画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体
【課題】記憶させるデータ量を大幅に低減させることができる画像編集装置を実現する。
【解決手段】本発明の写真シール機2は、画像データを編集し、シートに印刷するものである。この写真シール機2は、利用者からの入力指示に応じて画像データの編集処理を行う画像編集処理部27と、この利用者により利用される、各種情報を記憶するための端末記憶装置31を有した通信端末3に対して、編集対象となる画像データを送受信するための近距離無線通信部43とを備え、利用者から画像データの保存指示を受け付けた場合、近距離無線通信部43が画像データを通信端末3に送信する。
【解決手段】本発明の写真シール機2は、画像データを編集し、シートに印刷するものである。この写真シール機2は、利用者からの入力指示に応じて画像データの編集処理を行う画像編集処理部27と、この利用者により利用される、各種情報を記憶するための端末記憶装置31を有した通信端末3に対して、編集対象となる画像データを送受信するための近距離無線通信部43とを備え、利用者から画像データの保存指示を受け付けた場合、近距離無線通信部43が画像データを通信端末3に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばゲームセンターなどの娯楽施設などにおいて、撮影した写真をシールとして出力する写真シール機(画像編集装置)が広く使われている。このような写真シール機では、利用者の撮影、該撮影された画像の編集および印刷といった一連の流れを1ゲームとして実行するようになっている。そして、このように一連の流れによって得た写真シールは、友人同士で交換したり、ノート等利用者の持ち物に貼り付けたりして利用されている。
【0003】
また、デジタルカメラ等の撮影手段を有する携帯電話機(カメラ付き携帯電話機)等の普及に伴い、写真シール機で編集処理された画像データを、該携帯電話機においても共有することに対する要求が高まってきた。そこで、例えば、写真シール機で撮影し、編集処理した画像データを携帯電話機に配信できる装置が開発されている(特許文献1または特許文献2参照)。この装置では、撮影された画像データを、インターネット等の通信ネットワークを通じて写真シール機と通信可能に接続されているサーバに送信する。このようにして、サーバは、写真シール機から画像データを受信し保持することができる。そして、上記携帯電話機等を介して画像データの配信先が指定されると、サーバは、この指定された配信先に画像データを配信するようになっている。
【0004】
さらには、画像データ等の情報を携帯電話機から写真シール機に対して赤外線を利用して提供する装置も開示されている(特許文献3参照)。また、画像とともに接続先のURL情報を含む2次元バーコードを印刷して出力できる装置(特許文献4参照)などもある。また、撮影画像を、ネットワークまたはコネクタを介して伝送可能とする画像撮影伝送装置が開示されている(例えば特許文献5・6参照)。
【特許文献1】特開2003―333573号公報(2003年11月21日公開)
【特許文献2】特開2001−313913号公報(2001年11月9日公開)
【特許文献3】特開2005−111814号公報(2005年4月28日公開)
【特許文献4】特開2005−107947号公報(2005年4月21日公開)
【特許文献5】特開2001−238107号公報(2001年8月31日公開)
【特許文献6】特開2001−309108号公報(2001年11月2日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、撮影した画像データを長期的に保存しておく場合、サーバで画像データを記憶し管理する構成である。ところが、このサーバが記憶可能なデータ量は有限であり、該サーバにて記憶させる画像データのデータ量が大きくなりすぎると画像データは記憶できず溢れてしまうといった問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当該画像編集装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができる画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像編集装置は、上記した課題を解決するために、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、利用者からの入力指示に応じて上記画像データの編集処理を行う編集処理手段と、上記利用者により利用される、各種情報を記憶するための記憶部を有した通信装置との通信を確立する画像データ通信部とを備え、上記利用者から上記編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、上記画像データ通信部が該画像データを上記通信装置に送信することを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、上記画像データ通信部を備えているため、利用者から画像データの保存指示を受け付けた場合、編集処理手段による編集対象となる画像データを、利用者が利用する通信装置に送信することができる。なお、この編集対象となる画像データとは、例えば、利用者を撮影した画像そのもののデータであってもよいし、編集処理手段によって編集された画像データであるが、編集処理に対する指示に応じてさらなる編集処理を行うことができる画像データであってもよい。すなわち、この編集対象となる画像データとは、編集処理手段により編集可能な画像データであればよい。また、上記通信装置とは、上記利用者により利用可能な装置であって、利用者が所有する通信装置以外にも、本発明に係る画像編集装置を利用する店舗等において貸し出される通信装置も含まれる。
【0009】
また、上記通信装置では、各種情報を記憶させるための記憶部を有している。このため、本発明に係る画像編集装置は、画像データを、この通信装置に送信し、この通信装置が備える記憶部に記憶させることができる。
【0010】
また、画像データ通信部および編集処理手段を備えているため、利用者により利用される通信送置から画像データを受信した場合、本発明に係る画像編集装置は、この受信した画像データを該利用者からの入力指示に基づき編集処理することもできる。
【0011】
以上のように、本発明に係る画像編集装置は、編集処理手段による編集対象となる画像データを自装置にて保存するのではなく、利用者が利用する通信装置に送信し、該通信装置にて記憶させることができる。したがって、本発明に係る画像編集装置は、この編集処理手段による編集対象となる画像データを自装置にて記憶させる必要がないため、当該画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記画像データ通信部は、無線通信により上記通信装置との通信を確立し、上記画像データの送信または受信を行うように構成されていることが好ましい。
【0013】
上記構成によると、上記画像データ通信部が無線通信により上記通信装置との通信を確立し、上記画像データの送信または受信を行うことができるため、該画像データ通信部が通信可能な範囲において効率的に画像データの送信または受信を通信装置に対して行うことができる。特に通信装置が利用者によって携帯され、移動するものである場合、上記画像データ通信部が例えば有線ケーブル等によって通信装置に対する画像データの送信または受信を行う構成と比較して該通信装置の移動に対する制限を低減させることができる。
【0014】
このように、本発明に係る画像編集装置は、通信装置の移動に対する制限を低減させるとともに効率的に画像データを通信装置に送信することができるため、送信すべき画像データを送信することができずに保持しておくといった状態が生じる確率を低減させることができる。このように、送信すべき画像データを送信することができずに保持しておくといった状態が生じる確率を低減さることができるため、当該画像編装置にて記憶させておくデータ量を低減させることができる。
【0015】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記通信装置に送信する画像データを暗号化処理するための暗号化処理手段と、上記通信装置から受信した、上記暗号化処理手段によって暗号化処理された画像データを復号するための復号手段とをさらに備えるように構成されていることが好ましい。
【0016】
上記構成によると、暗号化処理手段および復号処理手段を備えているため、通信装置に送信し保持させている画像データに対する編集処理を、当該画像編集装置においてのみ行うことができるようにすることができる。すなわち、画像編集装置から画像データが送信された通信装置において、あるいは、別の画像編集装置にて該画像データが編集処理されることを防ぐことができる。
【0017】
したがって、本実施の形態に係る画像編集装置は、編集処理手段にて編集処理すべき画像データを利用者により利用される通信装置にて保持させることができるため、当該画像編集装置にて記憶させるデータ量を低減させることができる。一方、通信装置に送信した画像データに対しては当該画像編集装置でのみ編集可能とすることができるため、通信装置に送信した編集対象となる画像データを該通信装置あるいは別の画像編集装置にて勝手に編集処理されないように管理することができる。
【0018】
よって、本発明に係る画像編集装置は、当該画像編集装置に記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるとともに、編集処理手段による編集対象となる画像データを管理することができる。
【0019】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記通信装置からの、上記暗号化処理された画像データを復号するための復号情報の送信要求に応じて、該通信装置を特定する特定情報の送信を要求する特定情報要求手段と、上記特定情報要求手段からの要求に応じて上記特定情報を送信した上記通信装置に対して上記復号情報を提供する提供手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0020】
上記構成による特定情報要求手段と提供手段とを備えているため、特定情報によって特定される通信装置に対してのみ復号情報を送信することができる。すなわち、上記画像データを送信した通信装置のうち特定情報によって管理することができる通信装置においてのみ暗号化処理された画像データの復号を行わせることができる。
【0021】
また、通信装置において暗号化処理された画像データを復号できる復号情報を、特定情報により管理される通信装置が取得することができるため、この特定情報により管理された通信装置の数を向上させることができる。
【0022】
したがって、本発明に係る画像編集装置は、画像データを保持している通信装置の中で該画像データを利用することができる通信装置を管理することができるとともに、この管理される通信装置の数を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る画像提供システムは、上記し課題を解決するために、上記編集処理手段、上記画像データ通信部、上記暗号化処理手段、上記復号手段、上記特定情報要求手段、および上記提供手段を備える画像編集装置と、各種情報を記憶するための記憶部を有し、該画像編集装置に対して、上記編集処理手段による編集対象となる画像データの送信または受信を行う通信装置とを備えることを特徴とする。
【0024】
上記構成によると、本発明に係る画像提供システムでは、画像編集装置が備える編集処理手段による編集対象となる画像データを当該画像編集装置にて保存させるのではなく、利用者が有する通信装置にて記憶させることができる。このように、本発明に係る画像提供システムでは、編集対象となる画像データを記憶させる必要がないため、画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【0025】
なお、上記画像編集装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記画像編集装置をコンピュータにて実現させる画像編集装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る画像編集装置は、以上のように、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、利用者からの入力指示に応じて上記画像データの編集処理を行う編集処理手段と、上記利用者により利用される、各種情報を記憶するための記憶部を有した通信装置との通信を確立する画像データ通信部とを備え、上記利用者から上記編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、上記画像データ通信部が該画像データを上記通信装置に送信することを特徴とする。
【0027】
したがって、本発明に係る画像編集装置は、この編集処理手段による編集対象となる画像データを自装置にて記憶させる必要がないため、当該画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【0028】
本発明に係る画像提供システムは、以上のように、上記編集処理手段、上記画像データ通信部、上記暗号化処理手段、上記復号手段、上記特定情報要求手段、および上記提供手段を備える画像編集装置と、各種情報を記憶するための記憶部を有し、該画像編集装置に対して、上記編集処理手段による編集対象となる画像データの送信または受信を行う通信装置とを備えることを特徴とする。
【0029】
このように、本発明に係る画像提供システムでは、編集対象となる画像データを記憶させる必要がないため、画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施形態について図1〜図13に基づいて説明すると以下の通りである。図2に示すように本実施の形態に係る画像提供システム1は、写真シール機2(画像編集装置)、通信端末(通信装置)3、会員登録管理サーバ5、基地局6を備えてなる構成である。この画像提供システム1では、図2に示すように会員登録管理サーバ5と基地局6とが、通信ネットワーク4を通じて互いに通信可能となっている。なお、この図2は、本実施の形態に係る画像提供システム1の概略構成を示す図である。
【0031】
上記通信端末3は、利用者が操作し、写真シール機2と各種データを送受信するものである。この通信端末3は利用者が所有するものであってもよいし、本実施の形態に係る写真シール機2が設置されている店舗において、上記利用者に貸し出されたものであってもよい。この通信端末3は、利用者が所持して移動できるように、携帯型PC(Personal Computer)、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)(登録商標)端末などの携帯可能な通信端末であることが望ましい。また、この通信端末3と写真シール機2との間で確立される通信は、例えば、赤外線、あるいは電波などを利用したワイヤレス通信によって実現されるようになっている。なお、本実施形態では、通信端末3は、赤外線を利用した近距離無線通信によって、写真シール機2との通信を確立することができるようになっている。さらにまた、この通信端末3は、基地局6を介して会員登録管理サーバ5とも通信を確立することができるようになっている。
【0032】
上記写真シール機2は、利用者の写真撮影を行うと共に、所望の場合にその写真を背景画像などと合成するなど編集処理した上で、シール紙に印刷出力するものである。この写真シール機2は、例えばゲームセンターなどの娯楽施設に設置される。
【0033】
この写真シール機2は、図3および図4に示すように外観上、利用者が撮影を行う撮影空間と、撮影された画像を編集する編集空間、画像データに基づき印刷処理されたシール紙が排出される印刷空間とが設けられている。なお、この図3および図4は、写真シール機2の外観を示す図である。図3は、写真シール機2を、上記撮影空間側から見た図であり、図4は、印刷空間側から写真シール機2を見た図である。
【0034】
この撮影空間には、利用者に対する撮影を行い、撮影画像を生成するための撮影部40が備えられている。また、編集空間には、撮影部40により生成された画像を編集するための編集部41および、撮影部40によって撮影された画像、あるいは編集部41によって編集された画像をシール紙に印刷するための印刷部42が備えられている。さらにまた、この編集空間には、近距離無線通信部(画像データ通信部)43が備えられており、該近距離無線通信部43によって通信端末3との間で各種情報の送受信を行うことができるようになっている。
【0035】
なお、編集空間では、例えば図4に示す写真シール機2のように、編集部41の対向する位置(図4では不図示)にも同様の編集部41が設けられており、また、印刷部42も、さらにもう1組設けられている。すなわち、本実施の形態に係る写真シール機2では、編集空間において同時に2組の利用者がそれぞれ別々に編集および印刷処理を行うことができるようになっている。なお、同時に編集および印刷処理を指示することができる組はこの2組に限定されるものではなく、例えば、図4に示す編集部41と隣接して、同様の編集部および印刷部42がさらに設けられている構成であってもよい。
【0036】
なお、上記印刷部42は、図3および図4において特に図示されていないが、プリンタ23およびシール紙排出口24に加えて、画像データを印刷するシール紙とセットで納入されるIDタグを読み取るための、後述するIDタグリーダ/ライタ9も備えている。
【0037】
また、図3および図4では説明の便宜上図示していないが、撮影空間の出入り口、および/または編集空間の周囲にカーテンが設けられており、撮影処理および編集処理が第3者から覗かれないように構成されている。このカーテンの開閉は、後述する制御部10によって制御されており、例えば、このカーテンの開閉を次のように制御される。
【0038】
まず、客待ち状態では、制御部10はカーテンを開放した状態に制御する。そして、利用者による所定の金額の投入が行われたことを課金処理部25が確認すると、この時点でカーテンを閉じる制御を行う。このとき、例えば、撮影空間に利用者がいることを撮影空間の外に向けて知らせるための、接客ランプを点灯させてもよい。接客ランプは、例えば、撮影空間に利用者がいる間には、撮影中との文字が点灯し、撮影空間から利用者がいなくなれば、その文字が消灯するようになっていればよい。その後、制御部10は、撮影処理、及び編集処理が終了したことが確認されると、この時点でカーテンを開放する制御を行う。
【0039】
また、カーテンが開放されているべき状態である時に利用者によって無理やりカーテンが閉められようとされた場合、あるいはカーテンが閉じられているべき状態である時に利用者によって無理やりカーテンが開けられようとした場合には、周囲に聞こえるような音量で警報を発するとともに、撮影の進行を停止するように制御するようになっていてもよい。このようにすることによって、密閉空間での犯罪を防止したり、いたずらを防止したりすることができる。
【0040】
また、図示しないが、上述した荷物置きスペースや荷物フックに、例えば重量センサなどを設けた構成としてもよい。この場合、利用者がこの荷物置きスペースに荷物を置いたり、荷物フックに荷物をかけたりすると、荷物が置かれたことを装置側で認識することが可能となる。よって、例えば撮影や編集終了後、所定の時間が経過した後も荷物が置かれた状態となっている場合には、利用者が荷物を忘れていることが予想されるので、利用者に対して荷物の置き忘れの警報を発することが可能となる。また、撮影や編集進行中において、荷物が取り除かれたことを検出した場合には、利用者がプレイに夢中になっている間に置き引きが行われたことが予想されるので、警報を発することが可能となる。
【0041】
会員登録管理サーバ5は、本実施の形態に係る写真シール機2を利用する利用者に対する会員登録処理を行うものである。すなわち、本実施の形態に係る写真シール機2では、後述するが会員登録された利用者のみ該写真シール機2により得た画像データ(暗号化画像データ39)を通信端末3で取得し、該通信端末3が有する表示部35で閲覧できるようになっている。
【0042】
(写真シール機の構成)
ここで図1を参照して、写真シール機2の構成の詳細について説明する。図1に示されるように、写真シール機2は、上記した撮影部40、編集部41、印刷部42、および近距離無線通信部(画像データ通信部)43に加えて、制御部10および記憶装置11をさらに備えてなる構成である。なお、この図1は、本発明の実施形態を示すものであり、写真シール機の要部構成を示すブロック図である。
【0043】
上記撮影部40は、CCDカメラ13、ライブビューパネル14、撮影処理用タッチパネル15、照明装置16、スピーカ17、および硬貨処理装置18を備えている。
【0044】
上記CCDカメラ13は、被写体の撮影を行うものであり、例えばレンズ群、絞り、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。
【0045】
上記ライブビューパネル14は、CCDカメラ13が撮影するライブビュー画像を表示するものであり、例えばLCD(液晶ディスプレイ)によって構成される。
【0046】
撮影処理用タッチパネル15は、撮影処理における各種メッセージや画像などを表示するとともに、利用者から各種の指示や選択などを受け付けるものである。なお、上記した各種メッセージとしては、例えば、撮影処理の手順を説明するメッセージ、利用者に対する挨拶などが挙げられる。この撮影処理用タッチパネル15は、フラットパネルディスプレイやCRTなどの表示面にタッチセンサを設けて構成され、利用者が見易くかつ操作し易い位置に配備される。
【0047】
照明装置16は、被写体である利用者を照明する照明手段として機能するものである。照明装置16は、撮影時の照明として機能するとともに、通常時の撮影空間の照明としても機能する蛍光灯と、撮影時の写真閃光灯として機能するストロボランプとを備える構成である。
【0048】
スピーカ17は、撮影処理に係る各種の音声ガイダンスおよび効果音を出力するものである。
【0049】
硬貨処理装置18は、写真シール機2の利用料金として利用者により硬貨投入口から投入された硬貨が、所定の硬貨であるか否かを判定するものである。所定の硬貨であると判定した場合には、硬貨処理装置18は、制御部10に通知し、投入された硬貨を、硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)に送り出す。一方、所定の硬貨以外の硬貨であると判定した場合には、硬貨処理装置18は、投入された硬貨を硬貨返却口(図示せず)に送り出す。なお、紙幣や硬貨を所定の硬貨に両替する両替機が写真シール機2付近に存在しない場合には、新たに紙幣投入口を設けて、紙幣処理装置を設けたり、釣銭処理装置を設けたりすることが望ましい。
【0050】
上記編集部41は、編集用スピーカ19、編集処理用タッチパネル20、および編集処理用タッチペン21を備えている。なお、この編集部41は、上記したように上記写真シール機2では、編集空間において2箇所設けられる構成であるが、図1では説明の便宜上編集部41を1つしか図示しない。
【0051】
上記編集処理用タッチパネル20は、編集処理における各種メッセージや画像などを表示するとともに、利用者から各種の指示や選択などを受け付けるものである。この編集処理用タッチパネル20は、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。なお、上記した各種メッセージとしては、例えば、編集処理の手順を説明するメッセージなどが挙げられる。この編集処理用タッチパネル20は、上記した撮影処理用タッチパネル15と同様に構成され配備される。
【0052】
編集処理用タッチペン21は、画像編集処理における細かな操作入力を利用者が行うためのものであり、編集処理用タッチパネル20の近傍に配備される。利用者は、この編集処理用タッチペン21を編集処理用タッチパネル20に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、任意の文字や図形などの画像描画を行ったりすることができる。なお、この編集処理用タッチペン21は、図4に示すように、本実施の形態に係る写真シール機2における1つの編集部41に2つ、すなわち編集部41が2箇所設けられているため合計4つ設置されている。しかしながら設置される編集処理用タッチペン21の数はこれに限定されるものではなく、さらに複数備えられていてもよいし、編集部41に1つ設けられていてもよい。
【0053】
編集用スピーカ19は、制御部10からの指示に応じて、編集処理に係る各種の音声ガイダンスおよび効果音を出力するものである。
【0054】
上記印刷部42は、IDタグリーダ/ライタ9、プリンタ23、およびシール紙排出口24を備えている。また、図1のブロック図では特に図示していないが、図4に示すようにシール紙排出口24からシール紙が排出されることを所定の色で発光し知らせる発光ランプ8も備えている。この発光ランプ8は図4に示すようにシール紙排出口24の近傍(図4では左右上部)に設けられている。このように、印刷部42が発光ランプ8を備える構成の場合、利用者は、シール紙が排出されるシール紙排出口を容易に把握することができるというさらなる利点を有する。
【0055】
特に、IDタグリーダ/ライタ9およびプリンタ23は、プリンタユニットを構成しており、このプリンタユニットに対して、写真プリントの出力媒体となるシール紙およびIDタグがシール紙ユニットとしてセットで納入されるようになっている。なお、この印刷部42は、上記したように上記写真シール機2では、編集空間において2箇所設けられる構成であるが、図1では説明の便宜上この印刷部42を1つしか図示しない。
【0056】
プリンタ23は、出力すべき画像データが制御部10から送られてくると、その画像データに基づいてシール紙に印刷するものである。このプリンタ23としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、シール紙およびIDタグに加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
【0057】
また、シール紙排出口24は、プリンタ23にて印刷されて出力されたシール紙を外部に排出するための開口である。
【0058】
IDタグリーダ/ライタ9は、IDタグに記録されている各種識別データを読み出して制御部10に出力するものである。IDタグは、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されており、このIDタグに記録される識別データとしては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、およびインク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。そして、制御部10が、IDタグリーダ/ライタ9で読み取った識別データに基づいて、装着されたシール紙及びインクフィルムが、当該写真シール機2において利用可能なものであるか否かを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ23を動作可能とさせる。すなわち、写真シール機2において指定されているシール紙およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0059】
また、上記写真シール機2では、IDタグに記録されている用紙枚数情報に基づいて、シール紙を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくように構成されている。したがって、写真シール機2は、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた場合、これを、例えば編集処理用タッチパネル20などの表示手段によって警告するような構成とすることにより、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0060】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、制御部10がIDタグに記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグに記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグを無効にすることが可能となる。
【0061】
また、上記写真シール機2は、IDタグに記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことができるため、IDタグリーダ/ライタ9によって読み出したこれらの情報を考慮して画像データの色成分などを補正することができる。したがって、本実施の形態に係る写真シール機2は、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0062】
なお、IDタグとしては、無線によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ9としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0063】
なお、上記の実施例では、IDタグを利用して、上記写真シール機2において、利用可能なシール紙であるか否かを確認する構成となっているが、この確認はこれに限定されるものではない。例えば、シール紙及びインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができないなどの問題がある。
【0064】
なお、上記のシール紙としては、本実施の形態に係る写真シール機2では、粘着シート及び該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートである。しかしながら、このシール紙はこれに限定されるものではなく、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよい。
【0065】
制御部10は、写真シール機2が備える各部の各種制御を統括的に行うものである。この制御部10は、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって実現することができる。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行なわれる。
【0066】
このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、写真シール機2がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。なお、本実施形態の制御部10の詳細については後述する。
【0067】
記憶装置11は、各種のデータおよびプログラムを記憶するものである。記憶装置11は、例えばハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。この記憶装置11に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、およびその他各種プログラム、CCDカメラ13における動作設定値などが挙げられる。また、CCDカメラ13における上記動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。また、この記憶装置11には、撮影処理により作成した画像データもまた、編集処理したり、印刷処理したりするために一時記憶される。
【0068】
近距離無線通信部43は、通信端末3と無線通信を行うためのものである。この近距離無線通信部43は、制御部10から受信した各種データを、データ通信に適した形式に変換した後、通信端末3に対して赤外線により送信する。また、近距離無線通信部43は、通信端末3から赤外線により受信した各種データを装置内において対応できるデータ形式に変換した後、制御部10に送信する。
【0069】
次に、写真シール機2として機能するための制御部10の構成について説明する。図1に示されるように、制御部10は、機能ブロックとして、課金処理部25、撮影処理部26、画像編集処理部(編集処理手段)27、印刷処理部28、復号部(復号手段)29、および暗号化処理部〈暗号化処理手段〉30を備えてなる構成である。なお、この機能ブロックは、制御部10が例えばCPU等によって実現される場合、該CPUが例えば記憶装置11に格納したプログラムを不図示のRAMなどに読み出し実行することにより実現できる。
【0070】
課金処理部25は、硬貨処理装置18から制御部10に硬貨の投入が通知されることにより課金処理を行うものである。課金処理部25は、課金処理が正常に完了したことを確認すると、すなわち、硬貨処理装置18からの通知をカウントし、利用者から硬貨処理装置18に所定の硬貨が所定枚数投入されたと判断すると、プレイ動作の開始を撮影処理部26に通知する。
【0071】
撮影処理部26は、課金処理部25からの通知に基づき撮影処理を行うものである。撮影処理は主に以下のように行われる。すなわち、まず、撮影枚数および撮影時間の設定を行う。次に、撮影の設定が行われる。具体的には、全身撮影またはアップ撮影の選択や、撮影アングルの調整が行なわれる。次に、CCDカメラ13が撮影するライブビュー画像をライブビューパネル14に表示する。利用者は、前記ライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとり、所望のタイミングで撮影処理用タッチパネル15の撮影ボタンを押すと、カウントダウン後に撮影が実行される。
【0072】
次に、撮影処理部26は、上記撮影によりCCDカメラ13が生成した撮影画像データを受信して、記憶装置11に一時記憶させる。撮影処理部26は、この撮影処理に係る動作を、設定された撮影枚数および/または撮影時間に到達するまで繰り返す。
【0073】
画像編集処理部27は、利用者から入力された編集指示に基づき、画像編集処理を行うものである。すなわち、撮影処理が終了すると、画像編集処理部27は、記憶装置11から編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像を読み出し、編集処理用タッチパネル20に編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像が表示される。
【0074】
この画像に対して編集処理用タッチペン21を用いて編集処理が行われる。この画像には、例えば、編集処理を行うためのツール類の選択領域が表示されてもよい。ツール類としては、例えば複数の種類からなるペンおよびその色、消しゴム、および複数のスタンプなどが挙げられる。
【0075】
また、編集対象となる画像には、編集対象となる画像を選択するための選択画像がサムネイル表示されてもよい。そして利用者は、このサムネイル表示の中から編集処理用タッチペン21によって選択画像をタッチすることによって、中央に編集対象として表示される画像拡大表示させ切り替えることが可能となっている。なお、この選択画像は、上記の撮影処理において、複数回の撮影が行われた場合の各撮影時における画像に相当するものである。
【0076】
これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みに適合した画像を選択することができる。
【0077】
次に、選択された撮影画像を編集処理用タッチパネル20に表示し、編集処理用タッチペン21を用いて、撮影画像に対して背景画像の選択、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。続けて別の撮影画像に対して画像編集を行う場合、先に編集処理した画像データを記憶装置11に一時記憶させて、上記した画像編集に係る処理を繰り返す。そして編集処理として設定されている期間が経過すると、画像編集処理の完了を印刷処理部28に通知する。このように画像編集処理部27は、画像編集処理を行い終了するとその旨を印刷処理部28に通知するとともに、編集後の画像を記憶装置11に一時記憶させる。
【0078】
また、この画像編集処理部27は、編集処理後の画像データの保存を利用者から要求された場合、この画像データを暗号化処理部30に送信し、この画像データを暗号化処理して通信端末3に送信するように指示するものでもある。
【0079】
また、この画像編集処理部27は、暗号化処理された画像データ(暗号化画像データ39)を通信端末3から受信した場合、この暗号化画像データ39を復号して得た画像データを、編集処理用タッチパネル20上に表示させたり、編集処理用タッチパネル20により受け付けた利用者からの指示に応じて編集処理したりするものでもある。
【0080】
印刷処理部28は、画像編集処理部27からの通知に応じて印刷処理手続きを利用者に促し、該利用者からの指示に基づき印刷処理を実行するものである。より具体的には、この印刷処理は、主に以下のように行われる。すなわち、まず、画像編集処理部27から、画像編集処理の終了を示す通知を受信すると、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20に指示して、シール紙上での分割数または分割パターンを利用者に選択させるための表示を行わせる。この編集処理用タッチパネル20における表示に応じて、利用者が所望する分割数または分割パターンを示す情報を編集処理用タッチパネル20により入力する。印刷処理部28は、この利用者による入力を受信すると、該利用者により選択された分割領域ごとに、画像編集処理部27が編集処理した編集画像が印刷されるように、プリンタ23を制御してシール紙に印刷を行う。そして、印刷されたシール紙がシール紙排出口24から排出される。その後、印刷処理を終了し、利用者のプレイ動作を終了する。
【0081】
復号部29は、近距離無線通信部43を介して通信端末3から暗号化画像データ39を受信すると、該暗号化画像データ39を復号するものである。復号部29は復号後の画像データを画像編集処理部27に送信する。
【0082】
暗号化処理部30は、画像編集処理部27からの指示に応じて画像データを暗号化処理するものである。暗号化処理部30は、暗号化処理した画像データ(暗号化画像データ39)を、近距離無線通信部43を介して通信端末3に送信する。
【0083】
(通信端末の構成)
次に、通信端末3の構成の詳細について図1および図5を参照して説明する。図1または図5に示されるように、通信端末3は、端末記憶装置(記憶部)31、端末通信処理部32、端末制御部33、第1アンテナ34a、第2アンテナ34b、表示部35、および撮像部36を備えてなる構成である。なお、この図5は、本発明の実施形態を示すものであり、会員登録管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
【0084】
端末記憶装置31は、読み書き可能な記録媒体であり、各種データおよびプログラムを記憶するものである。この端末記憶装置31に記憶される内容としては、通信端末3の各種制御を実行させるための制御プログラム、およびその他各種プログラム、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39などが挙げられる。
【0085】
上記端末通信処理部32は、第1アンテナ34aを通じて写真シール機2と赤外線による通信を確立させ、各種情報を赤外線による通信で送受信し処理できる形式に変換させるものである。さらにまた、この端末通信処理部32は、第2アンテナ34bを制御して、基地局6を介して会員登録管理サーバ5と通信を確立させ、各種情報を、基地局6を介して会員登録管理サーバ5と送受信できる形式に変換させるものでもある。
【0086】
上記端末制御部33は、通信端末3の各部の各種制御を行うものである。より具体的には、この端末制御部33は、端末通信処理部32を介して、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を端末記憶装置31に記憶させたり、該暗号化画像データ39を写真シール機2に送信して、該暗号化画像データ39の編集処理および/または表示を要求したりするものである。
【0087】
さらにまた、端末制御部33は、会員登録管理サーバ5に対して、写真シール機2の利用会員としての登録処理を要求したり、会員登録後に会員登録管理サーバ5から発行される暗号化画像データ39を復号するためのキー情報57を受信して該暗号化画像データ39を復号処理し表示部35に表示させたりするものでもある。
【0088】
また、後述する撮像部36により撮影された画像が例えば、QRコード(登録商標)などの2次元コードである場合、端末制御部33はこの撮影画像として取得したこの2次元コードを解析し、該2次元コードに記録されている情報を取得することもできる。
【0089】
表示部35は、端末制御部33からの指示に応じて画像データ等を表示させるものである。この表示部35は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)によって構成される。
【0090】
撮像部36は、端末制御部33からの指示に応じて被写体を撮影し画像データを生成するものである。この撮像部36は、CCD(charge coupled device)やCMOSによって構成されている。撮像部36により撮影された画像データは、端末制御部33によって露出・画質などの調整がなされ、表示部35にてプレビュー表示されるようになっている。また、このプレビュー表示の状態で不図示の操作部を用いた操作指示に応じて、表示している画像を端末記憶装置31に格納するようになっている。すなわち、このような動作によって、いわゆるカメラ機能が実現されている。
【0091】
(会員登録管理サーバの構成)
次に、会員登録管理サーバ5の構成の詳細について、図5を参照して説明する。この会員登録管理サーバ5は、図5に示すように、サーバ通信処理部51、会員登録処理部(提供手段・特定情報要求手段)52、決済処理部53、およびサーバ記憶部54を備えてなる構成である。
【0092】
サーバ通信処理部51は、通信ネットワーク4を通じて接続されている基地局6を介して、通信端末3と通信を確立させ、各種情報を送受信して処理できる形式に変換させるものである。例えば、サーバ通信処理部51は、通信端末3から会員登録の要求を受信すると、この要求を会員登録処理部52に送信したり、会員登録処理が完了した通信端末3に配信するキー情報57を会員登録処理部52から受信すると基地局6を介して通信端末3に送信したりする。
【0093】
会員登録処理部52は、会員登録管理サーバ5の各部の各種制御を行うものである。特には、この会員登録処理部52は、通信端末3から受信した会員登録の要求に応じて、該通信端末3を所有する利用者の会員登録に係る処理を実行するものである。この、会員登録処理部52は、機能ブロックとしてキー情報提供部(提供手段)58および会員データ要求部(特定情報要求手段)59を備えている。なお、この機能ブロックは、会員登録処理部52が例えばCPUなどによって実現できる場合、このCPUがサーバ記憶部54またはROM(不図示)などに記憶されたプログラムをRAM(不図示)などに読み出し実行することで実現できる。
【0094】
この会員データ要求部59は、通信端末3から会員登録の要求(すなわちキー情報の配信要求)を受信した場合、該要求を受信している通信端末3に対して、該通信端末3の識別情報(特定情報)としてメールアドレスを送信するように要求するものである。また、この会員データ要求部59は、会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報を上記通信端末3に送信するように要求し、この要求に応じて得られた手数料の支払いに関する情報を決済処理部53に通知するものでもある。この決済処理部53によって、会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報の確認がとれた場合、上記会員データ要求部59は、取得したメールアドレスを会員データ56としてサーバ記憶部54に記憶する。
【0095】
キー情報提供部58は、メールアドレスを送信しており、かつ決済処理部53にて会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報の確認がとれた通信端末3に対して、キー情報57を送信するものである。
【0096】
決済処理部53は、通信端末3から受信した会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報の確認処理を行い、該手数料の支払いに関する情報に基づき決済処理を行うものである。例えば、決済処理部53は、会員登録に係る手数料の支払いに関する情報としてクレジットカード番号を含む場合、該クレジットカード番号の適正を調べ、通信端末3の利用者の口座から会員登録にかかる手数料を引きおとすように請求処理する。
【0097】
サーバ記憶部54は、読み書き可能か記録媒体であり例えばハードディスク等の不揮発性の記憶装置により構成される。このサーバ記憶部54は、上記したサーバ通信処理部51、会員登録処理部52および決済処理部53等を制御するための制御プログラム、OS(Operating System)プログラムを記憶するものである。また、このサーバ記憶部54は、さらに会員登録が完了しているユーザの情報である会員データ56、および暗号化画像データ39を復号するために利用するキー情報57も記憶している。
【0098】
(写真シール作成処理)
ここで、図6を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における写真シール作成処理について説明する。なお、この写真シール作成処理とは、利用者が、写真シール機2を訪れ、硬貨を投入し撮影を行い、得られた画像データを編集して写真シールとして印刷するまでの一連の処理である。この図6は、本実施の形態に係る写真シール機2における写真シール作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、利用者は、撮影空間にて、硬貨投入口から硬貨を投入する(ステップS11、これ以降ではS11のように称する)。利用者により所定金額分の貨幣が投入されると、撮影処理用タッチパネル15に撮影処理実行に関する処理手順が表示され、また、スピーカ17から撮影処理の案内放送が流れる。そして、案内放送および撮影用タッチパネルによる指示に従い、撮影処理を実行する(S12)。この撮影処理の詳細は後述する。撮影処理が終了すると、撮影処理部26からの指示に応じて、撮影処理用タッチパネル15において編集空間への移動を案内する情報が表示される(S13)。この案内にしたがって、利用者は、撮影空間から編集空間へと移動する。
【0100】
利用者が編集空間へと移動すると、編集処理用タッチパネル20において、撮影した画像の保存を要求するか否かを問い合わせる表示がなされる(S14)。ここで、撮影した画像の保存を要求する場合(ステップS14において「Yes」)、利用者は、撮影した画像の保存要求を、編集処理用タッチパネル20を操作して指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は撮影した画像データの保存処理を行う(S15)。
【0101】
すなわち、上記ステップS12の撮影処理にて撮影した画像データを、画像編集処理部27が記憶装置11から読み出し、暗号化処理部30に渡して、通信端末3に送信するように指示する。この画像編集処理部27からの指示に応じて、暗号化処理部30はこの画像データを暗号化処理する。そして、この送信する画像データに対して、該画像データが通信端末3において閲覧が不可能となっている旨を示す通信端末保存要求フラグをたてて管理する。また、この暗号化処理部30は、この画像データに対して、認証情報および店舗ごとに設定されている認証番号を割り当てる。なお、上記認証情報は、写真シール機2あるいは写真シール機2が設置されている店舗に割り当てられている識別情報であってもよいし、該写真シール機2が利用者の顔画像から抽出した特徴点を示す情報を取得する構成である場合は、この特徴点を示す情報であってもよい。
【0102】
このように暗号化処理部30は、認証情報と認証番号とを、暗号化処理した画像データに割り当てる。そして、暗号化処理部30は、この画像データを、上記認証番号を示す情報とともに近距離無線通信部43を制御して通信端末3に送信する。なお、この送信する画像データ(暗号化画像データ39)は、後述するように会員登録管理サーバ5から受信するキー情報によっても復号できるように暗号化処理されている。
【0103】
一方、通信端末3では、写真シール機2から暗号化画像データ39を、端末通信処理部32を介して端末制御部33が受信し端末記憶装置31に記憶させる。このようにして、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2にて撮影された画像データを通信端末3に保存させることができる。
【0104】
画像の保存処理が終了すると、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して通信端末が保持する画像の編集処理を要求するか否かを問い合わせる表示を行う(S16)。
【0105】
この問い合わせの表示に対して、上記通信端末3に記憶する画像(暗号化画像データ39)の編集を所望する場合、利用者は、この編集を所望する旨の指示を、編集処理用タッチパネル20を操作して入力する。さらにまた、利用者は通信端末3を操作して、赤外線により第1アンテナ34aから編集を所望する暗号化画像データ39を写真シール機2に送信する。
【0106】
一方、写真シール機2では、この利用者からの指示とともに、通信端末3から暗号化画像データ39を受信すると、この暗号化画像データ39を、近距離無線通信部43を介して復号部29が受信する。そして、復号部29は、この受信した暗号化画像データ39を復号し画像編集処理部27に送信する。
【0107】
すなわち、復号部29は暗号化画像データ39を受信すると、画像編集処理部27に指示して編集処理用タッチパネル20に認証番号の入力を促す表示を行うように指示する。この復号部29からの指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20に認証番号の入力を促す表示を行う。この表示に対して、利用者は、暗号化画像データ39の通信端末3への保存時に写真シール機2から送信された認証番号を入力する。
【0108】
利用者からの認証番号の入力を編集処理用タッチパネル20が受け付けると、画像編集処理部27を介して復号部29に送信する。復号部29は、利用者からの認証番号の入力を受信すると、受信した認証番号の適否を確認する。そして、認証番号が適切であると判定した場合、暗号化画像データ39に対して設定した通信端末保存要求フラグを外し、暗号化画像データ39に割り当てられている認証情報の認証を行う。そして、認証情報の認証が終了すると暗号化画像データ39を復号し画像編集処理部27に送信する。
【0109】
このようにして、画像編集処理部27は、通信端末3において保持されている画像(暗号化画像データ39)を取得することができる(S17)。そして、上記画像編集処理部27は、復号部29により復号された暗号化画像データ39を受信するとこの画像データに基づく編集処理を行う(S18)。一方、通信端末3に保存している暗号化画像データ39に対する編集を要求しない場合、すなわち、ステップS12にて撮影した画像データのみに対する編集処理を行う場合(S16において「No」)は、ステップS16からステップS18の編集処理へと進む。
【0110】
ステップS18における編集処理の開始時では、編集処理用タッチパネル20において、編集用画面とともに、撮影した画像データまたは通信端末3から取得した画像データに対する編集処理方法を説明する案内が表示されている。また、編集用スピーカ19によって音声により編集方法が案内されている。利用者は、この案内表示および音声の指示に従い、編集指示を編集処理用タッチパネル20から入力する。
【0111】
このように表示および音声案内に従い、利用者によって編集指示が入力されると、この指示に応じて、画像編集処理部27は、先ほどの複数回の撮影により生成された画像データまたは、通信端末3から取得した画像データに基づく画像を編集処理用タッチパネル20に表示するように制御する。
【0112】
この画像が編集処理用タッチパネル20に表示されると、利用者は、これらの画像の中から落書きなどの編集処理を行う画像の選択を行う。これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みに適合した画像を選択することができる。
【0113】
次に、選択された画像を編集処理用タッチパネル20に表示し、編集処理用タッチペン21を用いて、背景画像の選択、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。そして、さらに別の撮影画像に対しても編集を行う場合には、編集済みの撮影画像を合成画像として、記憶装置11に一時保存しておく。そして、さらなる撮影画像に対する上記画像編集処理を繰り返し、編集処理後の画像データを続く印刷処理にて出力させるデータとして記憶装置11に一時記憶する。そして、画像編集処理部27は、編集処理の完了を印刷処理部28に通知する。また、編集処理が終了すると、編集空間にて利用者は、編集処理用タッチパネル20の操作ボタンを操作して、シール紙にプリントする画像の分割数または分割パターンなどを設定し印刷処理の実行指示を入力する。
【0114】
この利用者による入力に応じて、印刷処理部28は、ステップS16の編集処理にて得た編集画像をシール紙に印刷するように、プリンタ23を制御する(S19)。このように編集処理および印刷処理を実行した後、編集処理用タッチパネル20では、印刷空間に移動しシール紙が排出されるのを待機する旨を案内する案内画面が表示される(S20)。
【0115】
そして、印刷されたシール紙がシール紙排出口24から排出される(S21)。なお、ステップS19に示す印刷処理についての詳細は後述する。
【0116】
なお、上記した「写真シール作成処理」では、撮影処理が終了し利用者が編集空間に移動した時点、すなわちステップS14で画像の保存を要求するか否かを判定し、次のステップS15にて画像の保存処理を行う構成であった。しかしながら画像の保存処理を行うタイミングはこれに限定されるものではなく、ステップS18に示す編集処理後に、編集された画像に対する保存の必要性を問い合わせ、保存する必要がある場合、編集処理後の画像に対する保存処理する構成であってもよい。このような構成の場合、ステップS18の処理の後に上記したステップS14およびステップS15の処理が行われることとなる。
【0117】
(撮影処理)
図7を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における利用者の撮影処理について説明する。図7は本実施の形態に係る写真シール機2にて実行される撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【0118】
ステップS11で利用者から硬貨が投入されると、課金処理部25が投入された硬貨が所定の金額に達したか否かを判定する(S31)。この判定において、課金処理部25が投入された硬貨が処理の金額に達していないと判定している間(S31において「No」)、撮影処理部26が、撮影処理用タッチパネル15を制御して、撮影例、イラスト、アニメーション等のデモ画像を表示させる(S32)。
【0119】
一方、課金処理部25が、投入された金額が所定の金額に達したと判定した場合(S31において「Yes」)、この判定結果を撮影処理部26に通知する。すなわち、課金処理部25は、硬貨処理装置18からの硬貨の投入の通知をカウントし、利用者から硬貨処理装置18に所定の硬貨が所定枚数投入されたと判断すると、プレイ動作の開始を撮影処理部26に通知する。
【0120】
撮影処理部26は、課金処理部25からの通知に基づき、デモ画像の表示を停止させ、撮影処理に係る設定を促す表示に切り替える。そして、撮影処理部26は、利用者からの入力を、撮影処理用タッチパネル15を介して受付け、撮影処理に係る設定を行う(S33)。すなわち、撮影処理部26は、まず、複数ある撮影コースを指定し、指定した撮影コースの中の撮影枚数、背景および撮影時間などの設定を行うための表示を撮影処理用タッチパネル15で行う。この表示に従い、利用者が撮影処理用タッチパネル15を操作して、撮影枚数および撮影時間の設定を行う。撮影枚数および撮影時間に関する設定が完了すると、撮影処理部26は、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などを促す表示を撮影処理用タッチパネル15に指示して行う。この表示を参照して利用者は、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などに関する指示を示す情報を、撮影処理用タッチパネル15を操作して入力する。
【0121】
撮影処理用タッチパネル15は、利用者から入力された上記情報を受け付けると撮影処理部26に通知する。撮影処理部26は、撮影処理用タッチパネル15から受信した通知に応じて、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などの設定を行う。続いて、撮影処理部26は、CCDカメラ13を起動させ、CCDカメラ13によって撮影された画像(ライブビュー画像)をライブビューパネル14に表示する。
【0122】
利用者は、前記ライブビューパネル14に表示されたライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとる。そして、利用者が、所望のタイミングで撮影処理用タッチパネル15の撮影開始を示すボタンを押下する、あるいは所定時間が経過すると(S34において「Yes」)撮影画像の生成を行う(S35)。
【0123】
一方、撮影開始を示すボタンの押下される、あるいは所定時間が経過するまで、すなわちステップS34において「No」の間では、撮影の設定を行う。また、本実施の形態に係る写真シール機2では、上記所定時間の経過は、撮影処理用タッチパネル15にカウントダウンインジケータを表示させて利用者に通知するように構成されている。
【0124】
ここで、上記ステップS34において「Yes」と判定された場合、上記撮影によりCCDカメラ13が画像データを生成し(S35)、生成した画像データを撮影処理部26に送信する。撮影処理部26は、生成された画像データを受信して、記憶装置11に一時保存させる(S36)。このように生成された画像データが編集処理用に記憶装置11に一時保存されると、再度、上記撮影画像の生成に戻って、上記の処理動作を、設定された所定撮影時間に到達するまで、または撮影終了を示すボタンが押下されるまで、すなわちステップS37において「Yes」と判定されるまで繰り返す。一方、ステップS37において「Yes」と判定されると撮影処理は終了して、図6に示すステップS13に進む。
【0125】
(印刷処理)
次に、図8を参照して本実施の形態に係る写真シール機2における印刷処理の詳細について説明する。図8は、本実施の形態に係る写真シール機2における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【0126】
上述したように、画像編集処理部27は、画像編集処理を終了すると、その旨を印刷処理部28に通知するとともに、編集後の画像を記憶装置11に記憶させる。画像編集処理部27から、画像編集処理の終了を示す通知を受け、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20に指示して、シール紙上での分割数または分割パターンを利用者に選択させるための表示を行わせる。
【0127】
この編集処理用タッチパネル20における表示に応じて、利用者が所望する分割数または分割パターンを示す情報を、編集処理用タッチパネル20を操作して入力すると、この入力された情報を印刷処理部28が受け付ける。そして、印刷処理部28は、この利用者から入力された情報に基づき画像の印刷データを作成する(S41)。そして、印刷処理部28は、印刷データを作成すると、プリンタ23を制御して起動させるとともに、該プリンタ23のステータスが正常であるか否かを確認する(S42)。ここで、プリンタ23のステータスが正常でない場合、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20を制御して、プリンタがエラー状態である旨を示すエラーメッセージを表示させる(S43)。このエラーメッセージの表示は、プリンタ23のステータスが正常となるまで継続される。
【0128】
一方、起動させたプリンタ23のステータスが正常である場合、印刷処理部28は、利用者により選択された分割領域ごとに、画像編集処理部27が編集処理した編集画像が印刷されるように、プリンタ23を制御してシール紙に印刷を行う(S44)。
【0129】
以上のように本実施の形態に係る写真シール機2は、画像編集処理部27による編集対象となる画像データを利用者の通信端末3に配信し保存させる構成である。このため、編集対象となる画像データを長期的に保存しておく場合、写真シール機2が備える記憶装置11にこの画像データを記憶させておく必要がない。
【0130】
このように、編集対象となる画像データを記憶装置11に記憶させておく必要がないため、本実施の形態に係る写真シール機2では保存させるデータ量を大幅に低減させることができる。よって、本実施の形態に係る写真シール機2では、画像データを十分に保存できるように記憶装置11の記憶容量を予め大きく設計するなど考慮する必要がない。
【0131】
また、通信端末3に配信する画像データは暗号化処理されており、通常の設定では通信端末3にて表示させて閲覧することができない構成である。すなわち、画像データに対する編集処理は、本実施の形態に係る写真シール機2においてのみ実行することができるようになっている。すなわち、写真シール機2から配信された画像を保持する通信端末3において、あるいは、別の写真シール機2において、該画像の編集処理が実行されないように管理することができる。
【0132】
また、このように通信端末3または他の写真シール機2にて、該通信端末3に配信した画像データに対する閲覧および編集を行うことができないため、利用者は、通信端末3に配信された画像の閲覧および編集を所望する場合、写真シール機2に足を運ぶ必要がある。したがって、上記写真シール機2の利用者による利用頻度を向上させることができる。
【0133】
なお、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2の利用に関して会員登録できるようになっており、会員登録することにより、利用者は通信端末3にて暗号化画像データ39を復号して表示することができるようになる。そこで、下記において、図5および図9を参照して、上記画像提供システム1における会員登録処理、および会員登録後における通信端末における画像の表示処理について説明する。なお、この図9は、本実施の形態に係る画像提供システム1における通信端末3の会員登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0134】
(会員登録処理)
まず、利用者が写真シール機2を訪れると、該写真シール機2において設けられているQRコードを、通信端末3が備える撮像部36により撮影し、QRコードの画像を取得する(S51)。すなわち、撮像部36を上記QRコードに向けて配置し、通信端末3の操作部(不図示)を操作してQRコードを撮影し、該QRコードの画像を取得する。
【0135】
通信端末3は、QRコードの画像を取得すると、端末制御部33がこのQRコードの画像を解析し該QRコードに記録されている会員登録管理サーバ5のURL(Uniform Resource Locator)を取得する(S52)。端末制御部33は、上記取得したURLを端末記憶装置31に一時記憶させ、該URLによって示された会員登録管理サーバ5との接続指示を要求する表示を表示部35にて行う。
【0136】
この表示に対して利用者が、上記操作部を操作して接続を指示すると、端末制御部33は、端末記憶装置31に一時記憶させたURLを読み出し、該URL先との接続を確立するように端末通信処理部32を指示する。そして、端末通信処理部32は、端末制御部33からの指示に応じて基地局6を介して会員登録管理サーバ5との接続を確立する。
【0137】
このようにして通信端末3と会員登録管理サーバ5との接続が確立すると、通信端末3は、会員登録管理サーバ5に会員登録の要求を示す情報を送信する(S53)。
【0138】
一方、会員登録管理サーバ5では、会員登録処理部52の会員データ要求部59が、サーバ通信処理部51を介して、通信端末3から会員登録の要求を受信すると(S54)、この会員登録を要求する通信端末3に対してメールアドレスを送信するように指示する(S55)。通信端末3では、会員登録管理サーバ5からこのメールアドレスの送信指示を受信すると、端末通信処理部32はこの送信指示を端末制御部33に渡す。端末制御部33は、この送信指示に応じて、メール作成ソフト(不図示)を起動させ空メールを作成し(S56)、表示部35に空メールの送信確認を示す表示を行う。この表示に対して、利用者から送信指示を受け付けると、端末制御部33は、この空メールを端末通信処理部32に指示して会員登録管理サーバ5に送信させる(S57)。
【0139】
一方、会員登録管理サーバ5は、通信端末3から空メールを受信すると(S58)、会員データ要求部59は、該空メールを解析する。そして、会員データ要求部59は、空メールに付されている送信元のメールアドレス情報を取得する(S59)。このようにして通信端末3からメールアドレスを取得すると、会員登録管理サーバ5では、会員データ要求部59が通信端末3に対して会員登録にかかる手数料の要求を行う(S60)。
【0140】
一方、通信端末3では、端末通信処理部32が会員登録管理サーバ5から手数料の要求を受信すると(S61)、該要求を示す情報を端末制御部33に送信する。端末制御部33は、この手数料の要求を示す情報に応じて、表示部35に手数料の支払い方法を表示させる。なお、この手数料の支払い方法としては、例えばクレジット決済、または会員登録管理サーバ5がキャリアと契約して通話料金として手数料を計上させる方法が挙げられる。
【0141】
この表示部35における手数料の支払い方法の表示に対して、利用者が所望の支払い方法を選択し決定を指示する(S62)。そして、この指示に応じて端末制御部33は端末通信処理部32を制御して利用者により選択された支払い方法に関する情報を会員登録管理サーバ5に送信する(S63)。なお、クレジット決済を行う場合、この支払い方法に関する情報にはクレジットカード番号等の情報も含まれる。
【0142】
通信端末3から支払い方法を示す情報の入力をサーバ通信処理部51が受け付けると(S64)、このサーバ通信処理部51は会員登録処理部52の会員データ要求部59に送信する。そして、この会員データ要求部59は、支払い方法を示す情報を受信するとこの情報を決済処理部53に送信し、この情報に基づき決済処理を行うように指示する。この会員登録処理部52からの指示に応じて、決済処理部53が決済処理を行う(S65)。そして決済処理部53は決済処理を完了させると、その旨を示す情報を会員登録処理部52における会員データ要求部59およびキー情報提供部58に送信する。
【0143】
会員登録処理部52では、会員データ要求部59が決済処理部53から決済処理の完了を示す情報を受信すると、通信端末3から取得したメールアドレスを会員登録された利用者の識別情報として会員データ56に記録する(S66)。また、会員登録処理部52では、キー情報提供部58が、サーバ記憶部54からキー情報57を読み出し、会員登録が行われた通信端末3に対して送信する(S67)。このようにして会員登録管理サーバ5からキー情報57が送信されると、通信端末3はこのキー情報57を、端末通信処理部32を介して端末制御部33が受信し、端末記憶装置31に該キー情報57を記録させる。
【0144】
このようにして、本実施の形態に係る画像提供システム1における会員登録処理は終了する。
【0145】
以上のように、会員登録された通信端末3は会員登録管理サーバ5からキー情報を取得することができるため、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を自装置内において復号し表示部35に表示させることができる。
【0146】
このように会員登録処理を完了させた利用者が保持する通信端末3では、本実施の形態に係る写真シール機2が設置されている場所から離れた場所であっても、保持している暗号化画像データ39を復号し表示等を行うことができるという特典を得ることができる。したがって、本実施の形態に係る画像提供システム1では、このような特典を会員登録した利用者に提供することにより、会員数を向上させることができる。
【0147】
逆に、本実施の形態に係る画像提供システム1では、以上のように、会員登録管理サーバ5が会員データ56を保持しているため、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を復号し利用可能とする通信端末3を管理しておくことができる。
【0148】
また、この会員登録の実行タイミングは、編集空間にて編集処理を行う前であってもよいし、撮影空間にて撮影処理が行われる前であってもよい。さらには、図10に示すように、撮影処理時における設定を予め行うための事前空間が設けられている場合は、この事前空間における事前処理の1つとして行ってもよい。
【0149】
写真シール機2がこのような事前接客空間を備える構成の場合、利用者の移動の流れは下記のようになる。すなわち、前提として、利用者A1とA2のグループと、利用者B1とB2のグループとの2グループが写真シール機2を利用するものとする。そして、前者のグループから順に写真シール機2を利用するものとする。
【0150】
このような前提において、利用者A1とA2とがそれぞれ先に事前接客空間にて、撮影処理時における設定等を行うとともに、会員登録を所望する場合は会員登録処理を行う。すなわち、事前接客空間では会員登録管理サーバ5のURLを記録したQRコードが設けられている。このQRコードの画像を通信端末3の撮像部36により取得し、取得した画像を解析して上記URLを得る。そして、通信端末3は、このURL先の会員登録管理サーバ5と接続を確立して上記したように会員登録処理を行う。
【0151】
このように、会員登録処理または撮影処理時における設定を終了し、かつ撮影空間が空いている場合、利用者A1とA2のグループは、撮影空間に移動し撮影を行う。そして、利用者A1とA2とが撮影を行っている間、利用者B1とB2とは、事前接客空間に移動し、この利用者A1とA2と同様に撮影処理時における設定、または会員登録処理を行う。
【0152】
なお、この事前接客空間に設けられているQRコードの数は、1つであってもよいし、2つ以上設けられていてもよい。ただし、図10に示す実施形態のように複数人から構成されるグループによって本実施の形態に係る写真シール機2が利用されることが多いため、この利用形態に応じて複数のQRコードが設けられていることが好ましい。
【0153】
利用者A1とA2のグループが撮影空間にて撮影処理を終了させると、編集空間へと移動する。本実施例では、編集空間では同時に2組が編集処理および印刷処理を行うことができるようになっている。そこで、図10に示す例では、利用者A1とA2のグループは、撮影空間における左側の領域に移動し、編集処理および印刷処理を行う。
【0154】
一方、利用者B1とB2とのグループは、利用者A1とA2とのグループが編集空間に移動すると、撮影空間に移動し、撮影処理を行う。そして、撮影処理を終えると、編集空間の開いている側の領域(図10における編集空間の右側の領域)へと移動する。そして、利用者B1とB2とは、先に編集および印刷処理中の利用者A1とA2のグループと対向する位置にて編集および印刷処理を行う。
【0155】
このように事前接客空間にて撮影処理に係る設定等を行ったり、会員登録したりする場合、写真シール機2は、上記したQRコードに加えて、下記の部材をさらに備える構成となる。すなわち、事前接客空間において実行する処理についての案内を表示したり、利用者からの入力を受け付けたりするタッチパネルと、このタッチパネルに付随して設置されているタッチペンとをさらに備える。そして、利用者が事前接客処理用に設けられたこのタッチパネルを操作して撮影処理に係る設定を指示することとなる。
【0156】
また、上記事前接客空間にて会員登録処理が完了した場合、利用者は過去に撮影した画像の暗号化画像データ39を、撮影処理を行う前に通信端末3にて表示させることができる。このように、過去に撮影した画像データを撮影処理前に読み出す構成の場合、過去に撮影した画像の履歴を利用者が確認することができる。さらにはまた、撮影処理中に、過去に撮影した撮影ポーズを参考にして撮影処理を行うことができる。
【0157】
なお、上記したように、本実施の形態に係る画像提供システム1では、会員登録していない利用者の場合、撮影して得た画像データを、通信端末3から写真シール機2に送信し、表示および編集を指示する構成であった。なお、この会員登録を行っていないとは、意図的に会員登録を行わない場合と、写真シール機2が設置されている場所が地下などであり、通信端末3と会員登録管理サーバ5との間での通信を確立することができない場合との両者が想定される。後者の場合、QRコードから取得した会員登録管理サーバ5のURLの情報を通信端末3は記憶しておく。そして、この会員登録管理サーバ5と通信を確立することができる場所に利用者が移動した際、通信端末3を操作して記憶しているURLを読み出し、該URL先との接続を確立し会員登録処理を行う。そしてこの会員登録処理によって配信されたキー情報57を利用して、通信端末3は写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を復号し表示させる。
【0158】
また、上記した画像提供システム1では、通信端末3は、暗号化処理された画像データである暗号化画像データ39を写真シール機2から取得する。一方、この通信端末3は、暗号化画像データ39を復号するためのキー情報57を、会員登録処理後に会員登録管理サーバ5から基地局6を通じて受信する構成であった。
【0159】
ここで、図11に示すように、通信端末3は、写真シール機2を通じて会員登録管理サーバ5にアクセスし、会員登録処理を実行する構成であってもよい。なお、この図11に示す画像提供システム100では、図12に示すように写真シール機2は、図1に示す構成に加えてさらに、通信処理部12と、制御部10の機能ブロックとして会員登録要求部22を備える構成である。このため、同じ部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0160】
上記図11は、本発明の別の実施例を示すものであり、画像提供システム1の要部構成を示すブロック図である。また、図12は、本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0161】
通信処理部12は、制御部10からの指示に応じて、通信ネットワーク4を通じて会員登録管理サーバ5との接続を確立し、該会員登録管理サーバ5との間における各種情報の送受信を行うものである。
【0162】
また、制御部10が機能ブロックとして備える会員登録要求部22は、近距離無線通信部43を介して通信端末3から会員登録処理の要求を受信すると、通信処理部12を制御して会員登録管理サーバ5との通信を確立させる。そして、会員登録処理に係る各種情報の送信または受信指示を通信処理部12に行うものである。
【0163】
すなわち、本実施の形態に係る画像提供システム100では、写真シール機2を介して、通信端末3と会員登録管理サーバ5との間において会員登録処理に必要となる各種情報および指示情報を送受信させ会員登録処理を実行することができる。
【0164】
このような構成の場合、通信端末3は基地局6を介して会員登録管理サーバ5と接続を確立する必要がないため、通信端末3と基地局6との間における通信状態が悪く通信ができないため会員登録処理を行うことができないといった問題を防ぐことができる。また、このような構成の場合、通信端末3は、基地局6を介して会員登録管理サーバ5と通信を確立する必要がないため、第2アンテナ34bは備えていなくてもよい。
【0165】
また、写真シール機2は、図13に示すように、図5に示す会員登録管理サーバ5が備える、会員登録処理部52および決済処理部53をさらに備え、サーバ記憶部54に記憶する会員データ56およびキー情報57を記憶装置11がさらに記憶した構成、すなわち、図1に示す本実施の形態に係る写真シール機2と会員登録管理サーバ5とが一体に構成されていてもよい。なおこの図13は、本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0166】
このように会員登録管理サーバ5と写真シール機2とを一体として構成した場合、利用者からの会員登録の要求は、写真シール機2において近距離無線通信部43が受信し、会員登録処理部52に送信する。会員登録処理部52は、利用者から会員登録の要求を受信すると、該利用者の通信端末3に対してメールアドレスの送信を要求し、上記した「会員登録処理」と同様にして会員登録を行い、会員登録が完了した通信端末3に対してキー情報57を送信する。
【0167】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1および画像提供システム100では、上述した「会員登録処理」において、利用者の識別データとしてメールアドレスを、通信端末3から会員登録管理サーバ5に送信する構成であった。しかしながら、この識別データは、これに限定されるものではなく、通信端末3の機器ID番号であってもよいし、利用者の顔画像から抽出した特徴点を示す情報であってもよい。
【0168】
例えば、利用者の顔画像から抽出した特徴点を示す情報を、識別情報として用いる場合、この情報を以下のように求め利用する。すなわち、より具体的には、図6に示すステップS12の撮影処理において、写真シール機2は、利用者の撮影を行い、取得した撮影画像の中から上記利用者の顔画像を認識する。そして、写真シール機2は、認識した顔画像に基づいて、該利用者の顔の特徴点を抽出し、抽出した顔の特徴点に基づいて顔IDを作成する。そして、写真シール機2は、この作成した顔IDを利用者に通知するとともに、撮影した利用者の画像に付加して記憶装置11に一時記憶させる。一方、利用者は、この通知された顔IDを、自身に対して割り当てられた識別データとして通信端末3にて保持しておく。そして、上記した会員登録処理時において、通信端末3から会員登録管理サーバ5に空メールを送信する代わりに、保持しているこの顔IDを送信する。
【0169】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、会員登録された利用者が所持する通信端末3に対して、暗号化画像データ39を復号するためのキー情報57を、会員登録管理サーバ5から送信する構成であった。しかしながら、このキー情報57の代わりに、暗号化画像データ39の復号処理を行うことができるアプリケーションを通信端末3に配信しダウンロードさせる構成であってもよい。
【0170】
このようにアプリケーションを配信する構成の場合、例えば、通信端末3が備える端末制御部33が、暗号化画像データ39を、キー情報57を用いて復号処理する機能を有していない場合であっても、このアプリケーションを起動させることにより復号処理することができる。
【0171】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、通信端末3が、写真シール機2に設けられたQRコードの画像を取得し、該画像を解析することにより会員登録管理サーバ5のURLを取得する構成であった。しかしながら、このURLの取得方法はこれに限定されるものではなく、QRコードの代わりに、バーコードによってURLに関する情報が記録されており、このバーコードの画像を取得し、解析して会員登録管理サーバ5のURLを取得する構成であってもよい。しかしながら、バーコードよりもQRコードの方が記録するデータ量が大きいため、より大きなデータを取得する場合はQRコードに情報が記録されている方が好ましい。さらにはまた、通信端末3が赤外線により写真シール機2から直接このURLを取得する構成であってもよい。
【0172】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2が、撮影または編集後の画像データを保存する場合、該画像データを通信端末3に送信し、該通信端末3が有する端末記憶装置31に記憶させる構成であった。しかしながら、例えば、画像データの保存時に、写真シール機2から通信端末3に該画像データを送信しても保存ができない場合がある。なお、この保存ができない場合とは、例えば、通信端末3が有する端末記憶装置31の記憶領域においてこれ以上データを記憶させることができない場合、または写真シール機2と通信端末3との間において近距離無線通信が正常に確立できない場合などである。
【0173】
そこで、上記したように通信端末3に保存が所望される画像データを記憶させることができない場合、写真シール機2が備える記憶装置11にこの画像データを保存できる構成としてもよい。
【0174】
すなわち、写真シール機2では、近距離無線通信部43が画像データの送信が通信端末3に対して正常に行われたか否かを監視している。そして、画像データが正常に送信されなかったと判定した場合、近距離無線通信部43は、画像編集処理部27に対して保存が所望される画像データを記憶装置11に記憶させるように指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は、保存が所望される画像データを記憶装置11に記憶させる。なお、記憶装置11に記憶させておく画像データに対して、該記憶装置に保持可能な所定期間(例えば、1週間)が設定されており、この所定期間を経過すると画像編集処理部27はこの記憶している画像データを削除するように構成されている。
【0175】
また、上記したように記憶装置11に画像データを記憶させる場合、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20において、通信端末3に画像データを記憶させることができなかったため当該写真シール機2にて所定期間だけ記憶させておく旨を表示させる。このように表示させることにより、写真シール機2は、自機にて画像データを所定期間だけ記憶させておく旨、利用者に通知することができる。
【0176】
以上のように、記憶装置11にも保存が所望される画像データを所定期間記憶させておくことができる構成とすることにより、写真シール機2は、通信端末3に画像データを記憶することができなかった場合に対処することができる。
【0177】
また、写真シール機2における画像データは所定期間経過後に削除される構成であるため、記憶させるべき画像データのデータ量が増え、さらなる画像データの保存ができなくなるといった問題を防止することができる。
【0178】
また、この保存した画像データを利用する場合、利用者は、この写真シール機2に必ず足を運ぶ必要がある。したがって、写真シール機2に対する利用者による利用頻度を向上させることができる。
【0179】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0180】
最後に、写真シール機2の各ブロック、特に制御部10の会員登録要求部22、課金処理部25、撮影処理部26、画像編集処理部27、印刷処理部28、復号部29、および暗号化処理部30、(図13に示す構成では、さらに会員登録処理部52および決済処理部53)は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、以下のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、同様に、通信端末3の各ブロック、特に、端末制御部33、および会員登録管理サーバ5の各ブロック、特に会員登録処理部52のキー情報提供部58、会員データ要求部59もハードウェアロジックによって構成してもよいし、以下のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0181】
すなわち、写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれでは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0182】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0183】
また、写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明に係る画像編集装置は、利用者から編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、この画像データを通信装置に送信する構成である。すなわち、画像編集装置は、利用者ごとに活用されるデータを、各利用者に配信し、自装置内にはこのデータを記憶させておく必要がない。このため、利用者ごとで活用されるデータを編集処理等行う装置であって、大きな記憶容量を有さない装置、または記憶させるデータのデータ量が大きくなる場合に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、写真シール機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に実施形態を示すものであり、画像提供システムの概略構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る写真シール機を、上記撮影空間側から見た図である。
【図4】本実施の形態に係る写真シール機を、印刷空間側から見た図である。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、会員登録管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る写真シール機における写真シール作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る写真シール機にて実行される撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る写真シール機における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る画像提供システムにおける通信端末の会員登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る写真シール機の配置と利用者の移動の状態の一例を示す図である。
【図11】本発明の別の実施例を示すものであり、画像提供システムの要部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図13】本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0186】
1 画像提供システム
2 写真シール機(画像編集装置)
3 通信端末(通信装置)
11 記憶装置
27 画像編集処理部(編集処理手段)
29 復号部(復号手段)
30 暗号化処理部(暗号化処理手段)
31 端末記憶装置(記憶部)
43 近距離無線通信部(画像データ通信部)
52 会員登録処理部(提供手段・特定情報要求手段)
57 キー情報(復号情報)
58 キー情報提供部(提供手段)
59 会員データ要求部(特定情報要求手段)
100 画像提供システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばゲームセンターなどの娯楽施設などにおいて、撮影した写真をシールとして出力する写真シール機(画像編集装置)が広く使われている。このような写真シール機では、利用者の撮影、該撮影された画像の編集および印刷といった一連の流れを1ゲームとして実行するようになっている。そして、このように一連の流れによって得た写真シールは、友人同士で交換したり、ノート等利用者の持ち物に貼り付けたりして利用されている。
【0003】
また、デジタルカメラ等の撮影手段を有する携帯電話機(カメラ付き携帯電話機)等の普及に伴い、写真シール機で編集処理された画像データを、該携帯電話機においても共有することに対する要求が高まってきた。そこで、例えば、写真シール機で撮影し、編集処理した画像データを携帯電話機に配信できる装置が開発されている(特許文献1または特許文献2参照)。この装置では、撮影された画像データを、インターネット等の通信ネットワークを通じて写真シール機と通信可能に接続されているサーバに送信する。このようにして、サーバは、写真シール機から画像データを受信し保持することができる。そして、上記携帯電話機等を介して画像データの配信先が指定されると、サーバは、この指定された配信先に画像データを配信するようになっている。
【0004】
さらには、画像データ等の情報を携帯電話機から写真シール機に対して赤外線を利用して提供する装置も開示されている(特許文献3参照)。また、画像とともに接続先のURL情報を含む2次元バーコードを印刷して出力できる装置(特許文献4参照)などもある。また、撮影画像を、ネットワークまたはコネクタを介して伝送可能とする画像撮影伝送装置が開示されている(例えば特許文献5・6参照)。
【特許文献1】特開2003―333573号公報(2003年11月21日公開)
【特許文献2】特開2001−313913号公報(2001年11月9日公開)
【特許文献3】特開2005−111814号公報(2005年4月28日公開)
【特許文献4】特開2005−107947号公報(2005年4月21日公開)
【特許文献5】特開2001−238107号公報(2001年8月31日公開)
【特許文献6】特開2001−309108号公報(2001年11月2日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、撮影した画像データを長期的に保存しておく場合、サーバで画像データを記憶し管理する構成である。ところが、このサーバが記憶可能なデータ量は有限であり、該サーバにて記憶させる画像データのデータ量が大きくなりすぎると画像データは記憶できず溢れてしまうといった問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当該画像編集装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができる画像編集装置、画像提供システム、画像編集装置の制御プログラム、および画像編集装置の制御プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像編集装置は、上記した課題を解決するために、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、利用者からの入力指示に応じて上記画像データの編集処理を行う編集処理手段と、上記利用者により利用される、各種情報を記憶するための記憶部を有した通信装置との通信を確立する画像データ通信部とを備え、上記利用者から上記編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、上記画像データ通信部が該画像データを上記通信装置に送信することを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、上記画像データ通信部を備えているため、利用者から画像データの保存指示を受け付けた場合、編集処理手段による編集対象となる画像データを、利用者が利用する通信装置に送信することができる。なお、この編集対象となる画像データとは、例えば、利用者を撮影した画像そのもののデータであってもよいし、編集処理手段によって編集された画像データであるが、編集処理に対する指示に応じてさらなる編集処理を行うことができる画像データであってもよい。すなわち、この編集対象となる画像データとは、編集処理手段により編集可能な画像データであればよい。また、上記通信装置とは、上記利用者により利用可能な装置であって、利用者が所有する通信装置以外にも、本発明に係る画像編集装置を利用する店舗等において貸し出される通信装置も含まれる。
【0009】
また、上記通信装置では、各種情報を記憶させるための記憶部を有している。このため、本発明に係る画像編集装置は、画像データを、この通信装置に送信し、この通信装置が備える記憶部に記憶させることができる。
【0010】
また、画像データ通信部および編集処理手段を備えているため、利用者により利用される通信送置から画像データを受信した場合、本発明に係る画像編集装置は、この受信した画像データを該利用者からの入力指示に基づき編集処理することもできる。
【0011】
以上のように、本発明に係る画像編集装置は、編集処理手段による編集対象となる画像データを自装置にて保存するのではなく、利用者が利用する通信装置に送信し、該通信装置にて記憶させることができる。したがって、本発明に係る画像編集装置は、この編集処理手段による編集対象となる画像データを自装置にて記憶させる必要がないため、当該画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記画像データ通信部は、無線通信により上記通信装置との通信を確立し、上記画像データの送信または受信を行うように構成されていることが好ましい。
【0013】
上記構成によると、上記画像データ通信部が無線通信により上記通信装置との通信を確立し、上記画像データの送信または受信を行うことができるため、該画像データ通信部が通信可能な範囲において効率的に画像データの送信または受信を通信装置に対して行うことができる。特に通信装置が利用者によって携帯され、移動するものである場合、上記画像データ通信部が例えば有線ケーブル等によって通信装置に対する画像データの送信または受信を行う構成と比較して該通信装置の移動に対する制限を低減させることができる。
【0014】
このように、本発明に係る画像編集装置は、通信装置の移動に対する制限を低減させるとともに効率的に画像データを通信装置に送信することができるため、送信すべき画像データを送信することができずに保持しておくといった状態が生じる確率を低減させることができる。このように、送信すべき画像データを送信することができずに保持しておくといった状態が生じる確率を低減さることができるため、当該画像編装置にて記憶させておくデータ量を低減させることができる。
【0015】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記通信装置に送信する画像データを暗号化処理するための暗号化処理手段と、上記通信装置から受信した、上記暗号化処理手段によって暗号化処理された画像データを復号するための復号手段とをさらに備えるように構成されていることが好ましい。
【0016】
上記構成によると、暗号化処理手段および復号処理手段を備えているため、通信装置に送信し保持させている画像データに対する編集処理を、当該画像編集装置においてのみ行うことができるようにすることができる。すなわち、画像編集装置から画像データが送信された通信装置において、あるいは、別の画像編集装置にて該画像データが編集処理されることを防ぐことができる。
【0017】
したがって、本実施の形態に係る画像編集装置は、編集処理手段にて編集処理すべき画像データを利用者により利用される通信装置にて保持させることができるため、当該画像編集装置にて記憶させるデータ量を低減させることができる。一方、通信装置に送信した画像データに対しては当該画像編集装置でのみ編集可能とすることができるため、通信装置に送信した編集対象となる画像データを該通信装置あるいは別の画像編集装置にて勝手に編集処理されないように管理することができる。
【0018】
よって、本発明に係る画像編集装置は、当該画像編集装置に記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるとともに、編集処理手段による編集対象となる画像データを管理することができる。
【0019】
また、本発明に係る画像編集装置は、上記した構成において、上記通信装置からの、上記暗号化処理された画像データを復号するための復号情報の送信要求に応じて、該通信装置を特定する特定情報の送信を要求する特定情報要求手段と、上記特定情報要求手段からの要求に応じて上記特定情報を送信した上記通信装置に対して上記復号情報を提供する提供手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0020】
上記構成による特定情報要求手段と提供手段とを備えているため、特定情報によって特定される通信装置に対してのみ復号情報を送信することができる。すなわち、上記画像データを送信した通信装置のうち特定情報によって管理することができる通信装置においてのみ暗号化処理された画像データの復号を行わせることができる。
【0021】
また、通信装置において暗号化処理された画像データを復号できる復号情報を、特定情報により管理される通信装置が取得することができるため、この特定情報により管理された通信装置の数を向上させることができる。
【0022】
したがって、本発明に係る画像編集装置は、画像データを保持している通信装置の中で該画像データを利用することができる通信装置を管理することができるとともに、この管理される通信装置の数を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る画像提供システムは、上記し課題を解決するために、上記編集処理手段、上記画像データ通信部、上記暗号化処理手段、上記復号手段、上記特定情報要求手段、および上記提供手段を備える画像編集装置と、各種情報を記憶するための記憶部を有し、該画像編集装置に対して、上記編集処理手段による編集対象となる画像データの送信または受信を行う通信装置とを備えることを特徴とする。
【0024】
上記構成によると、本発明に係る画像提供システムでは、画像編集装置が備える編集処理手段による編集対象となる画像データを当該画像編集装置にて保存させるのではなく、利用者が有する通信装置にて記憶させることができる。このように、本発明に係る画像提供システムでは、編集対象となる画像データを記憶させる必要がないため、画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【0025】
なお、上記画像編集装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記画像編集装置をコンピュータにて実現させる画像編集装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る画像編集装置は、以上のように、画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、利用者からの入力指示に応じて上記画像データの編集処理を行う編集処理手段と、上記利用者により利用される、各種情報を記憶するための記憶部を有した通信装置との通信を確立する画像データ通信部とを備え、上記利用者から上記編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、上記画像データ通信部が該画像データを上記通信装置に送信することを特徴とする。
【0027】
したがって、本発明に係る画像編集装置は、この編集処理手段による編集対象となる画像データを自装置にて記憶させる必要がないため、当該画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【0028】
本発明に係る画像提供システムは、以上のように、上記編集処理手段、上記画像データ通信部、上記暗号化処理手段、上記復号手段、上記特定情報要求手段、および上記提供手段を備える画像編集装置と、各種情報を記憶するための記憶部を有し、該画像編集装置に対して、上記編集処理手段による編集対象となる画像データの送信または受信を行う通信装置とを備えることを特徴とする。
【0029】
このように、本発明に係る画像提供システムでは、編集対象となる画像データを記憶させる必要がないため、画像編装置にて記憶させるデータ量を大幅に低減させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施形態について図1〜図13に基づいて説明すると以下の通りである。図2に示すように本実施の形態に係る画像提供システム1は、写真シール機2(画像編集装置)、通信端末(通信装置)3、会員登録管理サーバ5、基地局6を備えてなる構成である。この画像提供システム1では、図2に示すように会員登録管理サーバ5と基地局6とが、通信ネットワーク4を通じて互いに通信可能となっている。なお、この図2は、本実施の形態に係る画像提供システム1の概略構成を示す図である。
【0031】
上記通信端末3は、利用者が操作し、写真シール機2と各種データを送受信するものである。この通信端末3は利用者が所有するものであってもよいし、本実施の形態に係る写真シール機2が設置されている店舗において、上記利用者に貸し出されたものであってもよい。この通信端末3は、利用者が所持して移動できるように、携帯型PC(Personal Computer)、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)(登録商標)端末などの携帯可能な通信端末であることが望ましい。また、この通信端末3と写真シール機2との間で確立される通信は、例えば、赤外線、あるいは電波などを利用したワイヤレス通信によって実現されるようになっている。なお、本実施形態では、通信端末3は、赤外線を利用した近距離無線通信によって、写真シール機2との通信を確立することができるようになっている。さらにまた、この通信端末3は、基地局6を介して会員登録管理サーバ5とも通信を確立することができるようになっている。
【0032】
上記写真シール機2は、利用者の写真撮影を行うと共に、所望の場合にその写真を背景画像などと合成するなど編集処理した上で、シール紙に印刷出力するものである。この写真シール機2は、例えばゲームセンターなどの娯楽施設に設置される。
【0033】
この写真シール機2は、図3および図4に示すように外観上、利用者が撮影を行う撮影空間と、撮影された画像を編集する編集空間、画像データに基づき印刷処理されたシール紙が排出される印刷空間とが設けられている。なお、この図3および図4は、写真シール機2の外観を示す図である。図3は、写真シール機2を、上記撮影空間側から見た図であり、図4は、印刷空間側から写真シール機2を見た図である。
【0034】
この撮影空間には、利用者に対する撮影を行い、撮影画像を生成するための撮影部40が備えられている。また、編集空間には、撮影部40により生成された画像を編集するための編集部41および、撮影部40によって撮影された画像、あるいは編集部41によって編集された画像をシール紙に印刷するための印刷部42が備えられている。さらにまた、この編集空間には、近距離無線通信部(画像データ通信部)43が備えられており、該近距離無線通信部43によって通信端末3との間で各種情報の送受信を行うことができるようになっている。
【0035】
なお、編集空間では、例えば図4に示す写真シール機2のように、編集部41の対向する位置(図4では不図示)にも同様の編集部41が設けられており、また、印刷部42も、さらにもう1組設けられている。すなわち、本実施の形態に係る写真シール機2では、編集空間において同時に2組の利用者がそれぞれ別々に編集および印刷処理を行うことができるようになっている。なお、同時に編集および印刷処理を指示することができる組はこの2組に限定されるものではなく、例えば、図4に示す編集部41と隣接して、同様の編集部および印刷部42がさらに設けられている構成であってもよい。
【0036】
なお、上記印刷部42は、図3および図4において特に図示されていないが、プリンタ23およびシール紙排出口24に加えて、画像データを印刷するシール紙とセットで納入されるIDタグを読み取るための、後述するIDタグリーダ/ライタ9も備えている。
【0037】
また、図3および図4では説明の便宜上図示していないが、撮影空間の出入り口、および/または編集空間の周囲にカーテンが設けられており、撮影処理および編集処理が第3者から覗かれないように構成されている。このカーテンの開閉は、後述する制御部10によって制御されており、例えば、このカーテンの開閉を次のように制御される。
【0038】
まず、客待ち状態では、制御部10はカーテンを開放した状態に制御する。そして、利用者による所定の金額の投入が行われたことを課金処理部25が確認すると、この時点でカーテンを閉じる制御を行う。このとき、例えば、撮影空間に利用者がいることを撮影空間の外に向けて知らせるための、接客ランプを点灯させてもよい。接客ランプは、例えば、撮影空間に利用者がいる間には、撮影中との文字が点灯し、撮影空間から利用者がいなくなれば、その文字が消灯するようになっていればよい。その後、制御部10は、撮影処理、及び編集処理が終了したことが確認されると、この時点でカーテンを開放する制御を行う。
【0039】
また、カーテンが開放されているべき状態である時に利用者によって無理やりカーテンが閉められようとされた場合、あるいはカーテンが閉じられているべき状態である時に利用者によって無理やりカーテンが開けられようとした場合には、周囲に聞こえるような音量で警報を発するとともに、撮影の進行を停止するように制御するようになっていてもよい。このようにすることによって、密閉空間での犯罪を防止したり、いたずらを防止したりすることができる。
【0040】
また、図示しないが、上述した荷物置きスペースや荷物フックに、例えば重量センサなどを設けた構成としてもよい。この場合、利用者がこの荷物置きスペースに荷物を置いたり、荷物フックに荷物をかけたりすると、荷物が置かれたことを装置側で認識することが可能となる。よって、例えば撮影や編集終了後、所定の時間が経過した後も荷物が置かれた状態となっている場合には、利用者が荷物を忘れていることが予想されるので、利用者に対して荷物の置き忘れの警報を発することが可能となる。また、撮影や編集進行中において、荷物が取り除かれたことを検出した場合には、利用者がプレイに夢中になっている間に置き引きが行われたことが予想されるので、警報を発することが可能となる。
【0041】
会員登録管理サーバ5は、本実施の形態に係る写真シール機2を利用する利用者に対する会員登録処理を行うものである。すなわち、本実施の形態に係る写真シール機2では、後述するが会員登録された利用者のみ該写真シール機2により得た画像データ(暗号化画像データ39)を通信端末3で取得し、該通信端末3が有する表示部35で閲覧できるようになっている。
【0042】
(写真シール機の構成)
ここで図1を参照して、写真シール機2の構成の詳細について説明する。図1に示されるように、写真シール機2は、上記した撮影部40、編集部41、印刷部42、および近距離無線通信部(画像データ通信部)43に加えて、制御部10および記憶装置11をさらに備えてなる構成である。なお、この図1は、本発明の実施形態を示すものであり、写真シール機の要部構成を示すブロック図である。
【0043】
上記撮影部40は、CCDカメラ13、ライブビューパネル14、撮影処理用タッチパネル15、照明装置16、スピーカ17、および硬貨処理装置18を備えている。
【0044】
上記CCDカメラ13は、被写体の撮影を行うものであり、例えばレンズ群、絞り、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。
【0045】
上記ライブビューパネル14は、CCDカメラ13が撮影するライブビュー画像を表示するものであり、例えばLCD(液晶ディスプレイ)によって構成される。
【0046】
撮影処理用タッチパネル15は、撮影処理における各種メッセージや画像などを表示するとともに、利用者から各種の指示や選択などを受け付けるものである。なお、上記した各種メッセージとしては、例えば、撮影処理の手順を説明するメッセージ、利用者に対する挨拶などが挙げられる。この撮影処理用タッチパネル15は、フラットパネルディスプレイやCRTなどの表示面にタッチセンサを設けて構成され、利用者が見易くかつ操作し易い位置に配備される。
【0047】
照明装置16は、被写体である利用者を照明する照明手段として機能するものである。照明装置16は、撮影時の照明として機能するとともに、通常時の撮影空間の照明としても機能する蛍光灯と、撮影時の写真閃光灯として機能するストロボランプとを備える構成である。
【0048】
スピーカ17は、撮影処理に係る各種の音声ガイダンスおよび効果音を出力するものである。
【0049】
硬貨処理装置18は、写真シール機2の利用料金として利用者により硬貨投入口から投入された硬貨が、所定の硬貨であるか否かを判定するものである。所定の硬貨であると判定した場合には、硬貨処理装置18は、制御部10に通知し、投入された硬貨を、硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)に送り出す。一方、所定の硬貨以外の硬貨であると判定した場合には、硬貨処理装置18は、投入された硬貨を硬貨返却口(図示せず)に送り出す。なお、紙幣や硬貨を所定の硬貨に両替する両替機が写真シール機2付近に存在しない場合には、新たに紙幣投入口を設けて、紙幣処理装置を設けたり、釣銭処理装置を設けたりすることが望ましい。
【0050】
上記編集部41は、編集用スピーカ19、編集処理用タッチパネル20、および編集処理用タッチペン21を備えている。なお、この編集部41は、上記したように上記写真シール機2では、編集空間において2箇所設けられる構成であるが、図1では説明の便宜上編集部41を1つしか図示しない。
【0051】
上記編集処理用タッチパネル20は、編集処理における各種メッセージや画像などを表示するとともに、利用者から各種の指示や選択などを受け付けるものである。この編集処理用タッチパネル20は、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。なお、上記した各種メッセージとしては、例えば、編集処理の手順を説明するメッセージなどが挙げられる。この編集処理用タッチパネル20は、上記した撮影処理用タッチパネル15と同様に構成され配備される。
【0052】
編集処理用タッチペン21は、画像編集処理における細かな操作入力を利用者が行うためのものであり、編集処理用タッチパネル20の近傍に配備される。利用者は、この編集処理用タッチペン21を編集処理用タッチパネル20に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、任意の文字や図形などの画像描画を行ったりすることができる。なお、この編集処理用タッチペン21は、図4に示すように、本実施の形態に係る写真シール機2における1つの編集部41に2つ、すなわち編集部41が2箇所設けられているため合計4つ設置されている。しかしながら設置される編集処理用タッチペン21の数はこれに限定されるものではなく、さらに複数備えられていてもよいし、編集部41に1つ設けられていてもよい。
【0053】
編集用スピーカ19は、制御部10からの指示に応じて、編集処理に係る各種の音声ガイダンスおよび効果音を出力するものである。
【0054】
上記印刷部42は、IDタグリーダ/ライタ9、プリンタ23、およびシール紙排出口24を備えている。また、図1のブロック図では特に図示していないが、図4に示すようにシール紙排出口24からシール紙が排出されることを所定の色で発光し知らせる発光ランプ8も備えている。この発光ランプ8は図4に示すようにシール紙排出口24の近傍(図4では左右上部)に設けられている。このように、印刷部42が発光ランプ8を備える構成の場合、利用者は、シール紙が排出されるシール紙排出口を容易に把握することができるというさらなる利点を有する。
【0055】
特に、IDタグリーダ/ライタ9およびプリンタ23は、プリンタユニットを構成しており、このプリンタユニットに対して、写真プリントの出力媒体となるシール紙およびIDタグがシール紙ユニットとしてセットで納入されるようになっている。なお、この印刷部42は、上記したように上記写真シール機2では、編集空間において2箇所設けられる構成であるが、図1では説明の便宜上この印刷部42を1つしか図示しない。
【0056】
プリンタ23は、出力すべき画像データが制御部10から送られてくると、その画像データに基づいてシール紙に印刷するものである。このプリンタ23としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、シール紙およびIDタグに加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
【0057】
また、シール紙排出口24は、プリンタ23にて印刷されて出力されたシール紙を外部に排出するための開口である。
【0058】
IDタグリーダ/ライタ9は、IDタグに記録されている各種識別データを読み出して制御部10に出力するものである。IDタグは、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されており、このIDタグに記録される識別データとしては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、およびインク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。そして、制御部10が、IDタグリーダ/ライタ9で読み取った識別データに基づいて、装着されたシール紙及びインクフィルムが、当該写真シール機2において利用可能なものであるか否かを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ23を動作可能とさせる。すなわち、写真シール機2において指定されているシール紙およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0059】
また、上記写真シール機2では、IDタグに記録されている用紙枚数情報に基づいて、シール紙を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくように構成されている。したがって、写真シール機2は、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた場合、これを、例えば編集処理用タッチパネル20などの表示手段によって警告するような構成とすることにより、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0060】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、制御部10がIDタグに記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグに記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグを無効にすることが可能となる。
【0061】
また、上記写真シール機2は、IDタグに記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことができるため、IDタグリーダ/ライタ9によって読み出したこれらの情報を考慮して画像データの色成分などを補正することができる。したがって、本実施の形態に係る写真シール機2は、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0062】
なお、IDタグとしては、無線によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ9としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0063】
なお、上記の実施例では、IDタグを利用して、上記写真シール機2において、利用可能なシール紙であるか否かを確認する構成となっているが、この確認はこれに限定されるものではない。例えば、シール紙及びインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができないなどの問題がある。
【0064】
なお、上記のシール紙としては、本実施の形態に係る写真シール機2では、粘着シート及び該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートである。しかしながら、このシール紙はこれに限定されるものではなく、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよい。
【0065】
制御部10は、写真シール機2が備える各部の各種制御を統括的に行うものである。この制御部10は、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって実現することができる。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行なわれる。
【0066】
このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、写真シール機2がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。なお、本実施形態の制御部10の詳細については後述する。
【0067】
記憶装置11は、各種のデータおよびプログラムを記憶するものである。記憶装置11は、例えばハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。この記憶装置11に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、およびその他各種プログラム、CCDカメラ13における動作設定値などが挙げられる。また、CCDカメラ13における上記動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。また、この記憶装置11には、撮影処理により作成した画像データもまた、編集処理したり、印刷処理したりするために一時記憶される。
【0068】
近距離無線通信部43は、通信端末3と無線通信を行うためのものである。この近距離無線通信部43は、制御部10から受信した各種データを、データ通信に適した形式に変換した後、通信端末3に対して赤外線により送信する。また、近距離無線通信部43は、通信端末3から赤外線により受信した各種データを装置内において対応できるデータ形式に変換した後、制御部10に送信する。
【0069】
次に、写真シール機2として機能するための制御部10の構成について説明する。図1に示されるように、制御部10は、機能ブロックとして、課金処理部25、撮影処理部26、画像編集処理部(編集処理手段)27、印刷処理部28、復号部(復号手段)29、および暗号化処理部〈暗号化処理手段〉30を備えてなる構成である。なお、この機能ブロックは、制御部10が例えばCPU等によって実現される場合、該CPUが例えば記憶装置11に格納したプログラムを不図示のRAMなどに読み出し実行することにより実現できる。
【0070】
課金処理部25は、硬貨処理装置18から制御部10に硬貨の投入が通知されることにより課金処理を行うものである。課金処理部25は、課金処理が正常に完了したことを確認すると、すなわち、硬貨処理装置18からの通知をカウントし、利用者から硬貨処理装置18に所定の硬貨が所定枚数投入されたと判断すると、プレイ動作の開始を撮影処理部26に通知する。
【0071】
撮影処理部26は、課金処理部25からの通知に基づき撮影処理を行うものである。撮影処理は主に以下のように行われる。すなわち、まず、撮影枚数および撮影時間の設定を行う。次に、撮影の設定が行われる。具体的には、全身撮影またはアップ撮影の選択や、撮影アングルの調整が行なわれる。次に、CCDカメラ13が撮影するライブビュー画像をライブビューパネル14に表示する。利用者は、前記ライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとり、所望のタイミングで撮影処理用タッチパネル15の撮影ボタンを押すと、カウントダウン後に撮影が実行される。
【0072】
次に、撮影処理部26は、上記撮影によりCCDカメラ13が生成した撮影画像データを受信して、記憶装置11に一時記憶させる。撮影処理部26は、この撮影処理に係る動作を、設定された撮影枚数および/または撮影時間に到達するまで繰り返す。
【0073】
画像編集処理部27は、利用者から入力された編集指示に基づき、画像編集処理を行うものである。すなわち、撮影処理が終了すると、画像編集処理部27は、記憶装置11から編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像を読み出し、編集処理用タッチパネル20に編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像が表示される。
【0074】
この画像に対して編集処理用タッチペン21を用いて編集処理が行われる。この画像には、例えば、編集処理を行うためのツール類の選択領域が表示されてもよい。ツール類としては、例えば複数の種類からなるペンおよびその色、消しゴム、および複数のスタンプなどが挙げられる。
【0075】
また、編集対象となる画像には、編集対象となる画像を選択するための選択画像がサムネイル表示されてもよい。そして利用者は、このサムネイル表示の中から編集処理用タッチペン21によって選択画像をタッチすることによって、中央に編集対象として表示される画像拡大表示させ切り替えることが可能となっている。なお、この選択画像は、上記の撮影処理において、複数回の撮影が行われた場合の各撮影時における画像に相当するものである。
【0076】
これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みに適合した画像を選択することができる。
【0077】
次に、選択された撮影画像を編集処理用タッチパネル20に表示し、編集処理用タッチペン21を用いて、撮影画像に対して背景画像の選択、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。続けて別の撮影画像に対して画像編集を行う場合、先に編集処理した画像データを記憶装置11に一時記憶させて、上記した画像編集に係る処理を繰り返す。そして編集処理として設定されている期間が経過すると、画像編集処理の完了を印刷処理部28に通知する。このように画像編集処理部27は、画像編集処理を行い終了するとその旨を印刷処理部28に通知するとともに、編集後の画像を記憶装置11に一時記憶させる。
【0078】
また、この画像編集処理部27は、編集処理後の画像データの保存を利用者から要求された場合、この画像データを暗号化処理部30に送信し、この画像データを暗号化処理して通信端末3に送信するように指示するものでもある。
【0079】
また、この画像編集処理部27は、暗号化処理された画像データ(暗号化画像データ39)を通信端末3から受信した場合、この暗号化画像データ39を復号して得た画像データを、編集処理用タッチパネル20上に表示させたり、編集処理用タッチパネル20により受け付けた利用者からの指示に応じて編集処理したりするものでもある。
【0080】
印刷処理部28は、画像編集処理部27からの通知に応じて印刷処理手続きを利用者に促し、該利用者からの指示に基づき印刷処理を実行するものである。より具体的には、この印刷処理は、主に以下のように行われる。すなわち、まず、画像編集処理部27から、画像編集処理の終了を示す通知を受信すると、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20に指示して、シール紙上での分割数または分割パターンを利用者に選択させるための表示を行わせる。この編集処理用タッチパネル20における表示に応じて、利用者が所望する分割数または分割パターンを示す情報を編集処理用タッチパネル20により入力する。印刷処理部28は、この利用者による入力を受信すると、該利用者により選択された分割領域ごとに、画像編集処理部27が編集処理した編集画像が印刷されるように、プリンタ23を制御してシール紙に印刷を行う。そして、印刷されたシール紙がシール紙排出口24から排出される。その後、印刷処理を終了し、利用者のプレイ動作を終了する。
【0081】
復号部29は、近距離無線通信部43を介して通信端末3から暗号化画像データ39を受信すると、該暗号化画像データ39を復号するものである。復号部29は復号後の画像データを画像編集処理部27に送信する。
【0082】
暗号化処理部30は、画像編集処理部27からの指示に応じて画像データを暗号化処理するものである。暗号化処理部30は、暗号化処理した画像データ(暗号化画像データ39)を、近距離無線通信部43を介して通信端末3に送信する。
【0083】
(通信端末の構成)
次に、通信端末3の構成の詳細について図1および図5を参照して説明する。図1または図5に示されるように、通信端末3は、端末記憶装置(記憶部)31、端末通信処理部32、端末制御部33、第1アンテナ34a、第2アンテナ34b、表示部35、および撮像部36を備えてなる構成である。なお、この図5は、本発明の実施形態を示すものであり、会員登録管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
【0084】
端末記憶装置31は、読み書き可能な記録媒体であり、各種データおよびプログラムを記憶するものである。この端末記憶装置31に記憶される内容としては、通信端末3の各種制御を実行させるための制御プログラム、およびその他各種プログラム、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39などが挙げられる。
【0085】
上記端末通信処理部32は、第1アンテナ34aを通じて写真シール機2と赤外線による通信を確立させ、各種情報を赤外線による通信で送受信し処理できる形式に変換させるものである。さらにまた、この端末通信処理部32は、第2アンテナ34bを制御して、基地局6を介して会員登録管理サーバ5と通信を確立させ、各種情報を、基地局6を介して会員登録管理サーバ5と送受信できる形式に変換させるものでもある。
【0086】
上記端末制御部33は、通信端末3の各部の各種制御を行うものである。より具体的には、この端末制御部33は、端末通信処理部32を介して、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を端末記憶装置31に記憶させたり、該暗号化画像データ39を写真シール機2に送信して、該暗号化画像データ39の編集処理および/または表示を要求したりするものである。
【0087】
さらにまた、端末制御部33は、会員登録管理サーバ5に対して、写真シール機2の利用会員としての登録処理を要求したり、会員登録後に会員登録管理サーバ5から発行される暗号化画像データ39を復号するためのキー情報57を受信して該暗号化画像データ39を復号処理し表示部35に表示させたりするものでもある。
【0088】
また、後述する撮像部36により撮影された画像が例えば、QRコード(登録商標)などの2次元コードである場合、端末制御部33はこの撮影画像として取得したこの2次元コードを解析し、該2次元コードに記録されている情報を取得することもできる。
【0089】
表示部35は、端末制御部33からの指示に応じて画像データ等を表示させるものである。この表示部35は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)によって構成される。
【0090】
撮像部36は、端末制御部33からの指示に応じて被写体を撮影し画像データを生成するものである。この撮像部36は、CCD(charge coupled device)やCMOSによって構成されている。撮像部36により撮影された画像データは、端末制御部33によって露出・画質などの調整がなされ、表示部35にてプレビュー表示されるようになっている。また、このプレビュー表示の状態で不図示の操作部を用いた操作指示に応じて、表示している画像を端末記憶装置31に格納するようになっている。すなわち、このような動作によって、いわゆるカメラ機能が実現されている。
【0091】
(会員登録管理サーバの構成)
次に、会員登録管理サーバ5の構成の詳細について、図5を参照して説明する。この会員登録管理サーバ5は、図5に示すように、サーバ通信処理部51、会員登録処理部(提供手段・特定情報要求手段)52、決済処理部53、およびサーバ記憶部54を備えてなる構成である。
【0092】
サーバ通信処理部51は、通信ネットワーク4を通じて接続されている基地局6を介して、通信端末3と通信を確立させ、各種情報を送受信して処理できる形式に変換させるものである。例えば、サーバ通信処理部51は、通信端末3から会員登録の要求を受信すると、この要求を会員登録処理部52に送信したり、会員登録処理が完了した通信端末3に配信するキー情報57を会員登録処理部52から受信すると基地局6を介して通信端末3に送信したりする。
【0093】
会員登録処理部52は、会員登録管理サーバ5の各部の各種制御を行うものである。特には、この会員登録処理部52は、通信端末3から受信した会員登録の要求に応じて、該通信端末3を所有する利用者の会員登録に係る処理を実行するものである。この、会員登録処理部52は、機能ブロックとしてキー情報提供部(提供手段)58および会員データ要求部(特定情報要求手段)59を備えている。なお、この機能ブロックは、会員登録処理部52が例えばCPUなどによって実現できる場合、このCPUがサーバ記憶部54またはROM(不図示)などに記憶されたプログラムをRAM(不図示)などに読み出し実行することで実現できる。
【0094】
この会員データ要求部59は、通信端末3から会員登録の要求(すなわちキー情報の配信要求)を受信した場合、該要求を受信している通信端末3に対して、該通信端末3の識別情報(特定情報)としてメールアドレスを送信するように要求するものである。また、この会員データ要求部59は、会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報を上記通信端末3に送信するように要求し、この要求に応じて得られた手数料の支払いに関する情報を決済処理部53に通知するものでもある。この決済処理部53によって、会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報の確認がとれた場合、上記会員データ要求部59は、取得したメールアドレスを会員データ56としてサーバ記憶部54に記憶する。
【0095】
キー情報提供部58は、メールアドレスを送信しており、かつ決済処理部53にて会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報の確認がとれた通信端末3に対して、キー情報57を送信するものである。
【0096】
決済処理部53は、通信端末3から受信した会員登録にかかる手数料の支払いに関する情報の確認処理を行い、該手数料の支払いに関する情報に基づき決済処理を行うものである。例えば、決済処理部53は、会員登録に係る手数料の支払いに関する情報としてクレジットカード番号を含む場合、該クレジットカード番号の適正を調べ、通信端末3の利用者の口座から会員登録にかかる手数料を引きおとすように請求処理する。
【0097】
サーバ記憶部54は、読み書き可能か記録媒体であり例えばハードディスク等の不揮発性の記憶装置により構成される。このサーバ記憶部54は、上記したサーバ通信処理部51、会員登録処理部52および決済処理部53等を制御するための制御プログラム、OS(Operating System)プログラムを記憶するものである。また、このサーバ記憶部54は、さらに会員登録が完了しているユーザの情報である会員データ56、および暗号化画像データ39を復号するために利用するキー情報57も記憶している。
【0098】
(写真シール作成処理)
ここで、図6を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における写真シール作成処理について説明する。なお、この写真シール作成処理とは、利用者が、写真シール機2を訪れ、硬貨を投入し撮影を行い、得られた画像データを編集して写真シールとして印刷するまでの一連の処理である。この図6は、本実施の形態に係る写真シール機2における写真シール作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、利用者は、撮影空間にて、硬貨投入口から硬貨を投入する(ステップS11、これ以降ではS11のように称する)。利用者により所定金額分の貨幣が投入されると、撮影処理用タッチパネル15に撮影処理実行に関する処理手順が表示され、また、スピーカ17から撮影処理の案内放送が流れる。そして、案内放送および撮影用タッチパネルによる指示に従い、撮影処理を実行する(S12)。この撮影処理の詳細は後述する。撮影処理が終了すると、撮影処理部26からの指示に応じて、撮影処理用タッチパネル15において編集空間への移動を案内する情報が表示される(S13)。この案内にしたがって、利用者は、撮影空間から編集空間へと移動する。
【0100】
利用者が編集空間へと移動すると、編集処理用タッチパネル20において、撮影した画像の保存を要求するか否かを問い合わせる表示がなされる(S14)。ここで、撮影した画像の保存を要求する場合(ステップS14において「Yes」)、利用者は、撮影した画像の保存要求を、編集処理用タッチパネル20を操作して指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は撮影した画像データの保存処理を行う(S15)。
【0101】
すなわち、上記ステップS12の撮影処理にて撮影した画像データを、画像編集処理部27が記憶装置11から読み出し、暗号化処理部30に渡して、通信端末3に送信するように指示する。この画像編集処理部27からの指示に応じて、暗号化処理部30はこの画像データを暗号化処理する。そして、この送信する画像データに対して、該画像データが通信端末3において閲覧が不可能となっている旨を示す通信端末保存要求フラグをたてて管理する。また、この暗号化処理部30は、この画像データに対して、認証情報および店舗ごとに設定されている認証番号を割り当てる。なお、上記認証情報は、写真シール機2あるいは写真シール機2が設置されている店舗に割り当てられている識別情報であってもよいし、該写真シール機2が利用者の顔画像から抽出した特徴点を示す情報を取得する構成である場合は、この特徴点を示す情報であってもよい。
【0102】
このように暗号化処理部30は、認証情報と認証番号とを、暗号化処理した画像データに割り当てる。そして、暗号化処理部30は、この画像データを、上記認証番号を示す情報とともに近距離無線通信部43を制御して通信端末3に送信する。なお、この送信する画像データ(暗号化画像データ39)は、後述するように会員登録管理サーバ5から受信するキー情報によっても復号できるように暗号化処理されている。
【0103】
一方、通信端末3では、写真シール機2から暗号化画像データ39を、端末通信処理部32を介して端末制御部33が受信し端末記憶装置31に記憶させる。このようにして、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2にて撮影された画像データを通信端末3に保存させることができる。
【0104】
画像の保存処理が終了すると、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20を制御して通信端末が保持する画像の編集処理を要求するか否かを問い合わせる表示を行う(S16)。
【0105】
この問い合わせの表示に対して、上記通信端末3に記憶する画像(暗号化画像データ39)の編集を所望する場合、利用者は、この編集を所望する旨の指示を、編集処理用タッチパネル20を操作して入力する。さらにまた、利用者は通信端末3を操作して、赤外線により第1アンテナ34aから編集を所望する暗号化画像データ39を写真シール機2に送信する。
【0106】
一方、写真シール機2では、この利用者からの指示とともに、通信端末3から暗号化画像データ39を受信すると、この暗号化画像データ39を、近距離無線通信部43を介して復号部29が受信する。そして、復号部29は、この受信した暗号化画像データ39を復号し画像編集処理部27に送信する。
【0107】
すなわち、復号部29は暗号化画像データ39を受信すると、画像編集処理部27に指示して編集処理用タッチパネル20に認証番号の入力を促す表示を行うように指示する。この復号部29からの指示に応じて、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20に認証番号の入力を促す表示を行う。この表示に対して、利用者は、暗号化画像データ39の通信端末3への保存時に写真シール機2から送信された認証番号を入力する。
【0108】
利用者からの認証番号の入力を編集処理用タッチパネル20が受け付けると、画像編集処理部27を介して復号部29に送信する。復号部29は、利用者からの認証番号の入力を受信すると、受信した認証番号の適否を確認する。そして、認証番号が適切であると判定した場合、暗号化画像データ39に対して設定した通信端末保存要求フラグを外し、暗号化画像データ39に割り当てられている認証情報の認証を行う。そして、認証情報の認証が終了すると暗号化画像データ39を復号し画像編集処理部27に送信する。
【0109】
このようにして、画像編集処理部27は、通信端末3において保持されている画像(暗号化画像データ39)を取得することができる(S17)。そして、上記画像編集処理部27は、復号部29により復号された暗号化画像データ39を受信するとこの画像データに基づく編集処理を行う(S18)。一方、通信端末3に保存している暗号化画像データ39に対する編集を要求しない場合、すなわち、ステップS12にて撮影した画像データのみに対する編集処理を行う場合(S16において「No」)は、ステップS16からステップS18の編集処理へと進む。
【0110】
ステップS18における編集処理の開始時では、編集処理用タッチパネル20において、編集用画面とともに、撮影した画像データまたは通信端末3から取得した画像データに対する編集処理方法を説明する案内が表示されている。また、編集用スピーカ19によって音声により編集方法が案内されている。利用者は、この案内表示および音声の指示に従い、編集指示を編集処理用タッチパネル20から入力する。
【0111】
このように表示および音声案内に従い、利用者によって編集指示が入力されると、この指示に応じて、画像編集処理部27は、先ほどの複数回の撮影により生成された画像データまたは、通信端末3から取得した画像データに基づく画像を編集処理用タッチパネル20に表示するように制御する。
【0112】
この画像が編集処理用タッチパネル20に表示されると、利用者は、これらの画像の中から落書きなどの編集処理を行う画像の選択を行う。これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みに適合した画像を選択することができる。
【0113】
次に、選択された画像を編集処理用タッチパネル20に表示し、編集処理用タッチペン21を用いて、背景画像の選択、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。そして、さらに別の撮影画像に対しても編集を行う場合には、編集済みの撮影画像を合成画像として、記憶装置11に一時保存しておく。そして、さらなる撮影画像に対する上記画像編集処理を繰り返し、編集処理後の画像データを続く印刷処理にて出力させるデータとして記憶装置11に一時記憶する。そして、画像編集処理部27は、編集処理の完了を印刷処理部28に通知する。また、編集処理が終了すると、編集空間にて利用者は、編集処理用タッチパネル20の操作ボタンを操作して、シール紙にプリントする画像の分割数または分割パターンなどを設定し印刷処理の実行指示を入力する。
【0114】
この利用者による入力に応じて、印刷処理部28は、ステップS16の編集処理にて得た編集画像をシール紙に印刷するように、プリンタ23を制御する(S19)。このように編集処理および印刷処理を実行した後、編集処理用タッチパネル20では、印刷空間に移動しシール紙が排出されるのを待機する旨を案内する案内画面が表示される(S20)。
【0115】
そして、印刷されたシール紙がシール紙排出口24から排出される(S21)。なお、ステップS19に示す印刷処理についての詳細は後述する。
【0116】
なお、上記した「写真シール作成処理」では、撮影処理が終了し利用者が編集空間に移動した時点、すなわちステップS14で画像の保存を要求するか否かを判定し、次のステップS15にて画像の保存処理を行う構成であった。しかしながら画像の保存処理を行うタイミングはこれに限定されるものではなく、ステップS18に示す編集処理後に、編集された画像に対する保存の必要性を問い合わせ、保存する必要がある場合、編集処理後の画像に対する保存処理する構成であってもよい。このような構成の場合、ステップS18の処理の後に上記したステップS14およびステップS15の処理が行われることとなる。
【0117】
(撮影処理)
図7を参照して、本実施の形態に係る写真シール機2における利用者の撮影処理について説明する。図7は本実施の形態に係る写真シール機2にて実行される撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【0118】
ステップS11で利用者から硬貨が投入されると、課金処理部25が投入された硬貨が所定の金額に達したか否かを判定する(S31)。この判定において、課金処理部25が投入された硬貨が処理の金額に達していないと判定している間(S31において「No」)、撮影処理部26が、撮影処理用タッチパネル15を制御して、撮影例、イラスト、アニメーション等のデモ画像を表示させる(S32)。
【0119】
一方、課金処理部25が、投入された金額が所定の金額に達したと判定した場合(S31において「Yes」)、この判定結果を撮影処理部26に通知する。すなわち、課金処理部25は、硬貨処理装置18からの硬貨の投入の通知をカウントし、利用者から硬貨処理装置18に所定の硬貨が所定枚数投入されたと判断すると、プレイ動作の開始を撮影処理部26に通知する。
【0120】
撮影処理部26は、課金処理部25からの通知に基づき、デモ画像の表示を停止させ、撮影処理に係る設定を促す表示に切り替える。そして、撮影処理部26は、利用者からの入力を、撮影処理用タッチパネル15を介して受付け、撮影処理に係る設定を行う(S33)。すなわち、撮影処理部26は、まず、複数ある撮影コースを指定し、指定した撮影コースの中の撮影枚数、背景および撮影時間などの設定を行うための表示を撮影処理用タッチパネル15で行う。この表示に従い、利用者が撮影処理用タッチパネル15を操作して、撮影枚数および撮影時間の設定を行う。撮影枚数および撮影時間に関する設定が完了すると、撮影処理部26は、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などを促す表示を撮影処理用タッチパネル15に指示して行う。この表示を参照して利用者は、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などに関する指示を示す情報を、撮影処理用タッチパネル15を操作して入力する。
【0121】
撮影処理用タッチパネル15は、利用者から入力された上記情報を受け付けると撮影処理部26に通知する。撮影処理部26は、撮影処理用タッチパネル15から受信した通知に応じて、全身撮影またはアップ撮影の選択、および撮影アングルの調整などの設定を行う。続いて、撮影処理部26は、CCDカメラ13を起動させ、CCDカメラ13によって撮影された画像(ライブビュー画像)をライブビューパネル14に表示する。
【0122】
利用者は、前記ライブビューパネル14に表示されたライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとる。そして、利用者が、所望のタイミングで撮影処理用タッチパネル15の撮影開始を示すボタンを押下する、あるいは所定時間が経過すると(S34において「Yes」)撮影画像の生成を行う(S35)。
【0123】
一方、撮影開始を示すボタンの押下される、あるいは所定時間が経過するまで、すなわちステップS34において「No」の間では、撮影の設定を行う。また、本実施の形態に係る写真シール機2では、上記所定時間の経過は、撮影処理用タッチパネル15にカウントダウンインジケータを表示させて利用者に通知するように構成されている。
【0124】
ここで、上記ステップS34において「Yes」と判定された場合、上記撮影によりCCDカメラ13が画像データを生成し(S35)、生成した画像データを撮影処理部26に送信する。撮影処理部26は、生成された画像データを受信して、記憶装置11に一時保存させる(S36)。このように生成された画像データが編集処理用に記憶装置11に一時保存されると、再度、上記撮影画像の生成に戻って、上記の処理動作を、設定された所定撮影時間に到達するまで、または撮影終了を示すボタンが押下されるまで、すなわちステップS37において「Yes」と判定されるまで繰り返す。一方、ステップS37において「Yes」と判定されると撮影処理は終了して、図6に示すステップS13に進む。
【0125】
(印刷処理)
次に、図8を参照して本実施の形態に係る写真シール機2における印刷処理の詳細について説明する。図8は、本実施の形態に係る写真シール機2における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【0126】
上述したように、画像編集処理部27は、画像編集処理を終了すると、その旨を印刷処理部28に通知するとともに、編集後の画像を記憶装置11に記憶させる。画像編集処理部27から、画像編集処理の終了を示す通知を受け、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20に指示して、シール紙上での分割数または分割パターンを利用者に選択させるための表示を行わせる。
【0127】
この編集処理用タッチパネル20における表示に応じて、利用者が所望する分割数または分割パターンを示す情報を、編集処理用タッチパネル20を操作して入力すると、この入力された情報を印刷処理部28が受け付ける。そして、印刷処理部28は、この利用者から入力された情報に基づき画像の印刷データを作成する(S41)。そして、印刷処理部28は、印刷データを作成すると、プリンタ23を制御して起動させるとともに、該プリンタ23のステータスが正常であるか否かを確認する(S42)。ここで、プリンタ23のステータスが正常でない場合、印刷処理部28は、編集処理用タッチパネル20を制御して、プリンタがエラー状態である旨を示すエラーメッセージを表示させる(S43)。このエラーメッセージの表示は、プリンタ23のステータスが正常となるまで継続される。
【0128】
一方、起動させたプリンタ23のステータスが正常である場合、印刷処理部28は、利用者により選択された分割領域ごとに、画像編集処理部27が編集処理した編集画像が印刷されるように、プリンタ23を制御してシール紙に印刷を行う(S44)。
【0129】
以上のように本実施の形態に係る写真シール機2は、画像編集処理部27による編集対象となる画像データを利用者の通信端末3に配信し保存させる構成である。このため、編集対象となる画像データを長期的に保存しておく場合、写真シール機2が備える記憶装置11にこの画像データを記憶させておく必要がない。
【0130】
このように、編集対象となる画像データを記憶装置11に記憶させておく必要がないため、本実施の形態に係る写真シール機2では保存させるデータ量を大幅に低減させることができる。よって、本実施の形態に係る写真シール機2では、画像データを十分に保存できるように記憶装置11の記憶容量を予め大きく設計するなど考慮する必要がない。
【0131】
また、通信端末3に配信する画像データは暗号化処理されており、通常の設定では通信端末3にて表示させて閲覧することができない構成である。すなわち、画像データに対する編集処理は、本実施の形態に係る写真シール機2においてのみ実行することができるようになっている。すなわち、写真シール機2から配信された画像を保持する通信端末3において、あるいは、別の写真シール機2において、該画像の編集処理が実行されないように管理することができる。
【0132】
また、このように通信端末3または他の写真シール機2にて、該通信端末3に配信した画像データに対する閲覧および編集を行うことができないため、利用者は、通信端末3に配信された画像の閲覧および編集を所望する場合、写真シール機2に足を運ぶ必要がある。したがって、上記写真シール機2の利用者による利用頻度を向上させることができる。
【0133】
なお、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2の利用に関して会員登録できるようになっており、会員登録することにより、利用者は通信端末3にて暗号化画像データ39を復号して表示することができるようになる。そこで、下記において、図5および図9を参照して、上記画像提供システム1における会員登録処理、および会員登録後における通信端末における画像の表示処理について説明する。なお、この図9は、本実施の形態に係る画像提供システム1における通信端末3の会員登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0134】
(会員登録処理)
まず、利用者が写真シール機2を訪れると、該写真シール機2において設けられているQRコードを、通信端末3が備える撮像部36により撮影し、QRコードの画像を取得する(S51)。すなわち、撮像部36を上記QRコードに向けて配置し、通信端末3の操作部(不図示)を操作してQRコードを撮影し、該QRコードの画像を取得する。
【0135】
通信端末3は、QRコードの画像を取得すると、端末制御部33がこのQRコードの画像を解析し該QRコードに記録されている会員登録管理サーバ5のURL(Uniform Resource Locator)を取得する(S52)。端末制御部33は、上記取得したURLを端末記憶装置31に一時記憶させ、該URLによって示された会員登録管理サーバ5との接続指示を要求する表示を表示部35にて行う。
【0136】
この表示に対して利用者が、上記操作部を操作して接続を指示すると、端末制御部33は、端末記憶装置31に一時記憶させたURLを読み出し、該URL先との接続を確立するように端末通信処理部32を指示する。そして、端末通信処理部32は、端末制御部33からの指示に応じて基地局6を介して会員登録管理サーバ5との接続を確立する。
【0137】
このようにして通信端末3と会員登録管理サーバ5との接続が確立すると、通信端末3は、会員登録管理サーバ5に会員登録の要求を示す情報を送信する(S53)。
【0138】
一方、会員登録管理サーバ5では、会員登録処理部52の会員データ要求部59が、サーバ通信処理部51を介して、通信端末3から会員登録の要求を受信すると(S54)、この会員登録を要求する通信端末3に対してメールアドレスを送信するように指示する(S55)。通信端末3では、会員登録管理サーバ5からこのメールアドレスの送信指示を受信すると、端末通信処理部32はこの送信指示を端末制御部33に渡す。端末制御部33は、この送信指示に応じて、メール作成ソフト(不図示)を起動させ空メールを作成し(S56)、表示部35に空メールの送信確認を示す表示を行う。この表示に対して、利用者から送信指示を受け付けると、端末制御部33は、この空メールを端末通信処理部32に指示して会員登録管理サーバ5に送信させる(S57)。
【0139】
一方、会員登録管理サーバ5は、通信端末3から空メールを受信すると(S58)、会員データ要求部59は、該空メールを解析する。そして、会員データ要求部59は、空メールに付されている送信元のメールアドレス情報を取得する(S59)。このようにして通信端末3からメールアドレスを取得すると、会員登録管理サーバ5では、会員データ要求部59が通信端末3に対して会員登録にかかる手数料の要求を行う(S60)。
【0140】
一方、通信端末3では、端末通信処理部32が会員登録管理サーバ5から手数料の要求を受信すると(S61)、該要求を示す情報を端末制御部33に送信する。端末制御部33は、この手数料の要求を示す情報に応じて、表示部35に手数料の支払い方法を表示させる。なお、この手数料の支払い方法としては、例えばクレジット決済、または会員登録管理サーバ5がキャリアと契約して通話料金として手数料を計上させる方法が挙げられる。
【0141】
この表示部35における手数料の支払い方法の表示に対して、利用者が所望の支払い方法を選択し決定を指示する(S62)。そして、この指示に応じて端末制御部33は端末通信処理部32を制御して利用者により選択された支払い方法に関する情報を会員登録管理サーバ5に送信する(S63)。なお、クレジット決済を行う場合、この支払い方法に関する情報にはクレジットカード番号等の情報も含まれる。
【0142】
通信端末3から支払い方法を示す情報の入力をサーバ通信処理部51が受け付けると(S64)、このサーバ通信処理部51は会員登録処理部52の会員データ要求部59に送信する。そして、この会員データ要求部59は、支払い方法を示す情報を受信するとこの情報を決済処理部53に送信し、この情報に基づき決済処理を行うように指示する。この会員登録処理部52からの指示に応じて、決済処理部53が決済処理を行う(S65)。そして決済処理部53は決済処理を完了させると、その旨を示す情報を会員登録処理部52における会員データ要求部59およびキー情報提供部58に送信する。
【0143】
会員登録処理部52では、会員データ要求部59が決済処理部53から決済処理の完了を示す情報を受信すると、通信端末3から取得したメールアドレスを会員登録された利用者の識別情報として会員データ56に記録する(S66)。また、会員登録処理部52では、キー情報提供部58が、サーバ記憶部54からキー情報57を読み出し、会員登録が行われた通信端末3に対して送信する(S67)。このようにして会員登録管理サーバ5からキー情報57が送信されると、通信端末3はこのキー情報57を、端末通信処理部32を介して端末制御部33が受信し、端末記憶装置31に該キー情報57を記録させる。
【0144】
このようにして、本実施の形態に係る画像提供システム1における会員登録処理は終了する。
【0145】
以上のように、会員登録された通信端末3は会員登録管理サーバ5からキー情報を取得することができるため、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を自装置内において復号し表示部35に表示させることができる。
【0146】
このように会員登録処理を完了させた利用者が保持する通信端末3では、本実施の形態に係る写真シール機2が設置されている場所から離れた場所であっても、保持している暗号化画像データ39を復号し表示等を行うことができるという特典を得ることができる。したがって、本実施の形態に係る画像提供システム1では、このような特典を会員登録した利用者に提供することにより、会員数を向上させることができる。
【0147】
逆に、本実施の形態に係る画像提供システム1では、以上のように、会員登録管理サーバ5が会員データ56を保持しているため、写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を復号し利用可能とする通信端末3を管理しておくことができる。
【0148】
また、この会員登録の実行タイミングは、編集空間にて編集処理を行う前であってもよいし、撮影空間にて撮影処理が行われる前であってもよい。さらには、図10に示すように、撮影処理時における設定を予め行うための事前空間が設けられている場合は、この事前空間における事前処理の1つとして行ってもよい。
【0149】
写真シール機2がこのような事前接客空間を備える構成の場合、利用者の移動の流れは下記のようになる。すなわち、前提として、利用者A1とA2のグループと、利用者B1とB2のグループとの2グループが写真シール機2を利用するものとする。そして、前者のグループから順に写真シール機2を利用するものとする。
【0150】
このような前提において、利用者A1とA2とがそれぞれ先に事前接客空間にて、撮影処理時における設定等を行うとともに、会員登録を所望する場合は会員登録処理を行う。すなわち、事前接客空間では会員登録管理サーバ5のURLを記録したQRコードが設けられている。このQRコードの画像を通信端末3の撮像部36により取得し、取得した画像を解析して上記URLを得る。そして、通信端末3は、このURL先の会員登録管理サーバ5と接続を確立して上記したように会員登録処理を行う。
【0151】
このように、会員登録処理または撮影処理時における設定を終了し、かつ撮影空間が空いている場合、利用者A1とA2のグループは、撮影空間に移動し撮影を行う。そして、利用者A1とA2とが撮影を行っている間、利用者B1とB2とは、事前接客空間に移動し、この利用者A1とA2と同様に撮影処理時における設定、または会員登録処理を行う。
【0152】
なお、この事前接客空間に設けられているQRコードの数は、1つであってもよいし、2つ以上設けられていてもよい。ただし、図10に示す実施形態のように複数人から構成されるグループによって本実施の形態に係る写真シール機2が利用されることが多いため、この利用形態に応じて複数のQRコードが設けられていることが好ましい。
【0153】
利用者A1とA2のグループが撮影空間にて撮影処理を終了させると、編集空間へと移動する。本実施例では、編集空間では同時に2組が編集処理および印刷処理を行うことができるようになっている。そこで、図10に示す例では、利用者A1とA2のグループは、撮影空間における左側の領域に移動し、編集処理および印刷処理を行う。
【0154】
一方、利用者B1とB2とのグループは、利用者A1とA2とのグループが編集空間に移動すると、撮影空間に移動し、撮影処理を行う。そして、撮影処理を終えると、編集空間の開いている側の領域(図10における編集空間の右側の領域)へと移動する。そして、利用者B1とB2とは、先に編集および印刷処理中の利用者A1とA2のグループと対向する位置にて編集および印刷処理を行う。
【0155】
このように事前接客空間にて撮影処理に係る設定等を行ったり、会員登録したりする場合、写真シール機2は、上記したQRコードに加えて、下記の部材をさらに備える構成となる。すなわち、事前接客空間において実行する処理についての案内を表示したり、利用者からの入力を受け付けたりするタッチパネルと、このタッチパネルに付随して設置されているタッチペンとをさらに備える。そして、利用者が事前接客処理用に設けられたこのタッチパネルを操作して撮影処理に係る設定を指示することとなる。
【0156】
また、上記事前接客空間にて会員登録処理が完了した場合、利用者は過去に撮影した画像の暗号化画像データ39を、撮影処理を行う前に通信端末3にて表示させることができる。このように、過去に撮影した画像データを撮影処理前に読み出す構成の場合、過去に撮影した画像の履歴を利用者が確認することができる。さらにはまた、撮影処理中に、過去に撮影した撮影ポーズを参考にして撮影処理を行うことができる。
【0157】
なお、上記したように、本実施の形態に係る画像提供システム1では、会員登録していない利用者の場合、撮影して得た画像データを、通信端末3から写真シール機2に送信し、表示および編集を指示する構成であった。なお、この会員登録を行っていないとは、意図的に会員登録を行わない場合と、写真シール機2が設置されている場所が地下などであり、通信端末3と会員登録管理サーバ5との間での通信を確立することができない場合との両者が想定される。後者の場合、QRコードから取得した会員登録管理サーバ5のURLの情報を通信端末3は記憶しておく。そして、この会員登録管理サーバ5と通信を確立することができる場所に利用者が移動した際、通信端末3を操作して記憶しているURLを読み出し、該URL先との接続を確立し会員登録処理を行う。そしてこの会員登録処理によって配信されたキー情報57を利用して、通信端末3は写真シール機2から受信した暗号化画像データ39を復号し表示させる。
【0158】
また、上記した画像提供システム1では、通信端末3は、暗号化処理された画像データである暗号化画像データ39を写真シール機2から取得する。一方、この通信端末3は、暗号化画像データ39を復号するためのキー情報57を、会員登録処理後に会員登録管理サーバ5から基地局6を通じて受信する構成であった。
【0159】
ここで、図11に示すように、通信端末3は、写真シール機2を通じて会員登録管理サーバ5にアクセスし、会員登録処理を実行する構成であってもよい。なお、この図11に示す画像提供システム100では、図12に示すように写真シール機2は、図1に示す構成に加えてさらに、通信処理部12と、制御部10の機能ブロックとして会員登録要求部22を備える構成である。このため、同じ部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0160】
上記図11は、本発明の別の実施例を示すものであり、画像提供システム1の要部構成を示すブロック図である。また、図12は、本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0161】
通信処理部12は、制御部10からの指示に応じて、通信ネットワーク4を通じて会員登録管理サーバ5との接続を確立し、該会員登録管理サーバ5との間における各種情報の送受信を行うものである。
【0162】
また、制御部10が機能ブロックとして備える会員登録要求部22は、近距離無線通信部43を介して通信端末3から会員登録処理の要求を受信すると、通信処理部12を制御して会員登録管理サーバ5との通信を確立させる。そして、会員登録処理に係る各種情報の送信または受信指示を通信処理部12に行うものである。
【0163】
すなわち、本実施の形態に係る画像提供システム100では、写真シール機2を介して、通信端末3と会員登録管理サーバ5との間において会員登録処理に必要となる各種情報および指示情報を送受信させ会員登録処理を実行することができる。
【0164】
このような構成の場合、通信端末3は基地局6を介して会員登録管理サーバ5と接続を確立する必要がないため、通信端末3と基地局6との間における通信状態が悪く通信ができないため会員登録処理を行うことができないといった問題を防ぐことができる。また、このような構成の場合、通信端末3は、基地局6を介して会員登録管理サーバ5と通信を確立する必要がないため、第2アンテナ34bは備えていなくてもよい。
【0165】
また、写真シール機2は、図13に示すように、図5に示す会員登録管理サーバ5が備える、会員登録処理部52および決済処理部53をさらに備え、サーバ記憶部54に記憶する会員データ56およびキー情報57を記憶装置11がさらに記憶した構成、すなわち、図1に示す本実施の形態に係る写真シール機2と会員登録管理サーバ5とが一体に構成されていてもよい。なおこの図13は、本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0166】
このように会員登録管理サーバ5と写真シール機2とを一体として構成した場合、利用者からの会員登録の要求は、写真シール機2において近距離無線通信部43が受信し、会員登録処理部52に送信する。会員登録処理部52は、利用者から会員登録の要求を受信すると、該利用者の通信端末3に対してメールアドレスの送信を要求し、上記した「会員登録処理」と同様にして会員登録を行い、会員登録が完了した通信端末3に対してキー情報57を送信する。
【0167】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1および画像提供システム100では、上述した「会員登録処理」において、利用者の識別データとしてメールアドレスを、通信端末3から会員登録管理サーバ5に送信する構成であった。しかしながら、この識別データは、これに限定されるものではなく、通信端末3の機器ID番号であってもよいし、利用者の顔画像から抽出した特徴点を示す情報であってもよい。
【0168】
例えば、利用者の顔画像から抽出した特徴点を示す情報を、識別情報として用いる場合、この情報を以下のように求め利用する。すなわち、より具体的には、図6に示すステップS12の撮影処理において、写真シール機2は、利用者の撮影を行い、取得した撮影画像の中から上記利用者の顔画像を認識する。そして、写真シール機2は、認識した顔画像に基づいて、該利用者の顔の特徴点を抽出し、抽出した顔の特徴点に基づいて顔IDを作成する。そして、写真シール機2は、この作成した顔IDを利用者に通知するとともに、撮影した利用者の画像に付加して記憶装置11に一時記憶させる。一方、利用者は、この通知された顔IDを、自身に対して割り当てられた識別データとして通信端末3にて保持しておく。そして、上記した会員登録処理時において、通信端末3から会員登録管理サーバ5に空メールを送信する代わりに、保持しているこの顔IDを送信する。
【0169】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、会員登録された利用者が所持する通信端末3に対して、暗号化画像データ39を復号するためのキー情報57を、会員登録管理サーバ5から送信する構成であった。しかしながら、このキー情報57の代わりに、暗号化画像データ39の復号処理を行うことができるアプリケーションを通信端末3に配信しダウンロードさせる構成であってもよい。
【0170】
このようにアプリケーションを配信する構成の場合、例えば、通信端末3が備える端末制御部33が、暗号化画像データ39を、キー情報57を用いて復号処理する機能を有していない場合であっても、このアプリケーションを起動させることにより復号処理することができる。
【0171】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、通信端末3が、写真シール機2に設けられたQRコードの画像を取得し、該画像を解析することにより会員登録管理サーバ5のURLを取得する構成であった。しかしながら、このURLの取得方法はこれに限定されるものではなく、QRコードの代わりに、バーコードによってURLに関する情報が記録されており、このバーコードの画像を取得し、解析して会員登録管理サーバ5のURLを取得する構成であってもよい。しかしながら、バーコードよりもQRコードの方が記録するデータ量が大きいため、より大きなデータを取得する場合はQRコードに情報が記録されている方が好ましい。さらにはまた、通信端末3が赤外線により写真シール機2から直接このURLを取得する構成であってもよい。
【0172】
また、本実施の形態に係る画像提供システム1では、写真シール機2が、撮影または編集後の画像データを保存する場合、該画像データを通信端末3に送信し、該通信端末3が有する端末記憶装置31に記憶させる構成であった。しかしながら、例えば、画像データの保存時に、写真シール機2から通信端末3に該画像データを送信しても保存ができない場合がある。なお、この保存ができない場合とは、例えば、通信端末3が有する端末記憶装置31の記憶領域においてこれ以上データを記憶させることができない場合、または写真シール機2と通信端末3との間において近距離無線通信が正常に確立できない場合などである。
【0173】
そこで、上記したように通信端末3に保存が所望される画像データを記憶させることができない場合、写真シール機2が備える記憶装置11にこの画像データを保存できる構成としてもよい。
【0174】
すなわち、写真シール機2では、近距離無線通信部43が画像データの送信が通信端末3に対して正常に行われたか否かを監視している。そして、画像データが正常に送信されなかったと判定した場合、近距離無線通信部43は、画像編集処理部27に対して保存が所望される画像データを記憶装置11に記憶させるように指示する。この指示に応じて、画像編集処理部27は、保存が所望される画像データを記憶装置11に記憶させる。なお、記憶装置11に記憶させておく画像データに対して、該記憶装置に保持可能な所定期間(例えば、1週間)が設定されており、この所定期間を経過すると画像編集処理部27はこの記憶している画像データを削除するように構成されている。
【0175】
また、上記したように記憶装置11に画像データを記憶させる場合、画像編集処理部27は、編集処理用タッチパネル20において、通信端末3に画像データを記憶させることができなかったため当該写真シール機2にて所定期間だけ記憶させておく旨を表示させる。このように表示させることにより、写真シール機2は、自機にて画像データを所定期間だけ記憶させておく旨、利用者に通知することができる。
【0176】
以上のように、記憶装置11にも保存が所望される画像データを所定期間記憶させておくことができる構成とすることにより、写真シール機2は、通信端末3に画像データを記憶することができなかった場合に対処することができる。
【0177】
また、写真シール機2における画像データは所定期間経過後に削除される構成であるため、記憶させるべき画像データのデータ量が増え、さらなる画像データの保存ができなくなるといった問題を防止することができる。
【0178】
また、この保存した画像データを利用する場合、利用者は、この写真シール機2に必ず足を運ぶ必要がある。したがって、写真シール機2に対する利用者による利用頻度を向上させることができる。
【0179】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0180】
最後に、写真シール機2の各ブロック、特に制御部10の会員登録要求部22、課金処理部25、撮影処理部26、画像編集処理部27、印刷処理部28、復号部29、および暗号化処理部30、(図13に示す構成では、さらに会員登録処理部52および決済処理部53)は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、以下のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、同様に、通信端末3の各ブロック、特に、端末制御部33、および会員登録管理サーバ5の各ブロック、特に会員登録処理部52のキー情報提供部58、会員データ要求部59もハードウェアロジックによって構成してもよいし、以下のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0181】
すなわち、写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれでは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0182】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0183】
また、写真シール機2、通信端末3、および会員登録管理サーバ5それぞれを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明に係る画像編集装置は、利用者から編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、この画像データを通信装置に送信する構成である。すなわち、画像編集装置は、利用者ごとに活用されるデータを、各利用者に配信し、自装置内にはこのデータを記憶させておく必要がない。このため、利用者ごとで活用されるデータを編集処理等行う装置であって、大きな記憶容量を有さない装置、または記憶させるデータのデータ量が大きくなる場合に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、写真シール機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に実施形態を示すものであり、画像提供システムの概略構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る写真シール機を、上記撮影空間側から見た図である。
【図4】本実施の形態に係る写真シール機を、印刷空間側から見た図である。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、会員登録管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る写真シール機における写真シール作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る写真シール機にて実行される撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る写真シール機における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る画像提供システムにおける通信端末の会員登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る写真シール機の配置と利用者の移動の状態の一例を示す図である。
【図11】本発明の別の実施例を示すものであり、画像提供システムの要部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図13】本発明の別の実施例を示す図であり、写真シール機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0186】
1 画像提供システム
2 写真シール機(画像編集装置)
3 通信端末(通信装置)
11 記憶装置
27 画像編集処理部(編集処理手段)
29 復号部(復号手段)
30 暗号化処理部(暗号化処理手段)
31 端末記憶装置(記憶部)
43 近距離無線通信部(画像データ通信部)
52 会員登録処理部(提供手段・特定情報要求手段)
57 キー情報(復号情報)
58 キー情報提供部(提供手段)
59 会員データ要求部(特定情報要求手段)
100 画像提供システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、
利用者からの入力指示に応じて上記画像データの編集処理を行う編集処理手段と、
上記利用者により利用される、各種情報を記憶するための記憶部を有した通信装置との
通信を確立する画像データ通信部とを備え、
上記利用者から上記編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、上記画像データ通信部が該画像データを上記通信装置に送信することを特徴とする画像編集装置。
【請求項2】
上記画像データ通信部は、無線通信により上記通信装置との通信を確立し、上記画像データの送信または受信を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像編集装置。
【請求項3】
上記通信装置に送信する画像データを暗号化処理するための暗号化処理手段と、
上記通信装置から受信した、上記暗号化処理手段によって暗号化処理された画像データを復号するための復号手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像編集装置。
【請求項4】
上記通信装置からの、上記暗号化処理された画像データを復号するための復号情報の送信要求に応じて、該通信装置を特定する特定情報の送信を要求する特定情報要求手段と、
上記特定情報要求手段からの要求に応じて上記特定情報を送信した上記通信装置に対して上記復号情報を提供する提供手段と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像編集装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像編集装置と、各種情報を記憶するための記憶部を有し、該画像編集装置に対して、上記編集処理手段による編集対象となる画像データの送信または受信を行う通信装置とを備えることを特徴とする画像提供システム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像編集装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための画像編集装置の制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像編集装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。
【請求項1】
画像データを編集し、シートに印刷する画像編集装置であって、
利用者からの入力指示に応じて上記画像データの編集処理を行う編集処理手段と、
上記利用者により利用される、各種情報を記憶するための記憶部を有した通信装置との
通信を確立する画像データ通信部とを備え、
上記利用者から上記編集処理手段による編集対象となる画像データの保存指示を受け付けた場合、上記画像データ通信部が該画像データを上記通信装置に送信することを特徴とする画像編集装置。
【請求項2】
上記画像データ通信部は、無線通信により上記通信装置との通信を確立し、上記画像データの送信または受信を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像編集装置。
【請求項3】
上記通信装置に送信する画像データを暗号化処理するための暗号化処理手段と、
上記通信装置から受信した、上記暗号化処理手段によって暗号化処理された画像データを復号するための復号手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像編集装置。
【請求項4】
上記通信装置からの、上記暗号化処理された画像データを復号するための復号情報の送信要求に応じて、該通信装置を特定する特定情報の送信を要求する特定情報要求手段と、
上記特定情報要求手段からの要求に応じて上記特定情報を送信した上記通信装置に対して上記復号情報を提供する提供手段と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像編集装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像編集装置と、各種情報を記憶するための記憶部を有し、該画像編集装置に対して、上記編集処理手段による編集対象となる画像データの送信または受信を行う通信装置とを備えることを特徴とする画像提供システム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像編集装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための画像編集装置の制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像編集装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−184794(P2007−184794A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1791(P2006−1791)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】
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