説明

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及びプログラム

【課題】カードのような小サイズの原稿であっても、その原稿から正常に画像を読み取ること。
【解決手段】CPU101は、原稿搬送部105より原稿の搬送を開始し、原稿通過時間予測部109で予測した到達時間より第1時間だけ早く画像読取部104による原稿の読み取りを開始し、且つ通過時間より第2時間だけ遅く画像読取部104による原稿の読み取りを終了するように読取処理を制御する。また、原稿画像領域検出部107は、読取処理により画像読取部104で読み取られた画像データから原稿の画像を検出する。さらに、CPU101は、原稿画像領域検出部107による検出結果に基づいて、前記原稿の搬送状態を判断して、その後の処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関し、画像情報を正しく取得する機能を備えた画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原稿を搬送してその画像情報を読み取るシートフィード型と呼ばれる画像読取装置(スキャナ)は、一般的に原稿搬送路上に原稿を検知するための原稿検知センサを設けておき、搬送中の原稿の位置を把握したり、原稿の長さを検知している。
【0003】
さらに、原稿を搬送開始してから所定の時間経過しても原稿を検知しないとき、或いは原稿を検知してから所定の時間経過しても原稿を検知し続けているとき、搬送JAMが発生したことを検出している。
【0004】
また、このような画像読取装置は、原稿の画像を読み取る読取センサが原稿検知センサより搬送方向下流に所定の間隔だけ離れた位置に配置されるように構成される。読取センサは、原稿検知センサが原稿を検知してから所定のタイミングだけ経過したら画像の読み取りを開始し、原稿検知センサが原稿を検知しなくなるまで読み取りを継続することで、原稿サイズを正確に検知して原稿の画像全体を正確に読み取るようにしている。
【0005】
しかし、近年、画像読取装置のニーズが多様化してカードをスキャンしたり、また安価な画像読取装置が望まれるようになった。
【0006】
例えば、カードは、A4、A3、B4等の多様なサイズが存在するオフィス原稿とは異なり、そのサイズがほとんど決まっている。このためカードをスキャンする場合は、原稿のサイズを検知しなくても所定のサイズを読み取ればよく、安価なスキャナには原稿検知センサを搭載しないことも検討されている。
【0007】
こういった原稿検知センサを搭載しない画像読取装置は、画像の読み取りを開始するタイミングを、例えば原稿を給紙する給紙口から画像読取センサまでの距離と搬送速度をもとに、原稿が画像読取センサに到達するであろうと推測できる時間を算出し、そのタイミングで読み取りを開始し、また原稿が画像読取センサを完全に通過すると推測する時間まで読み取りを継続するようにしている。
【0008】
なお、特許文献1には、搬送JAMを検出するための方法として、原稿に接しているローラの回転状況から搬送ジャムを検出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−255383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、原稿検知センサを搭載しない画像読取装置は、原稿搬送路上のどの位置に原稿が存在するかを把握できないため、原稿の搬送異常(例えば、原稿なし、原稿の滞留、ジャム等)を検出できなくなるという問題点があった。
【0011】
なお、特許文献1の搬送ジャム検出方法では、ローラの回転状況を検出するためのセンサを設ける必要があり、このセンサを原稿検知センサの代わりに設けたのでは、かえってコストアップになる可能性があり、できるだけ安価な画像読取装置を要望されているニーズに向いていない。
【0012】
上述のような原稿の搬送異常により、正常に原稿を搬送できないような場合、原稿の画像全体を正常に読み取れないといった事態が発生する可能性があった。
【0013】
例えば、所定の時間を経過しても原稿が画像読取センサまで到達しないような場合、或いは原稿が斜行したまま搬送されて所定の時間より早く原稿の一部が画像読取センサに到達した場合などのように、正常に原稿を搬送できないような場合においては、たとえマージンを付けて原稿を読み取っていたとしても、後述する図8や図9に示すようにマージン領域内に原稿の画像がおさまらず、画像の欠落が発生してしまい、正常に原稿の画像を読み取ることができないという事態が発生する可能性があった。
【0014】
また、画像読取装置の搬送路の幅方向のサイズは、その画像読取装置での使用が予定されている最大サイズの原稿が搬送できるように設計されるため、カードのように小サイズの原稿に対しては搬送路の幅が大きすぎる場合がある。このため、小サイズの原稿を給紙すると斜行を生じて、たとえ原稿検知センサを搭載した画像読取装置であっても、その画像を適切に読み取ることができない場合がある。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、原稿から正常に画像を読み取ることができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されている原稿を読み取るための読取手段と、前記搬送手段によって搬送される原稿の先端が前記読取手段に到達するまでの時間を示す到達時間、及び前記原稿の後端が前記読取手段を通過するまでの時間を示す通過時間を予測する予測手段と、前記搬送手段により原稿の搬送を開始し、前記予測手段で予測した到達時間より第1時間だけ早く前記読取手段による原稿の読み取りを開始し、且つ前記通過時間より第2時間だけ遅く前記読取手段による原稿の読み取りを終了するように読取処理を制御する制御手段と、前記読取処理により前記読取手段で読み取られた画像データから原稿の画像を検出する検出手段と、を有し、前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記原稿の搬送状態を判断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、原稿から正常に画像を読み取ることができる。特に、カードのような小サイズの原稿であっても、その原稿から正常に画像を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1に係る画像読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】(A)は本発明の一実施例に係る画像読取装置100の外観図、(B)は図2(A)の線l−lに沿う画像読取装置100の概略断面図である。
【図3】実施例1における画像読取装置100の平面図である。
【図4】(A)は実施例1における図2(A)の線ll−llに沿う画像読取装置100の概略断面図、(B)は原稿M2と排出口の寸法関係の説明図、(C)は図4(A)の線lll−lllに沿う上下の壁部の概略断面図である。
【図5】実施例1における原稿M2の画像読取時の画像読取装置100の動作を説明するための図である。
【図6】画像読取部104のラインセンサの出力値の一例を示す図である。
【図7】原稿が正常に搬送された場合に読み取られるマージン付きの画像情報の一例を示す図である。
【図8】原稿が搬送路に滞留した場合に読み取られるマージン付きの画像情報の一例を示す図である。
【図9】原稿が斜行して搬送された場合に読み取られるマージン付きの画像情報の一例を示す図である。
【図10】データ2値化部106によるデータ2値化方法の一例を示す図である。
【図11】カラーグレー変換器611によりグレーに変換された2値化前データの一例を示す図である。
【図12】比較器612により2値化されたデータの一例を示す図である。
【図13】原稿画像領域の4隅の頂点を説明する図である。
【図14】実施例1における原稿画像領域検出部107により実行される原稿画像領域検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施例1における画像読取装置100で実行される画像読取処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施例2に係る画像読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図17】実施例2における画像読取装置100の平面図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してある。
【図18】実施例2における図2(A)の線ll−llに沿う画像読取装置100の概略断面図である。
【図19】実施例2における原稿M2の画像読取時の画像読取装置100の動作を説明するための図である。
【図20】本発明の実施例3に係る画像読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係る画像読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1において、100は画像読取装置である。CPU101は、ROM102にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、画像読取装置100全体を制御する。
【0022】
ROM102は、プログラムや固定データを格納する。RAM103は、CPU101の作業領域やデータの一時記憶領域として使用される。また、RAM103は、画像読取部104で読み取った画像データや、読み取ったデータを公知のシェーディング補正等の画像処理を行う際の補正データ等を記憶する。
【0023】
データ転送部108は、読み取って所定の処理を施した画像データを、外部装置(以下、PC(パーソナルコンピュータ))に転送したり、PCからデータを受信したりするための外部インタフェースである。データ転送部108は、ネットワークインタフェースであっても、コンピュータと周辺機器が直接通信するためのインタフェース、例えば、USB、SCCI、米インテル社の高速インタフェースであるThunderbolt、赤外線インタフェース等であってもよい。
【0024】
画像読取部104は、白色光の光源とレンズアレイとラインセンサを有し、光源の白色光を原稿に照射して、その反射光を一旦レンズアレイで結像したのち、ラインセンサで受光して電圧に変換出力することで、原稿を画像データとして読み取る。
【0025】
原稿搬送部105は、モータや搬送ローラ等を有する。なお、原稿搬送部105の詳細は後述する。
【0026】
原稿通過時間予測部109は、原稿(後述する原稿M1又はM2)が給紙開始されてから画像読取部104に到達すると予測される時間(到達時間)を算出する。また、原稿通過時間予測部109は、原稿搬送部105で搬送されている原稿M1又はM2が画像読取部104を完全に通過するまでの時間(通過時間)を算出する。なお、原稿通過時間予測部109による到達時間、通過時間の予測方法は後述する。
【0027】
データ2値化部106は、RAM103に記憶された画像データから2値データを生成し、RAM103に格納する。データ2値化部106の構成は後述する図10に示す。
【0028】
原稿画像領域検出部107は、RAM103に記憶された2値データから原稿の画像領域を検出する。原稿の画像領域検出方法については後述する図14に示す。
【0029】
なお、図1では、原稿画像領域検出部107、及び原稿通過時間予測部109をハードウェアのように示しているが、原稿画像領域検出部107、及び原稿通過時間予測部109はソフトウェアにより実現される機能に対応する。即ち、原稿画像領域検出部107、及び原稿通過時間予測部109は、CPU101がROM102にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される機能に対応する。また、データ2値化部106もソフトウェアにより実現される機能であってもよい。さらに、データ2値化部106は、原稿画像領域検出部107に含まれていてもよい。
【0030】
以下、図2〜図5を参照して、本実施例の画像読取装置100のメカ構成について説明する。
図2(A)は、本発明の一実施例に係る画像読取装置100の外観図である。
図2(B)は、図2(A)の線l−lに沿う画像読取装置100の概略断面図である。
図3は、実施例1における画像読取装置100の平面図である。
図4(A)は、実施例1における図2(A)の線ll−llに沿う画像読取装置100の概略断面図である。
図4(B)は原稿M2と排出口の寸法関係の説明図である。
図4(C)は図4(A)の線lll−lllに沿う上下の壁部の概略断面図である。
図5は、実施例1における原稿M2の画像読取時の画像読取装置100の動作を説明するための図である。
【0031】
画像読取装置100は、原稿(第1原稿M1、第2原稿M2)を搬送可能な原稿搬送部105と、原稿搬送部105により搬送されている原稿の画像を読み取る画像読取部104を備えた搬送・読取部10と、その両側に配置された収容部20,21と、を備える。
【0032】
収容部20には、原稿M1及び原稿M2を搬送する原稿搬送部105の駆動部155が配置される。駆動部155は、例えばモータと、モータの出カを後述するローラの駆動軸等に伝達する伝達機構と、を備える。収容部21には例えば制御回路(CPU101、ROM102、RAM103、データ転送部108)等が収容される。
【0033】
原稿M1は本実施例の場合、シート状の媒体であり、例えば紙類である。原稿M2は本実施例の場合、原稿M1よりも幅狭な媒体(第1媒体)であり、例えばカード類である。なお、原稿M2は、原稿M1よりも厚さが厚い媒体(第2媒体)であり、例えばプラスチック製のカード類でもよいし、比較的薄い紙製のカード類でもよい。
【0034】
搬送・読取部10の一方端部には、給紙トレイ111が開閉可能に設けられている。この給紙トレイ111を開状態とした状態においては、画像読取装置100の上部端側に原稿M1を導入するための導入部11が開放される。
【0035】
一方、搬送・読取部10の他方端部には原稿M1が排出される排出口12が形成されている。この排出口12の一部(12bに示す部分)は、例えば、本実施例では、原稿M2が手差し等で導入される導入口(挿入口)と、画像読取部104によって画像を読み取った後の原稿M2の排出口とを兼ねている。即ち、排出口12は、原稿M1を排出するための排出口12aと、排出口12aよりも上下の高さが拡大され、原稿M2を導入、排出するための挿排口12bとを備える。
【0036】
なお、挿排口12bが排出口12aよりも上下の高さが拡大されていることで、ユーザが視覚的に原稿M2の導入位置が分かり易いという利点がある。また、挿排口12bは、図4(B)に示すように、その上下、左右の縁部に開口面積が徐々に縮小するテーパを形成しており、原稿M2を挿排口12bから挿入し易くしている。
【0037】
導入部11には、原稿M1を搬送・読取部10内に導入するための給紙口(導入口)110が設けられていると共に、本実施例の場合、自動給紙装置(ADF)が配設されている。ADFは、複数枚の原稿M1が積載される給紙トレイ111と、フィードローラ112と、分離パッド113と、を備える。
【0038】
給紙トレイ111は、回転ヒンジ部111aを有し、搬送・読取部10の上面に折り畳み可能に構成されており、使用時は各図に示す開状態で使用される。フィードローラ112は駆動部155により回転駆動され、給紙トレイ111に積載された原稿M1のうち最下層に位置する原稿M1を給送するものである。
【0039】
分離パッド113は、フィードローラ112の外周面と接するように設けられており、フィードローラ112の回転に伴って給送される原稿M1を、この分離パッド113とフィードローラ112の外周面との間に取り込むことで、1枚ずつ自動で分離して給送することができる。
【0040】
フィードローラ112と分離パッド113とは、搬送・読取部10の左右の幅方向の中央部にのみ設けられており、図4(A)に示すように挿排口12bの背後の領域においては設けられていない。これは原稿M2の読取時に原稿M2と、フィードローラ112及び分離パッド113とが干渉することを回避するためである。
【0041】
原稿M1,M2が搬送される搬送経路(搬送空間)RTは、その天壁を形成する壁部156と、その底壁を形成する157と、から形成される。壁部156,157は搬送・読取部10の略全域に渡って配設されている。
【0042】
ここで、主に図2(B)を参照して、原稿搬送部105の原稿M1の搬送機構について説明する。
【0043】
原稿搬送部105は、原稿M1の搬送機構として、搬送・読取部10の左右の幅方向に延在する駆動軸152a,154a、従動軸151a,153aを備える。原稿M1の搬送機構は、駆動軸152aに設けられた駆動ローラ152及び従動軸151aに設けられた従動ローラ151を備える搬送ローラ対と、駆動軸154aに設けられた駆動ローラ154及び従動軸153aに設けられた従動ローラ153を備える搬送ローラ対と、を備える。
【0044】
これら各ローラは、搬送・読取部10の左右の幅方向に1又は複数設けられ、壁部156又は157に形成された開口部を通って搬送経路RT内に進入している。ADFにより導入部11から導入された原稿M1は、これらの搬送ローラ対によって、図2(B)において矢印で示す方向に搬送されて搬送経路RT内を排出口12(12a)へ搬送されて排出される。
【0045】
導入部11から排出口12に至る搬送経路RTの途中には画像読取部104(読取ユニット104a,104b)が配設されている。読取ユニット104a,104bは、搬送経路RT内を搬送される原稿M1,M2からその画像を読み取るユニットであり、搬送・読取部10の左右の幅方向略全域に渡って延在している。
【0046】
読取ユニット104aは、搬送される原稿M1,M2の上面を読み取るためものであり、搬送経路RTの天部側に配置されている。読取ユニット104bは、搬送される原稿M1,M2の下面を読み取るためのものであり、搬送経路RTの底部側に配置されている。本実施例では、このように原稿M1,M2の両面を読み取る構成としているが、読取ユニット104a,104bのいずれか一方を配して片面を読み取る構成としてもよい。
【0047】
ここで、上述した原稿M1の導入部11から排出口12への搬送にあっては、フィードローラ112と搬送ローラ対(駆動ローラ152及び従動ローラ151)の間の屈曲部RTwで原稿M1を湾曲させて搬送させていることから、カード状の媒体(特に厚手の媒体、高剛性の媒体等)は搬送が困難となる。そこで、原稿M2については挿排口12bから導入して読取ユニット104a,104bへ搬送して画像を読み取り挿排口12bから排出するようにしている。このように原稿M1の搬送経路RTを屈曲させることにより、画像読取装置100における装置の高さ寸法、奥行き寸法等を小さくでき、装置全体の小型化を図ることができる。
【0048】
次に、主に図4(A)を参照して、原稿搬送部105の原稿M2の搬送機構について説明する。
【0049】
原稿搬送部105は、原稿M2の搬送機構として、駆動軸152aに設けられた駆動ローラ152'及び従動軸151aに設けられた従動ローラ151'を備える搬送ローラ対と、駆動軸154aに設けられた駆動ローラ154'及び従動軸153aに設けられた従動ローラ153'を備える搬送ローラ対と、を備える。
【0050】
詳細には、駆動部155は、導入部11から排出口12に向けて原稿搬送を行う第1搬送モード(通常搬送モード)と、挿排口12bから読取ユニット104a,104bに向けて原稿搬送を行う第2搬送モード(逆搬送モード)とを有し、両モードを切り替え制御可能となっている。
【0051】
例えば、本実施例では、PCからのカードスキャン指示に応じて、挿排口12bへ挿入されている原稿M2を逆搬送モードで搬送し、読取ユニット104a,104bに対向する領域を原稿M2が通過したと予想される時間(通過時間+所定時間)の経過後に、通常搬送モードに切り替え可能となっている(以下、原稿M2の「スイッチバック搬送」ともいう)。
【0052】
なお、原稿M2のスイッチバック搬送においては、搬送方向を転換する際に連続的に搬送してもよいし、原稿M2を一時的に停止するようにしてもよい。なお、原稿M2の画像読取においては、往路又は復路の何れかで両面を読み取ってもよいし、往路と復路とで片面ずつ分けて読み取ってもよい。
【0053】
また、本実施例の場合、各ローラ151'乃至154'は、各ローラ151乃至154よりも小径のものを使用している。これは、原稿M1よりも原稿M2の方が厚さが厚いことを考慮したものである。もっとも、いずれのローラについて同径のものを使用することも可能である。
【0054】
なお、各ローラ151'乃至154'の少なくとも表面層が、各ローラ151乃至154よりも柔らかい素材(低硬度のゴム、エラストマーやスポンジ等のクッション性素材)によって形成されていることが好ましい。これは、原稿M2の種類等に起因した厚み変動を適度に吸収しながら、適切な搬送カを確保するためである。
【0055】
また、原稿M2としてクレジットカード等を例に挙げると、文字領域におけるエンボス部分がある場合、そのエンボス部分を各ローラ151'乃至154'の弾性変形によって吸収し、搬送時にエンボス部分が局所的に抵抗領域となって原稿M2が斜行することを有効に防ぐことができる。このような場合、各ローラ151'乃至154'は、各ローラ151乃至154と同径のものを使用してもよい。
【0056】
本実施例では、原稿M1の搬送機構と、原稿M2の搬送機構とで駆動軸152a、154a、従動軸151a,153aを共用し、これにより駆動部155も共用している。しかし、原稿M1の搬送部と原稿M2の搬送部とをそれぞれ独立して構成してもよい。
【0057】
ユーザが手差しで原稿M2を導入する際、その向きが適切でないと原稿M2の搬送に際して斜行を生じるおそれがある。斜行を防止するために以下の構成を備える。
【0058】
本実施例では、挿排口12bの背後の領域において、図4(A)に示すように壁部156,157がそれぞれ凹部156a,157aを備える。凹部156a,157aは、原稿M2の左右幅に対応した左右幅(例えば原稿M2の左右幅よりも僅かに幅広)を有して、奥行き方向(原稿M2の搬送方向)に延設されている。
【0059】
凹部156aは上方にへこみ、凹部157aは下方にへこんでいる。へこみの深さは原稿M2の厚さにしたがって設定される。図4(B)は、原稿M2が、原稿M1よりも厚さが厚い媒体(例えばクレジットカード等のプラスチック製のカード類)の場合の厚さtと、搬送経路RTのうち、凹部156a,157aが形成された部分の上下方向の高さK1と、搬送経路RTのうち、凹部156a,157aを除く部分の上下方向の高さK2との関係を示す。なお、排出口12aの高さもK2である。
【0060】
そして、これらの関係は、K2<t<K1という関係を有している。このような関係を有していることで、特に原稿M2が原稿M1よりも厚さが厚い媒体の場合、原稿M2をユーザが排出口12に差し込む際、挿排口12b以外の都分に差し込むことが困難となり、適切な位置に差し込むことを促すことができる。
【0061】
そして、凹部156a,157aの内側側面は、図4(C)に示すように原稿M2の幅方向の側面部に対向するように原稿M2の搬送方向に沿って配置され、挿排口12bから搬送経路RTへ導入される原稿M2を案内する規制壁部SWを形成することになる。この規制壁部SWの存在により、特に原稿M2が原稿M1よりも厚さが厚い媒体の場合、原稿M2の斜行を防止することができる。この規制壁部SWは、原稿M1との関係においては、原稿M1が通過する位置よりも上又は下に存するので、原稿M1の搬送時にその支障になることもない。本実施例の場合、凹部156a,157aの端部は排出口12まで延設されており、挿排口12bを構成している。
【0062】
なお、本実施例では、壁部156,157のそれぞれに凹部156a,157aを形成したが、いずれか一方に凹部を形成し、規制壁部SWも上側叉は下側の一方のみとしてもよい。
【0063】
次に、図5を参照して原稿M2の画像読取時の画像読取装置100の動作について説明する。
【0064】
本実施例では搬送・読取部10の背部に、開口部16が形成されており、原稿M2の画像読取時に蝶体M2を直線的に搬送し、開口部16から原稿M2を一時的に突出させる。これは画像読取装置100のコンパクト化に寄与する。
【0065】
具体的には、図3に示すように、例えば、本実施例では、画像読取装置100の奥行き方向の長さ寸法Dは、原稿M2の長手方向の長さ寸法D'と略同等としている。また、原稿M2の搬送経路RTは、挿排口12bから原稿M2の搬送経路の一部を通って屈曲部RTwに開口するスリット(原稿M2専用の搬送経路であって、本実施例ではスイッチバックのための退避エリア)に連通して形成された直進経路からなる。このスリットは、例えば、本実施例では、画像読取装置100の背部(背面)に開口部16として開放されている。
【0066】
このため、挿排口12bから原稿M2を導入後に、原稿M2の先端が画像読取装置100の後端部に到達する状態では、画像読取装置100内部に原稿M2の全体が一時的に収容される。その後、原稿通過時間予測部109により予測された通過時間+所定時間が経過した時点で駆動部155がスイッチバック搬送に切り替えられる。
【0067】
このとき、原稿M2の先端部側は、一時的に開口部16から突出することになる。このときも、原稿M2が原稿M1より厚い媒体の場合、原稿M2は、その後部側が規制壁部SWに案内されるので、幅方向の移動が実質的に規制される。これにより、原稿M2が原稿M1より厚い媒体の場合、原稿M2のスイッチバック搬送時においても原稿M2の斜行を有効に防止することができる。
【0068】
このように、本実施例においては、原稿M2が原稿M1より厚い媒体の場合、原稿M2の斜行防止のための規制壁部として、原稿M2の搬送経路RTにおける少なくとも読取ユニット104a,104bの挿排口12b側及びその反対側(開口部16側)に対応する部分にそれぞれ各壁部(原稿M2の搬送ガイド)が設けられている。これにより、本実施例の画像読取装置100は、原稿M1の搬送を可能としながらも一部の搬送経路を兼用して原稿M2のスイッチバック搬送を実現しつつ、原稿M2が原稿M1よりも厚さが厚い媒体の場合の原稿M2の斜行を有効に防止することができて、画像読取の品質を向上することができる。
【0069】
図5において、ST1は、ユーザにより原稿M2が挿排口12bに導入された状態を示す。規制壁部SWの案内を利用してユーザは原稿M2を簡易に正しい姿勢で挿排口12bに導入することができる。
【0070】
ユーザはPCからカードの読み取り開始を指示し、挿排口12bに原稿M2を挿入して、原稿M2を搬送ローラ153'、154'に押し当てる。PCは、カードの読み取り開始の指示を受けると、画像読取装置100にカードスキャン指示を送信する。PCからカードスキャン指示を受けると、画像読取装置100は、駆動ローラ154'、152'を、挿排口12bに導入された原稿M2を読取ユニット104a,104bへ搬送する方向に回転駆動する。これにより、挿排口12bに導入された原稿M2は読取ユニット104a,104bへ搬送される。搬送の際、規制壁部SWの存在により、原稿M2が原稿M1よりも厚さが厚い媒体の場合、原稿M2の面方向の移動が規制されて原稿M2の斜行が有効に防止される。
【0071】
原稿M2が読取ユニット104a,104bを通過する際、読取ユニット104a,104bによりその表裏面の画像が読み取られる。読み取りの開始は、原稿通過時間予測部109により予測された到達時間に従って行う。原稿通過時間予測部109は、挿排口12bから読取ユニット104a,104bまでの物理的な距離と原稿搬送部105の搬送速度をもとに、挿排口12bの原稿M2が読取ユニット104a,104bに到達すると予測される時間(到達時間)を算出する。
【0072】
ST2は、読み取りが完了した状態を示す。原稿M2はその一部が開口部16から突出している。読み取りの完了は、原稿通過時間予測部109により予測された通過時間に従って判断される。原稿通過時間予測部109は、原稿搬送部105で搬送されている原稿M2が読取ユニット104a,104bを完全に通過するまでの時間を、原稿M2が読取ユニット104a,104bに到達すると予測した時間(到達時間)と設定された原稿サイズと搬送速度をもとに算出する。なお、ここでは、原稿搬送部105による搬送速度から通過時間を予測しているが、原稿搬送部105の駆動部155をパルスモータにして、そのステップ数をカウントすることで搬送する原稿の距離を計算するようにしてもよい。また、原稿通過時間予測部109により予測された通過時間は、原稿M2の搬送時において、読取ユニット104a、104bで読み取った原稿M2を挿排口12bから排出するために逆搬送するタイミング(スイッチバック搬送のタイミング)を取るために用いられる。
【0073】
読み取りが完了すると、駆動ローラ154'、152'を逆方向に回転駆動して原稿M2が逆方向に搬送する(スイッチバック)。なお、原稿M2の画像読取においては、往路又は復路の何れかで両面を読み取ってもよいし、往路と復路とで片面ずつ分けて読み取ってもよい。
【0074】
ST3は、原稿M2を逆方向に搬送している状態を示す。なお、画像の読み取りはこの逆方向の搬送途中で行ってもよい。
【0075】
ST4は、原稿M2を挿排口12bから排出途中の状態を示す。原稿M2が挿排口12bから排出されると一単位の処理が終了する。
【0076】
こうして本実施例では、規制壁部SWにより原稿M2の斜行を防止することができ、しかも、規制壁部SWが原稿M1の搬送時において原稿M1と干渉しないようにすることができる。
【0077】
次に、画像読取部104で読み取った画像情報から原稿画像領域を検出する方法について、図6〜図15を参照して説明する。
【0078】
画像読取部104が読み取る画像情報のうちマージン領域部分の画像は、画像読取部104に対して図4(A)に示す搬送経路RTを挟んだ対向に位置する不図示の対向部材の色によって決まる。本実施例ではこの対向部材の色を黒とする。対向部材が黒の場合、対向部材からの反射光が少なくラインセンサの出力値が小さく、マージン領域部分の画像は暗くなる。また原稿は対向部材よりも白いので画像読取部104のラインセンサの出力値が大きく、原稿領域部分の画像は明るくなる。
【0079】
図6は、画像読取部104のラインセンサの出力値の一例を示す図である。
図6に示すように、画像読取部104のラインセンサの出力は、原稿先端Aから原稿後端Bまでの原稿を読み取っている間でしきい値Tを上回る出力になる。
【0080】
そして、正常に原稿が搬送された場合に画像読取部104に読み取られる画像情報は、図7のようになり、原稿領域部分の画像が欠落することなく読み取られる。
【0081】
図7は、原稿が正常に搬送された場合に読み取られるマージン付きの画像情報の一例を示す図である。
【0082】
一方、原稿が不正な状態で搬送された場合に読み取られる画像情報は、図8、図9のように原稿の一部分の画像が欠落して読み取られる場合がある。
【0083】
図8は、原稿が搬送路に滞留した場合に読み取られるマージン付きの画像情報の一例を示す図である。
図9は、原稿が斜行して搬送された場合に読み取られるマージン付きの画像情報の一例を示す図である。
【0084】
例えば、原稿が搬送路に滞留した場合には、図8のように原稿の搬送方向後端の部分の画像が欠落して読み取られる場合がある。
【0085】
また、原稿が斜行して搬送された場合には、図9のように原稿の一部の画像が欠落して読み取られる場合がある。
【0086】
ここで、図10、図11、図12を用いて、原稿画像領域検出部107における処理について説明する。
【0087】
まず画像情報の各画素の2値化処理について図10に従って説明する。
図10は、データ2値化部106によるデータ2値化方法の一例を示す図である。
図10に示すように、データ2値化部106は、RAM103から画像読取部104で読み取られた画像データの注目画素P(x,y)を取得し、該取得した注目画素P(x,y)のRGBデータをカラーグレー変換器611に入力する。カラーグレー変換器611は、下記の式(1)に示すような周知の変換方法によって、入力されたカラーデータをグレーデータに変換する。
【0088】
Gray値=(0.299×R成分+0.587×G成分+0.114×B成分)・・・式(1)
図11は、カラーグレー変換器611によりグレーに変換された2値化前データの一例を示す図である。なお、本実施例では、説明を簡単にするために、画像読取部104が1枚の原稿M2を読み取る際にラインセンサにより読み取る画像のデータを8×10のデータとする。
【0089】
画像読取部104(例えば、読取ユニット104a)のラインセンサにより読み取られた各画素の画像情報は、カラーグレー変換器611によりグレーにより、図11に示すように、例えば「0」〜「256」のグレーデータに変換される。
【0090】
そして、データ2値化部106では、グレーに変換されたデータ(グレーデータ)と所定のしきい値Tを比較器612に入力する。比較器612は、グレーデータがしきい値Tを下回る場合「0」を出力し、グレーデータがしきい値T以上の場合「1」を出力して2値化を行う。
【0091】
データ2値化部106は、比較器612の出力結果Q(x,y)をRAM103に保存する。これをすべての画素に対して順次行う。例えば、2値化されたデータは、しきい値Tを「60」とすると、図12のようになる。
【0092】
図12は、比較器612により2値化されたデータの一例を示す図である。
原稿画像領域検出部107は、図12に示すような2値化データから、原稿画像領域の4隅の頂点を検出する。
【0093】
図13は、原稿画像領域の4隅の頂点を説明する図である。
なお、原稿画像領域の4隅の頂点を検出する処理(原稿画像領域検出処理)については、図14のフローチャートに従って説明する。
【0094】
図14は、実施例1における原稿画像領域検出部107により実行される原稿画像領域検出処理の一例を示すフローチャートである。即ち、このフローチャートの各ステップは、CPU101がROM102にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0095】
まず、S700において、CPU101により実行される原稿画像領域検出部107(以下、CPU101)は、データ2値化部106を用いて、画像読取部104の読取ユニット104aにより読み取られてRAM103に格納された画像データ(多値画像データ)の全ての画素を2値変換して、2値画像データをRAM103に格納する。
【0096】
次に、S701において、CPU101は、原稿の各頂点(左点(Left)上点(Top)、右点(Right)、下点(Bottom))が検出された座標(x座標又はy座標)を示す変数Left、Top、Right、Bottom(RAM103に格納される)をそれぞれ「−1」に初期化する。
【0097】
次に、CPU101は、S702〜S709において、原稿画像領域の左点(Left)を求める。以下、詳細に示す。
【0098】
まず、CPU101は、注目画素Qの座標(x,y)を図12に示した2値化後データ全体の左上端の座標(0,0)に初期化する(S702)。
【0099】
次に、CPU101は、注目画素Q(x,y)のデータ(図12に示した2値データ)をRAM103から取得し、注目画素Q(x,y)のデータが「1」か(即ち、原稿を読み取った画素か)否かを確認する(S703)。
【0100】
そして、注目画素Q(x,y)のデータが「1」でないと判定した場合(S703でNo)、CPU101は、原稿を読み取った画素でないと判断して、S706に処理を進める。
【0101】
S706では、CPU101は、注目画素Qが下端(本実施例では注目画素Qのy座標が「9」)であるか否かを判定する。そして、注目画素Qが下端でないと判定した場合(S706でNo)、CPU101は、S708にて、注目画素Qのy座標をインクリメントして副走査方向に隣接する画素(1つ下の画素)を注目画素にし、S703に処理を戻す。
【0102】
一方、S706において、注目画素Qが下端であると判定した場合(S706でYes)、CPU101は、S707にて、注目画素Qのx座標をインクリメントし、y座標を「0」に初期化して、1ライン右の副走査ラインの上端に注目画素を移し、S709に処理を進める。
【0103】
S709では、CPU101は、注目画素Qが右端(本実施例では注目画素Qのx座標が「7」)であるか否かを判定する。そして、注目画素Qが右端でないと判定した場合(S709でNo)、CPU101は、S703に処理を戻す。
【0104】
一方、S709において、注目画素Qが右端であると判定した場合(S709でYes)、CPU101は、左上端から右下端まで全画素をチェックしたにも関わらず原稿を読み取った画素を検出できなかったと判断し、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0105】
そしてS703において、注目画素Q(x,y)のデータが「1」であると判定した場合(S703でYes)、CPU101は、原稿を読み取った画素と判断して、S704に処理を進める。
【0106】
S704では、CPU101は、注目画素Qのx座標が「0」でないか(左端でないか)否かを判定する。そして、注目画素Qのx座標が「0」でないと判定した場合(S704でYes)、CPU101は、その注目画素Qのx座標を、原稿の左点(Left)として変数Leftに格納(S705)、S710に処理を進める。
【0107】
一方、S704において、注目画素Qのx座標が「0」であると判定した場合(S704でNo)、CPU101は、左側にマージンがなくなっていると判断して、変数Leftの値を更新することなく、そのままS710に処理を進める。
【0108】
次に、CPU101は、S710〜S713において、原稿画像領域の上点(Top)を求める。以下、詳細に示す。
【0109】
まず、CPU101は、注目画素Qの座標(x,y)を図12に示した2値化後データ全体の左上端の座標(0,0)に初期化する(S710)。
【0110】
次に、CPU101は、注目画素Q(x,y)のデータ(図12に示した2値データ)をRAM103から取得し、注目画素Q(x,y)のデータが「1」か否かを確認する(S711)。
【0111】
そして、注目画素Q(x,y)のデータが「1」でないと判定した場合(S711でNo)、CPU101は、原稿を読み取った画素でないと判断して、S714に処理を進める。
【0112】
S714では、CPU101は、注目画素Qが右端(本実施例では注目画素Qのx座標が「7」)であるか否かを判定する。そして、注目画素Qが右端でないと判定した場合(S714でNo)、CPU101は、S716にて、注目画素Qのx座標をインクリメントして主走査方向に隣接する画素(1つ右の画素)を注目画素にし、S711に処理を戻す。
【0113】
一方、注目画素Qが右端であると判定した場合(S714でYes)、CPU101は、S715にて、注目画素Qのx座標を「0」に初期化し、y座標をインクリメントして、1ライン下の主走査ラインの左端に注目画素を移し、S711に処理を戻す。
【0114】
そしてS711において、注目画素Q(x,y)のデータが「1」であると判定した場合(S711でYes)、CPU101は、原稿を読み取った画素と判断して、S712に処理を進める。
【0115】
S712では、CPU101は、注目画素Qのy座標が「0」でないか(上端でないか)否かを判定する。そして、注目画素Qのy座標が「0」でないと判定した場合(S712でYes)、CPU101は、その注目画素Qのy座標を、原稿の上点(Top)として変数Topに格納(S713)、S717に処理を進める。
【0116】
一方、S712において、注目画素Qのy座標が「0」であると判定した場合(S712でNo)、CPU101は、図9のように上側にマージンがなくなっていると判断して、変数Topの値を更新することなく、そのままS717に処理を進める。
【0117】
次に、CPU101は、S717〜S720において、原稿画像領域の右点(Right)を求める。以下、詳細に示す。
【0118】
まず、CPU101は、注目画素Qの座標(x,y)を2値化後データ全体の右上の座標(m,0)に初期化する(S710)。本実施例では図12に示したようにm=「7」となる。
【0119】
次に、CPU101は、注目画素Q(x,y)のデータ(図12に示した2値データ)をRAM103から取得し、注目画素Q(x,y)のデータが「1」か否かを確認する(S718)。
【0120】
そして、注目画素Q(x,y)のデータが「1」でないと判定した場合(S718でNo)、CPU101は、原稿を読み取った画素でないと判断して、S721に処理を進める。
【0121】
S721では、CPU101は、注目画素Qが下端(本実施例では注目画素Qのy座標が「9」)であるか否かを判定する。そして、注目画素Qが下端でないと判定した場合(S721でNo)、CPU101は、S723にて、注目画素Qのy座標をインククリメントして副走査方向の隣接する画素(1つ下の画素)を注目画素にし、S718に処理を戻す。
【0122】
一方、注目画素Qが下端であると判定した場合(S721でYes)、CPU101は、S722にて、注目画素Qのx座標をデクリメントし、y座標を「0」に初期化して、1つ左の副走査ラインの上端に注目画素を移し、S718に処理を戻す。
【0123】
そしてS718において、注目画素Q(x,y)のデータが「1」であると判定した場合(S718でYes)、CPU101は、原稿を読み取った画素と判断して、S719に処理を進める。
【0124】
S719では、CPU101は、注目画素Qのy座標が「m」でないか(右端でないか)否かを判定する。そして、注目画素Qのy座標が「m」でないと判定した場合(S719でYes)、CPU101は、その注目画素Qのx座標を、原稿の右点(Right)として変数Rightに格納(S720)、S724に処理を進める。
【0125】
一方、S719において、注目画素Qのx座標が「m」であると判定した場合(S719でNo)、CPU101は、右側にマージンがなくなっていると判断して、変数Rightの値を更新することなく、そのままS724に処理を進める。
【0126】
次に、CPU101は、S724〜S727において、原稿画像領域の下点(Top)を求める。以下、詳細に示す。
【0127】
まず、CPU101は、注目画素Qの座標(x,y)を2値化後データ全体の左下の座標(0,n)に初期化する(S724)。本実施例では図12に示したようにm=「9」となる。
【0128】
次に、CPU101は、注目画素Q(x,y)のデータ(図12に示した2値データ)をRAM103から取得し、注目画素Q(x,y)のデータが「1」か否かを確認する(S725)。
【0129】
そして、注目画素Q(x,y)のデータが「1」でないと判定した場合(S725でNo)、CPU101は、原稿を読み取った画素でないと判断して、S728に処理を進める。
【0130】
S728では、CPU101は、注目画素Qが右端(本実施例では注目画素Qのx座標が「7」)であるか否かを判定する。そして、注目画素Qが右端でないと判定した場合(S728でNo)、CPU101は、S730にて、注目画素Qのx座標をインクリメントして主走査方向に隣接する画素(1つ右の画素)を注目画素にし、S725に処理を戻す。
【0131】
一方、注目画素Qが右端であると判定した場合(S728でYes)、CPU101は、注目画素Qのx座標を「0」に初期化し、y座標をインクリメントして、1ライン下の主走査ラインの左端に注目画素を移し、S725に処理を戻す。
【0132】
そしてS725において、注目画素Q(x,y)のデータが「1」であると判定した場合(S725でYes)、CPU101は、原稿を読み取った画素と判断して、S726に処理を進める。
【0133】
S726では、CPU101は、注目画素Qのy座標が「n」でないか(下端でないか)否かを判定する。そして、注目画素Qのy座標が「n」でないと判定した場合(S726でYes)、CPU101は、その注目画素Qのy座標を、原稿の上点(Bottom)として変数Bottomに格納し(S727)、本フローチャートの処理を終了する。
【0134】
一方、S726において、注目画素Qのy座標が「n」であると判定した場合(S726でNo)、CPU101は、図8のように下側にマージンがなくなっていると判断して、変数Bottomの値を更新することなく、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0135】
次に、実施例1における画像読取処理を図15のフローチャートに従って説明する。
図15は、実施例1における画像読取装置100で実行される画像読取処理の一例を示すフローチャートである。即ち、このフローチャートの各ステップは、CPU101がROM102にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0136】
まず、S801において、CPU101は、画像読取装置100と不図示の外部インタフェースを介して接続される不図示のパーソナルコンピュータ(PC)から原稿読取指示(スキャン指示)を受けるまで待機する。なお、PCのCPUは、OS上で動作するアプリケーションが装備するUIにあるスタートボタンがユーザにより押下されると、原稿読取指示を外部インタフェースを介して画像読取装置100に送信する。
【0137】
そして、CPU101は、PCからが追う読取指示を受信したと判定した場合(S801でYes)、S802に処理を進める。
【0138】
S802では、CPU101は、原稿搬送部105(搬送ローラ151'、152'、153'、154')を原稿M2が挿排口12bから開口部16方向に進むように回転させ、挿排口12bにある原稿M2の搬送を開始する(S802)。
【0139】
次に、S803において、CPU101は、搬送開始された原稿M2が画像読取部104に到達する時間(到達時間)と、完全に通過する時間(通過時間)を算出し、該算出した時間に基づいて、原稿M2の読み取りを行い、読取完了後、原稿M2を搬送ローラ151'、152'に挟んだ位置で搬送を停止する。なお、到達時間と通過時間は、原稿サイズに応じた値をROM102から読み出してもよい。また、原稿M2の読み取りは、到達時間より所定の時間だけ早く開始し、通過時間より所定の時間だけ長く継続するものとする。画像読取装置100では、このように挿排口12bから開口部16に向かって進む往路で原稿M2のスキャンを行い、読み取った画像データ(多値画像データ)をRAM103に記憶する。
【0140】
原稿の読み取りが終了したら、CPU101は、S804において、原稿画像領域検出部107により、RAM103に記憶された2値画像データを用いて、図14に示した原稿画像領域検出処理を行う。
【0141】
そして、上記S804の原稿画像領域検出処理を終了すると、CPU101は、S805に処理を進め、原稿画像領域検出処理(S804)の検出結果に基づいて、原稿の搬送状態を判断し、その後の処理を制御する。以下、詳細に説明する。
【0142】
S805では、CPU101は、上記S804の原稿画像領域検出処理により4点(Right、Top、Left、Bottom)全てを検出できたか否かを判定する。なお、CPU101は、RAM103内の変数Right、Top、Left、Bottomのいずれも「−1」でない場合に、4点全てを検出できたと判断する。なお、4点全てを検出できた場合とは、原稿全体の画像が検出できた場合に対応する。
【0143】
そして、4点全てを検出できたと判定した場合(S805でYes)、CPU101は、原稿を正しく読み取れた(即ち、原稿の搬送も正常であった)と判断し、S806に処理を進める。
【0144】
S806では、CPU101は、RAM103に記憶される多値画像データを、データ転送部108を介して、外部のPCに対して転送する。なお、この時点で原稿M2は、図5のST2のように、搬送ローラ151'、152'に挟まった位置で停止し、開口部16からはみ出している。
【0145】
最後に、CPU101は、搬送ローラ151'、152'、153'、154'を原稿M2が挿排口12b方向に進むように回転させ、原稿M2を搬送路RT上を逆搬送して元の挿排口12bに戻す(S807)。
【0146】
このように原稿を正しく読み取れた場合、開口部16から挿排口12bに向かって進む復路ではスキャンをせず単に搬送だけ行う。これを図5のST3、ST4に示す。また、本実施例では、上記S807で、必ず原稿M2を元の挿排口12bに戻すようにしているが、正しく画像を読み取れた場合、挿排口12bに戻さず、そのまま開口部16から原稿M2を排出するような構成にしてもよい。
【0147】
そして、上記S807の処理を完了すると、CPU101は、本フローチャートの処理を終了する。
【0148】
一方、上記S805において、少なくとも4点のいずれかが検出できなかった(変数Right、Top、Left、Bottomのいずれかが「−1」)と判定した場合(S805でNo)、CPU101は、原稿を正しく読み取れなかったと判断し、S808〜S820に処理を進める。なお、少なくとも4点のいずれかが検出できなかった場合とは、原稿の少なくとも一部の画像が検出できなかった場合を示す。
【0149】
原稿を正しく読み取れなかった場合、原稿無し、原稿M2がJAMした、または原稿M2が斜行して正しく搬送されなかったこと等が考えられる。
【0150】
仮に、原稿無し、即ち原稿M2が元々存在しなかった場合、又は画像読取部104に到達する前にJAMした場合は、原稿画像領域を全く検出できない。
【0151】
また、図8のように原稿画像領域の上端は検出できるが下端を検出できない場合は、JAM等が発生して原稿が搬送路RT中に滞留している可能性がある。
【0152】
さらに、図9のように原稿画像領域の下端は検出できるが上端を検出できない場合は、JAM等で滞留しなかったが、斜行などで原稿M2が正しく搬送されなかった可能性がある。
このように原稿画像領域を検出できない部分によって発生する現象が異なる。
そこで、原稿画像領域の検出結果に応じて、その後の処理を変更する。
まず原稿画像領域の頂点が1点も検出できなかったときの処理の説明を行う。
【0153】
まずS808において、CPU101は、1点も検出できなかったか否かを判定する。なお、1点も検出できなかった場合とは、原稿の画像が全く検出できなかった場合に対応する。
【0154】
そして、1点も検出できなかったと判定した場合(S808でYes)、CPU101は、リカバリできない原稿の搬送異常(ここでは原稿無し、或いはJAM)が発生したと判断し、原稿M2が破損しないように搬送動作をせずに、上記PCに、紙なし又はJAMエラーを通知し(S809)、本フローチャートの処理を終了する。この通知を受けたPCは、紙なし又はJAMエラーを示す表示を、PCのディスプレイに行う。なお、S809では、CPU101は、画像読取装置100に装備されている不図示の操作部上のディスプレイに、紙なし又はJAMエラーを示す表示を行ってもよい。
【0155】
一方、S808において、少なくとも1点は検出できた(変数Right、Top、Left、Bottomのいずれかが「−1」でない)と判定した場合(S808でNo)、CPU101は、S810に処理を進める。
【0156】
つぎに、原稿の下端(搬送方向後端)を検出できているときの処理の説明を行う。
S810では、CPU101は、下端を検出できた(変数Bottomが「−1」でない)か否かを判定する(S810)。
【0157】
そして、下端を検出できた(変数Bottomが「−1」でない)と判定した場合(S810でYes)、CPU101は、搬送異常はあるがリカバリ(再読取処理)可能と判断し、S811に処理を進める。
【0158】
原稿の下端を検出できている場合(即ち、原稿の搬送方向後端を除く一部の画像が検出できなかった場合)、搬送異常はあるが、原稿M2は搬送路RTを無事に通過したと考えられ、図5のST2のように搬送ローラ151'、152'に挟まれた状態で停止している。そこで、原稿M2を開口部16から挿排口12bに戻す復路において、再スキャンを行って正しい画像を取得する。
【0159】
原稿M2の向きは、往路と復路で反転するが、ここでは先に画像読取部104を通過する端(搬送方向先端)を上端として、あとから通過する端(搬送方向後端)を下端として説明する。
【0160】
S811では、CPU101は、搬送ローラ151'、152'に挟まれて開口部16に位置する原稿M2を挿排口12b方向に搬送開始する。即ち、原稿搬送部105の搬送方向を反転させて原稿を逆方向に搬送する。
【0161】
次に、S812において、CPU101は、読取処理を行う。詳細には、CPU101は、上記S811で搬送開始された原稿M2が画像読取部104に到達する時間(到達時間)と、完全に通過する時間(通過時間)を算出し、該算出した時間に基づいて、原稿M2の読み取りを行い、読取完了後、原稿M2を搬送ローラ153'、154'に挟んだ位置で搬送を停止する。なお、到達時間と通過時間は、原稿サイズに応じた値をROM102から読み出してもよい。また、原稿の読み取りは、到達時間より所定の時間だけ早く開始し、通過時間より所定の時間だけ長く継続するものとする。画像読取装置100では、このように開口部16から挿排口12bに向かって進む復路で原稿のスキャンを行い、読み取った画像データ(多値画像データ)をRAM103に記憶する。
【0162】
復路での原稿の読み取り(再読取処理)が終了したら、CPU101は、S813において、原稿画像領域検出部107により、上記S812の再読取処理で読み取られた画像データを用いた原稿画像領域検出処理(図14)を実行する。上記S813の原稿画像領域検出処理を終了すると、CPU101は、S814に処理を進める。
【0163】
S814では、CPU101は、上記S813の原稿画像領域検出処理により4点(Right、Top、Left、Bottom)全てを検出できたか否かを判定する。
【0164】
そして、4点全てを検出できたと判定した場合(S814でYes)、CPU101は、原稿を正しく読み取れたと判断し、S815に処理を進める。
【0165】
S815では、CPU101は、RAM103に記憶される多値画像データを、データ転送部108を介して、外部のPCに対して転送し、本フローチャートの処理を終了する。なお、本実施例では、正しく画像を読み取れた場合でも、原稿M2を搬送ローラ153'、154'に挟んだ状態で搬送を停止しているが、挿排口12bから排出するような構成にしてもよい。
【0166】
一方、上記S814において、4点のいずれか検出できなかった(変数Right、Top、Left、Bottomの全てが「−1」)と判定した場合(S814でNo)、CPU101は、S817に処理を進める。
【0167】
S817では、CPU101は、上記S813の原稿画像領域検出処理で下端を検出できた(変数Bottomが「−1」でない)か否かを判定する。
【0168】
そして、下端を検出できた(変数Bottomが「−1」でない)と判定した場合(S817でYes)、CPU101は、S818に処理を進める。
【0169】
この場合、原稿M2が画像読取部104を無事通過して、挿排口12bに戻っていると想定されるが、復路でも正しくスキャンができなかったことになる。このため、CPU101は、S818において、ユーザに対して再度読み取りを試みるかどうかの問い合わせを行う(S819)。例えば、CPU101は、上記PCに再度読み取りを試みるかどうかの問い合わせを行う。この問い合わせに応じて、PCはPCのディスプレイに、再読み取りを行うか否かを選択するUIを表示し、ユーザに選択を促す。そして、ユーザから再読み取りを行うか否かの選択がなされると、PCはこの選択結果を画像読取装置100に通知する。なお、S818では、CPU101は、画像読取装置100に装備されている不図示の操作部上のディスプレイに、再読み取りを行うか否かを選択するための表示を行い、該操作部を用いてユーザに再読み取りを行うか否かを選択させる構成でもよい。
【0170】
上記PCからの通知を受け取ると、CPU101は、S819において、この通知に基づいて、再読み取りを行うか否かを判定する。
【0171】
そして、再読取を行うと判定した場合(S819でYes)、CPU101は、S802に処理を戻し、原稿の再読み取りを行うように制御する。再度読み取りの際、原稿M2は搬送ローラ153'、154'に挟まれているので、ユーザが原稿M2を再セットすることなく自動で給紙を再開できる。
【0172】
本実施例では、復路でも正しくスキャンができない場合、上記S819にて必ずユーザに再スキャンするか問うようにしているが、例えばスキャン回数に上限値を設けておき、スキャン回数が上限値に達したらエラーを表示して処理を終了するように構成してもよい。
【0173】
一方、上記S819において、再読取を行わないと判定した場合(S819でNo)、CPU101は、S820に処理を進める。
【0174】
S820では、CPU101は、上記PCに、読取エラーを通知し、本フローチャートの処理を終了する。この通知を受けたPCは、読取エラーを示す表示を、PCのディスプレイに行う。なお、上記S820では、CPU101は、画像読取装置100に装備されている不図示の操作部上のディスプレイに、読取エラーを示す表示を行ってもよい。
【0175】
最後に、原稿の下端を検出できなかったときの処理の説明を行う。
一方、上記S817において、下端を検出できなかった(変数Bottomが「−1」)と判定した場合(S817でNo)、CPU101は、原稿の搬送異常(ここではJAM)が発生している可能性があると判断し、S821に処理を進め、JAMエラー処理を行う。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0176】
また、上記S810において、下端を検出できなかった(変数Bottomが「−1」)と判定した場合(S810でNo)、CPU101は、原稿の搬送異常(ここではJAM)が発生している可能性があると判断し、S816に処理を進め、JAMエラー処理を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0177】
なお、上記S816及びS821のJAMエラー処理では、CPU101は、上記PCに、JAMエラーを通知する。なお、この通知を受けたPCは、JAMエラーを示す表示を、PCのディスプレイに行う。
【0178】
なお、上記S816及びS821のJAMエラー処理では、CPU101が、画像読取装置100に装備されている不図示の操作部上のディスプレイに、紙なし又はJAMエラーを示す表示を行ってもよい。
【0179】
以上説明したように、挿排口12bから開口部16に向かって原稿M2を搬送する往路に行う原稿画像領域検出部107によって検出した結果に応じて、その後の処理を決定するようにしている。また、復路に行う原稿画像領域検出部107でも同様に、その後の処理を決定するようにしている。
【0180】
よって、原稿画像領域検出に失敗した場合、その検出結果に応じてエラー処理を変更することで、例えば、搬送JAMが発生した可能性がある場合にユーザに対してJAM処理を促すことができ、また原稿の滞留や斜行などで一部画像が欠落した場合に再度読み取りを行うようにして、JAM処理をすることなく正しい画像を読み取ることができる。
【0181】
従って、実施例1によれば、原稿検知センサを搭載しない画像読取装置(スキャナ)でも、原稿(特にカードのような小サイズの原稿(幅の狭い原稿))の搬送JAMを検出することができ、また正常な原稿の画像を読み取ることができる安価な画像読取装置を提供することができる。
【0182】
なお、実施例1では、CPU101は、原稿の読み取りを原稿通過時間予測部109が予測した到達時間より第1時間だけ早く開始する。また、CPU101は、原稿の読み取りを原稿通過時間予測部109が予測した通過時間より第2時間だけ遅く終了する。なお、CPU101は、原稿M2の読取処理を行う場合には、原稿M1の読取処理を行う場合よりも、前記第1時間及び前記第2時間を長くするように制御するようにしてもよい。
即ち、CPU101は、原稿M2を読み取る場合には、原稿M1を読み取る場合よりも、先端マージンや後端マージンを多く取るように制御するように構成してもよい。
【0183】
このような構成により、挿排口12bから挿入される、カードのような小サイズの原稿M2の搬送が多少の滞留や斜行などしてしまった場合でも、先端マージンや後端マージンを多く取ることで、原稿全体の画像が読み取り画像に含まれる可能性を大きくし、正しく画像を読み取ることができる可能性を大きくすることができる。
【実施例2】
【0184】
上記実施例1では、原稿(特にカード等の幅の狭い原稿)から原稿検知センサを用いることなく正常な画像を読み取り可能な画像読取装置(スキャナ)について説明した。実施例2では、原稿(特にカード等の幅の狭い原稿)から原稿検知センサを用いて正常な画像を読み取り可能な画像読取装置(スキャナ)について説明する。
【0185】
以下、実施例1と異なる部分のみを説明する。
【0186】
図16は、本発明の実施例2に係る画像読取装置の構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0187】
図17は、実施例2における画像読取装置100の平面図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してある。
【0188】
図18は、実施例2における図2(A)の線ll−llに沿う画像読取装置100の概略断面図であり、図4と同一のものには同一の符号を付してある。
【0189】
図19は、実施例2における原稿M2の画像読取時の画像読取装置100の動作を説明するための図であり、図5と同一のものには同一の符号を付してある。
【0190】
実施例2では、画像読取部104より原稿M1の搬送方向上流に原稿M1の先端を検知するセンサ30aを設ける。
実施例2では、読取ユニット104a,104bでの原稿M1の画像読取のタイミングは、読取ユニット104a,104bの上流側に配置されたセンサ30aで検出される。
【0191】
また、実施例2では、画像読取部104より原稿M2の導入時の搬送方向上流に原稿M2の先端を検知するセンサ30を設ける。
実施例2では、ユーザにより原稿M2の挿排口12bへの挿入は、センサ30で検出される。センサ30は例えば反射型の光センサである。センサ30で原稿M2の導入(実際には原稿M2の先端部側の到達)が検出されると、原稿搬送部105が、駆動ローラ154'、152'を回転駆動して、挿排口12bに導入された原稿M2を読取ユニット104a,104bへ搬送する。
【0192】
また、実施例2では、読取ユニット104a,104bよりも開口部16側、具体的には、読取ユニット104a,104bと搬送ローラ対(駆動ローラ152及び従動ローラ151)との間には、原稿M2の到達及び通過を検知するためのセンサ31が設けられている。即ち、画像読取部104より原稿M2の導入時の搬送方向下流に原稿M2の後端を検知するセンサ31が設けられている。
【0193】
センサ31は、原稿M2の搬送時において、読取ユニット104a,104bで読み取った原稿M2を挿排口12bから排出するために逆搬送するタイミング(スイッチバック搬送のタイミング)を取るために用いる。
【0194】
挿排口12bから原稿M2を導入後に、原稿M2の先端が開口部16に到達する状態では、画像読取装置100内部に原稿M2の全体が一時的に収容される。その後、原稿M2の後端部がセンサ31を通過した時点で、原稿M2が開口部16に突入すると共に駆動部155がスイッチバック搬送に切り替えられる。
【0195】
なお、センサ30a、センサ30、センサ31は、例えば光センサである。
実施例2の画像読取装置100は、センサ30a、センサ30、センサ31を用いて、原稿の読み取り開始、読み取り終了のタイミングを制御するため、原稿通過時間予測部109を備えていない。
【0196】
また、実施例2の画像読取装置100は、原稿画像領域検出処理を行わないため、原稿画像領域検出部107、データ2値化部106を備えていない。
【0197】
実施例2では、例えば、センサ30aから画像読取部104までの距離とセンサ30から画像読取部104までの距離が等しく、第1搬送モード(通常搬送モード)と第2搬送モード(逆搬送モード)の搬送速度が等しい場合、CPU101は、センサ30aが原稿M1の先端を検出してから画像読取部104で原稿M1の読み取りを開始するまでの時間より、センサ30が原稿M2の先端を検出してから画像読取部104でM2の読み取りを開始するまでの時間を短くするように制御する。また、CPU101は、センサ30aが原稿M1の後端を検出してから画像読取部104で原稿M1の読み取りを終了するまでの時間より、センサ30が原稿M2の後端を検出してから画像読取部104でM2の読み取りを開始するまでの時間を長くするように制御する。
【0198】
即ち、CPU101は、挿排口12bから給送される原稿M2を読み取る場合には、給紙トレイ111から給紙される原稿M1を読み取る場合よりも、先端マージン及び後端マージンを多く取るように制御するように構成する。
【0199】
このような実施例2の構成により、挿排口12bから挿入される、カードのような小サイズの原稿M2の搬送が多少の滞留や斜行などしてしまった場合でも、先端マージンや後端マージンを多く取ることで、原稿全体の画像が読み取り画像に含まれる可能性を大きくし、正しく画像を読み取ることができる可能性を大きくすることができる。
【実施例3】
【0200】
実施例3では、実施例2のように原稿検知センサを用いて原稿から画像を読み取り、さらに、実施例1のように原稿画像領域検知処理を用いた4点検出判定を行って正常な画像を読み取り可能な画像読取装置(スキャナ)について説明する。
【0201】
以下、実施例1、実施例2と異なる部分のみを説明する。
図20は、本発明の実施例3に係る画像読取装置の構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0202】
実施例3の画像読取装置100は、センサ30a、センサ30、センサ31を用いて、原稿の読み取り開始、読み取り終了のタイミングを制御するため、実施例2と同様に、原稿通過時間予測部109を備えていない。
【0203】
また、実施例3の画像読取装置100は、原稿画像領域検出処理を行うため、実施例1と同様に、原稿画像領域検出部107、データ2値化部106を備えている。
【0204】
なお、図20以外の、実施例3の画像読取装置100のハードウェア構成は、実施例2と同じものとする。
【0205】
実施例3では、CPU101は、図15に示した画像読取処理を実行する。ただし、CPU101は、図15のS801の代わりに、センサ30で原稿M2の先端が検出されたと判定した場合、S802において、原稿M2の搬送を開始する。
【0206】
また、CPU101は、図15のS803では、実施例2と同様に、センサ30で原稿M2の先端が検出されてから所定の時間経過したタイミングで画像読取部104による原稿M2の読み取りを開始し、センサ31で原稿M2の後端が検出されてから所定の時間経過したタイミングで画像読取部104による原稿M2の読み取りを終了するように制御するものとする。
【0207】
さらに、CPU101は、図15のS812では、上記S803での処理と同様に、センサ31で原稿M2の先端が検出されてから所定の時間経過したタイミングで画像読取部104による原稿M2の読み取りを開始し、センサ30で原稿M2の後端が検出されてから所定の時間経過したタイミングで画像読取部104による原稿M2の読み取りを終了するように制御するものとする。
【0208】
図15の他の処理は、実施例1と同じものとする。また、図14に示した原稿画像領域検出処理に関しては、実施例1と同じものとする。
【0209】
また、実施例3でも、実施例2と同様に、CPU101が、挿排口12bから給送される原稿M2を読み取る場合には、給紙トレイ111から給紙される原稿M1を読み取る場合よりも、先端マージン及び後端マージンを多く取るように制御するようにしてもよい。
【0210】
以上説明したように、実施例3では、原稿検知センサにより、正確に原稿読み取りタイミングや、原稿の搬送JAMを検出することができる。
【0211】
また、挿排口12bから開口部16に向かって原稿M2を搬送する往路に行う原稿画像領域検出部107によって検出した結果に応じて、その後の処理を決定するようにしている。また、復路に行う原稿画像領域検出部107でも同様に、その後の処理を決定するようにしている。よって、原稿画像領域検出に失敗した場合、その検出結果に応じてエラー処理を変更することで、例えば、搬送JAMが発生した可能性がある場合にユーザに対してJAM処理を促すことができ、また原稿の滞留や斜行などで一部画像が欠落した場合に再度読み取りを行うようにして、JAM処理をすることなく正しい画像を読み取ることができる。
【0212】
従って、実施例3によれば、原稿検知センサにより、正確に原稿の読み取りタイミングや原稿の搬送JAMを検出することができ、さらに、原稿画像領域検出によりJAM処理をすることなく正しい画像を読み取ることができる。
【0213】
以上示したように、本発明の各実施例によれば、原稿から正常に画像を読み取ることができる。特に、カードのような小サイズの原稿(幅の狭い原稿)からでも正しく画像を読み取ることができるようになる。
【0214】
上述した各実施例では、原稿画像領域の検出を画像読取装置の本体(スキャナ)側で行う例について説明したが、本発明は勿論これに限定されず、原稿の画像データを画像読取装置の本体から外部装置(パーソナルコンピュータ等)に送り、外部装置における画像領域の検出プログラム(例えば、画像読取装置の制御ドライバやアプリケーション等のプログラム)により画像データから原稿領域の検出を行い、その検出結果を画像読取装置に伝達することも可能である。この場合には、外部装置側に原稿の画像を検出する検出手段が設けられることになる。また、外部装置側において、原稿の画像を検出した結果に基づいて、原稿の搬送状態を判断するようにしてもよい。即ち、上述した各実施例の画像読取装置の一部の機能を外部装置に機能分散させてもよい。また、画像読取装置の本体と外部装置とで画像読取システムが構成されるが、本発明でいう画像読取装置とは、このような画像読取システムを含む広い概念としてもよい。即ち、本発明にかかる画像読取装置は、上述した各実施例の画像読取装置の本体を対象としてもよいし、それ以外にも、画像読取装置の本体とこの画像読取装置の本体に接続されて当該画像読取装置の本体動作を制御する外部装置とで構成される画像読取システムを含めてもよい。
【0215】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0216】
以上、一実施例について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0217】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0218】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0219】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0220】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 画像読取手段
105 原稿搬送手段
106 データ記憶手段
107 原稿領域検出手段
108 データ転送手段
109 原稿到達追加時間予測手段
151' 搬送ローラ
152' 搬送ローラ
153' 搬送ローラ
154' 搬送ローラ
156 原稿搬送路
157 給紙口
158 排紙口
611 カラーグレー変換器
612 比較器
M2 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されている原稿を読み取るための読取手段と、
前記搬送手段によって搬送される原稿の先端が前記読取手段に到達するまでの時間を示す到達時間、及び前記原稿の後端が前記読取手段を通過するまでの時間を示す通過時間を予測する予測手段と、
前記搬送手段により原稿の搬送を開始し、前記予測手段で予測した到達時間より第1時間だけ早く前記読取手段による原稿の読み取りを開始し、且つ前記通過時間より第2時間だけ遅く前記読取手段による原稿の読み取りを終了するように読取処理を制御する制御手段と、
前記読取処理により前記読取手段で読み取られた画像データから原稿の画像を検出する検出手段と、を有し、
前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記原稿の搬送状態を判断する、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段により前記原稿全体の画像が検出されたと判定した場合、前記原稿の搬送が正常であったと判断し、前記搬送手段により前記原稿を排出する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出手段により前記原稿の少なくとも一部の画像が検出されなかったと判定した場合、前記原稿の搬送が異常であったと判断する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記検出手段により前記原稿の画像が全く検出されなかったと判定した場合、前記原稿の搬送が異常であったと判断し、エラー処理を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検出手段により前記原稿の搬送方向後端の画像が検出されなかったと判定した場合、前記原稿の搬送が異常であったと判断し、エラー処理を行う、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記検出手段により前記原稿の搬送方向後端を除く一部の画像が検出されなかったと判定した場合、前記原稿の搬送が異常であったと判断し、前記原稿の再読取処理を行う、ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記搬送手段は、搬送方向を反転させて原稿を逆方向に搬送することが可能なものであり、
前記制御手段は、前記再読取処理では、前記読取処理での搬送で前記読取手段を通過した原稿を前記搬送手段により逆方向から前記読取手段に向けて搬送開始して前記読取手段により読み取りを行うように制御する、ことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記再読取処理により前記読取手段で読み取られた画像データから原稿の画像を検出する、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記検出手段は、前記読取処理により前記読取手段で読み取られた画像データの頂点を検出するものであり、
前記制御手段は、前記検出手段により前記原稿の全ての頂点が検出された場合には前記原稿全体の画像が検出されたと判定し、また、前記原稿の全ての頂点が検出されなかった場合には前記原稿の画像が全く検出されなかったと判定し、前記原稿の搬送方向後端の頂点が検出されなかった場合には前記原稿の搬送方向後端の画像が検出されなかったと判定し、また、前記原稿の搬送方向後端の頂点を除く一部の頂点が検出されなかった場合には前記原稿の搬送方向後端を除く一部の画像が検出されなかったと判定する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記検出手段は、前記読取処理により前記読取手段で読み取られた後に2値化処理された画像データから原稿の画像を検出する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記搬送手段は、第1原稿と、前記第1原稿よりも幅狭の第2原稿を搬送可能であり、
前記制御手段は、前記第2原稿の読取処理を行う場合には、前記第1原稿の読取処理を行う場合よりも、前記第1時間及び前記第2時間を長くするように制御する、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記第2原稿はカードである、ことを特徴とする請求項11に記載の画像読取装置。
【請求項13】
原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されている原稿を読み取るための読取手段と、
前記読取手段より搬送方向上流に設けられ前記搬送手段により搬送される原稿の先端を検知する第1検知手段と、
前記読取手段より搬送方向下流に設けられ前記搬送手段により搬送される原稿の後端を検知する第2検知手段と、
前記搬送手段により原稿の搬送を開始し、前記搬送手段によって搬送される原稿の先端が前記第1検知手段に検知されてから第1時間の経過後に前記読取手段による原稿の読み取りを開始し、且つ前記原稿の後端が前記第2検知手段に検知されてから第2時間の経過後に前記読取手段による原稿の読み取り終了するように読取処理を制御する制御手段と、を有し、
前記搬送手段は、第1原稿と、前記第1原稿よりも幅狭の第2原稿を搬送可能であり、
前記制御手段は、前記第2原稿の読取処理を行う場合には、前記第1原稿の読取処理を行う場合よりも、前記第1時間及び前記第2時間を長くするように制御する、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項14】
前記第2原稿はカードである、ことを特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
【請求項15】
前記読取処理により前記読取手段で読み取られた画像データから第2原稿の画像を検出する検出手段と、を有し、
前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第2原稿の搬送状態を判断する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の画像読取装置。
【請求項16】
第1原稿が導入される導入口と、
前記第1原稿が排出される排出口と、
前記搬送手段は、前記第1原稿を前記導入口から前記排出口に搬送する一方、前記第1原稿よりも幅狭の第2原稿の画像を前記読取手段によって読み取るために、前記排出口から導入される前記第2原稿を前記読取手段へ搬送する、ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項17】
前記排出口の一部は、前記第2原稿の導入口と、前記読取手段によって画像を読み取った後の第2原稿の排出口とを兼ねることを特徴とする請求項16に記載の画像読取装置。
【請求項18】
前記第1原稿の搬送経路は、前記読取手段の上流側で屈曲した屈曲部を有することを特徴とする請求項16又は17に記載の画像読取装置。
【請求項19】
前記第2原稿の搬送経路は、前記排出口から前記第1原稿の搬送経路を通って前記屈曲部に開口するスリットに連通して形成された直進経路からなることを特徴とする請求項18に記載の画像読取装置。
【請求項20】
前記搬送手段は、前記導入口から前記排出口に向けて原稿搬送を行う第1搬送モードと前記排出口から前記読取手段に向けて原稿搬送を行う第2搬送モードとを有し、
前記制御手段は、前記排出口ヘの前記第2原稿の導入に伴って前記第2搬送モードで前記第2原稿を搬送し、前記読取手段に対向する領域を前記第2原稿が通過した後に前記第1搬送モードに切り換えることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項21】
原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されている原稿を読み取るための読取手段とを有する画像読取装置の制御方法であって、
予測手段が、前記搬送手段によって搬送される原稿の先端が前記読取手段に到達するまでの時間を示す到達時間、及び前記原稿の後端が前記読取手段を通過するまでの時間を示す通過時間を予測する予測ステップと、
制御手段が、前記搬送手段により原稿の搬送を開始し、前記予測ステップで予測した到達時間より第1時間だけ早く前記読取手段による原稿の読み取りを開始し、且つ前記通過時間より第2時間だけ遅く前記読取手段による原稿の読み取りを終了するように読取処理を実行する読取処理ステップと、
検出手段が、前記読取処理により前記読取手段で読み取られた画像データから原稿の画像を検出する検出ステップと、
前記制御手段が、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記原稿の搬送状態を判断する判断ステップと、
を有することを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項22】
第1原稿と前記第1原稿よりも幅狭の第2原稿を搬送可能な搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されている原稿を読み取るための読取手段と、前記読取手段より搬送方向上流に設けられ前記搬送手段により搬送される原稿の先端を検知する第1検知手段と、前記読取手段より搬送方向下流に設けられ前記搬送手段により搬送される原稿の後端を検知する第2検知手段とを有する画像読取装置の制御方法であって、
制御手段が、前記搬送手段により原稿の搬送を開始し、前記搬送手段によって搬送される原稿の先端が前記第1検知手段に検知されてから第1時間の経過後に前記読取手段による原稿の読み取りを開始し、且つ前記原稿の後端が前記第2検知手段に検知されてから第2時間の経過後に前記読取手段による原稿の読み取り終了するように読取処理を実行する読取処理ステップと、
前記制御手段が、前記第2原稿の読取処理を行う場合には、前記第1原稿の読取処理を行う場合よりも、前記第1時間及び前記第2時間を長くするように制御するステップと、
を有することを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項23】
コンピュータに、請求項21又は22に記載された画像読取装置の制御方法を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−26874(P2013−26874A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160547(P2011−160547)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】