説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】被投射面上に光を走査して画像を表示する場合において、装置コストの増大を防ぎつつ、光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制して表示品質の向上を図る。
【解決手段】被投射面上に光を走査して画像を表示する画像表示装置であって、表示画像を示す階調信号を入力とし、当該階調信号に応じた駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記駆動信号に応じた光量を有する光を発生する光源と、前記光源から発生する光を前記被投射面上に走査する走査手段と、前記被投射面上における前記光の照射位置を検出する照射位置検出手段と、前記照射位置に応じて前記駆動信号を補正するための補正信号を前記駆動信号生成手段に出力する補正手段と、を具備し、前記駆動信号生成手段は、前記補正信号を基に前記駆動信号を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置の一形態として、レーザ光などのビーム状の光を被投射面上でラスタースキャンして画像を表示するレーザスキャンディスプレイが注目されている。このようなレーザスキャンディスプレイは、レーザ光の供給を停止することで完全な黒を表現できるため、例えば液晶ライトバルブを用いたプロジェクタ等と比べてコントラストが非常に高く、また、レーザ光が単一波長であるために色純度が高く、コヒーレンスが高いためにビームを整形しやすい(絞りやすい)等の特徴を有することから、高コントラスト、高色再現性及び高解像度を実現する高画質ディスプレイとして期待されている。
【0003】
高速走査及び大偏角が要求されるレーザスキャンディスプレイでは、レーザスキャナとして共振型のMEMS(Micro Electro Mechanical System)スキャナを用いることが多い(下記特許文献1参照)。このMEMSスキャナとは、単結晶シリコン等の半導体材料を微細加工してトーションバネ等で支持した反射ミラーを形成したものであり、当該反射ミラーを静電力やローレンツ力等により駆動し、これら外力とトーションバネの復元力との相互作用で反射ミラーを所定の角度範囲内において回動させることによりレーザ光を走査するものである。
【特許文献1】特開2007−47354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のMEMSスキャナは共振型スキャナであるため、反射ミラーの回転角は正弦関数的に変化するという特性がある。そのため、例えば水平方向に対する走査に着目した場合、画面中央におけるレーザ光の走査速度が最も速く、画面端に向かうに従ってレーザ光の走査速度は低下する。これにより、レーザ光の走査速度が速い画面中央付近では表示輝度が暗くなり、走査速度の遅い画面端付近では表示輝度が明るくなってしまい、画像の階調値に応じた所望の表示輝度を得られなくなるという問題が生じる。
【0005】
このような問題を解決するために、レーザ光の走査速度をレーザ照射位置に応じて補正する、つまり、回転角の正弦関数的な変化を補正するように反射ミラーを駆動する方法が考えられるが、共振型のMEMSスキャナにおいてこのような駆動制御を行うことは極めて難しく、実現は困難である。また、他の方法として、レーザ照射位置に応じて階調値を補正する、つまり、画面中央付近では階調値を当初の値より高くし、また、画面端付近では階調値を当初の値より低くする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、レーザスキャンディスプレイ内に設けられた映像信号処理回路の処理可能な階調数を増大させる必要があるため、映像信号処理回路の高スペック化による装置コストの増大を招くことになる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、被投射面上に光を走査して画像を表示する場合において、装置コストの増大を防ぎつつ、光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制して表示品質の向上を図ることのできる画像表示装置及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像表示装置は、被投射面上に光を走査して画像を表示する画像表示装置であって、表示画像を示す階調信号を入力とし、当該階調信号に応じた駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記駆動信号に応じた光量を有する光を発生する光源と、前記光源から発生する光を前記被投射面上に走査する走査手段と、前記被投射面上における前記光の照射位置を検出する照射位置検出手段と、前記照射位置に応じて前記駆動信号を補正するための補正信号を前記駆動信号生成手段に出力する補正手段と、を具備し、前記駆動信号生成手段は、前記補正信号を基に前記駆動信号を補正する、ことを特徴とする。
このような特徴を有する画像表示装置によれば、被投射面上における光の照射位置に応じて光源に供給する駆動信号を補正することで、光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制するため、映像信号処理回路の処理可能な階調数を増大させる必要がない(高スペック化を図る必要がない)。その結果、装置コストの増大を防ぎつつ、光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制して表示品質の向上を図ることが可能である。
【0008】
また、上述した画像表示装置において、前記光源は、前記光としてレーザ光を発生する
レーザダイオードであり、前記駆動信号生成手段は、前記駆動信号として駆動電流を生成して前記レーザダイオードに出力し、前記補正手段は、前記照射位置に応じて前記駆動電流の電流値を補正するための補正信号を前記駆動信号生成手段に出力する、ことが望ましい。
一般的にレーザダイオードは電流駆動素子であるため、光源としてレーザダイオードを用いた場合は、レーザダイオードに供給する駆動電流の電流値を照射位置に応じて補正することにより、レーザ光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制することができる。例えば、画面中央付近で表示輝度が低下する場合には駆動電流の電流値を増やしてレーザ光の光量を増大させ、画面端付近で表示輝度が高くなる場合には駆動電流の電流値を小さくしてレーザ光の光量を低下させれば良い。
【0009】
また、上述した画像表示装置において、前記駆動信号生成手段は、前記階調信号として前記照射位置に対応する画素の階調値を規定するビット数Nのデジタル階調データを入力とし、前記デジタル階調データの各ビットに対応して設けられ、各々に対応するビットデータに応じて2端子間の接続/非接続を切り替える第1〜第Nのスイッチ素子と、
前記第1〜第Nのスイッチ素子の各々に対応して設けられ、制御端子を除く2端子の内の第1の端子が各々に対応する第1〜第Nのスイッチ素子の一方の端子と接続され、第2の端子が共通電位線と接続された第1〜第Nの出力側トランジスタ素子と、利得指示信号を入力とし、当該利得指示信号によって指示される電流利得を用いて最大階調値に対応する電流を生成する第1の電流源と、制御端子を除く2端子の内の第1の端子が前記第1の電流源と接続され、第2の端子が前記共通電位線と接続されると共に、制御端子が自身の前記第1の端子と前記第1〜第Nの出力側トランジスタ素子の制御端子と接続された入力側トランジスタ素子と、前記レーザダイオードの閾値電流を生成すると共に、一端が前記第1〜第Nのスイッチ素子の他方の端子と接続され、他端が前記共通電位線と接続された第2の電流源と、前記閾値電流と前記第1〜第Nのスイッチ素子の他方の端子に流れる電流との合成電流を入力とし、当該合成電流と略同一の電流値を有する電流を前記駆動電流として生成するカレントミラー回路と、を備え、前記第1〜第Nの出力側トランジスタ素子の電気的特性は、各々に対応するビットデータに応じた電流を生成するように設定されており、前記補正手段は、前記補正信号として前記照射位置に応じた前記第1の電流源の電流利得を指示するための利得指示信号を前記第1の電流源に出力する、ことが望ましい。
光源としてレーザダイオードを用い、階調信号としてレーザ光の照射位置に対応する画素の階調値を規定するビット数Nのデジタル階調データを用いる場合、上記のように駆動信号生成手段をカレントミラー回路によって構成することにより、簡単且つ安価な回路構成で階調値に応じた電流値を有する駆動電流を生成することができる。さらに、駆動信号生成手段をこのような構成とすると、第1の電流源の電流利得を照射位置に応じて変えることにより、簡単且つ安価な回路構成で駆動電流の電流値を補正することができる。
【0010】
また、上述した画像表示装置において、前記駆動信号生成手段は、前記階調信号として前記照射位置に対応する画素の階調値を規定するPWM(Pulse Width Modulation)階調信号を入力とし、前記PWM階調信号に応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子と、制御端子を除く2端子の内の第1の端子が前記スイッチ素子の一方の端子と接続され、第2の端子が共通電位線と接続された出力側トランジスタ素子と、利得指示信号を入力とし、当該利得指示信号によって指示される電流利得を用いて最大階調値に対応する電流を生成する第1の電流源と、制御端子を除く2端子の内の第1の端子が前記第1の電流源と接続され、第2の端子が前記共通電位線と接続されると共に、制御端子が自身の前記第1の端子と前記出力側トランジスタ素子の制御端子と接続された入力側トランジスタ素子と、前記レーザダイオードの閾値電流を生成すると共に、一端が前記スイッチ素子の他方の端子と接続され、他端が前記共通電位線と接続された第2の電流源と、前記閾値電流と前記スイッチ素子の他方の端子に流れる電流との合成電流を入力とし、当該合成電流と略同一の電流値を有する電流を前記駆動電流として生成するカレントミラー回路と、を備え、前記補正手段は、前記補正信号として前記照射位置に応じた前記第1の電流源の電流利得を指示するための利得指示信号を前記第1の電流源に出力する、ことが望ましい。
光源としてレーザダイオードを用い、階調信号としてレーザ光の照射位置に対応する画素の階調値を規定するPWM階調信号を用いる場合であっても、上記のように駆動信号生成手段をカレントミラー回路によって構成することにより、簡単且つ安価な回路構成で階調値に応じた電流値を有する駆動電流を生成することができる。さらに、第1の電流源の電流利得を照射位置に応じて変えることにより、簡単且つ安価な回路構成で駆動電流の電流値を補正することができる。
【0011】
また、上述した画像表示装置において、前記走査手段は、前記光を反射する反射ミラーと、前記反射ミラーの反射面に沿った第1の軸回りに前記反射ミラーを回転させるための第1の回転支持部と、前記反射面に沿い、且つ前記第1の軸に直交する第2の軸回りに前記反射ミラーを回転させるための第2の回転支持部とを備えるMEMS(Micro Electro Mechanical System)スキャナであり、前記照射位置検出手段は、前記反射ミラーの前記第1の軸回りの回転角及び前記第2の軸回りの回転角を前記照射位置として検出する、ことが望ましい。
このように、走査手段としてMEMSスキャナを用いた場合、MEMSスキャナの利点である高速走査及び大偏角走査を活かしつつ、走査速度(反射ミラーの角度)の正弦関数的な変動による画面内表示輝度の変化を抑制することができるので、高解像度及び高表示品質の画像表示装置を提供することができる。また、被投射面上における光の照射位置は、MEMSスキャナの反射ミラーの第1の軸回りの回転角及び第2の軸回りの回転角を検出するだけで簡単に知ることができる。
【0012】
また、本発明に係る画像表示方法は、被投射面上に光を走査して画像を表示する画像表示方法であって、表示画像を示す階調信号に応じた駆動信号を生成する第1の工程と、前記駆動信号に応じた光量を有する光を発生する第2の工程と、前記光源から発生する光を前記被投射面上に走査する第3の工程と、前記被投射面上における前記光の照射位置を検出する第4の工程と、前記照射位置に応じて前記駆動信号を補正する第5の工程と、を有することを特徴とする。
このような特徴を有する画像表示方法によれば、被投射面上における光の照射位置に応じて光源に供給する駆動信号を補正することで、光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制するため、映像信号処理回路の処理可能な階調数を増大させる必要がない(高スペック化を図る必要がない)。その結果、装置コストの増大を防ぎつつ、光の照射位置に依存して生じる表示輝度の変化を抑制して表示品質の向上を図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る画像表示装置LSDの機能ブロック図である。なお、本画像表示装置LSDとして、スクリーン(被投射面)100上にレーザ光を走査して画像を表示するレーザスキャンディスプレイを例示して説明する。
【0014】
図1に示すように、第1実施形態に係る画像表示装置LSDは、映像信号処理回路10、赤色レーザドライバ20R、緑色レーザドライバ20G、青色レーザドライバ20B、赤色レーザダイオード30R、緑色レーザダイオード30G、青色レーザダイオード30B、光軸合わせ用光学系40、レーザ走査部50、走査駆動部60、照射位置検出部70、補正信号発生回路80、画素同期クロック発生回路90を備えている。
【0015】
映像信号処理回路10は、例えばノート型パソコン等の外部の画像供給装置(図示せず)から送信される映像信号及び同期信号(垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsync)を入力とし、当該映像信号及び同期信号を基に表示すべき画像の各画素に対応する階調値を規定するデジタル階調データを生成し、当該デジタル階調データを1フレーム単位で内部メモリに格納する。本実施形態では、説明の便宜上、デジタル階調データのビット数Nを4とする。つまり、本画像表示装置LSDは、「0」〜「15」までの16階調(4096色)の画像表示が可能である。
【0016】
また、この映像信号処理回路10は、照射位置検出部70から入力される、1フレームの開始を規定するパルス状のフレームタイミング信号Ftと、1水平走査期間の開始及び終了を規定するパルス状の走査タイミング信号Stとを基に、内部メモリに格納されているデジタル階調データの読み出しを行うと共に、画素同期クロック発生回路90から入力される、1水平走査期間における各画素に対応するレーザ光の照射タイミングを規定するパルス状の画素同期クロック信号CLに同期して、レーザ光の照射位置に対応する画素のデジタル階調データを赤色レーザドライバ20R、緑色レーザドライバ20G及び青色レーザドライバ20Bに出力する。より具体的には、映像信号処理回路10は、レーザ光の照射位置に対応する画素が赤色用画素の場合、当該赤色画素用の赤色階調データDRを赤色レーザドライバ20Rに出力し、レーザ光の照射位置に対応する画素が緑色用画素の場合、当該緑色画素用の緑色階調データDGを緑色レーザドライバ20Gに出力し、また、レーザ光の照射位置に対応する画素が青色用画素の場合、当該青色画素用の青色階調データDBを青色レーザドライバ20Bに出力する。
【0017】
赤色レーザドライバ(駆動信号生成手段)20Rは、上記赤色階調データDRと、補正信号発生回路80から出力される利得指示信号Gsとを入力とし、利得指示信号Gsによって指示された電流利得を用いて赤色階調データDRに応じた駆動電流IRを生成して、赤色レーザダイオード30Rに出力する。以下、この赤色レーザドライバ20Rの詳細な構成について説明する。
【0018】
図2は、赤色レーザドライバ20Rの回路構成図である。この図2に示すように、赤色レーザドライバ20Rは、第1の電流源CS1、第2の電流源CS2、第1の入力側トランジスタ素子Ti1、第2の入力側トランジスタ素子Ti2、第1の出力側トランジスタ素子To1、第2の出力側トランジスタ素子To2、第3の出力側トランジスタ素子To3、第4の出力側トランジスタ素子To4、第5の出力側トランジスタ素子To5、第1のスイッチ素子SW1、第2のスイッチ素子SW2、第3のスイッチ素子SW3及び第4のスイッチ素子SW4から構成されている。
【0019】
第1の電流源CS1は、利得指示信号Gsを入力とし、利得指示信号Gsによって指示された電流利得を用いて電流Isを生成する可変利得型の定電流源であり、その入力端子は電源ラインVccに接続され、出力端子は第1の入力側トランジスタ素子Ti1のドレイン端子及びゲート端子に接続されている。ここで、第1の電流源CS1は、利得指示信号Gsによって指示された電流利得を用いて、最大階調値(本実施形態では「15」)に対応する電流値を有する電流Isを生成する。つまり、電流利得をαとし、最大階調値に対応する電流値の基準値(α=1の場合の最大階調値に対応する電流値)をImとすると、第1の電流源CS1の生成する電流Isは、Is=α・Imで表される。
【0020】
第1の入力側トランジスタ素子Ti1は、nチャネル型のMOS(Positive Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ素子であり、ドレイン端子(第1の端子)は第1の電流源CS1の出力端子に接続され、ゲート端子(制御端子)は第1の電流源CS1の出力端子と第1の出力側トランジスタ素子To1〜第4の出力側トランジスタ素子To4のゲート端子に接続され、ソース端子(第2の端子)はグランドライン(共通電位線)と接続されている。
【0021】
第1の出力側トランジスタ素子To1は、nチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ドレイン端子は第1のスイッチ素子SW1の一方の端子に接続され、ゲート端子は第1の入力側トランジスタ素子Ti1と第2の出力側トランジスタ素子To2〜第4の出力側トランジスタ素子To4のゲート端子に接続され、ソース端子はグランドラインと接続されている。
【0022】
第2の出力側トランジスタ素子To2は、nチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ドレイン端子は第2のスイッチ素子SW2の一方の端子に接続され、ゲート端子は第1の入力側トランジスタ素子Ti1、第1の出力側トランジスタ素子To1、第3の出力側トランジスタ素子To3及び第4の出力側トランジスタ素子To4のゲート端子に接続され、ソース端子はグランドラインと接続されている。
【0023】
第3の出力側トランジスタ素子To3は、nチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ドレイン端子は第3のスイッチ素子SW3の一方の端子に接続され、ゲート端子は第1の入力側トランジスタ素子Ti1、第1の出力側トランジスタ素子To1、第2の出力側トランジスタ素子To2及び第4の出力側トランジスタ素子To4のゲート端子に接続され、ソース端子はグランドラインと接続されている。
【0024】
第4の出力側トランジスタ素子To4は、nチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ドレイン端子は第4のスイッチ素子SW4の一方の端子に接続され、ゲート端子は第1の入力側トランジスタ素子Ti1、第1の出力側トランジスタ素子To1〜第3の出力側トランジスタ素子To3のゲート端子に接続され、ソース端子はグランドラインと接続されている。
【0025】
つまり、第1の電流源CS1、第1の入力側トランジスタ素子Ti1、第1の出力側トランジスタ素子To1〜第4の出力側トランジスタ素子To4によって、第1の入力側トランジスタ素子Ti1を入力側のトランジスタとし、第1の出力側トランジスタ素子To1〜第4の出力側トランジスタ素子To4を出力側のトランジスタとするカレントミラー回路が構成されている。ここで、本実施形態では、第1の出力側トランジスタ素子To1〜第4の出力側トランジスタ素子To4の電気的特性を、各々に対応するビットデータに応じた電流を生成するように設定する。
【0026】
具体的には、第1の出力側トランジスタ素子To1は、4ビットの赤色階調データDRの内、LSBである1ビット目のビットデータB1に対応しており、第1の電流源CS1によって生成される電流Isの1/15の電流が生成されるように電気的特性が設定されている。また、第2の出力側トランジスタ素子To2は、4ビットの赤色階調データDRの内、2ビット目のビットデータB2に対応しており、電流Isの2/15の電流が生成されるように電気的特性が設定されている。また、第3の出力側トランジスタ素子To3は、4ビットの赤色階調データDRの内、3ビット目のビットデータB3に対応しており、電流Isの4/15の電流が生成されるように電気的特性が設定されている。また、第4の出力側トランジスタ素子To4は、4ビットの赤色階調データDRの内、MSBである4ビット目のビットデータB4に対応しており、電流Isの8/15の電流が生成されるように電気的特性が設定されている。
【0027】
第1のスイッチ素子SW1は、4ビットの赤色階調データDRの内、LSBである1ビット目のビットデータB1に対応し、当該ビットデータB1の値に応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子であり、その一方の端子は第1の出力側トランジスタ素子To1のドレイン端子に接続され、他方の端子は第2の電流源CS2の入力端子に接続されている。本実施形態では、ビットデータB1が「1」の場合に接続、「0」の場合に非接続とする。
【0028】
第2のスイッチ素子SW2は、4ビットの赤色階調データDRの内、2ビット目のビットデータB2に対応し、当該ビットデータB2の値に応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子であり、その一方の端子は第2の出力側トランジスタ素子To2のドレイン端子に接続され、他方の端子は第2の電流源CS2の入力端子に接続されている。本実施形態では、ビットデータB2が「1」の場合に接続、「0」の場合に非接続とする。
【0029】
第3のスイッチ素子SW3は、4ビットの赤色階調データDRの内、3ビット目のビットデータB3に対応し、当該ビットデータB3の値に応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子であり、その一方の端子は第3の出力側トランジスタ素子To3のドレイン端子に接続され、他方の端子は第2の電流源CS2の入力端子に接続されている。本実施形態では、ビットデータB3が「1」の場合に接続、「0」の場合に非接続とする。
【0030】
第4のスイッチ素子SW4は、4ビットの赤色階調データDRの内、MSBである4ビット目のビットデータB4に対応し、当該ビットデータB4の値に応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子であり、その一方の端子は第4の出力側トランジスタ素子To4のドレイン端子に接続され、他方の端子は第2の電流源CS2の入力端子に接続されている。本実施形態では、ビットデータB4が「1」の場合に接続、「0」の場合に非接続とする。
【0031】
第2の電流源CS2は、閾値利得信号によって指示される電流利得を用いて、赤色レーザダイオード30Rの閾値電流Ithを生成する可変利得型の定電流源であり、その入力端子は第1のスイッチ素子SW1〜第4のスイッチ素子SW4の他方の端子と第2の入力側トランジスタ素子Ti2のドレイン端子及びゲート端子に接続され、出力端子はグランドラインに接続されている。なお、閾値利得信号は常に一定であり、第2の電流源CS2は、常に一定の閾値電流Ithを生成する。図3は、赤色レーザダイオード30Rのレーザ光量と駆動電流IRとの関係を示す特性図である。この図3に示すように、閾値電流Ithとは、赤色レーザダイオード30Rにおいてレーザ光の発生に必要な電流値を指す。より正確には、赤色レーザダイオード30Rに閾値電流Ithを供給してもレーザ光の発生には至らない(レーザ光量は0)が、閾値電流Ithより大きな駆動電流を供給するとレーザ光が発生する。つまり、レーザ光量は、赤色レーザダイオード30Rに供給する駆動電流IRから閾値電流Ithを差し引いた電流値に比例して増減する。
【0032】
第2の入力側トランジスタ素子Ti2は、pチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ソース端子は電源ラインVccに接続され、ゲート端子はドレイン端子と第5の出力側トランジスタ素子To5のゲート端子に接続され、ドレイン端子は第2の電流源CS2の入力端子と第1のスイッチ素子SW1〜第4のスイッチ素子SW4の他方の端子に接続されている。
【0033】
第5の出力側トランジスタ素子To5は、pチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ソース端子は電源ラインVccに接続され、ゲート端子は第2の入力側トランジスタ素子Ti2のゲート端子及びドレイン端子に接続され、ドレイン端子は赤色レーザダイオード30Rのアノード端子に接続されている。
【0034】
つまり、第2の入力側トランジスタ素子Ti2と第5の出力側トランジスタ素子To5は、第2の入力側トランジスタ素子Ti2を入力側、第5の出力側トランジスタ素子To5を出力側とするカレントミラー回路を構成しており、第2の電流源CS2が生成する閾値電流Ithと第1のスイッチ素子SW1〜第4のスイッチ素子SW4の他方の端子に流れる電流との合成電流を入力とし、当該合成電流と略同一の電流値を有する電流を駆動電流IRとして赤色レーザダイオード30Rに出力する。
【0035】
例えば、赤色階調データDRが階調値「0」、つまりビットデータB1〜B4が全て「0」である場合、第1のスイッチ素子SW1〜第4のスイッチ素子SW4は全て非接続状態になるため、第2の入力側トランジスタ素子Ti2に入力される電流は閾値電流Ithのみとなり、駆動電流IR=閾値電流Ithとなる。この場合、図3に示すように、赤色レーザダイオード30Rにおいてレーザ光は発生しない(つまり黒表示)。赤色階調データDRが階調値「1」、つまりビットデータB1が「1」でB2〜B4が「0」である場合、第1のスイッチ素子SW1だけ接続状態になるため、第2の入力側トランジスタ素子Ti2に入力される電流は閾値電流Ith+Is/15となり、駆動電流IR=閾値電流Ith+Is/15となる。この場合、赤色レーザダイオード30Rにおいて駆動電流IRから閾値電流Ithを差し引いた電流Is/15に応じた光量のレーザ光が発生する。また、赤色階調データDRが階調値「2」、つまりビットデータB2が「1」でB1、B3、B4が「0」である場合、第2のスイッチ素子SW2だけ接続状態になるため、第2の入力側トランジスタ素子Ti2に入力される電流は閾値電流Ith+2・Is/15となり、駆動電流IR=閾値電流Ith+2・Is/15となる。この場合、赤色レーザダイオード30Rにおいて駆動電流IRから閾値電流Ithを差し引いた電流2・Is/15に応じた光量のレーザ光が発生する。
【0036】
このように、階調値が「1」増す毎に、駆動電流IRはIs/15ずつ増大し、最大階調値「15」の場合、つまりビットデータB1〜B4が全て「1」である場合、第1のスイッチ素子SW1〜第4のスイッチ素子SW4は全て接続状態になるため、第2の入力側トランジスタ素子Ti2に入力される電流は閾値電流Ith+Isとなり、駆動電流IR=閾値電流Ith+Isとなる。この場合、図3に示すように、赤色レーザダイオード30Rにおいて駆動電流IRから閾値電流Ithを差し引いた電流Isに応じた光量(最大階調値に対応する光量)のレーザ光が発生することになる。
以上が赤色レーザドライバ20Rの説明であり、以下では図1に戻って説明する。
【0037】
緑色レーザドライバ(駆動信号生成手段)20Gは、緑色階調データDGと、補正信号発生回路80から出力される利得指示信号Gsとを入力とし、利得指示信号Gsによって指示された電流利得αを用いて緑色階調データDGに応じた駆動電流IGを生成して、緑色レーザダイオード30Gに出力する。青色レーザドライバ(駆動信号生成手段)20Bは、青色階調データDBと、補正信号発生回路80から出力される利得指示信号Gsとを入力とし、利得指示信号Gsによって指示された電流利得αを用いて青色階調データDBに応じた駆動電流IBを生成して、青色レーザダイオード30Bに出力する。
なお、これら緑色レーザドライバ20G及び青色レーザドライバ20Bの回路構成は、図2に示す赤色レーザドライバ20Rと同様であるので説明を省略する。
【0038】
赤色レーザダイオード(光源)30Rは、赤色レーザドライバ20Rから供給される駆動電流IRに応じて赤色単色のレーザ光LRを発生し、当該レーザ光LRを光軸LA上に設けられた光軸合わせ用光学系40(詳細には第1のダイクロイックミラー40a)に向けて照射する。本実施形態では、図1に示すように、水平面と略平行な方向をX軸、水平面においてX軸に直交する方向をY軸、水平面(XY平面)に略垂直な方向をZ軸と設定し、上記光軸LAは、X軸と略平行に設定されているものとする。なお、レーザ光LRの出射光軸は光軸LAと一致している。
【0039】
緑色レーザダイオード(光源)30Gは、緑色レーザドライバ20Gから供給される駆動電流IGに応じて緑色単色のレーザ光LGを発生し、当該レーザ光LGを光軸合わせ用光学系40(詳細には第1のダイクロイックミラー40a)に向けてY軸に沿って照射する。青色レーザダイオード(光源)30Bは、青色レーザドライバ20Bから供給される駆動電流IBに応じて緑色単色のレーザ光LBを発生し、当該レーザ光LBを光軸合わせ用光学系40(詳細には第2のダイクロイックミラー40b)に向けてY軸に沿って照射する。
【0040】
光軸合わせ用光学系40は、レーザ光LR、LG及びLBの光軸合わせを行うための光学系であり、第1のダイクロイックミラー40a及び第2のダイクロイックミラー40bから構成されている。第1のダイクロイックミラー40aは、光軸LAに対して45°の傾斜を持って光軸LA上に設置されており、レーザ光LRを光軸LAに沿って第2のダイクロイックミラー40bに向けて透過する一方、レーザ光LGを光軸LAに一致するように第2のダイクロイックミラー40bに向けて反射する。第2のダイクロイックミラー40bは、光軸LAに対して45°の傾斜を持って光軸LA上に設置されており、レーザ光LR及びレーザ光LGを光軸LAに沿ってレーザ走査部50に向けて透過する一方、レーザ光LBを光軸LAに一致するようにレーザ走査部50に向けて反射する。
【0041】
レーザ走査部(走査手段)50は、共振型のMEMS(Micro Electro Mechanical System)スキャナであり、走査駆動部60から入力される走査駆動信号に基づいて、光軸合わせ用光学系40を介して入射されるレーザ光LR、LG及びLBをスクリーン100上に走査する。以下、このレーザ走査部50の詳細な構成について説明する。
【0042】
図4は、MEMSスキャナであるレーザ走査部50の構成概略図である。この図4に示すように、レーザ走査部50は、反射ミラー50a、第1のトーションバネ50b、内枠部50c、第2のトーションバネ50d及び外枠部50eから構成されている。なお、これら反射ミラー50a、第1のトーションバネ50b、内枠部50c、第2のトーションバネ50d及び外枠部50eは、単結晶シリコン等の半導体材料を微細加工することにより一体形成されたものである。
【0043】
反射ミラー50aは、反射面側にレーザ光LR、LG及びLBをスクリーン100に向けて反射するため反射膜が形成された板状物であり、反射面に沿った第1の軸AX1(XY面が水平面の場合は、水平面に略垂直)に沿って設けられた第1のトーションバネ(第1の回転支持部)50bによって内枠部50cと連結されている。つまり、この反射ミラー50aは、第1のトーションバネ50bによって第1の軸AX1回りに回転可能に支持されている。反射ミラー50aの形状は、図4に示すような正方形でも良いし、または、円形や楕円形でも良い。
【0044】
内枠部50cは、額縁形の板状物であり、第1のトーションバネ50bによって反射ミラー50aと連結されていると共に、反射面に沿い、かつ、前記第1の軸AX1に略直交する第2の軸AX2(XY面が水平面の場合は、水平面に略平行)に沿って設けられた第2のトーションバネ(第2の回転支持部)50dによって外枠部50eと連結されている。つまり、この内枠部50c(反射ミラー50a)は、第2のトーションバネ50dによって第2の軸AX2回りに回転可能に支持されている。外枠部50eは、額縁形の板状物であり、第2のトーションバネ50dによって内枠部50cと連結されていると共に、図示しない固定部に連結されている。なお、本実施形態では、光軸LAがX軸と平行になるように設定しているので、第2の軸AX2をX軸と平行に設定すると、レーザ光LR、LG及びLBが外枠部50eによって遮光され、反射ミラー50aに入射しなくなる。これを防ぐため、本実施形態では、図4に示すように、第2の軸AX2が光軸LA(X軸)に対して傾きφを有するようにレーザ走査部50を配置する。
【0045】
このような構成のレーザ走査部50は、反射ミラー50aを第1の軸AX1回りに回転させることにより、レーザ光LR、LG及びLBをスクリーン100上のX軸方向に走査(つまり水平方向走査)し、また、反射ミラー50a(内枠部50c)を第2の軸AX2回りに回転させることにより、レーザ光LR、LG及びLBをスクリーン100上のZ軸方向に走査(つまり垂直方向走査)する。なお、反射ミラー50aを回転させる駆動方式としては、特開2007−47354号公報に記載されているように、所定の位置に配置された電極に走査駆動信号として電圧信号を印加することにより発生する静電力を利用する方式を採用しても良いし、その他、永久磁石を設けて磁場を形成し、反射ミラー50aや内枠部50cに設けたコイルに走査駆動信号として電流信号を流すことにより発生するローレンツ力を利用する方式を採用しても良い。このようなMEMSスキャナにおける反射ミラー50aの駆動方式については、公知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0046】
図1に戻って説明を続けると、走査駆動部60は、同期信号(垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsync)を入力とし、これら垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに基づいて、レーザ走査部50の反射ミラー50aを回転駆動するための走査駆動信号を生成してレーザ走査部50に出力する。
【0047】
照射位置検出部(照射位置検出手段)70は、レーザ光LR、LG及びLBのスクリーン100上における照射位置を検出するものであり、水平角度センサ70a、垂直角度センサ70b及びタイミング信号発生回路70cから構成されている。水平角度センサ70aは、反射ミラー50aの第1の軸AX1回りの回転角θ1を検出し、当該回転角θ1を示す水平角度検出信号をタイミング信号発生回路70cに出力する。垂直角度センサ70bは、反射ミラー50aの第2の軸AX2回りの回転角θ2を検出し、当該回転角θ2を示す垂直角度検出信号をタイミング信号発生回路70cに出力する。これら水平角度センサ70a及び垂直角度センサ70bとしては、反射ミラー50aの裏面(レーザ光の反射面の反対側の面)に光を照射し、裏面によって反射された光を受光することで角度を検出する光方式の角度センサを用いる。
【0048】
図5に示すように、水平角度センサ70aが検出する回転角θ1とは、XY平面におけるY軸に対する反射ミラー50aの角度である。また、図5に示すように、幅Wを有するスクリーン100の中央点C0からX軸方向に距離Xだけ離れた位置をレーザ光の照射位置Pとすると、照射位置Pの水平走査方向の座標Pxは、反射ミラー50aとスクリーン100との間の距離Dがわかっていれば、回転角θ1の関数で表される。一方、垂直角度センサ70bが検出する回転角θ2とは、YZ平面におけるY軸に対する反射ミラー50aの角度であり、照射位置Pの垂直走査方向の座標Pyは回転角θ2の関数で表される。
つまり、反射ミラー50aの回転角θ1及び回転角θ2を検出すれば、照射位置P(Px、Py)を一義的に求めることができる。
【0049】
タイミング信号発生回路70cは、上記の回転角θ1を示す水平角度検出信号を基に、1水平走査期間の開始及び終了を規定するパルス状の走査タイミング信号Stを生成して映像信号処理回路10、補正信号発生回路80及び画素同期クロック発生回路90に出力する。また、このタイミング信号発生回路70cは、上記の回転角θ2を示す垂直角度検出信号を基に、1フレームの開始を規定するパルス状のフレームタイミング信号Ftを生成して映像信号処理回路10に出力する。
【0050】
具体的には、タイミング信号発生回路70には、上述した反射ミラー50aの回転角θ1及び回転角θ2と照射位置Pとの一義的な関係を基に、1水平走査期間の開始位置及び終了位置に相当する照射位置Pに応じた回転角θ1と、1フレームの開始位置に相当する照射位置Pに応じた回転角θ2とが予め設定されており、タイミング信号発生回路70は、水平角度検出信号が示す回転角θ1が予め設定された回転角θ1と一致した場合に走査タイミング信号Stを出力し、また、垂直角度検出信号が示す回転角θ2が予め設定された回転角θ2と一致した場合にフレームタイミング信号Ftを出力する。
【0051】
補正信号発生回路(補正手段)80は、走査タイミング信号Stを入力とし、当該走査タイミング信号Stを基に、レーザ光LR、LG及びLBの照射位置Pに応じて駆動電流IR、IG及びIBの電流値を補正するための利得指示信号Gsを補正信号として生成して、赤色レーザドライバ20R、緑色レーザドライバ20G及び青色レーザドライバ20Bに(具体的には第1の電流源CS1に)出力する。以下、この利得指示信号Gsについて詳細に説明する。
【0052】
図6(a)は、反射ミラー50aの回転角θ1の時間変化を示すものである。回転角θ1と水平走査方向の照射位置P(Px)とは一義的な関係にあるため、図6(a)の縦軸は照射位置Pxと同義である。レーザ走査部50は共振型のMEMSスキャナであるため、反射ミラー50aの回転角θ1は正弦関数的な変化を示す。つまり、この図に示すように、照射位置Px(回転角θ1)は、時間の経過に伴い、スクリーン100の中央点C0を中心として正弦関数的にスクリーン100の水平走査方向(幅W)を往復移動し、これによりレーザ光LR、LG及びLBが水平走査方向に往復走査されることになる。なお、図中に示す「1H」は1水平走査期間を指している。また、正弦波形の頂点付近ではレーザ光LR、LG及びLBがスクリーン100の外側に照射されてしまうため、このような正弦波形の頂点付近を除く回転角θ1の範囲にスクリーン100の両端が含まれるように設定されている。
【0053】
このようなMEMSスキャナの特性から、水平走査方向に着目した場合、図6(b)に示すように、スクリーン100の中央付近におけるレーザ光の走査時間が短く(走査速度が速い)、スクリーン100の両端に向かうに従ってレーザ光の走査時間が長くなる(走査速度は低下する)。これにより、レーザ光の走査速度が速いスクリーン100の中央付近では表示輝度が暗くなり、走査速度の遅いスクリーン100の両端付近では表示輝度が明るくなるという問題が生じる。
【0054】
このような問題を解決するために、本実施形態では、図6(c)に示すように、スクリーン100の中央付近ではレーザ光量が高くなるように、また、スクリーン100の両端に近づくにつれてレーザ光量が低くなるように、各駆動電流IR、IG及びIBの電流値を補正する。上述したように、本実施形態では、赤色レーザドライバ20R、緑色レーザドライバ20G及び青色レーザドライバ20Bにおいて、第1の電流源CS1の電流利得αを調整することにより各駆動電流IR、IG及びIBの電流値を補正することが可能である。すなわち、補正信号発生回路80は、図6(c)に示すような照射位置Pxに対応するレーザ光量を制御目標値とし、スクリーン100の中央付近では大きな電流利得αを示し、また、スクリーン100の両端に近づくにつれて小さな電流利得αを示す利得指示信号Gsを出力する。
【0055】
図1に戻って説明すると、画素同期クロック発生回路90は、走査タイミング信号Stを入力とし、当該走査タイミング信号Stを基に、1水平走査期間における各画素に対応するレーザ光LR、LG及びLBの照射タイミングを規定するパルス状の画素同期クロック信号CLを生成して映像信号処理回路10に出力する。
【0056】
スクリーン100は、レーザ走査部50によって走査されたレーザ光LR、LG及びLBを透過する透過型スクリーンである。つまり、本画像表示装置LSDは背面投射型プロジェクタであり、ユーザは、スクリーン100におけるレーザ光LR、LG及びLBの照射面の反対側の面から表示画像を鑑賞することになる。また、図1では省略しているが、本画像表示装置LSDは、スクリーン100の鑑賞側の面のみを露出させて、その他の構成要素は筐体内部に収納されており、外部の光の影響を排除するような構造となっている。
【0057】
次に、上述した構成の第1実施形態における画像表示装置LSDの動作について、図7のタイミングチャートを参照して説明する。
【0058】
なお、既に外部の画像供給装置から映像信号及び同期信号(垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsync)が入力されており、映像信号処理回路10は、映像信号及び同期信号を基に表示すべき画像の各画素に対応する階調値を規定するデジタル階調データを生成し、当該デジタル階調データを1フレーム単位で内部メモリに格納しているものとする。
【0059】
また、同期信号の入力に伴って走査駆動部60から出力される走査駆動信号によってレーザ走査部50の反射ミラー50aは回転を始め、時刻T1に、反射ミラー50aの垂直走査方向に対する回転角θ2がスクリーン100上における1フレームの開始位置に対応する角度と一致し、また、時刻T2には、反射ミラー50aの水平走査方向に対する回転角θ1がスクリーン100上における1水平走査期間の開始位置に対応する角度と一致したものと想定する。つまり、時刻T1にタイミング信号発生回路70cから1フレームの開始を規定するフレームタイミング信号Ftが出力され、また、時刻T2に1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stが出力される。さらに、時刻T3に、反射ミラー50aの水平走査方向に対する回転角θ1がスクリーン100上における1水平走査期間の終了位置に対応する角度と一致したものと想定する。つまり、時刻T3にタイミング信号発生回路70cから1水平走査期間の終了を規定する走査タイミング信号Stが出力される。
【0060】
時刻T2において、補正信号発生回路80は、1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stが入力されると、図7に示すように、時間の経過に伴って電流利得αが変化する利得指示信号Gsを、赤色レーザドライバ20R、緑色レーザドライバ20G及び青色レーザドライバ20Bの第1の電流源CS1に出力する。ここで、1水平走査期間における回転角θ1、つまり照射位置Pxは、1水平走査期間の開始から経過した時間と一義的な関係にあるため、本実施形態では、このような照射位置Pxと時間との一義的な関係を基に、1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stが入力された後、電流利得αが時間的に変化する利得指示信号Gsを補正信号発生回路80から出力させる。より具体的には、補正信号発生回路80は、照射位置Pxがスクリーン100の両端付近となる時間には小さな電流利得αを示す利得指示信号Gsを出力し、照射位置Pxがスクリーン100の中央付近となる時間には大きな電流利得αを示す利得指示信号Gsを出力する。利得指示信号Gsは、上述したように、図6(c)に示すような照射位置Pxに対応するレーザ光量を制御目標値としているので、その波形は図6(c)と同様な波形となる。
【0061】
時刻T2において、画素同期クロック発生回路90は、1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stが入力されると、1水平走査期間における各画素に対応するレーザ光LR、LG及びLBの照射タイミングを規定する画素同期クロック信号CLを生成して映像信号処理回路10に出力する。上述したように、1水平走査期間における回転角θ1、つまり照射位置Pxは、1水平走査期間の開始から経過した時間と一義的な関係にあるため、当然、1水平走査期間における各画素に対応する照射位置Pxと時間とは一義的な関係にある。従って、本実施形態では、図7に示すように、1水平走査期間における各画素に対応する照射位置Pxと時間との一義的な関係を基に、1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stが入力された後、経過した時間に応じて各画素に対応するレーザ光LR、LG及びLBの照射タイミングを規定するパルス状の画素同期クロック信号CLを画素同期クロック発生回路90によって生成する。図7からわかるように、画素同期クロック信号CLのパルス間隔は、照射位置Px、つまり経過時間に応じて変化する。例えば、スクリーン100の中央付近となる時刻t6付近ではパルス間隔は短くなり、スクリーン100の両端付近ではパルス間隔は長くなる。これは、MEMSスキャナであるレーザ走査部50の特性上、反射ミラー50aの回転角θ1の変化速度(走査速度)が経過時間に応じて変化するためである。
【0062】
一方、映像信号処理回路10は、1フレームの開始を規定するフレームタイミング信号Ftと、1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stとが入力されると、内部メモリにおける1番目のフレームのデジタル階調データを格納している記憶領域から1行目の水平走査期間に対応する各画素のデジタル階調データ(赤色階調データDR、緑色階調データDG、青色階調データDB)を読み出し、画素同期クロック信号CLに同期して、赤色階調データDR、緑色階調データDG、青色階調データDBを順次出力する。
【0063】
具体的には、図7に示すように、映像信号処理回路10は、時刻T2に最初の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の開始位置(1列目)に対応する赤色画素用の赤色階調データDRを赤色レーザドライバ20Rに出力し、時刻t1に次の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の2列目に対応する緑色画素用の緑色階調データDGを緑色レーザドライバ20Gに出力し、時刻t2に次の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の3列目に対応する青色画素用の青色階調データDBを青色レーザドライバ20Bに出力し、時刻t3に次の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の4列目に対応する赤色画素用の赤色階調データDRを赤色レーザドライバ20Rに出力する。以下同様に、映像信号処理回路10は、画素同期クロック信号CLに同期して、それぞれの画素に対応する赤色階調データDR、緑色階調データDG、青色階調データDBを順次出力する。
【0064】
時刻T2において、赤色レーザドライバ20Rは、1水平走査期間の開始位置(1列目)に対応する赤色画素用の赤色階調データDRと、利得指示信号Gsが示す電流利得αとを基に駆動電流IRを生成して赤色レーザダイオード30Rに出力する。これにより、赤色レーザダイオード30Rは、1列目の赤色画素の階調値に応じたレーザ光LRを発生し、このレーザ光LRは反射ミラー50aによって、1水平走査期間の1列目の赤色画素に対応する照射位置Pxに照射される。
【0065】
時刻t1において、緑色レーザドライバ20Gは、1水平走査期間の2列目に対応する緑色画素用の緑色階調データDGと、利得指示信号Gsが示す電流利得αとを基に駆動電流IGを生成して緑色レーザダイオード30Gに出力する。これにより、緑色レーザダイオード30Gは、2列目の緑色画素の階調値に応じたレーザ光LGを発生し、このレーザ光LGは反射ミラー50aによって、1水平走査期間の2列目の緑色画素に対応する照射位置Pxに照射される。
【0066】
時刻t2において、青色レーザドライバ20Bは、1水平走査期間の3列目に対応する青色画素用の青色階調データDBと、利得指示信号Gsが示す電流利得αとを基に駆動電流IBを生成して青色レーザダイオード30Bに出力する。これにより、青色レーザダイオード30Bは、3列目の青色画素の階調値に応じたレーザ光LBを発生し、このレーザ光LBは反射ミラー50aによって、1水平走査期間の3列目の青色画素に対応する照射位置Pxに照射される。
以下同様な動作が、1水平走査期間の最終列目(図7の時刻t11に相当)まで繰り返され、時刻T2からT3までの1水平走査期間における画像がスクリーン100に表示されることになる。
【0067】
ここで、図7に示す1水平走査期間におけるレーザ光量の変化は、説明の便宜上、1水平走査期間における各画素の階調値が全て同一(例えば白表示)であった場合の変化を示している。このように、1水平走査期間における各画素の階調値が全て同一である場合、1水平走査期間におけるレーザ光量は、利得指示信号Gs(電流利得α)と同様な変化を示す。従来では、1水平走査期間における各画素の階調値が全て同一である場合、1水平走査期間におけるレーザ光量はある一定の値となるため、MEMSスキャナの特性に起因するレーザ光の走査速度が速いスクリーン100の中央付近では表示輝度が暗くなり、走査速度の遅いスクリーン100の両端付近では表示輝度が明るくなるという現象の影響を大きく受ける(ユーザに視認されやすい)ことになる。しかしながら、本実施形態によれば、利得指示信号Gsによって、1水平走査期間の照射位置Pxに応じてレーザ光量を図7に示すように制御(補正)することにより、実際にスクリーン100上に表示される画像の表示輝度を均一にすることができる。勿論、1水平走査期間における各画素の階調値が異なる場合であっても、利得指示信号Gsによって照射位置Pxに応じてレーザ光量(駆動電流IR、IG、IB)が補正されるので、照射位置Pxに依存して生じる表示輝度の変化を抑制でき、当初の階調値に応じた所望の表示輝度を得ることが可能である。
【0068】
また、図7において、時刻T4−T5間は次の(2行目)1水平走査期間を示し、時刻T6−T7間は3行目の1水平走査期間を示し、時刻T8−T9間は4行目の1水平走査期間を示しており、それぞれの1水平走査期間内において上記と同様な動作が行われ、最終行目の1水平走査期間が終了することにより、1フレーム分の画像がスクリーン100に表示されることになる。なお、1水平走査期間が終了した後、反射ミラー50aの垂直走査方向の回転角θ2が次の水平走査期間に対応する角度に変化することは勿論である。
【0069】
以上のように、第1実施形態に係る画像表示装置LSDによれば、MEMSスキャナの特性に起因する、照射位置Pxに依存して生じる表示輝度の変化を抑制し、当初の階調値に応じた所望の表示輝度を得ることができ、表示品質の向上を図ることが可能である。また、映像信号処理回路10の処理可能な階調数を増大させる必要がない(高スペック化を図る必要がない)ため、装置コストの増大を防ぐことが可能である。
【0070】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係る画像表示装置LSD’の機能ブロック図である。なお、図8において、図1と同様の構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
【0071】
第2実施形態に係る画像表示装置LSD’において、第1実施形態に係る画像表示装置LSDと異なる点は、映像信号処理回路10’が、デジタル階調データ(赤色階調データDR、緑色階調データDG、青色階調データDB)を直接出力するのではなく、これら階調データが示す階調値を規定するPWM(Pulse Width Modulation)階調信号を出力する点である。ここで、PWM階調信号とは、階調値に応じたパルス幅を有するパルス信号である。映像信号処理回路10’は、レーザ光の照射位置に対応する画素が赤色用画素の場合、当該赤色画素用の赤色階調データDRを基に赤色PWM階調信号PRを生成して赤色レーザドライバ20R’に出力し、レーザ光の照射位置に対応する画素が緑色用画素の場合、当該緑色画素用の緑色階調データDGを基に緑色PWM階調信号PGを生成して緑色レーザドライバ20G’に出力し、また、レーザ光の照射位置に対応する画素が青色用画素の場合、当該青色画素用の青色階調データDBを基に青色PWM階調信号PBを生成して青色レーザドライバ20B’に出力する。
【0072】
赤色レーザドライバ20R’は、上記赤色PWM階調信号PRと、補正信号発生回路80から出力される利得指示信号Gsとを入力とし、利得指示信号Gsによって指示された電流利得を用いて赤色PWM階調信号PRに応じた駆動電流IRを生成して、赤色レーザダイオード30Rに出力する。以下、この第2実施形態における赤色レーザドライバ20R’の詳細な構成について説明する。
【0073】
図9は、第2実施形態における赤色レーザドライバ20R’の回路構成図である。この図2に示すように、赤色レーザドライバ20R’は、第1の電流源CS1、第2の電流源CS2、第1の入力側トランジスタ素子Tr1、第1の出力側トランジスタ素子Tr2、第2の入力側トランジスタ素子Tr3、第2の出力側トランジスタ素子Tr4及びスイッチ素子SWから構成されている。
【0074】
第1の電流源CS1及び第2の電流源CS2は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。第1の入力側トランジスタ素子Tr1は、nチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ドレイン端子は第1の電流源CS1の出力端子に接続され、ゲート端子は第1の電流源CS1の出力端子と第1の出力側トランジスタ素子Tr2のゲート端子に接続され、ソース端子はグランドラインと接続されている。第1の出力側トランジスタ素子Tr2は、nチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ドレイン端子はスイッチ素子SWの一方の端子に接続され、ゲート端子は第1の入力側トランジスタ素子Tr1のゲート端子に接続され、ソース端子はグランドラインと接続されている。
【0075】
つまり、第1の電流源CS1、第1の入力側トランジスタ素子Tr1、第1の出力側トランジスタ素子Tr2によって、第1の入力側トランジスタ素子Tr1を入力側のトランジスタとし、第1の出力側トランジスタ素子Tr2を出力側のトランジスタとするカレントミラー回路が構成されている。ここで、第2実施形態では、第1の入力側トランジスタ素子Tr1と第1の出力側トランジスタ素子Tr2の電気的特性を一致させる。つまり、第1の出力側トランジスタ素子Tr2に流れる電流は、第1の電流源CS1によって生成された電流Isと略同一となる。
【0076】
スイッチ素子SWは、赤色PWM階調信号PRを入力とし、当該赤色PWM階調信号PRに応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子であり、その一方の端子は第1の出力側トランジスタ素子Tr2のドレイン端子に接続され、他方の端子は第2の電流源CS2の入力端子に接続されている。本実施形態では、赤色PWM階調信号PRがハイレベルの場合に接続、ローレベルの場合に非接続とする。
【0077】
第2の入力側トランジスタ素子Tr3は、pチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ソース端子は電源ラインVccに接続され、ゲート端子はドレイン端子と第2の出力側トランジスタ素子Tr4のゲート端子に接続され、ドレイン端子は第2の電流源CS2の入力端子とスイッチ素子SWの他方の端子に接続されている。第2の出力側トランジスタ素子Tr4は、pチャネル型のMOSトランジスタ素子であり、ソース端子は電源ラインVccに接続され、ゲート端子は第2の入力側トランジスタ素子Tr3のゲート端子及びドレイン端子に接続され、ドレイン端子は赤色レーザダイオード30Rのアノード端子に接続されている。
【0078】
つまり、第2の入力側トランジスタ素子Tr3と第2の出力側トランジスタ素子Tr4は、第2の入力側トランジスタ素子Tr3を入力側、第2の出力側トランジスタ素子Tr4を出力側とするカレントミラー回路を構成しており、第2の電流源CS2が生成する閾値電流Ithとスイッチ素子SWの他方の端子に流れる電流(つまりIs)との合成電流を入力とし、当該合成電流と略同一の電流値を有する電流を駆動電流IRとして赤色レーザダイオード30Rに出力する。
【0079】
例えば、赤色PWM階調信号PRがローレベルの場合、スイッチ素子SWは非接続状態になるため、第2の入力側トランジスタ素子Tr3に入力される電流は閾値電流Ithのみとなり、駆動電流IR=閾値電流Ithとなる。この場合、図3に示すように、赤色レーザダイオード30Rにおいてレーザ光は発生しない(つまり黒表示)。一方、赤色PWM階調信号PRがハイレベルの場合、スイッチ素子SWは接続状態になるため、第2の入力側トランジスタ素子Tr3に入力される電流は閾値電流Ith+Isとなり、駆動電流IR=閾値電流Ith+Isとなる。つまり、赤色PWM階調信号PRがハイレベルとなる期間(パルス幅に相当する期間)だけスイッチ素子SWが接続状態となり、駆動電流IRから閾値電流Ithを差し引いた電流Isに応じた光量を有するレーザ光LRがそのパルス幅に相当する期間だけ赤色レーザダイオード30Rから発生する。
【0080】
赤色PWM階調信号PRのパルス幅は階調値を規定するものであるので、階調値が高くなった場合パルス幅も大きくなり、ある画素に対応する照射位置に対するレーザ光の照射時間が長くなる(表示輝度が明るくなる)。このように、第2実施形態における赤色レーザドライバ20R’では、レーザ光の照射時間(赤色PWM階調信号PRのパルス幅)を調整することで、その画素の階調値に応じた表示輝度を実現する構成を採用している。なお、緑色レーザドライバ20G’及び青色レーザドライバ20B’の回路構成は、図9に示す赤色レーザドライバ20R’と同様であるので説明を省略する。
【0081】
次に、上述した構成の第2実施形態における画像表示装置LSD’の動作について、図10のタイミングチャートを参照して説明する。なお、以下では、第1実施形態(図7)と同様な動作の説明は省略し、第2実施形態における特徴的な動作について説明する。
【0082】
映像信号処理回路10’は、時刻T1以降、1フレームの開始を規定するフレームタイミング信号Ftと、1水平走査期間の開始を規定する走査タイミング信号Stとが入力されると、内部メモリにおける1番目のフレームのデジタル階調データを格納している記憶領域から1行目の水平走査期間に対応する各画素のデジタル階調データ(赤色階調データDR、緑色階調データDG、青色階調データDB)を読み出し、画素同期クロック信号CLに同期して、赤色PWM階調信号PR、緑色PWM階調信号PG、青色PWM階調信号PBを生成して順次出力する。
【0083】
具体的には、図10に示すように、映像信号処理回路10’は、時刻T2に最初の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の開始位置(1列目)に対応する赤色画素用の赤色階調データDRを基に、当該赤色階調データDRが示す階調値を規定するパルス幅を有する赤色PWM階調信号PRを生成して赤色レーザドライバ20R’に出力し、時刻t1に次の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の2列目に対応する緑色画素用の緑色階調データDGを基に、当該緑色階調データDGが示す階調値を規定するパルス幅を有する緑色PWM階調信号PGを生成して緑色レーザドライバ20G’に出力し、時刻t2に次の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の3列目に対応する青色画素用の青色階調データDBを基に、当該青色階調データDRが示す階調値を規定するパルス幅を有する青色PWM階調信号PBを生成して青色レーザドライバ20B’に出力し、時刻t3に次の画素同期クロック信号CLが入力されると、1水平走査期間の4列目に対応する赤色画素用の赤色階調データDRを基に、当該赤色階調データDRが示す階調値を規定するパルス幅を有する赤色PWM階調信号PRを生成して赤色レーザドライバ20R’に出力する。以下同様に、映像信号処理回路10’は、画素同期クロック信号CLに同期して、それぞれの画素に対応する赤色PWM階調信号PR、緑色PWM階調信号PG、青色PWM階調信号PBを順次出力する。
【0084】
時刻T2において、赤色レーザドライバ20R’は、1水平走査期間の開始位置(1列目)に対応する赤色画素用の赤色PWM階調信号PRと、利得指示信号Gsが示す電流利得αとを基に駆動電流IRを生成して赤色レーザダイオード30Rに出力する。この駆動電流IRは、図10に示すように、波高値(電流値)がIth+Is(=α・Im)であり、且つ赤色PWM階調信号PRと同一のパルス幅を有するパルス電流信号となる。これにより、赤色レーザダイオード30Rは、1列目の赤色画素の階調値に応じたレーザ光LRを発生し、このレーザ光LRは反射ミラー50aによって、1水平走査期間の1列目の赤色画素に対応する照射位置Pxに照射される。
【0085】
時刻t1において、緑色レーザドライバ20G’は、1水平走査期間の2列目に対応する緑色画素用の緑色PWM階調信号PGと、利得指示信号Gsが示す電流利得αとを基に駆動電流IGを生成して緑色レーザダイオード30Gに出力する。この駆動電流IGは、図10に示すように、波高値(電流値)がIth+Isであり、且つ緑色PWM階調信号PGと同一のパルス幅を有するパルス電流信号となる。これにより、緑色レーザダイオード30Gは、2列目の緑色画素の階調値に応じたレーザ光LGを発生し、このレーザ光LGは反射ミラー50aによって、1水平走査期間の2列目の緑色画素に対応する照射位置Pxに照射される。
【0086】
時刻t2において、青色レーザドライバ20B’は、1水平走査期間の3列目に対応する青色画素用の青色PWM階調信号PBと、利得指示信号Gsが示す電流利得αとを基に駆動電流IBを生成して青色レーザダイオード30Bに出力する。この駆動電流IBは、図10に示すように、波高値(電流値)がIth+Isであり、且つ青色PWM階調信号PBと同一のパルス幅を有するパルス電流信号となる。これにより、青色レーザダイオード30Bは、3列目の青色画素の階調値に応じたレーザ光LBを発生し、このレーザ光LBは反射ミラー50aによって、1水平走査期間の3列目の青色画素に対応する照射位置Pxに照射される。
以下同様な動作が、1水平走査期間の最終列目(図10の時刻t11に相当)まで繰り返され、時刻T2からT3までの1水平走査期間における画像がスクリーン100に表示されることになる。
【0087】
ここで、図10に示す1水平走査期間におけるレーザ光量の変化は、説明の便宜上、1水平走査期間における各画素の階調値が全て同一(例えば白表示)であった場合の変化を示している。この場合、各画素に対応する赤色PWM階調信号PR、緑色PWM階調信号PG、青色PWM階調信号PBのパルス幅は同一である必要があるが、図10からわかるように、MEMSスキャナの特性上、画素同期クロック信号CLのパルス間隔は、スクリーン100の中央付近では小さくなり、スクリーン100の両端付近では大きくなるため、必然的にPWM階調信号のパルス幅は照射位置Pxに応じて変えざるを得ない。従って、仮に電流利得αを用いずに一定の電流値を有する駆動電流を各レーザダイオードに供給した場合、PWM階調信号のパルス幅が小さいスクリーン100の中央付近では表示輝度が暗くなり、PWM階調信号のパルス幅が大きいスクリーン100の両端付近では表示輝度が明るくなるという問題が生じることになる。
【0088】
しかしながら、本実施形態によれば、利得指示信号Gs(電流利得α)によって、1水平走査期間の照射位置Pxに応じて駆動電流の電流値をスクリーン100の中央付近では大きくし、スクリーン100の両端付近では小さくすることにより、レーザ光量は図10に示すように制御(補正)され、実際にスクリーン100上に表示される画像の表示輝度を均一にすることができる。勿論、1水平走査期間における各画素の階調値が異なる場合であっても、利得指示信号Gsによって照射位置Pxに応じてレーザ光量(駆動電流IR、IG、IB)が補正されるので、照射位置Pxに依存して生じる表示輝度の変化を抑制でき、当初の階調値に応じた所望の表示輝度を得ることが可能である。
【0089】
以上のように、第2実施形態に係る画像表示装置LSD’によれば、デジタル階調データの代わりに階調値を規定するPWM階調信号を用いる場合であっても、MEMSスキャナの特性に起因する、照射位置Pxに依存して生じる表示輝度の変化を抑制し、当初の階調値に応じた所望の表示輝度を得ることができ、表示品質の向上を図ることが可能である。また、映像信号処理回路10の処理可能な階調数を増大させる必要がない(高スペック化を図る必要がない)ため、装置コストの増大を防ぐことが可能である。
【0090】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、補正信号発生回路80によって照射位置Pxと時間との一義的な関係を基に電流利得αが時間的に変化する利得指示信号Gsを生成したが、これに限定されず、例えば反射ミラー50aの回転角θ1と電流利得αとの対応関係を示すルックアップテーブルを補正信号発生回路80に記憶しておき、回転角θ1を示す水平角度検出信号を補正信号発生回路80に直接入力して、検出された回転角θ1に対応する電流利得αを上記のルックアップテーブルから取得することにより、利得指示信号Gsを生成しても良い。
【0091】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、水平走査方向における照射位置Pxに依存して生じる表示輝度の変化を抑制するための構成について説明したが、垂直走査方向における照射位置Pyに依存して表示輝度の変化が生じるような場合は、照射位置Pyと一義的な関係にある反射ミラー50aの回転角θ2に応じて電流利得αを変化させるような構成を採用しても良い。
【0092】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、スクリーン100上にレーザ光を走査して画像を表示するレーザスキャンディスプレイを例示して説明したが、これに限定されず、LED(Light Emitting Diode)やその他の光源から発生する光を走査することで画像を表示する画像表示装置であっても本発明を適用することができる。また、レーザ走査部50としてMEMSスキャナを用いていなくとも、走査速度が照射位置に応じて変化し、その走査速度の制御が困難であるようなスキャナを用いている場合であれば本発明を適用することができる。また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、3色のレーザダイオードに対し一つのスキャナを用いるレーザスキャンディスプレイを例示して説明したが、これに限定されず、各色ごとにスキャナを設けるような構成にしても良い。
【0093】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、光源として電流駆動素子であるレーザダイオードを用いた場合を例示して説明したが、例えば電圧駆動素子の光源を用いる場合には、光源の駆動信号として駆動電圧を生成するドライバ(駆動信号生成手段)を設け、この駆動電圧を補正するための補正信号をこのドライバに供給するような構成を採用しても良い。
【0094】
また、上記第1実施形態における赤色レーザドライバ20R(緑色レーザドライバ20R、青色レーザドライバ20B)の回路構成として、nチャネル型の第1の入力側トランジスタ素子Ti1、第1の出力側トランジスタ素子To1、第2の出力側トランジスタ素子To2、第3の出力側トランジスタ素子To3及び第4の出力側トランジスタ素子To4で構成される第1のカレントミラー回路と、pチャネル型の第2の入力側トランジスタ素子Ti2及び第5の出力側トランジスタ素子To5で構成される第2のカレントミラー回路とを設け、出力段である第2のカレントミラー回路からレーザダイオードのアノード端子に駆動電流を供給する場合を想定して説明した。これに限らず、第1のカレントミラー回路をpチャネル型のMOSトランジスタで構成し、第2のカレントミラー回路をnチャネル型のMOSトランジスタで構成して、レーザダイオードのカソード端子側から駆動電流を引き出すような回路構成としても良い。第2実施形態における赤色レーザドライバ20R’(緑色レーザドライバ20R’、青色レーザドライバ20B’)でも上記と同様の回路構成を採用しても良い。
【0095】
また、上記第1実施形態において図2を参照して説明した赤色レーザドライバ20R(緑色レーザドライバ20R、青色レーザドライバ20B)の回路構成は、最大階調数に応じて適宜変更しても良い。つまり、第1実施形態では、最大階調数を「16(4ビット)」と想定したため、図2における第1のカレントミラー回路の出力側トランジスタ素子を4つ(第1の出力側トランジスタ素子To1〜第4の出力側トランジスタ素子To4)としたが、例えば最大階調数を「256(8ビット)」とした場合には、図2における第1のカレントミラー回路の出力側トランジスタ素子を8つ設ければ良い(スイッチ素子も8つ設ける)。
【0096】
この場合、1ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの1/255の電流が生成されるように設定し、2ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの2/255の電流が生成されるように設定し、3ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの4/255の電流が生成されるように設定し、4ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの8/255の電流が生成されるように設定し、5ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの16/255の電流が生成されるように設定し、6ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの32/255の電流が生成されるように設定し、7ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの64/255の電流が生成されるように設定し、8ビット目のビットデータに対応する出力側トランジスタ素子の電気的特性は、電流Isの128/255の電流が生成されるように設定すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDにおける赤色レーザドライバ20Rの回路構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDにおける赤色レーザダイオード30Rのレーザ光量−駆動電流特性図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDにおけるレーザ走査部50の構成概略図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDにおける水平角度センサ70aが検出する反射ミラー50aの回転角θ1に関する説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDにおける補正信号発生回路80が生成する利得指示信号Gsに関する説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置LSDの動作を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る画像表示装置LSD’の機能ブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る画像表示装置LSD’における赤色レーザドライバ20R’の回路構成図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る画像表示装置LSDの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0098】
LSD、LSD’…画像表示装置、10、10’…映像信号処理回路、20R、20R’…赤色レーザドライバ、20G、20G’…緑色レーザドライバ、20B、20B’…青色レーザドライバ、30R…赤色レーザダイオード、30G…緑色レーザダイオード、30B…青色レーザダイオード、40…光軸合わせ用光学系、50…レーザ走査部、60…走査駆動部、70…照射位置検出部、80…補正信号発生回路、90…画素同期クロック発生回路、100…スクリーン、CS1…第1の電流源、CS2…第2の電流源、Ti1、Tr1…第1の入力側トランジスタ素子、Ti2、Tr3…第2の入力側トランジスタ素子、To1、Tr2…第1の出力側トランジスタ素子、To2、Tr4…第2の出力側トランジスタ素子、To3…第3の出力側トランジスタ素子、To4…第4の出力側トランジスタ素子、To5…第5の出力側トランジスタ素子、SW…スイッチ素子、SW1…第1のスイッチ素子、SW2…第2のスイッチ素子、SW3…第3のスイッチ素子、SW4…第4のスイッチ素子、40a…第1のダイクロイックミラー、40b…第2のダイクロイックミラー、50a…反射ミラー、50b…第1のトーションバネ、50c…内枠部、50d…第2のトーションバネ、50e…外枠部、70a…水平角度センサ、70b…垂直角度センサ、70c…タイミング信号発生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被投射面上に光を走査して画像を表示する画像表示装置であって、
表示画像を示す階調信号を入力とし、当該階調信号に応じた駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記駆動信号に応じた光量を有する光を発生する光源と、
前記光源から発生する光を前記被投射面上に走査する走査手段と、
前記被投射面上における前記光の照射位置を検出する照射位置検出手段と、
前記照射位置に応じて前記駆動信号を補正するための補正信号を前記駆動信号生成手段に出力する補正手段と、
を具備し、
前記駆動信号生成手段は、前記補正信号を基に前記駆動信号を補正する、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記光源は、前記光としてレーザ光を発生するレーザダイオードであり、
前記駆動信号生成手段は、前記駆動信号として駆動電流を生成して前記レーザダイオードに出力し、
前記補正手段は、前記照射位置に応じて前記駆動電流の電流値を補正するための補正信号を前記駆動信号生成手段に出力する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記駆動信号生成手段は、
前記階調信号として前記照射位置に対応する画素の階調値を規定するビット数Nのデジタル階調データを入力とし、
前記デジタル階調データの各ビットに対応して設けられ、各々に対応するビットデータに応じて2端子間の接続/非接続を切り替える第1〜第Nのスイッチ素子と、
前記第1〜第Nのスイッチ素子の各々に対応して設けられ、制御端子を除く2端子の内の第1の端子が各々に対応する第1〜第Nのスイッチ素子の一方の端子と接続され、第2の端子が共通電位線と接続された第1〜第Nの出力側トランジスタ素子と、
利得指示信号を入力とし、当該利得指示信号によって指示される電流利得を用いて最大階調値に対応する電流を生成する第1の電流源と、
制御端子を除く2端子の内の第1の端子が前記第1の電流源と接続され、第2の端子が前記共通電位線と接続されると共に、制御端子が自身の前記第1の端子と前記第1〜第Nの出力側トランジスタ素子の制御端子と接続された入力側トランジスタ素子と、
前記レーザダイオードの閾値電流を生成すると共に、一端が前記第1〜第Nのスイッチ素子の他方の端子と接続され、他端が前記共通電位線と接続された第2の電流源と、
前記閾値電流と前記第1〜第Nのスイッチ素子の他方の端子に流れる電流との合成電流を入力とし、当該合成電流と略同一の電流値を有する電流を前記駆動電流として生成するカレントミラー回路と、
を備え、
前記第1〜第Nの出力側トランジスタ素子の電気的特性は、各々に対応するビットデータに応じた電流を生成するように設定されており、
前記補正手段は、前記補正信号として前記照射位置に応じた前記第1の電流源の電流利得を指示するための利得指示信号を前記第1の電流源に出力する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記駆動信号生成手段は、
前記階調信号として前記照射位置に対応する画素の階調値を規定するPWM(Pulse Width Modulation)階調信号を入力とし、
前記PWM階調信号に応じて2端子間の接続/非接続を切り替えるスイッチ素子と、
制御端子を除く2端子の内の第1の端子が前記スイッチ素子の一方の端子と接続され、第2の端子が共通電位線と接続された出力側トランジスタ素子と、
利得指示信号を入力とし、当該利得指示信号によって指示される電流利得を用いて最大階調値に対応する電流を生成する第1の電流源と、
制御端子を除く2端子の内の第1の端子が前記第1の電流源と接続され、第2の端子が前記共通電位線と接続されると共に、制御端子が自身の前記第1の端子と前記出力側トランジスタ素子の制御端子と接続された入力側トランジスタ素子と、
前記レーザダイオードの閾値電流を生成すると共に、一端が前記スイッチ素子の他方の端子と接続され、他端が前記共通電位線と接続された第2の電流源と、
前記閾値電流と前記スイッチ素子の他方の端子に流れる電流との合成電流を入力とし、当該合成電流と略同一の電流値を有する電流を前記駆動電流として生成するカレントミラー回路と、
を備え、
前記補正手段は、前記補正信号として前記照射位置に応じた前記第1の電流源の電流利得を指示するための利得指示信号を前記第1の電流源に出力する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記走査手段は、前記光を反射する反射ミラーと、前記反射ミラーの反射面に沿った第1の軸回りに前記反射ミラーを回転させるための第1の回転支持部と、前記反射面に沿い、且つ前記第1の軸に直交する第2の軸回りに前記反射ミラーを回転させるための第2の回転支持部とを備えるMEMS(Micro Electro Mechanical System)スキャナであり、
前記照射位置検出手段は、前記反射ミラーの前記第1の軸回りの回転角及び前記第2の軸回りの回転角を前記照射位置として検出する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
被投射面上に光を走査して画像を表示する画像表示方法であって、
表示画像を示す階調信号に応じた駆動信号を生成する第1の工程と、
前記駆動信号に応じた光量を有する光を発生する第2の工程と、
前記光源から発生する光を前記被投射面上に走査する第3の工程と、
前記被投射面上における前記光の照射位置を検出する第4の工程と、
前記照射位置に応じて前記駆動信号を補正する第5の工程と、
を有することを特徴とする画像表示方法。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−309935(P2008−309935A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156306(P2007−156306)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】