説明

画像表示装置の駆動方法

【課題】 フリッカー及び動画擬似輪郭の発生を抑制して、駆動効率の高く、高階調表示が出来る画像表示装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】 1フィールド期間を時間幅或いはパルス幅によりそれぞれ重み付けられた複数の2値画像であるサブフィールドを時間的にか重ねて表示することによって中間調を持つ映像信号を表示する際、2進数で表される中間調の上位の複数のビットに相当する部分に等しい重み付けの複数のサブフィールドで表示し、残りの下位ビットに相当する部分を2進法に従った重み付けの複数のサブフィールドで表示する画像表示装置の駆動方法であって、1フィールド中にあって、中央部に前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを配置し、前記上位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを2分割し、前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドの両側に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型や投射型ディスプレイ、ビューファインダー、ヘッドマウントディスプレイ等の液晶画像表示装置、プラズマ画像表示装置、デジタルミラー画像表示装置、エレクトロルミネッセンス画像表示装置、フィールドエミッション画像表示装置等に適用されるサブフィールド法を用いた画像表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶画像表示装置、プラズマ画像表示装置やデジタルミラー画像表示装置のように、2値表示を基本とした表示装置においては、中間階調を得るために、駆動方法としてサブフィールド法(駆動)を用いている。この方法は、1フィールドを所定の法則で発光の輝度を重み付けした、すなわち、輝度の相対比を異ならせた複数のサブフィールドに分割して表示し、1フィールドにわたってそれぞれの階調を重ね合わせて中間階調を表示するものである。
【0003】
しかしながら、このサブフィールド駆動を行うことにより、静止画表示の場合には、良好な表示画像を得られるものの、動画像表示時には、擬似輪郭及びフリッカーが発生することが知られている。これらを解決する方法として、画像のデータ(階調)が変化しても、発光の重心の変化を出来るだけ生じさせないために、1フィールドを同一の複数のサブフィールドから構成された1/2フィールドを2回繰り返し表示する1/2フィールド駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
それには、下位のビットをバイナリ重み付けサブフィールドとし、上位のビットに対応するバイナリ重み付けサブフィールドを複数のサブフィールドに分割する。例えば、重みが1:2:4:8:16:32:64:128である8つのサブフィールドにより、それらのサブフィールドの組み合わせにより256階調を表示するものとすると、1、2、4、8、16、32の重みのサブフィールドはそのままとし、64の重みのサブフィールドを2つの32の重みのサブフィールドに分け、128の重みのサブフィールドを4つの32の重みのサブフィールドに分ける。そして、それらの組み合わせにより、1/2フィールド期間に、所定の階調を表示するものである。
【特許文献1】特開平9−172589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図5に示すが、1フィールドは複数のサブフィールドより構成されるのであるが、サブフィールドはアドレス期間と切り替え期間とから構成される。アドレス期間は駆動期間と対応する。ここで、駆動期間とは、サブフィールド毎の表示のON/OFFを制御できる期間であり、ONであればその期間全てONであり、OFFであればその期間全てOFFとなる。アドレス期間とは、サブフィールド毎に表示装置の全画素のON/OFFの情報を転送する期間であり、表示装置ごとの総画素数、転送速度等により決定され、全てのサブフィールド毎に一定期間が必要である。このため、パターンAのように駆動期間がアドレス期間よりも短い場合、非駆動期間が生じてしまう。
【0006】
ここで、サブフィールド法として1/2フィールド駆動法を用いると、フリッカーの抑制には効果があるものの、後述する比較例においても具体的に説明するが、バイナリ重み付けビットも2つに分割する必要があり、図5におけるパターンAのサブフィールドが多くなり、1フィールド期間での非駆動期間の割合が大きくなるため、駆動効率が下がり表示輝度が低下してしまうという問題があった。
同時に、等しい重み付けビットに割り当てるサブフィールド数が少なくなってしまうために、駆動階調数が少なくなってしまい、多階調表示が困難であるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題を解決し、フリッカー及び動画擬似輪郭の発生を抑制して、駆動効率の高く、高階調表示が出来る画像表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、1フィールド期間を時間幅或いはパルス幅によりそれぞれ重み付けられた複数の2値画像であるサブフィールドを時間的に重ねて表示することによって中間調を有する映像信号を表示する際、2進数で表される中間調の上位の複数のビットに相当する部分に等しい重み付けの複数のサブフィールドで表示し、残りの下位ビットに相当する部分を2進法に従った重み付けの複数のサブフィールドで表示する画像表示装置の駆動方法であって、1フィールド中にあって、中央部に前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを配置し、前記上位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを2分割し、前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドの両側に配置して表示するようにしたことを特徴とする画像表示装置の駆動方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像表示装置に駆動方法は、1フィールド中にあって、中央部に前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを配置し、前記上位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを2分割し、前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドの両側に配置して表示するようにしたので、フリッカー及び動画擬似輪郭の発生を抑制して、駆動効率の高く、高階調表示が出来る画像表示装置の駆動方法を提供出来るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明に係る画像表示装置の駆動方法の実施例におけるサブフィールドパターンである。
図2は、実施例において、各階調レベルに対応した各サブフィールドの点灯(ON/OFF)をあらわした図表である。
図3は、実施例において、フリッカーの抑制効果について例示した図である。
図4は、実施例に係る画像表示装置のブロック図である。
【0012】
本実施例の駆動方法は、反射型液晶標示素子:LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を60Hzで駆動するのに適用した。
図1に示すように、本実施例では、各フィールド内で、時間幅又は発光パルス数により重み付けして発光するようにした複数の2値の発光群を、時間的に重ね合わせて中間階調を表示するのであるが、1フィールドを24個のサブフィールドに分割し、640階調を表示するものである。
ここでは、2進法で表される中間調の上位3ビットに相当する9個の64の重み付けを有する発光群をそれぞれ2分割し、32の重み付けを持つ18個のサブフィールドで表し、そして、2進法で表される中間調の下位6ビットに相当する発光群を2進法の重みづけ(1、2、4、8、16、32)を6個のサブフィールドで表している。
【0013】
64の重み付けは、2個の32の重み付けを持つ一組のサブフィールドで表すのであり、9組の64の重み付けを持つサブフィールドの組に階調の低いレベルから出現する順に、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9とサブフィールドの組の番号付けする。
サブフィールドの組T1は、番号T1aと番号T1bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T1a、T1b]と表示する。ここで、同じサブフィールドの組において、記号aは低い重み付けを、記号bは高い重み付けをそれぞれ表している。
【0014】
以下、同様に、サブフィールドの組T2は、番号T2aと番号T2bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T2a、T2b]と表示する。
サブフィールドの組T3は、番号T3aと番号T3bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T3a、T3b]と表示する。
サブフィールドの組T4は、番号T4aと番号T4bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T4a、T4b]と表示する。
サブフィールドの組T5は、番号T5aと番号T5bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T5a、T5b]と表示する。
【0015】
サブフィールドの組T6は、番号T6aと番号T6bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T6a、T6b]と表示する。
サブフィールドの組T7は、番号T7aと番号T7bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T7a、T7b]と表示する。
サブフィールドの組T8は、番号T8aと番号T8bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T8a、T8b]と表示する。
サブフィールドの組T9は、番号T9aと番号T9bである32の重み付けのサブフィールドより構成され、[T9a、T9b]と表示する。
以上において、同じサブフィールドの組において、記号aは低い重み付けを、記号bは高い重み付けをそれぞれ表している。
【0016】
ここで、出現する階調レベルに応じて、[T1a、T1b]、[T2a、T2b]、[T3a、T3b]を低階調グループ、[T4a、T4b]、[T5a、T5b][T6a、T6b]を中階調グループ、[T7a、T7b]、[T8a、T8b]、[T9a、T9b]を高階調グループとそれぞれグループ分けする。
【0017】
一方、2進法の重み付けの6個のサブフィールドを重み付けの小さい順に、B1(重み付け1)、B2(重み付け2)、B3(重み付け4)、B4(重み付け8)、B5(重み付け16)、B6(重み付け32)のように番号付けをする。
【0018】
サブフィールドの配置は次のようにする。
まず、中央部のサブフィールドに、B1〜B6を時間の早い方よりB6、B5、B4、B3、B2、B1の順でそれぞれ配置する。
具体的には、1フィールドを構成する1番から24番のサブフィールドに対して、10番目のサブフィールドに、番号B6のサブフィールドを割当てる。以下、11番目のサブフィールドに、番号B5のサブフィールドを割当てる。12番目のサブフィールドに、番号B4のサブフィールドを割当てる。13番目のサブフィールドに、番号B3のサブフィールドを割当てる。14番目のサブフィールドに、番号B2のサブフィールドを割当てる。15番目のサブフィールドに、番号B1のサブフィールドを割当てる。
【0019】
次に、低階調グループの内低い重み付けのT1a、T2a、T3aを中央に配置したB1〜B6のサブフィールドの前方に、時間の早い方より、T3a、T1a、T2aの順でそれぞれ配置する。
具体的には、7番目のサブフィールドに、番号T3aのサブフィールドを割当てる。8番目のサブフィールドに、番号T1aのサブフィールドを割当てる。9番目のサブフィールドに、番号T2aのサブフィールドを割当てる。
【0020】
つぎに、低階調グループの内高い重み付けのT1b、T2b、T3bを低い重み付けのT1a、T2a、T3aから1/2フィールド後方に、時間の早い方よりT2b、T1b、T3bの順でそれぞれ配置する。
具体的には、19番目(7番目の1/2フィールド後)のサブフィールドに、番号T2bのサブフィールドを割当てる。20番目(8番目の1/2フィールド後)のサブフィールドに、番号T1bのサブフィールドを割当てる。21番目(9番目の1/2フィールド後)のサブフィールドに、番号T3bのサブフィールドを割当てる。
【0021】
次に、中階調グループの内低い重み付けのT4a、T5a、T6aは低階調グループのうち低い重み付けのT1a、T2a、T3aのグループの前方に、時間の早い方より、T4a、T5a、T6aの順でそれぞれを配置する。
具体的には、4番目のサブフィールドに、番号T4aのサブフィールドを割当てる。5番目のサブフィールドに、番号T5aのサブフィールドを割当てる。6番目のサブフィールドに、番号T6aのサブフィールドを割当てる。
【0022】
次に、中階調グループの内の高い重み付けのT4b、T5b、T6bは低い重み付けのT4a、T5a、T6aから1/2フィールド後方に、すなわち、低階調グループの内の高い重み付けのT1b、T2b、T3bのグループの前方に、時間の早い方よりT6b、T5b、T4bの順でそれぞれ配置する。
具体的には、16番目のサブフィールドに、番号T6bのサブフィールドを割当てる。17番目のサブフィールドに、番号T5bのサブフィールドを割当てる。18番目のサブフィールドに、番号T4bのサブフィールドを割当てる。
【0023】
次に、高階調グループの内低い重み付けのT7a、T8a、T9aは中階調グループの内の低い重み付けのT4a、T5a、T6aのグループの前方に、時間の早い方よりT9a、T8a、T7aの順でそれぞれ配置する。これらはフィールドの始めに位置する。
具体的には、1番目のサブフィールドに、番号T9aのサブフィールドを割当てる。2番目のサブフィールドに、番号T8aのサブフィールドを割当てる。3番目のサブフィールドに、番号T7aのサブフィールドを割当てる。
【0024】
次に高階調グループの内高い重み付けのT7b、T8b、T9bは低階調グループの内の高い重み付けのT1b、T2b、T3bのグループの後方に、時間の早い方よりT7b、T8b、T9bの順でそれぞれ配置する。これらはフィールドの終わりに位置する。
具体的には、22番目のサブフィールドに、番号T7bのサブフィールドを割当てる。23番目のサブフィールドに、番号T8bのサブフィールドを割当てる。24番目のサブフィールドに、番号T9bのサブフィールドを割当てる。
【0025】
以上のように、各サブフィールドに、高階調、中階調、低階調、バイナリの重み付けのサブフィールドを割り振る。
ここで、例えば、T2aがT1aの前方に配置された時には、T2bはT1bの後方という風にaとbの配置する方向がなるべく逆になるようにぞれぞれのグループ内での位置を決定することにより、例えば、フィールドの前方から、T9a、T8a、T7a、T4a、T5a、T6a、T3a、T1a、T2a、B6、B5、B4、B3、B2、B1、T6b、T5b、T4b、T2b、T1b、T3b、T7b、T8b、T9bの順で配置する。
グループの位置の入れ替えは、フリッカー等の表示特性に大きく影響するが、グループ内での位置の入れ替えは、表示特性に与える影響は少ないので、これは適宜行えばよい。
【0026】
また、2進法の重み付けを持つB1〜B6を重み付けの大きい順でB6、B5、B4、B3、B2、B1と配置したのは、フリッカーに対して効果的であるからである。
すなわち、このように2進法の重み付けを持つB1〜B6を大きい順に並べ替えて、これらを低階調で出現する1/2サブフィールド離れたT1a、T2a、T3aとT1b、T2b、T3bとの間の前方に配置することにより、B1〜B6の輝度による後方に配置されたT1b、T2b、T3bの輝度への影響が軽減され、すなわちフリッカーが認知されにくくなる。
【0027】
図3に示すように、本実施例の駆動方法によれば、1フィールド中において、バイナリ重み付けのサブフィールドを中央に配し、それらを挟み込んで低階調用の2つの組のサブフィールドを1/2フィールド離して配置し、同様に中階調用の2つの組のサブフィールドを1/2フィールド離して配置し、その外側に高階調用の2つの組のサブフィールドで挟み込んでいる。
フリッカー及び動画擬似輪郭は、バイナリー重み付け及び高階調用のサブフィールドで表示する階調レベルでは、あまり目立たないものであり、低階調及び中階調用のサブフィールドで表示する階調レベルでは、目立つものである。
【0028】
上述のように、本実施例においては、発光の重心の変化が抑制されており、また、低階調用及び中階調用のサブフィールドは、1/2フィールド駆動となるので、フリッカー及び動画擬似輪郭を抑制することができる。
【0029】
次に、駆動効率について説明する。
駆動効率は、1フィールド期間中のアドレス期間で、発光しうる最大の割合を示すものである。従って、本実施例の場合、1フィールド中にサブフィールドが24個あり、サブフィールドのアドレス期間をそれぞれ32とすると、図1に示すサブフィールド構成では、白表示の場合、高階調用から低階調用まで、重み付けが32のサブフィールドが18個(重み付け64が9個)あり、バイナリ重み付けは、合計63であるから、駆動効率=(64×9+63)/(32×24)=0.832となり、極めて高い駆動効率である。
【0030】
次に、図2に示す階調毎の各ビット(サブフィールド)のON/OFFについて説明する。
同図において、0はそのサブフィールドがOFFであり、1はそのサブフィールドがON(点灯)していることを示す。
上述のサブフィールドの構成では、640階調となる。
バイナリ重み付けであるB1〜B6は2進法に従った順番で階調毎にON/OFFが決定される。B1〜B6の全てがONであり、等しい重み付けであるT1〜T9の全てがOFFである場合、階調は63/639となる。
【0031】
次の階調である64/639の場合、B1〜B6、T2〜T9がOFFとなり、T1のみがONとなる。
階調が65/639〜127/639までは、T1がONで、B1〜B6は2進法に従った順でON/OFFされる。
以下同様にして、階調が定められ、階調127/639の場合、B1〜B6、T1がONとなり、T2〜T9はOFFとなる。
次の階調128/639の場合、B1〜B6、T3〜T9がOFFとなり、T1、T2がONとなる。
全てのB1〜B6、T1〜T9がONとなる場合、もっとも輝度の高い639/639の階調が表される。
【0032】
次に、図4を参照して、本実施例の適用される表示装置において、入力されるVideo Signalがサブフィールドデータに変換され出力される様子を説明する。
入力された8ビットのVideo Signalは、Color Lookup Table部において、Subfield Data(サブフィールド構造のビットデータ)に変換される。このSubfield DataはShift Register部において、複数のSubfield Dataをまとめて、サブフィールド毎のFrame Dataに変換され、指定されたSubfield用のFrame Buffer部に保存される。Frame Buffer部の保存されたFrame DataはDrive Control部にてサブフィールド毎に読み出されDisplay部に転送され、同時にDisplay部のVoltage Controlを行うことにより駆動されVideo Signalが表示される。
【0033】
(比較例)
次に、1フィールドを24個のサブフィールドから構成した場合の、従来の1/2フィールド駆動方法の例について説明する。
図6は、比較例の画像表示装置の駆動方法におけるサブフィールドパターンの一例である。
図7は、比較例において、各階調レベルに対応した各サブフィールドの点灯(ON/OFF)をあらわした図表である。
【0034】
図6に示すように、1フィールドを24個のサブフィールドから構成するとすると、これを1/2フィールド駆動にすると、12個のサブフィールドの繰り返しで階調表示を行う必要がある。
ここでは、全ての重み付けを2つに分割する必要があるために、バイナリビットと等しい重み付けビットに割り当てられるビット数は12となり、バイナリビットの数を実施例と同じ6とするので、等しい重み付けにわり当てられるビット数は6となる。
【0035】
バイナリ重み付け(1、2、4、8、16、32)のサブフィールドを、重み付け1の番号b1(重み付け0.5であるb1aとb1bの組み合わせ:これを[重み付け0.5の番号b1aと番号b1b]と表示する。以下、番号を省略して表示する。以下同様である。)、重み付け2のb2[重み付け1のb2aとb2b]、重み付け4の番号b3[重み付け2のb3a、b3b]、重み付け8の番号b4[重み付け4のb4aとb4b]、重み付け16のb5[重み付け8のb5aとb5b]、重み付け32のb6[重み付け16のb6aとb6b]のサブフィールドで表してある。
【0036】
上位は64の重み付けを持つ低い重み付けから、順番に、5個の番号t1[t1aとt1b]、t2[t2aとt2b]、t3[t3aとt3b]、t4[t4aとt4b]、t5[t5aとt5b]、t6[t6aとt6b]のサブフィールドで表す。大括弧内の番号の各サブフィールドの重み付けは32となる。
【0037】
これらのサブフィールドを、1/2フィールド駆動法とし、発光重心が中心にくるように配列すると、始めの1/2フィールドについては、1番目のサブフィールドから12番目のサブフィールドまで、順番に、番号t5a(重み付け32)、番号t3a(重み付け32)、番号t1a(重み付け32)、番号b6a(重み付け16)、番号b5a(重み付け8)、番号b4a(重み付け4)、番号b3a(重み付け2)、番号b2a(重み付け1)、番号b1a(重み付け0.5)、番号t2a(重み付け32)、番号t4a(重み付け32)、番号t6a(重み付け32)のサブフィールドが並ぶ。
【0038】
続く1/2フィールドにおいては、13番目のサブフィールドから24番目のサブフィールドまで、順番に、番号t5b(重み付け32)、番号t3b(重み付け32)、番号t1b(重み付け32)、番号b6b(重み付け16)、番号b5b(重み付け8)、番号b4b(重み付け4)、番号b3b(重み付け2)、番号b2b(重み付け1)、番号b1b(重み付け0.5)、番号t2b(重み付け32)、番号t4b(重み付け32)、番号t6b(重み付け32)のサブフィールドが並ぶ。
【0039】
この場合の駆動効率を算出する。
比較例においては、1フィールド中にサブフィールドが24個あり、サブフィールドのアドレス期間をそれぞれ32とすると、図6に示すサブフィールド構成では、白表示の場合、高階調用から低階調用まで、重み付けが32のサブフィールドが12(重み付け64が6個)個あり、バイナリ重み付けは、合計63であるから、駆動効率=(64×6+63)/(32×24)=0.582となる。
【0040】
次に、表示可能な階調数について説明する。
図7に示すように、このサブフィールドの配列によって表示できる階調は、448階調である。
バイナリ重み付けであるb1〜b6は2進法に従った順番で階調毎にON/OFFが決定される。b1〜b6の全てがONであり、等しい重み付けであるt1〜t6の全てがOFFである場合、階調は63/448となる。
次の階調である64/448の場合、b1〜b6、t2〜t6がOFFとなり、t1のみがONとなる。
【0041】
階調が65/448〜127/448までは、t1がONで、b1〜b6は2進法に従った順でON/OFFされる。
以下同様にして、階調が定められ、階調127/448の場合、b1〜b6、t1がONとなり、t2〜t6はOFFとなる。
次の階調128/448の場合、b1〜b6、t3〜t6がOFFとなり、t1、t2がONとなる。
全てのb1〜b6、t1〜t6がONとなる場合、もっとも輝度の高い448/448の階調が表される。
【0042】
以上、比較例においては、1/2フィールド駆動としているので、フリッカー及び動画擬似輪郭の発生を抑制できるが、駆動効率は0.582であり、表示可能階調数は448である。
【0043】
ここで、上述の実施例と比較例を比較して考察するに、フリッカー及び動的擬似輪郭の発生については、実施例はその現象が顕著となる低階調及び中階調においては、実質的に1/2フィールド駆動となるようにサブフィールドを配置しているので、比較例と同様にフリッカー及び動的擬似輪郭の発生を抑制できる。
表示可能な階調数については、実施例においては640階調表示が可能であるのに対し比較例では448階調に過ぎず、その比は1.4倍であり、実施例では高階調表示できる。
駆動効率については、実施例においては0.832であるのに対し、比較例では0.582であり、その比は1.4倍であり、実施例では高効率駆動が可能である。
すなわち、本発明の画像表示装置の駆動方法によれば、フリッカー及び動画擬似輪郭の発生を抑制しながら、高い駆動効率と高階調表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る画像表示装置の駆動方法の実施例におけるサブフィールドパターンである。
【図2】実施例において、各階調レベルに対応した各サブフィールドの点灯(ON/OFF)をあらわした図表である。
【図3】実施例において、フリッカーの抑制効果について例示した図である。
【図4】実施例に係る画像表示装置のブロック図である。
【図5】サブフィールド構造を説明するための図である。
【図6】比較例の画像表示装置の駆動方法におけるサブフィールドパターンの一例である。
【図7】比較例において、各階調レベルに対応した各サブフィールドの点灯(ON/OFF)をあらわした図表である。
【符号の説明】
【0045】
B1、B2、B3、B4、B5、B6…バイナリ重み付けサブフィールド(番号)、T1a、T1b、T2a、T2b、T3a、T3b…低階調用サブフィールド(番号)、T4a、T4b、T5a、T5b、T6a、T6b…中階調用サブフィールド(番号)、T7aT7bT8aT8bT9aT9b…高階調用サブフィールド(番号)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1フィールド期間を時間幅或いはパルス幅によりそれぞれ重み付けられた複数の2値画像であるサブフィールドを時間的に重ねて表示することによって中間調を有する映像信号を表示する際、2進数で表される中間調の上位の複数のビットに相当する部分に等しい重み付けの複数のサブフィールドで表示し、残りの下位ビットに相当する部分を2進法に従った重み付けの複数のサブフィールドで表示する画像表示装置の駆動方法であって、
1フィールド中にあって、中央部に前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを配置し、前記上位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドを2分割し、前記残りの下位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドの両側に配置して表示するようにしたことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−171651(P2006−171651A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367899(P2004−367899)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】