説明

画像記録装置及び画像記録方法

【課題】ユーザが所望するシーンを撮り逃すことを防ぐことができ、且つユーザの使い勝手がよい画像記録装置を提供できるようにする。
【解決手段】記録開始から停止が指示されるまで、画像情報を記録媒体に巡回的に記録する機能を有し、前記記録媒体の残容量が所定以下であるか、または前記記録媒体がライトワンス型記録媒体であると判定したときには、前記巡回的に記録する機能を禁止するようにして、画像データを記録媒体に書き込むか否かを使用者の操作のみに依存しないようにすることにより、操作ミスによって前記記録媒体に無駄が発生することを防止できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像記録装置及び画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクやメモリカード、DVDなどのランダムアクセスな記録媒体に対し、動画像信号などの情報信号を記録し、再生する装置が知られている。
【0003】
また、例えば、家庭用のHDD/DVDレコーダでは、HDDの一部の領域に対し、直前の所定期間(数十分から数時間)分のテレビ番組のデータを保存しておく。そして、ユーザーが番組を見逃した場合にも、保存しておいたテレビ番組のデータを後で見ることができるようにする、という機能を持つものがある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−348514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、HDD/DVDレコーダでは、HDDの一部の領域に対し、直前に受信したテレビ番組のデータを繰り返し記録している。一方、ビデオカメラでは、家庭用のHDD/DVDレコーダとは異なり、内蔵HDDを持たないものがある。このようなビデオカメラでは、撮影開始前の撮り逃したシーンを記録することができないという問題点があった。
【0006】
そこで、ビデオカメラでは、内蔵するDRAM等のメモリに対し、撮影開始の直前の動画像を繰り返し記憶しておくことも考えられている。
しかしながら、メモリに記録できるのはせいぜい数秒間程度であり、数分〜数十分もの長い時間、することはできない。
本発明は前述の問題点に鑑み、ユーザが所望するシーンを撮り逃すことを防ぐことができ、且つユーザの使い勝手がよい画像記録装置を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像記録装置は、被写体を撮像して動画像信号を生成する撮像手段と、前記動画像信号を記録するために、本体と着脱可能に装着された記録媒体と、前記本体に装着された記録媒体が一回のみ記録可能なライトワンス型記録媒体であるか、繰り返し書き換え可能なリライタブル型記録媒体であるかを判定する記録媒体判定手段と、前記記録媒体の未使用領域の容量である残容量を取得する容量取得手段と、前記撮像手段により生成される動画像信号を前記記録媒体に記録開始させる操作、または記録停止させる操作をユーザーが行うための操作入力手段と、前記操作入力手段により前記動画像信号を記録するよう指示された際に、前記容量取得手段により取得された残容量の範囲で、前記操作入力手段によって記録停止が指示されるまで、前記動画像信号を前記記録媒体に巡回的に記録する巡回的記録手段と、前記容量取得手段により取得された残容量が所定以下であると判定したとき、または本体に装着された記録媒体がライトワンス型記録媒体であると前記記録媒体判定手段により判定されたときには、前記巡回的記録手段の動作を禁止するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、交換可能なメディアに対して、所定期間前からの画像データを記録するので、ユーザが所望するシーンを記録し逃すことを防止できる。また、ライトワンスの記録媒体が装着された場合の記録の失敗を未然に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ビデオカメラの構成例を説明するブロック図である。
【図2】プリレック時のメモリの様子を示す図である。
【図3】プリレック機能の動作を説明する図である。
【図4】ループ記録機能の動作を説明する図である。
【図5】ループ記録機能のファイルイメージを説明する図である。
【図6】ループ記録時の処理を示すフローチャートである。
【図7】警告画面を示す図である。
【図8】ループ記録時の処理を示すフローチャートである。
【図9】警告画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ビデオカメラ構成>
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に本実施形態の撮像装置の一例としてのデジタルビデオカメラの構成例を説明するブロック図を示す。
【0011】
図1において、100は本実施形態のビデオカメラを示している。101はレンズユニットであり、集光のための固定レンズ群、変倍レンズ群、絞り、変倍レンズ群の動きで移動した結位置を補正する機能と焦点調節を行う機能とを兼ね備えた補正レンズ群により構成される。102は撮像素子であり、被写体を撮像し、動画像信号を出力する。103はカメラ信号処理回路であり、撮像素子102から出力された動画像信号に対し所定の画像処理を行う。
【0012】
109はマイクロコンピュータであり、システム全体を制御する。108はフラッシュROMであり、マイクロコンピュータ109が実行するプログラム、及び各種パラメータなどが格納されている。
【0013】
111はメモリであり、マイクロコンピュータ109や後述の圧縮回路104などが作業領域として使用したり、動画像信号を一時的に蓄積したりする揮発性記憶媒体である。107はバスである。104は圧縮回路であり、本実施形態においては、動画像信号をMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式にて圧縮する。マイクロコンピュータ109は圧縮回路104を制御し、メモリ111に設定した繰り返し記憶用の所定の領域に対し、圧縮された動画像信号を繰り返し記憶させること(巡回的に画像記録する巡回的記録を行うこと)が可能である。この繰り返し記憶の処理については後述する。
【0014】
112はメモリカードインターフェース(カードI/F)である。カードI/F112はメモリカード113を装着、排出するための機構や、メモリカード113に対してデータの書き込み、読み出しを行う書き込み、読み出し部を含む。また、カードI/F112は、バス107を介して、各種のコマンドやデータを送受信する。113はメモリカードである。ユーザ(使用者)は、メモリカード113をビデオカメラ100本体と着脱可能に装着され、容易に交換可能である。
カードI/F112は、メモリカード113が装着、排出されると、その旨をマイコン109に知らせる。また、マイコン109はメモリカード113が装着されると、メモリカード113と通信を行い、装着されたカードが、繰り返し記録可能なカードなのか、ライトワンスのメモリカードなのかを判別する。
【0015】
本実施形態では、メモリカード113に対し、圧縮回路104で生成された動画像信号をFATファイルシステムなどマイクロコンピュータ109と互換のある所定ファイルシステムに従って記録する。メモリカード113は、フラッシュメモリや書き込み、読み出しのコントローラを含む。メモリカード113は書き込み禁止スイッチ(図示せず)が備わっている。ユーザはこの書き込み禁止スイッチを操作することで、メモリカード113に対するカードI/F112によるデータの書き込みを防ぐことができる。また、メモリカード113は、書き込み禁止設定がなされた場合、カードI/F112を介したマイクロコンピュータ109からの問い合わせに対し、書き込み禁止である旨の応答を送信する。
【0016】
105は表示制御部であり、撮影時には、カメラ信号処理回路103からの動画像信号を液晶パネル106に表示し、再生時にはメモリカード113から読み出された動画像信号を表示する。また、表示制御部105は、各種のメニュー画面やタイトル、時間などの情報を動画像に多重して表示する。106は液晶パネルである。また、特に図示していないが、音声についてもマイクユニット、スピーカーや外部出力経路を設け、画像と共に圧縮伸張する。前述の圧縮ビデオデータには音声データも多重化される。
【0017】
110は操作スイッチ群であり、電源スイッチや記録開始、停止を指示するためのスイッチ、再生ボタンやメニューボタン等、各種の操作部材を備え、操作入力手段として機能する。ユーザは、これらの操作部材を操作することにより、動画像の記録開始や停止、再生、或いは各種の機能を指示することができる。
次に、ビデオカメラ100の基本的な記録、再生処理について説明する。
まず、撮影、記録処理について説明する。
操作スイッチ群110により電源が投入されると、マイコン109は各部を制御し、ビデオカメラ100を撮影モードに設定する。撮影モードにおいては、撮像素子102により得られた動画像信号がカメラ信号処理回路103により処理され、表示制御部105により液晶パネル106に表示され、記録待機状態となる。この様な記録待機状態において、ユーザが液晶パネル106に表示された動画像を見ながら、操作スイッチ群110により撮影開始を指示すると、マイコン109は各部を制御し、メモリカード113に対する動画像信号の記録を開始する。そして、ユーザが操作スイッチ群110を操作して撮影停止を指示すると、メモリカード113に対する動画像信号の記録を停止する。本実施形態では、記録開始の指示から記録停止の指示までの間に記録された一連の動画像信号を一つの動画ファイルとして管理する。また、マイコン109は、メモリカード113に対し、動画像信号のファイルを管理するための管理情報や、その他、各種の必要な付加情報を生成して記録する。
【0018】
次に、再生時の処理について説明する。
ユーザが操作スイッチ群110を操作して、再生モードへの切り替えを指示すると、マイコン109は各部を制御し、メモリカード113に記録された動画像信号のうち、何れかの動画ファイルを読み出す。そして、再生した動画像信号を圧縮回路104により復号し、表示制御部105により液晶パネル106に再生動画像を表示する。
【0019】
また、本実施形態では、再生モードにおいて、ユーザが操作スイッチ群110を操作することで、メモリカード113に記録された動画ファイルのサムネイル画像の一覧画面を表示させることができる。サムネイル画像の一覧表示が指示されると、マイコン109は各部を制御し、メモリカード113に記録された動画ファイルのサムネイル画像を生成し、液晶パネル106に表示する。なお、本実施形態では、動画像の撮影時に、圧縮回路104が、その撮影開始の先頭画面をサムネイル画像データとして生成し、動画ファイルと共にメモリカード113に記録する。
ユーザは一覧画面に表示されたサムネイルのうち、所望の動画像のサムネイルを選択して再生を指示する。マイコン109は各部を制御し、指示された動画ファイルを再生する。
【0020】
次に、プリレック機能について説明する。
本実施形態では、撮影モードにおいて、撮影開始の指示の直前の所定期間に撮影された動画像信号を繰り返しメモリ111に記憶しておく、プリレック機能を持つ。ユーザは操作スイッチ群110を操作することにより、プリレック機能を実行するかどうかを任意に設定することができる。プリレック機能が設定されると、カメラ信号処理回路103から出力された動画像信号を圧縮回路104により圧縮し、メモリ111の決められた記憶領域に対し、所定期間分の動画像信号を繰り返し記憶する。そして、撮影開始の指示があると、その時点でメモリ111に記憶されていた所定期間分の動画像信号の先頭から読み出し、メモリカード113に記録する。その後、継続してメモリカード113に対し、圧縮された動画像信号の書き込み、読み出しを繰り返し、撮影停止の指示があると、停止の指示があった画面までメモリカード113に記録し、記録を停止する。そして、引き続き、メモリ111に動画像信号を記憶しながら、次の撮影開始の指示を待つ。
この様なプリレック機能によれば、ユーザが撮影開始を指示する所定期間前からの動画像をメモリカード113に記録することができる。
【0021】
図2は、プリレック機能が設定されているときに、圧縮回路104がメモリ111に対して圧縮された動画像信号を繰り返し記憶する様子を示す図である。前述のように、本実施形態では、メモリ111において、決められた領域(アドレス)をプリレック機能のための記憶領域に設定している。
図2において、202は動画像信号の繰り返し記憶領域である。繰り返し記憶領域202は、先頭アドレスが0x00001000、最終アドレスが0x02000FFFとする。本実施形態では、圧縮された動画像信号が数秒程度、例えば、5秒程度記憶可能な領域を繰り返し記憶領域に設定する。
【0022】
圧縮回路104は、繰り返し記憶領域202の先頭から最終アドレスに向かい圧縮された動画像信号を順次記憶する。また、最終アドレスまで記憶したら、再度先頭アドレスに戻り記憶を続けていく。図2で、現在の書き込みアドレスが0x17FFFFFの場合、0x17FFFFFのデータが最新のデータであり、その直前のアドレスに記録されたデータが最も古いデータとなる。
圧縮回路104は、1フレーム分の圧縮された動画像信号をメモリ111に記憶する度に、その先頭アドレスの情報をマイコン109に通知する。これにより、マイコン109は、現在から所定フレーム前の動画像が記憶されているメモリ111のアドレスを確認することができる。
ユーザ操作によりプリレック機能を起動すると、圧縮回路104は動画像信号の圧縮動作を開始し、メモリ111の繰り返し記憶領域202に圧縮した動画像信号の書き込みを開始する。但し、この段階では、メモリ111に記憶された動画像信号をメモリカード113へは記録しない。そのため、記録停止状態において、繰り返し記憶領域202に対して、直前の所定期間分の動画像信号が常に蓄積されていることになる。
【0023】
ここで、ユーザにより撮影開始の指示があると、メモリ111に記憶された所定期間前の動画像信号から読み出しを開始して、メモリカード113への記録を開始する。
図3は、撮影開始の指示があったときにメモリ111に蓄積されている動画像信号の様子を示す図である。
図3において、301で示すアドレスまでデータを記憶した時点で撮影開始の指示があると、その所定期間前、例えば、本実施形態では、3秒前の動画像信号の記憶アドレス302から動画像信号の読み出しを開始して、メモリカード113に記録する。マイコン109は、撮影指示を受け、現在の3秒前の動画像信号が記憶されているアドレスから動画像信号を読み出し、記録するようにカードI/F112に指示する。303は、撮影開始の指示から3秒前までの圧縮された動画像信号である。なお、本実施形態では、プリレック機能において、撮影指示の何秒前からメモリカード113に記録するか、ということを、1秒前〜5秒前の間でユーザが任意に設定することができる。
【0024】
次にループ記録機能について説明する。
ループ機能とは、メモリカード113に対し、現在の所定期間前からの動画像信号を記録する機能である。ユーザが操作スイッチ群110を操作して、ループ記録開始を指示すると、マイコン109は各部を制御し、圧縮回路104による動画像信号の圧縮動作を開始する。そして、メモリカード113に対し、圧縮された動画像信号を逐次書き込む。このとき、マイコン109はカードI/F112を制御し、メモリカード113の空き領域に対して順次動画像信号を記録し、空き領域が無くなると、再度、メモリカード113においてループ記録を開始したアドレスに戻り、動画像信号を上書きする。
【0025】
この様な処理をユーザが操作スイッチ群110を操作して記録停止を指示するまで繰り返す。そして、記録開始後に記録停止の指示があると、マイコン109は、カードI/F112に対して、記録停止の指示の時点から所定期間前までの動画像信号をそのままメモリカード113に記憶するように指示する。本実施形態では、例えば、ループ記録の際には、記録停止の指示から30分前までの動画像信号をメモリカード113に記録し、30分より前の動画像信号の記録領域は、再度、空き領域として管理する。
しかし、メモリカード113の空き領域に所定期間分の動画像信号を記録できない場合も考えられる。この場合、本実施形態では、後述のようにループ記録を禁止する構成としている。
【0026】
図4において、401はメモリカード113の記録領域を示している。また、401aは既に動画像信号などのデータの記録済み領域であり、401bは空き領域である。ループ記録開始の指示があると、空き領域401bに対して、順次動画像信号を記録し、空き容量がなくなると、矢印402に示すように、ループ記録を開始したアドレスまで戻り、上書きしていく。
【0027】
図5は、ループ記録停止時におけるメモリカード113の様子を示す図である。図5において、501の時点で記録停止の指示があると、この記録停止時から所定期間、例えば30分前の動画像信号の記録アドレスである502までの領域401cに記録された動画像信号をそのままメモリカード113に記録する。そして、空き領域401bのうち、領域401c以外の部分を、再び空き領域として管理する。
【0028】
説明を簡単にするためファイルシステムには触れなかったが、実際にはファイルシステムに則った管理がなされる。FATファイルシステムでは、所定数のセクタをクラスタとして管理し、このチェーンを記録することでファイルの記録位置を管理する。よって、図4のように綺麗に記録領域を埋めていくのではなく、空き領域が分散している場合には飛び飛びの位置(クラスタ)に記録されることになる。
【0029】
前記のように、ループ記録時には、メモリカード113の空き領域に対して繰り返し動画像信号を記録することとなる。
ここで、メモリカード113について考える。本実施形態では、繰り返しデータの上書きが可能なリライタブルなメモリカードに加え、一回のみ書き込み可能なライトワンスのメモリカードを装着して動画像信号を記録することができる。
そこで、ライトワンスのメモリカードが装着された状態でループ記録を行った場合、空き領域に全てデータを記録してしまい、且つ、この記録したデータを上書きできないことになる。
【0030】
そのため、ユーザがライトワンスのメモリカードを装着した状態で、ループ記録機能を実行してしまうと、意図しないデータが記録され、且つ、そのデータを消去も上書きもできないので、記録媒体が無駄になってしまうことが考えられる。そこで、本実施形態では、カードI/F112に装着されたメモリカードがライトワンスのメモリカードであった場合には、ループ記録機能を実行させないようにした。
【0031】
以下、図6のフローチャートを用いて本実施形態のビデオカメラ100の処理手順を説明する。図6の処理は、マイコン109が各部を制御することにより実行される。
ループ記録の指示があると、処理が開始する(ステップS601)。まず、ステップS602において、メモリカード113が装着されているか否かを判定する。メモリカード113が装着されていた場合はステップS603へ、そうでない場合はステップS604へそれぞれ遷移する。
【0032】
ステップS603においては、メモリカード113への書き込み許可か禁止かを判定する。この判定の結果、許可されている場合はステップS605へ、許可されていない場合はステップS604へそれぞれ遷移する。ステップS603における判定では、前述の書き込み禁止スイッチの状態で判定する。
【0033】
ステップS604は、記録禁止処理である。メモリカード113がないか、または書き込み禁止の場合には、メモリカード113に対して動画像信号の記録を禁止する。
【0034】
ステップS605においては、所定容量の空き領域(未使用領域)があるか否かを判定するために、記録媒体の未使用領域の容量である残容量を取得する容量取得を行う。この判定の結果、所定容量の空き領域が所定以下である場合はステップS606へ、所定の容量以下である場合はステップS608へそれぞれ遷移する。この判定は、ループ記録機能を実行するために必要な空き容量があるか否かを判定するものである。所定容量の空き領域はユーザが設定できる機能を設けてもよい。
【0035】
ステップS606においては、カードI/F112に装着されているメモリカード113が、装着された記録媒体が一回のみ記録可能なライトワンス型記録媒体(ライトワンスメディア)であるか。または、繰り返し書き換え可能なリライタブル型記録媒体(追記型の記録媒体)であるかを判定する記録媒体判定する。この判定の結果、ライトワンスメディアである場合はステップS608へ、そうでない場合はステップS607へそれぞれ遷移する。
【0036】
ステップS607はループ記録機能を許可する処理である。この処理は、ステップS606において取得された空き領域に対し、すなわち、取得された残容量の範囲で、記録停止が指示されるまで、動画像信号をメモリカード113に繰り返し記録する。なお、本実施形態においては、ループ記録の際に、繰り返し記録する期間(容量)を指定する記録容量指定機能を有している。また、ステップS608はループ記録機能を禁止する処理である。記録禁止状態となる場合(ステップS604からの遷移)、及び所定容量の空き領域がない場合(ステップS605からの遷移)、そして一回のみ記録可能なライトワンスメディアである場合(ステップS606からの遷移)にループ記録機能を禁止するものである。
【0037】
図7は、ステップS608にてループ記録機能を禁止するときに液晶パネル106に表示する警告画面の一例を説明する図である。
図7において、701は液晶パネル106などに表示する表示画面例である。702は表示制御部105にて重畳されるビットマップ表示である。ビットマップ表示702はループレック機能が禁止であることを通知する表示であり、『ループ記録禁止』の文字列表示と、その要因である『ライトワンス』を表示する。『ライトワンス』の表示は要因であるので、容量不足、記録禁止等別な場合には差し替えて表示する。
【0038】
前述のように、ループ記録機能は、メモリカード113の空き領域に対し、動画像信号を繰り返し記録することで、現在の所定期間前からの動画像信号を記録する機能である。一方ライトワンスメディアは一回のみ記録可能であり、一度記録した領域には上書きすることができない。よって、この組み合わせを排他するためにステップS606の判定、及びステップS607、またはステップS608の処理を行うものである。
【0039】
以上、説明してきたように本実施形態によれば、記録媒体の空き領域に対し、繰り返し動画像信号を記録するループ記録機能を備えたので、所望のシーンを記録しのがすことが無い。また、内蔵のメモリに対して繰り返し動画像を記録するプリレック機能に比べ、長い期間動画像を繰り返し記録することができる。
更に、本実施形態では、ライトワンスメディアが装着されると、ループ記録の機能を禁止するので、ライトワンスメディアに無駄な動画像信号を記録してしまう失敗を未然に防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態では、記録媒体としてメモリカードを用いる構成について説明したが、これ以外にも、例えばディスク媒体等の記録媒体を用いることも可能である。
【0040】
(第2の実施形態)
本発明による別な実施形態について説明する。
図8は、本実施形態の特徴となる処理を説明するフローチャートである。図8の処理は、マイコン109が各部を制御することにより実現される。
ステップS801で処理が開始されると、ステップS802において、カードI/F112に装着されているメモリカード113がライトワンスメディアであるか否かを判定する。この判定の結果、ライトワンスメディアである場合はステップS804へ、そうでない場合はステップS803へそれぞれ遷移する。ステップS803はループ記録機能を作動させる処理であり、ステップS804はプリレックを作動させる処理である。ステップS803またはステップS804の処理が終了すると、ステップS805に進んでエンド処理を行う。
【0041】
このような一連の処理により、ライトワンスメディアが挿入されているにもかかわらず繰り返し記録が必要なループ記録機能を選択されたとき、ループ記録機能の代わりにメモリ111を用いたプリレック機能を作動させることができる。
【0042】
また、図9はループ記録機能を禁止し、プリレック機能に変更するときの警告画面を説明する図である。
図9において、901は、図7と同様に、液晶パネル106などに表示する表示画面例である。902は、やはり図7と同様に表示制御部105にて重畳されるビットマップ表示である。
【0043】
ビットマップ表示902は、ループ記録機能が禁止であることを通知する表示であり、『ループ記録禁止』の文字列表示と、その要因である『ライトワンス』を表示する。『ライトワンス』の表示は要因であるので、容量不足、記録禁止等別な場合には差し替えて表示する。さらに、プリレックに変更することを示すため、『プリレックに変更します』と表示する。
【0044】
以上これまで説明してきたように、本実施形態によれば、ライトワンスメディア時であってループ記録機能を選択されているときに、プリレック機能に自動的に切り替えることが可能となる。したがって、第1の実施形態の効果に加え、ライトワンスメディアであっても、記録開始タイミングよりも所定時間前の動画像信号を記録媒体に記録することが可能になり、記録開始タイミングでの撮り逃がしを防ぐことが可能となる。
【0045】
(本発明に係る他の実施の形態)
前述した本発明の実施の形態における記録装置を構成する各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0046】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施の形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0047】
なお、本発明は、前述した記録方法における各工程を実行するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。実施の形態では図6、図8に示すフローチャートに対応したプログラム供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0048】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0049】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0050】
プログラムを供給するための記録媒体としては種々の記録媒体を使用することができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0051】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0052】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザーに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0053】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザーに配布し、所定の条件をクリアしたユーザーに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0054】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0055】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0056】
100 ビデオカメラ、101 レンズユニット、102 撮像素子、103 カメラ信号処理回路、104 圧縮回路、105 表示制御部、106 液晶パネル、107 バス、108 フラッシュROM、109 マイクロコンピュータ、110 操作スイッチ群、111 メモリ、112 カードI/F、113 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して動画像信号を生成する撮像手段と、
前記動画像信号を記録するために、本体と着脱可能に装着された記録媒体と、
前記本体に装着された記録媒体が一回のみ記録可能なライトワンス型記録媒体であるか、繰り返し書き換え可能なリライタブル型記録媒体であるかを判定する記録媒体判定手段と、
前記記録媒体の未使用領域の容量である残容量を取得する容量取得手段と、
前記撮像手段により生成される動画像信号を前記記録媒体に記録開始させる操作、または記録停止させる操作を使用者が行うための操作入力手段と、
前記操作入力手段により前記動画像信号を記録するよう指示された際に、前記容量取得手段により取得された残容量の範囲で、前記操作入力手段によって記録停止が指示されるまで、前記動画像信号を前記記録媒体に巡回的に記録する巡回的記録手段と、
前記容量取得手段により取得された残容量が所定以下であると判定したとき、または本体に装着された記録媒体がライトワンス型記録媒体であると前記記録媒体判定手段により判定されたときには、前記巡回的記録手段の動作を禁止するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記巡回的に記録する容量を指定する記録容量指定手段を有し、
前記記録容量指定手段により指定された容量以下である場合に、前記制御手段は前記残容量が所定以下と判定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記動画像信号を一時的に蓄積する揮発性記憶媒体と、
前記操作入力手段の操作により使用者に指示された記録開始タイミングよりも所定時間前の動画像信号を、前記本体に装着された記録媒体に記録する遡り記録手段とを有し、
前記巡回的記録手段が選択され、且つ該巡回的記録手段が禁止となるとき、前記遡り記録手段を自動的に作動させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記巡回的記録に係る情報を表示する表示手段を有し、
前記表示手段は、前記巡回的記録手段が禁止となるとき、該動作を使用者に知らしめる表示を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記巡回的記録手段が禁止となるとき、遡り記録手段が作動することを使用者に知らしめる表示を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
撮像手段と、
前記撮像手段により得られた動画像信号を記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録媒体に対する動画像信号の記録を開始してから、記録停止の指示があるまで、前記記録媒体に対して前記動画像信号を繰り返し記録する指示を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段からの指示に応じて前記記録手段を制御し、前記繰り返し記録を実行させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記記録媒体がライトワンスの記録媒体であった場合に、前記記録手段が前記動画像信号を前記記録媒体に繰り返し記録するのを禁止することを特徴とする画像記録装置。
【請求項7】
前記記録手段は、前記繰り返し記録の指示があると、前記記録媒体の空き領域に対して繰り返し動画像信号を記録することを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記繰り返し記録の開始後、記録停止の指示があると、前記記録停止の指示から所定期間前までの動画像信号を前記記録媒体に記録し、前記所定期間よりも前の動画像信号が記録されていた領域を空き領域にするように、前記記録手段を制御することを特徴とする請求項6または7に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記記録媒体がリライタブルの記録媒体であった場合に、前記記録手段が前記動画像信号を前記記録媒体に繰り返し記録するのを許可することを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記記録媒体は交換可能な記録媒体であることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の画像記録装置。
【請求項11】
被写体を撮像して動画像信号を生成する撮像工程と、
前記動画像信号を記録するために、本体と着脱可能に装着された記録媒体と、
前記本体に装着された記録媒体が一回のみ記録可能なライトワンス型記録媒体であるか、繰り返し書き換え可能なリライタブル型記録媒体であるかを判定する記録媒体判定工程と、
前記記録媒体の未使用領域の容量である残容量を取得する容量取得工程と、
前記撮像工程において生成される動画像信号を前記記録媒体に記録開始させる操作、または記録停止させる操作を使用者が行うための操作入力工程と、
前記操作入力工程において前記動画像信号を記録するよう指示された際に、前記容量取得工程において取得された残容量の範囲で、前記操作入力工程において記録停止が指示されるまで、前記動画像信号を前記記録媒体に巡回的に記録する巡回的記録工程と、
前記容量取得工程において取得された残容量が所定以下であると判定したとき、または本体に装着された記録媒体がライトワンス型記録媒体であると前記記録媒体判定工程において判定されたときには、前記巡回的記録工程の動作を禁止するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする画像記録方法。
【請求項12】
撮像工程と、
前記撮像工程において得られた動画像信号を記録媒体に記録する記録工程と、
前記記録媒体に対する動画像信号の記録を開始してから、記録停止の指示があるまで、前記記録媒体に対して前記動画像信号を繰り返し記録する指示を受け付ける受け付け工程と、
前記受け付け工程からの指示に応じて前記記録工程を制御し、前記繰り返し記録を実行させる制御工程とを備え、
前記制御工程は、前記記録媒体がライトワンスの記録媒体であった場合に、前記記録工程において前記動画像信号を前記記録媒体に繰り返し記録するのを禁止することを特徴とする画像記録方法。
【請求項13】
被写体を撮像して動画像信号を生成する撮像工程と、
前記動画像信号を記録するために、本体と着脱可能に装着された記録媒体と、
前記本体に装着された記録媒体が一回のみ記録可能なライトワンス型記録媒体であるか、繰り返し書き換え可能なリライタブル型記録媒体であるかを判定する記録媒体判定工程と、
前記記録媒体の未使用領域の容量である残容量を取得する容量取得工程と、
前記撮像工程において生成される動画像信号を前記記録媒体に記録開始させる操作、または記録停止させる操作を使用者が行うための操作入力工程と、
前記操作入力工程において前記動画像信号を記録するよう指示された際に、前記容量取得工程において取得された残容量の範囲で、前記操作入力工程において記録停止が指示されるまで、前記動画像信号を前記記録媒体に巡回的に記録する巡回的記録工程と、
前記容量取得工程において取得された残容量が所定以下であると判定したとき、または本体に装着された記録媒体がライトワンス型記録媒体であると前記記録媒体判定工程において判定されたときには、前記巡回的記録工程の動作を禁止するよう制御する制御工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
撮像工程と、
前記撮像工程において得られた動画像信号を記録媒体に記録する記録工程と、
前記記録媒体に対する動画像信号の記録を開始してから、記録停止の指示があるまで、前記記録媒体に対して前記動画像信号を繰り返し記録する指示を受け付ける受け付け工程と、
前記受け付け工程からの指示に応じて前記記録工程を制御し、前記繰り返し記録を実行させる制御工程とをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記制御工程においては、前記記録媒体がライトワンスの記録媒体であった場合に、前記記録工程において前記動画像信号を前記記録媒体に繰り返し記録するのを禁止するようコンピュータを制御することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項13または14に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−4266(P2011−4266A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146813(P2009−146813)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】