画像読取装置、画像形成装置、画像処理システム及び画像読取方法
【課題】安全性が高くかつ簡便に認証を行うことができる画像読取装置、該画像読取装置を備える画像処理システム、前記画像読取装置又は画像処理システムで使用するシートを作成することができる画像形成装置、及び画像読取方法を提供する。
【解決手段】制御部10は、画像入力部(OC)12又は原稿読取部(ADF)13にセットされた用紙の読取処理を制御する。パターン認識部14は、読み取られた用紙からパターン及び複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。認識部16、設定部17、又は制限解除部18は、制御部10の制御のもと、抽出された複数のパターンの組合せが、組合せ情報に一致するか否かを判定し、一致した場合、利用者の認証、機能の設定、機能の制限解除などの処理とともに、読み取った画像に対して所定の処理(例えば、複写)を行う。
【解決手段】制御部10は、画像入力部(OC)12又は原稿読取部(ADF)13にセットされた用紙の読取処理を制御する。パターン認識部14は、読み取られた用紙からパターン及び複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。認識部16、設定部17、又は制限解除部18は、制御部10の制御のもと、抽出された複数のパターンの組合せが、組合せ情報に一致するか否かを判定し、一致した場合、利用者の認証、機能の設定、機能の制限解除などの処理とともに、読み取った画像に対して所定の処理(例えば、複写)を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚のシートの表裏又は複数枚のシートを組み合わせて使用することにより、利用者の認証、装置の機能設定又は装置の機能制限解除を行うことができる画像読取装置、該画像読取装置を備える画像処理システム、前記画像読取装置及び画像処理システムで使用するシートを作成することができる画像形成装置及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルのようなユーザインタフェースを用いたユーザ認証を行う機会が増加している。例えば、スキャナ装置のような画像読取装置で読み込んだデータをプリンタ又はデジタル複合機などの画像形成装置で印刷する場合、スキャナ装置で読み込んだデータをプリンタ又はデジタル複合機のハードディスクに一旦記録しておき、後に記録したデータを印刷する場合、又は出先のオフィスやコンビニエンスストアなどにあるプリンタで遠隔地にあるサーバ又は記憶装置などに記録された所要のデータを印刷する場合などに、ユーザ認証が行われている。
【0003】
しかし、プリンタ又はデジタル複合機などのタッチパネルを用いたユーザ認証は、ユーザの利便性がよくないため、種々の装置が提案されている。例えば、複数の認証コード(例えば、バーコード)を1つの入力媒体(例えば、紙)に予め印刷しておき、バーコードリーダでそのバーコードを所定の順番で読み取ることにより、ユーザを認証する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、スキャナ装置又はプリンタ装置のみならず、プリンタ機能を有する複写機にファクシミリ機能を搭載したデジタル複合機が普及しており、このような装置においては、画像読取機能又は印刷機能などの拡張に伴い、多機能化が進んでいる。また、スキャナ装置で読み取られたデータ又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置で作成されたドキュメント、グラフィクス等のデータに基づく画像を高速でシート(用紙)に印刷することができる装置が提案されている。例えば、原稿を固定して読み取るブックスキャナ部及び原稿を移動させて読み取るシートスキャナ部の2つの読取部を同時に使用することができる装置が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−345760号公報
【特許文献2】特開平11−27444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置にあっては、バーコードを読み取るためのバーコードリーダを別途設ける必要がある。また、読み取るバーコードの数が多い場合、各バーコードの読み取り順序が煩雑となり利用者の負担が増大し、バーコードの数が少ない場合、第三者がバーコードを試行錯誤に読み取ることで認証されてしまう虞があるという問題を有している。
【0006】
また、特許文献2の装置では、高速で原稿の読み取り又は印刷を行うことができるものの、ユーザの認証又は装置の機能設定などを行うには、タッチパネルのようなユーザインタフェースを用いる必要があり、さらに安全性が高くかつ簡便にユーザの認証又は装置の機能設定などを行うことができる装置が望まれていた。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、読み取った画像から抽出した複数の所定のパターンの組み合わせ及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致するか否かを判定した結果に基づいて、所定の処理を実行することにより、安全性が高くかつ簡便に認証を行うことができる画像読取装置、該画像読取装置を備える画像処理システム、前記画像読取装置又は画像処理システムで使用するシートを作成することができる画像形成装置、及び画像読取方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、前記パターンが抽出されたシート上の画像から組合せ情報を抽出するように構成することにより、認証に要するシートの数を低減することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、前記パターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致する場合、パターン又は組合せ情報が抽出されたシートの後に読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行する構成とすることにより、高速に読み込み処理を行うことができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、前記パターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致する場合、パターン又は組合せ情報が抽出された複数のシートの間で読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行する構成とすることにより、高速に読み込み処理を行うことができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出し、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するように構成することにより、より安全性の高い認証をすることができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から抽出した複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るように構成することにより、高速に読み込み処理を行うことができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るように構成することにより、読取手段の読取方式の差異に拘わらず、認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、前記パターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致しない場合、前記所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることにより、不正な使用を防止することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、暗号化された前記組合せ情報を復号化する手段を備えることにより、認証のための情報が容易に第三者に漏洩することを防止することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、利用者に関する認証情報であることにより、利用者の認証をすることができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、前記処理に対する設定条件であることにより、機能の設定をする場合に認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、前記処理に対する制限解除条件であることにより、機能の制限解除をする場合に認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0019】
また、本発明の他の目的は、画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0020】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことにより、より安全性が高くかつ簡便に認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0021】
また、本発明の他の目的は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることにより、認証に用いるシートの使用方法を安全に確認することができる画像形成装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明の他の目的は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることにより、認証に用いるシートの使用方法を容易に保持することができる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
また、本発明の他の目的は、復号化された組合せ情報をシート上に形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る画像読取装置は、シート上に記録された画像を読み取る読取手段を備え、該読取手段で読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置において、前記読取手段で読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、前記読取手段で読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段とを備え、該判定手段で判定した結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る画像読取装置は、前記第2の抽出手段は、前記第1の抽出手段で前記パターンが抽出されたシート上の画像から前記組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る画像読取装置は、前記判定手段で一致すると判定した場合、前記パターン又は組合せ情報が抽出されたシートの後に読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る画像読取装置は、前記読取手段で読み取ったシート上の画像を記憶する記憶手段を備え、前記判定手段で一致すると判定した場合、前記記憶手段で記憶され、前記パターン又は組合せ情報が抽出された複数のシートの間で読み取られたシート上の画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0029】
本発明に係る画像読取装置は、読取手段を複数備え、前記第1の抽出手段は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出するようにしてあり、前記第2の抽出手段は、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0030】
本発明に係る画像読取装置は、読取手段を複数備え、前記第1及び第2の抽出手段夫々は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあり、前記判定手段で一致すると判定した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るようにしてあることを特徴とする。
【0031】
本発明に係る画像読取装置は、前記読取手段は、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るようにしてあることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る画像読取装置は、前記判定手段で一致しないと判定した場合、前記所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る画像読取装置は、暗号化された前記組合せ情報を復号化する手段を備えることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、利用者に関する認証情報であり、該認証情報を用いて利用者を認証するようにしてあることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、前記処理に対する設定条件であり、該設定条件に従って実行すべき処理に対する設定を行う手段を備えることを特徴とする。
【0036】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、前記処理に対する制限解除条件であり、該制限解除条件に従って実行すべき処理に対する制限解除を行う手段を備えることを特徴とする。
【0037】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことを特徴とする。
【0038】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る画像読取装置で読み取る画像をシート上に形成する画像形成手段を備えることを特徴とする。
【0039】
本発明に係る画像形成装置は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0040】
本発明に係る画像形成装置は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることを特徴とする。
【0041】
本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成手段は、復号化された組合せ情報をシート上に形成するようにしてあることを特徴とする。
【0042】
本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成手段は、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するようにしてあることを特徴とする。
【0043】
本発明に係る画像処理システムは、シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置と、該画像読取装置で実行する処理の実行可否の判定処理を行う情報処理装置とを備える画像処理システムにおいて、前記読取装置は、読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、両抽出手段で抽出された複数のパターン及び組合せ情報を前記情報処理装置へ出力する出力手段とを備え、前記情報処理装置は、前記出力手段で出力された複数のパターン及び組合せ情報を取得する手段と、該手段で取得された複数のパターンの組み合わせが、前記手段で取得された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果を前記読取装置へ出力する手段とを備え、前記読取装置は、前記手段で出力された判定結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする。
【0044】
本発明に係る画像読取方法は、シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取方法において、読み取った画像から複数の所定のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出し、抽出された複数のパターンの組み合わせが、抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定し、判定した結果に基づいて、所定の処理を実行することを特徴とする。
【0045】
本発明にあっては、第1の抽出手段は、シート(例えば、紙媒体)上に記録された画像から複数の所定のパターンを抽出し、第2の抽出手段は、シート上に記録された画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。例えば、利用者が、シート上に記録された画像として表された複数のパターンを、シート上に記録された画像として表された組合せになるようにシート上に記録された画像を読取手段で読み取らせた場合、判定手段は、前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致すると判定し、所定の処理(例えば、原稿用シートの複写、原稿用シートから読み取ったデータの記憶又は送信など)を実行する。一方、利用者が、シート上に記録された画像として表された複数のパターンを、シート上に記録された画像として表された組合せとは異なるようにシート上に記録された画像を読取手段で読み取らせた場合、判定手段は、前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致しないと判定する。
【0046】
本発明にあっては、1枚のシートにパターン及び組合せ情報の両者が表されている場合でも、第2の抽出手段は、前記パターン及び組合せ情報を抽出する。
【0047】
本発明にあっては、利用者が、パターン又は組合せ情報が表されたシートの後に原稿用のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記読取手段で読み取った原稿用のシート上の画像に対して所定の処理を実行する。
【0048】
本発明にあっては、利用者が、原稿用のシートを間に挟んでパターン又は組合せ情報が表された複数のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、記憶手段は読み取られたシート上の画像を記憶する。複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記記憶手段で記憶された原稿用のシート上の画像に対して所定の処理を実行する。
【0049】
本発明にあっては、パターンが表されているシート上の画像を一の読取手段で読み取り、組合せ情報が表されているシート上の画像を他の読取手段で読み取る。これにより、利用者は、パターンが表されているシート及び組合せ情報が表されているシートを別々の読取手段を併用して読み取る。
【0050】
本発明にあっては、利用者がパターン又は組合せ情報が表されたシートを一の読取手段で読み取らせ、原稿用のシートを他の読取手段で読み取らせる場合に、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記他の読取手段は、原稿用のシート上に記録された画像を読み取る。
【0051】
本発明にあっては、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るようしているため、複数のシートを順番に読み取る方法、又は複数のシートを並置させて読み取る方法でシート上の画像を読み取る。
【0052】
本発明にあっては、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致しないと判定した場合、所定の処理(例えば、原稿用シートの複写、原稿用シートから読み取ったデータの記憶又は送信など)の実行を禁止する。
【0053】
本発明にあっては、組合せ情報が暗号化されて表されたシート上の画像を読取手段で読み取って、暗号化された組合せ情報を復号化する。
【0054】
本発明にあっては、組合せ情報は、利用者に関する認証情報であるため、シートを読み込むことにより利用者を認証する。
【0055】
本発明にあっては、組合せ情報は、装置が実行する処理の設定条件(例えば、複写又はデータの送信など)であるため、シートを読み込むことにより処理の設定をする。
【0056】
本発明にあっては、組合せ情報は、装置が実行する処理の制限解除条件(例えば、読取手段の使用可否、複写枚数の上限など)であるため、シートを読み込むことにより処理の制限解除をする。
【0057】
本発明にあっては、組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことにより、例えば、パターンが表された1枚のシートの表裏、複数の前記シートの重ね合わせの順序、複数の前記シートの読取手段での配置方法などの組合せを定める。
【0058】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する。
【0059】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する。
【0060】
本発明にあっては、復号化された組合せ情報をシート上に形成することにより、パターンが表されたシートの組合せ方法が利用者に識別可能なシートを作成する。
【0061】
本発明にあっては、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成することにより、パターンが表されたシートを組み合わせる場合に利用者が容易に組み合わせることができるシートを作成する。
【0062】
本発明にあっては、第1の抽出手段は、シート上に記録された画像から複数のパターンを抽出し、第2の抽出手段は、シート上に記録された画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。読取装置は、抽出したパターン及び組合せ情報を情報処理装置へ出力する。情報処理装置は、前記パターン及び組合せ情報を取得し、取得した複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致するか否かを判定した判定結果を前記読取装置へ出力する。該読取装置は、出力された判定結果に基づいて、所定の処理(例えば、原稿用シートの複写、原稿用シートから読み取ったデータの記憶又は送信など)を実行する。
【発明の効果】
【0063】
本発明にあっては、読み取った画像から抽出した複数の所定のパターンの組み合わせ及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致するか否かを判定した結果に基づいて、所定の処理を実行する。これにより、仮にパターンが表された1又は複数のシートが盗難又は複製された場合であっても、該シートの組合せ方法まで漏洩することはなく、パターンが表されたシート、及び該パターンの組合せ情報の両者が揃って初めて所定の処理を実行するための認証が行われる。従って、単一物のみによる認証に比較して不正使用に対する安全性が向上する。また、シートに記録されたパターン及び組合せ情報を抽出することにより、認証を行うことができるため、バーコードリーダのような別個の装置又はタッチパネルでの入力操作を必要とせず、また、読取手段で読み取るシートを使用すれば足りるため、安価でかつ簡便に認証を行うことができ、利用者にとって利便性が向上する。
【0064】
本発明にあっては、1枚のシートにパターン及び組合せ情報の両者が表されている場合でも、前記パターン及び組合せ情報を抽出することができ、組合せ情報が表されたシートを用いる必要がなく、認証に要するシートの数を低減することができる。
【0065】
本発明にあっては、利用者が、パターン又は組合せ情報が表されたシートの後に原稿用のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記読取手段で原稿用のシート上の画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行することにより、認証のためのシートの読み込み及び原稿用のシートの読み込みを連続して行えるため、原稿用シートの読み込みの際に認証を行うことができ、高速に読み込み処理を行うことができる。
【0066】
本発明にあっては、利用者が、原稿用のシートを間に挟んでパターン又は組合せ情報が表された複数のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、記憶された原稿用のシート上の画像に対して所定の処理を実行することにより、認証のためのシートの読み込み及び原稿用のシートの読み込みを連続して行えるため、原稿用シートの読み込みの際に認証を行うことができ、高速に読み込み処理を行うことができる。
【0067】
本発明にあっては、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出し、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するように構成することにより、両者の読取手段を併用して認証するため、より安全性の高い認証を行うことができる。
【0068】
本発明にあっては、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から抽出した複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るように構成することにより、認証のためのシートの読み込み及び原稿用のシートの読み込みを同時に行うことができ、高速に読み込み処理を行うことができる。
【0069】
本発明にあっては、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るように構成することにより、1枚のシートの表裏を順番に読み取る方法、複数枚のシートを順番に読み取る方法、又は複数のシートを並置させて読み取る方法などを用いることができる。
【0070】
本発明にあっては、シートに表されたパターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致しない場合、所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることにより、認証が得られない場合など不正な使用があった場合、所定の処理が実行されることを禁止して、不正使用を防止することができる。
【0071】
本発明にあっては、暗号化された組合せ情報を復号化する手段を備えることにより、組合せ情報を暗号化したシートを用いることができ、認証のための情報が容易に第三者に漏洩することを防止することができる。
【0072】
本発明にあっては、組合せ情報は、利用者に関する認証情報であることにより、利用者の認証をすることができる。
【0073】
本発明にあっては、組合せ情報は、処理に対する設定条件であることにより、機能の設定する場合にタッチパネルからの複雑な操作が不要となり簡便に認証することができる。
【0074】
本発明にあっては、組合せ情報は、処理に対する制限解除条件であることにより、機能の制限解除する場合にタッチパネルからの複雑な操作が不要となり簡便に認証することができる。例えば、読取手段を複数備える場合、一の読取手段で認証された間だけ、他の読取手段を使用可能にすることもできる。
【0075】
本発明にあっては、組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことにより、例えば、パターンが表された1枚のシートの表裏、複数の前記シートの重ね合わせの順序、複数の前記シートの読取手段での配置方法などの組合せを定めることができ、より安全性が高くかつ簡便に認証することができる。
【0076】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることにより、例えば、シートを作成する場合、認証に用いるシートの使用方法を利用者だけが安全に確認することができる。
【0077】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることにより、認証に用いるシートの使用方法をデータとして外部記憶装置に記憶しておき、後に記憶したデータを使用することができ、認証に用いるシートの使用方法を容易に保持することができる。また、使用方法を忘れてしまった場合でも、利用者は容易に使用方法を確認することができる。
【0078】
本発明にあっては、復号化された組合せ情報をシート上に形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシート(説明シート)を作成することができ、利用者は、説明シートを見ながら、認証用のシートを読取手段で読み取らせることができる。
【0079】
本発明にあっては、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシートを作成することができ、利用者は、容易に認証用のシートを読取手段で読み取らせることができる。
【0080】
本発明にあっては、読取装置で抽出したパターン及び組合せ情報を情報処理装置へ出力し、該情報処理装置で取得した複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致するか否かを判定することにより、認証のための処理を画像読取装置で行う必要がない。このため、例えば、複数の画像読取装置がある場合、該画像読取装置各々で利用者が行う認証のための処理を情報処理装置で集中的に行うことができ、認証のための情報管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
実施の形態1
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。図において、1はスキャナ装置のような画像読取装置である。画像読取装置1は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部10を備える。制御部10には、内部バスを介して通信部11、画像入力部(OC)12、原稿読取部(ADF)13、パターン認識部14、記憶部15、認証部16、設定部17、制限解除部18、ユーザインタフェース部19などが接続されており、制御部10は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0082】
画像読取装置1には、通信線4を介してプリンタのような画像形成装置2、利用者の端末装置として機能するパーソナルコンピュータ(PC)3が接続されている。画像形成装置2は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部20を備える。制御部20には、内部バスを介して画像形成部21、記憶部22、通信部23、ユーザインタフェース部24などが接続されており、制御部20は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0083】
制御部10は、自身の制御手順を示す制御プログラムを予め記憶したROMと、該制御プログラムの実行中に生じるデータを記憶するRAMとを有している。制御部10のCPUがROMに記憶されている制御プログラムをRAMにロードすることにより、制御部10は制御プログラムで示された制御手順に従って画像読取装置1の動作を制御する。
【0084】
画像入力部12は、読取対象の用紙(認証用紙、説明用紙、原稿の用紙、機能の設定用紙、又は機能の制限解除用紙など)が載置されるガラス製の載置台、該載置台に配置された用紙に光を照射する光源、CCDを利用したイメージセンサ、A/D変換器などを備え、前記載置台に載置された用紙上の画像を読み取る。
【0085】
画像入力部12は、所定の読取位置に配置された用紙上の画像をイメージセンサで光電変換してアナログ信号に変換し、得られたアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換する。画像入力部12は、変換して得られたデジタル信号に対して用紙読取時の光源の配向特性、イメージセンサの感度ムラなどの補正を行い、制御部10の制御の下、得られた画像データを記憶部15に記憶する。
【0086】
原稿読取部13は、いわゆる自動原稿送り装置(ADF、Automatic Document Feeder)であり、読取対象の用紙(認証用紙、説明用紙、原稿の用紙、機能の設定用紙、又は機能の制限解除用紙など)を搬送する搬送路、搬送路を移動する用紙の両面に光を照射する光源、CCDを利用したイメージセンサ、A/D変換器などを備え、前記搬送路を移動する用紙上の画像を読み取る。
【0087】
原稿読取部13は、1又は複数枚重ねられた用紙を表裏順番に読み取り、用紙上の画像をイメージセンサで光電変換してアナログ信号に変換し、得られたアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換する。原稿読取部13は、変換して得られたデジタル信号に対して用紙読取時の光源の配向特性、イメージセンサの感度ムラなどの補正を行い、制御部10の制御の下、得られた画像データを取得順に記憶部15に記憶する。
【0088】
通信部11は、パーソナルコンピュータ(PC)3、又は画像形成装置2と通信を行うためのネットワークインタフェース、及び外部ファクシミリ装置とファクシミリ通信を行うためのファクシミリ通信インタフェースなどを備えている。
【0089】
記憶部15は、例えば、HDD装置により構成されており、画像入力部12又は原稿読取部13で取得した画像データを記憶する。
【0090】
ユーザインタフェース部19は、タッチパネル方式の操作パネルであり、利用者の操作指示を受け付ける操作部と、利用者に対して報知する情報を表示する液晶ディスプレイとを備えている。
【0091】
パターン認識部14、認証部16、設定部17、制限解除部18は、いずれもASICで構成されている。パターン認識部14は、制御部10の制御のもと、記憶部11に記憶された画像データからパターン及びパターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。すなわち、パターン認識部14は、認証用紙に記録されたパターンを抽出するとともに、説明用紙に記録された複数のパターンの組み合わせに関する組み合わせ情報又はQRコードに記録された組合せ情報を抽出する。パターン及び組合せ情報の抽出には、エッジ検出などの方法を用いることができる。パターン認識部14は、抽出したパターン及び組合せ情報を認識部16、設定部17、及び制限解除部18へ出力する。
【0092】
図2は認証用紙の一例を示す模式図である。図2に示す例では2枚の認証用紙101、102を組み合わせることにより認証を行う。なお、認証用紙101、102は、利用者の認証、機能設定のための認証、又は機能制限解除のための認証に用いられる。1枚目の認証用紙101の表面には、適宜の模様又は色を付した円形状のパターン101aが記録され、1枚目の認証用紙101の裏面には、適宜の模様又は色を付した正方形状のパターン101bが記録されている。また、2枚目の認証用紙102の表面には、適宜の模様又は色を付した三角形状のパターン102aが記録され、2枚目の認証用紙102の裏面には、適宜の模様又は色を付した長方形状のパターン102bが記録されている。
【0093】
図3は認証用紙の組合せの一例を示す模式図である。図3に示す例では2枚の認証用紙101、102を重ねて原稿読取部13に配置して用紙上のパターンを読み取らせる。原稿読取部13は、1枚目の認証用紙101上のパターンを表面、裏面の順で読み取り、次に2枚目の認証用紙102上のパターンを表面、裏面の順で読み取る。すなわち、パターン認識部14は、パターン101a、101b、102a、102bの順で抽出する。
【0094】
図4は認証用紙の組合せの他の例を示す模式図である。図4に示す例では2枚の認証用紙101、102を画像入力部12の載置台に配置して用紙上のパターンを読み取らせる。認証用紙101、102は、夫々の表面を上側にして、認証用紙101、102を離隔して配置している。すなわち、画像入力部12は、認証用紙101、102の裏面上のパターン101a、102aを同時に読み取る。これにより、パターン認識部14は、パターン101a、102aを同時に抽出する。
【0095】
図5は認証用紙の他の例を示す模式図である。図5に示す例では2枚の認証用紙101、102を組み合わせることにより認証を行う。1枚目の認証用紙101の表面には、適宜の模様又は色を付した円形状のパターン101a、及び用紙の方向(上下左右)、面(表裏)、頁数などを示す指標101cが記録されている。具体的には、指標101cは、矢印の方向は用紙の上方向を示し、模様又は色が用紙の表裏を示し、矢印の中の数字が頁数を示す。1枚目の認証用紙101の裏面には、適宜の模様又は色を付した正方形状のパターン101b、指標101dが同様に記録されている。
【0096】
また、2枚目の認証用紙102の表面には、適宜の模様又は色を付した三角形状のパターン102a、及び認証用紙の方向(上下左右)、面(表裏)、頁数などを示す指標102cが記録されている。2枚目の認証用紙102の裏面には、適宜の模様又は色を付した長方形状のパターン102b、指標102dが同様に記録されている。
【0097】
図6は認証のための説明用紙の一例を示す模式図である。図6に示した説明用紙201は、2枚の認証用紙を順番に重ねて原稿読取部13に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、2枚の認証用紙の読取順、原稿読取部13に配置する際の方向を示している。
【0098】
図7は認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。図7に示した説明用紙202は、2枚の認証用紙を画像入力部12の載置台に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、2枚の認証用紙の配置位置、認証用紙の向きを示している。
【0099】
図8は認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。図8に示した説明用紙203は、図6で示した説明用紙201の内容を暗号化(外観からその内容が認識できない)したQRコード300で表示させることにより、認証用紙の組合せ情報を暗号化し、画像読取装置1でのみ認識できるようにしたものである。説明用紙203のQRコード300は、2枚の認証用紙を順番に重ねて原稿読取部(ADF)13に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、2枚の認証用紙の読取順、原稿読取部13に配置する際の方向を示している。
【0100】
図9は認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。図9に示した説明用紙204は、図7で示した説明用紙202の内容をQRコード301で表示させることにより、認証用紙の組合せ情報を暗号化し、画像読取装置1でのみ認識できるようにしたものである。説明用紙204のQRコード301は、2枚の認証用紙を画像入力部(OC)12の載置台に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、載置台に配置する際の2枚の認証用紙の相対位置、方向を示している。
【0101】
図10は認証のための認証用紙にQRコードが付された場合の一例を示す模式図である。図10に示す例では2枚の認証用紙101、102を組み合わせることにより認証を行う。1枚目の認証用紙101の表面には、適宜の模様又は色を付した円形状のパターン101a、QRコード302が記録され、1枚目の認証用紙101の裏面には、適宜の模様又は色を付した正方形状のパターン101b、QRコード303が記録されている。また、2枚目の認証用紙102の表面には、適宜の模様又は色を付した三角形状のパターン102a、QRコード304が記録され、2枚目の認証用紙102の裏面には、適宜の模様又は色を付した長方形状のパターン102b、QRコード305が記録されている。
【0102】
この場合、各QRコードには、各認証用紙の読み取り順番、配置位置、方向などの組合せ情報を記録している。なお、QRコードは、各認証用紙の表裏面に記録する必要はなく、組合せに係る認証用紙のいずれか1枚の表面又は裏面に組合せ情報を記録してもよい。
【0103】
認証部16は、パターン認識部14から出力された複数のパターン及び組合せ情報に基づいて、出力された複数のパターンの組合せ(複数のパターンの順番、配置位置、方向など)が出力された組合せ情報に一致するか否かを判定する。複数のパターンと組合せ情報との一致には、パターンマッチングなどの方法を用いることができる。
【0104】
認証部16は、複数のパターンと組合せ情報とが一致すると判定した場合、認証テーブル161にアクセスして、一致した組合せパターンに該当する利用者コードが記録されているか否かを判定し、該当する利用者コードが記録されている場合には、その利用者を認証する。
【0105】
図11は認証テーブル161の内容を示す概念図である。認証テーブル161は、各利用者の利用者コードとパターンの組合せとを対応付けて記憶している。例えば、利用者コード「0001」に対応させて、円形、正方形、三角形、及び長方形(夫々適宜の模様又は色が付されている)のパターンの組合せを記憶している。
【0106】
認証テーブル161は、ユーザインタフェース部19又は通信部11を介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)3などから登録、更新、削除などの処理を行うことができる。なお、利用者コードは、各利用者を識別できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、氏名、社員番号、パスワード、暗証番号などでもよい。また、パターンの組合せは、図に示すものに限定されるものではなく、例えば、パターンの図形そのものでなく、図形の特徴を表す情報、その他図形データ、文字、数字又は記号などであってもよい。
【0107】
設定部17は、パターン認識部14から出力された複数のパターン及び組合せ情報に基づいて、出力された複数のパターンの組合せ(複数のパターンの順番、配置位置、方向など)が出力された組合せ情報に一致するか否かを判定する。複数のパターンと組合せ情報との一致には、パターンマッチングなどの方法を用いることができる。
【0108】
設定部17は、複数のパターンと組合せ情報とが一致すると判定した場合、設定テーブル171にアクセスして、一致した組合せパターンに該当する機能の設定コードが記録されているか否かを判定し、該当する機能の設定コードが記録されている場合には、その機能を設定する。
【0109】
図12は設定テーブル171の内容を示す概念図である。設定テーブル171は、ADF(原稿読取部13)に用紙を置いた場合と、OC(画像入力部12)に設定用紙(設定のための認証用紙)を置いた場合とに分けて、各機能を設定する設定コードとパターンの組合せ(より具体的には、パターンが記録された認証用紙の方向、表裏面、頁数などを示す矢印状の指標)とを対応付けて記憶している。例えば、ADFへの置き方の場合には、設定コード「F0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は白抜き矢印を上向きに、2枚目は模様又は色が付された矢印を下向きにする組合せを記憶している。また、OCへの置き方の場合には、設定コード「F0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は白抜き矢印を上向きに、2枚目は模様又は色が付された矢印を下向きにして離隔して配置する組合せを記憶している。この場合、設定される機能は、コピーを2部作成するものである。同様に、設定コード「F0002」の場合、設定される機能は、イメージ送信(スキャン後メール送信)である。
【0110】
設定テーブル171は、ユーザインタフェース部19又は通信部11を介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)3などから登録、更新、削除などの処理を行うことができる。なお、設定される機能は、上述のものに限定されるものではなく、複写時の濃度、縮小拡大、白黒又はカラー、解像度、Nin1、ステープル、パンチ、スキャナ機能、ネットワークスキャナ機能、ファックス機能、発信元、宛先などの設定がある。また、パターンの組合せは、図に示すものに限定されるものではなく、例えば、パターンの図形そのものでなく、図形の特徴を表す情報、その他図形データ、文字、数字又は記号などであってもよい。
【0111】
制限解除部18は、パターン認識部14から出力された複数のパターン及び組合せ情報に基づいて、出力された複数のパターンの組合せ(複数のパターンの順番、配置位置、方向など)が出力された組合せ情報に一致するか否かを判定する。複数のパターンと組合せ情報との一致には、パターンマッチングなどの方法を用いることができる。
【0112】
制限解除部18は、複数のパターンと組合せ情報とが一致すると判定した場合、制限解除テーブル181にアクセスして、一致した組合せパターンに該当する機能の制限解除コードが記録されているか否かを判定し、該当する機能の制限解除コードが記録されている場合には、その機能を制限解除する。なお、認識部16、設定部17、制限解除部18は、いずれも判定結果を制御部10へ出力する。
【0113】
図13は制限解除テーブル181の内容を示す概念図である。制限解除テーブル181は、ADF(原稿読取部13)に用紙を置いた場合と、OC(画像入力部12)に制限解除用紙(制限解除のための認証用紙)を置いた場合とに分けて、各機能の制限解除をする制限解除コードとパターンの組合せ(より具体的には、パターンが記録された認証用紙の方向、表裏面、頁数などを示す矢印状の指標)とを対応付けて記憶している。例えば、ADFへの置き方の場合には、制限解除コード「C0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は模様又は色が付された矢印を上向きに、2枚目は白抜き矢印を下向きにする組合せを記憶している。また、OCへの置き方の場合には、設定コード「C0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は模様又は色が付された矢印を上向きに、2枚目は白抜き矢印を下向きにして離隔して配置する組合せを記憶している。この場合、制限解除される機能は、ADF又はOC使用不可であり、この制限機能が解除されることにより、ADF又はOCは使用可能となる。すなわち、認証用紙をADFで読み込んだ場合は、OCが使用可能となり、認証用紙をOCで読み込んだ場合は、ADFが使用可能となる。また、同様に、制限解除コードが「C0002」の場合、制限解除される機能は、ADFでのコピー枚数の上限である。
【0114】
制限解除テーブル181は、ユーザインタフェース部19又は通信部11を介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)3などから登録、更新、削除などの処理を行うことができる。なお、制限解除される機能は、上述のものに限定されるものではなく、カラー複写禁止の解除、保存したデータの印刷制限(ホールドプリント機能)の解除などがある。また、パターンの組合せは、図に示すものに限定されるものではなく、例えば、パターンの図形そのものでなく、図形の特徴を表す情報、その他図形データ、文字、数字又は記号などであってもよい。
【0115】
画像形成装置2の制御部20は、自身の制御手順を示す制御プログラムを予め記憶したROMと、該制御プログラムの実行中に生じるデータを記憶するRAMとを有している。制御部20のCPUがROMに記憶されている制御プログラムをRAMにロードすることにより、制御部20は制御プログラムで示された制御手順に従って画像形成装置2の動作を制御する。
【0116】
通信部23は、パーソナルコンピュータ(PC)3、又は画像読取装置1と通信を行うためのネットワークインタフェース、及び外部ファクシミリ装置とファクシミリ通信を行うためのファクシミリ通信インタフェースなどを備えている。通信部23は、画像読取装置1又はパーソナルコンピュータ(PC)3などの外部機器から送信されるプリントジョブを受信すると共に、外部機器へ報知する情報を送信する。
【0117】
記憶部22は、例えば、HDD装置により構成されており、通信部23を介して受信したデータを記憶する。
【0118】
ユーザインタフェース部24は、タッチパネル方式の操作パネルであり、利用者の操作指示を受け付ける操作部と、利用者に対して報知する情報を表示する液晶ディスプレイとを備えている。
【0119】
画像形成部21は、画像読取装置1又はパーソナルコンピュータ(PC)3から送信され、通信部23を介して受信したデータ、又は記憶部22に記憶されたデータに基づいて、用紙上に画像を形成する。画像形成部21は、感光体ドラム、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、感光体ドラム表面に静電潜像を形成するレーザ書込装置、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像装置、感光体ドラム表面のトナー像を用紙に転写する転写装置などを備えている。なお、画像形成部21は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式などいずれのものでもよい。
【0120】
画像形成装置2は、制御部20の制御のもと、認証のための用紙(利用者認証のための認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙など)を印刷する。
【0121】
次に本発明に係る画像形成装置2の動作について説明する。図14及び図15は認証のための用紙を作成する場合の画像形成装置2が実行する処理の手順を示すフローチャートである。制御部20は、ユーザインタフェース部24又は通信部23から入力される情報に基づき、認証のための用紙の作成指示があるか否かを判定する(S11)。用紙の作成指示がない場合(S11でNO)、制御部20は、ステップS11の処理を続け、作成指示があるまで待機する。
【0122】
用紙の作成指示がある場合(S11でYES)、制御部20は、用紙のデータ生成の処理を行う(S12)。制御部20は、ユーザインタフェース部24又は通信部23から入力される情報に基づき、説明用紙の出力指示があるか否かを判定する(S13)。説明用紙の出力指示がある場合(S13でYES)、制御部20は、記憶部22に記憶されたデータ又は通信部23を介して受信したデータなどに基づいて、説明用紙の印刷データを作成する(S14)。
【0123】
制御部20は、説明用紙を印刷し(S15)、作成指示された用紙の印刷データを作成する(S16)。説明用紙の出力指示がない場合(S13でNO)、制御部20は、ステップS16の処理を行う。制御部20は、作成指示された用紙を印刷し(S17)、認証のための用紙の使用方法の表示指示があるか否かを判定する(S18)。
【0124】
使用方法の表示指示がある場合(S18でYES)、制御部20は、使用方法の表示データを作成し(S19)、使用方法をユーザインタフェース部24などに表示し(S20)、処理を終了する。使用方法の表示指示がない場合(S18でNO)、制御部20は、処理を終了する。
【0125】
次に、ステップS12の用紙のデータ生成処理について説明する。制御部20は、ユーザインタフェース部24又は通信部23から入力される情報に基づき、利用者認証のための認証用紙の作成指示があるか否かを判定する(S121)。認証用紙の作成指示がある場合(S121でYES)、制御部20は、認証用紙の画像データを生成し(S122)、設定用紙の作成指示があるか否かを判定する(S123)。
【0126】
認証用紙の作成指示がない場合(S121でNO)、制御部20は、ステップS123の処理を行う。設定用紙の作成指示がある場合(S123でYES)、制御部20は、設定用紙の画像データを生成し(S124)、制限解除用紙の作成指示があるか否かを判定する(S125)。設定用紙の作成指示がない場合(S123でNO)、制御部20は、ステップS125の処理を行う。
【0127】
制限解除用紙の作成指示がある場合(S125でYES)、制御部20は、制限解除用紙の画像データを生成し(S126)、説明用紙の画像データを生成する(S127)。制御部20は、認証のための用紙の書式指示を判定する(S128)。制限解除用紙の作成指示がない場合(S125でNO)、制御部20は、ステップS127の処理を行う。
【0128】
指示された書式が指標付である場合(S128で指標付)、制御部20は、用紙の指標データを生成し(S129)、用紙のデータ生成処理を終了する。指示された書式がQRコード付である場合(S128でQRコード付)、制御部20は、用紙の組合せ情報を暗号化したQRコードのデータを生成し(S130)、用紙のデータ生成処理を終了する。指示された書式がパターンのみである場合(S128でパターンのみ)、制御部20は、用紙のデータ生成処理を終了する。
【0129】
図16乃至図19はユーザインタフェース部24又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。図16は認証のための用紙を作成する場合に表示される作成画面500の一例を示している。作成画面500の中央部には、作成する用紙(利用者認証のための認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙)を選択するための認証用紙ボタン501、設定用紙ボタン502、制限解除ボタン503、説明用紙ボタン504が配置されている。また、その下側には、作成処理を実行するOKボタン505、作成処理を中止するキャンセルボタン506が配置されている。これにより、利用者は、認証のための用紙を選択して作成することができる。
【0130】
図17は認証のための用紙を作成する場合に表示される作成画面510の一例を示している。作成画面510の中央部には、作成する用紙の書式を選択するためのパターンのみボタン511、QRコード付ボタン512、指標付ボタン513が配置されている。また、その下側には、書式選択処理を実行するOKボタン514、書式選択処理を中止するキャンセルボタン515が配置されている。これにより、利用者は、認証のための用紙にパターンのみを記録するか、QRコードを記録するか、又は指標を記録するか書式を選択することができる。
【0131】
図18は設定用紙を作成する場合に表示される作成画面520の一例を示している。作成画面520の中央部には、設定する機能を選択するためのコピーボタン521、イメージ送信ボタン522が配置されている。また、その下側には、設定処理を実行するOKボタン523、設定処理を中止するキャンセルボタン524が配置されている。これにより、利用者は、コピー機能、イメージ送信機能を設定することができる。
【0132】
図19は制限解除用紙を作成する場合に表示される作成画面530の一例を示している。作成画面530の中央部には、制限解除する機能を選択するためのADF使用不可ボタン531、ADFのコピー上限ボタン532が配置されている。また、その下側には、制限解除処理を実行するOKボタン533、制限解除処理を中止するキャンセルボタン534が配置されている。これにより、利用者は、ADFの使用不可、コピー上限を解除することができる。
【0133】
次に本発明に係る画像読取装置1の動作について説明する。図20及び図21はOC又はADFの一方を用いて画像読取装置1が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。制御部10は、ユーザインタフェース部19又は通信部11から入力される情報に基づき、読取指示があるか否かを判定する(S41)。読取指示がない場合(S41でNO)、制御部10は、ステップS41の処理を続け、読取指示があるまで待機する。
【0134】
読取指示がある場合(S41でYES)、制御部10は、OCに用紙があるか否かを判定する(S42)。OCに用紙がない場合(S42でNO)、制御部10は、ADFに用紙があるか否かを判定する(S43)。ADFに用紙がない場合(S43でNO)、制御部10は、ステップS42の処理を続け、OC又はADFに用紙がセットされるまで待機する。
【0135】
OCに用紙がある場合(S42でYES)、又はADFに用紙がある場合(S43でYES)、制御部10は、読取処理を実行する(S44)。パターン認識部14は、読み取った用紙からパターンを抽出し(S45)、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の使用方法、すなわち説明用紙の内容)を抽出する(S46)。
【0136】
制御部10は、パターン認識部14での抽出結果に基づき、読み取った用紙1枚毎に正しい組合せ(パターンの組合せが組合せ情報と一致する)であるか否かを判定する(S47)。正しい組合せであると判定した場合(S47でYES)、制御部10は、認証のための用紙があるか否かを判定する(S48)。正しい組合せでないと判定した場合(S47でNO)、制御部10は、エラー表示などのエラー処理を実行し(S53)、処理を終了する。これにより、画像読取装置1は、読取処理の途中であっても、その後の処理を行わない。
【0137】
認証のための用紙があると判定した場合(S48でYES)、制御部10は、ステップS45の処理を行う。認証のための用紙がないと判定した場合(S48でNO)、制御部10は、原稿用の用紙があるか否かを判定する(S49)。これにより、認証のための用紙に重ねて原稿用の用紙がセットされた場合、連続して読み取ることができる。
【0138】
原稿用の用紙があると判定した場合(S49でYES)、制御部10は、原稿データを読み取り(S51)、認証のための用紙があるか否かを判定する(S50)。これにより、認証のための用紙の間に原稿用の用紙を挟んでセットされた場合、連続して読み取ることができる。原稿用の用紙がないと判定した場合(S49でNO)、制御部10は、ステップS50の処理を行う。認証のための用紙があると判定した場合(S50でYES)、制御部10は、ステップS45の処理を行う。認証のための用紙がない判定した場合(S50でNO)、制御部10は、認証・設定・制限解除処理を実行し(S52)、処理を終了する。
【0139】
次に認証・設定・制限解除処理について説明する。制御部10は、読み込んだ全用紙上の画像から抽出された複数のパターンの組合せが組合せ情報と一致した場合、認証部16を制御して、一致した組合せが正しい認証情報(認証テーブル161に記憶されているパターンの組合せと一致する)であるか否か判定する(S521)。正しい認証情報であると判定した場合(S521でYES)、制御部10は、利用者の認証が得られたとして、設定部17を制御して、設定情報(機能設定のためのパターンの組合せ)の有無を判定する(S522)。
【0140】
設定情報があると判定した場合(S522でYES)、制御部10は、一致した組合せが正しい設定情報(設定テーブル171に記憶されているパターンの組合せと一致する)であるか否か判定する(S523)。正しい設定情報であると判定した場合(S523でYES)、制御部10は、機能の設定処理を行う(S524)。
【0141】
制御部10は、制限解除部18を制御して、制限解除情報(機能の制限解除のためのパターンの組合せ)の有無を判定する(S525)。制限解除情報があると判定した場合(S525でYES)、制御部10は、一致した組合せが正しい制限解除情報(制限解除テーブル181に記憶されているパターンの組合せと一致する)であるか否か判定する(S526)。正しい制限解除情報であると判定した場合(S526でYES)、制御部10は、機能の制限解除処理を行い(S527)、処理を終了する。
【0142】
設定情報がないと判定した場合(S522でNO)、制御部10は、ステップS525以降の処理を続ける。また、制限解除情報がないと判定した場合(S525でNO)、制御部10は、ステップS527の処理を続ける。また、制御部10は、正しい認証情報でないと判定した場合(S521でNO)、正しい設定情報でないと判定した場合(S523でNO)、又は正しい制限解除情報でないと判定した場合(S526でNO)、読み込んだ原稿データを廃棄し、エラー表示などのエラー処理を実行し(S528)、認証・設定・制限解除処理を終了する。
【0143】
図22及び図23は認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの一例を示す模式図である。図22は、パターンが記録された2枚の認証用紙101、102に重ねて、原稿用の用紙P、…を重ねる例を示している。また、図23は、認証用紙101と102との間に原稿用の用紙P、…を重ねる例を示している。なお、認証用紙101、102は、利用者認証のための認証用紙、説明用紙、設定用紙、制限解除用紙のいずれか、又はこれらの組合せであってもよい。また、図においては、2枚の認証用紙を用いているが、枚数はこれに限定されるものではない。例えば、1枚目に説明用紙、2枚目、3枚目に利用者認証のための認証用紙、3枚目、4枚目に設定用紙、5枚目、6枚目に制限解除用紙などを組み合わせても良い。また、説明用紙の内容(すなわち、パターンの組合せ情報)が認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の中にQRコード等で記録されている場合は、説明用紙を一緒に重ねる必要はない。また、認証用紙の1枚目だけに説明用紙の内容をQRコード等で記載しておき、該QRコードに重ねられた複数の認証用紙の組合せ情報を記載することもできる。
【0144】
図24及び図25はOC及びADFを同時に併用して画像読取装置1が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。図24及び図25は、OCに認証用紙、設定用紙、又は制限解除用紙をセットし、ADFに説明用紙、原稿をセットする場合を示すが、これに限定されるものではない。制御部10は、ユーザインタフェース部19又は通信部11から入力される情報に基づき、読取指示があるか否かを判定する(S61)。読取指示がない場合(S61でNO)、制御部10は、ステップS61の処理を続け、読取指示があるまで待機する。
【0145】
読取指示がある場合(S61でYES)、制御部10は、OCに用紙があるか否かを判定する(S62)。OCに用紙がない場合(S62でNO)、制御部10は、ステップS62の処理を続け、OCに用紙がセットされるまで待機する。
【0146】
OCに用紙がある場合(S62でYES)、制御部10は、ADFに用紙があるか否かを判定する(S63)。ADFに用紙がない場合(S63でNO)、制御部10は、ステップS63の処理を続け、ADFに用紙がセットされるまで待機する。これにより、制御部10は、OC及びADFに用紙がセットされるまで待機する。
【0147】
ADFに用紙がある場合(S63でYES)、制御部10は、OCでの読取処理(S64)及びADFでの読取処理(S71)を並列に実施する。以下、便宜上OCでの読取り処理について説明し、次にADFでの読取り処理について説明するが、ステップS64以降の処理、及びステップS71以降の処理は、並列に行われる。
【0148】
ステップS64で、OCで読取り処理を行った後、パターン認識部14は、読み取った用紙からパターンを抽出する(S65)。制御部10は、認証のための用紙があるか否かを判定する(S66)。認証のための用紙があると判定した場合(S66でYES)、制御部10は、ステップS65の処理を続ける。
【0149】
認証のための用紙がないと判定した場合(S66でNO)、制御部10は、ADFで説明用紙の読取りを完了したか否かを判定する(S67)。ADFで説明用紙の読取りを完了していない場合(S67でNO)、制御部10は、ステップS67の処理を続け、ADFで説明用紙の読取りが完了するまで待機する。
【0150】
ADFで説明用紙の読取りを完了した場合(S67でYES)、制御部10は、パターン認識部14での抽出結果に基づき、読み取った用紙1枚毎に正しい組合せ(パターンの組合せが組合せ情報と一致する)であるか否かを判定する(S68)。正しい組合せであると判定した場合(S68でYES)、制御部10は、認証・設定・制限解除処理を実行し(S69)、処理を終了する。なお、認証・設定・制限解除処理(S69)は、図20の認証・設定・制限解除処理(S52)と同一であるため、説明は省略する。
【0151】
正しい組合せでないと判定した場合(S68でNO)、制御部10は、エラー表示などのエラー処理を実行し(S70)、処理を終了する。
【0152】
一方、ステップS71で、ADFで読取り処理を行った後、パターン認識部14は、読み取った用紙から組合せ情報(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の使用方法)を抽出する(S72)。制御部10は、説明用紙があるか否かを判定する(S73)。説明用紙があると判定した場合(S73でYES)、制御部10は、ステップS72の処理を続ける。説明用紙がないと判定した場合(S73でNO)、制御部10は、エラー処理が実行されたか否かを判定する(S74)。
【0153】
エラー処理が実行されていない場合(S74でNO)、制御部10は、原稿を読取り(S75)、原稿用の用紙があるか否かを判定する(S76)。原稿用の用紙があると判定した場合(S76でYES)、制御部10は、ステップS74以降の処理を続ける。原稿用の用紙がないと判定した場合(S76でNO)、制御部10は、ステップS69以降の処理を続ける。
【0154】
エラー処理が実行された場合(S74でYES)、制御部10は、原稿用の用紙の読取りを中止し(S77)、すでに読取った原稿データを廃棄し(S78)、処理を終了する。
【0155】
図26及び図27はOC及びADFを同時に併用して画像読取装置1が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。図26及び図27は、OCに組合せ情報を有する認証用紙をセットし、ADFに原稿用の用紙をセットする場合を示すが、これに限定されるものではなく、ADFに認証用紙をセットし、OCに原稿用の用紙をセットすることもできる。制御部10は、ユーザインタフェース部19又は通信部11から入力される情報に基づき、読取指示があるか否かを判定する(S81)。読取指示がない場合(S81でNO)、制御部10は、ステップS81の処理を続け、読取指示があるまで待機する。
【0156】
読取指示がある場合(S81でYES)、制御部10は、OCに用紙があるか否かを判定する(S82)。OCに用紙がない場合(S82でNO)、制御部10は、ステップS82の処理を続け、OCに用紙がセットされるまで待機する。
【0157】
OCに用紙がある場合(S82でYES)、制御部10は、ADFに用紙があるか否かを判定する(S83)。ADFに用紙がない場合(S83でNO)、制御部10は、ステップS83の処理を続け、ADFに用紙がセットされるまで待機する。これにより、制御部10は、OC及びADFに用紙がセットされるまで待機する。
【0158】
ADFに用紙がある場合(S83でYES)、制御部10は、OCでの読取処理(S84)及びADFでの読取処理(S91)を並列に実施する。以下、便宜上OCでの読取り処理について説明し、次にADFでの読取り処理について説明するが、ステップS84以降の処理、及びステップS91以降の処理は、並列に行われる。
【0159】
ステップS84で、OCで読取り処理を行った後、パターン認識部14は、読み取った用紙からパターンを抽出し(S85)、組合せ情報を抽出する(S86)。制御部10は、パターン認識部14での抽出結果に基づき、読み取った用紙1枚毎に正しい組合せ(パターンの組合せが組合せ情報と一致する)であるか否かを判定する(S87)。
【0160】
正しい組合せであると判定した場合(S87でYES)、制御部10は、認証のための用紙があるか否かを判定する(S88)。認証のための用紙があると判定した場合(S88でYES)、制御部10は、ステップS85の処理を続ける。認証のための用紙がないと判定した場合(S88でNO)、制御部10は、認証・設定・制限解除処理を実行し(S89)、処理を終了する。なお、認証・設定・制限解除処理(S89)は、図20の認証・設定・制限解除処理(S52)と同一であるため、説明は省略する。
【0161】
正しい組合せでないと判定した場合(S87でNO)、制御部10は、エラー表示などのエラー処理を実行し(S90)、処理を終了する。
【0162】
一方、ステップS91で、ADFで読取り処理を行った後、制御部10は、エラー処理が実行されたか否かを判定する(S92)。
【0163】
エラー処理が実行されていない場合(S92でNO)、制御部10は、原稿を読取り(S93)、原稿用の用紙があるか否かを判定する(S94)。原稿用の用紙があると判定した場合(S94でYES)、制御部10は、ステップS92以降の処理を続ける。原稿用の用紙がないと判定した場合(S94でNO)、制御部10は、ステップS89以降の処理を続ける。
【0164】
エラー処理が実行された場合(S92でYES)、制御部10は、原稿用の用紙の読取りを中止し(S95)、すでに読取った原稿データを廃棄し(S96)、処理を終了する。
【0165】
図28及び図29は認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの他の例を示す模式図である。図28は、パターンが記録された2枚の認証用紙111、112に重ねてADFに置き、原稿用の用紙P、…を重ねてOCへ置く例を示している。また、図29は、認証用紙111と112とを載置台に離隔して配置し、原稿用の用紙P、…を重ねてADFへ置く例を示している。なお、認証用紙111、112は、利用者認証のための認証用紙、説明用紙、設定用紙、制限解除用紙のいずれか、又はこれらの組合せであってもよい。また、説明用紙の内容(すなわち、パターンの組合せ情報)が認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の中にQRコード等で記録されている場合は、説明用紙を配置する必要はない。
【0166】
上述の実施の形態では、認証のための用紙の方向(上下左右)、面(表裏)、頁数などを示す矢印状の指標を用いるものであったが、これに限定されるものではない。図30は
認証のための用紙121(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙)の他の例を示す模式図である。図30に示すように、用紙121の表面及び裏面を区別する指標121a、121b、用紙121の上下左右を示す指標121c、121d、121e、121f、121g、121h、121j、121k、用紙121の頁数を示す指標121pを付することにより、用紙121の読取順序、載置台への配置位置、方向などを示す。これにより、利用者は、認証のための用紙を容易にセットすることができる。
【0167】
実施の形態2
上述の実施の形態1においては、複数のパターンの組合せが組合せ情報に一致するか否かの処理を画像読取装置1内で実施する構成であったが、利用者の認証情報、機能設定のための設定情報、機能制限解除のための制限解除情報などをサーバ装置内で管理しておき、必要に応じて画像読取装置1からサーバ装置にアクセスすることにより、認証処理、設定処理、制限解除処理を実行する構成としてもよい。
【0168】
図31は本発明に係る画像読取装置1を備える画像処理システムの構成を示すブロック図である。本画像処理システムは、画像読取装置1と通信線4を介して画像読取装置1に接続されたサーバ装置6とを備えている。また、通信線4には、利用者の端末装置として機能するパーソナルコンピュータ(PC)3、他の画像読取装置1、画像形成装置2などが接続されている。
【0169】
サーバ装置6は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部62を備える。制御部62には、内部バスを介して通信部61、認証部63、設定部64、制限解除部65、通信部61、記憶部66などが接続されており、制御部62は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0170】
なお、ハードウエア各部の動作は、実施の形態1で説明したものと同様である。すなわち、制御部62は制御部10と、認証部63は認証部16と、設定部64は設定部17と、制限解除部65は制限解除部18と同様の機能を有する。また、画像読取装置1は、認証部16、設定部17、制限解除部18がない点を除いて実施の形態1の画像読取装置1と同様である。
【0171】
画像読取装置1は、パターン認識部14で、認証用紙に記録されたパターンを抽出するとともに、説明用紙に記録された複数のパターンの組み合わせに関する組み合わせ情報又はQRコードに記録された組合せ情報を抽出する。制御部10は、通信部11を介して抽出したパターン及び組合せ情報をサーバ装置6へ出力する。
【0172】
サーバ装置6は、画像読取装置1から出力されたパターン及び組合せ情報に基づいて、認証部63で利用者の認証判定処理を行い、設定部64で機能の設定判定処理を行い、制限解除部65で機能の制限解除判定処理を行い、各処理の結果を制御部62の制御のもと、通信部61を介して画像読取装置1へ出力する。
【0173】
画像読取装置1は、サーバ装置6から出力された各処理の結果を取得し、取得した結果に基づいて、装置の使用可否処理、機能の設定処理、機能の制限解除処理を行う。
【0174】
このように本実施の形態では、利用者の認証判定処理、機能の設定判定処理、機能の制限解除処理をサーバ装置6で実施する構成であるため、画像読取装置1が通信線4上に複数接続されている場合であっても、各画像読取装置1、…で認証のための判定処理を行う必要がなく、判定処理に関する情報を記憶しておく必要もない。また、サーバ装置6で複数の画像読取装置1、…の認証のための処理を集中管理して行うこともでき、情報管理の観点から利便性が向上する。
【0175】
実施の形態3
上述の実施の形態1においては、画像読取装置1と画像形成装置とは、別個の装置として構成されるものであったが、画像読取装置1と画像形成装置2とを統合し、例えば、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置をデジタル複合機に適用した構成にすることもできる。
【0176】
図32は本実施の形態3に係るデジタル複合機7の内部構成を示すブロック図である。デジタル複合機7は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部70を備える。制御部70には、内部バスを介して通信部71、画像入力部72、原稿読取部73、パターン認識部74、画像形成部75、記憶部76、認証部77、設定部78、制限解除部79、ユーザインタフェース部80などが接続されており、制御部70は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0177】
制御部70、通信部71、画像入力部72、原稿読取部73、パターン認識部74、画像形成部75、記憶部76、認証部77、設定部78、制限解除部79、ユーザインタフェース部80の各ハードウエアの動作は、夫々制御部10、通信部11、画像入力部12、原稿読取部13、パターン認識部14、画像形成部21、記憶部15、認証部16、設定部17、制限解除部18、ユーザインタフェース部19と同様であるので説明は省略する。
【0178】
以上説明したように、本発明にあっては、用紙上に記録された画像から抽出した複数のパターンの組み合わせ及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致するか否かを判定した結果に基づいて、所定の処理(利用者の認証、機能の設定、機能の制限解除など)を実行する。これにより、仮にパターンが表された1又は複数の用紙が盗難又は複製された場合であっても、該用紙の組合せ方法まで漏洩することはなく、パターンが表された用紙、及び該パターンの組合せ情報の両者が揃って初めて所定の処理を実行するための認証が行われる。従って、単一物のみによる認証に比較して不正使用に対する安全性が向上する。また、用紙に記録されたパターン及び組合せ情報を抽出することにより、認証を行うことができるため、バーコードリーダのような別個の装置又はタッチパネルでの入力操作を必要せず、また、読取手段で読み取る用紙を使用すれば足りるため、安価でかつ簡便に認証を行うことができ、利用者にとって利便性が向上する。
【0179】
上述の実施の形態においては、パターン認識部14、認証部16、設定部17、制限解除部18は、制御部10とは別個のASICで構成されているが、これに限定されるものではなく、制御部10に統合して1つのICチップ内に構成することもできる。
【0180】
上述の実施の形態においては、組合せ情報を暗号化したQRコードを用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、二次元バーコードなど人が外観から認識できないものであれば、いずれのコード用いる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】認証用紙の一例を示す模式図である。
【図3】認証用紙の組合せの一例を示す模式図である。
【図4】認証用紙の組合せの他の例を示す模式図である。
【図5】認証用紙の他の例を示す模式図である。
【図6】認証のための説明用紙の一例を示す模式図である。
【図7】認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。
【図8】認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。
【図9】認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。
【図10】認証のための認証用紙にQRコードが付された場合の一例を示す模式図である。
【図11】認証テーブルの内容を示す概念図である。
【図12】設定テーブルの内容を示す概念図である。
【図13】制限解除テーブルの内容を示す概念図である。
【図14】認証のための用紙を作成する場合の画像形成装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】認証のための用紙を作成する場合の画像形成装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図17】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図18】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図19】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図20】OC又はADFの一方を用いて画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】OC又はADFの一方を用いて画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの一例を示す模式図である。
【図23】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの一例を示す模式図である。
【図24】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図27】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図28】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの他の例を示す模式図である。
【図29】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの他の例を示す模式図である。
【図30】認証のための用紙(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙)の他の例を示す模式図である。
【図31】本発明に係る画像読取装置を備える画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図32】本実施の形態3に係るデジタル複合機の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0182】
1 画像読取装置
2 画像形成装置
3 パーソナルコンピュータ
4 通信線
6 サーバ装置
7 デジタル複合機
10、20、62、70 制御部
12 画像入力部(OC)
13 原稿読取部(ADF)
14、74 パターン認識部
15、22、66、76 記憶部
16、63、77 認識部
17、64、78 設定部
18、65、79 制限解除部
19、24、80 ユーザインタフェース部
21、75 画像形成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚のシートの表裏又は複数枚のシートを組み合わせて使用することにより、利用者の認証、装置の機能設定又は装置の機能制限解除を行うことができる画像読取装置、該画像読取装置を備える画像処理システム、前記画像読取装置及び画像処理システムで使用するシートを作成することができる画像形成装置及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルのようなユーザインタフェースを用いたユーザ認証を行う機会が増加している。例えば、スキャナ装置のような画像読取装置で読み込んだデータをプリンタ又はデジタル複合機などの画像形成装置で印刷する場合、スキャナ装置で読み込んだデータをプリンタ又はデジタル複合機のハードディスクに一旦記録しておき、後に記録したデータを印刷する場合、又は出先のオフィスやコンビニエンスストアなどにあるプリンタで遠隔地にあるサーバ又は記憶装置などに記録された所要のデータを印刷する場合などに、ユーザ認証が行われている。
【0003】
しかし、プリンタ又はデジタル複合機などのタッチパネルを用いたユーザ認証は、ユーザの利便性がよくないため、種々の装置が提案されている。例えば、複数の認証コード(例えば、バーコード)を1つの入力媒体(例えば、紙)に予め印刷しておき、バーコードリーダでそのバーコードを所定の順番で読み取ることにより、ユーザを認証する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、スキャナ装置又はプリンタ装置のみならず、プリンタ機能を有する複写機にファクシミリ機能を搭載したデジタル複合機が普及しており、このような装置においては、画像読取機能又は印刷機能などの拡張に伴い、多機能化が進んでいる。また、スキャナ装置で読み取られたデータ又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置で作成されたドキュメント、グラフィクス等のデータに基づく画像を高速でシート(用紙)に印刷することができる装置が提案されている。例えば、原稿を固定して読み取るブックスキャナ部及び原稿を移動させて読み取るシートスキャナ部の2つの読取部を同時に使用することができる装置が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−345760号公報
【特許文献2】特開平11−27444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置にあっては、バーコードを読み取るためのバーコードリーダを別途設ける必要がある。また、読み取るバーコードの数が多い場合、各バーコードの読み取り順序が煩雑となり利用者の負担が増大し、バーコードの数が少ない場合、第三者がバーコードを試行錯誤に読み取ることで認証されてしまう虞があるという問題を有している。
【0006】
また、特許文献2の装置では、高速で原稿の読み取り又は印刷を行うことができるものの、ユーザの認証又は装置の機能設定などを行うには、タッチパネルのようなユーザインタフェースを用いる必要があり、さらに安全性が高くかつ簡便にユーザの認証又は装置の機能設定などを行うことができる装置が望まれていた。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、読み取った画像から抽出した複数の所定のパターンの組み合わせ及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致するか否かを判定した結果に基づいて、所定の処理を実行することにより、安全性が高くかつ簡便に認証を行うことができる画像読取装置、該画像読取装置を備える画像処理システム、前記画像読取装置又は画像処理システムで使用するシートを作成することができる画像形成装置、及び画像読取方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、前記パターンが抽出されたシート上の画像から組合せ情報を抽出するように構成することにより、認証に要するシートの数を低減することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、前記パターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致する場合、パターン又は組合せ情報が抽出されたシートの後に読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行する構成とすることにより、高速に読み込み処理を行うことができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、前記パターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致する場合、パターン又は組合せ情報が抽出された複数のシートの間で読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行する構成とすることにより、高速に読み込み処理を行うことができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出し、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するように構成することにより、より安全性の高い認証をすることができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から抽出した複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るように構成することにより、高速に読み込み処理を行うことができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るように構成することにより、読取手段の読取方式の差異に拘わらず、認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、前記パターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致しない場合、前記所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることにより、不正な使用を防止することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、暗号化された前記組合せ情報を復号化する手段を備えることにより、認証のための情報が容易に第三者に漏洩することを防止することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、利用者に関する認証情報であることにより、利用者の認証をすることができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、前記処理に対する設定条件であることにより、機能の設定をする場合に認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、前記処理に対する制限解除条件であることにより、機能の制限解除をする場合に認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0019】
また、本発明の他の目的は、画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0020】
また、本発明の他の目的は、前記組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことにより、より安全性が高くかつ簡便に認証することができる画像読取装置、及び該画像読取装置で使用するシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0021】
また、本発明の他の目的は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることにより、認証に用いるシートの使用方法を安全に確認することができる画像形成装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明の他の目的は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることにより、認証に用いるシートの使用方法を容易に保持することができる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
また、本発明の他の目的は、復号化された組合せ情報をシート上に形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシートを作成することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る画像読取装置は、シート上に記録された画像を読み取る読取手段を備え、該読取手段で読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置において、前記読取手段で読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、前記読取手段で読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段とを備え、該判定手段で判定した結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る画像読取装置は、前記第2の抽出手段は、前記第1の抽出手段で前記パターンが抽出されたシート上の画像から前記組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る画像読取装置は、前記判定手段で一致すると判定した場合、前記パターン又は組合せ情報が抽出されたシートの後に読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る画像読取装置は、前記読取手段で読み取ったシート上の画像を記憶する記憶手段を備え、前記判定手段で一致すると判定した場合、前記記憶手段で記憶され、前記パターン又は組合せ情報が抽出された複数のシートの間で読み取られたシート上の画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする。
【0029】
本発明に係る画像読取装置は、読取手段を複数備え、前記第1の抽出手段は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出するようにしてあり、前記第2の抽出手段は、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0030】
本発明に係る画像読取装置は、読取手段を複数備え、前記第1及び第2の抽出手段夫々は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあり、前記判定手段で一致すると判定した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るようにしてあることを特徴とする。
【0031】
本発明に係る画像読取装置は、前記読取手段は、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るようにしてあることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る画像読取装置は、前記判定手段で一致しないと判定した場合、前記所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る画像読取装置は、暗号化された前記組合せ情報を復号化する手段を備えることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、利用者に関する認証情報であり、該認証情報を用いて利用者を認証するようにしてあることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、前記処理に対する設定条件であり、該設定条件に従って実行すべき処理に対する設定を行う手段を備えることを特徴とする。
【0036】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、前記処理に対する制限解除条件であり、該制限解除条件に従って実行すべき処理に対する制限解除を行う手段を備えることを特徴とする。
【0037】
本発明に係る画像読取装置は、前記組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことを特徴とする。
【0038】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る画像読取装置で読み取る画像をシート上に形成する画像形成手段を備えることを特徴とする。
【0039】
本発明に係る画像形成装置は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0040】
本発明に係る画像形成装置は、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることを特徴とする。
【0041】
本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成手段は、復号化された組合せ情報をシート上に形成するようにしてあることを特徴とする。
【0042】
本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成手段は、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するようにしてあることを特徴とする。
【0043】
本発明に係る画像処理システムは、シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置と、該画像読取装置で実行する処理の実行可否の判定処理を行う情報処理装置とを備える画像処理システムにおいて、前記読取装置は、読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、両抽出手段で抽出された複数のパターン及び組合せ情報を前記情報処理装置へ出力する出力手段とを備え、前記情報処理装置は、前記出力手段で出力された複数のパターン及び組合せ情報を取得する手段と、該手段で取得された複数のパターンの組み合わせが、前記手段で取得された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果を前記読取装置へ出力する手段とを備え、前記読取装置は、前記手段で出力された判定結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする。
【0044】
本発明に係る画像読取方法は、シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取方法において、読み取った画像から複数の所定のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出し、抽出された複数のパターンの組み合わせが、抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定し、判定した結果に基づいて、所定の処理を実行することを特徴とする。
【0045】
本発明にあっては、第1の抽出手段は、シート(例えば、紙媒体)上に記録された画像から複数の所定のパターンを抽出し、第2の抽出手段は、シート上に記録された画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。例えば、利用者が、シート上に記録された画像として表された複数のパターンを、シート上に記録された画像として表された組合せになるようにシート上に記録された画像を読取手段で読み取らせた場合、判定手段は、前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致すると判定し、所定の処理(例えば、原稿用シートの複写、原稿用シートから読み取ったデータの記憶又は送信など)を実行する。一方、利用者が、シート上に記録された画像として表された複数のパターンを、シート上に記録された画像として表された組合せとは異なるようにシート上に記録された画像を読取手段で読み取らせた場合、判定手段は、前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致しないと判定する。
【0046】
本発明にあっては、1枚のシートにパターン及び組合せ情報の両者が表されている場合でも、第2の抽出手段は、前記パターン及び組合せ情報を抽出する。
【0047】
本発明にあっては、利用者が、パターン又は組合せ情報が表されたシートの後に原稿用のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記読取手段で読み取った原稿用のシート上の画像に対して所定の処理を実行する。
【0048】
本発明にあっては、利用者が、原稿用のシートを間に挟んでパターン又は組合せ情報が表された複数のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、記憶手段は読み取られたシート上の画像を記憶する。複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記記憶手段で記憶された原稿用のシート上の画像に対して所定の処理を実行する。
【0049】
本発明にあっては、パターンが表されているシート上の画像を一の読取手段で読み取り、組合せ情報が表されているシート上の画像を他の読取手段で読み取る。これにより、利用者は、パターンが表されているシート及び組合せ情報が表されているシートを別々の読取手段を併用して読み取る。
【0050】
本発明にあっては、利用者がパターン又は組合せ情報が表されたシートを一の読取手段で読み取らせ、原稿用のシートを他の読取手段で読み取らせる場合に、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記他の読取手段は、原稿用のシート上に記録された画像を読み取る。
【0051】
本発明にあっては、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るようしているため、複数のシートを順番に読み取る方法、又は複数のシートを並置させて読み取る方法でシート上の画像を読み取る。
【0052】
本発明にあっては、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致しないと判定した場合、所定の処理(例えば、原稿用シートの複写、原稿用シートから読み取ったデータの記憶又は送信など)の実行を禁止する。
【0053】
本発明にあっては、組合せ情報が暗号化されて表されたシート上の画像を読取手段で読み取って、暗号化された組合せ情報を復号化する。
【0054】
本発明にあっては、組合せ情報は、利用者に関する認証情報であるため、シートを読み込むことにより利用者を認証する。
【0055】
本発明にあっては、組合せ情報は、装置が実行する処理の設定条件(例えば、複写又はデータの送信など)であるため、シートを読み込むことにより処理の設定をする。
【0056】
本発明にあっては、組合せ情報は、装置が実行する処理の制限解除条件(例えば、読取手段の使用可否、複写枚数の上限など)であるため、シートを読み込むことにより処理の制限解除をする。
【0057】
本発明にあっては、組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことにより、例えば、パターンが表された1枚のシートの表裏、複数の前記シートの重ね合わせの順序、複数の前記シートの読取手段での配置方法などの組合せを定める。
【0058】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する。
【0059】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する。
【0060】
本発明にあっては、復号化された組合せ情報をシート上に形成することにより、パターンが表されたシートの組合せ方法が利用者に識別可能なシートを作成する。
【0061】
本発明にあっては、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成することにより、パターンが表されたシートを組み合わせる場合に利用者が容易に組み合わせることができるシートを作成する。
【0062】
本発明にあっては、第1の抽出手段は、シート上に記録された画像から複数のパターンを抽出し、第2の抽出手段は、シート上に記録された画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。読取装置は、抽出したパターン及び組合せ情報を情報処理装置へ出力する。情報処理装置は、前記パターン及び組合せ情報を取得し、取得した複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致するか否かを判定した判定結果を前記読取装置へ出力する。該読取装置は、出力された判定結果に基づいて、所定の処理(例えば、原稿用シートの複写、原稿用シートから読み取ったデータの記憶又は送信など)を実行する。
【発明の効果】
【0063】
本発明にあっては、読み取った画像から抽出した複数の所定のパターンの組み合わせ及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致するか否かを判定した結果に基づいて、所定の処理を実行する。これにより、仮にパターンが表された1又は複数のシートが盗難又は複製された場合であっても、該シートの組合せ方法まで漏洩することはなく、パターンが表されたシート、及び該パターンの組合せ情報の両者が揃って初めて所定の処理を実行するための認証が行われる。従って、単一物のみによる認証に比較して不正使用に対する安全性が向上する。また、シートに記録されたパターン及び組合せ情報を抽出することにより、認証を行うことができるため、バーコードリーダのような別個の装置又はタッチパネルでの入力操作を必要とせず、また、読取手段で読み取るシートを使用すれば足りるため、安価でかつ簡便に認証を行うことができ、利用者にとって利便性が向上する。
【0064】
本発明にあっては、1枚のシートにパターン及び組合せ情報の両者が表されている場合でも、前記パターン及び組合せ情報を抽出することができ、組合せ情報が表されたシートを用いる必要がなく、認証に要するシートの数を低減することができる。
【0065】
本発明にあっては、利用者が、パターン又は組合せ情報が表されたシートの後に原稿用のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、前記読取手段で原稿用のシート上の画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行することにより、認証のためのシートの読み込み及び原稿用のシートの読み込みを連続して行えるため、原稿用シートの読み込みの際に認証を行うことができ、高速に読み込み処理を行うことができる。
【0066】
本発明にあっては、利用者が、原稿用のシートを間に挟んでパターン又は組合せ情報が表された複数のシートを重ねて読取手段でシート上の画像を読み取らせた場合、複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致すると判定されたときは、記憶された原稿用のシート上の画像に対して所定の処理を実行することにより、認証のためのシートの読み込み及び原稿用のシートの読み込みを連続して行えるため、原稿用シートの読み込みの際に認証を行うことができ、高速に読み込み処理を行うことができる。
【0067】
本発明にあっては、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出し、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するように構成することにより、両者の読取手段を併用して認証するため、より安全性の高い認証を行うことができる。
【0068】
本発明にあっては、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から抽出した複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るように構成することにより、認証のためのシートの読み込み及び原稿用のシートの読み込みを同時に行うことができ、高速に読み込み処理を行うことができる。
【0069】
本発明にあっては、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るように構成することにより、1枚のシートの表裏を順番に読み取る方法、複数枚のシートを順番に読み取る方法、又は複数のシートを並置させて読み取る方法などを用いることができる。
【0070】
本発明にあっては、シートに表されたパターンの組み合わせ及び組合せ情報が一致しない場合、所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることにより、認証が得られない場合など不正な使用があった場合、所定の処理が実行されることを禁止して、不正使用を防止することができる。
【0071】
本発明にあっては、暗号化された組合せ情報を復号化する手段を備えることにより、組合せ情報を暗号化したシートを用いることができ、認証のための情報が容易に第三者に漏洩することを防止することができる。
【0072】
本発明にあっては、組合せ情報は、利用者に関する認証情報であることにより、利用者の認証をすることができる。
【0073】
本発明にあっては、組合せ情報は、処理に対する設定条件であることにより、機能の設定する場合にタッチパネルからの複雑な操作が不要となり簡便に認証することができる。
【0074】
本発明にあっては、組合せ情報は、処理に対する制限解除条件であることにより、機能の制限解除する場合にタッチパネルからの複雑な操作が不要となり簡便に認証することができる。例えば、読取手段を複数備える場合、一の読取手段で認証された間だけ、他の読取手段を使用可能にすることもできる。
【0075】
本発明にあっては、組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことにより、例えば、パターンが表された1枚のシートの表裏、複数の前記シートの重ね合わせの順序、複数の前記シートの読取手段での配置方法などの組合せを定めることができ、より安全性が高くかつ簡便に認証することができる。
【0076】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることにより、例えば、シートを作成する場合、認証に用いるシートの使用方法を利用者だけが安全に確認することができる。
【0077】
本発明にあっては、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることにより、認証に用いるシートの使用方法をデータとして外部記憶装置に記憶しておき、後に記憶したデータを使用することができ、認証に用いるシートの使用方法を容易に保持することができる。また、使用方法を忘れてしまった場合でも、利用者は容易に使用方法を確認することができる。
【0078】
本発明にあっては、復号化された組合せ情報をシート上に形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシート(説明シート)を作成することができ、利用者は、説明シートを見ながら、認証用のシートを読取手段で読み取らせることができる。
【0079】
本発明にあっては、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するように構成することにより、使用方法を容易に確認できるシートを作成することができ、利用者は、容易に認証用のシートを読取手段で読み取らせることができる。
【0080】
本発明にあっては、読取装置で抽出したパターン及び組合せ情報を情報処理装置へ出力し、該情報処理装置で取得した複数のパターンの組み合わせが組合せ情報に一致するか否かを判定することにより、認証のための処理を画像読取装置で行う必要がない。このため、例えば、複数の画像読取装置がある場合、該画像読取装置各々で利用者が行う認証のための処理を情報処理装置で集中的に行うことができ、認証のための情報管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
実施の形態1
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。図において、1はスキャナ装置のような画像読取装置である。画像読取装置1は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部10を備える。制御部10には、内部バスを介して通信部11、画像入力部(OC)12、原稿読取部(ADF)13、パターン認識部14、記憶部15、認証部16、設定部17、制限解除部18、ユーザインタフェース部19などが接続されており、制御部10は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0082】
画像読取装置1には、通信線4を介してプリンタのような画像形成装置2、利用者の端末装置として機能するパーソナルコンピュータ(PC)3が接続されている。画像形成装置2は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部20を備える。制御部20には、内部バスを介して画像形成部21、記憶部22、通信部23、ユーザインタフェース部24などが接続されており、制御部20は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0083】
制御部10は、自身の制御手順を示す制御プログラムを予め記憶したROMと、該制御プログラムの実行中に生じるデータを記憶するRAMとを有している。制御部10のCPUがROMに記憶されている制御プログラムをRAMにロードすることにより、制御部10は制御プログラムで示された制御手順に従って画像読取装置1の動作を制御する。
【0084】
画像入力部12は、読取対象の用紙(認証用紙、説明用紙、原稿の用紙、機能の設定用紙、又は機能の制限解除用紙など)が載置されるガラス製の載置台、該載置台に配置された用紙に光を照射する光源、CCDを利用したイメージセンサ、A/D変換器などを備え、前記載置台に載置された用紙上の画像を読み取る。
【0085】
画像入力部12は、所定の読取位置に配置された用紙上の画像をイメージセンサで光電変換してアナログ信号に変換し、得られたアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換する。画像入力部12は、変換して得られたデジタル信号に対して用紙読取時の光源の配向特性、イメージセンサの感度ムラなどの補正を行い、制御部10の制御の下、得られた画像データを記憶部15に記憶する。
【0086】
原稿読取部13は、いわゆる自動原稿送り装置(ADF、Automatic Document Feeder)であり、読取対象の用紙(認証用紙、説明用紙、原稿の用紙、機能の設定用紙、又は機能の制限解除用紙など)を搬送する搬送路、搬送路を移動する用紙の両面に光を照射する光源、CCDを利用したイメージセンサ、A/D変換器などを備え、前記搬送路を移動する用紙上の画像を読み取る。
【0087】
原稿読取部13は、1又は複数枚重ねられた用紙を表裏順番に読み取り、用紙上の画像をイメージセンサで光電変換してアナログ信号に変換し、得られたアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換する。原稿読取部13は、変換して得られたデジタル信号に対して用紙読取時の光源の配向特性、イメージセンサの感度ムラなどの補正を行い、制御部10の制御の下、得られた画像データを取得順に記憶部15に記憶する。
【0088】
通信部11は、パーソナルコンピュータ(PC)3、又は画像形成装置2と通信を行うためのネットワークインタフェース、及び外部ファクシミリ装置とファクシミリ通信を行うためのファクシミリ通信インタフェースなどを備えている。
【0089】
記憶部15は、例えば、HDD装置により構成されており、画像入力部12又は原稿読取部13で取得した画像データを記憶する。
【0090】
ユーザインタフェース部19は、タッチパネル方式の操作パネルであり、利用者の操作指示を受け付ける操作部と、利用者に対して報知する情報を表示する液晶ディスプレイとを備えている。
【0091】
パターン認識部14、認証部16、設定部17、制限解除部18は、いずれもASICで構成されている。パターン認識部14は、制御部10の制御のもと、記憶部11に記憶された画像データからパターン及びパターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する。すなわち、パターン認識部14は、認証用紙に記録されたパターンを抽出するとともに、説明用紙に記録された複数のパターンの組み合わせに関する組み合わせ情報又はQRコードに記録された組合せ情報を抽出する。パターン及び組合せ情報の抽出には、エッジ検出などの方法を用いることができる。パターン認識部14は、抽出したパターン及び組合せ情報を認識部16、設定部17、及び制限解除部18へ出力する。
【0092】
図2は認証用紙の一例を示す模式図である。図2に示す例では2枚の認証用紙101、102を組み合わせることにより認証を行う。なお、認証用紙101、102は、利用者の認証、機能設定のための認証、又は機能制限解除のための認証に用いられる。1枚目の認証用紙101の表面には、適宜の模様又は色を付した円形状のパターン101aが記録され、1枚目の認証用紙101の裏面には、適宜の模様又は色を付した正方形状のパターン101bが記録されている。また、2枚目の認証用紙102の表面には、適宜の模様又は色を付した三角形状のパターン102aが記録され、2枚目の認証用紙102の裏面には、適宜の模様又は色を付した長方形状のパターン102bが記録されている。
【0093】
図3は認証用紙の組合せの一例を示す模式図である。図3に示す例では2枚の認証用紙101、102を重ねて原稿読取部13に配置して用紙上のパターンを読み取らせる。原稿読取部13は、1枚目の認証用紙101上のパターンを表面、裏面の順で読み取り、次に2枚目の認証用紙102上のパターンを表面、裏面の順で読み取る。すなわち、パターン認識部14は、パターン101a、101b、102a、102bの順で抽出する。
【0094】
図4は認証用紙の組合せの他の例を示す模式図である。図4に示す例では2枚の認証用紙101、102を画像入力部12の載置台に配置して用紙上のパターンを読み取らせる。認証用紙101、102は、夫々の表面を上側にして、認証用紙101、102を離隔して配置している。すなわち、画像入力部12は、認証用紙101、102の裏面上のパターン101a、102aを同時に読み取る。これにより、パターン認識部14は、パターン101a、102aを同時に抽出する。
【0095】
図5は認証用紙の他の例を示す模式図である。図5に示す例では2枚の認証用紙101、102を組み合わせることにより認証を行う。1枚目の認証用紙101の表面には、適宜の模様又は色を付した円形状のパターン101a、及び用紙の方向(上下左右)、面(表裏)、頁数などを示す指標101cが記録されている。具体的には、指標101cは、矢印の方向は用紙の上方向を示し、模様又は色が用紙の表裏を示し、矢印の中の数字が頁数を示す。1枚目の認証用紙101の裏面には、適宜の模様又は色を付した正方形状のパターン101b、指標101dが同様に記録されている。
【0096】
また、2枚目の認証用紙102の表面には、適宜の模様又は色を付した三角形状のパターン102a、及び認証用紙の方向(上下左右)、面(表裏)、頁数などを示す指標102cが記録されている。2枚目の認証用紙102の裏面には、適宜の模様又は色を付した長方形状のパターン102b、指標102dが同様に記録されている。
【0097】
図6は認証のための説明用紙の一例を示す模式図である。図6に示した説明用紙201は、2枚の認証用紙を順番に重ねて原稿読取部13に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、2枚の認証用紙の読取順、原稿読取部13に配置する際の方向を示している。
【0098】
図7は認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。図7に示した説明用紙202は、2枚の認証用紙を画像入力部12の載置台に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、2枚の認証用紙の配置位置、認証用紙の向きを示している。
【0099】
図8は認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。図8に示した説明用紙203は、図6で示した説明用紙201の内容を暗号化(外観からその内容が認識できない)したQRコード300で表示させることにより、認証用紙の組合せ情報を暗号化し、画像読取装置1でのみ認識できるようにしたものである。説明用紙203のQRコード300は、2枚の認証用紙を順番に重ねて原稿読取部(ADF)13に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、2枚の認証用紙の読取順、原稿読取部13に配置する際の方向を示している。
【0100】
図9は認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。図9に示した説明用紙204は、図7で示した説明用紙202の内容をQRコード301で表示させることにより、認証用紙の組合せ情報を暗号化し、画像読取装置1でのみ認識できるようにしたものである。説明用紙204のQRコード301は、2枚の認証用紙を画像入力部(OC)12の載置台に配置して読取処理を実行させることを指定している。また、認証用紙に付している指標により、載置台に配置する際の2枚の認証用紙の相対位置、方向を示している。
【0101】
図10は認証のための認証用紙にQRコードが付された場合の一例を示す模式図である。図10に示す例では2枚の認証用紙101、102を組み合わせることにより認証を行う。1枚目の認証用紙101の表面には、適宜の模様又は色を付した円形状のパターン101a、QRコード302が記録され、1枚目の認証用紙101の裏面には、適宜の模様又は色を付した正方形状のパターン101b、QRコード303が記録されている。また、2枚目の認証用紙102の表面には、適宜の模様又は色を付した三角形状のパターン102a、QRコード304が記録され、2枚目の認証用紙102の裏面には、適宜の模様又は色を付した長方形状のパターン102b、QRコード305が記録されている。
【0102】
この場合、各QRコードには、各認証用紙の読み取り順番、配置位置、方向などの組合せ情報を記録している。なお、QRコードは、各認証用紙の表裏面に記録する必要はなく、組合せに係る認証用紙のいずれか1枚の表面又は裏面に組合せ情報を記録してもよい。
【0103】
認証部16は、パターン認識部14から出力された複数のパターン及び組合せ情報に基づいて、出力された複数のパターンの組合せ(複数のパターンの順番、配置位置、方向など)が出力された組合せ情報に一致するか否かを判定する。複数のパターンと組合せ情報との一致には、パターンマッチングなどの方法を用いることができる。
【0104】
認証部16は、複数のパターンと組合せ情報とが一致すると判定した場合、認証テーブル161にアクセスして、一致した組合せパターンに該当する利用者コードが記録されているか否かを判定し、該当する利用者コードが記録されている場合には、その利用者を認証する。
【0105】
図11は認証テーブル161の内容を示す概念図である。認証テーブル161は、各利用者の利用者コードとパターンの組合せとを対応付けて記憶している。例えば、利用者コード「0001」に対応させて、円形、正方形、三角形、及び長方形(夫々適宜の模様又は色が付されている)のパターンの組合せを記憶している。
【0106】
認証テーブル161は、ユーザインタフェース部19又は通信部11を介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)3などから登録、更新、削除などの処理を行うことができる。なお、利用者コードは、各利用者を識別できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、氏名、社員番号、パスワード、暗証番号などでもよい。また、パターンの組合せは、図に示すものに限定されるものではなく、例えば、パターンの図形そのものでなく、図形の特徴を表す情報、その他図形データ、文字、数字又は記号などであってもよい。
【0107】
設定部17は、パターン認識部14から出力された複数のパターン及び組合せ情報に基づいて、出力された複数のパターンの組合せ(複数のパターンの順番、配置位置、方向など)が出力された組合せ情報に一致するか否かを判定する。複数のパターンと組合せ情報との一致には、パターンマッチングなどの方法を用いることができる。
【0108】
設定部17は、複数のパターンと組合せ情報とが一致すると判定した場合、設定テーブル171にアクセスして、一致した組合せパターンに該当する機能の設定コードが記録されているか否かを判定し、該当する機能の設定コードが記録されている場合には、その機能を設定する。
【0109】
図12は設定テーブル171の内容を示す概念図である。設定テーブル171は、ADF(原稿読取部13)に用紙を置いた場合と、OC(画像入力部12)に設定用紙(設定のための認証用紙)を置いた場合とに分けて、各機能を設定する設定コードとパターンの組合せ(より具体的には、パターンが記録された認証用紙の方向、表裏面、頁数などを示す矢印状の指標)とを対応付けて記憶している。例えば、ADFへの置き方の場合には、設定コード「F0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は白抜き矢印を上向きに、2枚目は模様又は色が付された矢印を下向きにする組合せを記憶している。また、OCへの置き方の場合には、設定コード「F0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は白抜き矢印を上向きに、2枚目は模様又は色が付された矢印を下向きにして離隔して配置する組合せを記憶している。この場合、設定される機能は、コピーを2部作成するものである。同様に、設定コード「F0002」の場合、設定される機能は、イメージ送信(スキャン後メール送信)である。
【0110】
設定テーブル171は、ユーザインタフェース部19又は通信部11を介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)3などから登録、更新、削除などの処理を行うことができる。なお、設定される機能は、上述のものに限定されるものではなく、複写時の濃度、縮小拡大、白黒又はカラー、解像度、Nin1、ステープル、パンチ、スキャナ機能、ネットワークスキャナ機能、ファックス機能、発信元、宛先などの設定がある。また、パターンの組合せは、図に示すものに限定されるものではなく、例えば、パターンの図形そのものでなく、図形の特徴を表す情報、その他図形データ、文字、数字又は記号などであってもよい。
【0111】
制限解除部18は、パターン認識部14から出力された複数のパターン及び組合せ情報に基づいて、出力された複数のパターンの組合せ(複数のパターンの順番、配置位置、方向など)が出力された組合せ情報に一致するか否かを判定する。複数のパターンと組合せ情報との一致には、パターンマッチングなどの方法を用いることができる。
【0112】
制限解除部18は、複数のパターンと組合せ情報とが一致すると判定した場合、制限解除テーブル181にアクセスして、一致した組合せパターンに該当する機能の制限解除コードが記録されているか否かを判定し、該当する機能の制限解除コードが記録されている場合には、その機能を制限解除する。なお、認識部16、設定部17、制限解除部18は、いずれも判定結果を制御部10へ出力する。
【0113】
図13は制限解除テーブル181の内容を示す概念図である。制限解除テーブル181は、ADF(原稿読取部13)に用紙を置いた場合と、OC(画像入力部12)に制限解除用紙(制限解除のための認証用紙)を置いた場合とに分けて、各機能の制限解除をする制限解除コードとパターンの組合せ(より具体的には、パターンが記録された認証用紙の方向、表裏面、頁数などを示す矢印状の指標)とを対応付けて記憶している。例えば、ADFへの置き方の場合には、制限解除コード「C0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は模様又は色が付された矢印を上向きに、2枚目は白抜き矢印を下向きにする組合せを記憶している。また、OCへの置き方の場合には、設定コード「C0001」に対応させて、認証用紙の1枚目は模様又は色が付された矢印を上向きに、2枚目は白抜き矢印を下向きにして離隔して配置する組合せを記憶している。この場合、制限解除される機能は、ADF又はOC使用不可であり、この制限機能が解除されることにより、ADF又はOCは使用可能となる。すなわち、認証用紙をADFで読み込んだ場合は、OCが使用可能となり、認証用紙をOCで読み込んだ場合は、ADFが使用可能となる。また、同様に、制限解除コードが「C0002」の場合、制限解除される機能は、ADFでのコピー枚数の上限である。
【0114】
制限解除テーブル181は、ユーザインタフェース部19又は通信部11を介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)3などから登録、更新、削除などの処理を行うことができる。なお、制限解除される機能は、上述のものに限定されるものではなく、カラー複写禁止の解除、保存したデータの印刷制限(ホールドプリント機能)の解除などがある。また、パターンの組合せは、図に示すものに限定されるものではなく、例えば、パターンの図形そのものでなく、図形の特徴を表す情報、その他図形データ、文字、数字又は記号などであってもよい。
【0115】
画像形成装置2の制御部20は、自身の制御手順を示す制御プログラムを予め記憶したROMと、該制御プログラムの実行中に生じるデータを記憶するRAMとを有している。制御部20のCPUがROMに記憶されている制御プログラムをRAMにロードすることにより、制御部20は制御プログラムで示された制御手順に従って画像形成装置2の動作を制御する。
【0116】
通信部23は、パーソナルコンピュータ(PC)3、又は画像読取装置1と通信を行うためのネットワークインタフェース、及び外部ファクシミリ装置とファクシミリ通信を行うためのファクシミリ通信インタフェースなどを備えている。通信部23は、画像読取装置1又はパーソナルコンピュータ(PC)3などの外部機器から送信されるプリントジョブを受信すると共に、外部機器へ報知する情報を送信する。
【0117】
記憶部22は、例えば、HDD装置により構成されており、通信部23を介して受信したデータを記憶する。
【0118】
ユーザインタフェース部24は、タッチパネル方式の操作パネルであり、利用者の操作指示を受け付ける操作部と、利用者に対して報知する情報を表示する液晶ディスプレイとを備えている。
【0119】
画像形成部21は、画像読取装置1又はパーソナルコンピュータ(PC)3から送信され、通信部23を介して受信したデータ、又は記憶部22に記憶されたデータに基づいて、用紙上に画像を形成する。画像形成部21は、感光体ドラム、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、感光体ドラム表面に静電潜像を形成するレーザ書込装置、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像装置、感光体ドラム表面のトナー像を用紙に転写する転写装置などを備えている。なお、画像形成部21は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式などいずれのものでもよい。
【0120】
画像形成装置2は、制御部20の制御のもと、認証のための用紙(利用者認証のための認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙など)を印刷する。
【0121】
次に本発明に係る画像形成装置2の動作について説明する。図14及び図15は認証のための用紙を作成する場合の画像形成装置2が実行する処理の手順を示すフローチャートである。制御部20は、ユーザインタフェース部24又は通信部23から入力される情報に基づき、認証のための用紙の作成指示があるか否かを判定する(S11)。用紙の作成指示がない場合(S11でNO)、制御部20は、ステップS11の処理を続け、作成指示があるまで待機する。
【0122】
用紙の作成指示がある場合(S11でYES)、制御部20は、用紙のデータ生成の処理を行う(S12)。制御部20は、ユーザインタフェース部24又は通信部23から入力される情報に基づき、説明用紙の出力指示があるか否かを判定する(S13)。説明用紙の出力指示がある場合(S13でYES)、制御部20は、記憶部22に記憶されたデータ又は通信部23を介して受信したデータなどに基づいて、説明用紙の印刷データを作成する(S14)。
【0123】
制御部20は、説明用紙を印刷し(S15)、作成指示された用紙の印刷データを作成する(S16)。説明用紙の出力指示がない場合(S13でNO)、制御部20は、ステップS16の処理を行う。制御部20は、作成指示された用紙を印刷し(S17)、認証のための用紙の使用方法の表示指示があるか否かを判定する(S18)。
【0124】
使用方法の表示指示がある場合(S18でYES)、制御部20は、使用方法の表示データを作成し(S19)、使用方法をユーザインタフェース部24などに表示し(S20)、処理を終了する。使用方法の表示指示がない場合(S18でNO)、制御部20は、処理を終了する。
【0125】
次に、ステップS12の用紙のデータ生成処理について説明する。制御部20は、ユーザインタフェース部24又は通信部23から入力される情報に基づき、利用者認証のための認証用紙の作成指示があるか否かを判定する(S121)。認証用紙の作成指示がある場合(S121でYES)、制御部20は、認証用紙の画像データを生成し(S122)、設定用紙の作成指示があるか否かを判定する(S123)。
【0126】
認証用紙の作成指示がない場合(S121でNO)、制御部20は、ステップS123の処理を行う。設定用紙の作成指示がある場合(S123でYES)、制御部20は、設定用紙の画像データを生成し(S124)、制限解除用紙の作成指示があるか否かを判定する(S125)。設定用紙の作成指示がない場合(S123でNO)、制御部20は、ステップS125の処理を行う。
【0127】
制限解除用紙の作成指示がある場合(S125でYES)、制御部20は、制限解除用紙の画像データを生成し(S126)、説明用紙の画像データを生成する(S127)。制御部20は、認証のための用紙の書式指示を判定する(S128)。制限解除用紙の作成指示がない場合(S125でNO)、制御部20は、ステップS127の処理を行う。
【0128】
指示された書式が指標付である場合(S128で指標付)、制御部20は、用紙の指標データを生成し(S129)、用紙のデータ生成処理を終了する。指示された書式がQRコード付である場合(S128でQRコード付)、制御部20は、用紙の組合せ情報を暗号化したQRコードのデータを生成し(S130)、用紙のデータ生成処理を終了する。指示された書式がパターンのみである場合(S128でパターンのみ)、制御部20は、用紙のデータ生成処理を終了する。
【0129】
図16乃至図19はユーザインタフェース部24又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。図16は認証のための用紙を作成する場合に表示される作成画面500の一例を示している。作成画面500の中央部には、作成する用紙(利用者認証のための認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙)を選択するための認証用紙ボタン501、設定用紙ボタン502、制限解除ボタン503、説明用紙ボタン504が配置されている。また、その下側には、作成処理を実行するOKボタン505、作成処理を中止するキャンセルボタン506が配置されている。これにより、利用者は、認証のための用紙を選択して作成することができる。
【0130】
図17は認証のための用紙を作成する場合に表示される作成画面510の一例を示している。作成画面510の中央部には、作成する用紙の書式を選択するためのパターンのみボタン511、QRコード付ボタン512、指標付ボタン513が配置されている。また、その下側には、書式選択処理を実行するOKボタン514、書式選択処理を中止するキャンセルボタン515が配置されている。これにより、利用者は、認証のための用紙にパターンのみを記録するか、QRコードを記録するか、又は指標を記録するか書式を選択することができる。
【0131】
図18は設定用紙を作成する場合に表示される作成画面520の一例を示している。作成画面520の中央部には、設定する機能を選択するためのコピーボタン521、イメージ送信ボタン522が配置されている。また、その下側には、設定処理を実行するOKボタン523、設定処理を中止するキャンセルボタン524が配置されている。これにより、利用者は、コピー機能、イメージ送信機能を設定することができる。
【0132】
図19は制限解除用紙を作成する場合に表示される作成画面530の一例を示している。作成画面530の中央部には、制限解除する機能を選択するためのADF使用不可ボタン531、ADFのコピー上限ボタン532が配置されている。また、その下側には、制限解除処理を実行するOKボタン533、制限解除処理を中止するキャンセルボタン534が配置されている。これにより、利用者は、ADFの使用不可、コピー上限を解除することができる。
【0133】
次に本発明に係る画像読取装置1の動作について説明する。図20及び図21はOC又はADFの一方を用いて画像読取装置1が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。制御部10は、ユーザインタフェース部19又は通信部11から入力される情報に基づき、読取指示があるか否かを判定する(S41)。読取指示がない場合(S41でNO)、制御部10は、ステップS41の処理を続け、読取指示があるまで待機する。
【0134】
読取指示がある場合(S41でYES)、制御部10は、OCに用紙があるか否かを判定する(S42)。OCに用紙がない場合(S42でNO)、制御部10は、ADFに用紙があるか否かを判定する(S43)。ADFに用紙がない場合(S43でNO)、制御部10は、ステップS42の処理を続け、OC又はADFに用紙がセットされるまで待機する。
【0135】
OCに用紙がある場合(S42でYES)、又はADFに用紙がある場合(S43でYES)、制御部10は、読取処理を実行する(S44)。パターン認識部14は、読み取った用紙からパターンを抽出し(S45)、複数のパターンの組合せに関する組合せ情報(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の使用方法、すなわち説明用紙の内容)を抽出する(S46)。
【0136】
制御部10は、パターン認識部14での抽出結果に基づき、読み取った用紙1枚毎に正しい組合せ(パターンの組合せが組合せ情報と一致する)であるか否かを判定する(S47)。正しい組合せであると判定した場合(S47でYES)、制御部10は、認証のための用紙があるか否かを判定する(S48)。正しい組合せでないと判定した場合(S47でNO)、制御部10は、エラー表示などのエラー処理を実行し(S53)、処理を終了する。これにより、画像読取装置1は、読取処理の途中であっても、その後の処理を行わない。
【0137】
認証のための用紙があると判定した場合(S48でYES)、制御部10は、ステップS45の処理を行う。認証のための用紙がないと判定した場合(S48でNO)、制御部10は、原稿用の用紙があるか否かを判定する(S49)。これにより、認証のための用紙に重ねて原稿用の用紙がセットされた場合、連続して読み取ることができる。
【0138】
原稿用の用紙があると判定した場合(S49でYES)、制御部10は、原稿データを読み取り(S51)、認証のための用紙があるか否かを判定する(S50)。これにより、認証のための用紙の間に原稿用の用紙を挟んでセットされた場合、連続して読み取ることができる。原稿用の用紙がないと判定した場合(S49でNO)、制御部10は、ステップS50の処理を行う。認証のための用紙があると判定した場合(S50でYES)、制御部10は、ステップS45の処理を行う。認証のための用紙がない判定した場合(S50でNO)、制御部10は、認証・設定・制限解除処理を実行し(S52)、処理を終了する。
【0139】
次に認証・設定・制限解除処理について説明する。制御部10は、読み込んだ全用紙上の画像から抽出された複数のパターンの組合せが組合せ情報と一致した場合、認証部16を制御して、一致した組合せが正しい認証情報(認証テーブル161に記憶されているパターンの組合せと一致する)であるか否か判定する(S521)。正しい認証情報であると判定した場合(S521でYES)、制御部10は、利用者の認証が得られたとして、設定部17を制御して、設定情報(機能設定のためのパターンの組合せ)の有無を判定する(S522)。
【0140】
設定情報があると判定した場合(S522でYES)、制御部10は、一致した組合せが正しい設定情報(設定テーブル171に記憶されているパターンの組合せと一致する)であるか否か判定する(S523)。正しい設定情報であると判定した場合(S523でYES)、制御部10は、機能の設定処理を行う(S524)。
【0141】
制御部10は、制限解除部18を制御して、制限解除情報(機能の制限解除のためのパターンの組合せ)の有無を判定する(S525)。制限解除情報があると判定した場合(S525でYES)、制御部10は、一致した組合せが正しい制限解除情報(制限解除テーブル181に記憶されているパターンの組合せと一致する)であるか否か判定する(S526)。正しい制限解除情報であると判定した場合(S526でYES)、制御部10は、機能の制限解除処理を行い(S527)、処理を終了する。
【0142】
設定情報がないと判定した場合(S522でNO)、制御部10は、ステップS525以降の処理を続ける。また、制限解除情報がないと判定した場合(S525でNO)、制御部10は、ステップS527の処理を続ける。また、制御部10は、正しい認証情報でないと判定した場合(S521でNO)、正しい設定情報でないと判定した場合(S523でNO)、又は正しい制限解除情報でないと判定した場合(S526でNO)、読み込んだ原稿データを廃棄し、エラー表示などのエラー処理を実行し(S528)、認証・設定・制限解除処理を終了する。
【0143】
図22及び図23は認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの一例を示す模式図である。図22は、パターンが記録された2枚の認証用紙101、102に重ねて、原稿用の用紙P、…を重ねる例を示している。また、図23は、認証用紙101と102との間に原稿用の用紙P、…を重ねる例を示している。なお、認証用紙101、102は、利用者認証のための認証用紙、説明用紙、設定用紙、制限解除用紙のいずれか、又はこれらの組合せであってもよい。また、図においては、2枚の認証用紙を用いているが、枚数はこれに限定されるものではない。例えば、1枚目に説明用紙、2枚目、3枚目に利用者認証のための認証用紙、3枚目、4枚目に設定用紙、5枚目、6枚目に制限解除用紙などを組み合わせても良い。また、説明用紙の内容(すなわち、パターンの組合せ情報)が認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の中にQRコード等で記録されている場合は、説明用紙を一緒に重ねる必要はない。また、認証用紙の1枚目だけに説明用紙の内容をQRコード等で記載しておき、該QRコードに重ねられた複数の認証用紙の組合せ情報を記載することもできる。
【0144】
図24及び図25はOC及びADFを同時に併用して画像読取装置1が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。図24及び図25は、OCに認証用紙、設定用紙、又は制限解除用紙をセットし、ADFに説明用紙、原稿をセットする場合を示すが、これに限定されるものではない。制御部10は、ユーザインタフェース部19又は通信部11から入力される情報に基づき、読取指示があるか否かを判定する(S61)。読取指示がない場合(S61でNO)、制御部10は、ステップS61の処理を続け、読取指示があるまで待機する。
【0145】
読取指示がある場合(S61でYES)、制御部10は、OCに用紙があるか否かを判定する(S62)。OCに用紙がない場合(S62でNO)、制御部10は、ステップS62の処理を続け、OCに用紙がセットされるまで待機する。
【0146】
OCに用紙がある場合(S62でYES)、制御部10は、ADFに用紙があるか否かを判定する(S63)。ADFに用紙がない場合(S63でNO)、制御部10は、ステップS63の処理を続け、ADFに用紙がセットされるまで待機する。これにより、制御部10は、OC及びADFに用紙がセットされるまで待機する。
【0147】
ADFに用紙がある場合(S63でYES)、制御部10は、OCでの読取処理(S64)及びADFでの読取処理(S71)を並列に実施する。以下、便宜上OCでの読取り処理について説明し、次にADFでの読取り処理について説明するが、ステップS64以降の処理、及びステップS71以降の処理は、並列に行われる。
【0148】
ステップS64で、OCで読取り処理を行った後、パターン認識部14は、読み取った用紙からパターンを抽出する(S65)。制御部10は、認証のための用紙があるか否かを判定する(S66)。認証のための用紙があると判定した場合(S66でYES)、制御部10は、ステップS65の処理を続ける。
【0149】
認証のための用紙がないと判定した場合(S66でNO)、制御部10は、ADFで説明用紙の読取りを完了したか否かを判定する(S67)。ADFで説明用紙の読取りを完了していない場合(S67でNO)、制御部10は、ステップS67の処理を続け、ADFで説明用紙の読取りが完了するまで待機する。
【0150】
ADFで説明用紙の読取りを完了した場合(S67でYES)、制御部10は、パターン認識部14での抽出結果に基づき、読み取った用紙1枚毎に正しい組合せ(パターンの組合せが組合せ情報と一致する)であるか否かを判定する(S68)。正しい組合せであると判定した場合(S68でYES)、制御部10は、認証・設定・制限解除処理を実行し(S69)、処理を終了する。なお、認証・設定・制限解除処理(S69)は、図20の認証・設定・制限解除処理(S52)と同一であるため、説明は省略する。
【0151】
正しい組合せでないと判定した場合(S68でNO)、制御部10は、エラー表示などのエラー処理を実行し(S70)、処理を終了する。
【0152】
一方、ステップS71で、ADFで読取り処理を行った後、パターン認識部14は、読み取った用紙から組合せ情報(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の使用方法)を抽出する(S72)。制御部10は、説明用紙があるか否かを判定する(S73)。説明用紙があると判定した場合(S73でYES)、制御部10は、ステップS72の処理を続ける。説明用紙がないと判定した場合(S73でNO)、制御部10は、エラー処理が実行されたか否かを判定する(S74)。
【0153】
エラー処理が実行されていない場合(S74でNO)、制御部10は、原稿を読取り(S75)、原稿用の用紙があるか否かを判定する(S76)。原稿用の用紙があると判定した場合(S76でYES)、制御部10は、ステップS74以降の処理を続ける。原稿用の用紙がないと判定した場合(S76でNO)、制御部10は、ステップS69以降の処理を続ける。
【0154】
エラー処理が実行された場合(S74でYES)、制御部10は、原稿用の用紙の読取りを中止し(S77)、すでに読取った原稿データを廃棄し(S78)、処理を終了する。
【0155】
図26及び図27はOC及びADFを同時に併用して画像読取装置1が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。図26及び図27は、OCに組合せ情報を有する認証用紙をセットし、ADFに原稿用の用紙をセットする場合を示すが、これに限定されるものではなく、ADFに認証用紙をセットし、OCに原稿用の用紙をセットすることもできる。制御部10は、ユーザインタフェース部19又は通信部11から入力される情報に基づき、読取指示があるか否かを判定する(S81)。読取指示がない場合(S81でNO)、制御部10は、ステップS81の処理を続け、読取指示があるまで待機する。
【0156】
読取指示がある場合(S81でYES)、制御部10は、OCに用紙があるか否かを判定する(S82)。OCに用紙がない場合(S82でNO)、制御部10は、ステップS82の処理を続け、OCに用紙がセットされるまで待機する。
【0157】
OCに用紙がある場合(S82でYES)、制御部10は、ADFに用紙があるか否かを判定する(S83)。ADFに用紙がない場合(S83でNO)、制御部10は、ステップS83の処理を続け、ADFに用紙がセットされるまで待機する。これにより、制御部10は、OC及びADFに用紙がセットされるまで待機する。
【0158】
ADFに用紙がある場合(S83でYES)、制御部10は、OCでの読取処理(S84)及びADFでの読取処理(S91)を並列に実施する。以下、便宜上OCでの読取り処理について説明し、次にADFでの読取り処理について説明するが、ステップS84以降の処理、及びステップS91以降の処理は、並列に行われる。
【0159】
ステップS84で、OCで読取り処理を行った後、パターン認識部14は、読み取った用紙からパターンを抽出し(S85)、組合せ情報を抽出する(S86)。制御部10は、パターン認識部14での抽出結果に基づき、読み取った用紙1枚毎に正しい組合せ(パターンの組合せが組合せ情報と一致する)であるか否かを判定する(S87)。
【0160】
正しい組合せであると判定した場合(S87でYES)、制御部10は、認証のための用紙があるか否かを判定する(S88)。認証のための用紙があると判定した場合(S88でYES)、制御部10は、ステップS85の処理を続ける。認証のための用紙がないと判定した場合(S88でNO)、制御部10は、認証・設定・制限解除処理を実行し(S89)、処理を終了する。なお、認証・設定・制限解除処理(S89)は、図20の認証・設定・制限解除処理(S52)と同一であるため、説明は省略する。
【0161】
正しい組合せでないと判定した場合(S87でNO)、制御部10は、エラー表示などのエラー処理を実行し(S90)、処理を終了する。
【0162】
一方、ステップS91で、ADFで読取り処理を行った後、制御部10は、エラー処理が実行されたか否かを判定する(S92)。
【0163】
エラー処理が実行されていない場合(S92でNO)、制御部10は、原稿を読取り(S93)、原稿用の用紙があるか否かを判定する(S94)。原稿用の用紙があると判定した場合(S94でYES)、制御部10は、ステップS92以降の処理を続ける。原稿用の用紙がないと判定した場合(S94でNO)、制御部10は、ステップS89以降の処理を続ける。
【0164】
エラー処理が実行された場合(S92でYES)、制御部10は、原稿用の用紙の読取りを中止し(S95)、すでに読取った原稿データを廃棄し(S96)、処理を終了する。
【0165】
図28及び図29は認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの他の例を示す模式図である。図28は、パターンが記録された2枚の認証用紙111、112に重ねてADFに置き、原稿用の用紙P、…を重ねてOCへ置く例を示している。また、図29は、認証用紙111と112とを載置台に離隔して配置し、原稿用の用紙P、…を重ねてADFへ置く例を示している。なお、認証用紙111、112は、利用者認証のための認証用紙、説明用紙、設定用紙、制限解除用紙のいずれか、又はこれらの組合せであってもよい。また、説明用紙の内容(すなわち、パターンの組合せ情報)が認証用紙、設定用紙、制限解除用紙の中にQRコード等で記録されている場合は、説明用紙を配置する必要はない。
【0166】
上述の実施の形態では、認証のための用紙の方向(上下左右)、面(表裏)、頁数などを示す矢印状の指標を用いるものであったが、これに限定されるものではない。図30は
認証のための用紙121(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙)の他の例を示す模式図である。図30に示すように、用紙121の表面及び裏面を区別する指標121a、121b、用紙121の上下左右を示す指標121c、121d、121e、121f、121g、121h、121j、121k、用紙121の頁数を示す指標121pを付することにより、用紙121の読取順序、載置台への配置位置、方向などを示す。これにより、利用者は、認証のための用紙を容易にセットすることができる。
【0167】
実施の形態2
上述の実施の形態1においては、複数のパターンの組合せが組合せ情報に一致するか否かの処理を画像読取装置1内で実施する構成であったが、利用者の認証情報、機能設定のための設定情報、機能制限解除のための制限解除情報などをサーバ装置内で管理しておき、必要に応じて画像読取装置1からサーバ装置にアクセスすることにより、認証処理、設定処理、制限解除処理を実行する構成としてもよい。
【0168】
図31は本発明に係る画像読取装置1を備える画像処理システムの構成を示すブロック図である。本画像処理システムは、画像読取装置1と通信線4を介して画像読取装置1に接続されたサーバ装置6とを備えている。また、通信線4には、利用者の端末装置として機能するパーソナルコンピュータ(PC)3、他の画像読取装置1、画像形成装置2などが接続されている。
【0169】
サーバ装置6は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部62を備える。制御部62には、内部バスを介して通信部61、認証部63、設定部64、制限解除部65、通信部61、記憶部66などが接続されており、制御部62は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0170】
なお、ハードウエア各部の動作は、実施の形態1で説明したものと同様である。すなわち、制御部62は制御部10と、認証部63は認証部16と、設定部64は設定部17と、制限解除部65は制限解除部18と同様の機能を有する。また、画像読取装置1は、認証部16、設定部17、制限解除部18がない点を除いて実施の形態1の画像読取装置1と同様である。
【0171】
画像読取装置1は、パターン認識部14で、認証用紙に記録されたパターンを抽出するとともに、説明用紙に記録された複数のパターンの組み合わせに関する組み合わせ情報又はQRコードに記録された組合せ情報を抽出する。制御部10は、通信部11を介して抽出したパターン及び組合せ情報をサーバ装置6へ出力する。
【0172】
サーバ装置6は、画像読取装置1から出力されたパターン及び組合せ情報に基づいて、認証部63で利用者の認証判定処理を行い、設定部64で機能の設定判定処理を行い、制限解除部65で機能の制限解除判定処理を行い、各処理の結果を制御部62の制御のもと、通信部61を介して画像読取装置1へ出力する。
【0173】
画像読取装置1は、サーバ装置6から出力された各処理の結果を取得し、取得した結果に基づいて、装置の使用可否処理、機能の設定処理、機能の制限解除処理を行う。
【0174】
このように本実施の形態では、利用者の認証判定処理、機能の設定判定処理、機能の制限解除処理をサーバ装置6で実施する構成であるため、画像読取装置1が通信線4上に複数接続されている場合であっても、各画像読取装置1、…で認証のための判定処理を行う必要がなく、判定処理に関する情報を記憶しておく必要もない。また、サーバ装置6で複数の画像読取装置1、…の認証のための処理を集中管理して行うこともでき、情報管理の観点から利便性が向上する。
【0175】
実施の形態3
上述の実施の形態1においては、画像読取装置1と画像形成装置とは、別個の装置として構成されるものであったが、画像読取装置1と画像形成装置2とを統合し、例えば、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置をデジタル複合機に適用した構成にすることもできる。
【0176】
図32は本実施の形態3に係るデジタル複合機7の内部構成を示すブロック図である。デジタル複合機7は、各種の演算処理を行うCPU、内蔵メモリ等からなる制御部70を備える。制御部70には、内部バスを介して通信部71、画像入力部72、原稿読取部73、パターン認識部74、画像形成部75、記憶部76、認証部77、設定部78、制限解除部79、ユーザインタフェース部80などが接続されており、制御部70は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
【0177】
制御部70、通信部71、画像入力部72、原稿読取部73、パターン認識部74、画像形成部75、記憶部76、認証部77、設定部78、制限解除部79、ユーザインタフェース部80の各ハードウエアの動作は、夫々制御部10、通信部11、画像入力部12、原稿読取部13、パターン認識部14、画像形成部21、記憶部15、認証部16、設定部17、制限解除部18、ユーザインタフェース部19と同様であるので説明は省略する。
【0178】
以上説明したように、本発明にあっては、用紙上に記録された画像から抽出した複数のパターンの組み合わせ及び該パターンの組合せに関する組合せ情報が一致するか否かを判定した結果に基づいて、所定の処理(利用者の認証、機能の設定、機能の制限解除など)を実行する。これにより、仮にパターンが表された1又は複数の用紙が盗難又は複製された場合であっても、該用紙の組合せ方法まで漏洩することはなく、パターンが表された用紙、及び該パターンの組合せ情報の両者が揃って初めて所定の処理を実行するための認証が行われる。従って、単一物のみによる認証に比較して不正使用に対する安全性が向上する。また、用紙に記録されたパターン及び組合せ情報を抽出することにより、認証を行うことができるため、バーコードリーダのような別個の装置又はタッチパネルでの入力操作を必要せず、また、読取手段で読み取る用紙を使用すれば足りるため、安価でかつ簡便に認証を行うことができ、利用者にとって利便性が向上する。
【0179】
上述の実施の形態においては、パターン認識部14、認証部16、設定部17、制限解除部18は、制御部10とは別個のASICで構成されているが、これに限定されるものではなく、制御部10に統合して1つのICチップ内に構成することもできる。
【0180】
上述の実施の形態においては、組合せ情報を暗号化したQRコードを用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、二次元バーコードなど人が外観から認識できないものであれば、いずれのコード用いる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】認証用紙の一例を示す模式図である。
【図3】認証用紙の組合せの一例を示す模式図である。
【図4】認証用紙の組合せの他の例を示す模式図である。
【図5】認証用紙の他の例を示す模式図である。
【図6】認証のための説明用紙の一例を示す模式図である。
【図7】認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。
【図8】認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。
【図9】認証のための説明用紙の他の例を示す模式図である。
【図10】認証のための認証用紙にQRコードが付された場合の一例を示す模式図である。
【図11】認証テーブルの内容を示す概念図である。
【図12】設定テーブルの内容を示す概念図である。
【図13】制限解除テーブルの内容を示す概念図である。
【図14】認証のための用紙を作成する場合の画像形成装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】認証のための用紙を作成する場合の画像形成装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図17】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図18】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図19】ユーザインタフェース部又は外部機器の表示画面に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図20】OC又はADFの一方を用いて画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】OC又はADFの一方を用いて画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの一例を示す模式図である。
【図23】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの一例を示す模式図である。
【図24】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図27】OC及びADFを同時に併用して画像読取装置が実行する認証のための処理の手順を示すフローチャートである。
【図28】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの他の例を示す模式図である。
【図29】認証用紙と原稿用の用紙の重ね合わせの他の例を示す模式図である。
【図30】認証のための用紙(認証用紙、設定用紙、制限解除用紙、説明用紙)の他の例を示す模式図である。
【図31】本発明に係る画像読取装置を備える画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図32】本実施の形態3に係るデジタル複合機の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0182】
1 画像読取装置
2 画像形成装置
3 パーソナルコンピュータ
4 通信線
6 サーバ装置
7 デジタル複合機
10、20、62、70 制御部
12 画像入力部(OC)
13 原稿読取部(ADF)
14、74 パターン認識部
15、22、66、76 記憶部
16、63、77 認識部
17、64、78 設定部
18、65、79 制限解除部
19、24、80 ユーザインタフェース部
21、75 画像形成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に記録された画像を読み取る読取手段を備え、該読取手段で読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置において、
前記読取手段で読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、
前記読取手段で読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、
前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段と
を備え、
該判定手段で判定した結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第2の抽出手段は、前記第1の抽出手段で前記パターンが抽出されたシート上の画像から前記組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記判定手段で一致すると判定した場合、前記パターン又は組合せ情報が抽出されたシートの後に読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記読取手段で読み取ったシート上の画像を記憶する記憶手段を備え、
前記判定手段で一致すると判定した場合、前記記憶手段で記憶され、前記パターン又は組合せ情報が抽出された複数のシートの間で読み取られたシート上の画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
読取手段を複数備え、
前記第1の抽出手段は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出するようにしてあり、
前記第2の抽出手段は、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
読取手段を複数備え、
前記第1及び第2の抽出手段夫々は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあり、
前記判定手段で一致すると判定した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記読取手段は、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記判定手段で一致しないと判定した場合、前記所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項9】
暗号化された前記組合せ情報を復号化する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記組合せ情報は、利用者に関する認証情報であり、該認証情報を用いて利用者を認証するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記組合せ情報は、前記処理に対する設定条件であり、該設定条件に従って実行すべき処理に対する設定を行う手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記組合せ情報は、前記処理に対する制限解除条件であり、該制限解除条件に従って実行すべき処理に対する制限解除を行う手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1つに記載の画像読取装置で読み取る画像をシート上に形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記画像形成手段は、復号化された組合せ情報をシート上に形成するようにしてあることを特徴とする請求項14乃至請求項16のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成手段は、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するようにしてあることを特徴とする請求項14乃至請求項16のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項19】
シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置と、該画像読取装置で実行する処理の実行可否の判定処理を行う情報処理装置とを備える画像処理システムにおいて、
前記読取装置は、
読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、
読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、
両抽出手段で抽出された複数のパターン及び組合せ情報を前記情報処理装置へ出力する出力手段と
を備え、
前記情報処理装置は、
前記出力手段で出力された複数のパターン及び組合せ情報を取得する手段と、
該手段で取得された複数のパターンの組み合わせが、前記手段で取得された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果を前記読取装置へ出力する手段と
を備え、
前記読取装置は、
前記手段で出力された判定結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする画像処理システム。
【請求項20】
シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取方法において、
読み取った画像から複数の所定のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出し、
抽出された複数のパターンの組み合わせが、抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定し、
判定した結果に基づいて、所定の処理を実行することを特徴とする画像読取方法。
【請求項1】
シート上に記録された画像を読み取る読取手段を備え、該読取手段で読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置において、
前記読取手段で読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、
前記読取手段で読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、
前記第1の抽出手段で抽出された複数のパターンの組み合わせが、前記第2の抽出手段で抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段と
を備え、
該判定手段で判定した結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第2の抽出手段は、前記第1の抽出手段で前記パターンが抽出されたシート上の画像から前記組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記判定手段で一致すると判定した場合、前記パターン又は組合せ情報が抽出されたシートの後に読み取られたシート上に記録された画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記読取手段で読み取ったシート上の画像を記憶する記憶手段を備え、
前記判定手段で一致すると判定した場合、前記記憶手段で記憶され、前記パターン又は組合せ情報が抽出された複数のシートの間で読み取られたシート上の画像に対して所定の処理を実行すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
読取手段を複数備え、
前記第1の抽出手段は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターンを抽出するようにしてあり、
前記第2の抽出手段は、他の読取手段で読み取ったシート上の画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
読取手段を複数備え、
前記第1及び第2の抽出手段夫々は、一の読取手段で読み取ったシート上の画像から複数のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出するようにしてあり、
前記判定手段で一致すると判定した場合、他の読取手段は、シート上に記録された画像を読み取るようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記読取手段は、複数のシートを順次的又は同時的に読み取るようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記判定手段で一致しないと判定した場合、前記所定の処理の実行を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項9】
暗号化された前記組合せ情報を復号化する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記組合せ情報は、利用者に関する認証情報であり、該認証情報を用いて利用者を認証するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記組合せ情報は、前記処理に対する設定条件であり、該設定条件に従って実行すべき処理に対する設定を行う手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記組合せ情報は、前記処理に対する制限解除条件であり、該制限解除条件に従って実行すべき処理に対する制限解除を行う手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記組合せ情報は、パターンの順序又は配置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1つに記載の画像読取装置で読み取る画像をシート上に形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
複数のパターンの組合せに関する組合せ情報を外部記憶装置へ出力する手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記画像形成手段は、復号化された組合せ情報をシート上に形成するようにしてあることを特徴とする請求項14乃至請求項16のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成手段は、パターンを形成したシート上に、該パターンの順序又は配置に関する情報を形成するようにしてあることを特徴とする請求項14乃至請求項16のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項19】
シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取装置と、該画像読取装置で実行する処理の実行可否の判定処理を行う情報処理装置とを備える画像処理システムにおいて、
前記読取装置は、
読み取った画像から複数の所定のパターンを抽出する第1の抽出手段と、
読み取った画像から前記パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出する第2の抽出手段と、
両抽出手段で抽出された複数のパターン及び組合せ情報を前記情報処理装置へ出力する出力手段と
を備え、
前記情報処理装置は、
前記出力手段で出力された複数のパターン及び組合せ情報を取得する手段と、
該手段で取得された複数のパターンの組み合わせが、前記手段で取得された組合せ情報に一致するか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果を前記読取装置へ出力する手段と
を備え、
前記読取装置は、
前記手段で出力された判定結果に基づいて、所定の処理を実行するようにしてあることを特徴とする画像処理システム。
【請求項20】
シート上に記録された画像を読み取り、読み取った画像に対して所定の処理を実行する画像読取方法において、
読み取った画像から複数の所定のパターン及び該パターンの組合せに関する組合せ情報を抽出し、
抽出された複数のパターンの組み合わせが、抽出された組合せ情報に一致するか否かを判定し、
判定した結果に基づいて、所定の処理を実行することを特徴とする画像読取方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2007−150583(P2007−150583A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340778(P2005−340778)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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