説明

画像表示装置を制御する制御装置、頭部装着型表示装置、画像表示システム、画像表示装置の制御方法および頭部装着型表示装置の制御方法

【課題】1つの制御装置にて様々な画像表示装置の駆動を実現する。
【解決手段】画像信号に基づいて画像を形成する画像表示装置を制御する制御装置は、制御装置に接続された画像表示装置の制御態様を特定する個別情報を画像表示装置から取得する取得部と、取得した個別情報に基づいて、画像表示装置を制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置を制御する制御装置、頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置、画像表示システム、画像表示装置の制御方法および頭部装着型表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御装置と画像表示装置とを1対1で接続し、画像表示装置に画像表示を制御する制御装置が知られている。制御装置と画像表示装置との間に、画像表示装置の仕様を判別すると共に識別信号を発生させる接続装置を設けることで、この制御装置は、様々な画像表示装置の制御が可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display))が知られている。頭部装着型表示装置は、例えば、液晶ディスプレイおよび光源を利用して画像を表す画像光を生成し、生成された画像光を投写光学系や導光板を利用して使用者の眼に導くことにより、使用者に虚像を認識させる。
【0004】
従来、複数の頭部装着型表示装置を有し、使用者が複数の頭部装着型表示装置の中から自分に合ったものを選択して使用する情報処理システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−274137号公報
【特許文献2】特開平10−133840号公報
【特許文献3】特開平7−219490号公報
【特許文献4】特開2001−125551号公報
【特許文献5】特開2011−203378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像表示装置を制御する制御装置では、制御装置と画像表示装置を1対1で接続するために接続制御を行う必要があり、制御装置に接続する画像表示装置の変更が容易ではなかった。また、上述した接続装置を設けることによって、制御装置は様々な画像表示装置の制御が可能になるが、制御装置および画像表示装置以外の接続装置が必要となり、余分な装置を必要としていた。
【0007】
また、頭部装着型表示装置において、例えば眼鏡のような形状であり使用者の頭部に装着される画像表示装置と、画像表示装置による画像表示を制御する制御部と、を接続したり切り離したりすることを可能とすれば、例えば企業において、複数の制御装置と複数の画像表示装置とを準備し、それらの中から各使用者が任意の1組の制御部および画像表示装置のセットを選んで使用するなどして、利便性を向上させることができる。
【0008】
しかし、複数の画像表示装置が、互いに機種が異なるために画像表示制御条件(解像度やフレームレート、画素並び、スキャン方向、ガンマ値)が異なる場合等には、制御装置が画像表示装置を正常に制御することができないおそれがある。また、制御装置と各画像表示装置との接続制御を行うことも考えられるが、構成や制御が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、1つの制御装置にて様々な画像表示装置の制御を実現することを第1の課題とする。また、画像表示装置と制御装置との接続・切り離しが可能な頭部装着型表示装置において、制御装置による画像表示装置の制御不具合を容易に抑制することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0011】
[適用例1]画像表示装置を制御する制御装置であって、
前記制御装置に接続された前記画像表示装置の制御態様を特定する個別情報を前記画像表示装置から取得する取得部と、
前記取得した前記個別情報に基づいて、前記画像表示装置を制御する制御部と、を備える、制御装置。
【0012】
この制御装置では、制御装置に接続された画像表示装置の制御態様を特定する個別情報を画像表示装置から取得し、取得した個別情報に基づいて画像表示装置を制御する。そのため、1つの制御装置にて様々な画像表示装置の制御を実現することができる。
【0013】
[適用例2]頭部装着型表示装置であって、
画像を表す画像光を生成する画像光生成部と、生成された前記画像光を使用者の眼に導く導光部と、を有し、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させ、前記個別情報を記憶する記憶部を有する画像表示部と、
適用例1に記載の制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記画像表示部と取り外し可能に接続され、現に接続されている前記画像表示部の前記記憶部から前記個別情報を読み出し、読み出された前記個別情報に応じた態様で前記画像表示部による画像表示を制御する、頭部装着型表示装置。
【0014】
この頭部装着型表示装置では、画像表示部が、制御装置による画像表示部の制御態様を特定する個別情報を記憶する記憶部を有し、制御装置が、現に接続されている画像表示部の記憶部から個別情報を読み出し、読み出された個別情報に応じた態様で画像表示部による画像表示を制御するため、例えば複数の制御装置と複数の画像表示部との中から任意の1組の制御装置および画像表示部のセットを選んで使用する場合にも、構成や制御の複雑化を抑制しつつ、容易に、画像表示部の機種の違い等に伴う制御装置による画像表示部の制御不具合を抑制することができる。
【0015】
[適用例3]適用例2に記載の頭部装着型表示装置であって、
前記個別情報は、前記画像表示部の機種を識別する機種識別情報を含み、
前記制御装置は、前記画像表示部の各機種と制御態様との対応を示す機種別制御情報を記憶する記憶部を有すると共に、現に接続されている前記画像表示部の機種を前記機種識別情報に基づき特定し、特定された機種に対応付けられた制御態様で前記画像表示部による画像表示を制御する、頭部装着型表示装置。
【0016】
この頭部装着型表示装置では、制御装置が、画像表示部の各機種と制御態様との対応を示す機種別制御情報を記憶する記憶部を有し、現に接続されている画像表示部の機種を個別情報に含まれる機種識別情報に基づき特定し、特定された機種に対応付けられた制御態様で画像表示部による画像表示を制御するため、制御装置による画像表示部の制御不具合を容易に抑制することができると共に、画像表示部の記憶部の容量の削減を図ることができる。
【0017】
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の頭部装着型表示装置であって、
前記個別情報は、使用者に認識される虚像の画質調整態様を特定する調整情報を含み、
前記制御装置は、前記調整情報に応じた態様で前記画像表示部に画質調整させる、頭部装着型表示装置。
【0018】
この頭部装着型表示装置では、制御装置が、個別情報に含まれる調整情報に応じた態様で画像表示部に画質調整させるため、例えば複数の制御部と複数の画像表示部との中から任意の1組の制御装置および画像表示部のセットを選んで使用する場合にも、画質劣化を容易に抑制することができる。
【0019】
[適用例5]適用例4に記載の頭部装着型表示装置であって、
前記調整情報は、前記画像表示部の各使用者と画質調整態様との対応を示す使用者別調整情報を含み、
前記制御装置は、現に接続されている前記画像表示部の使用者を特定する情報を取得する情報取得部を有すると共に、前記情報取得部により特定された使用者に対応付けられた態様で前記画像表示部に画質調整させる、頭部装着型表示装置。
【0020】
この頭部装着型表示装置では、制御装置が、現に接続されている画像表示部の使用者を特定する情報を取得し、調整情報に含まれる使用者別調整情報において、特定された使用者に対応付けられた態様で画像表示部に画質調整させるため、使用者の好みに応じた画質調整を容易に行うことができる。
【0021】
[適用例6]適用例2ないし適用例5のいずれかに記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御装置は、所定のタイミングで前記画像表示部の画像表示状態を確認し、画像表示状態が正常ではない場合には、前記個別情報に基づき、前記制御装置による前記画像表示部の制御態様を更新する、頭部装着型表示装置。
【0022】
この頭部装着型表示装置では、誤動作が発生した場合にも自動的に復帰することができ、利便性を向上させることができる。
【0023】
[適用例7]適用例2ないし適用例6のいずれかに記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御装置は、現に接続されている前記画像表示部の制御を正常に行えない場合には、前記制御装置と前記画像表示部との少なくとも一方を介して使用者に報知する、頭部装着型表示装置。
【0024】
この頭部装着型表示装置では、使用者に、現に接続されている画像表示部の制御を正常に行えないことを認識させることができ、利便性を向上させることができる。
【0025】
[適用例8]適用例1に記載の制御装置であって、
さらに、前記画像表示装置を介して観察者に画像を視認させることが正常に行えない場合には、観察者に報知する報知部を備える、制御装置。
【0026】
この制御装置では、画像表示装置が制御装置に対応した画像処理装置の種類でない、または、制御装置に対応した機種でないと判定された場合には、制御装置が使用者にエラーを報知する。そのため、この制御装置では、使用者に、制御装置と画像表示装置との接続対応関係の問題や表示制御に関する問題を認識させ、必要により対応を促すことができ、利便性を向上させることができる。
【0027】
[適用例9]適用例8に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記画像表示装置を介して観察者に視認させる画像を、二次元で視認させる態様と三次元で視認させる態様と、を操作により切り替えることができ、前記個別情報に基づいて、前記画像表示装置が観察者に三次元で画像を視認させる態様に対応していないと判断した場合には、前記操作にかかわらず、二次元で画像を視認させる、制御装置。
【0028】
この制御装置では、使用者から操作によって、画像表示装置が使用者に視認させる態様を二次元と三次元とに切り替えることができる。また、個別情報に基づいて画像表示装置が使用者に三次元で画像を視認させることができないと判断した場合には、制御装置は、使用者の操作にかかわらず、使用者に二次元で画像を視認させる。そのため、この制御装置では、画像表示装置が使用者に三次元で視認させる態様に対応している場合には、使用者の希望の態様で画像を視認させることができる。また、この制御装置では、画像表示装置が使用者に三次元で視認させる態様に対応していない場合には、使用者は余計な操作を必要とせずに適当な画像を表示することができる。
【0029】
[適用例10]適用例8または適用例9に記載の制御装置であって、
前記画像表示装置と一体として構成されている、制御装置。
【0030】
この制御装置では、制御装置と画像表示装置とが一体として構成されている。そのため、携帯性の高い画像表示装置を実現することができる。
【0031】
[適用例11]適用例8ないし適用例10のいずれかに記載の制御装置であって、
前記個別情報は、前記画像表示装置の種類を識別する装置識別情報と、機種を識別する機種識別情報と、を含み、
前記制御装置は、前記画像表示装置の各種類と制御態様との対応とを示す装置別制御情報と、各機種と制御態様との対応とを示す機種別制御情報と、を記憶する記憶部を有すると共に、現に接続されている前記画像表示装置の種類と機種とを、前記装置識別情報と前記機種識別情報とに基づき特定し、特定された前記画像装置の種類と機種とに対応付けられた制御態様で前記画像表示装置を制御する、制御装置。
【0032】
この制御装置では、画像表示装置が個別情報を格納する記憶部を有する。個別情報は、制御装置による画像表示装置の制御態様を特定する情報である。この制御装置は、画像表示装置の記憶装置から個別情報を読み出し、読み出された個別情報に応じた制御態様で画像表示装置を制御する。そのため、この制御装置では、例えば複数の制御装置と複数の画像表示装置との中から任意の1組の制御装置および画像表示装置のセットを選んで使用する場合にも、構成や制御の複雑化を抑制しつつ、画像表示部装置の機種の違い等に伴う制御装置による画像表示装置の制御不具合を抑制することができる。
【0033】
[適用例12]適用例8ないし適用例11のいずれかに記載の制御装置であって、
前記画像表示装置は、頭部装着型表示装置と、投写型表示装置と、ナビゲーション表示装置と、のうちの1つである、制御装置。
【0034】
画像表示装置が頭部装着型画像表示装置であれば、制御装置が画像表示の制御を行うので、画像表示装置の重量を軽くすることができ、使用者の装着性を向上させることができる。また、画像表示装置が投写型表示装置であれば、画像表示装置に必要最低限の構成のみを備えていれば画像を表示できるので、携帯性を向上させることができる。また、画像表示装置がナビゲーション表示装置であれば、不要な構成をナビゲーション表示装置に搭載する必要がない。
【0035】
[適用例13]画像表示システムであって、
観察者に画像を視認させる画像表示装置と、
適用例8ないし適用例12のいずれかに記載の制御装置と、を備え、
前記画像表示装置は、前記制御装置が前記個別情報に基づいて前記画像表示装置に対応していないと決定した場合に発信する信号を受信し、前記対応していないことを観察者に報知するために予め準備されたエラー画像を、観察者に視認させる、画像表示システム。
【0036】
この画像表示システムでは、制御装置が画像表示装置の個別情報に基づいて画像表示装置に対応していないと決定した場合にその旨の信号を画像表示装置に発信する。画像表示装置は、その信号を受信し、使用者に正常に画像表示できないことを予め準備されていたエラー画像によって表示する。そのため、この画像表示システムでは、制御装置が画像表示装置を制御できない場合であっても、使用者に、画像表示装置によってエラー画像を視認させるので、エラー報知を認識させやすい。
【0037】
[適用例14]画像表示システムであって、
観察者に画像を視認させる画像表示装置と、
適用例8ないし適用例12のいずれかに記載の制御装置と、を備え、
前記画像表示装置は、前記画像表示装置と前記制御装置とに電源を供給する電源部を有する、画像表示システム。
【0038】
この画像表示システムでは、画像表示装置は観察者に画像を視認させると共に、制御装置と画像表示装置とに電源を供給する電源部を内蔵している。そのため、携帯性の高い画像表示システムを実現することができる。
【0039】
[適用例15]画像表示システムであって、
接続された前記画像表示装置の認証を行う画像表示装置認証部を有する、適用例8ないし適用例12のいずれかに記載の制御装置と、
接続された前記制御装置の認証を行う制御装置認証部を有する画像表示装置と、を備える、画像表示システム。
【0040】
この画像表示システムでは、制御装置の画像表示装置認証部が画像表示装置の認証を行い、また、画像表示装置が制御装置の認証を行うことができる制御装置認証部を備えている。そのため、制御装置と画像表示装置とは相互に認証を行い、対応しているか否かの判定を行う。制御装置と画像表示装置とが互いに認証できたときには、制御装置は画像処理装置を制御し、画像表示装置を介して観察者に画像を視認させる。従って、この画像表示システムでは、安全性の高い画像表示システムを実現することができる。
【0041】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像表示装置を制御する制御装置、頭部装着型表示装置、画像表示システム、画像表示装置の制御方法および頭部装着型表示装置の制御方法、頭部装着型表示システム、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例における頭部装着型表示装置100の外観構成を示す説明図である。
【図2】頭部装着型表示装置100の構成を機能的に示す説明図である。
【図3】使用者に認識される虚像の一例を示す説明図である。
【図4】個別情報TIの内容を例示的に示す説明図である。
【図5】本実施例における頭部装着型表示装置100の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第2実施例における頭部装着型表示装置100aの構成を機能的に示す説明図である。
【図7】第2実施例における個別情報TIaの内容を例示的に示す説明図である。
【図8】第2実施例における頭部装着型表示装置100aの制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2実施例における表示制御設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第3実施例における投写型表示装置としてのプロジェクター50の外観構成を示す説明図である。
【図11】プロジェクター50の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図12】カーナビゲーション装置60の外観構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
A−1.装置構成:
A−2.制御処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
【0044】
A.実施例:
A−1.装置構成:
図1は、本発明の実施例における頭部装着型表示装置100の外観構成を示す説明図である。頭部装着型表示装置100は、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。本実施例の頭部装着型表示装置100は、使用者が、虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型の頭部装着型表示装置である。
【0045】
頭部装着型表示装置100は、使用者の頭部に装着された状態において使用者に画像信号に基づいて虚像を視認させる画像表示部20と、画像表示部20を制御する制御部(コントローラー)10と、を備えている。
【0046】
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施例では眼鏡のような形状である。画像表示部20は、テンプル(つる)として機能する耳掛部21と、使用者が画像表示部20を装着した状態においてそれぞれ使用者の右および左の眼の前に位置する右光学パネル26および左光学パネル28と、を有している。また、右耳用の耳掛部21と右光学パネル26との接続箇所には、右表示駆動部22が配置され、左耳用の耳掛部21と左光学パネル28との接続箇所には、左表示駆動部24が配置されている。以降の説明では、右表示駆動部22および左表示駆動部24をまとめて単に「表示駆動部」とも呼び、右光学パネル26および左光学パネル28をまとめて単に「光学パネル」とも呼ぶ。
【0047】
画像表示部20は、また、右耳用の右イヤホン32および左耳用の左イヤホン34を有する。右イヤホン32および左イヤホン34は、使用者が画像表示部20を装着した際に、それぞれ右および左の耳に装着される。
【0048】
画像表示部20は、さらに、画像表示部20を制御部10に接続するための接続部40を有している。接続部40は、制御部10に接続される本ケーブル48と、本ケーブル48が2本に分岐した右ケーブル42および左ケーブル44と、分岐点に設けられた連結部46と、を含んでいる。右ケーブル42は、右表示駆動部22に接続されており、左ケーブル44は、左表示駆動部24に接続されている。画像表示部20と制御部10とは、接続部40を介して各種信号の伝送を行う。本ケーブル48における連結部46とは反対側の端部と制御部10とのそれぞれには、互いに嵌合するコネクター(不図示)が設けられており、本ケーブル48のコネクターと制御部10のコネクターとの嵌合/嵌合解除により、制御部10と画像表示部20とが接続されたり切り離されたりする。
【0049】
制御部10は、画像表示部20による画像表示を制御する装置であり、電源のON/OFFを切り換える電源スイッチ18と、頭部装着型表示装置100の動作状態(例えば、電源のON/OFF状態)を発光状態によって通知する点灯部12と、使用者の指操作を検出して指操作に応じた信号を出力するタッチパッド14と、上下左右方向に対応するキーの押下操作を検出して操作に応じた信号を出力する十字キー16と、を有している。点灯部12としては、例えば、1つまたは複数のLEDランプを用いることができる。タッチパッド14としては、静電式や圧力検出式、光学式といった種々のタッチパッドを採用することができる。
【0050】
図2は、頭部装着型表示装置100の構成を機能的に示す説明図である。図2に示すように、制御部10は、CPU140と、ROMやRAM等により構成された記憶部120と、頭部装着型表示装置100の各部に電力を供給する電源130と、使用者による操作入力に応じた信号(例えば、タッチパッド14や十字キー16、電源スイッチ18に対する操作入力)を取得する入力情報取得部110と、画像(静止画像、動画像)や音声等のコンテンツデータの供給元となる種々の外部機器OA(例えば、パーソナルコンピューターや携帯電話端末、ゲーム端末)を接続するためのインターフェイス180と、を有している。電源130としては、例えば二次電池を用いることができ、インターフェイス180としては、例えばUSBインターフェイスやメモリーカード用インターフェイス、無線LANインターフェイス等を採用することができる。
【0051】
記憶部120には、種々のコンピュータープログラムが格納されており、CPU140は、記憶部120からコンピュータープログラムを読み出して実行することにより、オペレーティングシステム(OS)150や、画像処理部160、表示制御部190、音声処理部170として機能する。
【0052】
画像処理部160は、インターフェイス180を介して入力されるコンテンツデータに基づき、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、画像データDataを生成し、接続部40を介してこれらの信号を画像表示部20に供給する。具体的には、画像処理部160は、コンテンツデータに含まれる画像信号(例えば、1秒あたり30枚のフレーム画像から構成されるアナログ信号)を取得し、取得した画像信号から垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSync等の同期信号を分離し、同期信号が分離されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して画像データDataを生成する。なお、画像処理部160は、必要に応じて、画像データに対する解像度変換処理や色調補正処理等を実行してもよい。
【0053】
表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成し、接続部40を介して画像表示部20に供給することにより、画像表示部20における画像表示状態を制御する。具体的には、表示制御部190は、制御信号により、右LCD制御部211による右LCD241の駆動ON/OFFや右光源制御部201による右光源221の駆動ON/OFFや、左LCD制御部212による左LCD242の駆動ON/OFFや左光源制御部202による左光源222の駆動ON/OFFを個別に制御することにより、右表示駆動部22および左表示駆動部24のそれぞれによる画像光の生成の有無を制御する。例えば、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24の両方に画像光を生成させたり、一方のみに画像光を生成させたり、両方共に画像光を生成させなかったりする。
【0054】
音声処理部170は、コンテンツデータに含まれる音声信号を取得し、取得した音声信号を増幅して、画像表示部20の右イヤホン32および左イヤホン34に接続部40を介して供給する。
【0055】
画像表示部20の右表示駆動部22は、例えばLEDランプにより構成された右光源221と、制御部10から供給される制御信号に基づいて右光源221を駆動する右光源制御部201と、右光源221から照射される照明光を画像を表す画像光へと変調する右液晶ディスプレイ(LCD)241と、制御部10から供給される垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、画像データDataに基づいて右LCD241を駆動制御する右LCD制御部211と、を有している。右LCD241は、例えば透過型液晶パネルを用いて構成される。右光源221と右光源制御部201と右LCD241と右LCD制御部211とは、本発明における画像光生成部に相当する。右表示駆動部22は、また、生成された画像光を投写する右投写光学系251を有している。右投写光学系251は、例えばコリメートレンズを用いて構成される。
【0056】
画像表示部20の右光学パネル26(図1)は、右導光板261を有しており、右導光板261は、右投写光学系251から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の右眼に導く。なお、右投写光学系251と右導光板261とは、本発明における導光部に相当する。
【0057】
左表示駆動部24は、右表示駆動部22と同様に、左光源222と、左光源制御部202と、左LCD242と、左LCD制御部212と、左投写光学系252と、を含んでいる。左表示駆動部24に含まれる各要素の構成や機能は、右表示駆動部22に含まれる各要素と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、画像表示部20の左光学パネル28は、左導光板262を有しており、左導光板262は、左投写光学系252から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の左眼に導く。左光源222と左光源制御部202と左LCD242と左LCD制御部212とは、本発明における画像光生成部に相当し、左投写光学系252と左導光板262とは、本発明における導光部に相当する。
【0058】
このようにして、頭部装着型表示装置100の使用者の両眼に導かれた画像光が網膜に結像することにより、使用者は虚像を視認する。図3は、使用者に認識される虚像の一例を示す説明図である。図3に示すように、頭部装着型表示装置100の使用者の視野VR内には虚像VIが表示される。また、使用者の視野VRの内、虚像VIが表示された部分以外については、使用者は、右光学パネル26および左光学パネル28を透過して、外景SCを見ることができる。なお、本実施例の頭部装着型表示装置100では、使用者の視野VRの内の虚像VIが表示された部分についても、虚像VIの背後に外景SCが透けて見えるようになっている。
【0059】
なお、右光学パネル26および左光学パネル28は、右導光板261および左導光板262の前面側(使用者の眼の側とは反対の側)に設けられ、光透過率を調整可能な調光板を有しているとしてもよい。調光板を設けると、調光板の光透過率を調整することにより、使用者の眼に入る外光量を調整し、虚像の視認のしやすさを調整することができる。
【0060】
画像表示部20は、また、記憶部29(図2)を有している。記憶部29は、制御部10の表示制御部190によって読み出しおよび書き込みが可能となっている。記憶部29は、例えばフラッシュメモリーにより構成される。
【0061】
画像表示部20の記憶部29には個別情報TIが格納されている。図4は、個別情報TIの内容を例示的に示す説明図である。図4に示すように、個別情報TIは、機種識別情報PIと、表示制御情報SIと、調整情報AIと、を含んでいる。
【0062】
機種識別情報PIは、画像表示部20の機種を識別可能な情報であり、例えば、画像表示部20の機種情報やバージョン情報を含んでいる。なお、機種とバージョンとの組み合わせは、広義の機種に該当する。例えば、画像表示部20の同一機種の異なるバージョンは、(広義の)機種が異なるともとらえることができる。
【0063】
表示制御情報SIは、制御部10による画像表示部20の制御(画像表示制御)に用いられる情報であり、例えば、右LCD241および左LCD242の解像度やフレームレート、画素並び、スキャン(走査)方向、画質調整項目、ガンマ値等を特定する情報を含んでいる。
【0064】
調整情報AIは、画像表示部20により使用者に認識される虚像の画質調整に関する情報であり、例えば、右光源221および左光源222の輝度調整値や右LCD241および左LCD242における画像形成位置調整値等を含んでいる。なお、本実施例では、調整情報AIは、製品出荷時に記憶部29に格納される基本調整量を示す情報と、使用者による使用の過程で記憶部29に記憶される使用者別調整量を示す情報とを含んでいる。
【0065】
A−2.制御処理:
図5は、本実施例における頭部装着型表示装置100の制御処理の流れを示すフローチャートである。制御処理は、制御部10が、画像表示部20による画像表示を制御する処理である。使用者が電源スイッチ18を押して頭部装着型表示装置100の電源を投入すると(ステップS110)、制御部10は、頭部装着型表示装置100をスリープモードに設定し(ステップS120)、各デバイスの初期制御を行う(ステップS130)。このとき、使用者の視野VRには、まだ虚像VIは表示されていない。
【0066】
次に、制御部10の表示制御部190は、制御部10に現に接続されている画像表示部20の記憶部29から、個別情報TIを読み出し、読み出した個別情報TIを例えば記憶部120の所定の領域に格納する(ステップS140)。なお、制御部10は、例えば誤り検出により、読み出した個別情報TIの整合確認を行い、読み出した個別情報TIが不整合である場合には、再度、記憶部29から個別情報TIを読み出すものとしてもよい。また、所定回数の読み出しによっても、個別情報TIの整合確認が完了しない場合には、強制的に電源をオフにするものとしてもよい。
【0067】
次に、制御部10の表示制御部190は、個別情報TIに含まれる機種識別情報PIに基づき、制御部10と画像表示部20との接続関係が正しいか否かを判定する(ステップS150)。この判定は、制御部10が画像表示部20の制御を正常に行うことができるか否かの判定である。具体的には、表示制御部190は、例えば機種識別情報PIに基づき画像表示部20の機種を特定し、画像表示部20の機種が制御部10に対応した機種であるか否かにより、接続関係が正しいか否かを判定する。
【0068】
接続関係が正しくない(すなわち、制御部10が画像表示部20の制御を正常に行うことができない)と判定された場合には、制御部10は、使用者にエラーを報知する(ステップS240)。エラー報知方法は、例えば、制御部10の点灯部12を点滅させることにより実行される。なお、エラー報知は、可能であれば、画像表示部20を介して実行されるとしてもよい。例えば、音声処理部170を介して画像表示部20のイヤホン32,34に音声信号を供給可能である場合には、イヤホン32,34からエラーを知らせる音を出力することによりエラー報知が行われるとしてもよい。また、例えば、画像処理部160を介して画像表示部20の表示駆動部22,24に画像信号を供給可能である場合には、使用者にエラーを知らせる画像を認識させることによりエラー報知が行われるとしてもよい。エラー報知の後、制御部10は、頭部装着型表示装置100の電源をオフにする(ステップS250)。
【0069】
接続関係が正しい(すなわち、制御部10が画像表示部20の制御を正常に行うことができる)と判定された場合には、制御部10の表示制御部190は、個別情報TIの表示制御情報SIに応じて、表示制御設定を行う(ステップS170)。具体的には、表示制御部190は、個別情報TIに含まれる表示制御情報SIに基づき、右LCD241および左LCD242の解像度やフレームレート、画素並び、スキャン(走査)方向、画質調整項目、ガンマ値等を特定し、特定された各項目の値を画像処理部160に設定する。
【0070】
また、個別情報TIに調整情報AIが含まれる場合には、表示制御部190は、調整情報AIの基本調整量を画像処理部160や画像表示部20の右LCD制御部211、左LCD制御部212に設定する。これにより、製品ばらつきを調整する画質調整が設定される。また、調整情報AIに使用者別調整量の情報が含まれる場合には、基本調整量に加えて使用者別調整量も設定する。なお、使用者別調整量の情報として、複数の使用者に対応する使用者別調整量情報が含まれている場合には、任意の方法で選択された1人の使用者に対応する使用者別調整量が設定されるとしてもよいし、制御部10が入力情報取得部110を介して取得された情報に基づき使用者を特定し、特定された使用者に対応する使用者別調整量が設定されるとしてもよい。
【0071】
次に、制御部10は、表示制御設定が正しいか否かを判定し(ステップS180)、正しくないと判定された場合には、正しくないと判定された回数N1が所定の閾値T1より少ないか否かを判定し(ステップS190)、少ない場合には再度表示制御設定を行う(ステップS170)。正しくないと判定された回数N1が所定の閾値T1以上となった場合には、制御部10は、使用者にエラーを報知する(ステップS240)。エラー報知方法は、上述した接続関係が正しくないと判定された場合のエラー報知方法と同様である。エラー報知の後、制御部10は、頭部装着型表示装置100の電源をオフにする(ステップS250)。
【0072】
表示制御設定が正しいと判定された場合には、制御部10は、まず、画像表示部20を、画像表示を行わないディスプレイオフモードで立ち上げ(ステップS200)、その後、画像表示部20のモードを、画像表示を行うディスプレイオンモードに移行する(ステップS210)。これにより、図3に示すように、使用者の視野VR内に虚像VIが表示される。ディスプレイオンモードでは、表示制御設定(ステップS170)において設定された制御態様で、制御部10による画像表示部20の制御が行われる。また、表示制御設定において画質調整が設定された場合には、制御部10は、設定された態様で画像表示部20に画質調整を行わせる。なお、ディスプレイオンモードにおいて、使用者がマニュアルで画質調整を行うことも可能である。使用者がマニュアルで画質調整を行った場合には、各調整項目の調整量が使用者特定情報と対応付けられて個別情報TIの調整情報AIに記憶される。
【0073】
画像表示部20がディスプレイオンモードにあるときには、制御部10の表示制御部190は、所定のタイミングで画像表示部20から表示制御状態を読み出し(ステップS220)、正常に制御されているか否かを確認する(ステップS230)。正常に制御されていると確認された場合には、ディスプレイオンモードでの画像表示が続行される(ステップS210)。
【0074】
一方、表示制御状態が正常ではないと判定された場合には、制御部10の表示制御部190は、個別情報TIの表示制御情報SIに応じて、表示制御設定(設定更新)を行い(ステップS170)、その後、ディスプレイオフモード(ステップS200)を経て、ディスプレイオンモードに移行する(ステップS210)。
【0075】
以上説明した本実施例の頭部装着型表示装置100では、画像表示部20が個別情報TIを格納する記憶部29を有する。個別情報TIは、制御部10による画像表示部20の制御態様(例えば、解像度やフレームレート、画素並び、スキャン方向、画質調整項目、ガンマ値等)を特定する情報である。制御部10は、画像表示部20の記憶部29から個別情報TIを読み出し、読み出された個別情報TIに応じた制御態様で画像表示部20を制御する。そのため、本実施例の頭部装着型表示装置100では、例えば複数の制御部10と複数の画像表示部20との中から任意の1組の制御部10および画像表示部20のセットを選んで使用する場合にも、構成や制御の複雑化を抑制しつつ、画像表示部20の機種の違い等に伴う制御部10による画像表示部20の制御不具合を抑制することができる。
【0076】
また、本実施例の頭部装着型表示装置100では、画像表示部20の記憶部29に格納される個別情報TIに調整情報AIを含ませることができる。調整情報AIは、画像表示部20により使用者に認識される虚像の画質調整に関する情報である。個別情報TIに調整情報AIが含まれる場合には、制御部10は、調整情報AIにより特定される態様で画像表示部20に画質調整を行わせる。そのため、本実施例の頭部装着型表示装置100では、例えば複数の制御部10と複数の画像表示部20との中から任意の1組の制御部10および画像表示部20のセットを選んで使用する場合にも、制御部10が、現に接続された画像表示部20の製品特性(装置の光学特性や電源の出力レベル、光源特性等)を補償するように画質調整を行うことができ、画質劣化を容易に抑制することができる。
【0077】
また、本実施例の頭部装着型表示装置100では、調整情報AIに、使用者による使用の過程で記憶部29に記憶される使用者別調整量を示す情報を含ませることができ、制御部10は、使用者を特定し、特定された使用者に対応する使用者別調整量に基づき画像表示部20に画質調整を行わせる。そのため、本実施例の頭部装着型表示装置100では、例えば複数の制御部10と複数の画像表示部20との中から任意の1組の制御部10および画像表示部20のセットを選んで使用する場合にも、使用者の好みに応じた画質調整を容易に行うことができる。
【0078】
また、本実施例の頭部装着型表示装置100では、表示制御状態が正常ではないと判定された場合には、制御部10が、個別情報TIに基づき表示制御設定(設定更新)を行うため、例えばケーブル抜け等の誤動作が発生した場合にも、自動的に復帰することができ、利便性を向上させることができる。
【0079】
また、本実施例の頭部装着型表示装置100では、制御部10が画像表示部20の制御を正常に行うことができないと判定された場合や、制御部10による画像表示部20の表示制御設定が正しくないと判定された場合に、制御部10の点灯部12の点滅や画像表示部20における音声出力、画像表示等を介して、制御部10が使用者にエラーを報知する。そのため、本実施例の頭部装着型表示装置100では、使用者に、頭部装着型表示装置100における制御部10と画像表示部20との接続対応関係の問題や表示制御に関する問題を認識させ、必要により対応を促すことができ、利便性を向上させることができる。
【0080】
B.第2実施例
図6は、第2実施例における頭部装着型表示装置100aの構成を機能的に示す説明図である。第2実施例の頭部装着型表示装置100aでは、第1実施例の頭部装着型表示装置100と比べて、画像表示部20aの記憶部29aに格納されている情報の個別情報TIaの内容が異なり、その他の点については同じである。なお、第2実施例の制御部10aは本発明の制御装置および制御部に相当し、画像表示部20aは本発明の画像表示装置に相当する。
【0081】
図7は、第2実施例における個別情報TIaの内容を例示的に示す説明図である。図7に示すように、第2実施例の個別情報TIaは、第1実施例の個別情報TIに含まれている機種識別情報PIと表示制御情報SIと調整情報AIとに加えて、デバイス情報DIを含む点が、第1実施例の個別情報TIと異なる。また、第2実施例の個別情報TIaに含まれる表示制御情報SIaは、画像表示部20aが画像を三次元表示できるか否かの3D対応可否の情報を含んでいる。なお、3D対応可否の情報は、第1実施例の表示制御情報SIに含まれていてもよい。デバイス情報DIは、本発明の装置識別情報に相当する。
【0082】
デバイス情報DIは、制御部10aに接続された画像処理装置の種類を識別可能な情報である。制御部10aに接続される画像処理装置の種類としては、第2実施例における眼鏡のように装着する画像表示部20aのみに限られず、例えば、投写により投写面に画像を表示させる投写型表示装置、ナビゲーション表示装置、等の画像表示装置の種類であってもよい。
【0083】
図8は、第2実施例における頭部装着型表示装置100aの制御処理の流れを示すフローチャートである。図8に示したステップS310からステップS340までの処理は、図5に示した第1実施例のステップS110からステップS140までの処理と同じである。第2実施例の制御処理では、第1実施例に制御処理に対して、図8で示したステップS350とステップS360とステップS370とが異なる。また、図8に示したステップS380からステップS450までの処理は、第1実施例のステップS180からステップS250までの処理と同じである。
【0084】
制御部10aの表示制御部190は、画像表示部20aの記憶部29aから個別情報TIaを読み出し、個別情報TIaを記憶部120の所定の領域に格納すると(ステップS340)、個別情報TIaに含まれるデバイス情報DIに基づき、画像表示部20aの種類が制御部10aに対応している種類であるか否かを判定する(ステップS350)。この判定は、制御部10aが画像表示部20aの制御を正常に行うことができるか否かの判定である。具体的には、表示制御部190は、例えばデバイス情報DIに基づき画像表示部20の種類を特定し、画像表示部20aの種類が制御部10aに対応した種類であるか否かにより、画像表示部20aに画像を表示できるか否かを判定する。
【0085】
画像表示部20aが制御部10aの対応した画像処理装置の種類でない(すなわち、制御部10aが画像表示部20aの制御を正常に行うことができない)と判定された場合には(ステップS350:NO)、制御部10aは、使用者にエラーを報知する(ステップS440)。
【0086】
画像表示部20aが制御部10aの対応した画像処理装置の種類であると判定された場合には(ステップS350:YES)、画像表示部20aが制御部10aに対応している機種であるか否かを判定する(ステップS360)。制御部10aの表示制御部190は、個別情報TIaに含まれる機種識別情報PIに基づき画像表示部20aが制御部10aに対応している機種であるか否かを判定する。この判定も、制御部10aが画像表示部20aの制御を正常に行うことができるか否かの判定である。具体的には、表示制御部190は、例えば機種識別情報PIに基づき画像表示部20aの機種を特定し、画像表示部20aの機種が制御部10aに対応した機種であるか否かにより、画像表示部20aに画像を表示できるか否かを判定する。
【0087】
画像表示部20aが制御部10aの対応した機種である(すなわち、制御部10aが画像表示部20aの制御を正常に行うことができる)と判定された場合には(ステップS360:YES)、制御部10aは表示制御設定処理を行う(ステップS370)。
【0088】
図9は、第2実施例における表示制御設定処理の流れを示すフローチャートである。表示制御設定処理では、制御部10aの表示制御部190は、まず二次元(2D)表示を実現するための表示制御設定を行う(ステップS510)。具体的には、表示制御部190は、個別情報TIaに含まれる表示制御情報SIaに基づき、右LCD241および左LCD242の解像度やフレームレート、画素並び、スキャン(走査)方向、画質調整項目、ガンマ値等を特定し、特定された各項目の値を画像処理部160に設定する。
【0089】
その後、制御部10aは、使用者による画像の三次元(3D)表示の選択指示を受け付ける(ステップS520)。使用者は、制御部10aを操作することにより、画像の3D表示の選択指示を行うことができる。使用者が3D表示の選択指示を行わなかった場合には(ステップS520:NO)、表示制御部190は、引き続き2D表示の表示制御設定を継続する。
【0090】
使用者による3D表示の選択指示があった場合には(ステップS520:YES)、制御部10aの表示制御部190が、個別情報TIaに含まれる表示制御情報SIaに基づいて画像表示部20aが画像を3Dで表示できるか否かを判定する(ステップS530)。表示制御情報SIaに基づいて画像表示部20aが画像を3D表示できないと判定した場合には(ステップS530:NO)、制御部10aが使用者にエラーを報知し(ステップS550)、表示制御部190は引き続き2D表示の表示制御設定を継続する。なお、エラー報知は、画像表示部20aに画像として表示してもよいし、イヤホン32、34を介して音声で報知してもよい。
【0091】
表示制御情報SIaに基づいて画像表示部20aが画像を3D表示できると判定した場合には(ステップS530:YES)、表示制御部190は、3D表示の表示制御設定を行い(ステップS540)、表示制御設定処理を終了する。なお、3D表示の場合、2D表示の表示制御設定と異なり、使用者に3D表示で視認させるために使用者の右眼に導かれる画像光と左眼に導かれる画像光とは異なる。
【0092】
以上説明したように、第2実施例の制御部10aでは、制御部10aに接続された画像表示部20aの制御態様(例えば、画像処理装置の種類、機種、解像度やフレームレート、画素並び、スキャン方向、画質調整項目、ガンマ値等)を特定する個別情報TIaを画像表示部20aから取得する。そして、取得した個別情報TIaに基づいて、画像表示部20aを制御する。そのため、第2実施例の制御部10aは、1つの制御部10aにて様々な画像表示部20aの制御を実現することができる。
【0093】
また、第2実施例の制御部10aでは、画像表示部20aが制御部10aに対応した画像処理装置の種類ではない、または、制御部10aに対応した機種ではないと判定された場合に、制御部10の点灯部12の点滅や画像表示部20aにおける音声出力、画像表示等を介して、制御部10が使用者にエラーを報知する。そのため、制御部10aでは、使用者に、制御部10aと画像表示部20aとの接続対応関係の問題や表示制御に関する問題を認識させ、必要により対応を促すことができ、利便性を向上させることができる。
【0094】
また、第2実施例における表示制御設定処理では、まず2D表示での表示設定制御を行う。制御部10aに使用者から操作があった場合には、制御部10aは、使用者の選択指示によって、2D表示と3D表示とを切り替えることができる。また、個別情報TIaの表示制御情報SIaに基づいて画像表示部20aが3D表示できないと判定した場合には、制御部10aは、引き続き2D表示での表示制御設定を継続する。そのため、第2実施例の制御部10aでは、画像表示部20aが3D表示できる場合には、使用者の意思によって自由に画像を2D表示または3D表示に選択できるので、使用者の希望の表示画像を提供することができる。また、第2実施例の制御部10aでは、画像表示部20aが3D表示できない場合には、画像表示部20aには自動で2D表示の画像を表示するので、使用者は余計な操作を必要とせずに適当な画像を表示することができる。
【0095】
また、第2実施例の制御部10aでは、画像表示部20aが個別情報TIaを格納する記憶部29aを有する。個別情報TIaは、制御部10aによる画像表示部20aの制御態様(例えば、デバイスの種類、機種、解像度やフレームレート、画素並び、スキャン方向、画質調整項目、ガンマ値等)を特定する情報である。制御部10aは、画像表示部20aの記憶部29aから個別情報TIaを読み出し、読み出された個別情報TIaに応じた制御態様で画像表示部20aを制御する。そのため、第2実施例の制御部10aでは、例えば複数の制御部10aと複数の画像表示部20aとの中から任意の1組の制御部10aおよび画像表示部20aのセットを選んで使用する場合にも、構成や制御の複雑化を抑制しつつ、画像表示部20aの機種の違い等に伴う制御部10aによる画像表示部20aの制御不具合を抑制することができる。
【0096】
C.第3実施例:
図10は、第3実施例における投写型表示装置としてのプロジェクター50の外観構成を示す説明図である。第3実施例のプロジェクター50では、第2実施例の頭部装着型表示装置100aと比べて、画像表示装置がプロジェクター50であることおよび個別情報TIbの内容が異なり、その他の点については同じである。
【0097】
プロジェクター50は、筐体800と、筐体800の前面に設けられた投写光学系740と、筐体800の外表面(例えば上面)に設けられた操作部600と、筐体800に設けられたスピーカー38と、を有している。なお、プロジェクター50は画像信号に基づいて画像を形成する本発明の画像表示装置に相当する。第3実施例では、制御部10bは、有線ではなく無線通信によってプロジェクター50と接続されている。制御部10bを操作することにより、プロジェクター50の画像表示を制御することができる。第3実施例の制御部10bは本発明の制御装置および制御部に相当する。
【0098】
また、図11は、プロジェクター50の内部構成を概略的に示すブロック図である。図11に示すように、第3実施例のプロジェクター50は照明光学系760と、光の3原色のそれぞれに対応する液晶パネル部700(700R、700G、700B)と、投写光学系740と、光源ランプ駆動部765と、投写光学系調整部745と、パネル駆動部705と、操作部600と、スピーカー38と、記憶部29bと、を有している。制御部10bは、第2実施例の制御部10aと同じである。
【0099】
光源ランプ駆動部765は、制御部10bの表示制御部190からの制御信号に基づき、照明光学系760に含まれる光源ランプを駆動する。投写光学系調整部745は、表示制御部190からの制御信号に基づき、投写光学系740の複数のレンズで構成されたレンズ群の配置を調整する。画像処理部160は、外部機器OAから供給されたコンテンツデータに所定の処理を施し、液晶パネル部700を駆動するための画像信号を生成してパネル駆動部705に供給する。パネル駆動部705は、表示制御部190から供給された画像信号と表示制御部190から供給された制御信号に基づき、各液晶パネル部700を駆動する。
【0100】
第3実施例のプロジェクター50では、制御部10bを操作することでプロジェクター50を制御することができる。なお、操作部600を操作することでプロジェクター50を制御することもできる。操作部600は、使用者の指示操作を受け付け、操作に応じた信号をCPU140に出力する。スピーカー38は、音声処理部170からの制御信号により、音声処理部170が取得した音声信号を増幅して供給する。
【0101】
記憶部29bには、個別情報TIbが格納されている。個別情報TIbは、デバイス情報DIと機種識別情報PIと表示制御情報SIbと調整情報AIとで構成されている(図7)。第3実施例では、デバイス情報DIの画像処理装置の種類がプロジェクター50である。また、第3実施例では、調整情報AIには、プロジェクター50を使用する状況(例えば、投写面までの距離等)などについても記憶されている。
【0102】
制御部10bの表示制御部190は、プロジェクター50の記憶部29bから個別情報TIbを読み出し、個別情報TIbを記憶部120の所定の領域に格納する。その後、制御部10bは、個別情報TIbに含まれるデバイス情報DIと機種識別情報PIと表示制御情報SIbと調整情報AIとに基づき表示制御設定処理を行う。
【0103】
以上説明したように、第3実施例の制御部10bは、プロジェクター50(画像表示部20b)の制御を行う。そのため、プロジェクター50は、制御部を備える必要がなく、画像表示装置に必要最低限の構成(例えば、液晶パネルと光源等)のみを備えていれば画像を表示できる。従って、第3実施例の制御部10bでは、プロジェクター50を小型化・軽量化し、携帯性を向上させることができる。
【0104】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0105】
D1.変形例1:
上記実施例における頭部装着型表示装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、制御部10に設けられた十字キー16やタッチパッド14の一方を省略したり、十字キー16やタッチパッド14に加えてまたは十字キー16やタッチパッド14に代えて操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを設けたりしてもよい。また、制御部10は、キーボードやマウス等の入力デバイスを接続可能な構成であり、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。また、制御部10に無線LAN等の通信部を設けてもよい。
【0106】
また、画像表示装置として、眼鏡のように装着する画像表示部20に代えて、カーナビゲーション装置を採用してもよい。図12は、カーナビゲーション装置60の外観構成を示す説明図である。制御部10cは、無線通信によってとカーナビゲーション装置60と接続されている。制御部10cは、カーナビゲーション装置60の記憶部29cから個別情報TIcを読み出し、個別情報TIcを記憶部120の所定の領域に格納する。その後、制御部10cは、個別情報TIcに含まれるデバイス情報DIと機種識別情報PIと表示制御情報SIcと調整情報AIとに基づき表示制御設定処理を行う。そのため、この制御部10cでは、不要な構成をカーナビゲーション装置60に搭載しなくても、使用者はナビゲーションプログラム等のコンテンツデータを利用することができる。なお、制御部10cは、電源130を備えているが、カーナビゲーション装置60に備えられたシガーライター等から電源を供給される構成であってもよい。
【0107】
投写により投写面に画像を表示させる投写型表示装置や、ナビゲーション表示装置や、例えば帽子のように装着する画像表示部といった他の形状の画像表示部を採用してもよい。上記実施例における画像表示部20であれば、制御部10が制御を行うので、画像表示部20の重量を軽くすることができ、使用者の装着性を向上させることができる。また、パーソナルコンピューターのモニターや携帯電話等に本発明の制御装置を接続することにより、目的に応じて画像表示装置を選択することでき、使用者の利便性を高めることができる。音源であるイヤホン32,34は省略してもよいし、制御装置をスピーカー等の音源に接続することによって、音声を出力させてもよい。
【0108】
また、上記実施例では、画像光を生成する構成として、LCDと光源とを利用しているが、これらに代えて、有機ELディスプレイといった他の表示素子を採用してもよい。また、エラー報知方法においても、制御部10の点灯部12に代えて、LEDや有機ELディスプレイといった他の表示素子を採用してもよい。
【0109】
また、上記実施例では、頭部装着型表示装置100は、両眼タイプの光学透過型頭部装着型表示装置であるとしているが、本発明は、例えばビデオ透過型や非透過型、単眼タイプといった他の形式の頭部装着型表示装置にも同様に適用可能である。
【0110】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、上記実施例では、画像処理部160や音声処理部170は、CPU140がコンピュータープログラムを読み出して実行することにより実現されるとしているが、これらの機能部はハードウェア回路により実現されるとしてもよい。
【0111】
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0112】
D2.変形例2:
上記実施例において、頭部装着型表示装置100は、使用者の左右の眼に同じ画像を表す画像光を導いて使用者に二次元画像を視認させるとしてもよいし、使用者の左右の眼に異なる画像を表す画像光を導いて使用者に三次元画像を視認させるとしてもよい。
【0113】
また、第2実施例の表示制御設定処理では、まず2D表示の表示制御設定を行い、使用者による選択指示を受け付けた場合に画像表示部20aが3D表示に対応していれば、3D表示の表示制御設定を行うとしたが、2D表示と3D表示との切り替えはこれに限られない。例えば、表示制御設定の初めに2D表示と3D表示との選択指示を行えるものとしてもよい。この場合に、使用者による選択指示がないときには、表示制御部190が所定の時間経過後に自動で2D表示を継続する表示制御設定としてもよい。また、3D表示のときに、使用者からの操作を受け付けた場合には2D表示の表示制御設定への切り替えを行えるとしてもよい。表示制御設定の切り替え方法として、制御部10aは、音声を認識できる構成(例えば、マイク等)を有しており、使用者の音声によって2D表示と3D表示とを切り替えるとしてもよい。また、使用者に画像表示部20aが3D表示に対応していることを、イヤホン32、34を介して音声で使用者に報知したり、制御部10aの点灯部12によって使用者に報知してもよい。
【0114】
また、上記実施例では、外部機器OAからコンテンツデータが供給されるとしているが、頭部装着型表示装置100の制御部10の記憶部120にコンテンツデータが格納され、記憶部120に格納されたコンテンツデータに基づき画像表示が行われるとしてもよい。
【0115】
D3.変形例3:
上記実施例における個別情報TI(図4)の内容は、あくまで一例であり、一部の項目が個別情報TIに含まれないとしてもよいし、他の項目が含まれるとしてもよい。例えば、個別情報TIは、調整情報AIを含まないとしてもよい。
【0116】
また、個別情報TIは、表示制御情報SIを含まず、代わりに、制御部10の記憶部120に、画像表示部20の各機種と制御部10による画像表示部20の制御態様との対応関係を示す情報(機種別表示制御情報)が格納されるとしてもよい。この場合には、制御部10は、画像表示部20の記憶部29から読み出した個別情報TIの機種識別情報PIに基づき画像表示部20の機種を特定し、制御部10の記憶部120に格納された機種別表示制御情報において、特定された画像表示部20の機種に対応した制御態様で画像表示部20を制御するとすればよい。このようにすれば、画像表示部20の記憶部29の容量の削減を図ることができる。なお、このとき、個別情報TIに含まれる機種識別情報PIは、制御部10による画像表示部20の制御態様(例えば、解像度やフレームレート、画素並び、スキャン方向、画質調整項目、ガンマ値等)を特定することが可能な情報に該当する。
【0117】
D4.変形例4:
上記実施例では、制御部10と画像表示部20とを別々の構成とし、本ケーブル48等によって、接続されていたが、これに限られない。例えば、制御部10と画像表示部20とを有線ではなく、無線によって制御部10が画像表示部20を制御してもよい。また、制御部10と画像表示部20とが一体として構成されてもよいし、画像表示部20に制御部10と画像表示部20とに電源を供給する電源部を内蔵する構成としてもよい。このような構成を採用することで、制御部10や本ケーブル48等の機能が画像表示部20に内蔵されるので、使用者に携帯性の高い頭部装着型表示装置100の使用を実現することができる。
【0118】
D5.変形例5
上記実施例では、エラー報知方法において、制御部10の点灯部12やイヤホン32、34によって使用者に報知しているが、これに限られない。例えば、制御部10が画像表示部20の個別情報TIに基づいて画像表示部20に対応していない(正常に画像表示できない)と決定した場合にその旨の信号を画像表示部20に発信する。画像表示部20は、その信号を受信し、使用者に正常に画像表示できないことを予め準備されていたエラー画像によって表示する画像表示システムであってもよい。この画像表示システムでは、画像表示部20に直接エラー画像を表示するので、使用者はエラー報知について認識しやすい。なお、上記実施例の点灯部12やイヤホン32、34との報知とあわせてエラー画像を表示して、使用者にエラーを報知してもよい。
【0119】
D6.変形例6
上記実施例では、制御部10が画像表示部20の個別情報TIに基づいて制御しているが、制御部10と画像表示部20とが相互に認証を行う画像表示システムであってもよい。例えば、制御部10が画像表示部20の認証を行い、また、画像表示部20が制御部10の認証を行うことができる制御装置認証部を備えているものとする。この場合、制御部10と画像表示部20とは相互に認証を行い、対応している画像処理装置の種類や機種であるかの判定を行う。制御部10と画像表示部20とが互いに認証できたときには、制御部10が画像表示部20を制御し、画像表示部20に画像を表示する。そのため、この画像表示システムでは、制御部10と画像表示部20とが相互に認証を行うため、安全性の高い画像表示システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0120】
10…制御部
12…点灯部
14…タッチパッド
16…十字キー
18…電源スイッチ
20…画像表示部
21…耳掛部
22…右表示駆動部
24…左表示駆動部
26…右光学パネル
28…左光学パネル
29…記憶部
32…右イヤホン
34…左イヤホン
38…スピーカー
40…接続部
42…右ケーブル
44…左ケーブル
46…連結部
48…本ケーブル
50…プロジェクター
60…カーナビゲーション装置
100…頭部装着型表示装置
110…入力情報取得部
120…記憶部
130…電源
140…CPU
160…画像処理部
170…音声処理部
180…インターフェイス
190…表示制御部
201…右光源制御部
202…左光源制御部
221…右光源
222…左光源
251…右投写光学系
252…左投写光学系
261…右導光板
262…左導光板
600…操作部
700…液晶パネル部
705…パネル駆動部
740…投写光学系
745…投写光学系調整部
760…照明光学系
765…光源ランプ駆動部
800…筐体
TI…個別情報
PI…機種識別情報
SI…表示制御情報
AI…調整情報
DI…デバイス情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に基づいて画像を形成する画像表示装置を制御する制御装置であって、
前記制御装置に接続された前記画像表示装置の制御態様を特定する個別情報を前記画像表示装置から取得する取得部と、
前記取得した前記個別情報に基づいて、前記画像表示装置を制御する制御部と、を備える、制御装置。
【請求項2】
頭部装着型表示装置であって、
画像を表す画像光を生成する画像光生成部と、生成された前記画像光を使用者の眼に導く導光部と、を有し、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させ、前記個別情報を記憶する記憶部を有する画像表示部と、
請求項1に記載の制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記画像表示部と取り外し可能に接続され、現に接続されている前記画像表示部の前記記憶部から前記個別情報を読み出し、読み出された前記個別情報に応じた態様で前記画像表示部による画像表示を制御する、頭部装着型表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭部装着型表示装置であって、
前記個別情報は、前記画像表示部の機種を識別する機種識別情報を含み、
前記制御装置は、前記画像表示部の各機種と制御態様との対応を示す機種別制御情報を記憶する記憶部を有すると共に、現に接続されている前記画像表示部の機種を前記機種識別情報に基づき特定し、特定された機種に対応付けられた制御態様で前記画像表示部による画像表示を制御する、頭部装着型表示装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の頭部装着型表示装置であって、
前記個別情報は、使用者に認識される虚像の画質調整態様を特定する調整情報を含み、
前記制御装置は、前記調整情報に応じた態様で前記画像表示部に画質調整させる、頭部装着型表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の頭部装着型表示装置であって、
前記調整情報は、前記画像表示部の各使用者と画質調整態様との対応を示す使用者別調整情報を含み、
前記制御装置は、現に接続されている前記画像表示部の使用者を特定する情報を取得する情報取得部を有すると共に、前記情報取得部により特定された使用者に対応付けられた態様で前記画像表示部に画質調整させる、頭部装着型表示装置。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御装置は、所定のタイミングで前記画像表示部の画像表示状態を確認し、画像表示状態が正常ではない場合には、前記個別情報に基づき、前記制御装置による前記画像表示部の制御態様を更新する、頭部装着型表示装置。
【請求項7】
請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の頭部装着型表示装置であって、
前記制御装置は、現に接続されている前記画像表示部による画像表示の制御を正常に行えない場合には、前記制御装置と前記画像表示部との少なくとも一方を介して使用者に報知する、頭部装着型表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の制御装置であって、
さらに、前記画像表示装置を介して観察者に画像を視認させることが正常に行えない場合には、観察者に報知する報知部を備える、制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記画像表示装置を介して観察者に視認させる画像を、二次元で視認させる態様と三次元で視認させる態様と、を操作により切り替えることができ、前記個別情報に基づいて、前記画像表示装置が観察者に三次元で画像を視認させる態様に対応していないと判断した場合には、前記操作にかかわらず、二次元で画像を視認させる、制御装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の制御装置であって、
前記画像表示装置と一体として構成されている、制御装置。
【請求項11】
請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の制御装置であって、
前記個別情報は、前記画像表示装置の種類を識別する装置識別情報と、機種を識別する機種識別情報と、を含み、
前記制御装置は、前記画像表示装置の各種類と制御態様との対応とを示す装置別制御情報と、各機種と制御態様との対応とを示す機種別制御情報と、を記憶する記憶部を有すると共に、現に接続されている前記画像表示装置の種類と機種とを、前記装置識別情報と前記機種識別情報とに基づき特定し、特定された前記画像装置の種類と機種とに対応付けられた制御態様で前記画像表示装置を制御する、制御装置。
【請求項12】
請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の制御装置であって、
前記画像表示装置は、頭部装着型表示装置と、投写型表示装置と、ナビゲーション表示装置と、のうちの1つである、制御装置。
【請求項13】
画像表示システムであって、
観察者に画像を視認させる画像表示装置と、
請求項8ないし請求項12のいずれかに記載の制御装置と、を備え、
前記画像表示装置は、前記制御装置が前記個別情報に基づいて前記画像表示装置に対応していないと決定した場合に発信する信号を受信し、前記対応していないことを観察者に報知するために予め準備されたエラー画像を、観察者に視認させる、画像表示システム。
【請求項14】
画像表示システムであって、
観察者に画像を視認させる画像表示装置と、
請求項8ないし請求項12のいずれかに記載の制御装置と、を備え、
前記画像表示装置は、前記画像表示装置と前記制御装置とに電源を供給する電源部を有する、画像表示システム。
【請求項15】
画像表示システムであって、
接続された前記画像表示装置の認証を行う画像表示装置認証部を有する、請求項8ないし請求項12のいずれかに記載の制御装置と、
接続された前記制御装置の認証を行う制御装置認証部を有する画像表示装置と、を備える、画像表示システム。
【請求項16】
画像信号に基づいて画像を形成する画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置の制御態様を特定する個別情報を取得する工程と、
前記取得した前記個別情報に基づいて、前記画像表示装置を制御する工程と、を備える、方法。
【請求項17】
画像を表す画像光を生成する画像光生成部と生成された前記画像光を使用者の眼に導く導光部とを有し、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させる画像表示部と、前記画像表示部と取り外し可能に接続され、現に接続されている前記画像表示部による画像表示を制御する制御装置と、を備える頭部装着型表示装置の制御方法であって、
前記画像表示部は、前記制御装置による前記画像表示部の制御態様を特定する個別情報を記憶する記憶部を有し、
前記制御方法は、前記制御装置が、現に接続されている前記画像表示部の前記記憶部から前記個別情報を読み出し、読み出された前記個別情報に応じた態様で前記画像表示部による画像表示を制御する制御工程を備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−97096(P2013−97096A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238547(P2011−238547)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】