説明

画像診断装置

【課題】画像診断装置において、ブックマークボタンの操作性を向上する。
【解決手段】信号の送受信を連続的に行う送受信部を有するプローブの該送受信部を、血管内において回転させながら軸方向に移動させることで血管壁からの反射信号を取得し、該取得した反射信号に基づいて該血管の断面画像を軸方向に複数生成する画像診断装置は、生成された複数の断面画像を時系列に順次に表示する表示部と、操作パネル上に配置され、断面画像にブックマークを付与させるための第1および第2の操作部材と、表示部による断面画像の表示中における、第1および第2の操作部材の少なくとも一つへのユーザ操作に応じて、表示中の断面画像にブックマークを付与する制御部とを有する。操作パネルにおいては、ユーザが正対した場合の該ユーザに対しての左右方向の中央部よりも右側に第1の操作部材が設けられ、操作パネルの中央部よりも左側に第2の操作部材が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、動脈硬化の診断や、バルーンカテーテルまたはステント等の高機能カテーテルによる血管内治療時の術前診断、あるいは、術後の結果確認のために、画像診断装置が広く利用されている。
【0003】
代表的な画像診断装置として、例えば血管内超音波診断装置(IVUS)が知られている。一般に血管内超音波診断装置は、血管内において、超音波振動子からなる送受信部が内蔵された超音波プローブ部をラジアル動作させ、被検者の生体組織で反射した反射波(超音波エコー)を送受信部で受信した後、増幅、検波等の処理を施すことにより生成した超音波エコー信号の強度に基づいて、血管の断面画像を描出するものである。
【0004】
また、他の画像診断装置として、例えば、光の可干渉性を利用して画像診断を行う光干渉断層画像診断装置(OCT)が知られている。光干渉断層画像診断装置は、先端に光学レンズおよび光学ミラーを取り付けた送受信部と光ファイバとが内蔵された光プローブ部を血管内に挿入した状態で、送受信部を回転させながら血管壁に測定光を出射し、生体組織からの反射光を受光することでラジアル走査を行い、これにより得られた反射光と予め測定光から分割された参照光とを干渉させることで、干渉光に基づく血管の断面画像を描出するものである。
【0005】
さらに、最近では、光干渉断層画像診断装置の改良型として、波長掃引を利用した光干渉断層画像診断装置(OFDI)も開発されている。波長掃引利用の光干渉断層画像診断装置(OFDI)は、基本的な構成は、光干渉断層画像診断装置(OCT)と同様であるが、光干渉断層画像診断装置(OCT)よりも波長の長い光源を用い、かつ波長の異なる光を連続して出射する点に特徴がある。そして、生体組織の深さ方向の各点の反射光強度を、干渉光の周波数解析により求める構成とすることで、参照光の光路長を可変させるための機構を不要としている。
【0006】
なお、以下、本明細書において血管内超音波診断装置(IVUS)と、光干渉断層画像診断装置(OCT)と、波長掃引を利用した光干渉断層画像診断装置(OFDI)とを総称して、「画像診断装置」と呼ぶこととする。
【0007】
一般に、このような画像診断装置を用いて描出された複数の断面画像は、血管内に挿入されたプローブ部を血管方向に沿って移動させながら取得されたものである。そして、再生時にはこれら取得された断面画像を所定のフレームレートで連続的に、取得された時刻の順に表示することで、断面画像を動画のように表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−79007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
断面画像を動画的に表示した場合、注視したい断面画像が現れると、一時停止の操作等により再生を一旦停止させることになる。或いは、注視したい1つまたは複数の画像を後で観察することを容易にするために、該当する断面画像にブックマークを付与しておくことも提案されている。所望の断面画像へのブックマークの付与は、操作パネル上に配置されたブックマークボタンを、断面画像の再生中に所望の断面画像が再生された時点で押すことにより実行される。
【0010】
ブックマークボタンの操作は、特に動画のように複数の断面画像が連続的に再生されている場合には、所望の断面画像が表示された際に直ちになされなければならず、迅速性が求められるものである。一般にユーザは表示画面及び操作パネルと正対して断面画像を観察し、必要に応じてブックマークボタンを操作することになる。ブックマークボタンが表示画面と正対したユーザに対してどの位置に設けられているかは、ユーザの操作性に影響する。
【0011】
特に、最近では、表示装置上にグラフィカルなユーザインターフェース(以下、GUIという)を表示し、トラックボールやマウスのようなポインティングデバイスにより操作を行う機会が増えている。トラックボールやマウスは利き手で操作されるものであり、利き手による操作が必要なポインティングデバイスの操作とブックマークボタンによる迅速な操作を両立するためには、ブックマークボタンの配置とユーザの利き手の関係を考慮する必要がある。しかしながら、そのような課題に配慮した提案は存在しない。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像診断装置において、ブックマークボタンの操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明に係る画像診断装置は以下のような構成を備える。即ち、
信号の送受信を連続的に行う送受信部を有するプローブの該送受信部を、生体管腔内において回転させながら軸方向に移動させることで生体組織からの反射信号を取得し、該取得した反射信号に基づいて該生体組織の断面画像を軸方向に複数生成する画像診断装置であって、
生成された複数の断面画像を時系列に順次に表示する表示手段と、
操作パネル上に配置され、断面画像にブックマークを付与させるための第1および第2の操作部材と、
前記表示手段による断面画像の表示中における、前記第1および第2の操作部材の少なくとも一つへのユーザ操作に応じて、表示中の断面画像にブックマークを付与する制御手段と、を備え、
前記操作パネルにユーザが正対した場合の該ユーザに対しての左右方向の中央部よりも右側に前記第1の操作部材が設けられ、前記操作パネルの前記中央部よりも左側に前記第2の操作部材が設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像診断装置において、ブックマークボタンの操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像診断装置の外観構成を示す図である。
【図2】送受信部のラジアル動作およびプルバック動作を説明するための模式図である。
【図3】操作パネルの構成例を示す図である。
【図4】画像診断装置のモニタに表示される表示画面の一例を示す図である。
【図5】断面画像再表示処理およびブックマーク付与処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0017】
<1.画像診断装置の外観構成>
図1は本発明の一実施形態にかかる画像診断装置(超音波診断装置(以下、IVUSという)、光干渉断層画像診断装置(以下、OCTという)または波長掃引利用の光干渉断層画像診断装置(以下、OFDIという))100の外観構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、画像診断装置100は、カテーテル部101と、スキャナ/プルバック部102と、操作制御装置103とを備え、スキャナ/プルバック部102と操作制御装置103とは、信号線104(IVUSの場合はワイヤであり、OCT,OFDIの場合は光ファイバである)により接続されている。
【0019】
カテーテル部101は、直接血管内(生体管腔内)に挿入され、送受信部(不図示)を用いて血管(生体組織)の状態を測定する。スキャナ/プルバック部102は、カテーテル部101と着脱可能で、直線駆動モータとラジアル回転駆動モータを内蔵する。スキャナ/プルバック部102は、このラジアル回転駆動モータを駆動させながら直線駆動モータを駆動することで、カテーテル部101内の、送受信部を含む超音波プローブ部(IVUS)または光プローブ部(OCT/OFDI)を、ラジアル走査を行いながら直線的に移動させるプルバック動作(後述)を行う。
【0020】
操作制御装置103は、血管の断面画像を描出するにあたり、超音波や測定光を出力したり、各種設定値を入力するための機能や、測定により得られたデータを処理し、処理結果としての断面画像等を表示するための機能を備える。操作制御装置103において、111は本体制御部であり、超音波や測定光を出力し、測定により得られたデータを処理したり、処理結果を出力したりする。111−1はプリンタ/DVDレコーダであり、本体制御部111における処理結果を印刷したり、データとして記憶したりする。
【0021】
112は操作パネルであり、ユーザは該操作パネル112を介して、各種設定値の入力、測定や表示における指示の入力等を行う。操作パネル112の詳細については、図3により後述する。113は表示装置としてのLCDモニタであり、本体制御部111における処理結果を表示する。LCDモニタ113の詳細については、図4により後述する。
【0022】
<2.超音波プローブ部または光プローブ部のラジアル動作およびプルバック動作>
図2は、血管内に挿入されたカテーテル部101内における超音波プローブ部または光プローブ部のラジアル動作およびプルバック動作を説明するための模式図である。図2(a)、(b)はそれぞれ超音波プローブ部または光プローブ部が挿入された状態の血管の断面図および斜視図である。
【0023】
図2(a)において、203は超音波プローブ部または光プローブ部が挿入された血管断面を示している。上述のように、超音波プローブ部または光プローブ部はその先端内部に送受信部201が取り付けられており、スキャナ/プルバック部102内のラジアル回転駆動モータにより矢印202方向に回転する。
【0024】
送受信部201では、各回転角度にて超音波または測定光の送信/受信が行われる。ライン1、2、・・・512は各回転角度における超音波または測定光の送信方向を示している。本実施形態に係る画像診断装置100では、送受信部201が所定の血管断面203にて360度回転する間に、512回の超音波または測定光の送信/受信が断続的に行われる。なお、360度回転する間における超音波または測定光の送信/受信回数は特にこれに限られず、任意に設定可能であるものとする。
【0025】
このような超音波または測定光の送信/受信は、更に、血管内(カテーテル内)を送受信部201が矢印204方向(図2(b))に進みながら行われる。送受信部201の矢印方向への移動はスキャナ/プルバック部102内の直線駆動モータにより行われる。このように、ラジアル走査をしながら直線駆動させるプルバック動作により、送受信部201の各位置における断面画像が得られ、血管の方向に沿った複数の断面画像が得られることになる。
【0026】
<3.操作パネル112の構成>
図3は、操作パネル112の構成を示す図である。LCDモニタ操作部301はポインティングデバイスであり、ユーザがLCDモニタ113上に表示されるカーソルポインタを操作して、LCDモニタ113により提供されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を介して画像診断装置100に指示を与えるのに用いられる。304はトラックボールであり、LCDモニタ113上に表示されたポインタを移動する際に用いられる。302、303はそれぞれ左右クリックボタンである。診断時の各種設定(回転速度など)は、LCDモニタ操作部301を介して行われる。また、カーソルポインタを操作してGUIへの指示入力を行うためのポインティングデバイスとして、トラックボール304以外にマウス344を備えている。そのため、操作パネル112にはマウスパッド343が設けられている。マウスパッド343は、操作パネル112に正対したユーザが左手でも右手でも操作しやすいように、操作パネル112の手前側の左右の領域にマウスの操作領域を提供する。なお、図3の例では、マウスパッド343は左右方向に連続した領域を提供しているが、左側と右側の領域が分離されて提供されてもよい。
【0027】
操作パネル112の奥の右側には、LCDモニタ113の画面調整を行うための操作スイッチ群311〜313がある。311は「明るさ」を、312は「コントラスト」を、313は「ガンマ」をそれぞれ調整するための操作ボタンである。
【0028】
操作パネル112の奥の左側には、スキャナ/プルバック部102を操作するための操作スイッチ群321〜324があり、カテーテル部101の送受信部201をラジアル動作およびプルバック動作させる際に用いられる。321は前進ボタンであり、当該前進ボタン321を押圧している間、スキャナ/プルバック部102の直線駆動モータが動作し、これによりカテーテル部101内の送受信部201が血管内の末梢方向に移動する(押圧が解除されると、動作を停止する)。322は後退ボタンであり、当該後退ボタン322を押圧している間、スキャナ/プルバック部102の直線駆動モータが動作し、これによりカテーテル部101内の送受信部201が血管内の末梢方向と反対方向に移動する(押圧が解除されると、動作を停止する)。
【0029】
323はスキャン開始ボタンであり、当該スキャン開始ボタン323を押圧すると、スキャナ/プルバック部102のラジアル回転駆動モータがカテーテル部101内の送受信部201を所定の回転速度で回転させる。324はスキャン停止ボタンであり、当該スキャン停止ボタン324を押圧することにより、送受信部201の回転が停止する。
【0030】
操作パネル112の右側には、メモリに格納された断面画像をLCDモニタ113に表示する際に用いられる操作スイッチ群331〜336がある。333はPLAYボタンであり、メモリに格納された断面画像を所定のフレームレートでLCDモニタ113上に表示する際に用いる。331はSTOPボタンであり、PLAYボタン333により開始された断面画像の表示を停止する際に用いられる。332はPAUSEボタンであり、所定のフレームレートによる断面画像の表示を一時停止するのに用いられる。
【0031】
SKIPボタン334は表示中の断面画像を、現在表示中の位置よりも前の位置にある、ブックマークされた断面画像にスキップする際に用いられる。SKIPボタン335は、現在表示中の位置よりも後ろの位置にある、ブックマークされた断面画像にスキップする際に用いられる。336は早送り/巻き戻しボタンであり、右回りにまわすことで、断面画像を早送り表示する。また、左回りにまわすことで、断面画像を巻き戻し表示する。
【0032】
341,342は断面画像へのブックマーク(しおり)の付与に用いられる第1の操作部材、第2の操作部材であり、以下、第1のブックマークボタン341、第2のブックマークボタン342と記載する。所望の断面画像がLCDモニタ113に表示されたときに、これらブックマークボタン341,342のいずれかを押下することで、その断面画像にブックマークを付与することができる。ブックマークが付与された断面画像は、上述したSKIPボタン334,335により検索し、表示することができる。345はキーボードであり、各種文字の入力に用いられる。なお、第1のブックマークボタン341と第2のブックマークボタン342は、操作パネル112にユーザが正対した場合に該ユーザに対して、左右方向の中央部よりも右側と左側にそれぞれ設けられている。
【0033】
<4.画像診断装置のLCDモニタに表示される表示画面>
次に、画像診断装置100のLCDモニタ113に表示される表示画面について説明する。図4は、画像診断装置100のLCDモニタ113に横断面画像及び軸方向の縦断面画像を表示するための表示画面400の一例を示す図である。
【0034】
図4に示すように、表示画面400は、血管の軸に直交する方向の横断面画像を連続的に表示可能な横断面画像表示領域410と、該横断面画像のラインデータから再構築された軸方向の縦断面画像を表示する縦断面画像表示領域420と、表示画面400内における各種操作を行うためのGUIを提供する操作領域430と、を備える。
【0035】
操作領域430には、断面画像をLCDモニタ113に表示する際に用いられる操作スイッチ群が配置されており、上述したポインティングデバイスによりマウスカーソル441を操作して選択することで、上述した操作パネル112上の操作ボタン331〜336と同様の機能を実現する。すなわち、操作ボタン431〜435は、上述した操作パネル112上のSTOPボタン331、PAUSEボタン332、PLAYボタン333、SKIPボタン334、335と同等の機能を有する。また、操作ボタン436aは、早送り/巻き戻しボタン336の「早送り」の機能を、操作ボタン436bは早送り/巻き戻しボタン336の「巻き戻し」の機能を有する。
【0036】
なお、本実施形態におけるLCDモニタ113により提供されるユーザインターフェースは、断面画像の再生操作に関して操作パネル112上にはない、さらなる機能を有している。逆方向PLAYボタン437は、再生をPLAYボタン433とは逆方向に(時間的に溯るように)行うのに用いられる。スピード設定438は、再生スピードを通常速度(1x)に対して低速(1/8〜1/2)、あるいは高速(2x)に設定することができる。
【0037】
上述した操作領域430の操作により、横断面画像表示領域410内に、横断面画像を連続的に表示させたり、連続表示中の複数の横断面画像を途中で一時停止させたり、更に、当該複数の横断面画像を、早送りまたは巻き戻しモードにて連続的に表示させたりすることができる。また、縦断面画像表示領域420では、横断面画像表示領域410において現在表示されている横断面画像の軸方向の位置が矢印421により示される。従って、矢印421の位置は、横断面画像表示領域410内における横断面画像411の表示の進行にしたがって移動する。
【0038】
<5.ブックマーク付与処理について>
以上の構成において、第1のブックマークボタン341或いは第2のブックマークボタン342を用いたブックマークの付与処理動作について説明する。図5は、本実施形態によるブックマーク付与処理を説明するフローチャートである。
【0039】
ステップS501において、画像診断装置100の制御部(不図示)は、横断面画像の表示におけるフレームレートを設定する。スピード設定438において「1x」が選択されていればデフォルトのフレームレートが選択される。また、例えば、スピード設定438において「2x」が選択されていれば、デフォルトのフレームレートの2倍のフレームレートが設定される。同様に、「1/4」が選択されていれば、デフォルトのフレームレートの4分の1のフレームレートが設定される。
【0040】
ステップS502において、制御部は、LCDモニタ113の横断面画像表示領域410にメモリから読み出した横断面画像を表示し、縦断面画像表示領域420にメモリから読み出した横断面画像を表示するとともに、縦断面画像表示領域420に矢印421を表示する。ステップS503において、ステップS501で設定されたフレームレートに対応した画像の切り替えタイミングか否かを判定し、切り替えタイミングであると判定されると処理はステップS504に進む。ステップS504において、制御部はメモリから次の横断面画像を取得し、これを横断面画像表示領域410に表示する(ステップS502)。こうして、横断面画像が時系列に順次にLCDモニタ113に表示される。
【0041】
一方、ステップS503で画像の切り替えタイミングではないと判定されると、処理はステップS505に進む。ステップS505では、第1のブックマークボタン341がONか否かを判定する。第1のブックマークボタンがOFFの場合は、ステップS506で第2のブックマークボタン342がONか否かを判定する。第1のブックマークボタン341、第2のブックマークボタン342がいずれもOFFの場合、処理はステップS503に戻る。他方、第1のブックマークボタン341、第2のブックマークボタン342の少なくともいずれか一方がONの場合、処理はステップS507に進む。ステップS507では制御部が表示中の横断面画像の属性情報にブックマークを付与する。同時に、縦断面画像の対応する位置にブックマーク位置を示す目印(図示せず)を表示する。その後、処理はステップS503に戻る。
【0042】
なお、ブックマークボタンの立ち上がりを捉えるなどして、1回のブックマークボタンの押下操作で複数の横断面画像に対していっぺんにブックマークが付与されてしまうことを防止するなどの処置を施してもよいことは言うまでもない。
【0043】
以上のような本実施形態の画像診断装置100では、操作パネル112にユーザが正対したときのユーザの右手側の領域に第1のブックマークボタン341が、左手側の領域に第2のブックマークボタン342が配置されている。そのため、ユーザの利き手が右であっても左であっても良好な操作性を提供することができる。
【0044】
また、上記のように配置された第1のブックマークボタン341と第2のブックマークボタン342との間に、ポインティングデバイスとしてのトラックボール304が配置されている。そのため、ユーザが右利きであれば右手でトラックボール304を操作しながら左手で第2のブックマークボタン342を操作することができる。同様にユーザが左利きであれば、左手でトラックボール304を操作しながら、右手で第1のブックマークボタン341を操作することができる。このようにユーザが左利きであっても右利きであっても、トラックボールを操作する手とブックマークボタンを操作する手とが交差することなく操作できるため、操作性が向上する。
【0045】
また、マウス344を操作するための領域であるマウスパッド343が操作パネル112の手前側(操作パネル112に正対したユーザの側)に、操作パネル112の左右方向にわたって連続した領域として設けられている。このようにマウスを操作する領域を広く設けたことによりマウス344の操作性が向上し、右利き、左利きのいずれにも対応することができる。また、右手でマウス344を操作しながらブックマークを付与させる操作を行う場合は、マウス344をマウスパッド343の右側の領域で操作し、第2のブックマークボタン342を左手で操作することで、ユーザの手が交差することを防止できる。同様に、左手でマウス344を操作しながらブックマークを付与させる操作を行う場合は、マウス344をマウスパッド343の左側の領域で操作し、第1のブックマークボタン341を右手で操作することで、ユーザの手が交差することを防止できる。
【0046】
なお、マウスパッド343は左右方向に連続したものとしたが、これに限られない。例えば、右手でマウス344を操作するための領域と左手でマウス344を操作するための領域を分離して設けてもかまわない。
【0047】
また、マウス344のみを用いて、トラックボール304を含むLCDモニタ操作部301を省略してもよい。或いは、逆に、図3の操作パネル112においてマウスパッド343を省略して、トラックボール304のみを用いる構成としてもよい。
【0048】
なお、操作パネル112では、2つのブックマークボタンを操作パネル112に配置した構成を示したが、これに限られるものではない。要は、複数のブックマークボタンを配置しておき、操作者がブックマークボタンとポインティングデバイスを同時に操作しようとした場合に、操作者の腕がクロスしないなど快適に使えるようになっていれば良く、それらの配置を示す図3は一例に過ぎない。
【符号の説明】
【0049】
100:画像診断装置、 101:カテーテル部、 102:スキャナ/プルバック部、 103:操作制御装置、 111:本体制御部、 112:操作パネル 113:LCDモニタ、 304:トラックボール、 341,342:ブックマークボタン、 343:マウスパッド、 344:マウス、 345:キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の送受信を連続的に行う送受信部を有するプローブの該送受信部を、生体管腔内において回転させながら軸方向に移動させることで生体組織からの反射信号を取得し、該取得した反射信号に基づいて該生体組織の断面画像を軸方向に複数生成する画像診断装置であって、
生成された複数の断面画像を時系列に順次に表示する表示手段と、
操作パネル上に配置され、断面画像にブックマークを付与させるための第1および第2の操作部材と、
前記表示手段による断面画像の表示中における、前記第1および第2の操作部材の少なくとも一つへのユーザ操作に応じて、表示中の断面画像にブックマークを付与する制御手段と、を備え、
前記操作パネルにユーザが正対した場合の該ユーザに対しての左右方向の中央部よりも右側に前記第1の操作部材が設けられ、前記操作パネルの前記中央部よりも左側に前記第2の操作部材が設けられていることを特徴とする画像診断装置。
【請求項2】
前記表示手段は、マウスによる操作が可能なユーザインターフェースを提供し、
前記マウスを操作するための領域が前記操作パネルの前記中央部よりも右側と左側の両側に存在することを特徴とする請求項1に記載の画像診断装置。
【請求項3】
前記マウスを操作するための領域が前記操作パネルの手前側に設けられ、前記操作パネルの左右方向にわたって連続して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像診断装置。
【請求項4】
前記表示手段は、トラックボールによる操作が可能なユーザインターフェースを提供し、
前記操作パネルには、ポインティングデバイスとしての前記トラックボールが設けられており、前記操作パネルの前記左右方向に関して前記第1の操作部材と前記第2の操作部材との間に、前記トラックボールが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−70827(P2013−70827A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211758(P2011−211758)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】