説明

画像表示装置、画像表示装置の制御方法、およびプロジェクター

【課題】簡易な操作で設定値を所定の値に設定することが可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置は、画像表示装置(プロジェクター1)の設定を行うための設定画像を表示する表示部(画像投写部10)と、キー操作を受け付ける操作受付部(操作パネル22)と、キー操作に応じて、設定画像において設定値を調整する調整部(制御部20、画像処理部31、画像補正部33)と、調整部によって調整された設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、操作受付部が所定のキー操作を受け付けると、設定値に所定の値を設定する制御部20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、画像表示装置の制御方法、およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像調整用メニューを表示し、その映像調整用メニューにおいてバックライトの明るさを調整したり、コントラストや輝度を調整したり、色調を調整したり、色合いを調整したりする映像表示装置(画像表示装置)が開示されている(特許文献1)。この映像表示装置の映像調整用メニューにおける各項目は、項目を表すタイトルと、数字で示される設定値と、設定値を示す図形であるスライダー(インジケーター)とからなる。また、この映像表示装置の映像調整用メニューには、各項目の設定値を初期値にリセットするためのリセット項目を備えている。
【0003】
また、設定値を増加させるためのキーと減少させるためのキーを同時押下することで、映像調整用メニューの項目を初期値にリセットすることができる画像表示装置(プロジェクター)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−102328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すように、映像調整用メニュー内にリセット項目が設けられている態様では、リセットを実行するためには、リセット項目にカーソルを移動させて選択キーを押下するような操作が必要となるため、手間が掛かっていた。また、映像調整用メニュー内のリセット項目を選択すると、映像調整用メニュー内の全ての項目が初期化されてしまい、項目毎の初期化が困難な場合もあった。また、設定値をリセットするための物理的(ハード的)なリセットキー(ボタン)を備えている画像表示装置等の機器もあるが、機器のコストが上昇してしまうという問題を有していた。
【0006】
また、設定値を増加させるためのキーと減少させるためのキーを同時押下することで、項目を初期値にリセットする画像表示装置では、例えば、キー構造が十字キーのような構造になっている場合には、対象とする複数のキーを押下することができなかった。
【0007】
さらに、上述したようなリセット操作では、設定値を初期値にすることしか考慮されていなかった。従って、簡易な操作で設定値を所定の値に設定することが可能な画像表示装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は、画像を表示する画像表示装置であって、前記画像表示装置の設定を行うための設定画像を表示する表示部と、キー操作を受け付ける操作受付部と、前記キー操作に応じて、前記設定画像において設定値を調整する調整部と、前記調整部によって調整された前記設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、前記操作受付部が所定のキー操作を受け付けると、前記設定値に所定の値を設定する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このような画像表示装置によれば、表示部と操作受付部と調整部と制御部とを有する。表示部は、画像表示装置の設定を行うための設定画像を表示する。操作受付部は、キー操作を受け付ける。調整部は、設定画像が表示されている状態で設定値をキー操作に応じて調整する。制御部は、設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、所定のキー操作を受け付けると、設定値に所定の値に設定する。これにより、所定のキー操作によって、設定値に所定の値を設定することが可能となる。
【0011】
[適用例2]上記適用例に係る画像表示装置において、前記所定のキー操作は、前記設定値が前記調整範囲の最大となっている場合には、前記設定値を増加させるためのキーを所定の時間連続押下する第1の操作であり、前記設定値が前記調整範囲の最小となっている場合には、前記設定値を減少させるためのキーを所定の時間連続押下する第2の操作であることを特徴とする。
【0012】
このような画像表示装置によれば、設定値に所定の値を設定するための所定のキー操作は、設定値が調整範囲の最大となっている場合には、設定値を増加させるためのキーを所定の時間連続押下する第1の操作であり、調整範囲の最小となっている場合には、設定値を減少させるためのキーを所定の時間連続押下する第2の操作である。これにより、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値に所定の値を設定することが可能になる。
【0013】
[適用例3]上記適用例に係る画像表示装置において、前記第1の操作または前記第2の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記設定値の初期値であることを特徴とする。
【0014】
このような画像表示装置によれば、制御部が設定値に設定する所定の値は、設定値の初期値である。これにより、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値を初期値にリセットすることが可能になる。
【0015】
[適用例4]上記適用例に係る画像表示装置において、前記表示部に前記設定画像を表示させた時点の第1の設定値を記憶する第1の記憶部をさらに有し、前記第1の操作または前記第2の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記第1の記憶部に記憶された前記第1の設定値であることを特徴とする。
【0016】
このような画像表示装置によれば、第1の記憶部は、設定画像を表示させた時点の第1の設定値を記憶する。そして、制御部が設定値に設定する所定の値は、第1の設定値である。これにより、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値を調整する前の設定値に戻すことが可能になる。
【0017】
[適用例5]上記適用例に係る画像表示装置において、前記第1の操作または前記第2の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記設定値が前記調整範囲の最大となっている場合には、前記調整範囲の最小の値であり、前記設定値が前記調整範囲の最小となっている場合には、前記調整範囲の最大の値であることを特徴とする。
【0018】
このような画像表示装置によれば、制御部が設定値に設定する所定の値は、設定値が調整範囲の最大となっている場合には、調整範囲の最小の値であり、設定値が調整範囲の最小となっている場合には、調整範囲の最大の値である。これにより、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で、設定値の最大値を最小値に変更したり、最小値を最大値に変更したりすることが可能になる。
【0019】
[適用例6]上記適用例に係る画像表示装置において、前記所定のキー操作は、前記設定値が前記調整範囲の最大となっている場合には、前記設定値を増加させるためのキーを断続的に複数回押下する第3の操作であり、前記設定値が前記調整範囲の最小となっている場合には、前記設定値を減少させるためのキーを断続的に複数回押下する第4の操作であることを特徴とする。
【0020】
このような画像表示装置によれば、設定値に所定の値を設定するための所定のキー操作は、設定値が調整範囲の最大となっている場合には、設定値を増加させるためのキーを断続的に複数回押下する第3の操作であり、調整範囲の最小となっている場合には、設定値を減少させるためのキーを断続的に複数回押下する第4の操作である。これにより、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値を所定の値に変更することが可能になる。
【0021】
[適用例7]上記適用例に係る画像表示装置において、前記第3の操作または前記第4の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記設定値の初期値であることを特徴とする。
【0022】
このような画像表示装置によれば、制御部が設定値に設定する所定の値は、設定値の初期値である。これにより、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値を初期値にリセットすることが可能になる。
【0023】
[適用例8]本適用例に係る画像表示装置の制御方法は、画像を表示する画像表示装置の制御方法であって、前記画像表示装置の設定を行うための設定画像を表示する表示ステップと、キー操作を受け付ける操作受付ステップと、前記操作受付ステップによって受け付けられた前記キー操作に応じて、前記設定画像において設定値を調整する調整ステップと、前記調整ステップによって調整された前記設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、前記操作受付ステップによって所定のキー操作を受け付けられると、前記設定値に所定の値を設定する制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【0024】
このような画像表示装置の制御方法によれば、制御ステップは、設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、所定のキー操作を受け付けると、設定値に所定の値に設定する。これにより、所定のキー操作によって、設定値に所定の値を設定することが可能となる。
【0025】
[適用例9]本適用例に係るプロジェクターは、プロジェクターであって、前記プロジェクターの設定を行うための設定画像を表示する表示部と、キー操作を受け付ける操作受付部と、前記キー操作に応じて、前記設定画像において設定値を調整する調整部と、前記調整部によって調整された前記設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、前記操作受付部が所定のキー操作を受け付けると、前記設定値に所定の値を設定する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0026】
このようなプロジェクターによれば、制御部は、設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、所定のキー操作を受け付けると、設定値に所定の値を設定する。これにより、所定のキー操作によって、設定値に所定の値を設定することが可能となる。
【0027】
また、上述した画像表示装置、画像表示システムの制御方法、およびプロジェクターが、画像表示装置、プロジェクターに備えられたコンピューターを用いて構築されている場合には、上記形態および上記適用例は、その機能を実現するためのプログラム、あるいは当該プログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやHDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu−ray Disc(登録商標)、光磁気ディスク、不揮発性メモリーカード、画像表示装置、プロジェクターの内部記憶装置(RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリー)、および外部記憶装置(USBメモリー等)等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態のプロジェクターを示す斜視図であり、(a)は、前方から見た図、(b)は、後方から見た図。
【図2】プロジェクターの概略構成を示すブロック図。
【図3】プロジェクターの操作パネルを示す平面図。
【図4】プロジェクターのメニュー画像の説明図。
【図5】プロジェクターの台形歪補正画像の説明図であり、(a)は、補正値が初期値の場合の台形歪補正画像の説明図、(b)は、調整途中の台形歪補正画像の説明図、(c)は、補正値が最大値の場合の台形歪補正画像の説明図。
【図6】プロジェクターが台形歪補正を行っている際の処理のフローチャート。
【図7】第2の実施形態に係るプロジェクターのメニュー項目選択時の処理のフローチャート。
【図8】プロジェクターが台形歪補正を行っている際の処理のフローチャート。
【図9】第3の実施形態に係るプロジェクターが明るさ調整を行っている際の処理のフローチャート。
【図10】プロジェクターの明るさ調整画面の説明図であり、(a)は、設定値が最大の場合の明るさ調整画面の説明図、(b)は、設定値が最小の場合の明るさ調整画面の説明図。
【図11】第4の実施形態に係るプロジェクターが台形歪の補正を行っている際の処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態として、光源から射出された光を画像信号に基づいて変調して光学像を形成し、この光学像を外部のスクリーン等に投写する画像表示装置としてのプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、第1の実施形態のプロジェクターを示す斜視図であり、(a)は、前方から見た図、(b)は、後方から見た図である。
図1(a)、(b)に示すように、プロジェクター1は、装置本体を収容する筐体100を備えて構成されており、筐体100の上面100tには、ユーザーにより入力操作が行われる操作パネル22が配置されている。筐体100の背面100rには、複数の入力端子を備えた画像情報入力部30が設けられており、画像情報入力部30には、図示しない外部の画像供給装置から画像情報が入力される。筐体100の前面100fには、投写レンズ13を露出させるための開口部200が形成されており、この投写レンズ13から、画像情報に基づく画像が前方の投写面Sに投写される。
【0031】
図2は、プロジェクター1の概略構成を示すブロック図である。図3は、プロジェクター1の操作パネル22を示す平面図である。
図2に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、光源制御部21、操作パネル22、画像情報入力部30、画像処理部31、OSD処理部32、画像補正部33等を備えており、これらは、筐体100の内部に収容されている。
【0032】
画像投写部10は、光源としての光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等で構成されている。画像投写部10は、表示部に相当するものであり、光源装置11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで画像光に変調し、この画像光を投写レンズ13から投写して投写面Sに画像を表示する。
【0033】
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0034】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、複数の画素(図示せず)がマトリクス状に配列された矩形状の画素領域を備えており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの画素領域を透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によって拡大投写される。
【0035】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のROM(Read Only Memory)等を備えており、ROMに記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、コンピューターとして機能する。また、制御部20は、タイマー(図示せず)を内蔵しており、キーの連続押下を判定するために、所定の時間を計測する。
【0036】
操作パネル22は、ユーザーのキー操作を受け付ける操作受付部に相当するものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。図3に示すように、本実施形態の操作パネル22には、電源キー41、入力切替キー42、メニューキー43、上下左右に対応する4つの方向キー44(上方向キー44a、下方向キー44b、左方向キー44c、右方向キー44d)、決定キー45、ESC(Escape)キー46、ヘルプキー47等の操作キーが含まれている。ユーザーが操作パネル22の各種操作キーを操作すると、操作パネル22は、この操作を受け付けて、操作された操作キーに対応する制御信号を制御部20に出力する。そして、制御部20は、操作パネル22から制御信号が入力されると、入力された制御信号に基づく処理を行って、プロジェクター1の動作を制御する。なお、操作パネル22の代わりに、あるいは操作パネル22とともに、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を入力操作部として用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発信し、図示しないリモコン信号受信部がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0037】
図2に戻って、画像情報入力部30は、上述したように、複数の入力端子を備えており、これらの入力端子には、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、図示しない外部の画像供給装置から各種形式の画像情報が入力される。画像情報入力部30は、入力された画像情報を画像処理部31に出力する。
【0038】
画像処理部31は、画像情報入力部30から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する。さらに、画像処理部31は、制御部20の指示に基づいて、変換した画像情報に対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等の画質を調整するための画質調整処理等を行い、処理後の画像情報をOSD処理部32に出力する。
【0039】
OSD処理部32は、制御部20の指示に基づいて、入力された画像情報に基づく画像(以降、「入力画像」と呼ぶ。)上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部32は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳を指示すると、OSD処理部32は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、入力画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像処理部31から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、画像補正部33に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部32は、画像処理部31から入力される画像情報を、そのまま画像補正部33に出力する。
【0040】
画像補正部33は、投写面Sに対して斜め方向から画像を投写する場合に生じる台形歪を補正するための処理を行う。具体的には、画像補正部33は、制御部20の指示に基づいて、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの画素領域内に、台形歪を相殺可能な形状の画像形成領域を設定し、この画像形成領域内に入力画像が形成されるように、OSD処理部32から入力される画像情報を補正するとともに、画像形成領域の外側の画素については、黒色の画素値、つまり、光透過率が最小となる画素値に設定する。画像補正部33は、上記のように補正した画像情報を液晶駆動部14に出力する。なお、制御部20から台形歪を補正する旨の指示がない場合には、画像補正部33は、OSD処理部32から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。この場合には、画素領域の全域が画像形成領域となり、画素領域の全域で入力画像が形成される。
【0041】
液晶駆動部14が、画像補正部33から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bによって画像情報に応じた画像光に変調され、この画像光が投写レンズ13から投写される。
【0042】
光源制御部21は、制御部20の指示に基づいて光源装置11(光源ランプ11a)の点灯を制御する。具体的には、光源制御部21は、光源ランプ11aに所定の電力を供給することにより光源ランプ11aを点灯させるとともに、電力の供給を停止して光源ランプ11aを消灯させることができる。また、光源制御部21は、制御部20の指示に基づいて光源ランプ11aに供給する電力を制御することにより、光源ランプ11aの輝度(明るさ)を調整することが可能である。
【0043】
次に、プロジェクター1の動作について説明する。
本実施形態のプロジェクター1は、上述したように画像補正部33によって、台形歪の補正処理を行うことができる。具体的には、操作パネル22に備わるメニューキー43が押下されると、メニュー画像が表示される。そして、当該メニュー画像において台形歪補正の項目が選択されると、台形歪補正画像が表示される。この台形歪補正画像において、ユーザーは、上方向キー44aや下方向キー44bを押下することによって、台形歪を補正することができる。
【0044】
図4は、本実施形態に係るプロジェクター1のメニュー画像の説明図である。図5は、本実施形態に係るプロジェクター1の台形歪補正画像の説明図であり、(a)は、補正値が初期値の場合の台形歪補正画像の説明図、(b)は、調整途中の台形歪補正画像の説明図、(c)は、補正値が最大値の場合の台形歪補正画像の説明図である。なお、台形歪補正においては、補正値が設定値に相当する。
【0045】
図4に示すように、メニュー画像M1には、複数の項目(調整項目)が縦に並んで配列されている。図4に示した例では、台形歪を補正するための「台形歪補正」、画質の調整モード(カラーモード)を設定するための「カラーモード」、画像の明るさを調整するための「明るさ」、光源ランプ11aの輝度を調整するための「ランプ輝度」の4つの項目が表示されている。また、4つの調整項目の中の1項目(図4では、「台形歪補正」)は、背景色が他の項目と異なっており、この項目が選択された状態であることを示している。なお、メニュー画像M1は、OSD処理部32によって表示される。
【0046】
メニュー画像M1が表示された状態では、ユーザーは、上下の方向キー44a,44bを操作することによって所望の調整項目を選択することができる。そして、所望の調整項目を選択した状態で決定キー45を操作することにより、調整項目の選択が確定し、当該調整項目に関する設定を行うことができる。また、ユーザーは、ESCキー46を操作することにより、メニュー画像M1の表示を終了させることができる。
【0047】
図5に示すように、台形歪補正画像M2は、台形歪の補正状態を表す設定値Nと、棒グラフ状のインジケーターIとを含んでおり、ユーザーは、これらの設定値NやインジケーターIで補正状態を確認しながら、台形歪を補正することができる。また、台形歪補正画像M2には、上下の方向キー44a,44bを操作することによって台形歪を補正できること、ESCキー46を操作することによって台形歪の補正を終了できることが表記されている。なお、台形歪補正画像M2,M3,M4は、OSD処理部32によって表示される。
【0048】
図5(a)は、台形歪の設定値Nが初期値「0」である状態を表している。図5(b)は、台形歪の設定値Nが「25」である状態を表している。図5(c)は、台形歪の設定値Nが最大値「60」である状態を表している。このように、設定画像である台形歪補正画像M2,M3,M4において、キー操作に応じて、設定値Nを調整する際の制御部20、画像補正部33、および画像処理部31が調整部に相当する。
【0049】
図6は、本実施形態に係るプロジェクター1が台形歪補正を行っている際の処理のフローチャートである。
プロジェクター1が台形歪補正画像を表示して、台形歪補正を行われている際に、制御部20は、上方向キー44aが押下されているか否かを判断する(ステップS101)。上方向キー44aが押下されていれば(ステップS101:YES)、制御部20は、設定値が最大になっているか否かを判断する(ステップS102)。設定値が最大(図5(c)参照)になっていれば(ステップS102:YES)、制御部20は、タイマーが動作中か否かを判断する(ステップS103)。タイマーが動作中であれば、制御部20は、タイマーが計測している時間が所定の時間(例えば、3秒)を経過しているか否かを判断する(ステップS104)。
【0050】
所定の時間を経過していれば(ステップS104:YES)、制御部20は、上方向キー44aが所定の時間連続押下されたと判断して、設定値を初期値にする(ステップS105)。そして、制御部20は、OSD処理部32に指示を出してインジケーターIおよび設定値Nの表示を初期値「0」の状態(図5(a)参照)に更新させる(ステップS106)。さらに、制御部20は、所定の時間を計測するためのタイマーを初期化する(ステップS107)。そして、ステップS101に戻る。
【0051】
上方向キー44aが押下されていなければ(ステップS101:NO)、制御部20は、所定の時間を計測するためのタイマーを初期化する(ステップS108)。そして、ステップS101に戻る。
【0052】
設定値が最大になっていなければ(ステップS102:NO)、制御部20は、設定値をインクリメントする(ステップS109)。そして、制御部20は、OSD処理部32に指示を出してインジケーターIおよび設定値Nの表示を更新させる(ステップS110)。そして、ステップS101に戻る。
【0053】
タイマーが動作中でなければ(ステップS103:NO)、タイマーをスタートする(ステップS111)。そして、ステップS101に戻る。
【0054】
タイマーの計測している時間が所定の時間を経過していなければ(ステップS104:NO)、ステップS101に戻る。
【0055】
上述した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
プロジェクター1は、台形歪の設定値(補正値)が調整範囲の最大となっている場合に、設定値を増加させるための上方向キー44aが所定の時間(3秒)連続押下されると、設定値を初期値「0」にリセットする。つまり、ユーザーは、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で、設定値を初期値に設定することが可能になる。また、このような処理はソフトウェアで実現することが可能である。よって、設定値を初期値にするための物理的(ハード的)なリセットキーを備える必要がないため、プロジェクター1のコストを抑制することができる。なお、本実施形態では、台形歪の設定値(補正値)が最大になっている場合に、上方向キー44aを所定の時間連続押下(第1の操作)することで、設定値を初期値にすることを説明したが、台形歪の設定値が最小になっている場合に、設定値を減少させるための下方向キー44bを所定の時間連続押下(第2の操作)することで、設定値を初期値にすることも可能である。また、調整項目は、「台形歪補正」に限定するものではない。
【0056】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、調整項目の設定値が調整範囲の最大となっている場合に、上方向キー44aを所定の時間連続押下することにより、調整処理を開始する前の設定値に戻すことが可能なプロジェクターについて説明する。本実施形態では、台形歪の補正処理を例として説明する。
【0057】
第2の実施形態に係るプロジェクター2の構成は、第1の実施形態のプロジェクター1と同様(図2参照)である。よって、説明は省略する。
【0058】
図7は、第2の実施形態に係るプロジェクター2のメニュー項目選択時の処理のフローチャートである。
プロジェクター2は、操作パネル22に備わるメニューキー43が押下されると、制御部20からOSD処理部32に指示を出して、メニュー画像M1(図4参照)を表示させる(ステップS201)。そして、制御部20は、キー操作によって調整項目が選択されたか否かを判断する(ステップS202)。
【0059】
調整項目が選択された場合(ステップS202:YES)、制御部20は、選択された調整項目の現状の設定値をRAMに記憶する(ステップS203)。本実施形態では、「台形歪補正」が選択されたものとし、台形歪補正の現状の設定値(補正値)をRAMに記憶する。このときの現状の設定値が、第1の設定値に相当し、RAMが第1の記憶部に相当する。そして、制御部20は、プロジェクター2を設定調整状態、即ち設定値を調整(変更)するための台形歪補正画像(図5参照)を表示する状態に遷移させる(ステップS204)。そして、メニュー項目選択時の処理を終了する。
【0060】
調整項目が選択されていない場合(ステップS202:NO)、制御部20は、ESCキー46が押下されたか否かを判断する(ステップS205)。ESCキー46が押下されていれば(ステップS205:YES)、制御部20は、OSD処理部32に指示を出して、メニュー画像M1を消去させる(ステップS206)。そして、制御部20はプロジェクター2を通常表示状態、即ちメニュー画像M1を表示せず、入力されている画像情報に基づいた画像を表示する状態に遷移させる(ステップS207)。そして、メニュー項目選択時の処理を終了する。
【0061】
ESCキー46が押下されていなければ(ステップS205:NO)、ステップS202に戻り、調整項目が選択されたか否かの判断を行う。
【0062】
上述したように、プロジェクター2の制御部20は、メニュー画像M1の調整項目が選択された際に、選択された調整項目の設定値をRAMに記憶する。
【0063】
次に、メニュー画像M1で選択された調整項目を調整する際の処理について説明する。本実施形態では、調整項目として「台形歪補正」が選択された場合について説明する。
図8は、本実施形態に係るプロジェクター2が台形歪補正を行っている際の処理のフローチャートである。
【0064】
図8に示すように、プロジェクター2が台形歪補正を行っている際の処理のステップS301からステップS304までの処理は、第1の実施形態のプロジェクター1が台形歪補正を行っている際の処理(図6参照)のステップS101からステップS104までの処理と同様である。よって、説明は省略する。
【0065】
タイマーが計測している時間が所定の時間(例えば、3秒)を経過していれば(ステップS304:YES)、制御部20は、上方向キー44aが所定の時間連続押下されたと判断して、RAMに記憶している設定値を用いて、設定調整状態に入る前の値に戻す(ステップS305)。そして、制御部20は、OSD処理部32に指示を出して、インジケーターIおよび設定値Nの表示を更新する(ステップS306)。さらに、制御部20は、所定の時間を計測するためのタイマーを初期化する(ステップS307)。そして、ステップS301に戻る。
【0066】
また、ステップS308からステップS311までの処理は、第1の実施形態のプロジェクター1が台形歪補正を行っている際の処理(図6参照)のステップS108からステップS111までの処理と同様である。よって、説明は省略する。
【0067】
上述した第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
プロジェクター2によれば、RAM(第1の記憶部)は、調整項目が選択され、調整画像を表示する時点の設定値(補正値)を記憶する。そして、調整範囲が最大となっている場合に、設定値を増加させるための上方向キー44aが所定の時間(3秒)連続押下されると、設定値を調整操作を行う前の設定値に戻す。これにより、ユーザーは、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値を調整する前の設定値に戻すことが可能になる。例えば、ユーザーが誤って設定値を変更してしまった場合に、変更する前の設定値に戻すことが可能になるため、有益である。また、このような処理はソフトウェアで実現することが可能であるため、プロジェクター2のコストを抑制することができる。なお、本実施形態では、台形歪の設定値が最大になっている場合に、上方向キー44aを所定の時間連続押下することで、設定値を前の設定値に戻すことを説明したが、台形歪の設定値が最小になっている場合に、設定値を減少させるための下方向キー44bを所定の時間連続押下することで、設定値を前の設定値に戻すことも可能である。また、調整項目は、「台形歪補正」に限定するものではない。
【0068】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、調整項目の設定値が調整範囲の最大となっている場合に、上方向キー44aを所定の時間連続押下することにより、設定値を最小にすることが可能なプロジェクターについて説明する。
【0069】
第3の実施形態に係るプロジェクター3の構成は、第1の実施形態のプロジェクター1と同様(図2参照)である。よって、説明は省略する。
【0070】
次に、メニュー画像M1で選択された調整項目を調整する際の処理について説明する。本実施形態では、調整項目として「明るさ」が選択された場合について説明する。
図9は、第3の実施形態に係るプロジェクター3が明るさ調整を行っている際の処理のフローチャートである。図10は、本実施形態に係るプロジェクター3の明るさ調整画像の説明図であり、(a)は、設定値が最大の場合の明るさ調整画像の説明図、(b)は、設定値が最小の場合の明るさ調整画像の説明図である。
【0071】
図9に示すように、プロジェクター3が明るさ調整を行っている際の処理のステップS401からステップS404までの処理は、第1の実施形態のプロジェクター1が台形歪補正を行っている際の処理(図6参照)のステップS101からステップS104までの処理と同様である。よって、説明は省略する。
【0072】
タイマーが計測している時間が所定の時間(例えば、3秒)を経過していれば(ステップS404:YES)、制御部20は、上方向キー44aが所定の時間連続押下されたと判断して、調整している設定値を最小の値にする(ステップS405)。そして、制御部20は、OSD処理部32に指示を出して、インジケーターIおよび設定値Nの表示を更新する(ステップS406)。さらに、制御部20は、所定の時間を計測するためのタイマーを初期化する(ステップS407)。そして、ステップS401に戻る。
【0073】
このとき、図10(a)に示すように、設定値が最大の状態(設定値「50」)の明るさ調整画像M5から、図10(b)に示すように、設定値が最小の状態(設定値「0」)の明るさ調整画像M6に変更する。
【0074】
図9に戻り、ステップS408からステップS411までの処理は、第1の実施形態のプロジェクター1が台形歪補正を行っている際の処理(図6参照)のステップS108からステップS111までの処理と同様である。よって、説明は省略する。
【0075】
上述した第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
プロジェクター3によれば、調整範囲の最大となっている場合に、設定値を増加させるための上方向キー44aが所定の時間(3秒)連続押下されると、設定値を最小の値にする。これにより、ユーザーは、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で、設定値を最大値から最小値に変更することが可能になる。例えば、明るい画面を直ちに暗くしたい場合等に有効である。また、このような処理はソフトウェアで実現することが可能であるため、プロジェクター3のコストを抑制することができる。なお、本実施形態では、明るさ調整の設定値が最大になっている場合に、上方向キー44aを所定の時間連続押下(第1の操作)することで、設定値を最小の値にすることを説明したが、明るさ調整の設定値が最小になっている場合に、設定値を減少させるための下方向キー44bを所定の時間連続押下(第2の操作)することで、設定値を最大にすることも可能である。また、調整項目は、「明るさ」に限定するものではない。
【0076】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、調整項目の設定値が調整範囲の最大となっている場合に、上方向キー44aを所定の回数(複数回)連打することにより、設定値を初期値にすることが可能なプロジェクターについて説明する。本実施形態では、台形歪の補正処理を例として説明する。
【0077】
第4の実施形態に係るプロジェクター4の構成は、第1の実施形態のプロジェクター1と同様(図2参照)である。よって、説明は省略する。
【0078】
図11は、第4の実施形態に係るプロジェクター4が台形歪の補正を行っている際の処理のフローチャートである。
【0079】
プロジェクター4が台形歪補正画像を表示して、台形歪の補正が行われている際に、制御部20は、上方向キー44aが押下されているか否かを判断する(ステップS501)。上方向キー44aが押下されていれば(ステップS501:YES)、制御部20は、設定値が最大になっているか否かを判断する(ステップS502)。設定値が最大(図5(c)参照)になっていれば(ステップS502:YES)、制御部20は、上方向キー44aが所定の回数(本実施形態では3回)連打されたか否かを判断する(ステップS503)。即ち、上方向キー44aが断続的に3回押下されたか否かを判断する。
【0080】
3回連打されていれば、(ステップS503:YES)、制御部20は、設定値を初期値「0」にする(ステップS504)。そして、制御部20は、OSD処理部32に指示を出して、インジケーターIおよび設定値Nの表示を初期値「0」の状態(図5(a)参照)に更新する(ステップS505)。そして、ステップS501に戻る。
【0081】
上方向キー44aが押下されていなければ(ステップS501:NO)、制御部20は、ステップS501に戻る。
【0082】
設定値が最大になっていなければ(ステップS502:NO)、制御部20は、設定値をインクリメントする(ステップS506)。そして、制御部20は、OSD処理部32に指示を出して、インジケーターIおよび設定値Nの表示を更新する(ステップS507)。そして、ステップS501に戻る。
【0083】
上方向キー44aが3回連打されていなければ(ステップS503:NO)、ステップS501に戻る。
【0084】
上述した第4の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
プロジェクター4によれば、台形歪の設定値(補正値)が調整範囲の最大となっている場合に、設定値を増加させるための上方向キー44aが3回連打されると、設定値を初期値にリセットする。つまり、ユーザーは、複数のキーを使用することなく、簡易なキー操作で設定値を初期値に変更することが可能になる。また、このような処理はソフトウェアで実現することが可能である。よって、設定値を初期値にするための物理的(ハード的)なリセットキーを備える必要がないため、プロジェクター4のコストを抑制することができる。なお、本実施形態では、台形歪の設定値が最大になっている場合に、上方向キー44aを3回連打(第3の操作)することで、設定値を初期値にすることを説明したが、台形歪の設定値が最小になっている場合に、設定値を減少させるための下方向キー44bを3回連打(第4の操作)することで、設定値を初期値にすることも可能である。また、調整項目は、「台形歪補正」に限定するものではない。
【0085】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0086】
(変形例1)上記第1の実施形態、第2の実施形態、および第3の実施形態では、所定の時間を3秒としているが、3秒に限定するものではない。
【0087】
(変形例2)上記第4の実施形態では、上方向キー44a(または下方向キー44b)を連打する回数を3回としているが、3回に限定するものではない。
【0088】
(変形例3)上記第4の実施形態では、上方向キー44aを3回連打することで、設定値を初期値にする場合について説明したが、設定値が最大になっている場合に、上方向キー44aを3回連打することで、調整画像を表示する時点の設定値に戻してもよい。また、設定値が最小になっている場合に、下方向キー44bを3回連打することで、調整画像を表示する時点の設定値に戻してもよい。さらに、設定値が最大になっている場合に、上方向キー44aを3回連打することで、設定値を最小の値にしてもよい。また、設定値が最小になっている場合に、下方向キー44bを3回連打することで、設定値を最大の値にしてもよい。
【0089】
(変形例4)上記実施形態では、設定値が調整範囲の最大となっている場合に、上方向キー44aを所定の時間連続押下したり、所定の回数連打したりするものとしているが、設定値を増加させるためのキー操作であれば、キー種別は上方向キー44aに限定するものではない。また、設定値が調整範囲の最小となっている場合に、下方向キー44bを所定の時間連続押下したり、所定の回数連打したりするものとしているが、設定値を減少させるためのキー操作であれば、キー種別は下方向キー44bに限定するものではない。
【0090】
(変形例5)上記実施形態では、プロジェクター1,2,3,4の調整項目として、「台形歪補正」、「カラーモード」、「明るさ」、「ランプ輝度」をメニュー画像M1上で選択可能としているが、調整項目はこれに限定するものではない。例えば、スピーカー等の音声出力装置を備えたプロジェクターであれば、音量の調整項目も選択可能としてもよい。
【0091】
(変形例6)上記実施形態では、画像表示装置としてプロジェクター1,2,3,4を例にして説明しているが、画像表示装置はプロジェクターに限定するものではない。例えば、透過型のスクリーンを一体的に備えたリアプロジェクター、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、テレビ受信機等に適用することも可能である。
【0092】
(変形例7)上記実施形態では、光源装置11は、放電型の光源ランプ11aを有して構成されているが、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザー等の固体光源や、その他の光源を用いることもできる。
【0093】
(変形例8)上記実施形態では、プロジェクター1,2,3,4は、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【符号の説明】
【0094】
1,2,3,4…プロジェクター、10…画像投写部、11…光源装置、11a…光源ランプ、11b…リフレクター、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…光源制御部、22…操作パネル、30…画像情報入力部、31…画像処理部、32…OSD処理部、33…画像補正部、41…電源キー、42…入力切替キー、43…メニューキー、44…方向キー、44a…上方向キー、44b…下方向キー、44c…左方向キー、44d…右方向キー、45…決定キー、46…ESCキー、47…ヘルプキー、100…筐体、100f…前面、100r…背面、100t…上面、200…開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示装置であって、
前記画像表示装置の設定を行うための設定画像を表示する表示部と、
キー操作を受け付ける操作受付部と、
前記キー操作に応じて、前記設定画像において設定値を調整する調整部と、
前記調整部によって調整された前記設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、前記操作受付部が所定のキー操作を受け付けると、前記設定値に所定の値を設定する制御部と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記所定のキー操作は、
前記設定値が前記調整範囲の最大となっている場合には、前記設定値を増加させるためのキーを所定の時間連続押下する第1の操作であり、
前記設定値が前記調整範囲の最小となっている場合には、前記設定値を減少させるためのキーを所定の時間連続押下する第2の操作であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示装置であって、
前記第1の操作または前記第2の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記設定値の初期値であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像表示装置であって、
前記表示部に前記設定画像を表示させた時点の第1の設定値を記憶する第1の記憶部をさらに有し、
前記第1の操作または前記第2の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記第1の記憶部に記憶された前記第1の設定値であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像表示装置であって、
前記第1の操作または前記第2の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、
前記設定値が前記調整範囲の最大となっている場合には、前記調整範囲の最小の値であり、
前記設定値が前記調整範囲の最小となっている場合には、前記調整範囲の最大の値であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記所定のキー操作は、前記設定値が前記調整範囲の最大となっている場合には、前記設定値を増加させるためのキーを断続的に複数回押下する第3の操作であり、
前記設定値が前記調整範囲の最小となっている場合には、前記設定値を減少させるためのキーを断続的に複数回押下する第4の操作であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示装置であって、
前記第3の操作または前記第4の操作によって、前記制御部が前記設定値に設定する前記所定の値は、前記設定値の初期値であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
画像を表示する画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置の設定を行うための設定画像を表示する表示ステップと、
キー操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップによって受け付けられた前記キー操作に応じて、前記設定画像において設定値を調整する調整ステップと、
前記調整ステップによって調整された前記設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、前記操作受付ステップによって所定のキー操作を受け付けられると、前記設定値に所定の値を設定する制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像表示装置の制御方法。
【請求項9】
プロジェクターであって、
前記プロジェクターの設定を行うための設定画像を表示する表示部と、
キー操作を受け付ける操作受付部と、
前記キー操作に応じて、前記設定画像において設定値を調整する調整部と、
前記調整部によって調整された前記設定値が調整範囲の最大または最小となっている状態で、前記操作受付部が所定のキー操作を受け付けると、前記設定値に所定の値を設定する制御部と、
を備えることを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−66006(P2013−66006A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202800(P2011−202800)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】