説明

画像表示装置、画像診断装置、及びプログラム

【課題】何れの撮影方式の医用画像を表示しても、共に表示するダイアログボックスの画像と医用画像とを明確に区別する縁取りをつける技術を提供する。
【解決手段】各種の撮影方式に対応した縁取りの各配色情報を記憶しておき、表示する前記医用画像の撮影方式に応じた配色情報が示す色でダイアログボックス画像を縁取る。これにより、ダイアログボックス画像と医用画像とが、視覚上、明確に差別化できるため、医用画像の操作をしているのか、ダイアログボックス画像内のアイコン画像を操作しているのかを明確に判断することができ、集中力を欠くことがなく、作業効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医用画像とともに各種アイコンを有するダイアログボックス画像を配置した画面を表示する画像表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、X線CT装置及び超音波診断装置等の各種画像診断装置や、PACS、HIS、RIS、及び電子カルテシステム等の各種画像表示装置が配置されている。これら各機器は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示部を有し、撮影した被検体の医用画像を配置した画面を表示する。
【0003】
この画像診断装置や画像表示装置の画面には、表示している医用画像の拡大、縮小、又は回転、さらには医用画像に対するアノテーションの付加、医用画像内へのROI設定、又は設定されたROIの解析等の各種操作を受付ける操作ボタンがアイコン画像形式で配置される。このアイコン画像は、ダイアログボックスと呼ばれる領域に配置される。アイコン画像を搭載したダイアログボックスの画像は、利便性の向上の観点から浮動表示され、画面内における表示位置が移動自在となっている。
【0004】
操作者は、このダイアログボックスの画像を所望の位置に表示させ、アイコン画像を押下することで機能を呼び出した後、医用画像上をマウス操作することで当該機能の詳細操作を実施する。このような操作において、ダイアログボックスの画像と医用画像とを重ねて表示させたとき、ダイアログボックスの画像と医用画像との境界が明確でないために、どちらの画像に対して操作しているのか判別しづらいことがあった。
【0005】
そこで、従来より、サムネイル画像や、所定のアイコン画像や、ウィンドウなどに対して固定的な縁取りをつける技術が提示されている(例えば、「特許文献1」参照)。
【0006】
この従来技術では、どのような医用画像が表示されていても、予め定めた一の配色で縁取りを行うものである。近年、医用画像を撮影する各種の撮影方式が提示されており、医用画像の色合いは、この撮影方式に応じて異なる場合が多い。
医用画像の撮影方式としては、超音波画像の撮影方式、即ち超音波診断装置による超音波の送受波に基づく撮影や、X線CT画像の撮影方式、即ちX線CT装置による被検体回りにX線を曝射することに基づく撮影や、X線画像の撮影方式、即ちX線診断装置による被検体の一方からX線を曝射することに基づく撮影、MRI画像の撮影方式、即ち磁気共鳴画像診断装置による被検体内で発生した磁気共鳴信号に基づく撮影、及び核医学画像の撮影方式、即ち核医学診断装置による放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出することに基づく撮影等が挙げられる。
【0007】
すると、予め定めた一の配色で縁取りを行う技術では、一の撮影方式の医用画像とダイアログボックスの画像とが重なったときには、縁取りの色と医用画像の色合いとに明確に差がつき、ダイアログボックスの画像と医用画像の境界が明確になるが、他の撮影方式の医用画像とダイアログボックスの画像とが重なったときには、縁取りの色と医用画像の色合いとに明確な差がつかないといった状況が生じる場合がある。
【0008】
即ち、従来の固定的な縁取りを行う技術では、各種の撮影方式の医用画像が存在する近年では、ダイアログボックスの画像と医用画像との境界を明確にすることが必ずしも実現されてはいなかった。
【0009】
【特許文献1】特開2002−72991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、何れの撮影方式の医用画像を表示しても、共に表示するダイアログボックスの画像と医用画像とを明確に区別する縁取りをつける技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明に係る画像表示装置は、表示手段を有し、各種の撮影方式の何れかで撮影された医用画像を表示させるとともに、操作アイコンを配置したダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示させる画像表示装置であって、前記各種の撮影方式に対応した縁取りの各配色情報を記憶する記憶手段と、表示する前記医用画像の撮影方式に応じた前記配色情報が示す色で前記ダイアログボックス画像を縁取り、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
前記表示制御手段は、前記ダイアログボックス画像と前記医用画像の重なり領域を検出し、前記ダイアログボックス画像の縁の前記重なり領域と重なる部分を更に異なる色で縁取るようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0013】
また、上記課題を解決するために、請求項9記載の本発明に係る画像診断装置は、被検体の医用画像を撮影する撮影手段を有し、この撮影手段で撮影された医用画像を表示するとともに、ダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示する画像診断装置であって、前記ダイアログボックス画像と前記医用画像の重なり領域を検出し、前記ダイアログボックス画像の前記重なり領域の重なり部分を更に異なる色で縁取る表示制御手段と、前記医用画像とともに、前記縁取りがされた前記ダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示する表示手段と、を備えること、を特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するために、請求項12記載の本発明に係る画像表示プログラムは、表示手段を有し、各種の撮影方式の何れかで撮影された医用画像を表示させるとともに、操作アイコンを配置したダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示させるコンピュータを、前記各種の撮影方式に対応した縁取りの各配色情報を記憶する記憶手段と、表示する前記医用画像の撮影方式に応じた前記配色情報が示す色で前記ダイアログボックス画像を縁取り、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、して機能させること、を特徴とする。
【0015】
前記表示制御手段は、前記ダイアログボックス画像と前記医用画像の重なり領域を検出し、前記ダイアログボックス画像の前記重なり領域の重なり部分を更に異なる色で縁取るようにしてもよい(請求項17記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び12に係る本発明によれば、医用画像は、撮影方式によって特有の色合いを有するが、どの撮影方式の医用画像を表示させても、ダイアログボックス画像と医用画像とが、視覚上、明確に差別化できる。従って、医用画像の操作をしているのか、ダイアログボックス画像内のアイコン画像を操作しているのかを明確に判断することができ、集中力を欠くことがなく、作業効率が向上する。
【0017】
請求項6、9、及び17に係る本発明によれば、ダイアログボックス画像の縁のうち、医用画像と重なる部分については、その重なり領域の色合いとは異なる色で更に縁取りがなされるため、医用画像の重なり領域の色合いが本来の撮影方式に応じた色合いと変わった場合であっても、ダイアログボックス画像と医用画像とが区別できる。従って、医用画像の操作をしているのか、ダイアログボックス画像内のアイコン画像を操作しているのかが更に明確に判断することができ、集中力を欠くことがなく、作業効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る医用画像とともに各種アイコンを有するダイアログボックス画像を配置した画面を表示する画像表示技術の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像表示装置1の構成を示すブロック図である。図2は、この画像表示装置1が表示する画面を示す模式図である。
【0020】
画像表示装置1は、病院内のPACSやHISやRIS等のネットワークに接続されて、サーバから受信した医用画像110とダイアログボックス画像120を画面100に表示する。ダイアログボックス画像120は、表示した医用画像110に対する加工や画面操作の指示を入力するためのアイコン画像121を搭載した画像である。
【0021】
図1に示すように、この画像表示装置1は、表示部2と操作部3と表示制御部4とを備える。表示部2は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイである。操作部3は、キーボードやマウスやトラックボールである。表示制御部4は、所謂コンピュータで構成される。即ち、表示制御部4は、HDD等の外部記憶装置に制御プログラムを予め記憶しており、この制御プログラムをRAM等のワークメモリに適宜展開して、CPU等のプロフェッサで解読及び命令の実行を行う。表示制御部4は、このハードウェアによる情報処理によって、表示部2に医用画像110を配置した画面100を表示させる。
【0022】
図2に示すように、表示制御部4は、医用画像110とダイアログボックス画像120を配置した画面100を作成し、表示部2に出力することで、表示部2にこの画面100を表示させる。ダイアログボックス画像120は、表示した医用画像110に対する加工や画面操作の指示を入力するためのアイコン画像121を配置し、操作部3の操作に応じて配置個所が自在となった浮動表示ボックスである。このダイアログボックス画像120の縁122は、表示されている医用画像110の色合いとは明確な差を有する配色で縁取りがされる。
【0023】
この表示制御部4は、医用画像記憶部5と部品格納部6と画面作成部7と縁配色ライブラリ8とを有する。医用画像記憶部5と縁配色ライブラリ8は、主に外部記憶装置を含み構成される。画面作成部7は、主にプロフェッサを含み構成される。部品格納部6は、主にプロフェッサと外部記憶装置とを含み構成される。
【0024】
医用画像記憶部5には、医用画像110が記憶されている。部品格納部6は、ダイアログボックス情報記憶部61とアイコン画像記憶部62と縁配色情報記憶部63とを有する。
【0025】
ダイアログボックス情報記憶部61には、ダイアログボックス情報が記憶されている。ダイアログボックス情報は、医用画像110とともに画面に配置されるダイアログボックス画像120となる領域の幅及び高さを示す情報である。アイコン画像記憶部62には、ダイアログボックス画像120上に配置される各種のアイコン画像121が記憶されている。
【0026】
縁配色情報記憶部63には、このダイアログボックス画像120を縁取る色を示す縁配色情報80(図3に示す縁配色情報80の何れか)が記憶される。この縁配色情報80は、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)各色の階調値を示すデータである。
【0027】
尚、このダイアログボックス情報記憶部61とアイコン画像記憶部62と縁配色情報記憶部63は、不揮発性の記憶装置によって構成される。即ち、一度格納された情報は、更新されるまでは格納され続ける。
【0028】
画面作成部7は、医用画像記憶部5と部品格納部6とから、画面100に配置する部品又は配置の情報となる医用画像110、ダイアログボックス情報、及びアイコン画像121とを読み出して、画面100を作成する。画面100の作成では、ダイアログボックス情報が示す幅及び高さを有する領域にアイコン画像121を配置することで、ダイアログボックス画像120を生成する。そして、医用画像110とダイアログボックス画像120を、その配置位領域の基準を示す基準情報等によって予め定めたデフォルト領域に配する。
【0029】
操作部3の操作によって、画面上に表示しているカーソルがダイアログボックス画像120を配置している領域内に入り、その領域内を始点としてドラッグアンドドロップ操作がなされると、画面作成部7は、ダイアログボックス画像120の基準情報に、ドラッグアンドドロップ操作で移動されたベクトルを加算して、新たな基準情報を算出し、この基準情報が示す座標位置を基準としてダイアログボックス情報が示す拡がり範囲にダイアログボックス画像120を移動させた画面を作成し、表示部2に出力する。
【0030】
また、画面作成部7は、縁取り処理部71を有している。この縁取り処理部71は、部品格納部6の縁配色情報記憶部63に縁配色情報80が記憶されていると、この縁配色情報80を読み出し、ダイアログボックス画像120の縁122を縁取る。この縁取り処理部71は、縁取り処理として、ダイアログボックス画像120が存在している領域の基準点を示す基準情報が表す座標Dを一つの角とし、ダイアログボックス情報が示す幅及び高さを有する略四角形状の枠を縁配色情報80が示す色で塗り潰す。枠の太さは、予め縁取り処理部71によって記憶されており、その枠の太さに対応する画素分を縁配色情報80が示す色で塗り潰す。
【0031】
部品格納部6は、ダイアログボックス情報記憶部61とアイコン画像記憶部62と縁配色情報記憶部63の他、縁配色設定部64を有する。この縁配色設定部64は、主にプロフェッサを含み構成され、縁配色ライブラリ8から一の縁配色情報80を選択し、縁配色情報記憶部63に記憶させておくことで、ダイアログボックス画像120の縁122を縁取る色を設定する。即ち、画面作成部7の縁取り処理部71は、縁配色ライブラリ8から縁配色設定部64が選択した一の縁配色情報80を読み出して、ダイアログボックス画像120を縁取る。
【0032】
図3及び図4は、縁配色ライブラリ8を示す模式図である。図3は、縁配色情報80を示すデータ構成図であり、図4は、縁配色情報テーブル82を示すデータ構成図である。
【0033】
縁配色ライブラリ8は、それぞれ一の撮影方式に対応した各種の縁配色情報80と、縁配色情報テーブル82とを記憶している。
【0034】
縁配色ライブラリ8に記憶されている各種の縁配色情報80は、画像表示装置1が表示する医用画像110の各種撮影方式に対応している。それぞれの縁配色情報80は、対応させている撮影方式によって特有に有する医用画像110の色と明確な差を有する縁取りの色を定義している。
【0035】
縁配色情報テーブル82には、縁配色ライブラリ8に記憶されている各種の縁配色情報80を識別する縁色ID81と、縁色ID81で識別される縁配色情報80が適合している撮影方式を示す撮影方式情報83とが対応付けられて記憶されている。
【0036】
即ち、縁配色情報80は、医用画像110が、X線CT画像、X線画像、超音波画像、MRI画像、核医学画像等の何れの画像診断装置によって撮影された画像かに応じてそれぞれに対応して用意され、例えば、超音波画像に対応する縁配色情報80は、超音波診断装置が作成した医用画像110の色合いと明確な差を有する色を定義している。そして、それぞれの縁配色情報80は、縁配色情報テーブル82によって適合する撮影方式が識別される。
【0037】
縁配色設定部64は、この縁配色情報テーブル82を参照して、表示させる医用画像110の撮影方式を示す撮影方式情報83に対応した縁配色情報80を読み出し、縁配色情報記憶部63に記憶させる。医用画像110の撮影方式は、操作部3を用いた撮影方式選択の入力、画像表示装置1に医用画像を送信している画像診断装置Mの機種を識別する装置情報、又は医用画像に付帯している撮影した画像診断装置Mの機種を示すモダリティ情報によって認識する。
【0038】
まず、操作部3を用いた撮影方式選択の入力を受けることにより医用画像110の撮影方式に対応した縁配色情報80でダイアログボックス画像120の縁122を縁取る第1の具体例の動作を図5に基づき説明する。図5は、第1の具体例に係る画像表示装置1の画面100の表示の動作を示すフローチャートである。
【0039】
まず、画面作成部7は、医用画像110を医用画像記憶部5から読み出し(S01)、ダイアログボックス情報記憶部61からダイアログボックス情報を読み出し(S02)、アイコン画像記憶部62からアイコン画像121を読み出す(S03)。
【0040】
また、縁配色情報記憶部63に縁配色情報80が記憶されていれば(S04,Yes)、縁配色情報80も読み出す(S05)。縁配色情報記憶部63は、HDD等の不揮発性の記憶装置で構成されているため、一度、縁配色設定部64によって一の縁配色情報80が設定されていれば、情報が更新されるまではその縁配色情報80が縁配色情報記憶部63から読み出し可能となる。
【0041】
そして、画面作成部7は、医用画像110と、ダイアログボックス情報に応じた領域にアイコン画像121を配置したダイアログボックス画像120を予め用意されているテンプレートに配置することで、画面100を作成する(S06)。さらに、縁取り処理部71は、縁配色情報80を読み出していれば(S07,Yes)、ダイアログボックス画像120の縁122を縁配色情報80が示す色で塗り潰す(S08)。
【0042】
画面作成部7は、画面100の生成が終了すると、表示部2に出力することで、医用画像110とダイアログボックス画像120を配置した画面100を表示部2に表示させる(S09)。
【0043】
表示部2に表示させた画面100には、画面作成部7により図示しない縁取り処理のためのプルダウンメニュが表示されている。このプルダウンメニュには、超音波画像用の縁取り処理等の医用画像110の各種撮影方式が選択可能となっている。
【0044】
操作者が操作部3を用いて医用画像110の撮影方式のうちの何れかを選択すると(S10,Yes)、縁配色設定部64は、縁配色ライブラリ8に記憶されている縁配色情報テーブル82から、選択された撮影方式情報83に対応する縁色ID81を読み出し(S11)、読み出した縁色ID81に対応する縁配色情報80を縁配色ライブラリ8から読み出す(S12)。
【0045】
そして、縁配色設定部64は、縁配色ライブラリ8から読み出した縁配色情報80を縁配色情報記憶部63に記憶させる(S13)。縁配色情報記憶部63に縁配色情報80が記憶されると、S05に戻り、新たに記憶された縁配色情報80が示す色で縁122を塗り潰す。
【0046】
次に、画像表示装置1に医用画像を送信している画像診断装置Mの機種を識別する情報に応じて医用画像110の撮影方式に対応した縁配色情報80でダイアログボックス画像120の縁122を縁取る第2の具体例を図6及び図7に基づき説明する。
【0047】
図6は、第2の具体例に係る画像表示装置1のさらに詳細な構成を示すブロック図である。第1の具体例の画像表示装置1と同一構成又は同一機能には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0048】
第2の具体例に係る画像表示装置1は、受信部9を有する。受信部9は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介して画像診断装置Mと通信を確立し、画像診断装置Mから医用画像を受信する。
【0049】
この受信部9は、ネットワークアダプタ、のケーブルを接続するためのコネクタと、LAN規格に準拠したネットワークに接続するために必要となる回路を備えたLANカード、LANボード、LANアダプタ等の機器である。ネットワークNは、電子データの伝送が可能な電子通信回線である。例えば電話回線網、ISDN、FDDI、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV、LAN等、又はこれらの複合が採用される。画像表示装置1と画像診断装置Mは、ネットワーク通信技術を利用して、相互にデータ通信が可能となっている。ネットワーク通信技術には、例えばWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)、TCP/IPプロトコル、又はDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)プロトコル等が採用される。
【0050】
受信部9により画像診断装置Mと接続が確立する際、受信部9は、画像診断装置Mの装置名、IPアドレス、ステーションネーム、又はAEタイトル等の画像診断装置Mを識別する装置情報を受信する。撮影情報に対して一の撮影方式が定まるため、この撮影情報は、ともに受信した医用画像の撮影方式を特定する情報となる。
【0051】
縁配色情報テーブル82には、撮影方式情報83として、撮影方式を一意に特定する装置情報が記憶され、この装置情報と縁色ID81とが対応付けられている。縁配色設定部64は、ともに受信した医用画像の撮影方式を特定する装置情報から縁配色情報80を選択し、縁配色情報記憶部63に記憶させる。
【0052】
図7は、第2の具体例に係る画像表示装置1の画面100の表示動作を示すフローチャートである。
【0053】
まず、受信部9は、ネットワークNに接続された画像診断装置Mから通信を確立するために装置情報を受信し(S21)、続けて通信が確立すると画像診断装置MからネットワークNを介して医用画像を受信する(S22)。受信した医用画像は、医用画像記憶部5に記憶される(S23)。
【0054】
次に、縁配色設定部64は、縁配色ライブラリ8に記憶されている縁配色情報テーブル82から、受信した装置情報が表す撮影方式情報83に対応する縁色ID81を読み出し(S24)、読み出した縁色ID81に対応する縁配色情報80を縁配色ライブラリ8から読み出す(S25)。
【0055】
そして、縁配色設定部64は、縁配色ライブラリ8から読み出した縁配色情報80を縁配色情報記憶部63に記憶させる(S26)。
【0056】
画面作成部7は、医用画像110とダイアログボックス情報とアイコン画像121を読み出し(S27)、さらに、縁配色設定部64が撮影方式を表す装置情報に基づき設定した縁配色情報80を縁配色情報記憶部63から読み出す(S28)。
【0057】
そして、画面作成部7は、医用画像110、ダイアログボックス情報に応じた領域にアイコン画像121を配置したダイアログボックス画像120を予め用意されているテンプレートに配置することで、画面100を作成する(S29)。さらに、縁取り処理部71は、ダイアログボックス画像120の縁122を、読み出した縁配色情報80が示す色で塗り潰す(S30)。
【0058】
画面作成部7は、画面100の生成が終了すると、表示部2に出力することで、医用画像110とダイアログボックス画像120を配置した画面100を表示部2に表示させる(S31)。
【0059】
このように画像表示装置1では、医用画像110を送信してきた画像診断装置Mの撮影方式を装置情報から特定することによっても、医用画像110の撮影方式に応じた縁配色情報80でダイアログボックス画像120の縁122を縁取ることができる。
【0060】
次に、医用画像に付帯している撮影した画像診断装置Mの機種を示すモダリティ情報に応じて医用画像110の撮影方式に対応した縁配色情報80でダイアログボックス画像120の縁122を縁取る第3の具体例を図8及び図9に基づき説明する。
【0061】
図8は、第3の具体例に係る画像表示装置1のさらに詳細な構成を示すブロック図である。第1の具体例の画像表示装置1と同一構成又は同一機能には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0062】
第3の具体例に係る画像表示装置1では、縁配色設定部64は、医用画像記憶部5から医用画像110の撮影方式を認識する情報を取得する。医用画像110には、被検体の画像を示す画像データの他に、タグと情報を対にしたエレメントが複数付帯する。縁配色設定部64は、エレメントのうち、モダリティ情報を取得する。モダリティ情報は、付帯する医用画像110を撮影した画像診断装置Mの種類を識別する情報である。例えば、モダリティ情報は、X線CT装置であることを示すデータ列や、超音波診断装置であることを示すデータ列である。モダリティ情報に対して一の撮影方式が定まるため、このモダリティ情報は、付帯した医用画像の撮影方式を特定する情報となる。
【0063】
縁配色情報テーブル82には、撮影方式情報83として、撮影方式を一意に特定するモダリティ情報が記憶され、このモダリティ情報と縁色ID81とが対応付けられている。縁配色設定部64は、付帯した医用画像の撮影方式を特定するモダリティ情報から縁配色情報80を選択し、縁配色情報記憶部63に記憶させる。
【0064】
図9は、第3の具体例に係る画像表示装置1の画面100の表示動作を示すフローチャートである。
【0065】
まず、縁配色設定部64は、医用画像記憶部5に記憶されている医用画像に付帯しているモダリティ情報を読み出す(S41)。
【0066】
次に、縁配色設定部64は、縁配色ライブラリ8に記憶されている縁配色情報テーブル82から、読み出したモダリティ情報が表す撮影方式情報83に対応する縁色ID81を読み出し(S42)、読み出した縁色ID81に対応する縁配色情報80を縁配色ライブラリ8から読み出す(S43)。そして、縁配色設定部64は、縁配色ライブラリ8から読み出した縁配色情報80を縁配色情報記憶部63に記憶させる(S44)。
【0067】
画面作成部7は、医用画像110とダイアログボックス情報とアイコン画像121を読み出し(S45)、さらに、縁配色設定部64が撮影方式を表す装置情報に基づき設定した縁配色情報80を縁配色情報記憶部63から読み出す(S46)。
【0068】
そして、画面作成部7は、医用画像110、ダイアログボックス情報に応じた領域にアイコン画像121を配置したダイアログボックス画像120を予め用意されているテンプレートに配置することで、画面100を作成する(S47)。さらに、縁取り処理部71は、ダイアログボックス画像120の縁122を、読み出した縁配色情報80が示す色で塗り潰す(S48)。
【0069】
画面作成部7は、画面100の生成が終了すると、表示部2に出力することで、医用画像110とダイアログボックス画像120を配置した画面100を表示部2に表示させる(S49)。
【0070】
このように画像表示装置1では、表示しようとしている医用画像110の撮影方式をこの医用画像110に付帯しているモダリティ情報から特定することによっても、医用画像110の撮影方式に応じた縁配色情報80でダイアログボックス画像120の縁122を縁取ることができる。
【0071】
以上の第1の実施形態に係る第1乃至第3の具体例によると、医用画像は、撮影方式によって特有の色合いを有するが、どの撮影方式の医用画像を表示させても、ダイアログボックス画像120と医用画像110とが、視覚上、明確に差別化できる。従って、医用画像110の操作をしているのか、ダイアログボックス画像120内のアイコン画像121を操作しているのかを明確に判断することができ、集中力を欠くことがなく、作業効率が向上する。
【0072】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る画像表示装置1について説明する。図10は、この第2の実施形態に係る画像表示装置1の構成を示すブロック図である。図11は、第2の実施形態に係る画像表示装置1によって表示される画面100を示す図である。
【0073】
第2の実施形態に係る画像表示装置1は、図11に示すように、第1の実施形態の態様における医用画像110の撮影方式に応じた配色でダイアログボックス画像120の縁122を縁取る態様に加えて、ダイアログボックス画像120と医用画像110とが重なると、重なり領域opの縁122に存在する重なり部分123にさらに異なる縁取りを行うものである。
【0074】
この縁122の重なり部分123には、医用画像110の重なり領域opが有する色合いとは異なった色が選択される。医用画像110は、例えば、血流速度の計測結果を医用画像110に色づけを行うこと等の加工処理が行われることがある。この色づけ等の後の加工処理によって、医用画像110の重なり領域opの色合いが本来の撮影方式に応じた色合いと変わった場合、この色合いの変化に対応して明確な差を有する縁取りを行うことができる。
【0075】
例えば、医用画像110が超音波画像である場合、医用画像110内に血流速度をカラーで表すROIが設定され、このROIとダイアログボックス画像120が重なると、超音波画像に対応した縁122の配色は、縁122の重なり部分123においてROI内の色と必ずしも明確な差が生じない場合がある。そのため、縁122の重なり部分123をこのROIが含まれた重なり領域opの色合いと明確な差を有する色に変化させる。
【0076】
この画像表示装置1の部品格納部6は、図10に示すように、更に表示位置算出部65と重なり検出部66と重なり部分配色情報作成部67と重なり部分縁取り情報記憶部68とを有する。
【0077】
これら部品格納部6の更なる構成は、ダイアログボックス画像120の表示位置の移動操作に応じて、移動先におけるダイアログボックス画像120と医用画像110との重なりを検出し、検出された重なり領域opのダイアログボックス画像120の移動前の色合いに基づき、この色合いと最も遠い色合いを示す重なり部分配色情報を作成して、縁122の重なり部分123をこの重なり部分配色情報が示す色で塗り潰す。
【0078】
表示位置算出部65は、ダイアログボックス画像120の表示位置を算出する。操作部3を用いたダイアログボックス画像120のドラッグアンドドロップ操作をトリガとして表示位置を算出する。詳しくは、ダイアログボックス画像120の移動量を示すベクトル量(x,y)を移動元の表示位置の基準となる座標Dを示す値に加算する。この加算により得た座標は、移動後における新たな基準情報となる。
【0079】
重なり検出部66は、ダイアログボックス画像120と医用画像110の重なりを検出し、重なり領域opの範囲情報を重なり部分縁取り情報記憶部68に記憶させる。
【0080】
図12は、この重なり検出部66が重なりを検出する態様を示す模式図である。
【0081】
重なり検出部66は、表示位置算出部65が算出した移動後のダイアログボックス画像120の基準情報が示す座標Dと、ダイアログボックス情報を含まれるダイアログボックス画像120の幅W及び高さHとから、ダイアログボックス画像120が表示されている座標範囲を算出する。
【0082】
そして、重なり検出部66は、ダイアログボックス画像120の移動前の画面100の描画データを、画面作成部7から取得し、ダイアログボックス画像120が表示されている座標範囲内を順に走査していき、ダイアログボックス画像120が移動する前の画素の画素値と、予め記憶している閾値とを比較する。比較の結果、閾値を上回った画素値を有する画素群の座標範囲を、重なり領域opの範囲情報とする。閾値は、医用画像110が一般的に有する階調値の範囲と画面の背景が有する階調値の境界値が選択されており、閾値を上回る画素値を有する画素は、医用画像110を構成する画素である。
【0083】
重なり部分配色情報作成部67は、重なり領域opの色合いから、縁122の重なり部分123の重なり部分配色情報を作成し、重なり部分縁取り情報記憶部68に記憶させる。重なり部分配色情報は、ダイアログボックス画像120の縁122を縁取る色、即ち縁配色情報記憶部63に記憶されている縁配色情報80に基づき作成される。重なり部分配色情報作成部67は、重なり領域opのヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づき、縁配色情報80を構成するR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)各成分の値の何れを変更するか決定し、さらにこのヒストグラムに基づき、その変更後の値を決定する。そして、変更後の値と変更した成分の値とを入れ換えた重なり部分配色情報を作成し、重なり部分縁取り情報記憶部68に、重なり領域opの範囲情報とともに記憶させる。
【0084】
図13は、重なり領域opのヒストグラムを示す模式図である。
【0085】
重なり部分配色情報作成部67は、重なり領域opのヒストグラムをRGBの各色について作成する。ヒストグラムは、階調値ごとの画素数を積み上げたグラフである。
【0086】
重なり部分配色情報作成部67は、RGB全成分のヒストグラムから、最大の画素数を有する階調値を探索し、その最大の画素数を有する階調値を有する色成分を、変更する色成分とする。例えば、R成分では、「200」という階調値を有する画素数がピーク値であり、G成分では、「150」という階調値を有する画素数がピーク値であり、R成分では、「100」という階調値を有する画素数がピーク値であるものとする。さらに、R成分のピーク値は、「100」、G成分のピーク値は、「70」、B成分のピーク値は、「50」であるものとする。このとき、RGB全成分のうち、R成分の「200」という階調値を有する画素数が「100」という最大値をとるため、重なり部分配色情報作成部67は、縁配色情報記憶部63に記憶されている縁配色情報80とR成分が異なる重なり部分配色情報を作成することに決定する。
【0087】
重なり部分配色情報作成部67は、所定の階調値を示す変更値ポイントcpを予め複数記憶している。各変更値ポイントcpは、それぞれ異なる値を有する。例えば、重なり部分配色情報作成部67は、「0」、「50」、「100」、「150」、「200」、「255」という階調値を示す各変更値ポイントcpを予め記憶している。また、重なり部分配色情報作成部67は、階調値を並べた軸上の所定範囲を示す範囲値spを予め記憶している。例えば、範囲値spは、「100」という値を有する。
【0088】
この変更値ポイントcpと範囲値spを記憶している重なり部分配色情報作成部67は、変更する色成分のピーク値に対応する階調値から、範囲値sp以内にあり、かつこの階調値から最も離れた値を有する変更値ポイントcpの示す階調値を、変更する色成分の画素値とする。
【0089】
そして、重なり部分配色情報作成部67は、縁配色情報80からこの得られた階調値を変更する色成分に含んだ重なり部分配色情報を作成する。
【0090】
図14は、縁配色情報80から重なり部分配色情報を作成する態様を示す図である。重なり部分配色情報作成部67は、縁配色情報80の変更する色成分の画素値を、範囲値sp以内にあり、かつこの階調値から最も離れた値を有する変更値ポイントcpの示す階調値に対応する画素値に代えた重なり部分配色情報を作成する。即ち、縁配色情報80と重なり部分配色情報とは、変更する色成分以外の他の色成分は同一の画素値を有する。
【0091】
例えば、変更する色成分がR成分であり、ピーク値を有する階調値が「200」であれば、「100」という階調値を有する変更値ポイントcpが、範囲値sp以内にあり、かつこの階調値から最も離れた値であるため、R成分が「100」という画素値を有し、他のG成分及びB成分が縁配色情報80と同一の重なり部分配色情報が作成される。
【0092】
画面作成部7の縁取り処理部71は、ダイアログボックス画像120の縁122に医用画像110の撮影方式に応じた縁取りを行うとともに、縁122の重なり部分123をさらに異なる色で縁取る。この縁取り処理部71は、重なり部分縁取り情報記憶部68から重なり領域opの範囲情報と、重なり部分配色情報とを読み取り、ダイアログボックス画像120を構成する各画素のうち、範囲情報に含まれる画素とその隣接する画素とを、重なり配色情報が示す色に塗り潰す。範囲情報に含まれる画素とその隣接する画素としたのは、縁122の重なり部分123を一定の太さで塗り潰すためである。
【0093】
この縁取り処理部71の重なり部分123の縁取り処理により、縁122の医用画像110と重なった重なり部分123が更に異なる色で縁取られたダイアログボックス画像120が表示部2の画面100に表示される。
【0094】
図15は、このような第2の実施形態に係る画像表示装置1の重なり部分123の更なる縁取り動作を示すフローチャートである。
【0095】
まず、部品格納部6は、ダイアログボックス画像120の縁122の全周囲を、医用画像110の撮影方式に応じた縁配色情報80が示す色で塗り潰す(S51)。そして、部品格納部6は、操作部3を用いてダイアログボックス画像120の表示位置が変更されるまで待機し(S52,No)、ダイアログボックス画像120の表示位置が変更されると(S52,Yes)、表示位置算出部65は、新たな表示位置の基準を算出して新たな基準情報とする(S53)。
【0096】
新たな基準情報が得られると、重なり検出部66は、新たな基準情報を基準としてダイアログボックス情報が示す幅及び高さで示される範囲の各画素値と閾値とを比較し(S54)、閾値を上回った画素値を有する画素群の座標範囲を、重なり領域opの範囲情報として、重なり部分縁取り情報記憶部68に記憶させる(S55)。
【0097】
重なり領域opの範囲情報が得られると、重なり部分配色情報作成部67は、ダイアログボックス画像120が移動してくる前の重なり領域opに相当する領域のRGB各成分におけるヒストグラムを作成する(S56)。そして、重なり部分配色情報作成部67は、RGB全成分のヒストグラムから、最大の画素数を有する階調値と、その階調値が属する色成分を探索する(S57)。該当の階調値が探索されると、重なり部分配色情報作成部67は、予め定められた範囲値spと各変更値ポイントcpを読み出し、該当の階調値を基準に範囲値sp内にあり、かつ該当の階調値と最も離れた変更値ポイントcpを探索する(S58)。
【0098】
該当の変更値ポイントcpが探索されると、重なり部分配色情報作成部67は、縁配色情報記憶部63から縁配色情報80を読み出す(S59)。そして、重なり部分配色情報作成部67は、読み出した縁配色情報80のS57で探索された色成分が、該当の変更値ポイントcpが示す階調値に変更されたデータに相当する重なり部分配色情報を作成し(S60)、縁配色情報記憶部63とは別の重なり部分縁取り情報記憶部68に記憶させる(S61)。
【0099】
画面作成部7の縁取り処理部71は、S51〜S61の処理が終了すると、重なり部分縁取り情報記憶部68から、重なり領域opの範囲情報と、重なり部分配色情報を読み出し(S62)、ダイアログボックス画像120を構成する画素のうち、重なり領域opの範囲情報に含まれる各画素を、重なり部分配色情報が示す色で塗り潰す(S63)。
【0100】
この第2の実施形態に係る画像表示装置1によると、ダイアログボックス画像120の縁122のうち、医用画像110と重なる部分については、その重なり領域opの色合いとは異なる色で更に縁取りがなされるため、医用画像110の重なり領域opの色合いが本来の撮影方式に応じた色合いと変わった場合であっても、ダイアログボックス画像120と医用画像110とが区別できる。従って、医用画像110の操作をしているのか、ダイアログボックス画像120内のアイコン画像121を操作しているのかが更に明確に判断することができ、集中力を欠くことがなく、作業効率が向上する。
【0101】
尚、この第2の実施形態に係る画像表示装置1では、範囲値spを予め記憶し、その範囲内にあり、かつ最も差を有する変更ポイントcpの階調値を変更する色に定めたが、この範囲値spの制限なく、最も差を有する変更ポイントcpの階調値を変更する色に定めてもよい。
【0102】
また、第1及び第2の実施形態においては、画像表示装置1を具体例として説明したが、この画像表示装置1と同一の構成を画像診断装置Mに備えるようにしてもよい。
【0103】
図16は、他の実施形態に係る画像診断装置Mの構成を示すブロック図である。画像診断装置Mは、表示部2と操作部3と表示制御部4と受信部9と撮影部10とを有する。この画像診断装置Mは、例えば、X線CT装置、X線診断装置、超音波診断装置、磁気共鳴画像撮影装置、又は核医学診断装置である。
【0104】
撮影部10は、被検体を撮影して医用画像110を作成する。作成した医用画像110は、医用画像記憶部5に記憶させる。この撮影部10で撮影された医用画像110がダイアログボックス画像120とともに表示制御部4により画面100に表示される。
【0105】
画像診断装置Mに画像表示装置1と同一構成を備えた場合、医用画像110の撮影方式は、定まっているため、縁配色ライブラリ8と縁配色設定部64を排し、予め縁配色情報記憶部63に縁配色情報80を記憶させることができる。そして、ダイアログボックス画像120を医用画像110上に移動させた場合、第2の実施形態に係る部品格納部6により、ダイアログボックス画像120の縁122の重なり領域opの部分を、撮影部10で作成した医用画像の重なり領域opの色とは異なる色でさらに縁取りする。
【0106】
また、第1及び第2の実施形態に係る画像表示装置1又はこれと同一構成を含む画像診断装置Mは、具体的には、各構成の専用回路で実現してもよいし、画像表示装置1又は画像診断装置Mを所謂コンピュータとし、又はコンピュータを搭載するようにし、制御プログラムを実行させることで実現してもよい。
【0107】
コンピュータは、CPU等の演算制御装置と、RAM等の主記憶装置と、ROMやHDD等の外部記憶装置を有し、外部記憶装置に記憶された制御プログラムを適宜、主記憶装置に展開し、演算制御装置で解読及び実行する装置である。
【0108】
図17は、制御プログラムの構成を示す模式図である。制御プログラムは、例えば、OS200とミドルウェア201とライブラリ202とアプリケーション203とで構成することができる。一例を挙げると、表示制御部4のうち、アプリケーション203により、コンピュータを医用画像記憶部5と画面作成部7として機能させ、ミドルウェア201によりコンピュータを部品格納部6として機能させ、ライブラリ202により、コンピュータを縁配色ライブラリ8として機能させる。そして、このOS200とミドルウェア201とライブラリ202とアプリケーション203をそれぞれ適宜解読及び実行することにより、コンピュータは、表示制御部4として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】第1の実施形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示装置が表示する画面を示す模式図である。
【図3】縁配色情報を示すデータ構成図である。
【図4】縁配色情報テーブルを示すデータ構成図である。
【図5】第1の具体例に係る画像表示装置の画面の表示の動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の具体例に係る画像表示装置のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】第2の具体例に係る画像表示装置の画面の表示動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の具体例に係る画像表示装置のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】第3の具体例に係る画像表示装置の画面の表示動作を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態に係る画像表示装置によって表示される画面を示す図である。
【図12】重なりを検出する態様を示す模式図である。
【図13】重なり領域のヒストグラムを示す模式図である。
【図14】縁配色情報から重なり部分配色情報を作成する態様を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係る画像表示装置の重なり部分の更なる縁取り動作を示すフローチャートである。
【図16】他の実施形態に係る画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【図17】制御プログラムの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0110】
1 画像表示装置
2 表示部
3 操作部
4 表示制御部
5 医用画像記憶部
6 部品格納部
61 ダイアログボックス情報記憶部
62 アイコン画像記憶部
63 縁配色情報記憶部
64 縁配色設定部
65 表示位置算出部
66 重なり検出部
67 重なり部分配色情報作成部
68 重なり部分縁取り情報記憶部
7 画面作成部
71 縁取り処理部
8 縁配色ライブラリ
80 縁配色情報
81 縁色ID
82 縁配色情報テーブル
83 撮影方式情報
9 受信部
10 撮影部
100 画面
110 医用画像
120 ダイアログボックス画像
121 アイコン画像
122 縁
123 重なり部分
200 OS
201 ミドルウェア
202 ライブラリ
203 アプリケーション
op 重なり領域
cp 変更値ポイント
sp 範囲値
M 画像診断装置
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を有し、各種の撮影方式の何れかで撮影された医用画像を表示させるとともに、操作アイコンを配置したダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示させる画像表示装置であって、
前記各種の撮影方式に対応した縁取りの各配色情報を記憶する記憶手段と、
表示する前記医用画像の撮影方式に応じた前記配色情報が示す色で前記ダイアログボックス画像を縁取り、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えること、
を特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、撮影方式の選択操作に基づき、前記撮影方式に応じた前記配色情報を前記記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
各種画像診断装置とネットワークを介して接続され、
前記表示制御手段は、前記医用画像を前記ネットワークを介して送信してきた画像診断装置の撮影方式に基づき、前記撮影方式に応じた前記配色情報を前記記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記医用画像は、撮影した画像診断装置の種類を識別するモダリティ情報を付帯し、
前記表示制御手段は、前記モダリティ情報に基づき、前記撮影方式に応じた前記配色情報を前記記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記医用画像の撮影方式は、超音波画像、X線CT画像、X線画像、MRI画像、又は核医学画像の撮影方式であること、
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記ダイアログボックス画像と前記医用画像の重なり領域を検出し、
前記ダイアログボックス画像の縁の前記重なり領域と重なる部分を更に異なる色で縁取ること、
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
複数種類の階調値を示す変更値情報を予め有し、
前記医用画像の重なり領域について、階調値ごとの画素数を積み上げたヒストグラムを作成し、
前記ヒストグラム上の前記画素数が最大である階調値との差が最も大きい前記階調値を示す変更値情報に基づき、この変更値情報が示す階調値を含む配色で、前記重なる部分を縁取ること、
を特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、
複数種類の階調値を示す変更値情報を予め有し、
前記表示制御手段は、
階調値ごとの画素数を積み上げたヒストグラムを、前記医用画像の重なり領域について作成し、
前記ヒストグラム上の前記画素数が最大である階調値との差が所定範囲内であり、かつその差が最も大きい前記階調値を示す変更値情報に基づき、この変更値情報が示す階調値を含む配色で、前記重なる部分を縁取ること、
を特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
【請求項9】
被検体の医用画像を撮影する撮影手段を有し、この撮影手段で撮影された医用画像を表示するとともに、ダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示する画像診断装置であって、
前記ダイアログボックス画像と前記医用画像の重なり領域を検出し、前記ダイアログボックス画像の前記重なり領域の縁部分を縁取る表示制御手段と、
前記医用画像とともに、前記縁取りがされた前記ダイアログボックス画像を表示する表示手段と、
を備えること、
を特徴とする画像診断装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
複数種類の階調値を示す変更値情報を予め有し、
階調値ごとの画素数を積み上げたヒストグラムを、前記医用画像の重なり領域について作成し、
前記ヒストグラム上の前記画素数が最大である階調値との差が最も大きい前記階調値を示す変更値情報に基づき、この変更値情報が示す階調値を含む配色で、前記重なる部分を縁取ること、
を特徴とする請求項9記載の画像診断装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、
複数種類の階調値を示す変更値情報を予め有し、
前記表示制御手段は、
階調値ごとの画素数を積み上げたヒストグラムを、前記医用画像の重なり領域について作成し、
前記ヒストグラム上の前記画素数が最大である階調値との差が所定範囲内であり、かつその差が最も大きい前記階調値を示す変更値情報に基づき、この変更値情報が示す階調値を含む配色で、前記重なる部分を縁取ること、
を特徴とする請求項9記載の画像診断装置。
【請求項12】
表示手段を有し、各種の撮影方式の何れかで撮影された医用画像を表示させるとともに、操作アイコンを配置したダイアログボックス画像を画面上の各位置に移動可能に表示させるコンピュータを、
前記各種の撮影方式に対応した縁取りの各配色情報を記憶する記憶手段と、
表示する前記医用画像の撮影方式に応じた前記配色情報が示す色で前記ダイアログボックス画像を縁取り、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
して機能させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項13】
前記表示制御手段は、撮影方式の選択操作に基づき、前記撮影方式に応じた前記配色情報を前記記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータは、各種画像診断装置とネットワークを介して接続され、
前記表示制御手段は、前記医用画像を前記ネットワークを介して送信してきた画像診断装置の撮影方式に基づき、前記撮影方式に応じた前記配色情報を前記記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項15】
前記医用画像は、撮影した画像診断装置を識別するモダリティ情報を付帯し、
前記表示制御手段は、前記モダリティ情報に基づき、前記撮影方式に応じた前記配色情報を前記記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項12記載の画像表示プログラム。
【請求項16】
前記医用画像の撮影方式は、超音波画像、X線CT画像、X線画像、MRI画像、又は核医学画像の撮影方式であること、
を特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示制御手段は、
前記ダイアログボックス画像と前記医用画像の重なり領域を検出し、
前記ダイアログボックス画像の前記重なり領域の縁部分を更に異なる色で縁取ること、
を特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項18】
前記表示制御手段は、
複数種類の階調値を示す変更値情報を予め有し、
階調値ごとの画素数を積み上げたヒストグラムを、前記医用画像の重なり領域について作成し、
前記ヒストグラム上の前記画素数が最大である階調値との差が最も大きい前記階調値を示す変更値情報に基づき、この変更値情報が示す階調値を含む配色で、前記重なる部分を縁取ること、
を特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項19】
前記表示制御手段は、
複数種類の階調値を示す変更値情報を予め有し、
前記表示制御手段は、
階調値ごとの画素数を積み上げたヒストグラムを、前記医用画像の重なり領域について作成し、
前記ヒストグラム上の前記画素数が最大である階調値との差が所定範囲内であり、かつその差が最も大きい前記階調値を示す変更値情報に基づき、この変更値情報が示す階調値を含む配色で、前記重なる部分を縁取ること、
を特徴とする請求項17記載のプログラム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図2】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−136505(P2009−136505A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316420(P2007−316420)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】