説明

画像表示装置

【課題】複数のユーザのそれぞれに対して個別に画像を表示する。
【解決手段】画像表示装置は、画像を表示する画像表示部と、ユーザの位置を検出する位置検出部と、位置検出部によって検出された位置に応じて、画像表示部が表示する画像の視野角を設定する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザに対して画像を表示するデジタルサイネージ(電子看板)がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−143080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、宣伝効率の向上のため、ユーザ毎に個別の画像を提供できる画像表示装置が要望されている。さらに、宣伝効率の向上のため、歩行することなどにより自身の位置を変更するユーザに対しても、ユーザ毎に個別の画像を提供できる画像表示装置が要望されている。
しかしながら、上述した画像表示装置は、単に、複数のユーザに対して画像を表示するものであるため、ユーザ毎に個別の画像を提供することができない。また、位置を変更するユーザに対しても、ユーザ毎に個別の画像を適切に提供できないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示できる画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、画像を表示する画像表示部と、ユーザの位置を検出する位置検出部と、位置検出部によって検出された位置に応じて、画像表示部が表示する画像の視野角を設定する制御部とを備えることを特徴とする画像表示装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示できる画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る画像表示装置の一例を示す構成図である。
【図2】変更部の構成の一例を示す構成図である。
【図3】画像表示ユニットと視野角との関係の一例を示す模式図である。
【図4】視野角とユーザの進行方向との関係の一例を示す模式図である。
【図5】同実施形態に係る画像表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】補助表示部を備えている画像表示装置の一例を示す構成図である。
【図7】第2の実施形態に係る画像表示装置の一例を示す構成図である。
【図8】第3の実施形態に係る画像表示装置の一例を示す構成図である。
【図9】同実施形態に係る画像表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】ユーザの移動に応じて視野角を設定する例を示す模式図である。
【図11】送信部を備えている画像表示装置の一例を示す構成図である。
【図12】ユーザの身長と視野角との関係の一例を示す構成図である。
【図13】位置撮像部を備えている画像表示装置の構成の一例を示す構成図である。
【図14】ユーザの身長を検出する属性検出部を備えている画像表示装置の構成の一例を示す構成図である。
【図15】属性撮像部を備えている画像表示装置の構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0010】
[画像表示装置の構成]
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1の一例を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像表示装置1は、例えば駅の改札口付近の壁面などに備えられる電子看板である。
画像表示装置1は、画像表示部10を備え、複数の駅利用者(ユーザ)に同時に、例えば広告などの画像を表示して情報を提供する。
【0011】
本実施形態において、改札口には、複数の自動改札機3として自動改札機3Aと自動改札機3Bとが、画像表示装置1の画像表示ユニット14に向かって横一列に設置されている。
画像表示部10は、画像表示部10が表示する画像を、自動改札機3を通るユーザが視認することができる位置に設置されている。
それぞれのユーザは、改札される切符としてICカード(可搬媒体)5を所持している。
【0012】
ICカード5は、予め情報が記憶されている記憶部501を備えている。
記憶部501には、改札に必要な情報のほか、そのICカード5を所有するユーザの属性の情報が、情報の記憶単位であるフィールドごとに予め記憶されている。例えば、記憶部501の改札情報フィールドには、改札に必要な入出場記録を含む情報が予め記憶されている。また、例えば、記憶部501の属性情報フィールドには、ユーザの属性として、例えばユーザの性別を含む情報が予め記憶されている。ここで、ユーザの属性には、例えば性別、年齢、身長、趣味、出身地、住所、メールアドレスなどが含まれる。
【0013】
自動改札機3Aは、ユーザが所有するICカード5と非接触通信をおこなって、記憶部501の各フィールドに記憶されている情報を、フィールドと関連付けて読み出す非接触通信部4Aを備えている。同様に自動改札機3Bは、非接触通信部4Bを備えている。
【0014】
非接触通信部4は、センサ(通過検出部)100と、センサ(属性受信部)120とを備えている、通信アンテナである。センサ100は、非接触通信部4にICカード5が、かざされた場合に生じる電磁界の変化を検出するアンテナ素子として、例えばループコイルを備えている。センサ100は、位置検出部20に接続され、アンテナ素子が検出した電磁界の変化を電流に変換して、位置検出部20に出力する。ここで、センサ100Aは、非接触通信部4Aに備えられるセンサ100である。同様に、センサ100Bは、非接触通信部4Bに備えられるセンサ100である。
【0015】
また、ユーザA及びユーザBは、画像表示部10が設置されている位置に向かってそれぞれ移動しているユーザである。ユーザAは、自動改札機3Aの非接触通信部4Aに、所持するICカード5Aをかざして、自動改札機3Aを通過しているユーザである。同様に、ユーザBは、自動改札機3Bの非接触通信部4Bに、所持するICカード5Bをかざして、自動改札機3Bを通過しているユーザである。
【0016】
画像表示装置1は、画像表示部10と、位置検出部20と、属性検出部30と、制御部40と、変更部50と、を備えている。
【0017】
画像表示部10は、例えば液晶ディスプレイなどの表示器であり、例えば壁面、天井面、床面に設置され、または壁面、天井面、床面などに設置されている支持部材によって支持されて設置されている、この画像表示部10は、複数のユーザに対して同時に画像を表示する。画像表示部10は、入力される画像の信号に応じて発光して、画像を表示する画像表示ユニット14を備えている。
【0018】
位置検出部20は、センサ100に接続されている。本実施形態においては、位置検出部20は、非接触通信部4A及び非接触通信部4Bのセンサ100A及びセンサ100Bに接続される。位置検出部20は、センサ100から入力される電流の変化を、ユーザの位置の検出信号に変換する回路を備えている。位置検出部20は、制御部40に接続され、ユーザの位置の検出信号を、制御部40に出力する。
【0019】
センサ(属性受信部)120は、ICカード5が接近した場合に、非接触通信によって、ICカード5との通信を行うアンテナ素子として、例えばループコイルを備えている。センサ120は、属性検出部30に接続され、アンテナ素子が検出した電磁界の変化を電流に変換して、属性検出部30に出力する。ここで、センサ120Aは、非接触通信部4Aに備えられるセンサ120である。同様に、センサ120Bは、非接触通信部4Bに備えられるセンサ100である。
【0020】
属性検出部30は、センサ120に接続されている。本実施形態においては、属性検出部30は、非接触通信部4Aのセンサ120A、及び非接触通信部4Bのセンサ120Bとそれぞれ接続される。属性検出部30は、センサ120から入力される電流をデジタル符号に変換する。属性検出部30は、変換したデジタル符号に含まれる情報のうちから、属性フィールドに関連付けられた属性の情報を検出する。属性検出部30は、変更部50に接続され、検出したユーザの属性を変更部50に出力する。
【0021】
変更部50は、入力される画像から画像表示部10に表示させる画像を選択する。変更部50は、予め属性に関連付けられている複数の画像が入力されている。本実施形態においては、属性に関連付けられている複数の画像は、例えば、画像Fは、女性向け広告の画像であり、画像Mは、男性向け広告の画像とする。この例においては、画像Fは、属性として女性と、画像Mは、属性として男性と、それぞれ関連付けられて、変更部50に入力されている。変更部50は、いずれかの画像を画像表示部10に表示させる画像として選択回路によって選択し、画像表示部10に出力する。
図2は、変更部50の構成を示す構成図である。本実施形態において、変更部50は、図2(a)に示すように、入力されている画像のうちから、画像に関連付けられた属性と、入力されたユーザの属性とが、一致している画像を、画像表示部10に表示させる画像として選択する。
【0022】
制御部40は、位置検出部20に接続されている。制御部40は、位置検出部20によって検出されたユーザの位置に基づいて視野角を選択する。ここで視野角とは、ユーザが画像表示部10を見た場合に、画像表示部10から発せられた光をユーザが視認できる空間内の範囲をいう。
【0023】
図3は、画像表示ユニット14と視野角との関係を示す模式図である。以下、図3を用いて画像表示ユニット14の構成を説明する。
画像表示ユニット14は、画像表示面12と、視野角制限部材13とを備えている。
画像表示面12は、例えば液晶ディスプレイの発光面であり、複数の画素11を備えている。
画素11は、電流が供給されることにより発光する発光素子である。画像表示面12は、画像信号に応じた電流を各画素11に供給することにより、画像信号に応じた画像を表示する。
視野角制限部材13は、画素11Aから発せられた光を、例えば一定の角度に屈折させるレンチキュラーレンズである。
画像表示部10は、画素11と、視野角制限部材13とを、例えば櫛状や格子状などに予め組み合わせて配置することにより、一定の面積の画像を表示する。
【0024】
ここで、制御部40が選択する視野角は、ユーザの進行方向に応じて予め設定されている。
図4は、視野角とユーザの進行方向との関係を示す模式図である。
図4(a)は、ユーザの進行方向の正面に画像表示部10を設置して、ユーザの進行方向に視野角を設定している場合を示す。
図4(b)は、ユーザの進行方向に沿って、進行方向と平行に画像表示部10を設置している場合を示す。
本実施形態において、視野角A及び視野角Bは、図4(a)に示すように予め設定している。つまり、視野角Aは、自動改札機Aを通過するユーザAが視認できる範囲に予め設定されている。同様に、視野角Bは、自動改札機Bを通過するユーザBが視認できる範囲に予め設定されている。
【0025】
次に、制御部40による視野角の設定について説明する。
ここで、本実施形態において、ユーザAとユーザBは、画像表示部10が設置されている位置に向かって、自動改札機3をそれぞれ通過している。また、画像表示面12は、上述した図3に示すように、複数の画素11として、画素11Aと、画素11Bとを備えている。このとき、画素11Aから発せられた光は、一定の範囲すなわち視野角Aの領域内にいるユーザAからのみ視認され、他の範囲にいるユーザBからは視認されなくなる。同様に、画素11Bから発せられた光は、視野角制限部材13を通過する際に一定の角度に屈折する。このとき、画素11Bから発せられた光は、一定の範囲すなわち視野角Bの領域内にいるユーザBからのみ視認され、他の範囲にいるユーザAからは視認されなくなる。したがって、制御部40は、画素11Aまたは画素11Bのうち、いずれの画素11を発光させるかを、制御すれば、制御部40が視野角Aまたは視野角Bを選択することができる。
このようにして、制御部40は、設定する視野角に応じて、画像表示部10から発せられる光の方向を設定することにより、視野角を設定する。また、制御部40は、画像表示部10から発せられる光の、予め定められる複数の方向のうちから、設定する視野角に応じて、いずれかの方向を選択することにより、画像表示部10から発せられる光の方向を設定する。
【0026】
[画像表示装置の動作]
次に、これら各部を備えている画像表示装置1の動作について、上述した図1から図3までと、図5とを用いて説明する。
【0027】
図5は、本実施形態における画像表示装置1の動作の概要を示すフローチャートである。
本実施形態においては、一例として、ユーザAは女性であるとし、ユーザBは男性であるとする。ユーザAは、ICカード(可搬媒体)5Aを、ユーザBは、ICカード5Bをそれぞれ所持している。ICカード5Aには、ユーザAの属性として女性が予め記憶されている。ICカード5Bには、ユーザBの属性として男性が予め記憶されている。
また、画像表示部10に表示される画像は、画像Fと画像Mとを含む。ここで、例えば画像Fは女性向けの広告、画像Mは男性向けの広告とする。また、画像Fは、ユーザの属性として女性に関連付けられ、画像Mは、ユーザの属性として男性に関連付けられて、図外の上位装置から変更部50にそれぞれ供給されている。
ここで、ユーザAは、自動改札機Aに備えられる非接触通信部4Aに、ICカード5Aをかざしている。同様に、ユーザBは、自動改札機Bに備えられる非接触通信部4Bに、ICカード5Aをかざしている。本実施形態では、このようにユーザA及びユーザBがICカード5A及びICカード5Bを、自動改札機A及び自動改札機Bにかざしている場合の一例について説明する。
【0028】
まず、センサ(通過検出部)100Aは、ICカード5Aが、かざされた場合に生じる電磁界の変化を検出して、検出した変化を検出電流に変換して位置検出部20に出力する。同様に、センサ(通過検出部)100Bは、ICカード5Bが、かざされた場合に生じる電磁界の変化を検出して、検出した変化を検出電流に変換して位置検出部20に出力する。
位置検出部20は、センサ100Aから入力される検出電流を、自動改札機3Aを通過するユーザの位置として、検出信号に変換する。同様に、位置検出部20は、センサ100Bから入力される検出電流を、自動改札機3Bを通過するユーザの位置として、検出信号に変換する。位置検出部20は、変換したユーザの位置の検出信号を、制御部40にそれぞれ出力する(ステップS1)。
【0029】
次に、センサ120Aは、ICカード5Aが、かざされることによって、センサ120Aが備えているアンテナ素子によりICカード5Aとの電磁界の変化を検出する。アンテナ素子が検出した電磁界の変化を電流の変化に変換して、属性検出部30に出力する。同様に、センサ120Bは、ICカード5Bが、かざされることによって、センサ120Bが備えているアンテナ素子によりICカード5Bとの電磁界の変化を検出する。アンテナ素子が検出した電磁界の変化を電流の変化に変換して、属性検出部30に出力する。
また、属性検出部30は、センサ120Aから入力される電流をデジタル符号に変換する。属性検出部30は、変換したデジタル符号に含まれる情報のうちから、属性フィールドを検出し、属性フィールドに含まれる情報を、自動改札機Aを通過するユーザの属性として、変更部50に出力する。同様に、属性検出部30は、センサ120Bから入力される電流をデジタル符号に変換する。属性検出部30は、変換したデジタル符号に含まれる情報のうちから、属性フィールドを検出し、属性フィールドに含まれる情報を、自動改札機Bを通過するユーザの属性として、変更部50に出力する(ステップS2)。
すなわち、属性検出部30は、センサ120AにかざされたICカード5Aに記憶されている属性(女性)を、自動改札機Aを通過するユーザの属性として、変更部50に出力する。同様に、属性検出部30は、センサ120BにかざされたICカード5Aに記憶されている属性(男性)を、自動改札機Bを通過するユーザの属性として、変更部50に出力する。
【0030】
次に、変更部50は、入力される複数の画像のうちから、画像に関連付けられた属性と、ステップS2において入力されたユーザの属性とを比較する(ステップS3)。本実施形態においては、ステップS2において、自動改札機Aを通過するユーザの属性として、女性が入力される。変更部50は、入力される画像Fまたは画像Mのうちから、画像Fに関連付けられた属性(女性)または画像Mに関連付けられた属性(男性)と、ステップS2において入力されたユーザの属性(女性)とを比較する。同様に、ステップS2において、自動改札機Bを通過するユーザの属性として、男性が入力される。変更部50は、入力される画像Fまたは画像Mのうちから、画像Fに関連付けられた属性(女性)または画像Mに関連付けられた属性(男性)と、ステップS2において入力されたユーザの属性(女性)とを比較する。
【0031】
次に、変更部50は、ステップS3において、画像に関連付けられた属性と、ステップS2において入力されたユーザの属性とが、一致しなければ、属性が一致する画像なし(ステップS3−一致なし)として、手順を終了する(ステップS4)。一方、変更部50は、ステップS3において、画像に関連付けられた属性と、ステップS2において入力されたユーザの属性とが、一致すれば、属性が一致する画像あり(ステップS3−一致あり)として、手順を次のステップに進める。本実施形態の例において、変更部50は、入力された属性(女性)と、画像Fに関連付けられている属性(女性)との一致を検出する。同様に、変更部50は、入力された属性(男性)と、画像Mに関連付けられている属性(男性)との一致を検出する。したがっていずれも、属性が一致する画像ありとして、手順を次のステップに進める。
【0032】
次に、変更部50は、図2(a)に示すように、入力されている画像のうちから、画像に関連付けられた属性と、入力されたユーザの属性とが、一致している画像を、画像表示部10に表示させる画像として選択する(ステップS5)。本実施形態においては、ステップS3において、画像Fに関連付けられた属性として女性と、ステップS2において入力された自動改札機Aを通過するユーザの属性として女性とが、一致している。したがって、変更部50は、画像表示部10に表示させる、自動改札機Aを通過するユーザに対する画像として、画像Fを選択する。同様に、ステップS3において、画像Mに関連付けられた属性として男性と、ステップS2において入力された自動改札機Bを通過するユーザの属性として男性とが、一致している。したがって、変更部50は、画像表示部10に表示させる、自動改札機Bを通過するユーザに対する画像として、画像Mを選択する。
【0033】
次に、制御部40は、位置検出部20によって検出された位置に応じて、画像表示部10が表示する画像の視野角を選択する(ステップS6)。本実施例においては、制御部40は、予め設定されている視野角のうちから、自動改札機Aの位置にいるユーザに視認されうる視野角Aを、視野角として選択する。このとき、制御部40は、視野角を、視野角Aにするため、画像表示部10が備えている複数の画素11のうち、視野角Aに対応する画素11Aを選択して画像を表示させる。同様に、制御部40は、予め設定されている視野角のうちから、自動改札機Bの位置にいるユーザに視認されうる視野角Bを、視野角として選択する。このとき、制御部40は、視野角を、視野角Bにするため、画像表示部10が備えている複数の画素11のうち、視野角Bに対応する画素11Bを選択して画像を表示させる。
【0034】
以上の手順により、画像表示装置1は、自動改札機Aの位置、すなわち視野角Aに対して、画像Fを表示する。同様に、画像表示装置1は、自動改札機Bの位置、すなわち視野角Bに対して、画像Mを表示する。この結果、ユーザAは視野角Aの範囲内にいるため、画像Fを視認することができる。一方、ユーザBは視野角Aの範囲外にいるため、画像Fを視認することができない。したがって、画像表示装置1は、画像FをユーザAにのみ視認させることができる。同様に、ユーザBは、視野角Bの範囲内にいるため、画像Mを視認することができる。一方、ユーザAは視野角Bの範囲外にいるため、画像Mを視認することができない。したがって、画像表示装置1は、画像MをユーザBにのみ視認させることができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の画像表示装置1は、画像を表示する画像表示部10と、ユーザの位置を検出する位置検出部20と、位置検出部20によって検出された位置に応じて、画像表示部10が表示する画像の視野角を設定する制御部40とを備えている。このため、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像の視野角をユーザのいる位置に応じて設定することができる。これにより、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0036】
また、本実施形態の画像表示装置1の制御部40は、位置検出部20によって検出されたそれぞれの位置に応じて、それぞれの視野角を設定する。このため、画像表示装置1は、ユーザごとに、画像表示部10に表示される画像の視野角を設定することができ、複数のユーザに、複数の画像を同時に表示することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0037】
また、本実施形態の画像表示装置1は、ユーザの属性を検出する属性検出部30と、属性検出部30によって検出された属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変更する変更部50とを備えている。これにより、画像表示装置1は、ユーザの属性、例えば性別や趣味に応じて、画像表示部10に表示する画像の内容を選択することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0038】
また、本実施形態の画像表示装置1の変更部50は、属性検出部30によって検出されたそれぞれの属性に基づいて、画像をそれぞれ変更する。これにより、画像表示装置1は、ユーザごとに、ユーザの属性に応じて、画像表示部10に表示する画像の内容をそれぞれ変更して、例えばユーザの興味や年齢層に応じた画像を表示することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0039】
また、本実施形態の画像表示装置1の変更部50は、属性に基づいて、複数の画像のうちから、画像表示部10に表示させる画像を選択して、画像表示部10に表示させる画像を変更する。これにより、画像表示装置1は、ユーザの属性に応じた予め複数の画像を用意して、ユーザの属性に応じて、例えば、ユーザの興味や年齢層に応じた画像を選択して、表示することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0040】
また、本実施形態の画像表示装置1の制御部40は、設定する視野角に応じて、画像表示部10から発せられる光の方向を設定することにより、視野角を設定する。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0041】
また、本実施形態の画像表示装置1の制御部40は、画像表示部10から発せられる光の、予め定められる複数の方向のうちから、設定する視野角に応じて、いずれかの方向を選択することにより、光の方向を設定する。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0042】
また、本実施形態の画像表示装置1は、ユーザに所持されるICカード(可搬媒体)5であって、ユーザの属性を示す情報が予め記憶されているICカード(可搬媒体)5から、情報を受信するセンサ(属性受信部)120を備え、属性検出部30は、センサ(属性受信部)120を介してICカード(可搬媒体)5から受信したユーザの属性を示す情報に基づいて、属性を検出する。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0043】
また、本実施形態の画像表示装置1の視野角は、ユーザの進行方向に応じて定められる。
つまり、例えば視野角は、画像表示装置1が設置されている通路の方向、つまりユーザの進行方向に合わせて、予め定められることができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、位置を変更するユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0044】
また、本実施形態の画像表示装置1は、予め定められた位置をユーザが通過したことを検出するセンサ(通過検出部)100を備え、位置検出部20は、センサ100によってユーザが通過したことが検出された場合に、予め定められた位置に基づいて、ユーザの位置を検出する。このように、本実施形態の画像表示装置1は、例えば駅や遊戯施設の入り口など、自動改札機3が備えられている場所に、センサ100を備えることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、簡易なシステム構成によってユーザの位置を特定することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザの位置に応じて表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0045】
なお、図2(b)に示すように、変更部50は、属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変換して、画像表示部10に表示させる画像を変更してもよい。これにより、画像表示装置1は、ユーザの属性に応じて、色調や表示サイズなどを変えることができる。したがって、画像表示装置1は、例えば、ユーザの年齢層などに応じて、表示サイズを拡大した視認されやすい画像や、表示サイズを縮小した情報量の多い画像を表示させることができる。これにより、画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。
【0046】
なお、図2(c)に示すように、変更部50は、属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を遮断して、画像表示部10に表示させる画像を変更してもよい。これにより、画像表示装置1は、ユーザの属性に応じて、画像を表示する、または画像を表示しないようにすることができる。したがって、画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、例えば、ユーザの年齢層に応じて、視聴制限のある画像などを、ユーザに視認させる、または視認させないようにすることができる。
【0047】
なお、図6に示すように、画像表示装置1は、通過検出部100によってユーザが通過したことが検出された場合に、画像表示部10が設置されている位置を示す画像を表示する補助表示部110を備えてもよい。
図6は、補助表示部110を備えている画像表示装置を示す構成図である。補助表示部110Aは、自動改札機3Aに備えられ、補助表示部110Bは、自動改札機3Bに備えられる。ここで、補助表示部110Aと補助表示部110Bとは同じ構成及び動作であるため、補助表示部110として説明する。この場合、補助表示部110は、制御部40に接続され、制御部40にユーザの位置が入力された場合に、ユーザの位置から見た画像表示部10の位置を示す、例えば矢印の画像を表示するとしてもよい。これにより、画像表示装置1は、視野角を制限した状態である画像表示部10の位置をユーザに知らせることができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像に、ユーザの注意を引くことができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0048】
[第2の実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成及び動作については説明を省略する。
【0049】
[画像表示装置の構成]
図7は、本実施形態に係る画像表示装置1の一例を示す構成図である。
図7に示すように、本実施形態に係る画像表示装置1は、第1の実施形態と同様に、例えば駅の改札口付近の壁面などに備えられる電子看板である。
本実施形態において、改札口には、複数の自動改札機3として自動改札機3Aと自動改札機3Bとが、画像表示装置1の画像表示ユニット14に向かって横一列に設置されている。
画像表示部10は、画像表示部10が表示する画像を、自動改札機3を通るユーザが視認することができる位置に設置されている。
【0050】
本実施形態において、画像表示装置1は、第1の実施形態と同様に、画像表示部10と、位置検出部20と、属性検出部30と、制御部40と、変更部50とを備えているほか、音出力部60A及び音出力部60Bを備えている。以下、音出力部60を含む画像表示装置1の構成および動作について説明する。なお、音出力部60A及び音出力部60Bは同一の構成及び動作であるため、音出力部60として説明する。
【0051】
音出力部60は、スピーカ部61と、アンプ部62と、指向角設定部63とを備えている。
アンプ部62は、制御部40と、変更部50と、スピーカ部61とに接続され、例えばゲイン可変アンプを備えている。アンプ部62は、変更部50から入力される音信号を、制御部40によって設定される視野角に応じた増幅率によって増幅して、スピーカ部61に出力する音信号の波高値を設定する。なお、本実施形態における変更部50は、アンプ部62と接続され、画像表示部10に表示させる画像として選択した画像に関連付けて入力される音信号を、アンプ部62に出力する。
スピーカ部61は、アンプ部62に接続され、例えば、画像表示部10の近傍に設置される。スピーカ部61は、アンプ部62から入力される音信号を、入力される音信号の波高値に応じた音量の音に変換して出力する。
指向角設定部63は、制御部40と接続され、制御部40が設定する視野角に応じて、例えばスピーカ部61が備えている音響ホーンの角度を設定して、スピーカ部61から出力される音の指向角を設定する。
【0052】
[画像表示装置の動作]
音出力部60は、位置検出部20によってユーザの位置が検出された場合に、属性検出部30によって検出されたユーザの属性を取得し、取得したユーザの属性に応じて、ユーザの注意を引く音信号を選択する。ここで、ユーザの注意を引く音信号は、例えばチャイム音などの予め定められた注意喚起音や、画像表示部10に表示される画像に同期した音声などを含む。
次に、指向角設定部63は、制御部40によって設定された視野角を取得し、取得した視野角に応じて、音響ホーンの角度を設定して音の指向角を設定する。
次に、アンプ部62は、制御部40によって設定された視野角を取得し、取得した視野角に応じた増幅率に設定して、スピーカ部61に出力する音信号の波高値を設定する。
次に、音出力部60は、入力される音信号を、音信号の波高値に応じた音量の音に変換して出力する。
【0053】
以上説明したように、本実施形態における画像表示装置1は、位置が検出された場合に、音を出力する音出力部60を備えている。本実施形態の画像表示装置1は、ユーザが自動改札機3を通過する際に、音が発せられる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像に、ユーザの注意を引くことができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0054】
さらに、本実施形態における音出力部60は、設定される視野角に基づいて、出力する音の指向角を設定する。これにより、画像表示装置1は、ユーザに音が届きやすくして、ユーザが自動改札機3を通過する際に、音を発することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像に、ユーザの注意を引くことができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0055】
さらに、本実施形態における音出力部60は、設定される視野角に基づいて、出力する音の音量を設定する。これにより、画像表示装置1は、例えば視野角が広い場合は大きい音量にして、視野角が狭い場合は小さい音量にして、ユーザが自動改札機3を通過する際に、音を発することができる。これにより、画像表示装置1は、騒音源となることを防ぎつつ、画像表示部10に表示される画像に、ユーザの注意を引くことができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0056】
[第3の実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と同じ構成及び動作については説明を省略する。
【0057】
[画像表示装置の構成]
図8は、本実施形態に係る画像表示装置1の一例を示す構成図である。
図8に示すように、本実施形態に係る画像表示装置1は、例えば駅の待ち合わせ広場付近の壁面などに備えられる電子看板である。
本実施形態において、待ち合わせ広場は、待ち合わせをしている複数の利用者(ユーザ)がいるとする。
画像表示部10は、画像表示部10が表示する画像を、待ち合わせ広場で待ち合わせをしているユーザが視認することができる位置に設置されている。
それぞれのユーザは、携帯電話(可搬媒体)2を所持している。例えば、ユーザAは携帯電話2Aを所持しており、ユーザBは携帯電話2Bを所持している。なお、携帯電話2A及び携帯電話2Bは同一の構成及び動作であるため、以下、携帯電話2として説明する。ここで、携帯電話2は、例えばGPS(Global Positioning System)によって位置を検出することができるGPS機能付き携帯電話である。携帯電話2は、GPSによって検出される現在の位置が記憶されている位置記憶部201と、予め携帯電話の所有者に関する情報が記憶されている記憶部202を備えている。
記憶部202には、その携帯電話2を所有するユーザの属性の情報が、情報の記憶単位であるフィールドごとに予め記憶されている。例えば、記憶部202の氏名フィールドには、携帯電話2を所有する者の氏名の情報が予め記憶されている。また、例えば、記憶部202の属性情報フィールドには、ユーザの属性として、例えばユーザの性別を含む情報が予め記憶されている。ここで、ユーザの属性には、例えば性別、年齢、身長、趣味、出身地、住所、メールアドレスなどが含まれる。
また、ユーザA及びユーザBは、画像表示部10が設置されている待ち合わせ広場付近に、待ち合わせのため滞在しているユーザである。ユーザAは、携帯電話2Aを所有している。同様に、ユーザBは、携帯電話2Bを所有している。
【0058】
本実施形態において、画像表示装置1は、画像表示部10と、位置検出部20と、属性検出部30と、制御部40と、変更部50と、位置受信部80と、属性受信部120とを備えている。
【0059】
画像表示部10は、例えば壁面、天井面、床面に設置され、または壁面、天井面、床面などに設置されている支持部材によって支持されて設置されている、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの表示器である。この画像表示部10は、複数のユーザに対して同時に画像を表示する。画像表示部10は、入力される画像を表示する画像表示ユニット14を備えている。また、画像表示ユニット14は、画像表示面12と、視野角制限部材13とを備えている。
【0060】
位置受信部80は、通信アンテナであり、例えば壁面、天井面、床面に設置される。位置受信部80は、携帯電話2との間で電波を送受信するアンテナ素子81を備えている。位置受信部80は、位置検出部20に接続される。位置受信部80は、アンテナ素子81が検出した携帯電話2が送信する電波を電流に変換して、位置検出部20に出力するとともに、位置検出部20が出力する電流を電波に変換して、アンテナ素子81から携帯電話2に送信する。
【0061】
位置検出部20は、位置受信部80に接続されている。位置検出部20は、位置受信部80から入力される電流の変化を、携帯電話2との情報通信を行うデジタル符号信号に変換し、及びその逆に変換を行う。位置検出部20は、携帯電話2から受信したデジタル符号化された情報のうちから、位置記憶部201に記憶されている情報に基づいて、ユーザの位置を検出する。位置検出部20は、制御部40に接続されており、検出したユーザの位置を制御部40に出力する。
【0062】
属性受信部120は、通信アンテナであり、例えば壁面、天井面、床面に設置される。属性受信部120は、携帯電話2との間で電波を送受信するアンテナ素子121を備えている。属性受信部120は、属性検出部30に接続され、アンテナ素子121が検出した携帯電話2が送信する電波を電流に変換して、属性検出部30に出力するとともに、属性検出部30が出力する電流を電波に変換して、アンテナ素子121から携帯電話2に送信する。
【0063】
属性検出部30は、属性受信部120に接続されている。属性検出部30は、属性受信部120から入力される電流の変化を、携帯電話2との情報通信を行うデジタル符号信号に変換し、及びその逆に変換を行う。属性検出部30は、変換したデジタル符号に含まれる情報のうちから、属性フィールドに関連付けられた属性の情報を検出する。属性検出部30は、変更部50に接続され、検出したユーザの属性を変更部50に出力する。
【0064】
制御部40は、位置検出部20に接続されている。制御部40は、位置検出部20によって検出されたユーザの位置に基づいて視野角を選択する。制御部40が選択する視野角は、一定の範囲において、複数の視野角が予め設定されている。
【0065】
変更部50は、入力される画像から画像表示部10に表示させる画像を選択する。変更部50は、予め属性に関連付けられている複数の画像が入力されている。本実施形態においては、属性に関連付けられている複数の画像は、例えば、画像Fは、女性向け広告の画像であり、画像Mは、男性向け広告の画像とする。この例においては、画像Fは、属性として女性と、画像Mは、属性として男性と、それぞれ関連付けられて、変更部50に入力されている。変更部50は、いずれかの画像を画像表示部10に表示させる画像として選択回路によって選択し、画像表示部10に出力する。
【0066】
[画像表示装置の動作]
次に、これら各部を備えている画像表示装置1の動作について、図8及び図9を用いて説明する。
【0067】
図9は、本実施形態における画像表示装置1の動作の概要を示すフローチャートである。
本実施形態においては、一例として、ユーザAは女性であるとし、ユーザBは男性であるとする。ユーザAは、携帯電話(可搬媒体)2Aを、ユーザBは、携帯電話(可搬媒体)2Bをそれぞれ所持している。携帯電話2Aには、ユーザAの属性として女性が予め記憶されている。携帯電話2Bには、ユーザBの属性として男性が予め記憶されている。
また、画像表示部10に表示される画像は、画像Fと画像Mとを含む。ここで、例えば画像Fは女性向けの広告、画像Mは男性向けの広告とする。また、画像Fは、ユーザの属性として女性に関連付けられ、画像Mは、ユーザの属性として男性に関連付けられて、変更部50にそれぞれ供給されている。
【0068】
まず、制御部40は、位置検出部20及び位置受信部80を介して、携帯電話2が備えている位置記憶部201から、携帯電話2の現在の位置を読み出す(ステップS1)。本実施形態において、制御部40は、携帯電話2A及び携帯電話2Bから、携帯電話2A及び携帯電話2Bの現在の位置をそれぞれ読み出す。
【0069】
次に、変更部50は、属性検出部30及び属性受信部120を介して、携帯電話2Aが備えている記憶部202から、ユーザの属性を読み出す(ステップS2)。本実施形態において、制御部40は、携帯電話2Aから、携帯電話2Aに記憶されている属性(女性)を、携帯電話2Aを所有するユーザの属性として読み出す。同様に、制御部40は、携帯電話2Bから、携帯電話2Bに記憶されている属性(男性)を携帯電話2Bを所有するユーザの属性として読み出す。
【0070】
変更部50は、入力される複数の画像のうちから、画像に関連付けられた属性と、ステップS2において入力されたユーザの属性とを比較する(ステップS3)。本実施形態においては、ステップS2において、携帯電話2Aを所有するユーザの属性として、女性が入力される。変更部50は、入力される画像Fまたは画像Mのうちから、画像Fに関連付けられた属性(女性)または画像Mに関連付けられた属性(男性)と、ステップS2において入力されたユーザの属性(女性)とを比較する。同様に、ステップS2において、携帯電話2Aを所有するユーザの属性として、男性が入力される。変更部50は、入力される画像Fまたは画像Mのうちから、画像Fに関連付けられた属性(女性)または画像Mに関連付けられた属性(男性)と、ステップS2において入力されたユーザの属性(女性)とを比較する。
【0071】
次に、変更部50は、ステップS3において、画像に関連付けられた属性と、ステップS2において入力されたユーザの属性とが、一致しなければ、属性が一致する画像なし(ステップS3−一致なし)として、手順を終了する(ステップS4)。一方、変更部50は、ステップS3において、画像に関連付けられた属性と、ステップS2において入力されたユーザの属性とが、一致すれば、属性が一致する画像あり(ステップS3−一致あり)として、手順を次のステップに進める。本実施形態の例において、変更部50は、入力された属性(女性)と、画像Fに関連付けられている属性(女性)との一致を検出する。同様に、変更部50は、入力された属性(男性)と、画像Mに関連付けられている属性(男性)との一致を検出する。したがっていずれも、属性が一致する画像ありとして、手順を次のステップに進める。
【0072】
次に、変更部50は、図2(a)に示すように、入力されている画像のうちから、画像に関連付けられた属性と、入力されたユーザの属性とが、一致している画像を、画像表示部10に表示させる画像として選択する(ステップS5)。本実施形態においては、ステップS3において、画像Fに関連付けられた属性として女性と、ステップS2において入力された携帯電話2Aを所有するユーザの属性として女性とが、一致している。したがって、変更部50は、画像表示部10に表示させる、携帯電話2Aを所有するユーザに対する画像として、画像Fを選択する。同様に、ステップS3において、画像Mに関連付けられた属性として男性と、ステップS2において入力された携帯電話2Bを所有するユーザの属性として男性とが、一致している。したがって、変更部50は、画像表示部10に表示させる、携帯電話2Bを所有するユーザに対する画像として、画像Mを選択する。
【0073】
次に、制御部40は、位置検出部20によって検出された位置に応じて、画像表示部10が表示する画像の視野角を選択する(ステップS6)。本実施例においては、制御部40は、予め設定されている視野角のうちから、携帯電話2Aの位置にいるユーザに視認されうる視野角Aを、視野角として選択する。このとき、制御部40は、視野角を、視野角Aにするため、画像表示部10が備えている複数の画素11のうち、視野角Aに対応する画素11Aを選択して画像を表示させる。同様に、制御部40は、予め設定されている視野角のうちから、携帯電話2Bの位置にいるユーザに視認されうる視野角Bを、視野角として選択する。このとき、制御部40は、視野角を、視野角Bにするため、画像表示部10が備えている複数の画素11のうち、視野角Bに対応する画素11Bを選択して画像を表示させる。
【0074】
さらに、制御部40は、位置検出部20によって検出された位置が変化した場合、変化した位置に応じて、画像表示部10が表示する画像の視野角を選択する(ステップS7)。本実施例においては、制御部40は、予め設定されている視野角のうちから、携帯電話2Aの位置にいるユーザに視認されうる視野角Aを、視野角として選択する。このとき、制御部40は、視野角を、視野角Aにするため、画像表示部10が備えている複数の画素11のうち、視野角Aに対応する画素11Aを選択して画像を表示させる。同様に、制御部40は、予め設定されている視野角のうちから、携帯電話2Bの位置にいるユーザに視認されうる視野角Bを、視野角として選択する。このとき、制御部40は、視野角を、視野角Bにするため、画像表示部10が備えている複数の画素11のうち、視野角Bに対応する画素11Bを選択して画像を表示させる。
【0075】
以上の手順により、画像表示装置1は、携帯電話2Aの位置、すなわち視野角Aに対して、画像Fを表示する。同様に、画像表示装置1は、携帯電話2Bの位置、すなわち視野角Bに対して、画像Mを表示する。この結果、ユーザAは視野角Aの範囲内にいるため、画像Fを視認することができる。一方、ユーザBは視野角Aの範囲外にいるため、画像Fを視認することができない。したがって、画像表示装置1は、画像FをユーザAにのみ視認させることができる。同様に、ユーザBは、視野角Bの範囲内にいるため、画像Mを視認することができる。一方、ユーザAは視野角Bの範囲外にいるため、画像Mを視認することができない。したがって、画像表示装置1は、画像MをユーザBにのみ視認させることができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の画像表示装置1は、画像を表示する画像表示部10と、ユーザの位置を検出する位置検出部20と、位置検出部20によって検出された位置に応じて、画像表示部10が表示する画像の視野角を設定する制御部40とを備えている。このため、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像の視野角をユーザのいる位置に応じて設定することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0077】
また、本実施形態の画像表示装置1の制御部40は、位置検出部20によって検出されたそれぞれの位置に応じて、それぞれの視野角を設定する。このため、画像表示装置1は、ユーザごとに、画像表示部10に表示される画像の視野角を設定することができ、複数のユーザに、複数の画像を同時に表示することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示することができる。
【0078】
また、本実施形態の画像表示装置1は、ユーザの属性を検出する属性検出部30と、属性検出部30によって検出された属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変更する変更部50とを備えている。これにより、画像表示装置1は、ユーザの属性、例えば性別や趣味に応じて、画像表示部10に表示する画像の内容を選択することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態の画像表示装置1の変更部50は、属性検出部30によって検出されたそれぞれの属性に基づいて、画像をそれぞれ変更する。これにより、画像表示装置1は、ユーザごとに、ユーザの属性に応じて、画像表示部10に表示する画像の内容をそれぞれ変更して、例えばユーザの興味や年齢層に応じた画像を表示することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態の画像表示装置1の変更部50は、属性に基づいて、複数の画像のうちから、画像表示部10に表示させる画像を選択して、画像表示部10に表示させる画像を変更する。これにより、画像表示装置1は、ユーザの属性に応じた予め複数の画像を用意して、ユーザの属性に応じて、例えば、ユーザの興味や年齢層に応じた画像を選択して、表示することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態の画像表示装置1は、ユーザに所持される携帯電話(可搬媒体)2であって、ユーザの属性を示す情報が予め記憶されている携帯電話(可搬媒体)2から、情報を受信するセンサ(属性受信部)120を備え、属性検出部30は、センサ(属性受信部)120を介して携帯電話(可搬媒体)2から受信したユーザの属性を示す情報に基づいて、属性を検出する。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0082】
また、本実施形態の画像表示装置1は、ユーザに所持される携帯電話(可搬媒体)2であって、携帯電話(可搬媒体)2の位置を示す位置情報を検出する位置記憶部(位置情報検出部)201を有する携帯電話(可搬媒体)2から、位置情報を受信する位置受信部80を備えてもよい。さらに、位置検出部20は、位置受信部80を介して受信した位置情報に基づいて、ユーザの位置を検出してもよい。本実施形態の画像表示装置1は、例えばGPS機能付き携帯電話など、所持しているユーザの位置の特定が可能な可搬媒体を利用することにより、自動改札機3などが備えられていない場所であっても、ユーザの位置を特定することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0083】
なお、変更部50は、複数の属性が、互いに共通する属性を含む場合には、共通する属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変更することにしてもよい。例えば変更部50は、複数のユーザに対して共通の画像を、画像表示部10に表示させてもよい。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像として、例えば共通の趣味や興味など共通点を有するユーザに対して共通の画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、宣伝効率を向上させることができる。
【0084】
なお、変更部50は、複数の位置が、互いに近接している場合には、共通する属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変更することにしてもよい。例えば共通する属性を有する複数のユーザが隣あって会話している場合など、近接した位置にいる場合に、変更部50は、画像表示部10に表示させてもよい。これにより、画像表示装置1は、例えば共通の趣味や興味など共通点を有し、近接した位置にいるユーザに対して、ユーザの注意を引きやすい画像として、共通の画像を画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、宣伝効率を向上させることができる。
【0085】
なお、本実施形態の画像表示装置1は、ユーザの位置を検出した後、ユーザの位置が変化した場合には、視野角を変化したユーザの位置に追従させて設定してもよい。すなわち、制御部40は、視野角を設定した後に、位置検出部20によって検出された位置が変化した場合には、変化した当該位置に応じて、視野角を設定することにしてもよい。図10は、ユーザの移動に応じて視野角を設定する例を示す模式図である。
図10に示すように、画像表示装置1は、例えばユーザが、画像を視認することができる視野角の範囲外に移動した場合に、ユーザの移動先の位置に視野角を設定して画像を表示させることができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザが移動しても、そのユーザ向けの画像を画像表示部10に表示させ続けることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示ることができる。
【0086】
なお、本実施形態の画像表示装置1は、例えば携帯電話(可搬媒体)2の画面に、画像表示部10の位置を表示させてもよい。つまり、画像表示装置1は、ユーザに所持される可搬媒体であって、受信される情報に応じた画像が表示される表示部203を有する可搬媒体に、情報を送信する送信部70を備えてもよい。さらに、画像表示装置1は、制御部40は、位置検出部20によって位置が検出された場合に、検出された位置を基準にして画像表示部10が設置されている位置を示す情報を、送信部70を介して可搬媒体2に送信してもよい。図11は、送信部70を備えている画像表示装置1を示す構成図である。
図11に示すように、例えば、携帯電話2には、予め携帯電話2のメールアドレスが、ユーザの属性として記憶されており、属性検出部30によって検出できるとする。制御部40は、属性検出部30によって検出されたユーザの属性に含まれるユーザの携帯電話2のメールアドレスを取得する。次に、制御部40は、位置検出部20によって位置が検出された場合に、検出された位置を基準にして画像表示部10が設置されている位置を示す画像を、送信部70を介して可搬媒体2に送信する。ここで、画像表示部10が設置されている位置を示す画像は、例えば、ユーザの現在位置と、画像表示部10が設置されている位置とが示されている地図の画像である。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10の位置をユーザに知らせることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0087】
さらに、上記の位置を示す情報には、可搬媒体がユーザに所持されている方向を示す情報が含まれていてもよい。さらに、位置検出部20は、位置に加えて方向を検出してもよい。さらに、制御部40は、位置検出部20によって位置及び位置が検出された場合に、検出された位置及び方向を基準にした、画像表示部10が設置されている位置の方向を示す情報を、送信部70を介して可搬媒体に送信してもよい。
例えば、制御部40は、位置検出部20によって位置が検出された場合に、検出された位置と携帯電話2の向きを基準にして画像表示部10が設置されている位置を示す画像を、送信部70を介して携帯電話2に送信する。ここで、画像表示部10が設置されている位置を示す画像は、例えば、ユーザの現在位置から見た、画像表示部10が設置されている位置が示されている矢印の画像である。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10の位置をユーザに知らせることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0088】
さらに、制御部40は、位置検出部20によって検出された位置または方向が変化した場合に、検出された位置及び方向を基準にした、画像表示部10が設置されている位置の方向を示す情報を、送信部70を介して可搬媒体に送信してもよい。本実施形態の画像表示装置1によれば、例えば携帯電話2の画面に、画像表示部10の位置が表示され、さらにユーザの移動に従って画像表示部10の位置が更新されて表示される。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10の位置をユーザに知らせることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0089】
なお、本実施形態の画像表示装置1は、位置検出部20によって検出される位置には、ユーザの身長を示す情報が含まれており、制御部40は、検出された位置に含まれるユーザの身長を示す情報に基づいて、視野角を設定する構成にしてもよい。図12は、ユーザの身長と視野角との関係を示す構成図である。
図12に示すように、位置検出部20は、ユーザの身長を検出し、制御部40は、検出されたユーザの身長に合わせて画像を表示させる視野角を設定することができる。これにより、画像表示装置1は、例えば大人や子どもなど、身長に差があるユーザに対して、ユーザの視線の位置に合わせて画像を表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像を適切な位置に表示することができる。
【0090】
なお、本実施形態の画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像がユーザにより視認される範囲を撮像し、撮像した画像を出力する位置撮像部90を備え、位置検出部20は、位置撮像部90によって撮像された画像に、顔の画像が含まれる場合に、当該顔の画像に基づいてユーザの位置を検出する構成にすることもできる。図13は、位置撮像部90を備えている画像表示装置1の構成を示す構成図である。
図13に示すように、例えばカメラによって撮像した、ユーザの画像を含む画像を、画像処理してユーザの位置を検出することもできる。これにより、画像表示装置1は、例えば自動改札機などが備えられていない場所や、ユーザがGPS機能付きの携帯電話などの可搬媒体を所持していない場合であっても、ユーザの位置を検出することができる。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像を、ユーザに視認されやすく表示することができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0091】
なお、本実施形態の画像表示装置1は、例えばユーザの身長に合わせて画像の内容を選択することとしてもよい。すなわち、画像表示装置1は、属性検出部30によって検出される属性にはユーザの身長を示す情報が含まれ、変更部50は、検出された属性に含まれるユーザの身長を示す情報に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変更してもよい。図14は、ユーザの身長を検出する属性検出部30を備えている画像表示装置1の構成を示す構成図である。
図14に示すように、属性検出部30がユーザの属性として、ユーザの身長を検出し、変更部50は、検出されたユーザの身長を示す情報に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を選択することにより、例えば大人用の情報や子ども用の情報など、ユーザの身長に合わせて画像を表示することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0092】
なお、本実施形態の画像表示装置1は、画像表示装置1は、画像表示部10に表示される画像が視認される範囲を撮像し、撮像した画像を出力する属性撮像部130を備え、属性検出部30は、属性撮像部130によって撮像された画像に、ユーザの画像が含まれる場合に、当該ユーザの画像に基づいて属性を検出してもよい。図15は、属性撮像部130を備えている画像表示装置の構成を示す構成図である。
図15に示すように、画像表示装置1は、例えば属性撮像部130としてビデオカメラを備えている。画像表示装置1は、属性撮像部130によって撮像した、ユーザの画像を含む画像を、画像処理によってユーザの性別や年齢、身長などの属性を検出することができる。
これにより、画像表示装置1は、ユーザが、ユーザの属性を示す情報が予め記憶されている可搬媒体2を所持していない場合であっても、ユーザの属性に応じて、画像表示部10に表示する画像の内容を選択することができる。これにより、画像表示装置1は、ユーザの注意を引きやすい画像を、画像表示部10に表示させることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
【0093】
なお、第1の実施形態と同様に、本実施形態の画像表示装置1は、例えばスピーカなどの音響装置を備え、ユーザが画像表示装置1の前を通過する際に、音を発することが可能である。これにより、画像表示装置1は、画像表示部10の存在をユーザに知らせることができる。したがって、本実施形態の画像表示装置1は、位置を変更するユーザに対して、ユーザ毎に個別の画像を表示しつつ、画像表示部10に表示する画像の視認率を向上させることができる。
さらに、第1の実施形態と同様に、音出力部60は、設定される視野角に基づいて、出力する音の指向角または音量を設定してもよい。
【0094】
また、第1の実施形態と同様に、図2(b)に示すように、変更部50は、属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を変換して、画像表示部10に表示させる画像を変更してもよい。また、第1の実施形態と同様に、図2(c)に示すように、変更部50は、属性に基づいて、画像表示部10に表示させる画像を遮断して、画像表示部10に表示させる画像を変更してもよい。
【0095】
なお、上記の実施形態において画像表示部10は、例えば液晶ディスプレイとしているが、これに限られず、プラズマディスプレイや発光ダイオードアレイなどによるものであってもよい。
また、上記の実施形態において視野角制限部材13は、例えばレンチキュラーレンズとしているが、これに限られず、パララックスバリアを使用したものや、表示器の光源そのものに指向性を持たせたものであってもよい。
【0096】
また、上記の実施形態において視野角は、予め定められた複数の視野角から選択して設定されるが、これに限られない。例えば、制御部40が、レンズの曲率や偏光板の方向を連続的に変化させて、視野角を設定してもよい。
【0097】
なお、図1における、制御部40、または、この制御部40が備えている各部、及び変更部50、またはこの変更部50が備えている各部は、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサによって実現させるものであってもよい。
【0098】
また、この制御部40、または、この制御部40またはこの変更部50が備えている各部はメモリおよびCPU(中央演算装置)によって構成され、この制御部40、または、この制御部40が備えている各部、及び図2における変更部50、またはこの変更部50が備えている各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによってその機能を実現させるものであってもよい。
【0099】
また、図1における、この制御部40、または、この制御部40が備えている各部、及び変更部50、またはこの変更部50が備えている各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって、この制御部40、または、この制御部40が備えている各部、及び変更部50、またはこの変更部50が備えている各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0100】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0101】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1…画像表示装置、2…携帯電話(可搬媒体)、5…ICカード(可搬媒体)、10…画像表示部、20…位置検出部、30…属性検出部、40…制御部、50…変更部、60…音出力部、70…送信部、80…位置受信部、90…位置撮像部、100…センサ(通過検出部)、110…補助表示部、120…センサ(属性受信部)、130…属性撮像部、201…位置記憶部(位置情報検出部)、203…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示部と、
ユーザの位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出された前記位置に応じて、前記画像表示部が表示する画像の視野角を設定する制御部と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記位置検出部によって検出されたそれぞれの前記位置に応じて、それぞれの前記視野角を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記ユーザの属性を検出する属性検出部と、
前記属性検出部によって検出された属性に基づいて、前記画像表示部に表示させる画像を変更する変更部と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記変更部は、
前記属性検出部によって検出されたそれぞれの前記属性に基づいて、前記画像をそれぞれ変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記変更部は、
前記属性に基づいて、複数の画像のうちから、前記画像表示部に表示させる画像を選択して、前記画像表示部に表示させる画像を変更する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記変更部は、
前記属性に基づいて、前記画像表示部に表示させる画像を変換して、前記画像表示部に表示させる画像を変更する
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記変更部は、
前記属性に基づいて、前記画像表示部に表示させる画像を遮断して、前記画像表示部に表示させる画像を変更する
ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記変更部は、
複数の前記属性が、互いに共通する属性を含む場合には、前記共通する属性に基づいて、前記画像表示部に表示させる画像を変更する
ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記変更部は、
複数の前記位置が、互いに近接している場合には、前記共通する属性に基づいて、前記画像表示部に表示させる画像を変更する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記位置が検出された場合に、音を出力する音出力部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記音出力部は、設定される前記視野角に基づいて、出力する音の指向角を設定する
ことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記音出力部は、設定される前記視野角に基づいて、出力する音の音量を設定する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記制御部は、
設定する前記視野角に応じて、前記画像表示部から発せられる光の方向を設定することにより、前記視野角を設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記光の、予め定められる複数の方向のうちから、設定する前記視野角に応じて、いずれかの方向を選択することにより、前記光の方向を設定する
ことを特徴とする請求項13に記載の画像表示装置。
【請求項15】
前記視野角は、
前記ユーザの進行方向に応じて定められる
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記視野角を設定した後に、前記位置検出部によって検出された前記位置が変化した場合には、変化した当該位置に応じて、前記視野角を設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項17】
前記位置検出部によって検出される前記位置には、前記ユーザの身長を示す情報が含まれており、
前記制御部は、
検出された前記位置に含まれる前記ユーザの身長を示す情報に基づいて、前記視野角を設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項18】
前記ユーザに所持される可搬媒体であって、受信される情報に応じた画像が表示される表示部を有する可搬媒体に、情報を送信する送信部
を備え、
前記制御部は、
前記位置検出部によって前記位置が検出された場合に、検出された前記位置を基準にして前記画像表示部が設置されている位置を示す情報を、前記送信部を介して前記可搬媒体に送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項19】
前記位置を示す情報には、前記可搬媒体が前記ユーザに所持されている方向を示す情報が含まれており、
前記位置検出部は、前記位置に加えて前記方向を検出し、
前記制御部は、
前記位置検出部によって前記位置及び前記位置が検出された場合に、検出された前記位置及び前記方向を基準にした、前記画像表示部が設置されている位置の方向を示す情報を、前記送信部を介して前記可搬媒体に送信する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像表示装置。
【請求項20】
前記制御部は、
前記位置検出部によって検出された前記位置または前記方向が変化した場合に、検出された前記位置及び前記方向を基準にした、前記画像表示部が設置されている位置の方向を示す情報を、前記送信部を介して前記可搬媒体に送信する
ことを特徴とする請求項19に記載の画像表示装置。
【請求項21】
前記ユーザに所持される可搬媒体であって、当該可搬媒体の位置を示す位置情報を検出する位置情報検出部を有する可搬媒体から、前記位置情報を受信する位置受信部
を備え、
前記位置検出部は、
前記位置受信部を介して受信した位置情報に基づいて、前記ユーザの位置を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項22】
前記画像表示部に表示される画像がユーザにより視認される範囲を撮像し、撮像した画像を出力する位置撮像部を備え、
前記位置検出部は、
前記位置撮像部によって撮像された画像に、顔の画像が含まれる場合に、当該顔の画像に基づいて前記ユーザの位置を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項23】
予め定められた位置を前記ユーザが通過したことを検出する通過検出部
を備え、
前記位置検出部は、
前記通過検出部によって前記ユーザが通過したことが検出された場合に、前記予め定められた位置に基づいて、前記ユーザの位置を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項24】
前記通過検出部によって前記ユーザが通過したことが検出された場合に、前記画像表示部が設置されている位置を示す画像を表示する補助表示部
を備えることを特徴とする請求項23に記載の画像表示装置。
【請求項25】
前記属性検出部によって検出される前記属性には前記ユーザの身長を示す情報が含まれ、
前記変更部は、
検出された前記属性に含まれる前記ユーザの身長を示す情報に基づいて、前記画像表示部に表示させる画像を変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項26】
前記ユーザに所持される可搬媒体であって、当該ユーザの属性を示す情報が予め記憶されている可搬媒体から、当該情報を受信する属性受信部
を備え、
前記属性検出部は、
前記属性受信部を介して当該可搬媒体から受信した当該ユーザの属性を示す情報に基づいて、前記属性を検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項27】
前記画像表示部に表示される画像が視認される範囲を撮像し、撮像した画像を出力する属性撮像部を備え、
前記属性検出部は、
前記属性撮像部によって撮像された画像に、前記ユーザの画像が含まれる場合に、当該ユーザの画像に基づいて前記属性を検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−61401(P2013−61401A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198310(P2011−198310)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】