画像表示装置
【課題】 光源からの入射光が斜から入射してもロスなく集光および反射でき、コンパクトで光量効率の高いレンズアレイ基板を提供する。
【解決手段】 両凸レンズ系を備え、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズの面上に配置し、前記色分離手段からの平行光である第1入射光と、前記焦点位置を通って入射した主光線及び該主光線と平行に入射する第2入射光がともに反射型空間変調素子側の有効所定範囲に集光するように構成し、前記反射型空間変調素子80は、画素に対応して配列され入射光の反射角度を適宜変更可能に構成した複数の反射板71と該反射板を駆動する反射板駆動手段とを備え、画素情報に応じて前記反射板を個別に選択して必要画素を前記投影レンズ側に反射可能に構成した。
【解決手段】 両凸レンズ系を備え、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズの面上に配置し、前記色分離手段からの平行光である第1入射光と、前記焦点位置を通って入射した主光線及び該主光線と平行に入射する第2入射光がともに反射型空間変調素子側の有効所定範囲に集光するように構成し、前記反射型空間変調素子80は、画素に対応して配列され入射光の反射角度を適宜変更可能に構成した複数の反射板71と該反射板を駆動する反射板駆動手段とを備え、画素情報に応じて前記反射板を個別に選択して必要画素を前記投影レンズ側に反射可能に構成した。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置に関し、さらに詳しくは、斜入射光に対して各画素に対応した反射板を、各画素の表示あるいは非表示に応じて角度を変化させて、画像を投影する画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来、カラーフィルタを用いず、低コストにカラー画像を投影できる液晶プロジェクタとして、1つのパネルに3原色R、G、Bの各色の色分解画像を表わすための画素を配列した「単板式液晶デバイス」に、3枚のダイクロイックミラーにより色分解された原色光、即ちR光、G光、B光を、互いに異なる入射角で液晶デバイスに入射させてカラー画像表示を行う「単板式液晶カラープロジェクタ」が実用化されている。
【0003】このような、単板式液晶カラープロジェクタにおいて、単板式液晶デバイスにおける各画素に有効に光を取り込み、ブラックマトリックスの遮光による投射光量の低下を防止するために、単板式液晶デバイスにおけるR、G、Bの3つの画素に対して1つの集光用のマイクロレンズを対応させたマイクロレンズアレイ(以下、MLAと記す)を用い、照射光を所望の画素に集光させることが知られている。
【0004】図14は、回転式カラーフィルタを用いた時分割方式投影プロジェクタの概略構成図である。この構成は、投影面91、投影レンズ92、コンデンサレンズ93、反射型カラー画像表示装置94、カラーフィルタ95、光源96から構成されている。投影面91は、拡大された画像を投影するスクリーンである。投影レンズ92は、反射型カラー画像表示装置からの画像を拡大する機能を持ち、複数のレンズから構成されている。コンデンサレンズ93は、光源96の白色光を平行光に変換する機能を有する。反射型カラー画像表示装置94は、後面の図示しない反射板からの光を受け、各3原色の色ごとに表示素子が対応した構成である。カラーフィルタ95は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のフィルタをモータ等で回転させている。光源96は、白色光源であり、高圧水銀タイプのショートアークランプが使用される。そして反射型カラー画像表示装置94に対して斜から照射している。
【0005】この従来例の動作は、一定の速度で回転するカラーフィルタ95に、光源96からの白色光が当たりフィルタにより色選別される。例えば、赤(R)のフィルタの時は白色光から赤のみが選択され、反射型カラー画像表示装置94内の反射板で反射され、表示素子のON/OFFに応じた光が光源96からの入射角と同じ角度で出射され、出射光の軌跡上に配置された投影レンズ92で拡大されて投影面91に投影される。この動作が時分割に行われ、カラー画像が投影される。
【0006】また、染料や顔料を用いた既存のカラーフィルタに代えて、ホログラムや回折格子の分光回折特性を利用したカラーフィルタ(以下、HCF;Holographic Color Filterと記す)を用いたフルカラー液晶画像表示装置が公知であり、特開平5−232319号公報には、液晶画像表示装置のうち、液晶ビデオプロジェクタの改良に関する技術が開示されている。
【0007】それによると、カラーフィルタの各色セル自体をホログラムによって構成し、赤・緑・青のそれぞれの色に対応させた微小なドットのホログラムからなるホログラムパネル(HCF)を有し、HCFからの各色に対応したそれぞれの回折光が集光するように、透光部を設けたスリットを配置して、前記スリットを通過した光を、スクリーン上に赤・緑・青のドットとして結像させる液晶ビデオプロジェクタである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、パーソナルコンピュータ(PC)の発展と共に、画像に対する認識が大きく変わり、通信の分野においても画像を抜きにして語ることはできない。特に、最近ではPCによりドキュメントを作成し、それを液晶面に形成して直接プロジェクタに投影してプレゼンテーションを行ったり、液晶テレビ画像を大形プロジェクタで楽しむことが日常的になってきている。このような状況において、投影内容が文字だけとは限らず、むしろ画像を扱う機会が多くなってきたため、画質に対する要望が必然的に高くなってきた。
【0009】前記従来例の図14において、投影すべきカラー画像の3原色による色分解像のそれぞれを1つのパネル状の液晶デバイスに表示し、これらに対応する原色光により照射し、各パネルの原色光像をスクリーン上に合成的に投影してカラー画像の表示を行う。さらに、上記原色光を得るためのカラーフィルタは回転機構を伴いその機構が複雑と成り、各色が時分割のため各液晶デバイスを照射する原色光の光強度が1/3となり、投影されるカラー画像が暗くなるという問題があった。
【0010】また、ホログラムの場合も主光線が斜から入射するため、光利用効率が低く、混色率も悪い。さらに入射光の角度依存に非常に弱いといった欠点がある。
【0011】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、光源からの入射光が斜から入射してもロスなく集光および反射できるようにして、コンパクトで光量効率の高い光学系をもった画像表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するために、画像表示装置にかかる発明は、白色光源からの光を色分離して一定角度で反射するように配置された色分離手段を備え、該色分離手段からの各色を受光して集光する光学手段と、該光学手段で集光された光束を反射板で反射させながら空間変調する反射型空間変調素子と、該反射型空間変調素子からの反射光を投影する投影レンズを備えた画像表示装置において、前記光学手段は前記透過型空間変調素子側に一方の凸レンズ部、前記色分離手段側に他方の凸レンズ部を配置する両凸レンズ系を備え、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズの面上に配置し、前記色分離手段からの平行光である第1入射光と、前記焦点位置を通って入射した主光線及び該主光線と平行に入射する第2入射光がともに前記反射型空間変調素子側の有効所定範囲に集光するように構成し、前記反射型空間変調素子は、画素に対応して配列され入射光の反射角度を適宜変更可能に構成した複数の反射板と該反射板を駆動する反射板駆動手段とを備え、画素情報に応じて前記反射板を個別に選択して必要画素を前記投影レンズ側に反射可能に構成したことを特徴とする。
【0013】ここにおいて、本発明は両凸レンズ系を有しているが、1個の凸レンズのみでなく、一方の凸レンズ部と他方の凸レンズ部との間に複数の凸レンズまたは凹レンズ、もしくはそれらの組み合わせが介在してもよい。
【0014】本発明によると、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズ部の面上に配置しているので、前記色分離手段からの入射した光はその焦点位置を通る限りにおいては、その主光線は射出側で平行光線として射出する。そして、主光線と平行に前記他方の凸レンズ部の面に入射した第2入射光は前記一方の凸レンズ部のために両凸レンズ系の像側の焦点位置に集光する。また、前記他方の凸レンズ面に入射する前記色分離手段からの平行光である第1入射光は、両凸レンズ系の前記反射型空間変調素子側の焦点位置に集光する。よって、前記色分離手段から入射する入射光の略大部分を前記反射型空間変調素子側に集光することが可能であり、これらの集光した光を前記反射板によって前記反射型空間変調素子を通して前記投影レンズ側に反射するように構成したので、光ロスを軽減し明るい反射型空間変調素子を有した画像表示装置を提供することができる。
【0015】つまり、前記反射型空間変調素子として、画素がON/OFFでメカ的に動くDMD(digital micromirror device)を使用することにより、ON時に反射光を本発明のレンズアレイの特性を活かしながら投影レンズ側に反射させ、必要画素を投影可能とし、OFF時に反射光を投影レンズ外に反射するものである。
【0016】かかる発明によれば、白色光をダイクロイックミラーにより色分離するため、各色が個別に液晶素子に入射するためカラーフィルタが必要無くなり、光利用効率が高くなる。また、画素の並びに対して斜に光が入射しても、出射光が平行になるため広がり角を小さくでき、小口径の投影レンズを用いた場合でも、全光束を有効に利用することができる。これにより、光利用効率が高く、ホワイトバランスの良いカラー画像を得ることが可能になると共に、コストアップの原因となっていた高価な大口径のレンズを用いなくてもよくなることから、投影型カラー液晶表示装置全体としてのコストアップを回避することが可能になる。
【0017】また、レンズアレイ基板に用いられる両凸レンズ系は、前記色分離手段に対面する前記他方の凸レンズ部の有効面は、前記色分離手段によって分離された全ての原色光が入射可能であって、画素層側に対面する前記一方の凸レンズ部の有効面は、該全ての原色の光が出射可能であって、一画素を形成することが望ましい。その際に前記一方の凸レンズ部の有効面を出射する第1色は前記有効面の中心部分に集光し、他の色は周辺部分に集光することが好ましい。そして、他の色が複数色であれば、周辺部分は共有してもよく、中心部分の外側にリング上に分別区画してもよい。
【0018】また、前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を前記投影レンズ側に反射可能に変更し、前記反射板の入射光を前記投影レンズに入射させることが本発明の有効な手段である。つまり、画素を表示しない時、言い換えると画素がOFFの時は反射光は入射光と同じ角度で反射するので、その方向は投影レンズから外れるように構成される。またONの時は投影レンズに入射するように構成される。
【0019】かかる発明によれば、画素がONの時、前記反射板の角度を変更するため、投影レンズへの角度を、光束の拡がり角が狭くなるように制御可能となし、光学系をコンパクトに構成することができる。
【0020】また、前記必要画素として選択された前記反射板は、前記必要画素の反射光の拡散を防止するために、該反射板に対する入射角度を増加させる方向に変更可能にしたことも本発明の有効な手段である。かかる技術手段によれば、反射光が反射板に対向する光軸に入ってくる光と平行となり、しかも光束の拡がり角が狭くなるので、光学系がコンパクトに設計できる。
【0021】また、前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を該反射板と対向する前記両凸レンズ側に反射可能に変更することも本発明の有効な手段である。かかる発明によれば、主光線に対して反射光束が平行になり光の広がりが防止でき、光を無駄なく投影レンズに導くことができる。
【0022】また、反射型空間変調素子を用いた画像表示装置は、液晶層の背面に画素に対応して配列された前記反射板によって前記反射型空間変調素子を通して前記投影レンズ側に反射するように構成したことを特徴とする。
【0023】かかる技術手段によれば、前記反射型空間変調素子により変調された反射光の軌跡上に投影レンズを配置すればよいため、設計の自由度が拡がり設計も容易となる。また、プリズム等の光屈折および合成手段が不要となり、光学系のコストを安くすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施の形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0025】図1は、本実施の形態の反射型カラー液晶表示装置に用いられるMLA付きの反射型カラー液晶表示素子10の断面図と光の軌跡を表す図である。反射型カラー液晶表示素子10は、MLA基板20とガラス基板11の対向面にそれぞれ透明な走査電極23と駆動電極12R、12G、12Bを形成し、その間に液晶層13を充填して周囲をシール材14によって封止している。
【0026】MLA基板20は、透明で互いに屈折率の異なる3層のレンズ樹脂層18、17、16をベースガラス19、15間に挟み込んだものであって、レンズ樹脂層18、17、16の界面が形成されている。走査電極23と駆動電極12R、12G、12Bは互いに直交し、透明電極によって形成されている。つまりマトリックス状に配列された電極であり、その交点が選択されると駆動電極に対応する部分の液晶層13が相転位により光を透過させる。そして駆動電極12R、12G、12Bは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応して設けられ、それぞれの色の組み合わせにより全ての色を形成して液晶の一画素を駆動する。
【0027】次に、光の軌跡について説明する。主光線を破線で示し、各色を赤(R)、緑(G)、青(B)と表す。以下、入射光が入射する第1レンズ部22は(物側レンズ部)を、また、出射する第2レンズ部21は(像側レンズ部)を意味する。主光線は図のように、第1レンズ部22から入射し、第2レンズ部21を透過して駆動電極12R、12G、12Bに対して垂直に入射する。ガラス基板11の駆動電極側に反射膜があるとすれば、その反射光は同じ軌跡を通り、第1レンズ部22の光軸のP1に焦点を結ぶように設計される。また、各色の光束は第1レンズ部22から入射、屈折し、第2レンズ部21で再度屈折され駆動電極12R、12G、12B上に集光され、その反射光は同じ角度で反射して第2レンズ部21を通過して、さらに第1レンズ部22により入射光と平行になるように設計される。
【0028】図2は、図1の光の軌跡をより詳しく説明するための図である。例えば、緑(G)色の光の場合について図2(a)で説明すると、主光線は破線のように入射光と反射光は同じ軌跡を通り、他の光束は第1レンズ部22で屈折され、第2レンズ部21で更に屈折され駆動電極12G上に集光される。これは等価的に第1レンズ部22と第2レンズ部21の合成焦点距離f1を持ったレンズと考えられる。
【0029】図2(b)は、同じく、図1の光の軌跡をより詳しく説明するための図である。各色の主光線は、駆動電極12R、12G、12Bに対して垂直に入射し、その反射光は同じ軌跡を通るので各色の主光線は平行になる。その平行光が第2レンズ部21に入射して、その焦点距離f2が第1レンズ部22の光軸に一致するように設計されている。
【0030】以上のように本実施の形態のレンズアレイを使用することにより、白色光から光を3原色分離されたそれぞれの色の光を液晶の1画素に同時に入射することがきるため、時分割あるいはカラーフィルタによる光のロスが無くなり、明るい光学系が実現できる。また、入射光が斜から入射しても、本実施の形態のレンズアレイにより液晶に光束が入射および集光するので、光のスポットが集約され、隣接画素への光の漏れ、いわゆる光の混色率が激減した光束を液晶面で受光することができる。さらに、出射光がある決められた方向になるので、それに応じた光学系設計が可能となり、光学系そのものがコンパクトになり、また光学系の設計もし易くなる。
【0031】図3は、本実施の形態の画素がON/OFFでメカ的に動くDMDの場合の光線軌跡を表す斜視図である。この図では光線が画素の並びに対して、垂直方向から斜に入射した場合を表している。図の左側はDMD33がOFFの場合、右側はDMD33がONの場合である。まずOFFの場合、入射光はMLA31とMLA32により図1で説明した通り、主光線はDMD33で集光される。この時DMD33のマイクロミラーは傾斜していないため入射角と同じ角度で反射され、投影レンズ30に入射しない。次にONの場合、DMD33のマイクロミラーは投影レンズ30に入射する角度に傾斜して、画像が図示しないスクリーンに投影される。
【0032】図4は、図3のDMD33の動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。(a)はDMD33がOFFの場合で、斜下から入射した光が同じ角度で反射して、図示しない投射レンズ外へ光束を導く。(b)はDMD33がONの場合で、斜下から入射した光が傾斜したマイクロミラーにより図示しない投射レンズへ入射される。このように斜からの入射光であっても、MLA31、32により主光線が集光され、DMD33により光の変調が行われる。この場合DMD33がONの時、反射光が水平になり1つのレンズアレイを透過するところが重要である。なぜならば、それにより、本実施の形態のレンズアレイの特性が十分活かせるからである。
【0033】図5は、反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す斜視図である。この図では光線が画素の並びに対して、垂直方向から斜に入射した場合を表している。図3と同等の部分には、同じ参照番号が付せられているので重複する説明は省略する。この場合は、画素情報に応じて液晶表示素子の液晶層の相転位により、反射光を透過あるいは非透過させる原理であり、一義的に反射角度が決定されるため、反射型カラー液晶表示素子40で変調された反射光の軌跡上に投影レンズを設定すれば良い。
【0034】図6は、図5の動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。入射光は2つのレンズをまたいで入射され、その入射光と同じ角度で反射される。その反射光は主光線と平行に出射される。従って、反射型カラー液晶表示素子40で変調された反射光の軌跡上に投影レンズを設定するようにすれば光束を無駄なく投影することができる。
【0035】図7は、光線がDMD33の画素の並びに対して、斜に入射した場合を表している。(a)はDMD33がOFFの場合で、斜から入射した3原色光が同じ角度で反射して、図示しない投射レンズ外へ光束を導く。(b)はDMD33がONの場合で、斜から入射した光が傾斜したマイクロミラーにより図示しない投射レンズへ反射される。ここではR、G、B全てがONになっているが、実際は個別にON/OFFの動作をする。この場合も図4(b)と同様に、反射光が水平になり1つのレンズアレイを透過するところが重要である。
【0036】図8は、反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す斜視図である。この図では光線が画素の並びに対して、斜に入射した場合を表している。これは基本的に図6の場合と同様に、入射光は2つのレンズをまたいで入射され、その入射光と同じ角度で反射される。その主光線はレンズアレイ31の光軸で集光され、反射光の光束は平行に出射される。従って、反射型カラー液晶表示素子40で変調された反射光の軌跡上に投影レンズを設定するようにすれば光束を無駄なく投影することができる。
【0037】図9は、DMDを使用した時に、画素の並びと垂直方向から斜入射する場合で、光線が3つのレンズを使用する。(a)はDMD33がOFFの時で、斜からの入射光が1つのレンズをまたいで入射した場合は、当然反射光は入射光のレンズ面の3番目のレンズ面31を透過する。(b)はDMD33がONの時で、反射光がそのミラーに対向したレンズに向かって反射する。つまり3原色の1色の単位がレンズ3つの構成のレンズアレイとなる。かかる実施の形態によれば、光の軌跡が設計時点で決まるため、光学系全体の厚みがコントロールでき、設計も容易となる。また、画素に対するレンズの厚みの幅が増えるので混色に対して有利になる。
【0038】図10は、反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す図である。この場合は、画素情報に応じて液晶表示素子の液晶層の相転位により、反射光を透過あるいは非透過させる原理であり、一義的に反射角度は決定されるので、3個のレンズの厚み範囲内で光線軌跡を収めるように設計される。
【0039】図11(a)は第1の実施の形態による、DMDを用いた反射型カラー表示装置の構成を示す概略図であり、図11(b)はマイクロミラー71がOFF状態の場合における図11(a)のA部拡大図、図11(c)はマイクロミラー71がON状態の場合における図11(a)のA部拡大図である。また、図12はDMD装置800の1画素分、つまりカラー3原色の1色分の画素構造を説明する斜視図である。この実施の形態は、反射型空間変調素子として、画素がON/OFFでメカ的に動くDMD80を使用することにより、ON時に反射光を本実施の形態のレンズアレイの特性を活かしながら投影レンズ側に反射させ、必要画素を投影可能とし、OFF時に反射光を投影レンズ外に反射するものである。まず、DMD80について説明する。これはマイクロマシニング技術を用いることにより、Si基板73上に多数の微細なマイクロミラー71を配列させた光学素子である。Si基板73の上面には一対の支持部72が設けられており、Si基板73の表面においてトーションヒンジ76の両端が支持部75によって支持されている。
【0040】トーションヒンジ76には、ヨーク74の中央部が取り付けられており、ヨーク74の中心に立てられた柱部70の上端にマイクロミラー71が形成されている。Si基板73の上面には、静電気等の電気磁気的な力によってヨークに駆動力を及ぼしてトーションヒンジ76を捩らせながらヨーク74の傾きを調整することにより、マイクロミラー71の角度を制御するためのミラー駆動手段が設けられている。こうしてヨーク74を傾けることにより、マイクロミラー71の角度を変化させることができ、マイクロミラー71に光を照射していると、反射光の方向を自由に制御することができる。
【0041】DMD80を用いた反射型カラー表示装置は、図11に示すように、DMD装置800に対向させてMLA基板20を配置し、光源63から出射された白色光をダイクロイックミラー(色分離素子)64によって赤、緑、青の光束に分光させ、各色の光束を斜からMLA基板20を透過させることにより、カラー3原色を構成する3つのDMD80に照射させるようにしたものである。各画素において、スクリーン60に表示する必要のない光束は、マイクロミラー71によって横方向へ反射されて光アブソーバ62に吸収され、スクリーンに表示する場合には、マイクロミラー71によってプロジェクションレンズ61の方向へ反射させ、プロジェクションレンズ61によってスクリーン60上に結像され、カラー表示画像の1画素となる。この時は当然図4、図7R>7で説明した通り、光束はMLAに平行に透過する。また、階調を表示するには、1フレーム周期の間に階調レベルに応じて時分割された時間だけ、スクリーンに光が投射されるようにミラーを制御する。例えば256階調では、1フレーム時間(60フレームでは1/60秒)を256分の1に分けた間隔でミラーを制御している。
【0042】このようなDMD80を用いた反射型カラー表示装置において両凸レンズ構造のMLA基板20を用いれば、MLA基板20とDMD80の間で各色の光束の主光線が平行となるように出射されるから、光の制御が容易になる。しかも、前述したMLA基板20を用いれば、結果として、光学特性を良好にできるので、反射型カラー表示装置の品質が良好となり、コストも安価にできる。
【0043】さらには、本実施の形態のMLA基板は、画像表示装置の応用分野として、投影型プロジェクタ、背面投影型のプロジェクタテレビ(リアプロTV)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD;近年パーチャルアミューズメントなどに用いらている眼鏡式の表示モニタ)、ビューファインダ、携帯電話などにも利用することができる。
【0044】図13は、第2の実施の形態による反射型カラー液晶表示装置の全体構造図である。この反射型カラー液晶表示装置においては、白色光源56の背後に図示しない球面鏡が設けられており、球面鏡の中心が、白色光源56における発光部の中心と一致するように配置されている。白色光源56の前面にはコンデンサレンズ57が設けられており、コンデンサレンズ57は、その焦点が白色光源56の発光部の中心と一致するように配置されている。しかして、白色光源56から出射された白色光束W、あるいは白色光源56から出射され球面鏡で反射された白色光束Wは、コンデンサレンズ57を透過することにより、略平行な白色光束Wとなる。
【0045】コンデンサレンズ57の前方には、3種のダイクロイックミラー55R、55G、55Bがそれぞれ異なる角度で配置されている。ダイクロイックミラー55R、55G、55Bは、それぞれ赤、緑、青の色に対応する各波長域の光を選択的に反射し、他は透過する特性を有し、この順に光軸上に配置されている。以下、符号のR、G、Bはそれぞれ赤、緑、青の各色を表わすものとする。
【0046】青、緑、赤の波長域とは、それぞれ400−495nm、約495−575nm、約570−700nmの波長域を示す。ただし、これらの各波長域の光を全て利用すればスクリーン照度は高くなるが、各原色の色純度は低下するので、色純度を重視する場合には、495nm付近及び575nm付近の光をカットする場合もある。
【0047】ダイクロイックミラー55R、55G、55Bは、周知の多層薄膜コーティング技術により形成される。赤のダイクロイックミラー55Rは約600nmより長波長の可視光を反射するように多層薄膜の条件が設定され、青のダイクロイックミラー55Bは約500nmより短波長の可視光を反射するように多層反射膜の条件が設定され、緑のダイクロイックミラー55Gは約570nm−500nmの範囲の可視光を反射するように多層薄膜の条件が設定されている。また、いずれのダイクロイックミラー55R、55G、55Bも赤外線を透過するように設計すれば、赤外線が液晶表示素子54に到達しなくなるので、液晶表示素子54の温度上昇を低減するのに効果的である。
【0048】このようにして、コンデンサレンズ57を透過した平行な白色光束Wは、ダイクロイックミラー55R、55G、55Bに入射し、赤の光束、緑の光束、青の光束に分解されて、液晶表示素子54に設けられたMLA20に斜に入射する。MLA20は本実施の形態のレンズアレイであり、前記で説明した通り、両凸レンズを使うことによって、ある程度の角度範囲で斜に入射しても、各画素に主光線を垂直に入射させ、また各光を集光させることにより、光を有効範囲内に出射させる光学系を実現することができる。従って、その出射光は投影レンズ51により拡大され、スクリーン50に投影される。
【0049】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、画像表示装置は、画素の並びと垂直方向あるいは水平方向から斜に光が入射しても、MLA基板とDMD間で主光線を平行にすることが可能であり、光ロスを軽減して明るい画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態にかかる反射型カラー液晶表示装置に用いられるMLA付きの反射型カラー液晶表示素子の断面図である。
【図2】 図1の光の軌跡をより詳しく説明するための図である。
【図3】 画素がON/OFFでメカ的に動くDMDの場合の光線軌跡を表す斜視図である。
【図4】 図3のDMDの動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。
【図5】 反射型カラー液晶表示素子の場合の光線の軌跡を表す斜視図である。
【図6】 図5の動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。
【図7】 光線がDMDの画素の並びに対して、斜に入射した場合の図である。
【図8】 反射型カラー液晶表示素子の場合の光線の軌跡を表す斜視図である。
【図9】 DMDを使用した時に、画素の並びと垂直方向から斜入射する場合で、光線が3つのレンズを使用する図である。
【図10】 反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す図である。
【図11】 第1の実施の形態による、DMDを用いた反射型カラー表示装置の構成を示す概略図である。
【図12】 DMDのカラー3原色の1色分の画素構造を説明する斜視図である。
【図13】 第2の実施の形態による反射型カラー液晶表示装置の全体構造図である。
【図14】 従来例の回転式カラーフィルタを用いた時分割方式投影プロジェクタの概略構成図である。
【符号の説明】
20 マイクロレンズアレイ基板
21、22 マイクロレンズアレイ(MLA)
60 スクリーン
61 プロジェクションレンズ
62 光アブソーバ
63 光源
64 ダイクロイックミラー
70 柱部
71 マイクロミラー(反射板)
72、75 支持部
73 Si基板
74 ヨーク
76 トーションヒンジ
80 DMD(反射型空間変調素子)
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置に関し、さらに詳しくは、斜入射光に対して各画素に対応した反射板を、各画素の表示あるいは非表示に応じて角度を変化させて、画像を投影する画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来、カラーフィルタを用いず、低コストにカラー画像を投影できる液晶プロジェクタとして、1つのパネルに3原色R、G、Bの各色の色分解画像を表わすための画素を配列した「単板式液晶デバイス」に、3枚のダイクロイックミラーにより色分解された原色光、即ちR光、G光、B光を、互いに異なる入射角で液晶デバイスに入射させてカラー画像表示を行う「単板式液晶カラープロジェクタ」が実用化されている。
【0003】このような、単板式液晶カラープロジェクタにおいて、単板式液晶デバイスにおける各画素に有効に光を取り込み、ブラックマトリックスの遮光による投射光量の低下を防止するために、単板式液晶デバイスにおけるR、G、Bの3つの画素に対して1つの集光用のマイクロレンズを対応させたマイクロレンズアレイ(以下、MLAと記す)を用い、照射光を所望の画素に集光させることが知られている。
【0004】図14は、回転式カラーフィルタを用いた時分割方式投影プロジェクタの概略構成図である。この構成は、投影面91、投影レンズ92、コンデンサレンズ93、反射型カラー画像表示装置94、カラーフィルタ95、光源96から構成されている。投影面91は、拡大された画像を投影するスクリーンである。投影レンズ92は、反射型カラー画像表示装置からの画像を拡大する機能を持ち、複数のレンズから構成されている。コンデンサレンズ93は、光源96の白色光を平行光に変換する機能を有する。反射型カラー画像表示装置94は、後面の図示しない反射板からの光を受け、各3原色の色ごとに表示素子が対応した構成である。カラーフィルタ95は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のフィルタをモータ等で回転させている。光源96は、白色光源であり、高圧水銀タイプのショートアークランプが使用される。そして反射型カラー画像表示装置94に対して斜から照射している。
【0005】この従来例の動作は、一定の速度で回転するカラーフィルタ95に、光源96からの白色光が当たりフィルタにより色選別される。例えば、赤(R)のフィルタの時は白色光から赤のみが選択され、反射型カラー画像表示装置94内の反射板で反射され、表示素子のON/OFFに応じた光が光源96からの入射角と同じ角度で出射され、出射光の軌跡上に配置された投影レンズ92で拡大されて投影面91に投影される。この動作が時分割に行われ、カラー画像が投影される。
【0006】また、染料や顔料を用いた既存のカラーフィルタに代えて、ホログラムや回折格子の分光回折特性を利用したカラーフィルタ(以下、HCF;Holographic Color Filterと記す)を用いたフルカラー液晶画像表示装置が公知であり、特開平5−232319号公報には、液晶画像表示装置のうち、液晶ビデオプロジェクタの改良に関する技術が開示されている。
【0007】それによると、カラーフィルタの各色セル自体をホログラムによって構成し、赤・緑・青のそれぞれの色に対応させた微小なドットのホログラムからなるホログラムパネル(HCF)を有し、HCFからの各色に対応したそれぞれの回折光が集光するように、透光部を設けたスリットを配置して、前記スリットを通過した光を、スクリーン上に赤・緑・青のドットとして結像させる液晶ビデオプロジェクタである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、パーソナルコンピュータ(PC)の発展と共に、画像に対する認識が大きく変わり、通信の分野においても画像を抜きにして語ることはできない。特に、最近ではPCによりドキュメントを作成し、それを液晶面に形成して直接プロジェクタに投影してプレゼンテーションを行ったり、液晶テレビ画像を大形プロジェクタで楽しむことが日常的になってきている。このような状況において、投影内容が文字だけとは限らず、むしろ画像を扱う機会が多くなってきたため、画質に対する要望が必然的に高くなってきた。
【0009】前記従来例の図14において、投影すべきカラー画像の3原色による色分解像のそれぞれを1つのパネル状の液晶デバイスに表示し、これらに対応する原色光により照射し、各パネルの原色光像をスクリーン上に合成的に投影してカラー画像の表示を行う。さらに、上記原色光を得るためのカラーフィルタは回転機構を伴いその機構が複雑と成り、各色が時分割のため各液晶デバイスを照射する原色光の光強度が1/3となり、投影されるカラー画像が暗くなるという問題があった。
【0010】また、ホログラムの場合も主光線が斜から入射するため、光利用効率が低く、混色率も悪い。さらに入射光の角度依存に非常に弱いといった欠点がある。
【0011】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、光源からの入射光が斜から入射してもロスなく集光および反射できるようにして、コンパクトで光量効率の高い光学系をもった画像表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するために、画像表示装置にかかる発明は、白色光源からの光を色分離して一定角度で反射するように配置された色分離手段を備え、該色分離手段からの各色を受光して集光する光学手段と、該光学手段で集光された光束を反射板で反射させながら空間変調する反射型空間変調素子と、該反射型空間変調素子からの反射光を投影する投影レンズを備えた画像表示装置において、前記光学手段は前記透過型空間変調素子側に一方の凸レンズ部、前記色分離手段側に他方の凸レンズ部を配置する両凸レンズ系を備え、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズの面上に配置し、前記色分離手段からの平行光である第1入射光と、前記焦点位置を通って入射した主光線及び該主光線と平行に入射する第2入射光がともに前記反射型空間変調素子側の有効所定範囲に集光するように構成し、前記反射型空間変調素子は、画素に対応して配列され入射光の反射角度を適宜変更可能に構成した複数の反射板と該反射板を駆動する反射板駆動手段とを備え、画素情報に応じて前記反射板を個別に選択して必要画素を前記投影レンズ側に反射可能に構成したことを特徴とする。
【0013】ここにおいて、本発明は両凸レンズ系を有しているが、1個の凸レンズのみでなく、一方の凸レンズ部と他方の凸レンズ部との間に複数の凸レンズまたは凹レンズ、もしくはそれらの組み合わせが介在してもよい。
【0014】本発明によると、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズ部の面上に配置しているので、前記色分離手段からの入射した光はその焦点位置を通る限りにおいては、その主光線は射出側で平行光線として射出する。そして、主光線と平行に前記他方の凸レンズ部の面に入射した第2入射光は前記一方の凸レンズ部のために両凸レンズ系の像側の焦点位置に集光する。また、前記他方の凸レンズ面に入射する前記色分離手段からの平行光である第1入射光は、両凸レンズ系の前記反射型空間変調素子側の焦点位置に集光する。よって、前記色分離手段から入射する入射光の略大部分を前記反射型空間変調素子側に集光することが可能であり、これらの集光した光を前記反射板によって前記反射型空間変調素子を通して前記投影レンズ側に反射するように構成したので、光ロスを軽減し明るい反射型空間変調素子を有した画像表示装置を提供することができる。
【0015】つまり、前記反射型空間変調素子として、画素がON/OFFでメカ的に動くDMD(digital micromirror device)を使用することにより、ON時に反射光を本発明のレンズアレイの特性を活かしながら投影レンズ側に反射させ、必要画素を投影可能とし、OFF時に反射光を投影レンズ外に反射するものである。
【0016】かかる発明によれば、白色光をダイクロイックミラーにより色分離するため、各色が個別に液晶素子に入射するためカラーフィルタが必要無くなり、光利用効率が高くなる。また、画素の並びに対して斜に光が入射しても、出射光が平行になるため広がり角を小さくでき、小口径の投影レンズを用いた場合でも、全光束を有効に利用することができる。これにより、光利用効率が高く、ホワイトバランスの良いカラー画像を得ることが可能になると共に、コストアップの原因となっていた高価な大口径のレンズを用いなくてもよくなることから、投影型カラー液晶表示装置全体としてのコストアップを回避することが可能になる。
【0017】また、レンズアレイ基板に用いられる両凸レンズ系は、前記色分離手段に対面する前記他方の凸レンズ部の有効面は、前記色分離手段によって分離された全ての原色光が入射可能であって、画素層側に対面する前記一方の凸レンズ部の有効面は、該全ての原色の光が出射可能であって、一画素を形成することが望ましい。その際に前記一方の凸レンズ部の有効面を出射する第1色は前記有効面の中心部分に集光し、他の色は周辺部分に集光することが好ましい。そして、他の色が複数色であれば、周辺部分は共有してもよく、中心部分の外側にリング上に分別区画してもよい。
【0018】また、前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を前記投影レンズ側に反射可能に変更し、前記反射板の入射光を前記投影レンズに入射させることが本発明の有効な手段である。つまり、画素を表示しない時、言い換えると画素がOFFの時は反射光は入射光と同じ角度で反射するので、その方向は投影レンズから外れるように構成される。またONの時は投影レンズに入射するように構成される。
【0019】かかる発明によれば、画素がONの時、前記反射板の角度を変更するため、投影レンズへの角度を、光束の拡がり角が狭くなるように制御可能となし、光学系をコンパクトに構成することができる。
【0020】また、前記必要画素として選択された前記反射板は、前記必要画素の反射光の拡散を防止するために、該反射板に対する入射角度を増加させる方向に変更可能にしたことも本発明の有効な手段である。かかる技術手段によれば、反射光が反射板に対向する光軸に入ってくる光と平行となり、しかも光束の拡がり角が狭くなるので、光学系がコンパクトに設計できる。
【0021】また、前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を該反射板と対向する前記両凸レンズ側に反射可能に変更することも本発明の有効な手段である。かかる発明によれば、主光線に対して反射光束が平行になり光の広がりが防止でき、光を無駄なく投影レンズに導くことができる。
【0022】また、反射型空間変調素子を用いた画像表示装置は、液晶層の背面に画素に対応して配列された前記反射板によって前記反射型空間変調素子を通して前記投影レンズ側に反射するように構成したことを特徴とする。
【0023】かかる技術手段によれば、前記反射型空間変調素子により変調された反射光の軌跡上に投影レンズを配置すればよいため、設計の自由度が拡がり設計も容易となる。また、プリズム等の光屈折および合成手段が不要となり、光学系のコストを安くすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施の形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0025】図1は、本実施の形態の反射型カラー液晶表示装置に用いられるMLA付きの反射型カラー液晶表示素子10の断面図と光の軌跡を表す図である。反射型カラー液晶表示素子10は、MLA基板20とガラス基板11の対向面にそれぞれ透明な走査電極23と駆動電極12R、12G、12Bを形成し、その間に液晶層13を充填して周囲をシール材14によって封止している。
【0026】MLA基板20は、透明で互いに屈折率の異なる3層のレンズ樹脂層18、17、16をベースガラス19、15間に挟み込んだものであって、レンズ樹脂層18、17、16の界面が形成されている。走査電極23と駆動電極12R、12G、12Bは互いに直交し、透明電極によって形成されている。つまりマトリックス状に配列された電極であり、その交点が選択されると駆動電極に対応する部分の液晶層13が相転位により光を透過させる。そして駆動電極12R、12G、12Bは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応して設けられ、それぞれの色の組み合わせにより全ての色を形成して液晶の一画素を駆動する。
【0027】次に、光の軌跡について説明する。主光線を破線で示し、各色を赤(R)、緑(G)、青(B)と表す。以下、入射光が入射する第1レンズ部22は(物側レンズ部)を、また、出射する第2レンズ部21は(像側レンズ部)を意味する。主光線は図のように、第1レンズ部22から入射し、第2レンズ部21を透過して駆動電極12R、12G、12Bに対して垂直に入射する。ガラス基板11の駆動電極側に反射膜があるとすれば、その反射光は同じ軌跡を通り、第1レンズ部22の光軸のP1に焦点を結ぶように設計される。また、各色の光束は第1レンズ部22から入射、屈折し、第2レンズ部21で再度屈折され駆動電極12R、12G、12B上に集光され、その反射光は同じ角度で反射して第2レンズ部21を通過して、さらに第1レンズ部22により入射光と平行になるように設計される。
【0028】図2は、図1の光の軌跡をより詳しく説明するための図である。例えば、緑(G)色の光の場合について図2(a)で説明すると、主光線は破線のように入射光と反射光は同じ軌跡を通り、他の光束は第1レンズ部22で屈折され、第2レンズ部21で更に屈折され駆動電極12G上に集光される。これは等価的に第1レンズ部22と第2レンズ部21の合成焦点距離f1を持ったレンズと考えられる。
【0029】図2(b)は、同じく、図1の光の軌跡をより詳しく説明するための図である。各色の主光線は、駆動電極12R、12G、12Bに対して垂直に入射し、その反射光は同じ軌跡を通るので各色の主光線は平行になる。その平行光が第2レンズ部21に入射して、その焦点距離f2が第1レンズ部22の光軸に一致するように設計されている。
【0030】以上のように本実施の形態のレンズアレイを使用することにより、白色光から光を3原色分離されたそれぞれの色の光を液晶の1画素に同時に入射することがきるため、時分割あるいはカラーフィルタによる光のロスが無くなり、明るい光学系が実現できる。また、入射光が斜から入射しても、本実施の形態のレンズアレイにより液晶に光束が入射および集光するので、光のスポットが集約され、隣接画素への光の漏れ、いわゆる光の混色率が激減した光束を液晶面で受光することができる。さらに、出射光がある決められた方向になるので、それに応じた光学系設計が可能となり、光学系そのものがコンパクトになり、また光学系の設計もし易くなる。
【0031】図3は、本実施の形態の画素がON/OFFでメカ的に動くDMDの場合の光線軌跡を表す斜視図である。この図では光線が画素の並びに対して、垂直方向から斜に入射した場合を表している。図の左側はDMD33がOFFの場合、右側はDMD33がONの場合である。まずOFFの場合、入射光はMLA31とMLA32により図1で説明した通り、主光線はDMD33で集光される。この時DMD33のマイクロミラーは傾斜していないため入射角と同じ角度で反射され、投影レンズ30に入射しない。次にONの場合、DMD33のマイクロミラーは投影レンズ30に入射する角度に傾斜して、画像が図示しないスクリーンに投影される。
【0032】図4は、図3のDMD33の動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。(a)はDMD33がOFFの場合で、斜下から入射した光が同じ角度で反射して、図示しない投射レンズ外へ光束を導く。(b)はDMD33がONの場合で、斜下から入射した光が傾斜したマイクロミラーにより図示しない投射レンズへ入射される。このように斜からの入射光であっても、MLA31、32により主光線が集光され、DMD33により光の変調が行われる。この場合DMD33がONの時、反射光が水平になり1つのレンズアレイを透過するところが重要である。なぜならば、それにより、本実施の形態のレンズアレイの特性が十分活かせるからである。
【0033】図5は、反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す斜視図である。この図では光線が画素の並びに対して、垂直方向から斜に入射した場合を表している。図3と同等の部分には、同じ参照番号が付せられているので重複する説明は省略する。この場合は、画素情報に応じて液晶表示素子の液晶層の相転位により、反射光を透過あるいは非透過させる原理であり、一義的に反射角度が決定されるため、反射型カラー液晶表示素子40で変調された反射光の軌跡上に投影レンズを設定すれば良い。
【0034】図6は、図5の動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。入射光は2つのレンズをまたいで入射され、その入射光と同じ角度で反射される。その反射光は主光線と平行に出射される。従って、反射型カラー液晶表示素子40で変調された反射光の軌跡上に投影レンズを設定するようにすれば光束を無駄なく投影することができる。
【0035】図7は、光線がDMD33の画素の並びに対して、斜に入射した場合を表している。(a)はDMD33がOFFの場合で、斜から入射した3原色光が同じ角度で反射して、図示しない投射レンズ外へ光束を導く。(b)はDMD33がONの場合で、斜から入射した光が傾斜したマイクロミラーにより図示しない投射レンズへ反射される。ここではR、G、B全てがONになっているが、実際は個別にON/OFFの動作をする。この場合も図4(b)と同様に、反射光が水平になり1つのレンズアレイを透過するところが重要である。
【0036】図8は、反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す斜視図である。この図では光線が画素の並びに対して、斜に入射した場合を表している。これは基本的に図6の場合と同様に、入射光は2つのレンズをまたいで入射され、その入射光と同じ角度で反射される。その主光線はレンズアレイ31の光軸で集光され、反射光の光束は平行に出射される。従って、反射型カラー液晶表示素子40で変調された反射光の軌跡上に投影レンズを設定するようにすれば光束を無駄なく投影することができる。
【0037】図9は、DMDを使用した時に、画素の並びと垂直方向から斜入射する場合で、光線が3つのレンズを使用する。(a)はDMD33がOFFの時で、斜からの入射光が1つのレンズをまたいで入射した場合は、当然反射光は入射光のレンズ面の3番目のレンズ面31を透過する。(b)はDMD33がONの時で、反射光がそのミラーに対向したレンズに向かって反射する。つまり3原色の1色の単位がレンズ3つの構成のレンズアレイとなる。かかる実施の形態によれば、光の軌跡が設計時点で決まるため、光学系全体の厚みがコントロールでき、設計も容易となる。また、画素に対するレンズの厚みの幅が増えるので混色に対して有利になる。
【0038】図10は、反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す図である。この場合は、画素情報に応じて液晶表示素子の液晶層の相転位により、反射光を透過あるいは非透過させる原理であり、一義的に反射角度は決定されるので、3個のレンズの厚み範囲内で光線軌跡を収めるように設計される。
【0039】図11(a)は第1の実施の形態による、DMDを用いた反射型カラー表示装置の構成を示す概略図であり、図11(b)はマイクロミラー71がOFF状態の場合における図11(a)のA部拡大図、図11(c)はマイクロミラー71がON状態の場合における図11(a)のA部拡大図である。また、図12はDMD装置800の1画素分、つまりカラー3原色の1色分の画素構造を説明する斜視図である。この実施の形態は、反射型空間変調素子として、画素がON/OFFでメカ的に動くDMD80を使用することにより、ON時に反射光を本実施の形態のレンズアレイの特性を活かしながら投影レンズ側に反射させ、必要画素を投影可能とし、OFF時に反射光を投影レンズ外に反射するものである。まず、DMD80について説明する。これはマイクロマシニング技術を用いることにより、Si基板73上に多数の微細なマイクロミラー71を配列させた光学素子である。Si基板73の上面には一対の支持部72が設けられており、Si基板73の表面においてトーションヒンジ76の両端が支持部75によって支持されている。
【0040】トーションヒンジ76には、ヨーク74の中央部が取り付けられており、ヨーク74の中心に立てられた柱部70の上端にマイクロミラー71が形成されている。Si基板73の上面には、静電気等の電気磁気的な力によってヨークに駆動力を及ぼしてトーションヒンジ76を捩らせながらヨーク74の傾きを調整することにより、マイクロミラー71の角度を制御するためのミラー駆動手段が設けられている。こうしてヨーク74を傾けることにより、マイクロミラー71の角度を変化させることができ、マイクロミラー71に光を照射していると、反射光の方向を自由に制御することができる。
【0041】DMD80を用いた反射型カラー表示装置は、図11に示すように、DMD装置800に対向させてMLA基板20を配置し、光源63から出射された白色光をダイクロイックミラー(色分離素子)64によって赤、緑、青の光束に分光させ、各色の光束を斜からMLA基板20を透過させることにより、カラー3原色を構成する3つのDMD80に照射させるようにしたものである。各画素において、スクリーン60に表示する必要のない光束は、マイクロミラー71によって横方向へ反射されて光アブソーバ62に吸収され、スクリーンに表示する場合には、マイクロミラー71によってプロジェクションレンズ61の方向へ反射させ、プロジェクションレンズ61によってスクリーン60上に結像され、カラー表示画像の1画素となる。この時は当然図4、図7R>7で説明した通り、光束はMLAに平行に透過する。また、階調を表示するには、1フレーム周期の間に階調レベルに応じて時分割された時間だけ、スクリーンに光が投射されるようにミラーを制御する。例えば256階調では、1フレーム時間(60フレームでは1/60秒)を256分の1に分けた間隔でミラーを制御している。
【0042】このようなDMD80を用いた反射型カラー表示装置において両凸レンズ構造のMLA基板20を用いれば、MLA基板20とDMD80の間で各色の光束の主光線が平行となるように出射されるから、光の制御が容易になる。しかも、前述したMLA基板20を用いれば、結果として、光学特性を良好にできるので、反射型カラー表示装置の品質が良好となり、コストも安価にできる。
【0043】さらには、本実施の形態のMLA基板は、画像表示装置の応用分野として、投影型プロジェクタ、背面投影型のプロジェクタテレビ(リアプロTV)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD;近年パーチャルアミューズメントなどに用いらている眼鏡式の表示モニタ)、ビューファインダ、携帯電話などにも利用することができる。
【0044】図13は、第2の実施の形態による反射型カラー液晶表示装置の全体構造図である。この反射型カラー液晶表示装置においては、白色光源56の背後に図示しない球面鏡が設けられており、球面鏡の中心が、白色光源56における発光部の中心と一致するように配置されている。白色光源56の前面にはコンデンサレンズ57が設けられており、コンデンサレンズ57は、その焦点が白色光源56の発光部の中心と一致するように配置されている。しかして、白色光源56から出射された白色光束W、あるいは白色光源56から出射され球面鏡で反射された白色光束Wは、コンデンサレンズ57を透過することにより、略平行な白色光束Wとなる。
【0045】コンデンサレンズ57の前方には、3種のダイクロイックミラー55R、55G、55Bがそれぞれ異なる角度で配置されている。ダイクロイックミラー55R、55G、55Bは、それぞれ赤、緑、青の色に対応する各波長域の光を選択的に反射し、他は透過する特性を有し、この順に光軸上に配置されている。以下、符号のR、G、Bはそれぞれ赤、緑、青の各色を表わすものとする。
【0046】青、緑、赤の波長域とは、それぞれ400−495nm、約495−575nm、約570−700nmの波長域を示す。ただし、これらの各波長域の光を全て利用すればスクリーン照度は高くなるが、各原色の色純度は低下するので、色純度を重視する場合には、495nm付近及び575nm付近の光をカットする場合もある。
【0047】ダイクロイックミラー55R、55G、55Bは、周知の多層薄膜コーティング技術により形成される。赤のダイクロイックミラー55Rは約600nmより長波長の可視光を反射するように多層薄膜の条件が設定され、青のダイクロイックミラー55Bは約500nmより短波長の可視光を反射するように多層反射膜の条件が設定され、緑のダイクロイックミラー55Gは約570nm−500nmの範囲の可視光を反射するように多層薄膜の条件が設定されている。また、いずれのダイクロイックミラー55R、55G、55Bも赤外線を透過するように設計すれば、赤外線が液晶表示素子54に到達しなくなるので、液晶表示素子54の温度上昇を低減するのに効果的である。
【0048】このようにして、コンデンサレンズ57を透過した平行な白色光束Wは、ダイクロイックミラー55R、55G、55Bに入射し、赤の光束、緑の光束、青の光束に分解されて、液晶表示素子54に設けられたMLA20に斜に入射する。MLA20は本実施の形態のレンズアレイであり、前記で説明した通り、両凸レンズを使うことによって、ある程度の角度範囲で斜に入射しても、各画素に主光線を垂直に入射させ、また各光を集光させることにより、光を有効範囲内に出射させる光学系を実現することができる。従って、その出射光は投影レンズ51により拡大され、スクリーン50に投影される。
【0049】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、画像表示装置は、画素の並びと垂直方向あるいは水平方向から斜に光が入射しても、MLA基板とDMD間で主光線を平行にすることが可能であり、光ロスを軽減して明るい画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態にかかる反射型カラー液晶表示装置に用いられるMLA付きの反射型カラー液晶表示素子の断面図である。
【図2】 図1の光の軌跡をより詳しく説明するための図である。
【図3】 画素がON/OFFでメカ的に動くDMDの場合の光線軌跡を表す斜視図である。
【図4】 図3のDMDの動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。
【図5】 反射型カラー液晶表示素子の場合の光線の軌跡を表す斜視図である。
【図6】 図5の動きを、さらに分かりやすく説明するための図である。
【図7】 光線がDMDの画素の並びに対して、斜に入射した場合の図である。
【図8】 反射型カラー液晶表示素子の場合の光線の軌跡を表す斜視図である。
【図9】 DMDを使用した時に、画素の並びと垂直方向から斜入射する場合で、光線が3つのレンズを使用する図である。
【図10】 反射型カラー液晶表示素子の場合の光線軌跡を表す図である。
【図11】 第1の実施の形態による、DMDを用いた反射型カラー表示装置の構成を示す概略図である。
【図12】 DMDのカラー3原色の1色分の画素構造を説明する斜視図である。
【図13】 第2の実施の形態による反射型カラー液晶表示装置の全体構造図である。
【図14】 従来例の回転式カラーフィルタを用いた時分割方式投影プロジェクタの概略構成図である。
【符号の説明】
20 マイクロレンズアレイ基板
21、22 マイクロレンズアレイ(MLA)
60 スクリーン
61 プロジェクションレンズ
62 光アブソーバ
63 光源
64 ダイクロイックミラー
70 柱部
71 マイクロミラー(反射板)
72、75 支持部
73 Si基板
74 ヨーク
76 トーションヒンジ
80 DMD(反射型空間変調素子)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 白色光源からの光を色分離して一定角度で反射するように配置された色分離手段を備え、該色分離手段からの各色を受光して集光する光学手段と、該光学手段で集光された光束を反射板で反射させながら空間変調する反射型空間変調素子と、該反射型空間変調素子からの反射光を投影する投影レンズを備えた画像表示装置において、前記光学手段は前記反射型空間変調素子側に一方の凸レンズ部、前記色分離手段側に他方の凸レンズ部を配置する両凸レンズ系を備え、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズの面上に配置し、前記色分離手段からの平行光である第1入射光と、前記焦点位置を通って入射した主光線及び該主光線と平行に入射する第2入射光がともに前記反射型空間変調素子側の有効所定範囲に集光するように構成し、前記反射型空間変調素子は、画素に対応して配列され入射光の反射角度を適宜変更可能に構成した複数の反射板と該反射板を駆動する反射板駆動手段とを備え、画素情報に応じて前記反射板を個別に選択して必要画素を前記投影レンズ側に反射可能に構成したことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】 前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を前記投影レンズ側に反射可能に変更し、前記反射板の入射光を前記投影レンズに入射させることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】 前記必要画素として選択された前記反射板は、前記必要画素の反射光の拡散を防止するために、該反射板に対する入射角度を増加させる方向に変更可能にしたことを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】 前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を該反射板と対向する前記両凸レンズ側に反射可能に変更することを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】 前記反射型空間変調素子は、液晶層の背面に画素に対応して配列された前記反射板によって前記反射型空間変調素子を通して前記投影レンズ側に反射するように構成したことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項1】 白色光源からの光を色分離して一定角度で反射するように配置された色分離手段を備え、該色分離手段からの各色を受光して集光する光学手段と、該光学手段で集光された光束を反射板で反射させながら空間変調する反射型空間変調素子と、該反射型空間変調素子からの反射光を投影する投影レンズを備えた画像表示装置において、前記光学手段は前記反射型空間変調素子側に一方の凸レンズ部、前記色分離手段側に他方の凸レンズ部を配置する両凸レンズ系を備え、前記一方の凸レンズ部の焦点位置を略前記他方の凸レンズの面上に配置し、前記色分離手段からの平行光である第1入射光と、前記焦点位置を通って入射した主光線及び該主光線と平行に入射する第2入射光がともに前記反射型空間変調素子側の有効所定範囲に集光するように構成し、前記反射型空間変調素子は、画素に対応して配列され入射光の反射角度を適宜変更可能に構成した複数の反射板と該反射板を駆動する反射板駆動手段とを備え、画素情報に応じて前記反射板を個別に選択して必要画素を前記投影レンズ側に反射可能に構成したことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】 前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を前記投影レンズ側に反射可能に変更し、前記反射板の入射光を前記投影レンズに入射させることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】 前記必要画素として選択された前記反射板は、前記必要画素の反射光の拡散を防止するために、該反射板に対する入射角度を増加させる方向に変更可能にしたことを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】 前記必要画素として選択された前記反射板は、その反射角度を該反射板と対向する前記両凸レンズ側に反射可能に変更することを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】 前記反射型空間変調素子は、液晶層の背面に画素に対応して配列された前記反射板によって前記反射型空間変調素子を通して前記投影レンズ側に反射するように構成したことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図3】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2003−57592(P2003−57592A)
【公開日】平成15年2月26日(2003.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−246192(P2001−246192)
【出願日】平成13年8月14日(2001.8.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年2月26日(2003.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年8月14日(2001.8.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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