説明

画像読取装置、及び、プログラム、並びに、当該画像読取装置及び当該プログラムがインストールされたコンピュータを用いる画像読取システム

【課題】データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示する画像読取装置を提供する。
【解決手段】原稿の画像を読み取り、原稿の画像データを生成する画像読取部16と、HC30の識別情報を登録する情報記憶部12aと、原稿の画像データの送信時に、情報記憶部に登録されたホストコンピュータの識別情報をデータ送信の宛先候補として表示する表示部14と、表示部に表示された宛先候補の中からオペレータによってデータ送信に使用される宛先の選択を受け付ける入力部(操作部13)と、ホストコンピュータの識別情報の、前回の使用日時以降又は登録日時以降の経過時間を計測する時間監視部11bと、各部の動作を制御する主制御部11aとを有し、主制御部は、時間監視部によって計測された経過時間が所定の保存有効時間を超えるホストコンピュータの識別情報を情報記憶部から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置、及び、コンピュータをデータ送信の宛先候補として自身を画像読取装置に登録させる登録手段として機能させるプログラム、並びに、当該画像読取装置及び当該プログラムがインストールされたコンピュータを用いる画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して接続された画像読取装置とホストコンピュータとを有する画像読取システムがある。画像読取装置は、例えば、オペレータが所定の操作を行うと、その操作をトリガにして、原稿の画像を読み取り、ホストコンピュータと通信して、読み取られた原稿の画像データをホストコンピュータに送信する。なお、オペレータの操作をトリガにして、原稿の画像読取動作と原稿の画像データの送信動作とを連続して行う画像読取装置の機能は、一般に、「プッシュスキャン機能」と称される。
【0003】
画像読取装置は、画像データをホストコンピュータに送信する際に、事前に登録されたデータ送信の宛先候補のリストを表示部に表示し、オペレータがリストの中からデータ送信に使用される所望の宛先を選択すると、選択された宛先に対して画像データを送信する。なお、画像読取装置への宛先候補の登録は、オペレータがホストコンピュータを操作して行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−33086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像読取装置は、以下に説明するように、オペレータに煩雑な操作を強いる場合がある、という課題があった。
【0006】
一般に、画像読取装置は、できるだけ小型でかつコストの高騰が抑制された構成になることが望まれている。そのため、従来の画像読取装置は、小サイズで、解像度の低い、簡素な機能の表示部しか搭載されていなかった。
【0007】
しかしながら、これにより、従来の画像読取装置は、すべてのホストコンピュータを宛先候補として表示部に一度に表示できないことが多かった。そのため、オペレータは、画面をスクロールさせながら、所望の宛先候補を探索する必要があり、これによって、煩雑な操作を強いられていた。
【0008】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示する画像読取装置を提供することを主な目的とする。
また、本発明は、コンピュータを、データ送信の宛先候補として自身を画像読取装置に登録させる登録手段として機能させるプログラムを提供することを副次的な目的とする。
さらに、本発明は、画像読取装置に対して、データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示させること、及び、画像読取装置に対して、コンピュータの識別情報をデータ送信の宛先候補の情報として登録させることができる画像読取システムを提供することを副次的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、第1発明は、原稿の画像を読み取り、原稿の画像データを、ネットワークを介して接続されたホストコンピュータに送信する画像読取装置であって、前記原稿の画像を読み取り、前記原稿の画像データを生成する画像読取部と、前記ホストコンピュータの識別情報を登録する情報記憶部と、前記原稿の画像データの送信時に、前記情報記憶部に登録された前記ホストコンピュータの識別情報をデータ送信の宛先候補として表示する表示部と、前記表示部に表示された宛先候補の中からオペレータによってデータ送信に使用される宛先の選択を受け付ける入力部と、前記ホストコンピュータの識別情報の、前回の使用日時以降又は登録日時以降の経過時間を計測する時間監視部と、各部の動作を制御する主制御部とを有し、前記主制御部は、前記時間監視部によって計測された前記経過時間が所定の保存有効時間を超える前記ホストコンピュータの識別情報を前記情報記憶部から削除する構成とする。
【0010】
この画像読取装置の主制御部は、時間監視部によって計測された経過時間が所定の保存有効時間を超えるホストコンピュータの識別情報を情報記憶部から削除する。そのため、この画像読取装置は、時間監視部によって計測された経過時間が所定の保存有効時間を超えないホストコンピュータ(すなわち、データの送信頻度が高いホストコンピュータ)の識別情報のみを、宛先候補として表示部に表示する。したがって、この画像読取装置は、データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示することができる。
【0011】
また、第2発明は、プログラムに関する発明であって、ネットワークを介して画像読取装置と接続されたコンピュータを、オペレータからデータ送信の宛先候補として自身を前記画像読取装置に登録させる登録指示を受け付けた場合に、当該登録指示に基づいて、自身の識別情報と当該自身の識別情報の保存有効時間を規定する保存有効時間情報とを含む、宛先登録要求コマンドを前記画像読取装置に送信する登録手段として機能させる構成とする。
【0012】
このプログラムがインストールされたコンピュータは、オペレータからデータ送信の宛先候補として自身を画像読取装置に登録させる登録指示を受け付けた場合に、登録指示に基づいて、自身の識別情報と保存有効時間情報とを含む宛先登録要求コマンドを画像読取装置に送信する。宛先登録要求コマンドは、このコンピュータの識別情報を含んでおり、その識別情報をデータ送信の宛先候補として画像読取装置に登録させる。したがって、このプログラムがインストールされたコンピュータは、自身の識別情報をデータ送信の宛先候補の情報として画像読取装置に登録させることができる。しかも、宛先登録要求コマンドは、保存有効時間情報を含んでいる。そのため、プログラムがインストールされたコンピュータは、画像読取装置に、保存有効時間を超える識別情報を削除させることができる。
【0013】
また、第3発明は、画像読取システムに関する発明であって、第1発明に係る画像読取装置と、第2発明に係るプログラムがインストールされたコンピュータとを有する構成とする。
【0014】
この画像読取システムは、第1発明に係る画像読取装置と、第2発明に係るプログラムがインストールされたコンピュータとを用いる構成となっている。そのため、この画像読取システムは、画像読取装置に対して、データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示させることができる。また、この画像読取システムは、画像読取装置に対して、コンピュータの識別情報をデータ送信の宛先候補の情報として登録させることができる。
【発明の効果】
【0015】
第1発明によれば、データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示する画像読取装置を提供することができる。
また、第2発明によれば、コンピュータをデータ送信の宛先候補として自身を画像読取装置に登録させる登録手段として機能させるプログラムを提供することができる。
さらに、第3発明によれば、画像読取装置に対して、データの送信頻度の高い宛先候補のみを限定して表示部に表示させること、及び、画像読取装置に対して、コンピュータの識別情報をデータ送信の宛先候補の情報として登録させることができる画像読取システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係る画像読取システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る画像読取システムの宛先情報登録時の動作を示すフローチャートである。
【図3A】実施形態1に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャート(1)である。
【図3B】実施形態1に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャート(2)である。
【図4】実施形態1に係る画像読取システムの登録宛先情報削除時の動作を示すフローチャートである。
【図5】スキャンアプリのユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図6A】宛先登録要求コマンドの一例を示す図である。
【図6B】登録宛先情報の一例を示す図である。
【図7】実施形態1に係る画像読取装置の表示画面の一例を示す図である。
【図8】実施形態2に係る画像読取システムの構成を示すブロック図である。
【図9A】実施形態2に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャート(1)である。
【図9B】実施形態2に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャート(2)である。
【図9C】実施形態2に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャート(3)である。
【図10A】宛先登録要求コマンドの変形例を示す図である。
【図10B】登録宛先情報の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0018】
[実施形態1]
<画像読取システムの構成>
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る画像読取システムの構成につき説明する。なお、図1は、実施形態1に係る画像読取システムの構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、画像読取システム1は、画像読取装置10とホストコンピュータ(以下、「HC」と称する)30とを有している。画像読取装置10は、原稿の画像を読み取り、読み取られた原稿の画像データをHC30に送信する装置である。HC30は、画像読取装置10から原稿の画像データを受信する画像読取装置10の上位装置である。
【0020】
画像読取装置10とHC30とは、互いに、ネットワーク50を介して接続されている。なお、図1に示す例では、画像読取システム1は、1台の画像読取装置10と1台のHC30とが接続された構成となっている。しかしながら、画像読取システム1は、任意の台数の画像読取装置10と任意の台数のHC30とが接続された構成となっていてもよい。以下、まず、画像読取装置10の構成を説明し、次に、HC30の構成を説明する。
【0021】
(画像読取装置の構成)
画像読取装置10は、スキャナ装置として構成されている場合もあれば、MFPとして構成されている場合もある。なお、「MFP」とは、Multi Function Printerの略称で、プリンタに、スキャナ機能や、コピー機能、ファクシミリ機能等を付加した装置である。ここでは、画像読取装置10がMFPとして構成されている場合を想定して説明する。
【0022】
画像読取装置10は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、及び、画像読取部16を有している。なお、画像読取装置10は、オペレータに対して各種のアナウンスを音声出力するための、図示せぬ音声出力部を有していてもよい。
【0023】
制御部11は、画像読取装置10全体の動作を制御する機能手段である。制御部11は、CPUによって構成されている。本実施形態1では、制御部11を構成するCPUは、記憶部12に記憶された制御プログラムを実行することにより、主制御部11a、時間監視部11b、及び、画像処理部11cとして機能する。
【0024】
主制御部11aは、各部の動作を制御する機能手段である。
時間監視部11bは、HC30の後記する識別情報の前回の使用日時(ただし、登録日時にすることも可能)以降の経過時間を計測する機能手段である。
画像処理部11cは、画像読取部16によって読み取られ原稿の画像データに対し、所定の画像処理を施す機能手段である。
【0025】
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶手段である。記憶部12は、ROMやRAM等によって構成される。本実施形態1では、記憶部12は、情報記憶部12a、及び、画像データ蓄積部12bに区画されている。
【0026】
情報記憶部12aは、ネットワーク50を介してHC30から受信したHC30の識別情報を記憶する記憶領域である。
画像データ蓄積部12bは、画像読取部16によって生成され、画像処理部11cによって所定の画像処理が施された原稿の画像データを蓄積する記憶領域である。
【0027】
操作部13は、オペレータの操作を受け付ける構成要素である。操作部13は、特許請求の範囲に記載された「入力部」に相当する。なお、ここでは、操作部13は、表示部14と一体化されたタッチパネルとして構成されている場合を想定して説明する。したがって、ここでは、画像読取装置10での後記する「選択」動作は、オペレータが表示部14に表示された各種のボタンや情報の表示箇所をタッチパネルで押下することによって、行われるものとする。
【0028】
表示部14は、オペレータに対して各種の情報を表示出力する構成要素である。表示部14は、LEDやLCD等によって構成される。
通信部15は、ネットワーク50を介してHC30を含む外部装置とデータを送受信する構成要素である。
画像読取部16は、原稿の画像を読み取る構成要素である。
【0029】
(ホストコンピュータの構成)
ここでは、HC30がパーソナルコンピュータとして構成されている場合を想定して説明する。HC30は、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、及び、通信部35を有している。なお、HC30は、オペレータに対して各種のアナウンスを音声出力するための、図示せぬ音声出力部を有していてもよい。
【0030】
制御部31は、HC30全体の動作を制御する機能手段である。制御部31は、CPUによって構成されている。制御部31では、HC30全体の動作を管理し、種々のアプリケーションプログラムに共通する利用環境を提供するための基本的なプログラムであるオペレーティングシステム(以下、「OS」と称する)が動作している。本実施形態1では、制御部31を構成するCPUは、記憶部32に記憶された制御プログラムを実行することにより、スキャンアプリ制御部31a、プッシュスキャン開始要求監視部31b、画像加工処理部31c、及び、スキャナ制御部31dとして機能する。
【0031】
スキャンアプリ制御部31aは、後記するスキャンアプリ60を実行することにより、プッシュスキャン機能を画像読取装置10に提供する機能手段である。
プッシュスキャン開始要求監視部31bは、画像読取装置10からのプッシュスキャン機能の開始要求が受信されているか否かを監視する機能手段である。
画像加工処理部31cは、画像読取装置10から受信された画像データに対して、所定の画像加工処理を施す機能手段である。
スキャナ制御部31dは、画像読取装置10のスキャナ機能を制御する機能手段である。
【0032】
記憶部32は、各種のデータを記憶する記憶手段である。記憶部32は、ROMや、RAM、HDD(ハードディスクドライブ装置)等によって構成される。本実施形態1では、記憶部32は、設定記憶部32a、アプリ記憶部32b、データ保存部32c、及び、前記した「OS」や各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部(図示せず)に区画されている。
【0033】
設定記憶部32aは、画像読取装置10のプッシュスキャン機能に関する様々な設定情報を記憶する記憶領域である。
アプリ記憶部32bは、各種のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」と称する)を記憶する記憶領域である。アプリ記憶部32bに記憶されるアプリとしては、例えば、スキャンアプリ60がある。スキャンアプリ60は、画像読取装置10にプッシュスキャン機能を実行させるためのプログラムである。
データ保存部32cは、画像読取装置10から受信された画像データ(ただし、画像加工処理部31cによって所定の画像加工処理が施された画像データを含む)を保存する記憶領域である。
【0034】
操作部33は、オペレータの操作を受け付ける構成要素である。なお、ここでは、操作部33は、マウス等の座標入力装置として構成されている場合を想定して説明する。したがって、ここでは、HC30での後記する「選択」動作は、オペレータが表示部34に表示された各種のボタンや情報の表示箇所を座標入力装置で指定することによって、行われるものとする。ただし、操作部33は、キーボードやその他の入力装置によって構成することもできる。
【0035】
表示部34は、オペレータに対して各種の情報を表示出力する構成要素である。表示部34は、LEDやLCD等によって構成される。
通信部35は、ネットワーク50を介して画像読取装置10を含む外部装置とデータを送受信する構成要素である。
【0036】
<画像読取システムの動作>
係る構成において、画像読取装置10は、例えば、オペレータが所定の操作を行うと、その操作をトリガにして、画像読取部16によって原稿の画像を読み取り、HC30と通信して、読み取られた原稿の画像データをHC30に送信する。
【0037】
以下、画像読取システム1の動作につき説明する。なお、各装置は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、各装置の動作は、各装置の記憶部に読み出し自在に予め格納された制御プログラムによって規定されており、各装置の制御部によって実行される。また、装置間の通信は、受信側の装置が通信によって受信されたデータを記憶部に一旦格納し、その後に、データを記憶部から読み出すことによって、行われる。また、各データは、記憶部に読み出し自在に一旦格納されてから、その後の処理を行う所要の構成要素に出力される。以下、これらの点については、情報処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0038】
画像読取システム1の動作を大別すると、(1)宛先情報登録時の動作、(2)プッシュスキャン機能実行時の動作、及び、(3)登録宛先情報削除時の動作に分類される。
【0039】
以下、まず、図2を参照して、画像読取システム1の宛先情報登録時の動作につき説明し、次に、図3A及び図3Bを参照して、画像読取システム1のプッシュスキャン機能実行時の動作につき説明し、さらに、図4を参照して、画像読取システム1の登録宛先情報削除時の動作につき説明する。なお、図2は、実施形態1に係る画像読取システムの宛先情報登録時の動作を示すフローチャートである。また、図3A及び図3Bは、それぞれ、実施形態1に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャートである。図4は、実施形態1に係る画像読取システムの登録宛先情報削除時の動作を示すフローチャートである。
【0040】
(1)宛先情報登録時の動作
画像読取システム1は、HC30及び画像読取装置10に電源が投入されることにより、処理を開始する。ここでは、図2に示すように、まず、HC30は、オペレータによって操作部33が操作されて、スキャンアプリ60が起動される(S105)。
【0041】
HC30のスキャンアプリ制御部31aは、スキャンアプリ60が起動すると、ユーザインタフェース画面200(図5参照)を表示部34に表示させる(S110)。
【0042】
なお、図5は、スキャンアプリのユーザインタフェース画面の一例を示す図である。「ユーザインタフェース画面200」は、スキャンアプリ60の機能を利用するための画面である。以下、「ユーザインタフェース画面200」を「UI200」と称する。
【0043】
ここでは、UI200には、プッシュスキャン宛先登録ボタン201、プルスキャン開始ボタン202、読取条件設定ボタン203、及び、受信画像データの取扱設定ボタン204が表示されるものとする。
【0044】
ここで、「プッシュスキャン宛先登録ボタン201」は、原稿の画像データの送信の宛先としてHC30を登録するモードを、画像読取装置10に実行させるためのボタンである。
【0045】
「プルスキャン開始ボタン202」は、HC30が主体となって、原稿の画像の読み取りを画像読取装置10に実行させるためのボタンである。なお、「プルスキャン」に対して、オペレータが画像読取装置10を操作することにより、画像読取装置10が主体となって、原稿の画像の読み取りを実行する場合を、「プッシュスキャン」と称する。
【0046】
「読取条件設定ボタン203」は、読取条件の設定を画像読取装置10に登録させるためのボタンである。読取条件の設定としては、例えば、原稿の種類や、原稿のサイズ、解像度等がある。原稿の種類としては、例えば、カラー文書や白黒文書等がある。原稿のサイズとしては、例えば、A4やB5等がある。解像度としては、例えば、300dpi(dot per inch)等がある。
【0047】
「受信画像データの取扱設定ボタン204」は、受信画像データの取扱設定をHC30の設定記憶部32aに登録するためのボタンである。受信画像データの取扱設定としては、例えば、画像データの変換や、画像データの保存領域、ファイル名等がある。
【0048】
ここでは、S110において、UI200が表示部34に表示されると、オペレータは、UI200の中からプッシュスキャン宛先登録ボタン201を押下するものとする。これに応答して、HC30のスキャンアプリ制御部31aは、プッシュスキャン宛先登録ボタン201の押下を検出する(S115)。
【0049】
すると、HC30のスキャンアプリ制御部31aは、ネットワーク50を介して、自身が提供するプッシュスキャン機能に対応した1乃至複数の端末(画像読取装置10)を検出し(S120)、検出された1乃至複数の画像読取装置10から画像読取装置10を識別するための情報(以下、「装置識別情報」と称する)を取得する。そして、HC30のスキャンアプリ制御部31aは、装置識別情報のリストを対応端末情報として表示部34に表示させる(S125)。なお、「装置識別情報」としては、例えば、装置名や、IPアドレス等がある。
【0050】
ここでは、S125において、対応端末情報が表示部34に表示されると、オペレータは、表示された対応端末情報の中から、宛先登録を行いたい画像読取装置10(以下、「宛先登録予定端末」と称する)の端末情報を選択するものとする。これに応答して、HC30のスキャンアプリ制御部31aは、宛先登録予定端末の選択を検出する(S130)。
【0051】
すると、HC30のスキャンアプリ制御部31aは、HC30の識別情報の送信をスキャナ制御部31dに指示する。これに応答して、スキャナ制御部31dは、通信部35を介して、HC30の識別情報を、オペレータによって選択された宛先登録予定端末に送信する(S135)。
【0052】
HC30のスキャンアプリ制御部31aは、HC30の識別情報を送信すると、宛先登録要求コマンド300(図6A参照)を生成する(S140)。
【0053】
なお、図6Aは、宛先登録要求コマンドの一例を示す図である。「宛先登録要求コマンド300」は、HC30をデータ送信の宛先候補として登録させるためのコマンドである。図6Aに示す例では、宛先登録要求コマンド300は、宛先登録要求コマンドID301や、識別情報302、送信元ホスト名称303、ユーザ設定登録名称304、その他305の情報を含む構成となっている。
【0054】
宛先登録要求コマンドID301は、HC30の識別情報302を送信元の宛先情報として登録することを画像読取装置10に要求するコマンドである。
【0055】
識別情報302は、送信元の宛先情報として登録されるHC30の識別情報である。以下、識別情報302を「送信元の宛先情報302」と称する場合もある。識別情報302としては、例えば、HC30のIPアドレスや待ち受けPort番号等の情報がある。
【0056】
送信元ホスト名称303は、HC30の名称を表す情報である。
ユーザ設定登録名称304は、オペレータによって任意に設定されたHC30の登録名称を表す情報である。
その他の情報305は、例えば、認証用データ等である。
【0057】
S140の後、スキャンアプリ制御部31aは、生成された宛先登録要求コマンド300の送信をスキャナ制御部31dに指示する。これに応答して、スキャナ制御部31dは、宛先登録要求コマンド300を、画像読取装置10が解読可能な形式に変換して、通信部35を介して、宛先登録予定端末に送信する(S145)。
【0058】
画像読取装置10は、通信部15によって、HC30から送信された宛先登録要求コマンド300を受信する(S205)。すると、画像読取装置10の主制御部11aは、情報記憶部12aに現在登録されている宛先情報(以下、「登録宛先情報」と称する)の数が登録限界数に達しているか否かを判定する(S210)。
【0059】
S210の判定で、登録宛先情報の数が登録限界数に達していると判定された場合(“Yes”の場合)に、画像読取装置10の主制御部11aは、通信部15を介して、宛先登録が失敗した旨を表す登録失敗通知を、宛先登録要求コマンド300の送信元であるHC30に送信する(S215)。これにより、宛先情報登録時の一連のルーチンが終了する。
【0060】
一方、S210の判定で、限界数に達していないと判定された場合(“No”の場合)に、画像読取装置10の主制御部11aは、宛先登録要求コマンド300を解読して、宛先登録を実行し(S220)、さらに、通信部15を介して、宛先登録が実行された旨を表す登録通知を、宛先登録要求コマンド300の送信元であるHC30に送信する(S225)。これにより、宛先情報登録時の一連のルーチンが終了する。
【0061】
なお、S220では、主制御部11aは、データ送信の宛先となるHC30の識別情報302やデータ送信に必要な各種の情報等を表示部14に表示させるとともに、それらの情報を例えば図6Bに示す登録宛先情報400として情報記憶部12aに登録する。
【0062】
図6Bは、登録宛先情報の一例を示す図である。図6Bに示す例では、登録宛先情報400は、識別情報401や、ホスト名称402、ユーザ設定登録名称403、認証用データ404、登録日時405、使用日時406等の情報を含む構成となっている。
【0063】
なお、識別情報401、ホスト名称402、及び、ユーザ設定登録名称403は、それぞれ、宛先登録要求コマンド300に含まれていた識別情報302、送信元ホスト名称303、ユーザ設定登録名称304に対応する情報である。また、認証用データ404は、宛先登録要求コマンド300のその他のデータ305に含まれていた認証用データに対応する情報である。また、登録日時405、及び、使用日時406は、それぞれ、登録宛先情報400の登録日時、及び、使用日時を表す情報である。
【0064】
(2)プッシュスキャン機能実行時の動作
画像読取システム1は、HC30及び画像読取装置10に電源が投入されることにより、処理を開始する。ここでは、図3Aに示すように、まず、画像読取装置10は、オペレータによって読取対象の原稿が画像読取装置10の画像読取部16に設置される(S305)。なお、ここでは、HC30は、画像読取装置10のプッシュスキャン機能に対応可能な状態になっているものとして説明する。
【0065】
次に、画像読取装置10は、主制御部11aが図示せぬ初期画面を表示部14に表示させる。そして、画像読取装置10は、オペレータによって操作部13が操作されて、プッシュスキャン機能を実行するモードが選択されると、主制御部11aがプッシュスキャン機能のメニュー画面を表示部14に表示させる(S310)。ここでは、メニュー画面は、例えば、図7(a)に示す画面になっているものとする。
【0066】
なお、図7は、実施形態1に係る画像読取装置の表示画面の一例を示す図である。図7(a)は、メニュー画面としての、スキャナや、コピー、FAX等の機能をオペレータに選択させるための機能選択画面を示している。また、図7(b)は、プッシュスキャンや、スキャンtoEメール、スキャンtoUSBメモリ等の出力形式をオペレータに指定させるための形式指定画面を示している。図7(c)は、宛先をオペレータに選択させるための宛先選択画面を示している。
【0067】
ここでは、オペレータが、図7(a)に示すメニュー画面としての機能選択画面で「スキャナ」機能を選択し、図7(b)に示す形式指定画面で「プッシュスキャン」を選択するものとする。これに応答して、画像読取装置10の主制御部11aが、図7(c)に示す宛先選択画面を表示部14に表示させる(S315)。
【0068】
このとき、画像読取装置10は、主制御部11aがその時点で情報記憶部12aに登録されている登録宛先情報400(図6B参照)があるか否かを判定する(S320)。
【0069】
S320の判定で、登録宛先情報400があると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、情報記憶部12aから登録宛先情報400(図6B参照)を読み出し、登録宛先情報400の一部又はすべてのリストを表示部14に表示させる(S325)。
【0070】
これにより、画像読取装置10は、画像データの送信先の選択をオペレータに促す。その結果、オペレータが、表示部14に表示された登録宛先情報400のリストの中からデータ送信に使用される所望の宛先情報の選択操作を行い、さらに、プッシュスキャン機能の実行開始の指示操作を行う。この後、処理は、「A1」を介して、図3Bに示すS330に進む。
なお、表示された登録宛先情報400のリストの中に、所望の宛先情報がない場合に、オペレータは、プッシュスキャン機能の実行終了の指示操作を行う。
【0071】
一方、S320の判定で、登録宛先情報400がないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、「B1」を介して、図3Bに示すS371に進む。この場合に、主制御部11aは、エラー理由として「登録宛先情報400がない」旨を表示部14に表示させる(S371)。そして、主制御部11aは、プッシュスキャン機能の実行を終了する(S375)。これにより、プッシュスキャン機能実行時の一連のルーチンが終了する。
【0072】
S325の後、主制御部11aは、オペレータによる宛先情報の選択操作があるか否かを判定する(S330)。
S330の判定で、宛先情報の選択がないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S375に進む。この場合に、主制御部11aは、プッシュスキャン機能の実行を終了する(S375)。これにより、プッシュスキャン機能実行時の一連のルーチンが終了する。
【0073】
一方、S330の判定で、宛先情報の選択があると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、オペレータによるプッシュスキャン機能の実行開始の指示操作を検出すると(S335)、図示せぬプッシュスキャン開始要求コマンドを生成し、通信部15を介して、生成されたプッシュスキャン開始要求コマンドをHC30に送信する(S340)。
【0074】
なお、「プッシュスキャン開始要求コマンド」は、プッシュスキャン機能の実行開始をHC30に要求するコマンドである。プッシュスキャン開始要求コマンドは、画像読取装置10の識別情報を含んでいる。
【0075】
HC30は、画像読取装置10からプッシュスキャン開始要求コマンドを受信すると、要求を受け付けるか否かを判定する。
要求を受け付ける場合に、HC30は、要求を受け付ける旨の応答(以下、「要求受理応答」と称する)を、プッシュスキャン開始要求コマンドに含まれている識別情報の画像読取装置10に送信するとともに、画像データの受信待ち状態となる。そして、HC30は、画像データを受信すると、画像データを所定のフォーマットに変換して、データ保存部32cに保存する。
一方、要求を受け付けない場合に、HC30は、要求を受け付けない旨の応答(以下、「要求不受理応答」と称する)を、プッシュスキャン開始要求コマンドに含まれている識別情報の画像読取装置10に送信する。
【0076】
S340の後、画像読取装置10は、通信部15が、HC30から要求受理応答又は要求不受理応答を受信する。このとき、主制御部11aが、HC30から要求受理応答の受信があったか否かを判定する(S345)。
【0077】
S345の判定で、要求受理応答の受信がないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S371に進む。この場合に、主制御部11aは、エラー理由として「要求受理応答の受信がない」旨を表示部14に表示させる(S371)。そして、主制御部11aは、プッシュスキャン機能の実行を終了する(S375)。これにより、プッシュスキャン機能実行時の一連のルーチンが終了する。
【0078】
一方、S345の判定で、要求受理応答の受信があると判定された場合(“Yes”の場合)に、画像読取装置10とHC30との間で、画像読取装置10を制御するスキャナコマンド通信がネットワーク50を介して行われる。その結果、画像読取装置10は、HC30からのスキャナコマンドによる制御を受けて、原稿の画像の読み取り及び画像データの送信を行う(S350)。具体的には、画像読取装置10は、主制御部11aが、画像読取部16(図1参照)に原稿の画像を順次読み取らせながら、画像処理部11cに、画像読取部16によって読み取られた原稿の画像データを画像処理させ、さらに、画像処理された画像データを画像データ蓄積部12bに格納させる。そして、主制御部11aが、通信部15を介して、画像データ蓄積部12bに格納された画像データを、HC30に順次送信する。
【0079】
画像データ送信が完了すると、画像読取装置10は、主制御部11aが、現在使用中の宛先情報を継続して使用するか否かを問い合わせる画面(以下、「継続使用問合画面(図示せず)」と称する)を表示部14に表示させる。ここで、「継続使用問合画面」は、例えば、「継続使用する」旨の選択ボタン及び「継続使用しない」旨の選択ボタンを含む構成になっているものとする。オペレータは、継続使用問合画面で「継続使用する」旨の選択ボタン及び「継続使用しない」旨の選択ボタンのいずれか一方を押下する。これに応答して、画像読取装置10の主制御部11aは、オペレータによって押下されたボタンを検出して、現在使用中の宛先情報を継続して使用するか否かを判定する(S355)。
【0080】
S355の判定で、現在使用中の宛先情報を継続して使用すると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理は、S335に戻る。その結果、画像読取装置10は、S335以降の処理を繰り返す。この場合に、画像読取装置10の表示部14に表示された画面は、所望の宛先情報の選択操作後の状態に戻る。これにより、オペレータは、読取対象の原稿を差し替える等した後に、再度、プッシュスキャン機能の実行開始の操作を行うことができる。
【0081】
一方、S355の判定で、現在使用中の宛先情報を継続して使用しないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S360に進む。この場合に、主制御部11aは、現在使用中の宛先情報を削除するか否かを問い合わせる画面(以下、「削除問合画面(図示せず)」と称する)を表示部14に表示させる。ここでは、オペレータは、削除問合画面で「削除する」旨の選択ボタン及び「削除しない」旨の選択ボタンのいずれか一方を押下するものとする。これに応答して、画像読取装置10の主制御部11aは、現在使用中の宛先情報を削除するか否かを判定する(S360)。
【0082】
このとき、主制御部11aは、オペレータによって押下されたボタンの種類が「削除する」旨の選択ボタンである場合に、現在使用中の登録宛先情報400の削除指示を受け付けたものとして処理する。また、主制御部11aは、オペレータによって押下されたボタンの種類が「削除しない」旨の選択ボタンである場合に、現在使用中の登録宛先情報400の使用日時情報406の更新を受け付けたものとして処理する。
【0083】
その結果、S360の判定で、現在使用中の宛先情報を削除すると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、現在使用中の宛先情報に該当する、情報記憶部12aに登録されている登録宛先情報400(図6B参照)を情報記憶部12aから削除する(S365)。そして、主制御部11aは、プッシュスキャン機能の実行を終了する(S375)。これにより、プッシュスキャン機能実行時の一連のルーチンが終了する。
【0084】
一方、S360の判定で、現在使用中の宛先情報を削除しないと判定された場合(“No”の場合)に、主制御部11aは、現在使用中の宛先情報に該当する、情報記憶部12aに登録されている登録宛先情報400(図6B参照)の使用日時情報406の日時を現在時刻に更新する(S370)。そして、主制御部11aは、プッシュスキャン機能の実行を終了する(S375)。これにより、プッシュスキャン機能実行時の一連のルーチンが終了する。
【0085】
このように、画像読取装置10は、原稿の画像データの送信時(S350)に、S370で、宛先として使用された登録宛先情報400の使用日時情報406(図6B参照)を更新する。
【0086】
(3)登録宛先情報削除時の動作
画像読取装置10は、図2に示す宛先情報登録時の動作で、登録宛先情報400が情報記憶部12aに保存されると、登録宛先情報400の保存管理を開始する。このとき、主制御部11aは、時間監視部11bに対して、各登録宛先情報400の前回の使用日時以降の経過時間の計測開始を指示するとともに、時間監視部11bに対して、計測された経過時間が事前に設定された保存有効時間を超える登録宛先情報400がある場合に、その登録宛先情報400の主制御部11aへの通知を指示する。その結果、画像読取装置10は、時間監視部11bが、動作を開始する。
【0087】
ここでは、図4に示すように、まず、画像読取装置10は、時間監視部11bが、情報記憶部12aに登録された各登録宛先情報400(図6B参照)を参照し(S505)、各登録宛先情報400の前回の使用日時以降の経過時間を計測する(S510)。このとき、時間監視部11bは、情報記憶部12aに登録された各登録宛先情報400の使用日時情報406の時刻から現在時刻の差分を算出することによって、各登録宛先情報400の前回使用日時以降の経過時間を計測する。
【0088】
次に、時間監視部11bは、各登録宛先情報400の前回使用日時以降の経過時間と保存有効時間とを比較して、前回使用日時以降の経過時間が保存有効時間を超える登録宛先情報400があるか否かを判定する(S515)。
【0089】
S515の判定で、前回使用日時以降の経過時間が保存有効時間を超える登録宛先情報400がないと判定された場合(“No”の場合)に、時間監視部11bは、保存有効時間を超える登録宛先情報400がない旨の通知を主制御部11aに出力する。これにより、宛先情報削除時の一連のルーチンが終了する。
【0090】
一方、S515の判定で、前回使用日時以降の経過時間が保存有効時間を超える登録宛先情報400があると判定された場合(“Yes”の場合)に、時間監視部11bは、保存有効時間を超える登録宛先情報400がある旨の通知を主制御部11aに出力する。このとき通知された登録宛先情報400は、情報記憶部12aから削除する対象となる。以下、このとき通知された登録宛先情報400を「削除対象の登録宛先情報400」と称する。
【0091】
主制御部11aは、時間監視部11bから保存有効時間を超える登録宛先情報400がある旨の通知が入力されると、削除対象の登録宛先情報400が使用中であるか否かを判定する(S520)。
【0092】
S520の判定で、削除対象の登録宛先情報400が使用中であると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、削除対象の登録宛先情報400の使用が終了したと判定されるまで、削除対象の登録宛先情報400の使用が終了したか否かを繰り返し判定する(S525)。
【0093】
S520の判定で、削除対象の登録宛先情報400が使用中でないと判定された場合(“No”の場合)に、又は、S525の判定で、削除対象の登録宛先情報400の使用が終了したと判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、削除対象の登録宛先情報400を情報記憶部12aから削除する(S530)。これにより、宛先情報削除時の一連のルーチンが終了する。
【0094】
このような画像読取システム1は、以下の特徴を有している。
画像読取装置10は、図4に示すルーチンの処理を実行することにより、時間監視部11bによって計測された前回使用日時以降の経過時間が所定の保存有効時間を超える登録宛先情報400を情報記憶部12aから削除する。その際に、削除対象の登録宛先情報400がオペレータによるプッシュスキャン機能で利用されている間は、削除対象の登録宛先情報400を情報記憶部12aから削除せずに、情報記憶部12aに保存したままの状態とする。そして、画像読取装置10は、オペレータによるプッシュスキャン機能での削除対象の登録宛先情報400の利用が終了するのを待って、削除対象の登録宛先情報400を情報記憶部12aから削除する。
【0095】
また、画像読取装置10は、登録宛先情報400の前回使用日時以降の経過時間が保存有効時間を超えない場合であっても、図3Bに示すS360で、オペレータが削除問合画面で「削除する」旨の選択ボタンを押下したときに、図3Bに示すS365で登録宛先情報400を情報記憶部12aから削除する。
【0096】
また、画像読取装置10は、多数のHC30からプッシュスキャン機能が提供される環境であっても、プッシュスキャン機能の実行時に、画像読取装置10の表示部14に表示される宛先候補を、一定時間(ここでは、予め定められた保存有効時間)内に使用されたHC30に限定することができる。したがって、画像読取装置10は、データの送信頻度の高い宛先候補となるHC30のみを限定して、表示部14に表示することができる。そのため、画像読取装置10は、オペレータが宛先指定を行う際の負担を軽減することができるとともに、オペレータが所望する宛先とは異なる宛先へ画像データを誤送信してしまうことを抑制することができる。
【0097】
さらに、従来の画像読取システムは、永続的に多数の宛先情報を保存することを考慮して画像読取装置を構成する必要があった。そのため、従来の画像読取システムは、コストが高騰する傾向にあった。これに対して、本実施形態1に係る画像読取システム1は、宛先情報が一時的に画像読取装置10の情報記憶部12aに保存されるだけであるので、情報記憶部12aの記憶領域を大きく確保する必要がない。そのため、本実施形態1に係る画像読取システム1は、コストを抑制することができる。
【0098】
以上の通り、本実施形態1に係る画像読取システム1によれば、プッシュスキャン機能の実行時に、画像読取装置10の表示部14に表示される宛先候補を、一定時間(ここでは、予め定められた保存有効時間)内に使用されたHC30に限定することができる。したがって、画像読取システム1によれば、データの送信頻度の高い宛先候補となるHC30のみを限定して、画像読取装置10の表示部14に表示させることができる。
【0099】
[実施形態2]
本実施形態2に係る画像読取システム1Bに用いる画像読取装置10B(図8参照)は、実施形態1に係る画像読取システム1に用いた画像読取装置10(図1参照)と比較すると、一時記憶部12aaと永続(継続)記憶部12abとに区画されている点で相違している。それ以外の構成は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。なお、図8は、実施形態2に係る画像読取システムの構成を示すブロック図である。
【0100】
一時記憶部12aaは、データ送信の宛先情報を一時的に登録する記憶領域である。以下、一時記憶部12aaに登録された宛先情報を「一時宛先情報500a(図示せず)」と称する。
【0101】
永続(継続)記憶部12abは、データ送信の宛先情報を永続(継続)的に登録する記憶領域である。以下、永続記憶部12abに登録された宛先情報を「永続宛先情報500b(図示せず)」と称する。
【0102】
なお、一時宛先情報500a及び永続宛先情報500bは、図6Bに示す登録宛先情報400と同じ形式になっている。一時宛先情報500aは、時限的に削除される。一方、永続宛先情報500bは、一時宛先情報500aと異なり、時限的に削除されることがなく、オペレータが意図的に削除する場合を除いて、永続的に保存される。
【0103】
なお、図8に示す例では、画像読取システム1Bは、1台の画像読取装置10Bと1台のHC30とが接続された構成となっている。しかしながら、画像読取システム1Bは、任意の台数の画像読取装置10Bと任意の台数のHC30とが接続された構成となっていてもよい。
【0104】
以下、図9A〜図9Cを参照して、画像読取システム1Bの動作につき説明する。なお、図9A〜図9Cは、実施形態2に係る画像読取システムのプッシュスキャン機能実行時の動作を示すフローチャートである。ここでは、実施形態1に係る画像読取システム1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1に係る画像読取システム1と同様の動作(図2、図3A、図3B、及び、図4参照)については、前記した実施形態1に係る画像読取システム1の動作を本実施形態2に係る画像読取システム1Bの動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
【0105】
なお、図9A〜図9Cにおいて、図3A及び図3Bに示す実施形態1に係る画像読取システム1の処理とほぼ同様の処理であるものの、一部で相違する処理については、符号の末尾に英文字記号「a」〜「c」を付加して示す。
【0106】
図9Aに示すS320aは、図3Aに示すS320と比較すると、判定の対象が情報記憶部12aの一時記憶部12aaに登録されている一時宛先情報500aとなっている点、及び、一時記憶部12aaに保存されている一時宛先情報500aを対象にして、処理が行われる点で相違する。
図9Aに示すS325aは、図3Aに示すS325と比較すると、登録宛先情報400の一部又はすべてのリストの代わりに、一時宛先情報500aの一部又はすべてのリストが表示部14に表示される点、及び、その表示される画面に後記する図示せぬ「永続登録選択ボタン」と図示せぬ「登録不用選択ボタン」とが含まれている点で相違する。
図9Bに示すS330b〜S375bは、図3Bに示すS330〜S375と比較すると、一時記憶部12aaに保存されている一時宛先情報500aを対象にして、処理が行われる点で相違する。
図9Cに示すS330c〜S375cは、図3Bに示すS330〜S375と比較すると、永続記憶部12abに保存されている永続宛先情報500bを対象にして、処理が行われる点で相違する。
【0107】
本実施形態2に係る画像読取システム1Bの動作の特徴は、実施形態1に係る画像読取システム1と同様の動作が可能であることに加えて、永続記憶部12abに保存された各永続宛先情報500bを個別に利用できる点である。
【0108】
本実施形態2に係る画像読取システム1Bの宛先情報登録時の動作及び登録宛先情報削除時の動作は、実施形態1に係る画像読取システム1の宛先情報登録時の動作(図2参照)及び登録宛先情報削除時の動作(図4参照)と同様であるので、説明を省略する。ただし、本実施形態2では、画像読取システム1Bは、宛先情報登録時に、宛先情報を一時宛先情報500aとして情報記憶部12aの一時記憶部12aaに登録する。
【0109】
図9A〜図9Cに示すように、本実施形態2に係る画像読取システム1Bは、登録宛先情報削除時の動作が、実施形態1に係る画像読取システム1の動作(図3A及び図3B参照)と相違する。したがって、ここでは、本実施形態2に係る画像読取システム1Bの登録宛先情報削除時の動作を重点的に説明する。
【0110】
なお、ここでは、HC30は、画像読取装置10Bのプッシュスキャン機能に対応可能な状態になっているものとして説明する。また、S325aで表示部14に表示される画面は、図7(c)に示す画面に対して、登録宛先情報400の一部又はすべてのリストの代わりに、一時宛先情報500aの一部又はすべてのリストを含み、さらに、図示せぬ「データ送信に使用される宛先情報を永続登録する」旨の選択ボタン(以下、「永続登録選択ボタン」と称する)と図示せぬ「データ送信に使用される宛先情報を永続登録しない」旨の選択ボタン(以下、「登録不用選択ボタン」と称する)とが付加された構成になっているものとして説明する。
【0111】
図9Aに示すように、まず、画像読取装置10Bは、オペレータによって読取対象の原稿が画像読取装置10の画像読取部16に設置される(S305)。すると、画像読取装置10Bは、実施形態1に係る画像読取装置10と同様に、S310〜S315の処理を行う。
【0112】
S315の後、画像読取装置10Bは、情報記憶部12aの一時記憶部12aaに登録されている一時宛先情報500aを対象にして、主制御部11aがその時点で一時記憶部12aaに登録されている一時宛先情報500aがあるか否かを判定する(S320a)。
【0113】
なお、実施形態1では、S320の判定で、一時記憶部12aaに登録されている一時宛先情報500aがないと判定された場合(“No”の場合)に、処理が、「B1」を介して、図3Bに示すS371に進む。これに対し、本実施形態2では、S320aの判定で、一時宛先情報500aがないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S401に進む。この場合に、主制御部11aは、「一時宛先情報が一時記憶部12aaに未登録である」旨を表示部14に表示させる(S401)。ただし、画像読取装置10Bは、これをもってプッシュスキャン機能の実行をエラー終了させずに、継続してオペレータの操作の受け付けを可能とする。この後、処理は、S415に進む。
【0114】
なお、S320aの判定で、一時宛先情報500aがあると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、一時記憶部12aaから一時宛先情報500aを読み出し、一時宛先情報500aの一部又はすべてのリストを表示部14に表示させる(S325a)。
【0115】
ただし、S325aでは、このとき表示される画面は、図7(c)に示す画面に対し、前記した図示せぬ「永続登録選択ボタン」と図示せぬ「登録不用選択ボタン」とが付加された構成となっている。したがって、画像読取装置10Bは、これらを表示することにより、画像データの送信先の選択及び宛先情報の永続登録を行うか否かの選択をオペレータに促す。その結果、オペレータが、表示部14に表示された一時宛先情報500aのリストの中から所望の宛先情報の選択操作を行い、続けて、永続登録を行うか否かの選択操作を行い、さらに、プッシュスキャン機能の実行開始の指示操作を行う。
【0116】
なお、実施形態1では、S325の後、処理が、「A1」を介して、図3Bに示すS330に進む。これに対し、本実施形態2では、S405〜S420の処理がS325aとS330bとの間に設けられており、S325aの後、処理が、S405に進む。
【0117】
具体的には、S325aの後、画像読取装置10Bの主制御部11aは、オペレータによって押下されたボタンを検出して、データ送信に使用される、一時記憶部12aaから読み出された一時宛先情報500a(以下、「データ送信に使用される宛先情報」と称する)を、永続記憶部12abに永続登録する否かを判定する(S405)。
【0118】
S405の判定で、データ送信に使用される宛先情報を永続記憶部12abに永続登録すると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、データ送信に使用される宛先情報を永続登録対象の宛先情報とし、その永続登録対象の宛先情報を一時記憶部12aaから永続記憶部12abに複製することにより、永続宛先情報500bを永続記憶部12abに保存させる(S410)。この後、処理は、S415に進む。
【0119】
なお、S405の判定で、データ送信に使用される宛先情報を永続記憶部12abに永続登録しないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S415に進む。
【0120】
S401の後、S410の後、又は、S405の判定で、データ送信に使用される宛先情報を永続記憶部12abに永続登録しないと判定された場合(“No”の場合)に、主制御部11aは、永続宛先情報500bを利用するか否かを問い合わせる画面(以下、「永続宛先情報利用問合画面(図示せず)」と称する)を表示部14に表示させる。ここで、「永続宛先情報利用問合画面」は、例えば、「永続宛先情報500bを利用する」旨の選択ボタン及び「永続宛先情報500bを利用しない」旨の選択ボタンを含む構成になっているものとする。
【0121】
オペレータは、永続宛先情報利用問合画面で「永続宛先情報500bを利用する」旨の選択ボタン及び「永続宛先情報500bを利用しない」旨の選択ボタンのいずれか一方を押下する。これに応答して、画像読取装置10の主制御部11aは、オペレータによって押下されたボタンを検出して、永続宛先情報500bを利用するか否かを判定する(S415)。
【0122】
S415の判定で、永続宛先情報500bを利用しないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、「A2」を介して、図9Bに示すS330bに進む。この場合に、画像読取装置10Bは、一時記憶部12aaに保存されている一時宛先情報500aを対象にして、図9Bに示すS330b以降の処理を行う。
【0123】
したがって、画像読取装置10Bは、S415の判定で、永続宛先情報500bを利用しないと判定された場合(“No”の場合)で、かつ、S330bの判定で、オペレータによる宛先情報の選択操作があると判定された場合(“Yes”の場合)に、一時記憶部12aaに保存されている一時宛先情報500aを対象にして、S335b以降の処理を行う。
【0124】
また、画像読取装置10Bは、S415の判定で、永続宛先情報500bを利用しないと判定された場合(“No”の場合)で、かつ、S330bの判定で、オペレータによる宛先情報の選択操作がないと判定された場合(“No”の場合)に、一時記憶部12aaに保存されている一時宛先情報500aを対象にして、S375b以降の処理を行う。
【0125】
一方、S415の判定で、永続宛先情報500bを利用すると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11aは、永続記憶部12abから永続宛先情報500bを読み出し、永続宛先情報500bの一部又はすべてのリストを表示部14に表示させる(S420)。
【0126】
これにより、画像読取装置10は、画像データの送信先の選択をオペレータに促す。その結果、オペレータが、表示部14に表示された永続宛先情報500bのリストの中から所望の宛先情報の選択操作を行い、さらに、プッシュスキャン機能の実行開始の指示操作を行う。なお、表示された永続宛先情報500bのリストの中に、所望の宛先情報がない場合に、オペレータは、プッシュスキャン機能の実行終了の指示操作を行う。
【0127】
この後、処理は、「A3」を介して、図9Cに示すS330cに進む。この場合に、画像読取装置10Bは、永続記憶部12abに保存されている永続宛先情報500bを対象にして、図9Cに示すS330c以降の処理を行う。
【0128】
したがって、画像読取装置10Bは、S415の判定で、永続宛先情報500bを利用すると判定された場合(“Yes”の場合)で、かつ、S330cの判定で、オペレータによる宛先情報の選択操作があると判定された場合(“Yes”の場合)に、永続記憶部12abに保存されている永続宛先情報500bを対象にして、S335c以降の処理を行う。
【0129】
ただし、この場合に、S355cの判定で、現在使用中の宛先情報を継続して使用しない(“No”)と判定されると、処理は、S370cに進む。そして、主制御部11aは、現在使用中の宛先情報に該当する、永続記憶部12abに登録されている永続宛先情報500bの使用日時情報の日時を現在時刻に更新する(S370c)。
【0130】
また、画像読取装置10Bは、S415の判定で、永続宛先情報500bを利用すると判定された場合(“Yes”の場合)で、かつ、S330cの判定で、オペレータによる宛先情報の選択操作がないと判定された場合(“No”の場合)に、永続記憶部12abに保存されている永続宛先情報500bを対象にして、S375c以降の処理を行う。
【0131】
このように、画像読取装置10Bは、情報記憶部12aを一時記憶部12aaと永続記憶部12abとに区画し、宛先情報を一時宛先情報500aと永続宛先情報500bとの2種類保存する構成となっている。
【0132】
係る構成において、画像読取装置10Bは、主制御部11aが、図2に示すルーチンの処理を実行することにより、HC30の宛先情報を一時宛先情報500aとして一時記憶部12aaに登録させた後、HC30の宛先情報の永続的な登録指示を受け付け場合に、図9AのS410の処理を実行することにより、HC30の宛先情報を永続宛先情報500bとして永続記憶部12abに登録させる。
【0133】
なお、実施形態1に係る画像読取システム1は、プッシュスキャン機能の実行時に、一定時間(ここでは、予め定められた保存有効時間)内に、HC30の宛先情報がデータ送信の宛先として使用されていなければ、そのHC30の宛先情報をデータ送信の宛先情報として利用することができない。したがって、実施形態1に係る画像読取システム1は、一定時間内に使用されていないHC30の宛先情報をデータ送信の宛先情報として利用するためには、HC30がプッシュスキャン機能の実行に際して事前に宛先登録要求コマンド300を送信しておく必要がある。
【0134】
これに対して、本実施形態2に係る画像読取システム1Bは、画像読取装置10Bの情報記憶部12aを一時記憶部12aaと永続記憶部12abとに区画し、HC30の宛先情報として一時宛先情報500aと永続宛先情報500bとの2種類保存する。そのため、本実施形態2に係る画像読取システム1Bは、HC30の宛先情報が永続宛先情報500bとして画像読取装置10の永続記憶部12abに一度登録されていれば、プッシュスキャン機能の実行時に、永続記憶部12abに登録されたHC30の宛先情報を、いつでも、データ送信の宛先情報として利用することができる。しかも、画像読取システム1Bは、HC30の宛先情報が永続宛先情報500bとして画像読取装置10の永続記憶部12abに一度登録されていれば、HC30がプッシュスキャン機能の実行に際して事前に宛先登録要求コマンド300を送信しておく必要がない。
【0135】
以上の通り、本実施形態2に係る画像読取システム1Bによれば、実施形態1に係る画像読取システム1と同様に、プッシュスキャン機能の実行時に、画像読取装置10Bの表示部14に表示される宛先候補を、一定時間(ここでは、予め定められた保存有効時間)内に使用されたHC30に限定することができる。したがって、画像読取システム1Bによれば、データの送信頻度の高い宛先候補となるHC30のみを限定して、画像読取装置10Bの表示部14に表示させることができる。
【0136】
また、本実施形態2に係る画像読取システム1Bによれば、HC30の宛先情報が永続宛先情報500bとして画像読取装置10の永続記憶部12abに一度登録されていれば、プッシュスキャン機能の実行時に、永続記憶部12abに登録されたHC30の宛先情報を、いつでも、データ送信の宛先情報として利用することができる。しかも、画像読取システム1Bによれば、HC30の宛先情報が永続宛先情報500bとして画像読取装置10の永続記憶部12abに一度登録されていれば、HC30がプッシュスキャン機能の実行に際して事前に宛先登録要求コマンド300を送信する動作を削除することができる。
【0137】
さらに、本実施形態2に係る画像読取システム1Bによれば、一時宛先情報500aとして登録されたHC30の宛先情報を永続宛先情報500bに簡易に追加登録することができる。その結果、オペレータは、即時的なプッシュスキャン機能の利用ために、HC30から宛先登録コマンド300を画像読取装置10Bに送信させて、HC30の宛先情報を一時宛先情報500aとして画像読取装置10Bの一時記憶部12aaに登録させる操作と、長期的なプッシュスキャン機能の利用のために、画像読取装置10Bの操作部13を操作して、HC30の宛先情報を永続宛先情報500bとして画像読取装置10Bの永続記憶部12abに登録させる操作とをスムーズに行うことができる。
【0138】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0139】
(変形例1)
例えば、宛先登録要求コマンド300及び登録宛先情報400は、適宜変形することができる。図10Aは、宛先登録要求コマンドの変形例を示す図である。また、図10Bは、登録宛先情報の変形例を示す図である。
【0140】
図10Aに示す宛先登録要求コマンド300aは、図6Aに示す宛先登録要求コマンド300に対して、識別情報302の登録の有効時間を規定する保存有効時間情報306が付加された構成となっている。
【0141】
また、図10Bに示す登録宛先情報400aは、図10Aに示す宛先登録要求コマンド300aに対応する形態となっており、図6Bに示す登録宛先情報400に対して、識別情報302の登録の有効時間を規定する保存有効時間情報407が付加された構成となっている。
【0142】
画像読取システム1は、これら宛先登録要求コマンド300a及び登録宛先情報400aを用いることにより、例えば、以下のように動作する。
【0143】
まず、HC30が、宛先登録要求コマンド300aを画像読取装置10に送信する。画像読取装置10は、HC30から宛先登録要求コマンド300aを受信すると、主制御部11aが、宛先登録要求コマンド300aに基づいて、登録宛先情報400aを情報記憶部12aに登録する。このとき、主制御部11aは、宛先登録要求コマンド300aの保存有効時間情報306と同じ値を、登録宛先情報400aの保存有効時間情報407として情報記憶部12aに登録する。
【0144】
なお、画像読取装置10の時間監視部11bは、情報記憶部12aに登録された各登録宛先情報400aの使用日時情報406及び保存有効時間情報407を参照して、使用日時情報406の時刻から現在時刻の差分を算出することによって、前回使用日時以降の経過時間を計測し、さらに、前回使用日時以降の経過時間と保存有効時間情報407によって指定された保存有効時間とを比較する。これにより、時間監視部11bは、前回使用日時以降の経過時間が保存有効時間を超える登録宛先情報400aがある場合に、保存有効時間を超える登録宛先情報400aがある旨の通知を主制御部11aに出力する。これに応答して、主制御部11aは、その登録宛先情報400aを情報記憶部12aから削除する。
【0145】
係る構成では、画像読取装置10は、宛先登録要求コマンド300aの保存有効時間情報306によって指定された保存有効時間に従って、登録宛先情報400の保存及び削除を管理することができる。したがって、係る構成では、オペレータは、宛先情報の登録を要求するHC30側の操作によって、登録宛先情報400の保存有効時間を指定することができる。
【0146】
(変形例2)
また、例えば、実施形態1では、HC30は、オペレータによって選択された任意の画像読取装置10に対して宛先登録要求コマンド300を送信している。しかしながら、HC30は、ネットワーク50上に複数台の画像読取装置10が接続されている場合に、同時に、複数の宛先に対して宛先登録要求コマンド300を送信するようにしてもよい。例えば、HC30は、同時に、スキャンアプリ60が検出した、自身が提供するプッシュスキャン機能に対応したすべての画像読取装置10に対して、宛先登録要求コマンド300を送信するようにしてもよい。
【0147】
(変形例3)
また、例えば、実施形態2では、画像読取装置10Bは、一時宛先情報500aを表示部14に表示した後に、永続宛先情報500bを表示部14に表示する構成となっている。しかしながら、画像読取装置10Bは、一時宛先情報500aを表示部14に表示する前の段階で、永続宛先情報500bを表示部14に表示することができる構成にしてもよい。このような構成は、例えば、一時宛先情報500a及び永続宛先情報500bのいずれか一方を表示させるための選択ボタンを、プッシュスキャン機能のメニュー画面に設けることによって、実現することができる。
【0148】
(変形例4)
また、例えば、実施形態2では、画像読取装置10Bは、一時記憶部12aaに登録された一時宛先情報500aの中からオペレータによって選択された宛先情報を永続記憶部12abに複製することによって、永続宛先情報500bを永続記憶部12abに登録している。しかしながら、画像読取装置10Bは、これ以外の方法で、永続宛先情報500bを永続記憶部12abに登録するようにしてもよい。例えば、オペレータが、HC30を操作して、画像読取装置10Bから、画像読取装置10Bの永続記憶部12abに登録された永続宛先情報500bのリストを取得し、そのリストを編集する。画像読取装置10Bは、HC30からの指示により、その編集されたリストを永続記憶部12abに登録するようにしてもよい。
【0149】
(変形例5)
また、例えば、実施形態2では、画像読取装置10Bは、オペレータがS325cでデータ送信の宛先を選択した後に、S410で永続登録対象の宛先情報である一時宛先情報500aを一時記憶部12aaから永続記憶部12abに複製することにより、永続宛先情報500bを永続記憶部12abに保存している。しかしながら、画像読取装置10Bは、永続宛先情報500bの保存のタイミングを変更することができる。例えば、画像読取装置10Bは、一時宛先情報500aを使用してプッシュスキャン機能を実行し、画像データの送信が完了後に、永続宛先情報500bを保存するようにしてもよい。このような構成は、例えば、画像データの送信が完了後に、使用された一時宛先情報500aを永続登録するか否かをオペレータに間い合わせる画面を表示部14に表示し、永続登録する選択がなされた場合に、使用された一時宛先情報500aを一時記憶部12aaから永続記憶部12abに複製することによって、実現することができる。
【0150】
(変形例6)
また、例えば、実施形態1及び実施形態2では、画像読取装置10,10Bは、前回使用日時以降の経過時間が有効保存時間を超える登録宛先情報400(一時宛先情報500a)を情報記憶部12aから削除する構成となっている。しかしながら、画像読取装置10,10Bは、登録日時以降の経過時間が有効保存時間を超える登録宛先情報400(一時宛先情報500a)を情報記憶部12aから削除するようにしてもよい。なお、「登録日時以降の経過時間」は、時間監視部11bが登録日時情報405(図6B参照)の時刻から現在時刻の差分を算出することによって、計測される。
【0151】
(変形例7)
また、例えば、実施形態1及び実施形態2では、画像読取装置10,10BとHC30とは、ネットワーク50によって接続されている。しかしながら、画像読取装置10,10BとHC30との接続は、画像読取装置10,10BとHC30とが通信可能であれば、ネットワーク50以外によって接続されていてもよい。例えば、画像読取装置10,10BとHC30とは、赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)等によって、接続されていてもよい。
【0152】
(変形例8)
また、例えば、実施形態1及び実施形態2では、HC30がパーソナルコンピュータとして構成されている場合を想定して説明している。しかしながら、HC30は、同様の構成要素を備えていれば、大型のコンピュータや、携帯電話等の小型の端末装置として構成することもできる。
【符号の説明】
【0153】
1 画像読取システム
10,10B 画像読取装置
11 制御部
11a 主制御部
11b 時間監視部
11c 画像処理部
12 記憶部
12a 情報記憶部
12aa 一時記憶部
12ab 永続記憶部
12b 画像データ蓄積部
13 操作部(入力部)
14 表示部
15 通信部
16 画像読取部
30 ホストコンピュータ(HC)
31 制御部
31a スキャンアプリ制御部
31b プッシュスキャン開始要求監視部
31c 画像加工処理部
31d スキャナ制御部
32 記憶部
32a 設定記憶部
32b アプリ記憶部
32c データ保存部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
50 ネットワーク
60 スキャンアプリ
200 ユーザインタフェース画面
201 プッシュスキャン宛先登録ボタン
202 プッシュスキャン開始ボタン
203 読取条件設定ボタン
204 受信画像データの取扱設定ボタン
300,300a 宛先登録要求コマンド
301 宛先登録要求コマンドID
302 送信元の宛先情報(識別情報)
303 送信元ホスト名称
304 ユーザ設定登録名称
305 その他(認証用データ等)
400 登録宛先情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取り、原稿の画像データを、ネットワークを介して接続されたホストコンピュータに送信する画像読取装置において、
前記原稿の画像を読み取り、前記原稿の画像データを生成する画像読取部と、
前記ホストコンピュータの識別情報を登録する情報記憶部と、
前記原稿の画像データの送信時に、前記情報記憶部に登録された前記ホストコンピュータの識別情報をデータ送信の宛先候補として表示する表示部と、
前記表示部に表示された宛先候補の中からオペレータによってデータ送信に使用される宛先の選択を受け付ける入力部と、
前記ホストコンピュータの識別情報の、前回の使用日時以降又は登録日時以降の経過時間を計測する時間監視部と、
各部の動作を制御する主制御部とを有し、
前記主制御部は、
前記時間監視部によって計測された前記経過時間が所定の保存有効時間を超える前記ホストコンピュータの識別情報を前記情報記憶部から削除する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記主制御部は、前記ホストコンピュータの識別情報毎に、使用日時情報及び登録日時情報のいずれか一方又は双方を含む所定の情報を、登録宛先情報として、前記情報記憶部に登録しておき、
前記時間監視部は、前記情報記憶部に登録された前記使用日時情報又は前記登録日時情報のいずれか一方の時刻から現在時刻の差分を算出することによって、前記経過時間を計測する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像読取装置において、
前記主制御部は、前記原稿の画像データの送信時に、前記情報記憶部に登録された、宛先として用いられた前記ホストコンピュータの識別情報の前記使用日時情報を更新する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記主制御部は、前記入力部から前記ホストコンピュータの識別情報の削除指示を受け付けた場合にも、指示された前記ホストコンピュータの識別情報を前記情報記憶部から削除する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記主制御部は、前記ホストコンピュータから、当該ホストコンピュータをデータ送信の宛先候補として登録させるための、当該ホストコンピュータの識別情報を含む宛先登録要求コマンドを受信した場合に、当該宛先登録要求コマンドに基づいて、当該ホストコンピュータの識別情報を前記情報記憶部に登録する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記情報記憶部は、前記ホストコンピュータの識別情報を一時的に登録する一時記憶部と前記ホストコンピュータの識別情報を永続的に登録する永続記憶部とによって構成されており、
前記主制御部は、前記ホストコンピュータの識別情報を前記一時記憶部に登録させた後、当該ホストコンピュータの識別情報の永続的な登録指示を受け付け場合に、前記一時記憶部に登録された当該識別情報を前記永続記憶部に登録させる
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
ネットワークを介して画像読取装置と接続されたコンピュータを、
オペレータからデータ送信の宛先候補として自身を前記画像読取装置に登録させる登録指示を受け付けた場合に、当該登録指示に基づいて、自身の識別情報と当該自身の識別情報の保存有効時間を規定する保存有効時間情報とを含む、宛先登録要求コマンドを前記画像読取装置に送信する登録手段として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像読取装置と、
請求項7に記載されたプログラムがインストールされたコンピュータとを有する
ことを特徴とする画像読取システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate


【公開番号】特開2013−74366(P2013−74366A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210270(P2011−210270)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】