画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システム
【課題】 本発明の画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムは、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことを目的とする。
【解決手段】 複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部と、前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出部と、前記算出部により算出された複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定部と、前記優劣判定部における判定結果を前記表示部に表示する表示制御部とを備える画像表示装置。
【解決手段】 複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部と、前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出部と、前記算出部により算出された複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定部と、前記優劣判定部における判定結果を前記表示部に表示する表示制御部とを備える画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像の特徴を物理パラメータに置き換え、それを画像の画質(客観的評価値)として、人間が判断する画像の善し悪し(主観的評価値)と対応付ける技術が知られている。例えば、特許文献1の画像判定方法は、客観的評価値のみを用いて、画像の画質を判定する。
【0003】
また、特許文献2のデジタルカメラのように、撮影直後に画像データから性能指数を求め、予め設定された閾値を超えているか否かを判断し、許容可能な品質でない場合に警告表示を行う技術も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した画像判定方法やデジタルカメラでは、複数の画像を自動的に比較し、画質の優劣をその場で判定するような仕組みが成されていなかった。
【0005】
そこで、本発明の画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムは、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像表示装置は、複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部と、前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出部と、前記算出部により算出された複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定部と、前記優劣判定部における判定結果を前記表示部に表示する表示制御部とを備える。
【0007】
なお、前記評価値は、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図のそれぞれに関する評価値からなり、前記算出部は、それぞれの前記評価値の合計を算出し、前記優劣判定部は、前記評価値の合計を比較することにより、画像の優劣を判定しても良い。
【0008】
また、前記優劣判定部は、前記評価値が同一、若しくは近似する場合に、所定の処理を行うことにより、画像の優劣を判定しても良い。
【0009】
また、前記優劣判定部は、前記評価値から標準偏差を算出し、標準偏差が小さい画像を優れていると判定しても良い。
【0010】
また、前記画像に付帯された付帯情報を読み取る読み取り部と、前記読み取り部により読み取られた前記付帯情報に基づいて、前記画像が画像編集済み画像であるか否かを判定する編集判定部とをさらに備え、前記算出部は、前記画像が画像編集済み画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げても良い。
【0011】
また、前記画像が改ざんされた画像であるか否かを判定する改ざん判定部をさらに備え、前記算出部は、前記画像が改ざんされた画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げても良い。
【0012】
また、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つ評価項目のうち、いずれか3つを注目項目とし、前記注目項目の優先順位を予め設定する設定部をさらに備え、前記優劣判定部は、前記優先順位に基づいて、画像の優劣を判定しても良い。
【0013】
本発明のプログラムは、複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部とを備える画像表示装置に用いられるプログラムであって、前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出ステップと、複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定ステップと、判定結果を前記表示部に表示する表示制御ステップとを備える。
【0014】
本発明の画像表示システムは、本発明の画像表示装置を複数有し、該複数の画像表示装置のいずれかを第1画像表示装置とし、該第1画像表示装置を除く画像表示装置を前記第1画像表示装置と通信可能な第2画像表示装置とする画像表示システムにおいて、前記第1画像表示装置は、該第1画像表示装置にて選択された第1画像の前記評価値を算出した後、前記第1画像を前記第2画像表示装置に送信するとともに、前記第2画像表示装置から出力された第2画像の前記評価値を受信したことを受けて、前記第1画像の前記評価値と前記第2画像の前記評価値とを比較して、該比較結果を前記第2画像表示装置に送信し、前記第2画像表示装置は、前記第2画像の前記評価値を算出して、前記第2画像および前記第2画像の前記評価値を前記第1画像表示装置に送信する。
【0015】
なお、前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置の少なくとも一方は、前記第1画像の評価値と第2画像の評価値との比較結果を表示しても良い。
【0016】
また、前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置は、前記第1画像および前記第2画像をそれぞれ表示しても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムによれば、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のデジタルカメラ1におけるバトルモード時の制御部7の動作を示すフローチャートである。
【図3】画像W〜Zにおける評価値等の例を示す表である。
【図4】第2実施形態におけるデジタルカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bにおけるバトルモード時の制御部7A,7Bの動作を示すフローチャートである。
【図6】表示部8A,8Bの表示例である。
【図7】第3実施形態におけるコンピュータ31の構成を示すブロック図である。
【図8】第4実施形態におけるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】第4実施形態のコンピュータ31A,31Bにおけるコンピュータ制御部32A,32Bの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像表示装置の一例として、デジタルカメラを用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、デジタルカメラ1は、撮像レンズ2、撮像素子3、A/D変換部4、バッファメモリ5、画像処理部6、制御部7、表示部8、操作部9、記録I/F部12、記録媒体13、バス14を備える。
【0020】
撮像レンズ2は、撮像素子3の撮像面に被写体像を結像する。撮像素子3は、撮像レンズ2を通過した光束による被写体像を光電変換し、R、G、Bの各色に対応するアナログ画像信号を出力する。撮像素子3から出力される画像信号は、A/D変換部4に入力される。A/D変換部4は、撮像素子3から出力されるアナログの画像信号をA/D変換し、デジタルの画像信号に変換する。なお、このデジタルの画像信号は、1コマにまとめられ、画像データとしてバッファメモリ5に記録される。バッファメモリ5は、画像処理部6による画像処理の前工程や後工程で画像データを一時的に記録する。画像処理部6は、バッファメモリ5に記憶された画像データに対して画像処理を施す。なお、この画像処理としては、周知のホワイトバランス調整、色補間、階調変換処理、輪郭強調処理などが挙げられる。また、画像処理部6は、記録媒体13に画像ファイルを記録する前にJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などで圧縮する処理や、圧縮された上記のデータを伸長復元する処理をも実行する。
【0021】
制御部7は、所定のシーケンスプログラムにしたがって、デジタルカメラ1の統括的な制御を行う。制御部7は、画像から画質に関係する評価値を算出し、複数の画像における評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する。以下、画像の優劣を判定する処理をバトルとし、画像の優劣を判定するモードを「バトルモード」として説明する。また、評価値の詳細については、後述する。
【0022】
表示部8は、制御部7の制御により各種の画像を表示する。表示部8に表示される各種の画像は、記録媒体13に記録された画像、メニュー画像などを含む。操作部9は、レリーズ釦10、十字キー11などを有する。レリーズ釦10は、撮像時にユーザにより操作される。十字キー11は、上記のメニュー画像等で操作される。なお、レリーズ釦10及び十字キー11の状態は制御部7により検知され、検知された釦の状態に基づいたシーケンスが実行される。記録I/F部12は、記録媒体13を接続するためのコネクタを備えている。この記録I/F部12と記録媒体13とが接続されることにより、記録媒体13に対してデータの書き込み/読み出しを実行する。バス14は、バッファメモリ5、画像処理部6、制御部7、表示部8、記録I/F部12を相互に接続することにより、データや信号の出入力を実行する。なお、A/D変換部4の出力はバス14を介して画像処理部6に接続される。
【0023】
図2は、第1実施形態のデジタルカメラ1におけるバトルモード時の制御部7の動作を示すフローチャートである。なお、記録媒体13には、複数の画像が記録されていることを前提とする。
【0024】
ステップS101で、制御部7は、不図示のメニュー釦が押されると、表示部8に、デジタルカメラ1の機能設定に関する複数の項目及び「バトルモード」の項目を表示する。この状態で、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、「バトルモード」の項目の選択を受け付ける。
【0025】
ステップS102で、制御部7は、記録媒体13に記録された画像ファイルを読み出し、サムネイル画像の一覧を表示部8に表示する。そして、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、画質の評価をしたい画像(以下、対戦画像と称する)の選択を1枚以上受け付ける。なお、制御部7は、「対戦画像を1枚以上選択して下さい。」等のメッセージを表示部8に表示しても良い。
【0026】
ステップS103で、制御部7は、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8に表示し、ユーザから十字キー11を介して、「対戦対象」の項目の選択を受け付ける。
【0027】
ステップS104で、制御部7は、再び記録媒体13に記録された画像ファイルを読み出し、サムネイル画像の一覧を表示部8に表示する。そして、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、ステップS102で選択された対戦画像と比較したい画像(以下、対戦対象画像と称する)の選択を1枚以上受け付ける。バトルモードでは、1回のバトルにつき、2枚の画像を比較する。そのため、対戦画像の枚数と、対戦対象画像の枚数とを揃える必要がある。そこで、制御部7は、ステップS102で選択された対戦画像の枚数を対戦回数として表示部8に表示するとともに、「対戦回数に合わせて、対戦対象画像を1枚以上選択して下さい。」等のメッセージを表示部8に表示することが好ましい。
【0028】
ステップS105で、制御部7は、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8に表示し、ユーザから十字キー11を介して、「バトル開始」の項目の選択を受け付ける。これにより、ステップS102及びステップS104で選択された画像順にバトルを開始する。
【0029】
ここで、評価値について説明する。人間が画質の善し悪しを判断するときの判断要因として、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図などが考えられる。そこで、本実施形態では、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つを画質に関係する評価項目とし、それぞれの程度を示す評価値を以下のように算出する。なお、各評価値は、満点を20点とする。また、各評価値の合計を総合評価値とする。
(1)露出:制御部7は、輝度分布を示すヒストグラムを用いて、適正露出であるほど高得点となるように、露出に関する評価値を算出する。
(2)ピント:制御部7は、ラプラシアンフィルタ等の画像処理後の統計処理を用いて、合焦状態が良いほど高得点となるように、ピントに関する評価値を算出する。なお、スペクトル分析や、他のエッジ検出の手法を用いても良い。
(3)手ぶれ:制御部7は、ラプラシアンフィルタ等の画像処理後の統計処理を用いて、手ぶれがないほど高得点となるように、手ぶれに関する評価値を算出する。なお、スペクトル分析や、他のエッジ検出の手法を用いても良い。ピンぼけ画像と手ぶれ画像との区別は、ぶれに方向性がある画像を手ぶれ画像とする。また、撮影情報よりシャッタ速度が遅い画像を手ぶれ画像と判断しても良いし、デジタルカメラ内部にジャイロセンサを搭載した機種では、手ぶれ情報を画像情報として記録できるのでそれを参照しても良い。
(4)ノイズ:制御部7は、RMS(Root Mean Square)粒状度やウィナースペクトルを用い、画像よりノイズ値を算出して、ノイズがないほど高得点となるように、ノイズに関する評価値を算出する。
(5)構図:制御部7は、構図が良いとされる画像から統計的に求めた「理想構図データ」(このデータがデータベースとして内蔵されている)とのパターンマッチングを行い、理想的な構図に近いほど高得点となるように、構図に関する評価値を算出する。
【0030】
例えば、昼間に女性を撮影した、逆光撮影補助光なし、顔が画像の中心に位置する、いわゆる日の丸構図の写真であれば、想定される点数は、露出:6点、ピント:14点、手ぶれ:18点、ノイズ:14点、構図:6点、総合評価値:58点となる。また、夕景の建物を手持ち撮影した、手ぶれ及びノイズがある写真であれば、想定される点数は、露出:8点、ピント:10点、手ぶれ:4点、ノイズ:4点、構図:16点、総合評価値:42点となる。
【0031】
ステップS106で、制御部7は、ステップS102で最初に選択された対戦画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。また、制御部7は、ステップS104で最初に選択された対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。相加平均、分散、標準偏差を求める式を式1〜3に示す。
【0032】
【数1】
【0033】
図3は、画像W〜Zにおける評価値等の例を示す表である。例えば、図3に示すように、画像Wの相加平均Xは、上記の数1にn=5,X=20,X=15,X=10,X=10,X=10を代入して、(20+15+10+10+10)/5=13となる。同様に、画像Wの分散σは、((20-13)^2+(15-13)^2+(10-13)^2+(10-13)^2+(10-13)^2)/5=16となる。また、画像Wの標準偏差σは、√16=4となる。
【0034】
ステップS107で、制御部7は、画像の優劣を判定する。まず、制御部7は、画質全体の優劣を判定する。例えば、制御部7は、ステップS106で算出した対象画像及び対戦対象画像における総合評価値を比較して、総合評価値が高い方を画質的に優れていると判定する。なお、総合評価値が同一、または近似する場合に、標準偏差が低い方を、画質のバランスがとれた画像と判断して画質的に優れていると判定しても良い。
【0035】
以下、図3を用いて、判定例を示す。以下の例では、総合評価値の差が10点未満の場合を近似するとする。
(a)画像Wと画像Xとの例:総合評価値は同じであるが、標準偏差は画像Xの方が低い。そのため、制御部7は、画像Xの方が画質的に優れていると判定する。
(b)画像Wと画像Yとの例:総合評価値は画像Yの方が高いが、差が10点未満であり、標準偏差は画像Wの方が低い。そのため、制御部7は、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
(c)画像Wと画像Zとの例:総合評価値は画像Zの方が高く、差が10点以上である。そのため、制御部7は、画像Zの方が画質的に優れていると判定する。
【0036】
次に、制御部7は、2枚の画像における評価項目毎の評価値を比較して、評価項目毎の優劣を判定する。
【0037】
ステップS108で、制御部7は、対戦画像及び対戦対象画像のサムネイル画像と、対戦画像及び対戦対象画像における各評価値と、評価項目毎の判定結果とを表示部8に表示する。このとき、各評価値をバトルのターンに見立てて、バトルの演出効果を加えても良い。その後、制御部7は、画質全体の判定結果を表示部8に表示する。なお、制御部7は、画質全体の判定結果のみを表示しても良い。
【0038】
ステップS109で、制御部7は、ステップS102で選択された全ての対戦画像のバトルを行ったか否か、すなわち、バトルが終了したか否かを判定する。バトルが終了した場合(ステップS109の判定がYESとなる場合)には、一連の処理を終了する。一方、バトルが終了していない場合(ステップS109の判定がNOとなる場合)には、ステップS106に戻り、ステップS102で二番目に選択された対戦画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。また、制御部7は、ステップS104で二番目に選択された対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。制御部7は、バトルが全て終了するまでこれを繰り返す。
【0039】
以上説明したように、第1実施形態のデジタルカメラ1は、画像から画質に関係する評価値を算出し、複数の画像における評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する。そのため、第1実施形態のデジタルカメラ1によれば、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことができる。
【0040】
なお、第1実施形態において、バトルを行う画像について詳細は述べていないが、画像編集ソフトウェア等を用いて編集操作を加えた画像は、ステップS107の判定において有利になると考えられる。そのため、制御部7は、画像ファイルから読み出したExifのタグ情報に画像編集ソフトウェアの名前が存在する場合や、特開2007−324848号公報に示されるように、画像データの改ざんを判別する検証プログラムを用いて、画像が改ざんされていると判定した場合に、撮影画像に編集操作を加えたものであるとして、総合評価値を一律下げても良い。なお、総合評価値から一定の点数を差し引いても良いし、総合評価値の特定割合の点数を差し引いても良い。
【0041】
以下、図3を用いて、判定例を示す。以下の例では、編集操作を加えた画像である場合に、総合評価値の20%分を総合評価値から差し引く例を示す。
(d)画像Wと画像Xとの例:画像Xが画像編集済みであった場合、総合評価点は、65-65*0.2=52となる。その結果、総合評価点は画像Wの方が高く、差が10点以上となる。したがって、制御部7は、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
(e)画像Wと画像Zとの例:画像Zが改ざんされている場合、総合評価点は、80-80*0.2=64となる。総合評価点は画像Zの方が高いままであるが、差が10点未満であり、標準偏差は画像Wの方が低い。そのため、制御部7は、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
【0042】
また、ステップS107では、総合評価値の差が近似する場合に標準偏差を用いたが、これに限らない。例えば、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つの評価項目のうち、独立性のある3つ以上の評価項目(以下、注目項目と称する)に対して、優先順位を予め設定する。制御部7は、この優先順位に基づいて、対象画像及び対戦対象画像における評価値が最も高い評価項目同士を比較することにより、優劣を判定しても良い。
【0043】
ここで、注目項目を、露出、手ぶれ、ノイズとする場合、「露出」>「手ぶれ」、「手ぶれ」>「ノイズ」、「ノイズ」>「露出」という優劣関係を予め設定する。これにより、常に優れている画像、すなわち絶対的にバトルに勝てるという画像が存在しなくなり、バトルを行う相手により勝敗が異なるという意外性を実現することができる。以下、図3を用いて、判定例を示す。
(f)画像Wと画像Xとの例:総合評価点は同じである。評価値が最も高い評価項目は、画像Wが「露出」、画像Xが「手ぶれ」である。制御部7は、予め設定された優劣関係が「露出」>「手ぶれ」であるため、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
(g)画像Wと画像Yとの例:総合評価点は、画像Yの方が高いが、差は10点未満である。評価値が最も高い評価項目は、画像Wが「露出」、画像Yが「ノイズ」である。制御部7は、予め設定された優劣関係が「ノイズ」>「露出」であるため、画像Yの方が画質的に優れていると判定する。
【0044】
このように、偶然性の要素を判定に加えることにより、バトルのおもしろさを増すことができる。なお、制御部7は、評価値が最も高い評価項目が複数存在する場合に、比較する画像に対して有利になる評価項目を採用する。例えば、評価値が最も高い評価項目が、画像Uが「露出」、画像Vが「手ぶれ」と「ノイズ」であったとする。この場合、制御部7は、画像Vの「ノイズ」を採用する。そして、制御部7は、予め設定された優劣関係が「ノイズ」>「露出」であるため、画像Vの方が画質的に優れていると判定する。
【0045】
なお、評価項目を例に挙げて説明したが、独立する3つ以上のパラメータであれば、これに限らない。例えば、色味として独立するR,G,Bを評価項目とし、「R」>「G」、「G」>「B」、「B」>「R」という優劣関係を予め設定する。この場合、制御部7は、R,G,Bそれぞれの色成分値を算出し、色成分値が最も高い色同士を比較すれば良い。
【0046】
また、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、上述した複数の判定方法からいずれかの選択を受け付けても良い。
【0047】
また、ステップS107では、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つの評価項目の評価値を合算した総合評価値を比較することにより、画像の優劣を判定したが、これに限らない。例えば、上記の評価項目のうち、予め設定されているいずれか一つの評価項目の評価値を比較して、画像の優劣を判定しても良い。
【0048】
また、ステップS108で表示部8に表示する画像は、対戦画像及び対戦対象画像のサムネイル画像としたが、これに限らない。例えば、対戦画像及び対戦対象画像の一部領域でも良い。
【0049】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では単一カメラ内での画像バトルの例を示した。第2実施形態では、複数カメラ同士での画像バトルの例を示す。図4は、第2実施形態におけるデジタルカメラシステムの構成を示すブロック図である。図4に示すように、デジタルカメラシステムは、デジタルカメラ1A,1Bにより構成される。通信部15A,15Bは、WiFi機能を有し、データを通信することができる。その他の構成は、符号A,Bが付されているが、第1実施形態のデジタルカメラ1と同じであるため省略する。
【0050】
図5は、第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bにおけるバトルモード時の制御部7A,7Bの動作を示すフローチャートである。図6は、表示部8A,8Bの表示例である。なお、記録媒体13A,13Bには、複数の画像が記録されていることを前提とする。また、デジタルカメラ1Aを、通信のイニシアチブをとるホストカメラとし、デジタルカメラ1Bをゲストカメラとする。
【0051】
最初に、デジタルカメラ1Aの制御部7Aの動作について説明する。ステップS201で、制御部7Aは、図2のステップS101と同様の処理を行う。
【0052】
ステップS202で、制御部7Aは、通信部15AによりWiFi通信を行い、対戦相手として、バトルモードの機能を有するデジタルカメラをサーチする。ここで、制御部7Aは、デジタルカメラ1Bを発見したとする。
【0053】
ステップS203で、制御部7Aは、図2のステップS102と同様の処理を行う。また、制御部7Aは、図6(1)に示すように、最初に選択された対戦画像のサムネイル画像23を表示部8Aに表示する。
【0054】
ステップS204で、制御部7Aは、対戦相手のデジタルカメラ1Bを発見すると、ユーザにその旨を通知する。そして、制御部7Aは、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8Aに表示し、ユーザから十字キー11Aを介して、「バトルを挑む」の項目の選択を受け付ける。ここで、「バトルを挑む」の項目を先に選択したデジタルカメラがホストカメラとなる。
【0055】
ステップS205で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bにリクエスト送信を行う。なお、第1実施形態で説明したように、バトルモードでは、1回のバトルにつき、2枚の画像を比較する。そのため、デジタルカメラ1Aで選択された対戦画像の枚数と、デジタルカメラ1Bで選択される対戦対象画像の枚数とを揃える必要がある。そこで、制御部7Aは、リクエスト送信とともに、ステップS203で選択された対戦画像の枚数を対戦回数として送信する。
【0056】
ステップS206で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bからレスポンスを受信する。これにより、バトル開始の準備が整う。そして、制御部7Aは、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8Aに表示し、ユーザから十字キー11Aを介して、「バトル開始」の項目の選択を受け付ける。
【0057】
ステップS207で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7BにステップS203で最初に選択された対戦画像のサムネイル画像23を送信する。
【0058】
ステップS208で、制御部7Aは、図2のステップS106と同様の処理を行い、ステップS203で最初に選択された対戦画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。
【0059】
ステップS209で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bから対戦対象画像のサムネイル画像24を受信する。そして、制御部7Aは、図6(4)に示すように、サムネイル画像23及びサムネイル画像24を表示部8Aに表示する。これにより、デジタルカメラ1Aのユーザは、対戦画像と対戦対象画像とを見比べることができる。
【0060】
ステップS210で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bから対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を受信する。そして、制御部7Aは、図2のステップS107と同様の処理を行い、対戦画像と対戦対象画像との優劣を判定する。
【0061】
ステップS211で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7BにステップS210における判定結果を送信する。
【0062】
ステップS212で、制御部7Aは、図2のステップS108と同様の処理を行う。画質全体の判定結果の表示例を図6(5)に示す。
【0063】
ステップS213で、制御部7Aは、図2のステップS109と同様に、バトルが終了したか否かを判定する。バトルが終了した場合(ステップS213の判定がYESとなる場合)には、一連の処理を終了する。一方、バトルが終了していない場合(ステップS213の判定がNOとなる場合)には、ステップS207に戻る。
【0064】
次に、デジタルカメラ1Bの制御部7Bの動作について説明する。ステップS301で、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、ステップS205で制御部7Aから送信されたリクエストを受信すると、「バトルが望まれています。バトルを受けますか。」等のメッセージとともに、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8Bに表示する。そして、制御部7Bは、ユーザから十字キー11Bを介して、「バトルを受ける」の項目の選択を受け付ける。その後、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Aにレスポンスを送信する。
【0065】
ステップS302で、制御部7Bは、記録媒体13Bに記録された画像ファイルを読み出し、サムネイル画像の一覧を表示部8Bに表示する。そして、制御部7Bは、ステップS205で制御部7Aから送信された対戦回数とともに、「対戦回数に合わせて、対戦対象画像を1枚以上選択して下さい。」等のメッセージを表示部8Bに表示する。その後、制御部7Bは、ユーザから十字キー11Bを介して、対戦対象画像の選択を1枚以上受け付ける。また、制御部7Bは、図6(1)に示すように、最初に選択された対戦対象画像のサムネイル画像24を表示部8Bに表示する。
【0066】
ステップS303で、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、ステップS207で制御部7Aから送信されたサムネイル画像23を受信する。そして、制御部7Bは、図6(2)に示すように、サムネイル画像24及びサムネイル画像23を表示部8Bに表示する。これにより、デジタルカメラ1Bのユーザは、対戦対象画像と対戦画像とを見比べることができる。
【0067】
ステップS304で、制御部7Bは、図2のステップS106と同様の処理を行い、ステップS302で最初に選択された対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。
【0068】
ステップS305で、制御部7Bは、図6(3)に示すように、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7AにステップS204で最初に選択された対戦画像のサムネイル画像24を送信する。
【0069】
ステップS306で、制御部7Bは、図6(4)に示すように、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7AにステップS304で算出した対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を送信する。なお、サムネイル画像23と評価値等とを別々に送信する例を示したが、ステップS305で同時に送信しても良い。
【0070】
ステップS307で、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、ステップS211で制御部7Aから送信された判定結果を受信すると、図2のステップS108と同様の処理を行う。画質全体の判定結果の表示例を図6(5)に示す。
【0071】
ステップS308で、制御部7Bは、図2のステップS109と同様に、バトルが終了したか否かを判定する。バトルが終了した場合(ステップS308の判定がYESとなる場合)には、一連の処理を終了する。一方、バトルが終了していない場合(ステップS308の判定がNOとなる場合)には、ステップS303に戻る。
【0072】
以上説明したように、第2実施形態のデジタルカメラシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態のデジタルカメラシステムは、複数のデジタルカメラとデータを通信することにより、複数人の相手を想定しながら、闘争心を持ちつつ手軽に自分が撮影した画像の画質評価を行うことができる。
【0073】
なお、第2実施形態では、2台のデジタルカメラにより画像バトルを行う例を示したが、3台以上のデジタルカメラにも適用できるとする。
【0074】
また、第2実施形態では、制御部7Aが画像の優劣を判定する例を示したが、制御部7Bが行っても良い。この場合、制御部7Aは、ステップS209で、制御部7Bに対戦画像における評価値等を送信する。そして、制御部7Bは、ステップS306で、画像の優劣を判定し、その判定結果を制御部7Aに送信すれば良い。
【0075】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、バトルモードにおいて対戦画像の選択を受け付けたが、これに限らない。例えば、再生モードにおいて対戦画像の選択を受け付け、その後、サブメニュー画像によりバトルモードの選択を受け付けても良い。
【0076】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、カメラ内での画像バトルの例を示した。第3実施形態では、1台のコンピュータ内での画像バトルの例を示す。図7は、第3実施形態におけるコンピュータ31の構成を示すブロック図である。図7に示すように、コンピュータ31は、コンピュータ制御部32、記録部33、表示部34、キーボードやマウスなどを含む操作部35、第1実施形態のデジタルカメラ1と接続可能、または第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bと通信可能な通信部36を備え、ユーザから操作部35を介して指示を受け付けるとともに、第1実施形態のデジタルカメラ1、または第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bから取得した画像や、記録部33に記録した画像を表示部34に表示する。コンピュータ制御部32は、画像バトルを行う専用アプリケーション(図2のフローチャート参照)を有し、第1実施形態の制御部7と同様の画像バトルを行う。
【0077】
以上説明したように、第3実施形態のコンピュータ31によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(第4実施形態)
以下、本発明の第4実施形態について説明する。第3実施形態では、1台のコンピュータ内での画像バトルの例を示した。第4実施形態では、複数コンピュータ同士での画像バトルの例を示す。図8は、第4実施形態におけるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータシステムは、コンピュータ31A,31B、サーバ51により構成される。コンピュータ31A,31Bの構成は、符号A,Bが付されているが、第3実施形態のコンピュータ31と同じであるため省略する。サーバ51は、画像バトルを行う仮想の対戦場所をユーザに提供するサイトを開設している。また、サーバ51には、コンピュータ31A,31Bが接続されている。
【0079】
図9は、第4実施形態のコンピュータ31A,31Bにおけるコンピュータ制御部32A,32Bの動作を示すフローチャートである。なお、記録部33A,33Bには、複数の画像が記録されていることを前提とする。また、コンピュータ31Aのユーザを、通信のイニシアチブをとるホストユーザとし、コンピュータ32Bのユーザをゲストユーザとする。
【0080】
最初に、コンピュータ31Aのコンピュータ制御部32Aの動作について説明する。ステップS501で、コンピュータ制御部32Aは、ユーザから操作部35Aを介して、専用アプリケーションを起動する指示を受け付ける。これにより、サーバ51にログインし、対戦待機状態となる。なお、サーバ51には、例えば、風景写真のバトルを行う部屋や、人物写真のバトルを行う部屋など、複数の対戦場所が開設されている。コンピュータ制御部32Aは、ユーザから操作部35Aを介して、いずれかの対戦場所の選択を受け付ける。
【0081】
ステップS502は、図5のステップS203に対応するため、重複説明を省略する。
【0082】
ステップS503で、コンピュータ制御部32Aは、ステップS501で選択された対戦場所で待機している対戦相手のプロフィール一覧を表示部34Aに表示する。例えば、対戦相手のプロフィールには、住所や写真歴などが含まれる。これにより、ユーザの好みに応じたバトルを行うことができる。なお、表示部34Aに表示する対戦相手は、ユーザ設定により、予めユーザと認知しあっている対戦相手のみでも良いし、不特定の対戦相手でも良い。コンピュータ制御部32Aは、ユーザから操作部35Aを介して、対戦相手のプロフィール一覧からいずれか一人の選択を受け付ける。ここで、コンピュータ32Bのユーザが選択されたとする。
【0083】
ステップS504で、コンピュータ制御部32Aは、バトルモードに関するメニュー画像を表示部34Aに表示し、ユーザから操作部35Aを介して、「バトルを挑む」の項目の選択を受け付ける。ここで、「バトルを挑む」の項目を先に選択したユーザがホストユーザとなる。
【0084】
ステップS505〜S513は、図5のステップS205〜S213にそれぞれ対応するため、重複説明を省略する。
【0085】
次に、コンピュータ31Bのコンピュータ制御部32Bの動作について説明する。ステップS601で、コンピュータ制御部32Bは、ユーザから操作部35Bを介して、専用アプリケーションを起動する指示を受け付ける。また、コンピュータ制御部32Bは、ユーザから操作部35Bを介して、いずれかの対戦場所の選択を受け付ける。
【0086】
ステップS602〜S609は、図5のステップS301〜S308にそれぞれ対応するため、重複説明を省略する。
【0087】
以上説明したように、第4実施形態のコンピュータシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4実施形態のコンピュータシステムは、複数のコンピュータとデータを通信することにより、複数人の相手を想定しながら、闘争心を持ちつつ手軽に自分が撮影した画像の画質評価を行うことができる。
【0088】
なお、第4実施形態では、2台のコンピュータにより画像バトルを行う例を示したが、3台以上のコンピュータにも適用できるとする。
【0089】
また、第4実施形態では、サーバ51を介して、データを通信する例を示したが、これに限らない。例えば、サーバ51を介することなく、コンピュータ31A,31B間のペアツーペア通信により画像バトルを行っても良い。
【0090】
また、第4実施形態では、コンピュータ制御部32Aが画像の優劣を判定する例を示したが、コンピュータ制御部32Bが行っても良い。
【0091】
また、第4実施形態では、コンピュータ制御部32A,32Bがそれぞれ各評価値、総合評価値、標準偏差を算出する例を示したが、これに限らない。例えば、コンピュータ制御部32Aは、サーバ51に対戦画像を送信する。また、コンピュータ制御部32Bは、サーバ51に対戦対象画像を送信する。サーバ51は、送信された対戦画像及び対戦対象画像における評価値等を算出し、画像の優劣を判定するとともに、その判定結果をコンピュータ制御部32A,32Bに送信する構成にしても良い。
【0092】
また、第4実施形態では、専用アプリケーションを用いる例を示したが、これに限らない。例えば、専用アプリケーションの代わりに、Webブラウザを利用して、所定のURLにアクセスしてログイン操作を行い、画像バトルを行う構成にしても良い。
【0093】
また、第2実施形態及び第4実施形態では、対戦画像及び対戦対象画像のサムネイル画像を通信する例を示したが、これに限らない。例えば、対戦画像及び対戦対象画像を通信しても良いし、対戦画像及び対戦対象画像から特徴部分を切り出して作成した画像を通信しても良い。
【0094】
また、第1実施形態から第4実施形態では、静止画像の画像バトルを行う例を示したが、動画像にも適用できるとする。
【0095】
また、第1実施形態から第4実施形態では、画像表示装置として、デジタルカメラ、コンピュータを例に挙げているが、これに限らない。例えば、スチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などにも本発明を同様に適用することができる。
【0096】
また、第1実施形態から第4実施形態では、評価値となる画質パラメータを露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つとしたが、その数を減らしても良い。さらに画質として独立するパラメータであれば、別の画質パラメータを採用して、それを追加したり、それに変更しても良い。
【符号の説明】
【0097】
1,1A,1B…デジタルカメラ、7,7A,7B…制御部、8,8A,8B…表示部、9,9A,9B…操作部、15A,15B…通信部、31,31A,31B…コンピュータ、32,32A,32B…コンピュータ制御部、34,34A,34B…表示部、35,35A,35B…操作部、36,36A,36B…通信部、51…サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2004−295691号公報
【特許文献2】特表2005−521927号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像の特徴を物理パラメータに置き換え、それを画像の画質(客観的評価値)として、人間が判断する画像の善し悪し(主観的評価値)と対応付ける技術が知られている。例えば、特許文献1の画像判定方法は、客観的評価値のみを用いて、画像の画質を判定する。
【0003】
また、特許文献2のデジタルカメラのように、撮影直後に画像データから性能指数を求め、予め設定された閾値を超えているか否かを判断し、許容可能な品質でない場合に警告表示を行う技術も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した画像判定方法やデジタルカメラでは、複数の画像を自動的に比較し、画質の優劣をその場で判定するような仕組みが成されていなかった。
【0005】
そこで、本発明の画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムは、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像表示装置は、複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部と、前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出部と、前記算出部により算出された複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定部と、前記優劣判定部における判定結果を前記表示部に表示する表示制御部とを備える。
【0007】
なお、前記評価値は、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図のそれぞれに関する評価値からなり、前記算出部は、それぞれの前記評価値の合計を算出し、前記優劣判定部は、前記評価値の合計を比較することにより、画像の優劣を判定しても良い。
【0008】
また、前記優劣判定部は、前記評価値が同一、若しくは近似する場合に、所定の処理を行うことにより、画像の優劣を判定しても良い。
【0009】
また、前記優劣判定部は、前記評価値から標準偏差を算出し、標準偏差が小さい画像を優れていると判定しても良い。
【0010】
また、前記画像に付帯された付帯情報を読み取る読み取り部と、前記読み取り部により読み取られた前記付帯情報に基づいて、前記画像が画像編集済み画像であるか否かを判定する編集判定部とをさらに備え、前記算出部は、前記画像が画像編集済み画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げても良い。
【0011】
また、前記画像が改ざんされた画像であるか否かを判定する改ざん判定部をさらに備え、前記算出部は、前記画像が改ざんされた画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げても良い。
【0012】
また、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つ評価項目のうち、いずれか3つを注目項目とし、前記注目項目の優先順位を予め設定する設定部をさらに備え、前記優劣判定部は、前記優先順位に基づいて、画像の優劣を判定しても良い。
【0013】
本発明のプログラムは、複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部とを備える画像表示装置に用いられるプログラムであって、前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出ステップと、複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定ステップと、判定結果を前記表示部に表示する表示制御ステップとを備える。
【0014】
本発明の画像表示システムは、本発明の画像表示装置を複数有し、該複数の画像表示装置のいずれかを第1画像表示装置とし、該第1画像表示装置を除く画像表示装置を前記第1画像表示装置と通信可能な第2画像表示装置とする画像表示システムにおいて、前記第1画像表示装置は、該第1画像表示装置にて選択された第1画像の前記評価値を算出した後、前記第1画像を前記第2画像表示装置に送信するとともに、前記第2画像表示装置から出力された第2画像の前記評価値を受信したことを受けて、前記第1画像の前記評価値と前記第2画像の前記評価値とを比較して、該比較結果を前記第2画像表示装置に送信し、前記第2画像表示装置は、前記第2画像の前記評価値を算出して、前記第2画像および前記第2画像の前記評価値を前記第1画像表示装置に送信する。
【0015】
なお、前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置の少なくとも一方は、前記第1画像の評価値と第2画像の評価値との比較結果を表示しても良い。
【0016】
また、前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置は、前記第1画像および前記第2画像をそれぞれ表示しても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像表示装置、画像表示装置に用いられるプログラム及び画像表示システムによれば、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のデジタルカメラ1におけるバトルモード時の制御部7の動作を示すフローチャートである。
【図3】画像W〜Zにおける評価値等の例を示す表である。
【図4】第2実施形態におけるデジタルカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bにおけるバトルモード時の制御部7A,7Bの動作を示すフローチャートである。
【図6】表示部8A,8Bの表示例である。
【図7】第3実施形態におけるコンピュータ31の構成を示すブロック図である。
【図8】第4実施形態におけるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】第4実施形態のコンピュータ31A,31Bにおけるコンピュータ制御部32A,32Bの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像表示装置の一例として、デジタルカメラを用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、デジタルカメラ1は、撮像レンズ2、撮像素子3、A/D変換部4、バッファメモリ5、画像処理部6、制御部7、表示部8、操作部9、記録I/F部12、記録媒体13、バス14を備える。
【0020】
撮像レンズ2は、撮像素子3の撮像面に被写体像を結像する。撮像素子3は、撮像レンズ2を通過した光束による被写体像を光電変換し、R、G、Bの各色に対応するアナログ画像信号を出力する。撮像素子3から出力される画像信号は、A/D変換部4に入力される。A/D変換部4は、撮像素子3から出力されるアナログの画像信号をA/D変換し、デジタルの画像信号に変換する。なお、このデジタルの画像信号は、1コマにまとめられ、画像データとしてバッファメモリ5に記録される。バッファメモリ5は、画像処理部6による画像処理の前工程や後工程で画像データを一時的に記録する。画像処理部6は、バッファメモリ5に記憶された画像データに対して画像処理を施す。なお、この画像処理としては、周知のホワイトバランス調整、色補間、階調変換処理、輪郭強調処理などが挙げられる。また、画像処理部6は、記録媒体13に画像ファイルを記録する前にJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などで圧縮する処理や、圧縮された上記のデータを伸長復元する処理をも実行する。
【0021】
制御部7は、所定のシーケンスプログラムにしたがって、デジタルカメラ1の統括的な制御を行う。制御部7は、画像から画質に関係する評価値を算出し、複数の画像における評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する。以下、画像の優劣を判定する処理をバトルとし、画像の優劣を判定するモードを「バトルモード」として説明する。また、評価値の詳細については、後述する。
【0022】
表示部8は、制御部7の制御により各種の画像を表示する。表示部8に表示される各種の画像は、記録媒体13に記録された画像、メニュー画像などを含む。操作部9は、レリーズ釦10、十字キー11などを有する。レリーズ釦10は、撮像時にユーザにより操作される。十字キー11は、上記のメニュー画像等で操作される。なお、レリーズ釦10及び十字キー11の状態は制御部7により検知され、検知された釦の状態に基づいたシーケンスが実行される。記録I/F部12は、記録媒体13を接続するためのコネクタを備えている。この記録I/F部12と記録媒体13とが接続されることにより、記録媒体13に対してデータの書き込み/読み出しを実行する。バス14は、バッファメモリ5、画像処理部6、制御部7、表示部8、記録I/F部12を相互に接続することにより、データや信号の出入力を実行する。なお、A/D変換部4の出力はバス14を介して画像処理部6に接続される。
【0023】
図2は、第1実施形態のデジタルカメラ1におけるバトルモード時の制御部7の動作を示すフローチャートである。なお、記録媒体13には、複数の画像が記録されていることを前提とする。
【0024】
ステップS101で、制御部7は、不図示のメニュー釦が押されると、表示部8に、デジタルカメラ1の機能設定に関する複数の項目及び「バトルモード」の項目を表示する。この状態で、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、「バトルモード」の項目の選択を受け付ける。
【0025】
ステップS102で、制御部7は、記録媒体13に記録された画像ファイルを読み出し、サムネイル画像の一覧を表示部8に表示する。そして、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、画質の評価をしたい画像(以下、対戦画像と称する)の選択を1枚以上受け付ける。なお、制御部7は、「対戦画像を1枚以上選択して下さい。」等のメッセージを表示部8に表示しても良い。
【0026】
ステップS103で、制御部7は、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8に表示し、ユーザから十字キー11を介して、「対戦対象」の項目の選択を受け付ける。
【0027】
ステップS104で、制御部7は、再び記録媒体13に記録された画像ファイルを読み出し、サムネイル画像の一覧を表示部8に表示する。そして、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、ステップS102で選択された対戦画像と比較したい画像(以下、対戦対象画像と称する)の選択を1枚以上受け付ける。バトルモードでは、1回のバトルにつき、2枚の画像を比較する。そのため、対戦画像の枚数と、対戦対象画像の枚数とを揃える必要がある。そこで、制御部7は、ステップS102で選択された対戦画像の枚数を対戦回数として表示部8に表示するとともに、「対戦回数に合わせて、対戦対象画像を1枚以上選択して下さい。」等のメッセージを表示部8に表示することが好ましい。
【0028】
ステップS105で、制御部7は、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8に表示し、ユーザから十字キー11を介して、「バトル開始」の項目の選択を受け付ける。これにより、ステップS102及びステップS104で選択された画像順にバトルを開始する。
【0029】
ここで、評価値について説明する。人間が画質の善し悪しを判断するときの判断要因として、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図などが考えられる。そこで、本実施形態では、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つを画質に関係する評価項目とし、それぞれの程度を示す評価値を以下のように算出する。なお、各評価値は、満点を20点とする。また、各評価値の合計を総合評価値とする。
(1)露出:制御部7は、輝度分布を示すヒストグラムを用いて、適正露出であるほど高得点となるように、露出に関する評価値を算出する。
(2)ピント:制御部7は、ラプラシアンフィルタ等の画像処理後の統計処理を用いて、合焦状態が良いほど高得点となるように、ピントに関する評価値を算出する。なお、スペクトル分析や、他のエッジ検出の手法を用いても良い。
(3)手ぶれ:制御部7は、ラプラシアンフィルタ等の画像処理後の統計処理を用いて、手ぶれがないほど高得点となるように、手ぶれに関する評価値を算出する。なお、スペクトル分析や、他のエッジ検出の手法を用いても良い。ピンぼけ画像と手ぶれ画像との区別は、ぶれに方向性がある画像を手ぶれ画像とする。また、撮影情報よりシャッタ速度が遅い画像を手ぶれ画像と判断しても良いし、デジタルカメラ内部にジャイロセンサを搭載した機種では、手ぶれ情報を画像情報として記録できるのでそれを参照しても良い。
(4)ノイズ:制御部7は、RMS(Root Mean Square)粒状度やウィナースペクトルを用い、画像よりノイズ値を算出して、ノイズがないほど高得点となるように、ノイズに関する評価値を算出する。
(5)構図:制御部7は、構図が良いとされる画像から統計的に求めた「理想構図データ」(このデータがデータベースとして内蔵されている)とのパターンマッチングを行い、理想的な構図に近いほど高得点となるように、構図に関する評価値を算出する。
【0030】
例えば、昼間に女性を撮影した、逆光撮影補助光なし、顔が画像の中心に位置する、いわゆる日の丸構図の写真であれば、想定される点数は、露出:6点、ピント:14点、手ぶれ:18点、ノイズ:14点、構図:6点、総合評価値:58点となる。また、夕景の建物を手持ち撮影した、手ぶれ及びノイズがある写真であれば、想定される点数は、露出:8点、ピント:10点、手ぶれ:4点、ノイズ:4点、構図:16点、総合評価値:42点となる。
【0031】
ステップS106で、制御部7は、ステップS102で最初に選択された対戦画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。また、制御部7は、ステップS104で最初に選択された対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。相加平均、分散、標準偏差を求める式を式1〜3に示す。
【0032】
【数1】
【0033】
図3は、画像W〜Zにおける評価値等の例を示す表である。例えば、図3に示すように、画像Wの相加平均Xは、上記の数1にn=5,X=20,X=15,X=10,X=10,X=10を代入して、(20+15+10+10+10)/5=13となる。同様に、画像Wの分散σは、((20-13)^2+(15-13)^2+(10-13)^2+(10-13)^2+(10-13)^2)/5=16となる。また、画像Wの標準偏差σは、√16=4となる。
【0034】
ステップS107で、制御部7は、画像の優劣を判定する。まず、制御部7は、画質全体の優劣を判定する。例えば、制御部7は、ステップS106で算出した対象画像及び対戦対象画像における総合評価値を比較して、総合評価値が高い方を画質的に優れていると判定する。なお、総合評価値が同一、または近似する場合に、標準偏差が低い方を、画質のバランスがとれた画像と判断して画質的に優れていると判定しても良い。
【0035】
以下、図3を用いて、判定例を示す。以下の例では、総合評価値の差が10点未満の場合を近似するとする。
(a)画像Wと画像Xとの例:総合評価値は同じであるが、標準偏差は画像Xの方が低い。そのため、制御部7は、画像Xの方が画質的に優れていると判定する。
(b)画像Wと画像Yとの例:総合評価値は画像Yの方が高いが、差が10点未満であり、標準偏差は画像Wの方が低い。そのため、制御部7は、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
(c)画像Wと画像Zとの例:総合評価値は画像Zの方が高く、差が10点以上である。そのため、制御部7は、画像Zの方が画質的に優れていると判定する。
【0036】
次に、制御部7は、2枚の画像における評価項目毎の評価値を比較して、評価項目毎の優劣を判定する。
【0037】
ステップS108で、制御部7は、対戦画像及び対戦対象画像のサムネイル画像と、対戦画像及び対戦対象画像における各評価値と、評価項目毎の判定結果とを表示部8に表示する。このとき、各評価値をバトルのターンに見立てて、バトルの演出効果を加えても良い。その後、制御部7は、画質全体の判定結果を表示部8に表示する。なお、制御部7は、画質全体の判定結果のみを表示しても良い。
【0038】
ステップS109で、制御部7は、ステップS102で選択された全ての対戦画像のバトルを行ったか否か、すなわち、バトルが終了したか否かを判定する。バトルが終了した場合(ステップS109の判定がYESとなる場合)には、一連の処理を終了する。一方、バトルが終了していない場合(ステップS109の判定がNOとなる場合)には、ステップS106に戻り、ステップS102で二番目に選択された対戦画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。また、制御部7は、ステップS104で二番目に選択された対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。制御部7は、バトルが全て終了するまでこれを繰り返す。
【0039】
以上説明したように、第1実施形態のデジタルカメラ1は、画像から画質に関係する評価値を算出し、複数の画像における評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する。そのため、第1実施形態のデジタルカメラ1によれば、勝負するというゲーム感覚的な楽しさを提供しつつ、画像の画質評価を行うことができる。
【0040】
なお、第1実施形態において、バトルを行う画像について詳細は述べていないが、画像編集ソフトウェア等を用いて編集操作を加えた画像は、ステップS107の判定において有利になると考えられる。そのため、制御部7は、画像ファイルから読み出したExifのタグ情報に画像編集ソフトウェアの名前が存在する場合や、特開2007−324848号公報に示されるように、画像データの改ざんを判別する検証プログラムを用いて、画像が改ざんされていると判定した場合に、撮影画像に編集操作を加えたものであるとして、総合評価値を一律下げても良い。なお、総合評価値から一定の点数を差し引いても良いし、総合評価値の特定割合の点数を差し引いても良い。
【0041】
以下、図3を用いて、判定例を示す。以下の例では、編集操作を加えた画像である場合に、総合評価値の20%分を総合評価値から差し引く例を示す。
(d)画像Wと画像Xとの例:画像Xが画像編集済みであった場合、総合評価点は、65-65*0.2=52となる。その結果、総合評価点は画像Wの方が高く、差が10点以上となる。したがって、制御部7は、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
(e)画像Wと画像Zとの例:画像Zが改ざんされている場合、総合評価点は、80-80*0.2=64となる。総合評価点は画像Zの方が高いままであるが、差が10点未満であり、標準偏差は画像Wの方が低い。そのため、制御部7は、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
【0042】
また、ステップS107では、総合評価値の差が近似する場合に標準偏差を用いたが、これに限らない。例えば、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つの評価項目のうち、独立性のある3つ以上の評価項目(以下、注目項目と称する)に対して、優先順位を予め設定する。制御部7は、この優先順位に基づいて、対象画像及び対戦対象画像における評価値が最も高い評価項目同士を比較することにより、優劣を判定しても良い。
【0043】
ここで、注目項目を、露出、手ぶれ、ノイズとする場合、「露出」>「手ぶれ」、「手ぶれ」>「ノイズ」、「ノイズ」>「露出」という優劣関係を予め設定する。これにより、常に優れている画像、すなわち絶対的にバトルに勝てるという画像が存在しなくなり、バトルを行う相手により勝敗が異なるという意外性を実現することができる。以下、図3を用いて、判定例を示す。
(f)画像Wと画像Xとの例:総合評価点は同じである。評価値が最も高い評価項目は、画像Wが「露出」、画像Xが「手ぶれ」である。制御部7は、予め設定された優劣関係が「露出」>「手ぶれ」であるため、画像Wの方が画質的に優れていると判定する。
(g)画像Wと画像Yとの例:総合評価点は、画像Yの方が高いが、差は10点未満である。評価値が最も高い評価項目は、画像Wが「露出」、画像Yが「ノイズ」である。制御部7は、予め設定された優劣関係が「ノイズ」>「露出」であるため、画像Yの方が画質的に優れていると判定する。
【0044】
このように、偶然性の要素を判定に加えることにより、バトルのおもしろさを増すことができる。なお、制御部7は、評価値が最も高い評価項目が複数存在する場合に、比較する画像に対して有利になる評価項目を採用する。例えば、評価値が最も高い評価項目が、画像Uが「露出」、画像Vが「手ぶれ」と「ノイズ」であったとする。この場合、制御部7は、画像Vの「ノイズ」を採用する。そして、制御部7は、予め設定された優劣関係が「ノイズ」>「露出」であるため、画像Vの方が画質的に優れていると判定する。
【0045】
なお、評価項目を例に挙げて説明したが、独立する3つ以上のパラメータであれば、これに限らない。例えば、色味として独立するR,G,Bを評価項目とし、「R」>「G」、「G」>「B」、「B」>「R」という優劣関係を予め設定する。この場合、制御部7は、R,G,Bそれぞれの色成分値を算出し、色成分値が最も高い色同士を比較すれば良い。
【0046】
また、制御部7は、ユーザから十字キー11を介して、上述した複数の判定方法からいずれかの選択を受け付けても良い。
【0047】
また、ステップS107では、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つの評価項目の評価値を合算した総合評価値を比較することにより、画像の優劣を判定したが、これに限らない。例えば、上記の評価項目のうち、予め設定されているいずれか一つの評価項目の評価値を比較して、画像の優劣を判定しても良い。
【0048】
また、ステップS108で表示部8に表示する画像は、対戦画像及び対戦対象画像のサムネイル画像としたが、これに限らない。例えば、対戦画像及び対戦対象画像の一部領域でも良い。
【0049】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では単一カメラ内での画像バトルの例を示した。第2実施形態では、複数カメラ同士での画像バトルの例を示す。図4は、第2実施形態におけるデジタルカメラシステムの構成を示すブロック図である。図4に示すように、デジタルカメラシステムは、デジタルカメラ1A,1Bにより構成される。通信部15A,15Bは、WiFi機能を有し、データを通信することができる。その他の構成は、符号A,Bが付されているが、第1実施形態のデジタルカメラ1と同じであるため省略する。
【0050】
図5は、第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bにおけるバトルモード時の制御部7A,7Bの動作を示すフローチャートである。図6は、表示部8A,8Bの表示例である。なお、記録媒体13A,13Bには、複数の画像が記録されていることを前提とする。また、デジタルカメラ1Aを、通信のイニシアチブをとるホストカメラとし、デジタルカメラ1Bをゲストカメラとする。
【0051】
最初に、デジタルカメラ1Aの制御部7Aの動作について説明する。ステップS201で、制御部7Aは、図2のステップS101と同様の処理を行う。
【0052】
ステップS202で、制御部7Aは、通信部15AによりWiFi通信を行い、対戦相手として、バトルモードの機能を有するデジタルカメラをサーチする。ここで、制御部7Aは、デジタルカメラ1Bを発見したとする。
【0053】
ステップS203で、制御部7Aは、図2のステップS102と同様の処理を行う。また、制御部7Aは、図6(1)に示すように、最初に選択された対戦画像のサムネイル画像23を表示部8Aに表示する。
【0054】
ステップS204で、制御部7Aは、対戦相手のデジタルカメラ1Bを発見すると、ユーザにその旨を通知する。そして、制御部7Aは、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8Aに表示し、ユーザから十字キー11Aを介して、「バトルを挑む」の項目の選択を受け付ける。ここで、「バトルを挑む」の項目を先に選択したデジタルカメラがホストカメラとなる。
【0055】
ステップS205で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bにリクエスト送信を行う。なお、第1実施形態で説明したように、バトルモードでは、1回のバトルにつき、2枚の画像を比較する。そのため、デジタルカメラ1Aで選択された対戦画像の枚数と、デジタルカメラ1Bで選択される対戦対象画像の枚数とを揃える必要がある。そこで、制御部7Aは、リクエスト送信とともに、ステップS203で選択された対戦画像の枚数を対戦回数として送信する。
【0056】
ステップS206で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bからレスポンスを受信する。これにより、バトル開始の準備が整う。そして、制御部7Aは、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8Aに表示し、ユーザから十字キー11Aを介して、「バトル開始」の項目の選択を受け付ける。
【0057】
ステップS207で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7BにステップS203で最初に選択された対戦画像のサムネイル画像23を送信する。
【0058】
ステップS208で、制御部7Aは、図2のステップS106と同様の処理を行い、ステップS203で最初に選択された対戦画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。
【0059】
ステップS209で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bから対戦対象画像のサムネイル画像24を受信する。そして、制御部7Aは、図6(4)に示すように、サムネイル画像23及びサムネイル画像24を表示部8Aに表示する。これにより、デジタルカメラ1Aのユーザは、対戦画像と対戦対象画像とを見比べることができる。
【0060】
ステップS210で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Bから対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を受信する。そして、制御部7Aは、図2のステップS107と同様の処理を行い、対戦画像と対戦対象画像との優劣を判定する。
【0061】
ステップS211で、制御部7Aは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7BにステップS210における判定結果を送信する。
【0062】
ステップS212で、制御部7Aは、図2のステップS108と同様の処理を行う。画質全体の判定結果の表示例を図6(5)に示す。
【0063】
ステップS213で、制御部7Aは、図2のステップS109と同様に、バトルが終了したか否かを判定する。バトルが終了した場合(ステップS213の判定がYESとなる場合)には、一連の処理を終了する。一方、バトルが終了していない場合(ステップS213の判定がNOとなる場合)には、ステップS207に戻る。
【0064】
次に、デジタルカメラ1Bの制御部7Bの動作について説明する。ステップS301で、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、ステップS205で制御部7Aから送信されたリクエストを受信すると、「バトルが望まれています。バトルを受けますか。」等のメッセージとともに、バトルモードに関するメニュー画像を表示部8Bに表示する。そして、制御部7Bは、ユーザから十字キー11Bを介して、「バトルを受ける」の項目の選択を受け付ける。その後、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7Aにレスポンスを送信する。
【0065】
ステップS302で、制御部7Bは、記録媒体13Bに記録された画像ファイルを読み出し、サムネイル画像の一覧を表示部8Bに表示する。そして、制御部7Bは、ステップS205で制御部7Aから送信された対戦回数とともに、「対戦回数に合わせて、対戦対象画像を1枚以上選択して下さい。」等のメッセージを表示部8Bに表示する。その後、制御部7Bは、ユーザから十字キー11Bを介して、対戦対象画像の選択を1枚以上受け付ける。また、制御部7Bは、図6(1)に示すように、最初に選択された対戦対象画像のサムネイル画像24を表示部8Bに表示する。
【0066】
ステップS303で、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、ステップS207で制御部7Aから送信されたサムネイル画像23を受信する。そして、制御部7Bは、図6(2)に示すように、サムネイル画像24及びサムネイル画像23を表示部8Bに表示する。これにより、デジタルカメラ1Bのユーザは、対戦対象画像と対戦画像とを見比べることができる。
【0067】
ステップS304で、制御部7Bは、図2のステップS106と同様の処理を行い、ステップS302で最初に選択された対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を算出する。
【0068】
ステップS305で、制御部7Bは、図6(3)に示すように、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7AにステップS204で最初に選択された対戦画像のサムネイル画像24を送信する。
【0069】
ステップS306で、制御部7Bは、図6(4)に示すように、通信部15A及び通信部15Bを介して、制御部7AにステップS304で算出した対戦対象画像における各評価値、総合評価値及び標準偏差を送信する。なお、サムネイル画像23と評価値等とを別々に送信する例を示したが、ステップS305で同時に送信しても良い。
【0070】
ステップS307で、制御部7Bは、通信部15A及び通信部15Bを介して、ステップS211で制御部7Aから送信された判定結果を受信すると、図2のステップS108と同様の処理を行う。画質全体の判定結果の表示例を図6(5)に示す。
【0071】
ステップS308で、制御部7Bは、図2のステップS109と同様に、バトルが終了したか否かを判定する。バトルが終了した場合(ステップS308の判定がYESとなる場合)には、一連の処理を終了する。一方、バトルが終了していない場合(ステップS308の判定がNOとなる場合)には、ステップS303に戻る。
【0072】
以上説明したように、第2実施形態のデジタルカメラシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態のデジタルカメラシステムは、複数のデジタルカメラとデータを通信することにより、複数人の相手を想定しながら、闘争心を持ちつつ手軽に自分が撮影した画像の画質評価を行うことができる。
【0073】
なお、第2実施形態では、2台のデジタルカメラにより画像バトルを行う例を示したが、3台以上のデジタルカメラにも適用できるとする。
【0074】
また、第2実施形態では、制御部7Aが画像の優劣を判定する例を示したが、制御部7Bが行っても良い。この場合、制御部7Aは、ステップS209で、制御部7Bに対戦画像における評価値等を送信する。そして、制御部7Bは、ステップS306で、画像の優劣を判定し、その判定結果を制御部7Aに送信すれば良い。
【0075】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、バトルモードにおいて対戦画像の選択を受け付けたが、これに限らない。例えば、再生モードにおいて対戦画像の選択を受け付け、その後、サブメニュー画像によりバトルモードの選択を受け付けても良い。
【0076】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、カメラ内での画像バトルの例を示した。第3実施形態では、1台のコンピュータ内での画像バトルの例を示す。図7は、第3実施形態におけるコンピュータ31の構成を示すブロック図である。図7に示すように、コンピュータ31は、コンピュータ制御部32、記録部33、表示部34、キーボードやマウスなどを含む操作部35、第1実施形態のデジタルカメラ1と接続可能、または第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bと通信可能な通信部36を備え、ユーザから操作部35を介して指示を受け付けるとともに、第1実施形態のデジタルカメラ1、または第2実施形態のデジタルカメラ1A,1Bから取得した画像や、記録部33に記録した画像を表示部34に表示する。コンピュータ制御部32は、画像バトルを行う専用アプリケーション(図2のフローチャート参照)を有し、第1実施形態の制御部7と同様の画像バトルを行う。
【0077】
以上説明したように、第3実施形態のコンピュータ31によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(第4実施形態)
以下、本発明の第4実施形態について説明する。第3実施形態では、1台のコンピュータ内での画像バトルの例を示した。第4実施形態では、複数コンピュータ同士での画像バトルの例を示す。図8は、第4実施形態におけるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータシステムは、コンピュータ31A,31B、サーバ51により構成される。コンピュータ31A,31Bの構成は、符号A,Bが付されているが、第3実施形態のコンピュータ31と同じであるため省略する。サーバ51は、画像バトルを行う仮想の対戦場所をユーザに提供するサイトを開設している。また、サーバ51には、コンピュータ31A,31Bが接続されている。
【0079】
図9は、第4実施形態のコンピュータ31A,31Bにおけるコンピュータ制御部32A,32Bの動作を示すフローチャートである。なお、記録部33A,33Bには、複数の画像が記録されていることを前提とする。また、コンピュータ31Aのユーザを、通信のイニシアチブをとるホストユーザとし、コンピュータ32Bのユーザをゲストユーザとする。
【0080】
最初に、コンピュータ31Aのコンピュータ制御部32Aの動作について説明する。ステップS501で、コンピュータ制御部32Aは、ユーザから操作部35Aを介して、専用アプリケーションを起動する指示を受け付ける。これにより、サーバ51にログインし、対戦待機状態となる。なお、サーバ51には、例えば、風景写真のバトルを行う部屋や、人物写真のバトルを行う部屋など、複数の対戦場所が開設されている。コンピュータ制御部32Aは、ユーザから操作部35Aを介して、いずれかの対戦場所の選択を受け付ける。
【0081】
ステップS502は、図5のステップS203に対応するため、重複説明を省略する。
【0082】
ステップS503で、コンピュータ制御部32Aは、ステップS501で選択された対戦場所で待機している対戦相手のプロフィール一覧を表示部34Aに表示する。例えば、対戦相手のプロフィールには、住所や写真歴などが含まれる。これにより、ユーザの好みに応じたバトルを行うことができる。なお、表示部34Aに表示する対戦相手は、ユーザ設定により、予めユーザと認知しあっている対戦相手のみでも良いし、不特定の対戦相手でも良い。コンピュータ制御部32Aは、ユーザから操作部35Aを介して、対戦相手のプロフィール一覧からいずれか一人の選択を受け付ける。ここで、コンピュータ32Bのユーザが選択されたとする。
【0083】
ステップS504で、コンピュータ制御部32Aは、バトルモードに関するメニュー画像を表示部34Aに表示し、ユーザから操作部35Aを介して、「バトルを挑む」の項目の選択を受け付ける。ここで、「バトルを挑む」の項目を先に選択したユーザがホストユーザとなる。
【0084】
ステップS505〜S513は、図5のステップS205〜S213にそれぞれ対応するため、重複説明を省略する。
【0085】
次に、コンピュータ31Bのコンピュータ制御部32Bの動作について説明する。ステップS601で、コンピュータ制御部32Bは、ユーザから操作部35Bを介して、専用アプリケーションを起動する指示を受け付ける。また、コンピュータ制御部32Bは、ユーザから操作部35Bを介して、いずれかの対戦場所の選択を受け付ける。
【0086】
ステップS602〜S609は、図5のステップS301〜S308にそれぞれ対応するため、重複説明を省略する。
【0087】
以上説明したように、第4実施形態のコンピュータシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4実施形態のコンピュータシステムは、複数のコンピュータとデータを通信することにより、複数人の相手を想定しながら、闘争心を持ちつつ手軽に自分が撮影した画像の画質評価を行うことができる。
【0088】
なお、第4実施形態では、2台のコンピュータにより画像バトルを行う例を示したが、3台以上のコンピュータにも適用できるとする。
【0089】
また、第4実施形態では、サーバ51を介して、データを通信する例を示したが、これに限らない。例えば、サーバ51を介することなく、コンピュータ31A,31B間のペアツーペア通信により画像バトルを行っても良い。
【0090】
また、第4実施形態では、コンピュータ制御部32Aが画像の優劣を判定する例を示したが、コンピュータ制御部32Bが行っても良い。
【0091】
また、第4実施形態では、コンピュータ制御部32A,32Bがそれぞれ各評価値、総合評価値、標準偏差を算出する例を示したが、これに限らない。例えば、コンピュータ制御部32Aは、サーバ51に対戦画像を送信する。また、コンピュータ制御部32Bは、サーバ51に対戦対象画像を送信する。サーバ51は、送信された対戦画像及び対戦対象画像における評価値等を算出し、画像の優劣を判定するとともに、その判定結果をコンピュータ制御部32A,32Bに送信する構成にしても良い。
【0092】
また、第4実施形態では、専用アプリケーションを用いる例を示したが、これに限らない。例えば、専用アプリケーションの代わりに、Webブラウザを利用して、所定のURLにアクセスしてログイン操作を行い、画像バトルを行う構成にしても良い。
【0093】
また、第2実施形態及び第4実施形態では、対戦画像及び対戦対象画像のサムネイル画像を通信する例を示したが、これに限らない。例えば、対戦画像及び対戦対象画像を通信しても良いし、対戦画像及び対戦対象画像から特徴部分を切り出して作成した画像を通信しても良い。
【0094】
また、第1実施形態から第4実施形態では、静止画像の画像バトルを行う例を示したが、動画像にも適用できるとする。
【0095】
また、第1実施形態から第4実施形態では、画像表示装置として、デジタルカメラ、コンピュータを例に挙げているが、これに限らない。例えば、スチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などにも本発明を同様に適用することができる。
【0096】
また、第1実施形態から第4実施形態では、評価値となる画質パラメータを露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つとしたが、その数を減らしても良い。さらに画質として独立するパラメータであれば、別の画質パラメータを採用して、それを追加したり、それに変更しても良い。
【符号の説明】
【0097】
1,1A,1B…デジタルカメラ、7,7A,7B…制御部、8,8A,8B…表示部、9,9A,9B…操作部、15A,15B…通信部、31,31A,31B…コンピュータ、32,32A,32B…コンピュータ制御部、34,34A,34B…表示部、35,35A,35B…操作部、36,36A,36B…通信部、51…サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2004−295691号公報
【特許文献2】特表2005−521927号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出部と、
前記算出部により算出された複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定部と、
前記優劣判定部における判定結果を前記表示部に表示する表示制御部と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記評価値は、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図のそれぞれに関する評価値からなり、
前記算出部は、それぞれの前記評価値の合計を算出し、
前記優劣判定部は、前記評価値の合計を比較することにより、画像の優劣を判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像表示装置において、
前記優劣判定部は、前記評価値が同一、若しくは近似する場合に、所定の処理を行うことにより、画像の優劣を判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記優劣判定部は、前記評価値から標準偏差を算出し、標準偏差が小さい画像を優れていると判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像表示装置において、
前記画像に付帯された付帯情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部により読み取られた前記付帯情報に基づいて、前記画像が画像編集済み画像であるか否かを判定する編集判定部とをさらに備え、
前記算出部は、前記画像が画像編集済み画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像表示装置において、
前記画像が改ざんされた画像であるか否かを判定する改ざん判定部をさらに備え、
前記算出部は、前記画像が改ざんされた画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示装置において、
露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つ評価項目のうち、いずれか3つを注目項目とし、前記注目項目の優先順位を予め設定する設定部をさらに備え、
前記優劣判定部は、前記優先順位に基づいて、画像の優劣を判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部とを備える画像表示装置に用いられるプログラムであって、
前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出ステップと、
複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定ステップと、
判定結果を前記表示部に表示する表示制御ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載の画像表示装置を複数有し、該複数の画像表示装置のいずれかを第1画像表示装置とし、該第1画像表示装置を除く画像表示装置を前記第1画像表示装置と通信可能な第2画像表示装置とする画像表示システムにおいて、
前記第1画像表示装置は、該第1画像表示装置にて選択された第1画像の前記評価値を算出した後、前記第1画像を前記第2画像表示装置に送信するとともに、前記第2画像表示装置から出力された第2画像の前記評価値を受信したことを受けて、前記第1画像の前記評価値と前記第2画像の前記評価値とを比較して、該比較結果を前記第2画像表示装置に送信し、
前記第2画像表示装置は、前記第2画像の前記評価値を算出して、前記第2画像および前記第2画像の前記評価値を前記第1画像表示装置に送信する
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像表示システムにおいて、
前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置の少なくとも一方は、前記第1画像の評価値と第2画像の評価値との比較結果を表示する
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の画像表示システムにおいて、
前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置は、前記第1画像および前記第2画像をそれぞれ表示する
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項1】
複数の画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出部と、
前記算出部により算出された複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定部と、
前記優劣判定部における判定結果を前記表示部に表示する表示制御部と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記評価値は、露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図のそれぞれに関する評価値からなり、
前記算出部は、それぞれの前記評価値の合計を算出し、
前記優劣判定部は、前記評価値の合計を比較することにより、画像の優劣を判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像表示装置において、
前記優劣判定部は、前記評価値が同一、若しくは近似する場合に、所定の処理を行うことにより、画像の優劣を判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記優劣判定部は、前記評価値から標準偏差を算出し、標準偏差が小さい画像を優れていると判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像表示装置において、
前記画像に付帯された付帯情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部により読み取られた前記付帯情報に基づいて、前記画像が画像編集済み画像であるか否かを判定する編集判定部とをさらに備え、
前記算出部は、前記画像が画像編集済み画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像表示装置において、
前記画像が改ざんされた画像であるか否かを判定する改ざん判定部をさらに備え、
前記算出部は、前記画像が改ざんされた画像であると判定された場合に、前記評価値を一律下げる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示装置において、
露出、ピント、手ぶれ、ノイズ、構図の5つ評価項目のうち、いずれか3つを注目項目とし、前記注目項目の優先順位を予め設定する設定部をさらに備え、
前記優劣判定部は、前記優先順位に基づいて、画像の優劣を判定する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
複数の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の前記画像から少なくとも2以上の画像を選択する選択部とを備える画像表示装置に用いられるプログラムであって、
前記選択部により選択された前記画像から、画質に関係する評価値を画像毎に算出する算出ステップと、
複数の前記画像の前記評価値を比較することにより、画像の優劣を判定する優劣判定ステップと、
判定結果を前記表示部に表示する表示制御ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載の画像表示装置を複数有し、該複数の画像表示装置のいずれかを第1画像表示装置とし、該第1画像表示装置を除く画像表示装置を前記第1画像表示装置と通信可能な第2画像表示装置とする画像表示システムにおいて、
前記第1画像表示装置は、該第1画像表示装置にて選択された第1画像の前記評価値を算出した後、前記第1画像を前記第2画像表示装置に送信するとともに、前記第2画像表示装置から出力された第2画像の前記評価値を受信したことを受けて、前記第1画像の前記評価値と前記第2画像の前記評価値とを比較して、該比較結果を前記第2画像表示装置に送信し、
前記第2画像表示装置は、前記第2画像の前記評価値を算出して、前記第2画像および前記第2画像の前記評価値を前記第1画像表示装置に送信する
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像表示システムにおいて、
前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置の少なくとも一方は、前記第1画像の評価値と第2画像の評価値との比較結果を表示する
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の画像表示システムにおいて、
前記第1画像表示装置および前記第2画像表示装置は、前記第1画像および前記第2画像をそれぞれ表示する
ことを特徴とする画像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−178247(P2010−178247A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21154(P2009−21154)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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