説明

画像表示装置

【課題】ある条件ごとに表示する画像の色を変化させる機能を有する場合でも、情報量を多くすることなく、メモリ資源を有効に活用する。
【解決手段】画面を表示するためのデータであって色の指定が行われていない枠データと、前記枠データに指定される色であって、当該画像表示装置が再現可能な階調数と比べて少ない数の色を、所定の選択条件毎に複数記録する色テーブルと、前記選択条件と前記色テーブルに記録された色データとを対応付ける参照データと、を記録する記録手段と、選択された前記選択条件に応じて前記参照データを参照して、前記枠データに前記色データを指定する色指定手段と、前記指定された色データをもとに前記枠データに係る画像を表示する表示手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の画像を表示する画像表示装置に関し、特に使用に応じて所定画像の色を変更して表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一の製品であっても販売されるブランドや仕向け地に応じて所定画像の色を変更して販売する場合がある。例えば、「ブランド1」と「ブランド2」との間に、イメージカラーによる差別化が生じている場合は、同一の製品を各ブランドで販売する際、ユーザーからの操作入力を受け付けるOSD画像の色を「ブランド1」と「ブランド2」とで各イメージカラーを付して販売する場合がある。そのため、従来では、各ブランド又は仕向け地に対応できるよう、製品が保持するメモリに各ブランド又は仕向け地毎の画像データを記録していた(例えば、特許文献1−3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−145663号公報
【特許文献2】特開2004−54087号公報
【特許文献3】特開2005−346096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記説明のように、1つの製品で複数のブランドや仕向け地に対応するためには、当然全てのブランドや仕向け地に対応する画像データを保持しておく必要がある。一方で、再現可能な色の階調が多い場合、メモリに記憶する情報量も多くなる。例えば、ある製品が256階調の表示を可能にする場合、少なくとも1つの画像データの情報量は、階調値に画素数をかけた数となる。そのため、ブランドや仕向け地の増加に伴い、メモリ使用量が増加する結果となっていた。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、ある条件ごとに表示する画像の色を変化させる機能を有する場合でも、情報量を多くすることなく、メモリ資源を有効に活用することができる画像表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的の少なくとも1つを達成するために、本発明では、所定の画像を表示する画像表示装置において、画面を表示するためのデータであって色の指定が行われていない枠データと、前記枠データに指定される色であって、当該画像表示装置が再現可能な階調数と比べて少ない数の色を、所定の選択条件毎に複数記録する色テーブルと、前記選択条件と前記色テーブルに記録された色データとを対応付ける参照データと、を記録する記録手段と、選択された前記選択条件に応じて前記参照データを参照して、前記枠データに前記色データを指定する色指定手段と、前記指定された色データをもとに前記枠データに係る画像を表示する表示手段と、を有する構成としてある。
【0007】
上記のように構成された発明では、記録手段には、枠データと、当該画像表示装置が再現可能な階調数と比べて少ない数の色であって、枠データに指定される色であって、当該画像表示装置が再現可能な階調数と比べて少ない数の色を、選択条件毎に複数記録する色テーブルと、所定の選択条件と色テーブルに記録された色データとを対応付ける参照データと、を記録している。即ち、色テーブルに記録される色データは、画像表示装置が再現できる色データの中から任意に選択された色データのみが選択条件毎に記録されている。
そして、指定手段は、事前に選択された選択条件に応じて参照データを参照して、枠データに色データを指定する。即ち、参照データには選択条件毎に構成要素に指定する色データが記録されているため、ある選択条件が選択された場合、指定手段は参照データを参照してこの選択条件に対応する色データの指定を行う。
ここで、参照データに記録される選択条件としては、画像の色を変化させて画像間を区別する理由となるものであればどのようなものであってもよく、例えば、画像表示装置に指定されるブランドであったり、画像表示装置の仕向け地であってもよい。
そして、表示手段は、指定手段により指定された色データを用いて枠データの表示を行う。そのため、画像表示装置には、指定された条件に応じた色が付された画像が表示されることとなる。
【0008】
また、前記色テーブルは、前記選択条件に含まれる第1の条件に対応付けられた色データを記録する第1のテーブルと、少なくとも第2の条件に対応付けられた色データを記録する第2のテーブルとを含み、前記第2のテーブルには、前記第1のテーブルに記録された色データと異なる色データが記録されており、前記色指定手段は、少なくとも前記第2の条件で色データを指定する場合は、前記第1のテーブルと前記第2のテーブルとを用いて色データを指定する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、第2のテーブルには、第1のテーブルに記録する色データとの差分のみが記録されるため、情報量をより削減することが可能となる。
【0009】
そして、前記第1のテーブルは、記録される色データの彩度平均値が最も低いものであってもよい。
上記のように構成された発明では、彩度平均が最も低い色データを記録する第1のテーブルを他のテーブルの基準とすることで、他のテーブルとの差分を少なくすることが可能となり、情報量を低減することができる。
【0010】
さらに、当該画像表示装置は、少なくとも前記第2のテーブルを管理するサーバーとネットワークを介して接続可能であって、前記色指定手段は、前記サーバーから前記第2のテーブルをダウンロードして使用してもよい。
上記のように構成された発明では、第1のテーブル以外はサーバー上で管理することで、記録手段に記録される情報量をより削減することができる。
【0011】
また、前記枠データは、OSD画像を表示するものとしてもよい。
上記のように構成された発明では、OSD画像において本発明を適用することができる。
【0012】
そして、前記選択条件は、当該画像表示装置に指定されるブランドの種別であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、ある条件ごとに表示する画像の色を変化させる機能を有する場合でも、情報量を多くすることなく、メモリ資源を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像表示装置1により表示されるOSD画像を示す図である。
【図2】画像表示装置1の構成を説明するためのブロック構成図である。
【図3】各メモリに記録される各データの関係を説明する図である。
【図4】画像表示装置によるOSD画像の表示を説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るOSD画像の表示を説明するフローチャートである。
【図6】各カラーテーブルを説明する図である。
【図7】第3の実施形態に係る画像表示装置1を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.その他の実施形態:
【0016】
1.第1の実施形態:
以下、図を参照して、この発明に係る画像表示装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。図1は、画像表示装置1により表示されるOSD画像を示す図である。図2は、画像表示装置1の構成を説明するためのブロック構成図である。また、そして、図3は、各メモリに記録される各データの関係を説明する図である。
【0017】
画像表示装置1は、テレビジョン受像機としての機能を備える。そのため、画像表示装置1は、図示しないアンテナと接続された状態で使用され、このアンテナから入力される映像データをもとに画像を表示することができる。さらに、画像表示装置1は、図1に示すように、リモコン装置2等を操作することで入力される操作入力により、画面にOSD(On Screen Display)画像を表示させることができる。このOSD画像は、画像表示装置1の内部で生成されたOSDデータ(枠データに色データが指定されたもの)を用いて、表示される。
【0018】
図2に示すように、画像表示装置1は、デジタル基板10と、表示ディスプレイ20と、を備えている。デジタル基板10は入力側でアンテナと接続され、出力側でLVDSケーブル30を介して表示ディスプレイ20と接続されている。即ち、この構成において、デジタル基板10はアンテナが受信したテレビジョン放送から所定のチャンネルに係る映像データを抽出し、所定の処理を施した後、LVDSケーブル30を通じて映像データを表示ディスプレイ20に出力する。
【0019】
また、表示ディスプレイ20は、例えば液晶ディスプレイであり、ディスプレイ本体や、ドライバーを備えている。ディスプレイ本体は、解像度に応じたR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各画素により構成される。また、ドライバーは、LVDSケーブル30を通じて受信した映像データをデジタル・アナログ変換して、各画素を駆動するための駆動電圧を生成する。さらに、各画素とドライバーとは配線を通じて接続されており、この配線を通じて各画素には駆動電圧が供給される。
【0020】
デジタル基板10は、チューナー部11と、ビデオメモリ12と、メインコントローラー13と、パレット参照用メモリ14と、カラーパレット用メモリ15と、I/F16と、を備えている。また、上記したチューナー部11と、ビデオメモリ12と、メインコントローラー13と、I/F16とは、バス(例えば、I2Cバス)を介して接続され、互いに通信を行うことができる。
【0021】
メインコントローラー13は、図示しない内部メモリに記録されたプログラムを実行することで、画像表示装置1の駆動における統合的な制御を実現する他、OSD部13a、画像処理部13bとしての機能を実現する。画像処理部13bとしての機能として、メインコントローラー13はビデオメモリ12に記録される各種映像データに対して画素数変換処理、色補正処理等の処理を施す。また、OSD部13aとしての機能として、メインコントローラー13はOSD画像を表示するためのOSDデータを生成する。
【0022】
OSD画像は、ユーザーがリモコン装置2等の所定の操作キーを操作した場合、画面に表示される画像である。図1Aでは、OSD画像の一例として、このOSD画像を装飾する帯状の画像EG1や、「PICTURE」、「SOUND」、「SETUP」、「FEATURE」、「LANGUAGE」、「Blu−ray」(Blu−rayは登録商標)の各種設定を行なうための文字列EW1が付されたアイコンの外枠EGN(Nは2〜7までの整数)、各種アイコンを選択した際、色が反転して表示されるカーソルEG8、及びその他の文字列EW2が表示されている。また、帯状の画像EG1には、ブランドを示すロゴ画像(ロゴデータ)が表示されている。以下、本明細書では、OSD画像を構成する各部を構成要素とも記載する。
【0023】
また、上記した各構成要素の内、ブランド又は仕向け地によっては指定色の変更のないものを、文字列EW1、EW2として、ブランド又は仕向け地によって指定色の変更があるものを、帯状の画像EG1、アイコンの外枠EG2〜EG7、カーソルEG8とする。なお、ここで記載されるOSD画像は一例にすぎず、OSD画像の構成に応じて適宜変更されるものである。
【0024】
図1Bは、図1Aに示されたOSD画像の一部を拡大して示す模式図である。図1Bに示すように、OSDデータは、x方向と、y方向とに所定数のビットが配列したビットマップデータで構成される。ビットマップデータを構成する各ビット(xi、yj)には1024色から選択された256色の内のいずれかの色データが指定されている。また、各ビットの内、上記した各構成要素を構成するビットを枠データとも記載する。例えば、帯状の画像EG1は、この画像を構成するビットの集合である枠データに対して所定の色データが付されることで構成される。ここで、色データとは、R、G、Bの各色要素を混色して再現される色や、R、G、Bのいずれかの色要素の単色により再現される色を意味する。
【0025】
画像表示装置1では、各ビットに1024色の内いずれかの色データを指定するためにカラーIDが用いられる。このカラーIDは、カラーテーブルCLUT(後述)が記録する色データのいずれかに対応付けられている。例えば、本実施形態では、カラーテーブルCLUTには、1024色の色データから選択された256色の色データが記録されており、カラーIDはカラーテーブルCLUTに記録された256色の色データのいずれかに対応している。なお、本実施形態では、カラーIDはビット毎に設定される構成であるが、これ以外にも上記した構成要素を1単位としてカラーIDを示すものであってもよい。
【0026】
パレット参照用メモリ14には、指定されたブランド又は仕向け地に対応したカラーテーブルCLUTを参照するためのブランド指定テーブル14aや、OSDデータのカラーIDにより特定される色データを規定する参照用テーブルRLUTが記録されている。
【0027】
即ち、図3Aに示すように、ブランド指定テーブル14aには各ブランドと、参照用テーブルRLUT及びカラーテーブルCLUTとが1対1で対応付けて記録されている。本実施形態では、ブランドを「A」〜「E」の5種類とするため、ブランド指定テーブル14aには、各ブランドに対応づけて5種類の参照用テーブルRLUT1〜5とカラーテーブルCLUT1〜5が記録されている。
【0028】
また、参照用テーブルRLUTは、ブランド指定テーブル14aにより指定されるブランドの数に応じて、パレット参照用メモリ14に複数記録されている。即ち、上記のように5種類のブランド表示が可能な場合は、パレット参照用メモリ14には5種類の色データの組合せが異なる参照用テーブルRLUT1〜5が記録されている。ここで、参照用テーブルRLUTには、各ビットに対応付けられたカラーIDと、任意のカラーテーブルCLUTが記録する色データとが1対1で対応づけて記録されている。そして、各色データの配列は、R、G,Bの各色要素の階調値に応じて配列順序が規定されている。
【0029】
カラーパレット用メモリ15には、カラーIDが指定する色データを記録するカラーテーブルCLUTがブランド毎に記録されている。即ち、上記のように5種類のブランド表示が可能な場合は、カラーパレット用メモリ15には5種類の色データの組合せが異なるカラーテーブルCLUT1〜5が記録されている。更に、各カラーテーブルCLUTには、10ビット(1024色)の色データの中から事前に選択された8ビット(256色)の色データが所定の配列(図3では0〜255の256列)で記録されている。また、各色データには、この色データの色要素となるR、G,Bの各色の階調値が対応付けて記録されている。そして、カラーテーブルCLUTに記録される各色データは、色要素となるR、G、Bの各階調値の順にその配列が設定されている。
以上により、本発明の参照用データは、ブランド指定テーブル14aと、参照用テーブルRLUTとで実現される。また、本発明の色テーブルはカラーテーブルCLUTにより実現される。
【0030】
図4は、画像表示装置によるOSD画像の表示を説明するフローチャートである。図4に示すフローチャートでは、ステップS10〜S30により、OSDデータの各ビットに指定される色データ、及びロゴデータの選択が行われる。そして、ステップS40、50により色データの指定が行われ、ステップS60、70によりOSD画像が表示される。
【0031】
ステップS10では、メインコントローラー13(OSD部13a)は、ブランドの選択を受け付ける。この処理は、画像表示装置1の工場出荷モードを選択した場合に入力が可能となる処理である。以下、一例として、リモコン装置2を操作してブランド「A」の選択を示す操作入力を行った場合を元に説明を行う。
【0032】
ステップS20では、メインコントローラー13(OSD部13a)は、受け付けたブランドの種別に従って、参照用テーブルRLUTとカラーテーブルCLUTを選択する。即ち、メインコントローラー13は、パレット参照用メモリ14に記録されたブランド指定テーブル14aを参照し、ステップS10で選択されたブランドに対応する参照用テーブルRLUTとカラーテーブルCLUTを選択する。上記のように、ブランド「A」が選択されている場合には、メインコントローラー13は、ブランド指定テーブル14aのブランド「A」に対応する参照用テーブルRLUT1とカラーテーブルCLUT1とを参照対象とする。
無論、これ以外にも、ブランド「B」が選択されている場合は、メインコントローラー13はブランド指定テーブルを参照してブランド「B」に対応する参照用テーブルRLUT2とカラーテーブルCLUT2とを参照する。以下、この参照用テーブルRLUT及びカラーテーブルCLUTを用いてOSD画像における各色データが選択されていく。
【0033】
ステップS30では、メインコントローラー13(OSD部13a)は、受け付けたブランドの種別に従って、ロゴデータを選択する。上記のようにブランド「A」が選択されている場合は、このブランド「A」に係るロゴデータを図示しない内部メモリから選択する。
【0034】
ステップS40では、メインコントローラー13(OSD部13a)は、OSDデータを構成する枠データに付与する色データの指定を行う。即ち、まず、メインコントローラー13は、枠データを構成する各ビット(xi、yj)に対応付けられたカラーIDに対応する色データを選択されたブランドに対応する参照テーブル14bをもとに選択する。そして、メインコントローラー13は、参照テーブル14bで指定された各色データを、指定されたブランドに対応するカラーテーブルCLUTから選択し、この色データを構成するR、G、Bの各値を取得する。
【0035】
ステップS50では、OSDデータを構成する全ての枠データ(ビット(xi、yj))に対して色データの指定が行われていない場合(ステップS50:NO)、メインコントローラー13(OSD部13a)は、全てのビットに対して色データの指定が行われるまで処理を繰返す。
【0036】
一方、全ての枠データに対して色データの指定が行われた場合(ステップS50:YES)、ステップS60において、メインコントローラー13(OSD部13a)は、各ビットに指定される色データ及びロゴデータを用いて、表示用データを作成する。即ち、メインコントローラー13は、各ビット(xi、yj)に対して色データの指定を行うとともに、ロゴデータをこのビットデータに重畳して、表示ディスプレイ20に出力するための表示用データを生成する。以上により本発明の色指定手段は、ステップS40、50の処理により実現される。
【0037】
そして、ステップS70では、メインコントローラー13は、生成した表示用データをLVDSケーブル30を通じて表示ディスプレイ20に出力して、OSD画像を表示させる。そのため、表示ディスプレイ20には、選択されたブランドに従って、ロゴマーク及び各枠データに所定の色が付されたOSD画像が表示される。以上により本発明の表示手段は、ステップS60、70の処理により実現される。
【0038】
一例として、図1に示すように、表示ディスプレイ20に表示されるOSD画像では、帯状のアイコンEG1、アイコンの外枠EG2〜EG7、及びアイコンを選択するためのカーソルEG8の色、更にはロゴ画像が選択されたブランドに応じて変化することとなる。
【0039】
以上説明したようにこの第1の実施形態では、画像表示装置1は色データ以外の構成が含まれる枠データと、ブランド又は仕向け値に応じてこの枠データに指定される色データを個別に記録しておくため、色データを変更するだけでブランド又は仕向け地に応じたOSD画像を表示させることができる。また、色データは、条件毎に指定される数だけカラーテーブルCLUTに記録しておくため、記録容量を少なくすることができる。
【0040】
2.第2の実施形態:
この第2の実施形態では、ブランド毎のカラーテーブルCLUTは、基準となる(第1の条件)カラーテーブルCLUT(第1のテーブル)と、このカラーテーブルCLUT以外のカラーテーブルであって(第2の条件)差分のみを記録するカラーテーブルCLUT(少なくとも第2のテーブルを含む。)とで構成される点で第1の実施形態と異なる。即ち、第2の実施形態では、ブランドの数に応じてカラーテーブルCLUTをカラーパレット用メモリ15に記録する構成において第1の実施形態と同であるものの、基準となるカラーテーブルCLUT以下のカラーテーブルCLUTでは、基準となるカラーテーブルCLUTとの差のみを記録する構成において異なる。
【0041】
図5は、第2の実施形態に係るOSD画像の表示を説明するフローチャートである。また、図6は、各カラーテーブルを説明する図である。以下の説明では、基準となるカラーテーブルをカラーテーブルCLUT1とし、それ以外のカラーテーブルをカラーテーブルCLUT2〜5とする場合を例に説明を行う。
【0042】
ステップS110では、ブランドの選択を受け付ける。以下、一例として、リモコン装置2を操作してブランド「B」の選択を示す操作入力を行った場合をもとに説明を行う。
【0043】
ステップS120では、メインコントローラー13は、ブランド指定テーブル14aを参照して、受け付けたブランドの種別に従って、参照用テーブルRLUT及びカラーテーブルCLUTを選択する。上記のように、ブランド「B」が選択されている場合には、メインコントローラー13は、ブランド指定テーブル14aを参照してブランド「B」に対応する参照用テーブルRLUT2及びカラーテーブルCLUT2を選択する。
【0044】
図6Aに示すように、カラーテーブルCLUT1には、第1の実施形態同様、1024色の色データの内から選択された、256色の色データが色要素の階調値に応じた配列で記録されている。一方、図6Bに示すように、カラーテーブルCLUT2には、各配列の内、カラーテーブルCLUT1と異なる色データが記録された配列のみが記録されている。そのため、例えば、カラーテーブルCLUT2には、カラーテーブルCLUT1に記録されたのと同じ色データに対しては、RGBの色要素の記録が省略されている。図6Bでは、カラーテーブルCLUT2の上から4〜6番目の配列の色データは、カラーテーブルCLUT1と同様の色データが記録されているため、色データの色要素となるRGBの各値が省略されている。一方、それ以外の配列の色データはカラーテーブルCLUT2に特有の色データであるため、RGBの色要素が記録されている。
【0045】
ここで、基準となるカラーテーブルCLUT1の選択は、カラーテーブルCLUTに記録される色データの内、彩度平均が最も小さいものを用いる。なお、RGBの値から彩度を算出する方法としては、周知の変換式を用いればよい。
【0046】
基準テーブルとなるカラーテーブルCLUT1は、色データの分布において、他のカラーテーブルと比べて彩度平均が最も小さいものとなる。基準カラーテーブルCLUT1を、彩度平均の最も小さいものを基準に選択することで、(i)基準となるカラーテーブルと他のカラーテーブルとの間で重複する色データが多くなる、(ii)基準となるカラーテーブルCLUT及び他のカラーテーブルCLUTの作成において破綻を回避することが可能となる。特に、上記(i)においては、差分量が少なくなるため、基準となるカラーテーブルCLUT以外のカラーテーブルCLUTが記録する色データの量を少なくすることが可能となる。
【0047】
ステップS130では、メインコントローラー13は、受け付けたブランドの種別に従って、ロゴデータを選択する。ここでは、ブランド「B」が選択されているため、メインコントローラー13はブランド「B」に対応したロゴデータを選択する。
【0048】
ステップS140では、指定されたブランドに係るカラーテーブルがカラーテーブルCLUT1以外である場合(ステップS140:NO)、ステップS150では、メインコントローラー13は、カラーテーブルCLUT1とカラーテーブルCLUT1以外のテーブルから、ブランドに対応するカラーテーブルを合成する。例えば、メインコントローラー13は、カラーテーブルCLUT1に対してカラーテーブルCLUT2に記録された情報だけを更新し、ブランド「B」に対応する合成カラーテーブルCLUT’2を生成する。
【0049】
一方、指定されたブランドに係るカラーテーブルがカラーテーブルCLUT1である場合(ステップS140:YES)、ステップS150では、メインコントローラー13は、色データを指定するためにステップS120で選択されたカラーテーブルCLUT1を用いることとなる。
【0050】
ステップS160では、メインコントローラー13は、OSDデータを構成する各枠データに付与する色データの指定をステップS150で生成した合成カラーテーブルCLUT’を用いて行う。即ち、メインコントローラー13は、枠データを構成するビット(xi、yj)に対応付けられたカラーIDに対応する色データを参照テーブル14bをもとに選択し、カラーテーブルCLUT’から選択された色データの色要素(R,G、Bの各値)を取得する。
【0051】
ステップS170では、OSDデータを構成する全ての枠データに対して色データの指定が行われていない場合(ステップS170:NO)、全ての枠データに対して色データの指定が行われるまで処理を繰返す。
【0052】
一方、全ての枠データ(ビット(xi、yj))に対して色データの指定が行われた場合(ステップS170:YES)、ステップS180において、メインコントローラー13は、各枠データに指定される色データ及びロゴデータを用いて、表示用データを作成する。
【0053】
そして、ステップS190では、メインコントローラー13は、生成した表示用データをLVDSケーブル30を通じて表示ディスプレイ20に出力して、OSD画像を表示させる。そのため、表示ディスプレイ20には、ブランド「B」に従って、ロゴマーク及び所定の色を備えるOSD画像が表示される。
【0054】
以上、説明したように、この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の構成に加えて、各ブランド又は仕向け地での色データを、基準となるデータと、この基準データと異なる色データの配列のみを記録したデータとで構成するため、記録手段に記録する情報量をより少なくすることができる。
【0055】
3.第3の実施形態:
図7は、第3の実施形態に係る画像表示装置1を説明するブロック図である。図7に示す画像表示装置1は、ネットワークNを通じてサーバー200と接続可能な構成である。また、サーバー200は基準となるカラーテーブルCLUT以外のカラーテーブルCLUTをHDD(hard disk drive)記録している。即ち、第3の実施形態は、基準となるカラーテーブルCLUT以外のカラーテーブルCLUTの記録場所がサーバー200となる構成において第1及び第2の実施形態と異なる。
【0056】
上記構成において、例えば、図5のステップS120において、メインコントローラー13は、指定されたブランド等に対応したカラーテーブルCLUT2をサーバー200からダウンロードする。そして、ステップS150において、メインコントローラー13はダウンロードしたカラーテーブルCLUT2及びカラーテーブルCLUT1を用いて合成テーブルを作成する。
【0057】
上記構成とすることで、基準となるカラーテーブルCLUT以外のカラーテーブルCLUTをサーバー200で管理させることが可能となるため、画像表示装置1は、基準となるカラーテーブルのみを記録しておけばよく、メモリに記録する情報量を大幅削減することができる。
【0058】
4.その他の実施形態:
本発明は様々な実施形態が存在する。
画像表示装置として、テレビジョン受像機の機能を備えることは一例であり、これ以外にも所定の画像を表示させるための画像データを出力可能なものであれば表示装置や、所定のメディアに記録されたデータを再生する再生装置等であってもよい。
【0059】
また、参照データを参照用テーブル及びカラーテーブルにより構成することは一例であり、カラーテーブルのみで構成してもよい。
【0060】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0061】
1…画像表示装置、2…リモコン装置、10…デジタル基板、11…チューナー部、12…ビデオメモリ、13…メインコントローラー、14…パレット参照用メモリ、15…カラーパレット用メモリ、16…I/F、20…表示ディスプレイ、30…LVDSケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を表示する画像表示装置において、
画面を表示するためのデータであって色の指定が行われていない枠データと、前記枠データに指定される色であって、当該画像表示装置が再現可能な階調数と比べて少ない数の色を、所定の選択条件毎に複数記録する色テーブルと、前記選択条件と前記色テーブルに記録された色データとを対応付ける参照データと、を記録する記録手段と、
選択された前記選択条件に応じて前記参照データを参照して、前記枠データに前記色データを指定する色指定手段と、
前記指定された色データをもとに前記枠データに係る画像を表示させる表示手段と、を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記色テーブルは、前記選択条件に含まれる第1の条件に対応付けられた色データを記録する第1のテーブルと、第2の条件に対応付けられた色データを記録する第2のテーブルとを少なくとも含み、
前記第2のテーブルには、前記第1のテーブルに記録された色データと異なる色データが記録されており、
前記色指定手段は、前記第2の条件で色データを指定する場合は、前記第1のテーブルと前記第2のテーブルとを用いて色データを指定することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1のテーブルは、記録される色データの彩度平均値が最も低いものであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
当該画像表示装置は、少なくとも前記第2のテーブルを管理するサーバーとネットワークを介して接続可能であって、
前記色指定手段は、前記サーバーから前記第2のテーブルをダウンロードして使用することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記枠データは、OSD画像を表示するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記選択条件は、当該画像表示装置に指定されるブランドの種別であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−101223(P2013−101223A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244756(P2011−244756)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】