説明

画像記録装置および画像記録方法

【課題】長尺の記録媒体の終端検出時における処理内容を、記録動作の開始前に予め設定し、記録動作中にも変更することができ、記録動作中に記録動作を中断等することなく記録の処理内容を変更することが可能な画像記録装置および画像記録方法を提供する。
【解決手段】画像記録装置1は、記録媒体Aに記録可能なデータを保持するデータ保持手段22と、データを読み出す読出手段16と、読み出されたデータに基づいて記録媒体Aに記録する記録手段30と、記録媒体Aを搬送する搬送手段35と、記録媒体Aの終端を検出する終端検出手段45と、終端検出時点での記録媒体Aに対する処理内容を設定する設定手段11と、設定された処理内容を保存する設定保存手段19、55と、記録媒体Aの終端検出時に設定保存手段19、55に保存されている処理内容に応じて読出手段16、記録手段30および搬送手段35の動作を制御する制御手段12、50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置および画像記録方法に係り、特に、記録媒体の終端を検出可能な画像記録装置および画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙や布帛等の長尺の記録媒体に対して画像記録を行う場合、記録されるべき記録媒体がすべて巻き出されたにもかかわらず記録動作を継続すると、画像記録装置が、例えばインクジェット方式であればインクが無駄に消費され、プラテン等に吐出されたインクで装置内が汚染される。また、例えば、画像記録装置が感熱紙にサーマルヘッドで記録する装置であれば、サーマルヘッドやモータ等の内部機構に大きな負荷がかかる。そして、どちらの場合も装置の故障につながる。
【0003】
そのため、従来から、画像記録装置に記録媒体の終端や残量を検出するセンサ等の終端検出手段や残量検出手段を設けて、検出手段が記録媒体の残量を示す表示や終端を検出した場合には、自動的に記録動作を中断、終了或いは一時停止し、さらに警告ランプを点灯させたり記録媒体の交換を促す表示等をするように構成された画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1〜4等参照)。
【0004】
一方、例えば、記録媒体が長尺の布帛等である場合には、巻き出された記録媒体の終端と次の記録媒体の先端とを継ぎ合わせながら記録動作を中断等することなく継続して行う場合もあり(例えば、特許文献5〜7等参照)、布帛に対する捺染では、1反の長さが20m〜30m程度の反物を継ぎ合わせながら画像記録装置に挿通して、1回で100m以上の捺染を行うことが日常的に行われている。
【特許文献1】特開平7−164783号公報
【特許文献2】特開平7−214828号公報
【特許文献3】特開2001−121765号公報
【特許文献4】特開平5−278308号公報
【特許文献5】特開平7−9677号公報
【特許文献6】特開平11−192691号公報
【特許文献7】特開平2003−246106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1〜4に記載されたような画像記録装置を用いて前記布帛の捺染のように記録媒体を継ぎ合わせながら画像記録を行うと、例えば、オペレータが現在記録中の記録媒体がすべて巻き出されることを知ってその終端と次の記録媒体の先端とを継ぎ合わせ、そのまま記録動作を継続させたいと思っているにもかかわらず、継ぎ合わせの作業中に終端検出手段が記録媒体の終端を検出して、画像記録装置が記録動作を自動的に中断等してしまうことがある。
【0006】
このような場合、記録動作を中断等している時間が無駄な時間となり、オペレータの意図に反して作業が遅延する。また、オペレータがいちいち中断や警告の解除や記録の再開等の指示を装置に入力しなければならず、作業の負担となる。
【0007】
また、このような記録動作の中断等を避けるために、装置の記録動作中に終端検出時の処理を変更して中断等を行わないようにする場合、このような装置では、装置の動作モードをいわゆるローカルに切り替えて設定の変更を行う必要がある場合が多い。しかし、ローカルモードに切り替えると、通常、記録動作が一時停止してしまい、また、再度オンラインに切り替えて記録を再開させなければならず、結局、作業が遅延してしまう。
【0008】
また、前記画像記録装置では、所定の長さの画像記録が終了したので記録媒体がすべて巻き出されてもそのまま一時停止等せずに後工程に流してしまいたい場合にも、終端が検出されて搬送動作が停止してしまうため、オペレータ搬送動作を継続させるための処理をしなければならず、前述したような弊害が生じる。
【0009】
このように、特に記録媒体を継ぎ合わせながら記録を行うような場合、記録媒体の終端を検出すると自動的に記録動作を中断等する画像記録装置では、作業が遅延し、オペレータの作業負担が増大して、結果的に生産性の低下を招いてしまう。
【0010】
一方、逆に装置に終端検出手段等の自動停止手段を設けておかないと、例えば、複数の画像記録装置を管理しているオペレータがある装置での処理にかかっていて、他の装置で記録媒体がすべて巻き出されることを知らずに、或いは知っていても手が回らないため、装置が記録動作を継続してしまい、前述したような故障等の事態を生じさせる結果となる。
【0011】
このように、長尺の記録媒体に対して画像記録を行う画像記録装置に対しては、記録媒体の終端を検出した場合に単に自動的に記録動作を中断等するのではなく、終端検出時の処理内容をオペレータが状況に応じて自在に設定し、或いは一旦設定された処理内容を装置の記録動作を中断等することなく自在に変更できることが望まれる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、長尺の記録媒体の終端検出時における処理内容を、記録動作の開始前に予め設定し、記録動作中にも変更することができ、さらに、記録動作中に記録動作を中断等することなく記録の処理内容を変更することが可能な画像記録装置および画像記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の問題を解決するために、請求項1に記載の画像記録装置は、
記録媒体に記録可能なデータを保持するデータ保持手段と、
前記データを読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記データに基づいて前記記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録媒体の終端を検出する終端検出手段と、
前記終端検出手段が前記記録媒体の終端を検出した時点での前記記録媒体に対する処理内容を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された前記処理内容を保存する設定保存手段と、
前記記録媒体の終端検出時に前記設定保存手段に保存されている前記処理内容に応じて前記読出手段、前記記録手段および前記搬送手段の動作を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、画像記録装置の制御手段は、終端検出手段により記録媒体の終端が検出されると、その時点で設定手段により設定保存手段に保存されている処理内容に応じてデータの読み取り手段や記録手段、記録媒体を搬送する搬送手段の動作を制御する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記制御手段は、画像記録中に前記設定手段により新たに設定された前記終端検出時の処理内容の前記設定保存手段への送信と、前記読出手段から前記記録手段への前記データの送信とを行う場合に、転送線路を論理的に分割して行うことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録装置は、画像記録中に終端検出時の処理内容が変更されると、読出手段は画像記録のためにデータ保持手段からデータを読み出して記録手段への送信を行っているが、その送信に用いられている転送線路を時間分割や周波数分割等で論理的に分割して、変更された終端検出時の処理内容の設定保存手段への送信を行う。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記処理内容には、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止および記録継続のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録装置における終端検出時の処理として、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止、記録継続等の処理の中から適切な処理を選択可能とし、画像記録装置はその選択された処理内容を実行する。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記記録媒体に対する記録距離または前記記録媒体の搬送距離を測定する測定手段と、
記録開始からの前記記録距離または前記搬送距離を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、画像記録装置の表示手段には、記録開始から記録媒体に対する画像記録をどの程度の長さまで行ったか、或いは、記録開始から記録媒体をどの程度の距離だけ搬送したかが表示され、オペレータはその表示を見ることで記録距離または搬送距離を確認できる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像記録装置において、
前記記録媒体の継ぎ目を検出する継ぎ目検出手段を備え、
前記表示手段は、記録開始からの前記継ぎ目の検出回数および最後に検出した継ぎ目からの前記記録距離または前記搬送距離を表示するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、画像記録装置の表示手段には、前記請求項4に記載の項目のほか、記録手段を通過した記録媒体の継ぎ目の数や継ぎ目検出手段により最後に検出された継ぎ目から画像を記録した長さまたは搬送距離が表示される。
【0023】
請求項6に記載の画像記録方法は、
記録媒体に記録可能なデータを保持するデータ保持手段から前記データを読み出し、前記記録媒体を搬送しながら前記データに基づいて前記記録媒体に記録する記録処理と、
前記記録媒体の終端が検出されると、終端検出時に実行する処理内容を保存した設定保存手段から前記処理内容を読み出してその処理内容を実行する終端検出時処理と
を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、データ保持手段からデータを読み出し、記録媒体を搬送しながら前記データに基づいて記録媒体に画像記録を行う。また、記録媒体の終端が検出された場合には、その時点で設定保存手段に保存されている終端検出時に実行すべき処理内容を読み出して、その処理内容を実行する。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像記録方法において、前記記録処理における前記データの送信と、画像記録中に新たに設定された前記終端検出時に実行する処理内容の送信とを行う場合に、転送線路を論理的に分割して行うことを特徴とする。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、記録処理中に終端検出時の処理内容が変更されると、画像記録のためのデータの送信が行われている転送線路を時間分割や周波数分割等で論理的に分割して、変更された終端検出時の処理内容の送信を行う。
【0027】
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の画像記録方法において、前記処理内容には、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止および記録継続のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、記録媒体の終端検出時の処理として、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止、記録継続等の処理の中から適切な処理を選択し、その選択された処理内容を実行する。
【0029】
請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の画像記録方法において、前記記録処理では、記録開始からの前記記録媒体に対する記録距離または前記記録媒体の搬送距離が表示されることを特徴とする。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、記録開始から記録媒体に対する画像記録をどの程度の長さまで行ったか、或いは、記録開始から記録媒体をどの程度の距離だけ搬送したかが表示され、オペレータはその表示を見ることで記録距離または搬送距離を確認できる。
【0031】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像記録方法において、前記記録処理では、記録開始からの前記記録媒体の継ぎ目の検出回数および最後に検出された継ぎ目からの前記記録距離または前記搬送距離を表示することを特徴とする。
【0032】
請求項10に記載の発明によれば、前記請求項9に記載の項目のほか、記録手段を通過した記録媒体の継ぎ目の数や継ぎ目検出手段により最後に検出された継ぎ目から画像を記録した長さまたは搬送距離が表示される。
【発明の効果】
【0033】
請求項1に記載の発明によれば、画像記録装置の制御手段は、終端検出手段により記録媒体の終端が検出されると、その時点で設定手段により設定保存手段に保存されている処理内容に応じてデータの読み取り手段や記録手段、記録媒体を搬送する搬送手段の動作を制御する。
【0034】
そのため、制御手段は、記録媒体の終端が検出された時点でのみ設定保存手段に保存されている終端検出時の処理内容を参照するから、処理内容を予め設定したり、或いはオペレータの判断で記録動作中にも設定を変更可能とすることで、その処理内容を制御手段に的確に実行させることができるとともに、終端検出時の処理内容を記録動作前でも記録動作中でも或いは記録動作後にも任意のタイミングで変更することが可能となる。
【0035】
また、このように構成することで、従来のように処理内容の変更のために装置をローカルモードに切り替えるなどして記録処理が停止したり、記録を継続させたいのに不必要に記録が停止したりして作業が遅延することを回避することができる。さらには、処理内容を的確に変更することで、記録媒体がないのにインクを吐出して装置に不具合が生じることを未然に防止することができ、記録処理の生産性を向上させることが可能となる。
【0036】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録装置は、画像記録中に終端検出時の処理内容が変更されると、読出手段は画像記録のためにデータ保持手段からデータを読み出して記録手段への送信を行っているが、その送信に用いられている転送線路を時間分割や周波数分割等で論理的に分割して、変更された終端検出時の処理内容の設定保存手段への送信を行う。そのため、前記請求項1に記載の発明の効果に加え、データの送信と変更された処理内容の送信とを実質的に同時にかつ独立して行うことができ、記録動作を中断させることなく終端検出時の処理内容を設定保存手段に保存させることがより確実に行われるようになり、作業の遅延を的確に防止することが可能となる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録装置における終端検出時の処理として、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止、記録継続等の処理の中から適切な処理を選択可能とし、画像記録装置はその選択された処理内容を実行する。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが状況にあわせて画像処理装置に対する終端検出時の処理内容を的確に設定し変更することが可能となり、記録処理の生産性を向上させることができる。
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、画像記録装置の表示手段には、記録開始から記録媒体に対する画像記録をどの程度の長さまで行ったか、或いは、記録開始から記録媒体をどの程度の距離だけ搬送したかが表示され、オペレータはその表示を見ることで記録距離または搬送距離を確認できる。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが、次の終端検出時に画像記録を継続するとか、或いはほとんど要求された記録長さ分の画像記録を終えたから次の終端検出時には画像記録を終了させる等の判断を容易かつ的確に行うことが可能となり、生産性の向上につながる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、画像記録装置の表示手段には、前記請求項4に記載の項目のほか、記録手段を通過した記録媒体の継ぎ目の数や継ぎ目検出手段により最後に検出された継ぎ目から画像を記録した長さまたは搬送距離が表示される。そのため、前記請求項4に記載の発明の効果に加え、オペレータが、継ぎ合わせた記録媒体の何反目の継ぎ目から何mの所に画像記録を行っているかを容易に特定することができる。
【0040】
また、例えば、万一画像記録装置に故障等が発生して画像記録が止まった場合、記録媒体上で記録異常が生じている可能性がある位置を容易に特定でき、画像記録を再度行うか、或いはそのまま後工程に流すか等の判断を容易に行うことが可能となり、作業の遅延を容易に回避することが可能となる。
【0041】
請求項6に記載の発明によれば、データ保持手段からデータを読み出し、記録媒体を搬送しながら前記データに基づいて記録媒体に画像記録を行う。また、記録媒体の終端が検出された場合には、その時点で設定保存手段に保存されている終端検出時に実行すべき処理内容を読み出して、その処理内容を実行する。
【0042】
そのため、記録媒体の終端が検出された時点ではじめて設定保存手段に保存されている終端検出時の処理内容が参照されるから、処理内容を予め設定したり、或いはオペレータの判断で記録動作中に設定を変更可能とすることで、その処理内容を制御手段に的確に実行させることができるとともに、終端検出時の処理内容を記録動作前でも記録動作中でも或いは記録動作後にも任意のタイミングで変更することが可能となる。
【0043】
また、このように構成することで、従来のように処理内容の変更のために記録処理が停止したり、記録を継続させたいのに不必要に記録が停止したりして作業が遅延することを回避することができる。さらには、処理内容を的確に変更することで、記録媒体がないのにインクを吐出して装置に不具合が生じることを未然に防止することができ、記録処理の生産性を向上させることが可能となる。
【0044】
請求項7に記載の発明によれば、記録処理中に終端検出時の処理内容が変更されると、画像記録のためのデータの送信が行われている転送線路を時間分割や周波数分割等で論理的に分割して、変更された終端検出時の処理内容の送信を行う。そのため、前記請求項6に記載の発明の効果に加え、データの送信と変更された処理内容の送信とを実質的に同時にかつ独立して行うことができ、記録動作を中断させることなく終端検出時の処理内容を設定保存手段に保存させることがより確実に行われるようになり、作業の遅延を的確に防止することが可能となる。
【0045】
請求項8に記載の発明によれば、記録媒体の終端検出時の処理として、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止、記録継続等の処理の中から適切な処理を選択し、その選択された処理内容を実行する。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが状況にあわせて画像処理装置に対する終端検出時の処理内容を的確に設定し変更することが可能となり、記録処理の生産性を向上させることができる。
【0046】
請求項9に記載の発明によれば、記録開始から記録媒体に対する画像記録をどの程度の長さまで行ったか、或いは、記録開始から記録媒体をどの程度の距離だけ搬送したかが表示され、オペレータはその表示を見ることで記録距離または搬送距離を確認できる。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが、次の終端検出時に画像記録を継続するとか、或いはほとんど要求された記録長さ分の画像記録を終えたから次の終端検出時には画像記録を終了させる等の判断を容易かつ的確に行うことが可能となり、生産性の向上につながる。
【0047】
請求項10に記載の発明によれば、前記請求項9に記載の項目のほか、記録手段を通過した記録媒体の継ぎ目の数や継ぎ目検出手段により最後に検出された継ぎ目から画像を記録した長さまたは搬送距離が表示される。そのため、前記請求項9に記載の発明の効果に加え、オペレータが、継ぎ合わせた記録媒体の何反目の継ぎ目から何mの所に画像記録を行っているかを容易に特定することができる。
【0048】
また、例えば、万一故障等が発生して画像記録が止まった場合、記録媒体上で記録異常が生じている可能性がある位置を容易に特定でき、画像記録を再度行うか、或いはそのまま後工程に流すか等の判断を容易に行うことが可能となり、作業の遅延を容易に回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明の画像記録装置および画像記録方法に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0050】
図1は、本実施形態の画像記録装置が用いられる画像記録システムの構成図である。本実施形態の画像記録装置1は、LANやインターネット等のネットワークNを介してクライアントコンピュータCと接続されており、記録媒体Aとしての長尺の布帛に対して捺染を行う画像記録システムSを構成している。
【0051】
本実施形態の画像記録システムSは、クライアントコンピュータCで作成されジョブ名が付された捺染の繰り返し画像記録の基礎となる画像データをネットワークNを介して画像記録装置1に送信し、その画像データに基づいて画像記録装置1が記録媒体Aに対して所定長さ分の繰り返し画像記録を行うように構成されている。
【0052】
画像記録装置1は、本実施形態では、CPUやRAM、ROM、入出力インターフェース等がBUSにより接続されて構成されたコンピュータからなるサーバ2と、サーバ2に接続されたインクジェットプリンタからなる記録装置3とから構成されている。
【0053】
図2は、本実施形態の画像記録装置のサーバの制御構成を示すブロック図である。サーバ2としては、前記のように、例えば、必要なソフトウエアがインストールされたコンピュータが用いられるが、専用のCPUを備えた装置として構成することも可能である。
【0054】
サーバ2の受信管理手段10は、ネットワークNと接続されており、クライアントコンピュータCから送信されてきた画像データをネットワークNを介して受信し、画像記録装置1に関する情報をネットワークNを介してクライアントコンピュータCに送信するように構成されている。
【0055】
受信管理手段10には、モニタやキーボード、マウス等を備えジョブの内容等を表示し処理内容を設定可能な表示入力手段11が接続されており、表示入力手段11は、本発明における設定手段に相当する。受信管理手段10は、必要な情報を表示入力手段11に送信し、表示入力手段11で設定された処理内容等をジョブ管理手段12に送信するようになっている。表示入力手段11は、ジョブの内容を一覧表示してジョブごとに処理の指示を入力することができるように構成されている。
【0056】
受信管理手段10には、さらにサーバ2で行われる種々の処理を管理するジョブ管理手段12が接続されており、ジョブ管理手段12は、表示入力手段11からの処理の要求を受け取ると、その処理内容に従った処理を行うように構成されている。
【0057】
ジョブ管理手段12には、受信管理手段10のほか、画像情報管理手段13、演算処理手段14、データ管理手段15、出力処理手段16、プリンタ状態管理手段17およびLUT(Look Up Table)管理手段18が接続されており、前記表示入力手段11で設定された処理内容を保存するサーバ側の設定保存手段としてのメモリ19が接続されている。
【0058】
画像情報管理手段13には、受信管理手段10が受信し、ジョブ管理手段12を経由して送られてきた画像データをジョブごとに保存するハードディスク等からなる画像情報保存手段20が接続されている。
【0059】
画像情報管理手段13は、ジョブ管理手段12からの指示に応じて、画像情報保存手段20に画像データを保存したり、画像情報保存手段20からの画像データの読み出しや消去を行ったり、画像情報保存手段20の空き容量および使用率を管理するように構成されている。
【0060】
画像情報管理手段13には、ジョブ管理手段12および画像情報保存手段20のほか、演算処理手段14が接続されており、演算処理手段14には、さらに、データ管理手段15が接続されている。
【0061】
演算処理手段14は、画像情報管理手段13を介して画像情報保存手段20からそのジョブの画像データを読み出し、クライアントコンピュータCにおいてTIFFやBMP、JPEG等の形式ファイルにRGB、インデックスカラー、YMCK、Lab等の色空間で書き込まれた画像データに対して色変換や拡大、誤差拡散等の演算処理を行って、画像データを記録媒体Aに記録可能なドットイメージデータ(以下、データという。)に変換するように構成されている。なお、本実施形態のように、演算処理手段14による演算処理を自動的に行う代わりに、表示入力手段11からの特定のジョブに対する演算処理の指示を受信したジョブ管理手段12からの指示に応じて行うように構成することも可能である。
【0062】
演算処理手段14には、前記LUT管理手段18およびCMS(Color Management System)管理手段21が接続されている。LUT管理手段18およびCMS管理手段21は、ジョブ管理手段12からの演算処理指示に応じて適切なLUT等を応答するように構成されている。
【0063】
演算処理手段14には、データ管理手段15が接続されており、データ管理手段15には、記録媒体Aに記録可能なデータを保持するハードディスク等からなるデータ保持手段22が接続されている。データ管理手段15は、演算処理手段14から演算処理済みのデータを受け取って、データ保持手段22に保存させるとともに、データ保持手段22からのデータの読み出しや消去を行ったり、データ保持手段22の空き容量および使用率を管理して、データ保持手段22の内容を管理するように構成されている。
【0064】
データ管理手段15には、前記ジョブ管理手段12、演算処理手段14およびデータ保持手段22のほか、出力処理手段16が接続されており、出力処理手段16には、さらに、プリンタポートドライバ23が接続されている。プリンタポートドライバ23は、USBドライバ24を介して記録装置3に接続されており、前記プリンタ状態管理手段17にも接続されている。
【0065】
出力処理手段16は、本発明における読出手段に相当し、データ管理手段15を介してデータ保持手段22からデータを読み出し、順次配列して、プリンタポートドライバ23等を介して記録装置3に出力するように構成されている。
【0066】
具体的に言えば、まず、前記表示入力手段11から特定のジョブに対する記録開始の指示が入力されると、ジョブ管理手段72が、その記録開始の指示に応じてそのジョブに用いられるデータの出力リストを作成し、そのデータの配置情報等に基づいて出力処理手段16に出力リストとともに出力指示を送信するようになっている。
【0067】
出力処理手段16は、その出力指示に応じて、その出力リストに従ってデータ管理手段15を介してデータ保持手段22からジョブに必要な単数または複数のデータを読み出し、例えば、記録すべき画像が図3に示すような横方向の繰り返し配置であれば、画像Pに対応するデータと画像Qに対応するデータとを繰り返し読み出して、メモリ上で1ライン分のデータを順次配列して、プリンタポートドライバ23やUSBドライバ24を介して記録装置3に順次出力するように構成されている。
【0068】
プリンタポートドライバ23に接続されたプリンタ状態管理手段17は、一定時間おきに、またはジョブ管理手段12からの要求に応じて、プリンタポートドライバ23およびUSBドライバ24を通じて記録装置3の状態等を記録装置3から取得して、ジョブ管理手段12に通知するように構成されている。
【0069】
ここで、前述した設定手段としての表示入力手段11における表示と処理内容の設定について説明する。
【0070】
表示入力手段11のモニタの画面25には、初期画像として図4に示すような画像が表示されるようになっている。この画像の表示内容については後述する。
【0071】
表示入力手段11は、この初期画像中の画面切り替え用の図示しないタグが押されることによる切替信号に応じて、画像を図5に示すようなジョブの一覧表示に切り替えるようになっている。この画像において、「入力」は受信管理手段10を介する前記画像情報保存手段20への画像データの入力を意味し、「演算」は前記演算処理手段14における画像データからドットイメージデータへの演算処理を意味し、「記録」は記録媒体Aへの画像記録を意味する。また、「jobID」とは、jobnameとして表示されているクライアントコンピュータCで付されたジョブのジョブ名とは別に、例えば、同じジョブ名を有する異なるジョブを区別できるように画像情報管理手段13が画像情報保存手段20に画像データを入力する際に独自にジョブに付するID番号を意味する。
【0072】
本実施形態の表示入力手段11は、図5に示すように一覧表示されたジョブの中から特定のジョブを選択して、そのジョブについての画像記録の諸条件を設定し、或いはクライアントコンピュータCで設定された諸条件を変更することが可能とされている。
【0073】
表示入力手段11は、記録媒体Aの終端が検出された際の記録媒体Aに対する処理内容を設定することも可能とされており、記録動作中に現在画像記録が行われているジョブについて前記処理内容を変更することも可能となっている。また、表示入力手段11は、図5に示したジョブの一覧表示の中から1つのジョブを選択し、画面に表示される図示しない条件設定ボタンが押されるとその設定信号に応じて図6に示すような終端検出時の記録動作の設定画面を表示するようになっている。
【0074】
本実施形態では、「一時停止」、「所定量フィード後一時停止」、「中断」、「所定量フィード後中断」および「記録継続」の5項目の中から終端検出時の記録動作を設定することが可能となっており、各項目の左端のマス目のいずれかにチェックを入れることで動作を選択することができるようになっている。また、「所定量フィード後一時停止」および「所定量フィード後中断」については、それぞれ右側の空欄に数値を入れることによりその数値だけフィードした後に一時停止または中断を行うように設定することができるようになっている。
【0075】
なお、本実施形態では、「一時停止」が選択されると、記録再開時にはそれまで記録された画像の続きから画像記録が行われるのに対し、「中断」が選択されると、そのジョブの画像記録は中止されるようになっている。すなわち、「中断」が選択されると、再度同一のジョブが記録開始を指示されればそのジョブの画像記録が最初から行われ、別のジョブの記録開始が指示されるとそのジョブの画像記録が行われるようになっている。
【0076】
また、表示入力手段11は、記録媒体Aの継ぎ目が検出された際の記録媒体Aに対する処理内容を設定することも可能とされており、前述した終端を検出した場合と同様に、記録動作中に画像記録が行われているジョブについて前記処理内容を変更することも可能となっている。具体的には、本実施形態では、図示を省略するが、表示入力手段11には、記録媒体Aの継ぎ目が検出された際の記録媒体Aに対する処理内容として、記録媒体Aを一定量(すなわち、後述する図8における長さL)送り記録動作を継続する、一時停止する、継ぎ目の検出を無視して記録動作を継続する等の選択肢が表示されるように構成されており、その画面から処理内容を設定するようになっている。
【0077】
表示入力手段11は、記録媒体Aの終端検出時および継ぎ目検出時の記録媒体Aに対する処理内容が設定されると、その設定内容とを受信管理手段10を介してジョブ管理手段12に送信するように構成されている。また、ジョブ管理手段12は、それらの設定内容を受信すると、前記メモリ19に保存するようになっている。なお、メモリ19は、常時設定内容を保存することが可能とされており、前述したように、記録媒体Aに対する記録動作中に変更された処理内容が送信されてきた場合には、その変更された処理内容を保存するようになっている。
【0078】
さらに、ジョブ管理手段12は、表示入力手段11からジョブの記録開始の指示が入力されると前記出力処理手段16からのデータの出力に先立って予め設定された前記終端検出時および継ぎ目検出時の処理内容をメモリ19から読み出して記録装置3にコマンドとして送信するようになっており、記録装置3は、そのコマンドの内容を解釈して後述するメモリ55に保存するようになっている。
【0079】
また、ジョブ管理手段12は、画像記録中に表示入力手段11から終端検出時や継ぎ目検出時の記録媒体Aに対する処理内容の新たな設定があると、メモリ19内の設定内容を改訂するとともに、記録装置3にその内容をコマンドとして送信するようになっており、記録装置3は、前記と同様にその内容を解釈してメモリ55に保存するようになっている。
【0080】
この画像記録中の処理内容の変更においては、ジョブ管理手段12は、記録装置3のメモリ55への処理内容の送信と、サーバ2の出力処理手段16から記録装置3へのデータの送信とを行う場合に、同一の転送経路、すなわち、本実施形態の場合は、USBドライバ24と後述する記録装置3のホストインターフェイス51(図10参照)とを結ぶ転送線路を時間分割により論理的に分割して行い、同一の転送線路を論理的に2本の線路として、データの送信と処理内容の送信とを実質的に同時に送信するように構成されている。時間分割により論理的に分割する代わりに、例えば、周波数分割により分割するように構成することも可能である。
【0081】
なお、本実施形態のサーバ2においては、終端検出時や継ぎ目検出時の処理内容は、クライアントコンピュータCから送信されてくる前記画像データや演算処理済みのドットイメージデータ、さらには演算の際に必要な画像処理パラメータ、すなわち、例えば、色変換に使用するLUT名(LUTID)や入力画像データの解像度、ドットイメージデータの解像度、出力における繰り返し方法(ずらし方向およびずらし量等)、出力時の各種設定、単位面積あたりのインク量推定値、使用する記録媒体(布帛)の識別コード等の情報とともにジョブ情報として管理され、ハードウエアとしてのHDDにジョブごとに保存されるようになっている。
【0082】
これらのジョブ情報は、例えば、1つのファイルにまとめて管理されるように構成することも可能であるが、本実施形態では、前記画像データは演算時等に、また前記ドットイメージデータは記録装置3への出力の際などに、頻繁に参照され、或いは追加書き込み等がなされるため、それぞれ関連付けられた独立したファイルとしてHDDに保存されるように構成されている。前記図2のブロック図で言えば、それらは別々のファイルとしてそれぞれ画像情報保存手段20およびデータ保持手段22(本実施形態ではこれらはハードウエアとしては1つのHDDである。)に保存されるようになっている。
【0083】
本実施形態では、終端検出時や継ぎ目検出時の処理内容は、ジョブと関連付けられた1つの独立したファイルとして前記メモリ19に保存されるように構成されているが、例えば、前記画像処理パラメータ等とともに1つのファイルとしてもよい。また、前述したように、画像記録中に表示入力手段11から終端検出時や継ぎ目検出時の記録媒体Aに対する処理内容の新たな設定があると、ジョブ管理手段12は、メモリ19内のそのジョブに関連付けられた終端検出時や継ぎ目検出時の処理内容に新たな設定内容を上書き保存して改訂するようになっている。
【0084】
次に、画像記録装置1の記録装置3について説明する。
【0085】
本実施形態では、記録装置3として、インクジェット方式により記録を行う記録手段としての記録ヘッドを備えた、いわゆるシリアルヘッド方式のインクジェットプリンタを採用した場合を示す。なお、記録手段としては、本実施形態のようにシリアルヘッド方式のみならず、いわゆるラインヘッド方式のインクジェットプリンタでもよく、また、インクジェットプリンタ以外にも、例えば、サーマルヘッドを用いた熱転写型のプリンタやグラビア印刷方式等の製版を必要とする印刷装置など種々の装置にも本発明は適用可能である。
【0086】
図7は、本実施形態の画像記録装置の記録装置の構成を示す模式図である。記録装置3には、記録媒体Aに向けてインクを吐出する図示しないノズルを有する8個の記録ヘッド30が2セット、計16個設けられている。記録ヘッド30は本発明の記録手段に相当する。記録ヘッド30は、キャリッジ31に搭載されており、記録媒体Aの上方の記録媒体Aの搬送方向、すなわち、図中の矢印Yで示される方向に直交する主走査方向、すなわち図中の矢印Xで示される方向に配設されたガイドレール32に沿ったキャリッジ31の往復移動にあわせて記録媒体上を走査するように構成されている。
【0087】
本実施形態では、各記録ヘッド30には、図示しないインクパックがそれぞれ2個ずつ搭載されており、インクセットとしては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のセットやそれらとライトYMCKのセット、或いはYMCKとオレンジ、バイオレット、レッドの特色セット等が使用可能とされている。
【0088】
記録ヘッド30の下方には、平板状のプラテン33が記録ヘッド30のノズルに対向するように配設されている。プラテン33の搬送方向上流側には、記録媒体Aを搬送する無端状の搬送ベルト34を周回駆動させる駆動ローラ35が配設され、プラテン33の搬送方向下流側には、搬送ベルト34を所定の方向に案内するガイドローラ36が、またプラテン33の下方には、搬送ベルト34にテンションを付与するテンションローラ37がそれぞれ配設されている。
【0089】
駆動ローラ35は、図示しない駆動モータにより回転駆動されるようになっており、キャリッジ31に搭載された記録ヘッド30の1走査ごとに主走査方向に直交する副走査方向、すなわち、前記矢印Yで示される搬送方向に所定量ずつ搬送ベルト34を移動させ、記録媒体Aを搬送するように構成されている。本実施形態では、前記1組の搬送ベルト34、駆動ローラ35、ガイドローラ36およびテンションローラ37が、本発明における記録媒体Aを搬送する搬送手段を構成している。
【0090】
また、記録ヘッド30の搬送方向上流側には、例えば、図8(A)に示すように、記録媒体Aである布帛の継ぎ目Bを検出する継ぎ目検出手段38が設けられている。継ぎ目検出手段38は、ガイド39により上下動可能とされた棒状の検出器40を備え、検出器40の下端には、記録媒体Aに当接された状態で記録媒体Aの搬送に合わせて回転自在とされた車輪41が取り付けられており、また、検出器40の上端側には、電気接点構造42が設けられており、継ぎ目検出手段38は、他の部分より分厚くなっている記録媒体Aの継ぎ目Bが車輪41の下方を通過する際、車輪41が上方に押し上げられ、それと連動して検出器40が上方に移動して電気接点構造42をONの状態とすることにより継ぎ目Bを検出するようになっている。
【0091】
なお、継ぎ目検出手段38は、この他の構造とすることも可能であり、例えば、図8(B)に示すように、継ぎ目検出手段38を紫外線照射ランプ43と受光素子44とで構成し、記録媒体Aを、例えば蛍光染料を含ませた糸で縫いつなぐことで、紫外線照射ランプ43による紫外線照射により継ぎ目Bの糸が発する蛍光を受光素子44で検出することで記録媒体Aの継ぎ目Bを検知するように構成することも可能である。
【0092】
また、図8(A)や図8(B)に示したような継ぎ目検出手段38を、記録媒体Aの幅方向、すなわち主走査方向に複数設けることも可能である。さらに、記録媒体Aの継ぎ目Bを検出できるものであれば、図8(A)や図8(B)に示した以外の方式を用いた継ぎ目検出手段を用いることも可能である。
【0093】
図7に示したプリンタのさらに搬送方向上流側には、巻回された記録媒体Aをプリンタの方向に巻き出す図示しない巻出機が設けられており、プリンタの搬送方向下流側には、画像が記録された記録媒体Aを乾燥させる図示しない乾燥機および乾燥された記録媒体Aを巻き取る巻取機がそれぞれ設けられている。
【0094】
巻出機から巻き出される記録媒体Aの上方および下方には、図9に示すように、記録媒体Aの終端を検出する終端検出手段45が設けられている。本実施形態では、終端検出手段45は、記録媒体Aの上方に設けられた発光素子46と下方に設けられた受光素子とから構成されており、記録媒体Aが存在する間は発光素子46から受光素子47に向かう光が遮断されているが、記録媒体Aがなくなり記録媒体Aの終端が光軸を通過して受光素子47が発光素子46からの光を検出するようになることで記録媒体Aの終端を検出するようになっている。
【0095】
本実施形態の終端検出手段45は、記録媒体Aが幅方向にずれても終端を検出できるように、発光素子−受光素子間の光軸が記録媒体Aに対して斜傾して入射するように構成されている。
【0096】
記録装置3には、サーバ2と同様のコンピュータが搭載されており、その制御手段50は、サーバ2の前記ジョブ管理手段12と連携して本発明の画像記録装置1の制御手段を構成している。
【0097】
図10は、本実施形態の記録装置の制御構成を示すブロック図である。制御手段50には、ホストインターフェイス51と、主走査制御手段52と、副走査制御手段53と、記録ヘッド制御手段54とが接続されており、本実施形態では、制御手段50、主走査制御手段52、副走査制御手段53および記録ヘッド制御手段54はそれぞれ独自のCPUを有するマイクロコンピュータからなっている。
【0098】
ホストインターフェイス51は、前述したサーバ2のUSBドライバ24と接続されており、サーバ2からの送信内容を制御手段50に送信するとともに、本実施形態では、サーバ2から送信されてきた記録媒体Aに記録可能なデータについては制御手段を介さずに記録ヘッド制御手段54に直接送信するように構成されている。記録ヘッド30は、サーバ2の出力処理手段16によって読み出されホストインターフェイス51を介して送信されてきたデータに基づいて記録媒体Aに画像記録を行うようになっている。また、ホストインターフェイス51は、制御手段50からの送信内容をサーバ2に送信するようになっている。
【0099】
制御手段50には、記録装置側の設定保存手段としてのメモリ55が接続されており、制御手段50は、画像記録開始前にホストインターフェイス51を介してサーバ2から送信されてくる画像記録時における各種設定内容をメモリ55に保存するようになっている。また、前述したように、制御手段50は、サーバ2から予め設定された前記終端検出時および継ぎ目検出時の処理内容がコマンドとして送信されてくると、そのコマンドの内容を解釈してメモリ55に保存するようになっている。
【0100】
また、制御手段50は、サーバ2から送信されてきた画像記録開始信号に基づいて主走査制御手段52、副走査制御手段53および記録ヘッド制御手段54に対して作動指示を送信して記録ヘッド30が搭載されたキャリッジ31を駆動させるサーボモータ等からなる駆動モータ56、搬送ローラ35を駆動させる駆動モータ57および記録ヘッド30を作動させ、これと同期させてホストインターフェイス51から記録可能なデータを記録ヘッド30に流して記録媒体Aに対して画像を記録するように構成されている。なお、主走査制御手段52には、キャリッジ31の位置を検出するエンコーダ58等が接続されている。
【0101】
さらに、前述したように、サーバ2で画像記録中に終端検出時や継ぎ目検出時の記録媒体Aに対する処理内容の新たな設定があると、サーバ2から記録装置3にその内容がコマンドとして送信されてくるが、記録装置3の制御手段50は、その内容を解釈してメモリ55に保存するようになっている。
【0102】
なお、前記のように、ホストインターフェイス51には、画像記憶中、サーバ2から相当な量のデータが流れてきており(例えば、本実施形態では約7Mbyte/sec)、この終端検出時等の処理内容の新たな設定はデータの送信と同一のシリアル通信線路を用いて送信されてくるが、本実施形態では、約480Mbit/secの高速なシリアル転送を用いるように構成されており、データの送信とコマンドの送信とを行う場合に、前記同一のシリアル通信線路を時間分割等により論理的に分割して論理的に2本の線路としてデータの送信と処理内容の送信とを実質的に同時に送信するようになっている。
【0103】
また、終端検出時や継ぎ目検出時の処理内容を、前記のように記録装置3のメモリ55に保存する代わりに、処理内容はサーバ2のメモリ19のみに保存しておき、終端検出時や継ぎ目検出時に記録装置3からサーバ2に問い合わせるように構成することも可能である。
【0104】
制御手段50には、前述した巻出機59等が接続されており、制御手段50は、これらの装置の動作制御をも行うようになっている。
【0105】
制御手段50には、前述した継ぎ目検出手段38が接続されており、制御手段50は、継ぎ目検出手段38からの継ぎ目検出信号に応じて、メモリ55に保存されている継ぎ目検出時の処理内容に基づいて、継ぎ目検出手段38からキャリッジ31までの距離L(図8参照)だけ画像記録を行った後、キャリッジ31を主走査方向に移動させて記録媒体Aの上方から逃がし、記録媒体Aを一定量送った後、キャリッジ31を記録媒体Aの上方に戻して画像記録を再開することが可能とされている。また、制御手段50は、メモリ55に保存されている継ぎ目検出時の処理内容に基づいて、記録動作を一時停止させたり、記録媒体Aの継ぎ目を検出しても無視して記録動作を継続させたりするようになっている。
【0106】
また、本実施形態の継ぎ目検出手段38は、記録媒体Aの搬送に合わせて回転する車輪41の回転数を測定することが可能とされており、制御手段50は、継ぎ目検出手段38から送信される継ぎ目検出信号をカウントして記録開始からの継ぎ目Bの検出回数をメモリ55に記憶させるとともに、前記車輪41の回転数と車輪41の外周長さの積から、記録開始からの記録媒体Aに対する記録距離、および最後に検出した継ぎ目Bからの記録距離をメモリ55に記憶させるように構成されている。
【0107】
さらに、制御手段50は、この継ぎ目Bの検出回数、記録開始からの記録距離および最後に検出した継ぎ目Bからの記録距離をサーバ2に送信して、図4に示したようにサーバ2の表示入力手段11の画面25にそれらを表示させるようになっている。なお、本実施形態のように、継ぎ目検出手段38を前記記録距離の測定手段として構成する代わりに、例えば、記録ヘッド30またはキャリッジ31の走査回数と1走査あたりの記録媒体Aの副走査方向への送り量との積から記録距離を測定するように構成してもよく、また、記録距離の代わりに、例えば、搬送ベルト34による搬送距離を測定して、表示入力手段11に表示させるように構成することも可能である。
【0108】
制御手段50には、前述した終端検出手段45が接続されており、制御手段50は、終端検出手段45からの終端検出信号に応じて、メモリ55から終端検出時の記録媒体Aに対する処理内容を読み出し、記録手段である記録ヘッド30の記録動作を中止させ(「記録継続」以外の場合)、或いは記録動作を続行させる(「記録継続」の場合)ように構成されている。また、制御手段50は、処理内容が「一時停止」または「中断」である場合には、搬送手段である搬送ローラ35の駆動モータ57の駆動を停止させ、それ以外の場合には、所定量フィードした後停止させ、或いは搬送動作を続行させるようになっている。
【0109】
また、制御手段50は、それと同時に、サーバ2のジョブ管理手段12に終端検出信号を発信するようになっている。サーバ2のジョブ管理手段12は、制御手段50からの終端検出信号に応じて処理内容が「記録継続」以外の場合は、読出手段である出力処理手段16からのデータの読み出しを停止させ、前記処理内容が「中断」または「所定量フィード後中断」であれば、出力処理手段16が順次配列させていたデータを消去させるようになっている。
【0110】
次に、本実施形態の画像記録装置1の作用および画像記録装置1を用いた画像記録方法について説明する。
【0111】
最初に、記録処理について述べる。クライアントコンピュータCから捺染の繰り返し画像記録の基礎となる画像データが送信されてくると、画像記録装置1のサーバ2がその画像データを受信する。そして、ジョブ管理手段12は、その画像データを画像情報保存手段20に保存する。同時に、表示入力手段11は、図5に示した画面に、そのジョブのジョブ名と新たに付されたジョブIDとを表示し、画像データを画像情報保存手段20に入力中であれば画面に「入力中」と表示し、画像情報保存手段20への入力が完了すると画面に「入力済み」と表示する。
【0112】
続いて、演算処理手段14は、その画像データを画像情報保存手段20から読み出し、画像データに対して色変換や拡大、誤差拡散等の演算処理を行って記録媒体Aに記録可能なドットイメージデータに変換し、データ管理手段15を介してデータをデータ保持手段22に保存させる。
【0113】
オペレータが図5に示した画面が表示されている表示入力手段11から特定のジョブに対する記録開始の指示を入力すると、ジョブ管理手段72は、その記録開始の指示に応じてそのジョブに用いられるデータの出力リストを作成し、そのデータの配置情報等に基づいて出力処理手段16に出力リストとともに出力指示を送信する。出力処理手段16は、その出力指示に応じて、その出力リストに従ってデータ保持手段22からジョブに必要な単数または複数のデータを読み出し、順次配列するなどして、プリンタポートドライバ23等を介して記録装置3に順次出力する。
【0114】
記録装置3の制御手段50は、サーバ2からの送信があると、送信内容に基づいて主走査制御手段52や副走査制御手段53を作動させて記録ヘッド30が搭載されたキャリッジ31や搬送ベルト34を移動させる駆動モータ57を駆動させ、主走査方向に記録ヘッド30を走査させ、記録媒体Aを記録ヘッド30の1走査ごとに副走査方向に所定量ずつ搬送させる。
【0115】
制御装置50は、同時に、記録ヘッド制御手段54を作動させ、記録ヘッド30をインクの吐出可能な状態にする。また、サーバ2から送信された記録媒体Aに記録可能なデータは制御手段50を介さずに直接記録ヘッド制御手段54に送信され、このデータに基づいて記録ヘッド30により記録媒体Aに対して画像が記録される。以上のようにして、記録処理が行われる。
【0116】
次に、終端検出時処理について述べる。画像記録装置1のオペレータは、まず、記録処理を行わせる前に、表示入力装置11のモニタ上に図6に示した終端検出時の記録動作の設定画面を表示させ、処理内容を設定する。オペレータは、記録媒体Aがない状態でインクを吐出した場合の不具合の発生を考慮して、通常、「一時停止」が選択するが、予めどのような処理内容を選択するかはオペレータの判断に委ねられている。ジョブ管理手段12は、表示入力手段11で設定された処理内容をメモリ19に保存させる。
【0117】
表示入力手段11からジョブの記録開始の指示が入力されると、ジョブ管理手段12はメモリ19から予め設定された終端検出時の処理内容と前記継ぎ目検出時の処理内容とを読み出して、記録装置3にコマンドとして送信し、記録装置3は、そのコマンドの内容を解釈して後述するメモリ55に保存する。
【0118】
記録処理中、オペレータは、図4や図5に示した画面を確認しながら作業を行う。図4に示した画面には、現在記録処理が行われているジョブのジョブ名のほか、記録装置3の制御手段50がメモリ55から読み出してサーバ2に送信してきた継ぎ目検出手段38が検出した記録媒体Aの継ぎ目Bの数や記録開始からの記録媒体Aに対する記録距離、最後に検出した継ぎ目Bからの記録距離が表示される。図4では、これらの数値は、それぞれ「5」、「100.0m」、「10.1m」と表示されている。
【0119】
また、図4に示した画面には、記録ヘッド30のインクパックごとのインク状態が表示され、巻出機や乾燥機、巻取機等の稼動状況等も記録装置3の制御手段50から送信され、図4に示した画面に表示される。オペレータはそれらを確認しながら作業を行うことができる。
【0120】
オペレータは、例えば、記録処理中の記録媒体Aがすべて巻き出されても、記録処理を継続させたままその後端と次の記録媒体Aの先端を継ぎ合わせる状態にあるから、記録処理を停止させることなくそのまま記録動作を継続させたいと判断した場合には、図6に示した終端検出時の記録動作の設定画面を表示させ、設定された処理内容が「記録継続」以外であれば処理内容を「記録継続」に変更する。ジョブ管理手段12は、この変更された設定内容をメモリ19に保存させて書き換える。
【0121】
また、オペレータは、例えば、他の画像記録装置1での処理に手間取っているから終端を検出したら一時停止しておいてほしいという場合には、処理内容が「一時停止」以外であれば「一時停止」に変更し、また、例えば、もうすぐ予定の記録距離の画像記録が終了するから記録媒体Aの終端を検出してもそのまま後工程に流したいという場合には、処理内容を「所定量フィード後一時停止」に変更して記録媒体Aをフィードして後工程に流した後、記録処理を一時停止させる。さらに、例えば、画像記録をやり直したい場合等には、「中断」や「所定量フィード後中断」を選択して処理内容を変更する。
【0122】
ジョブ管理手段12は、これらの処理内容の変更をメモリ19に保存させる。また、ジョブ管理手段12は、それと同時に、この画像記録中に変更された終端検出時の処理内容を記録装置3に送信する。その際、出力処理手段16から記録装置3へのデータの送信を行っている転送経路、すなわち、本実施形態の場合は、USBドライバ24と記録装置3のホストインターフェイス51とを結ぶ転送線路を時間分割により論理的に分割し、同一の転送線路を論理的に2本の線路として、処理内容をコマンドとして前記データの送信と実質的に同時に記録装置3に送信する。
【0123】
記録装置3は、そのコマンドの内容を解釈してメモリ55に保存する。このようにして、記録装置3のメモリ55には、予め設定された終端検出時に実行する処理内容が保存されている状態となり、記録処理中に処理内容が変更されれば、更新された処理内容が保存されている状態となる。
【0124】
記録装置3において、終端検出手段45が記録媒体Aの終端を検出すると、記録装置3の制御手段50は、その時点でメモリ55に保存されている処理内容に応じて記録ヘッド30からのインクの吐出やキャリッジ31の走査、搬送ローラ35を駆動させる駆動モータ57の動作を制御する。
【0125】
具体的には、制御手段50は、処理内容が「記録継続」以外の場合には記録処理を中止させる。また、制御手段50は、処理内容が「一時停止」または「中断」である場合には、搬送ローラ35による記録媒体Aの搬送を停止させ、それ以外の場合には、所定量フィードした後停止させ、或いは搬送動作を続行させる。
【0126】
また、制御手段50は、同時にサーバ2のジョブ管理手段12に対して終端検出信号を発信し、ジョブ管理手段12は、メモリ19から終端検出の時点で保存されている終端検出時に実行する記録媒体Aに対する処理内容を読み出してその処理内容を実行する。
【0127】
具体的には、処理内容が「記録継続」以外の場合は、ジョブ管理手段12は、出力処理手段16にデータ保持手段22からのデータの読み出しおよび記録装置3へのデータの送信を停止させ、ジョブ管理手段12は、前記処理内容が「中断」または「所定量フィード後中断」であれば、出力処理手段16が順次配列させていた送信バッファ内の送信データを消去させる。
【0128】
以上のように、本実施形態の画像記録装置1および画像記録方法によれば、記録媒体Aの終端を検出した際の処理内容を予め設定でき、記録処理中でも処理内容を変更することができる。また、この変更された処理内容の送信を、記録媒体に記録可能なデータの送信に用いられる線路と同一の転送線路を用いて送信するが、その転送線路を時間分割により論理的に分割して独立に送信するため、それらの送信を実質的に同時に行うことができるとともに、出力処理手段16が出力リストに従ってデータ保持手段22からデータを読み出して記録装置3にデータを送信して記録を行う記録処理には影響を与えない。つまり、記録処理を中断することなく随時処理内容の設定や変更を行うことができる。そのため、従来のように処理内容の変更を行うために記録処理を停止させる必要がなく、作業の遅延を回避することができる。
【0129】
また、画像記録装置1のオペレータが適宜判断して終端検出時の処理内容を変更することができるため、記録処理が終了した記録媒体Aを一時停止等させることなく乾燥や巻取り等の後工程に流すことができる。一方、一時停止等させないと記録媒体Aがない状態でインクの吐出が行われるような場合には、処理内容を一時停止等に適宜変更することで不具合の発生を回避することができる。また、急に処理内容の変更が必要な場合にも直ちに設定を変更することができる。
【0130】
そのため、記録処理を一時停止する必要がないにもかかわらず一時停止させてしまったり、或いは装置に不具合が生じてその修復に無駄な時間がさかれたりするような事態を未然に防止することが可能となり、作業の遅延を回避することができると同時に、装置のオペレータの作業負担が軽減される。
【0131】
このように、本実施形態の画像記録装置1および画像記録方法によれば、作業の遅延を回避して効率良く記録処理を行うことができ、不具合の発生を効果的に防止することができるから、結果的に記録処理の生産性を向上させることが可能となる。
【0132】
なお、本実施形態では、画像記録装置1は、ネットワークNを介してクライアントコンピュータC等と接続された画像記録システムSを構成するものとして示したが、この他にも、例えば、画像記録装置1を単体として用いることも可能である。その場合、サーバ2と記録装置3とを一体として構成することも可能であり、また、画像記録の基礎となる画像データをサーバ2で作成してもよいし、或いは他のコンピュータで作成した画像データをMOやCD−R、DVD−R等の情報記録媒体から読み取るように構成することも可能である。
【0133】
また、サーバ2と記録装置3とを一体として構成した場合でも、記録媒体に記録可能なデータの送信と変更された終端検出時に行うべき処理内容の送信とを同一の転送線路を用いて行う場合には、転送線路を時間分割や周波数分割等により論理的に分割して実質的に同時にかつ独立して送信するように構成することが可能である。
【0134】
さらに、本実施形態では、画像記録の例として、記録媒体Aとしての長尺の布帛に繰り返し画像を記録する捺染の場合を示したが、本発明は、他の画像記録においてもその機能を有効に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本実施形態の画像記録装置が用いられる画像記録システムの構成図である。
【図2】本実施形態の画像記録装置のサーバの制御構成を示すブロック図である。
【図3】記録媒体に記録される横方向の繰り返し画像を説明する図である。
【図4】表示入力手段に表示される初期画像を説明する図である。
【図5】表示入力手段に表示されるジョブの一覧表示を説明する図である。
【図6】表示入力手段に表示される終端検出時の記録動作の設定画面を説明する図である。
【図7】本実施形態の画像記録装置の記録装置の構成を示す模式図である。
【図8】本実施形態の継ぎ目検出手段の構成を示す模式図であり、(A)は継ぎ目の厚みを検出する方式、(B)は紫外線を照射して発光を検出する方式を示す。
【図9】本実施形態の終端検出手段を説明する概略斜視図である。
【図10】本実施形態の記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0136】
1 画像記録装置
11 表示入力手段
12 ジョブ管理手段
16 出力処理手段
19 メモリ
22 データ保持手段
30 記録ヘッド
34 搬送ベルト
35 駆動ローラ
36 ガイドローラ
37 テンションローラ
38 継ぎ目検出手段
45 終端検出手段
50 制御手段
55 メモリ
A 記録媒体
B 継ぎ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録可能なデータを保持するデータ保持手段と、
前記データを読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記データに基づいて前記記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録媒体の終端を検出する終端検出手段と、
前記終端検出手段が前記記録媒体の終端を検出した時点での前記記録媒体に対する処理内容を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された前記処理内容を保存する設定保存手段と、
前記記録媒体の終端検出時に前記設定保存手段に保存されている前記処理内容に応じて前記読出手段、前記記録手段および前記搬送手段の動作を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、画像記録中に前記設定手段により新たに設定された前記終端検出時の処理内容の前記設定保存手段への送信と、前記読出手段から前記記録手段への前記データの送信とを行う場合に、転送線路を論理的に分割して行うことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記処理内容には、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止および記録継続のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体に対する記録距離または前記記録媒体の搬送距離を測定する測定手段と、
記録開始からの前記記録距離または前記搬送距離を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記記録媒体の継ぎ目を検出する継ぎ目検出手段を備え、
前記表示手段は、記録開始からの前記継ぎ目の検出回数および最後に検出した継ぎ目からの前記記録距離または前記搬送距離を表示するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
記録媒体に記録可能なデータを保持するデータ保持手段から前記データを読み出し、前記記録媒体を搬送しながら前記データに基づいて前記記録媒体に記録する記録処理と、
前記記録媒体の終端が検出されると、終端検出時に実行する処理内容を保存した設定保存手段から前記処理内容を読み出してその処理内容を実行する終端検出時処理と
を行うことを特徴とする画像記録方法。
【請求項7】
前記記録処理における前記データの送信と、画像記録中に新たに設定された前記終端検出時に実行する処理内容の送信とを行う場合に、転送線路を論理的に分割して行うことを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
【請求項8】
前記処理内容には、中断、記録媒体を所定量搬送後中断、一時停止、記録媒体を所定量搬送後一時停止および記録継続のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像記録方法。
【請求項9】
前記記録処理では、記録開始からの前記記録媒体に対する記録距離または前記記録媒体の搬送距離が表示されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の画像記録方法。
【請求項10】
前記記録処理では、記録開始からの前記記録媒体の継ぎ目の検出回数および最後に検出された継ぎ目からの前記記録距離または前記搬送距離を表示することを特徴とする請求項9に記載の画像記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−150652(P2006−150652A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341789(P2004−341789)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】