じる部位の近くで良好に位置合わせを行うことが可能となる。ただし、歯に埋め込まれた金属から強くアーチファクトが生じている場合、歯を位置合わせの基準にするのが難しい場合がある。その場合には頭蓋骨の方が全体形状を捉えやすいので好適である。
【0028】
図3A、3Bは位置合わせ処理を説明するための概念図である。図3Aを参照すると、アーチファクト23が生じているkV−CT画像21と、アーチファクトが生じていないMV−CT画像22とに同じ撮像対象24が含まれている。位置合わせ部12は、kV―CT画像21とMV−CT画像22を相対的に移動、拡大、縮小、回転させることにより、それらの撮像対象24が重なるようにする。図3Bには、位置合わせが行われた後の状態が示されている。図3Bでは、kV−CT画像21における撮像対象24とMV−CT画像22における撮像対象24の位置が対応づけられ、それらの撮像対象24が重なっている。
【0029】
なお、位置合わせの処理は、それが必要な場合にだけ行えばよく、必須の処理ではない。
【0030】
また、2つのCT画像の位置合わせが正常に行われたか否かは、例えば人間が目視によって判断してもよい。また、位置合わせ部12が2つのCT画像の位置合わせを行った後、基準とした部分の画像の一致の度合いを各画素のCT値に基づいて算出し、その値が所定の閾値以上であれば正常な位置合わせが行われたと判断し、その値が閾値に満たなければ正常な位置合わせが行えなかったと判断してもよい。例えば、2のCT画像における基準とした部分の画像全体の明るさを係数によって一致させた後、各画素のCT値の差を積算し、積算値を閾値と比較すればよい。更に、正常な位置合わせが行えたか否かを画面表示等で出力してもよい。
【0031】
平滑部13は、フィルタによってMV−CT画像22を平滑化する。例えば、複数のMV−CT画像22からなる三次元画像を三次元のフィルタで平滑化するとよい。MV−CT画像22は、測定される各画素のCT値のデジタル値がkV−CT画像21のCT値と比べて粗いので、kV−CT画像21とCT値を比較するために、上述の平滑化を行っておくのが好ましい場合がある。MV−CT画像22を平滑化することにより、kV−CT画像21との位置合わせの精度を向上したり、算出する相関関係を高精度化したり、アーチファクトを除去し、CT値を再現した修復画像におけるkV−CT画像21との連続性を向上させたりすることができる。ただし、この平滑化処理は必須のものではない。
【0032】
平滑化処理に利用できるフィルタの例として、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタ、バイラテラルフィルタがある。ガウシアンフィルタは全体的に画像をなめらかにすることができる。メディアンフィルタは、画像の輪郭を保存しつつ画像ノイズを削除することができる。バイラテラルフィルタは、画像の輪郭を保存しつつ、画像をなめらかにすることができる。
【0033】
また、ここでは平滑部13が位置合わせ部12の後段に設けられているが、本発明はこれに限定されない。ただし、領域区分け部14、相関関係算出部15、およびアーチファクト領域推定部17に入力されるMV−CT画像22が平滑化されていることが好ましい。それが可能な他の例としては、平滑部13が位置合わせ部12の前段でMV−CT画像22を平滑化してもよい。
【0034】
図4は、人体の頭部のCT画像に対する平滑化の前後の様子を示す図である。図4の左側には平滑化処理を行う前のMV−CT画像が示されている。本図を見てわかるように、平滑化処理の前のMV−CT画像は粗い画像となっている。図4の右側には、平滑化処理を行った後のMV−CT画像が示されている。本図を見てわかるように、平滑化処理によってMV−CT画像の粗さが緩和されている。
【0035】
領域区分け部14は、kV−CT画像21を、アーチファクトが生じている領域であるアーチファクト領域と、アーチファクトが生じていない領域である非アーチファクト領域とに区分けする。
【0036】
図5は、領域区分けの処理と相関関係の算出について説明するための図である。
【0037】
領域区分け部14は、kV−CT画像21またはMV−CT画像22あるいはその両方に基づいて、kV−CT画像21においてアーチファクトを含まない領域を抽出し、相関関係算出用の領域として特定する。アーチファクトを含む領域で相関関係を算出してしまうと、算出される相関関係の誤差が大きくなってしまうので、相関関係算出用の領域にはアーチファクトをできるだけ含まないようにすべきである。そのため、金属のようなアーチファクトの原因となる物質の周辺領域やアーチファクトである可能性がある領域を含む領域をやや大きめに除去するとよい。
【0038】
例えば、領域区分け部14は、kV−CT画像21からアーチファクトの領域を推定し、その領域およびその周辺領域を除去し、残った領域を相関関係算出用の領域とすればよい。具体例として、撮像対象の外縁(体輪郭)よりも外側に高いCT値および内側に低いCT値を示す部分があれば、それはアーチファクトと推定される。図6は、体輪郭よりも外側に高いCT値および内側に低いCT値を示す部分が存在するkV−CT画像の例である。図6において白い部分はCT値が高く、黒い部分はCT値が低い。アーチファクトと推定される部分と周辺領域を除去すればよい。
【0039】
また、例えば、領域区分け部14は、MV−CT画像22からアーチファクトの要因となる物質を検出し、その部分を含む周辺領域を大きく除去し、残った領域を相関関係算出用の領域としてもよい。具体例として、金属のようなアーチファクトの要因となる物質を判別できるような所定の閾値を設定し、その閾値以上のCT値を示す部分が存在すれば、その部分をアーチファクトの要因となる物質として検出する。図7は、アーチファクトの要因となる物質が存在するMV−CT画像の例である。アーチファクトの要因となる物質として検出された部分とその周辺領域を大きく除去すればよい。
【0040】
また、領域区分け部14は、kV−CT画像21からアーチファクトと推定される領域の周辺領域と、MV―CT画像22からアーチファクトの要因となる物質の周辺領域を除去し、残った領域を相関関係算出用の領域としてもよい。
【0041】
また、ここでは領域区分け部14がkV−CT画像21やMV−CT画像22から画像処理によって相関関係算出用の領域を定める例を示したが、本発明がこれに限定されるものではない。他の例として、領域区分け部14は操作者による入力で相関関係算出用の領域を定めてもよく、また予め定められた領域を相関関係算出用の領域と定めてもよい。操作者の入力による場合、操作者はアーチファクトを含まないように相関関数算出用の領域を指定すればよい。相関関数算出用の領域を予め定めておく場合、例えば、kV−CT画像21の撮影において歯が写ると想定される位置の周辺領域を除いた部分を相関関係算出用の領域と定めておけばよい。
【0042】
相関関係算出部15は、相関関係算出用の領域の各画素についてのkV−CT画像21におけるCT値とMV−CT画像22におけるCT値とに基づいて、kV−X線による撮像で得られるCT値とMV−X線による撮像で得られるCT値との相関関係を算出する。
【0043】
図5を参照すると、(MV−CT画像のCT値)−(kV−CT画像のCT値)平面のグラフに各画素のデータがプロットされている。各画素は、アーチファクトの影響を受けていない非アーチファクト領域31と、アーチファクトの影響によってkV−CT画像21のCT値が異常になっているアーチファクト領域32に分類できる。アーチファクト領域32には、kV−CT画像21のCT値が大きな値となってしまった画素の領域(32a)と、kV−CT画像21のCT値が小さな値となってしまった画素の領域(32b)とがある。上述のように、相関関係算出用の領域を定めるとき、アーチファクトを含む領域を大きく除去しているので、相関関係算出用の領域の全ての画素は図5における非アーチファクト領域31に含まれているはずである。
【0044】
例えば、相関関係算出部15は、最小二乗法などを用いて相関関係算出用の領域の画素を近似する関数を求め、それをkV−X線による撮像で得られるCT値とMV−X線による撮像で得られるCT値との相関関係を示す関数33とすればよい。その場合、関数33は、MV−X線によって得られるCT値を入力とし、kV−X線によって得られるCT値を出力する関数とすればよい。
【0045】
例えば、一次関数で近似される関数33を最小二乗法で算出する場合、各画素の残差(各画素のCT値と関数33上の点との差)の二乗和の合計が最小となるように一次関数y=ax+bの係数a、bを決定すればよい。ここでxが関数33の入力となるMV−X線によって得られるCT値であり、yが関数33の出力となるkV−X線によって得られるCT値である。なお、理想的には同じ画素についてkV−CT撮像装置とMV−CT撮像装置から同じCT値が得られるはずなので、相関関係の近似には一次関数が好適である。そのため、ここでは一次関数を例示した。しかし、実際には、kV−CT撮像装置とMV−CT撮像装置の特性の違いや個体差、経年変化などによって、必ずしも一次関数が好適でない場合もあり得る。そのような場合には二次関数など他の関数で相関関係を近似することにしてもよい。
【0046】
あるいは、相関関係算出部15は、上述のように関数を求めるのではなく、非アーチファクト領域31の画素群のkV−CT画像21のCT値とMV−CT画像22のCT値とを対応づけて、kV−X線による撮像で得られるCT値とMV−X線による撮像で得られるCT値との相関関係を示すテーブルとして保持することにしてもよい。
【0047】
履歴データ保存部16は、相関関係算出部15で得られた相関関係の情報を履歴データとして保存する。相関関係算出部15は、新たに相関関係を算出するとき、履歴データ保存部16に保存されている過去に算出された相関関係の履歴データを利用してもよい。kV−CT画像21とMV−CT画像22の測定データから連続的なCT値が得られるとは限らない。そのような場合に履歴データを利用すれば、測定データの不足を補うことができる。
【0048】
例えば、相関関係算出部15は、履歴データを利用して関数を算出するとき、kV−CT撮像装置やMV−CT撮像装置の経年変化を考慮して新しいデータを重視する観点から、履歴データに測定時からの経過時間に応じて重みづけを行って演算に用いてもよい。
【0049】
あるいは、相関関係算出部15は、非アーチファクト領域31の画素群のkV−CT画像21のCT値とMV−CT画像22のCT値とを対応づけて、kV−X線による撮像で得られるCT値とMV−X線による撮像で得られるCT値との相関関係を示すテーブルとして保持するとき、CT値の測定値が得られていない部分を、履歴データで補足することにしてもよい。
【0050】
アーチファクト領域推定部17は、まず、相関関係算出部15で算出された相関関係に基づいてアーチファクト領域32を決定する。更に、アーチファクト領域推定部17は、MV−CT画像22におけるアーチファクト領域32に対応する領域の各画素の画素値と、上記相関関係とに基づいて、kV−CT画像21におけるアーチファクト領域32の各画素について、アーチファクトがないとした場合のCT値を推定する。例えば、図5に示したように、関数33から所定の閾値Th以内の領域を非アーチファクト領域31とし、関数33から閾値Thよりも離れた領域をアーチファクト領域32とすればよい。そして、関数33にMV−CT画像22のアーチファクト領域32の画素のCT値を入力することにより、kV−CT画像21のCT値の推定値を算出する。すなわち、関数y=ax+bのxにMV−CT画像21のアーチファクト領域32の画素のCT値を入力し、yを求めればよい。なお、閾値Thはパラメータとして任意の値に設定できるようにしておくとよい。
【0051】
また、アーチファクト領域推定部17は、MV−CT画像22のCT値をキーとしてテーブルを検索し、kV−CT画像21のCT値の推定値を得ることにしてもよい。
【0052】
輪郭強調部18は、アーチファクト領域推定部17によって得られた、アーチファクト領域32のCT画像に対して輪郭強調処理を行う。事前に平滑部13においてMV−CT画像22が平滑化されているので、そのMV−CT画像22から推定されたCT画像は輪郭のシャープさが低下している。そこで輪郭強調部18で輪郭をシャープ化するのが好ましい。
【0053】
なお、この輪郭強調処理では、歯と歯茎の境界をシャープにするのが好ましいので、歯と歯茎で想定されるCT値に基づいて定めた、画像処理における明るさまたはコントラストの値を用いることしてもよい。これにより、予め設定されたパラメータによる画像処理で歯と歯茎の境界がシャープなCT画像を得ることができる。
【0054】
また、本実施形態では輪郭強調を行うこととしたが、輪郭強調を行うことは本発明において必須ではない。
【0055】
画像補正部19は、推定されたアーチファクト領域32の各画素のCT値のデータと、kV−CT画像の非アーチファクト領域31の各画素のCT値のデータとを合成することにより、アーチファクトのないkV−CT画像(修復画像)を生成する。図8A、8Bは、アーチファクトのないkV−CT画像の生成について説明するための概念図である。図8AにはkV−CT画像41が示されている。このkV−CT画像41には、X印で示されたアーチファクト領域32の画素が含まれている。画像補正部19は、X印で示された画素を、輪郭強調部18で得られたCT画像のCT値で置き換えることにより、アーチファクトが除去されたkV−CT画像を生成する。図8Bには、アーチファクトのない修復画像が示されている。図8Bの修復画像42では、図8AにおいてX印であった画素が二重丸印に置き換えられている。図9は、図3AのkV−CT画像21を基に生成した修復画像を示す図である。図9の修復画像51では、図3AのkV−CT画像21に存在したアーチファクト23が除去され、その部分の画素のCT値が再現されている。
【0056】
画像表示部20は、画像補正部19で得られた修復画像をディスプレイ画面に表示する。
【0057】
図10、11は、人体の頭部の画像からアーチファクトが除去される様子を示す図である。
【0058】
図10の左上には、アーチファクトが現われたkV−CT画像が示されている。図11の左上には、複数のkV−CT画像を再構成して得られた頭部の画像が示されている。本画像の生成に用いられたkV−CT画像には、図10の左上の画像のように、歯の周辺にアーチファクトが現われていたものとする。図11の左上の頭部の画像にも歯の周辺にアーチファクトが現われている。
【0059】
図10の左下には、MV−CT画像が示されている。図11の左下には、複数のMV−CT画像を再構成して得られた歯の周囲の画像が示されている。これらの図を見てわかるように、MV−CT画像にはアーチファクトが現われていない。
【0060】
このMV−CT画像と、kV−CT画像とMV−CT画像との相関関係の情報とに基づき、kV−CT画像のCT値を再現した画像を生成する。その生成された画像によって歯の周辺の画像を置き換えることで、図10の右側や図11の右側に示されている、アーチファクトを除去し、CT値を再現した修復画像が生成される。
【0061】
なお、図10の中央には、左上のkV−CT画像と左下のMV−CT画像を単純に合成した画像が示されている。図11の中央には、左上の頭部の画像と左下の歯の周囲の画像を単純に合成した画像が示されている。これらの画像にはやはりアーチファクトが現われており、精度の高い治療計画には不向きである。
【0062】
画像表示部20では、図10の右側や図11の右側に示したような、アーチファクトを除去し、CT値を再現した修復画像が表示される。治療計画者は、この修復画像を用いて、精度の高い治療計画を行うことができる。
【0063】
本実施形態のCT画像処理装置10の動作について更に説明する。
【0064】
図12は、CT画像処理装置10の一連の動作を示すフローチャートである。
【0065】
まず、入力部11が同じ撮像対象を撮像したkV−CT画像21とMV−CT画像22とを入力する(ステップ101)。次に、位置合わせ部12が、入力部11によって入力されたkV−CT画像21の撮像対象とMV−CT画像22における撮像対象の位置を合わせる位置合わせ処理を行う(ステップ102)。位置合わせ処理の前に、平滑部13がMV−CT画像22の平滑化を行ってもよい。
【0066】
続いて、領域区分け部14が、kV−CT画像21とMV−CT画像22の対応する各画素のCT値の相互の関係に基づいて、非アーチファクト領域31とアーチファクト領域32を分離する(ステップ103)。
【0067】
続いて、相関関係算出部15が、非アーチファクト領域31の各画素群についてのkV−CT画像21におけるCT値とMV−CT画像22におけるCT値とに基づいて、kV−X線による撮像で得られるCT値とMV−X線による撮像で得られるCT値との相関関係を算出する(ステップ104)。
【0068】
続いて、アーチファクト領域推定部17は、MV−CT画像22におけるアーチファクト領域32に対応する領域の各画素の画素値と、ステップ104にて相関関係算出部15が算出した相関関係とに基づいて、kV−CT画像21におけるアーチファクト領域32の各画素について、アーチファクトがないとした場合のCT値を推定する(ステップ105)。そして、画像補正部19が、ステップ105にてアーチファクト領域推定部17が推定したアーチファクト領域32の各画素のCT値のデータと、kV−CT画像の非アーチファクト領域31の各画素のCT値のデータとを合成することにより、アーチファクトが除去された修復画像を生成する(ステップ106)。
【0069】
以上、説明したように、本実施形態によれば、kV−CT画像のアーチファクトが生じている画素のCT値を、kV−CT画像のCT値とMV−CT画像CT値の相関関係と、MV−CT画像におけるCT値とに基づいて推定したCT値で置き換えるので、kV−CT画像からアーチファクトを除去し、その部分のCT値を再現した鮮明な修復画像を生成することができる。
【0070】
一般に、治療計画で利用されているコマーシャルベースのCT撮像装置から得られるkV−CT画像は高画質であるが、金属系の物質がある場合、アーチファクトが発生してしまいう欠点がある。コーンビームCTより得られるMV−CT画像はアーチファクトの発生率は低いが、その一方で画質が非常に悪いといった欠点がある。ここでは、患者体内の同一点におけるkV−CT画像とMV−CT画像のCT値の相関性を利用し、治療計画で利用するkV−CT画像上のアーチファクトを除去するので、高画質でかつアーチファクトを除去したCT画像を得ることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、入力部11によって入力されたkV−CT画像21とMV−CT画像22と基づいて、kV−X線による撮像で得られるCT値とMV−X線による撮像で得られるCT値との相関関係を算出することにしたが、本発明はこれに限定されない。他の例として、相関関係を予め算出し、保持しておき、アーチファクト領域推定部17は、その保持しておいた相関関係の情報を用いて、kV−CT画像21におけるアーチファクト領域32の各画素について、アーチファクトがないとした場合のCT値を推定することにしてもよい。その場合、相関関係算出部15が、入力部11によって過去に入力されたkV−CT画像とMV−CT画像の組に基づいて、相関関係を算出しておくことにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、CT画像処理装置10は必ずkV−CT画像とMV−CT画像を用いて修復画像を生成する一連の処理を実行するものとしたが、本発明はこれに限定されない。
【0073】
例えば、CT画像処理装置10は、kV−CT画像21に基づいて、アーチファクトが生じているか否か判断し、アーチファクトが生じている場合にだけ、アーチファクトを除去する処理を実行することにしてもよい。具体例として、kV−CT画像21内にアーチファクトと推定される部分が含まれているか否かによって、アーチファクトを除去する処理を実行するか否かを決めればよい。例えば、撮像対象の外縁(体輪郭)よりも外側に高いCT値または内側に低いCT値を示す部分があればそれはアーチファクトと推定される。
【0074】
また例えば、CT画像処理装置10は、MV−CT画像22に基づいて、アーチファクトの要因となる物質が撮像されているか否か判断し、アーチファクトの要因がある場合にだけ、アーチファクトを除去する処理を実行することにしてもよい。具体例としては、MV−CT画像22内に、金属のような、kV−X線による撮像でアーチファクトが生じ得る物質を示すCT値が含まれているか否かによって、アーチファクトを除去する処理を実行するか否かを決めればよい。
【0075】
図13は、kV−CT画像21あるいはMV−CT画像22に基づいて、アーチファクトあるいはその要因となる物質が撮像されているか否か判断し、アーチファクトを除去する処理を実行するフローチャートである。図13のフローチャートにおけるステップ301、303〜307の処理は、図12のステップ101〜106のそれぞれと同様の処理である。CT画像処理装置10は、ステップ301の後、入力されたkV−CT画像21あるいはMV−CT画像22に基づいて、アーチファクトあるいはその要因があるか否か判断する(ステップ302)。アーチファクトあるいはその要因があれば、CT画像処理装置10はステップ303〜307の処理を実行する。アーチファクトあるいはその要因がなければ、CT画像処理装置10は、そのまま処理を終了する。
【0076】
また、本実施形態のCT画像処理装置10は、領域区分け部14で、非アーチファクト領域31の画素群とアーチファクト領域32の画素群を区分けした区分け情報を生成し、画像表示部20で生成される修復画像と対応づけて保存することにしてもよい。
【0077】
更に、CT画像処理装置10は、例えば、治療計画者からの要求があると、修復画像における、kV−CT画像21のCT値がそのまま用いられている画素と、アーチファクトを除去してCT値を再現した画素とを視覚的に区別して表示することにしてもよい。修復画像における、kV−CT画像21のCT値がそのまま用いられている画素と、アーチファクトを除去してCT値を再現した画素とは、区分け情報における、非アーチファクト領域31の画素と、アーチファクト領域32の画素とに対応する。例えば、治療計画者からの要求があると、CT画像処理装置10は、区分け情報に基づき非アーチファクト領域31の画素群とアーチファクト領域32の画素群とを修復画像において異なる色で表示すればよい。
【0078】
また、本実施形態では、アーチファクトが生じたkV−CT画像21の撮像対象と同一の撮像対象を撮像したMV−CT画像22を用いて、kV−CT画像21のアーチファクトが生じた部分を再現する例を示したが、本発明はこれに限定されない。他の例として、MV−CT画像22の代わりに、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部構造を撮像したMRI(magnetic resonance imaging)画像を用いてもよい。
【0079】
更に他の例として、kV−CT画像21の撮像対象と同一ではなく、類似する撮像対象を撮像した再現用画像を、MV−CT画像22の代わりに用いてもよい。その場合、再現用画像は実際に撮像した画像であってもよく、あるいは予め定められた標準的な画像であってもよい。そうすることで、撮像対象である患者を治療計画のためにMV−CT撮像装置で撮像する必要が無くなるので、患者の放射線の被ばく量を減らすことができる。
【0080】
例えば、複数の再現用画像を準備しておき、kV−CT画像21の撮像対象である人物と、同性で年齢が近く大きさが同程度の人物を撮像対象とした画像を選択し、MV−CT画像22の代わりに用いることにしてもよい。また、kV−CT画像21の撮像対象である人物と外見が似た人物を撮像対象とした画像を選択することにしてもよい。
【0081】
上述した実施形態におけるCT画像処理装置10の各部の動作は、各部の動作をプログラミングしたソフトウェアプログラムをコンピュータが実行することにより実現することもできる。また、そのソフトウェアプログラムはコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に格納されており、コンピュータが記録媒体から読み出して実行するものであってもよい。
【0082】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 CT画像処理装置、11 入力部、12 位置合わせ部、13 平滑部、14 領域区分け部、15 相関関係算出部、16 履歴データ保存部、17 アーチファクト領域推定部、18 輪郭強調部、19 画像補正部、20 画像表示部、21 kV−CT画像、22 MV−CT画像、23 アーチファクト、24 撮像対象、31 非アーチファクト領域、32 アーチファクト領域、33 関数、41 kV−CT画像、42 修復画像、51 修復画像


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のX線で撮像対象を撮像した第1の画像と、前記第1の画像に対応するアーチファクトのない第2の画像を入力する入力部と、
前記第1の画像を、アーチファクトが生じている領域であるアーチファクト領域と、アーチファクトが生じていない領域である非アーチファクト領域とに区分けし、前記第2の画像における前記アーチファクト領域に対応する領域の各画素の画素値、および、前記第1のX線による撮像で得られる画素値と前記第2の画像の画素値との相関関係に基づいて、前記第1の画像における前記アーチファクト領域の各画素についてアーチファクトがない場合の画素値を推定するアーチファクト領域推定部と、
推定された前記アーチファクト領域の各画素の画素値のデータと、前記第1の画像の前記非アーチファクト領域の各画素の画素値のデータとを合成して修復画像を生成する画像補正部と、を有する画像生成装置。
【請求項2】
前記第2の画像は、前記第1のX線に比べてアーチファクトが生じにくい第2のX線で撮像した画像である、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記第2の画像は、前記第2のX線で、前記第1の画像の撮像対象と同一の撮像対象を撮像した画像である、請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記第1の画像から、アーチファクトを含まない相関関係算出用の領域を抽出する領域区分け部と、
前記第1の画像における前記相関関係算出用の領域の各画素の画素値と、前記第2の画像における前記相関関係算出用の領域に対応する領域の各画素の画素値とに基づいて、前記相関関係を求める相関関係算出部とを更に有する、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記相関関係算出部は、算出した前記相関関係の情報を履歴データとして保存し、それ以降に新たに相関関係を算出するとき、前記履歴データを演算に利用する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項6】
入力手段が、第1のX線で撮像対象を撮像した第1の画像と、前記第1の画像に対応するアーチファクトのない第2の画像を入力するステップと、
アーチファクト領域推定手段が、前記第1の画像を、アーチファクトが生じている領域であるアーチファクト領域と、アーチファクトが生じていない領域である非アーチファクト領域とに区分けし、前記第2の画像における前記アーチファクト領域に対応する領域の各画素の画素値、および、前記第1のX線による撮像で得られる画素値と前記第2の画像の画素値との相関関係に基づいて、前記第1の画像における前記アーチファクト領域の各画素についてアーチファクトがない場合の画素値を推定するステップと、
画像補正手段が、推定された前記アーチファクト領域の各画素の画素値のデータと、前記第1の画像の前記非アーチファクト領域の各画素の画素値のデータとを合成して修復画像を生成するステップと、を有する画像生成方法。
【請求項7】
入力手段が、第1のX線で撮像対象を撮像した第1の画像と、前記第1の画像に対応するアーチファクトのない第2の画像を入力する手順と、
アーチファクト領域推定手段が、前記第1の画像を、アーチファクトが生じている領域であるアーチファクト領域と、アーチファクトが生じていない領域である非アーチファクト領域とに区分けする手順と、
前記アーチファクト領域推定手段が、前記第2の画像における前記アーチファクト領域に対応する領域の各画素の画素値、および、前記第1のX線による撮像で得られる画素値と前記第2の画像の画素値との相関関係に基づいて、前記第1の画像における前記アーチファクト領域の各画素についてアーチファクトがない場合の画素値を推定する手順と、
画像補正手段が、推定された前記アーチファクト領域の各画素の画素値のデータと、前記第1の画像の前記非アーチファクト領域の各画素の画素値のデータとを合成して修復画像を生成する手順と、をコンピュータに実行させるための画像生成プログラム。



【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図5】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−48713(P2013−48713A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188117(P2011−188117)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(502457249)サイバネットシステム株式会社 (2)
【出願人】(510097747)独立行政法人国立がん研究センター (35)
【Fターム(参考)】