画像記録装置
【構成】CPU26は、最適露光量を含む3つの露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す3フレームの画像データを取得し、取得された3フレームの画像データに画像合成処理を施して1フレームの合成画像データを作成する。CPU26はまた、取得された3フレームのうち最適露光量に対応する1フレームの画像つまり基準画像と画像合成処理によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示し、表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける。選択操作によって選択された画像に相当する画像データは、CPU26の制御の下でメモリI/F42によって記録媒体44に記録される。
【効果】画像記録に関する操作性が向上する。
【効果】画像記録に関する操作性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像記録装置に関し、特に互いに異なる複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを表す複数の画像に基づいて作成された合成画像を記録する、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、画像データは複数の特殊効果処理を施され、これによって複数の特殊効果画像データが生成される。生成された複数の特殊効果画像データは、時系列的に背面液晶モニタに表示される。シャッタボタンが操作されると、その時点で背面液晶モニタに表示された画像に対する特殊効果処理の種類が判別される。シャッタボタンの操作に応答して取得された画像データは、判別された種類の特殊効果処理を施される。特殊効果処理を施された画像データは、合成処理やJPEG圧縮処理を経て記録媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−219905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、記録すべき画像データに施す特殊効果処理の種類をシャッタボタンの操作前の時点で決める必要がある。このため、背景技術では、画像記録に関する操作性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像記録に関する操作性を高めることができる、画像記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像記録装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得手段(S31~S39)、取得手段によって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成手段(S43)、取得手段によって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成手段によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示手段(S41, S45, S59~S61)、表示手段によって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付け手段(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録手段(S69, S25)を備える。
【0007】
好ましくは、表示手段は変更操作を受け付ける毎に表示対象を基準画像および合成画像の間で変更する変更手段(S59~S61)を含む。
【0008】
好ましくは、表示手段は合成手段の処理の実行中に基準画像を表示する基準画像表示手段(S41)を含む。
【0009】
さらに好ましくは、表示手段は合成手段の処理の後に合成画像を表示する合成画像表示手段(S45)をさらに含む。
【0010】
好ましくは、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、および基準露光量を含む複数の露光量を撮像手段から出力された画像に基づいて設定する設定手段(S9, S33, S37)がさらに備えられ、取得手段は設定手段の処理と並列して複数の画像を取得する。
【0011】
この発明に従う記録制御プログラムは、画像記録装置(10)のプロセッサ(26)に、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を実行させるための、記録制御プログラムである。
【0012】
この発明に従う記録制御方法は、画像記録装置(10)によって実行される記録制御方法であって、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を備える。
【0013】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリ(46)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像記録装置(10)に供給される外部制御プログラムであって、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う画像記録装置(10)は、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(48)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(46)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像記録装置であって、外部制御プログラムは、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、基準画像と合成画像とがモニタ画面に表示される。ここで、基準画像は、基準露光量に対応する画像に相当する。また、合成画像は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応する複数の画像に基づいて作成された画像に相当する。表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作が受け付けられると、選択操作によって選択された画像が記録される。これによって、画像記録に関する操作性が向上する。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はHDRモードにおける表示画像の一例を示す図解図であり、(B)はHDRモードにおける表示画像の他の一例を示す図解図である。
【図6】(A)はHDRモードにおいて表示されるチェックボックスの設定の一例を示す図解図であり、(B)はHDRモードにおいて表示されるチェックボックスの設定の他の一例を示す図解図であり、(C)はHDRモードにおいて表示されるチェックボックスの設定のその他の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図12】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この実施例の画像記録装置は、基本的に次のように構成される。取得手段1は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する。合成手段2は、取得手段1によって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する。表示手段3は、取得手段1によって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成手段2によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する。受け付け手段4は、表示手段3によって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける。記録手段5は、選択操作によって選択された画像を記録する。
【0020】
基準画像と合成画像とがモニタ画面に表示される。ここで、基準画像は、基準露光量に対応する画像に相当する。また、合成画像は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応する複数の画像に基づいて作成された画像に相当する。表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作が受け付けられると、選択操作によって選択された画像が記録される。これによって、画像記録に関する操作性が向上する。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、光学像に対応する電荷が生成される。
【0022】
電源が投入されると、CPU26は、動画取り込み処理を開始するべく露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令し、動画表示処理を開始するべく動画表示命令をLCDドライバ36に与える。なお、動画表示命令には、表示対象を識別する識別情報が記述される。
【0023】
ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0024】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32a(図3参照)に書き込まれる。
【0025】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32のYUV画像エリア32b(図3参照)に書き込まれる。
【0026】
動画表示命令に記述された識別情報は、こうしてYUV画像エリア32bに書き込まれた画像データを示す。LCDドライバ36は、YUV画像エリア32bに格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0027】
図4を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0028】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0029】
キー入力装置28に設けられたシャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、AE評価回路22から出力された256個のAE評価値に基づいて簡易AE処理を実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cに設定され、これによってスルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0030】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価値を参照した厳格AE処理を実行し、最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間もまたドライバ18bおよび18cに設定され、これによってスルー画像の明るさが厳格に調整される。CPU26はまた、AF評価回路24から出力された256個のAF評価値に基づいてAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は合焦点の探索のためにドライバ18aによって光軸方向に移動し、これによって発見された合焦点に配置される。この結果、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0031】
シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、動画表示処理の中断つまりデータ読み出し動作の中断をLCDドライバ36に命令する。LCDモニタ38の表示は、スルー画像から黒画像に遷移する。
【0032】
撮像モードは、モード切換えスイッチ28mdによって通常モードおよびHDR(High Dynamic Range)モードの間で切り換えられる。
【0033】
通常モードが選択された状態でシャッタボタン28shが全押しされた場合、CPU26は、静止画取り込み処理を1回だけ実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点のシーンを表す1フレームの画像データがYUV画像エリア32bから静止画像エリア32c(図3参照)に退避される。
【0034】
CPU26は続いて、プレビュー画像をLCDモニタ38に表示するべく、プレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。プレビュー表示命令には、静止画像エリア32cに退避された画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。LCDドライバ36は、静止画像エリア32cに退避された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに基づく画像をプレビュー画像としてLCDモニタ38に表示する。
【0035】
CPU26はその後、静止画像エリア32cに退避された画像データの識別情報が記録対象として記述された記録命令をメモリI/F42に与える。メモリI/F42は、静止画像エリア32cに退避された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。上述した動画表示処理(スルー画像を表示する処理)は、記録処理が完了した後に再開される。
【0036】
これに対して、HDRモードが選択された状態でシャッタボタン28shが全押しされた場合、CPU26は、HDR処理を以下の要領で実行する。
【0037】
CPU26はまず、シャッタボタン28shの全押しの後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=1フレーム目の画像データ)を、YUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0038】
CPU26は次に、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量のα倍を示すように露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更し、変更後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=2フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0039】
CPU26は続いて、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量の1/α倍を示すように露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更し、変更後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=3フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0040】
3フレーム目の画像データの取り込みが完了すると、CPU26は、プレビュー画像を表示するべくプレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。プレビュー表示命令には、1フレーム目の画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、1フレーム目の画像データに基づく画像つまり最適露光画像が、プレビュー画像としてLCDモニタ38に表示される(図5(A)参照)。
【0041】
CPU26は続いて、上述の要領で取り込まれた3フレームの画像データに画像合成処理を施し、合成画像データを作成する。画像合成処理はワークエリア32dにおいて実行され、これによって作成された合成画像データは静止画像エリア32cに戻される。
【0042】
画像合成処理が完了すると、CPU26は、表示対象を1フレーム目の画像データから合成画像データに変更する。LCDドライバ36は、合成画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された合成画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。プレビュー画像は、最適露光画像から合成画像に更新される。
【0043】
事前のメニュー操作によってプレビュー時間の設定が解除されていれば、CPU26は、合成画像データを記録対象として指定する。一方、事前のメニュー操作によってプレビュー時間が設定されていれば、CPU26は、シャッタボタン28shの半押しまたはプレビュー時間の経過を待って、合成画像データを記録対象として指定する。HDR処理は、合成画像データの指定の後に終了される。
【0044】
メニュー操作によって設定されたプレビュー時間が経過する前にキー入力装置28のOKボタン28kが操作されると、CPU26は、初期の記録設定を示すチェックボックスのOSD表示をLCDドライバ36に命令する。チェックボックスは、プレビュー画像に多重された状態でLCDモニタ38に表示される(図5(A)参照)。初期の記録設定では、合成画像データに対応する項目がチェックされ、1フレーム目の画像データに対応する項目のチェックが外される。これによって、合成画像データが記録対象として暫定的に指定される。
【0045】
モニタ画面に対するタッチ操作は、タッチセンサ40によって検知される。検知結果は、タッチセンサ40からCPU26に与えられる。
【0046】
プレビュー画像がタッチされると、CPU26は、プレビュー画像の変更をLCDドライバ36に命令する。現時点の表示対象が合成画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを1フレーム目の画像データに変更する。一方、現時点の表示対象が1フレーム目の画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを合成画像データに変更する。この結果、表示されるプレビュー画像は、プレビュー画像へのタッチ操作が行われる毎に、1フレーム目の画像と合成画像との間で切り換えられる(図5(A)〜図5(B)参照)。
【0047】
チェックボックスがタッチされると、CPU26は、タッチ操作に応じて異なる態様で記録設定を変更する。チェックされた項目がタッチされるとチェックが外され、チェックされていない項目がタッチされるとチェックが付される。ただし、2つのチェックを外すタッチ操作は無視される。チェック状態は図6(A)〜図6(C)の間で遷移し、これによって合成画像データおよび1フレーム目の画像データの少なくとも一方が暫定的に指定される。
【0048】
シャッタボタン28shが再度操作されると、CPU26は、チェックされた項目に対応する画像データを記録対象として正式に指定する。したがって、合成画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると合成画像データが記録対象として正式に指定され、1フレーム目の画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると1フレーム目の画像データが記録対象として正式に指定される。HDR処理は、合成画像データおよび/または1フレーム目の画像データが正式に指定された後に終了する。
【0049】
HDR処理が終了した後、CPU26は、指定された画像データの識別情報が記録対象として記述された記録命令をメモリI/F42に与える。メモリI/F42は、指定された画像データをメモリ制御回路30を通して静止画像エリア32cから読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。上述した動画表示処理(スルー画像を表示する処理)は、記録処理が完了した後に再開される。
【0050】
CPU26は、図7〜図11に示す撮像タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に記憶される。
【0051】
図7を参照して、ステップS1では動画取込み処理を開始するべく露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令し、ステップS3では動画表示処理を開始するべく動画表示命令をLCDドライバ36に与える。動画表示命令には、YUV画像エリア32bに書き込まれた画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。
【0052】
ステップS5ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS7で簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0053】
ステップS5の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS9で厳格AE処理およびAF処理を実行する。スルー画像の明るさは厳格AE処理によって厳格に調整され、スルー画像の鮮鋭度はAF処理によって向上する。
【0054】
ステップS11ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS13ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS13でYESであればステップS5に戻り、ステップS11でYESであればステップS15に進む。ステップS15では、動画表示処理の中断つまりデータ読み出し動作の中断をLCDドライバ36に命令する。LCDモニタ38の表示は、スルー画像から黒画像に遷移する。動画表示が中断されると、現時点の撮像モードが通常モードおよびHDRモードのいずれであるかをステップS17で判別する。
【0055】
現時点の撮像モードが通常モードであれば、ステップS19で静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点のシーンを表す1フレームの画像データがYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避される。ステップS21では、プレビュー画像をLCDモニタ38に表示するべく、プレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。プレビュー表示命令には、静止画像エリア32cに退避された画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、退避された画像データに基づく画像がプレビュー画像としてLCDモニタ38に表示される。
【0056】
一方、現時点の撮像モードがHDRモードであれば、ステップS23でHDR処理を実行する。この結果、互いに異なる3つの露光量にそれぞれ対応する3フレームの画像データが静止画像エリア32cに取り込まれ、1フレームの合成画像データがワークエリア32d上で作成される。作成された合成画像データは、静止画像エリア32cに戻される。
【0057】
ステップS21またはS23の処理が完了するとステップS25に進み、記録対象を示す識別情報が記述された記録命令をメモリI/F42に与える。現時点の撮像モードが通常モードであれば、記録命令に記述された識別情報は、ステップS19の処理によって取り込まれた画像データを示す。これに対して、現時点の撮像モードがHDRモードであれば、記録命令に記述された識別情報は、HDR処理の下で記録対象として指定された画像データを示す。
【0058】
メモリI/F42は、記録命令に記述された識別情報に従う画像データをメモリ制御回路30を通して静止画像エリア32cから読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。記録処理が完了すると、ステップS27で動画表示処理を再開し、その後にステップS5に戻る。
【0059】
ステップS23のHDR処理は、図9〜図11に示すサブルーチンに従って実行される。
【0060】
ステップS31では、シャッタボタン28shの全押しの後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=1フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。ステップS33では、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量のα倍を示すように、露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更する。ステップS35では、ステップS33の処理の後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=2フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0061】
ステップS37では、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量の1/α倍を示すように、露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更する。ステップS39では、ステップS37の処理の後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=3フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。この結果、互いに異なる3つの露光量にそれぞれ対応する3フレームの画像データが、静止画像エリア32に確保される。
【0062】
ステップS41では、プレビュー画像を表示するべく、プレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。このプレビュー表示命令には、ステップS31の処理によって取り込まれた1フレーム目の画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、1フレーム目の画像データに基づく画像つまり最適露光画像がプレビュー画像としてLCDモニタ38に表示される。
【0063】
ステップS43では、ステップS31,S35およびS39で取り込まれた3フレームの画像データに画像合成処理を施し、合成画像データを作成する。画像合成処理はワークエリア32dにおいて実行され、これによって作成された合成画像データは静止画像エリア32cに戻される。
【0064】
画像合成処理が完了するとステップS45に進み、プレビュー画像としての表示対象を1フレーム目の画像データから合成画像データに変更する。LCDドライバ36は、合成画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された合成画像データに基づいてLCDドライバ36を駆動する。この結果、最適露光画像に代えて合成画像がLCDモニタ38に表示される。
【0065】
ステップS47ではプレビュー時間が設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS55に進む。ステップS55では、ステップS43で作成された合成画像データを記録対象として指定する。指定が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0066】
ステップS47の判別結果がYESであれば、シャッタボタン28shが半押しされたか否かをステップS49で判別し、プレビュー時間が経過したか否かをステップS51で判別し、OKボタン28kが操作されたか否かをステップS53で判別する。ステップS49の判別結果またはステップS51の判別結果がYESであればステップS55に進み、ステップS53の判別結果がYESであればステップS57に進む。
【0067】
ステップS57では、初期の記録設定を示すチェックボックスのOSD表示をLCDドライバ36に命令する。チェックボックスは、プレビュー画像に多重された状態でLCDモニタ38に表示される。初期の記録設定では、合成画像データに対応する項目がチェックされ、1フレーム目の画像データに対応する項目のチェックが外される。これによって、合成画像データが記録対象として暫定的に指定される。
【0068】
ステップS59ではプレビュー画像がタッチされたか否かを判別し、ステップS63ではチェックボックスがタッチされたか否かを判別し、ステップS67ではシャッタボタン28shが再度操作されたか否かを判別する。
【0069】
ステップS59の判別結果がYESであればステップS61に進み、プレビュー画像の変更をLCDドライバ36に命令する。現時点の表示対象が合成画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを1フレーム目の画像データに変更する。一方、現時点の表示対象が1フレーム目の画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを合成画像データに変更する。この結果、表示されるプレビュー画像は、プレビュー画像へのタッチ操作が行われる毎に、最適露光画像と合成画像との間で切り換えられる。
【0070】
ステップS63の判別結果がYESであればステップS65に進み、タッチ操作に応じて異なる態様で記録設定を変更する。チェックされた項目がタッチされるとチェックが外され、チェックされていない項目がタッチされるとチェックが付される。なお、2つのチェックを外すタッチ操作は無視される。これによって、合成画像データおよび1フレーム目の画像データの少なくとも一方が暫定的に指定される。
【0071】
ステップS67の判別結果がNOであればステップS59に戻り、ステップS67の判別結果がYESであればステップS69に進む。ステップS69では、チェックされた項目に対応する画像データを記録対象として正式に指定する。
【0072】
したがって、合成画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると合成画像データが記録対象として正式に指定され、1フレーム目の画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると1フレーム目の画像データが記録対象として正式に指定される。ステップS61の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0073】
以上の説明から分かるように、CPU26は、最適EV値に相当する露光量(=基準露光量)を含む3つの露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す3フレームの画像データを取得し(S31~S39)、取得された3フレームの画像データに画像合成処理を施して1フレームの合成画像データを作成する(S43)。CPU26はまた、取得された3フレームのうち最適露光画像(=基準画像)と画像合成処理によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示し(S41, S45, S59~S61)、表示された最適露光画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける(S63~S67)。選択操作によって選択された画像に相当する画像データは、CPU26の制御の下でメモリI/F42によって記録媒体44に記録される(S69, S25)。
【0074】
このように、モニタ画面には基準画像と合成画像とが表示される。ここで、基準画像は、最適露光量に対応する画像に相当する。また、合成画像は、最適露光量を含む3つの露光量にそれぞれ対応する3フレームの画像に基づいて作成された画像に相当する。表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作が受け付けられると、選択操作によって選択された画像が記録される。これによって、画像記録に関する操作性が向上する。
【0075】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に予め記憶される。しかし、図12に示すように通信I/F48をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0076】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
20 …前処理回路
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
34 …後処理回路
40 …タッチセンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像記録装置に関し、特に互いに異なる複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを表す複数の画像に基づいて作成された合成画像を記録する、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、画像データは複数の特殊効果処理を施され、これによって複数の特殊効果画像データが生成される。生成された複数の特殊効果画像データは、時系列的に背面液晶モニタに表示される。シャッタボタンが操作されると、その時点で背面液晶モニタに表示された画像に対する特殊効果処理の種類が判別される。シャッタボタンの操作に応答して取得された画像データは、判別された種類の特殊効果処理を施される。特殊効果処理を施された画像データは、合成処理やJPEG圧縮処理を経て記録媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−219905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、記録すべき画像データに施す特殊効果処理の種類をシャッタボタンの操作前の時点で決める必要がある。このため、背景技術では、画像記録に関する操作性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像記録に関する操作性を高めることができる、画像記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像記録装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得手段(S31~S39)、取得手段によって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成手段(S43)、取得手段によって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成手段によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示手段(S41, S45, S59~S61)、表示手段によって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付け手段(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録手段(S69, S25)を備える。
【0007】
好ましくは、表示手段は変更操作を受け付ける毎に表示対象を基準画像および合成画像の間で変更する変更手段(S59~S61)を含む。
【0008】
好ましくは、表示手段は合成手段の処理の実行中に基準画像を表示する基準画像表示手段(S41)を含む。
【0009】
さらに好ましくは、表示手段は合成手段の処理の後に合成画像を表示する合成画像表示手段(S45)をさらに含む。
【0010】
好ましくは、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、および基準露光量を含む複数の露光量を撮像手段から出力された画像に基づいて設定する設定手段(S9, S33, S37)がさらに備えられ、取得手段は設定手段の処理と並列して複数の画像を取得する。
【0011】
この発明に従う記録制御プログラムは、画像記録装置(10)のプロセッサ(26)に、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を実行させるための、記録制御プログラムである。
【0012】
この発明に従う記録制御方法は、画像記録装置(10)によって実行される記録制御方法であって、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を備える。
【0013】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリ(46)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像記録装置(10)に供給される外部制御プログラムであって、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う画像記録装置(10)は、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(48)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(46)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像記録装置であって、外部制御プログラムは、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ(S31~S39)、取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ(S43)、取得ステップによって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ(S41, S45, S59~S61)、表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S63~S67)、および選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップ(S69, S25)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、基準画像と合成画像とがモニタ画面に表示される。ここで、基準画像は、基準露光量に対応する画像に相当する。また、合成画像は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応する複数の画像に基づいて作成された画像に相当する。表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作が受け付けられると、選択操作によって選択された画像が記録される。これによって、画像記録に関する操作性が向上する。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はHDRモードにおける表示画像の一例を示す図解図であり、(B)はHDRモードにおける表示画像の他の一例を示す図解図である。
【図6】(A)はHDRモードにおいて表示されるチェックボックスの設定の一例を示す図解図であり、(B)はHDRモードにおいて表示されるチェックボックスの設定の他の一例を示す図解図であり、(C)はHDRモードにおいて表示されるチェックボックスの設定のその他の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図12】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この実施例の画像記録装置は、基本的に次のように構成される。取得手段1は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する。合成手段2は、取得手段1によって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する。表示手段3は、取得手段1によって取得された複数の画像のうち基準露光量に対応する基準画像と合成手段2によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する。受け付け手段4は、表示手段3によって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける。記録手段5は、選択操作によって選択された画像を記録する。
【0020】
基準画像と合成画像とがモニタ画面に表示される。ここで、基準画像は、基準露光量に対応する画像に相当する。また、合成画像は、基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応する複数の画像に基づいて作成された画像に相当する。表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作が受け付けられると、選択操作によって選択された画像が記録される。これによって、画像記録に関する操作性が向上する。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、光学像に対応する電荷が生成される。
【0022】
電源が投入されると、CPU26は、動画取り込み処理を開始するべく露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令し、動画表示処理を開始するべく動画表示命令をLCDドライバ36に与える。なお、動画表示命令には、表示対象を識別する識別情報が記述される。
【0023】
ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0024】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32a(図3参照)に書き込まれる。
【0025】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32のYUV画像エリア32b(図3参照)に書き込まれる。
【0026】
動画表示命令に記述された識別情報は、こうしてYUV画像エリア32bに書き込まれた画像データを示す。LCDドライバ36は、YUV画像エリア32bに格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0027】
図4を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0028】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0029】
キー入力装置28に設けられたシャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、AE評価回路22から出力された256個のAE評価値に基づいて簡易AE処理を実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cに設定され、これによってスルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0030】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価値を参照した厳格AE処理を実行し、最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間もまたドライバ18bおよび18cに設定され、これによってスルー画像の明るさが厳格に調整される。CPU26はまた、AF評価回路24から出力された256個のAF評価値に基づいてAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は合焦点の探索のためにドライバ18aによって光軸方向に移動し、これによって発見された合焦点に配置される。この結果、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0031】
シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、動画表示処理の中断つまりデータ読み出し動作の中断をLCDドライバ36に命令する。LCDモニタ38の表示は、スルー画像から黒画像に遷移する。
【0032】
撮像モードは、モード切換えスイッチ28mdによって通常モードおよびHDR(High Dynamic Range)モードの間で切り換えられる。
【0033】
通常モードが選択された状態でシャッタボタン28shが全押しされた場合、CPU26は、静止画取り込み処理を1回だけ実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点のシーンを表す1フレームの画像データがYUV画像エリア32bから静止画像エリア32c(図3参照)に退避される。
【0034】
CPU26は続いて、プレビュー画像をLCDモニタ38に表示するべく、プレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。プレビュー表示命令には、静止画像エリア32cに退避された画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。LCDドライバ36は、静止画像エリア32cに退避された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに基づく画像をプレビュー画像としてLCDモニタ38に表示する。
【0035】
CPU26はその後、静止画像エリア32cに退避された画像データの識別情報が記録対象として記述された記録命令をメモリI/F42に与える。メモリI/F42は、静止画像エリア32cに退避された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。上述した動画表示処理(スルー画像を表示する処理)は、記録処理が完了した後に再開される。
【0036】
これに対して、HDRモードが選択された状態でシャッタボタン28shが全押しされた場合、CPU26は、HDR処理を以下の要領で実行する。
【0037】
CPU26はまず、シャッタボタン28shの全押しの後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=1フレーム目の画像データ)を、YUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0038】
CPU26は次に、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量のα倍を示すように露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更し、変更後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=2フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0039】
CPU26は続いて、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量の1/α倍を示すように露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更し、変更後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=3フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0040】
3フレーム目の画像データの取り込みが完了すると、CPU26は、プレビュー画像を表示するべくプレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。プレビュー表示命令には、1フレーム目の画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、1フレーム目の画像データに基づく画像つまり最適露光画像が、プレビュー画像としてLCDモニタ38に表示される(図5(A)参照)。
【0041】
CPU26は続いて、上述の要領で取り込まれた3フレームの画像データに画像合成処理を施し、合成画像データを作成する。画像合成処理はワークエリア32dにおいて実行され、これによって作成された合成画像データは静止画像エリア32cに戻される。
【0042】
画像合成処理が完了すると、CPU26は、表示対象を1フレーム目の画像データから合成画像データに変更する。LCDドライバ36は、合成画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された合成画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。プレビュー画像は、最適露光画像から合成画像に更新される。
【0043】
事前のメニュー操作によってプレビュー時間の設定が解除されていれば、CPU26は、合成画像データを記録対象として指定する。一方、事前のメニュー操作によってプレビュー時間が設定されていれば、CPU26は、シャッタボタン28shの半押しまたはプレビュー時間の経過を待って、合成画像データを記録対象として指定する。HDR処理は、合成画像データの指定の後に終了される。
【0044】
メニュー操作によって設定されたプレビュー時間が経過する前にキー入力装置28のOKボタン28kが操作されると、CPU26は、初期の記録設定を示すチェックボックスのOSD表示をLCDドライバ36に命令する。チェックボックスは、プレビュー画像に多重された状態でLCDモニタ38に表示される(図5(A)参照)。初期の記録設定では、合成画像データに対応する項目がチェックされ、1フレーム目の画像データに対応する項目のチェックが外される。これによって、合成画像データが記録対象として暫定的に指定される。
【0045】
モニタ画面に対するタッチ操作は、タッチセンサ40によって検知される。検知結果は、タッチセンサ40からCPU26に与えられる。
【0046】
プレビュー画像がタッチされると、CPU26は、プレビュー画像の変更をLCDドライバ36に命令する。現時点の表示対象が合成画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを1フレーム目の画像データに変更する。一方、現時点の表示対象が1フレーム目の画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを合成画像データに変更する。この結果、表示されるプレビュー画像は、プレビュー画像へのタッチ操作が行われる毎に、1フレーム目の画像と合成画像との間で切り換えられる(図5(A)〜図5(B)参照)。
【0047】
チェックボックスがタッチされると、CPU26は、タッチ操作に応じて異なる態様で記録設定を変更する。チェックされた項目がタッチされるとチェックが外され、チェックされていない項目がタッチされるとチェックが付される。ただし、2つのチェックを外すタッチ操作は無視される。チェック状態は図6(A)〜図6(C)の間で遷移し、これによって合成画像データおよび1フレーム目の画像データの少なくとも一方が暫定的に指定される。
【0048】
シャッタボタン28shが再度操作されると、CPU26は、チェックされた項目に対応する画像データを記録対象として正式に指定する。したがって、合成画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると合成画像データが記録対象として正式に指定され、1フレーム目の画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると1フレーム目の画像データが記録対象として正式に指定される。HDR処理は、合成画像データおよび/または1フレーム目の画像データが正式に指定された後に終了する。
【0049】
HDR処理が終了した後、CPU26は、指定された画像データの識別情報が記録対象として記述された記録命令をメモリI/F42に与える。メモリI/F42は、指定された画像データをメモリ制御回路30を通して静止画像エリア32cから読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。上述した動画表示処理(スルー画像を表示する処理)は、記録処理が完了した後に再開される。
【0050】
CPU26は、図7〜図11に示す撮像タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に記憶される。
【0051】
図7を参照して、ステップS1では動画取込み処理を開始するべく露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令し、ステップS3では動画表示処理を開始するべく動画表示命令をLCDドライバ36に与える。動画表示命令には、YUV画像エリア32bに書き込まれた画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。
【0052】
ステップS5ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS7で簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0053】
ステップS5の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS9で厳格AE処理およびAF処理を実行する。スルー画像の明るさは厳格AE処理によって厳格に調整され、スルー画像の鮮鋭度はAF処理によって向上する。
【0054】
ステップS11ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS13ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS13でYESであればステップS5に戻り、ステップS11でYESであればステップS15に進む。ステップS15では、動画表示処理の中断つまりデータ読み出し動作の中断をLCDドライバ36に命令する。LCDモニタ38の表示は、スルー画像から黒画像に遷移する。動画表示が中断されると、現時点の撮像モードが通常モードおよびHDRモードのいずれであるかをステップS17で判別する。
【0055】
現時点の撮像モードが通常モードであれば、ステップS19で静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点のシーンを表す1フレームの画像データがYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避される。ステップS21では、プレビュー画像をLCDモニタ38に表示するべく、プレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。プレビュー表示命令には、静止画像エリア32cに退避された画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、退避された画像データに基づく画像がプレビュー画像としてLCDモニタ38に表示される。
【0056】
一方、現時点の撮像モードがHDRモードであれば、ステップS23でHDR処理を実行する。この結果、互いに異なる3つの露光量にそれぞれ対応する3フレームの画像データが静止画像エリア32cに取り込まれ、1フレームの合成画像データがワークエリア32d上で作成される。作成された合成画像データは、静止画像エリア32cに戻される。
【0057】
ステップS21またはS23の処理が完了するとステップS25に進み、記録対象を示す識別情報が記述された記録命令をメモリI/F42に与える。現時点の撮像モードが通常モードであれば、記録命令に記述された識別情報は、ステップS19の処理によって取り込まれた画像データを示す。これに対して、現時点の撮像モードがHDRモードであれば、記録命令に記述された識別情報は、HDR処理の下で記録対象として指定された画像データを示す。
【0058】
メモリI/F42は、記録命令に記述された識別情報に従う画像データをメモリ制御回路30を通して静止画像エリア32cから読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。記録処理が完了すると、ステップS27で動画表示処理を再開し、その後にステップS5に戻る。
【0059】
ステップS23のHDR処理は、図9〜図11に示すサブルーチンに従って実行される。
【0060】
ステップS31では、シャッタボタン28shの全押しの後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=1フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。ステップS33では、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量のα倍を示すように、露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更する。ステップS35では、ステップS33の処理の後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=2フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。
【0061】
ステップS37では、撮像面の露光量が最適EV値に相当する露光量の1/α倍を示すように、露光設定(=絞り量および/または露光時間)を変更する。ステップS39では、ステップS37の処理の後にイメージャ16から出力された生画像データに基づくYUV形式の画像データ(=3フレーム目の画像データ)をYUV画像エリア32bから静止画像エリア32cに退避させる。この結果、互いに異なる3つの露光量にそれぞれ対応する3フレームの画像データが、静止画像エリア32に確保される。
【0062】
ステップS41では、プレビュー画像を表示するべく、プレビュー表示命令をLCDドライバ36に与える。このプレビュー表示命令には、ステップS31の処理によって取り込まれた1フレーム目の画像データを示す識別情報が表示対象として記述される。この結果、1フレーム目の画像データに基づく画像つまり最適露光画像がプレビュー画像としてLCDモニタ38に表示される。
【0063】
ステップS43では、ステップS31,S35およびS39で取り込まれた3フレームの画像データに画像合成処理を施し、合成画像データを作成する。画像合成処理はワークエリア32dにおいて実行され、これによって作成された合成画像データは静止画像エリア32cに戻される。
【0064】
画像合成処理が完了するとステップS45に進み、プレビュー画像としての表示対象を1フレーム目の画像データから合成画像データに変更する。LCDドライバ36は、合成画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された合成画像データに基づいてLCDドライバ36を駆動する。この結果、最適露光画像に代えて合成画像がLCDモニタ38に表示される。
【0065】
ステップS47ではプレビュー時間が設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS55に進む。ステップS55では、ステップS43で作成された合成画像データを記録対象として指定する。指定が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0066】
ステップS47の判別結果がYESであれば、シャッタボタン28shが半押しされたか否かをステップS49で判別し、プレビュー時間が経過したか否かをステップS51で判別し、OKボタン28kが操作されたか否かをステップS53で判別する。ステップS49の判別結果またはステップS51の判別結果がYESであればステップS55に進み、ステップS53の判別結果がYESであればステップS57に進む。
【0067】
ステップS57では、初期の記録設定を示すチェックボックスのOSD表示をLCDドライバ36に命令する。チェックボックスは、プレビュー画像に多重された状態でLCDモニタ38に表示される。初期の記録設定では、合成画像データに対応する項目がチェックされ、1フレーム目の画像データに対応する項目のチェックが外される。これによって、合成画像データが記録対象として暫定的に指定される。
【0068】
ステップS59ではプレビュー画像がタッチされたか否かを判別し、ステップS63ではチェックボックスがタッチされたか否かを判別し、ステップS67ではシャッタボタン28shが再度操作されたか否かを判別する。
【0069】
ステップS59の判別結果がYESであればステップS61に進み、プレビュー画像の変更をLCDドライバ36に命令する。現時点の表示対象が合成画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを1フレーム目の画像データに変更する。一方、現時点の表示対象が1フレーム目の画像データであれば、LCDドライバ36は、静止画像エリア32cから読み出す画像データを合成画像データに変更する。この結果、表示されるプレビュー画像は、プレビュー画像へのタッチ操作が行われる毎に、最適露光画像と合成画像との間で切り換えられる。
【0070】
ステップS63の判別結果がYESであればステップS65に進み、タッチ操作に応じて異なる態様で記録設定を変更する。チェックされた項目がタッチされるとチェックが外され、チェックされていない項目がタッチされるとチェックが付される。なお、2つのチェックを外すタッチ操作は無視される。これによって、合成画像データおよび1フレーム目の画像データの少なくとも一方が暫定的に指定される。
【0071】
ステップS67の判別結果がNOであればステップS59に戻り、ステップS67の判別結果がYESであればステップS69に進む。ステップS69では、チェックされた項目に対応する画像データを記録対象として正式に指定する。
【0072】
したがって、合成画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると合成画像データが記録対象として正式に指定され、1フレーム目の画像データの項目がチェックされている状態でシャッタボタン28shが操作されると1フレーム目の画像データが記録対象として正式に指定される。ステップS61の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0073】
以上の説明から分かるように、CPU26は、最適EV値に相当する露光量(=基準露光量)を含む3つの露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す3フレームの画像データを取得し(S31~S39)、取得された3フレームの画像データに画像合成処理を施して1フレームの合成画像データを作成する(S43)。CPU26はまた、取得された3フレームのうち最適露光画像(=基準画像)と画像合成処理によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示し(S41, S45, S59~S61)、表示された最適露光画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける(S63~S67)。選択操作によって選択された画像に相当する画像データは、CPU26の制御の下でメモリI/F42によって記録媒体44に記録される(S69, S25)。
【0074】
このように、モニタ画面には基準画像と合成画像とが表示される。ここで、基準画像は、最適露光量に対応する画像に相当する。また、合成画像は、最適露光量を含む3つの露光量にそれぞれ対応する3フレームの画像に基づいて作成された画像に相当する。表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作が受け付けられると、選択操作によって選択された画像が記録される。これによって、画像記録に関する操作性が向上する。
【0075】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に予め記憶される。しかし、図12に示すように通信I/F48をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0076】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
20 …前処理回路
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
34 …後処理回路
40 …タッチセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成手段、
前記取得手段によって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成手段によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示手段、
前記表示手段によって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付け手段、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録手段を備える、画像記録装置。
【請求項2】
前記表示手段は変更操作を受け付ける毎に表示対象を前記基準画像および前記合成画像の間で変更する変更手段を含む、請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記表示手段は前記合成手段の処理の実行中に前記基準画像を表示する基準画像表示手段を含む、請求項1または2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記表示手段は前記合成手段の処理の後に前記合成画像を表示する合成画像表示手段をさらに含む、請求項3記載の画像記録装置。
【請求項5】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、および
前記基準露光量を含む複数の露光量を前記撮像手段から出力された画像に基づいて設定する設定手段をさらに備え、
前記取得手段は前記設定手段の処理と並列して前記複数の画像を取得する、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項6】
画像記録装置のプロセッサに、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを実行させるための、記録制御プログラム。
【請求項7】
画像記録装置によって実行される記録制御方法であって、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを備える、記録制御方法。
【請求項8】
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える画像記録装置に供給される外部制御プログラムであって、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項9】
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える画像記録装置であって、
前記外部制御プログラムは、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、画像記録装置。
【請求項1】
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成手段、
前記取得手段によって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成手段によって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示手段、
前記表示手段によって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付け手段、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録手段を備える、画像記録装置。
【請求項2】
前記表示手段は変更操作を受け付ける毎に表示対象を前記基準画像および前記合成画像の間で変更する変更手段を含む、請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記表示手段は前記合成手段の処理の実行中に前記基準画像を表示する基準画像表示手段を含む、請求項1または2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記表示手段は前記合成手段の処理の後に前記合成画像を表示する合成画像表示手段をさらに含む、請求項3記載の画像記録装置。
【請求項5】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、および
前記基準露光量を含む複数の露光量を前記撮像手段から出力された画像に基づいて設定する設定手段をさらに備え、
前記取得手段は前記設定手段の処理と並列して前記複数の画像を取得する、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項6】
画像記録装置のプロセッサに、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを実行させるための、記録制御プログラム。
【請求項7】
画像記録装置によって実行される記録制御方法であって、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを備える、記録制御方法。
【請求項8】
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える画像記録装置に供給される外部制御プログラムであって、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項9】
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える画像記録装置であって、
前記外部制御プログラムは、
基準露光量を含む複数の露光量にそれぞれ対応しかつ共通のシーンを各々が表す複数の画像を取得する取得ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像を合成して合成画像を作成する合成ステップ、
前記取得ステップによって取得された複数の画像のうち前記基準露光量に対応する基準画像と前記合成ステップによって作成された合成画像とをモニタ画面に表示する表示ステップ、
前記表示ステップによって表示された基準画像および合成画像の少なくとも一方を選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記選択操作によって選択された画像を記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−115598(P2013−115598A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259692(P2011−259692)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]