説明

画像表示端末及びプログラム

【課題】背景画像に対応したグラフを受信した際に、同じ背景画像に対応して適切にグラフを表示する。
【解決手段】他の関数電卓1との間で同一の背景画像を表示可能な関数電卓1は、表示画面内に背景画像を表示する表示部15と、表示画面における背景画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、所定の表示範囲の部分を設定するとともに、他の関数電卓1に当該表示範囲を送信し、当該他の関数電卓1の表示画面における背景画像の表示領域に対し、当該XY座標系のうち、当該表示範囲の部分を設定させるCPU11と、他の関数電卓1から、当該他の関数電卓1において背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信する通信部16とを備える。CPU11は、グラフ式を受信した場合に、当該グラフ式のグラフ図形を背景画像上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影画像を表示する画像表示端末においては、移動物体の撮影画像を背景として表示させつつ、当該移動物体の測定データをグラフ化して描画することにより、グラフの形状と物理的な事象とを関連付けて学習できるようになっている。
【0003】
このような画像表示端末は、近年、授業で使用されるようになっており、生徒が自分の端末にグラフを描画させると、教師の端末でも同じグラフが表示されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−304656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の画像表示端末では、教師,生徒の各端末でXY座標系の表示範囲が異なっていると、生徒の端末で背景画像に対応したグラフを表示していたとしても、教師の端末では背景画像とグラフとが非対応な状態となってしまう。
【0006】
本発明の課題は、背景画像に対応したグラフを受信した際に、同じ背景画像に対応して適切にグラフを表示することのできる画像表示端末及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、他の画像表示端末との間で同一の背景画像を表示可能な画像表示端末において、
表示画面内に前記背景画像を表示する表示手段と、
前記表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、2つの座標軸から定まる座標系のうち、所定の表示範囲の部分を設定する自機座標系設定手段と、
他の画像表示端末に前記所定の表示範囲を送信し、当該他の画像表示端末の表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、当該座標系のうち、当該表示範囲の部分を設定させる他機座標系設定手段と、
他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信するグラフ式受信手段と、
前記グラフ式受信手段が前記グラフ式を受信した場合に、当該グラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させる受信グラフ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、背景画像に対応したグラフを受信した際に、同じ背景画像に対応して適切にグラフを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
[1.関数電卓の構成]
[1−1.外観構成]
図1は、関数電卓1の概略構成を示す概念図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0012】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、削除キー24等を備えている。
【0013】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
【0014】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0015】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後に演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。削除キー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0016】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果、座標軸、グラフなどの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを複数のドットにより表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3では、横方向にX軸、縦方向にY軸が表示され、当該XY軸によりXY座標系が表示されるようになっている。更に、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0017】
[1−2.機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0018】
この図に示すように、関数電卓1は、入力部14と、表示部15と、通信部16と、記録媒体読取部17と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0019】
入力部14は、上述の入力キー群2及びタッチパネル30を備えており、押下されたキーやタッチパネル30の位置に対応する信号をCPU11に出力するようになっている。
【0020】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
【0021】
通信部16は、インターネットに接続可能となっており、これにより、インターネットに接続される外部機器との通信が可能となっている。
記録媒体読取部17は、着脱自在に装着されるUSBメモリ等の外部情報記憶媒体17Aから情報を読み取るものである。
【0022】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。
【0023】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての画像表示プログラム130と、画像フォルダ131と、グラフ関連情報記憶テーブル133とを記憶している。
【0024】
画像表示プログラム130は、後述の画像表示処理(図3〜図4参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0025】
画像フォルダ131には、ディスプレイ3に表示可能な背景画像についての画像データ132が複数含まれている。この画像データ132は、座標系に重ねて表示可能な背景画像についてのデータであり、グラフで近似し得る所定形状(例えば放物線や直線など)を表すようになっている。但し、画像データ132の画像としては、作図された画像など、実際の事象とは異なる画像を用いても良い。また、グラフで近似し得る所定形状は放物線や直線に限られず、他の形状であっても良い。なお、これらの画像データ132は、通信部16を介して受信されるようになっている。
【0026】
グラフ関連情報記憶テーブル133は、後述の画像表示処理(図3〜図4参照)において表示されるグラフ図形に関する情報を、記憶領域の番号(以下、領域番号とする)に対応付けて複数記憶するようになっている。より具体的には、このグラフ関連情報記憶テーブル133は、グラフ図形に関する情報として、ビューウィンドウデータ134と、グラフ式データテーブル135とを対応付けて記憶している。
【0027】
ここで、ビューウィンドウデータ134は、XY座標系の表示態様を示す情報であり、本実施の形態においては、XY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;すなわちXmin,Xmax,Ymin,Ymax)や、各座標軸の目盛間隔(Xscl,Yscl)等となっている。
【0028】
また、グラフ式データテーブル135は、グラフ式データ137と、当該グラフ式データ137が作成された関数電卓1のID情報(本実施の形態においてはユーザ名)と、式番号とを対応付けて1つ以上記憶するようになっている。
【0029】
ここで、グラフ式データ137は、画像データ132の画像によって表される形状に対する近似グラフのデータであり、近似グラフの種別と、グラフ式とを表すようになっている。なお、グラフの種類としては、例えば直線や2次曲線、3次曲線、対数グラフ、指数グラフなどを挙げることができる。
【0030】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0031】
なお、以上の関数電卓1は、授業中に教師,生徒によって複数台でまとめて使用されるようになっている。以下、教師によって使用される関数電卓1を親機の関数電卓1A、生徒によって使用される関数電卓1を子機の関数電卓1Bとして説明を行う。関数電卓1が親機,子機の何れであるかは製品の出荷時に予め設定されることとしても良いし、製品購入後にユーザにより設定されることとしても良い。子機の関数電卓1Bでは、グラフ関連情報記憶テーブル133には、記憶領域が1つのみ設けられる。
【0032】
[2.関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について、図3〜図4を参照しつつ説明する。
図3〜図4は、CPU11が記憶部13から画像表示プログラム130を読み出して実行する画像表示処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0033】
図3に示すように、この画像表示処理においてまずCPU11は、背景画像を付けてグラフ図形を表示させる旨の設定操作が行われるか否かを判定し(ステップS1)、行われないと判定した場合(ステップS1;No)には他の処理へ移行する。
【0034】
また、ステップS1において背景画像を付けてグラフ図形を表示させる旨の設定操作が行われたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて画像フォルダ131における何れかの画像データ132を指定画像データ132Sとして指定するとともに、グラフ関連情報記憶テーブル133における何れかの領域番号を指定領域番号として指定し、当該指定領域番号のビューウィンドウデータ134を指定ビューウィンドウデータ134Sとして指定する(ステップS2)。
【0035】
次に、CPU11は、ディスプレイ3に指定画像データ132Sの画像を表示させるとともに、当該画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分を重ねて設定する(ステップS3)。なお、このときCPU11は、自機が親機の関数電卓1Aである場合には、子機の関数電卓1Bのディスプレイ3に対しても同じ指定画像データ132Sの画像を表示させるとともに、当該画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分を重ねて設定させる。
【0036】
次に、CPU11は、指定ビューウィンドウデータ134Sを修正する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS4)、行われたと判定した場合(ステップS4;Yes)には、指定ビューウィンドウデータ134Sの内容をディスプレイ3に表示させる(ステップS5)。
【0037】
次に、CPU11は、ユーザ操作に基づいて、指定ビューウィンドウデータ134Sの内容を変更する(ステップS6)。
【0038】
次に、CPU11は、指定ビューウィンドウデータ134Sの修正が完了した旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS7)、行われないと判定した場合(ステップS7;No)にはステップS5に移行する。
【0039】
また、ステップS7において指定ビューウィンドウデータ134Sの修正が完了した旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS7;Yes)には、CPU11は、自機が親機の関数電卓1Aであるか否かを判定する(ステップS8)。
【0040】
このステップS8において自機が親機の関数電卓1Aでないと判定した場合、つまり子機の関数電卓1Bであると判定した場合(ステップS8;No)には、CPU11は、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sをグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶させてグラフ関連情報記憶テーブル133内の情報を更新し(ステップS9)、ステップS4に移行する。より具体的には、このステップS9においてCPU11は、領域番号「1」(関数電卓1Bでの指定領域番号)に対応付けて、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sを記憶させる。
【0041】
また、ステップS8において自機が親機の関数電卓1Aであると判定した場合(ステップS8;Yes)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133において指定領域番号に対しグラフ式データ137が記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。
【0042】
このステップS11において指定領域番号に対しグラフ式データ137が記憶されていないと判定した場合(ステップS11;No)には、CPU11は、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sをグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶させてグラフ関連情報記憶テーブル133内の情報を更新し(ステップS12)、ステップS4に移行する。より具体的には、このステップS12においてCPU11は、指定領域番号に対応付けて、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sを記憶させる。
【0043】
また、ステップS11において指定領域番号に対しグラフ式データ137が記憶されていると判定した場合(ステップS11;Yes)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における別の新たな領域番号に対応付けて指定ビューウィンドウデータ134Sを記憶させる旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS13)。
【0044】
このステップS13において別の新たな領域番号に対応付けて指定ビューウィンドウデータ134Sを記憶させる旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS13;No)には、CPU11は、上述のステップS12に移行する。
【0045】
また、ステップS13において別の新たな領域番号に対応付けて指定ビューウィンドウデータ134Sを記憶させる旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS13;Yes)には、CPU11は、別の新たな領域番号に対応付けて修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sをグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶させ(ステップS14)、上述のステップS4に移行する。
【0046】
また、ステップS4において指定ビューウィンドウデータ134Sを修正する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS4;No)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS21)。
【0047】
このステップS21においてグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS21;Yes)には、CPU11は、自機が親機の関数電卓1Aであるか否かを判定する(ステップS22)。
【0048】
このステップS22において自機が親機の関数電卓1Aでないと判定した場合、つまり子機の関数電卓1Bであると判定した場合(ステップS22;No)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」(関数電卓1Bでの指定領域番号)のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137を読み出して、グラフ式データ137で表されるグラフ式を式番号と対応付けてディスプレイ3に一覧表示させた後(ステップS23)、後述のステップS26に移行する。なお、このステップS23においてCPU11は、式番号に対応するグラフ式データ137が存在しない場合には、グラフ式の表示領域を空欄にして式番号のみを表示させる。
【0049】
また、ステップS22において自機が親機の関数電卓1Aであると判定した場合(ステップS22;No)には、CPU11は、指定領域番号をディスプレイ3に表示させる(ステップS24)。
【0050】
次に、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における指定領域番号のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137及びユーザ名を読み出して、グラフ式データ137で表されるグラフ式を式番号及びユーザ名と対応付けてディスプレイ3に一覧表示させる(ステップS25)。なお、このステップS25においてCPU11は、式番号に対応するグラフ式データ137が存在しない場合には、グラフ式の表示領域を空欄にして式番号のみを表示させる。
【0051】
次に、CPU11は、ユーザ操作に基づいて何れかの式番号を指定し、その式番号のグラフ式を入力または修正する(ステップS26)。
【0052】
次に、CPU11は、グラフ式の入力・修正が完了した旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS27)、行われないと判定した場合(ステップS27;No)にはステップS26に移行する一方、行われたと判定した場合(ステップS27;Yes)にはステップS4に移行する。
【0053】
また、上述のステップS21においてグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS21;No)には、図4に示すように、CPU11は、グラフ図形を表示させる旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS31)。
【0054】
このステップS31においてグラフ図形を表示させる旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU11は、自機が親機の関数電卓1Aであるか否かを判定する(ステップS32)。
【0055】
このステップS32において自機が親機の関数電卓1Aでないと判定した場合、つまり子機の関数電卓1Bであると判定した場合(ステップS32;No)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」(関数電卓1Bでの指定領域番号)のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137を読み出して、そのグラフ図形を指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示させる(ステップS33)。なお、このときCPU11は、領域番号「1」のグラフ式データテーブル135にグラフ式データ137が複数ある場合には、各グラフ図形を別々の色で表示させる。
【0056】
次に、CPU11は、グラフ図形のトレース表示を行う旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS34)。
【0057】
このステップS34においてグラフ図形のトレース表示を行う旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS34;No)には、CPU11は、グラフ図形の表示を終了する旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS35)。
【0058】
そして、このステップS35においてグラフ図形の表示を終了する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS35;No)には、CPU11は、上述のステップS32に移行し、行われたと判定した場合(ステップS35;Yes)には上述のステップS4に移行する。
【0059】
また、ステップS34においてグラフ図形のトレース表示を行う旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS34;Yes)には、CPU11は、表示されている何れかのグラフ図形をユーザ操作に基づき指定し、当該指定グラフ図形と同じ色で、当該指定グラフ図形のグラフ式をディスプレイ3に表示させる(ステップS41)。
【0060】
次に、CPU11は、指定グラフ図形上にトレースポインタP(図9(c)参照)を表示させ、その座標値をディスプレイ3に表示させる(ステップS42)。
【0061】
次に、CPU11は、カーソルキー22の左右キーが操作されるか否かを判定し(ステップS43)、操作されたと判定した場合(ステップS43;Yes)には、カーソルキー22で指定される方向に指定グラフ上でトレースポインタPを移動させ(ステップS44)、上述のステップS42に移行する。
【0062】
また、ステップS43においてカーソルキー22の左右キーが操作されないと判定した場合(ステップS43;No)には、CPU11は、カーソルキー22の上下キーが操作されるか否かを判定する(ステップS45)。
【0063】
このステップS45においてカーソルキー22の上下キーが操作されたと判定した場合(ステップS45;Yes)には、CPU11は、カーソルキー22で指定される方向に指定グラフ図形を切り替え(ステップS46)、上述のステップS41に移行する。
【0064】
また、ステップS45においてカーソルキー22の上下キーが操作されないと判定した場合(ステップS45;No)には、CPU11は、トレース表示を終了する旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS47)。
【0065】
このステップS47においてトレース表示を終了する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS47;No)には、CPU11は、上述のステップS42に移行する一方、行われたと判定した場合(ステップS47;Yes)には、上述のステップS35に移行する。
【0066】
また、上述のステップS32において自機が親機の関数電卓1Aであると判定した場合(ステップS32;Yes)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133の領域番号を指定する操作が行われるか否かを判定する(ステップS51)。
【0067】
このステップS51においてグラフ関連情報記憶テーブル133の領域番号を指定する操作が行われたと判定した場合(ステップS51;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて指定された指定領域番号をディスプレイ3に表示させた後(ステップS52)、後述のステップS54に移行する。
【0068】
また、ステップS51においてグラフ関連情報記憶テーブル133の領域番号を指定する操作が行われないと判定した場合(ステップS51;No)には、CPU11は、現時点で既に指定されている指定領域番号をディスプレイ3に表示させる(ステップS53)。
【0069】
次に、CPU11は、指定領域番号のビューウィンドウデータ134で表されるXY座標系の表示範囲の部分を、指定画像データ132Sの画像の表示領域に重ねて設定する(ステップS54)。なお、このときCPU11は、自機が親機の関数電卓1Aである場合には、子機の関数電卓1Bにおける背景画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分を重ねて設定させる。
【0070】
次に、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における指定領域番号のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137を読み出して、そのグラフ図形を指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示させる(ステップS55)。なお、このときCPU11は、指定領域番号のグラフ式データテーブル135にグラフ式データ137が複数ある場合には、各グラフ図形を別々の色で表示させる。
【0071】
次に、CPU11は、各グラフ図形と同じ色で、当該グラフ図形のグラフ式と、そのグラフ式データ137に対応付けられたユーザ名とを対応付けて表示させる(ステップS56)。
【0072】
次に、CPU11は、グラフ図形のトレース表示を行う旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS61)。
【0073】
このステップS61においてグラフ図形のトレース表示を行う旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS61;No)には、CPU11は、上述のステップS35に移行する。
【0074】
また、ステップS61においてグラフ図形のトレース表示を行う旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS61;Yes)には、CPU11は、表示されている何れかのグラフ図形をユーザ操作に基づき指定し、指定グラフ図形上にトレースポインタPを表示させ、その座標値をディスプレイ3に表示させる(ステップS63)。
【0075】
次に、CPU11は、カーソルキー22の左右キーが操作されるか否かを判定し(ステップS64)、操作されたと判定した場合(ステップS64;Yes)には、カーソルキー22で指定される方向に指定グラフ上でトレースポインタPを移動させ(ステップS65)、上述のステップS63に移行する。
【0076】
また、ステップS64においてカーソルキー22の左右キーが操作されないと判定した場合(ステップS64;No)には、CPU11は、カーソルキー22の上下キーが操作されるか否かを判定する(ステップS66)。
【0077】
このステップS66においてカーソルキー22の上下キーが操作されたと判定した場合(ステップS66;Yes)には、CPU11は、カーソルキー22で指定される方向に指定グラフ図形を切り替え(ステップS67)、上述のステップS63に移行する。
【0078】
また、ステップS66においてカーソルキー22の上下キーが操作されないと判定した場合(ステップS66;No)には、CPU11は、トレース表示を終了する旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS68)。
【0079】
このステップS68においてトレース表示を終了する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS68;No)には、CPU11は、上述のステップS63に移行する一方、行われたと判定した場合(ステップS68;Yes)には、上述のステップS35に移行する。
【0080】
また、上述のステップS31においてグラフ図形を表示させる旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS31;No)には、図5に示すように、CPU11は、自機が子機の関数電卓1Bであり、かつ、グラフ式データ137を送信する旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS71)。
【0081】
このステップS71において自機が子機の関数電卓1Bであり、かつ、グラフ式データ137を送信する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS71;Yes)には、CPU11は、自機の関数電卓1のユーザ名と、領域番号「1」(関数電卓1Bでの指定領域番号)に対応付けられたグラフ式データテーブル135の各グラフ式データ137と、その式番号と、ビューウィンドウデータ134とを通信部16から親機の関数電卓1Aに送信する(ステップS72)。
【0082】
次に、CPU11は、親機の関数電卓1Aから、自機と同じ式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を受信したか否かを判定する(ステップS73、後述のステップS88参照)。
【0083】
このステップS73において親機の関数電卓1Aから自機と同じ式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を受信したと判定した場合(ステップS73;Yes)には、CPU11は、その式番号をディスプレイ3に表示させるとともに、当該式番号で親機の関数電卓1Aにグラフ式データ137が記憶された旨を表示させ(ステップS74)、上述のステップS4に移行する。
【0084】
また、ステップS73において親機の関数電卓1Aから自機と同じ式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を受信しないと判定した場合(ステップS73;No)には、CPU11は、親機の関数電卓1Aから、自機と異なる式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を受信したか否かを判定する(ステップS75)。
【0085】
このステップS75において親機の関数電卓1Aから、自機と異なる式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を受信しないと判定した場合(ステップS75;No)には、CPU11は、その旨のエラー処理を行う。
【0086】
また、ステップS75において親機の関数電卓1Aから、自機と異なる式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を受信したと判定した場合(ステップS75;Yes)には、CPU11は、親機の関数電卓1Aにおいて当該グラフ式データ137に対応付けられた式番号を検出し、その式番号を自機のグラフ式データテーブル135における当該グラフ式データ137の式番号とする(ステップS76)。
【0087】
次に、CPU11は、新たな式番号をディスプレイ3に表示させるとともに、当該式番号で親機の関数電卓1Aと、自機の関数電卓1とにグラフ式データ137が記憶された旨を表示させ(ステップS77)、上述のステップS4に移行する。
【0088】
また、ステップS71において自機が子機の関数電卓1Bでないか、或いは、自機が子機の関数電卓1Bであり、かつグラフ式データ137を送信する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS71;No)には、CPU11は、自機が親機の関数電卓1Aであり、かつ、グラフ式データ137を受信したか否かを判定する(ステップS81)。
【0089】
このステップS81において自機が親機の関数電卓1Aでないか、或いは、自機が親機の関数電卓1Aであり、かつグラフ式データ137を受信していないと判定した場合(ステップS81;No)には、CPU11は、他の処理へ移行する。
【0090】
また、ステップS81において自機が親機の関数電卓1Aであり、かつ、グラフ式データ137を受信したと判定した場合(ステップS81;Yes)には、CPU11は、通信部16を介して送信元の関数電卓1のユーザ名と、グラフ式データ137と、その式番号と、ビューウィンドウデータ134とを受信する(ステップS82)。
【0091】
次に、CPU11は、他の関数電卓1から受信したビューウィンドウデータ134(以下、他機ビューウィンドウデータ134Tとする)の内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致するか否かを判定する(ステップS83)。
【0092】
このステップS83において他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致しないと判定した場合(ステップS83;No)には、CPU11は、他機ビューウィンドウデータ134Tが自機のグラフ関連情報記憶テーブル133における何れかのビューウィンドウデータ134と内容が一致するか否かを判定する(ステップS84)。
【0093】
このステップS84において他機ビューウィンドウデータ134Tが自機のグラフ関連情報記憶テーブル133における何れかのビューウィンドウデータ134と内容が一致すると判定した場合(ステップS84;Yes)には、CPU11は、他機ビューウィンドウデータ134Tと一致するビューウィンドウデータ134の領域番号を指定領域番号に設定し(ステップS85)、後述のステップS87に移行する。
【0094】
また、ステップS84において他機ビューウィンドウデータ134Tが自機のグラフ関連情報記憶テーブル133における何れのビューウィンドウデータ134とも内容が一致しないと判定した場合(ステップS84;No)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における未使用の何れかの領域番号を指定領域番号に設定した後(ステップS86)、後述のステップS87に移行する。
【0095】
また、上述のステップS83において他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致すると判定した場合(ステップS83;Yes)には、CPU11は、グラフ関連情報記憶テーブル133における指定領域番号のグラフ式データテーブル135を参照し、他の関数電卓1から受信した式番号に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いているか否かを判定する(ステップS87)。
【0096】
このステップS87において他の関数電卓1から受信した式番号に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いていると判定した場合(ステップS87;Yes)には、CPU11は、受信したグラフ式データ137及びユーザ名を対応付けて当該記憶領域(指定領域番号のグラフ式データテーブル135における当該式番号の記憶領域)に記憶させるとともに、子機と同じ式番号でグラフ式データ137を記憶した旨を、ステップS82での送信元の関数電卓1に送信し(ステップS88)、上述のステップS4に移行する。
【0097】
また、このステップS87において他の関数電卓1から受信した式番号に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いていないと判定した場合(ステップS87;No)には、CPU11は、指定領域番号のグラフ式データテーブル135における各式番号のうち、未使用の記憶領域に対応する式番号を検出し、受信したグラフ式データ137及びユーザ名を対応付けて当該記憶領域に記憶させるとともに、子機と異なる式番号でグラフ式データ137を記憶した旨をステップS82での送信元の関数電卓1に送信し(ステップS89)、上述のステップS4に移行する。
【0098】
[3.動作例]
続いて、図6〜図10を参照しつつ、上述の動作を具体的に説明する。なお、これらの図では、関数電卓Aの親機,子機の区別を容易化するよう、自機が親機,子機の何れであるかを表示領域の右上部分に示しているが、この表記は表示されなくても良い。
【0099】
(動作例(1))
まず、親機の関数電卓1Aにおいて背景画像を付けてグラフ図形を表示させる旨の設定操作をユーザ(教師)が行い(ステップS1;Yes)、画像フォルダ131における何れかの画像データ132を指定画像データ132Sとして指定するとともに、グラフ関連情報記憶テーブル133における何れかの領域番号を指定領域番号として指定し、当該指定領域番号のビューウィンドウデータ134を指定ビューウィンドウデータ134Sとして指定すると(ステップS2)、図6(a)に示すように、ディスプレイ3に指定画像データ132Sの背景画像が表示されるとともに、当該画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分が重ねて設定される(ステップS3)。また、図6(b)に示すように、このとき子機の関数電卓1Bのディスプレイ3においても同じ指定画像データ132Sの背景画像が表示されるとともに、当該画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分が重ねて設定される。
【0100】
次に、子機の関数電卓1Bにおいてユーザ(生徒:「Ken」)がグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作を行うと(ステップS21;Yes、ステップS22;No)、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135から、各式番号に対応付けられたグラフ式データ137が読み出されて、グラフ式データ137で表されるグラフ式が式番号と対応付けて当該関数電卓1Bのディスプレイ3に一覧表示される(ステップS23)。
【0101】
次に、ユーザ(生徒:「Ken」)が式番号「1」を指定し、その式番号のグラフ式「Y1=−0.3x」を入力し(ステップS26、ステップS27;Yes)、グラフ図形を表示させる旨の操作を行うと(ステップS31;Yes、ステップS32;No)、図6(c)に示すように、当該関数電卓1Bにおいてグラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137が読み出され、そのグラフ図形が指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、このとき「Ken」の関数電卓1Bにおいては、グラフ式データテーブル135にグラフ式「Y1=−0.3x」のグラフ式データ137のみが記憶されている。また、本動作例において、例えばグラフ式「Y1=…」における「Y」の添え字部分「1」は、このグラフ式の式番号を表している。
【0102】
次に、ユーザ(生徒:「Ken」)が関数電卓1Bでグラフ式データ137を送信する旨の操作を行うと(ステップS71;Yes)、当該関数電卓1Bのユーザ名「Ken」と、領域番号「1」に対応付けられたグラフ式データテーブル135の各グラフ式データ137「Y1=−0.3x」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とが親機の関数電卓1Aに送信され、図6(c)に示すように、親機に式1が送信された旨のメッセージM1が表示される(ステップS72)。
【0103】
一方、親機の関数電卓1Aでは、グラフ式データ137を受信したと判定され(ステップS81;Yes)、送信元の関数電卓1Bのユーザ名「Ken」と、グラフ式データ137「Y1=−0.3x」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とを受信する(ステップS82)。次に、「Ken」の関数電卓1Bから受信した他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致すると判定された後(ステップS83;Yes)、「Ken」の関数電卓1から受信した式番号「1」に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いていると判定され(ステップS87;Yes)、受信したグラフ式データ137「Y1=−0.3x」及びユーザ名「Ken」が対応付けられて、指定領域番号「1」のグラフ式データテーブル135における式番号「1」の記憶領域に記憶されるとともに、子機と同じ式番号「1」でグラフ式データ137を記憶した旨が「Ken」の関数電卓1Bに送信される(ステップS88)。なお、本動作例においては、このとき親機の関数電卓1Aでは、「Ken」から「Y1=−0.3x」を受信した旨がディスプレイ3に所定時間だけ表示された後、図6(d)に示すように、受信したユーザ名「Ken」と、グラフ式「Y1=−0.3x」と、そのグラフ図形とが表示される。
【0104】
次に、「Ken」の関数電卓1Bにおいては、親機の関数電卓1Aから自機と同じ式番号「1」でグラフ式データ137「Y1=−0.3x」を記憶した旨が受信され(ステップS73;Yes)、図6(c)に示すように、式番号「1」で親機の関数電卓1Aにグラフ式データ137が記憶された旨のメッセージM2が表示される(ステップS74)。
【0105】
次に、子機の関数電卓1Bにおいてユーザ(生徒:「John」)がグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作を行うと(ステップS21;Yes、ステップS22;No)、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137が読み出されて、グラフ式データ137で表されるグラフ式が式番号と対応付けて当該関数電卓1Bのディスプレイ3に一覧表示される(ステップS23)。
【0106】
次に、ユーザ(生徒:「John」)が式番号「1」を指定し、その式番号のグラフ式「Y1=−0.2x」を入力し(ステップS26、ステップS27;Yes)、グラフ図形を表示させる旨の操作を行うと(ステップS31;Yes、ステップS32;No)、図7(a)に示すように、当該関数電卓1Bにおいてグラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137が読み出され、そのグラフ図形が指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、このとき「John」の関数電卓1Bにおいては、グラフ式データテーブル135にグラフ式「Y1=−0.2x」のグラフ式データ137のみが記憶されている。
【0107】
次に、ユーザ(生徒:「John」)が関数電卓1Bでグラフ式データ137を送信する旨の操作を行うと(ステップS71;Yes)、当該関数電卓1Bのユーザ名「John」と、領域番号「1」に対応付けられたグラフ式データテーブル135の各グラフ式データ137「Y1=−0.2x」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とが親機の関数電卓1Aに送信され、図7(a)に示すように、親機に式1が送信された旨のメッセージM3が表示される(ステップS72)。
【0108】
一方、親機の関数電卓1Aでは、グラフ式データ137を受信したと判定され(ステップS81;Yes)、送信元の関数電卓1Bのユーザ名「John」と、グラフ式データ137「Y1=−0.2x」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とを受信する(ステップS82)。次に、「John」の関数電卓1Bから受信した他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致すると判定された後(ステップS83;Yes)、「John」の関数電卓1から受信した式番号「1」に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いてないと判定され(ステップS87;No)、指定領域番号「1」のグラフ式データテーブル135における各式番号のうち、未使用の記憶領域に対応する式番号「2」が検出され、当該記憶領域にグラフ式データ137「Y2=−0.2x」及びユーザ名「John」が対応付けられて記憶されるとともに、子機と異なる式番号「2」でグラフ式データ137を記憶した旨が「John」の関数電卓1Bに送信される(ステップS89)。なお、本動作例においては、このとき親機の関数電卓1Aでは、「John」から「Y1=−0.2x」を受信した旨と、このグラフ式が式番号「2」で記憶された旨とがディスプレイ3に所定時間だけ表示された後、図7(b)に示すように、受信したユーザ名「John」と、グラフ式「Y1=−0.2x」と、そのグラフ図形とが追加表示される。
【0109】
次に、「John」の関数電卓1Bにおいては、親機の関数電卓1Aから、自機と異なる式番号「2」でグラフ式データ137「Y1=−0.2x」を記憶した旨が受信された後(ステップS75;Yes)、親機の関数電卓1Aにおいて当該グラフ式データ137に対応付けられた式番号「2」が検出され、その式番号「2」が自機のグラフ式データテーブル135における当該グラフ式データ137「Y1=−0.2x」の式番号とされる(ステップS76)。そして、図7(c)に示すように、新たな式番号「2」でグラフ式データ137が親機の関数電卓1Aに登録された旨のメッセージM4と、自機の関数電卓1Bで当該グラフ式データ137の式番号が「1」から「2」に変更された旨のメッセージM5とが表示される(ステップS77)。
【0110】
次に、親機の関数電卓1Aにおいてグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作をユーザ(教師)が行うと(ステップS21;Yes、ステップS22;No)、図7(d)に示すように、指定領域番号「1」がディスプレイ3に表示されるとともに(ステップS24)、グラフ関連情報記憶テーブル133における指定領域番号「1」のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137及びユーザ名が読み出されて、グラフ式データ137で表されるグラフ式が式番号及びユーザ名と対応付けられてディスプレイ3に一覧表示される(ステップS25)。
【0111】
次に、指定ビューウィンドウデータ134Sを修正する旨の操作をユーザ(教師)が行い(ステップS4;Yes)、指定ビューウィンドウデータ134Sの内容を変更すると(ステップS6)、グラフ関連情報記憶テーブル133において指定領域番号「1」に対しグラフ式データ137「Y1=−0.3x」,「Y1=−0.2x」が記憶されていると判定される(ステップS11;Yes)。そして、ユーザ(教師)が別の新たな領域番号「2」に対応付けて指定ビューウィンドウデータ134Sを記憶させる旨の操作を行うと(ステップS13;Yes)、領域番号「2」に対応付けて修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sがグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶される(ステップS14)。
【0112】
なお、本動作例においては、このとき親機の関数電卓1では、図8(a)に示すように、ディスプレイ3に指定画像データ132Sの背景画像が表示されるとともに、当該画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分が重ねて設定される。
また、このとき子機の関数電卓1Bでは、領域番号「1」に対応付けて修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sがグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されるとともに、図8(b)に示すように、指定画像データ132Sの背景画像が表示され、当該画像の表示領域に対し、XY座標系のうち、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sで表されるXY座標系の表示範囲の部分が重ねて設定される。
【0113】
次に、子機の関数電卓1Bにおいてユーザ(生徒:「John」)がグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作を行うと(ステップS21;Yes、ステップS22;No)、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137が読み出されて、グラフ式データ137で表されるグラフ式が式番号と対応付けて当該関数電卓1Bのディスプレイ3に一覧表示される(ステップS23)。
【0114】
次に、ユーザ(生徒:「John」)が式番号「2」を指定し、その式番号のグラフ式「Y2=−0.2(x−3)+2」を入力し(ステップS26、ステップS27;Yes)、グラフ図形を表示させる旨の操作を行うと(ステップS31;Yes、ステップS32;No)、図8(c)に示すように、当該関数電卓1Bにおいてグラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137が読み出され、そのグラフ図形が指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、このとき「John」の関数電卓1Bにおいては、グラフ式データテーブル135にグラフ式「Y2=−0.2(x−3)+2」のグラフ式データ137のみが記憶されている。
【0115】
次に、ユーザ(生徒:「John」)が関数電卓1Bでグラフ式データ137を送信する旨の操作を行うと(ステップS71;Yes)、当該関数電卓1Bのユーザ名「John」と、領域番号「1」に対応付けられたグラフ式データテーブル135の各グラフ式データ137「Y2=−0.2(x−3)+2」と、その式番号「2」と、ビューウィンドウデータ134とが親機の関数電卓1Aに送信され、図8(c)に示すように、親機に式番号「2」のグラフ式データ137が送信された旨のメッセージM7が表示される(ステップS72)。
【0116】
一方、親機の関数電卓1Aでは、グラフ式データ137を受信したと判定され(ステップS81;Yes)、送信元の関数電卓1Bのユーザ名「John」と、グラフ式データ137「Y2=−0.2(x−3)+2」と、その式番号「2」と、ビューウィンドウデータ134とを受信する(ステップS82)。次に、「John」の関数電卓1Bから受信した他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致すると判定された後(ステップS83;Yes)、「John」の関数電卓1から受信した式番号「2」に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いていると判定され(ステップS87;Yes)、受信したグラフ式データ137「Y2=−0.2(x−3)+2」及びユーザ名「John」が対応付けられて、指定領域番号「2」のグラフ式データテーブル135における式番号「2」の記憶領域に記憶されるとともに、子機と同じ式番号「2」でグラフ式データ137を記憶した旨が「John」の関数電卓1Bに送信される(ステップS88)。なお、本動作例においては、このとき親機の関数電卓1Aでは、「John」から「Y2=−0.2(x−3)+2」を受信した旨がディスプレイ3に所定時間だけ表示された後、図8(d)に示すように、「John」から式番号「2」のグラフ式データ137を受信して式番号「2」に記憶した旨のメッセージM6と、そのグラフ式「Y2=−0.2(x−3)+2」と、そのグラフ図形とがディスプレイ3に表示される。
【0117】
次に、「John」の関数電卓1Bにおいては、親機の関数電卓1Aから自機と同じ式番号「2」でグラフ式データ137「Y2=−0.2(x−3)+2」を記憶した旨が受信され(ステップS73;Yes)、図8(c)に示すように、式番号「2」で親機の関数電卓1Aにグラフ式データ137が記憶された旨のメッセージM8が表示される(ステップS74)。
【0118】
次に、子機の関数電卓1Bにおいてユーザ(生徒:「Ken」)がグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作を行うと(ステップS21;Yes、ステップS22;No)、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137が読み出されて、グラフ式データ137で表されるグラフ式が式番号と対応付けて当該関数電卓1Bのディスプレイ3に一覧表示される(ステップS23)。
【0119】
次に、ユーザ(生徒:「Ken」)が式番号「1」を指定し、その式番号のグラフ式「Y1=−0.15(x−3)+3」を入力し(ステップS26、ステップS27;Yes)、グラフ図形を表示させる旨の操作を行うと(ステップS31;Yes、ステップS32;No)、図9(a)に示すように、当該関数電卓1Bにおいてグラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137が読み出され、そのグラフ図形が指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、このとき「Ken」の関数電卓1Bにおいては、グラフ式データテーブル135にグラフ式「Y1=−0.15(x−3)+3」のグラフ式データ137のみが記憶されている。
【0120】
次に、ユーザ(生徒:「Ken」)が関数電卓1Bでグラフ式データ137を送信する旨の操作を行うと(ステップS71;Yes)、当該関数電卓1Bのユーザ名「Ken」と、領域番号「1」に対応付けられたグラフ式データテーブル135の各グラフ式データ137「Y1=−0.15(x−3)+3」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とが親機の関数電卓1Aに送信され、図9(a)に示すように、親機に式1が送信された旨のメッセージM10が表示される(ステップS72)。
【0121】
一方、親機の関数電卓1Aでは、グラフ式データ137を受信したと判定され(ステップS81;Yes)、送信元の関数電卓1Bのユーザ名「Ken」と、グラフ式データ137「Y1=−0.15(x−3)+3」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とを受信する(ステップS82)。次に、「Ken」の関数電卓1Bから受信した他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致すると判定された後(ステップS83;Yes)、「Ken」の関数電卓1から受信した式番号「1」に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いていると判定され(ステップS87;Yes)、受信したグラフ式データ137「Y1=−0.15(x−3)+3」及びユーザ名「Ken」が対応付けられて、指定領域番号「2」のグラフ式データテーブル135における式番号「1」の記憶領域に記憶されるとともに、子機と同じ式番号「1」でグラフ式データ137を記憶した旨が「Ken」の関数電卓1Bに送信される(ステップS88)。なお、本動作例においては、このとき親機の関数電卓1Aでは、図9(b)に示すように、「Ken」から「Y1=−0.15(x−3)+3」を受信し、このグラフ式が式番号「1」で記憶された旨のメッセージM9がディスプレイ3に所定時間だけ表示された後、受信したユーザ名「Ken」と、グラフ式「Y1=−0.15(x−3)+3」と、そのグラフ図形とがディスプレイ3に追加表示される。
【0122】
次に、「Ken」の関数電卓1Bにおいては、親機の関数電卓1Aから自機と同じ式番号「1」でグラフ式データ137「Y1=−0.15(x−3)+3」を記憶した旨が受信され(ステップS73;Yes)、図9(a)に示すように、式番号「1」で親機の関数電卓1Aにグラフ式データ137が記憶された旨のメッセージM11が表示される(ステップS74)。
【0123】
次に、親機の関数電卓1Aにおいてグラフ図形を表示させる旨の操作をユーザ(教師)が行い(ステップS31;Yes、ステップS32;Yes)、グラフ関連情報記憶テーブル133の領域番号を指定する操作を行わないと(ステップS51;No)、図9(c)に示すように、現時点で既に指定されている指定領域番号「2」がディスプレイ3に表示される(ステップS53)。また、指定領域番号「2」のビューウィンドウデータ134で表されるXY座標系の表示範囲の部分が、指定画像データ132Sの背景画像の表示領域に重ねて設定される(ステップS54)。なお、このとき子機の関数電卓1Bにおいても、同じビューウィンドウデータ134で表されるXY座標系の表示範囲の部分が、指定画像データ132Sの背景画像の表示領域に重ねて設定される。
【0124】
次に、グラフ関連情報記憶テーブル133における指定領域番号「2」のグラフ式データテーブル135から各グラフ式データ137「Y1=−0.15(x−3)+3」,「Y2=−0.2(x−3)+2」が読み出されて、そのグラフ図形が別々の色で指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示される(ステップS55)。また、各グラフ図形と同じ色で、当該グラフ図形のグラフ式と、そのグラフ式データ137に対応付けられたユーザ名とが対応付けて表示される(ステップS56)。
【0125】
次に、グラフ図形のトレース表示を行う旨の操作をユーザ(教師)が行い(ステップS61;Yes)、グラフ式「Y1=−0.15(x−3)+3」のグラフ図形を指定すると、指定グラフ図形上にトレースポインタPが表示され、その座標値がディスプレイ3に表示される(ステップS63)。
【0126】
次に、ユーザ(教師)がカーソルキー22の上下キーを操作すると(ステップS66;Yes)、図10(a)に示すように、カーソルキー22で指定される方向に指定グラフ図形が切り替えられ(ステップS67)、指定グラフ図形(グラフ式:「Y2=−0.2(x−3)+2」)上にトレースポインタPが表示され、その座標値がディスプレイ3に表示される(ステップS63)。
【0127】
次に、子機の関数電卓1Bにおいてユーザ(生徒:「Bob」)が指定ビューウィンドウデータ134Sを修正する旨の操作を行うと(ステップS4;Yes)、指定ビューウィンドウデータ134Sの内容がディスプレイ3に表示される(ステップS5)。
【0128】
次に、ユーザ(生徒:「Bob」)が関数電卓1Bで指定ビューウィンドウデータ134Sの内容を変更すると(ステップS6、ステップS8;No)、修正後の指定ビューウィンドウデータ134Sがグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されてグラフ関連情報記憶テーブル133内の情報が更新される(ステップS9)。
【0129】
次に、ユーザ(生徒:「Bob」)が関数電卓1Bでグラフ関連情報記憶テーブル133に記憶されたグラフ式を一覧表示させる旨の操作を行うと(ステップS21;Yes、ステップS22;No)、グラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135から各式番号に対応付けられたグラフ式データ137が読み出されて、グラフ式データ137で表されるグラフ式が式番号と対応付けて当該関数電卓1Bのディスプレイ3に一覧表示される(ステップS23)。
【0130】
次に、ユーザ(生徒:「Bob」)が式番号「1」を指定し、その式番号のグラフ式「Y1=−0.1(x−3.5)+4」を入力し(ステップS26、ステップS27;Yes)、グラフ図形を表示させる旨の操作を行うと(ステップS31;Yes、ステップS32;No)、図10(b)に示すように、当該関数電卓1Bにおいてグラフ関連情報記憶テーブル133における領域番号「1」のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137が読み出され、そのグラフ図形が指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、このとき「Bob」の関数電卓1Bにおいては、グラフ式データテーブル135にグラフ式「Y1=−0.1(x−3.5)+4」のグラフ式データ137のみが記憶されている。
【0131】
次に、ユーザ(生徒:「Bob」)が関数電卓1Bでグラフ式データ137を送信する旨の操作を行うと(ステップS71;Yes)、当該関数電卓1Bのユーザ名「Bob」と、領域番号「1」に対応付けられたグラフ式データテーブル135の各グラフ式データ137「Y1=−0.1(x−3.5)+4」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とが親機の関数電卓1Aに送信される(ステップS72)。
【0132】
一方、親機の関数電卓1Aでは、グラフ式データ137を受信したと判定され(ステップS81;Yes)、送信元の関数電卓1Bのユーザ名「Bob」と、グラフ式データ137「Y1=−0.1(x−3.5)+4」と、その式番号「1」と、ビューウィンドウデータ134とを受信する(ステップS82)。次に、「Bob」の関数電卓1Bから受信した他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致しないと判定される(ステップS83;No)。なお、本動作例においては、図10(c)に示すように、このとき関数電卓1Aのディスプレイ3には、関数電卓1Bから受信した他機ビューウィンドウデータ134Tの内容が現時点での指定ビューウィンドウデータ134Sの内容と一致しない旨と、当該他機ビューウィンドウデータ134Tを取り込むか否かを質問する旨とがディスプレイ3に表示される。
【0133】
次に、他機ビューウィンドウデータ134Tを取り込む旨の操作をユーザ(教師)が行うと、他機ビューウィンドウデータ134Tが自機のグラフ関連情報記憶テーブル133における何れのビューウィンドウデータ134とも内容が一致しないと判定される(ステップS84;No)。なお、本動作例においては、図10(d)に示すように、このとき関数電卓1Aのディスプレイ3には、他機ビューウィンドウデータ134Tが自機のグラフ関連情報記憶テーブル133における何れのビューウィンドウデータ134とも内容が一致しない旨がディスプレイ3に表示される。
【0134】
次に、グラフ関連情報記憶テーブル133における未使用の領域番号「3」が指定領域番号に設定された後(ステップS86)、「Bob」の関数電卓1から受信した式番号「1」に対応するグラフ式データ137の記憶領域が空いていると判定され(ステップS87;Yes)、受信したグラフ式データ137「Y1=−0.1(x−3.5)+4」及びユーザ名「Bob」が対応付けられて、指定領域番号「3」のグラフ式データテーブル135における式番号「1」の記憶領域に記憶されるとともに、子機と同じ式番号「1」でグラフ式データ137を記憶した旨が「Bob」の関数電卓1Bに送信される(ステップS88)。
【0135】
次に、ユーザ(教師)がグラフ関連情報記憶テーブル133の領域番号「3」を指定する操作を行うと(ステップS51;Yes)、指定領域番号「3」がディスプレイ3に表示され(ステップS52)、指定領域番号のビューウィンドウデータ134で表されるXY座標系の表示範囲の部分が指定画像データ132Sの背景画像の表示領域に重ねて設定される(ステップS54)。なお、このとき子機の関数電卓1Bにおいても、同じビューウィンドウデータ134で表されるXY座標系の表示範囲の部分が、指定画像データ132Sの背景画像の表示領域に重ねて設定される。
【0136】
そして、グラフ関連情報記憶テーブル133における指定領域番号「3」のグラフ式データテーブル135からグラフ式データ137「Y1=−0.1(x−3.5)+4」が読み出されて、そのグラフ図形が指定画像データ132Sの背景画像に重ねて表示され(ステップS55)、このグラフ図形と同じ色で、当該グラフ図形のグラフ式「Y1=−0.1(x−3.5)+4」と、そのグラフ式データ137に対応付けられたユーザ名「Bob」とが対応付けて表示される(ステップS56)。
【0137】
以上のように、本実施形態の関数電卓1によれば、図4のステップS51〜S56や図5のステップS82、図6〜図9等に示したように、表示画面における指定画像データ132Sの背景画像表示領域に対し、XY座標系のうち、所定の表示範囲の部分が設定されると、他の関数電卓1に当該表示範囲が送信され、当該他の関数電卓1の表示画面における指定画像データ132Sの画像表示領域に対しXY座標系のうち、当該表示範囲の部分が設定され、他の関数電卓1から、当該他の関数電卓1において背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信すると、当該グラフ式のグラフ図形が背景画像上に表示されるので、複数の関数電卓1の間でXY座標系の表示範囲を統一し、この表示範囲部分のXY座標系に表示されるグラフ図形のグラフ式を送受信することができる。従って、背景画像に対応したグラフを確実に表示することができる。
【0138】
また、図4のステップS56や図5のステップS81、図6(d)等に示したように、他の関数電卓1からグラフ式が受信される場合に、当該他の関数電卓1からユーザ名が受信されてディスプレイ3に表示されるので、表示されているグラフ図形が何れの関数電卓1から送信されたかを把握することができる。
【0139】
また、図4のステップS56や図7(b)等に示したように、他の複数の関数電卓1からグラフ式及びユーザ名を受信した場合には、各関数電卓1から送信されたグラフ式のグラフ図形と、ユーザ名とが対応付けられて表示されるので、複数のグラフ図形が表示される場合であっても、表示されている各グラフ図形が何れの関数電卓1から送信されたかを把握することができる。
【0140】
また、図5のステップS82や図10(c)等に示したように、他の関数電卓1からグラフ式が受信される場合に、当該他の関数電卓1から、当該他の関数電卓1において画像表示領域に設定されたXY座標系の表示範囲が受信され、この表示範囲と、現時点で設定されている表示範囲とが異なる場合には、その旨が報知されるので、異なる表示範囲で作成されたグラフ図形が表示されるのを防止することができる。従って、背景画像に対応したグラフをより確実に表示することができる。
【0141】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0142】
例えば、本発明に係る画像表示端末を関数電卓等として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る画像表示プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0143】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
他の画像表示端末との間で同一の背景画像を表示可能な画像表示端末において、
表示画面内に前記背景画像を表示する表示手段と、
前記表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、2つの座標軸から定まる座標系のうち、所定の表示範囲の部分を設定する自機座標系設定手段と、
他の画像表示端末に前記所定の表示範囲を送信し、当該他の画像表示端末の表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、当該座標系のうち、当該表示範囲の部分を設定させる他機座標系設定手段と、
他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信するグラフ式受信手段と、
前記グラフ式受信手段が前記グラフ式を受信した場合に、当該グラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させる受信グラフ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像表示端末。
<請求項2>
請求項1記載の画像表示端末において、
前記グラフ式受信手段が他の画像表示端末からグラフ式を受信する場合に、当該他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末についてのID情報を受信するID情報受信手段と、
前記ID情報受信手段がID情報を受信した場合に、当該ID情報を前記表示手段に表示させるID情報表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像表示端末。
<請求項3>
請求項2記載の画像表示端末において、
前記受信グラフ表示制御手段及び前記ID情報表示制御手段は、
前記グラフ式受信手段及び前記ID情報受信手段が他の複数の画像表示端末からグラフ式及びID情報を受信した場合には、
他の各画像表示端末から送信されたグラフ式のグラフ図形と、ID情報とを対応付けて表示させることを特徴とする画像表示端末。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示端末において、
前記グラフ式受信手段が他の画像表示手段からグラフ式を受信する場合に、当該他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像の表示領域に設定された座標系の表示範囲を受信する表示範囲受信手段と、
前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲と、前記座標系設定手段により設定された表示範囲とが異なる場合に、その旨をユーザに報知する表示範囲異同報知手段と、
を備えることを特徴とする画像表示端末。
<請求項5>
請求項4に記載の画像表示端末において、
前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲と、前記座標系設定手段により設定された表示範囲とが異なる場合に、ユーザ操作に基づいて、前記背景画像の表示領域に対し、前記座標系のうち、前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲の部分を設定する座標系再設定手段を備えることを特徴とする画像表示端末。
<請求項6>
請求項5記載の画像表示端末において、
前記グラフ式受信手段により受信されたグラフ式を、前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲ごとに記憶する表示範囲別グラフ記憶手段を備え、
前記座標系再設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記表示範囲別グラフ記憶手段により記憶された表示範囲のうち、何れかの表示範囲を指定表示範囲として指定する表示範囲指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記背景画像の表示領域に対し、前記座標系のうち、前記指定表示範囲の部分を設定する座標系指定表示範囲設定手段と、
を有し、
前記受信グラフ表示制御手段は、
前記表示範囲別グラフ記憶手段により前記指定表示範囲に対応付けられたグラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させることを特徴とする画像表示端末。
<請求項7>
他の画像表示端末との間で同一の背景画像を表示画面内に表示可能な表示手段を備えるコンピュータに、
前記表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、2つの座標軸から定まる座標系のうち、所定の表示範囲の部分を設定する自機座標系設定機能と、
他の画像表示端末に前記所定の表示範囲を送信し、当該他の画像表示端末の表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、当該座標系のうち、当該表示範囲の部分を設定させる他機座標系設定機能と、
他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信するグラフ式受信機能と、
前記グラフ式受信機能によって前記グラフ式が受信された場合に、当該グラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させる受信グラフ表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0144】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 入力部
15 表示部
130 画像表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像表示端末との間で同一の背景画像を表示可能な画像表示端末において、
表示画面内に前記背景画像を表示する表示手段と、
前記表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、2つの座標軸から定まる座標系のうち、所定の表示範囲の部分を設定する自機座標系設定手段と、
他の画像表示端末に前記所定の表示範囲を送信し、当該他の画像表示端末の表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、当該座標系のうち、当該表示範囲の部分を設定させる他機座標系設定手段と、
他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信するグラフ式受信手段と、
前記グラフ式受信手段が前記グラフ式を受信した場合に、当該グラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させる受信グラフ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像表示端末。
【請求項2】
請求項1記載の画像表示端末において、
前記グラフ式受信手段が他の画像表示端末からグラフ式を受信する場合に、当該他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末についてのID情報を受信するID情報受信手段と、
前記ID情報受信手段がID情報を受信した場合に、当該ID情報を前記表示手段に表示させるID情報表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像表示端末。
【請求項3】
請求項2記載の画像表示端末において、
前記受信グラフ表示制御手段及び前記ID情報表示制御手段は、
前記グラフ式受信手段及び前記ID情報受信手段が他の複数の画像表示端末からグラフ式及びID情報を受信した場合には、
他の各画像表示端末から送信されたグラフ式のグラフ図形と、ID情報とを対応付けて表示させることを特徴とする画像表示端末。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示端末において、
前記グラフ式受信手段が他の画像表示手段からグラフ式を受信する場合に、当該他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像の表示領域に設定された座標系の表示範囲を受信する表示範囲受信手段と、
前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲と、前記座標系設定手段により設定された表示範囲とが異なる場合に、その旨をユーザに報知する表示範囲異同報知手段と、
を備えることを特徴とする画像表示端末。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示端末において、
前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲と、前記座標系設定手段により設定された表示範囲とが異なる場合に、ユーザ操作に基づいて、前記背景画像の表示領域に対し、前記座標系のうち、前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲の部分を設定する座標系再設定手段を備えることを特徴とする画像表示端末。
【請求項6】
請求項5記載の画像表示端末において、
前記グラフ式受信手段により受信されたグラフ式を、前記表示範囲受信手段により受信された表示範囲ごとに記憶する表示範囲別グラフ記憶手段を備え、
前記座標系再設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記表示範囲別グラフ記憶手段により記憶された表示範囲のうち、何れかの表示範囲を指定表示範囲として指定する表示範囲指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記背景画像の表示領域に対し、前記座標系のうち、前記指定表示範囲の部分を設定する座標系指定表示範囲設定手段と、
を有し、
前記受信グラフ表示制御手段は、
前記表示範囲別グラフ記憶手段により前記指定表示範囲に対応付けられたグラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させることを特徴とする画像表示端末。
【請求項7】
他の画像表示端末との間で同一の背景画像を表示画面内に表示可能な表示手段を備えるコンピュータに、
前記表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、2つの座標軸から定まる座標系のうち、所定の表示範囲の部分を設定する自機座標系設定機能と、
他の画像表示端末に前記所定の表示範囲を送信し、当該他の画像表示端末の表示画面における前記背景画像の表示領域に対し、当該座標系のうち、当該表示範囲の部分を設定させる他機座標系設定機能と、
他の画像表示端末から、当該他の画像表示端末において前記背景画像上に表示されたグラフ図形のグラフ式を受信するグラフ式受信機能と、
前記グラフ式受信機能によって前記グラフ式が受信された場合に、当該グラフ式のグラフ図形を前記背景画像上に表示させる受信グラフ表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−50746(P2013−50746A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186669(P2011−186669)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】