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画像表示装置、画像表示装置の解体治具、及び画像表示装置の解体方法
説明

画像表示装置、画像表示装置の解体治具、及び画像表示装置の解体方法

【課題】表示基板が第1接着層を介してシャーシの一面に接合され、ドライブ用基板が第2接着層を介してシャーシの他面に接合される画像表装置において、構成部材の積層方向から見て、これらの構成の外側に大きな作業スペースを必要とすることなく、表示基板及びシャーシとドライブ用基板とを分離する方向に所定の力を付加できるように構成し、付加された力によりドライブ用基板から、表示基板及びシャーシを分離できる画像表示装置を得る。
【解決手段】シャーシ2と、映像を表示する表示部8を含み、シャーシ2の一面に第1接着層を介して接合される表示基板6と、表示部8の駆動用に設けられ、シャーシ2の他面に第2接着層13を介して接合されるドライブ用基板15Aとを備え、シャーシ2と表示基板6とを接合する第1接着層3の接合力がシャーシ2とドライブ用基板15Aを接合する第2接着層13の接合力より大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、有機EL素子を用いた有機EL表示装置などの画像表示装置、画像表示装置の解体治具、及び画像表示装置の解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットディスプレイパネルを用いたディスプレイ装置として、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、及び有機ルミネッセンスパネル(有機ELパネル)などが広く知られている。
液晶ディプレイ装置は、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、及び携帯情報端末に代表される携帯電子情報機器などの比較的小型のディスプレイ装置に用いられている。
【0003】
また、プラズマディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置は、薄型で大型の表示装置に用いられており、実際、業務用で、また最近では家庭用でも、壁掛けテレビ等のディスプレイ装置として広く普及されている。
さらに、上記各種ディスプレイ装置では、商業用の電子看板において、フラットディスプレイパネルに代え、ディスプレイパネルの表面を曲面にするなど、ニーズに合致する形状のディスプレイパネルを供給するための開発も進んでいる。
【0004】
また、近年、地球環境問題への意識の高まりから、産業廃棄物の減量化を求められており、各分野の製品において、使用済みの製品を分解し、例えば、製品に組み込まれているガラスや金属部品を回収してリサイクルをすることがなされ、ディスプレイ装置も例外ではない。
【0005】
ここで、一般的なディスプレイ装置の主要部の構成について説明する。
ディスプレイ装置は、ディスプレイパネルと、一面に第1接着層を介してディスプレイパネルの裏面が固着されるシャーシとを備えている。
【0006】
そして、第1接着層を両面粘着テープで構成し、ガラス基板とシャーシとの間を容易に分離してリサイクル性を高めた従来のディスプレイ装置が提案されている。
従来のディスプレイ装置は、ディスプレイパネルとシャーシとを固着する複数本の両面粘着テープを備え、両面粘着テープは、長手方向への引張りによる幅方向の歪みによって生じる剥離力より粘着力が小さくなっている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
以上のように構成された従来のディスプレイ装置では、両面粘着テープを、長手方向に引っ張ることで、ディスプレイパネルとシャーシとの間が容易に分離される。
【0008】
また、ディスプレイ装置として、ディスプレイパネルに含まれる表示部を駆動するためのドライブ用基板を、第2接着層を介してシャーシの他面に固定し、ディスプレイパネル及びドライブ用基板を、シャーシを介して相対する位置に取り付けるものも多い。
この場合、シャーシとドライブ用基板との間の分離が望まれる。そして、第2接着層として、従来のディスプレイパネルと同様の両面粘着テープで構成することで、シャーシとドライブ用基板との間は両面粘着テープを引っ張ることで分離可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許4478347号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、例えば、従来のディスプレイ装置と同様の粘着テープを用いてドライブ用基板とシャーシとを一体化したディスプレイ装置を複数並べて大型のディスプレイユニットを構成した場合、各ディスプレイ装置のドライブ用基板とシャーシとの間を分離するには、粘着テープを長手方向に引っ張る必要がある。つまり、粘着テープをディスプレイパネル及びシャーシの面に平行な方向、言い換えれば、ディスプレイパネルの配列方向に引っ張る必要がある。このとき、粘着テープを引っ張るのに、ディスプレイパネルを相対する方向から見て、ディスプレイパネルの外側を作業領域とする必要があるが、引っ張り対象となる粘着テープを有するディスプレイパネルと隣接するディスプレイパネルが邪魔になって、ドライブ用基板とシャーシとの間の分離作業が困難となることがある。
【0011】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、表示基板が第1接着層を介してシャーシの一面に接合され、ドライブ用基板が第2接着層を介してシャーシの他面に接合される画像表装置において、表示基板、シャーシ、及びドライブ用基板の積層方向から見て、これらの構成の外側に大きな作業スペースを必要とすることなく、表示基板及びシャーシとドライブ用基板とを分離する方向に所定の力を付加できるように構成し、付加された力によりドライブ用基板から、表示基板及びシャーシを分離できる画像表示装置、画像表示装置の解体治具、及び画像表示装置の解体方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の画像表示装置は、シャーシと、映像を表示する表示部を含み、シャーシの一面に第1接着層を介して接合される表示基板と、表示部の駆動用に設けられ、シャーシの他面に第2接着層を介して接合されるドライブ用基板とを備え、シャーシと表示基板とを接合する第1接着層の接合力がシャーシとドライブ用基板を接合する第2接着層の接合力より大きくなっている。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る画像表示装置によれば、シャーシと表示基板とを接合する第1接着層の接合力がシャーシとドライブ用基板を接合する第2接着層の接合力より大きくなっている。このような構成の画像表示装置では、ドライブ用基板に対して、表示基板を離す方向に所定の力を加えると、第2接着層にクリープが発生してドライブ用基板から第2接着層が徐々に剥離され、ドライブ用基板と表示基板が接合されているシャーシとを分離することができる。このとき、第2接着層にクリープを発生させる力は、表示基板、シャーシ、及びドライブ用基板の積層方向に付加すればよい。このため、画像表示装置を以上のように構成することで、ドライブ用基板とシャーシとの間に設けた粘着テープを直接持って、粘着テープの長手方向に引っ張る従来の思想に代え、ドライブ用基板を押さえ、シャーシ、及び表示基板をドライブ用基板に対して引っ張るような治具を用いることで、画像表示装置の外側に大きな作業スペースがなくても、ドライブ用基板と表示基板が接合されているシャーシとを分離できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第1解体治具、及び第1解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する図であり、第2接着層にクリープを発生させる前の状態を示している。
【図3】この発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第1解体治具、及び第1解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する図であり、第2接着層にクリープを発生させた後の状態を示している。
【図4】この発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第2解体治具、及び第2解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置の第2解体治具を用いた解体方法において、ワイヤを用いた方法を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置の実施例1と実施例2、及び有機EL表示装置の比較例と、第1及び第2解体治具による各実施例の有機EL表示装置の解体結果について説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る有機EL表示装置を解体する第3解体治具、及び第3解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する断面である。
【図9】図8をA方向から見た上面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る有機EL表示装置の第3解体治具を用いた解体方法において、ワイヤを用いたものを説明する図である。
【図11】この発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の実施例3及び実施例4、及び解体治具による各実施例の有機EL表示装置の解体結果を説明する図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置を解体する第4解体治具、及び第4解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法について説明する図である。
【図14】この発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置を解体する第5解体治具、及び第5解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法について説明する図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置の実施例5と実施例6、第4及び第5解体治具、及び第4及び第5解体治具による実施例5及び実施例6の解体結果を説明する図である。
【図16】この発明の実施の形態4に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図17】この発明の実施の形態4に係る有機EL表示装置を解体する第6解体治具、及び第6解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法について説明する図である。
【図18】この発明の実施の形態4に係る有機EL表示装置の実施例7、及び第6解体治具による実施例7の有機EL表示装置の解体結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置の断面図である。
【0017】
図1において、画像表示装置としての有機EL表示装置1Aは、シャーシ2と、有機EL素子で主に構成されて映像を表示可能な表示部8を有する表示基板6を含み、シャーシ2の一面に第1接着層3を介して接合される表示パネルユニット5と、表示部8の駆動用に設けられ、シャーシ2の他面に第2接着層13を介して接合されるドライブ用基板15Aとを備えている。
そして、パネルモジュール4が、シャーシ2と、シャーシ2に第1接着層3を介して接合された表示パネルユニット5とで構成されている。
【0018】
シャーシ2は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、マグネシウム、コーティングを施した鉄、及びセラミックスなどの材料により矩形平板状に作製されている。但し、軽量で放熱性が高いという観点からは、シャーシ2は、アルミニウムやアルミニウム合金を材料とするのが好適である。また、シャーシ2にアルミニウムを用いる場合には、意匠性などを考慮して表面にコーティングをしてもよいし、化成処理やアルマイト処理を施してもよい。また、シャーシ2の厚みは、シャーシ2に接合される第2接着層13にクリープを発生させるための力に耐えられるものであればよく、例えば、アルミニウム合金を材料として場合は、シャーシ2の厚みは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上である。上限は、製造可能なものであればよいが、通常は3mm以下である。
【0019】
ドライブ用基板15Aは、特に限定されるものではないが、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、ガラスポリイミド基板、テフロン(デュポン社登録商標)基板、アルミナ基板、セラミックス基板、金属基板、及びハロゲンフリー基板などを用いることができる。なお、ここでは、ドライブ用基板15Aはシャーシ2より長い長辺を有する矩形平板状に作製されている。
【0020】
また、ドライブ用基板15Aは、高い剛性を確保するために、所定以上の厚みを有するものが望ましく、とりわけガラスエポキシ基板が望ましい。ドライブ用基板15Aとして、ガラスエポキシ基板を用いた場合、基板の厚みは0.4mm〜3.0mmが望ましく、剛性をより確保するためには、0.8mm以上が望ましい。
【0021】
そして、シャーシ2及びドライブ用基板15Aは、長手方向及び短手方向を平行にして第1接着層3を介して積層され、積層方向から見て、ドライブ用基板15Aの外形縁部のうち一対の長辺縁部のそれぞれを含む所定領域が、シャーシ2の外側にはみ出して第1延出部15aを形成している。
なお、ドライブ用基板15Aには、表示部8を制御するための図示しない電子部品が実装される。
【0022】
表示パネルユニット5は、相対する一対の矩形平板状のガラス基板7a,7b、一対のガラス基板7a,7bの間に挟持される表示部8、及び表示部8の外周部を囲繞して封止する封止樹脂9を有し、一方のガラス基板7aの露出面を表(おもて)面とする表示基板6と、他方のガラス基板7bの露出面(表示基板6の裏面)に一体に取り付けられ、ドライブ用基板15Aと表示部8との間の通信経路を構成する通信用部材12とを備えている。通信用部材12は、図示しないケーブルを介してドライブ基板15Aに接続されている。
【0023】
ガラス基板7a,7bの大きさは、シャーシ2の大きさに対応している。
通信用部材12の面積は、ガラス基板7a,7bの面積より小さく、ガラス基板7bの面に対して、段差を形成しいている。
【0024】
表示部8は、有機EL素子により構成され、映像を表示可能に構成されている。
通信用部材12は、例えば、フレキシブルプリント基板であり、表示部8の有機EL素子に信号を送信するための無数の配線パターンが形成されている。
詳細には図示しないが、通信用部材12の配線パターンと有機EL素子の信号入出力用の電極とが所望の配線により電気的に接続されている。これにより、表示部8ドライブ用基板15Aとの間の通信が可能になる。電極に関しては、防湿処理を施しておいてもよい。
なお、通信用部材12は、フレキシブルプリント基板によらず、金属膜配線や、導電性と絶縁性のシリコンゴムを交互に配列し、導電性の部分を配線経路に使用するコネクタ等により構成してもよい。
【0025】
また、詳細には図示しないが、通信用部材12とドライブ用基板15Aとが図示しない配線により接続されている。そして、ドライブ用基板15Aが生成する表示部8の制御信号が、通信用部材12を介して表示部8に入力されて、当該制御信号に応じて各有機EL素子が発光され、所望の映像が表示される。
【0026】
第1接着層3は、表示基板6のガラス基板7b及び通信用部材12とシャーシ2の少なくとも一方に塗布されて、表示基板6及び通信用部材12側とシャーシ2とを接合したのちに硬化した接着剤により構成されている。第1接着層3はガラス基板7bと相対するシャーシ2の全面とガラス基板7bとの間に形成されている。
シャーシ2と表示パネルユニット5を構成するガラス基板7b及び通信用部材12とを接合する第1接着層の接合力は、第1接合力となっている。
第1接合力とは、ガラス基板7b及び通信用部材12と第1接着層3との間の接合力、及びシャーシ2と第1接着層3との間の接合力のうち、弱い方の接合力をいう。
【0027】
なお、第1接着層3は、硬化した接着剤によらず両面の粘着テープなどで構成してもよいが、接着剤で構成することで、ガラス基板7bの表面と通信用部材12との間に段差が有っても、接着剤が段差をなくすようにレベリングにより広がる。従って、特に面倒な作業を必要とすることなしに、ガラス基板7bと通信用部材12との間を所望する間隔で接合可能となるので、第1接着層3は、接着剤で構成するのが好ましい。
【0028】
第1接着層3を構成する接着剤の種類は、特に限定されるものではないが、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、及び変性シリコーン系の接着剤が挙げられる。なお、接着剤は、1液型でも2液型のいずれでもよい。
【0029】
シャーシ2と通信用部材12は異種材料であるため、例えば熱膨張係数の違いにより互いに異なる応力が発生する。応力の差を吸収して、シャーシ2や通信用部材12が割れるのを防止するため、接着剤としては、シリコーン系または変性シリコーン系を用いるのが好ましい。
【0030】
ここで、シャーシ2は放熱の役割を果たしている。このため、ガラス基板7bと通信用部材12とシャーシ2との間を接着する第1接着層の熱伝導率は、高い方が好ましい。具体的には、熱伝導率は、0.4W/mK以上がよい。
【0031】
また、接着剤を介して表示パネルユニット5とシャーシとを接合する際、表示パネルユニット5を構成するガラス基板7b及び通信用部材12とシャーシ2とが互いに接近する方向に加圧することになる。接着剤の粘度が高いと大きな加圧力が必要となり、表示基板6や通信用部材12が損傷する恐れがあるので、接着剤の粘度は高すぎないことが好ましい。具体的には、粘度が、50Pa・s以下、より好ましくは20Pa・s以下の接着剤を用いて、ガラス基板7b及び通信用部材12とシャーシ2とを接近させることが可能なものがよい。
【0032】
また、封止樹脂9は、表示部8の保護用である。封止樹脂9の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、UV硬化タイプのアクリル系樹脂を用いることができる。
【0033】
また、第2接着層13の構成は、特に限定されないが、ドライブ用基板15Aとシャーシ2の積層方向で、シャーシ2をドライブ用基板15Aから離す方向(引っ張り方向)に所定の力を加えたときに、クリープを効果的に発生する材料で構成されるものが好ましい。
第2接着層13は、ドライブ用基板15Aと相対する全面とドライブ用基板15Aとの間に形成されている。シャーシ2とドライブ用基板15Aとを接合する第2接着層13の接合力は、第2接合力であり、第1接合力は、第2接合力よりも大きくなっている。
ここで、第2の接合力とは、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との間の接合力及びシャーシ2と第2接着層13との間の接合力のうちの弱い方の接合力をいう。
【0034】
第2接着層13は、ゴム系、シリコーン系、及びアクリル系などの柔軟性を有する各種両面粘着テープで構成するのが好ましい。両面粘着テープの特性としては、室温での動的粘弾性測定における貯蔵弾性率が10Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、貯蔵弾性率が10Pa以下である。
【0035】
第2接着層13を構成する両面粘着テープは、基材レスで粘着剤のみからなるもの、基材の両面に粘着剤を塗布したものなど、特に種類は問わない。また、両面粘着テープの基材の材料も、広く知られているフォームタイプなどを用いてもよく、特に限定されるものではない。
また、ドライブ用基板15Aからシャーシ2への熱伝導性を高めたい場合には、粘着剤に無機フィラーが添加された熱伝導性に優れた両面粘着テープ(熱伝導性テープ)を用いてもよい。
【0036】
ここで、第2接着層13を両面粘着テープで構成する場合、両面粘着テープの厚みは、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4の寸法精度を考慮して決定される。両面粘着テープは、その厚みが薄くても寸法誤差に起因するドライブ用基板15Aとシャーシ2との間の隙間をなくしてドライブ用基板15Aとシャーシ2とを接合できるものであればよい。実用的には、両面粘着テープの厚みは、0.01mm以上である。より好ましくは、両面粘着テープの厚みは、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4の寸法誤差に起因するドライブ用基板15Aとシャーシ2との想定される隙間に対し、ドライブ用基板15Aとシャーシ2とを接合するのに余裕を持って対応可能になる0.05mm以上であるのがよい。
【0037】
また、両面粘着テープの厚みが厚すぎると、有機EL表示装置1Aの全体の厚みが増し、また、経時変化や熱膨張による両面粘着テープのトータルの変形量が大きくなるので、両面粘着テープの厚みは、例えば、1.5mm以下とするのが好ましい。
【0038】
また、両面粘着テープの粘着力としては、パネルモジュール4のシャーシ2とドライブ用基板15Aとの間の接合を離すために、ドライブ用基板15Aをおさえつつ表示パネルユニット5に引っ張り方向の力を付加したときに、ドライブ用基板15Aやパネルモジュール4を構成するシャーシ2及び表示パネルユニット5が破損しない範囲で選定される。具体的には、20℃での引っ張り方向の両面粘着テープの粘着力が、10N/cm以上のものが好ましく、ドライブ用基板15Aとシャーシとの接合力を、十分に確保する観点からは、20N/cm以上が好ましい。両面粘着テープの粘着力の上限は、分離して回収されるドライブ用基板15Aとパネルモジュール4の構成部材が破損しない範囲で制約はないが、200N/cm以下とするのが適切である。
【0039】
なお、第2接着層13とドライブ用基板15Aとの間の接合力と第2接着層13とシャーシ2との間の接合力の大小は、ドライブ用基板15A、及びシャーシ2の材料の組み合わせにより変化することもある。
【0040】
シャーシ2が、放熱用途としてごく一般的なアルミニウムやアルミニウム合金を材料として作製され、ドライブ用基板15Aが、電子回路基板として一般的なガラスエポキシ基板などの樹脂基板である場合、両面粘着テープの両面の粘着剤が同じであれば、ドライブ用基板15Aと第2接着層13を構成する接着剤との間の第2接合力は、シャーシ2と第2接着層13を構成する接着剤との間の第1接合力より弱くなる。
【0041】
なお、仮に、両面に同じ粘着剤が塗布された両面粘着テープで、ドライブ用基板15Aとシャーシ2とを接合したときに、ドライブ用基板15Aと第2接着層13を構成する接着剤との間の接合が、シャーシ2と第2接着層13を構成する接着剤との間の接合力より強いとする。
【0042】
この場合、シャーシ2に接合される両面テープの一面側の粘着剤の粘着力が、ドライブ用基板15Aに接合される両面テープの他面側の粘着剤の粘着力に対して所定の値より大きいものを用いることで、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との間の接合力が、シャーシ2と第2接着層13との間の接合力より弱くなるように設定できる。
なお、所定の値とは、ドライブ用基板15Aと第2接着層13を構成する接着剤との間の接合力とシャーシ2と第2接着層を構成する接着剤との間の接合力との差に対応する。
【0043】
なお、第2接着層13は粘着テープによらず接着剤を用いてもよい。
【0044】
以上のように構成された有機EL表示装置1Aでは、ガラス基板7b及び通信用部材12とシャーシ2を接合する第1接着層の第1接合力が、シャーシ2とドライブ用基板15Aとを接合する第2接着層の第2接合力より大きくなっている。このような構成の有機EL表示装置1Aでは、ドライブ用基板15Aに対して、表示パネルユニット5を離す方向に所定の力を加えると、第2接着層13にクリープが発生してドライブ用基板15Aから第2接着層13が徐々に剥離され、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4のシャーシ2とを分離することができる。第2接着層13のクリープを発生させるための所定の力は、第2接合力に対して小さいものでよく、ドライブ用基板15Aや表示パネルユニット5に損傷を負わせることもない。
【0045】
このとき、ドライブ用基板15Aとシャーシ2との間に設けた粘着テープを直接もって粘着テープの長手方向に引っ張る従来の思想に代え、ドライブ用基板15Aを押さえ、シャーシ2、及び表示基板6をドライブ用基板15Aに対して引っ張るような第1解体治具40Aや第2解体治具40Bを用いることで、有機EL表示装置1Aの外側に大きな作業スペースがなくても、ドライブ用基板15Aと表示基板6が接合されているシャーシ2とを分離できるようになる。
【0046】
また、第2接着層13を、両面粘着テープにより構成しておくことで、シャーシ2とドライブ用基板15Aとを分離した後、第2接着層13をシャーシ2またはドライブ用基板15Aから除去したい場合には、第2接着層13を接着剤により構成したものに比べて、除去する手間が軽減される。
【0047】
また、第2接着層13を両面粘着テープで構成し、かつ、ドライブ用基板15Aとシャーシ2とを互いに離反させて分離する力を加えたときに、ドライブ用基板15Aから両面粘着テープが剥離されるように両面粘着テープの一面及び他面の粘着力を設定することで、以下の効果が得られる。
【0048】
つまり、ドライブ用基板15Aと表示パネルユニット5及びシャーシ2からなるパネルモジュール4を分離してドライブ用基板15Aに対して新規のパネルモジュールを接合するような場合も多い。このような場合、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを分離したときに、ドライブ用基板15A側に第2接着層13が残っていると、ドライブ用基板15Aから第2接着層13を除く手間が必要となる。
【0049】
ドライブ用基板15Aに貼り付けられる両面粘着テープの一面側の粘着剤の粘着力を、ドライブ用基板15Aに貼り付けられる両面粘着テープの他面側の粘着剤の粘着力より所定量以上強くしておけば、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを分離したときに、第2接着層13がシャーシ2とともにドライブ用基板15Aから分離されるので、ドライブ用基板15Aから第2接着層13を除く手間を必要とすることなしに、ドライブ用基板15Aをそのまま利用できる。
【0050】
また、第1接着層3を、表示基板6及び通信用部材12とシャーシ2との間を液体の状態で接合した後に硬化された接着剤により構成することで、ガラス基板7bの表面に対して通信用部材12が段差をもって取り付けられている場合に以下の効果が得られる。例えば、シャーシ2の一面を覆うように液状の接着剤を塗布し、接着剤を介してガラス基板7b及び通信用部材12とシャーシ2とを互いに接近する方向に押圧して接合することで、接着剤はレベリングにより、ガラス基板7bと通信用部材12との段差部にも流れ込み、ガラス基板7bと通信用部材12との間に空間を形成することなく、かつガラス基板7bとシャーシ2とを平行にして接合することができる。
【0051】
また、従来のディスプレイ装置では、幅の狭い長尺の複数の両面テープを用いて、ガラス基板とシャーシとの間を分離しようとする思想であったが、このものは、幅の狭い長尺の複数の両面テープを、ガラス基板とシャーシとの間に組み込むという煩雑な製造工程が必要となる。一方、有機EL表示装置1Aによれば、ドライブ用基板15Aとシャーシ2とを接合する第2接着層13を両面粘着テープで構成する場合、両面粘着テープを複数に分けることを必要としないので、有機EL表示装置1Aの製造工程が簡略化される。
【0052】
なお、この実施の形態1では、シャーシ2、ドライブ用基板15A、ガラス基板7a,7bが矩形平板状であるとしたが、これらの形状は特に限定されず、他の形状であってもよい。
【0053】
次いで、有機EL表示装置1Aを解体するための解体治具について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第1解体治具、及び第1解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する図であり、第2接着層にクリープを発生させる前の状態を示している。図3はこの発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第1解体治具、及び第1解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する図であり、第2接着層にクリープを発生させた後の状態を示している。
【0054】
図2において、有機EL表示装置の第1解体治具40Aは、表示基板6の表面に、言い換えれば、一方のガラス基板7aの一面に取付部材接着層45を介して接合される取付部材41Aと、取付部材41Aとドライブ用基板15Aとを接続するように設けられて、ドライブ用基板15Aと取付部材41Aとが互いに離れる方向の力を発生させる剥離力発生手段としての第1ボルト42とを備えている。
【0055】
取付部材41Aには、ガラス基板7a,7bより大きな面積を有する板材を用いている。
また、取付部材41Aは、シャーシ2からはみ出したドライブ用基板15Aの第1延出部15aと相対するように、ガラス基板7aから外縁部側を延出させて配置することが可能になっている。ここでは、ガラス基板7aの長手方向の両側縁部のそれぞれからはみ出した取付部材41Aの部位が、一対の取付部材延出部41aを構成している。
取付部材延出部41aには、第1延出部15aと相対するねじ孔41bが設けられている。ねじ孔41bは、取付部材延出部41aに、互いに間隔をあけて複数設けられている。
【0056】
取付部材接着層45は、接着剤を硬化して構成されるものでもよいし、以下の接着力で、ガラス基板7aと取付部材41Aとを接合可能であれば両面粘着テープでもよい。
即ち、ガラス基板7aと取付部材41Aとを接合する取付部材接着層45の第3接合力が、第2接合力より大きく構成されていればよい。なお、第3接合力は、第1接合力よりも大きいことが好ましい。
【0057】
第1解体治具40Aを用いた有機EL表示装置の解体手順は以下の通りである。
まず、図2に示されるように、第1延出部15aに取付部材延出部41aのねじ孔41bを相対させて、取付部材41Aまたはガラス基板7bに接着剤を塗布して取付部材41Aとガラス基板7bとを互いに平行にして接着剤により接合させ、接着剤を硬化させる。これにより、取付部材41Aが取付部材接着層45を介してガラス基板7bに接合する。
【0058】
そして、第1ボルト42のねじ部42aをドライブ用基板15Aと反対側からねじ孔41bにねじ込む。ねじ部42aの先端部がドライブ用基板15Aに当接するまで、第1ボルト42を軸まわりに回転させた後、さらに第1ボルト42を軸まわりに回転させると、ドライブ用基板15Aによって、第1ボルト42のねじ込みが阻止されるので、第1ボルト42をねじ込もうとする力は、第1ボルト42に螺合された取付部材41Aをドライブ用基板15Aから離反させる方向に作用する(剥離力発生工程の実施)。
【0059】
つまり、第1ボルト42のねじ込み量に応じた所定の力が、ドライブ用基板15Aに対して、取付部材41Aが接合されたパネルモジュール4を離す方向に加えられる。第2接合力より第1接合力が大きいので、図3に示されるように、ドライブ用基板15Aと第2接着層13とを接合する第2接着層13にクリープが発生する。そして、第1ボルト42の先端が当接されたドライブ用基板15Aの近傍に位置する第2接着層13の部位が、徐々に第1ドライブ用基板15Aから剥離されてドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを第2接着層13とともに分離することができる。
以上のように、有機EL表示装置1Aが解体される。
【0060】
また、解体治具の他の実施例について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第2解体治具、及び第2解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する図である。
【0061】
図4において、有機EL表示装置1Aの第2解体治具40Bは、第1解体治具Aと同様、一方のガラス基板7aに取付部材接着層45を介して接合される取付部材41Bと、取付部材41Bとドライブ用基板15Aとを接続するように設けられて、ドライブ用基板15Aと取付部材41Bとが互いに離れる方向の力を発生させる剥離力発生手段としてのジャッキボルト44とを備えている。
取付部材41Bは、ねじ孔が形成されていない他は、取付部材41Aと同様に構成されている。
ジャッキボルト44は、取付部材41Bが取付部材接着層45を介してガラス基板7aに接合されたときの取付部材延出部41aと第1延出部15aとの間の距離より僅かに短い長さのねじ棒44aと、ねじ棒44aに螺合されるナット44bを有している。
ナット44bは、ねじ棒44aの一端よりねじ棒44aの軸方向の外側に一端面を配置可能になっている。つまり、ジャッキボルト44は、ナット44bの軸方向の長さ分だけ、軸方向の全長を可変することが可能になっている。
【0062】
また、第2解体治具40Bを用いた有機EL表示装置1Aの解体手順は以下の通りである。
まず、第1延出部15aに取付部材延出部41aのねじ孔41bを相対させて、取付部材41B及びガラス基板7aの少なくとも一方に取付部材接着層45を構成する接着剤を塗布して取付部材41Bとガラス基板7bとを互いに平行にして接着剤により接合させ、接着剤を硬化させる。これにより、取付部材41Bが取付部材接着層45を介してガラス基板7bに接合する。
【0063】
そして、予め、ナット44bの一端面を、ねじ棒44aの軸方向の長さ範囲内に配置させておいたジャッキボルト44を、ねじ棒44aが相対する取付部材41Bの取付部材延出部41aとドライブ用基板15Aの第1延出部との間に、第1延出部15a及び取付部材延出部41aが相対する方向に軸方向を一致させて配置する。
このとき、ねじ棒44aの一端を取付部材41Bに向けておく。
ねじ棒の44a他端をドライブ用基板15Aに当接させ、ナット44bをねじ棒44aの一端から抜ける方向に移動させる。
【0064】
そして、ナット44bの一端面が取付部材延出部41aに当接した後、さらにナット44bをねじ棒44aから抜ける方向に回転させると、取付部材41Bによって、ナット44bの移動が阻止されるが、ジャッキボルト44は、全長を長くする方向に変化しようとするので、ナット44bは取付部材41Bを加圧する。つまり、ねじ棒44aの一端からのナット44bの一端面の突出量に応じた所定の加圧力が、ドライブ用基板15Aに対して、取付部材41Aとともにパネルモジュール4を離す方向に作用する。
【0065】
第2接合力より第1接合力が大きいので、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との間にクリープが発生し、ドライブ用基板15Aから第2接着層13が徐々に剥離されてドライブ用基板15Aとパネルモジュール4のシャーシ2とを分離することができる。
【0066】
また、第1解体治具40Aまたは第2解体治具40Bを用いた有機EL表示装置1Aの解体方法においては、以下に説明するように、ワイヤを用いてもよい。
図5はこの発明の実施の形態1に係る有機EL表示装置を解体する第2解体治具を用いた解体方法において、ワイヤを用いた方法を説明する図である。
【0067】
図5では、第2解体治具40Bを用いた有機EL表示装置1Aの解体途中にワイヤ50を導入する例を示しているが、第1解体治具40Aを用いた場合にも同様にワイヤ50を導入できる。また、第2接着層13は、ドライブ用基板15Aとの間の接合力がシャーシ2との間の接合力より小さいものとし、第2解体治具40Bによる第2接着層13にクリープを発生させる力が付加されたときに、ドライブ用基板15Aとの間に隙間を形成するものとする。なお、ドライブ用基板15Aと第2接着層13の接合力がシャーシ2と第2接着層13の接合力より大きい場合には、第2接着層13とシャーシ2との間に隙間が形成されることになる。
【0068】
第2接着層13にクリープが発生して第2接着層13のドライブ用基板15Aからの剥離が開始されたところで、図4に示されるように、剥離により発生したドライブ用基板15Aと第2接着層13との間の隙間に条体としてのワイヤ50を挿通させてワイヤ50の両端をドライブ用基板15Aの外側に配置させる。なお、条体はワイヤ50に限らず、紐状のものであれば特に限定されない。
【0069】
次いで、図4の白抜き矢印で示されるように、分離されていないドライブ用基板15Aと第2接着層13との間を横方向からドライブ用基板15Aに沿って移動させて押し付け、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との間の接合を切り離す方向の力が働くように、ワイヤ50の両端を引っ張る。
これにより、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との分離を早めて、有機EL表示装置1Aの解体効率を向上させることができる。
【0070】
以上のように構成された第1及び第2解体治具40A,40Bによれば、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4の積層方向から見て、有機EL表示装置1Aの外側に大きな設置スペース及び作業スペースが無くても、有機EL表示装置1Aに設けてドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを分離できる。
【0071】
次いで、以下に説明する実施例1と実施例2の有機EL表示装置を用意し、第1解体治具40Aを用いて第1実施例の有機EL表示装置を解体した結果、及び第2解体治具40Bを用いて有機EL表示装置を解体した結果について説明する。
図6はこの発明の実施1の形態に係る有機EL表示装置の実施例1と実施例2、及び有機EL表示装置の比較例と、第1及び第2解体治具による各実施例の有機EL表示装置の解体結果について説明する図である。
【0072】
図6に示されるように、実施例1及び実施例2の有機EL表示装置として、第1接着層3を2液付加型シリコーン系接着剤で構成し、第2接着層を熱伝導性両面粘着テープで構成したものを用意した。
但し、実施例1では、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との接合力を100N/cmとする両面粘着テープを選定し、実施例2では、ドライブ用基板15Aと第2接着層13との接合力を120N/cmとする両面粘着テープを選定している。
また、比較例の有機EL表示装置として、実施例の有機EL表示装置と同様の構成であるが、第1接着層3を2液付加型シリコーン系接着剤とし、第2接着層13を2液エポキシ型接着剤で構成したものを用意した。
【0073】
そして、実施例1の有機EL表示装置を、第2接着層13にクリープを発生させる力を第1解体治具40Aにより加え、実施例2の有機EL表示装置を、第2接着層13にクリープを発生させる力を第2解体治具40Bにより加えた。
なお、第1解体治具40Aでは、取付部材接着層45は2液アクリル系の接着剤で構成し、第2解体治具40Bでは、取付部材接着層45は2液エポキシ系の接着剤で構成した。
【0074】
その結果、実施例1及び実施例2の有機EL表示装置とも、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とが分離されるように有機EL表示装置が解体された。
【0075】
なお、実施例2の有機EL表示装置の解体では、ワイヤ50を用いたものと用いないものの両方について行った。また、第1ボルト42の締め付け力や、ジャッキボルト44のナット44bの締め付け力は、トルクレンチ等により同じ値となるよう管理されており、第2接着層13にクリープを発生させるための力は、第1解体治具40A及び第2解体治具40Bのどちらを用いても同じに設定している。
【0076】
なお、比較例の有機EL表示装置についても、第2解体治具40Bを用いてドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを分離する方向に力を加えた。
【0077】
その結果、実施例1の有機EL表示装置では、20分で第2接着層13の全域で、第2接着層がドライブ用基板15Aから剥離し、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4との間が分離した。
また、実施例2の有機EL表示装置では、ワイヤ50を用いないものについては、10分でドライブ用基板15Aとパネルモジュール4との間が分離し、ワイヤ50を用いたものでは、5分でドライブ用基板15Aとパネルモジュール4との間が分離した。ワイヤ50を用いることにより、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4との間の分離が早められることが確認された。
また、実施例1及び実施例2の有機EL表示装置とも、分離したドライブ用基板15A及びパネルモジュール4に損傷のないことが確認された。
【0078】
一方、比較例の有機EL表示装置では、第2接着層13が、ジャッキボルト44の加圧力による凝縮破壊をおこし、綺麗にドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを分離できなかった。
【0079】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る有機EL表示装置の断面図、及び当該有機EL表示装置を解体治具を用いて解体する方法を説明する図である。
なお、上記実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0080】
図7において、有機EL表示装置1Bは、表示部8の駆動用に設けられ、シャーシ2の他面に第2接着層13を介して接着されるドライブ用基板15Bとを備えている。また、ガラス基板7bには、シャーシ2からはみ出した表示基板延出部7cが構成されている。他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0081】
ドライブ用基板15Bは、矩形平板状に作製され、その面積は、シャーシ2よりも面積より小さく、ドライブ用基板15Bとシャーシ2の積層方向から見て、ドライブ用基板15Bはシャーシ2の内側に配置されている。また、第2接着層13は、ドライブ用基板15Bとシャーシ2との間に形成されている。このとき、第2接着層13は、ドライブ用基板15Bの長手方向の両側から長手方向の中心に向かって所定の領域とシャーシ2との間には設けられていない。
そして、第2接着層13の外側にはみ出した一対のドライブ用基板15Bの部位が、一対の第2延出部15bとして構成される。
【0082】
表示基板6を構成するガラス基板7a,7bの長辺は、シャーシ2の長辺より長くなっている。表示パネルユニット5は、シャーシ2及び表示基板6の積層方向から見て、ガラス基板7a,7bの長手方向の両側の部位をシャーシ2からはみ出させて、第1接着層3を介してシャーシ2に接合されている。シャーシ2の長手方向の両側からはみ出したガラス基板7bの部位が、表示基板延出部7cを構成する。
【0083】
有機EL表示装置1Bの他の構成は、有機EL表示装置1Aと同様に構成されている。
【0084】
次いで、有機EL表示装置1Bを解体するための解体治具について説明する。
図8はこの発明の実施の形態2に係る有機EL表示装置を解体する第3解体治具、及び第3解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法を説明する断面である。図9は図8をA方向から見た上面図である。図10はこの発明の実施の形態2に係る有機EL表示装置の第3解体治具を用いた解体方法において、ワイヤを用いたものを説明する図である。
【0085】
図8及び図9において、第3解体治具40Cは、ドライブ用基板15Bに着脱自在に取り付けられる一対の取付部材41Cと、取付部材41Cに螺合される第2ボルト51とを備えている。
【0086】
取付部材41Cは、断面矩形の直方体形状に作製されている。
取付部材41Cの一面には、所定の幅及び所定の深さで取付部材41Cの長手方向の全域に亘って延在する嵌合凹部41cが形成されている。また、嵌合凹部41cの溝に沿った方向に垂直な幅は、ドライブ用基板15Bの厚みに対応し、取付部材41Cは、ドライブ用基板15Bの外縁部を含む第2延出部15bに嵌合凹部41cを嵌め合わせ可能になっている。
また、取付部材41Cには、ねじ孔41dが、嵌合凹部41cの幅方向に孔方向を一致させて、取付部材41Cの長手方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。
【0087】
なお、取付部材41Cの嵌合凹部41cにドライブ用基板15Bの第2延出部15bを嵌合させたときに、ねじ孔41dの開口の少なくとも一部が、ガラス基板7bの表示基板延出部7cと相対するようになっている。
【0088】
第3解体治具40Cを用いた有機EL表示装置の解体手順は以下の通りである。
まず、一方の取付部材41Cの嵌合凹部41cを、ドライブ用基板15Bの一方の第2延出部15bに嵌め、他方の取付部材41Cの嵌合凹部41cをドライブ用基板15Bの他方の第2延出部15bに嵌める。これにより、各取付部材41Cは、ドライブ用基板15Bの厚み方向の動きを規制される。
【0089】
次いで、第2ボルト51のねじ部51aを、表示パネルユニット5を構成する表示基板6と逆側から第1取付部材41Cのねじ孔41dにねじ込む。ねじ部51aの先端部がガラス基板7bに当接するまで、第2ボルト51を軸まわりに回転させた後、さらに第2ボルト51を軸まわりに回転させると、ガラス基板7bによって、第2ボルト51のねじ込みが阻止されるので、第2ボルト51をねじ込もうとする力は、第2ボルト51に螺合された取付部材51Cからパネルモジュール4を離反させる方向に作用する(剥離力実施工程の実施)。
【0090】
つまり、第2ボルト51のねじ込み量に応じた所定の力が、ドライブ用基板15Bに対して、取付部材41Cに接合されたパネルモジュール4を離す方向に加えられる。第2接合力より第1接合力が大きいので、第2接着層13にクリープが発生し、第2ボルト51の先端が当接されたドライブ用基板15Bの近傍に位置する第2接着層13の部位から徐々に剥離されてドライブ用基板15Bとパネルモジュール4が第2接着層13とともに分離される。
以上のように、有機EL表示装置1Bが解体される。
【0091】
また、図10に示されるように、第3解体治具40Cを用いた有機EL表示装置1Bの解体方法においては、第2解体治具40Bを用いた有機EL表示装置1Aの解体方法と同様に、ワイヤ50を用いてもよい。
【0092】
次いで、以下に説明する第3及び第4実施例の有機EL表示装置を用意し、第3解体治具40Cにより各実施例の有機EL表示装置を解体した結果について説明する。
図11はこの発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の実施例3及び実施例4、及び解体治具による各実施例の有機EL表示装置の解体結果を説明する図である。
【0093】
図11に示されるように、実施例3及び実施例4の有機EL表示装置として、第1接着層3を2液付加型シリコーン系接着剤で構成し、第2接着層13を熱伝導性両面粘着テープで構成したものを用意した。
但し、実施例3では、ドライブ用基板15Bと第2接着層13との接合力を60N/cmとなる両面粘着テープを選定し、実施例4では、ドライブ用基板15Bと第1接着層13との接合力が30N/cmとなる両面粘着テープを選定している。
【0094】
そして、実施例3及び実施例4の有機EL表示装置の第2接着層13にクリープを発生させる力を第3解体治具40Cにより加えた。
その結果、ドライブ用基板15Bとパネルモジュール4とが分離されるように有機EL表示装置が解体された。
【0095】
なお、実施例3の有機EL表示装置の解体では、図8に示されるように、ワイヤ50を用いず、実施例4の有機EL表示装置の解体では、図10に示されるように、ワイヤ50を用いた。
また、実施例3及び実施例4の第2ボルト51の締め付け力は、トルクレンチ等により管理し、第2接着層13にクリープを発生させる力は、第1解体治具40A及び第2解体治具40Bを用いて実施例1または実施例2の有機EL表示装置を解体したときのものと同じなるように設定している。
【0096】
その結果、第3実施例の有機EL表示装置では、20分で第2接着層13の全域で、第2接着層13がドライブ用基板15Bから剥離し、ドライブ用基板15Bとパネルモジュール4との間が分離した。
また、第4実施例の有機EL表示装置では、5分でドライブ用基板15Bとパネルモジュール4との間が分離した。また、第3実施例及び第4実施例の有機EL表示装置とも、分離したドライブ用基板15B及びパネルモジュール4に損傷のないことが確認された。
【0097】
実施の形態3.
図12はこの発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置の断面図である。
なお、図12において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0098】
図12において、有機EL表示装置1Cは、一端がシャーシ2の他面に第1支持部材接着層17を介して接合され、他端がシャーシ2と相対するドライブ用基板15Bの面に第2支持部材接着層18を介して接合され、シャーシ2とドライブ用基板15Bとを隙間を空けて支持する支持部材19を備え、第2接着層13が省略されている他は、略有機EL表示装置1Aの構成と同様である。
【0099】
支持部材19は、シャーシ2を構成する材料と同様の材料を用いることができ、ここでは、アルミニウムなどの材料により作製されている。
第1支持部材接着層17の構成は、特に限定されるものではなく、接着剤を硬化させて構成されるものや、両面粘着テープにより構成されていてもよい。両面粘着テープを用いる場合には、上述の第2接着層13に用いることのできる両面粘着テープと同様の種類のものを用いることができる。接着剤を用いる場合には、第1接着層3に用いることが可能な接着剤と同様のものを用いることができる。
【0100】
また、第2支持部材接着層18は、特に限定されるものではないが、上述の第2接着層と同様、ゴム系、シリコーン系、及びアクリル系などの各種両面粘着テープで構成するのが好ましい。
【0101】
そして、シャーシ2と支持部材19とを接合する第1支持部材接着層17の接合力は第4接合力であり、支持部材19とドライブ用基板15Aとを接合する第2支持部材接着層18の接合力は第5接合力であり、第4接合力は第5接合力より大きくなっている。
【0102】
なお、第4接合力は、第1支持部材接着層17とシャーシ2との間の接合力、及び第1支持部材接着層17と支持部材19との間の接合力のうち弱いものをいう。
また、第5接合力は、第2支持部材接着層18とドライブ用基板15Aとの間の接合力、及び第2支持部材接着層18と支持部材19のとの間の接合力のうち弱いものをいう。
【0103】
第2支持部材接着層18と支持部材19との間の接合力、及び第2支持部材接着層18とドライブ用基板15Aとの間の接合力の大小は、支持部材19及びドライブ用基板15Aの材料の組み合わせにより変わることがある。
【0104】
例えば、支持部材19が、アルミニウムやアルミニウム合金であり、ドライブ用基板15Aが、電子回路基板として一般的なガラスエポキシ基板などの樹脂基板であり、第2支持部材接着層18が、同じ粘着剤で両面を構成された両面粘着テープで構成されている場合、ドライブ用基板15Aと第2支持部材接着層18との間の接合力は、支持部材19と第2支持部材接着層18との間の接合力より弱くなる。
【0105】
また、第2支持部材接着層18を、両面粘着テープとした場合、両面粘着テープの両面の粘着剤の粘着力を適当なものに設定することで、支持部材19及びドライブ用基板15Aの材料によらず、ドライブ用基板15Aと第2支持部材接着層18との間の接合力と、支持部材19と第2支持部材接着層18との間の接合力の大小を選択できる。
【0106】
以上のように構成された有機EL表示装置1Cでは、シャーシ2と支持部材19とを接合する第1支持部材接着層17の第4接合力が、支持部材19とドライブ用基板15Aとを接合する第2支持部材接着層18の第5接合力より大きくなっている。従って、ドライブ用基板15Aに対して、パネルモジュール4を離す方向に所定の力を加えると、第2支持部材接着層18にクリープが発生してドライブ用基板15Aから第2支持部材接着層18が徐々に剥離され、ドライブ用基板15Aと支持部材19とを分離することができる。第2支持部材接着層18のクリープを発生させるための所定の力は、第5接合力に対して小さいものでよく、ドライブ用基板15A、パネルモジュール4、及び支持部材19に損傷を負わせることもない。
【0107】
このとき、表示基板6、シャーシ2、及びドライブ用基板15Aの積層方向から見て、有機EL表示装置1Cの外側に大きな作業スペースがなくても、おおよそドライブ用基板15Aの他面と垂直な方向に位置する領域を作業領域として、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とを離す力を加えることで、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4のシャーシ2とを支持部材19とともに分離することが可能になる。例えば、以下に説明する第4解体治具を用いることでこのことを実現できる。
【0108】
有機EL表示装置1Cを解体するのに用いられる解体治具について説明する。
図13はこの発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置を解体する第4解体治具、及び第4解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法について説明する図である。
【0109】
図13において、第4解体治具40Dは当て板61、及び剥離力発生手段としてのジャッキボルト62により構成されている。
ジャッキボルト62は、シャーシ2とドライブ用基板15Aとの間の距離から当て板61の厚みを引いた距離より僅かに短い長さのねじ棒62aと、ねじ棒62aに螺合されるナット62bを有している。
【0110】
ナット62bは、その一端面を、ねじ棒62aの一端よりねじ棒62aの軸方向の外側に配置可能になっている。つまり、ジャッキボルト62は、ねじ棒62aの軸方向の長さに対して、ナット62bの軸方向の長さ分だけ、軸方向の全長を可変することが可能になっている。
【0111】
また、第4解体治具40Dを用いた有機EL表示装置1Cの解体手順は以下の通りである。
図13において、予め、ナット62bの一端面を、ねじ棒62aの軸方向の長さ範囲内に配置させておいたジャッキボルト62を、ドライブ用基板15Aとシャーシ2が相対する方向に軸方向を一致させてドライブ用基板15Aとシャーシ2との間に配置する。このとき、ねじ棒62aの一端をシャーシ2に向けておく。
また、当て板61を、ねじ棒62aの他端とドライブ用基板との間に配置してねじ棒62aの他端を当て板に当接させ、ナット62bをねじ棒62aの一端から抜ける方向に移動させる。
【0112】
そして、ナット62bの一端面がシャーシ2に当接した後、さらにナットをねじ棒から抜ける方向に回転させると、シャーシ2によって、ナット62bの移動が阻止されるが、ジャッキボルト62は、全長を長くする方向に変化しようとするので、ナット62bはシャーシ2を加圧する。この加圧力は、ドライブ用基板15Aとシャーシ2とを互いに離反させる方向に作用し、ねじ棒62aの一端からのナット62bの一端面の突出量に応じた所定の力が、ドライブ用基板15Aに対して、パネルモジュール4を支持部材19とともに離す方向に加えられる(剥離力発生工程の実施)。
【0113】
第4接合力が第5接合力より大きいので、第2支持部材接着層18にクリープが発生し、ドライブ用基板15Aから第2支持部材接着層18が徐々に剥離されてパネルモジュール4及びパネルモジュール4に接合されている支持部材19とドライブ用基板15Aとが分離される。
【0114】
また、解体治具の他の実施例について説明する。
図14はこの発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置を解体する第5解体治具、及び第5解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法について説明する図である。
【0115】
図14において、有機EL表示装置の第5解体治具40Eは、剥離力発生手段としてのボールプランジャである。
第5解体治具40Eであるボールプランジャは、筒状の筺体66と、筺体66の一端側及び他端側のそれぞれに配置され、筺体66に出没可能に配置される一対のボール67と、ボール67を筺体66から抜けだす方向に付勢する図示しないばねなどの付勢手段を備えている。
なお、筺体66の長さは、ドライブ用基板15Aとシャーシ2との間の距離より僅かに短くなっている。
【0116】
また、第5解体治具40Eを用いた有機EL表示装置1Cの解体手順は以下の通りである。
ボールプランジャを、ボール67が筺体66内に没する方向に押圧して、筺体66をドライブ用基板15Aとシャーシ2との間に挿入する。このとき、一方のボール67がシャーシ2と相対し、他方のボール67がドライブ用基板15Aに当接するようにボールプランジャを配置する。
【0117】
このとき、一対のボール67のそれぞれは、付勢手段により付勢されてシャーシ2及びドライブ用基板15Aのそれぞれを加圧する。この加圧力は、シャーシ2とドライブ用基板15Aとを互いに離反させる方向に作用し、ドライブ用基板15Aに対して、パネルモジュール4を支持部材19とともに離す方向に加えられる(剥離力発生工程の実施)。
【0118】
これにより、第2支持部材接着層18にクリープが発生し、第4解体治具40Dの場合と同様に、ドライブ用基板15Aから第2支持部材接着層18が徐々に剥離されてパネルモジュール4及びパネルモジュール4に接合されている支持部材19とドライブ用基板15Aとが分離される。
【0119】
次いで、以下に説明する実施例5及び実施例6の有機EL表示装置を用意し、第4解体治具40Dを用いて有機EL表示装置を解体した結果、及び第5解体治具40Eを用いてについて実施例6の有機EL表示装置を解体した結果について説明する。
図15はこの発明の実施の形態3に係る有機EL表示装置の実施例5と実施例6、第4及び第5解体治具、及び第4及び第5解体治具による実施例5及び実施例6の解体結果を説明する図である。
【0120】
図15に示されるように、実施例5及び実施例6の有機EL表示装置として、第1接着層を2液付加型シリコーン系接着剤で構成し、第1支持部材接着層17及び第2支持部材接着層18を熱伝導性両面粘着テープで構成したものを用意した。
但し、第2支持部材接着層18を構成する両面粘着テープは、実施例5では、ドライブ用基板15Aと支持部材19とを60N/cmの接合力で接合するものを選定し、実施例6では、ドライブ用基板15Aと支持部材19とを30N/cmの接合力で接合するものを選定した。
【0121】
そして、実施例5の有機EL表示装置を、第2支持部材接着層18にクリープを発生させる力を第4解体治具40Dにより加え、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とが分離されるように解体し、実施例6の有機EL表示装置を、第2支持部材接着層18にクリープを発生させる力を第5解体治具40Eにより加え、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4とが分離されるように解体した。実施例5及び実施例6の有機EL表示装置の解体とも、ワイヤは用いていない。
【0122】
なお、第4解体治具40Dのジャッキボルト62のナット62bの締め付け力は、トルクレンチ等により管理し、第2支持部材接着層18にクリープを発生させるための力が、第1解体治具40A及び第2解体治具40Bを用いて有機EL表示装置1Aを解体した際の第2接着層13にクリープを発生させるための力に同じになるようにしている。
【0123】
また、第5解体治具40Eにおけるボール67を付勢するための付勢手段の付勢力は、第2支持部材接着層18にクリープを発生させるための力が、第1解体治具40A及び第2解体治具40Bを用いて有機EL表示装置1Aを解体した際の第2接着層13にクリープを発生させるための力に略同じになるようにしている。
【0124】
その結果、実施例5の有機EL表示装置では、10分で第2支持部材接着層18の全域で、第2支持部材接着層18がドライブ用基板15Aから剥離し、ドライブ用基板15Aと支持部材19との間が分離した。
また、実施例6の有機EL表示装置では、15分でドライブ用基板15Aと支持部材19との間が分離した。実施例5及び実施例6の有機EL表示装置とも、分離したドライブ用基板15Aと支持部材19及びパネルモジュール4に損傷のないことが確認された。
【0125】
実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4に係る有機EL表示装置の断面図である。
なお、図16において、実施の形態3と同一又は相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0126】
図16において、有機EL表示装置1Dは、ドライブ用基板15Aに、複数の貫通穴15cが形成されている他は有機EL表示装置1Cと同様に形成されている。
そして、貫通穴15cのそれぞれは、シャーシ2と相対するドライブ用基板15Aの部位に形成されている。
【0127】
以上のように構成された有機EL表示装置1Dによれば、例えば、貫通穴15cに挿通させた図示しない部材が所定の圧力でシャーシ2を押圧するようにして、部材をドライブ用基板15Aに一体に固定すれば、支持部材19が接合されたパネルモジュール4をドライブ用基板15Aから離す方向の力が発生する(剥離力発生工程の実施)。
これにより、第2支持部材接着層18にクリープが発生して、ドライブ用基板15Aから第2支持部材接着層18が徐々に剥離され、ドライブ用基板15Aと支持部材19が接合されたパネルモジュール4のシャーシ2とが分離される。
【0128】
部材を、貫通穴15cに挿通させるには、ドライブ用基板15Aと相対する方向から部材を貫通穴15cに挿入すればよく、パネルモジュール4、及びドライブ用基板15Aの積層方向から見て、パネルモジュール4、及びドライブ用基板15Aの外側に大きな作業スペースを必要としない。
従って、何らかの方法で、所定の圧力でシャーシ2を押圧するようにして、部材をドライブ用基板15Aに一体に固定すれば、表示パネルユニット5及び支持部材19が接合されたシャーシ2をドライブ用基板15Aから離す方向の力が加えられ、ドライブ用基板15Aと支持部材19が接合されたパネルモジュール4とを分離可能になる。
【0129】
以下、有機EL表示装置を解体するのに用いられる第6解体治具について説明する。
図17はこの発明の実施の形態4に係る有機EL表示装置を解体する第6解体治具、及び第6解体治具を用いた有機EL表示装置の解体方法について説明する図である。
【0130】
図17において、第6解体治具40Fは、取付部材41D、及び第3ボルト74により構成されている。
取付部材41Dは、ドライブ用基板15Aの面積に対応する面積を有する矩形平板状の基部71と、基部71の一面の長手方向の両端のそれぞれから延出されるL字状の係合部72とを備えている。係合部72の一片は、基部71に垂直に延出し、係合部72の他辺は、一片から基部71の内側に向けて基部71に平行に延出されている。また、基部71には、取付部材41Dがドライブ用基板15Aに取り付けられたときに、ドライブ用基板15Aに形成された複数の貫通穴15cに対応する位置に、ねじ孔71aが形成されている。
【0131】
そして、基部71の長手方向の両側には、基部71と係合部72とで嵌合凹部73が形成される。
嵌合凹部73の溝に沿った方向に直交する断面の幅は、ドライブ用基板15Aの厚みに対応する幅を有している。これにより、ドライブ用基板15Aの縁部を嵌合凹部73に嵌めこむことで、ドライブ用基板15Aに対して、ドライブ用基板15Aに垂直な方向への移動が規制される。また、貫通穴15cとねじ孔71aが相対する位置に配置されるようになっている。
【0132】
なお、取付部材41Dは、一体に形成するものとして説明したが、ドライブ用基板15Aの縁部を嵌合凹部73に嵌め込むのに、ドライブ用基板15Aの外側に大きなスペースが必要となる場合には、例えば、嵌合凹部73及びねじ孔71aを一つずつ有するように、小さなサイズに分割して取付部材41Dを構成してもよい。
【0133】
また、第6解体治具40Fを用いた有機EL表示装置の解体手順は以下の通りである。
まず、取付部材41Dの嵌合凹部73をドライブ用基板15Aの長手方向の一方及び他方の第1延出部15aのそれぞれに嵌める。
【0134】
次いで、第3ボルト74をねじ孔71aに支持部材19とは逆側からねじこむ。第3ボルト74のねじ部の先端部がパネルモジュール4のシャーシ2に当接するまで、第3ボルト74を軸まわりに回転させる。さらに第3ボルト74を軸まわりに回転させると、シャーシ2によって、第3ボルト74のねじ込みが阻止されるので、第3ボルト74をねじ込もうとする力は、第3ボルト74が螺合された取付部材41Dからパネルモジュール4を離反させる方向に作用する(剥離力発生工程の実施)。
【0135】
つまり、第3ボルトのねじ込み量に応じた所定の力が、ドライブ用基板15Aに対して、パネルモジュール4を離す方向に加えられる。第5接合力より第4接合力が大きいので、第2支持部材接着層18にクリープが発生し、ドライブ用基板15Aから第2支持部材接着層18が徐々に剥離されてパネルモジュール4及びパネルモジュール4に接合されている支持部材19とドライブ用基板15Aとが分離される。
以上のように、有機EL表示装置が解体される。
【0136】
次いで、以下に説明する実施例7の有機EL表示装置を用意し、第6解体治具40Fを用いて第7実施例の有機EL表示装置を解体した結果について説明する。
図18はこの発明の実施の形態4に係る有機EL表示装置の実施例7、及び第6解体治具による実施例7の有機EL表示装置の解体結果を説明する図である。
【0137】
図18に示されるように、実施例7の有機EL表示装置として、第1接着層を2液付加型シリコーン系接着剤で構成し、第1支持部材接着層17及び第2支持部材接着層18を熱伝導性両面粘着テープで構成したものを用意した。
但し、第2支持部材接着層18を構成する両面粘着テープは、ドライブ用基板15Aと支持部材19とを100N/cmの接合力で接合するものを選定した。
【0138】
そして、実施例7の有機EL表示装置を、第2支持部材接着層18にクリープを発生させる力を第6解体治具40Fにより加えた。
その結果、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4に接合されている支持部材19とが分離するように有機EL表示装置が解体された。
【0139】
なお、実施例7の有機EL表示装置の解体では、第3ボルト74の締め付け力は、トルクレンチ等により管理し、第2支持部材接着層18にクリープを発生させるための力が、第1解体治具40A及び第2解体治具40Bを用いて有機EL表示装置1Aを解体した際の第2接着層13にクリープを発生させるための力に同じになるようにしている。
【0140】
その結果、有機EL表示装置は、20分で、第2支持部材接着層18が全域でドライブ用基板15Aから剥離し、ドライブ用基板15Aとパネルモジュール4に接合された支持部材19との間が分離した。
また、分離したドライブ用基板15Aと支持部材19及びパネルモジュール4に損傷のないことが確認された。
【0141】
なお、上記各実施の形態では、画像表示装置は有機EL表示装置として説明したが、表示基板の表示部を液晶などを利用して構成した画像表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1A〜1D 有機EL表示装置(画像表示装置)、2 シャーシ、3 第1接着層、8表示部、7c 表示基板延出部、12 通信用部材、13 第2接着層、15A,15B ドライブ用基板、15c 貫通穴、17 第1支持部材接着層、18 第2支持部材接着層、19 支持部材、40A〜40F 第1解体治具〜第6解体治具、41A〜41D 取付部材、42 第1ボルト(剥離力発生手段)、44 ジャッキボルト(剥離力発生手段)、45 取付部材接着層、50 ワイヤ(条体)、52 第2ボルト(剥離力発生手段)、62 ジャッキボルト(剥離力発生手段)、66 筺体、67 ボール、71a ねじ孔、74 第3ボルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシと、
映像を表示する表示部を含み、上記シャーシの一面に第1接着層を介して接合される表示基板と、
上記表示部の駆動用に設けられ、上記シャーシの他面に第2接着層を介して接合されるドライブ用基板と
を備え、
上記シャーシと上記表示基板とを接合する上記第1接着層の接合力が上記シャーシと上記ドライブ用基板を接合する第2接着層の接合力より大きいことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記第2接着層が、両面粘着テープにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記両面粘着テープは、上記ドライブ用基板と上記シャーシとを互いに離反させて分離する力を加えたときに、上記ドライブ用基板から剥離されるように一面及び他面の粘着力が設定されていることを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記ドライブ用基板と上記表示部との間の通信経路を構成するための通信用部材が、上記シャーシ側に向けられた上記表示基板の裏面に取り付けられ、
上記第1接着層は、上記表示基板及び上記通信用部材と上記シャーシとの間に硬化された接着剤で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記接着剤は、シリコーン系、または変性シリコーン系であることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
シャーシと、
映像を表示する表示部を含み、上記シャーシの一面に取り付けられる表示基板と、
一端が上記シャーシの他面に第1支持部材接着層を介して接合され、他端が上記シャーシと相対するドライブ用基板の面に第2支持部材接着層を介して接合され、上記シャーシと上記ドライブ用基板とを隙間をあけて連結する支持部材と
を備え、
上記シャーシと上記支持部材とを接合する第1支持部材接着層の接合力が、上記支持部材と上記ドライブ用基板とを接合する上記第2支持部材接着層の接合力より大きいことを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置を解体するための画像表示装置の解体治具であって、
上記ドライブ用基板は上記シャーシの外側にはみ出した第1延出部を有しており、
上記表示基板の表面に、上記第1延出部と相対するように上記シャーシの外側にはみ出して配置され、取付部材接着層を介して接合される取付部材と、
上記取付部材と上記ドライブ用基板とを連結するように配置されて、上記ドライブ用基板に対して上記表示基板及びシャーシを引っ張る力を発生させる剥離力発生手段と
を備え、
上記表示基板と上記取付部材とを接合する上記取付部材接着層の接合力が、上記第2接着層の接合力より大きいことを特徴とする画像表示装置の解体治具。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置を解体するための画像表示装置の解体治具であって、
上記表示基板は、上記シャーシの外側にはみ出した表示基板延出部を有しており、
上記ドライブ用基板の縁部に嵌合して上記ドライブ用基板に取り付けられて上記表示基板延出部と相対する取付部材と、
上記取付部材と上記ドライブ用基板とを連結するように配置されて、上記ドライブ用基板に対して上記表示基板及び上記シャーシを引っ張る力を発生させる剥離力発生手段と
を備えていることを特徴とする画像表示装置の解体治具。
【請求項9】
請求項6に記載の画像表示装置を解体するための画像表示装置の解体治具であって、
上記シャーシと上記ドライブ用基板との間に配置されて、上記シャーシと上記ドライブ用基板とを互いに反する方向に加圧する剥離力発生手段を備えることを特徴とする画像表示装置の解体治具。
【請求項10】
請求項7に記載の画像表示装置の解体治具を用いた画像表示装置の解体方法であって、
上記取付部材を上記取付部材接着層を介して上記表示基板に取り付ける工程と、
上記剥離力発生手段により、上記表示基板及び上記シャーシを上記ドライブ用基板に対して引っ張る力を発生させて上記第2接着層にクリープを発生させる剥離力発生工程を有することを特徴とする画像表示装置の解体方法。
【請求項11】
請求項8に記載の画像表示装置の解体治具を用いた画像表示装置の解体方法であって、
上記取付部材を上記ドライブ用基板に取り付ける工程と、
上記剥離力発生手段により、上記表示基板及び上記シャーシを上記ドライブ用基板に対して引っ張る力を発生させて上記第2接着層にクリープを発生させる剥離力発生工程を有することを特徴とする画像表示装置の解体方法。
【請求項12】
請求項9に記載の画像表示装置の解体治具を用いた画像表示装置の解体方法であって、
上記剥離力発生手段により、上記ドライブ用基板と上記シャーシとを互いに反する方向に加圧する力を上記表示基板及び上記シャーシを上記ドライブ用基板に対して引っ張る力を発生させて上記第2支持部材接着層にクリープを発生させる剥離力発生工程を有することを特徴とする画像表示装置の解体方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−118184(P2012−118184A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266240(P2010−266240)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】