説明

画像表示装置、プロジェクションシステム、情報処理装置、画像表示装置の駆動方法、画像表示装置の駆動プログラム、記録媒体

【課題】 適切に動画像の視認性を向上させる画像表示装置、プロジェクションシステムを提供する。
【解決手段】 プロジェクションシステムは、パソコンと、プロジェクタ300と、USBケーブル500と、を備える。パソコンは、一つ前の画像データと現画像データとを対比して、一つ前の画像から現画像を見て変化した分を差分データとして検出する差分データ生成部を備える。プロジェクタ300は、差分データのデータ量をしきい値に対比して差分データのデータ量がしきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとし、データ量がしきい値未満である場合には現画像データを小動画像データとする動き度判定手段330と、動き度判定手段330にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に駆動制御部350に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部351と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、プロジェクションシステム、情報処理装置、画像表示装置の駆動方法、画像表示装置の駆動プログラム、記録媒体に関する。例えば、ホールド特性を有する液晶素子を備える画像表示装置にて画像を表示するにあたって動画の視認性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光源と、この光源からの光を変調する光変調装置と、を備えた画像表示装置が知られている。例えば、バックライトと、液晶パネルと、を備え、スクリーンに向けて画像を投射する投射型表示装置としてプロジェクタが知られている。液晶パネルは、交差するように互いに直交配置された走査信号線とデータ信号線との各交点において設けられマトリックス状に配設された液晶素子を有する。そして、画像データに応じて走査信号線およびデータ信号線にそれぞれ走査信号およびデータ信号が印加されて各液晶素子が駆動されると、各液晶素子の配向が制御される。すると、バックライトからの光が画素ごとに調光されて、所定の画像が表示される。
【0003】
ここで、液晶は容量性負荷であり、信号電圧に応じて変化した配向状態を保持する性質(ホールド特性)がある。このため、液晶を利用した表示装置では、CRTなどに比べてちらつきのない表示画面が得られるという利点がある。しかしながらその反面、液晶自身の応答速度が遅くなり、映像入力信号の1フレーム期間で十分に応答しないために動画表示の場合に残像が見られるといった表示品位低下の問題がある。
【0004】
そこで、このような液晶のホールド特性に起因する表示品位の低下を解消するために、1フレームの期間中で黒表示(ブランキング)を挿入することで動画視認性を向上させる方法が知られている(特許文献1)。例えば、1フレームを表示するにあたって、1フレームの前半ではバックライトを消灯させた状態で液晶パネルを信号走査し、液晶が安定してきた1フレームの後半部分でバックライトを点灯させる。このように1フレーム内の前半と後半とでバックライトの消灯と点灯を行う光源の間欠駆動により、液晶がホールドされている間に黒表示が挿入される。すると、人の目がリセットされ、残像を感じることがなくなり、動画の視認性が向上される。
【0005】
【特許文献1】特開2004−309657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、動画視認性向上の処理を行うと、光源を非常に速いレートで間欠駆動させなければならい。このような光源間欠駆動を行い続けると光源への負荷が非常に大きくなり、例えば、光源の寿命が非常に短くなるという問題が生じてくる。そのため、動画視認性向上の処理を常に行い続けることは現実的ではなく、現状、液晶パネルを利用した表示装置にあっては、動きの激しいシーンでは残像が残る低品位な状態のままとなっている。
【0007】
本発明の目的は、適切に動画像の視認性を向上させる画像表示装置、プロジェクションシステム、情報処理装置、画像表示装置の駆動方法、画像表示装置の駆動プログラム、記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像表示装置は、光源部と、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置と、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、入力される画像データを表示する画像表示装置であって、一つ前の画像データから現画像データへの変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合にはこの現画像データを大動画像データとし、前記変化量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定手段と、前記動き度判定手段にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成において、画像表示装置に画像データが入力されると、駆動制御部により画像データに応じて光変調装置の各液晶素子がそれぞれ駆動され、光源部からの光が画素ごとに変調される。すると、画像が表示される。
ここで、動き度判定手段によって、一つ前の画像から現画像への動き度が判定される。すなわち、動き度判定手段において、一つ前の画像から現画像への変化量が所定のしきい値に対比され、前記変化量がしきい値よりも大きい場合には動きが大きい大動画像データであると判定される。そして、この大動画像データであると判断された現画像データを表示するにあたっては、視認性向上処理部により視認性向上処理が実行される。視認性向上の処理としては、1フレーム内に黒表示を挿入することが例として挙げられる。すると、液晶素子がホールドされている間には黒表示が挿入され、人の目に残像が映らず、画像の視認性が向上される。
【0010】
このような構成によれば、動き度判定手段を備えるので、現画像データが一つ前の画像から見て変化が大きい画像であるか否かの判断を行うことができる。
そして、動き度判定手段による判定に基づいて大動画像データの場合にのみ視認性向上の処理を行って画像の視認性を向上させることができる。従来は、画像表示装置にて画像を表示するにあたって、高品位の表示を行う場合には総ての画像表示に視認性向上処理を施していた。そのため、視認性向上処理として光源の間欠駆動を行う場合には光源の消耗が早くなるという問題が生じていた。
この点、本発明では、動き度判定手段によって大動画像データであると判定された現画像データを表示する場合のみ視認性向上処理を行って画像表示することができる。したがって、視認性向上処理として光源の間欠駆動を行う場合でも、光源にかかる負荷を少なくしつつ、適切に視認性向上処理を行うことにより画像表示の品位を向上させることができる。
【0011】
本発明の画像表示装置は、前記視認性向上処理部は、1フレームの画像データを表示させる間に前記光源部を間欠駆動させて1フレーム内に黒表示を挿入させることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、1フレームの期間中で黒表示(ブランキング)が挿入される。すなわち、光変調装置に画像データの書き込みを行う際に液晶がホールドされている間は黒表示が挿入される。そして、液晶素子が安定してきたところで光源の点灯により画像が表示される。例えば、1フレームを表示するにあたって、1フレームの前半では光源を消灯させた状態で光変調装置に画像データの書き込みを行い、液晶が安定してきた1フレームの後半部分で光源を点灯させる。すると、人の目がリセットされ、残像を感じることがなくなり、動画の視認性が向上される。
【0013】
なお、視認性向上処理としては、光源の間欠駆動の他、黒表示させるデータの書き込みであってもよい。
【0014】
本発明のプロジェクションシステムは、入力される画像ソースに所定の画像処理を行って画像データ信号を出力する情報処理装置と、光源部、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置、および、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部を有し、前記情報処理装置から入力される画像ソースを表示する画像表示装置と、前記情報処理装置と前記画像表示装置との信号送受信を媒介する信号伝送手段と、を備えたプロジェクションシステムであって、前記情報処理装置は、一つ前の画像データと現画像データとを対比して、一つ前の画像から現画像を見て変化した分を差分データとして検出する差分データ生成部を備え、前記画像表示装置は、前記差分データのデータ量を所定のしきい値に対比して前記差分データのデータ量が前記しきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとし、前記差分データのデータ量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定手段と、前記動き度判定手段にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
このような構成において、情報処理装置により画像データに所定の画像処理が施されたうえで、差分データ生成部により差分データが生成される。差分データは信号伝送手段を介して画像表示装置に送られる。画像表示装置において、動き度判定手段により差分データのデータ量がしきい値に比較され、差分データのデータ量がしきい値以上である場合には一つ前の画像データから現画像データへの動きが大きいと判断され、この現画像データが大動画像データとされる。そして、大動画像データである現画像データの表示にあたっては視認性向上処理部により光源の間欠駆動等の視認性向上の処理が行われる。
【0016】
このような構成によれば、情報処理装置において必要な画像処理をおこなったうえで画像表示装置に画像データ信号を伝送するので、画像表示装置としては複雑な画像処理機能を備える必要がなく、画像表示装置の構成を簡易にすることができる。また、情報処理装置として例えばパソコンを使用すれば、パソコンのグラフィック処理機能を利用できるので、特別に画像処理機能を新たに設ける必要はなく、また、パソコンのグラフィック処理機能によれば、高速かつ高精度の画像処理を行うことができる。
情報処理装置から画像表示装置に伝送するのは一枚の画像フレーム総てではなくて差分データとするので、伝送データ量を少なくして画像表示装置によって表示される画像のフレームレートを適正に維持することができる。
【0017】
画像表示装置が動き度判定手段を備えているので、差分データに基づいて現画像データが一つ前の画像から見て変化が大きい画像であるか否かの判断を行うことができる。そして、動き度判定手段による判定に基づいて大動画像データの場合にのみ視認性向上の処理を行って画像の視認性を向上させることができる。したがって、視認性向上処理として光源の間欠駆動を行う場合でも、光源にかかる負荷を少なくしつつ、適切に視認性向上処理を行うことにより画像表示の品位を向上させることができる。
情報処理装置から差分データを伝送し、画像表示装置の動き度判定手段によって現画像データの動き度を判定するにあたっては差分データを利用している。
ここで、差分データは、情報処理装置と画像表示装置とのデータ伝送の軽量化に利用されているものであるが、この差分データを利用して動き度を判定できる。
したがって、本発明の実施にあたって情報処理装置の構成を特に変更する必要はなく、簡便に本発明を実施することができる。
【0018】
本発明のプロジェクションシステムは、入力される画像ソースに所定の画像処理を行って画像データ信号を出力する情報処理装置と、光源部、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置、および、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部を有し、前記情報処理装置から入力される画像ソースを表示する画像表示装置と、前記情報処理装置と前記画像表示装置との信号送受信を媒介する信号伝送手段と、を備えたプロジェクションシステムであって、前記情報処理装置は、一つ前の画像から現画像への変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとするフラグを立てる動き度判定手段を備え、前記画像表示装置は、前記動き度判定手段にて立てられたフラグを検出するフラグ検出部と、前記動き度判定手段にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
このような構成において、情報処理装置により画像データに所定の画像処理が施されたうえで、動き度判定手段により一つ前の画像データから現画像データへの変化量が所定のしきい値に対比される。そして、前記変化量がしきい値以上である場合には、現画像データを大動画像データとするフラグが立てられる。このようにフラグが立てられた状態で画像データが情報処理装置から画像表示装置に伝送される。画像表示装置において、フラグ検出部によりフラグの検出が行われる。そして、フラグが立っている場合には大動画像データであるので、フラグが立っている現画像データの表示にあたっては視認性向上処理部により光源の間欠駆動等の視認性向上の処理が行われる。
【0020】
このような構成によれば、上記発明と同様の効果を奏することができる。さらに、情報処理装置において動き度の判定を行い、画像表示装置ではフラグの検出を行うだけでいいので、画像表示装置の構成をより簡便にすることができる。
【0021】
ここで、例えば、画像ソースが動きベクトルにて表現されている場合には、動き度判定手段は、動きベクトルの大きさを所定のしきい値に対比することが好ましい。
あるいは、情報処理装置にて差分データを生成し、この差分データを画像表示装置に出力する場合、動き度判定手段は差分データのデータ量をしきい値と対比してフラグを立てた状態で画像表示装置に差分データを伝送してもよい。
【0022】
本発明の情報処理装置は、光源部、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置、および、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部を有し、入力される画像データを表示する画像表示装置に画像データ信号を出力して前記画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置であって、一つ前の画像から現画像への変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとするフラグを立てる動き度判定手段を備えることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、上記プロジェクションシステムに好適に利用できる情報処理装置とすることができる。
【0024】
本発明の画像表示装置の駆動方法は、光源部と、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置と、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、入力される画像データを表示する画像表示装置の駆動方法であって、一つ前の画像データから現画像データへの変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合にはこの現画像データを大動画像データとし、前記変化量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定工程と、前記動き度判定工程にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、上記発明と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、動き度判定工程を備えているので、一つ前の画像から見て動きが大きい現画像を判定することができ、動き度判定工程によって大動画像データであると判定された現画像データを表示する場合のみ視認性向上処理を行って画像表示することができる。したがって、視認性向上処理として光源の間欠駆動を行う場合でも、光源にかかる負荷を少なくしつつ、適切に視認性向上処理を行うことにより画像表示の品位を向上させることができる。
【0026】
本発明の画像表示装置の駆動プログラムは、光源部と、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置と、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、入力される画像データを表示する画像表示装置を駆動する画像表示装置の駆動プログラムであって、コンピュータに、一つ前の画像データから現画像データへの変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合にはこの現画像データを大動画像データとし、前記変化量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定工程と、前記動き度判定工程にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理工程と、を実行させることを特徴とする。
【0027】
本発明の記録媒体は、前記画像表示装置の駆動プログラムを記録したことを特徴とする。
【0028】
このような構成によれば、上記発明と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、動き度判定工程により一つ前の画像から見て動きが大きい現画像を判定することができ、大動画像データであると判定された現画像データを表示する場合のみ視認性向上処理を行って画像表示することができる。
したがって、視認性向上処理として光源の間欠駆動を行う場合でも、光源にかかる負荷を少なくしつつ、適切に視認性向上処理を行うことにより画像表示の品位を向上させることができる。
【0029】
例えば、画像表示装置、あるいはプロジェクションシステムにCPUやメモリを配置してコンピュータとして機能できるように構成し、このメモリに所定のプログラムをインターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールし、このインストールされたプログラムでCPU等を動作させて、各工程を実行させればよい。プログラムをインストールするには、メモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読み取る機器を外付けで電子機器に接続してもよい。さらには、LANケーブル、電話線等接続して通信によってプログラムを供給しインストールしてもよいし、無線によってプログラムを供給してインストールしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明のプロジェクションシステムに係る第1実施形態について説明する。
図1は、プロジェクションシステム100の外観図である。プロジェクションシステム100は、映像ソースの画像に所定の画像処理を行ったうえで画像データ信号を出力するパソコン(情報処理装置)200と、パソコン200からの画像データ信号に基づいて現画像フレームを生成してスクリーン400に向けて投射するプロジェクタ(画像表示装置)300と、プロジェクタとパソコン200とを接続するUSBケーブル(信号伝送手段)500と、を備えている。
【0031】
図2は、パソコン200の機能ブロック図である。
図3は、プロジェクタ300の機能ブロック図である。
図4は、画像投射部360の構成を示す図である。
【0032】
パソコン200は、図2に示されるように、CPU201、メインメモリ202、補助メモリ203、ディスプレイ204、キーボード205、画像補正パラメータ記憶部210、画像処理部220、USBコネクタ270、を備えている。
【0033】
補助メモリ203としては映像ソースのメディアが利用され、例えば、デジタルデータとして映像と音声とを記録したDVD(digital versatile disc)が例として挙げられる。
画像補正パラメータ記憶部210は、プロジェクタ300の特性に応じた画像補正のための補正パラメータを記憶している。画像補正パラメータ記憶部210に記憶されるパラメータとしては、例えば、解像度変換、輪郭強調、白黒伸長、色変換、γ補正、VT−γ補正等のための各種パラメータが例として挙げられる。
【0034】
なお、これらのパラメータを記録したメモリカードやCD−ROMをパソコン200に挿入して、画像補正パラメータ記憶部210にパラメータをインストールしてもよい。または、パソコン200とプロジェクタ300とをUSBケーブル500で接続した際にパソコン200が所定のパラメータをプロジェクタ300から読み取って画像補正パラメータ記憶部210に記憶してもよい。
【0035】
画像処理部220は、画像生成部230と、画像補正演算処理部240と、差分データ生成部250と、エンコーダ260と、を備えている。
【0036】
画像生成部230は、デコーダ231およびIP変換部232を備え、補助メモリ203からの映像ソースに対して記録方式に応じた解凍を行って一つ一つの画像フレームデータを復号する。
画像補正演算処理部240は、画像生成部230により生成された画像をプロジェクタの特性に応じて補正する。補正処理としては、解像度変換処理、輪郭強調処理、白黒伸長処理、色変換処理、γ補正処理、VT−γ補正処理が例として挙げられる。
【0037】
差分データ生成部250は、画像補正演算処理部240にて補正された画像データに対し、最新の画像データと一つ前の画像データとを対比して、一つ前の画像から最新の画像を見て変化した分を差分データとして検出する。つまり、差分データは、一つ前の画像データに対して最新の画像データが有する空間的変化量と色調的変化量とを含む。
【0038】
エンコーダ260は、差分データ生成部250にて生成された差分データを符号化する。そして、USBコネクタ270は、データ入力部271と、データ出力部272と、を備え、USBケーブル500を介してプロジェクタ300とデータの入出力を行う。
【0039】
プロジェクタ300は、図3に示されるように、画像補正パラメータ記憶部310と、画像処理部320と、駆動制御部350と、画像投射部360と、USBコネクタ380と、を備えている。
【0040】
画像補正パラメータ記憶部310は、送信用補正パラメータ記憶部311と、内部処理用補正パラメータ記憶部312と、を備えており、送信用補正パラメータ記憶部311は、パソコン200で画像補正するためのパラメータを記憶しており、内部処理用補正パラメータ記憶部312は、プロジェクタで画像処理するためのパラメータを記憶している。
送信用補正パラメータ記憶部311に記憶されるパラメータとしては、解像度変換、輪郭強調、白黒伸長、色変換、γ補正、VT−γ補正のためのパラメータがある。
パソコン200とプロジェクタとがUSBケーブル500で接続された際には、パソコン200が送信用補正パラメータ記憶部311に記憶されたパラメータの情報を読み出して画像補正パラメータ記憶部210に記憶する。また、内部処理用補正パラメータ記憶部312に記憶されるパラメータとしては、クロストーク補正、ゴースト補正、色ムラ補正のためのパラメータがある。
【0041】
画像処理部320は、画像生成部321と、動き度判定手段330と、画像補正演算処理部340と、を備えている。
画像生成部321は、デコーダ322と、現画像生成部323と、を備える。
【0042】
デコーダ322は、パソコン200から伝送された画像データ信号を復調する。
すなわち、パソコン200からの画像データ信号は、エンコーダ260にて符号化されているところ、デコーダ322で復調することにより差分データが得られる。
【0043】
現画像生成部323は、現在投影している画像データに対して復調された差分データを合成して、新たに現画像フレームを生成する。
【0044】
動き度判定手段330は、差分データに基づいて一つ前の画像データから現画像データへの変化量が大きいか否かを判定する。動き度判定手段330には、しきい値が予め設定されており、パソコン200から送られた差分データのデータ量をこのしきい値に対比する。そして、差分データのデータ量がしきい値以上である場合には、動きが大きいと判断して、この差分データに基づいて生成される現画像データを大動画像フレームとする。また、差分データがしきい値未満である場合には、動きが小さいと判断して、この差分データに基づいて生成される現画像データを小動画像フレームとする。
【0045】
画像補正演算処理部340は、現画像生成部323にて生成された現画像データに対して、クロストーク補正処理、ゴースト補正処理、色ムラ補正処理、の各補正処理を行う。
【0046】
駆動制御部350は、現画像フレームを表示するように画像投射部360を駆動する制御信号を出力する。駆動制御部350は、視認性向上処理部351を有し、現画像データが大動画像フレームである場合には、視認性向上処理部351を駆動させて、現画像フレームの表示あたって視認性向上処理を行う。
その一方、現画像データが小動画像フレームである場合には、視認性向上処理部351は停止させる。
なお、視認性向上処理の具体的な処理内容については後述する。
【0047】
画像投射部360は、図4に示されるように、光源部361を備え、光源362からの光は、リフレクタ363で平行光束にされ、二枚のレンズアレイ364、364を通って色分離光学系365に進む。
色分離光学系365は、赤色を反射して青色および緑色を通過させるダイクロイックミラー366と、緑色を反射して青色を通過させるダイクロイックミラー367と、を備え、光を赤色、緑色、青色に分離する。そして、赤色は反射ミラー365Aに反射され、緑色はダイクロイックミラー367に反射され、青色は二枚の反射ミラー369、370を有するリレー光学系368に導かれ、電気光学装置371の赤色用液晶パネル(光変調装置)372、緑色用液晶パネル(光変調装置)373および青色用液晶パネル(光変調装置)374にそれぞれ入射する。各色は、各液晶パネル372〜374において画像情報に応じた所定の変調を受けて、プリズム375で合成される。
合成された画像は投射光学系376から射出され、スクリーン400上に拡大投写される。
【0048】
このような構成を備える第1実施形態の動作について図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、ST100において、パソコン200とプロジェクタ300とをUSBケーブル500で接続する。すると、ST110において、プロジェクタ300の送信用補正パラメータ記憶部311に記憶された各種の補正パラメータがUSBケーブル500を介してパソコン200側に伝送され、パソコン200の画像補正パラメータ記憶部210に記憶される。
【0049】
次に、ST120において、補助メモリ203のDVDから映像ソースを読み込み、そして、ST130において、画像生成部230にて映像ソースに対してデコードやIP変換等を行って画像データを生成する。
【0050】
ST140において、画像補正演算処理部340にて画像データに画像補正処理を行う。すなわち、画像データに解像度変換処理、輪郭強調処理、白黒伸長処理、色変換処理、γ補正処理、VT−γ補正処理の補正を行う。
【0051】
このように補正処理を行った画像データを、順次、差分データ生成部250に送り、ST150において、差分データ生成部250にて一つ前の画像と最新の画像とを対比する。そして、一つ前の画像から最新の画像を見て空間的および色調的に変化した分を差分データとして検出する。
【0052】
ST160において、差分データ生成部250にて生成した差分データをエンコーダ260にて符号化する。そして、ST170において、USBケーブル500を介して符号化した差分データをプロジェクタ300に伝送する。
【0053】
ST180において、伝送された差分データのデータ信号をデコーダ322にて復調し、さらに、ST190において、現画像生成部323にて、復調された差分データを現在投影している現画像フレームデータに合成して新たに次の現画像フレームを生成する。
【0054】
ST200において、動き度判定手段330にて一つ前の画像データから現画像データへの変化量が大きいか否かを判定する。すなわち、差分データのデータ量をしきい値に比較し、差分データのデータ量がしきい値以上である場合、この差分データに基づいて生成された現画像データに大動画像フレームとしてのフラグを付ける。
【0055】
ST210において、生成された現画像フレームを画像補正演算処理部340にて補正処理する。すなわち、クロストーク補正、ゴースト補正、色ムラ補正を行う。
【0056】
ST220において、補正処理された現画像データを表示するように駆動制御部350から制御信号が画像投射部360に出力される。
【0057】
ここで、ST230において、駆動制御部350にて現画像データが大動画像データであるか否かの検出を行う。すなわち、動き度判定手段330にて現画像データに大動画像データとしてのフラグが立てられているか検出する。そして、現画像データが大動画像データではなく小動画像データである場合(ST230:NO)、視認性向上の処理を行うことなしに、画像投射部360を駆動してスクリーン400に向けて画像を投射して画像表示を行う(ST240)。
【0058】
このときの駆動制御部350から画像投射部360に出力される信号のタイミングチャートを図6(A)に示し、液晶パネル(372〜374)の書き込みの様子を図7に示す。すなわち、現画像データが大動画像データではなく小動画像データである場合、画像データ書き込み信号が出力される間、光源駆動信号は常に出力され、光源362の間欠駆動はおこなわれない。つまり、図7(A)(B)に示されるように、液晶パネル(372〜374)の書き込みが行われる間も(図7の(A))光源362は点灯され続ける。
【0059】
その一方、ST230において、現画像データが大動画像データである場合(ST230:YES)、ST250において視認性向上処理を行いつつ画像投射部360を駆動して画像表示を行う(ST240)。
すなわち、図6(B)のタイミングチャートに示されるように、1フレームの書き込み信号が出力されるうちの前半部分では光源駆動信号を停止しておき、1フレームのうちの後半部分で光源駆動信号を出力して光源362を点灯させる。
つまり、図8に示されるように、1フレームの書き込みを行う前半部分では光源362を消灯してブランキング(黒表示挿入)とし、1フレームの後半部分で液晶が安定してきたところで光源362の点灯を行う(図8(B))。
なお、視認性向上処理を行う場合、明るさを同じにするため、点灯時間が短くなる分、光源は二倍の光量で点灯される。
【0060】
このような構成を備える第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)動き度判定手段330を備えるので、現画像データが一つ前の画像から見て変化が大きい画像であるか否かの判断を行うことができる。
そして、動き度判定手段330による判定に基づいて大動画像データの場合にのみ視認性向上の処理を行って画像の視認性を向上させることができる。
動き度判定手段330によって大動画像データであると判定された現画像データを表示する場合のみ視認性向上処理を伴う画像表示することができるので、視認性向上処理として光源362の間欠駆動を行う場合でも、光源362にかかる負荷を少なくしつつ、適切に視認性向上処理を行うことにより画像表示の品位を向上させることができる。
【0061】
(2)パソコン200から差分データを伝送し、プロジェクタの動き度判定手段330によって現画像データの動き度を判定するにあたっては差分データを利用している。
ここで、差分データは、パソコン200とプロジェクタとのデータ伝送の軽量化に利用されているものであるが、この差分データを利用して動き度を判定できる。
したがって、本発明の実施にあたってパソコン200の構成を特に変更する必要はなく、簡便に本発明を実施することができる。

【0062】
(3)パソコン200において必要な画像処理をおこなったうえでプロジェクタに画像データ信号を伝送するので、プロジェクタとしては複雑な画像処理機能を備える必要がなく、プロジェクタの構成を簡易にすることができる。
【0063】
(4)情報処理装置としてパソコン200を使用するので、パソコン200のグラフィック処理機能を利用でき、特別に画像処理機能を新たに設ける必要はない。
また、パソコン200のグラフィック処理機能によれば、高速かつ高精度の画像処理を行うことができる。
【0064】
(5)パソコン200からプロジェクタに伝送するのは一枚の画像フレーム総てではなくて差分データとするので、伝送データ量を少なくしてプロジェクタによって表示される画像のフレームレートを適正に維持することができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9、図10を参照して説明する。
第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、パソコン200が動き判定手段を有し、一つ前の画像データから現画像データへの変化量が大きいか否かを判定する点に特徴を有する。
【0066】
図9は、第2実施形態においてパソコン200の機構ブロック図を示す図である。
図9において、パソコン200は動き度判定手段280を備える。
動き度判定手段280は、画像生成部230にて復号される画像データに対し、一つ前の画像データから現画像データへの変化量が大きいか否かを判定する。
このとき、所定の符号化規格に基づき、映像ソースの動画データが、例えば、動きベクトルによって表現されている場合、動き判定手段は、動きベクトルの大きさに基づいて一つ前の画像データから現画像データへの動きの大きさを判定する。動き判定手段には所定のしきい値が設定され、このしきい値と動きベクトルの大きさとを対比して、動きベクトルの大きさがしきい値以上である場合には、動きが大きいと判断して、この動きベクトルに基づいて生成される現画像データを大動画像フレームとする。また、動きベクトルがしきい値未満である場合には、動きが小さいと判断して、この動きベクトルに基づいて生成される現画像データを小動画像フレームとする。そして、大動画像フレームデータである場合には、この画像データにフラグを立てる。
【0067】
以下、画像補正演算処理部240にて画像補正を行い、差分データ生成部250にて一つ前の画像データから現画像データへの変化分を差分データとし、エンコーダ260にて符号化したうえでUSBケーブル500を介してプロジェクタにデータ伝送する点は同じである。
【0068】
また、図10は、第2実施形態におけるプロジェクタの機能ブロック図を示す図である。
図10において、動き度判定手段390は、フラグ検出部391を有する。
そして、フラグ検出部391は、パソコン200の動き度判定手段280にて立てられたフラグの検出を行う。すなわち、パソコン200の動き度判定手段280にて大動画像データにはフラグが立てられるので、プロジェクタ300の動き度判定手段390は、画像データのフラグを検出した場合には、その現画像データを大動画像データであると認識する。そして、大動画像データである場合には、駆動制御部350にて画像投射部360を駆動する際に視認性向上処理を行う。
【0069】
このような構成を備える第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、パソコン200において動き度の判定を行い、プロジェクタではフラグの検出を行うだけでいいので、プロジェクタの構成をより簡便にすることができる。
【0070】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態においては、パソコン200にて主要な画像処理を行い、画像データ信号をプロジェクタに伝送するプロジェクションシステム100を例にして説明したが、例えば、パソコン200を備えることなく、プロジェクタ単独であってもよい。すなわち、ソースからの画像データを直接プロジェクタに入力してプロジェクタが総ての画像処理と、動き度判定とを行い、必要に応じて所定の視認性向上処理を行ったうえで画像を表示してもよい。
【0071】
第1実施形態においては、パソコン200にて差分データを生成し、プロジェクタにて差分データのデータ量に基づいて動き度を判定する場合について説明した。
この他、例えば、パソコン200が、差分データ生成部と、この差分データ生成部にて生成された差分データの大きさに基づいて現画像データの動き量を判定する動き度判定手段と、を備え、前記動き度判定手段により現画像データの動き度を判定してフラグを立ててもよい。そして、プロジェクタでは、フラグの有無を検出する動き度判定手段を備えていればよい。
このような構成によれば、プロジェクタでは差分データに基づいて動き度を判定しなくてもよいので、プロジェクタの構成を簡便にすることができる。
【0072】
差分データとしては、空間的変化と色調的変化とについての両方とも差分データをとってもよく、あるいは、空間的変化については差分データとするが色調データについては差分ではなく画像の色調データそのものをのせてもよい。
【0073】
画像表示装置としては、スクリーン400に画像を投射するプロジェクタを例にして説明したが、例えば、液晶ディスプレイパネル等でもよいことはもちろんである。
【0074】
視認性向上処理としては、図6(B)および図8を参照して1フレームを表示する期間の前半部分で液晶パネルの全体に一斉に黒表示を挿入する場合について説明したが、視認性向上処理としては、例えば、図11に示されるように、液晶パネルおよび光源を複数の領域に分割して、書き込みのタイミングと光源の点灯タイミングとを順次ずらして領域単位で黒表示を挿入してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、プロジェクタ、プロジェクションシステムに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1実施形態において、プロジェクションシステムの外観図。
【図2】第1実施形態において、パソコンの機能ブロック図。
【図3】第1実施形態において、プロジェクタの機能ブロック図。
【図4】第1実施形態において、画像投射部の構成を示す図。
【図5】第1実施形態において、画像データをプロジェクタにて投射するまでの手順を示すフローチャート。
【図6】第1実施形態において、駆動制御部から画像投射部に出力される信号のタイミングチャート。
【図7】第1実施形態において、液晶パネルに書き込む様子を示す図。
【図8】第1実施形態において、液晶パネルに書き込む様子を示す図。
【図9】第2実施形態において、パソコンの機能ブロック図。
【図10】第2実施形態において、プロジェクタの機能ブロック図。
【図11】視認性向上処理の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0077】
100…プロジェクションシステム、200…パソコン(情報処理装置)、201…CPU、202…メインメモリ、203…補助メモリ、204…ディスプレイ、205…キーボード、210…画像補正パラメータ記憶部、220…画像処理部、230…画像生成部、231…デコーダ、232…IP変換部、240…画像補正演算処理部、250…差分データ生成部、260…エンコーダ、270…USBコネクタ、271…データ入力部、272…データ出力部、280…動き度判定手段、300…プロジェクタ(画像表示装置)、310…画像補正パラメータ記憶部、310…送信用画像補正パラメータ記憶部、311…送信用補正パラメータ記憶部、312…内部処理用補正パラメータ記憶部、320…画像処理部、321…画像生成部、322…デコーダ、323…現画像生成部、330…動き度判定手段、340…画像補正演算処理部、350…駆動制御部、351…視認性向上処理部、360…画像投射部、361…光源部、362…光源、363…リフレクタ、364…レンズアレイ、365…色分離光学系、365A…反射ミラー、366…ダイクロイックミラー、367…ダイクロイックミラー、368…リレー光学系、369…反射ミラー、371…電気光学装置、372…赤色用液晶パネル、373…緑色用液晶パネル、374…青色用液晶パネル、375…プリズム、376…投射光学系、380…USBコネクタ、390…動き度判定手段、391…フラグ検出部、400…スクリーン、500…USBケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、
マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置と、
前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、入力される画像データを表示する画像表示装置であって、
一つ前の画像データから現画像データへの変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合にはこの現画像データを大動画像データとし、前記変化量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定手段と、
前記動き度判定手段にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部と、を備える
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記視認性向上処理部は、1フレームの画像データを表示させる間に前記光源部を間欠駆動させて1フレーム内に黒表示を挿入させる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
入力される画像ソースに所定の画像処理を行って画像データ信号を出力する情報処理装置と、
光源部、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置、および、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部を有し、前記情報処理装置から入力される画像ソースを表示する画像表示装置と、
前記情報処理装置と前記画像表示装置との信号送受信を媒介する信号伝送手段と、を備えたプロジェクションシステムであって、
前記情報処理装置は、一つ前の画像データと現画像データとを対比して、一つ前の画像から現画像を見て変化した分を差分データとして検出する差分データ生成部を備え、
前記画像表示装置は、
前記差分データのデータ量を所定のしきい値に対比して前記差分データのデータ量が前記しきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとし、前記差分データのデータ量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定手段と、
前記動き度判定手段にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部と、を備える
ことを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項4】
入力される画像ソースに所定の画像処理を行って画像データ信号を出力する情報処理装置と、
光源部、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置、および、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部を有し、前記情報処理装置から入力される画像ソースを表示する画像表示装置と、
前記情報処理装置と前記画像表示装置との信号送受信を媒介する信号伝送手段と、を備えたプロジェクションシステムであって、
前記情報処理装置は、一つ前の画像から現画像への変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとするフラグを立てる動き度判定手段を備え、
前記画像表示装置は、前記動き度判定手段にて立てられたフラグを検出するフラグ検出部と、
前記動き度判定手段にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理部と、を備える
ことを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項5】
光源部、マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置、および、前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部を有し、入力される画像データを表示する画像表示装置に画像データ信号を出力して前記画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置であって、
一つ前の画像から現画像への変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合には現画像データを大動画像データとするフラグを立てる動き度判定手段を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
光源部と、
マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置と、
前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、入力される画像データを表示する画像表示装置の駆動方法であって、
一つ前の画像データから現画像データへの変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合にはこの現画像データを大動画像データとし、前記変化量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定工程と、
前記動き度判定工程にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理工程と、を備える
ことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
【請求項7】
光源部と、
マトリックス状に配置され駆動信号に応じて画素ごとに前記光源部からの光を変調する液晶素子を有する光変調装置と、
前記光源部および前記光変調装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、入力される画像データを表示する画像表示装置を駆動する画像表示装置の駆動プログラムであって、
コンピュータに、
一つ前の画像データから現画像データへの変化量を所定のしきい値に対比して前記変化量が前記しきい値以上である場合にはこの現画像データを大動画像データとし、前記変化量が前記しきい値未満である場合には前記現画像データを小動画像データとする動き度判定工程と、
前記動き度判定工程にて大動画像データであると判断された現画像データを表示する際に前記駆動制御部に視認性向上処理を実行させる視認性向上処理工程と、を実行させる
ことを特徴とする画像表示装置の駆動プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示装置の駆動プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−86298(P2007−86298A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273707(P2005−273707)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】