説明

画像表示装置および画像表示方法

【課題】簡単な動作でユーザが見易い画面表示を行うことのできる地図情報表示装置およ
び地図情報表示方法を提供する。
【解決手段】表示画面が第1の配置状態にあるかこの第1の配置状態とは異なる第2の配
置状態にあるかを検出し、第1の配置状態から第2の配置状態に切り替えられたときには
、表示画面に表示する画像の縮尺を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像情報を画面に表示する画像表示装置および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自分の現在位置を地図上に表示する装置として、カー・ナビゲーション・システムやP
ND(パーソナル/ポータブル・ナビゲーション・デバイス)が広く利用されている。こ
れらの装置では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)等により現在位置を
検出し、記憶装置に記憶された地図情報から現在位置の周囲の地図を読み出して、地図と
その地図上の現在位置とを表示する。そして、目的地および必要な場合には経由地を登録
することで、そこまでの経路を検索してユーザに経路案内(ナビゲーション)を行うこと
ができる。地図としては、2次元的な地図だけでなく、目的となる建物や施設(ランドマ
ーク)がわかるような3次元的な俯瞰図を表示できるものが一般的である。
【0003】
カー・ナビゲーション・システムは、地図情報を記憶するための記憶装置として大容量
のハードディスクあるいはDVDを用い、詳細な情報や多彩な機能をユーザに提供するこ
とができる。これに対してPNDは、記憶装置としてフラッシュメモリなど比較的小容量
のものを用いており、情報量や機能は限定されるが、安価で手軽に利用できる利点があり
、車載以外の用途でも利用されている。
【0004】
PND等の可搬型のカー・ナビゲーション・システムでは、表示画面を縦長配置と横長
配置とで切り替えることができるものがある。例えば特許文献1には、一般的な横長画面
に地図や映像を表示する横モードと、横モードでは見ることの出来ない前方の視界を見え
るように縦長画面に地図を表示する縦モードと、を選択可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平02−166245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な動作でユーザが見易い画面表示を行うことのできる画像表示装置および画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示装置は、画像情報に基づく画像の表示を行う表示手段と、
前記画像情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段の表示画面が第1の状態にあるかこの第1の状態とは異なる第2の状態にあるかを検出する状態検出手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示画面が前記第1の状態から1回転した前記第2の状態に切り替えられたときには、前記表示手段に表示させる画像の縮尺を変更することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像表示装置は、前記画像情報は地図情報であることもできる。
【0009】
また、本発明の画像表示方法は、画像情報に基づく画像の表示を行う表示するステップと、
表示画面が第1の状態にあるかこの第1の状態とは異なる第2の状態にあるかを検出するステップと、
前記表示画面が前記第1の状態から1回転した前記第2の状態に切り替えられたときには、前記表示手段に表示させる画像の縮尺を変更し表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、表示画面の配置が切り替えられたときに、画面表示する画像の縮尺を変更
する。これにより、簡単な動作でユーザが見易い画面表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態を示す図であり、地図情報表示装置の利用形態を示す図である。
【図2】図1に示す地図情報表示装置の回路構成を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示す地図情報表示装置の表示画面に表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3に示すフローチャートによる画面表示の切り替え示す図であり、(A)は地図情報表示装置1の初期状態の画面表示例、(B)は(A)から表示画面16aを時計回りに90度回転させたときの画面表示例、(C)は(B)から表示画面16aを反時計回りに90度回転させたときの画面表示例、(D)は(C)から表示画面16aを時計回りに90度回転させたときの画面表示例、(E)は(D)から表示画面16aを反時計回りに90度回転させたときの画面表示例を示す。
【図5】図1に示す地図情報表示装置の表示画面に表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための動作の別の例を示すフローチャートである。
【図6】図5に示すフローチャートによる画面表示の切り替え例を示す図であり、(A)は地図情報表示装置1の初期状態の画面表示例、(B)は(A)から表示画面16aを反時計回りに90度回転させたときの画面表示例、(C)は(B)から表示画面16aを時計回りに90度回転させたときの画面表示例を示す。
【図7】図1に示す地図情報表示装置の表示画面に表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための動作のさらに別の例を示すフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートによる画面表示の切り替え例を示す図であり、(A)は地図情報表示装置1の初期状態の画面表示例、(B)は(A)から表示画面16aを斜めにした画面表示例、(C)は(B)から表示画面16aが斜めの状態を維持したときの画面表示例、(D)は(C)から表示画面16aを元に戻したときの画面表示例を示す。
【図9】図1に示す地図情報表示装置の表示画面に表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための動作のさらに別の例を示すフローチャートである。
【図10】図9に示すフローチャートによる画面表示の切り替え例を示す図であり、(A)は地図情報表示装置1の初期状態の画面表示例、(B)は(A)から表示画面16aを反時計回りに360度回転させたときの画面表示例、(C)は(A)から表示画面16aを時計回りに360度回転させたときの画面表示例を示す。
【図11】図1に示す地図情報表示装置の表示画面に表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための動作のさらに別の例を示すフローチャートである。
【図12】図11に示すフローチャートによる画面表示の切り替え例を切り替え中の画面例と共に示す図である。
【図13】図11に示すフローチャートによる画面表示の切り替え例を切り替え中の画面例と共に示す図である。
【図14】図11に示すフローチャートによる画面表示の切り替え例であり、ノースアップからヘディングアップへの切り替えを説明する図である。
【図15】図1に示す地図情報表示装置の表示画面の状態を検出する方法の一例を示す図である。
【図16】図1に示す地図情報表示装置の表示画面の状態を検出する方法の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[構成]
図1および図2は本発明の実施の形態を示す図であり、図1は地図情報表示装置の利用
形態、図2はその回路のブロック構成を示す。地図情報表示装置として、ここではPND
を想定して説明する。
【0013】
この実施の形態において、地図情報表示装置1は、ユーザが持ち歩くなど単独でも利用
できるが、地図情報表示装置1を何らかの位置(例えば自動車内のダッシュボード)に固
定して使用する場合には、アタッチメント2を利用する。アタッチメント2は、地図情報
表示装置1を工具の必要なしに簡単に着脱できる構造となっており、また、吸盤等により
自動車のダッシュボードや窓に取り付けることができる。図1ではアタッチメント2とし
て台状のものを示したが、アーム状やその他の形態のものも用いることができる。
【0014】
図2を参照して地図情報表示装置1の構成について説明する。以下では、地図情報表示
装置1は自動車のダッシュボード上に配置されるものとして説明する。この地図情報表示
装置1は、通信部11、現在位置検出部12、地図情報記憶部13、経路検索部14、制
御部15、表示部16、操作部17、音声出力部18、状態検出部19および外部機器接
続部20を備える。外部機器接続部20には外部機器21が接続可能である。通信部11
は、GPS信号やVICS(道路交通情報通信システム)情報等を受信する。現在位置検
出部12は位置検出手段として機能し、通信部11で受信したGPS信号に基づいて現在
位置を検出する。地図情報記憶部13は記憶手段として機能し、あらかじめ地図情報が記
憶される。経路検索部14は経路検索手段として機能し、現在位置から目的地に至る経路
を検索する。制御部15はこの地図情報表示装置1の各部の動作を制御し、また、地図情
報を取得して表示画面16aに表示させる表示制御手段として機能する。表示部16は表
示手段として機能し、制御部15の制御により地図情報、現在位置31およびその他の各
種の情報を表示画面16aに表示する。この表示画面16aはタッチパネルとして機能す
るもので、表示された項目から目的とするものを指タッチすることにより、タッチしたも
のを選択することができる。操作部17は、各種スイッチやボタン、あるいは表示画面1
6aのタッチパネルからなり、ユーザの入力操作を受け取って制御部15に通知する。音
声出力部18は、経路案内やその他の情報、あるいは操作に関するアナウンスを行う。状
態検出部19は状態検出部として機能し、表示部16の表示画面16aの配置状態を検出
する。外部機器接続部20には、Bluetooth(登録商標)機器や音響機器等の外
部機器21を接続することができる。
【0015】
[基本的な動作:案内表示]
この地図情報表示装置1の基本的な動作について説明する。ユーザが目的地を設定して
いない状態では、制御部15は、現在位置検出部12が求めた現在位置に基づいて地図情
報記憶部13を検索し、現在位置31とその周辺の地図とを表示部16の表示画面16a
に表示させる。地図の縮尺や表示される地図の上方向が北か進行方向かは、ユーザが操作
部17からの操作により設定することができる。また、地図情報が3次元表示、すなわち
俯瞰表示に対応している場合には、2次元表示か3次元表示かをユーザが設定することが
できる。現在位置は移動に伴って時々刻々変化するが、制御部15は、その変化に伴って
、表示する地図を更新する。以下では、次に説明する経路案内だけでなく、単に地図と現
在位置31とを時々刻々更新する表示も含めて、「案内表示」という。
【0016】
ユーザが操作部17からの操作により目的地および必要な場合は経由地を登録すると、
経路検索部14は、現在位置からその経由地を経由して目的地に至る経路を、地図情報記
録部13に記憶されている地図情報に基づいて検索する。この後、制御部15は、経路案
内(ナビゲーション)を行う。この経路案内では、表示画面16aに表示される地図上に
目的地に至る経路を目的地までの経路を目立つように表示させ、交差点が近づくと、その
交差点までの距離および交差点で進むべき方向(車線)を大きく表示する。また、交差点
の近辺の目的となる建物や施設(ランドマーク)をわかり易く表示する。さらに、音声出
力部18からは、「次の交差点を右に曲がってください」というようなメッセージを出力
する。目的地が近づくと、音声出力部18から、「目的地が近づきました」というような
メッセージを出力する。
【0017】
[表示画面の切り替え例1]
図3は表示画面16aに表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための
地図情報表示装置1の動作フローの一例を示し、図4はこの動作フローによる画面表示の
変化例を示す。この例は、第1の配置状態を表示画面16aが横長配置の状態、第2の配
置状態を表示画面16aが縦長配置の状態とし、表示画面16aが横長配置の状態から縦
長配置の状態になったときに、表示画面16aに表示させる地図の縮尺を変更するもので
ある。
【0018】
電源がオンになると地図情報表示装置1は、上述した案内表示、すなわち現在位置周辺
の地図およびその地図上の現在位置31の表示、目的地および経由地の登録受け付け、経
路検索ならびに経路案内の処理を行う(ステップS1)。この状態を図4(A)に示す。
状態検出部19は、表示画面16aが回転したか否かを監視し(ステップS2)、表示画
面16aが時計回りに90度回転して横長配置から縦長配置になる(図4(A)から(B
)、(C)から(D))と、それを検出して(ステップS3のYes)、制御部15に通
知する。制御部15は、表示画面16aに表示させる地図の縮尺を変更(図4の例では拡
大)し、縦長で表示させる(ステップS4、図4(B)、(D))。表示画面16aが反
時計回りに90度回転して縦長配置から横長配置に戻ったとき(図4(B)から(C)、
(C)から(D))には、状態検出部19がそれを検出し(ステップS5のYes)、制
御部15に通知する。制御部15は、表示画面16aに表示させる案内表示の縮尺を維持
して、横長の表示に切り替える(ステップS6)。これにより表示画面16aが横長配置
の状態となり(図4(C)、(E))、ステップS1の案内表示が継続される。
【0019】
この動作フローによれば、表示画面16aが第1の配置状態としての横長配置の状態か
ら1方向に90度回転して第2の配置状態となるごとに、地図の縮尺が1段階ずつ変更さ
れる。第2の配置状態から第1の配置状態に戻るときには、地図の縮尺は変更されずに維
持される。
【0020】
ここでは表示画面16aが横長配置から縦長配置となったときに地図の縮尺を変更する
ものとして説明したが、第1の配置状態を表示画面16aが縦長配置の状態、第2の配置
状態を表示画面16aが横長配置の状態とし、表示画面16aが横長配置の状態から縦長
配置の状態になったときに、地図の縮尺を変更することもできる。また、第2の配置状態
を新たな第1の配置状態とし、表示画面16aがさらに同一方向に90度回転したときに
は地図の縮尺をさらに変更すること、すなわち、90度の回転で1段階、180度の回転
で2段階の縮尺変更を行うこともできる。また、第2の配置状態となったときに変更され
た縮尺を第1の配置状態に戻すときに、第2の配置状態における縮尺を維持するのではな
く、同じ方向に、あるいは逆方向に縮尺を変更することもできる。
【0021】
この例では、表示画面16aが横長配置と縦長配置との2つの状態で切り替えられる場
合について説明した。このため、地図の縮尺を戻すには、表示画面16a上のボタンで操
作するか、あるいは、最大または最小の縮尺に達した後にそれぞれ最小または最大の縮尺
に戻すようにする必要がある。このような不便を解消した例を次に示す。
【0022】
[表示画面の切り替え例2]
図5は表示画面16aに表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための
地図情報表示装置1の動作フローの別の例を示し、図6はこの動作フローによる画面表示
の変化例を示す。この例は、第1の配置状態については、図3および図4を参照して説明
した例と同様に、表示画面16aが横長配置の状態(この例ではこの状態を「基準配置」
ということにする)とし、第2の配置状態については、表示画面16aが基準配置から時
計回りに90度回転した状態と、表示画面16aが基準配置から反時計回りに90度回転
した状態と、の2つの状態をとり、それぞれの状態で地図の縮尺を逆方向に変更するもの
である。
【0023】
案内表示(ステップS11)の状態で表示画面16aが基準配置である横長の状態から
時計回りに90度回転した場合には、状態検出部19がそれを検出し(ステップS12の
YesおよびステップS13のYes)、制御部15は表示画面16aに表示させる地図
の縮尺を拡大(または縮小)する。この縮尺は、表示画面16aが基準配置に戻っても維
持される(ステップS12のNo)。ここまでの動作は、図3および図4に示した動作と
同等である。
【0024】
表示画面16aが基準配置から反時計回りに90度回転した場合(図6(A)から(B
))には、状態検出部19がそれを検出し(ステップS15のYes)、制御部15は、
表示画面16aに表示させる地図の縮尺をステップS14と逆方向に変更する(図6の例
では縮小)。この縮尺は、表示画面16aが基準配置に戻っても維持される(ステップS
12のNo)。このときの状態は図6(B)から図6(C)への移行となる。
【0025】
この動作フローによれば、表示画面16aが基準配置から1方向に90度回転するたび
に地図が1段階ずつ拡大または縮小され(図4)、他の方向に90度回転するたびに、地
図の縮尺が1段階ずつ縮小または拡大される(図6)。
【0026】
この例においても、表示画面16aが横長配置から縦長配置となったときに地図の縮尺
を変更するものとして説明したが、第1の配置状態を表示画面16aが縦長配置の状態、
第2の配置状態を表示画面16aが横長配置の状態とし、表示画面16aが横長配置の状
態から縦長配置の状態になったときに、地図の縮尺を変更することもできる。
【0027】
[表示画面の切り替え例3]
図7は表示画面16aに表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための
地図情報表示装置1の動作フローのさらに別の例を示し、図8はこの動作フローによる画
面表示の変化例を示す。この例は、第1の配置状態を表示画面16aが横長配置または縦
長配置の状態、第2の配置状態を表示画面16aが斜め(横長と縦長の中間)の状態とし
、表示画面16aが斜めのときに、表示画面16aに表示させる地図の縮尺を変更するも
のである。
【0028】
案内表示(ステップS21)の状態で表示画面16aが斜めの状態になると(図8(B
)、(C))、状態検出部19がそれを検出し(ステップS22のYes)、制御部15
は表示画面16aに表示させる地図の縮尺を徐々に拡大(または縮小)する。この縮尺は
、表示画面16aが第1の配置状態である横長配置あるいは縦長配置に切り替えられた場
合には(ステップS22のNo)、それまでの縮尺のまま維持され、斜めの状態ではなく
なったときの縮尺で表示される(図8(D))。ステップS21からS23は表示画面1
6aが斜め状態の間は繰り返され、表示画面16aが横長配置あるいは縦長配置となるま
で(ステップS22のNo)、縮尺が順次変化する(図6(B)、(C))。
【0029】
[表示画面の切り替え例4]
図9は表示画面16aに表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するための
地図情報表示装置1の動作フローのさらに別の例を示し、図10はこの動作フローによる
画面表示の変化例を示す。この例は、第1の配置状態を表示画面16aが横長配置または
縦長配置とし、第2の配置状態をそこから1回転した状態とし、表示画面16aが1回転
するごとに、表示画面16aに表示させる地図の縮尺を変更するものである。
【0030】
案内表示(ステップS31)の状態で表示画面16aが時計回り360度回転すると(
図10(A)から(C))、状態検出部19がそれを検出し(ステップS32のYes、
ステップS4のYes)、制御部15は表示画面16aに表示させる地図の縮尺を拡大(
または縮小)する(ステップS34)。また、表示画面16aが反時計回りに360度回
転した場合には(図10(A)から(B))、状態検出部19がそれを検出し(ステップ
S32のYes、ステップS33のNoおよびステップS35のYes)、制御部15は
表示画面16aに表示させる地図の縮尺を縮小(または拡大)する(ステップS36)。
【0031】
[表示画面の切り替え例5]
図11は表示画面16aに表示される地図の縮尺を画面の縦横切替により変更するため
の地図情報表示装置1の動作フローのさらに別の例を示し、図12から図14はそれぞれ
、この動作フローによる画面表示の変化例を示す。この例は、表示画面16aが第1の配
置状態と第2の配置状態とで切り替えられたときには、現在位置と目的地とが表示画面1
6a内に表示されるように、地図の縮尺を変更するものである。第1の配置状態としては
横長配置でも縦長配置でもよいが、以下では横長配置の場合を例に説明する。
【0032】
この例は目的地が設定されていることが前提であり、ここで、基本的な動作として上述
した経路案内のための動作フローについて、繰り返しになるが簡単に説明する。地図情報
表示装置1の電源がオンになると、現在位置検出部12が現在位置を検出し(ステップS
41)、制御部15はその現在位置に基づいて地図情報記憶部13から地図情報を取得し
(ステップS42)、現在位置31とその周辺の地図とを表示画面16aに表示させる(
ステップS43)。ユーザが操作部17からの操作により目的地を設定すると(ステップ
S44)、経路検索部14は現在位置から目的地に至る経路を検索し(ステップS45)
、制御部15はその経路に沿って目的地までの経路案内を行う(ステップS46)。目的
地に達すると(ステップS47のYes)、制御部15は、経路案内終了の通知を音声出
力部18からアナウンスさせ、ステップS43に制御を戻す。
【0033】
目的地に達する前の状態(ステップS47のNo)で表示画面16aが横長配置から縦
長配置に切り替えられると(ステップS49のYes)、制御部15は、現在位置31と
目的地32とが表示画面16a内に表示されるように、地図の縮尺を変更する。この際、
図12に示すように、表示画面16a上の現在位置31の表示位置を調整した上で、表示
画面16aに表示される地図の縮尺を変更することが望ましい。
【0034】
表示画面16aの配置の切り替えはユーザが任意に行うこともできるが、制御部15が
現在位置と目的地との位置関係から判断して、音やメッセージなどでユーザに通知するこ
とがよい。表示画面16aに表示される地図は、実際には制御部15内のメモリ上に展開
されている地図の一部であり、例えれば、大きな地図を窓で切り出して表示したようなも
のである。制御部15は表示画面16aに表示されていない範囲についても認識しており
、現在位置と目的地との関係から、推奨画面が縦長配置なのか横長配置なのか、縮尺はど
の程度かを判別することができる。
【0035】
図12および図13には、表示画面16aの配置状態の切り替えに対応する表示の切り
替え例に加え、切り替え中の画面表示例を示す。表示画面16aの配置状態を切り替える
際に、地図情報表示装置1が経路案内を行っていない状態であれば、完全に切り替わるま
で以前の表示を維持しても、それほど困ることはない。しかし、経路案内中の場合には、
例えば進行方向が表示画面16aの上方向を示す設定になっており、表示画面16aが斜
めの状態でそれまでの表示を維持しているとすると、ユーザにとっては、進むべき方向に
対して斜めの方向が示されることになってしまう。したがって、少なくとも経路案内中は
、表示画面16aの回転が任意の角度で停止されたときや、切り替え中の画面では、表示
画面16aの角度に合わせてリアルタイムに地図や現在地の描画を行うことが望ましい。
しかし、一般的なカー・ナビゲーション・システムやPNDの処理能力でそのような描画
は困難であり、また、ユーザにとっても、むしろ見難くなる可能性がある。そこで、表示
画面16aが横長配置でも縦長配置でもない状態では、図12に示すように画面表示を停
止させるか、図13に示すように、経路を指し示す矢印を表示するのが好ましい。また、
地図情報表示装置1に設けられた、あるいは地図情報表示装置1に接続された楽曲再生機
能(図示せず)を利用している場合であれば音符マークを、同じくビデオ再生機能を利用
している場合であればフィルムの巻き上げのようなマークを表示してもよい。
【0036】
図14は、表示画面16aが横方向と縦方向とで切り替えられたときに、北の方角を上
とする表示(ノースアップ)から進行方向を上とする表示(ヘディングアップ)への切り
替えを徐々に行う例を示す。この例では、経路案内に沿って右折したとき、縦長画面にし
た方が目的地32まで見通せる経路表示が可能となる状態であるとする。制御部15は、
現在位置と目的地との位置関係から判断して、推奨画面が縦長画面であることをユーザに
通知する。ユーザが表示画面16aを縦長配置に切り替えると、制御部15は、現在位置
31と目的地32とが表示画面16a内に表示されるように、表示画面16a上の現在位
置31の表示位置を調整した上で、表示画面16aに表示させる地図の縮尺を変更する。
これにより、目的地32まで見通せる状態で地図が表示される(図14の右図)。この状
態ではノースアップでもヘディングアップでもないが、走行にしたがい、徐々にヘディン
グアップに切り替える。これは、いきなりノースアップからヘディングアップ画面に切り
替えると、目的地32を失う可能性があるからである。目的地32を認識できる時間(例
えば5秒くらい)経過後にヘディングアップ画面に切り替えていくことが望ましい。縦長
画面は前方を認識させるヘディングアップ画面に適した画面であるが、いきなりそのよう
な画面に切り替えるのではなく、目的地の位置関係をユーザに認識させながら、徐々にヘ
ディングアップ画面にする。
【0037】
[表示画面の状態検出]
図15は表示画面16aの状態を検出する方法の一例を示す図であり、地図情報表示装
置1を裏面から見た状態を示す。この例では、地図情報表示装置1をアタッチメント2に
取り付けるための取付部を回転スイッチ3として利用する。この回転スイッチ3は2つの
接点4、5を備え、地図情報表示装置1の本体側の接点6が接点4に接続していれば表示
画面16aは横長配置(実線)、接点5に接続していれば縦長配置(破線)と判断するこ
とができる。また、接点4、5の一方だけを利用することもできる。接点4のみを利用す
る場合であれば、そこに本体側の接点6が接続していれば横長配置、接続していなければ
横長配置ではないと判断できる。「横長配置ではない」ということは斜め配置か縦長配置
のどちらかであることになるが、この場合は縦長配置と判定して、画面表示を縦長にする
。接点5のみを利用する場合であれば、本体側の接点6が接点5に接続していない限り、
横長配置の画面表示を継続する。回転スイッチ3の接点をさらに増やし、0度と90度の
回転位置だけでなく、−90度(270度)や180度回転した配置を検出することもで
きる。さらに、本体側の接点6との接続の順序から、1回転した場合の回転方向が時計回
りか反時計回りも検出することができる。
【0038】
図16は表示画面の状態を検出する方法の別の例を示す図であり、地図情報表示装置1
の内部に設置されるGセンサ(加速度センサ)を用いた例を示す。位置関係を図15に対
応させるため、図16においても、地図情報表示装置1を裏面から見た状態で示す。Gセ
ンサは、鉛直方向のとき1G、水平方向のときには重力加速度が加わらないので0Gを出
力する。そこで、例えば地図情報表示装置1の表示画面16aが横長配置のときGセンサ
が水平方向、縦長配置のときGセンサが鉛直方向に向くようにする。重力加速度Gの値と
Gセンサの水平方向に対する傾きθはG=sinθの関係があり、Gセンサを利用するこ
とで、横長配置と縦長配置との判定だけでなく、地図情報表示装置1の角度を求めること
ができる。
【0039】
図15に示した回転スイッチ3は、地図情報表示装置1がアタッチメント2に取り付け
られている場合には、地図情報表示装置1の横の部分を押してアタッチメント2に対して
回転させるだけで表示画面16aを切り替えることができる。しかし、地図情報表示装置
1を手に持って利用する場合には、ユーザが回転スイッチ3を直接操作する必要がある。
これに対してGセンサを用いる場合には、表示画面16aの面をほぼ鉛直に保つ必要はあ
るが、単に地図情報表示装置1を傾けるだけで、表示画面16aを縦長に合わせた状態や
横長に合わせた状態に切り替えることができる。
【0040】
図15、図16では、地図情報表示装置1を傾けるときには正面から見てその右側が下
になるものとして説明したが、左側が下になったとき、あるいは右側と左側のどちらが下
になった場合にも、同様に表示画面を切り替える構成とすることができる。
【0041】
以上説明した地図情報表示装置1は、表示画面16aを横長配置と横長配置とを切り替
える、傾ける、あるいは回転させることで、表示される地図の縮尺を変更することができ
る。自動車に据え付けるタイプのカー・ナビゲーション・システムで本発明を実施するこ
とは無理があるが、PNDのように表示手段が地図情報表示装置1の本体に一体に設けら
れているものや、表示手段が地図情報表示装置の本体とは別に設けられ、表示画面を何ら
かの方法で回転あるいは傾けることのできるタイプのカー・ナビゲーション・システムで
あれば、容易に実施することができる。ユーザは、手を伸ばして画面を回転あるいは単に
傾けることで、ほとんど視線を逸らす必要なしに操作できる。特にPDNのように画面が
本体と一体のものであれば、本体ごと回転あるいは傾ければよい。
【0042】
記憶手段となる地図情報記憶部13としては、ハードディスク、DVD、ROM(読み
取り専用メモリ)、フラッシュメモリなどを利用できる。上述の説明では地図情報がこの
地図情報記憶部13にあらかじめ記憶されているものとしたが、通信部11あるいは外部
機器接続部20に接続された外部機器21により提供されるインターネット回線などの通
信回線を利用して、地図情報や経路探索結果をサーバから得ることもできる。通信回線を
使って得た地図情報や経路探索結果は、地図情報記憶部13に保存して利用される。常時
通信を行って必要な地図情報を更新しながら本発明を実施することもできる。
【0043】
表示手段としての表示部16には、タッチパネル式のもの以外に、単なる液晶表示装置
や他の平面表示装置を用いてもよい。位置検出手段としての現在位置検出部12、状態検
出手段としての状態検出部19、および経路検索部14はそれぞれ、単独のハードウェア
として構成することもできるが、表示制御手段としても機能する制御部15を構成するC
PU(中央処理装置)やROM、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)などを共用し、
ソフトウェアとして実施することもできる。
【0044】
以上、発明の実施の形態について説明したが、本発明は要旨を変更しない限り種々変更
することができる。例えば、PNDのように表示手段が地図情報表示装置1の本体に一体
に設けられている場合だけでなく、表示手段が地図情報表示装置の本体とは別に設けられ
ている場合にも、表示手段の傾き状態を検出することで、同様に実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 地図情報表示装置、2 アタッチメント、3 回転スイッチ、4、5 接点、6
本体側の接点、11 通信部、12 現在位置検出部(位置検出手段)、13 地図情報
記憶部(記憶手段)、14 経路検索部、15 制御部(表示制御手段)、16 表示部
(表示手段)、16a 表示画面、17 操作部、18 音声出力部、19 状態検出部
(状態検出手段)、20 外部機器接続部、21 外部機器、31 表示される現在位置
、32 表示される目的地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に基づく画像の表示を行う表示手段と、
前記画像情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段の表示画面が第1の状態にあるかこの第1の状態とは異なる第2の状態にあるかを検出する状態検出手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示画面が前記第1の状態から1回転した前記第2の状態に切り替えられたときには、前記表示手段に表示させる画像の縮尺を変更することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像情報は地図情報であることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
画像表示装置において、実行される画像表示方法において、
画像情報に基づく画像の表示を行う表示するステップと、
表示画面が第1の状態にあるかこの第1の状態とは異なる第2の状態にあるかを検出するステップと、
前記表示画面が前記第1の状態から1回転した前記第2の状態に切り替えられたときには、前記表示手段に表示させる画像の縮尺を変更し表示するステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−231456(P2012−231456A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83721(P2012−83721)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【分割の表示】特願2008−150549(P2008−150549)の分割
【原出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】