説明

画像記録システム、画像記録装置及び画像記録方法

【課題】 低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録システム、画像記録装置及び画像記録方法を提供する。
【解決手段】 この画像記録方法は、銀塩感光材料についてその消費期限を特定する消費期限情報を含む情報を登録し保持するステップ(S01)と、ホスト装置より画像データを受信し記憶するステップ(S02)と、銀塩感光材料上に画像データを記録するステップ(S05)と、を含み、消費期限情報に基づいて銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置とホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置とを含む画像記録システム、画像記録装置及び画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にカラー印刷物を作成する際には、原稿フィルムの段階で色校正を行うことが要求される場合があり、このような場合には、C(シアン)版、M(マゼンタ)版、Y(イエロー)版、及びK(ブラック)版に色分解された各色分解網原稿フィルムを使って校正物(カラープルーフ)を作成し、本番の印刷版を作成する前に、原稿フィルムのレイアウトや色、更に、文字等に関する誤りの有無検査を含む最終印刷物の仕上がり品質を確認している。
【0003】
近年においては、DTP(Desk Top Publishing)等の普及により、スキャナから入力した画像をコンピュータのソフトウェア上で画像編集、ページ面付けする作業が一般化し、フルデジタルでの編集も珍しくなくなってきている。このような工程では、更なる効率化を目指して、ページ編集済みの画像データをフィルムに直接出力するイメージセッタ出力や、印刷版に直接出力するCTP(Computer To Plate)出力、更には、印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像出力するCTC(Computer To Cylinder)が行われる。
【0004】
この場合、校正確認のためだけにフィルム出力や印刷版出力を行う必要があり、最終的な印刷物作成と同等またはそれ以上の手間や時間、更にフィルム、印刷版の無駄が発生する問題がある。
【0005】
そのため、特に、このようなコンピュータによるフルデジタルの画像作成、編集を行う工程では、カラープルーフの作成は、DDCP(Direct Digital Color Proof)、乃至は、DCP(Digital Color Proof)と呼ばれるデジタル画像データを直接出力してカラー画像を得るシステムが求められている。
【0006】
このようなDDCPは、コンピュータ上で加工されたデジタル画像データからイメージセッタなどで製版用フィルム上に記録したり、CTPで直接印刷版を作成する最終的な印刷作業を行ったり、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行ったり等する前に、コンピュータ上で加工されたデジタル画像を直接出力して印刷仕上がり品質を再現するカラープルーフを作成し、その給柄、色調、文章、文字等の確認作業を行えるようにしたものである。
【0007】
また、このような製版・印刷工程における校正のプロセスでは、
1)作業現場内部のミスの確認用である内校
2)発注主、デザイナーへの仕上がり確認用に提出される外校
3)印刷機の機長に対して、最終印刷物の見本として提供される印刷見本
の主として3つの用途向けにプルーフが作成されて使用される。
【0008】
校正プロセスの内、内校及び一部の外校用途においては、納期短縮、コスト削減等のニーズから、網点画像が再現できない校正材料を使用したDDCP、即ち、昇華転写方式やインクジェット、電子写真等の出力物を主として、体裁確認用のプルーフとして使用するケースがあるが、ハイライト部の再現性や、細かいディテール、更に、印刷時のモアレと呼ばれる網画像の不適切な干渉縞発生有無等の品質確認や、印刷見本として使用するプルーフ用途には、やはり印刷網点を忠実に再現するプルーフ出力が望まれているのが実状である。
【0009】
このようなニーズを満足するDDCPとしては、ハイパワーヒートモードレーザを用いて銀塩感光材料に画像露光を行い、印刷本紙に転写するタイプのものがある。しかし、このような高品質の網点を再現できるシステムでは、装置及び銀塩感光材料のコストが高くなる欠点があった。
【0010】
これに対し、近年、低コストで更に網点画像の確認ができる銀塩カラー感光材料を利用したDDCPが普及し始めている。銀塩カラー感光材料(以下、「銀塩感光材料」ともいう。)を利用した方式は、例えば、R、G、Bの波長の異なる複数の光を組み合わせて合成された光点で例えば、C、M、Yの各発色層にて構成される銀塩感光材料を露光して、C、M、Yの各ドットを発色させて、網点カラー画像を形成するものである。
【0011】
以上のような画像記録装置では、印刷に限りなく近似した網点画像の再現性はもとより、出力したハードコピーの安定再現性が非常に重要となる。
【0012】
このような要求に対し、銀塩感光材料を使用した画像記録システムでは、銀塩感光材料自体の経時劣化により、ハードコピー品質が劣化する欠点があり、消費期限内で使い切ることが品質安定のためには重要である。
【0013】
銀塩感光材料の劣化を考慮し、安定した画像を得る画像記録装置としては、下記特許文献1に記載された画像記録装置があるが、銀塩感光材料の本来の消費期限とは無関係に、装置に装填されてからの時間経過により警告を発行する処理が実行されるため、画像安定性を保証する上では不充分であるという問題があった。
【0014】
また、分割出力に関しては、下記特許文献2に記載された画像処理装置などが知られており、原画像を拡大記録する場合に使用される。また、画像回転に関しては、下記特許文献3に記載された画像処理装置などが知られており、記録紙の交換頻度を低減するために採用している。
【特許文献1】特開2003−280165号公報
【特許文献2】特開平05−37768号公報
【特許文献3】特開2001−86289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録システム、画像記録装置及び画像記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明による第1の画像記録システムは、画像処理機能を有するホスト装置と、前記ホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置と、を含む画像記録システムであって、前記ホスト装置及び前記画像記録装置は、画像記録に必要な情報を共有するために情報を交換する情報交換手段をそれぞれ備え、前記情報交換手段により交換される情報は、前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含むことを特徴とする。
【0017】
第1の画像記録システムによれば、ホスト装置及び画像記録装置が画像記録装置に装填されている銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を共有できるので、その消費期限を特定する消費期限情報に基づいて例えば消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うように制御できる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録システムを実現できる。
【0018】
本発明による第2の画像記録システムは、画像処理機能を有するホスト装置と、前記ホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置と、を含む画像記録システムであって、前記ホスト装置及び前記画像記録装置は、画像記録に必要な情報を共有するために情報を交換する情報交換手段をそれぞれ備え、前記情報交換手段により交換される情報は、前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、前記ホスト装置は、前記画像記録装置に転送する画像データを分割処理する分割手段を備えるとともに、前記情報交換手段により取得した前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用可能とするために前記画像データ分割手段による前記画像データの分割処理の実行可否を判定することを特徴とする。
【0019】
第2の画像記録システムによれば、ホスト装置が画像データ分割手段による画像データの分割処理の実行可否を判定することで、必要に応じて画像を銀塩感光材料に分割した状態で露光し記録できるので、画像記録装置に装填されている銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用でき、消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うようにできる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録システムを実現できる。
【0020】
本発明による第3の画像記録システムは、画像処理機能を有するホスト装置と、前記ホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置と、を含む画像記録システムであって、前記ホスト装置及び前記画像記録装置は、画像記録に必要な情報を共有するために情報を交換する情報交換手段をそれぞれ備え、前記情報交換手段により交換される情報は、前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、前記ホスト装置は、前記画像記録装置に転送する画像データを略90°回転する画像回転手段を備えるとともに、前記情報交換手段により取得した前記画像記録装置に装填されている前記感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用可能とするために前記画像回転手段による前記画像データの回転処理の実行可否を判定することを特徴とする。
【0021】
第3の画像記録システムによれば、ホスト装置が画像回転手段による画像データの回転処理の実行可否を判定することで、必要に応じて画像を銀塩感光材料に回転した状態で露光し記録できるので、画像記録装置に装填されている銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用でき、消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うようにできる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録システムを実現できる。
【0022】
本発明による第1の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、前記銀塩感光材料に関する情報を登録し保持する感光材料情報登録手段を有し、前記感光材料情報登録手段に登録保持される情報は、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、前記感光材料情報登録手段により登録された前記銀塩感光材料の消費期限を経過したことを検知した場合、前記銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整する制御を行う記録処理制御手段を設けたことを特徴とする。
【0023】
第1の画像記録装置によれば、銀塩感光材料の消費期限の経過を検知したとき、銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整するので、消費期限を経過した銀塩感光材料に対しその影響を抑えるような記録処理を行うことができ、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0024】
本発明による第2の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、前記銀塩感光材料に関する情報を登録し保持する感光材料情報登録手段を有し、前記感光材料情報登録手段に登録保持される情報は、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、前記銀塩感光材料の消費期限を経過した場合に前記消費期限からの経過時間をカウントする経過時間カウント手段を設け、前記経過時間に基づいて前記銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整する制御を行う記録処理制御手段を設けたことを特徴とする。
【0025】
第2の画像記録装置によれば、銀塩感光材料の消費期限が経過し、その消費期限からカウントした経過時間に基づいて銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整するので、消費期限を経過した銀塩感光材料に対しその影響を抑えるような記録処理をより適切に行うことができ、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0026】
上記第1及び第2の画像記録装置において、前記記録処理条件は、前記銀塩感光材料に対する露光条件であって、前記露光条件は、前記銀塩感光材料を露光する際の露光量であるようにできる。
【0027】
また、前記記録処理条件は、前記銀塩感光材料の露光後の現像処理条件であって、前記現像処理条件は、前記銀塩感光材料を現像処理する際の現像処理温度、現像処理時間及び前記現像処理に用いる現像処理液の補充量の内の少なくともいずれか1つを含むようにできる。
【0028】
また、前記消費期限情報を直接入力可能であるデータ入力手段を有することが好ましい。また、前記消費期限情報を記録したバーコードと、前記バーコードを読み取るバーコード読取手段と、を設けるようにしてもよい。また、前記消費期限情報を記録したICタグ等の非接触タグと、前記非接触Cタグを読み取る非接触タグ読取手段と、を設けるようにしてもよい。
【0029】
また、前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造ロット番号であってよい。また、前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造日でもよい。また、前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の性能保証期限日でもよい。
【0030】
本発明による第3の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、少なくとも最大記録サイズの画像データを格納可能な画像データ記憶手段と、使用する前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含む感光材料情報を登録する材料情報登録手段と、前記登録された感光材料情報に基づいて画像記録時に供給する前記銀塩感光材料を選択する給紙選択手段と、前記画像データ記憶手段に格納された画像データを読み出して前記銀塩感光材料上への記録を制御する画像記録制御手段と、前記画像データを略90°回転する画像回転手段と、を有し、前記給紙選択手段は、前記画像データのサイズに基づいて、前記画像データ回転手段による画像回転処理の有無により記録可能でありかつ前記感光材料情報の消費期限までの期間が最も短い銀塩感光材料を選択することを特徴とする。
【0031】
第3の画像記録装置によれば、画像データ回転手段による画像回転処理の有無により記録可能でありかつ感光材料情報の消費期限までの期間が最も短い銀塩感光材料を選択可能であるとき、必要に応じて画像を銀塩感光材料に回転した状態で露光し記録することで、銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用できるので、消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うようにできる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0032】
本発明による第4の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを記録材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置の最大記録サイズよりも大容量である画像データ記憶手段を有し、前記画像データ記憶手段に格納されている画像データが前記最大記録サイズを超えている場合、複数の前記記録材料に分割し記録することを特徴とする。
【0033】
第4の画像記録装置によれば、画像記録の対象である画像データが装置の最大記録サイズを超えている場合、複数の記録材料に分割し記録できるので、その分割出力する記録材料を消費期限の迫っている記録材料から優先的に選択するようにでき、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ記録材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0034】
本発明による第5の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを記録材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置の最大記録サイズよりも大容量である画像データ記憶手段を有し、前記画像データ記憶手段に格納されている画像データが前記最大記録サイズを超えている場合、前記画像データ記憶手段に格納されている画像の一部を重複するように分割し記録することを特徴とする。
【0035】
第5の画像記録装置によれば、画像記録の対象である画像データが装置の最大記録サイズを超えている場合、画像の一部を重複して分割し記録できるので、その分割出力する記録材料を消費期限の迫っている記録材料から優先的に選択するようにでき、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ記録材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0036】
本発明による第6の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを記録材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置の最大記録サイズよりも大容量である画像データ記憶手段を有し、前記画像データ記憶手段に格納されている画像データが前記最大記録サイズを超えている場合、前記画像データ記憶手段に格納されている画像の一部を重複するように分割し記録し、前記重複し記録する画像のサイズを予め指定し登録するオーバーラップ量登録手段を有することを特徴とする。
【0037】
第6の画像記録装置によれば、画像記録の対象である画像データが装置の最大記録サイズを超えている場合、画像の一部を重複して分割し記録できるので、その分割出力する記録材料を消費期限の迫っている記録材料から優先的に選択するようにでき、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。この場合、重複する画像のサイズを指定することでオーバーラップ量を制限できるので、無理な画像の重複を制限できる。このため、低コストでかつ記録材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0038】
上記第4,第5及び第6の画像記録装置において前記記録材料は銀塩感光材料であり、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を登録し保持し、前記銀塩感光材料を消費期限までの期間が短いものから優先的に使用するように構成できる。
【0039】
本発明による第7の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、少なくとも最大記録サイズの画像データを格納可能な画像データ記憶手段と、使用する前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含む感光材料情報を登録する材料情報登録手段と、前記感光材料情報に基づいて画像記録時に供給する前記銀塩感光材料を選択する給紙選択手段と、前記画像データ記憶手段に格納された画像データを読み出して前記銀塩感光材料上への記録を制御する画像記録制御手段と、を有し、前記給紙選択手段は、前記感光材料情報の消費期限までの期間が所定期間より短いものの中で最も期間の短い銀塩感光材料を優先的に選択し供給し、前記給紙選択手段により選択された銀塩感光材料のサイズが前記画像データのサイズよりも小さい場合、前記画像記録制御手段は画像の一部を重複するように分割し記録することを特徴とする。
【0040】
第7の画像記録装置によれば、消費期限までの期間が所定期間より短いものの中で最も期間の短い銀塩感光材料を優先的に選択したが、その選択した銀塩感光材料のサイズが画像記録の対象である画像データのサイズよりも小さい場合、画像の一部を重複して分割し記録できるので、消費期限の迫っている銀塩感光材料を優先的に使用しても画像記録上の支障が生じなく、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ記録材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0041】
上記第4乃至第7の画像記録装置において前記画像データ記憶手段はハードディスク装置であることが好ましい。
【0042】
本発明による第8の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能であり、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれていることを特徴とする。
【0043】
第8の画像記録装置によれば、カートリッジに内包された銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を登録し記憶するので、その消費期限を特定する消費期限情報及び画像記録の対象である画像データに基づいて例えば消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うように制御できる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0044】
本発明による第9の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能であり、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれ、前記給紙カートリッジ選択手段は、画像記録開始のときに、前記銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いカートリッジから優先的に前記銀塩感光材料を供給することを特徴とする。
【0045】
第9の画像記録装置によれば、カートリッジに内包された銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いカートリッジから優先的に銀塩感光材料を供給するので、消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0046】
本発明による第10の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能であり、前記カートリッジを含む複数のカートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれ、前記給紙カートリッジ選択手段は、画像記録開始のときに、前記カートリッジの装置への装填の有無に関わらず、前記銀塩感光材料の消費期限までの期間が最も短いカートリッジから優先的に前記銀塩感光材料を供給するように制御し、前記消費期限までの期間が最も短い銀塩感光材料を内包したカートリッジが装置に装填されていない場合、そのカートリッジの装填を指示することを特徴とする。
【0047】
第10の画像記録装置によれば、カートリッジの装置への装填の有無に関わらず、カートリッジに内包された銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いカートリッジから優先的に銀塩感光材料を供給するように制御し、その期間が最も短い銀塩感光材料を内包したカートリッジが装置に装填されていない場合に、そのカートリッジの装填を指示するので、消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく一層効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0048】
本発明による第11の画像記録装置は、ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能で、前記カートリッジを含む複数のカートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれ、前記給紙カートリッジ選択手段は、画像記録開始のときに、選択した前記カートリッジに内包された銀塩感光材料が空になった場合、感光材料切れを警告する感光材料エンプティ指示手段を更に有し、前記感光材料エンプティ指示手段は、前記複数のカートリッジに内包された銀塩感光材料の前記消費期限情報と感光材料サイズ情報とに基づいて、次に装填すべき前記カートリッジの指定情報を指示することを特徴とする。
【0049】
第11の画像記録装置によれば、選択したカートリッジに内包された銀塩感光材料が空の場合、感光材料切れを警告するとともに、複数のカートリッジに内包された銀塩感光材料の消費期限情報と感光材料サイズ情報とに基づいて、次に装填すべきカートリッジを指示できるので、カートリッジに内包された銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いカートリッジを優先的に装填するようにでき、消費期限の経過前に銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置を実現できる。
【0050】
上記第8乃至第11の画像記録装置において前記消費期限情報を記録したバーコードと、前記バーコードを読み取るバーコード読取手段と、を設けるようにできる。また、前記消費期限情報を記録した非接触タグと、前記非接触タグを読み取る非接触タグ読取手段と、を設けるようにしてもよい。
【0051】
また、前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造ロット番号であってよい。また、前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造日でもよい。また、前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の性能保証期日でもよい。
【0052】
本発明による第1の画像記録方法は、銀塩感光材料についてその消費期限を特定する消費期限情報を含む情報を登録し保持するステップと、ホスト装置より画像データを受信し記憶するステップと、前記銀塩感光材料上に前記画像データを記録するステップと、を含み、前記消費期限情報に基づいて前記銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整することを特徴とする。
【0053】
第1の画像記録方法によれば、銀塩感光材料の消費期限情報に基づいて銀塩感光材料上に画像データを記録するときの画像処理条件を調整するので、例えば、銀塩感光材料の消費期限が経過してもそれに応じて記録処理条件を変えることができ、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録方法を実行できる。
【0054】
上記第1の画像記録方法において前記記録処理条件は、前記銀塩感光材料に対する記録時の露光条件、または、前記銀塩感光材料の露光後の現像処理条件であることが好ましい。なお、更に具体的には、前記露光条件は、前記銀塩感光材料を露光する際の露光量であり、また、前記現像処理条件は、前記銀塩感光材料を現像処理する際の現像処理温度、現像処理時間及び前記現像処理に用いる現像処理液の補充量の内の少なくともいずれか1つを含む。
【0055】
本発明による第2の画像記録方法は、銀塩感光材料についてその消費期限を特定する消費期限情報を含む情報を登録し保持するステップと、ホスト装置より画像データを受信し記憶するステップと、前記画像データを前記銀塩感光材料上に記録するステップと、を含み、前記銀塩感光材料の消費期限情報に基づいて前記消費期限の経過の有無を検知し、その検知に基づいて警告を行うことを特徴とする。
【0056】
第2の画像記録方法によれば、銀塩感光材料の消費期限情報に基づいて銀塩感光材料が消費期限を経過したか否かを検知し、警告するので、ユーザに対し、例えば、銀塩感光材料の消費期限の経過前で残存期間が短ければ、その銀塩感光材料を使うことを促すことができ、また、消費期限の経過後であれば、記録処理条件(例えば、上述の露光条件や現像処理条件)を調整してから使うように注意を与えることができ、銀塩感光材料を無駄なく効率的に使うことができる。このため、低コストでかつ銀塩感光材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録方法を実行できる。
【0057】
なお、上記第1及び第2の画像記録方法を実行する際に、消費期限情報を記録したバーコードからバーコードリーダで読み取ったり、また、消費期限情報を記録した非接触タグから非接触タグリーダで読み取るようにできる。また、消費期限情報は銀塩感光材料の製造ロット番号であってよく、また、銀塩感光材料の製造日でもよく、更に、銀塩感光材料の性能保証期日でもよい。
【0058】
また、本発明は、特に、RIP(ラスター・イメージ・プロセッサ)または網点変換処理装置で処理された網点画像データに基づいて波長の異なる複数光源によってカラー銀塩感光材料を感光させることで、印刷物の仕上がりを事前に確認するためのカラープルーフを作成する画像記録システム・画像記録装置・画像記録方法に適用して好ましい。
【発明の効果】
【0059】
本発明の画像記録システム、画像記録装置及び画像記録方法によれば、低コストでかつ銀塩感光材料等の記録材料の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態のカラープルーフ作成可能な画像記録システムを含む印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
【0061】
図1に示すように、印刷システムは、印刷工場のクライアント端末1AからPS(PostScript)データ等の画像データが画像処理装置であるRIP(Raster Image Processor)2Aに入力し、RIP2AはPSデータをラスター・イメージに変換処理し、RIP2Aでラスター・イメージ変換処理されたデータがデジタルで直接印刷用の原版を作成するための装置であるCTP(コンピュータツウプレート)3Aに送られる一方、PSデータ等の画像データがカラープルーフ作成のための画像処理機能を有するホスト装置100に送られ、2値の網点画像データを生成し画像記録装置1に送信し、この網点画像データに基づいて画像記録装置1でカラープループを作成するように構成されている。
【0062】
ホスト装置100は例えばパーソナルコンピュータから構成することができ、図1の破線のように、画像記録装置1とともに画像記録システム101を構成するが、この画像記録システム101は上述のようにカラープループ作成システムである。
【0063】
図2は図1の画像記録装置全体の外観を示す斜視図である。図3は図2の画像記録装置の内部を正面側から見た図である。図4は図3の画像記録装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。図7は図2,図3のカートリッジの側面図(a)及び背面図(b)である。
【0064】
図2に示すように、画像記録装置1は、銀塩感光材料に露光し画像を形成する露光ユニット11と、露光された銀塩感光材料を現像する現像ユニット21と、を備える。
【0065】
露光ユニット11は、前面からメンテナンスできるように開閉可能な前面パネル5と、各種情報の表示とタッチパネルからなり装置全体の操作のために各種情報を入力可能な入力表示部2と、内部にロール状に巻かれたシート状銀塩感光材料である感光紙(以下、「感材」ともいう。)を収容したカートリッジ13を給紙カバー3,4の開放後に装填可能な第1及び第2の装填部12,12’と、を備える。図2には、第1の装填部12にカートリッジ13を装填する前の状態を示し、第2の装填部12’にカートリッジ13を装填した後の状態を示す。
【0066】
図7(a)、(b)のように、カートリッジ13は、筐体が上側と下側の二つのシェル560,570に2分割されており、上側シェル560と下側シェル570が蝶番590により接続され開閉可能でありロール状の感材を収容可能である。上側シェル560と下側シェル570の両側端部13a及び13bはそれぞれ樹脂材料から構成されている。
【0067】
カートリッジ13は、全体として略直方体状で長く延びるように構成され、その長手方向が図2の第1及び第2の装填部12,12’に装填されるときのカートリッジ13の装填方向Tに一致する。カートリッジ13の上側シェル560の上面には手前側端部13bの近傍に持ち運び用の取っ手13dが設けられ、同じく装填方向Tの奥側端部13aの近傍に持ち運び用の取っ手13cが設けられている。
【0068】
カートリッジ13の下面側における上側シェル560と下側シェル570との合わせ部580からローラ対550を通して感材Sの先端を外部に引き出す構造である。カートリッジ13のローラ対550はモータやギヤ等とともにカートリッジ内感材搬送部72(図6)を構成し、カートリッジ内感材搬送部72は後述の図6の制御部50により制御される。第1及び第2の装填部12,12’に装填された各カートリッジ13内の感材搬送部72は制御部50の制御の下で感材選択部73(図6)で選択的に制御され、選択された装填部12または12’のカートリッジ13から感材が搬送されるようになっている。
【0069】
図7(a)、(b)のように、カートリッジ13内には、長尺シート状の感光紙(感材)Sを巻回した巻き芯部材600が収容されている。巻き芯部材600は、円筒状の両側端部に大径の円形状の鍔部610,620を有し、鍔部610,620の間の円筒部に感材Sが巻かれている。
【0070】
また、図7(a)のように、巻き芯部材600の奥側の鍔部610の側面部61aには、中心が凹んだ凹部61bが形成されており、凹部61b内に、感材に関する識別情報が記録されたICチップからなる非接触タグ660が設けられている。非接触タグ660に記録される情報としては、例えば、感材の製造ロット番号や種類(光沢紙やマット紙等の)・サイズや感度情報や感材の消費期限を特定する性能保証期限日や感材製造日等の情報などがあるが、これらに限定されない。かかる情報は、画像記録装置1の外部で書き込み装置を用いて非接触タグ660に記録することができる。
【0071】
また、図7(b)に示すように、図2,図3の画像記録装置1の装填部12,12’の装填方向奥側には、カートリッジ13が装填されたときに、カートリッジ13の樹脂材料からなる奥側端部13aを介してカートリッジ13内の巻き芯部材600の鍔部610の非接触タグ660に接近するように読取部700が設けられており、読取部700は図6の制御部50により制御されるとともに読み取り情報を制御部50に送り、感材の消費期限を特定する消費期限情報を感材消費期限登録部61(図6)に登録するとともに、感材の種別やサイズ等の他の感材情報を感材情報記録部65(図6)に登録し、その装填されたカートリッジがカートリッジ指定のための指定情報とともにカートリッジ装填登録部701(図6)に登録される。
【0072】
現像ユニット21は、メンテナンスのために開閉可能な上面パネル6と、前面には、現像処理液等の補充等のために開閉可能に設けられた補給パネル7と、を備える。
【0073】
図3のように、画像記録装置1の露光ユニット11は、第1及び第2の装填部12,12’に装填されたカートリッジ13から感材を給送する搬送ローラ対40,41,42等からなる給送部14と、給送部14から給送された感材Sを外周面に真空吸引し保持しながら主走査のために回転方向Rに回転するドラム10と、ドラム10上の感材に対しLED光やレーザ光等の光ビームを露光し感材に潜像を形成する光学ユニット16と、光学ユニット16を副走査のために副走査方向(図3の紙面垂直方向)に搬送する副走査部17と、画像記録後のドラム10上の感材を剥離する剥離部材15と、を備える。露光後の感材は出口19及び接続部19aを通して現像ユニット21へと搬送される。
【0074】
図3の画像記録装置1は、更に、搬送ローラ対42の下流側に配置されドラム10に向けて送られる感材の搬送に従い従動回転する従動ローラ43と、感材をドラム10との間で搬送する従動ローラ31と、ドラム10上から剥離部材15で剥離された感材をドラム10と従動ローラ31とで搬送するときに感材をガイドするガイド部材18と、ガイド部材18を通して送られてきた感材を出口19へと更に搬送する搬送ローラ対32と、搬送ローラ対32に達した感材をアキュームするためのアキュームレート部30と、搬送ローラ対32の下流側近傍に配置された感材の先端を検出する光反射型の検出センサ33と、を備える。
【0075】
搬送ローラ対42の下流側近傍に配置された比較的幅狭の従動ローラ43は感材の移動とともに従動回転し、この従動ローラ43と同軸にロータリエンコーダ58が連結されている。このロータリエンコーダ58が従動ローラ43とともに回転し回転量を測定することで搬送ローラ対42を通過してドラム10に巻き付けられた感材の長さを求めることができる。また、下流側の搬送ローラ対32は、ワンウェイクラッチ構造を有し、感材の下流側への送り出し方向への回転が自在となっている。
【0076】
また、図3の搬送ローラ対40,41の下流側近傍には感材を切断するカット部10aがそれぞれ配置されており、各カット部10aはモータ(図示省略)により回転駆動されるロータリカッタを有し、上述の感材の長さ測定に基づいて感材を所定長さに切断する。
【0077】
図3の現像ユニット21は、露光ユニット11から送られた露光済みの感材について湿式現像を行い感材の潜像を可視化するもので、感材の現像処理を行う現像部23と、定着処理を行う定着部24と、安定処理を行う安定部25と、乾燥処理を行う乾燥部26と、乾燥された感材を搬送ローラ対27a等で外部に排出する排出部27と、画像が可視化され排出された感材を集積する集積部28と、を備える。
【0078】
図4のように、画像記録装置1のドラム10は、回転軸部14’の回転軸14a及び回転軸部18’の回転軸15aが軸受33a、33bを介して支持台34a、34bに回転可能に軸支されている。ドラム10の一方の回転軸15aには、駆動プーリ35aが設けられ、この駆動プーリ35aはドラム駆動用パルスモータM6の出力プーリ35bとベルト36により連結され、ドラム駆動用パルスモータM6の駆動によりドラム10が回転する。また、ドラム10の回転軸15aには、ロータリーエンコーダ37が設けられ、回転のためのパルス信号を出力してドラムの回転に同期した画素クロック制御に用いる。
【0079】
ドラム10の他方の回転軸14aは吸引ブロアP1に連結されている。ドラム10の表面には吸着孔31cが回転軸方向に直線状に延びて多数形成されており、吸引ブロアP1の駆動によりドラム10の内部が減圧されて感材がドラム10の表面に吸着される。
【0080】
光学ユニット16は、副走査部17によりドラム軸と平行に移動可能に構成され、デジタル画像信号を受けてドラム10に吸着された感材に光ビームで露光して画像の書き込みを行う。図4に示すように、光学ユニット16には、3波長の光源、例えばB、G、R用の光源としてLEDユニット320、LEDユニット321、LEDユニット322が配置されている。各LEDユニット320,321,322からの光ビームは、ミラー325、326、327を介して、集光レンズ331からドラム10上の感材に画像を露光する。露光シャッタ332は露光ソレノイド333により開閉することで、露光開始/終了時に光路の開閉を行なう。
【0081】
光学ユニット16は、移動ベルト340に固定され、一対のガイドレール341、342に案内されてドラム軸と平行方向に移動可能に設けられている。移動ベルト340は一対のプーリ343、344に掛け渡され、一方のプーリ344は副走査モータM7の出力軸345に連結され、副走査モータM7の駆動により光学ユニット16がドラム軸と平行に移動する。
【0082】
図4に示すように、吸引ブロアP1は空気吸引ポンプにより吸引連結管51を通してドラム10内を吸引し、露光ユニット11による露光開始前にドラム10内を負圧にし感材を外周面に吸着する。また、感材をドラム10の周囲に巻き付けて搬送するときに吸引ブロアP1を作動させ感材を吸引する。
【0083】
なお、上記画像記録装置1における最大記録サイズとは、感材に記録可能な画像データの最大のサイズを意味し、ドラム10の径と幅によって決まる。
【0084】
次に、図1〜図4の画像記録装置1の制御系について図5を参照して説明する。図5に図1〜図4の画像記録装置1の露光ユニット11における画像データの流れ及び画像記録装置1の制御系のブロック図を示す。
【0085】
図5に示すように、図1〜図4の画像記録装置1は、図1のホスト装置100から送信された網点画像データを露光ユニット11で受信し、その受信した網点画像データに基づいてカラープルーフを作成するようになっている。
【0086】
露光ユニット11は、図5のように、外部の図1のホスト装置100からの網点画像データが入力する画像データI/F部52と、画像データI/F部52からの網点画像データをいったん記憶し随時出力するハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ53と、データバッファ53からのYMCKの網点画像データに対する光源駆動値を対応づけて感材に対する露光のための露光量を設定する露光ルックアップテーブル(露光LUT)54と、露光ルックアップテーブル54からの露光データのデジタル信号をアナログ信号に変換するB、G、Rの各LEDユニット320〜322に対応した複数のD/A変換部55a,55b,55cと、D/A変換部55a〜55cからの各アナログ信号により各LEDユニット320〜322の各LEDを直接にアナログ変調しドライブする複数のドライバ56a,56b,56cと、を備える。
【0087】
画像記録装置1の制御系は、図5のように、中央演算処理装置(CPU)から構成される制御部50を備え、制御部50は、入力表示部2(図2,図6)等から各種情報が入力するとともに、画像データI/F部52、データバッファ53、露光ルックアップテーブル54、入力表示部2(図2,図6)、カートリッジ内感材搬送部72(図6)及び他の装置部分を制御する。ハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ53は、装置の最大記録サイズよりも大容量である。
【0088】
図6は図5の制御部50による制御系を更に詳しく示すブロック図である。図6の制御系は、例えば入力表示部2から入力された感材の消費期限を特定する消費期限情報を登録し保持する感材消費期限登録部61と、登録された消費期限情報に基づいて感材の消費期限が経過したか否かを判断する感材消費期限経過判断部62と、感材の消費期限が経過した場合の経過時間をカウントする経過時間カウント部63と、図1のホスト装置100から受信した網点画像データのサイズを判定したりまたその画像データサイズを装置の最大記録サイズや感材のサイズと比較し記録可能か否かを判定する画像データサイズ判定部64と、上記感材情報記録部65(図6)と、上記カートリッジ装填登録部701と、を備える。
【0089】
また、図6の制御系は、図5の露光LUT54で設定される露光量を例えば感材消費期限経過判断部62で感材の消費期限が経過したとの判断結果や経過時間カウント部63でカウントされた経過時間に基づいて調整する露光量調整部66と、同じく上記判断結果や経過時間に基づいて図3の現像部23・定着部24・安定部25の各処理液の温度調整を行う現像処理温度調整部67と、同じく上記判断結果や経過時間に基づいて図3の現像部23・定着部24・安定部25における各処理時間の調整を行う現像処理時間調整部68と、同じく上記判断結果や経過時間に基づいて図3の現像部23や定着部24・安定部25の各処理液を補充する現像処理液補充部69と、を備える。
【0090】
図6の制御系は、更に、画像記録の対象である画像データを画像データサイズ判定部64の判定結果等に基づいて複数に分割処理する画像データ分割処理部70と、同じく判定結果等に基づいて画像データについて画像を略90°回転処理する画像回転処理部71と、カートリッジ13が装填された装填部12または12’から感材を例えば感材の消費期限情報や画像データサイズ判定部64で判定した画像データサイズに基づいて選択する感材選択部73と、を備える。画像データ分割処理部70は、更に、使用する感材のサイズや指定のオーバーラップ量に基づいて重複して画像記録をするような重複分割も行うようになっている。
【0091】
次に、図1〜図6の画像記録装置1の第1乃至第11の動作についてそれぞれ図8乃至図18の各フローチャートを参照して説明する。
【0092】
〈第1の動作(画像記録装置)〉
【0093】
画像記録装置1の第1の動作について図8を参照して説明する。図2,図3の装填部12,12’に装填される各カートリッジ13に収容された感材の消費期限を特定する消費期限情報、例えばその感材の性能保証期限日を入力表示部2から入力すると(S01)、その消費期限情報が図6の感材消費期限登録部61に登録され保持される。なお、消費期限情報は、感材の製造ロット番号や製造日等であってもよい。
【0094】
次に、図1のホスト装置100から網点画像データを図5の画像データI/F52で受信すると、その画像データをデータバッファ53で記憶する(S02)。
【0095】
次に、上述の登録された消費期限情報に基づいて感材の消費期限が経過したか否かを感材消費期限経過判断部62で判断し(S03)、消費期限を経過していたとき、図5の露光LUT54で設定される露光量を露光量調整部66で調整する(S04)。この露光量の調整は、消費期限を経過した感材の劣化による画質変化を補うことで感材劣化による影響を抑えるように行われる。
【0096】
次に、装填部12または12’のカートリッジ13内から搬送されてドラム10に巻き付けられた感材に対し図4,図5の各LEDユニット320〜322からの光ビームで上記調整された露光量により露光が行われることで、上記網点画像データに基づいて感材に潜像が形成される(S05)。
【0097】
次に、上記露光済みの感材をドラム10から剥離部材15で剥離し、ガイド部材18を通して搬送し、搬送ローラ対32により出口19から接続部19aを通して現像ユニット21に搬送し、現像部23,定着部24,安定部25、乾燥部26で現像処理及び乾燥を順々に行ってから(S06)、現像された感材を排出部27を通して外部へ排出し集積部28へ出力する(S07)。
【0098】
上述のように、画像記録装置1の第1の動作によれば、感材の消費期限が経過した場合、画像記録処理の際に感材に対する露光条件である露光量を調整することで消費期限を経過した感材の劣化による影響を抑えることができるので、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0099】
なお、上述のステップS01では消費期限情報を入力表示部2から入力したが、カートリッジ13が装填部12、12’に装填されたとき、図6、図7(a)のように、読取部700がカートリッジ13内の巻き芯部材600の非接触タグ660から消費期限情報を自動的に読み取り、制御部50により感材消費期限登録部61に登録するようにしてもよい。
【0100】
また、消費期限情報は、例えばバーコードに記録し、このバーコードをカートリッジ13の外表面に貼り付けておき、別に設けたバーコード読取部で自動的に読み取り、制御部50により感材消費期限登録部61に登録するようにしてもよい。
【0101】
〈第2の動作(画像記録装置)〉
【0102】
画像記録装置1の第2の動作について図9を参照して説明する。第2の動作は図8の第1の動作のステップS01〜S07と基本的には同じであるが、ステップS03で感材の消費期限が経過したと判断されたとき、図6の現像処理温度調整部67、現像処理時間調整部68及び現像処理液補充部69で各現像処理条件を調整する(S08)点が異なる。
【0103】
即ち、感材の消費期限が経過したと判断された場合、現像処理温度調整部67により図3の現像部23・定着部24・安定部25において各温度センサで各処理液の温度を検知しながら各ヒータで各処理液の温度調整を行う。また、現像処理時間調整部68により図3の現像部23・定着部24・安定部25において感材の搬送を行うモータを制御して感材の搬送速度を変えることで各処理時間を調整する。更に、現像処理液補充部69で図3の現像部23・定着部24・安定部25において各ポンプを制御して各補充液タンクから各処理液を補充する。これらの各現像処理条件の調整は、消費期限を経過した感材の劣化による画質変化を補うことで感材劣化による影響を抑えるように行われる。
【0104】
上述のように、画像記録装置1の第2の動作によれば、感材の消費期限が経過した場合、上述のステップS08で調整した各現像処理条件の下でステップS06において露光後の感材に対し現像処理を行うことで、消費期限を経過した感材の劣化による影響を抑えることができ、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0105】
なお、上述の各現像処理条件の調整は、現像処理温度・現像処理時間・現像処理液補充の内のいずれか1つまたは2つについて行うようにしてもよい。また、図8のステップS04のように露光量の調整も合わせて行うようにしてもよい。
【0106】
〈第3の動作(画像記録装置)〉
【0107】
画像記録装置1の第3の動作について図10を参照して説明する。第3の動作は図8の第1の動作のステップS01〜S07と基本的には同じであるが、ステップS03で感材の消費期限が経過したと判断されたとき、図6の経過時間カウント部63で感材の消費期限からの経過時間をカウントする(S09)点が異なる。即ち、感材の消費期限が経過したと判断された場合、図6の経過時間カウント部63でカウントした感材の消費期限(例えば性能保証期限日)からの経過時間に基づいて露光量調整部66で感材に対する露光量を調整する。これにより、経過時間の長短に応じて露光量を調整し、消費期限の経過による感材の劣化の程度に応じた露光量で露光を行うことで、より適切に感材の劣化による画質変化を補うことができ、感材劣化による影響を抑えることができる。
【0108】
上述のように、画像記録装置1の第3の動作によれば、感材の消費期限が経過した場合、上述のステップS09でカウントした感材の消費期限からの経過時間に基づきステップS04で調整した露光量により露光を行う(S05)ことで、消費期限を経過した感材の劣化による影響を抑えることができ、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0109】
なお、上述の感材の消費期限からの経過時間をカウントするステップS09は、図9の第2の動作において実行してもよく、感材の消費期限からの経過時間に基づいて各現像処理条件(少なくとも現像処理温度・現像処理時間・現像処理液補充の内のいずれか1つ)を調整するようにしてもよい。
【0110】
〈第4の動作(画像記録装置)〉
【0111】
画像記録装置1の第4の動作について図11を参照して説明する。図11の第4の動作の一部は、図8のステップS01,S02,S05〜S07と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0112】
ステップS02で網点画像データを受信し記憶すると、その画像データのサイズを画像データサイズ判定部64で判定し(S10)、その画像データサイズ及び感材の消費期限情報に基づいて感材選択部73で装填部12,12’の各カートリッジ13内の消費期限まで期間の短い感材に記録可能か否かを画像回転により記録可能か否かを含めて判断し(S11)、可能な場合でかつ画像回転処理が必要な場合には(S12)、画像回転処理部71で画像データにつき画像を略90°回転処理する(S13)。例えば、図22のように、画像データに基づいて感材Sに画像Iを形成すると、図の破線のように画像Iが感材Sのサイズ内に収まらない場合でも、画像Iを略90°回転させた画像I’は記録できる。
【0113】
そして、消費期限までの期間が短い感材をカートリッジ内感材搬送部72を駆動してドラム10に搬送し巻き付けてから露光を行う(S05)。なお、ステップS11での判断が不可能な場合、通常の感材をカートリッジ内感材搬送部72を駆動してドラム10に搬送する(S15)。
【0114】
上述のように、画像記録装置1の第4の動作によれば、画像回転処理の有無により記録可能であってかつ消費期限までの期間が短い感材を選択できる場合、必要に応じて画像を回転した状態で感材に露光し記録することで、消費期限までの期間が短い感材を優先して使用できるので、消費期限の経過前に感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0115】
〈第5の動作(画像記録装置)〉
【0116】
画像記録装置1の第5の動作について図12を参照して説明する。図12の第5の動作の一部は、図8のステップS01,S02,S05〜S07と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0117】
ステップS02で網点画像データを受信し記憶すると、その画像データのサイズが装置の最大記録サイズよりも大きいか否かを画像データサイズ判定部64で判定し(S16)、その画像データサイズが装置の最大記録サイズよりも大きい場合には、図6の画像データ分割処理部70で画像データサイズに基づいて画像データを分割する(S17)。
【0118】
次に、感材選択部73で感材の消費期限情報に基づいて装填部12,12’の各カートリッジ13内の消費期限まで短い感材を選択可能であれば選択し(S18)、その感材をカートリッジ内感材搬送部72を駆動してドラム10に搬送し巻き付けてから分割した画像データに基づいて露光を行う(S05)。なお、ステップS16で画像データサイズが装置の最大記録サイズよりも小さいと判断された場合は、画像データの分割処理は行わない。
【0119】
上述の感材が出力し、更に分割した残りの画像データがある場合(S19)、次の感材を搬送してから(S20)、ステップS05に戻り、その残りの画像データに基づいて露光を行う。
【0120】
上述のように、画像記録装置1の第5の動作によれば、画像記録の対象である画像データが装置の最大記録サイズを超えている場合、複数の感材に分割し記録できるので、その分割出力する感材を消費期限の迫っている感材から優先的に選択し使用でき、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0121】
〈第6の動作(画像記録装置)〉
【0122】
画像記録装置1の第6の動作について図13を参照して説明する。第6の動作は図12の第5の動作と基本的には同じであるが、ステップS16で画像データサイズが装置の最大記録サイズよりも大きいと判断されたとき、図6の画像データ分割処理部70で画像データサイズに基づいて画像が重複するように画像データを分割する(S21)点が異なる。
【0123】
画像データサイズが装置の最大記録サイズよりも大きい場合、ステップS21では、例えば、図23のように、図6の画像データ分割処理部70で画像データサイズに基づいて感材Sにおいて画像Iを第1画像I1と第2画像I2とに分割し、第1画像I1と第2画像I2との間に重複部分IPを設けるようにして画像データの重複分割を行う(S21)。
【0124】
次に、感材選択部73で感材の消費期限情報に基づいて装填部12,12’の各カートリッジ13内の消費期限まで短い感材を選択可能であれば選択し(S18)、その感材をカートリッジ内感材搬送部72を駆動してドラム10に搬送し巻き付けてから露光を行う(S05)。
【0125】
なお、ステップS16で画像データサイズが装置の最大記録サイズよりも小さいと判断された場合は、画像データの重複分割処理は行わない。
【0126】
上述のように、画像記録装置1の第6の動作によれば、画像記録の対象である画像データが装置の最大記録サイズを超えている場合、画像の一部を重複して分割し記録できるので、その分割出力する感材を消費期限の迫っている感材から優先的に選択し使用でき、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0127】
なお、図13の第6の動作において、画像データを複数の感材に画像記録するように分割処理し、更に各感材において重複分割処理をするようにしてもよい。
【0128】
〈第7の動作(画像記録装置)〉
【0129】
画像記録装置1の第7の動作について図14を参照して説明する。第7の動作は図13の第6の動作と基本的には同じであるが、ステップS21で重複分割処理を行う場合に、予め重複記録する画像のサイズを指定する(S22)点が異なる。
【0130】
画像データサイズが装置の最大記録サイズよりも大きい場合、ステップS21で画像データを重複分割するときには、例えば、図23のように、画像Iを第1画像I1と第2画像I2とに分割し、その間に重複部分IPを設けたが、この場合、重複記録する画像のサイズを図2,図6の入力表示部2から入力しておくことで(S22)、無理な重複分割を避けることができる。
【0131】
上述のように、画像記録装置1の第7の動作によれば、画像記録の対象である画像データが装置の最大記録サイズを超えている場合、画像の一部を重複して分割し記録できるので、その分割出力する感材を消費期限の迫っている感材から優先的に選択し使用でき、感材を無駄なく効率的に使うことができるとともに、重複する画像のサイズを指定することでオーバーラップ量(例えば、図23の重複部分IPの幅)を制限できるので、無理な画像の重複を避けることができ、画像品質に実用上の悪影響が出ない。このため、画像記録装置1において高品質出力が可能となる。
【0132】
〈第8の動作(画像記録装置)〉
【0133】
画像記録装置1の第8の動作について図15を参照して説明する。図15の第8の動作の一部は、図8のステップS01,S02,S05〜S07と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0134】
ステップS02で網点画像データを受信し記憶すると、登録された消費期限情報に基づいて感材選択部73で装填部12,12’の各カートリッジ13内の消費期限まで短い感材を選択する(S23)。
【0135】
次に、その選択した感材のサイズが画像データのサイズよりも小さいか否かを画像データサイズ判定部64で判断し、選択した感材のサイズが画像データのサイズよりも小さく、1枚の感材に記録できない場合には、図13,図14と同様の画像の重複分割を行う(S21)。
【0136】
そして、消費期限までの期間が短い感材をカートリッジ内感材搬送部72を駆動してドラム10に搬送し巻き付けてから例えば図23のように重複分割した画像データに基づいて露光を行う(S05)。なお、ステップS24で選択した感材のサイズが画像データのサイズよりも大きいと判断された場合、画像の重複分割を行わず、通常の露光を行う。
【0137】
上述のように、画像記録装置1の第8の動作によれば、消費期限までの期間が短い感材を優先的に選択したが、その選択した感材のサイズが画像記録の対象である画像データのサイズよりも小さい場合、画像の一部を重複して分割し記録できるので、消費期限の迫っている感材を優先的に使用しても画像記録上の支障が生じなく、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0138】
〈第9の動作(画像記録装置)〉
【0139】
画像記録装置1の第9の動作について図16を参照して説明する。図16の第9の動作の一部は、図8のステップS01,S02,S03,S05〜S07と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0140】
ステップS03で感材の消費期限が経過したと判断された場合、図1〜図3のような記録処理条件の調整が必要であることを入力表示部2に表示し警告する(S25)。この警告表示により、ユーザは、必要な露光条件(露光量)や現像処理条件等の調整を行ってから、ステップS05,S06で露光・現像を行うことができる。
【0141】
また、ステップS03で感材の消費期限が経過していないと判断された場合でも、消費期限までの残存期間を入力表示部2に表示することで(S26)、ユーザは消費期限までの残存期間の長短を簡単に知ることができ、短い場合は、その感材を早めに使い切ることを促すことができる。
【0142】
上述のように、画像記録装置1の第9の動作によれば、感材の消費期限情報に基づいて感材が消費期限を経過したか否かを検知し、警告するので、ユーザに対し、ステップS26のように感材の消費期限の経過前で残存期間が短ければ、その感材の使用を促すことができ、また、ステップS25のように消費期限の経過後であれば、記録処理条件(露光条件や現像処理条件)を調整してから使うように注意を与えることができ、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0143】
〈第10の動作(画像記録装置)〉
【0144】
画像記録装置1の第10の動作について図17を参照して説明する。図17の第10の動作の一部は、図8のステップS05〜S07と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0145】
図2,図3の装填部12,12’に装填可能な複数のカートリッジ13に収容された各感材の消費期限を特定する消費期限情報、例えばその感材の性能保証期限日を入力表示部2から入力すると(S31)、その消費期限情報が図6の感材消費期限登録部61に登録され保持される。なお、上述の消費期限情報の入力・登録は、各カートリッジ13を図2,図3の装填部12,12’に装填する前の保存期間中に行ってよいが、装填後に行ってもよい。
【0146】
次に、図1のホスト装置100から網点画像データを図5の画像データI/F52で受信すると、その画像データをデータバッファ53で記憶する(S32)。
【0147】
次に、上述の登録された複数のカートリッジ13の内から感材選択部73で登録された消費期限情報に基づいて消費期限までの期間が最も短い感材を内包するカートリッジを選択する(S33)。
【0148】
次に、上記選択したカートリッジ13が第1または第2の装填部12,12’に装填されているか否かをカートリッジ装填登録部701に登録された情報に基づいて判断し(S34)、その選択したカートリッジ13が装填されていない場合、その装填を指示する表示を入力表示部2に行う(S35)。
【0149】
そして、消費期限までの期間が最も短い感材を内包する上記選択されたカートリッジ13から感材をカートリッジ内感材搬送部72の駆動でドラム10に搬送し巻き付けてから画像データに基づいて露光を行う(S05)。
【0150】
上述のように、画像記録装置1の第10の動作によれば、感材の消費期限までの期間が短いカートリッジから優先的に感材を供給できるので、消費期限の経過前に感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0151】
〈第11の動作(画像記録装置)〉
【0152】
画像記録装置1の第11の動作について図18を参照して説明する。図18の第11の動作の一部は、図17のステップS31,S32,S05〜S07と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0153】
ステップS32で網点画像データを受信し記憶すると、感材情報及び画像データに応じて最適なカートリッジを感材選択部73で選択する(S36)。
【0154】
そして、露光開始のときに、選択したカートリッジ内の感材が空になったか否かを判断し(S37)、感材が空になった場合、感材選択部73により、感材切れを警告するように入力表示部2に感材切れであることを表示させ(S38)、更に、感材の消費期限情報と感光材料サイズ情報とに基づいて次に装填すべきカートリッジをカートリッジ装填登録部701に登録された指定情報として指示し入力表示部2に表示させる(S39)。
【0155】
そして、その装填すべきカートリッジを装填してから(S40)、そのカートリッジ13から感材をカートリッジ内感材搬送部72の駆動でドラム10に搬送し巻き付けてから画像データに基づいて露光を行う(S05)。
【0156】
上述のように、画像記録装置1の第11の動作によれば、選択したカートリッジに内包された感材が空の場合、感材切れを警告するとともに、複数のカートリッジに内包された感材の消費期限までの期間が短いカートリッジを優先的に装填でき、消費期限の経過前に感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0157】
以上のように、第1乃至第11の各動作によれば、感材の消費期限に関し感材を無駄なく効率的に使うことができるので、低コストでかつ感材の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録装置1を実現できる。
【0158】
次に、図1のホスト装置100の制御系について図24を参照して説明する。図24は図1のホスト装置100の制御系の要部ブロック図である。
【0159】
図24に示すように、ホスト装置100は、図1の印刷工場のクライアント端末1Aから受信部79を介して受信したPSデータをいったん記憶し随時出力するハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ81と、PSデータについてRIP処理を行い網点画像データを生成する網点画像データ生成部82と、生成した網点画像データや感材の消費期限情報等について図1の画像記録装置1に送信等を行う通信部83と、感材の消費期限を特定する消費期限情報を登録し保持する感材消費期限登録部84と、感材の種別やサイズ等の他の感材情報を登録し保持する感材情報記録部85と、上記登録された消費期限情報に基づいて感材の消費期限が経過しているか否かを判断する消費期限経過判断部88と、を備える。
【0160】
ホスト装置100は、更に、通信部83から出力する画像データを複数に分割処理する画像データ分割処理部86と、画像データについて画像を略90°回転処理する画像回転処理部87と、CRTや液晶パネル等からなり各種情報を表示する表示部89と、キーボードやマウス等のポインテイングデバイス等からなり各種情報を入力可能な入力部90と、各部81乃至90及び装置の他の部分を制御するCPU(中央演算処理装置)から構成される制御部80と、を備える。
【0161】
次に、図1,図24のホスト装置100に対し感材の消費期限情報を入力するようにした場合の図1〜図6の画像記録装置1を含む図1の画像記録システム101による第12乃至第14の動作についてそれぞれ図19乃至図21の各フローチャートを参照して説明する。
【0162】
〈第12の動作(画像記録システム)〉
【0163】
図19の第12の動作は、ステップS51からS54まではホスト装置100の動作であり、ステップS55からS61までは画像記録装置1の動作である。
【0164】
まず、図2,図3の装填部12,12’に装填される各カートリッジ13に収容された感材の消費期限を特定する消費期限情報、例えばその感材の性能保証期限日を図1,図24のホスト装置100の入力部90から入力すると(S51)、その消費期限情報が図24の感材消費期限登録部84に登録され保持される。なお、消費期限情報は、感材の製造ロット番号や製造日等であってもよい。
【0165】
一方、印刷工場のクライアント端末1A(図1)からPSデータをホスト装置100が受信部79を通して受信しデータバッファ81で記憶し(S52)、そのPSデータについて網点画像データ生成部82でRIP処理を行い網点画像データを生成する(S53)。
【0166】
次に、上述の消費期限情報が網点画像データとともにホスト装置100から出力し(S54)、画像記録装置1に入力する(S55)。そして、入力した消費期限情報が図6の画像記録装置1の感材消費期限登録部61に登録されることで、画像記録装置1はホスト装置100と消費期限情報を共有する(S56)。なお、ホスト装置100の感材情報記録部85に登録された感材の種別やサイズ等の他の感材情報も同様にして画像記録装置1の感材消費期限登録部61に登録されることで共有できる。
【0167】
次に、画像記録装置1において上述の登録された消費期限情報に基づいて感材の消費期限が経過したか否かを感材消費期限経過判断部62で判断し(S57)、消費期限を経過していたとき、図5の露光LUT54で設定される露光量を露光量調整部66で調整する(S58)。この露光量の調整は、消費期限を経過した感材の劣化による画質変化を補うことで感材劣化による影響を抑えるように行われる。
【0168】
次に、装填部12または12’のカートリッジ13内から搬送されてドラム10に巻き付けられた感材に対し図4,図5の各LEDユニット320〜322からの光ビームで上記調整された露光量により露光が行われることで、上記網点画像データに基づいて感材に潜像が形成される(S59)。
【0169】
次に、上記露光済みの感材をドラム10から剥離部材15で剥離し、ガイド部材18を通して搬送し、搬送ローラ対32により出口19から接続部19aを通して現像ユニット21に搬送し、現像部23,定着部24,安定部25、乾燥部26で現像処理及び乾燥を順々に行ってから(S60)、現像された感材を排出部27を通して外部へ排出し集積部28へ出力する(S61)。
【0170】
上述のように、画像記録システム101の図19の第12の動作によれば、ホスト装置100及び画像記録装置1が画像記録装置1に装填されている感材の消費期限を特定する消費期限情報を共有でき、消費期限情報に基づいて感材の消費期限が経過していたと判断された場合、画像記録処理の際に感材に対する露光条件である露光量を調整することで消費期限を経過した感材の劣化による影響を抑えることができるので、感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0171】
なお、図19の第12の動作では、感材の消費期限が経過していた場合、露光量を調整するようにしたが、図9と同様に現像処理条件を調整したり、露光量及び現像処理条件の両方を調整するようにしてもよく、また、図10と同様に、感材の消費期限の経過時間をカウントし、そのカウント時間に基づいて露光量や現像処理条件を変えるようにしてもよい。
【0172】
また、図19の第12の動作において、感材消費期限登録部84に登録された消費期限情報に基づいて感材の消費期限が経過したか否かを図24のホスト装置100の感材消費期限経過判断部88で判断し、その判断結果を画像記録装置1に出力するようにしてもよい。
【0173】
また、図8〜図18の第1〜第11の各動作において、図19のステップS51〜S56と同様の動作を行い、ホスト装置100側に入力した感材の消費期限情報を網点画像データとともにホスト装置100から画像記録装置1に入力し、その感材の消費期限情報を共有するようにしてもよい。
【0174】
〈第13の動作(画像記録システム)〉
【0175】
図20の第13の動作の一部は、図19のステップS51〜S53,S54〜S61と同じであるので、これらの同じステップの説明は省略する。
【0176】
例えば、図12と同様に、ステップS53で生成された画像データのサイズが画像記録装置1の最大記録サイズよりも大きいか否かを判定し、その判定結果及び感材消費期限情報に基づいて画像データを分割するか否かを判断し(S62)、分割する場合、消費期限までの期間の短い感材を選択し(S63)、その感材選択情報を画像データ等とともにホスト装置100から画像記録装置1に出力する(S54)。そして、消費期限までの期間の短い感材を装填部12または12’から搬送し、ドラム10に巻き付けて画像を分割した状態で露光する(S59)。
【0177】
上述のように、画像記録システム101の図20の第13の動作によれば、ホスト装置100が画像データの分割処理の実行可否を判定することで、必要に応じて画像を感材に分割した状態で露光し記録できるので、画像記録装置1に装填されている感材の消費期限までの期間が短いものを優先して使用でき、消費期限の経過前に感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0178】
なお、図20の第13の動作では、図13,図14,図23のような重複分割を行うようにしてもよい。
【0179】
〈第14の動作(画像記録システム)〉
【0180】
図21の第14の動作の一部は、図20の第13の動作における分割処理を行うか否かの判断ステップS62の代わりに、図22のような画像の回転処理を行うか否かを判断するようにしたものである。
【0181】
例えば、図11と同様に、ステップS53で生成された画像データのサイズが画像記録装置1の最大記録サイズよりも大きいか否かを判定し、その判定結果及び感材消費期限情報に基づいて画像を回転させる処理を行うか否かを判断し(S64)、画像回転処理を行う場合、消費期限までの期間の短い感材を選択し(S63)、その感材選択情報を画像データ等とともにホスト装置100から画像記録装置1に出力する(S54)。そして、消費期限までの期間の短い感材を装填部12または12’から搬送し、ドラム10に巻き付けて図22のように画像を回転した状態で露光する(S59)。
【0182】
上述のように、画像記録システム101の図21の第14の動作によれば、ホスト装置100が画像の回転処理の実行可否を判定することで、必要に応じて画像を感材に回転した状態で露光し記録できるので、画像記録装置1に装填されている感材の消費期限までの期間が短いものを優先して使用でき、消費期限の経過前に感材を無駄なく効率的に使うことができる。
【0183】
以上のように、第12乃至第14の各動作によれば、感材の消費期限に関し感材を無駄なく効率的に使うことができるので、低コストでかつ感材の経時劣化による出力画像の劣化を防止可能な安定性の高い高品質出力が可能な画像記録システム101を実現できる。
【0184】
次に、図1のように、ホスト装置100がネットワーク800を介して外部のサーバ801と接続可能にした画像記録システムについて説明する。
【0185】
図1のホスト装置100は、インターネットや専用回線等によるネットワーク800を介して遠隔地に感材メーカ等により設置されたサーバ801と接続可能であり、ホスト装置100とサーバ801との間で送信・受信ができるようになっている。
【0186】
サーバ801は、感材の例えば製造ロット番号と対応して感材の性能保証期限日や製造日等の各種感材情報を記憶したデータベースを備えており、ホスト装置100からの問い合わせに対し製造ロット番号を参照して例えば感材の性能保証期限日や製造日等の消費期限情報を検索し、検索した情報をホスト装置100に返信するようになっている。
【0187】
上記構成により、画像記録装置1やホスト装置100において上述のように感材消費期限情報として製造ロット番号を入力した場合、ホスト装置100がサーバ801に問い合わせてその感材の性能保証期限日や製造日の情報を取得することができる。
【0188】
また、カートリッジ13の図7(a)の非接触タグ660やバーコードに記録された感材の製造ロット番号を図6の読取部700等で読み取った場合、その読み取り情報をホスト装置100に送り、サーバ801から自動的に感材の性能保証期限日や製造日の情報を取得するようにしてもよい。また、ホスト装置100側にカートリッジ13の非接触タグ660やバーコードに記録された情報の読取装置を設け、ホスト装置100側で読み取った製造ロット番号でサーバ801から自動的に感材の性能保証期限日や製造日の情報を取得するようにしてもよい。
【0189】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図19〜図21の第12〜第14の各動作において、図8〜図18のように画像記録装置1側に入力し登録した感材の消費期限情報をホスト装置100側に送り、図24の感材消費期限登録部84に登録し、消費期限情報を共有化するようにしてもよい。
【0190】
また、図1,図24のホスト装置100に入力する画像データは、各種のフォーマットの画像データであってよく、例えば、ベクトル系としては、PS(PostScript)データ以外に、PDF、EPS等であってもよく、また、ラスター系としてはTIFF,TIFF/IT、その他専用フォーマット等であってよく、更に、2値データとしては、TIFFbitmap、その他専用フォーマット等であってもよい。更に、図1の破線の矢印のようにRIP2Aでラスター・イメージ変換処理されたデータを入力するようにしてもよく、この場合、図24の網点画像データ生成部82を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【図1】本実施の形態のカラープルーフ作成可能な画像記録システムを含む印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】本実施の形態による図1の画像記録装置全体の外観を示す斜視図である。
【図3】図1,図2の画像記録装置の内部を正面側から見た図である。
【図4】図2の画像記録装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【図5】図1〜図4の画像記録装置1の露光ユニット11における画像データの流れ及び画像記録装置1の制御系のブロック図である。
【図6】図5の制御部50による制御系を更に詳しく示すブロック図である。
【図7】図2,図3のカートリッジの側面図(a)及び背面図(b)である。
【図8】図1〜図6の画像記録装置1の第1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1〜図6の画像記録装置1の第2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1〜図6の画像記録装置1の第3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1〜図6の画像記録装置1の第4の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1〜図6の画像記録装置1の第5の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1〜図6の画像記録装置1の第6の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図1〜図6の画像記録装置1の第7の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】図1〜図6の画像記録装置1の第8の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】図1〜図6の画像記録装置1の第9の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】図1〜図6の画像記録装置1の第10の動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】図1〜図6の画像記録装置1の第11の動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】図1の画像記録システム101による第12の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】図1の画像記録システム101による第13の動作を説明するためのフローチャートである。
【図21】図1の画像記録システム101による第14の動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】図11、図21等における画像回転処理を説明するための感材の模式的な平面図である。
【図23】図13,図14,図15等における画像重複分割処理を説明するための感材の模式的な平面図である。
【図24】図1のホスト装置100の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0192】
1 画像記録装置
2 入力表示部
11 露光ユニット
12,12’ 第1、第2装填部
13 カートリッジ
21 現像ユニット
23 現像部
24 定着部
25 安定部
50 制御部
53 データバッファ
61 感材消費期限記録部
62 感材消費期限経過判断部
63 経過時間カウント部
64 画像データサイズ判定部
65 感材情報記録部
66 露光量調整部
67 現像処理温度調整部
68 現像処理時間調整部
69 現像処理液補充部
70 画像データ分割処理部
71 画像回転処理部
72 カートリッジ内感材搬送部
73 感材選択部
80 制御部
81 データバッファ
82 網点画像データ生成部
83 通信部
84 感材消費期限登録部
85 感材情報記録部
86 画像データ分割処理部
87 画像回転処理部
88 感材消費期限経過判断部
100 ホスト装置
101 画像記録システム
660 非接触タグ
700 読取部
701 カートリッジ装填登録部
800 ネットワーク
801 サーバ
S 感材、感光紙、銀塩感光材料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理機能を有するホスト装置と、前記ホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置と、を含む画像記録システムであって、
前記ホスト装置及び前記画像記録装置は、画像記録に必要な情報を共有するために情報を交換する情報交換手段をそれぞれ備え、前記情報交換手段により交換される情報は、前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含むことを特徴とする画像記録システム。
【請求項2】
画像処理機能を有するホスト装置と、前記ホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置と、を含む画像記録システムであって、
前記ホスト装置及び前記画像記録装置は、画像記録に必要な情報を共有するために情報を交換する情報交換手段をそれぞれ備え、前記情報交換手段により交換される情報は、前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、
前記ホスト装置は、前記画像記録装置に転送する画像データを分割処理する分割手段を備えるとともに、前記情報交換手段により取得した前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用可能とするために前記画像データ分割手段による前記画像データの分割処理の実行可否を判定することを特徴とする画像記録システム。
【請求項3】
画像処理機能を有するホスト装置と、前記ホスト装置から受信した網点カラー画像データを銀塩感光材料に露光し記録する画像記録装置と、を含む画像記録システムであって、
前記ホスト装置及び前記画像記録装置は、画像記録に必要な情報を共有するために情報を交換する情報交換手段をそれぞれ備え、前記情報交換手段により交換される情報は、前記画像記録装置に装填されている前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、
前記ホスト装置は、前記画像記録装置に転送する画像データを略90°回転する画像回転手段を備えるとともに、前記情報交換手段により取得した前記画像記録装置に装填されている前記感光材料の消費期限までの期間が短いものを優先して使用可能とするために前記画像回転手段による前記画像データの回転処理の実行可否を判定することを特徴とする画像記録システム。
【請求項4】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
前記銀塩感光材料に関する情報を登録し保持する感光材料情報登録手段を有し、前記感光材料情報登録手段に登録保持される情報は、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、
前記感光材料情報登録手段により登録された前記銀塩感光材料の消費期限を経過したことを検知した場合、前記銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整する制御を行う記録処理制御手段を設けたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項5】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
前記銀塩感光材料に関する情報を登録し保持する感光材料情報登録手段を有し、前記感光材料情報登録手段に登録保持される情報は、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含み、
前記銀塩感光材料の消費期限を経過した場合に前記消費期限からの経過時間をカウントする経過時間カウント手段を設け、前記経過時間に基づいて前記銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整する制御を行う記録処理制御手段を設けたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項6】
前記記録処理条件は、前記銀塩感光材料に対する露光条件であって、前記露光条件は、前記銀塩感光材料を露光する際の露光量である請求項4または5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記記録処理条件は、前記銀塩感光材料の露光後の現像処理条件であって、前記現像処理条件は、前記銀塩感光材料を現像処理する際の現像処理温度、現像処理時間及び前記現像処理に用いる現像処理液の補充量の内の少なくともいずれか1つを含む請求項4,5または6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記消費期限情報を直接入力可能であるデータ入力手段を有する請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記消費期限情報を記録したバーコードと、前記バーコードを読み取るバーコード読取手段と、を設けた請求項4乃至8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記消費期限情報を記録した非接触タグと、前記非接触Cタグを読み取る非接触タグ読取手段と、を設けた請求項4乃至8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造ロット番号である請求項4乃至10のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項12】
前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造日である請求項4乃至10のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項13】
前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の性能保証期限日である請求項4乃至10のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項14】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
少なくとも最大記録サイズの画像データを格納可能な画像データ記憶手段と、使用する前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含む感光材料情報を登録する材料情報登録手段と、前記登録された感光材料情報に基づいて画像記録時に供給する前記銀塩感光材料を選択する給紙選択手段と、前記画像データ記憶手段に格納された画像データを読み出して前記銀塩感光材料上への記録を制御する画像記録制御手段と、前記画像データを略90°回転する画像回転手段と、を有し、
前記給紙選択手段は、前記画像データのサイズに基づいて、前記画像データ回転手段による画像回転処理の有無により記録可能でありかつ前記感光材料情報の消費期限までの期間が最も短い銀塩感光材料を選択することを特徴とする画像記録装置。
【請求項15】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを記録材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置の最大記録サイズよりも大容量である画像データ記憶手段を有し、
前記画像データ記憶手段に格納されている画像データが前記最大記録サイズを超えている場合、複数の前記記録材料に分割し記録することを特徴とする画像記録装置。
【請求項16】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを記録材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置の最大記録サイズよりも大容量である画像データ記憶手段を有し、
前記画像データ記憶手段に格納されている画像データが前記最大記録サイズを超えている場合、前記画像データ記憶手段に格納されている画像の一部を重複するように分割し記録することを特徴とする画像記録装置。
【請求項17】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを記録材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置の最大記録サイズよりも大容量である画像データ記憶手段を有し、
前記画像データ記憶手段に格納されている画像データが前記最大記録サイズを超えている場合、前記画像データ記憶手段に格納されている画像の一部を重複するように分割し記録し、
前記重複し記録する画像のサイズを予め指定し登録するオーバーラップ量登録手段を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項18】
前記記録材料は銀塩感光材料であり、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を登録し保持し、前記銀塩感光材料を消費期限までの期間が短いものから優先的に使用する請求項15,16または17に記載の画像記録装置。
【請求項19】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
少なくとも最大記録サイズの画像データを格納可能な画像データ記憶手段と、使用する前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報を含む感光材料情報を登録する材料情報登録手段と、前記感光材料情報に基づいて画像記録時に供給する前記銀塩感光材料を選択する給紙選択手段と、前記画像データ記憶手段に格納された画像データを読み出して前記銀塩感光材料上への記録を制御する画像記録制御手段と、を有し、
前記給紙選択手段は、前記感光材料情報の消費期限までの期間が所定期間より短いものの中で最も期間の短い銀塩感光材料を優先的に選択し供給し、前記給紙選択手段により選択された銀塩感光材料のサイズが前記画像データのサイズよりも小さい場合、前記画像記録制御手段は画像の一部を重複するように分割し記録することを特徴とする画像記録装置。
【請求項20】
前記画像データ記憶手段はハードディスク装置である請求項15乃至19のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項21】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能であり、前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、
前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれていることを特徴とする画像記録装置。
【請求項22】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能であり、前記カートリッジを含む複数カートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、
前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれ、
前記給紙カートリッジ選択手段は、画像記録開始のときに、前記銀塩感光材料の消費期限までの期間が短いカートリッジから優先的に前記銀塩感光材料を供給することを特徴とする画像記録装置。
【請求項23】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能であり、前記複数のカートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、
前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれ、
前記給紙カートリッジ選択手段は、画像記録開始のときに、前記カートリッジの装置への装填の有無に関わらず、前記銀塩感光材料の消費期限までの期間が最も短いカートリッジから優先的に前記銀塩感光材料を供給するように制御し、前記消費期限までの期間が最も短い銀塩感光材料を内包したカートリッジが装置に装填されていない場合、そのカートリッジの装填を指示することを特徴とする画像記録装置。
【請求項24】
ホスト装置より画像データを受信し、前記画像データを銀塩感光材料上に記録する画像記録装置であって、
前記画像記録装置は、前記銀塩感光材料を内包したカートリッジを少なくとも2本装填可能で、前記カートリッジを含む複数のカートリッジに内包された前記銀塩感光材料の情報を登録し記憶する感光材料情報記憶手段と、前記感光材料記憶手段が記憶している前記感光材料情報及び前記画像データに応じて最適なカートリッジを選択して前記銀塩感光材料を供給する給紙カートリッジ選択手段と、を有し、
前記カートリッジに内包された前記銀塩感光材料に関する情報として、前記銀塩感光材料の消費期限を特定する消費期限情報が含まれ、
前記給紙カートリッジ選択手段は、画像記録開始のときに、選択した前記カートリッジに内包された銀塩感光材料が空になった場合、感光材料切れを警告する感光材料エンプティ指示手段を更に有し、
前記感光材料エンプティ指示手段は、前記複数のカートリッジに内包された銀塩感光材料の前記消費期限情報と感光材料サイズ情報とに基づいて、次に装填すべき前記カートリッジの指定情報を指示することを特徴とする画像記録装置。
【請求項25】
前記消費期限情報を記録したバーコードと、前記バーコードを読み取るバーコード読取手段と、を設けた請求項21乃至24のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項26】
前記消費期限情報を記録した非接触タグと、前記非接触タグを読み取る非接触タグ読取手段と、を設けた請求項21乃至24のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項27】
前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造ロット番号である請求項21乃至26のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項28】
前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の製造日である請求項21乃至26のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項29】
前記消費期限情報が前記銀塩感光材料の性能保証期日であることを特徴とする請求項21乃至26のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項30】
銀塩感光材料についてその消費期限を特定する消費期限情報を含む情報を登録し保持するステップと、
ホスト装置より画像データを受信し記憶するステップと、
前記銀塩感光材料上に前記画像データを記録するステップと、を含み、
前記消費期限情報に基づいて前記銀塩感光材料に対する記録処理条件を調整することを特徴とする画像記録方法。
【請求項31】
前記記録処理条件は、前記銀塩感光材料に対する記録時の露光条件、または、前記銀塩感光材料の露光後の現像処理条件である請求項30に記載の画像記録方法。
【請求項32】
銀塩感光材料についてその消費期限を特定する消費期限情報を含む情報を登録し保持するステップと、
ホスト装置より画像データを受信し記憶するステップと、
前記画像データを前記銀塩感光材料上に記録するステップと、を含み、
前記銀塩感光材料の消費期限情報に基づいて前記消費期限の経過の有無を検知し、その検知に基づいて警告を行うことを特徴とする画像記録方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−72976(P2007−72976A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262163(P2005−262163)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】