説明

画像表示体及びその製造方法、情報媒体、並びにブランク媒体

【課題】改竄が困難であり且つ視認性が高い像を表示可能とする技術を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像表示体200は、金属層を含み且つ構造色を呈する第1部分P1と、前記第1部分P1と隣り合い且つ前記第1部分P1と比較して可視光透過率がより高い第2部分P2とを備えた第1層201と、前記第1部分P1と向き合い且つ樹脂を含んだ第3部分P3と、前記第2部分P2と向き合い且つ前記第3部分P3と比較して可視光吸収率がより高い第4部分P4とを備えた第2層P2とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば個人認証に利用可能な画像表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パスポート及びID(identification)カードなどの個人認証媒体の多くは、目視による個人認証を可能とするために、顔画像を使用している。
【0003】
例えば、パスポートでは、従来、顔画像を焼き付けた印画紙を冊子体に貼り付けていた。しかしながら、そのようなパスポートには、写真印画の貼り替えによる改竄のおそれがある。
【0004】
このような理由で、近年では、顔画像の情報をデジタル化し、これを冊子体上に再現する傾向にある。この画像再現方法としては、例えば、転写リボンを用いた感熱転写記録法が検討されている。
【0005】
しかしながら、昨今、昇華性染料又は着色した熱可塑性樹脂を使用する感熱転写記録方式のプリンタは広く普及している。この状況を考慮すると、パスポートから顔画像を取り除き、そこに別の顔画像を記録することは、必ずしも困難ではない。
【0006】
特許文献1には、上述した方法で顔画像を記録し、その上に蛍光インキを用いて顔画像を記録することが記載されている。また、特許文献2には、無色又は淡色の蛍光染料と有色の顔料とを含有したインキを用いて顔画像を記録することが記載されている。更に、特許文献3には、通常の顔画像と、パール顔料を用いて形成した顔画像とを並べて配置することが記載されている。
【0007】
これら技術をパスポートに適用すると、その改竄がより困難になる。しかしながら、蛍光材料を用いて記録した顔画像は、紫外線ランプなどの特殊な光源を使用しない限り観察することはできない。また、パール顔料を用いて形成した顔画像は、肉眼で視認することはできるものの、パール顔料は粒径が大きいため、これを用いて高精細な画像を形成することは困難である。
【0008】
他方、偽造が困難な像を記録する方法として、レーザ照射を用いる方法が開発されている。例えば、特許文献4には、部分反射性の層を含んだ積層体に短波長レーザを照射して、部分反射性の層を少なくとも部分的に除去することにより、所望の記号を形成することが記載されている(請求項6)。
【0009】
また、特許文献5には、「透明性基材、前記透明性基材の背面に積層された透明樹脂層からなり背面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層、および前記ホログラム形成層の前記微細凹凸に沿って積層された反射性金属層とからなる反射型ホログラム複合体、色彩可変層、並びに着色層とからなり、前記反射性金属層は前記反射性金属層の有無で構成されたパターンを有しており、前記色彩可変層は前記反射型ホログラム複合体と積層されて積層体を形成しており、前記積層体の背面に前記着色層が積層されていることを特徴とする真正性識別体」が記載されている(請求項1)。また、特許文献5には、反射性金属層の有無で構成された上記パターンを、レーザ光等を利用して形成することも記載されている(段落0009)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−141863号公報
【特許文献2】特開2002−226740号公報
【特許文献3】特開2003−170685号公報
【特許文献4】特表2002−522263号公報
【特許文献5】特開2006−145688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、改竄が困難であり且つ視認性が高い像を表示可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1側面によると、金属層を含み且つ構造色を呈する第1部分と、前記第1部分と隣り合い且つ前記第1部分と比較して可視光透過率がより高い第2部分とを備えた第1層と、前記第1部分と向き合い且つ樹脂を含んだ第3部分と、前記第2部分と向き合い且つ前記第3部分と比較して可視光吸収率がより高い第4部分とを備えた第2層とを具備した画像表示体が提供される。
【0013】
本発明の第2側面によると、個人情報を含んだ画像を表示する基材と、前記基材に支持された第1側面に係る画像表示体とを具備した情報媒体が提供される。
【0014】
本発明の第3側面によると、金属層を含み且つ構造色を呈する第1記録層と、樹脂を含み、前記第1記録層と少なくとも部分的に向き合い且つエネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成された第2記録層とを具備したブランク媒体が提供される。
【0015】
本発明の第4側面によると、第3側面に係るブランク媒体を準備することと、前記ブランク媒体のうち前記第1記録層と前記第2記録層とが向き合った積層部分の一部のみに前記エネルギービームを照射して、前記積層部分のうち前記エネルギービームを照射した位置において、前記金属層を破壊すると共に前記第2記録層の可視光吸収率を増大させることにより、前記積層部分に画像を記録することとを含んだ画像表示体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、改竄が困難であり且つ視認性が高い像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図。
【図2】本発明の一態様に係る画像表示体を概略的に示す平面図。
【図3】図2に示す画像表示体のIII−III線に沿った断面図。
【図4】一変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図。
【図5】他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図。
【図6】他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図。
【図7】他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図。
【図8】他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図。
【図9】本発明の一態様に係る画像表示体の製造に利用可能なブランク媒体の一例を概略的に示す断面図。
【図10】本発明の一態様に係る画像表示体の製造方法の一例を概略的に示す断面図。
【図11】本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図。
【図12】本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の一態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図である。
図1に示す情報媒体100は、個人認証媒体であり、パスポートなどの冊子体である。図1には、開いた状態の冊子体を描いている。
【0020】
この情報媒体100は、折り丁1と表紙2とを含んでいる。
折り丁1は、1枚以上の紙片11からなる。典型的には、紙片11上には、文字列及び地紋などの印刷パターン12が設けられている。折り丁1は、1枚の紙片11を又は複数枚の紙片11の束を二つ折りにすることによって形成されている。紙片11は、個人情報が記録されるIC(integrated circuit)チップや、このICチップとの非接触での通信を可能とするアンテナなどを内蔵していてもよい。
【0021】
表紙2は、二つ折りされている。表紙2と折り丁1とは、冊子体を閉じた状態で折り丁1が表紙2によって挟まれるように重ね合わされており、それらの折り目の位置で綴じ合わせなどによって一体化されている。
【0022】
表紙2は、個人情報を含んだ画像を表示する。この個人情報は、個人の認証に利用する個人認証情報を含んでいる。この個人情報は、例えば、生体情報と非生体個人情報とに分類することができる。
【0023】
生体情報は、生体の特徴のうち、その個体に特有なものである。典型的には、生体情報は、光学的手法によって識別可能な特徴である。例えば、生体情報は、顔、指紋、静脈及び虹彩の少なくとも1つの画像又はパターンである。
【0024】
非生体個人情報は、生体情報以外の個人情報である。例えば、非生体個人情報は、氏名、生年月日、年齢、血液型、性別、国籍、住所、本籍地、電話番号、所属及び身分の少なくとも1つである。非生体個人情報は、タイプ打ちによって入力された文字を含んでいてもよく、署名などの手書きを機械読み取りすることによって入力された文字を含んでいてもよく、それらの双方を含んでいてもよい。
【0025】
図1において、表紙2は、画像I1a、I1b、I2及びI3を表示している。
画像I1a、I2及びI3は、光の吸収を利用して表示される画像である。具体的には、画像I1a、I2及びI3は、白色光で照明し、肉眼で観察した場合に視認可能な画像である。画像I1a、I2及びI3の1つ以上を省略してもよい。
【0026】
画像I1a、I2及びI3は、例えば、染料及び顔料で構成することができる。この場合、画像I1a、I2及びI3の形成には、サーマルヘッドを用いた熱転写記録法、インクジェット記録法、電子写真法、又はそれらの2つ以上の組み合わせを利用することができる。或いは、画像I1a、I2及びI3は、感熱発色剤を含んだ層を形成し、この層にレーザビームで描画することにより形成することができる。或いは、これら方法の組み合わせを利用することができる。画像I2及びI3の少なくとも一部は、ホットスタンプを用いた熱転写記録法によって形成してもよく、印刷法によって形成してもよく、それらの組み合わせを利用して形成してもよい。
【0027】
画像I1bは、後述する情報媒体が表示する画像である。
【0028】
画像I1a及びI1bは、同一人物の顔画像を含んでいる。画像I1aが含んでいる顔画像と、画像I1bが含んでいる顔画像とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。画像I1aが含んでいる顔画像と、画像I1bが含んでいる顔画像とは、寸法が等しくてもよく、異なっていてもよい。また、画像I1a及びI1bの各々は、顔画像の代わりに他の生体情報を含んでいてもよく、顔画像に加えて顔画像以外の生体情報を更に含んでいてもよい。
【0029】
画像11bは、生体情報の代わりに非生体個人情報を含んでいてもよく、生体情報に加えて非生体個人情報を更に含んでいてもよい。また、画像11bは、個人情報の代わりに非個人情報を含んでいてもよく、個人情報に加えて非個人情報を更に含んでいてもよい。
【0030】
画像I2は、非生体個人情報と非個人情報とを含んでいる。画像I2は、例えば、文字、記号、符号及び標章の1つ以上を構成している。
【0031】
画像I3は、地紋である。例えば、画像I3と画像11a及び11bの少なくとも一方とを組み合わせると、情報媒体100の改竄をより困難にすることができる。
【0032】
情報媒体100のうち画像I1bに対応した部分は、以下に説明する画像表示体200を含んでいる。
【0033】
図2は、本発明の一態様に係る画像表示体を概略的に示す平面図である。図3は、図2に示す画像表示体のIII−III線に沿った断面図である。図2及び図3では、画像表示体200の主面に平行であり且つ互いに直交する方向をX方向及びY方向とし、上記主面に垂直な方向をZ方向としている。また、図2及び図3では、画像表示体200のうち後述する第1部分P1と第3部分P3とが向き合っている部分を表示部DP1とし、後述する第2部分P2と第4部分P4とが向き合っている部分を表示部DP2としている。
【0034】
まず、図2及び図3に示す画像表示体200の構成について説明する。
図2及び図3に示す画像表示体200は、第1層201と第2層202とを備えている。図3には、一例として、第1層201が第2層202に対して前面側に位置している場合を描いている。
【0035】
第1層201は、第1部分P1と第2部分P2とを備えている。
第1部分P1は、金属層を含み且つ構造色を呈する。第1部分P1は、典型的には、特定の照明条件下において、観察角度に応じて異なった色を表示する。
【0036】
第1部分P1が含んでいる金属層は、例えば、金属の単体、合金、金属酸化物、又は金属硫化物を含んでいる。この金属層が含んでいる金属又は合金としては、例えば、アルミニウム、金、銅、銀、ニッケル、イノセル(登録商標)、MoS及びFeが挙げられる。この金属層は、アルミニウムを含んでいることが特に好ましい。
【0037】
第1部分P1は、例えば、金属層を含み且つ構造色を呈する顔料を含有している。第1部分P1は、例えば、金属層を含み且つ構造色を呈する顔料と、溶剤と、バインダ樹脂とを含んだインキを用いて形成される。
【0038】
金属層を含み且つ構造色を呈する顔料は、例えば、金属層と上記金属層とは屈折率が異なった層とを含んだ積層体である。この積層体は、例えば、金属層と上記金属層とは屈折率が異なった層とを含んだ多層膜を粉砕することにより得られる。
【0039】
このような多層膜としては、例えば、ハーフミラー層とスペーサ層とミラー層とがこの順に積層した多層膜を用いることができる。或いは、このような多層膜として、第1ハーフミラー層と第1スペーサ層とミラー層と第2スペーサ層と第2ハーフミラー層とがこの順に積層した多層膜を用いてもよい。これら多層膜については、後で図4及び図5を参照しながら詳しく説明する。
【0040】
第2部分P2は、第1部分P1と面内方向に隣り合っている。図2及び図3には、一例として、第2部分P2と第1部分P1とが互いに隣接している場合を描いている。
【0041】
第2部分P2は、第1部分P1と比較して、可視光透過率がより高い。なお、ここで「可視光透過率」とは、可視域の光に対する全光線透過率を意味している。また、この「全光線透過率」は、日本工業規格JIS K7361−1に準拠した測定値である。
【0042】
第2部分P2は、典型的には、金属層を含んでいないか、又は、第1部分P1が含んでいる金属層と比較して膜厚がより小さい金属層を含んでいる。後者の場合、第2部分P2が含んでいる金属層を構成している金属は、典型的には、第1部分P1が含んでいる金属層を構成しているものと同一である。
【0043】
第2部分P2は、金属層の代わりに又は金属層に加えて、粒子状の金属を含んでいてもよい。この金属は、典型的には、第1部分P1が含んでいる金属層を構成しているものと同一である。
【0044】
第2層202は、第3部分P3と第4部分P4とを備えている。
第3部分P3は、第1部分P1と向き合っている。第3部分P3の画像表示体200の主面への正射影は、典型的には、第1部分P1の上記主面への正射影に一致している。なお、ここで及び以下において、各部分の正射影の「一致」とは、数学的に厳密な「一致」を意味するものではなく、各部分に基づいて表示される像の位置ズレが視認不可能である程度の「一致」を意味していることとする。
【0045】
第3部分P3は、樹脂を含んでいる。この樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、シリコン樹脂、並びにゴム樹脂が挙げられる。
【0046】
第3部分P3が含んでいる上記樹脂は、エネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成されていてもよい。
【0047】
例えば、この樹脂は、添加剤を含んでいてもよい。この添加剤としては、例えば、赤外線吸収剤が挙げられる。このような添加剤を含んだ樹脂を用いると、例えば、赤外線領域のエネルギービームの照射によって、添加剤の周囲における樹脂の炭化を生じさせることができる。即ち、このような構成を採用すると、エネルギービームの照射によって、可視光吸収率を増大させることが可能となる。
【0048】
第3部分P3は、典型的には、透明である。この場合、第3部分P3は、無色且つ透明であってもよく、有色且つ透明であってもよい。
【0049】
第4部分P4は、第3部分P3と面内方向に隣り合っている。図2及び図3には、一例として、第4部分P4と第3部分P3とが互いに隣接している場合を描いている。
【0050】
第4部分P4は、第2部分P2と向き合っている。第4部分P4の画像表示体200の主面への正射影は、典型的には、第2部分P2の上記主面への正射影に一致している。また、第1部分P1と第2部分P2とが隣接しており且つ第3部分P3と第4部分とが隣接している場合、第1部分P1と第2部分P2との境界の上記主面への正射影は、典型的には、第3部分P3と第4部分との境界の上記主面への正射影に一致している。
【0051】
第4部分P4は、第3部分P3と比較して、可視光吸収率がより高い。第4部分P4の構成には、特に制限はない。例えば、第3部分P3が含んでいる樹脂がエネルギービームの照射により可視光吸収率が増大するように構成されている場合、第4部分P4は、上記樹脂にエネルギービームを照射することにより得られる物質を含んでいてもよい。
【0052】
次に、図2及び図3に示す画像表示体200が示す光学効果について説明する。
【0053】
画像表示体200において、表示部DP1は、第1部分P1と第3部分P3とを含んだ積層構造を備えている。他方、表示部DP2は、第2部分P2と第4部分P4とを含んだ積層構造を備えている。
【0054】
第1部分P1は、上述した通り、構造色を呈する。加えて、第3部分P3は、第4部分P4と比較して、可視光吸収率がより低い。それゆえ、図2及び図3に示す画像表示体200を前面側から観察した場合、表示部DP1は、構造色を呈すると共に、比較的明るい像を表示する。
【0055】
第2部分P2は、第1部分P1と比較して、可視光透過率がより高い。加えて、第3部分P4は、第3部分P3と比較して、可視光吸収率がより高い。それゆえ、図2及び図3に示す画像表示体200を前面側から観察した場合、表示部DP2は、表示部DP1と比較してより暗い像を表示する。
【0056】
このように、表示部DP1は、第1部分P1と第3部分P3との組み合わせに起因して明るい像を表示し、表示部DP2は、第2部分P2と第4部分P4との組み合わせに起因して暗い像を表示する。
【0057】
したがって、表示部DP1と表示部DP2との対比により表示される画像は、例えば、第1部分P1と第2部分P2との対比のみに基づいて表示される画像、又は、第3部分P3と第4部分P4との対比のみに基づいて表示される画像と比較して、際立って高いコントラストを有している。即ち、表示部DP1と表示部DP2との対比により表示される画像は、視認性が極めて高い。
【0058】
また、表示部DP1と表示部DP2とは、図2及び図3に示す画像表示体200を背面側から観察した場合にも、互いに異なった光学効果を呈する。したがって、図2及び図3に示す画像表示体200は、背面側から観察した場合にも、表示部DP1と表示部DP2との対比による画像を表示する。それゆえ、画像表示体200が表示する画像を改竄することは、比較的困難である。
【0059】
上述した通り、第2部分P2は、金属層の代わりに又は金属層に加えて、粒子状の金属を含んでいてもよい。この場合、第2部分P2の材料としては、例えば、アルミペースト、カルボニル鉄粉、及びOVI(optical variable ink)が挙げられる。
【0060】
また、第3部分P3は、典型的には、透明である。この場合、図2及び図3に示す画像表示体200を背面側から観察すると、表示部DP1において、第1部分P1に起因した光学効果を視認することができる。よって、この場合、背面側から観察した場合でも、第1部分P1に起因した構造色を観察者に視認させることができる。したがって、この場合、画像表示体200が表示する画像を改竄することは更に困難である。
【0061】
そして、第4部分P4の画像表示体200の主面への正射影は、典型的には、第2部分P2の上記主面への正射影に一致させる。こうすると、第2部分P2に基づいて表示される像と第4部分P4に基づいて表示される像との位置ズレが小さくなり、画像表示体200が表示する画像の画質を更に向上させることができる。
【0062】
以上において説明した画像表示体には、種々の変形が可能である。
図4は、一変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図である。図4に示す画像表示体200は、第1部分P1の構成が異なっていることを除いては、図2及び図3に示す画像表示体と同様の構成を有している。
【0063】
図4に示す画像表示体200では、第1部分P1は、ハーフミラー層201Aとスペーサ層201Bとミラー層201Cとがこの順に積層した多層膜を含んでいる。図4には、一例として、ハーフミラー層201Aが画像表示体200の前面側に位置し、ミラー層201Cが画像表示体200の背面側に位置している場合を描いている。
【0064】
ハーフミラー層201Aは、金属層であり、典型的には、金属の単体、合金、金属酸化物又は金属硫化物を含んでいる。ハーフミラー層201Aが含んでいる金属又は合金としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、イノセル(登録商標)、MoS及びFeが挙げられる。ハーフミラー層201Aの厚みは、例えば、5乃至20nmの範囲内とする。
【0065】
スペーサ層201Bは、典型的には、誘電材料を含んでいる。この誘電材料の屈折率は、1.65以下であることが好ましい。また、この誘電材料は、透明であることが好ましい。このような誘電材料としては、例えば、SiO及びMgFが挙げられる。スペーサ層201Bの厚みは、例えば、300乃至500nmの範囲内とする。
【0066】
ミラー層201Cは、金属層であり、典型的には、金属の単体又は合金を含んでいる。ミラー層201Cが含んでいる金属としては、例えば、アルミニウム、金、銅及び銀が挙げられる。この金属としては、アルミニウムが特に好ましい。ミラー層201Cの厚みは、例えば300nm以下とし、典型的には50乃至150nmの範囲内とする。なお、このミラー層201Cには、回折構造が設けられていてもよい。
【0067】
図5は、他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図である。図5に示す画像表示体200は、第1部分P1の構成が異なっていることを除いては、図4に示す画像表示体と同様の構成を有している。
【0068】
図5に示す画像表示体200では、第1部分P1は、第1ハーフミラー層201Aと第1スペーサ層201Bとミラー層201Cと第2スペーサ層201Dと第2ハーフミラー層201Eとがこの順に積層した多層膜を含んでいる。ハーフミラー層201A及び201E、並びに、スペーサ層201B及び201Dとしては、例えば、先に図4を参照しながら説明したのと同様の構成を採用することができる。
【0069】
図5に示す画像表示体200では、第3部分P3が透明である構成を採用することが特に好ましい。こうすると、画像表示体200を背面側から観察した場合でも、第1部分P1に起因した構造色を、観察者に視認させることができる。
【0070】
図6は、他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図である。
図6に示す画像表示体200では、第1部分P1と第3部分P3との界面に、白色光の照射により回折光を射出可能な凹凸構造が設けられている。即ち、第1部分P1は、この凹凸構造に起因した構造色を呈する。
【0071】
第1部分P1は、樹脂層201aと金属層201bとを含んでいる。樹脂層201aの一方の主面には、上述した凹凸構造が設けられている。金属層201bは、樹脂層201aの上記凹凸構造が設けられた主面を被覆している。この金属層201bとしては、例えば、先に図2及び図3を参照しながら説明した構成を採用することができる。
【0072】
なお、図6には、第2部分P2と第4部分P4との界面にも凹凸構造が設けられている場合を描いているが、この凹凸構造は、省略してもよい。
【0073】
図7は、他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図である。図7に示す画像表示体200は、第3部分P3及び第4部分P4が多層構造を有していることを除いては、図2及び図3に示す画像表示体と同様の構成を有している。
【0074】
第3部分P3は、第1樹脂層202Aと第2樹脂層202Bとがこの順に積層した積層構造を含んでいる。
【0075】
第1樹脂層202Aは、典型的には、エネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成された樹脂を含んでいる。このような樹脂としては、例えば、先に図2及び図3を参照しながら説明したものを挙げることができる。
【0076】
第2樹脂層202Bは、第1樹脂層202Aを間に挟んで、第1部分P1と向き合っている。第2樹脂層202Bが含んでいる樹脂は、典型的には、上記のエネルギービームの波長に対して透明である。即ち、この樹脂は、典型的には、上記エネルギービームを照射しても、可視光吸収率が実質的に増大しない樹脂である。
【0077】
第1樹脂層202Aが含んでいる樹脂と第2樹脂層202Bが含んでいる樹脂とは、添加剤の有無を除いては、同一の種類の樹脂であることが好ましい。このような構成としては、例えば、第2樹脂層202Bがポリカーボネート樹脂を含み、且つ第1樹脂層202Aが添加剤を含有したポリカーボネート樹脂を含んでいる態様が挙げられる。このような構成を採用すると、第1樹脂層202Aと第2樹脂層202Bとの間における剥離が生じ難くなり、画像表示体200の耐久性が更に向上する。
【0078】
第4部分P4は、第3樹脂層202A’と第4樹脂層202B’とがこの順に積層した積層構造を含んでいる。
第3樹脂層202A’は、第1樹脂層202Aと隣り合っている。第3樹脂層202A’は、典型的には、第1樹脂層202Aが含んでいる樹脂にエネルギービームを照射することにより得られる物質を含んでいる。即ち、第3樹脂層202A’は、典型的には、第1樹脂層202Aと比較して、可視光吸収率がより高い。
【0079】
第4樹脂層202B’は、第2樹脂層202Bと隣り合っている。第4樹脂層202B’は、第3樹脂層202A’を間に挟んで、第2部分P2と向き合っている。第3樹脂層202A’は、典型的には、第1樹脂層202Aと同一の構成を有している。即ち、第4樹脂層202B’は、典型的には、第2樹脂層202Bと同一の可視光吸収率を有している。
【0080】
このような構成を採用した場合、例えば、第4部分P4が第3樹脂層202A’のみからなる場合と比較して、第4部分P4に記録された情報を改竄することがより困難となる。即ち、このような構成を採用すると、第4部分P4に基づいて表示される像の改竄を、更に困難とすることができる。
【0081】
図2乃至図7では、画像表示体200が第1層201及び第2層202Bのみからなる場合について説明したが、画像表示体200は、これら以外の追加の層を更に含んでいてもよい。
【0082】
図8は、他の変形例に係る画像表示体を概略的に示す断面図である。図8に示す画像表示体200は、保護層203を更に備えていることを除いては、図7に示す画像表示体と同様の構成を有している。
【0083】
保護層203は、第1層201を間に挟んで、第2層202と向き合っている。保護層203は、例えば、先に図7を参照しながら説明した第2樹脂層202Bと同様の構成を有している。
【0084】
このような構成を採用した場合、保護層203を省略した場合と比較して、第2部分P2に記録された情報を改竄することがより困難となる。即ち、このような構成を採用すると、第2部分P2に基づいて表示される像の改竄を、更に困難とすることができる。
【0085】
なお、以上において説明した種々の変形例は、その2つ以上を互いに組み合わせて採用してもよい。
【0086】
続いて、画像表示体200の製造方法の一例について説明する。画像表示体200は、例えば、以下に説明するブランク媒体を用いて製造することができる。
図9は、本発明の一態様に係る画像表示体の製造に利用可能なブランク媒体の一例を概略的に示す断面図である。
【0087】
図9に示すブランク媒体は、第1記録層301と第2記録層302とを備えている。
第1記録層301は、金属層を含み且つ構造色を呈する。この第1記録層301としては、例えば、先に第1部分P1について説明したのと同様の構成を採用することができる。
【0088】
第2記録層302は、第1記録層301と少なくとも部分的に向き合っている。この第2記録層302は、エネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成されている。この第2記録層302としては、例えば、先に第3部分P3について説明したのと同様の構成を採用することができる。
【0089】
このブランク媒体300は、上述した通り、画像表示体200の製造に用いられる。
図10は、本発明の一態様に係る画像表示体の製造方法の一例を概略的に示す断面図である。
【0090】
図10は、図9に示すブランク媒体300のうち第1記録層301と第2記録層302とが向き合った積層部分の一部に、エネルギービームEBを照射している様子を示している。この積層部分にエネルギービームEBを照射すると、以下のような変化が生じる。
【0091】
まず、第1記録層301のうちエネルギービームEBが照射された位置では、第1記録層301が含んでいる金属層が破壊される。これにより、第1記録層301の当該位置において、可視光透過率が増大する。即ち、これにより、先に説明した第2部分P2を形成することができる。なお、第1記録層301のうちエネルギービームEBが照射されていない部分は、先に説明した第1部分P1に対応している。
【0092】
このようにして形成された第2部分P2は、金属層を含んでいないか、又は、第1部分P1が含んでいる金属層と比較して膜厚がより小さい金属層を含んでいる。
【0093】
また、本発明者らは、このようにして形成された第2部分P2は、典型的には、粒子状の金属を含んでいることを見出している。本発明者らは、これら粒子状の金属は、エネルギービームEBの照射による金属層の破壊に起因して、金属層を構成していた金属が互いに凝集することにより形成されたものであると推測している。
【0094】
次に、第2記録層302のうちエネルギービームEBが照射された位置では、可視光吸収率が増大する。これにより、先に説明した第4部分P4を形成することができる。なお、第2記録層302のうちエネルギービームEBが照射されていない部分は、先に説明した第3部分P3に対応している。
【0095】
このように、ブランク媒体300へのエネルギービームEBの照射により、画像表示体200を製造することができる。
【0096】
この方法によると、オンデマンドで、所望の画像を記録することができる。そのため、この方法は、個人情報などの個別情報を記録する場合に特に有用である。
【0097】
また、この方法によると、第1記録層301に記録した画像と第2記録層302に記録した画像との位置合わせが比較的容易である。即ち、この方法によると、第4部分P4の画像表示体200の主面への正射影と、第2部分P2の上記主面への正射影とを一致させることが、比較的容易である。それゆえ、この方法によると、画像表示体200が表示する画像の画質を更に向上させることができる。
【0098】
第1記録層301へのエネルギービームEBの照射と、第2記録層302へのエネルギービームEBの照射とは、同時に行ってもよく、段階的に行ってもよい。但し、前者の場合、後者の場合と比較して、第1記録層301に記録した画像と第2記録層302に記録した画像との位置ズレを更に生じ難くすることができる。即ち、前者の場合、後者の場合と比較して、画像表示体200が表示する画像の画質を更に向上させることができる。
【0099】
エネルギービームEBとしては、通常、レーザビームを用いる。このレーザビームの照射源としては、典型的には、Nd:YAGレーザを用いる。或いは、レーザビームの照射源として、Nd:YVOレーザを使用してもよく、炭酸ガスレーザを使用してもよく、レーザダイオードを使用してもよい。
【0100】
エネルギービームEBとしては、レーザビーム以外のものを採用してもよい。例えば、電子ビームなどの荷電粒子ビームを採用してもよい。電子ビーム描画装置によると、レーザと比較して、より小さなビーム径を達成できる。したがって、この場合、より高精細な画像を記録することが可能となる。
【0101】
なお、ブランク媒体300は、第1記録層301及び第2記録層302以外に、1つ以上の追加の層を更に備えていてもよい。但し、これらの追加の層は、エネルギービームEBの波長に対して透明であることが好ましい。こうすると、第1記録層301及び第2記録層302への画像の記録を、より効率的に行うことが可能となる。
【0102】
以上において説明した画像表示体200は、典型的には、情報媒体100の一部として用いる。この場合、画像表示体200の第2層202は、情報媒体100を構成している基材と共通であってもよい。或いは、画像表示体200は、情報媒体100を構成している基材上に、接着層などを介して貼り付けられていてもよい。
【0103】
上では、パスポートとしての情報媒体100を例示したが、情報媒体100について上述した技術は、他の情報媒体に適用することも可能である。例えば、この技術は、査証カード、IDカード及びゲームカードなどの各種カードに適用することも可能である。或いは、この技術は、住民基本台帳などの他の個人認証媒体に適用してもよい。
【0104】
図11は、本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図である。図11に示す情報媒体400は、IDカードであり、上で説明した画像表示体200に基づいた画像I1bを含んでいる。よって、この情報媒体400は、改竄が困難である。
【0105】
また、上では、情報媒体としてパスポート及びIDカードなどの個人認証媒体を例示したが、情報媒体100及び400について上述した技術は、個人認証媒体以外の情報媒体に適用することも可能である。即ち、上述した技術は、個人認証以外の目的で利用してもよい。
【0106】
図12は、本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す斜視図である。図12に示す情報媒体500は、プリンタの部品及び自動車の部品などの物品であり、上で説明した画像表示体200に基づいた画像I1bを含んでいる。この画像I1bは、例えば、当該物品を流通させるべき国及び地域の情報を個別に表示する。これにより、例えば、当該物品の不正流通を追跡することが可能となる。
【実施例】
【0107】
図8を参照しながら説明した画像表示体200を、以下のようにして製造した。
まず、ポリカーボネートからなる保護層203の一方の主面に、金属層を含み且つ構造色を表示する顔料を含んだインキを、スクリーン印刷により塗布した。これにより、保護層203の一方の主面上に、第1記録層301を形成した。なお、上記のインキとしては、シクパ社製のOVIを用いた。また、保護層203の厚みは100μmとし、第1記録層301の厚みは10μmとした。
【0108】
次に、ポリカーボネートからなるA層と、エネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成されたポリカーボネートからなるB層(Bayer社製;Makrofol ID 6-2 750061;厚さ100μm)との積層体からなる第2記録層302を準備した。これら各層の厚みは、それぞれ、100μmとした。即ち、第2記録層302の厚みは、200μmとした。
【0109】
続いて、保護層203の一方の主面に設けた第1記録層301と、第2記録層302を構成している上記B層とが互いに向き合うようにして固定し、この状態で、熱融着させた。このようにして、画像表示体200の製造に用いるブランク媒体300を準備した。
【0110】
次いで、このブランク媒体300の一部に、Nd:YAGレーザ(波長=1064nm)を1600mWの強度で照射し、顔画像を描画した。即ち、このレーザ照射により、第2部分P2と第4部分P4とを同時に形成し、表示部DP1と表示部DP2との対比による画像として、顔画像を記録した。
【0111】
このようにして、図8を参照しながら説明した画像表示体200を製造した。
【0112】
この画像表示体200を前面側から観察すると、上記の顔画像が、明瞭に視認できた。即ち、この顔画像は、視認性が高く且つ画質が優れていた。加えて、この画像表示体200のうち表示部DP1に対応した部分は、観察角度の変化に応じて、異なった色の像を表示した。
【0113】
また、この画像表示体200を背面側から観察した場合にも、上記の顔画像を、明瞭に視認することができた。また、この画像表示体200のうち表示部DP1に対応した部分は、背面側から観察した場合においても、観察角度の変化に応じて、異なった色の像を表示した。
【符号の説明】
【0114】
1…折り丁、2…表紙、11…紙片、12…印刷パターン、100…情報媒体、200…画像表示体、201…第1層、201A…ハーフミラー層、201B…スペーサ層、201C…ミラー層、201D…スペーサ層、201E…ハーフミラー層、201a…樹脂層、201b…金属層、202…第2層、202A…第1樹脂層、202B…第2樹脂層、202A’…第3樹脂層、202B’…第4樹脂層、203…保護層、300…ブランク媒体、301…第1記録層、302…第2記録層、400…情報媒体、500…情報媒体、DP1…表示部、DP2…表示部、EB…エネルギービーム、I1a…画像、I1b…画像、I2…画像、I3…画像、P1…第1部分、P2…第2部分、P3…第3部分、P4…第4部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層を含み且つ構造色を呈する第1部分と、前記第1部分と隣り合い且つ前記第1部分と比較して可視光透過率がより高い第2部分とを備えた第1層と、
前記第1部分と向き合い且つ樹脂を含んだ第3部分と、前記第2部分と向き合い且つ前記第3部分と比較して可視光吸収率がより高い第4部分とを備えた第2層と
を具備した画像表示体。
【請求項2】
前記第2部分の前記画像表示体の主面への正射影は、前記第4部分の前記主面への正射影に一致している請求項1に記載の画像表示体。
【請求項3】
前記第2部分は、金属層を含んでいないか、又は、前記第1部分が含んでいる金属層と比較して膜厚がより小さい金属層を含んでいる請求項1又は2に記載の画像表示体。
【請求項4】
前記第2部分は粒子状の金属を含んでいる請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像表示体。
【請求項5】
前記第1層は、金属層を含み且つ構造色を呈する層の一部のみにエネルギービームを照射して、前記照射された部分において前記金属層を破壊することにより得られる請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像表示体。
【請求項6】
前記第3部分は透明である請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像表示体。
【請求項7】
前記樹脂はエネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成されており、前記第4部分は、前記樹脂に前記エネルギービームを照射することにより得られる物質を含んでいる請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像表示体。
【請求項8】
前記画像表示体が表示する前記画像は個人情報を含んでいる請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像表示体。
【請求項9】
個人情報を含んだ画像を表示する基材と、
前記基材に支持された請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像表示体と
を具備した個人認証媒体。
【請求項10】
前記画像表示体が表示する前記画像は第1個人情報を含み、前記基材が表示する前記画像は第2個人情報を含み、前記第1及び第2個人情報は同一人物の情報である請求項9に記載の個人認証媒体。
【請求項11】
金属層を含み且つ構造色を呈する第1記録層と、
樹脂を含み、前記第1記録層と少なくとも部分的に向き合い且つエネルギービームの照射によって可視光吸収率が増大するように構成された第2記録層と
を具備したブランク媒体。
【請求項12】
請求項11に記載のブランク媒体を準備することと、
前記ブランク媒体のうち前記第1記録層と前記第2記録層とが向き合った積層部分の一部のみに前記エネルギービームを照射して、前記積層部分のうち前記エネルギービームを照射した位置において、前記金属層を破壊すると共に前記第2記録層の可視光吸収率を増大させることにより、前記積層部分に画像を記録することと
を含んだ画像表示体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−35449(P2012−35449A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175667(P2010−175667)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】