説明

画像表示装置及び画像形成装置

【課題】プレビュー画像の画質を重視するユーザー、プレビュー画像を速く表示させたいユーザーのいずれの要望にも応じることができる画像表示装置及びそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】設定受付部532はプレビュー画像の表示において、画質優先モードと表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモード設定を選択する操作を受け付ける。設定記憶部552は設定受付部532で選択する操作が受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容を記憶している。画像生成部56は表示受付部531がプレビュー画像の表示操作を受け付けると、設定記憶部552に記憶されている設定内容に応じたプレビュー画像を、画像データ記憶部551に記憶されている画像データを基にして生成する。表示制御部61はそのプレビュー画像を表示部410に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレビュー画像を表示する機能を有する画像表示装置及びそれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置には、プレビュー画像を表示する機能を有するものがある。プレビュー画像には、コピージョブやファクシミリ送信ジョブの実行前に結果を確認できる仕上がりプレビューや、文書ボックス機能を有する画像形成装置において、文書ボックスに格納されている画像データで表される文書を確認できる文書プレビューがある。
【0003】
プレビュー機能を有する画像形成装置として、画像を表示する表示部と、記録紙に画像を印刷する記録部と、操作者によって印刷条件が入力される操作部と、操作部に入力された印刷条件が反映された印刷条件入力用プレビュー画像を生成するプレビュー画像生成部と、操作部に入力された印刷条件と、プレビュー画像生成手段によって生成された印刷条件入力用プレビュー画像と互いに関連付けて記憶する印刷条件記憶部と、当該生成された印刷条件入力用プレビュー画像を表示部に表示させる表示制御部と、操作部に操作者から受け付けられた印刷条件入力用プレビュー画像に関連付けられた印刷条件を、印刷条件記憶部から読み出し、当該読み出した印刷条件で記録部に印刷を行わせる制御部と、を備えるものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−176133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレビュー画像を表示させる場合、プレビュー画像の画質を良くすれば、プレビュー画像が表示されるまでの時間が長くなる。これに対して、プレビュー画像が表示されるまでの時間が短くなるようにすれば、プレビュー画像の画質が低下する。
【0006】
ユーザーにはプレビュー画像の画質を重視する者もいれば、プレビュー画像を速く表示させたい者もいるため、両者の目的を満足させることは困難だった。
【0007】
本発明は、プレビュー画像の画質を重視するユーザー、プレビュー画像を速く表示させたいユーザーのいずれの要望にも応じることができる画像表示装置及びそれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の一の局面に係る画像表示装置は、画像を表す画像データが記憶される画像データ記憶部と、前記画像のプレビュー画像を表示する表示部と、前記プレビュー画像を前記表示部に表示させる操作を受け付ける表示受付部と、前記表示部に表示される前記プレビュー画像の画質と、前記表示受付部が前記プレビュー画像の表示操作を受け付けてから前記表示部に前記プレビュー画像が表示されるまでの時間の短さである表示パフォーマンスとについて、前記プレビュー画像の画質を予め定められた以上にする画質優先モード及び前記表示パフォーマンスを予め定められた以上にする表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモード設定を選択する操作を受け付ける設定受付部と、前記画質優先モードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容及び前記表示パフォーマンス優先モードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容を記憶する設定記憶部と、前記表示受付部が前記プレビュー画像の表示操作を受け付けると、前記設定受付部により受け付けられた前記画質優先モード又は前記表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモードに対応する設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成する画像生成部と、前記画像生成部で生成された前記プレビュー画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0009】
上記目的を達成する本発明の一の局面に係る画像表示装置では、表示部にプレビュー画像を表示させる場合に画質優先モードと表示パフォーマンス優先モードのいずれかが選択される。設定記憶部は設定受付部により選択する操作が受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容を記憶している。画質優先モードが選択されている場合に表示受付部がプレビュー画像の表示操作を受け付けると、画像データ生成部が、設定記憶部に記憶されている、画質優先モードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたプレビュー画像を生成し、表示制御部がそのプレビュー画像を表示部に表示させる。これにより、予め定められた以上の画質を有するプレビュー画像を表示させることができる。
【0010】
一方、表示パフォーマンス優先モードが選択されている場合に表示受付部がプレビュー画像の表示操作を受け付けると、画像データ生成部が、設定記憶部に記憶されている、表示パフォーマンス優先モードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたプレビュー画像を表すプレビュー画像を生成し、表示制御部がそのプレビュー画像を表示部に表示させる。これにより、予め定められた以上の表示パフォーマンスでプレビュー画像を表示させることができる。
【0011】
以上により、本発明の一の局面に係る画像表示装置によれば、プレビュー画像の画質を重視するユーザー、プレビュー画像を速く表示させたいユーザーのいずれの要望にも応じることができる。
【0012】
上記構成において、予め定められた認証データを基にしてメンテナンス者を認証する認証部と、前記認証部が前記メンテナンス者の認証をすることにより、前記メンテナンス者が前記画像表示装置をメンテナンスする操作ができるメンテナンスモードを実行するモード制御部と、を備え、前記設定受付部は、前記メンテナンスモードのときに前記選択する操作を受け付ける。
【0013】
この構成によれば、メンテナンス者の認証が必要となるメンテナンスモードのときに、設定受付部は画質優先モード又は表示パフォーマンス優先モードを選択する操作を受け付けるので、当該選択する操作をする者を制限することができる。
【0014】
上記構成において、前記設定記憶部は、前記メンテナンスモードのときに前記設定受付部で前記選択する操作が受け付けられたモードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容をデフォルト設定として記憶しており、前記認証部が前記メンテナンス者の認証をしていないときに、前記設定受付部が前記選択する操作を受け付けると、当該受け付けられたモードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容がユーザー設定として前記設定記憶部に記憶され、前記画像生成部は、前記設定記憶部に前記デフォルト設定及び前記ユーザー設定の両方が記憶されている場合、前記ユーザー設定を選択し、前記ユーザー設定に応じた設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成し、前記設定記憶部に前記デフォルト設定が記憶され、前記ユーザー設定が記憶されていない場合、前記デフォルト設定に応じた設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成する。
【0015】
この構成によれば、認証部がメンテナンス者の認証をしていないときに、設定受付部が画質優先モード又は表示パフォーマンス優先モードを設定する操作を受け付けると、当該受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容がユーザー設定として設定記憶部に記憶される。設定記憶部にデフォルト設定及びユーザー設定の両方が記憶されている場合、画像生成部はユーザー設定を選択し、ユーザー設定に応じたプレビュー画像を生成する。これに対して、設定記憶部にデフォルト設定が記憶され、ユーザー設定が記憶されていない場合、画像データ生成部はデフォルト設定に応じたプレビュー画像を生成する。
【0016】
従って、プレビュー画像の表示についてユーザー設定を選択したい場合はユーザー設定をし、デフォルト設定を選択したい場合はユーザー設定をしないことにより、デフォルト設定とユーザー設定を選択することができる。
【0017】
上記構成において、前記設定受付部は、前記画質優先モードにおいて前記プレビュー画像の画質を設定する操作及び前記表示パフォーマンス優先モードにおいて前記表示パフォーマンスを設定する操作をそれぞれ受け付け、前記設定記憶部には前記設定受付部で受け付けられた前記設定操作に対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容が記憶され、前記認証部が前記メンテナンス者の認証をしていない場合に、前記設定受付部は、前記画質優先モード又は前記表示パフォーマンス優先モードの前記設定内容について、前記認証部が前記メンテナンス者の認証をしている場合と比べて、簡素化された前記設定操作を受け付け、前記画像生成部は、前記表示受付部が前記プレビュー画像の表示操作を受け付けると、前記設定受付部により受け付けられた前記設定操作に対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成する。
【0018】
この構成によれば、設定受付部は、画質優先モードにおいてプレビュー画像の画質を設定する操作及び表示パフォーマンス優先モードにおいて表示パフォーマンスを設定する操作をそれぞれ受け付けており、認証部がメンテナンス者の認証をしていない場合に、認証部がメンテナンス者の認証をしている場合と比べて、設定受付部は簡素化された設定操作を受け付ける。従って、プレビュー画像の画質や表示パフォーマンスの設定に関して専門的知識を有さないユーザーに対して、設定に複雑な操作を要求しないようにすることができる。
【0019】
上記構成において、前記画質優先モードの前記設定内容及び前記表示パフォーマンス優先モードの前記設定内容に対応するサンプルプレビュー画像及び前記それぞれのモードの設定内容で前記プレビュー画像を生成した場合に必要と想定される表示時間のデータであるサンプルデータを予め記憶しているサンプルデータ記憶部を備え、前記設定受付部で前記設定操作が受け付けられると、前記表示制御部は、前記設定受付部により受け付けられた当該設定内容に対応する前記サンプルプレビュー画像及び前記表示時間を前記サンプルデータ記憶部から読み出し、当該サンプルプレビュー画像及び当該表示時間を含む設定画面を前記表示部に表示させる。
【0020】
この構成によれば、プレビュー画像の画質の設定時や表示パフォーマンスの設定時に実際のプレビュー画像の画質及びその表示パフォーマンスを想定して把握することができる。
【0021】
上記構成において、前記画質優先モードにおいて前記プレビュー画像の画質を設定する操作又は前記表示パフォーマンス優先モードにおいて前記表示パフォーマンスを設定する操作が前記設定受付部で受け付けられると、前記画像生成部は、前記設定受付部で受け付けられた当該設定操作に対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容に応じたサンプルプレビュー画像を生成し、当該画像表示装置は、前記画像生成部による前記サンプルプレビュー画像の生成を開始してから当該サンプルプレビュー画像が前記表示制御部により前記表示部に表示されるまでの時間を計測する計測部を備えており、前記表示制御部は、前記画像生成部で生成された前記サンプルプレビュー画像及び前記計測部で計測された時間を含む前記設定画面を前記表示部に表示させる。
【0022】
この構成によれば、プレビュー画像の画質の設定時や表示パフォーマンスの設定時に実際のプレビュー画像の画質及びその表示パフォーマンスを想定して把握することができる。
【0023】
また、この構成によれば、サンプルプレビュー画像の生成が開始されてからそのサンプルプレビュー画像が表示部に表示されるまでの時間を、計測部により計測し、表示制御部がその計測した時間を実際のプレビュー画像の表示パフォーマンスとして表示部に表示している。従って、表示パフォーマンスを複雑な計算をすることなく求めることができる。
【0024】
上記目的を達成する本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像表示装置と、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データに基づいて用紙に画像形成動作をする画像形成部と、を備える。
【0025】
本発明の他の局面に係る画像形成装置によれば、上述した本発明の一の局面に係る画像表示装置と同様の作用を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、プレビュー画像の画質を重視するユーザー、プレビュー画像を速く表示させたいユーザーのいずれの要望にも応じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。
【図2】操作部の部分拡大図である。
【図3】図1に示す複合機の制御ブロック図である。
【図4】メンテナンス者用のプレビュー画像の設定画面の一例を示す図である。
【図5】ユーザー用のプレビュー画像の設定画面の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る画像形成装置において、表示部にプレビュー画像を表示させる工程を説明するフローチャートである。
【図7】コピーの初期画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る画像表示装置及びこれを備えた画像形成装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機1の構成を示す側面概略図である。図2は、操作部400の部分拡大図である。複合機1は、スキャナー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能、コピー機能等を兼ね備えている。複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読取部500と、原稿読取部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0029】
図2にも示すように、操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、ヘルプキー431、スタートボタン432、テンキー433、及び機能切換キー434等を備える。
【0030】
ヘルプキー431は、操作者から、スキャナー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能、コピー機能等に関する各操作方法を表示する操作画面(ヘルプ画面)を表示部410に表示させるために操作されるキーである。
【0031】
スタートボタン432は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させるために操作されるキーである。テンキー433は、コピー部数を指定する指示等をするために操作されるキーである。
【0032】
機能切換キー434は、コピー機能、送信機能(スキャナー機能、ファクシミリ機能等)、文書ボックス機能(後述するHDD74内に設けられている操作者毎の記憶領域(メールボックス)に記憶されているデータを読み出してプリントする機能)等を相互に切り替える機能切換指示を操作者から受け付けるキーである。
【0033】
表示部410は、タッチパネル機能を組み合わせたタッチパネルユニット等を備えている。表示部410は、種々の操作画面や設定画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0034】
原稿給送部600は、原稿載置部601、給紙ローラー602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備える。原稿読取部500は、キャリッジ501を含むスキャナー部(図3)及びガラス等の透明部材により構成された原稿台503を備える。給紙ローラー602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次キャリッジ501の読み取り位置に搬送する。スキャナー部はキャリッジ501を利用して、搬送される原稿の画像を順次読み取り、又は原稿台503にセットされた原稿を読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0035】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラー202、転写ローラー203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラー208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0036】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読取部500において読み取られた原稿の画像に応じて変調されたレーザー光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0037】
一方、給紙ローラー202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラー203まで給送する。転写ローラー203は、搬送された記録紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラー208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0038】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0039】
図3は、図1に示す複合機1の制御ブロック図である。複合機1は、スキャナー部11、画像処理部21、プリンター部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、HDD(ハードディスクドライブ)74、及びファクシミリ通信部75を備える。
【0040】
スキャナー部11は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)13と図1に示すキャリッジ501に収容された露光ランプ12等を含む。スキャナー部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。
【0041】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像を必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理する。画像処理部21によって処理された画像データは印刷用に画像メモリ24に記憶され、又はプリンター部31に出力される。補正部22は、読み取られた画像に対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像の圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0042】
プリンター部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラー202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラー203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラー208等から構成される定着部35を含む。プリンター部31は、スキャナー部11により読み取られた原稿データを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像に対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0043】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェイス(10/100Base-TX)等を用
い、LANを介して外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。HDD74は、スキャナー部11によって読み取られた画像及び当該画像に設定されている出力形式等を記憶する。
【0044】
操作部400は、図1及び図2に示したように表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネル機能により各種指示の入力を受け付ける複数のキーを表示制御部61による制御の下で表示する。
【0045】
操作キー部430には、図2に示した機能切換キー434、スタートボタン432、及びテンキー433等が設けられている。
【0046】
図3において、ファクシミリ通信部75は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部75は、スキャナー部11によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信したりする。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調し、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0047】
制御部51は、動作制御部52、操作受付部53、データ記憶部55、画像生成部56、圧縮部57、認証部58、モード制御部59、計測部60及び表示制御部61を備える。これら各部の機能は、制御部51に備えられるCPU、RAM及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等並びにEEPROMに格納されたこれら各部の機能を実行するプログラムにより実現される。
【0048】
動作制御部52は、複合機1の各部(操作部400、スキャナー部11、画像処理部21、プリンター部31等)の動作制御を司る。
【0049】
操作受付部53は、操作者により操作部400が操作されると、その操作を受け付ける。操作受付部53は、表示受付部531と設定受付部532を備える。
【0050】
表示受付部531は、プレビュー画像を表示部410に表示するために、操作部400が操作されると(具体的には図7に示すプレビューキー4101)、その操作を受け付ける。
【0051】
設定受付部532は、プレビュー画像の画質を予め定められた以上にする画質優先モード及び表示パフォーマンスを予め定められた以上にする表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモード設定を選択する操作を受け付ける。表示パフォーマンスとは、表示受付部531がプレビュー画像の表示操作を受け付けてから表示部410にプレビュー画像が表示されるまでの時間の短さである。画質優先モードは表示パフォーマンスよりもプレビュー画像の画質を優先させるモードであり、表示パフォーマンス優先モードはプレビュー画像の画質よりも表示パフォーマンスを優先させるモードである。
【0052】
また、設定受付部532は、画質優先モードにおいてプレビュー画像の画質を設定する操作及び表示パフォーマンス優先モードにおいて表示パフォーマンスを設定する操作をそれぞれ受け付ける。
【0053】
さらに、設定受付部532は、後で説明する認証部58がメンテナンス者の認証をしていない場合に、認証部58がメンテナンス者の認証をしている場合と比べて、画質優先モード又は表示パフォーマンス優先モードの設定内容について、簡素化された設定操作を受け付ける。
【0054】
データ記憶部55は、画像データ記憶部551、設定記憶部552及びサンプルデータ記憶部553を含む。画像データ記憶部551は、原稿読取部500で読み取られた原稿の画像データが、画像処理部21で画像形成用の画像データに処理されたものを記憶する。
【0055】
設定記憶部552は、画質優先モードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容及び表示パフォーマンス優先モードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容を記憶する。
【0056】
また、設定記憶部552は、設定受付部532で受け付けられた設定操作に対応するプレビュー画像の画質の設定内容を記憶する。設定操作とは、画質優先モードにおいてプレビュー画像の画質を設定する操作及び表示パフォーマンス優先モードにおいて表示パフォーマンスを設定する操作である。
【0057】
サンプルデータ記憶部553は、サンプルデータを予め記憶している。サンプルデータとは、画質優先モードの設定内容及び表示パフォーマンス優先モードの設定内容に対応するサンプルプレビュー画像及びそれぞれのモードの設定内容でプレビュー画像を生成した場合に必要と想定される表示時間のデータである。
【0058】
また、データ記憶部55は、操作者に対する操作案内を行うための操作画面及び各種設定をするための設定画面を表示するための各種データや、スキャナー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能、コピー機能等の各機能の動作状況を表示するための表示画面用の画像データ(画像、文字、記号等の各データを含む)を記憶している。
【0059】
画像生成部56は、表示受付部531がプレビュー画像の表示操作を受け付けると、設定受付部532により受け付けられた画質優先モード又は表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモードに対応する設定内容を設定記憶部552から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいたプレビュー画像を、画像データ記憶部551に記憶されている画像データを基にして生成する。
【0060】
また、画像生成部56は、設定記憶部552にデフォルト設定及びユーザー設定の両方が記憶されている場合、ユーザー設定を選択し、ユーザー設定に応じた設定内容を設定記憶部552から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいたプレビュー画像を、画像データ記憶部551に記憶されている画像データを基にして生成する。画像生成部56は、設定記憶部552にデフォルト設定が記憶され、ユーザー設定が記憶されていない場合、デフォルト設定に応じた設定内容を設定記憶部552から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいたプレビュー画像を、画像データ記憶部551に記憶されている画像データを基にして生成する。
【0061】
後で説明する認証部58がメンテナンス者の認証をしている場合、設定受付部532で設定操作が受け付けられると、画像生成部56は、設定受付部532で受け付けられた設定操作に対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたサンプルプレビュー画像を生成する。設定操作とは、画質優先モードにおいてプレビュー画像の画質を設定する操作又は表示パフォーマンス優先モードにおいて表示パフォーマンスを設定する操作である。
【0062】
圧縮部57は、画像生成部56で生成されたプレビュー画像データを圧縮する処理をする。
【0063】
認証部58は、予め定められた認証データを基にして、複合機1のメンテナンス者を認証する。本実施形態ではメンテナンス者用のパスワードが認証に用いられる。認証部58には、認証データとしてメンテナンス者用のパスワードが記憶されている。メンテナンス者の認証にはID(identification)カード、生体認証などの他の認証を用いてもよい。
【0064】
モード制御部59は、認証部58でメンテナンス者の認証がされることによって、メンテナンス者が複合機1をメンテナンスする操作ができるメンテナンスモードを実行する。
【0065】
メンテナンスモードにおいて設定受付部532は、画質優先モード又は表示パフォーマンス優先モードを選択する操作を受け付ける。設定記憶部552は、メンテナンスモードのときに設定受付部532で前記選択する操作が受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容がデフォルト設定として記憶している。一方、認証部58がメンテナンス者の認証をしていないときに、設定受付部532が前記選択する操作を受け付けると、当該受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容がユーザー設定として設定記憶部552に記憶される。
【0066】
計測部60は、画像生成部56でサンプルプレビュー画像の生成を開始してからサンプルプレビュー画像が表示制御部61により表示部410に表示されるまでの時間を計測する。
【0067】
表示制御部61は、表示部410の表示動作を制御する。具体的には以下の(a)〜(d)の制御をする。
【0068】
(a)表示制御部61は、データ記憶部55から、操作画面の表示に必要な画像データ等を読み出して表示部410に表示させる。
【0069】
(b)表示制御部61は、画像生成部56で生成されたプレビュー画像を表示部に表示させる。
【0070】
(c)表示制御部61は、認証部58がメンテナンス者の認証をしていない場合、設定受付部532で設定操作が受け付けられると、 前記表示制御部61は、設定受付部532により受け付けられた当該設定内容に対応するサンプルプレビュー画像及び表示時間をサンプルデータ記憶部553から読み出し、当該サンプルプレビュー画像及び当該表示時間を含む設定画面を表示部410に表示させる。
【0071】
(d)表示制御部61は、画像生成部56で生成されたサンプルプレビュー画像及び計測部60で計測された時間を含む設定画面を表示部410に表示させる。
【0072】
なお、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、操作部400と、表示部410と、画像データ記憶部551と、表示受付部531と、設定受付部532と、設定記憶部552と、画像生成部56と、表示制御部61とを備え、更に、処理の必要性に応じて、認証部58と、モード制御部59と、サンプルデータ記憶部553と、計測部60とを備えてもよい。
【0073】
ここで、複合機1において、プレビュー画像の生成からプレビュー画像の表示までの処理について、コピー画像を例にして簡単に説明する。
【0074】
(1)図3に示すスキャナー部11で読み取られた原稿の画像データは、画像処理部21で画像形成用に処理された後、画像データ記憶部551に一時的に記憶される。
【0075】
(2)画像生成部56は、その画像データを画像データ記憶部551から取り出して、縮小等の処理をしてプレビュー画像を生成する。
【0076】
(3)圧縮部57は、プレビュー画像を圧縮して圧縮データを生成する。
【0077】
(4)表示制御部61は、その圧縮データをHDD74に記憶させると共に表示部410に送る。なお、制御部51と表示部410とがUSB(Universal Serial Bus)通信などで接続されている場合はその通信仕様に圧縮データが変換されて表示部410に転送される。
【0078】
(5)表示制御部61は、表示部410のドライバー(不図示)を制御して、圧縮データを伸長させ、そして表示部410にプレビュー画像を表示できるように、伸長したプレビュー画像のフォーマットを変換させてプレビュー画像を表示部410に表示させる。
【0079】
次に、複合機1におけるプレビュー画像の設定について説明する。図4はメンテナンス者用のプレビュー画像の設定画面440の一例を示す図であり、図5はユーザー用のプレビュー画像の設定画面460の一例を示す図である。いずれの設定画面も表示部410に表示される。
【0080】
メンテナンス者用のプレビュー画像の設定画面440は、認証部58がメンテナンス者を認証して、モード制御部59がメンテナンスモードを実行している状態で、操作部400において操作者が設定画面440を表示する操作をすることにより、表示制御部61が表示部410に表示をする。これに対して、ユーザー用のプレビュー画像の設定画面460は、認証部58がメンテナンス者の認証をしていない状態で、操作部400において操作者が設定画面460を表示する操作をすることにより、表示制御部61が表示部410に表示させる。
【0081】
本実施形態では、表示制御部61がプレビュー画像を表示部410に表示させる場合に、プレビュー画像の画質を優先するのか、表示パフォーマンスを優先するのかを選択できるようにしている。表示パフォーマンスとは、表示受付部531がプレビュー画像の表示操作を受け付けてから表示部410にプレビュー画像が表示されるまでの時間の短さである。表示パフォーマンスの向上とは表示パフォーマンスの時間が短くなることであり、表示パフォーマンスの低下とは表示パフォーマンスの時間が長くなることである。
【0082】
プレビュー画像の画質を変える設定には様々な方法があるので、画質の設定を組み合わせることで、異なる時間の表示パフォーマンスを実現できる。以下、具体的に説明する。
【0083】
メンテナンス者はプレビュー画像の画質の設定に関して専門的知識を有するので、図4に示すメンテナンス者用の設定画面440では、プレビュー画像の画質の細かな設定ができるようにされている。
【0084】
モード設定の項目において、メンテナンス者が画質優先モードキー441と表示パフォーマンス優先モードキー442のいずれかを操作することにより、その操作が設定受付部532で受け付けられて、これにより表示制御部61が操作された方のキーを反転表示させて、選択されたモードを示す。
【0085】
画質優先モードでは画像処理において高画質処理がされ、表示パフォーマンス優先モードでは画像処理において低画質処理がされる。画像処理は上記(2)で説明したプレビュー画像データを生成する処理の1つである。例えば、低画質処理では画像をプレビュー画像用に縮小した場合に目視できないレベルの部分(例えばページ付け)を削除する処理をする。これに対して、高画質処理では目視できないレベルの部分も表示されるように処理をする。低画質処理をすれば、表示パフォーマンスが向上するが、プレビュー画像の画質が低下する。高画質処理をすれば、プレビュー画像の画質が向上するが、表示パフォーマンスが低下する。
【0086】
サイズの項目において、メンテナンス者が数値を大きくするキー443や数値を小さくするキー444を操作することにより、その操作が操作受付部53で受け付けられて、これにより表示制御部61がプレビュー画像の縦のサイズを表示欄445に表示する。また、メンテナンス者が数値を大きくするキー446や数値を小さくするキー447を操作することにより、その操作が操作受付部53で受け付けられて、これにより表示制御部61がプレビュー画像の横のサイズを表示欄448に表示する。メンテナンス者はキー443,444,446,447を操作して、設定したい縦のサイズを表示欄445に表示させ、設定したい横のサイズを表示欄448に表示させる。サイズの設定は上記(2)で説明したプレビュー画像データを生成する処理の1つである。
【0087】
プレビュー画像のサイズを小さく設定すればプレビュー画像データが小さくなるので、表示パフォーマンスは向上するが、表示部410で表示する場合にプレビュー画像を拡大しなければならないのでプレビュー画像の画質が低下する。
【0088】
圧縮の項目では、メンテナンス者が選択キー449を操作することにより、その操作が操作受付部53で受け付けられて、これにより表示制御部61は圧縮部57に用意されているプレビュー画像データの複数の圧縮形式を表示欄450に順番に表示する。メンテナンス者は選択キー449を操作することにより、選択する圧縮形式を表示欄450に表示させる。圧縮は上記(3)で説明した処理である。可逆の圧縮形式や高画質の非可逆の圧縮形式に設定すれば、プレビュー画像の表示パフォーマンスは低下するが、プレビュー画像の画質を向上させることができる。低画質の非可逆の圧縮形式に設定すれば、プレビュー画像の画質は低下するが、プレビュー画像の表示パフォーマンスを向上させることができる。
【0089】
メンテナンス者が各項目について設定して、確定キー451を操作すると、その設定内容が設定受付部532で受け付けられて設定記憶部552に記憶される。画像生成部56は、設定記憶部552に記憶したその設定内容に応じたサンプルプレビュー画像を生成する。計測部60はサンプルプレビュー画像の生成を開始してからサンプルプレビュー画像が設定画面440に表示されるまでの時間を計測する。
【0090】
表示制御部61は、生成されたサンプルプレビュー画像452及び表示パフォーマンスとして計測部60で計測された時間を設定画面440に表示させる。画質優先モードの設定において、プレビュー画像の画質が一番悪くなる設定が、プレビュー画像の予め定められた画質となる。また、表示パフォーマンス優先モードにおいて、プレビュー画像の画質が一番良くなる設定で得られる表示パフォーマンスが予め定められた表示パフォーマンスとなる。
【0091】
一方、ユーザーは通常、プレビュー画像の画質の設定に関して専門的知識を有さないので、図5に示すユーザー用の設定画面460では、図4に示すメンテナンス者用の設定画面440と比べて、設定内容が簡素化されている。
【0092】
モード設定の項目において、ユーザーが画質優先モードキー461と表示パフォーマンス優先モードキー462のいずれかを操作することにより、その操作が設定受付部532で受け付けられて、これにより表示制御部61が操作されたキーを反転表示させて、選択されたモードを示す。
【0093】
画質優先モードでは画像処理において高画質処理がされ、表示パフォーマンス優先モードでは画像処理において低画質処理がされる。画像処理は上記(2)で説明したプレビュー画像データを生成する処理の1つである。高画質処理及び低画質処理は上述したメンテナンス者用の設定画面440の説明箇所で説明している。
【0094】
レベル設定の項目において、ユーザーはキー463,464,465のいずれかを操作することにより、その操作が設定受付部532で受け付けられて、これにより表示制御部61が操作されたキーを反転表示させて、選択されたレベルを示す。
【0095】
ユーザーが画質優先モードを選択した場合に、キー463を操作すれば高画質のプレビュー画像が選択され、キー465を操作すれば低画質のプレビュー画像が選択され、キー464を操作すれば高画質と低画質との間の画質のプレビュー画像が選択される。画質優先モードの設定において、低画質のプレビュー画像がプレビュー画像の予め定められた画質となる。
【0096】
一方、ユーザーが表示パフォーマンス優先モードを選択した場合に、キー463を操作すれば高い表示パフォーマンスが選択され、キー465を操作すれば低い表示パフォーマンスが選択され、キー464を操作すれば高い表示パフォーマンスと低い表示パフォーマンスとの間の表示パフォーマンスが選択される。表示パフォーマンス優先モードにおいて、低い表示パフォーマンスの設定で得られる表示パフォーマンスが予め定められた表示パフォーマンスとなる。
【0097】
以上の通り、ユーザー設定の設定操作には6通り、それぞれの設定操作に対応するプレビュー画像の画質の設定内容(具体的には、高画質のプレビュー画像に対応する画質の設定内容、低画質のプレビュー画像に対応する画質の設定内容、中画質のプレビュー画像に対応する画質の設定内容、高表示パフォーマンスに対応する画質の設定内容、低表示パフォーマンスに対応する画質の設定内容、中表示パフォーマンスに対応する画質の設定内容)が、データ記憶部55に予め記憶されている。
【0098】
ユーザーが設定操作をして、確定キー466を操作すると、その設定操作が設定受付部532で受け付けられて、設定受付部532はその設定操作に対応するプレビュー画像の画質の設定内容をデータ記憶部55から読み出して、設定記憶部552に記憶する。表示制御部61はその設定操作に対応するサンプルデータをサンプルデータ記憶部553から取り出して、そのサンプルデータを基にして、サンプルプレビュー画像465と表示時間を設定画面460に表示させる。表示時間とはサンプルプレビュー画像465を生成した設定内容でプレビュー画像を生成した場合に必要と想定される時間である。
【0099】
次に、複合機1におけるプレビュー画像の表示についてコピーを例に説明する。図6はそれを説明するフローチャートである。複合機1の主電源が操作者によってオンされると、表示制御部61は表示部410に図7に示すようなコピー機能の初期画面480を表示させる(ステップS1)。操作者とは複合機1を操作する者であり、ユーザーやメンテナンス者を意味する。
【0100】
操作者がコピーする原稿を図1に示す原稿載置部601又は原稿台503にセットし、操作者により初期画面480内のプレビューキー4101が操作されると、表示受付部531がその原稿のプレビュー画像を表示部410に表示させる操作を受け付ける(ステップS2)。これにより、まず、原稿読取部500が原稿の画像を読み取る(ステップS3)。
【0101】
原稿読取部500は、読み取った原稿の画像データを図2に示す画像処理部21に送り、画像処理部21はその画像データを画像形成用の画像データに処理して、画像データ記憶部551に記憶させる(ステップS4)。
【0102】
画像生成部56は、設定記憶部552にデフォルト設定及びユーザー設定の両方が記憶されていれば(ステップS5でYes)、ユーザー設定を選択する。そして、画像生成部56は、ステップS4で画像データ記憶部551に記憶させた画像形成用の画像データを用いて、ユーザー設定の設定内容に応じたプレビュー画像を生成する(ステップS6)。
【0103】
一方、画像生成部56は、設定記憶部552にユーザー設定が記憶されておらず、デフォルト設定だけが記憶されていれば(ステップS5でNo)、画像生成部56はステップS4で画像データ記憶部551に記憶させた画像形成用の画像データを用いて、デフォルト設定の設定内容に応じたプレビュー画像を生成する(ステップS7)。
【0104】
表示制御部61はステップS6が実行されると、ステップS6で生成されたプレビュー画像を表示部410に表示させ、ステップS7が実行されると、ステップS7で生成されたプレビュー画像を表示部410に表示させる(ステップS8)。これにより、図7に示すコピーイメージ4102の箇所にプレビュー画像が表示される。
【0105】
操作者がそのプレビュー画像を見て、コピーイメージを確認し、コピーの設定内容を変えたい場合、スタートボタン432を操作せずに(ステップS9でNo)、操作部400のクリアーキー(不図示)を操作して、ステップS1からやり直す。
【0106】
一方、操作者がそのプレビュー画像を見て、コピーを実行する場合、スタートボタン432を操作する(ステップS9でYes)、これにより、図3に示すプリンター部31(画像形成部33)は、画像データ記憶部551に記憶されているコピーする原稿の画像データを基にして、用紙に画像形成動作をし(ステップS10)、画像が形成された用紙を排出する。
【0107】
本実施形態の主な効果を説明する。本実施形態では、表示部410にプレビュー画像を表示させる場合に画質優先モードと表示パフォーマンス優先モードのいずれかが選択される。設定記憶部552は設定受付部532により選択する操作が受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容を記憶している。画質優先モードが選択されている場合に表示受付部531がプレビュー画像の表示操作を受け付けると、画像生成部56が、設定記憶部552に記憶されている、画質優先モードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたプレビュー画像を生成し、表示制御部61がそのプレビュー画像を表示部410に表示させる。これにより、予め定められた画質を有するプレビュー画像を表示させることができる。
【0108】
一方、表示パフォーマンス優先モードが選択されている場合に表示受付部531がプレビュー画像の表示操作を受け付けると、画像生成部56が、設定記憶部552に記憶されている、表示パフォーマンス優先モードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたプレビュー画像を表すプレビュー画像を生成し、表示制御部61がそのプレビュー画像を表示部410に表示させる。これにより、予め定められた表示パフォーマンス以上でプレビュー画像を表示させることができる。
【0109】
以上により、本実施形態によれば、プレビュー画像の画質を重視するユーザー、プレビュー画像を速く表示させたいユーザーのいずれの要望にも応じることができる。
【0110】
また、本実施形態によれば、図4に示すようにメンテナンス者の認証が必要となるメンテナンスモードにおいて、画質優先モード及び表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモードの選択、並びに、そのモードでの設定をすることができる。このため、それらの選択や設定をする者を制限することができる。
【0111】
さらに、本実施形態によれば、図5に示すように、認証部58がメンテナンス者の認証をしていない時に、設定受付部532が画質優先モード又は表示パフォーマンス優先モードを設定する操作を受け付けると、当該受け付けられたモードに対応するプレビュー画像の画質の設定内容がユーザー設定として設定記憶部552に記憶される。図6のステップS5で説明したように、設定記憶部552にデフォルト設定及びユーザー設定の両方が記憶されている場合、画像生成部56はユーザー設定を選択し、ユーザー設定に応じたプレビュー画像を生成する。これに対して、設定記憶部552にデフォルト設定が記憶され、ユーザー設定が記憶されていない場合、画像生成部56はデフォルト設定に応じたプレビュー画像を生成する。
【0112】
従って、プレビュー画像の表示についてユーザー設定を選択したい場合はユーザー設定をし、デフォルト設定を選択したい場合はユーザー設定をしないことにより、デフォルト設定とユーザー設定を選択することができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、図4及び図5で説明したように、設定受付部532は、画質優先モードにおいてプレビュー画像の画質を設定する操作及び表示パフォーマンス優先モードにおいて表示パフォーマンスを設定する操作をそれぞれ受け付けている。認証部58がメンテナンス者の認証をしていない場合に、認証部58がメンテナンス者の認証をしている場合と比べて、設定受付部532は簡素化された設定操作を受け付ける。従って、プレビュー画像の画質や表示パフォーマンスの設定に関して専門的知識を有さないユーザーに対して、設定に複雑な操作を要求しないようにすることができる。
【0114】
本実施形態によれば、図5で説明したように、画質優先モードでのプレビュー画像の画質を設定する操作及び表示パフォーマンス優先モードでの表示パフォーマンスを設定する操作において、これらの設定操作に対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたサンプルプレビュー画像465及び表示時間を含む設定画面460を表示させている。従って、プレビュー画像の画質の設定時や表示パフォーマンスの設定時に実際のプレビュー画像の画質及びその表示パフォーマンスを想定して把握することができる。
【0115】
本実施形態によれば、図4で説明したように、画質優先モードでのプレビュー画像の画質を設定する操作及び表示パフォーマンス優先モードでの表示パフォーマンスを設定する操作において、これらの設定操作に対応するプレビュー画像の画質の設定内容に応じたサンプルプレビュー画像452及び計測部60で計測された表示時間を含む設定画面440を表示させている。従って、プレビュー画像の画質の設定時や表示パフォーマンスの設定時に実際のプレビュー画像の画質及びその表示パフォーマンスを想定して把握することができる。
【0116】
さらに、サンプルプレビュー画像の生成を開始してからそのサンプルプレビュー画像が表示部410に表示されるまでの時間を、計測部60により計測し、表示制御部61がその計測した時間を実際のプレビュー画像の表示パフォーマンスとして表示部410に表示している。従って、表示パフォーマンスを複雑な計算をすることなく求めることができる。
【0117】
なお、本実施形態では図3に示すスキャナー部11で読み取られる原稿のプレビュー画像を表示部410に表示させる例で説明したが、HDD74に割り当てられた文書ボックスに格納されている文書データで表される文書のプレビュー画像を表示部410に表示させることもできる。
【符号の説明】
【0118】
1 複合機(画像形成装置の一例)
440 設定画面
452 サンプルプレビュー画像
460 設定画面
465 サンプルプレビュー画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表す画像データが記憶される画像データ記憶部と、
前記画像のプレビュー画像を表示する表示部と、
前記プレビュー画像を前記表示部に表示させる操作を受け付ける表示受付部と、
前記表示部に表示される前記プレビュー画像の画質と、前記表示受付部が前記プレビュー画像の表示操作を受け付けてから前記表示部に前記プレビュー画像が表示されるまでの時間の短さである表示パフォーマンスとについて、前記プレビュー画像の画質を予め定められた以上にする画質優先モード及び前記表示パフォーマンスを予め定められた以上にする表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモード設定を選択する操作を受け付ける設定受付部と、
前記画質優先モードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容及び前記表示パフォーマンス優先モードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容を記憶する設定記憶部と、
前記表示受付部が前記プレビュー画像の表示操作を受け付けると、前記設定受付部により受け付けられた前記画質優先モード又は前記表示パフォーマンス優先モードのいずれかのモードに対応する設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成する画像生成部と、
前記画像生成部で生成された前記プレビュー画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える画像表示装置。
【請求項2】
予め定められた認証データを基にしてメンテナンス者を認証する認証部と、
前記認証部が前記メンテナンス者の認証をすることにより、前記メンテナンス者が前記画像表示装置をメンテナンスする操作ができるメンテナンスモードを実行するモード制御部と、を備え、
前記設定受付部は、前記メンテナンスモードのときに前記選択する操作を受け付ける請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記設定記憶部は、前記メンテナンスモードのときに前記設定受付部で前記選択する操作が受け付けられたモードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容をデフォルト設定として記憶しており、
前記認証部が前記メンテナンス者の認証をしていないときに、前記設定受付部が前記選択する操作を受け付けると、当該受け付けられたモードに対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容がユーザー設定として前記設定記憶部に記憶され、
前記画像生成部は、前記設定記憶部に前記デフォルト設定及び前記ユーザー設定の両方が記憶されている場合、前記ユーザー設定を選択し、前記ユーザー設定に応じた設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成し、前記設定記憶部に前記デフォルト設定が記憶され、前記ユーザー設定が記憶されていない場合、前記デフォルト設定に応じた設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成する請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記設定受付部は、前記画質優先モードにおいて前記プレビュー画像の画質を設定する操作及び前記表示パフォーマンス優先モードにおいて前記表示パフォーマンスを設定する操作をそれぞれ受け付け、
前記設定記憶部には前記設定受付部で受け付けられた前記設定操作に対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容が記憶され、
前記認証部が前記メンテナンス者の認証をしていない場合に、前記設定受付部は、前記画質優先モード又は前記表示パフォーマンス優先モードの前記設定内容について、前記認証部が前記メンテナンス者の認証をしている場合と比べて、簡素化された前記設定操作を受け付け、
前記画像生成部は、前記表示受付部が前記プレビュー画像の表示操作を受け付けると、前記設定受付部により受け付けられた前記設定操作に対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容を前記設定記憶部から読み出し、当該読み出した設定内容に基づいた前記プレビュー画像を、前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを基にして生成する請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画質優先モードの前記設定内容及び前記表示パフォーマンス優先モードの前記設定内容に対応するサンプルプレビュー画像及び前記それぞれのモードの設定内容で前記プレビュー画像を生成した場合に必要と想定される表示時間のデータであるサンプルデータを予め記憶しているサンプルデータ記憶部を備え、
前記設定受付部で前記設定操作が受け付けられると、前記表示制御部は、前記設定受付部により受け付けられた当該設定内容に対応する前記サンプルプレビュー画像及び前記表示時間を前記サンプルデータ記憶部から読み出し、当該サンプルプレビュー画像及び当該表示時間を含む設定画面を前記表示部に表示させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画質優先モードにおいて前記プレビュー画像の画質を設定する操作又は前記表示パフォーマンス優先モードにおいて前記表示パフォーマンスを設定する操作が前記設定受付部で受け付けられると、前記画像生成部は、前記設定受付部で受け付けられた当該設定操作に対応する前記プレビュー画像の画質の設定内容に応じたサンプルプレビュー画像を生成し、
当該画像表示装置は、前記画像生成部による前記サンプルプレビュー画像の生成を開始してから当該サンプルプレビュー画像が前記表示制御部により前記表示部に表示されるまでの時間を計測する計測部を備えており、
前記表示制御部は、前記画像生成部で生成された前記サンプルプレビュー画像及び前記計測部で計測された時間を含む前記設定画面を前記表示部に表示させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置と、
前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データに基づいて用紙に画像形成動作をする画像形成部と、を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−176586(P2012−176586A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41692(P2011−41692)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】