説明

画像表示システム、画像表示装置、画像表示方法およびプログラム

【課題】利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させる。
【解決手段】サーバと、表示部および撮影部を備えた複数の画像表示装置とを有し、複数の画像表示装置のそれぞれは、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信し、サーバは、複数の画像表示装置のそれぞれから送信された選択用情報を受信すると、受信した選択用情報と所定の選択条件とに基づいて複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択し、選択した識別子を示す識別子情報を当該受信した選択用情報の送信元の画像表示装置へ送信し、複数の画像表示装置のそれぞれは、サーバから送信された識別子情報を受信し、撮影部にて撮影された撮影画像の中から識別子情報が示す識別子を検出すると、検出した識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示システム、画像表示装置、画像表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
列車を利用する利用者は、その列車を構成する複数の車両のうち、混雑していない車両や、降車する降車駅において改札口や階段等に近い車両に乗車したいと考えるのが通常である。
【0003】
しかし、例えば初めて利用する列車等の場合、その利用者は、混雑していない車両や、降車する駅において改札口や階段等に近い車両がどの車両なのかわからないことが多い。
【0004】
最近では、降車駅の改札口や階段等の位置を車両の位置と対応付けた案内が、駅のホーム等に掲示されていることもある。しかし、降車駅が乗降者数の多い駅の場合、同じ車両に乗客が集中することも多い。
【0005】
そのため、降車駅において出口や階段等に近い車両のうち、混雑していない車両を示す情報、すなわち、利用者の要望に応じた位置を示す情報をその利用者へ通知することができれば、非常に利便性が高い。
【0006】
ここで、利用者の要望に応じた位置を示す情報をその利用者へ通知することを可能にする技術が例えば、特許文献1に開示されている。
【0007】
特許文献1に開示されている技術では、利用者が列車に乗車する際、その利用者が最適と考える乗車位置まで円滑に案内する文字情報からなるメッセージを携帯電話端末に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−152743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に開示されている技術を用いれば、列車を構成する複数の車両のうち、例えば混雑率が低い車両の乗車位置まで誘導するための文字情報を、利用者の携帯電話端末に表示させることができる。
【0010】
しかしながら、乗車位置まで誘導するための情報として文字情報を利用した場合、十分な情報量を確保することができず、利用者は文字情報を参照してもその乗車位置まで到達できない可能性がある。
【0011】
つまり、特許文献1に開示されている技術を用いても、利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させることができないという問題点がある。
【0012】
本発明は、利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させることができる画像表示システム、画像表示装置、画像表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の画像表示システムは、
サーバと、
表示部および撮影部を備えた複数の画像表示装置と、を有し、
前記複数の画像表示装置のそれぞれは、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記複数の画像表示装置のそれぞれから送信された選択用情報を受信すると、該受信した選択用情報と所定の選択条件とに基づいて前記複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択し、該選択した識別子を示す識別子情報を当該受信した選択用情報の送信元の画像表示装置へ送信し、
前記複数の画像表示装置のそれぞれは、前記サーバから送信された識別子情報を受信し、前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信した識別子情報が示す識別子を検出すると、該検出した識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明の画像表示装置は、
表示部と、
撮影部と、
相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信し、その後、前記複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報を前記サーバから受信する通信部と、
前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記通信部にて受信された識別子情報が示す識別子を検出する検出部と、
前記検出部にて検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる制御部と、を有する。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明の画像表示方法は、サーバと、表示部および撮影部を備えた複数の画像表示装置とを有する画像表示システムにおける画像表示方法であって、
前記複数の画像表示装置のそれぞれが、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報を前記サーバへ送信する送信処理と、
前記サーバが、前記複数の画像表示装置のそれぞれから送信された選択用情報を受信する処理と、
前記サーバが、前記受信した選択用情報と所定の選択条件とに基づいて前記複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択する選択処理と、
前記サーバが、前記選択した識別子を示す識別子情報を当該受信した選択用情報の送信元の画像表示装置へ送信する処理と、
前記複数の画像表示装置のそれぞれが、前記サーバから送信された識別子情報を受信する処理と、
前記複数の画像表示装置のそれぞれが、前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信した識別子情報が示す識別子を検出すると、該検出した識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる処理と、を有する。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明の画像表示方法は、表示部および撮影部を有する画像表示装置における画像表示方法であって、
相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信する処理と、
前記複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報を前記サーバから受信する処理と、
前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信された識別子情報が示す識別子を検出する処理と、
前記検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる処理と、を有する。
【0017】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、表示部および撮影部を有する画像表示装置に、
相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信する機能と、
前記複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報を前記サーバから受信する機能と、
前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信された識別子情報が示す識別子を検出する機能と、
前記検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上説明したように構成されているので、利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の画像表示システムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像表示システムを構成する各装置の構成の一例を示すブロック図であり、(a)はサーバの構成を示すブロック図、(b)は携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したデータベースが備えるテーブルの構成の一例を示す図であり、(a)は車両別混雑状況情報テーブルの構成を示す図、(b)は識別子情報テーブルの構成を示す図、(c)は時刻表情報テーブルの構成を示す図である。
【図4】図2に示したサーバの制御部が識別子情報を抽出する動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2に示した携帯端末の制御部が生成する指示画像を説明するための図であり、(a)は駅のホームを上から見たときの図、(b)は(a)と同じホームを撮影したときの表示部12における表示状態を示す図である。
【図6】図1〜図5に示した画像表示システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図7】図2に示したデータベースが備えるエレベータ別混雑状況情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図8】図1、図2および図7に示した画像表示システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図9】本発明の画像表示システムを構成する画像表示装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の画像表示システムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態の画像表示システム100は図1に示すように、画像表示装置である携帯端末10−1〜10−nを備えている。また、画像表示システム100は、複数の列車のそれぞれを構成する複数の車両のそれぞれに設置された検知装置30−1〜30−nのそれぞれから送信された混雑状況情報を受信するサーバ20を備えている。
【0023】
なお、本実施形態においては、説明をわかりやすくするため、複数の列車のそれぞれを構成する車両数は全て6両であるものとする。
【0024】
また、本実施形態において、複数の列車のそれぞれは、複数の列車ID(Identification)のそれぞれにて識別される。また、複数の列車のそれぞれを構成する複数の車両のそれぞれは複数の車両IDのそれぞれにて識別される。なお、先頭(または最後尾)の車両を識別する車両IDが「1」であり、車両ID「1」にて識別される車両に近いものから順番に車両IDが「2」、「3」、「4」、「5」、「6」であるものとする。
【0025】
検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、無線通信機能を備えている。また、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、例えば画像解析装置(不図示)や赤外線センサー(不図示)を備えており、それらを用いて、その検知装置が設置されている車両内の混雑状況を認識する。例えば画像解析装置を用いた場合、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、画像解析装置が撮影した画像を解析し、その車両内の一定の空間内にどれくらいの人がいるのかを認識する。また、例えば赤外線センサーを用いた場合、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、赤外線センサーにて人の体温等を検知し、その車両内の一定の空間内にどれくらいの人がいるのかを認識する。次に、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、認識結果に基づいてその検知装置が設置されている車両の混雑率を算出する。そして、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、算出した混雑率を示す混雑状況情報を生成する。なお、混雑状況情報には、検知装置30−1〜30−nのそれぞれが設置されている車両の列車IDと車両IDとが付加されている。そして、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、生成した混雑状況情報をサーバ20へ送信する。なお、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、その検知装置が設置された車両の列車が少なくとも各駅を発車する度に、車両内の混雑状況を認識して混雑状況情報をサーバ20へ送信するのが望ましい。
【0026】
図2は、図1に示した画像表示システム100を構成する各装置の構成の一例を示すブロック図であり、(a)はサーバ20の構成を示すブロック図、(b)は携帯端末10−1の構成を示すブロック図である。
【0027】
図2(a)を参照すると、サーバ20は、データベース21と、通信部22と、制御部23とを備えている。
【0028】
データベース21は、複数の駅の駅名情報のそれぞれと、その複数の駅のそれぞれを識別する複数の駅IDのそれぞれとを対応付けて記憶している。また、データベース21は、車両別混雑状況情報テーブルと、識別子情報テーブルと、時刻表情報テーブルとを備えている。
【0029】
図3は、図2に示したデータベース21が備えるテーブルの構成の一例を示す図であり、(a)は車両別混雑状況情報テーブルの構成を示す図、(b)は識別子情報テーブルの構成を示す図、(c)は時刻表情報テーブルの構成を示す図である。
【0030】
車両別混雑状況情報テーブルは、複数の列車ID毎に生成されている。図3(a)に示すように車両別混雑状況情報テーブルでは、車両IDと、その車両IDにて識別される車両の混雑率とが対応付けられている。
【0031】
識別子情報テーブルは、複数の駅ID毎に生成されている。図3(b)に示すように識別子情報テーブルでは、車両IDと、識別子情報と、その駅IDにて識別される駅における改札口または階段の位置を示す出口情報とが対応付けられている。
【0032】
なお、識別子情報テーブルにおいて出口情報は「0」または「1」のいずれかの値としており、「1」が改札口または階段の位置であることを示しているものとする。従って、図3(b)に示す例では、車両ID「2」にて識別される車両が改札口または階段に最も近い車両となる。
【0033】
また、識別子情報テーブルにおける複数の識別子情報のそれぞれが示す複数の識別子のそれぞれは、駅のホーム上の複数の車両のそれぞれの乗降口に表示されているものとする。なお、複数の識別子のそれぞれは、例えば形状や模様等が相互に異なっている。
【0034】
図3(c)に示すように時刻表情報テーブルでは、列車IDと、その列車IDにて識別される列車が停車する駅を識別する複数の駅IDおよびその駅の出発時刻とが対応付けられている。図3(c)に示す例では、列車ID「001」の列車は、駅ID「0005」にて識別される駅を「12時45分」に出発し、その後、駅ID「0006」にて識別される駅を「12時50分」に出発することになる。
【0035】
再度図2(a)を参照すると、通信部22は、無線通信機能を備えている。通信部22は、検知装置30−1〜30−nのそれぞれから送信された混雑状況情報を受信し、受信した混雑状況情報を制御部23へ出力する。また、通信部22は、携帯端末10−1〜10−nのそれぞれから送信された選択用情報を受信し、受信した選択用情報を制御部23へ出力する。なお、選択用情報には、乗車する駅の駅名情報である乗車駅名情報と、降車する駅の駅名情報である降車駅名情報と、時刻情報とが含まれている。また、通信部22は、制御部23から出力された識別子情報を受け付け、受け付けた識別子情報を、選択用情報の送信元の携帯端末へ送信する。
【0036】
制御部23は、通信部22から出力された混雑状況情報を受け付ける。そして、制御部23は受け付けた混雑状況情報に基づいて車両別混雑状況情報テーブルの混雑率を更新する。具体的には、制御部23は、受け付けた混雑状況情報に付加された列車IDの車両別混雑状況情報テーブルにおいて、その混雑状況情報に付加された車両IDに対応する混雑率を、その混雑状況情報が示す値に更新する。また、制御部23は、通信部22から出力された選択用情報を受け付ける。そして、制御部23は、受け付けた選択用情報に含まれる乗車駅名情報と、降車駅名情報と、時刻情報と、所定の選択条件とに基づき、識別子情報テーブルから少なくとも1つの識別子情報を抽出する。そして、制御部23は、抽出した識別子情報を通信部22へ出力する。ここで、制御部23が識別子情報を抽出する動作の詳細について説明する。
【0037】
図4は、図2に示したサーバ20の制御部23が識別子情報を抽出する動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
制御部23は、時刻表情報テーブルを参照し、乗車駅名情報に対応する駅IDの出発時刻が、時刻情報が示す時刻よりも後であり、かつ、降車駅名情報に対応する駅IDが含まれる列の列車IDのうち、乗車駅名情報に対応する駅IDの出発時刻が最も早い列車IDを特定する(ステップS1)。例えば、時刻表情報テーブルが図3(c)に示す内容である場合、乗車駅名情報に対応する駅IDが「0005」であり、時刻情報が示す時刻が「12時46分」であり、降車駅名情報に対応する駅IDが「0007」であるとすると、列車ID「002」が特定される。なお、この特定方法は一例であり、他の方法で列車IDを特定してもよい。
【0039】
次に、制御部23は、降車駅名情報に対応する駅IDの識別子情報テーブルから、出口情報の値が「1」に対応する車両IDを選択車両IDとして選択する(ステップS2)。例えば、降車駅名情報に対応する駅IDの識別子情報テーブルが図3(b)に示す内容である場合、車両ID「2」が選択車両IDとして選択される。なお、以降の説明においては、降車駅名情報に対応する駅IDの識別子情報テーブルのことを単に、識別子情報テーブルという。
【0040】
次に、制御部23は、ステップS1にて特定した列車IDの車両別混雑状況情報テーブルから、選択車両IDに対応する混雑率を抽出する(ステップS3)。例えば、ステップS1にて特定した列車IDの車両別混雑状況情報テーブルが図3(a)に示す内容であり、選択車両IDが「2」である場合、制御部23は、混雑率「65」を抽出することになる。
【0041】
そして、制御部23は、抽出した混雑率が予め決められた閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS4)。
【0042】
ステップS4における判定の結果、抽出した混雑率が予め決められた閾値以上である場合、制御部23は、識別子情報テーブルにおいて全ての車両IDを選択車両IDとして選択済みかどうかを判定する(ステップS5)。
【0043】
ステップS5における判定の結果、識別子情報テーブルにおいて全ての車両IDを選択車両IDとして選択済みでない場合、制御部23は、識別子情報テーブルにおいて、選択車両IDとして選択されていない車両IDのうち出口情報の値が1に対応する車両IDに最も近い値の車両IDを新たな選択車両IDとして選択する(ステップS6)。例えば、識別子情報テーブルが図3(b)に示す内容であり、選択車両IDが「2」である場合、制御部23は、車両ID「1」および車両ID「3」を新たな選択車両IDとして選択することになる。
【0044】
そして、ステップS3の動作へ遷移する。
【0045】
一方、ステップS5における判定の結果、識別子情報テーブルにおいて全ての車両IDを選択車両IDとして選択済みである場合、制御部23は、識別子情報テーブルから、出口情報の値が「1」に対応する識別子情報を抽出する(ステップS7)。例えば、識別子情報テーブルが図3(b)に示す内容である場合、制御部23は、識別子情報bを抽出することになる。
【0046】
ここで、ステップS4における判定の結果、抽出した混雑率が予め決められた閾値よりも小さな場合、制御部23は、識別子情報テーブルから、選択車両IDに対応する識別子情報を抽出する(ステップS8)。
【0047】
なお、ステップS6において2つの車両IDが選択車両IDとして選択された場合、ステップS3において2つの混雑率が抽出されることになる。この場合、抽出された2つの混雑率がともに、予め決められた閾値よりも小さければ、その2つの選択車両IDのそれぞれに対応する2つの識別子情報を抽出するようにしてもよい。また、何らかの方法で2つの選択車両IDのうちのいずれかを選択し、選択した選択車両IDに対応する識別子情報だけを抽出するようにしてもよい。
【0048】
また、ステップS5における判定の結果、識別子情報テーブルにおいて全ての車両IDを選択車両IDとして選択済みである場合、閾値を所定幅だけ大きくし、再度ステップS2〜S6の動作を繰り返すようにしてもよい。
【0049】
図2(b)を参照すると、携帯端末10−1は、撮影部11と、表示部12と、位置測定部13と、入力部14と、通信部15と、検出部16と、制御部17とを備えている。なお、携帯端末10−2〜10−nも同様の構成である。
【0050】
撮影部11は、制御部17からの指示に従い被写体を撮影する。
【0051】
表示部12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を備えている。表示部12は、制御部17からの指示に従い、撮影部11にて撮影された撮影画像等の画像を表示する。
【0052】
位置測定部13は、例えばGPS信号を受信することで携帯端末10−1の現在位置を測定する。位置測定部13は、携帯端末10−1の現在位置が駅であることを検知すると、その駅の駅名情報を制御部17へ出力する。
【0053】
入力部14は、各種指示や選択等の入力を携帯端末10−1の操作者から受け付け、受け付けた指示を示す情報や選択された内容を示す情報を制御部17へ出力する。具体的には、入力部14は、携帯端末10−1の操作者からの撮影指示を受け付けると、撮影指示が受け付けられたことを示す撮影指示情報を制御部17へ出力する。また、入力部14は、携帯端末10−1の操作者から、その操作者が降車する駅の駅名情報の入力を受け付ける。そして、入力部14は、受け付けた駅名情報を制御部17へ出力する。
【0054】
通信部15は、無線通信機能を備えている。通信部15は、制御部17から出力された選択用情報を受け付け、受け付けた選択用情報をサーバ20へ送信する。また、通信部15は、サーバ20から送信された識別子情報を受信し、受信した識別子情報を検出部16へ出力する。
【0055】
検出部16は、通信部15から出力された識別子情報を受け付ける。そして、検出部16は、撮影部11にて撮影された撮影画像の中から、受け付けた識別子情報が示す識別子を検出する。そして、検出部16は、検出した識別子の表示部12における表示位置を示す位置情報を制御部17へ出力する。
【0056】
制御部17は、携帯端末10−1の各部の動作を制御するための機能を備えている。具体的には、制御部17は、入力部14から出力された撮影指示情報を受け付けると、撮影部11に被写体の撮影を開始させるとともに、撮影部11にて撮影された撮影画像を表示部12に表示させる。また、制御部17は、位置測定部13から出力された駅名情報を乗車駅名情報として受け付ける。また、制御部17は、入力部14から出力された駅名情報を降車駅名情報として受け付ける。そして、制御部17は、受け付けた乗車駅名情報および降車駅名情報と、現在の時刻を示す時刻情報とを含む選択用情報を生成する。そして、制御部17は、生成した選択用情報を通信部15へ出力する。また、制御部17は、検出部16から出力された位置情報を受け付けると、検出部16にて検出された識別子を指し示すための指示画像を生成する。そして、制御部17は、受け付けた位置情報が示す位置に、生成した指示画像を撮影画像に重畳させて表示部12に表示させる。
【0057】
図5は、図2に示した携帯端末10−1の制御部17が生成する指示画像を説明するための図であり、(a)は駅のホームを上から見たときの図、(b)は(a)と同じホームを撮影したときの表示部12における表示状態を示す図である。
【0058】
図5(a)に示すように、ホーム上には相互に異なる4つの識別子51〜54が表示されている。この場合に、例えば携帯端末10−1にて受信された識別子情報が示す識別子が識別子53であるとすると、図5(b)に示すように、制御部17は、識別子53を指し示す指示画像61を撮影画像に重畳させて表示部12に表示させる。なお、図5に示した識別子51〜54の形状や模様等は一例である。
【0059】
以下に、上記のように構成された画像表示システムの動作について説明する。ここでは、一例として、携帯端末10−1が選択用情報をサーバ20へ送信する場合の動作について説明する。
【0060】
なお、上述したように検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、その検知装置が設置されている列車が駅を出発する毎に混雑状況情報をサーバ20へ送信している。そして、サーバ20の制御部23は、検知装置30−1〜30−nのそれぞれから送信された混雑状況情報が受信される度に、データベース21が備える車両別混雑状況情報テーブルの混雑率を更新する。
【0061】
図6は、図1〜図5に示した画像表示システム100の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0062】
携帯端末10−1の位置測定部13は、携帯端末10−1の現在位置が駅であることを検知する(ステップS21)。そして、位置測定部13は、その駅の駅名情報を制御部17へ出力する。
【0063】
次に、入力部14は、携帯端末10−1の操作者から、その操作者が降車する駅の駅名情報の入力を受け付ける(ステップS22)。そして、入力部14は、受け付けた駅名情報を制御部17へ出力する。
【0064】
次に、制御部17は、位置測定部13から出力された駅名情報を乗車駅名情報として受け付け、入力部14から出力された駅名情報を降車駅名情報として受け付ける。
【0065】
次に、制御部17は、受け付けた乗車駅名情報および降車駅名情報と、現在時刻を示す時刻情報とを含む選択用情報を生成し、生成した選択用情報を通信部15へ出力する。
【0066】
制御部17から出力された選択用情報を受け付けた通信部15は、受け付けた選択用情報をサーバ20へ送信する(ステップS23)。
【0067】
サーバ20の通信部22は、携帯端末10−1から送信された選択用情報を受信し、受信した選択用情報を制御部23へ出力する。
【0068】
通信部22から出力された選択用情報を受け付けた制御部23は、図4を参照しながら説明した動作に従い、識別子情報テーブルから少なくとも1つの識別子情報を抽出する(ステップS24)。そして、制御部23は、抽出した識別子情報を通信部22へ出力する。
【0069】
制御部23から出力された識別子情報を受け付けた通信部22は、受け付けた識別子情報を携帯端末10−1へ送信する(ステップS25)。
【0070】
サーバ20から送信された識別子情報を受信した携帯端末10−1の通信部15は、受信した識別子情報を検出部16へ出力する。
【0071】
次に、入力部14は、携帯端末10−1の操作者からの撮影指示を受け付ける。そして、入力部14は、撮影指示情報を制御部17へ出力する。
【0072】
入力部14から出力された撮影指示情報を受け付けた制御部17は、撮影部11に被写体の撮影を開始させるとともに、撮影部11にて撮影された撮影画像を表示部12に表示させる(ステップS26)。
【0073】
通信部15から出力された識別子情報を受け付けた検出部16は、撮影部11にて撮影された撮影画像の中から、受け付けた識別子情報が示す識別子を検出する(ステップS27)。
【0074】
そして、検出部16は、検出した識別子の表示部12における表示位置を示す位置情報を制御部17へ出力する。
【0075】
検出部16から出力された位置情報を受け付けた制御部17は、指示画像を生成する(ステップS28)。
【0076】
そして、制御部17は、受け付けた位置情報が示す位置に、生成した指示画像を撮影画像に重畳させて表示部12に表示させる(ステップS29)。
【0077】
このように本実施形態において携帯端末10−1〜10−nのそれぞれは、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバ20へ送信する。
【0078】
サーバ20は、携帯端末10−1〜10−nのそれぞれから送信された選択用情報を受信すると、受信した選択用情報と所定の選択条件とに基づいて複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択する。
【0079】
そして、サーバ20は、選択した識別子を示す識別子情報を当該受信した選択用情報の送信元の画像表示装置へ送信する。
【0080】
携帯端末10−1〜10−nのそれぞれは、サーバ20から送信された識別子情報を受信する。そして、携帯端末10−1〜10−nのそれぞれは、撮影部11にて撮影された撮影画像の中から、受信した識別子情報が示す識別子を検出すると、検出した識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて表示部12に表示させる。
【0081】
これにより、利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させることができる。
【0082】
また、携帯端末10−1〜10−nのそれぞれの操作者が携帯端末10−1〜10−nにて受信された識別子情報が示す識別子にて識別される車両に乗車すれば、各列車の混雑状況が平準化するという効果も期待できる。これは鉄道会社にとっても大きなメリットとなる。
【0083】
なお、ここでは、降車駅で降車した後の利便性と、複数の車両のそれぞれの混雑状況とを所定の選択条件とした場合について説明した。これ以外にも、例えば、降車駅で降車した後の利便性だけではなく、乗車中の利便性を所定の選択条件に含めることも可能である。乗車中の利便性とは例えば、乗車中に座席に座れるかどうか等である。これを実現するためには、複数の列車のそれぞれの複数の車両毎に過去の混雑状況の変化を示す情報を車両IDと対応付けてデータベース21に記憶させておく。そして、図4に示したような識別子情報を抽出するフローにおいて、過去の混雑状況の変化を示す情報を加味すればよい。
【0084】
ここまで、複数の車両のうち利用者の要望に応じた車両の乗車口を指し示す画像を表示する画像表示システムについて説明した。
【0085】
本発明はこれに限定されず、本発明を適用することで例えば、並列して設けられている複数のエレベータのうち利用者の要望に応じたエレベータを指し示す画像を表示する画像表示システムを実現することも可能である。
【0086】
以降の説明における画像表示システムは、図1に示した画像表示システム100と同じ構成である。但し、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、並列して設けられた複数のエレベータのそれぞれに設置されている。
【0087】
また、複数のエレベータのそれぞれは、エレベータIDにて識別される。
【0088】
また、データベース21は、エレベータ別混雑状況情報テーブルを備えている。
【0089】
図7は、図2に示したデータベース21が備えるエレベータ別混雑状況情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【0090】
エレベータ別混雑状況情報テーブルでは図7に示すように、エレベータIDと、そのエレベータIDにて識別されるエレベータの混雑率と、そのエレベータIDにて識別されるエレベータが直近に停止した階数と、そのエレベータIDにて識別されるエレベータの移動方向と、識別子とが対応付けられている。
【0091】
なお、エレベータ別混雑状況情報テーブルにおいて移動方向は、「0」または「1」のいずれかの値としており、「0」が下方向を示し、「1」が上方向を示しているものとする。
【0092】
また、エレベータ別混雑状況情報テーブルにおける複数の識別子情報のそれぞれが示す複数の識別子のそれぞれは、ビルの各階において複数のエレベータのそれぞれの扉や乗降口に表示されているものとする。
【0093】
携帯端末10−1〜10−nおよびサーバ20の動作は基本的に、上述したのと同じである。詳細については後述する動作フローにおいて説明する。
【0094】
以下に、上記のように構成された画像表示システムの動作について説明する。ここでは、一例として、携帯端末10−1が選択用情報をサーバ20へ送信する場合の動作について説明する。なお、ここでは、サーバ20の制御部23が識別子情報を抽出する動作についても合わせて説明する。
【0095】
なお、検知装置30−1〜30−nのそれぞれは、その検知装置が設置されているエレベータが各階を出発する毎に混雑状況情報をサーバ20へ送信している。そして、サーバ20の制御部23は、検知装置30−1〜30−nのそれぞれから送信された混雑状況情報が受信される度に、データベース21が備えるエレベータ別混雑状況情報テーブルの混雑率を更新する。
【0096】
図8は、図1、図2および図7に示した画像表示システム100の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0097】
携帯端末10−1の位置測定部13は、携帯端末10−1の現在位置の階数を検知する(ステップS41)。そして、位置測定部13は、その階数を示す階数情報を制御部17へ出力する。なお、ここでは、位置測定部13は、GPS信号を受信することで携帯端末10−1の現在位置を測定するだけではなく、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントからの信号を受信することで携帯端末10−1の現在位置を測定してもよい。
【0098】
次に、入力部14は、携帯端末10−1の操作者から、その操作者がエレベータを降りる階数の入力を受け付ける(ステップS42)。そして、入力部14は、受け付けた階数を示す階数情報を制御部17へ出力する。
【0099】
次に、制御部17は、位置測定部13から出力された階数情報を乗車階数情報として受け付け、入力部14から出力された階数情報を降車階数情報として受け付ける。
【0100】
次に、制御部17は、受け付けた乗車階数情報と降車階数情報とを含む選択用情報を生成し、生成した選択用情報を通信部15へ出力する。
【0101】
制御部17から出力された選択用情報を受け付けた通信部15は、受け付けた選択用情報をサーバ20へ送信する(ステップS43)。
【0102】
サーバ20の通信部22は、携帯端末10−1から送信された選択用情報を受信し、受信した選択用情報を制御部23へ出力する。
【0103】
通信部22から出力された選択用情報を受け付けた制御部23は、受け付けた選択用情報に含まれる乗車階数名情報と降車階数名とに基づき、データベース21が備えるエレベータ別混雑状況情報テーブルから少なくとも1つのエレベータIDを選択する(ステップS44)。例えば、エレベータ別混雑状況情報テーブルが図7に示した内容である場合に、乗車階数名情報が示す階数が4であり、降車階数名情報が示す階数が1であるとする。この場合、エレベータID「1」および「2」のエレベータが選択可能であるが、エレベータID「2」に対応する混雑率の方が、エレベータID「1」に対応する混雑率よりも低い。そのため、制御部23は、エレベータID「2」を選択する。
【0104】
次に、制御部23は、エレベータ別混雑状況情報テーブルから、ステップS44にて選択したエレベータIDに対応する識別子情報を抽出する(ステップS45)。そして、制御部23は、抽出した識別子情報を通信部22へ出力する。
【0105】
制御部23から出力された識別子情報を受け付けた通信部22は、受け付けた識別子情報を携帯端末10−1へ送信する(ステップS46)。
【0106】
以降のステップS47〜S50動作は、図6を参照しながら説明したステップS26〜S29と同様なので説明を省略する。
【0107】
画像表示システム100が図8を参照しながら説明したように動作することで、上述したのと同様に、利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させることができる。
【0108】
なお、本実施形態では、複数の車両のうち利用者の要望に応じた車両の乗車口を指し示す画像を表示する画像表示システム、および、複数のエレベータのうち利用者の要望に応じたエレベータを指し示す画像を表示する画像表示システムについて説明した。
【0109】
本発明はこれらに限定されず、本発明を適用することで、例えば複数の窓口のうち最も早く順番が回ってくると予想される窓口を指し示す画像を表示する画像表示システムを実現することも可能である。この場合、複数の窓口のそれぞれの混雑状況を示す情報や、複数の窓口のそれぞれの過去の処理効率等を示す情報を複数の窓口のそれぞれを識別する情報と対応付けてデータベース21に記憶させておく。そして、図4に示したような識別子情報を抽出するフローにおいて、混雑状況や過去の処理効率等を所定の選択条件として複数の窓口のうちの少なくとも1つを選択するようにすればよい。なお、窓口には、例えばチケット売り場やスーパーマーケットのレジ等も含まれる。
【0110】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の画像表示システムを構成する画像表示装置の構成の他の例を示すブロック図である。なお、図9において、図2(b)に示したものと同一の構成のものには同一の符号を付してある。また、本実施形態においてサーバ20の動作は、上述した第1の実施形態における動作と同様である。
【0111】
本実施形態において画像表示装置50−1は、表示部12および撮影部11を備えている。
【0112】
また、画像表示装置50−1は、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバ20へ送信する通信部15を備えている。また、通信部15は、複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報をサーバ20から受信する。
【0113】
また、画像表示装置50−1は、撮影部11にて撮影された撮影画像の中から、通信部15にて受信された識別子情報が示す識別子を検出する検出部16を備えている。
【0114】
また、画像表示装置50−1は、検出部16にて検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて表示部12に表示させる制御部17を備えている。
【0115】
これにより、利用者の要望に応じた位置をその利用者に容易に認知させることができる。
【0116】
なお、上述した第1および第2の実施形態において、検出部16にて検出された識別子が表示部12の表示範囲内に存在しない場合、その識別子が表示部12に表示されるように、携帯端末の利用者へ撮影方向の変更を促すための画像を表示部12に表示させるようにしてもよい。撮影方向の変更を促すための画像とは例えば、その識別子が存在する方向を示す矢印等である。
【0117】
また、本発明においては、画像処理装置内の処理は上述の専用のハードウェアで実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを画像処理装置にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。画像処理装置にて読取可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、画像処理装置に内蔵されたHDDなどを指す。
【符号の説明】
【0118】
10−1〜10−n,50−1 携帯端末
11 撮影部
12 表示部
13 位置測定部
14 入力部
15,21 通信部
16 検出部
17,23 制御部
20 サーバ
22 データベース
30−1〜30−n 検知装置
51〜54 識別子
61 指示画像
100 画像表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
表示部および撮影部を備えた複数の画像表示装置と、を有し、
前記複数の画像表示装置のそれぞれは、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記複数の画像表示装置のそれぞれから送信された選択用情報を受信すると、該受信した選択用情報と所定の選択条件とに基づいて前記複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択し、該選択した識別子を示す識別子情報を当該受信した選択用情報の送信元の画像表示装置へ送信し、
前記複数の画像表示装置のそれぞれは、前記サーバから送信された識別子情報を受信し、前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信した識別子情報が示す識別子を検出すると、該検出した識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記複数の識別子のそれぞれは、複数の列車のそれぞれを構成する複数の車両のそれぞれと対応付けられ、
前記複数の画像表示装置のそれぞれは、乗車駅名情報と、降車駅名情報と、現在時刻を示す時刻情報とを含む情報を前記選択用情報として前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記受信した選択用情報と、前記複数の列車のそれぞれが各駅を出発する時刻を示す時刻表情報とから前記複数の列車のうちのいずれかを特定し、前記複数の識別子の中から、前記特定した列車を構成する複数の車両のうち該複数の車両のそれぞれに対応付けられた所定の情報を前記所定の選択条件として選択した少なくとも1つの車両に対応する識別子を選択する画像表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示システムにおいて、
前記サーバは、前記複数の識別子の中から、前記特定した列車を構成する複数の車両のうち該複数の車両のそれぞれの混雑状況を示す混雑状況情報を前記所定の選択条件として選択した少なくとも1つの車両に対応する識別子を選択する画像表示システム。
【請求項4】
表示部と、
撮影部と、
相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信し、その後、前記複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報を前記サーバから受信する通信部と、
前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記通信部にて受信された識別子情報が示す識別子を検出する検出部と、
前記検出部にて検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる制御部と、を有する画像表示装置。
【請求項5】
サーバと、表示部および撮影部を備えた複数の画像表示装置とを有する画像表示システムにおける画像表示方法であって、
前記複数の画像表示装置のそれぞれが、相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報を前記サーバへ送信する送信処理と、
前記サーバが、前記複数の画像表示装置のそれぞれから送信された選択用情報を受信する処理と、
前記サーバが、前記受信した選択用情報と所定の選択条件とに基づいて前記複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択する選択処理と、
前記サーバが、前記選択した識別子を示す識別子情報を当該受信した選択用情報の送信元の画像表示装置へ送信する処理と、
前記複数の画像表示装置のそれぞれが、前記サーバから送信された識別子情報を受信する処理と、
前記複数の画像表示装置のそれぞれが、前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信した識別子情報が示す識別子を検出すると、該検出した識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる処理と、を有する画像表示方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像表示方法において、
前記複数の識別子のそれぞれは、複数の列車のそれぞれを構成する複数の車両のそれぞれと対応付けられ、
前記送信処理は、前記複数の画像表示装置のそれぞれが、乗車駅名情報と、降車駅名情報と、現在時刻を示す時刻情報とを含む情報を前記選択用情報として前記サーバへ送信する処理であり、
前記サーバが、前記受信した選択用情報と、前記複数の列車のそれぞれが各駅を出発する時刻を示す時刻表情報とから前記複数の列車のうちのいずれかを特定する処理をさらに有し、
前記選択処理は、前記サーバが、前記複数の識別子の中から、前記特定した列車を構成する複数の車両のうち該複数の車両のそれぞれに対応付けられた所定の情報を前記所定の選択条件として選択した少なくとも1つの車両に対応する識別子を選択する処理である画像表示方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示方法において、
前記選択処理は、前記サーバが、前記複数の識別子の中から、前記特定した列車を構成する複数の車両のうち該複数の車両のそれぞれの混雑状況を示す混雑状況情報を前記所定の選択条件として選択した少なくとも1つの車両に対応する識別子を選択する処理である画像表示方法。
【請求項8】
表示部および撮影部を有する画像表示装置における画像表示方法であって、
相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信する処理と、
前記複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報を前記サーバから受信する処理と、
前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信された識別子情報が示す識別子を検出する処理と、
前記検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる処理と、を有する画像表示方法。
【請求項9】
表示部および撮影部を有する画像表示装置に、
相互に異なる複数の位置のそれぞれに表示された相互に異なる複数の識別子の中から少なくとも1つの識別子を選択させるための選択用情報をサーバへ送信する機能と、
前記複数の識別子のうち、当該送信した選択用情報と所定の選択条件と基づいて選択された識別子を示す識別子情報を前記サーバから受信する機能と、
前記撮影部にて撮影された撮影画像の中から前記受信された識別子情報が示す識別子を検出する機能と、
前記検出された識別子を指し示す画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる機能と、を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−189786(P2012−189786A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53013(P2011−53013)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】