説明

画像表示装置用表示粒子および画像表示装置

【課題】画像部と非画像部とのコントラストが十分に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる画像表示装置用表示粒子、その製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板11、12間に表示粒子21、22を封入し、該基板間18に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置10に用いられる表示粒子であって、表示粒子21、22が、少なくとも樹脂、着色剤、特定のリン酸エステル化合物を含有する。表示粒子21、22の製造方法は、湿式法において樹脂または該樹脂を形成し得るモノマー、着色剤、および特定のリン酸エステル化合物を含有する油性相を、水性媒体に分散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
帯電された表示粒子を、電界を加えることで移動させることにより、画像の表示および消去を繰り返し実行できる画像表示装置および該画像表示装置に用いられる表示粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示粒子を気相中で移動させて画像を表示する画像表示装置が知られている。画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子が粉体形態で封入されてなり、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を一方の基板に移動・付着させて画像を表示するものである。そのような画像表示装置の駆動の際には、基板間に電圧を印加して電界を発生させ、当該電界方向に沿って表示粒子が移動するため、電界方向を適宜選択することによって画像の表示および消去を繰り返し実行できる。しかしながら、表示粒子が基板に一旦、付着すると、その付着力は比較的大きいので、表示粒子が基板に付着したまま動かなくなり、画像部と非画像部とのコントラストが損なわれるという問題が生じていた。
【0003】
画像表示装置用表示粒子の製造方法としては、樹脂と着色剤とを混練りしてペレットとした後、粉砕及び分級を行なって目的粒子径の粒子を得る粉砕法が知られている。着色剤としては顔料や染料などが使用される。着色剤の具体例としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0004】
しかしながら、粉砕法では、着色剤を高充填すると、粒子表面に着色剤、特に顔料が露出し、表示粒子は電荷を保持するのが困難なため、駆動初期から画像部と非画像部とのコントラストが低下した。さらに、粉砕法は、粉砕に大きなエネルギーを必要とする他、工程が複雑化する問題があった。また、表示粒子としての流動性の観点から、粒子は球形であることが望ましいが、粉砕法で概球形の粒子を得る為には、更に物理的に粒子の角を取る工程が必要であり、煩雑であった。
【0005】
そこで、原料として、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマーおよびスチレン系モノマー等のようなラジカル重合性モノマーに着色剤を分散した油性相を、水性媒体中に分散して液滴を形成し、懸濁重合により球形の粒子を製造する懸濁重合法が提案されている。この方法では、球形の液滴のまま硬化されるので、他に粒子の球形化工程が不要であり、分級のみで目的の粒子径を直接的に得ることができ、容易である。また、粉砕による大きなエネルギーのロスも防げ、効率的である。
【0006】
更に、別の方法として、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂およびスチレン系樹脂等のような樹脂を有機溶剤に溶解させた樹脂溶液に着色剤を分散した油性相を、水性媒体中に分散して液滴を形成し、有機溶剤を除去することにより粒子を製造する溶解懸濁法が提案されている。この方法では、有機溶剤種、有機溶剤の除去方法を調整することにより、球形の粒子を得ることが可能であり、懸濁重合と同様に分級のみで目的の粒子径を直接的に得ることができ、容易である。
【0007】
しかしながら、懸濁重合法および溶解懸濁法では、油性相中での着色剤の分散性が悪いために、作製された粒子において着色剤が含有されていないものも混入され、十分なコントラストは得られなかった。そのため、着色剤を高充填することが考えられるが、そのような方法では、粒子表面での着色剤の露出による問題が生じ、十分なコントラストはやはり得られなかった。しかも、着色剤を高充填すると、不定形粒子が発生し、流動性が低下した。そこで、油性相に着色剤を混合したときに大きなシェアをかけて、着色剤の分散を促進させることが考えられるが、製造コストや製造時間が掛かることとなり、しかも、多少の分散性の改良が見られるだけで根本的な解決にはなり得なかった。
【0008】
これらの問題に対して、特許文献1では懸濁重合法において、顔料マスターバッチを用いることにより、モノマー溶液中への顔料の分散性を良好にして、色の均一性の良好な表示粒子を得る技術が開示されている。しかしながら、この方法を用いても、十分なコントラストはやはり達成できなかった。
【0009】
また、懸濁重合法および溶解懸濁法において、疎水化処理した着色剤を用いることが考えられるが、そのような方法でも、十分なコントラストはやはり達成できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−99046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、画像部と非画像部とのコントラストが十分に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる画像表示装置用表示粒子およびその製造方法、ならびに画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、
表示粒子が、少なくとも樹脂、着色剤、ならびに下記一般式(I)〜(III)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選択される1種類以上のリン酸エステル化合物を含有することを特徴とする表示粒子;
【0013】
【化1】

(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立してアルキル基またはアルケニル基である;q、mおよびnはそれぞれ独立して0または正の整数である;X、XおよびXはそれぞれ独立してアルキレン基である)、および該表示粒子を備えた画像表示装置に関する。
【0014】
本発明はまた、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子の製造方法であって、
湿式法において樹脂または該樹脂を形成し得るモノマー、着色剤、および上記一般式(I)〜(III)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選択される1種類以上のリン酸エステル化合物を含有する油性相を、水性媒体に分散させることを特徴とする表示粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る表示粒子は、所定の分散剤が含有され、着色剤の分散性が向上しているので、粒子表面での着色剤の露出が十分に抑制される。そのため、画像部と非画像部とのコントラストが十分に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる。そのような効果は、着色剤を従来の範囲内の含有量で含有させた場合であっても、得ることができる。本発明において着色剤を従来より多い含有量で含有させた場合であっても、所定の分散剤によって向上した着色剤の優れた分散性は維持されるので、粒子表面での着色剤の露出が有効に抑制され、画像部と非画像部とのコントラストが顕著に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像表示装置の断面構成の一例を示す概略図である。
【図2】基体間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。
【図3】基体間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。
【図4】画像表示面の形状例を示す模式図である。
【図5】表示粒子の封入方法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[画像表示装置用表示粒子]
本発明に係る画像表示装置用表示粒子(以下、単に表示粒子という)は、少なくとも樹脂、着色剤および所定の分散剤を含有するものである。
【0018】
分散剤は、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選択される1種類以上のリン酸エステル化合物である。以下、一般式(I)で表される化合物を「リン酸モノエステル」、一般式(II)で表される化合物を「リン酸ジエステル」、一般式(III)で表される化合物を「リン酸トリエステル」と呼ぶことがある。
【0019】
【化2】

【0020】
一般式(I)〜(III)中、R、RおよびRはそれぞれ独立してアルキル基またはアルケニル基であり、好ましくは炭素数5〜25のアルキル基または炭素数5〜30のアルケニル基である。アルキル基は直鎖状または分枝状であってよく、好ましくは直鎖状のものであり、好ましいアルキル基の具体例として、下記式;
−(CHr1−CH
(r1は4〜24の整数である)で表されるアルキル基が挙げられる。アルケニル基は直鎖状または分枝状であってよく、好ましくは直鎖状のものであり、好ましいアルケニル基の具体例として、下記式;
−(CHr2−CH=CH−(CHr3−CH
(r2は0または1〜15の整数である;r3は2〜15の整数である;r2+r3は2〜27の整数である)表されるアルケニル基が挙げられる。
【0021】
一般式(I)〜(III)中、q、mおよびnはそれぞれ独立して0または正の整数であり、好ましくは0または1〜20の整数である。
、XおよびXはそれぞれ独立してアルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。アルキレン基は2価の飽和炭化水素基であり、好ましいアルキレン基の具体例として、下記式;
−CHCH−、−CHCH(CH)−、および−CHCH(CHCH)−
で表されるアルキレン基が挙げられる。
【0022】
一般式(I)〜(III)で表されるリン酸エステル化合物の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が好ましい。
アルカリ金属としては、Na、Kが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、Baが挙げられる。
【0023】
一般式(I)〜(III)で表されるリン酸エステル化合物およびその塩は、その構造において、着色剤に対して大きな親和性を示す水酸基もしくはエーテル結合を有すると共に、疎水基部分も有する為、有機質(樹脂またはモノマー)に対しても着色剤の親和性が大きくなり、表示粒子中において樹脂と着色剤との相溶性が大きく得られる。そのため、着色剤が均一に分散されて、大きな着色力が得られると同時に、着色剤の露出が抑制されて良好な帯電性が得られる。それらの結果、画像部と非画像部とのコントラストが十分に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる。
【0024】
一般式(I)〜(III)で表されるリン酸エステル化合物は、コントラストのさらなる向上の観点から、HLB値(親水親油バランス)が7.0〜15.0、特に10.0〜14.0のものを用いることが好ましい。
【0025】
本明細書中、HLB値は、アトラス法に基づいて求められた値を用いている。
【0026】
一般式(I)で表されるリン酸モノエステル化合物およびその塩の具体例として、例えば、一般式(Ia)で表されるリン酸モノエステル(Ia)が挙げられる。
【0027】
【化3】

【0028】
式(Ia)中、MおよびMはそれぞれ独立してH、Na、K、(1/2)Mg2+、(1/2)Ca2+、(1/2)Ba2+、またはNHであり、好ましくはHまたはNaである。
a1は4〜24、好ましくは8〜15の整数である。
【0029】
リン酸モノエステル(Ia)は市販品として入手可能である。
リン酸モノエステル(Ia)の具体例として以下に示す市販の化合物が挙げられる。
NIKOLL SLP-N(日光ケミカルズ)。
【0030】
【表1】

【0031】
一般式(II)で表されるリン酸ジエステル化合物およびその塩の具体例として、例えば、一般式(IIa)で表されるリン酸ジエステル(IIa)、一般式(IIb)で表されるリン酸ジエステル(IIb)が挙げられる。
【0032】
【化4】

【0033】
式(IIa)中、MはH、Na、K、(1/2)Mg2+、(1/2)Ca2+、(1/2)Ba2+、またはNHであり、好ましくはHまたはNaである。
b1およびb2はそれぞれ独立して0または1〜15の整数であり、好ましくは2〜10の整数である。
c1およびc2はそれぞれ独立して4〜24の整数であり、好ましくは10〜16の整数である。
【0034】
式(IIb)中、MはH、Na、K、(1/2)Mg2+、(1/2)Ca2+、(1/2)Ba2+、またはNHであり、好ましくはHまたはNaである。
d1およびd2はそれぞれ独立して0または1〜15の整数であり、好ましくは5〜12の整数である。
e1およびe2はそれぞれ独立して2〜15の整数であり、好ましくは5〜10の整数である。
【0035】
リン酸ジエステル(IIa)および(IIb)は市販品として入手可能である。
リン酸ジエステル(IIa)および(IIb)の具体例として以下に示す市販の化合物が挙げられる。
NIKKOL DDP-2、NIKKOL DDP-4、NIKKOL DDP-6、NIKKOL DDP-8、NIKKOL DDP-10、NIKKOL DOP-8NV、NIKKOL DLP-10(以上、日光ケミカルズ)。
【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
一般式(III)で表されるリン酸トリエステル化合物およびその塩の具体例として、例えば、一般式(IIIa)で表されるリン酸トリエステル(IIIa)、一般式(IIIb)で表されるリン酸トリエステル(IIIb)が挙げられる。
【0039】
【化5】

【0040】
式(IIIa)中、f1、f2およびf3はそれぞれ独立して0または1〜15の整数であり、好ましくは5〜10の整数である。
g1、g2およびg3はそれぞれ独立して2〜15の整数であり、好ましくは5〜10の整数である。
f1+g1、f2+g2、およびf3+g3はそれぞれ独立して2〜27の整数であり、好ましくは10〜20の整数である。
【0041】
式(IIIb)中、h1、h2およびh3はそれぞれ独立して0または1〜15の整数であり、好ましくは2〜10の整数である。
i1、i2およびi3はそれぞれ独立して4〜24の整数であり、好ましくは8〜16の整数である。
【0042】
リン酸トリエステル(IIIa)および(IIIb)は市販品として入手可能である。
リン酸トリエステル(IIIa)および(IIIb)の具体例として以下に示す市販の化合物が挙げられる。
NIKKOL TOP-0V、NIKKOL TDP-2、NIKKOL TLP-4、NIKKOL TDP-6、NIKKOL TDP-8、NIKKOL TDP-10、NIKKOL TCP-5(以上、日光ケミカルズ)。
【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
本発明に係る表示粒子において上記分散剤の含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、通常は着色剤に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.3〜5.0重量%である。分散剤の含有量が少なすぎると、着色剤の十分な分散が達成されず、本発明の効果は十分に得られない。分散剤の含有量が多すぎると、過飽和の状態となり、特にその量に応じて効果が増大するものではない。分散剤として2種類以上の上記リン酸エステル化合物を使用する場合は、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0046】
表示粒子から、一般式(I)〜(III)の化合物を検出・定量することができる。検出・定量方法としては、一般的に有機化学、高分子化学、天然物化学で使用する適当な分析方法を使用することができるが、たとえば以下の方法がある。
【0047】
・定性方法
一般式(I)〜(III)の化合物の構造式を特定する方法としては、表示粒子を良溶剤に浸漬、分散または溶解して、濾過処理後の濾液をLC−MSで分離・解析できる。
LC−MSの条件としては、分離・解析できる装置・条件であればなんでもかまわないが、たとえば、以下の装置・条件である。
LC−MSの機種:LCQ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
測定条件:逆相HPLC測定
検出機:HPLC法による定量の場合、検出はMS、ELSD又はコロナCADを用いる。
カラム:ODS−3(GLサイエンス社製)
基準品がなく、LC−MSのライブラリーで構造式が特定できない場合には、分取してNMRで構造を確定することができる。たとえば、以下の装置を使用できる。
NMR装置:LA400(日本電子社製)
また、単離後IRによって構造を特定することもできる。たとえば、以下の装置を使用できる。
IR装置:NICOLET380(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
・定量方法
基本的には、基準品で検量線を作成して、上記のLC−MSで定量することができる。
【0048】
表示粒子から、着色剤を検出・定量することができる。検出・定量方法としては、一般的に有機化学、高分子化学、天然物化学で使用する適当な分析方法を使用することができる。
・定性方法
通常の有機定性分析による、段階的分離方法により単離後、MS、IR等で解析する。
・定量方法
基本的には、良溶媒に溶解するものは、一般式(I)〜(III)の化合物と同様の方法が採用できる。良溶媒に溶解しないものは、着色剤以外のものを溶解分離、乾燥して重量を測る。
【0049】
着色剤は特に限定されるものではなく、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能であり、好ましくは無機系の顔料が含有される。
【0050】
白色着色剤としては、酸化チタン、亜鉛華、アンチモン白、硫化亜鉛およびそれらの混合物等が挙げられ、酸化チタンが好ましい。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭およびそれらの混合物等が挙げられ、カーボンブラックが好ましい。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCおよびそれらの混合物等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2およびそれらの混合物等がある。
【0051】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12およびそれらの混合物等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGおよびそれらの混合物等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31およびそれらの混合物等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキおよびそれらの混合物等がある。
【0052】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の無機系顔料およびそれらの混合物等がある。
塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーおよびそれらの混合物等がある。
【0053】
着色剤は適宜選択されて配合されて所望の色の表示粒子が製造される。以下、主として白色表示粒子および黒色表示粒子について説明するが、本発明はこれらの組み合わせに制限されて解釈されるべきではない。
【0054】
着色剤の含有量は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は表示粒子に含有される樹脂100重量部に対して1〜250重量部が好適である。特に、例えば白色表示粒子の場合、白色着色剤の含有量は樹脂100重量部に対して10〜250重量部、特に50〜200重量部が好ましい。また例えば、黒色表示粒子の場合、黒色着色剤の含有量は樹脂100重量部に対して1〜100重量部、特に2〜60重量部が好ましい。着色剤は複数組み合わせて含有されてよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0055】
着色剤、特に顔料の平均一次粒径は特に制限されず、通常は、白色着色剤の場合で1〜500nm、特に100〜350nmが好適であり、黒色着色剤の場合で1〜500nm、特に5〜100nmが好適である。
【0056】
本明細書中、平均一次粒径は以下の方法によって測定された値を用いている。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope通称SEM)において、1万倍で写真を撮り、実画像の粒子100個の平均値を用いている。
【0057】
着色剤、特に顔料は疎水化剤によって表面処理されたものを用いることが好ましい。これによって、着色剤の樹脂に対する分散性が顕著に向上し、表示粒子において着色剤の露出をより一層有効に抑制できるためである。疎水化剤の具体例としては、画像表示装置の分野で外添される無機微粒子の疎水化剤として使用されているものが使用できる。例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン等の有機シラザン、メチルハイドロジェンジシロキサン、ジメチルジシロキサン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シロキサン等の有機シロキサン、トリメチルシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジクロロシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の有機シランカップリング剤や、これらの混合物が用いられる。
【0058】
着色剤の疎水化度は10〜80%、特に20〜70%が好ましい。
【0059】
着色剤の疎水化度は以下の方法によって測定された値を用いている。
着色剤粒子0.2gに純水50mlを加え、マグネチックスターラーでよく混合する程度に撹拌する。撹拌させながら、先端が液体中に浸漬されているビュレットにてメタノールを5ml/分の速度で滴下する。メタノールを5ml滴下する毎に濁度計(日本電色工業株式会社製;NDH2000)にてヘーズ値を測定する。測定したヘーズ値が、あらかじめ測定しておいた着色剤粒子0.1gをメタノールに分散させておいた値を超えるまで滴下を続ける。
【0060】
着色剤の疎水化度は以下の式より求める。
疎水化度(%)=滴下したメタノール量(ml)/[滴下したメタノール量(ml)+純水50(ml)]×100
【0061】
表示粒子に含有される樹脂は、特に限定されるものではなく、画像表示装置用表示粒子の分野で従来から結着樹脂として使用されている樹脂が使用できる。例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などのような公知の各種の樹脂を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0062】
樹脂は、表示粒子の使用環境の観点から、ガラス転移点(Tg)が80〜100℃、数平均分子量(Mn)が1000〜100000、Mnと重量平均分子量(Mw)との比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)が2〜10であることが望ましい。
【0063】
本発明に係る画像表示装置において使用される表示粒子は通常、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子を含むものである。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子はそれぞれ、混合によって互いに摩擦接触させたり、または電荷付与材料としてのキャリア等の基準材料に対して摩擦接触させたりしたときに、正帯電性を示す表示粒子および負帯電性を示す表示粒子である。それらの表示粒子は通常、帯電極性だけでなく、色も異なるので、後で詳述する画像表示装置において基板間に電界を発生させたとき、視認方向上流側の基板に移動・付着する表示粒子と、視認方向下流側の基板上に残留・付着する表示粒子との間の当該色の差に基づいて、表示画像を視覚的に認識できるようになる。例えば、正帯電性表示粒子または負帯電性表示粒子の一方を白色とし、他方を黒色とすることで表示画像を視覚的に明瞭に認識できる。
【0064】
本発明においてはそのような正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子のうち少なくとも一方が前記した分散剤を含有する表示粒子であればよい。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の両方について、前記した分散剤が含有されていないと、初期から良好なコントラストが得られ難い。たとえ初期に良好なコントラストが得られたとしても、耐久時においてコントラストが悪化する。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の両方が前記した分散剤を含有する表示粒子であると、画像部と非画像部とのコントラストが顕著に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる。
【0065】
本発明において、正帯電性表示粒子または負帯電性表示粒子の一方は、特に正帯電性表示粒子は、前記した分散剤を含有する白色表示粒子であることが好ましい。白色度の向上のために白色表示粒子に白色着色剤、例えば、酸化チタンを高充填すると、着色剤の露出等の問題が生じやすいが、本発明において高充填を行っても、前記分散剤を含有させることによって、そのような問題が生じることなく、白色度を向上させ得るためである。
【0066】
表示粒子には、他の添加剤、例えば、荷電制御剤、蛍光増白剤が含有されてもよい。
白色表示粒子の場合は、例えば正帯電性荷電制御剤として、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が使用可能である。
黒色表示粒子の場合は、例えば負帯電性荷電制御剤として、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、ニトロイミダゾール誘導体等が使用可能である。
【0067】
以上に説明した本発明の表示粒子は着色剤の露出が十分に抑制されている。
特に、白色表示粒子は、例えば白色着色剤の含有量が樹脂100重量部に対して100重量部のとき、60%以上、好ましくは80%以上の帯電量保持率を達成する。
【0068】
本明細書中、帯電量保持率は、所定のキャリアを用いて帯電させた直後の帯電量に対する所定時間放置後の帯電量の割合(%)であり、詳しくは後述する実施例の評価方法に従って測定した値を用いている。
【0069】
[表示粒子の製造方法]
本発明に係る表示粒子の製造方法は、いわゆる湿式法において樹脂または該樹脂を形成し得るモノマー、着色剤および前記した分散剤を含有する油性相を、水性媒体に分散させることを特徴とする。油性相に所定の分散剤を含有させることによって、着色剤粒子の表面が分散剤によって被覆され、着色剤の樹脂またはモノマーに対する分散性が向上するので、表示粒子表面での着色剤の露出が十分に抑制される。そのため、画像部と非画像部とのコントラストが十分に優れた画像を長期にわたって繰り返し表示できる。また、湿式法を用いるので、得られる表示粒子の形状は比較的球形度が高く、しかも均一である。
【0070】
本発明の表示粒子を製造するための湿式法としては、懸濁重合法、ミニエマルジョン重合法等のような重合過程を含む湿式法、および溶解懸濁法等のような重合過程を含まない湿式法等が挙げられる。
【0071】
以下、懸濁重合法および溶解懸濁法等の湿式法によって本発明の表示粒子を製造する方法について詳しく説明する。
【0072】
例えば、懸濁重合法を用いる場合、本発明に係る表示粒子の製造方法は、少なくとも樹脂を形成し得るモノマー、着色剤および分散剤を含んでなる油性モノマー液を水性媒体に分散し、モノマーを重合させることを特徴とする。
【0073】
まず、少なくともモノマー、着色剤および分散剤を混合・撹拌して油性モノマー液を調製する。
モノマーとしては、前記の樹脂を重合によって形成できれば特に制限されず、通常は水に対して不溶性あるいは難溶性のラジカル重合性モノマーが使用される。
【0074】
着色剤および分散剤は前記したものが使用される。
着色剤の含有量は、「樹脂100重量部に対して」を「モノマー100重量部に対して」に読み替えること以外、前記した範囲と同様であればよい。
分散剤の含有量は、着色剤粒子の表面に該分散剤が単分子層で被覆し得るに十分な量とすればよく、具体的には着色剤に対する値が前記した範囲と同様であればよい。
【0075】
油性モノマー液には後述する非水溶性有機溶剤、および前記した荷電制御剤、蛍光増白剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0076】
油性モノマー液中、着色剤や分散剤等の成分を溶解/分散させるために、DYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)、ウルトラターラックス(IKA社製)、アイガーモータミル(アイガージャパン社製)、T.Kオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ボールミル、サンドグラインダー、超音波ホモジナイザーなどの装置を用いることができる。
【0077】
次いで、油性モノマー液を水性媒体に分散し、油性モノマー液の液滴が水性媒体中に分散されてなるO/Wエマルジョンを調製する。本工程では、水性媒体を形成する水および各種成分、ならびに油性モノマー液を同時に混合して、O/Wエマルジョンを調製してもよい。
【0078】
水性媒体は通常、水に重合開始剤が添加されてなっており、さらに所望により分散安定剤および分散安定助剤が添加されてもよい。
【0079】
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ化合物、メチルエチルケトンぺルオキシド、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物等が挙げられる。
重合開始剤の添加量は水性媒体の総量に対して0.1〜5.0重量%が好ましい。
【0080】
分散安定剤は、水性媒体中での油性液滴の分散を安定化するものであり、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する難溶性無機塩が使用される。分散安定剤の具体例として、例えば、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、二リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムアンモニウム等が挙げられるが、特にカルシウム系の難溶性無機塩を使用することが好ましい。このようなカルシウム系の難溶性無機塩としては、水に難溶性のリン酸カルシウム塩や、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。水に難溶性のリン酸カルシウム塩としては、リン酸三カルシウム、第二リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウムおよび、これらの混晶や、フッ化カルシウムや塩化カルシウムとの複塩の形態のものを挙げることができる。これらの分散安定剤は、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
分散安定剤の添加量は水性媒体の総量に対して0.5〜10重量%とすることが好ましい。
【0081】
分散安定助剤は、油性液滴の分散安定性を向上させるものであり、サポニンなどの天然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系などのノニオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン系界面活性剤などが挙げられる。特に、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤が好ましい。
分散安定助剤と分散安定剤との混合比率は、1/1000〜10/100、好ましくは2/1000〜8/100とすることが好ましい。
【0082】
O/Wエマルジョンを形成するために、例えば、ホモミキサーなどの撹拌装置を用いて、油性モノマー液と水性媒体との混合系を十分に撹拌する方法を採用することができる。O/Wエマルジョンにおける油性液滴の粒径は、最終的に得られる表示粒子の大きさを直接左右するものとなるので、得ようとする表示粒子の大きさに応じた液滴を形成し、かつその粒径分布を十分制御する必要がある。例えば、ホモミキサーを用いると、その回転数を適当に調整することにより、容易に液滴の粒径を制御することができる。撹拌時間が短すぎると各液滴の大きさがまちまちとなってシャープな粒径分布が得られないため、撹拌時間は5分間以上であることが好ましい。
【0083】
油性モノマー液の体積(Vp)と水性媒体の体積(Vw)との比(Vp/Vw)は、Vp/Vw≦1、好ましくは0.1≦Vp/Vw≦0.7)とする。Vp/Vw>1であると、安定なO/Wエマルジョンが形成できず、途中で相転移が生じたりあるいはW/Oエマルジョンが形成されてしまう虞が大きい。
【0084】
油性モノマー液を水性媒体に分散した後は、モノマーの重合を行う。非水溶性有機溶剤を用いた場合においては重合後、さらに分散系から非水溶性有機溶剤を除去する。すなわち、分散系の液滴中で重合を行い、必要によりさらに非水溶性有機溶剤を除去することにより表示粒子を得る。
【0085】
重合温度および重合時間は、特に制限されないが、得られる樹脂のMn、Mw/MnおよびTgが、樹脂の説明で前述した望ましい範囲内になるような温度および時間とすることが望ましい。
【0086】
非水溶性有機溶剤を用いた場合における当該溶剤の除去方法としては、溶解懸濁法を採用した場合における溶剤の除去方法と同様の方法を採用することができるが、重合温度を保ちながら減圧することによって溶剤を容易に除去することができる。
【0087】
重合、または重合および有機溶剤除去が完了した後は、ろ過/水洗を数回繰り返し行い、乾燥を行う。乾燥は公知のいかなる方法を採用してもよいが、生産性を考慮すると噴霧乾燥を行うことが好ましい。上記のろ過/水洗に先だってデカンテーションを行うことが好ましい。デカンテーションを行うことによって、微小粒子(3μm以下)の除去及びフリーに存在している分散剤を手間なく除去でき、洗浄が効率良く行なえる。
【0088】
また例えば、溶解懸濁法を用いる場合、本発明に係る表示粒子の製造方法は、少なくとも樹脂、着色剤および分散剤を非水溶性有機溶剤に溶解・分散してなる油性樹脂溶液を水性媒体に分散し、分散系から非水溶性有機溶剤を除去することを特徴とする。
【0089】
まず、少なくとも樹脂、着色剤および分散剤を非水溶性有機溶剤に溶解・分散して油性樹脂溶液を調製する。
樹脂としては、前記の樹脂であれば特に制限されず、通常は水に対して不溶性あるいは難溶性のものが使用される。
【0090】
着色剤および分散剤は前記したものが使用される。
着色剤の含有量は、樹脂100重量部に対する値が前記した範囲と同様であればよい。
分散剤の含有量は、着色剤粒子の表面に該分散剤が単分子層で被覆し得るに十分な量とすればよく、具体的には着色剤に対する値が前記した範囲と同様であればよい。
【0091】
非水溶性有機溶剤としては、水に対して不溶性あるいは難溶性で、かつ、上記の樹脂を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
【0092】
油性樹脂溶液における固形分濃度は、この油性樹脂溶液を水性媒体中に分散させてなるO/Wエマルジョンから非水溶性有機溶剤を除去する際に、液滴が容易に微粒子へと凝固できるように設定する必要があるので、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%とする。
【0093】
非水溶性有機溶剤中、樹脂、着色剤や分散剤等の成分を溶解/分散させるために、油性モノマー液の調製に使用可能な装置と同様の装置が使用可能である。
【0094】
次いで、油性樹脂溶液を水性媒体に分散し、油性樹脂溶液の液滴が水性媒体中に分散されてなるO/Wエマルジョンを調製する。本工程では、水性媒体を形成する水および各種成分、ならびに油性樹脂溶液を同時に混合して、O/Wエマルジョンを調製してもよい。
【0095】
水性媒体は、懸濁重合法で説明した水性媒体と同様である。
【0096】
O/Wエマルジョンを形成するために、例えば、ホモミキサーなどの撹拌装置を用いて、油性樹脂溶液と水性媒体との混合系を十分に撹拌する方法を採用することができる。O/Wエマルジョンにおける油性液滴の粒径は、最終的に得られる表示粒子の大きさを直接左右するものとなるので、得ようとする表示粒子の大きさに応じた液滴を形成し、かつその粒径分布を十分制御する必要がある。例えば、ホモミキサーを用いると、その回転数を適当に調整することにより、容易に液滴の粒径を制御することができる。撹拌時間が短すぎると各液滴の大きさがまちまちとなってシャープな粒径分布が得られないため、撹拌時間は5分間以上であることが好ましい。
【0097】
油性樹脂溶液の体積(Vp)と水性媒体の体積(Vw)との比(Vp/Vw)は、Vp/Vw≦1、好ましくは0.10≦Vp/Vw≦0.7とする。Vp/Vw>1であると、安定なO/Wエマルジョンが形成できず、途中で相転移が生じたりあるいはW/Oエマルジョンが形成されてしまう虞が大きい。
【0098】
油性樹脂溶液を水性媒体に分散した後は、分散系から非水溶性有機溶剤を除去する。すなわち、O/Wエマルジョンの液滴中より非水溶性有機溶剤を除去することにより表示粒子を得る。
【0099】
非水溶性有機溶剤を除去するためには、所望により系を減圧しながら、系全体を徐々に昇温して液滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去し、樹脂粒子(表示粒子)を形成する方法を採用することができる。あるいはまた、エマルジョンを乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去して樹脂粒子(表示粒子)を形成し、合わせて水性媒体を蒸発除去することも可能である。
【0100】
有機溶剤の除去が完了した後は、ろ過/水洗を数回繰り返し行い、乾燥を行う。乾燥は公知のいかなる方法を採用してもよいが、生産性を考慮すると噴霧乾燥を行うことが好ましい。上記のろ過/水洗に先だってデカンテーションを行うことが好ましい。
【0101】
以上に示すような湿式法によって製造された表示粒子は通常、外添剤を添加・混合して使用される。
外添剤は、画像表示装置の表示粒子の分野で従来から公知の外添剤が使用され、例えば、シリカ、チタニア等が挙げられる。
【0102】
外添剤は、表示粒子同士、表示粒子と電極間の物理的付着力低減の観点から、疎水化剤により表面処理されて使用されることが好ましい。
外添剤の疎水化剤は、特に限定されるものではなく、表示粒子の分野で公知の疎水化剤が用いられる。このうち、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン等の有機シラザン等の疎水化剤で処理した外添剤は、負帯電性表示粒子の外添剤として有用である。また例えば、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリス(2−エチルヘキソキシ)シラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(1−アミノプロポキシ)3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルメチルシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミノ変性シリコンオイル等のアミノシランカップリング剤等の疎水化剤で処理した外添剤は、正帯電性表示粒子の外添剤として有用である。
【0103】
外添剤の平均一次粒径は10〜200nm、好ましくは30〜100nmである。
【0104】
外添剤の添加量は、特に制限されず、表示粒子100重量部に対して、通常は0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部が好ましい。
【0105】
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は上記した表示粒子を備えたことを特徴とする。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。
【0106】
本発明に係る画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に上記した表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を気相中で移動させて画像を表示するものである。
【0107】
本発明に係る画像表示装置の代表的な構成断面を図1に示す。図1(a)は、基板11、12上に層構造の電極15を設け、電極15表面に絶縁層16を設けたものである。図1(b)に示す画像表示装置は、装置内に電極を設けていない構造のもので、装置外部に設けられた電極を介して電界を付与させ、表示粒子の移動を行える様にしたものである。図1(a)および図1(b)における同じ符号は同じ部材を意味するものとする。図1は図1(a)および図1(b)を包含して意味するものとする。図1の画像表示装置10は、図に示す様に、基板11側より画像を視認するものとするが、本発明では基板11側より画像を視認するものに限定されるものではない。また、図1(b)に示すタイプは、装置自体に電極15が設けられていない分、装置の構造を簡略化させ、その製造工程を短縮化することができるメリットがある。図1(b)に示すタイプの画像表示装置10を電圧印加可能な装置にセットして電圧印加を行う様子を示すものを図3に示す。なお、本発明に係る画像表示装置の断面構成は図1(a)と(b)に示すものに限定されるものではない。
【0108】
図1(a)の画像表示装置10の最外部には、当該画像表示装置を構成する筐体である2つの基板11と12が対向して配置されている。基板11と12は双方が向き合う側の面上に電圧印加を行うための電極15が設けられ、さらに、電極15上に絶縁層16が設けられている。基板11と12には、電極15と絶縁層16が設けられ、電極15と絶縁層16を有する側の面を対向させて形成される隙間18には表示粒子が存在する。図1に示す画像表示装置10は、表示粒子として負帯電した黒色表示粒子(以下、黒色粒子という)21と正帯電した白色表示粒子(以下、白色粒子という)22の2種類の表示粒子を隙間18に存在させている。また、図1の画像表示装置10では、隙間18が基板11と12及び2つの隔壁17により四方を囲んだ構造となっており、表示粒子は隙間18に粉体形態で封入された状態で存在している。
【0109】
隙間18の厚さは、封入された表示粒子が移動可能で画像のコントラストを維持できる範囲であれば、特に限定されるものではなく、通常は10μm乃至500μm、好ましくは10μm乃至100μmである。隙間18内における表示粒子の体積占有率は、5%乃至70%であり、好ましくは30%乃至60%である。表示粒子の体積占有率を上記範囲にすることにより、隙間18内で表示粒子がスムーズに移動でき、また、コントラストのよい画像が得られる。
【0110】
次に、画像表示装置10の隙間18での表示粒子の挙動について説明する。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、帯電している表示粒子は電界方向に沿って移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、帯電した表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
【0111】
本発明に係る画像表示装置における画像表示は以下の手順により行われるものである。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
【0112】
なお、上述した公知の方法による表示粒子の帯電方法としては、たとえば、キャリアに接触させて摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法、帯電極性の異なる2色の表示粒子を混合、撹拌して両者間の摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法等が挙げられるが、本発明では、キャリアを使用し、帯電した表示粒子を基板内に封入することが好ましい。
【0113】
基板間への電圧印加に伴う表示粒子の移動の例を図2と図3に示す。
図2(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図2(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、基板11に正の電圧に印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
【0114】
図3は、図1(b)に示した画像表示装置10に電極を有さないタイプのものを電圧印加装置30にセットし、この状態で電圧を印加する前の様子(図3(a))と電圧を印加した後の様子(図3(b))を示したものである。図1(b)に示すタイプの画像表示装置10も電極15を有する画像表示装置10と同様、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、正に帯電した白色粒子22は基板12側に移動している。
【0115】
次に、図1に示す画像表示装置10を構成する基板11、12、電極15、絶縁層16、および隔壁17について説明する。
【0116】
先ず、画像表示装置10を構成する基板11と12について説明する。画像表示装置10では、観察者は基板11と12の少なくとも一方の側から表示粒子により形成される画像を視認するので、観察者が視認する側に設けられる基板は透明な材質のものが求められる。したがって、観察者が画像を視認する側に使用される基板は、たとえば可視光透過率が80%以上の光透過性の材料が好ましく、80%以上の可視光透過率を有することにより十分な視認性が得られる。なお、画像表示装置10を構成する基板のうち、画像を視認する側の反対側に設けられる基板の材質は必ずしも透明なものである必要はない。
【0117】
基板11、12の厚さは、それぞれ2μm〜5mmが好ましく、さらに、5μm〜2m
mがより好ましい。基板11、12の厚さが上記範囲のとき、画像表示装置10に十分な強度を付与するとともに基板の間隔を均一に保つことができる。また、基板の厚さを上記範囲とすることでコンパクトで軽量な画像表示装置を提供することができるので、広い分野での当該画像表示装置の使用を促進させる。さらに、画像を視認する側の基板の厚みを上記範囲とすることにより、表示画像の正確な視認が行え表示品質に支障を与えない。
【0118】
可視光透過率が80%以上の材料としては、ガラスや石英等の可撓性を有さない無機材料や、後述する樹脂材料に代表される有機材料や金属シート等が挙げられる。このうち、有機材料や金属シートは画像表示装置にある程度の可撓性を付与することができる。可視光透過率を80%以上とすることが可能な樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等に代表されるポリエステル樹脂や、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体であるアクリル樹脂やポリエチレン樹脂等のビニル系の重合性単量体をラジカル重合して得られる透明樹脂も挙げられる。
【0119】
電極15は基板11と12の面上に設けられ、電圧印加により基板間すなわち隙間18に電界を形成するものである。電極15は、前述の基板と同様に、観察者が画像を視認する側に透明なものを設ける必要がある。
【0120】
画像を視認する側に設けられる電極の厚みは、導電性を確保するとともに光透過性に支障を来さないレベルにすることが求められ、具体的には3nm〜1μmが好ましく、5nm〜400nmがより好ましい。なお、画像を視認する側に設けられる電極の可視光透過率は、基板同様、80%以上とすることが好ましい。画像を視認する側の反対側に設けられる電極の厚みも上記範囲とすることが好ましいが、透明なものにする必要はない。
【0121】
電極15の構成材料としては、金属材料や導電性金属酸化物、あるいは、導電性高分子材料等が挙げられる。具体的な金属材料としては、たとえば、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等が挙げられ、導電性金属酸化物の具体例としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、アンチモン・スズ酸化物(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。さらに、導電性高分子材料としては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等が挙げられる。
【0122】
電極15を基板11や12上に形成する方法としては、たとえば、薄膜上の電極を設ける場合には、スパッタリング法や真空蒸着法、化学蒸着法(CVD法;Chemical Vapor Deposition)、塗布法等が挙げられる。また、導電性材料を溶媒やバインダ樹脂に混合させ、この混合物を基板に塗布して電極を形成する方法もある。
【0123】
絶縁層16は電極15の表面に設けられ、絶縁層16表面で表示粒子21,22と接触する構成となっている。絶縁層16は表示粒子21、22を移動させる際に印加される電圧によって帯電量の変化を緩和する役割をもっている。また、疎水性の高い構造をもつ樹脂、凹凸を付与することによって、表示粒子との物理的な付着力を低減でき、駆動電圧を低減させる働きももっている。絶縁層16を構成する材料としては、電気絶縁性を有する薄膜化可能な材料であって、所望により透明性を有するものである。画像を視認する側に設けられる絶縁層は可視光透過率を、基板同様、80%以上とすることが好ましい。具体例として、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0124】
絶縁層16の厚みは0.01μm以上10.0μm以下とすることが好ましい。すなわち、絶縁層16の厚みが上記範囲の時は、電極15間にそれほど大きな電圧を印加せずに表示粒子21,22が移動でき、たとえば、電気泳動法による画像形成で印加したレベルの電圧を付与して画像表示が行えるので好ましい。
【0125】
隔壁17は、上下基板間の間隔18を確保するものであり、図4上段の右側および左側の図に示すように基板11,12の縁部だけでなく、必要に応じて内部にも形成できる。隔壁17の幅、特に画像表示面18a側の隔壁の厚みは、例えば図4上段の右側の図に示すように、表示画像の鮮明性を確保する上からできるだけ薄くした方がよい。
【0126】
基板11,12の内部に形成される隔壁17は、図4上段の右側および左側の図中、表裏方向に連続的に形成されても、断続的に形成されてもよい。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた隙間18のセルを様々な形状で配置できる。隙間18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図4下段の図に示す。セルは、図4下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。
【0127】
隔壁17は、たとえば以下に挙げる方法を用いて画像を視認する側の反対側の基板上を加工処理することにより形成できる。隔壁17を形成する方法としては、たとえば、樹脂材料等によるエンボス加工や熱プレス射出成形による凹凸形成、フォトリソグラフ法やスクリーン印刷等が挙げられる。
【0128】
本発明に係る画像表示装置は以下に示す電子写真現像方式によって製造可能である。
2枚の基板11、12に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図5(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図5(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に負帯電の表示粒子21を付着させる。
表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図5(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図5(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に正帯電の表示粒子22を付着させる。負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図5(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
【0129】
表示粒子を負帯電させるキャリア210としては、フェライト等の磁性粒子に、シクロヘキシルメタクリレート樹脂等の樹脂をコートしたコート型キャリアが有用である。
表示粒子を正帯電させるキャリア220としては、フェライト等の磁性粒子に、フッ素化アクリレート樹脂等の樹脂をコートしたコート型キャリアが有用である。
【実施例】
【0130】
<実施例1;懸濁重合法>
〔白色表示粒子〕
下記に示した材料をDYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)に投入し、4時間分散を行なった(油性モノマー液1)。
スチレン 50g
ジビニルベンゼン 50g
ルチル型酸化チタン(R−630、石原産業社製) 100g
前記リン酸トリエステル(IIIb−1) 1g
【0131】
次に、水1000g、第三リン酸カルシウム30g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4g、油性モノマー液1 201gおよびアゾビスイソブチロニトリル2gを入れ、TK−ホモミキサー(特殊機化社製)を用いてこの混合物を分散し、10μm程度の液滴にした。その後、窒素気流下で70℃に昇温し懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始して8時間で重合を完結させた。得られた白色粒子の体積平均径は、9.4μmであった。白色粒子100重量部に対して、正帯電性無機微粒子としてアミノシラン系カップリング剤(アミノプロピルトリメトキシシラン)処理を行った平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(疎水化度77%)を1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、白色表示粒子を製造した。
【0132】
〔黒色表示粒子〕
下記に示した材料をDYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)に投入し、4時間分散を行なった(油性モノマー液2)。
スチレン 50g
ジビニルベンゼン 50g
カーボンブラック(MA100S、三菱化学社製) 15g
前記リン酸トリエステル(IIIb−1) 0.15g
【0133】
次に、水1000g、第三リン酸カルシウム30g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4g、油性モノマー液2 115.15gおよびアゾビスイソブチロニトリル2gを入れ、TK−ホモミキサー(特殊機化社製)を用いてこの混合物を分散し、10μm程度の液滴にした。その後、窒素気流下で70℃に昇温し懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始して8時間で重合を完結させた。得られた黒色粒子の体積平均径は、9.7μmであった。黒色粒子100重量部に対して、負帯電性無機微粒子としてシラザン系カップリング剤(メキサメチルジシラザン)処理を行った平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(疎水化度92%)を1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、黒色表示粒子を製造した。
【0134】
[白色表示粒子を帯電させるためのキャリアA]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
【0135】
[黒色表示粒子を帯電させるためのキャリアB]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
【0136】
[画像表示装置の製造]
画像表示装置は、図1(a)と同様の構造を有するように、以下の方法に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板11を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。上記電極上に、ポリカーボネート樹脂12gを、テトラヒドロフラン80mlとシクロヘキサノン20mlの混合溶媒に溶解させてなる塗布液を、スピンコート法により塗布して厚さ3μmの絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得た。
【0137】
黒色表示粒子(1g)およびキャリアB(9g)を振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(21,210)を、図5(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス+50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に黒色表示粒子21を付着させた。
【0138】
白色表示粒子(1g)およびキャリアA(9g)を振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(22,220)を、図5(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス−50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを印加して、絶縁層16上に白色表示粒子22を付着させた。
【0139】
黒色表示粒子を付着させた電極付き基板と、白色表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図5(c)に示すように、間隔50μmになるように隔壁で調整して重ね、基板周辺をエポキシ系接着剤にて接着し、画像表示装置とした。なお、2種類の表示粒子のガラス基板間への体積占有率は50%であった。白色表示粒子と黒色表示粒子との含有割合は白色表示粒子/黒色表示粒子の個数比でほぼ1/1にしてある。
【0140】
<実施例2;懸濁重合法>
実施例1において、リン酸トリエステル(IIIb−1)の代わりに前記リン酸トリエステル(IIIa−1)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.2μm、黒色粒子の体積平均径は9.5μmであった。
【0141】
<実施例3;懸濁重合法>
実施例1において、リン酸トリエステル(IIIb−1)の代わりに前記リン酸ジエステル(IIa−1)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.3μm、黒色粒子の体積平均径は9.6μmであった。
【0142】
<実施例4;懸濁重合法>
実施例1において、リン酸トリエステル(IIIb−1)の代わりに前記リン酸トリエステル(IIIb−2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.1μm、黒色粒子の体積平均径は9.4μmであった。
【0143】
<実施例5;懸濁重合法>
実施例1において、リン酸トリエステル(IIIb−1)の代わりに前記リン酸ジエステル(IIb−1)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.2μm、黒色粒子の体積平均径は9.6μmであった。
【0144】
<実施例6;懸濁重合法>
実施例1において、リン酸トリエステル(IIIb−1)の代わりに前記リン酸ジエステル(IIa−6)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.4μm、黒色粒子の体積平均径は9.5μmであった。
【0145】
<実施例7;溶解懸濁法>
〔白色表示粒子〕
下記に示した材料をDYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)に投入し、4時間分散を行なった(油性樹脂溶液3)。
ポリスチレン(HF77、PSジャパン社製) 25g
ルチル型酸化チタン(R−630、石原産業社製) 25g
メチルエチルケトン 150g
前記リン酸トリエステル(IIIb−1) 0.25g
【0146】
次に、水1000g、第三リン酸カルシウム30g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4g、油性樹脂溶液3 200.25gを入れ、TK−ホモミキサー(特殊機化社製)を用いてこの混合物を分散し、11μm程度の液滴にした。その後、150mmHgに減圧し、40℃2時間でメチルエチルケトンを除去し、粒子をろ過、乾燥し、白色粒子を得た。体積平均径は、9.1μmであった。白色粒子100重量部に対して、正帯電性無機微粒子としてアミノシラン系カップリング剤(アミノプロピルトリメトキシシラン)処理を行った平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(疎水化度77%)を1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、白色表示粒子を製造した。
【0147】
〔黒色表示粒子〕
下記に示した材料をDYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)に投入し、4時間分散を行なった(油性樹脂溶液4)。
ポリスチレン(HF77、PSジャパン社製) 25g
カーボンブラック(MA100S、三菱化学社製)3.75g
メチルエチルケトン 86.25g
前記リン酸トリエステル(IIIb−1) 0.0375g
【0148】
次に、水1000g、第三リン酸カルシウム30g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4g、油性樹脂溶液4 115.04gを入れ、TK−ホモミキサー(特殊機化社製)を用いてこの混合物を分散し、10μm程度の液滴にした。その後、150mmHgに減圧し、40℃2時間でメチルエチルケトンを除去し、粒子をろ過、乾燥し、黒色粒子を得た。体積平均径は、9.5μmであった。黒色粒子100重量部に対して、負帯電性無機微粒子としてシラザン系カップリング剤(メキサメチルジシラザン)処理を行った平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(疎水化度92%)を1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、黒色表示粒子を製造した。
【0149】
得られた白色表示粒子および黒色表示粒子を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。
【0150】
<実施例8;懸濁重合法>
実施例1において、ルチル型酸化チタン(R−630、石原産業社製)をヘキサメチルジシラザンで表面処理して用いたこと(疎水化度=54%)、およびカーボンブラック(MA100S、三菱化学社製)をヘキサメチルジシラザンで表面処理して用いたこと(疎水化度=31%)以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.3μm、黒色粒子の体積平均径は9.6μmであった。
【0151】
<実施例9;懸濁重合法>
実施例1において、リン酸トリエステル(IIIb−1)の代わりに前記リン酸モノエステル(Ia−1)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.2μm、黒色粒子の体積平均径は9.5μmであった。
【0152】
<実施例10;懸濁重合法>
実施例1で製造した白色表示粒子および後述する比較例1で製造した黒色表示粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.2μm、黒色粒子の体積平均径は9.5μmであった。
【0153】
<比較例1;懸濁重合法>
実施例1において、白色表示粒子および黒色表示粒子の製造時にリン酸トリエステル(IIIb−1)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.1μm、黒色粒子の体積平均径は9.8μmであった。
【0154】
<比較例2;懸濁重合法>
〔白色表示粒子〕
下記に示した化合物を2軸ローラを用いて練りこみ、ペレット化したものをマスターバッチ1として使用した。
ルチル型酸化チタン(R−630、石原産業社製)100g
ポリスチレン(HF77、PSジャパン社製) 25g
【0155】
下記に示した材料をDYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)に投入し、4時間分散を行なった(油性モノマー液9)。
スチレン 50g
ジビニルベンゼン 25g
マスターバッチ1 125g
【0156】
次に、水1000g、第三リン酸カルシウム30g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4g、油性モノマー液9 200gおよびアゾビスイソブチロニトリル2gを入れ、TK−ホモミキサー(特殊機化社製)を用いてこの混合物を分散し、10μm程度の液滴にした。その後、窒素気流下で70℃に昇温し懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始して8時間で重合を完結させた。得られた白色粒子の体積平均径は、9.3μmであった。白色粒子100重量部に対して、正帯電性無機微粒子としてアミノシラン系カップリング剤(アミノプロピルトリメトキシシラン)処理を行った平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(疎水化度77%)を1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、白色表示粒子を製造した。
【0157】
〔黒色表示粒子〕
下記に示した化合物を2軸ローラを用いて練りこみ、ペレット化したものをマスターバッチ2として使用した。
カーボンブラック(MA100S、三菱化学社製)15g
ポリスチレン(HF77、PSジャパン社製) 25g
【0158】
下記に示した材料をDYNO−MILL MAULTI LAB(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)に投入し、4時間分散を行なった(油性モノマー液10)。
スチレン 50g
ジビニルベンゼン 25g
マスターバッチ2 25g
【0159】
次に、水1000g、第三リン酸カルシウム30g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4g、油性モノマー液8 115gおよびアゾビスイソブチロニトリル2gを入れ、TK−ホモミキサー(特殊機化社製)を用いてこの混合物を分散し、10μm程度の液滴にした。その後、窒素気流下で70℃に昇温し懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始して8時間で重合を完結させた。得られた黒色粒子の体積平均径は、9.6μmであった。黒色粒子100重量部に対して、負帯電性無機微粒子としてシラザン系カップリング剤(メキサメチルジシラザン)処理を行った平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(疎水化度92%)を1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、黒色表示粒子を製造した。
【0160】
得られた白色表示粒子および黒色表示粒子を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。
【0161】
<比較例3;懸濁重合法>
比較例1において、ルチル型酸化チタン(R−630、石原産業社製)をヘキサメチルジシラザンで表面処理して用いたこと(疎水化度=54%)、およびカーボンブラック(MA100S、三菱化学社製)をヘキサメチルジシラザンで表面処理して用いたこと(疎水化度=31%)以外は、比較例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。この時の白色粒子の体積平均径は9.3μm、黒色粒子の体積平均径は9.6μmであった。
【0162】
<評価>
(濃度)
評価は、表示特性として初期および10000回繰り返し時の黒色濃度、白色濃度、コントラストを評価し、さらに、帯電量保持率の評価を行った。
【0163】
(黒色濃度)
黒色濃度は、画像表示装置の視認方向側の電極に+100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
(白色濃度)
白色濃度は、画像表示装置の視認方向側の電極に−100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
(コントラスト)
コントラストは、黒色濃度と白色濃度の差、すなわち、
コントラスト=黒色濃度−白色濃度
で定義するものである。
前述の各濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて、表示面上の5カ所をランダムに測定して、その平均値とした。
【0164】
初期のランク付けは以下の通りである。
白色濃度は0.30以下を合格(○)、0.25以下を最良(◎)、0.30超を不合格(×)とした。
黒色濃度は1.65以上を合格(○)、1.80以上を最良(◎)、1.65未満を不合格(×)とした。
コントラストは1.35以上を合格(○)、1.60以上を最良(◎)、1.35未満を不合格(×)とした。
【0165】
10000回繰り返し後のランク付けは以下の通りである。
白色濃度は0.35以下を合格(○)、0.25以下を最良(◎)、0.35超を不合格(×)とした。
黒色濃度は1.55以上を合格(○)、1.80以上を最良(◎)、1.55未満を不合格(×)とした。
コントラストは1.20以上を合格(○)、1.55以上を最良(◎)、1.35未満を不合格(×)とした。
【0166】
(帯電量保持率)
帯電量保持率は下記式から求めた。
各実施例/比較例で作製した白色表示粒子4重量部と、2成分現像方式の電子写真プロセスに用いられるフッ化アクリレート樹脂コートキャリア100重量部とを常温常湿(20℃、50%RH)の環境で30時間、振盪装置を用いて振盪した。
振盪後、白色表示粒子の帯電量をブローオフ粉体帯電量測定装置「TB−200:東芝ケミカル社製」を用いて測定した。得られた帯電量を「帯電直後の帯電量」とする。
その後、40℃、80%RHの環境に48時間放置した後、振盪せずに白色表示粒子の帯電量を測定した。得られた帯電量を「放置後の帯電量」とする。
帯電保持率は下記式から求める。
帯電量保持率=(放置後の帯電量)/(帯電直後の帯電量)×100
尚、帯電保持率は60%以上を合格(○)、80%以上を最良(◎)、60%未満を不合格(×)とした。
【0167】
【表6】

【符号の説明】
【0168】
10:画像表示装置
11:12:基板
15:電極
16:絶縁層
17:隔壁
18:隙間
18a:画像表示面
21:黒色表示粒子
22:白色表示粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、
表示粒子が、少なくとも樹脂、着色剤、ならびに下記一般式(I)〜(III)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選択される1種類以上のリン酸エステル化合物を含有することを特徴とする表示粒子;
【化1】

(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立してアルキル基またはアルケニル基である;q、mおよびnはそれぞれ独立して0または正の整数である;X、XおよびXはそれぞれ独立してアルキレン基である)。
【請求項2】
表示粒子が正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子を含み、
正帯電性表示粒子または負帯電性表示粒子の少なくとも一方の表示粒子が、少なくとも樹脂、着色剤、ならびに上記一般式(I)〜(III)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選択される1種類以上のリン酸エステル化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の表示粒子。
【請求項3】
リン酸エステル化合物の含有量が着色剤に対して0.01〜10重量%である請求項1または2に記載の表示粒子。
【請求項4】
着色剤の疎水化度が10〜80%である請求項1〜3のいずれかに記載の表示粒子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の表示粒子を備えた画像表示装置。
【請求項6】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子の製造方法であって、
湿式法において樹脂または該樹脂を形成し得るモノマー、着色剤、および下記一般式(I)〜(III)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選択される1種類以上のリン酸エステル化合物を含有する油性相を、水性媒体に分散させることを特徴とする表示粒子の製造方法;
【化2】

(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立してアルキル基またはアルケニル基である;q、mおよびnはそれぞれ独立して0または正の整数である;X、XおよびXはそれぞれ独立してアルキレン基である)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−2645(P2011−2645A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145422(P2009−145422)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】