説明

画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体

【課題】利用者による利用頻度を向上させることができる画像編集装置を実現す
る。
【解決手段】本発明の写真シール機2は、画像データを編集し、シートに印刷するものである。この写真シール機2は、通信端末3からメールアドレスを受信する近距離無線通信部43と、利用者からの入力指示に応じて画像データの編集処理を行う画像編集処理部27と、画像データを、メールアドレスと対応づけて記憶する記憶装置11とを備え、メールアドレスに応じた画像データを、編集処理用の画像データとして記憶装置11から読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばゲームセンターなどの娯楽施設などにおいて、撮影した写真をシールとして出力する写真シール機(画像編集装置)が広く使われている。このような写真シール機では、利用者の撮影、該撮影された画像の編集および印刷といった一連の流れを1ゲームとして実行するようになっている。そして、このように一連の流れによって得た写真シールは、友人同士で交換したり、ノート等利用者の持ち物に貼り付けたりして利用されている。
【0003】
また、デジタルカメラ等の撮影手段を有する携帯電話機(カメラ付き携帯電話機)等の普及に伴い、写真シール機で編集処理された画像データを、該携帯電話機においても共有することに対する要求が高まってきた。そこで、例えば、写真シール機で撮影し、編集処理した画像データを携帯電話機に配信できる装置が開発されている(特許文献1または特許文献2参照)。この装置では、撮影された画像データを、インターネット等の通信ネットワークを通じて写真シール機と通信可能に接続されているサーバに送信する。このようにして、サーバは、写真シール機から画像データを受信し保持することができる。そして、上記携帯電話機等を介して画像データの配信先が指定されると、サーバは、この指定された配信先に画像データを配信するようになっている。
【0004】
さらには、画像データ等の情報を携帯電話機から写真シール機に対して赤外線を利用して提供する装置も開示されている(特許文献3参照)。また、画像とともに接続先のURL情報を含む2次元バーコードを印刷して出力できる装置(特許文献4参照)などもある。また、撮影画像を、ネットワークまたはコネクタを介して伝送可能とする画像撮影伝送装置が開示されている(例えば特許文献5・6参照)。
【特許文献1】特開2003―333573号公報(2003年11月21日公開)
【特許文献2】特開2001−313913号公報(2001年11月9日公開)
【特許文献3】特開2005−111814号公報(2005年4月28日公開)
【特許文献4】特開2005−107947号公報(2005年4月21日公開)
【特許文献5】特開2001−238107号公報(2001年8月31日公開)
【特許文献6】特開2001−309108号公報(2001年11月2日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、撮影した画像データを長期的に保存しておく場合、写真シール機自身が保持する構成ではなく、サーバが保持する構成である。このため、過去に撮影した画像を閲覧したりするなどの出力処理を所望する場合、利用者はサーバにアクセスすることで該画像のデータ(画像データ)を得ることができる。すなわち、過去に撮影した画像の出力処理を所望する場合、利用者は、写真シール機に足を運ぶことなくサーバとの通信を介して撮影された画像データを要求することができる。このため、従来技術の構成では、利用者が直接写真シール機に足を運ぶ機会を低減させる要因となり、写真シール機の利用、特にリピータとしての利用者の利用を低減させるといった問題が生じる。
【0006】
したがって、写真シール機に対する利用者の利用頻度を向上させるためには、過去に撮影した画像の編集処理を該写真シール機に対してのみに要求できる構成とすることが必要である。すなわち、上記写真シール機は、該写真シール機においてのみ過去に撮影した画像を読み出し編集処理できる構成であることが好ましい。
【0007】
さらにまた、写真シール機に対する利用者の利用頻度を向上させるためには、写真シール機において記憶させている画像を読み出したりするために例えば利用者の識別データを入力する必要がある構成の場合、この識別データの入力処理を効率的に行えることが好ましい。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者による利用頻度を向上させることができる画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像編集装置は、上記した課題を解決するために、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、利用者により利用される通信装置から該利用者を識別するための情報である識別データを受信する受信部と、利用者からの入力指示に応じて画像データの編集処理を行う編集処理手段と、画像データを、該利用者の識別データと対応づけて記憶する記憶装置とを備え、上記受信部が、上記識別データを受信すると、該識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとして上記記憶装置から読み出すことを特徴とする。
【0010】
なお、画像編集装置が画像データに基づく印刷を行うシートとしては、例えば紙媒体、またはシール紙が挙げられる。また、上記通信装置とは、上記利用者により利用可能な装置であって、利用者が所有する通信装置以外にも、本発明に係る画像編集装置を利用する店舗等において貸し出される通信装置も含まれる。
【0011】
上記構成によると、本発明に係る画像編集装置は、画像データを記憶する記憶装置を備え、受信部により受信した識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとしてこの記憶装置から読み出す構成である。すなわち、利用者により利用される通信装置と本発明に係る画像編集装置との間での識別データの送受信によって、当該画像編集装置においてのみ、過去に作成した編集処理用の画像データを読み出すことができる構成である。
【0012】
このため、編集処理用に過去に作成した画像データを読み出す場合、利用者は、自身の画像を記憶させているこの画像編集装置に必ず足を運ぶ必要がある。
【0013】
したがって、本発明に係る画像編集装置に対する利用者による利用頻度を向上させることができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記記憶装置に記憶する画像データに対して、編集処理用の画像データとして読み出すことが可能な有効期限を設定し管理する管理手段をさらに備え、上記管理手段は、設定された有効期限を越える画像データを記憶装置から削除するように構成されていてもよい。
【0015】
上記構成によると、管理手段により、記憶装置に記憶する画像データに対して、上記有効期限を設定している。このため、記憶装置に記憶させている画像データを利用して編集処理を所望する利用者はこの有効期限内に当該画像編集装置を訪れる必要がある。したがって、本発明に係る画像編集装置に対する利用者による早期の利用を促すことができる。このため、利用者による上記画像編集装置の利用頻度を高めることができる。
【0016】
また、上記有効期限として設定された所定期間を経過すると削除する構成であるため、記憶装置に記憶される画像データのデータ量が大きくなることを低減させることもできる。
【0017】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記通信装置には該通信装置を特定する固有の情報である装置識別データが割り当てられており、上記受信部は、上記通信装置から識別データとして装置識別データを受信するように構成されていることが好ましい。
【0018】
上記構成によると、画像データを読み出すために必要となる識別データとして、通信装置の上記装置識別データを利用者が所持する通信装置から受信する構成である。このため、例えば、画像編集装置に備えられた識別データの入力手段等によって識別データを手入力する構成と比較して、本発明のように通信装置から識別データを送信する構成の方が効率的に行うことができる。すなわち、利用者は、記憶装置に記憶させた画像データを編集処理用として読み出す作業を効率的に行うことができる。
【0019】
このため、記憶装置に記憶させた画像データを利用して編集処理を行う際、この編集処理に伴う作業を効率的に行うことができるため、利用者のこの編集処理に係る煩わしさを低減させるとともに、利用者による当該画像編集装置の利用を増すことができる。
【0020】
本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記受信部は、無線通信により上記通信装置から識別データを受信する構成であることが好ましい。なお、この無線通信とは、例えば赤外線、音波などによる通信、あるいはRFID(Radio Frequency Identification)タグを利用した通信などが挙げられる。
【0021】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、複数の他の画像編集装置と、これら他の画像編集装置それぞれが記憶する画像データと上記識別データとの対応関係を管理する管理装置と、に通信可能に接続されており、上記管理装置に対して、受信部より受信した識別データに応じた画像データを記憶する他の画像編集装置を問い合わせる問い合わせ手段と、上記問い合わせ手段による問い合わせに対する、上記管理装置から受け付けた返答により示された他の画像編集装置から、上記編集処理手段による編集処理用として読み出す画像データを取得する取得手段とを備える構成であることが好ましい。
【0022】
上記構成によると、上記問い合わせ手段を備えているため、通信ネットワーク等を通じて通信可能に接続されている他の画像編集装置において、入力された識別データに対応する画像データを記憶する画像編集装置を管理装置からの返答により把握することができる。
【0023】
また、取得手段を備えているため、識別データに対応する画像データを記憶する、他の画像編集装置からも画像データを取得することができる。すなわち、当該画像編集装置と通信可能に接続されている他の画像編集装置が記憶する画像データも共有することができる。
【0024】
したがって、編集処理用として利用できる画像データのデータ量を増加させることができるため、本発明に係る画像編集装置の利用者による利用を促進させることができる。
【0025】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、画像編集装置が設置される場所ごとに応じて暗証情報が設定されており、利用者から上記暗証情報の入力を受け付ける暗証情報受付部と、上記暗証情報受付部により受け付けた暗証情報に基づき、上記利用者が編集処理用に画像データを読み出すことができる正規の利用者であるか否かを判定する判定手段とを備え、上記判定手段によって正規の利用者であると判定された場合、受信部により受信された識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとして上記記憶装置から読み出すように構成されていてもよい。
【0026】
上記構成によると、暗証情報受付部と判定手段とを備えているため、画像編集装置の利用を場所ごとに制限することができる。このように、画像編集装置の利用を該画像編集装置の設置場所ごとに制限し管理することができるため、画像編集装置が設置される店舗ごとに利用者の利用を制限することができる。このため、特定の店舗ごとにおける画像編集装置の利用者による利用を促進させることができる。
【0027】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、画像データを、該利用者の識別データと対応づけて記憶するためのサーバ装置を外部にさらに備える構成であってもよい。
【0028】
上記構成によると、上記サーバ装置をさらに備えているため、画像データを上記記憶装置に記憶することができなくなり溢れてしまうことを防ぐことができる。
【0029】
本発明に係る画像提供システムは、上記した課題を解決するために、受信部と、編集処理手段と、記憶装置と、管理手段とを有する画像編集装置と、該画像編集装置と通信を確立する通信装置とを備えることを特徴とする。
【0030】
上記構成によると、本発明に係る画像提供システムでは、画像編集装置が、画像データを記憶する記憶装置を備え、受信部により受信した識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとしてこの記憶装置から読み出す構成である。したがって、画像編集装置に対する利用者による利用の頻度を向上させることができる。
【0031】
また、画像データを読み出すために必要となる識別データとして、通信装置の上記装置識別データを利用者が所持する通信装置から受信する構成である。このため、利用者は、記憶装置に記憶させた画像データを編集処理用として読み出す作業を効率的に行うことができる。
【0032】
このため、本発明に係る画像提供システムは、記憶装置に記憶させた画像データを利用して行う編集処理を効率的に行うことができ、この編集処理に係る煩わしさを低減させるとともに、利用者による当該画像編集装置の利用頻度を増すことができるという効果を奏する。
【0033】
本発明に係る画像提供システムは、上記した課題を解決するために、複数台の、受信部と、編集処理手段と、記憶装置と、管理手段と、問い合わせ手段と、取得手段と、暗証情報受付部と、判定手段とを有する画像編集装置と、該画像編集装置のいずれか1台と通信を確立する通信装置と、この複数台の画像編集装置それぞれと通信可能に接続されている管理装置とを備え、上記管理装置は、画像編集装置それぞれが記憶する画像データと、上記識別データとの対応関係を管理するための管理テーブルを有することを特徴とする。
【0034】
上記構成によると、本発明に係る画像提供システムでは、各画像編集装置が、問い合わせ手段を備えているため、通信ネットワーク等を通じて通信可能に接続されている他の画像編集装置において、入力された識別データに対応する画像データを記憶する画像編集装置を管理装置からの返答により把握することができる。また、取得手段を備えているため、識別データに対応する画像データを記憶する、他の画像編集装置からも画像データを取得することができる。したがって、編集処理用として利用できる画像データのデータ量を増加させることができるため、本発明に係る画像編集装置の利用者による利用を促進させることができる。
【0035】
また、各画像編集装置が、暗証情報受付部と判定手段とを備えているため、画像編集装置の利用を場所ごとに制限することができる。このため、本発明に係る画像提供システムは、特定の店舗ごとにおける画像編集装置の利用者による利用を促進させることができるという効果を奏する。
【0036】
なお、上記画像編集装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記画像編集装置をコンピュータにて実現させる画像編集装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る画像編集装置は、以上のように、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、利用者により利用される通信装置から該利用者を識別するための情報である識別データを受信する受信部と、利用者からの入力指示に応じて画像データの編集処理を行う編集処理手段と、画像データを、該利用者の識別データと対応づけて記憶する記憶装置とを備え、上記受信部が、上記識別データを受信すると、該識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとして上記記憶装置から読み出すことを特徴とする。
【0038】
したがって、本発明に係る画像編集装置に対する利用者による利用頻度を向上させることができるという効果を奏する。
【0039】
本発明に係る画像提供システムは、以上のように、受信部と、編集処理手段と、記憶装置と、管理手段とを有する画像編集装置と、該画像編集装置と通信を確立する通信装置とを備えることを特徴とする。
【0040】
このため、本発明に係る画像提供システムは、記憶装置に記憶させた画像データを利用して行う編集処理を効率的に行うことができ、この編集処理に係る煩わしさを低減させるとともに、利用者による当該画像編集装置の利用頻度を増すことができるという効果を奏する。
【0041】
本発明に係る画像提供システムは、以上のように、複数台の、受信部と、編集処理手段と、記憶装置と、管理手段と、問い合わせ手段と、取得手段と、暗証情報受付部と、判定手段とを有する画像編集装置と、該画像編集装置のいずれか1台と通信を確立する通信装置と、この複数台の画像編集装置それぞれと通信可能に接続されている管理装置とを備え、上記管理装置は、画像編集装置それぞれが記憶する画像データと、上記識別データとの対応関係を管理するための管理テーブルを有することを特徴とする。
【0042】
このため、本発明に係る画像提供システムは、特定の店舗ごとにおける画像編集装置の利用者による利用を促進させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すると以下の通りである。図1は、本実施形態である画像提供システム1の要部構成を示している。図示のように、画像提供システム1は、写真シール機(画像編集装置)2、およびこの写真シール機2と通信可能な通信端末(通信装置)3を備えてなる構成である。
【0044】
通信端末3は、利用者が操作し、写真シール機2と各種データを送受信するものである。この通信端末3は利用者が所有するものであってもよいし、本実施の形態に係る写真シール機2が設置されている店舗において、上記利用者に貸し出されたものであってもよい。この通信端末3は、その利用者が所持して移動できるように、携帯型PC(Personal Computer)、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)(登録商標)端末、携帯型ゲーム機などの携帯可能な通信端末であることが望ましい。また、通信端末3は、写真シール機2に対して、赤外線、あるいは電波などを利用したワイヤレス通信によって画像データおよび/または各種情報等を送受信することができる。なお、本実施形態では、赤外線を利用した近距離無線通信によって、写真シール機2と通信端末3とが通信を確立できるようになっている。
【0045】
一方、画像提供システム1が備える写真シール機2は、利用者の写真撮影を行うと共に、所望の場合にその写真を背景画像などと合成した上で、シール紙に印刷出力するものである。この写真シール機2は、例えばゲームセンターなどの娯楽施設に設置される。
【0046】
この写真シール機2は、図2および図3に示すように外観上、利用者が撮影を行う撮影空間と、撮影された画像を編集する編集空間、画像データに基づき印刷処理されたシール紙が排出される印刷空間とが設けられている。なお、この図2および図3は、写真シール機2の外観を示す図である。図2は、写真シール機2を、上記撮影空間側から見た図であり、図3は、印刷空間側から写真シール機2を見た図である。
【0047】
この撮影空間には、利用者に対する撮影を行い、撮影画像を生成するための撮影部40が備えられている。また、編集空間には、撮影部40により生成された画像を編集するための編集部41および、撮影部40によって撮影された画像、あるいは編集部41によって編集された画像をシール紙に印刷する印刷部42が備えられている。さらにまた、この編集空間には、近距離無線通信部(受信部・暗証情報受付部)43が備えられており、該近距離無線通信部43によって通信端末3との間で情報の送受信を行うことができる。
【0048】
なお、編集空間では、例えば図3に示す写真シール機2のように、編集部41の対向する位置(図3では不図示)にも同様の編集部41が設けられており、また、印刷部42も、2組設けられている。すなわち、本実施の形態に係る写真シール機2では、編集空間において同時に2組の利用者がそれぞれ別々に編集および印刷処理を行うことができるようになっている。なお、同時に編集および印刷処理を指示することができる組はこの2組に限定されるものではなく、例えば、図3に示す編集部41と隣接して、同様の編集部が設けられ、またプリンタ23およびシール紙排出口24がさらに備えられている構成であってもよい。
【0049】
なお、上記印刷部42は、図2および図3において特に図示されていないが、プリンタ23およびシール紙排出口24に加えて、画像データを印刷するシール紙とセットで納入されるIDタグを読み取るための、後述するIDタグリーダ/ライタ9も備えている。
【0050】
また、図2および図3では説明の便宜上図示していないが、撮影空間の出入り口、および/または編集空間の周囲にカーテンが設けられており、撮影処理および編集処理が第3者から覗かれないように構成されている。このカーテンの開閉は、後述する制御部10によって制御されており、例えば、このカーテンの開閉を次のように制御される。
【0051】
まず、客待ち状態では、制御部10はカーテンを開放した状態に制御する。そして、利用者による所定の金額の投入が行われたことを課金処理部25が確認すると、この時点でカーテンを閉じる制御を行う。このとき、例えば、撮影空間に利用者がいることを撮影空間の外に向けて知らせるための、接客ランプを点灯させてもよい。接客ランプは、例えば、撮影空間に利用者がいる間には、撮影中との文字が点灯し、撮影空間から利用者がいなくなれば、その文字が消灯するようになっていればよい。その後、制御部10は、撮影処理、及び編集処理が終了したことが確認されると、この時点でカーテンを開放する制御を行う。
【0052】
また、カーテンが開放されているべき状態である時に利用者によって無理やりカーテンが閉められようとされた場合、あるいはカーテンが閉じられているべき状態である時に利用者によって無理やりカーテンが開けられようとした場合には、周囲に聞こえるような音量で警報を発するとともに、撮影の進行を停止するように制御するようになっていてもよい。このようにすることによって、密閉空間での犯罪を防止したり、いたずらを防止したりすることができる。
【0053】
また、図示しないが、上述した荷物置きスペースや荷物フックに、例えば重量センサなどを設けた構成としてもよい。この場合、利用者がこの荷物置きスペースに荷物を置いたり、荷物フックに荷物をかけたりすると、荷物が置かれたことを装置側で認識することが可能となる。よって、例えば撮影や編集終了後、所定の時間が経過した後も荷物が置かれた状態となっている場合には、利用者が荷物を忘れていることが予想されるので、利用者に対して荷物の置き忘れの警報を発することが可能となる。また、撮影や編集進行中において、荷物が取り除かれたことを検出した場合には、利用者がプレイに夢中になっている間に置き引きが行われたことが予想されるので、警報を発することが可能となる。
【0054】
(写真シール機の構成)
ここで再度図1を参照して、写真シール機2の構成の詳細について説明する。図1に示されるように、写真シール機2は、上記した撮影部40、編集部41、印刷部42、および近距離無線通信部43に加えて、制御部10、および記憶装置11を備えてなる構成である。
【0055】
上記撮影部40は、CCDカメラ13、ライブビューパネル14、撮影処理用タッチパネル15、照明装置16、スピーカ17、および硬貨処理装置18を備えている。
【0056】
上記CCDカメラ13は、被写体の撮影を行うものであり、例えばレンズ群、絞り、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。
【0057】
上記ライブビューパネル14は、CCDカメラ13が撮影するライブビュー画像を表示するものであり、例えばLCD(液晶ディスプレイ)によって構成される。
【0058】
撮影処理用タッチパネル15は、撮影処理における各種メッセージや画像などを表示するとともに、利用者から各種の指示や選択などを受け付けるものである。なお、上記した各種メッセージとしては、例えば、撮影処理の手順を説明するメッセージ、利用者に対する挨拶などが挙げられる。この撮影処理用タッチパネル15は、フラットパネルディスプレイやCRTなどの表示面にタッチセンサを設けて構成され、利用者が見易くかつ操作し易い位置に配備される。
【0059】
照明装置16は、被写体である利用者を照明する照明手段として機能するものである。照明装置16は、撮影時の照明として機能するとともに、通常時の撮影空間の照明としても機能する蛍光灯と、撮影時の写真閃光灯として機能するストロボランプとを備える構成である。スピーカ17は、撮影処理に係る各種の音声ガイダンスおよび効果音を出力するものである。
【0060】
硬貨処理装置18は、写真シール機2の利用料金として利用者により硬貨投入口から投入された硬貨が、所定の硬貨であるか否かを判定するものである。所定の硬貨であると判定した場合には、硬貨処理装置18は、制御部10に通知し、投入された硬貨を、硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)に送り出す。一方、所定の硬貨以外の硬貨であると判定した場合には、硬貨処理装置18は、投入された硬貨を硬貨返却口(図示せず)に送り出す。なお、紙幣や硬貨を所定の硬貨に両替する両替機が写真シール機2付近に存在しない場合には、新たに紙幣投入口を設けて、紙幣処理装置を設けたり、釣銭処理装置を設けたりすることが望ましい。
【0061】
上記編集部41は、編集処理用タッチパネル(暗証情報受付部)20、編集処理用タッチペン21、編集用スピーカ19を備えている。なお、この編集部41は、上記したように上記写真シール機2では、編集空間において2箇所設けられる構成であるが、図1では説明の便宜上編集部41を1つしか図示しない。
【0062】
編集処理用タッチパネル20は、編集処理における各種メッセージや画像などを表示するとともに、利用者から各種の指示や選択などを受け付けるものである。この編集処理用タッチパネル20は、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。なお、上記した各種メッセージとしては、例えば、編集処理の手順を説明するメッセージなどが挙げられる。この編集処理用タッチパネル20は、上記した撮影処理用タッチパネル15と同様に構成され配備される。
【0063】
編集処理用タッチペン21は、画像編集処理における細かな操作入力を利用者が行うためのものであり、編集処理用タッチパネル20の近傍に配備される。利用者は、この編集処理用タッチペン21を編集処理用タッチパネル20に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、任意の文字や図形などの画像描画を行ったりすることができる。なお、この編集処理用タッチペン21は、図3に示すように、本実施の形態に係る写真シール機2における1つの編集部41に2つ、すなわち編集部41が2箇所設けられているため合計4つ設置されている。しかしながら設置される編集処理用タッチペン21の数はこれに限定されるものではなく、さらに複数備えられていてもよいし、編集部41に1つ設けられていてもよい。
【0064】
編集用スピーカ19は、制御部10からの指示に応じて、編集処理に係る各種の音声ガイダンスおよび効果音を出力するものである。
【0065】
上記印刷部42は、IDタグリーダ/ライタ9、プリンタ23、およびシール紙排出口24を備えている。また、図1のブロック図では特に図示していないが、図3に示すようにシール紙排出口24からシール紙が排出されることを所定の色で発光し知らせる発光ランプ22も備えている。この発光ランプ22は図3に示すようにシール紙排出口24の近傍(図3では左右上部)に設けられている。このように、印刷部42が発光ランプ22を備える構成の場合、利用者は、シール紙が排出されるシール紙排出口を容易に把握することができるというさらなる利点を有する。
【0066】
特に、IDタグリーダ/ライタ9およびプリンタ23は、プリンタユニットを構成しており、このプリンタユニットに対して、写真プリントの出力媒体となるシール紙およびIDタグがシール紙ユニットとしてセットで納入されるようになっている。
【0067】
プリンタ23は、出力すべき画像データが制御部10から送られてくると、その画像データに基づいてシール紙に印刷するものである。このプリンタ23としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、シール紙およびIDタグに加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
【0068】
また、シール紙排出口24は、プリンタ23にて印刷されて出力されたシール紙を外部に排出するための開口である。
【0069】
IDタグリーダ/ライタ9は、IDタグに記録されている各種識別データを読み出して制御部10に出力するものである。IDタグは、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されており、このIDタグに記録される上記識別データとしては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、およびインク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0070】
制御部10は、IDタグリーダ/ライタ9で読み取った識別データに基づいて、装着されたシール紙及びインクフィルムが、当該写真シール機2において利用可能なものであるか否かを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ23を動作可能とさせる。すなわち、写真シール機2において指定されているシール紙およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0071】
また、上記写真シール機2では、IDタグに記録されている用紙枚数情報に基づいて、シール紙を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくように構成されている。したがって、写真シール機2は、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた場合、これを、例えば編集処理用タッチパネル20などの表示手段によって警告するような構成とすることにより、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0072】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグに記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグに記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグを無効にすることが可能となる。
【0073】
また、上記写真シール機2は、IDタグに記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことができるため、IDタグリーダ/ライタ9によって読み出したこれらの情報を考慮して画像データの色成分などを補正することができる。したがって、本実施の形態に係る写真シール機2は、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0074】
なお、IDタグとしては、無線によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ9としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0075】
なお、上記の実施例では、IDタグを利用して、上記写真シール機2において、利用可能なシール紙であるか否かを確認する構成となっているが、この確認はこれに限定されるものではない。例えば、シール紙及びインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができないなどの問題がある。
【0076】
なお、上記のシール紙としては、本実施の形態に係る写真シール機2では、粘着シート及び該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートである。しかしながら、このシール紙はこれに限定されるものではなく、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよい。
【0077】
制御部10は、写真シール機2が備える各部の各種制御を統括的に行うものである。制御部10は、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行なわれる。
【0078】
このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、写真シール機2がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。なお、本実施形態の制御部10の詳細については後述する。
【0079】
記憶装置11は、各種のデータおよびプログラムを記憶するものである。記憶装置11は、例えばハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。この記憶装置11に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、およびその他各種プログラム、CCDカメラ13における動作設定値、撮影した画像の画像データ、編集した画像の画像データなどが挙げられる。
【0080】
また、後述するが、記憶装置11に記憶されている画像データを読み出す場合、写真シール機2が設置されている店舗ごとに割り当てら得たパスワード(暗証情報)を入力するように構成されている。そこで、利用者が入力したパスワードの認証を行うために記憶装置11にはこのパスワードに関する情報もさらに記憶されている。また、CCDカメラ13における上記動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0081】
なお、この記憶装置11には、撮影された画像データが、図4(a)に示すような形式にて、制御部10からの制御によって保存されている。この図4(a)は、本発明の実施の形態に係る記憶装置11における画像データの記憶のさせ方の一例を示す図である。
【0082】
すなわち、前提として利用者X、Y、Zの3名で撮影を行ったとする。撮影後に得られた画像を元画像Aとすると、この画像は図4(a)の状態αに示すように、利用者X、Y、Zの3名によって共有されることとなる。ここで、利用者X、Y、Zそれぞれが、元画像Aと該元画像Aを編集するために組み合わせる画像(例えば、落書きデータまたはフレーム画像等)として、画像a、b、cをそれぞれ読み出し編集処理を行うものとする(状態β)。
【0083】
このように元画像Aに画像a、b、またはcを組み合わせて編集した後に、この編集画像を再保存する場合、記憶装置11では、利用者X、Y、Zそれぞれに共通するデータである元画像Aと、該元画像Aに組み合わせる画像a、b、またはcを、それぞれ分離させて記憶する。なお、この画像a、b、またはcは、それぞれ利用者X、Y、Zに対応付けられたデータとして記憶装置11に記憶されている。さらにまた、この画像a、b、またはcそれぞれは、読み出し時に元画像Aも共に読み出すことができるように該元画像Aにも対応付けられている。
【0084】
このように、本実施の形態に係る写真シール機2では、記憶装置11において、複数の利用者に共通する画像データ(元画像A)と、利用者ごとの画像データ(画像a、b、c)とを分離させて記憶させている構成である。このため、例えば図4(b)に示すように、元画像Aと該元画像Aに対する編集用画像データ(画像a、b、c)それぞれを組み合わせた状態で記憶する構成と比較した場合、利用者ごとに元画像Aを重複して記憶しなくてよいため、記憶させるデータ量を低減させることができる。なお、この図4(b)は、図4(a)に対する比較例を示す図である。
【0085】
より具体的には、例えば元画像データAのデータ量を9Mバイトとし、編集用に呼び出す画像a〜cそれぞれを3Mバイトとすると、本実施の形態に係る写真シール機2では、記憶装置11に15Mバイト分のデータが記憶される。一方、図4(b)に示す構成の場合、27Mバイトとなる。
【0086】
また、本実施の形態に係る写真シール機2では、予め登録済みのユーザのみ過去に撮影した画像を呼び出すことができるように構成されている。より具体的には、本実施形態では、利用者自身を識別する情報として、各利用者が所持する携帯電話機等の通信端末3に割り当てられているメールアドレス(識別データ、装置識別データ)を利用している。そこで、撮影した画像のデータを保存させ、後日この画像データを読み出したりするためには、利用者は予め自身が所持する通信端末3のメールアドレスを写真シール機2に登録させておく必要がある。
【0087】
なお、このメールアドレスの登録方法は以下のようにして行われる。すなわち、利用者が所持する通信端末3を操作して、赤外線による通信を通じて写真シール機2に該通信端末3に割り当てられているメールアドレスの情報を送信することで実現できる。そして、このメールアドレスの情報を、近距離無線通信部43を介して制御部10が受信し、記憶装置11に記録させる。なお、このメールアドレスを登録するタイミングは、撮影前、撮影中、撮影後の編集処理中、編集処理後のいずれでもよく特に限定されない。
【0088】
また、記憶装置11の記憶容量には制限があるため、記憶させる画像データが増加すると溢れてしまい記憶できなくなることが予想される。そこで、本実施の形態に係る写真シール機2では、記憶する各画像データに有効期限が設定されており、制御部10は、画像データが生成された日時(撮影日時)から所定期間経過後の画像データを削除するように設定されている。
【0089】
近距離無線通信部43は、通信端末3と無線通信を行うためのものである。この近距離無線通信部43は、制御部10から受信した各種データを、データ通信に適した形式に変換した後、通信端末3に対して赤外線により送信する。また、近距離無線通信部43は、通信端末3から赤外線により受信した各種データを装置内において対応できるデータ形式に変換した後、制御部10に送信する。
【0090】
次に、写真シール機2として機能するための制御部10の構成について説明する。図1に示されるように、制御部10は、機能ブロックとして、課金処理部25、撮影処理部26、画像編集処理部(編集処理手段)27、印刷処理部28、および記録管理部(管理手段・判定手段)29を備えてなる構成である。なお、この機能ブロックは、制御部10が例えばCPU等によって実現される場合、該CPUが記憶装置11に格納したプログラムを不図示のRAMなどに読み出し実行することにより実現できる。
【0091】
課金処理部25は、硬貨処理装置18から制御部10に硬貨の投入が通知されることにより課金処理を行うものである。課金処理部25は、課金処理が正常に完了したことを確認すると、すなわち、硬貨処理装置18からの通知をカウントし、利用者から硬貨処理装置18に所定の硬貨が所定枚数投入されたと判断すると、プレイ動作の開始を撮影処理部26に通知する。
【0092】
撮影処理部26は、課金処理部25からの通知に基づき撮影処理を行うものである。撮影処理は主に以下のように行われる。すなわち、まず、撮影枚数および撮影時間の設定を行う。次に、撮影の設定が行われる。具体的には、全身撮影またはアップ撮影の選択や、撮影アングルの調整が行なわれる。次に、CCDカメラ13が撮影するライブビュー画像をライブビューパネル14に表示する。利用者は、前記ライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとり、所望のタイミングで撮影処理用タッチパネル15の撮影ボタンを押すと、カウントダウン後に撮影が実行される。
【0093】
次に、撮影処理部26は、上記撮影によりCCDカメラ13が生成した撮影画像データを受信して、記録管理部29に記憶装置11に書き込むように指示する。そして、上記撮影の設定に戻って、上記の処理動作を、設定された撮影枚数および/または撮影時間に到達するまで繰り返す。
【0094】
画像編集処理部27は、利用者から入力された編集指示に基づき、画像編集処理を行うものである。すなわち、撮影処理が終了すると、画像編集処理部27は、記憶装置11から編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像を読み出し、編集処理用タッチパネル20に編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像が表示される。
【0095】
この画像に対して編集処理用タッチペン21を用いて編集処理が行われる。この画像には、例えば、編集処理を行うためのツール類の選択領域が表示されてもよい。ツール類としては、例えば複数の種類からなるペンおよびその色、消しゴム、および複数のスタンプなどが挙げられる。
【0096】
また、編集対象となる画像には、編集対象となる画像を選択するための選択画像がサムネイル表示されてもよい。そして利用者は、このサムネイル表示の中から編集処理用タッチペン21によって選択画像をタッチすることによって、中央に編集対象として表示される画像拡大表示させ切り替えることが可能となっている。なお、この選択画像は、上記の撮影処理において、複数回の撮影が行われた場合の各撮影時における画像に相当するものである。
【0097】
これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みに適合した画像を選択することができる。
【0098】
次に、選択された撮影画像を編集処理用タッチパネル20に表示し、編集処理用タッチペン21を用いて、撮影画像に対して背景画像の選択、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。そして、別の撮影画像に対して画像編集を行う場合には、編集画像データを記憶装置11に保存して、上記の画像編集処理を繰り返す。その後、画像編集処理の完了を印刷処理部28に通知する。画像編集処理部27は、画像編集処理を終了すると、その旨を印刷処理部28に通知するとともに、編集後の画像を記憶装置11に記憶させる。
【0099】
印刷処理部28は、画像編集処理部27からの通知に応じて印刷処理手続きを利用者に促し、該利用者からの指示に基づき印刷処理を実行するものである。より具体的には、この印刷処理は、主に以下のように行われる。すなわち、まず、画像編集処理部27から、画像編集処理の終了を示す通知を受信すると、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20に指示して、シール紙上での分割数または分割パターンを利用者に選択させるための表示を行わせる。この編集処理用タッチパネル20における表示に応じて、利用者が所望する分割数または分割パターンを示す情報を編集処理用タッチパネル20により入力する。印刷処理部28は、この利用者による入力を受信すると、該利用者により選択された分割領域ごとに、画像編集処理部27が編集処理した編集画像が印刷されるように、プリンタ23を制御してシール紙に印刷を行う。そして、印刷されたシール紙がシール紙排出口24から排出される。その後、印刷処理を終了し、利用者のプレイ動作を終了する。
【0100】
記録管理部29は、撮影処理部26、画像編集処理部27、または印刷処理部28からの指示に応じて、記憶装置11に撮影された画像データ等の情報を記録させたり、該記憶装置11からこの情報を読み出し、撮影処理部26、画像編集処理部27、または印刷処理部28に送信したりするものである。
【0101】
また、記憶装置11から画像データを読み出す際、記録管理部29は、近距離無線通信部43から利用者の識別データとして該利用者の保持する通信端末3のメールアドレスを受信する。そして、この受信したメールアドレスが既に登録されているか否かを判定することによって、画像データの読み出しを指示する利用者が正規の利用者であるか否かを判定する。そして、記録管理部29が正規の利用者であると判定した場合、図5に示すテーブル情報を参照して、メールアドレスに対応付けられている画像データの情報(画像情報)によって特定される画像データを読み出し画像編集処理部27または印刷処理部28に送信する。なお、図5は、登録済みのメールアドレスの情報と、該メールアドレスが割り当てられている通信端末3の利用者の画像データを特定する画像情報との対応関係を示すテーブルの一例を示す図である。また、この画像情報には、記憶装置11の記憶領域における画像データの格納位置を示すアドレス情報、画像データの作成日時、画像データのデータ量等、画像データを特定するために必要となる情報が含まれている。
【0102】
また、記録管理部29は、図5に示すテーブルに含まれる画像情報を参照して、記憶装置11に記憶している画像データのうち、有効期限を越えた画像データについては削除する。
【0103】
以上のように、本実施の形態に係る写真シール機2は、当該写真シール機2内に記憶装置11を備え、撮影後の画像データを記憶させておく構成である。このため、過去に撮影した画像データを利用して印刷処理等を所望する場合、利用者は、この写真シール機2に足を運ばなければならないこととなる。このため、写真シール機2は、利用者、特にはリピータとしての利用者の利用を促進させることができる。
【0104】
さらには、本実施の形態に係る写真シール機2は、撮影した画像データを保持するために、該画像データをサーバ等の外部の装置に送信する必要がない。このため、常にサーバと通信可能に接続できる環境に当該写真シール機2を設置する必要がなく、該写真シール機2の設置場所に対する制限を低減させることができる。
【0105】
また、上記写真シール機2は、記憶装置に記憶している画像データを読み出す場合、該画像データの利用者が保持する通信端末3のメールアドレスを識別データとし、該利用者が正規の利用者であるか否か判定する構成である。そして、この写真シール機2は、このメールアドレスを、利用者が所持する通信端末3から赤外線により受信することができる構成である。したがって、上記利用者は、上記メールアドレスを写真シール機2に入力するために、例えば編集処理用タッチパネル20を操作して入力するなど煩雑な操作を実行する必要がない。したがって、写真シール機2に保存している画像を読み出す場合、効率よく該画像を読み出すことができる。
【0106】
また、上記したように過去の画像を効率よく読みだすことができるため、例えば、利用者が編集処理として定められている時間範囲内で、過去に撮影した画像データを読み出す必要がある場合、この過去の画像の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
【0107】
(通信端末の構成)
次に、通信端末3の構成について説明する。図1に示されるように、通信端末3は、端末本体に設けられる端末制御部30、端末記憶装置31、端末通信処理部32、第1アンテナ33、および第2アンテナ34を備えてなる構成である。
【0108】
上記端末制御部30は、通信端末3の各部の各種制御を行うものである。端末通信処理部32は、端末制御部30からの指示に応じて、第1アンテナ33を通じて、写真シール機2との接続を確立させるように制御するものである。すなわち、上記したように通信端末3と写真シール機2とでは赤外線により情報の送受信を行うことができるようになっている。そこで、端末通信処理部32は、第1アンテナ33を通じて写真シール機2と赤外線による通信を確立させ、情報を赤外線による通信で送受信できる形式に変換させる。また、この端末通信処理部32は、第2アンテナ34を制御して、基地局〈図示せず〉を介して例えば他の通信端末3等と通信を確立させることもできる。
【0109】
端末記憶装置31は、読み書き可能な記録媒体であり、各種のデータおよびプログラムを記憶するものである。この端末記憶装置31に記憶される内容としては、通信端末3の各種制御を実行させるための制御プログラム、およびその他各種プログラム、写真シール機2から受信した画像データなどが挙げられる。
【0110】
(写真シール作成処理)
ここで、図6を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における写真シール作成処理について説明する。なお、この写真シール作成処理とは、利用者が、写真シール機2を訪れ、硬貨を投入し撮影を行い、得られた画像データを編集して写真シールとして印刷するまでの一連の処理である。この図6は、本実施の形態に係る写真シール機2における写真シール作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
まず、利用者は、撮影空間にて、硬貨投入口から硬貨を投入する(ステップS11、これ以降ではS11のように称する)。利用者により所定金額分の貨幣が投入されると、撮影処理用タッチパネル15に撮影処理実行に関する処理手順が表示され、また、スピーカ17から撮影処理の案内放送が流れる。そして、案内放送および撮影用タッチパネルによる指示に従い、撮影処理を実行する(S12)。この撮影処理の詳細は後述する。撮影処理が終了すると、撮影処理部26からの指示に応じて、撮影処理用タッチパネル15において編集空間への移動を案内する情報が表示される(S13)。この案内にしたがって、利用者は、撮影空間から編集空間へと移動する。
【0112】
利用者が編集空間へと移動すると、編集処理用タッチパネル20において、保存されている過去の画像データを編集処理に利用するか否かを問い合わせる表示と、撮影した画像の長期保存を要求するか否かを問い合わせる表示とがなされている(S14)。ここで、過去の画像データを利用して編集処理を行う場合、および/または撮影した画像データを記憶装置11に長期的に記憶させる場合(ステップS14において「Yes」)、利用者は、保存された過去の画像データの読み出し、および/または撮影した画像データの長期的保存の要求を、編集処理用タッチパネル20を操作して指示する(S15)。
【0113】
なお、上記長期的保存とは、撮影した画像データを編集するためにメモリ等に一時的に記憶することではなく、ある程度の期間写真シール機2で保持しておき必要に応じて過去の画像データとして読み出せるように記憶装置11に記憶させることを意味する。
【0114】
この指示に応じて、画像編集処理部27は過去の画像データの読み出し処理、および/または撮影した画像データの保存処理を行う。ここで、過去の画像データを読み出し、該画像データに対する編集処理を行う場合、この画像を編集処理用タッチパネル20に表示させる。なお、この過去の画像データの読み出し処理、および撮影された画像の保存処理「画像保存・読み出し処理」の詳細については後述する。そして、「画像保存・読み出し処理」が終了すると、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して次に編集処理を行う(S16)。一方、過去の画像データを利用しない場合、および撮影した画像データを記憶装置11に長期的に記憶させない場合、すなわち、先ほど撮影した画像データのみに対する編集処理を行う場合(S14において「No」)は、ステップS14からステップS16の編集処理へと進む。
【0115】
ステップS16における編集処理の開始時では、編集処理用タッチパネル20において、編集用画面とともに、撮影した画像データまたは読み出した過去の画像データに対する編集処理方法を説明する案内が表示されている。また、編集用スピーカ19によって音声により編集方法が案内されている。利用者は、この案内表示および音声の指示に従い、編集指示を編集処理用タッチパネル20から入力する。
【0116】
このように表示および音声案内に従い、利用者によって編集指示が入力されると、この指示に応じて、画像編集処理部27は、記録管理部29を介して先ほどの複数回の撮影により生成された画像データまたは、保存されている過去の画像データを記憶装置11から読み出し、これらの画像データに基づく撮影画像を編集処理用タッチパネル20に表示するように制御する。
【0117】
この撮影画像が編集処理用タッチパネル20に表示されると、利用者は、これらの撮影画像の中から落書きなどの編集処理を行う画像の選択を行う。これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みに適合した画像を選択することができる。
【0118】
次に、選択された撮影画像を編集処理用タッチパネル20に表示し、編集処理用タッチペン21を用いて、背景画像の選択、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。そして、さらに別の撮影画像に対しても編集を行う場合には、編集済みの撮影画像を合成画像として、記憶装置11に一時保存しておく。そして、さらなる撮影画像に対する上記画像編集処理を繰り返し、編集処理後の画像データを続く印刷処理にて出力させるデータとして記憶装置11に一時記憶する。そして、画像編集処理部27は、編集処理の完了を印刷処理部28に通知する。また、編集処理が終了すると、編集空間にて利用者は、編集処理用タッチパネル20の操作ボタンを操作して、シール紙にプリントする画像の分割数または分割パターンなどを設定し印刷処理の実行指示を入力する。
【0119】
この利用者による入力に応じて、印刷処理部28は、ステップS16の編集処理にて得た編集画像をシール紙に印刷するように、プリンタ23を制御する(S17)。このように編集処理および印刷処理を実行した後、編集処理用タッチパネル20では、印刷空間に移動しシール紙が排出されるのを待機する旨を案内する案内画面が表示される(S18)。
【0120】
そして、印刷されたシール紙がシール紙排出口24から排出される(S19)。なお、ステップS17に示す印刷処理についての詳細は後述する。
【0121】
(撮影処理)
図7を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における利用者の撮影処理について説明する。図7は本実施の形態に係る写真シール機2にて実行される撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【0122】
ステップS11で利用者から投入されると、課金処理部25が投入された硬貨が所定の金額に達したか否かを判定する(S21)。この判定において、課金処理部25が投入された硬貨が処理の金額に達していないと判定している間(S21において「No」)、撮影処理部26が、撮影処理用タッチパネル15を制御して、撮影例、イラスト、アニメーション等のデモ画像を表示させる(S22)。
【0123】
一方、課金処理部25が、投入された金額が所定の金額に達したと判定した場合(S21において「Yes」)、この判定結果を撮影処理部26に通知する。すなわち、課金処理部25は、硬貨処理装置18からの硬貨の投入の通知をカウントし、利用者から硬貨処理装置18に所定の硬貨が所定枚数投入されたと判断すると、プレイ動作の開始を撮影処理部26に通知する。
【0124】
撮影処理部26は、課金処理部25からの通知に基づき、デモ画像の表示を停止させ、撮影処理に係る設定を促す表示に切り替える。そして、撮影処理部26は、利用者からの入力を、撮影処理用タッチパネル15を介して受付け、撮影処理に係る設定を行う(S23)。すなわち、撮影処理部26は、まず、複数ある撮影コースを指定し、指定した撮影コースの中の撮影枚数、背景および撮影時間などの設定を行うための表示を撮影処理用タッチパネル15で行う。この表示に従い、利用者が撮影処理用タッチパネル15を操作して、撮影枚数および撮影時間の設定を行う。撮影枚数および撮影時間に関する設定が完了すると、撮影処理部26は、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などを促す表示を撮影処理用タッチパネル15に指示して行う。この表示を参照して利用者は、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などに関する指示を示す情報を、撮影処理用タッチパネル15を操作して入力する。
【0125】
撮影処理用タッチパネル15は、利用者から入力された上記情報を受け付けると撮影処理部26に通知する。撮影処理部26は、撮影処理用タッチパネル15から受信した通知に応じて、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などの設定を行う。続いて、撮影処理部26は、CCDカメラ13を起動させ、CCDカメラ13によって撮影された画像(ライブビュー画像)をライブビューパネル14に表示する。
【0126】
利用者は、前記ライブビューパネル14に表示されたライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとる。そして、利用者が、所望のタイミングで撮影処理用タッチパネル15の撮影開始を示すボタンを押下する、あるいは所定時間が経過すると(S24において「Yes」)撮影画像の生成を行う(S25)。
【0127】
一方、撮影開始を示すボタンの押下される、あるいは所定時間が経過するまで、すなわちステップS24において「No」の間では、撮影の設定を行う。また、本実施の形態に係る写真シール機2では、上記所定時間の経過は、撮影処理用タッチパネル15にカウントダウンインジケータを表示させて利用者に通知するように構成されている。
【0128】
ここで、上記ステップS24において「Yes」と判定された場合、上記撮影によりCCDカメラ13が画像データを生成し(S25)、生成した画像データを撮影処理部26に送信する。撮影処理部26は、生成された画像データを受信して、記録管理部29に記憶装置11に書き込むように指示する。この撮影処理部26からの指示に応じて記録管理部29は、生成された画像データを記憶装置11に保存させる(S26)。このように生成された画像データが編集処理用に記憶装置11に一時記憶すると、再度上記撮影画像の生成に戻って、上記の処理動作を、設定された所定撮影時間に到達するまで、または撮影終了を示すボタンが押下されるまで、すなわちステップS27において「Yes」と判定されるまで繰り返す。一方、ステップS27において「Yes」と判定されると撮影処理は終了して、図6に示すステップS13に進む。
【0129】
(画像保存・読み出し処理)
図8および図9を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における画像保存および読み出し処理について説明する。図8および図9は本実施の形態に係る写真シール機2にて実行される画像保存および読み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
なお、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2を利用する利用者は予め自身が所持している通信端末3のメールアドレスを該写真シール機2において登録してあるものとする。
【0131】
まず、上記したステップS14において「Yes」の場合、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を介して、撮影画像の保存および/または過去の画像の読み出しを要求する旨の指示を受け付ける。画像編集処理部27は、この指示を受け付けると、編集処理用タッチパネル20に指示して、利用者が所持する通信端末3に割り当てられているメールアドレスを送信するように要求する旨の表示を行う。また、さらに画像編集処理部27は、記録管理部29に対して受信したメールアドレスに対応するメールアドレス情報が登録されているか否かを判定するように指示する。
【0132】
この表示に応じて、利用者が通信端末3から、赤外線によりメールアドレスを写真シール機2に送信すると(S30)、このメールアドレスは、近距離無線通信部43が受信する。そして、近距離無線通信部43は、受信したこのメールアドレスを記録管理部29に送信する。
【0133】
記録管理部29は、近距離無線通信部43からメールアドレスを受信すると、画像編集処理部27からの指示に応じて、該メールアドレスに対応するメールアドレスが既に登録されているか否かを判定し、メールアドレスの確認を行う(S31)。この判定において、「Yes」の場合、記録管理部29は、確認が取れたメールアドレスとして編集処理用タッチパネル20に表示させるように画像編集処理部27に指示する。
【0134】
この指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して確認が取れたメールアドレスの表示を行う(S34)。このように、確認が取れたメールアドレスを表示させることにより、利用者が所持する通信端末3に割り当てられているメールアドレスの適否を利用者に視覚的に確認させることができる。
【0135】
一方、送信中における何らかの阻害要因によりメールアドレスが正常に送信できず確認が取れない場合(S31において「No」)、記録管理部29は、このメールアドレスの入力回数が所定回数(例えば3回)以上に達しているか否かを判定する(S32)。ここで、記録管理部29が、メールアドレスの入力回数が所定回数(例えば3回)未満であると判定した場合(S32において「No」)、画像編集処理部27に指示して再度メールアドレスの送信を要求するリトライ表示を行うように指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御してリトライ表示させ、メールアドレスの再送を利用者に促す。
【0136】
一方、メールアドレスの入力回数が3回以上に達していると判定した場合、記録管理部29は、編集処理用タッチパネル20にてメールアドレスを入力する旨の表示を行うよう画像編集処理部27に指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御してメールアドレスの入力操作を促す表示を行う(S33)。
【0137】
画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して確認がとれたメールアドレスを表示させた後(S34)、撮影された画像を長期的に保存するのか否かを問い合わせる表示を行う。この問い合わせに対して、利用者から、撮影された画像ごとに長期的保存を要求する旨の指示を示す情報を、編集処理用タッチパネル20を介して受け付けると(S35において「Yes」)、画像編集処理部27は、上記した撮影処理にて作成し長期的保存を要求した撮影画像の画像データと、確認が取れたメールアドレスとを対応づけて記憶装置11に記録するように記録管理部29に指示する。
【0138】
この画像編集処理部27からの指示に応じて、記録管理部29は、記憶装置11において一時的に記憶させている上記撮影処理にて生成した画像データと、上記メールアドレスとを対応づけて記憶装置11に記憶させる(S36)。なお、本実施の形態に係る写真シール機2では、上記したように保存される画像データには有効期限が設定される構成である。このため、上記画像データをメールアドレスと対応付けて記憶装置11に記憶させる際に、保存可能とする期間を示す情報も一緒に割り当てる。
【0139】
また、利用者が複数人であり、保存する画像データがこれら複数人の利用者によって共有されるものである場合、該画像データに対して利用者それぞれのメールアドレスを対応付けるようにして記憶装置11に記憶させる。
【0140】
なおここで、複数人の利用者により画像データが共有され記憶装置11に記憶される場合の処理について説明する。編集処理用タッチパネル20にてメールアドレスの入力操作を促す表示が行われると(S33)、各利用者がメールアドレスをそれぞれ入力する。そして、編集処理用タッチパネル20において複数人のメールアドレスが表示され(S34)、各利用者が順次画像データの長期的保存を指示し(S35)、長期的保存が指示された画像データが各メールアドレスに対応づけられ記憶装置11に記憶される(S36)。なお、画像データの長期的保存の指示は、表示されているメールアドレスの順に各利用者が順次行う構成であってもよい。
【0141】
続いて、ステップS35において「No」の場合、すなわち、撮影された画像の長期的な保存を要求するものではない場合、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して、過去に撮影された画像(過去画像)の読み出しを要求するか否かを問い合わせる表示を行う(S37)。
【0142】
この問い合わせの表示に対して、利用者から過去画像の読み出しを要求するものである旨の指示を、編集処理用タッチパネル20を介して受信すると、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して、パスワードの入力画面の表示を行う(S38)。すなわち、パスワードの入力画面を編集処理用タッチパネル20に表示させることにより、パスワードの入力を利用者に促す。
【0143】
なお、このパスワードは、写真シール機2が設置されている店舗ごとに設定されるものであり、同一店舗内にある写真シール機2において記憶している画像データを読み出す場合、すべて同じパスワードとなる。すなわち、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2に記憶されている各画像データごとにパスワードを設定するのではなく、写真シール機2が設置されている店舗ごとにパスワードを設定する構成である。このため、利用者が記憶しておくべきパスワードの数を低減させることができる。
【0144】
また、このパスワードは、写真シール機2において会員登録を行い正規の利用者として認められている利用者に対してのみ発行されるものである。したがって、利用者は、会員登録時に各店舗からこのパスワードの発行を受けることとなる。
【0145】
編集処理用タッチパネル20に表示されたパスワードの入力画面に対して、該編集処理用タッチパネル20を操作して利用者がパスワードを入力すると、この入力したパスワードを画像編集処理部27が受信する。そして、画像編集処理部27は、受信したパスワードを記録管理部29に送信し、該パスワードの認証を指示する。この指示に応じて、記録管理部29は、記憶装置11から予め記憶されているパスワードを読み出し、利用者により入力されたパスワードと一致するか否かを判定する(S39)。ここで、記録管理部29が、上記パスワードが一致すると判定した場合(S39において「Yes」)、ステップS31にて送信されたメールアドレスに対応する過去の画像データを記憶装置11から読み出す。そして、記録管理部29はこの読み出した画像データを画像編集処理部27に送信し、編集処理用タッチパネル20に表示させるように指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20において読み出した画像データを表示させる(S40)。
【0146】
一方、ステップS39において入力されたパスワードと、予め記憶装置11に記憶させているパスワードとが一致しない場合(S39において「No」)、記録管理部29は、この入力されたパスワードの入力回数が所定回数(例えば3回)以上であるか否かを判定する(S41)。この判定において、パスワードの入力回数が所定回数(例えば3回)に満たない間は、記録管理部29は、印刷処理部28に指示して、編集処理用タッチパネル20にパスワードの再入力を促す表示を行う。これに対して、ステップS41において、パスワードの入力回数が所定回数(例えば3回)以上であると判定した場合(S41において「Yes」)、記録管理部29は、画像編集処理部27を指示して、編集処理用タッチパネル20にエラー表示させる(S42)。
【0147】
また、記録管理部29は、パスワードの入力に失敗した利用者のメールアドレスに対応する画像データが記憶装置11に存在するか否か判定する(S43)。この判定において「Yes」の場合、記録管理部29は、該当する画像データをすべて削除する(S44)。
【0148】
なお、このステップS44における画像データの削除処理は、パスワードの入力に失敗した利用者のメールアドレスに対応する画像データが記憶装置11に存在すると判定された場合、すぐに行う構成であってもよい。また、削除対象であるこのデータに対して削除されない期限(画像データの有効期限)を所定期間(例えば1週間)と設定する構成であってもよい。このように有効期限を所定期間設定する構成では、この所定期間中に、この削除対処の画像データに対しての問い合わせがある場合などでは削除を行わないものとし、写真シール機2が設置されている店舗運営者側で、この問い合わせがあった画像データの削除設定を解除するなど個別の設定を行ってもよい。また、このように、店舗運営者側で、画像データの削除設定が解除された場合、この削除設定が解除された旨を利用者に通知する構成であってもよい。
【0149】
上記したステップS40に示すようにパスワードの認証を行い、過去画像データが編集処理用タッチパネル20において表示させると、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20において表示された過去画像の保存を行うか否かを問い合わせる表示も行う(S45)。この問い合わせの表示に対して、利用者からこの過去画像の再保存を要求する旨の情報を、編集処理用タッチパネル20を介して画像編集処理部27が受け付けた場合(S45において「Yes」)、この受け付けた情報を記録管理部29に通知する。
【0150】
記録管理部29は、画像編集処理部27から受け付けた通知に応じて、編集処理用タッチパネル20に表示させている画像データ(過去画像データ)と、利用者の通信端末3のメールアドレスとを対応付けて記憶装置11に再保存する(S46)。このように過去画像データを再保存する際、記録管理部29は、該過去画像データに設定されていた有効期限を再設定しなおす。このため、過去画像データを記憶装置11に保存しておく期間を延長させることができる。
【0151】
一方、そのまま編集処理用タッチパネル20において表示している過去画像の保存が指示されない場合(ステップS45において「No」)、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20において、表示されている過去画像における削除指示の問い合わせを行う(S48)。この問い合わせに対して、利用者から表示されている過去画像のうち特定の過去画像、あるいはすべてに対する削除指示を、編集処理用タッチパネル20を介して受け付けると、画像編集処理部27は、削除指示された過去画像の情報を記録管理部29に通知する。
【0152】
記録管理部29は、画像編集処理部27から上記した通知を受信すると、編集処理用タッチパネルにおいて表示させている画像のうち削除指示された画像の画像データを記憶装置11から削除する。このようにして、本実施の携帯に係る写真シール機2では、記憶装置11に記憶させている過去画像データの更新を行う(S49)。
【0153】
上記のようにして過去画像が削除され、更新されると、ステップS40に戻り、更新された状態、すなわち、削除されずに残った記憶装置11に保存中の過去画像データは、再度編集処理用タッチパネル20に表示される。なお、ステップS48において「No」の場合も、再度ステップS40に戻り処理を繰り返す。
【0154】
上記したステップS46において、過去画像データを記憶装置11に再保存すると、記録管理部29は、編集処理用タッチパネル20において編集画面を立ち上げるように画像編集処理部27に指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20において、編集画面の表示を行う(S47)。そして、ステップS16の編集処理に進み、この編集画面において、利用者に編集対象とする画像を選択させ、編集処理を指示させる。
【0155】
(印刷処理)
次に、図10を参照して本実施の形態に係る写真シール機2における印刷処理の詳細について説明する。図10は、本実施の形態に係る写真シール機2における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【0156】
上述したように、画像編集処理部27は、画像編集処理を終了すると、その旨を印刷処理部28に通知するとともに、編集後の画像を記憶装置11に記憶させる。
【0157】
画像編集処理部27から、画像編集処理の終了を示す通知を受け、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20に指示して、シール紙上での分割数または分割パターンを利用者に選択させるための表示を行わせる。この編集処理用タッチパネル20における表示に応じて、利用者が所望する分割数または分割パターンを示す情報を、編集処理用タッチパネル20を介して印刷処理部28が受け付ける。そして、印刷処理部28は、このようにして利用者から入力された情報に基づき画像の印刷データを作成する(S61)。そして、印刷処理部28は、印刷データを作成すると、プリンタ23を制御して起動させるとともに、該プリンタ23のステータスが正常であるか否かを確認する(S62)。ここで、プリンタ23のステータスが正常でない場合、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20を制御して、プリンタがエラー状態である旨を示すエラーメッセージを表示させる(S63)。このエラーメッセージの表示は、プリンタ23のステータスが正常となるまで継続される。
【0158】
一方、起動させたプリンタ23のステータスが正常である場合、印刷処理部28は、利用者により選択された分割領域ごとに、画像編集処理部27が編集処理した編集画像が印刷されるように、プリンタ23を制御してシール紙に印刷を行う(S64)。
【0159】
以上のように、本実施の形態に係る画像提供システム1では、撮影した画像データを写真シール機2自身に記憶させる構成である。このため、記憶させた画像データを再利用する場合、利用者は常に画像データを記憶させている写真シール機2に足を運ぶこととなり、写真シール機2を利用する機会を向上させることができる。特には、リピータとして写真シール機2を再度利用する利用者の割合を向上させることができる。さらにはまた、撮影した画像データを外部のサーバ等に記憶させる構成と比較して、該サーバとの接続を確立させる必要がない。このため、写真シール機2の設置環境を上記サーバと通信可能に接続できる環境に限定する必要がない。上記写真シール機2が主として設置されるゲームコーナは、商業施設の最上階部分であったり、雑居ビル等の地下部分であったり必ずしも通信環境が整った場所に設置されるとは限らない。このため、本実施の形態に係る写真シール機2のように、外部のサーバ等と通信可能に接続されている必要がない構成は特に有利となる。
【0160】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、図6に示すように、編集空間にて、利用者が編集処理用タッチパネル20を操作して過去画像データを読み出す構成であった。しかしながら、この過去画像データを読み出す空間およびタイミングはこれに限定されるものではなく、例えば、撮影処理を行う前に、撮影空間にて過去画像データを読み出す構成であってもよいし、撮影処理中に撮影空間にて過去画像データを読み出す構成であってもよい。
【0161】
このように撮影空間にて過去画像データを読み出す場合、写真シール機2は、近距離無線通信部43を撮影空間内にて設ける構成となる。そして、利用者が撮影処理用タッチパネル22を操作して過去画像データの読み出しを指示することとなる。
【0162】
さらにはまた、図11に示すように、本実施の形態に係る写真シール機2は、利用者の識別データであるメールアドレスおよび、パスワードを撮影処理の前に入力し、過去画像データを読み出すための事前接客空間を設けた構成としてもよい。写真シール機2がこのような事前接客空間を備える構成の場合、利用者の移動の流れは下記のようになる。
【0163】
すなわち、前提として、利用者A1とA2のグループと、利用者B1とB2のグループとの2グループが写真シール機2を利用するものとする。そして、前者のグループから順に写真シール機2を利用するものとする。
【0164】
このような前提において、利用者A1とA2とがそれぞれ先に事前接客空間にて、メールアドレスとパスワードとを入力し、過去に撮影した画像データを表示させる。そして、利用者A1とA2とのグループは、撮影空間に移動し撮影を行う。このように、利用者A1とA2とが撮影を行っている間、利用者B1とB2とは、事前接客空間に移動し、この利用者A1とA2と同様にメールアドレスとパスワードとを入力し、過去に撮影した画像データを読み出し表示させる。
【0165】
利用者A1とA2とのグループが撮影空間にて撮影処理を終了させると、編集空間へと移動する。本実施例では、編集空間では同時に2組が編集処理を行うことができるようになっている。そこで、図11に示す例では、利用者A1とA2のグループは、撮影空間における左側の領域に移動し、編集処理および印刷処理を行う。
【0166】
一方、利用者A1とA2とのグループが編集空間に移動すると、利用者B1とB2とのグループは撮影空間に移動し、撮影処理を行う。そして、撮影処理を終えると、編集空間の開いている側の領域(図11における編集空間の右側の領域)へと移動する。そして、利用者B1とB2とは、先に編集および印刷処理中の利用者A1とA2のグループと対向する位置にて編集および印刷処理を行う。
【0167】
このように事前接客空間にて過去画像データを読み出す場合、写真シール機2は、該事前接客空間において、下記の部材をさらに備える構成となる。すなわち、事前接客空間において実行する処理についての案内を表示したり、利用者からの入力を受け付けたりするタッチパネルと、このタッチパネルに付随して設置されているタッチペンとをさらに備える。そして、利用者が事前接客処理用に設けられたこのタッチパネルを操作して過去画像データの読み出しを指示することとなる。また、利用者が所持する通信端末3からメールアドレスおよびパスワードの入力を受け付ける近距離無線通信部43、および硬貨処理装置18をこの事前接客空間内にて設ける構成となる。
【0168】
以上のように過去画像データを撮影処理前に読み出す構成の場合、過去に撮影した画像の履歴を利用者が確認することができる。また、過去画像データを撮影処理中に読み出す構成の場合、過去に撮影した撮影ポーズを参考にして撮影処理を行うことができる。
【0169】
また、本実施の形態に係る写真シール機2を、図12に示す写真シール機200のように、さらに通信ネットワーク4を通じて外部のサーバ(管理装置・サーバ装置)5と接続できる構成とし、該サーバ5に撮影した画像データの一部を記憶させる構成であってもよい。この写真シール機200の構成は、図1に示す写真シール機2の構成において、さらに通信ネットワーク4を通じて上記サーバ5との接続を確立させるための通信処理部12を備えたものとなる。そして、この通信処理部12は、記録管理部29からの指示に応じて、記憶装置11に記憶させている画像データをサーバ5に送信したり、該サーバ5に記憶させている画像データを取得させたりする。
【0170】
このように、自身が備える記憶装置11のみならず、さらに外部のサーバ5に撮影した画像データを記憶させることができる構成とすることにより、記憶できる画像データの総データ量を大きくすることができる。
【0171】
また、本実施の形態に係る写真シール機2では、上述した「画像保存・読み出し処理」において、利用者の識別データとしてメールアドレスを入力する構成であった。しかしながら、この識別データとして各利用者に発行されている認証番号を利用する構成であってもよいし、撮影された利用者の顔画像から抽出した特徴点の情報を利用する構成であってもよい。
【0172】
より具体的には、図6に示すステップS12の撮影処理において、写真シール機2は、利用者の撮影を行い、取得した撮影画像の中から上記利用者の顔画像を認識する。そして、写真シール機2は、認識した顔画像に基づいて、該利用者の顔の特徴点を抽出し、抽出した顔の特徴点に基づいて顔IDを作成する。そして、写真シール機2は、この作成した顔IDを利用者に通知するとともに、撮影した利用者の画像に付加して記憶装置11に一時記憶させる。一方、利用者は、この通知された顔IDを、自身に対して割り当てられた識別データとして入力する。
【0173】
なお、このように利用者の顔IDを利用して過去画像データの読み出しを行う構成の場合、下記のように読み出す過去画像データを加工処理することができる。すなわち、例えば過去画像データに複数人の顔が撮影されている場合、この利用者のIDに対応する顔画像以外はモザイク処理等の加工処理を施し編集処理用タッチパネル20に表示させる。このように、利用者以外の顔の画像を非表示とすることで、個人情報の保護を強化させることができる。
【0174】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、利用者の識別データとして該利用者が所持する通信端末3のメールアドレスを赤外線により送信する構成であったが、このようなメールアドレスの送信方法はこれに限定されるものではない。例えば、通信端末3のメールアドレスを記録したRFID(Radio Frequency Identification)タグを通信端末3が備え、一方、写真シール機2が、近距離無線通信部43の代わりにRFIDタグリーダ/ライタを備える構成としてもよい。このような構成の場合、通信端末3が有するRFIDから該通信端末3のメールアドレスを、写真シール機2が備えるRFIDタグリーダ/ライタが読み出し、制御部10に送信する構成となる。
【0175】
また、通信端末3が基地局を介して写真シール機2と通信可能となる構成である場合、下記のようにして該通信端末3から写真シール機2にメールアドレスを送信する構成としてもよい。すなわち、写真シール機2には、該写真シール機2のURLを示す情報を含むQRコード(登録商標)または電子透かしが備えられており、このQRコードまたは電子透かしを通信端末3が備えるカメラ機能によって読取る。通信端末3はQRコードまたは電子透かしを読取ると、上記写真シール機2のURLを抽出する。そして、通信端末3は、基地局を介してこのURL先に空メールを送信することにより、該通信端末3のメールアドレスを識別データとして入力することができる。
【0176】
なお、上記したQRコードから写真シール機2のURLを取得し、該URL先に空メールを送信する構成の場合、このQRコードは写真シール機2において複数備えられていることが好ましい。すなわち、QRコードが複数備えられている構成では、利用者が複数人の場合において複数人がそれぞれ別々のQRコードで一斉に上記URLを取得する。そして、このURL先に対する接続を確立させ、空メールを送信することができ、メールアドレスの送信にかかる操作時間を、QRコードが1つの場合と比較して大幅に短縮させることができる。
【0177】
また、上記したように、本実施の形態に係る写真シール機2では、記憶する各画像データに有効期限が設定されている。そこで、通信端末3が基地局を介して写真シール機2と通信可能となる構成である場合、有効期限が近づいている画像データの情報等をメールなどによって通知する構成であってもよい。このような通知を行うことにより、利用者の写真シール機2への訪問回数を促進させることができる。
【0178】
また、上記したように、本実施の携帯に係る写真シール機2は、通信端末3から赤外線によりメールアドレスを送信し、編集処理用タッチパネル20を操作してパスワードを入力する構成であったが、このパスワードも通信端末3から赤外線により写真シール機2に送信する構成であってもよい。
【0179】
なお、上記した写真シール機2が記憶する画像データは、撮影部40の各部が連動して撮影された画像の画像データであるが、これに限定されるものではない。例えば、通信端末3がカメラ機能を有しており、該通信端末3のカメラ機能によって撮影された画像データを、該通信端末3から近距離無線通信部43を介して受信し、記憶装置11に記憶させたものであってもよい。
【0180】
また、上記した画像提供システム1は、1台の写真シール機2に対して、通信端末3から入力した例えばメールアドレス等の識別データに応じて、撮影画像の画像データを保存したり、過去画像の画像データを読み出したりすることができる構成であった。しかしながら、上記したような写真シール機2を複数台、通信ネットワーク4を通じて接続させ、該通信ネットワーク4によって接続されている写真シール機2すべてに記憶されている画像データを対象にして、所望する画像データの読み出しを行う構成とすることができる。そこで、以下実施形態2として、複数台の写真シール機が通信ネットワーク4を通じて相互に接続され、それぞれの写真シール機が保持する画像データを共有できる画像提供システムについて図13〜図18を参照して説明する。
【0181】
(実施形態2)
図13に示すように、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る画像提供システム100は、複数台の写真シール機(画像編集装置)201(写真シール機201a〜写真シール機201l)と、サーバ(管理装置・サーバ装置)5とを備えてなる構成である。なお、写真シール機201a〜201lは特に区別する必要がない場合には写真シール機201と称する。また、この図13は、本発明の別の実施形態を示す図であり、画像提供システム100の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0182】
この画像提供システム100では、複数の店舗(店舗A〜C)それぞれにおいて、複数台の写真シール機201が設置されており、各写真シール機201とサーバ5とが互いに通信ネットワーク4を通じて接続されている。すなわち、この画像提供システム100では、上記サーバ5によって、画像データの検索用データベースの提供と各写真シール機201の接続管理とを行い、画像データ自体のやり取りは、各写真シール機201間の直接接続によって行われる。すなわち、この画像提供システム100は、サーバ5の媒介を要する、いわゆるP2P(Peer to Peer)技術を利用するものである。
【0183】
上記写真シール機201は、図17に示すように図1に示す構成において、通信ネットワーク4を通じて他の写真シール機201または、サーバ5との通信を確立する通信処理部12を備え、制御部10が、この通信処理部12を制御して他の写真シール機201に保存されている画像データ(過去画像データ)の要求を行う画像要求部(問い合わせ手段・取得手段)35を機能ブロックとしてさらに備える点で異なる。これ以外の部材については、図1に示す写真シール機2の構成と同様である。このため、同じ部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。なお、この図17は、本発明の別の実施形態(実施形態2)を示す図であり、写真シール機201の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0184】
すなわち、実施形態2に係る写真シール機201が備える通信処理部12は、制御部10が有する画像要求部35からの指示に応じて、通信ネットワーク4を通じてサーバ5および他の写真シール機201と通信を確立するものである。
【0185】
また、上記画像要求部35は、「画像保存・読み出し処理」における過去画像の読み出し処理において、他の写真シール機2に保存されている過去画像の画像データを読み出す場合、所望する過去画像の画像データを保持する写真シール機2をサーバ5に問い合わせるものである。また、この画像要求部35は、サーバ5からの、問い合わせに対する応答から、所望する過去画像の画像データを保持する、他の写真シール機201を特定し、この写真シール機201に上記過去画像の画像データを送信するように要求するものでもある。
【0186】
サーバ5は、写真シール機201からの画像データの取得要求に対して、取得が所望される画像データを所持する写真シール機201を特定し、該写真シール機201に対して画像データを、該画像データの取得を所望する写真シール機201に送信するように指示するものである。このサーバ5は、図14に示すような、各写真シール機201が記憶している画像データのリスト情報である画像管理データ(管理テーブル)51を保持している。そして、サーバ5は、この画像管理データ51を参照することにより、所望される画像データがどの店舗のどの写真シール機201に記憶されているかを把握することができる。なお、この図14は、本発明の別の実施形態に係る画像提供システム100におけるサーバ5が有する画像管理データ51の一例を示す図である。
【0187】
サーバ5は、この画像管理データ51を下記のようにして更新(または取得)することができる。すなわち、画像管理データ51は、定期的に画像提供システム100が備える全ての写真シール機201に対して、各写真シール機201が記憶している画像データのリストを送信するように要求する。写真シール機201それぞれは、この要求を通信処理部12によって受信し、画像要求部35を介して記録管理部29に送信する。記録管理部29は、この要求を受信すると、記憶装置11に記憶している例えば、図5に示すリスト情報における画像情報を参照して、記憶している画像データのリストを作成する。そして、作成した画像データのリストを、自装置を識別する情報とともに、画像要求部35に渡す。そして、画像要求部35に対して、この作成した画像データのリストとともに、当該写真シール機201を識別する情報を送信するように指示する。
【0188】
この指示を受けて、画像要求部35は、通信処理部12を操作して、サーバ5に対して、作成した画像データのリストとともに、当該写真シール機201を識別する情報を送信する。一方、サーバ5では、各写真シール機201から画像データのリストを受信すると、これらの画像データのリストをまとめ画像管理データ51を作成する。
【0189】
この画像提供システム100では、各店舗(店舗A〜店舗Cのいずれか)を訪れた利用者が、店舗に設置されている写真シール機201(写真シール機201a〜写真シール機201l)のいずれかにて撮影処理、過去画像保存および読み出し処理、編集処理、ならびに印刷処理を実行することができるようになっている。そして、これらの各処理は実施形態1に係る写真シール機2と同様にして行うことができるため説明は省略する。ただし、この画像提供システム100に備えられた写真シール機201では、他の写真シール機201にて記憶されている画像データも読み出すことができる点が実施形態1と異なる。そこで、以下において「画像保存および読み出し処理」についてのみ説明する。
【0190】
(画像保存・読み出し処理2)
ここで、本発明の実施形態2に係る画像提供システム100における写真シール機201での「画像保存・読み出処理2」について、図15および図16を参照して説明する。図15および図16は、本発明の別の実施形態に係る写真シール機4における画像保存・読み出し処理の一例を示すフローチャートである。これら図15および図16に示すフローチャートにおいて、図15に示すステップS60〜ステップS74までは、図8に示すステップS30〜ステップS44までと同様の処理となるため説明は省略する。
【0191】
すなわち、ステップS70までで、利用者が撮影処理した写真シール機201に記憶させていた過去画像を編集処理用タッチパネル20に表示させることができる。このように、過去画像を表示させると、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して、さらに他装置(他の写真シール機201)から読み出す過去画像があるか否かを問い合わせる表示を行う(S75)。
【0192】
この表示に対して、利用者が、編集処理用タッチパネル20を操作して、他装置から読み出す過去画像がない旨の通知を入力した場合、この入力を画像編集処理部27が受信する。画像編集処理部27は、受信した通知が他の装置から読み出す過去画像がない旨を示すものである場合、ステップS80に進み、現在表示している過去画像の保存を行うか否かを問い合わせる表示を行うように編集処理用タッチパネル20を制御する。
【0193】
一方、ステップS75に示す問い合わせに対して、利用者が、編集処理用タッチパネル20を操作して、他装置から読み出す過去画像がある旨の通知を入力した場合(S75において「Yes」)、この入力を画像編集処理部27が受信する。そして、画像編集処理部27は、受信した通知がさらに他の装置から過去画像を読み出す旨を示すものである場合、編集処理用タッチパネル20を制御して他店舗に設置されている装置(写真シール機201)から読み出す過去画像があるか否かの問い合わせるよう表示する(S76)。
【0194】
このステップS76の問い合わせに対して、利用者から、他店舗に設置されている装置から読み出す過去画像はない旨を示す通知を受信した場合、画像編集処理部27は、画像要求部35に、当該写真シール機201と同じ店舗内にある他の写真シール機201に対して、利用者の識別データに対応する過去画像を要求するように指示する。画像要求部35は、画像編集処理部27からの指示に応じて、通信処理部12を制御して、サーバ5に対して写真シール機201と同じ店舗内にある他の写真シール機201において利用者の識別データに対応する過去画像を問い合わせる。
【0195】
この問い合わせに対して、サーバ5は、画像管理データ51を参照して、利用者の識別データに対応する過去画像を保持する、同一店舗にある他の写真シール機201を検索し、この写真シール機201を特定する情報を通知する。この通知を、通信処理部12を介して画像要求部35が受信すると、サーバ5から受信した写真シール機201を特定する情報に対応する、他の写真シール機201に対して、上記利用者の過去画像を送信するように要求する。この要求に応じて、この他の写真シール機201から過去画像が送信されると、この過去画像を、通信処理部12を介して画像要求部35が受信する。そして、受信した過去画像を画像編集処理部27に送信し、編集処理用タッチパネル20にこの過去画像を表示する(S70)。
【0196】
一方、このステップS76の問い合わせに対して、利用者から、他店舗に設置されている装置から読み出す過去画像がある旨を示す通知を受信した場合、画像編集処理部27は、画像要求部35に、当該写真シール機201が設置されている店舗とは異なる他の店舗に設置された写真シール機201に対して、利用者の識別データに対応する過去画像を要求するように指示する。画像要求部35は、画像編集処理部27からの指示に応じて、通信処理部12を制御して、サーバ5に対して、異なる店舗内にある他の写真シール機201が保持している過去画像において利用者の識別データに対応する過去画像を問い合わせる。
【0197】
この問い合わせに対して、サーバ5は、画像管理データ51を参照して、利用者の識別データに対応する過去画像を保持する、他の店舗にある他の写真シール機201を検索し、この写真シール機201を特定する情報を通知する。この通知を、通信処理部12を介して画像要求部35が受信すると、利用者の識別データに対応する画像データを保持するこの他の写真シール機201が設置されている店舗のパスワードの入力を、利用者に促すように画像編集処理部27に指示する。画像要求部35からのこの指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して、上記他の店舗のパスワードの入力画面を表示させる(S77)。
【0198】
例えば、利用者が店舗Aに設置されている写真シール機201aにおいて上記した「画像保存・読み出し処理」を行っているものとする。そして、サーバ5より、該利用者の識別データに対応する画像データを保持する他の写真シール機201として、店舗Cに設置されている写真シール機201kを特定する情報を受信するものとする。このような前提では、写真シール機201は、ステップS77において、店舗Cのパスワードの入力を促す画面を表示させることとなる。
【0199】
すなわち、本実施の形態(実施形態2)に係る画像提供システム100では、各店舗A、B、Cごとにパスワードが設定されている。このため、同じ店舗内にある他の写真シール機201からさらに過去画像を読み出す場合、一度店舗に割り当てられているパスワードの認証処理が行われているならば再度パスワードの入力を要求しない。しかしながら、他の店舗に設置されている写真シール機201からさらに過去画像を読み出す場合、この他の店舗に割り当てられているパスワードの入力を要求することとなる。
【0200】
なお、ステップS77に続くステップS78〜ステップS79、およびステップS83〜ステップS86までの処理は、ステップS69〜ステップS70、およびステップS71〜ステップS74までの処理と同様である、すなわち、図8に示すステップS39〜ステップS40、およびステップS41〜ステップS44までの処理と同様となる。このため、これらの各ステップの説明は省略する。
【0201】
また、ステップS80〜ステップS82、およびステップS87〜ステップS88までの処理は、図8に示すステップS45〜ステップS47、およびステップS48〜ステップS49までの処理と同様となる。このため、これらの各ステップの説明も省略する。
【0202】
以上のように、サーバ5が画像管理データ51を備えているため、各写真シール機201は、サーバ5に利用者の識別データを送信することにより、該識別データに対応する過去画像を保持する写真シール機201を特定することができる。そして、下記写真シール機201は、サーバ5によって特定された他の写真シール機201に対して過去画像の画像データの送信を要求し取得することができるため、自身が記憶装置11に記憶させている過去画像の画像データ以外にも、他の写真シール機201が保持している過去画像も読み出し利用することができる。
【0203】
また、上記した画像提供システム100では、各写真シール機201においてそれぞれ撮影された画像データを記憶しており、サーバ5に所望する過去画像を保持する写真シール機201を問い合わせる。そして、この問い合わせに対してサーバ5から送信された写真シール機201を特定する情報に基づき、該特定された写真シール機201に過去画像の送信を要求する構成である。すなわち、この画像提供システム100は、サーバ5の媒介を要するP2P技術を利用するものであった。
【0204】
しかしながら、画像提供システム100の構成はこれに限定されるものではなく、例えば図18に示すように、図13に示す画像提供システム100のようなサーバ5を備えることなく、各写真シール機201を相互につないでバケツリレー方式で画像データを送信するP2P技術によって構築されたシステム(画像提供システム101)であってもよい。なお、この図18は、本発明の他の実施形態に係る画像提供システム101の概略構成を示す図である。
【0205】
この画像提供システム101では、各店舗に設置されている複数の写真シール機201のうちの1台がゲートウェイ機能を有しており、他の店舗に設定されている写真シール機2とデータ交換できるように構成されている。また、このゲートウェイ機能を有する写真シール機2は、他の写真シール機2から識別データおよびパスワードを受け付けた場合、これらの認証を行うように設定されている。
【0206】
なお、このゲートウェイ機能を有する写真シール機201を、店舗Aでは写真シール機201d、店舗Bでは写真シール機201e、店舗Cでは写真シール機201iとする。
【0207】
このような画像提供システム101において、他店舗に設置されている任意の写真シール機2(ここでは、図18に示す写真シール機201jとする)から、画像データの読み出しを指示する場合、該写真シール機201jは、写真シール機201iを介して各店舗のゲートウェイ機能を有する写真シール機(店舗Aの写真シール機201d、および店舗Bの写真シール機201e)に対して読み出しを所望する画像データの問い合わせを行う。
【0208】
この問い合わせに対して、各店舗に設置されている写真シール機201dおよび写真シール機201eそれぞれが、それぞれの店舗内に設置されている他の写真シール機(店舗Aでは、写真シール機201a〜写真シール機201c、店舗Bでは、写真シール機201f〜201h)に対して、上記読み出しを所望されている画像データの有無を確認する。この確認は、各店舗内で、ゲートウェイ機能を有する写真シール機201d・201eそれぞれからマルチキャストによって行われる。そして、写真シール機201d・201eそれぞれは、この確認に対する応対から読み出しが所望される画像データを保持している写真シール機201を特定する。
【0209】
ここで、例えば、読み出しが所望される画像データを、写真シール機201cが保持しているものとする。この場合、写真シール機201cと同一店舗に設置されている、ゲートウェイ機能を有する写真シール機201dから、写真シール機201iを介して、写真シール機201jに対して、店舗Aを示す情報とともに、写真シール機201cに関する情報を送信する。
【0210】
以上のようにして、読み出しを所望する画像データを保持する写真シール機201cおよび該写真シール機201cが設置されている店舗Aに関する情報を受信すると、写真シール機201jでは、店舗Aに割り当てられているパスワードを入力するように利用者に対して促す。これに応じて、利用者からパスワードが入力されると、写真シール機201jは、入力されたパスワードを、写真シール機201iに渡し、写真シール機201dに送信させる。
【0211】
写真シール機201dは、写真シール機201iを介して写真シール機201jからにパスワードを受信すると、このパスワードの認証を行う。パスワードの認証がなされると、写真シール機201dは、写真シール機201cから読み出しを所望される画像データを取得し、写真シール機201iを介して写真シール機201jに送信される。そして、写真シール機201jは、写真シール機201cから受信した画像データを表示させ、利用者からの指示に応じて編集処理を行う。
【0212】
一方、写真シール機201cでは、この読み出された画像データを再保存し、保存日時の更新を行う。
【0213】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0214】
最後に、写真シール機2.201の各ブロック、特に制御部10の課金処理部25、撮影処理部26、画像編集処理部27、印刷処理部28、記録管理部29、および画像要求部35は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0215】
すなわち、写真シール機2・201は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真シール機2・201の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記写真シール機2・201に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0216】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0217】
また、写真シール機2・201を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明に係る画像編集装置は、画像データを記憶する記憶装置を備え、当該画像編集装置においてのみ、過去に作成した編集処理用の画像データを読み出すことができる構成である。このため、編集処理用に過去に作成した画像データを読み出すためには利用者はこの画像編集装置を訪れる必要があり、画像編集装置のリピータとしての利用者数を増加させる用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0219】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、画像提供システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る写真シール機を、上記撮影空間側から見た図である。
【図3】本実施の形態に係る写真シール機を、印刷空間側から見た図である。
【図4】記憶装置における画像データの記憶のさせ方の一例を示す図であり、同図(a)は、本発明の実施の形態に係る記憶装置における画像データの記憶のさせ方の一例を示し、同図(b)は、図4(a)に対する比較例を示す。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、登録済みのメールアドレスの情報と、該メールアドレスが割り当てられている通信端末の利用者の画像データを特定する画像情報との対応関係を示すテーブルの一例を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る写真シール機における写真シール作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る写真シール機にて実行される撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る写真シール機にて実行される画像保存および読み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る写真シール機にて実行される画像保存および読み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る写真シール機における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る写真シール機の配置と利用者の移動の状態の一例を示す図である。
【図12】本発明の別の実施形態を示すものであり、画像提供システムの要部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の別の実施形態を示す図であり、画像提供システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図14】本発明の別の実施形態に係る画像提供システムにおけるサーバが有する画像管理データの一例を示す図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る写真シール機における画像保存・読み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の別の実施形態に係る写真シール機における画像保存・読み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の別の実施形態を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る画像提供システムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0220】
1 画像提供システム
2 写真シール機(画像編集装置)
3 通信端末(通信装置)
5 サーバ(管理装置・サーバ装置)
11 記憶装置
12 通信処理部
20 編集処理用タッチパネル(暗証情報受付部)
27 画像編集処理部(編集処理手段)
29 記録管理部(管理手段・判定手段)
35 画像要求部(問い合わせ手段・取得手段)
43 近距離無線通信部(受信部・暗証情報受付部)
51 画像管理データ(管理テーブル)
100 画像提供システム
200 写真シール機(画像編集装置)
201a〜201l 写真シール機(画像編集装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、
利用者により利用される通信装置から該利用者を識別するための情報である識別データを受信する受信部と、
利用者からの入力指示に応じて画像データの編集処理を行う編集処理手段と、
画像データを、該利用者の識別データと対応づけて記憶する記憶装置とを備え、
上記受信部が、上記識別データを受信すると、該識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとして上記記憶装置から読み出すことを特徴とする画像編集装置。
【請求項2】
上記記憶装置に記憶する画像データに対して、編集処理用の画像データとして読み出すことが可能な有効期限を設定し管理する管理手段をさらに備え、
上記管理手段は、設定された有効期限を越える画像データを上記記憶装置から削除することを特徴とする請求項1に記載の画像編集装置。
【請求項3】
上記通信装置には該通信装置を特定する固有の情報である装置識別データが割り当てられており、
上記受信部は、上記通信装置から識別データとして装置識別データを受信することを特徴とする請求項1または2に記載の画像編集装置。
【請求項4】
上記受信部は、無線通信により上記通信装置から識別データを受信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像編集装置。
【請求項5】
複数の他の画像編集装置と、これら他の画像編集装置それぞれが記憶する画像データと上記識別データとの対応関係を管理する管理装置と、に通信可能に接続されており、
上記管理装置に対して、上記受信部より受信した識別データに応じた画像データを記憶する他の画像編集装置を問い合わせる問い合わせ手段と、
上記問い合わせ手段による問い合わせに対する、上記管理装置から受け付けた返答により示された他の画像編集装置から、上記編集処理手段による編集処理用として読み出す画像データを取得する取得手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像編集装置。
【請求項6】
画像編集装置が設置される場所ごとに応じて暗証情報が設定されており、
利用者から上記暗証情報の入力を受け付ける暗証情報受付部と、
上記暗証情報受付部により受け付けた暗証情報に基づき、上記利用者が編集処理用に画像データを読み出すことができる正規の利用者であるか否かを判定する判定手段とを備え、
上記判定手段によって正規の利用者であると判定された場合、受信部により受信された識別データに応じた画像データを、上記編集処理手段による編集処理用の画像データとして上記記憶装置から読み出すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像編集装置。
【請求項7】
画像データを、該利用者の識別データと対応づけて記憶するためのサーバ装置を外部にさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像編集装置。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像編集装置と、該画像編集装置と通信を確立する通信装置とを備えることを特徴とする画像提供システム。
【請求項9】
複数台の、請求項6に記載の画像編集装置と、該画像編集装置のいずれか1台と通信を確立する通信装置と、この複数台の画像編集装置それぞれと通信可能に接続されている管理装置とを備え、
上記管理装置は、画像編集装置それぞれが記憶する画像データと、上記識別データとの対応関係を管理するための管理テーブルを有することを特徴とする画像提供システム。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像編集装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための画像編集装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の画像編集装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−184793(P2007−184793A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1790(P2006−1790)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】