説明

画像表示システム、画像表示装置及びキャリブレーション方法

【課題】ローカルディミングを行う画像表示装置において効率的にキャリブレーションを行うことができる技術を提供する。
【解決手段】画像表示装置のコントラスト比の目標値を設定し、コントラスト比の目標値に応じて、バックライトの輝度を切り換える段階数及び各段階の輝度を決定し、決定した各段階のバックライトの輝度でバックライトを発光させるとともに、所定の色票を画像表示装置に表示させて測色し、測色値に基づき、バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行う。コントラスト比の目標値を達成するために必要な段階数のバックライトの輝度についてのみキャリブレーションが行われるので、キャリブレーションの実行回数を必要最小限に抑えることができ、キャリブレーションの実行に要する時間が無用に長くなることを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システム、画像表示装置及びキャリブレーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶ディスプレイは、バックライトの輝度及び各液晶セルの透過率を制御することで、カラー画像を形成する。
入力画像信号のピクセル値は、例えばR(赤)成分、G(緑)成分、B(青)成分について、それぞれ256段階の値で表される。前記ピクセル値からマトリックス演算やルックアップテーブル参照を経て液晶駆動信号(駆動電圧)を決定し、液晶駆動部に当該駆動電圧を与えることで、液晶透過率を制御できる。
【0003】
パーソナルコンピュータによるキャリブレーション機能を備えたカラー液晶ディスプレイ(以下、キャリブレーションディスプレイ)は、画面に表示した複数の色票の輝度及び色度を測定する。キャリブレーションディスプレイは、バックライト駆動信号(駆動電流またはパルス幅変調デューティ比)及び液晶駆動信号を決定するための演算パラメータやルックアップテーブルを調整する。これによって、表示されるべき色と実際に表示される色との誤差が小さくなるように管理できる。
一般的なキャリブレーションディスプレイでは、ユーザが白色輝度、黒色輝度(またはコントラスト比=白色輝度/黒色輝度)、白色色度、色域、ガンマ係数などのキャリブレーション目標値を1組設定する。
【0004】
キャリブレーションディスプレイは少なくとも、色域を調整するための三原色の色票、白色色度を調整するための白色の色票、黒色輝度を調整するための黒色の色票、白色輝度を調整するための白色の色票、ガンマカーブを調整するための複数の灰色の色票を表示する。キャリブレーションディスプレイは、設定されたキャリブレーション目標値に合うようにバックライト駆動信号及び液晶駆動信号を決定するための演算パラメータやルックアップテーブル値を調整する。
【0005】
バックライトを複数の光源ブロックに分割し、光源ブロックごとにバックライトの輝度を可変制御するディスプレイがある。このようなローカルディミングディスプレイによれば、コントラスト比向上や消費電力削減の効果がある。光源ブロック分割を行わずに、入力画像信号に応じて、バックライト全体の輝度を一様に変化させるものもあるが、以下の説明ではディミングディスプレイの一種(光源ブロック数が1であるディミング)として扱う。
【0006】
入力する画像信号に応じてバックライト駆動信号及び液晶駆動信号を決定するための演算パラメータやルックアップテーブルの特性は、バックライトの輝度によって異なる。そのため、バックライトの輝度が複数の段階の輝度に切り換え可能なローカルディミングディスプレイでは、複数の段階のバックライト輝度のそれぞれについてキャリブレーションを行う必要がある。
特許文献1には、ローカルディミングディスプレイにおいて、画面に表示した複数の色票の輝度及び色度を測定し、入力ピクセル値から液晶駆動信号を決定するための演算パラメータやルックアップテーブルを調整する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-145798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のキャリブレーションでは、切り換え可能な全ての段階のバックライトの輝度についてキャリブレーションを行うことになるため、キャリブレーション実行時間が膨大になってしまうという課題がある。
【0009】
そこで、本発明は、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトを備えた画像表示装置においてキャリブレーションの実行に要する時間が長くなることを抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表示パネルと、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトと、を備える画像表示装置であって、前記画像表示装置の所定の表示特性の目標値を設定する設定手段と、前記目標値に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された各段階の輝度で前記バックライトを発光させるとともに、前記画像表示装置に所定の色票を表示させて測色し、測色値に基づいて、前記バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、を備える画像表示装置である。
【0011】
本発明は、表示パネルと、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトと、を備える画像表示装置のキャリブレーション方法であって、前記画像表示装置の所定の表示特性の目標値を設定する設定ステップと、前記目標値に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された各段階の輝度で前記バックライトを発光させるとともに、所定の色票を前記画像表示装置に表示させて測色し、測色値に基づいて、前記バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行うキャリブレーションステップと、を有する画像表示装置の制御方法である。
【0012】
本発明は、表示パネルと、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトと、を備える画像表示装置と、前記画像表示装置に所定の色票を表示させて測色し、測色値に基づいて前記画像表示装置のキャリブレーションを行うキャリブレーション装置と、からなる画像表示システムであって、前記キャリブレーション装置は、前記画像表示装置の所定の表示特性の目標値を設定する設定手段と、前記目標値を前記画像表示装置へ送信する目標値送信手段と、前記目標値に基づき決定される前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度の情報を前記画像表示装置から取得する輝度段階取得手段と、前記輝度段階取得手段により取得した各段階の輝度で前記バックライトを発光させるとともに前記画像表示装置に所定の色票を表示させて測色し、測色値に基づいて、前記バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、を備え、前記画像表示装置は、前記キャリブレーション装置から前記所定の表示特性の目標値を取得する目標値取得手段と、前記目標値に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する決定手段と、前記決定手段により決定した前記段階数及び各段階の輝度の情報を前記キャリブレーション装置へ送信する輝度段階送信手段と、を備える画像表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトを備えた画像表示装置においてキャリブレーションの実行に要する時間が長くなることを抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の画像表示システムのシステム構成図
【図2】実施例1のキャリブレーション処理を示すフローチャート
【図3】実施例1の目標値設定画面の例
【図4】キャリブレーション目標値と必要な輝度切り換え段階数との対応関係の例
【図5】キャリブレーション目標値と必要な輝度切り換え段階数との対応関係の例
【図6】実施例1のキャリブレーション処理を示すフローチャート
【図7】実施例2のキャリブレーション処理を示すフローチャート
【図8】実施例2の目標値設定画面の例
【図9】実施例2のコントラスト比測定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
図1(A)は、実施例1の画像表示システムの構成図である。
カラー液晶ディスプレイ(以下、ディスプレイ)1は、コンピュータ2が出力した画像信号を画像信号ケーブル4を通して入力し、画面に表示する画像表示装置である。
コンピュータ2はディスプレイ1をキャリブレーションするキャリブレーション装置であり、キャリブレーションを行う際には、コンピュータ2は、色票を表示するための画像信号を画像信号ケーブル4を通してディスプレイ1へ出力する。さらに、コンピュータ2は、ディスプレイ制御ケーブル5を通してディスプレイ1のバックライト駆動信号及び液晶駆動信号を制御して、色票の表示色を調整する。
【0016】
コンピュータ2において、ディスプレイ1を較正する制御プログラム(ソフトウェア)は、それを格納したコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体(CD−ROM等)またはインターネットによって供給され、コンピュータ2にインストールされる。そして、コンピュータ2のCPU(中央処理装置)が制御プログラムを読み出して実行することによりキャリブレーションが実行される。或いは、キャリブレーション制御プログラムが記憶された記憶装置を備え、それから読み込んだプログラムを実行することによりキャリブレーション制御を行なう構成でも良い。したがって、上述した実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
測色センサ3は、ディスプレイ1の所定の領域に表示される画像の輝度及び色度を測定するセンサである。所定の領域は、キャリブレーション処理のための色票が表示される領域である。
【0017】
コンピュータ2は、測色センサケーブル6から前記測色センサ3による輝度及び色度の測定データを読み込む。コンピュータ2は、輝度及び色度の測定結果に基づいてディスプレイ1のキャリブレーションを行う。キャリブレーションにより、パラメータやルックアップテーブルが調整される。パラメータやルックアップテーブルは、入力画像信号に応じてバックライト及び液晶パネル(液晶表示パネル)の駆動信号を決定するための対応関係を規定したテーブルであり、ディスプレイ1の記憶装置に記憶されている。パラメータやルックアップテーブルのキャリブレーション結果のデータ(キャリブレーションデータ)は、ディスプレイ制御ケーブル5を通して、ディスプレイ1へ送信される。
【0018】
実施例1の画像表示システムが画像を表示する際の動作について説明する。
コンピュータ2は、アプリケーション画面生成部22,画面描画部23、及びキャリブレーション制御部30を有する。
アプリケーション画面生成部22は、任意のアプリケーションソフトウェアの処理部であり、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)、静止画像、動画像などからなる画面を生成し、画面描画部23へ出力する。
【0019】
画面描画部23は、オペレーティングシステムやドライバの処理部であり、アプリケーション画面生成部22から入力するGUIのグラフィックスの描画、静止画像や動画像のデコード及び描画、カラーマネージメント処理などを行う。画面描画部23は、画像信号の各ピクセルのピクセル値を決定し、液晶駆動信号決定部14及びバックライト駆動信号決定部11へ出力する。ピクセル値は、例えばR(赤)成分、G(緑)成分、B(青)成分について、それぞれ256段階(各8ビット)の値で表される。
【0020】
キャリブレーション制御部30は、ディスプレイ1のキャリブレーションを行う。キャリブレーション制御部30は、目標値設定部24、目標値送信部25,輝度段階取得部26、色票測定制御部27、キャリブレーションデータ決定部28、プロファイル記憶部29を有する。キャリブレーション制御部30の動作の詳細は後述する。
【0021】
ディスプレイ1はローカルディミング機能を備える。すなわち、バックライト13は、入力画像信号に応じて輝度を切り換え可能である。また、バックライト13は独立して輝度を切り換え可能な複数の光源ブロックに分割され、光源ブロック毎に、その光源ブロックに対応する液晶パネル上の表示領域(分割表示領域という)の画像の明るさに応じて輝度が切り換えられる。本実施例では、ローカルディミング制御により、各光源ブロックの輝度は、所定の段階数(N)の輝度のうちから一の段階の輝度が選択されることにより、バックライトの輝度が切り換えられる。つまり、光源ブロック毎にN段階のうちのいずれかの段階の輝度が選択され、選択された輝度に切り換えられる。バックライト13の輝度制御は、バックライト駆動信号決定部11により行われる。
【0022】
バックライト駆動信号決定部11は、入力される画像信号のうち前記各分割表示領域に対応する画像信号のピクセル値の統計量(例えばRGB各成分値のうちの最大値)に基づいて、各分割表示領域の画像の明るさを判定する。バックライト駆動信号決定部11は、各分割表示領域の画像の明るさに応じて、各分割表示領域に対応する光源ブロックの輝度の段階を決定する。バックライト駆動信号決定部11は、決定した段階の輝度から演算又はルックアップテーブル参照によりバックライト駆動信号を求め、バックライト駆動部12へ出力する。分割表示領域の画像の明るさから当該分割表示領域に対応する光源ブロックの輝度の段階を選択するための対応関係や、選択された段階の輝度からバックライト駆動信号を求めるための対応関係は、キャリブレーションデータ記憶部18に記憶されている。この対応関係は、演算式又はルックアップテーブルとして記憶されている。バックライト駆動信号決定部11は、演算式に基づく演算を行うことにより、又はルックアップテーブルを参照することにより、バックライト駆動信号を求める。
【0023】
バックライト駆動部12は、前記光源ブロック毎に、バックライト駆動信号決定部11から入力されるバックライト駆動信号に基づき駆動電流値及びパルス幅変調デューティ比を決定し、バックライト13を駆動する。
バックライト13を構成する各光源ブロックは、それぞれ1又は複数のLED(発光ダイオード)からなり、各LEDは駆動電流値及びパルス幅変調デューティ比に応じた輝度で発光する。LEDは、白色LEDまたはRGB−LEDである。RGB−LEDは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色のLEDからなり、各LEDから発せられた三色の光は混合されて白色光となる。
【0024】
液晶駆動信号決定部14は、各ピクセルに照射されるバックライト13からの照射光による照度と、各ピクセルのピクセル値に基づき、RGBサブピクセルごとの液晶駆動信号を決定し、液晶駆動部15へ出力する。バックライト13からの照度光の照度は、バックライト駆動信号決定部11から取得する駆動電流値及びパルス幅変調デューティ比に基づき光源ブロック毎に算出される。各ピクセルのピクセル値は、画面描画部23から取得さ
れる。バックライト13からの照射光の照度及び入力画像信号のピクセル値から液晶駆動信号を求めるための関係は、演算式又はルックアップテーブルとしてキャリブレーションデータ記憶部18に記憶されている。液晶駆動信号決定部14は、演算式に基づく演算を行うことにより、又はルックアップテーブルを参照することにより、液晶駆動信号を求める。
【0025】
液晶駆動部15は、RGBサブピクセルごとに、液晶駆動信号決定部14により決定された液晶駆動信号に基づき液晶駆動電圧を決定し、液晶セル16を駆動する。
液晶セル16は、液晶駆動部15から入力される前記液晶駆動電圧に応じて光透過率が変化する。バックライト13から発せられた白色光は、ピクセル値に応じた光透過率で液晶セル16を透過し、さらにカラーフィルタ17を透過することで、入力する画像信号に基づくカラー画像がディスプレイ1に表示される。液晶セル16及びカラーフィルタ17により液晶パネルが構成される。
【0026】
バックライト駆動信号決定部11がバックライト駆動信号を決定する際と、液晶駆動信号決定部14が液晶駆動信号を決定する際の演算パラメータやルックアップテーブルのデータは、キャリブレーションによって書き換えられる。キャリブレーションは、ローカルディミング制御により切り換えられるバックライトの各段階の輝度毎に行われる。バックライトの輝度の段階によって、キャリブレーションによって調整された演算パラメータやルックアップテーブルのデータは異なる。キャリブレーションにより調整された演算パラメータやルックアップテーブルのデータをキャリブレーションデータと称する。
【0027】
キャリブレーションデータ記憶部18には、ローカルディミング制御により切り換えられる複数の段階の輝度のそれぞれに対応したキャリブレーションデータが記憶される。各段階のバックライトの輝度に対応するキャリブレーションデータは、各段階のバックライトの輝度に応じて定められたアドレスを参照することによって、読み込むことができる。キャリブレーションデータ適用部19は、前記光源ブロック毎に、その光源ブロックに設定されるバックライトの輝度の段階に応じたアドレスを参照する。こうして、キャリブレーションデータ適用部19は、各段階の輝度に対応するキャリブレーションデータをキャリブレーションデータ記憶部18から読み込む。キャリブレーションデータ適用部19により読み込まれたキャリブレーションデータは、バックライト駆動信号決定部11及び液晶駆動信号決定部14により参照される。
【0028】
図2のフローチャートと図3の目標値設定画面例を用いて、キャリブレーション制御部30によるディスプレイ1のキャリブレーション処理について説明する。
ステップS101において、目標値設定部24は、キャリブレーション目標値の初期値を設定する。この初期値は、当該ディスプレイの初めてのキャリブレーションのときは工場出荷時のデフォルト値であり、2回目以降のキャリブレーションのときは前回のキャリブレーションで設定された値である。
【0029】
キャリブレーション目標値は、画像表示装置の表示特性の目標値であり、白色輝度、白色色度、黒色輝度、コントラスト比、色域(三原色色度)、ガンマ係数、ローカルディミングの有効または無効の設定などである。なお、このキャリブレーション目標値は例示であり、これら全ての表示特性の目標値を含んでいなくても良いし、これら以外の表示特性の目標値を含んでも良い。
また、目標値設定部24は、ディスプレイ1の目標値有効範囲記憶部21からディスプレイ制御ケーブル5を通して、各目標値の有効範囲(目標値として設定可能な値の範囲)を取得しておく。
【0030】
ステップS102において、目標値送信部25は、キャリブレーション目標値をディス
プレイ1の輝度段階決定部20へ送信する。輝度段階決定部20は、目標値送信部25から目標値取得を行う。送信されるキャリブレーション目標値は、ステップS101で設定された初期値又は後述するステップS106でユーザによる入力に応じて更新されたキャリブレーション目標値である。
【0031】
ステップS103において、輝度段階取得部26は、ディスプレイ1の輝度段階決定部20から、ローカルディミングにより切り換えられるバックライトの輝度の段階数(N)と各段階における表示輝度の範囲を取得する。詳しくは後述する。
【0032】
ステップS104において、目標値設定部24は、図3に示すキャリブレーション目標値設定画面のGUIを構成するグラフィックスデータの生成及び描画を画面描画部23に指示する。この指示を受けて、画面描画部23は、キャリブレーション目標値設定画面を構成するGUIをディスプレイ1に表示する。コンピュータ2は、図示しないキーボードやマウスなどの入力装置によるユーザの操作により、GUIを介して目標値の設定(数値入力、リストからの選択、チェックボックスのチェックなど)を受け付ける。
【0033】
ステップS105において、キャリブレーション目標値設定画面の入力欄31〜39のいずれかに入力があった場合、ステップS106の処理が実行される。入力がない場合は、ステップS107の処理が実行される。
【0034】
ステップS106において、目標値設定部24は、前記入力に応じて、入力値が有効範囲外の場合に有効値に置き換えたり、関連する欄の値を計算したり(例えば、白色輝度と黒色輝度からコントラスト比を計算するなど)して、すべての目標値の値を設定する。ステップS102に戻って、目標値送信部25は、最新のキャリブレーション目標値をディスプレイ1の輝度段階決定部20へ送信する。
【0035】
目標値設定部24は、ステップS107においてキャリブレーション目標値設定画面のOKボタン40がクリックされるまでは、ステップS102へ戻り、キャリブレーション目標値設定画面の表示を継続する。目標値設定部24は、キャリブレーション目標値設定画面のOKボタン40がクリックされたことを検出すると、画面描画部23にキャリブレーション目標値設定画面の表示を終了するよう指示し、ステップS108へ進む。
【0036】
ステップS108、ステップS110、ステップS111において、ステップS109の処理がN回(Nは前記バックライトの輝度の切り換え段階数)繰り返し実行される。ステップS109の処理は、輝度段階取得部26が取得したバックライトの輝度の切り換えの各段階の輝度でバックライトを発光させ、液晶パネルに色票の画像信号を入力し、そのときの輝度及び色度の測定結果(測色結果)を測色センサ3から取得する処理である。この処理はバックライトの輝度の段階数分繰り返し行われる。つまり、輝度の段階数が多いほど、多数回のキャリブレーション処理が実行されることになる。バックライトの輝度の段階数は、ステップS102で輝度段階決定部20へ送信される所定の表示特性(ここではコントラスト比)の目標値に基づいて、輝度段階決定部20により決定される。ユーザがS105、S106で設定した目標コントラスト比に応じて、キャリブレーション処理が実行される輝度の段階数及び各段階の輝度が決定される。
【0037】
ステップS109において、色票測定制御部27は、i段階目(i=1〜N)のバックライトの輝度についてキャリブレーションを行う。色票測定制御部27は、i段階目(i=1〜N)のバックライトの輝度に対応する表示輝度範囲の最大輝度を得るためのバックライト駆動信号をディスプレイ制御ケーブル5を通してディスプレイ1のバックライト駆動信号決定部11へ出力する。これにより、i段階目の輝度でバックライトが発光する。さらに、色票測定制御部27は、画面描画部23によって所定の複数の色票を順にディス
プレイ1の画面に表示させる制御を行い、それぞれ輝度及び色度の測色センサ3による測定データ(測色値)を取得する。表示する色票は、所定の複数の階調のグレーの色票、赤色、緑色、及び青色の三原色の色票などである。
【0038】
キャリブレーションデータ決定部28は、各色票について、キャリブレーション前の演算パラメータ及びルックアップテーブルを用いて表示させた各色票の輝度及び色度の測色センサ3による測定値と、各色票の表示されるべき輝度及び色度とを比較する。キャリブレーションデータ決定部28は、両者の誤差が小さくなるように演算パラメータやルックアップテーブルの値を調整することにより、ディスプレイ1のキャリブレーションを行う。
【0039】
キャリブレーションデータ決定部28は、キャリブレーション結果、すなわち前記調整された演算パラメータやルックアップテーブルのデータを、ディスプレイ制御ケーブル5を通して、ディスプレイ1のキャリブレーションデータ記憶部18へ送信する。キャリブレーションデータ記憶部18は、キャリブレーションデータ決定部28からのキャリブレーション結果取得を行い、キャリブレーションが行われた各段階の輝度とキャリブレーション結果とを対応づけて記憶する。
【0040】
ステップS112において、キャリブレーションデータ決定部28は、前記キャリブレーションデータに基づいて、モニタプロファイルを生成し、プロファイル記憶部29に記憶する。モニタプロファイルは、画面描画部23がカラーマネージメント処理を行う際に参照される。
ユーザにより設定されたキャリブレーション目標値に基づいて、輝度段階決定部20が、キャリブレーション対象のバックライト輝度の段階を決定する処理(図2のステップS101〜S107)について説明する。本実施例では、輝度段階決定部20は、コントラスト比の目標値(目標コントラスト比)に基づいて、コントラスト比を当該目標値とするために必要な、バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する。目標値の設定は、コントラスト比の目標値の設定により行われても良いし、コントラスト比を算出可能な一又は複数の表示特性(例えば白色輝度及び黒色輝度)の目標値の設定により行われても良い。ここではローカルディミング制御による輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度の決定がコントラスト比の目標値に基づいて行われる例を示すが、輝度の切り換えの段階数や各段階の輝度は他の表示特性の目標値に基づいて決定されても良い。
【0041】
図3はキャリブレーション目標値設定画面の一例を示す図である。ユーザは、図3に示すキャリブレーション目標値設定画面を介して、キャリブレーションの目標値を設定することができる。白色輝度は、欄31によって数値(cd/m)で設定する。白色輝度の設定値は、表示可能な最大輝度(バックライト輝度及び全画素の液晶透過率を最大にしたときの輝度)でクリップされる。表示可能な最大輝度の情報は目標値有効範囲記憶部21に記憶されている。
【0042】
白色色度は、欄32によって色温度で設定するか、または、欄33によってxy色度座標で設定する。色温度は、数値(K(ケルビン))、または、標準光源色温度(D50やD65など)で設定する。色温度で設定した場合、xy色度座標欄33は自動入力される。黒色輝度は、欄34によって数値(cd/m)で設定する。黒色輝度の最小値は、表示可能な最小輝度(バックライト輝度及び全画素の液晶透過率を最小にしたときの輝度)でクリップされる。表示可能な最小輝度の情報は目標値有効範囲記憶部21に記憶されている。
【0043】
コントラスト比は、欄35によって数値で設定する。コントラスト比の最大値は、上記表示可能な最大輝度/上記表示可能な最小輝度の値でクリップされる。コントラスト比の
最大値の情報は目標値有効範囲記憶部21に記憶されている。黒色輝度とコントラスト比は、どちらか一方を設定すると、「コントラスト比=白色輝度/黒色輝度」の式に従って他方の欄の値が計算されて自動入力される。
【0044】
色域(三原色色度)は、欄36によって色域名(sRGBやAdobeRGB(商標)など)で設定するか、または、欄37によって三原色の各xy色度座標で設定する。色域名で設定した場合、三原色の各xy色度座標欄37は自動入力される。キャリブレーション目標値設定画面では、ローカルディミングを有効にするか無効にするかを設定することができる。チェックボックス39のクリックにより、ローカルディミングの有効と無効が切り換えられる。
【0045】
図3(A)はチェックボックス39がチェックされているのでローカルディミングが有効な状態であり、図3(B)はチェックボックス39がチェックされていないのでローカルディミングが無効な状態である。図3(C)はチェックボックス39がグレーアウトされローカルディミングの有効又は無効の変更を受け付けない状態である。図3(C)では、チェックボックス39がグレーアウト表示されていることを破線で表している。
【0046】
ローカルディミングを行うと、同一分割表示領域内に明るい画素と暗い画素とが混在する場合に所望の色と異なる色で表示されてしまう場合がある。色の正確さを重視する場合には、ユーザはローカルディミングを無効にすることも選択できる。ただし、ローカルディミングを無効にすると、目標のコントラスト比が得られない(黒色輝度が目標の黒色輝度より高くなる)場合がある。ローカルディミングが無効にされた場合、輝度段階決定部20は、バックライト輝度の段階数Nを無条件に1とする。
【0047】
単一の段階のバックライト輝度でユーザが設定した目標のコントラスト比を実現できる場合は、ローカルディミングは不要である。入力された目標コントラスト比から、ローカルディミングを行う必要がないと判断される場合、輝度段階決定部20は、バックライト輝度の段階数Nを1とする。輝度段階決定部20は、ローカルディミングの要否を示すフラグを、ローカルディミング不要を示す0にセットして、輝度段階取得部26へ送る。
【0048】
単一の段階のバックライト輝度でユーザが設定した目標のコントラスト比を実現できない場合は、ローカルディミングが必要である。入力された目標コントラスト比から、ローカルディミングを行う必要があると判断される場合、輝度段階決定部20は、必要なバックライト輝度の段階数Nを求める。輝度段階決定部20は、ローカルディミングの要否を示すフラグをローカルディミング要を示す1にセットして、輝度段階取得部26へ送る。必要なバックライト輝度の段階数Nを求める方法については後述する。輝度段階決定部20は、バックライト輝度の段階数N及び各段階における表示輝度範囲の情報を輝度段階取得部26に送信することにより輝度段階送信を行う。
【0049】
なお、入力されたコントラスト比の目標値からローカルディミングを行う必要があると判断される場合でも、ユーザがローカルディミングを無効にすることを選択した場合には、輝度段階決定部20は、バックライト輝度の段階数Nを1とする。
【0050】
目標値設定部24は、前記ローカルディミング要否フラグを参照し、ローカルディミングが不要である場合は、図3(C)に示すように、チェックボックス39をグレーアウト表示するよう画面描画部23に指示する。目標値設定部24は、前記ローカルディミング要否フラグを参照し、ローカルディミングが必要である場合は、図3(A)に示すように、チェックボックス39のグレーアウト表示を解除するよう画面描画部23に指示する。これにより、ユーザによるチェックボックス39に対するチェック又はチェック解除の入力を可能にする。
【0051】
図4、図5を用いて、輝度段階決定部20が、ディスプレイ1のコントラスト比を設定されたコントラスト比の目標値とするためにローカルディミングにおいて必要なバックライト輝度の切り換えの段階数Nを求める処理(図2のステップS103)を説明する。
【0052】
図4は、目標コントラスト比と、その目標コントラスト比を実現するために必要なバックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度(表示輝度範囲)と、の対応関係の一例を示すテーブルである。この対応関係のデータは、予め作成され、第2の記憶手段に記憶される。第2の記憶手段は、輝度段階決定部20が有する構成であっても良いし、ディスプレイ1の図1(A)には図示しない構成要素として別途設けられても良い。ここでは、バックライトの輝度は、所定数の段階数(ここでは5段階)の輝度のうちから一の段階の輝度を選択することにより決定される。段階数Nが1の場合、バックライトの輝度は一定の輝度に制御されることになる。つまりローカルディミング制御は行われない。図4において、各段階における表示輝度範囲は、目標白色輝度(最大輝度)に対するパーセンテージで表している。図4のパーセンテージの値に目標白色輝度を掛けると、各バックライト輝度の段階における表示輝度範囲がcd/m単位で求まる。
【0053】
輝度段階決定部20は、図4のテーブルを参照して、目標値送信部25から送信される目標コントラスト比に基づき、バックライト輝度の切り換えの段階数N及び各段階の表示輝度範囲を求める。単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比(単一の段階のバックライト輝度で実現可能な最大輝度と最低輝度の比)はディスプレイの性能(仕様)によって異なる。目標コントラスト比が同一であってもディスプレイによってその目標コントラスト比を実現するために必要なバックライトの輝度の切り換えの段階数Nは異なる。
【0054】
図4に示す例は、バックライトの輝度の切り換えの段階数N及び各段階の表示輝度範囲と、その輝度切り換え条件のもとでバックライトの輝度を切り換えた場合にディスプレイ1に表示可能なコントラスト比の範囲と、の対応関係を定めたテーブルの例である。図4は、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比が1000:1であるようなディスプレイの場合の例を示す。バックライトの輝度の切り換えの段階数Nによって、その段階数の各段階の輝度でバックライトを発光させた場合にコントラスト比がとり得る値の範囲が定まる。輝度段階決定部20は、図4のテーブルを参照して、コントラスト比がとり得る値の範囲内に、ユーザにより設定された目標コントラスト比が含まれるような輝度切り換え条件(輝度の切り換え段階数及び各段階の輝度)を決定する。このディスプレイの場合、設定された目標コントラスト比が1000:1以下であれば、輝度段階決定部20は、目標コントラスト比を実現するためにローカルディミングは不要と判断する。そして、輝度段階決定部20は、目標コントラスト比を実現するために必要なバックライト輝度の切り換えの段階数N=1とする。
【0055】
一方、設定された目標コントラスト比が1000:1を超えている場合、輝度段階決定部20は、目標コントラスト比を実現するためにローカルディミングが必要と判断する。そして、輝度段階決定部20は、目標コントラスト比を実現するために必要なバックライト輝度の切り換えの段階数N>1とする。
【0056】
図4の例では、目標コントラスト比が1000:1を超えて2000:1以下の場合、輝度段階決定部20は、バックライト輝度の切り換えの段階数N=3とする。目標コントラスト比が2000:1を超えて4000:1以下の場合、輝度段階決定部20は、バックライト輝度の切り換えの段階数N=5とする。図4の例では、各段階のバックライト輝度の表示輝度範囲は、1段階目は0.1%〜100%、2段階目は0.07%〜70%、3段階目は0.05%〜50%、4段階目は0.035%〜35%、5段階目は0.02
5%〜25%である。最も明るい1段階目の最大輝度は100%、最も暗い5段階目の最小輝度は0.025%であるから、バックライト輝度の切り換えの段階数N=5とすることで最大4000:1のコントラスト比を実現可能である。なお、ユーザがローカルディミング無効と設定した場合は、目標コントラスト比によらずローカルディミングは行わないため、輝度段階決定部20は、バックライト輝度の切り換えの段階数N=1とする。
ここで、1段目の0.1%は液晶シャッタを閉じた状態に対応しており、100%は液晶シャッタを開いた状態に対応している。2段目以降も同様である。また、本実施例では、バックライト輝度をゼロ(全消灯)とする場合は示していないが、バックライト輝度をゼロ(全消灯)とする場合を含む構成としてもよい。その場合、バックライトの切り換えの段階数は、最小が2、最大が6となる。
【0057】
図5は、ユーザに設定された目標白色輝度、目標黒色輝度、及び目標コントラスト比と、ローカルディミングのバックライト輝度の切り換えの段階数N及び各段階における表示輝度範囲(cd/m)と、の対応関係の一例を示すテーブルである。ここで、本実施例では、ディスプレイがコントラスト比4000:1を実現可能であっても、ユーザは常にコントラスト比4000:1に設定したいとは限らないことを想定している。例えば、コントラスト比よりもプリンタの印刷画質に合わせたい(インクの黒レベルとディスプレイの黒レベルを合わせたい等)場合もある。また、プロジェクタの表示画像とディスプレイの表示画像とを比較するケースであれば、ディスプレイのコントラスト比をプロジェクタのコントラスト比に合わせたい場合もある。また、ローカルディミング制御を好まないユーザが、ローカルディミング「無効」に設定したい場合もあり得る。また、コントラスト比よりも低消費電力を重視するユーザもいる。図5(A)は、白色輝度、白色色度、色域、ガンマ係数が同じで、黒色輝度が異なる(コントラスト比が異なる)場合を比較した例であり、コントラスト比が大きくなるにつれてバックライト輝度の切り換えの段階数Nが多くなっている。図5(B)は、コントラスト比、白色色度、色域、ガンマ係数が同じで、白色輝度が異なる(黒色輝度が異なる)場合を比較した例であり、白色輝度が高くなるにつれて各段階の表示輝度は比例して高くなっている。図5(C)は、黒色輝度、白色色度、色域、ガンマ係数が同じで、白色輝度が異なる(コントラスト比が異なる)場合を比較した例であり、コントラスト比が大きくなるにつれてバックライト輝度の切り換えの段階数Nが多くなっている。
【0058】
輝度段階決定部20は、目標値送信部25から受け取ったキャリブレーション目標値に基づいて、図5のキャリブレーション目標値欄を参照する。輝度段階決定部20は、当該キャリブレーション目標値を実現するために必要なローカルディミングのバックライト輝度の切り換えの段階数N及び各段階の表示輝度範囲を取得する。輝度段階決定部20は、輝度段階取得部26へ出力する(ただし、ユーザがローカルディミング有効と設定した場合)。輝度段階取得部26は、輝度段階決定部20から取得したバックライトの輝度の切り換えの段階数N及び各段階の表示輝度範囲の情報を色票測定制御部27へ渡す。色票測定制御部27は、輝度段階取得部26から取得した各段階の輝度についてキャリブレーション制御を行う。
【0059】
このように、本実施例のシステムでは、色票測定制御部27が色票の表示輝度及び表示色度の測定を行うバックライトの輝度の段階数は、ユーザが設定した目標コントラスト比を実現するために必要と判断された段階数に限られる。つまり、設定された目標コントラスト比を実現するために不要なバックライトの輝度の段階についてはキャリブレーションは行われない。
【0060】
例えば、図4、図5の例では、設定された目標コントラスト比が4000:1であれば、5つの段階のバックライト輝度の各々についてキャリブレーションが実行されることになる。一方、設定された目標コントラスト比が1000:1であれば1つの段階のバック
ライト輝度についてキャリブレーションが実行されるだけである。この点、従来技術では、設定された目標コントラスト比によらず5つの段階のバックライト輝度の全てについてキャリブレーションが実行されることになるため、キャリブレーションの実行時間が不必要に長くなる場合があった。
本実施例によれば、目標コントラスト比に応じて適正な段階数のバックライトの輝度についてのみキャリブレーションが実行されるので、キャリブレーション回数を抑制することができ、効率的にキャリブレーションを行うことが可能になる。
【0061】
図6のフローチャートを用いて、ある段階のバックライト輝度についてのキャリブレーション処理(図2のステップS109)の一例を説明する。ここでは、キャリブレーションが行われる段階の輝度に応じて、色票測定制御部27が、ディスプレイ1に対しバックライト13の駆動指示を出力すると共に液晶セル16に所定の色票を表示させる指示を出力する。そして、色票測定制御部27が、そのときの測色センサ3による輝度及び色度の測定データを取得する。測定データをもとに、キャリブレーションデータ決定部28が演算パラメータやルックアップテーブルの較正を行う。なお、色票は、ディスプレイ全体に表示する必要は無く、ディスプレイの一部の領域に表示すればよい。また、キャリブレーション実行時には、全てのバックライトを点灯させてもよいし、色表の表示領域を包含する領域に対応するバックライトのみを点灯させてもよい。
【0062】
ここで、キャリブレーションを行うバックライト輝度の段階に対応する表示輝度範囲をYmin〜Ymaxとする。
ステップS201において、色票測定制御部27は、当該表示輝度範囲の最大輝度Ymaxを得るためのバックライト輝度になるようにバックライト駆動信号を調整する。色票測
定制御部27は、キャリブレーションを行うバックライト輝度の段階に応じた駆動電流値及びパルス幅変調デューティ比によりバックライト13が駆動されるようディスプレイ1に対し指示を出力する。
【0063】
ステップS202において、色票測定制御部27は、当該表示輝度範囲の最大輝度Ymaxのグレーのピクセル値をR=G=B=pmaxを算出する。
ステップS203において、色票測定制御部27は、当該表示輝度範囲の最低輝度Yminのグレーのピクセル値をR=G=B=pminを算出する。
pmax及びpminの算出方法を説明する。目標白色輝度をYw、目標黒色輝度をYk、目標ガンマ係数をγとしたとき、R=G=B=pのグレーの表示輝度Yは、式1で求められる。

Y=((p/255)γ)*(Yw−Yk)+Yk ・・・ 式1

したがって、pmaxとpminはそれぞれの式2と式3をpmax、pminについて解くことによって求められる。

Ymax=((pmax/255)γ)*(Yw−Yk)+Yk ・・・ 式2
Ymin=((pmin/255)γ)*(Yw−Yk)+Yk ・・・ 式3
【0064】
例えば、目標白色輝度Yw=400cd/m、目標黒色輝度Yk=0.1cd/m、目標ガンマ係数γ=2.2とする。この場合、図4の3段階目のバックライト輝度(白色輝度に対し0.05%〜50%)では、Ymin=0.2cd/m、Ymax=200cd/mとなり、pmax=186,pmin=6と算出される。
【0065】
ステップS204において、色票測定制御部27は、R=pmax、G=pmin、B=pmi
nの赤色の色票の輝度と色度を、測色センサ3で測定する制御を行う。
ステップS205において、色票測定制御部27は、R=pmin、G=pmax、B=pminの緑色の色票の輝度と色度を、測色センサ3で測定する制御を行う。
ステップS206において、色票測定制御部27は、R=pmin、G=pmin、B=pmaxの青色の色票の輝度と色度を、測色センサ3で測定する制御を行う。
【0066】
ステップS207において、キャリブレーションデータ決定部28は、三原色の色度を三原色色度の目標値の色相に合わせるためのパラメータ(バックライト駆動、液晶駆動に係わるパラメータ)を調整する。当該パラメータを調整することにより、バックライト駆動信号と液晶駆動信号が調整される。
ステップS208において、色票測定制御部27は、R=G=B=pminのグレーから
R=G=B=pmaxのグレーまでの複数のグレーの色票をそれぞれ、測色センサ3で測定
する制御を行う。
【0067】
ステップS209において、キャリブレーションデータ決定部28は、上記測定した各グレーについて、色度とガンマカーブをそれぞれ白色色度の目標値とガンマカーブの目標値に合わせるためのパラメータを調整する。当該パラメータを調整することにより、バックライト駆動信号と液晶駆動信号が調整される。
キャリブレーションデータ決定部28は、当該段階のバックライト輝度において、pがpminからpmaxまでの各値のとき、表示輝度Yが式1を満たす液晶駆動信号になるように、液晶駆動信号の算出パラメータを調整する。各段階のバックライト輝度において、それぞれ式1を満たすように液晶駆動信号の算出パラメータを調整することで、どの段階のバックライト輝度でもR=G=B=pのグレーが同じ表示輝度になる。
【0068】
なお、本実施例は、例えば下記のように変形することが可能である。
図1(A)は、ディスプレイ1、コンピュータ2、及び測色センサ3が別体構成とされた画像表示システムの例を示している。しかし、上述したキャリブレーション制御部30の機能を実行するキャリブレーション制御プログラムがディスプレイ1にインストールされた構成でも良い。すなわち、コンピュータ2がディスプレイ1に内蔵された構成であってもよい。この場合のブロック図は、図1(B)に示される。図1(B)における画像表示装置31が、図1(A)のコンピュータ2がディスプレイ1に内蔵された構成を示している。また、アプリケーション画面生成部22と画面描画部23に相当する機能部を備えた第2のコンピュータが画像信号ケーブル4でディスプレイ1に接続され、第2のコンピュータのアプリケーション画面をディスプレイ1に表示するようにしてもよい。また、測色センサ3がディスプレイ1に内蔵された構成であってもよい。また、図1(A)では画像信号ケーブル4とディスプレイ制御ケーブル5とを別々のケーブルとした構成例を示しているが、同一ケーブルに画像信号とディスプレイ制御信号を多重化してもよい。
【0069】
図1の説明では、ピクセル値は、R(赤)成分、G(緑)成分、B(青)成分について、それぞれ256段階(各8ビット)の値で表されるとしたが、これに限定されない。例えば、1024段階(各10ビット)の値や4096段階(各12ビット)の値で表してもよい。
例えば、1024段階(各10ビット)の場合は、式1、式2、式3の255の値は、それぞれ1023(10ビット符号なし整数の最大値)に置き換わる。4096段階(各12ビット)の場合は、式1、式2、式3の255の値は、それぞれ4095(12ビット符号なし整数の最大値)に置き換わる。
【0070】
図1の説明では、ディスプレイ1はローカルディミング機能を備え、バックライト13を複数の光源ブロックに分割し、光源ブロックごとにバックライト輝度の段階を切り換える制御している。しかし、ディスプレイ1は、バックライト13を分割せずに、入力する
画像信号の明るさに応じてバックライト13全体の輝度の段階を切り換える(すなわち光源ブロックの分割数が1)ディミング制御を行うようにしてもよい。
【0071】
図5では、各段階のバックライト輝度に対応する表示輝度範囲は、cd/m単位の輝度で表されているが、例えば目標白色輝度を100%とした相対値をパーセンテージで表してもよい。この場合、輝度段階取得部26が取得した相対値に目標白色輝度を掛けることで、cd/m単位の輝度値に変換できる。相対値は、パーセンテージに限らず、例えば0〜255の値で表す(目標白色輝度を255とする)ようにしてもよい。また、図6のフローチャートは最も基本的なキャリブレーションの例であり、さらに精度を上げるために、色票の測定を追加したり、パラメータの調整を追加したりしてもよい。
【0072】
以上述べたように、本実施例1では、ユーザが設定した目標コントラスト比や、目標白色輝度と目標黒色輝度から、ローカルディミング制御を行う必要性及びローカルディミング制御による輝度の切り換え段階数について判断する。ローカルディミング制御を行う必要が無い、或いはローカルディミング制御を行う必要はあるものの輝度の切り換え段階数が少なくて良い、と判断される場合に、使用されない段階の輝度でのキャリブレーションを行わない。従って、ユーザが設定したコントラスト比の目標値に基づいて決定するバックライトの輝度の切り換え段階数に応じた回数だけキャリブレーションが行われるので、キャリブレーションを効率的に実行できる。
【0073】
(実施例2)
図1の輝度段階決定部20は、バックライト輝度の切り換えの段階数Nを決定する際には、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比についての予め記憶されたデータを参照し、ユーザが設定した目標コントラスト比と比較する。輝度段階決定部20は、設定された目標コントラスト比が単一の段階のバックライト輝度で実現可能であればローカルディミングを行わず、実現不可能であれば目標コントラスト比に応じた輝度切り換え段階数でローカルディミングを行うよう判断する。
【0074】
ところで、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比は、白色色度の目標値によって異なる場合がある。例えば、白色色度(色温度)目標値がD50(約5003K)の場合とD65(約6504K)の場合とを比較すると、D50の場合の方がコントラスト比が低くなる。これは、黒色の色度を白色の色度に合わせるために、黒色表示においてR、G、Bの液晶透過率のバランスが調整されることによって、黒色輝度が高くなるためである。D50の方がD65よりも元の黒色色度と白色色度の差が大きいため、黒色輝度をより高くする必要がある。また、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比は、経年変化によっても変わる可能性がある。
【0075】
そこで、本実施例2では、設定されたキャリブレーション目標値に基づいて、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比を実際に測定する。輝度段階決定部20は、得られた測定結果に基づいて、ユーザに設定された目標コントラスト比が単一の段階のバックライト輝度で実現可能か否か(ローカルディミングを行う必要があるか否か)を判断する。
【0076】
図7のフローチャートと図8のキャリブレーション目標値設定画面例を用いて、実施例2の画像表示システムがキャリブレーションを実行する際の処理について説明する。図8のキャリブレーション目標値設定画面は、実施例1で説明した図3のキャリブレーション目標値設定画面において、コントラスト比測定の実行指示を入力することができるボタン42と、コントラスト比の測定結果を示す欄43と、が追加されている。その他のGUI部品については図3と同様であるから説明を省略する。
【0077】
図7のフローチャートは、図2のフローチャートに対して、ステップS307とステップS308の処理が追加されている。ステップS301〜ステップS306の処理は、図2のステップS101〜ステップS106と同様であり、ステップS309〜ステップS314の処理は、図2のステップS107〜ステップS112の処理と同様なので、説明を省略する。
【0078】
ステップS307において、目標値設定部24は、図8のコントラスト比測定ボタン42がクリックされたことを検出すると、ステップS308へ進む。
ステップS308において、色票測定制御部27は、設定された目標値のもとで単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比を測定するために、所定の色票を表示させて、輝度及び色度を測定させる制御を行うことにより実コントラスト比取得を行う。詳しくは後述する。
ステップS302に戻り、目標値送信部25は、最新の目標値を輝度段階決定部20へ送信する際に、前記ステップS308でコントラスト比が測定されていれば、当該コントラスト比の値も送信することにより実コントラスト比送信を行う。
【0079】
ステップS303において、輝度段階決定部20が、設定された目標コントラスト比を実現するために必要なバックライト輝度の切り換え段階数N及び各段階の表示輝度範囲を決定する。この際、前記ステップS308で測定したコントラスト比の測定値の範囲を取得していれば、輝度段階決定部20は、当該コントラスト比の測定値を参照する。もし、コントラスト比の測定値を取得していなければ、輝度段階決定部20に記憶されている工場出荷時のコントラスト比の初期値を参照する。
ステップS304において、目標値設定部24がキャリブレーション目標値設定画面を表示する際に、前記ステップS308でコントラスト比が測定されていれば、当該コントラスト比の測定値が測定コントラスト比表示欄43に表示される。
【0080】
目標値設定部24は、ローカルディミングの要否を示すフラグを参照し、ローカルディミングが不要である場合は、図8(B)に示すように、チェックボックス39をグレーアウト表示し、入力不可とする。図8(B)では、チェックボックス39がグレーアウト表示されていることを破線で表している。
目標値設定部24は、前記フラグを参照し、ローカルディミングが必要である場合は、図8(A)に示すように、チェックボックス39のグレーアウト表示を解除し、ローカルディミングを有効にするか無効にするかユーザが入力可能にする。
【0081】
図8(A)は、コントラスト比の測定値の範囲の最大値が800:1であったことを示している。ユーザが設定した目標コントラスト比は1000:1であるから、目標コントラスト比を単一の段階のバックライト輝度で実現することはできないと判断される。従って、目標コントラスト比を実現するためには、ローカルディミングが必要であり、チェックボックス39がローカルディミングの有効/無効をユーザが設定できるようになっている。
【0082】
図8(B)は、コントラスト比の測定値の範囲の最大値が1200:1であったことを示している。ユーザが設定した目標コントラスト比は1000:1であるから、目標コントラスト比を単一の段階のバックライト輝度で実現することができると判断される。従って、目標コントラスト比を実現するためにローカルディミングを行う必要はなく、チェックボックス39がグレーアウトしている。
【0083】
図9のフローチャートを用いて、色票測定制御部27が、設定された目標値のもとで単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比を測定させる処理(図7のステップS308)について、詳しく説明する。ピクセル値は、R(赤)成分、G(緑)成分
、B(青)成分について、それぞれ256段階(各8ビット)の値で表されるとする。
ステップS401において、色票測定制御部27は、目標の白色輝度を得るためのバックライト輝度になるようにバックライト駆動信号を調整する。色票測定制御部27は、バックライト輝度が最大になるよう駆動電流値及びパルス幅変調デューティ比を決定し、ディスプレイ1に対しバックライト13を駆動指示する。
【0084】
ステップS402において、色票測定制御部27は、R=255、G=0、B=0の赤色の色票の輝度と色度を、測色センサ3で測定する制御を行う。
ステップS403において、色票測定制御部27は、R=0、G=255、B=0の緑色の色票の輝度と色度を、測色センサ3で測定する制御を行う。
ステップS404において、色票測定制御部27は、R=0、G=0、B=255の青色の色票の輝度と色度を、測色センサ3で測定する制御を行う。
【0085】
ステップS405において、キャリブレーションデータ決定部28は、三原色の色度を三原色色度の目標値の色相に合わせるためのパラメータを調整する。当該パラメータを調整することにより、バックライト駆動信号と液晶駆動信号が調整される。
ステップS406において、色票測定制御部27は、R=G=B=0の黒色と、R=G=B=255の白色の色票をそれぞれ、測色センサ3で測定する制御を行う。
【0086】
ステップS407において、キャリブレーションデータ決定部28は、上記測定した白色と黒色について、色度を目標値に合わせるためのパラメータを調整する。当該パラメータを調整することにより、バックライト駆動信号と液晶駆動信号が調整される。
ステップS408において、色票測定制御部27は、上記バックライト駆動信号及び液晶駆動信号の調整がなされた状態での白色と黒色の輝度比(コントラスト比)の値(測定値)を出力する。
【0087】
この処理では、S405及びS407において、色域及び白色色度(色温度)を設定された目標値に合わせるためのキャリブレーションを行った場合の、白色輝度及び黒色輝度の測定値が得られる。この測定値から、設定されたキャリブレーション目標値(色域、色温度)の条件のもとで、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比の測定値が得られる。従って、単一の段階のバックライト輝度で実現可能なコントラスト比の値が色域や色温度や経年劣化等により一定でない場合でも、設定された目標コントラスト比に基づいて適切なバックライト輝度の段階数を決定できる。従って、ローカルディミングを行う画像表示装置において、実行するキャリブレーションの回数を必要最小限とすることができる。
【0088】
上記実施例では、単一の段階の輝度で実現されるコントラスト比の測定値を取得する例を説明したが、同様に、実コントラスト比を取得する輝度切り換え条件はN=1に限らない。各段階数について実コントラスト比の測定を行うようにしても良い。これにより、輝度切り換え条件とその条件の下でバックライトの輝度を変化させた場合に表示可能なコントラスト比の範囲との対応関係に、色域・色温度の設定や現状のバックライトの経年劣化の状態を反映させることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 ディスプレイ、2 コンピュータ、20 輝度段階決定部、24 目標値設定部、25 目標値送信部、26 輝度段階取得部、27 色票測定制御部、28 キャリブレーションデータ決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトと、を備える画像表示装置であって、
前記画像表示装置の所定の表示特性の目標値を設定する設定手段と、
前記目標値に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された各段階の輝度で前記バックライトを発光させるとともに、前記画像表示装置に所定の色票を表示させて測色し、測色値に基づいて、前記バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記決定手段により決定された各段階の輝度と、各段階の輝度について行われた前記キャリブレーション手段によるキャリブレーション結果と、を対応づけて記憶する記憶手段を備える請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
入力される画像信号に応じて、前記決定手段により決定した段階数の輝度のうち一の段階の輝度を選択し、選択した段階の輝度に前記バックライトの輝度を切り換える輝度制御手段と、
前記輝度制御手段により選択された段階の輝度に対応づけられたキャリブレーション結果に基づいて前記バックライト及び前記表示パネルを駆動する駆動手段と、
を備える請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記バックライトは、独立して輝度を切り換え可能な複数の光源ブロックに分割され、前記輝度制御手段は、各光源ブロックに対応する領域の画像信号に応じて、光源ブロック毎に前記バックライトの輝度を切り換え、
前記駆動手段は、各光源ブロックの輝度に対応づけられたキャリブレーション結果に基づいて各光源ブロック及び各光源ブロックに対応する領域の表示パネルを駆動する請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度と、その輝度切り換え条件のもとで前記バックライトの輝度を切り換えた場合に前記画像表示装置に表示可能なコントラスト比の範囲と、の対応関係を記憶する第2の記憶手段を備え、
前記設定手段は、少なくともコントラスト比の目標値、又は、コントラスト比の目標値を算出可能な一又は複数の所定の表示特性の目標値を設定し、
前記決定手段は、前記第2の記憶手段に記憶された対応関係に基づき、表示可能なコントラスト比の範囲内に前記設定されたコントラスト比の目標値を含むような輝度切り換え条件を判定し、判定した輝度切り換え条件に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
所定の輝度切り換え条件のもとで前記バックライトの輝度を切り換えた場合に前記画像表示装置に実際に表示されたコントラスト比の測定値を取得する取得手段を備え、
前記決定手段は、前記第2の記憶手段に記憶された対応関係において、前記取得手段によりコントラスト比の測定値が取得された輝度切り換え条件については、当該取得されたコントラスト比の測定値の範囲内に前記設定されたコントラスト比の目標値が含まれるか否かを判定する請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
表示パネルと、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトと、を備える画像表示装置のキャリブレーション方法であって、
前記画像表示装置の所定の表示特性の目標値を設定する設定ステップと、
前記目標値に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された各段階の輝度で前記バックライトを発光させるとともに、所定の色票を前記画像表示装置に表示させて測色し、測色値に基づいて、前記バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行うキャリブレーションステップと、を有するキャリブレーション方法。
【請求項8】
前記決定ステップにおいて決定された各段階の輝度と、各段階の輝度について行われた前記キャリブレーションステップにおけるキャリブレーション結果と、を対応づけて記憶手段に記憶するステップを有する請求項7に記載の画像表示装置のキャリブレーション方法。
【請求項9】
入力される画像信号に応じて、前記決定ステップにおいて決定した段階数の輝度のうち一の段階の輝度を選択し、選択した段階の輝度に前記バックライトの輝度を切り換える輝度制御ステップと、
前記輝度制御ステップにおいて選択された段階の輝度に対応づけられたキャリブレーション結果に基づいて前記バックライト及び前記表示パネルを駆動する駆動ステップと、
を有する請求項8に記載の画像表示装置のキャリブレーション方法。
【請求項10】
前記バックライトは、独立して輝度を切り換え可能な複数の光源ブロックに分割され、前記輝度制御ステップでは、各光源ブロックに対応する領域の画像信号に応じて、光源ブロック毎に前記バックライトの輝度を切り換え、
前記駆動ステップでは、各光源ブロックの輝度に対応づけられたキャリブレーション結果に基づいて各光源ブロック及び各光源ブロックに対応する領域の表示パネルを駆動する請求項9に記載の画像表示装置のキャリブレーション方法。
【請求項11】
前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度と、その輝度切り換え条件のもとで前記バックライトの輝度を切り換えた場合に前記画像表示装置に表示可能なコントラスト比の範囲と、の対応関係を第2の記憶手段に記憶するステップを有し、
前記設定ステップでは、少なくともコントラスト比の目標値、又は、コントラスト比の目標値を算出可能な一又は複数の所定の表示特性の目標値を設定し、
前記決定ステップでは、前記第2の記憶手段に記憶された対応関係に基づき、表示可能なコントラスト比の範囲内に前記設定されたコントラスト比の目標値を含むような輝度切り換え条件を判定し、判定した輝度切り換え条件に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する請求項7〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置のキャリブレーション方法。
【請求項12】
所定の輝度切り換え条件のもとで前記バックライトの輝度を切り換えた場合に前記画像表示装置に実際に表示されたコントラスト比の測定値を取得する取得ステップを有し、
前記決定ステップでは、前記第2の記憶手段に記憶された対応関係において、前記取得ステップにおいてコントラスト比の測定値が取得された輝度切り換え条件については、当該取得されたコントラスト比の測定値の範囲内に前記設定されたコントラスト比の目標値が含まれるか否かを判定する請求項11に記載の画像表示装置のキャリブレーション方法。
【請求項13】
請求項7から請求項12までのいずれか1項に記載のキャリブレーション方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
表示パネルと、複数の段階の輝度に切り換え可能なバックライトと、を備える画像表示装置と、前記画像表示装置に所定の色票を表示させて測色し、測色値に基づいて前記画像表示装置のキャリブレーションを行うキャリブレーション装置と、からなる画像表示システムであって、
前記キャリブレーション装置は、
前記画像表示装置の所定の表示特性の目標値を設定する設定手段と、
前記目標値を前記画像表示装置へ送信する目標値送信手段と、
前記目標値に基づき決定される前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度の情報を前記画像表示装置から取得する輝度段階取得手段と、
前記輝度段階取得手段により取得した各段階の輝度で前記バックライトを発光させるとともに、前記画像表示装置に所定の色票を表示させて測色し、測色値に基づいて、前記バックライトの各段階の輝度でキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、
を備え、
前記画像表示装置は、
前記キャリブレーション装置から前記所定の表示特性の目標値を取得する目標値取得手段と、
前記目標値に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定した前記段階数及び各段階の輝度の情報を前記キャリブレーション装置へ送信する輝度段階送信手段と、
を備える画像表示システム。
【請求項15】
前記画像表示装置は、
前記決定手段により決定した各段階の輝度について行われた前記キャリブレーション装置によるキャリブレーション結果を前記キャリブレーション装置から取得するキャリブレーション結果取得手段と、
前記決定手段により決定した各段階の輝度と、前記キャリブレーション結果取得手段により取得した各段階の輝度についてのキャリブレーション結果と、を対応づけて記憶する記憶手段を備える請求項14に記載の画像表示システム。
【請求項16】
前記画像表示装置は、
入力される画像信号に応じて、前記決定手段により決定した段階数の輝度のうち一の段階の輝度を選択し、選択した段階の輝度に前記バックライトの輝度を切り換える輝度制御手段と、
前記輝度制御手段により選択された段階の輝度に対応づけられたキャリブレーション結果に基づいて前記バックライト及び前記表示パネルを駆動する駆動手段と、
を備える請求項15に記載の画像表示システム。
【請求項17】
前記バックライトは、独立して輝度を切り換え可能な複数の光源ブロックに分割され、前記輝度制御手段は、各光源ブロックに対応する領域の画像信号に応じて、光源ブロック毎に前記バックライトの輝度を切り換え、
前記駆動手段は、各光源ブロックの輝度に対応づけられたキャリブレーション結果に基づいて各光源ブロック及び各光源ブロックに対応する領域の表示パネルを駆動する請求項16に記載の画像表示システム。
【請求項18】
前記画像表示装置は、
前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度と、その輝度切り換え条件のもとで前記バックライトの輝度を切り換えた場合に前記画像表示装置に表示可能なコントラスト比の範囲と、の対応関係を記憶する第2の記憶手段を備え、
前記設定手段は、少なくともコントラスト比の目標値、又は、コントラスト比の目標値
を算出可能な一又は複数の所定の表示特性の目標値を設定し、
前記目標値送信手段は、前記コントラスト比の目標値を前記画像表示装置へ送信し、
前記目標値取得手段は、前記コントラスト比の目標値を前記キャリブレーション装置から取得し、
前記決定手段は、前記第2の記憶手段に記憶された対応関係に基づき、表示可能なコントラスト比の範囲内に前記目標値取得手段が取得したコントラスト比の目標値を含むような輝度切り換え条件を判定し、判定した輝度切り換え条件に基づき、前記バックライトの輝度の切り換えの段階数及び各段階の輝度を決定する請求項14〜17のいずれか1項に記載の画像表示システム。
【請求項19】
前記キャリブレーション装置は、
所定の輝度切り換え条件のもとで前記バックライトの輝度を切り換えた場合に前記画像表示装置に実際に表示されたコントラスト比の測定値を取得する取得手段と、
前記所定の輝度切り換え条件及び前記取得手段により取得したコントラスト比の測定値の情報を前記画像表示装置へ送信する実コントラスト比送信手段と、
を備え、
前記画像表示装置は、
前記キャリブレーション装置から前記所定の輝度切り換え条件及びコントラスト比の測定値の情報を取得する実コントラスト比取得手段を備え、
前記決定手段は、前記第2の記憶手段に記憶された対応関係において、前記取得手段によりコントラスト比の測定値が取得された輝度切り換え条件については、当該取得されたコントラスト比の測定値の範囲内に前記設定されたコントラスト比の目標値が含まれるか否かを判定する請求項18に記載の画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−8000(P2013−8000A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−49238(P2012−49238)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】