説明

画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】原稿搬送装置の傾きを簡単に調整することができ、調整後の位置も簡単に且つ確実に固定できる画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】位置調整機構90は、第2ヒンジ部材87の上面に固定されたラック91と、ラック91に噛み合うウォームギヤ93と、ウォームギヤ93を回転させるハンドル95と、第2ヒンジ部材87を第1ヒンジ部材85に押圧して固定するレバー97とで構成されている。レバー97は、シャフト86の周囲にカム部97aが一体形成されており、カム部97aはシャフト86から外周面までの外径が徐々に変化する偏芯カム形状をなしている。レバー97を押し下げた状態では、ハンドル95の外周面の上部がレバー97で覆われるため、ハンドル95を操作できないようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機やイメージスキャナ等に用いられる、原稿を走査して読み取る画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、原稿を搬送して画像を読み取るシートスルー方式の画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いた複合機等に搭載される画像読取装置には、シート状の原稿を読み取るために順次原稿載置台(画像読取部)へ送り込み、読み取り終了後に原稿載置台上から排出するような原稿搬送装置(Automatic Document Feeder、原稿搬送手段)を備えたものがある。このような画像読取装置においては、原稿押さえを閉じたままで原稿搬送装置によって原稿を自動的に搬送して読み取るシートスルー方式と、読み取る毎に原稿押さえを開閉して原稿載置台(コンタクトガラス)上の原稿を1枚ずつ取り替えて光学系(走査手段)を移動させて原稿を読み取る原稿固定方式の2種類の読み取り方式が可能である。なお、前者のシートスルー方式では、画像読取装置内の光学系が走査移動することなく所定の画像読取位置に保持されたまま原稿の読取動作が行われ、他方、後者の原稿固定方式では、その光学系が走査移動しながら読取動作が行われる。
【0003】
このようなシートスルー方式を備えた画像読取装置では、画像読取位置に対して原稿が斜めに搬送されると、読取画像も傾いてしまう。そこで、画像読取装置本体に対する原稿搬送装置の原稿搬送方向の傾きを調整する方法が種々提案されており、例えば特許文献1には、原稿搬送装置を画像読取装置本体に結合する第1取付部で原稿搬送装置を変位可能に結合し、第2取付部で回転可能に結合するとともに、第1取付部において変位が行われた位置に原稿搬送装置を固定する固定手段を設けた画像読取装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、原稿搬送装置を支持する2箇所のヒンジ部のうち1箇所に原稿搬送装置の傾きを調整する調整ボルトを設け、調整ボルトの操作ヘッドをヒンジ部の前側に配置した原稿処理装置が開示されている。さらに特許文献3には、原稿読み取り部上に開閉自在のステーを設け、このステー上に搬送ユニットを回動自在に取り付けるとともに、搬送ユニットの回動端部に位置決め機構を設けて搬送ユニットのステーに対する傾きを調整可能とした画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−261742号公報
【特許文献2】特開平7−219288号公報
【特許文献3】特開2002−44368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、ヒンジ部を固定するねじを緩めて原稿搬送装置の画像読取装置本体に対する傾きを調整した後、再度ねじを締結する必要があり、調整に時間を要するとともにドライバー等の工具が必要であった。
【0007】
一方、特許文献2の方法では、調整ボルトの操作ヘッドにローレットを施すことで手動での操作を可能としているが、調整後の位置を固定するためには緩み防止ナットを締結する必要があり、位置調整作業が簡単とは言えなかった。また、特許文献3には調整後の搬送ユニットの位置を固定する方法については特に記載されておらず、さらに搬送ユニットと原稿読み取り部との間にステーを介在させているため、部品点数及び組立工数が増加するという問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、原稿搬送装置の傾きを簡単に調整することができ、調整後の位置も簡単に且つ確実に固定できる画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、原稿を載置するコンタクトガラスと、該コンタクトガラスに対して上方に開閉可能であり、原稿を前記コンタクトガラスの上面に搬送する原稿搬送装置と、前記コンタクトガラスの下部に設けられ、前記コンタクトガラス上に載置された原稿画像、或いは前記原稿搬送装置により画像読取位置に搬送された原稿画像を読み取る画像読取部と、前記原稿搬送装置を前記画像読取部に対して回動自在に保持する一対のヒンジ部と、を備えた画像読取装置において、前記ヒンジ部のうち少なくとも一方は、前記画像読取部に支持されるヒンジベースと、該ヒンジベースに回動可能に連結される第1ヒンジ部材と、該第1ヒンジ部材に対し回動軸と垂直な方向に摺動可能に支持されるとともに前記原稿搬送装置に固定される第2ヒンジ部材と、で構成され、前記第2ヒンジ部材を前記第1ヒンジ部材に対して押圧若しくは押圧解除するレバーと、該レバーにより前記第2ヒンジ部材の押圧が解除された状態で前記第2ヒンジ部材を前記第1ヒンジ部材に対して摺動させるギヤ機構と、該ギヤ機構を回転させるハンドルと、を含む位置調整機構を設け、前記レバーは、前記第2ヒンジ部材を押圧した状態で前記ハンドルの操作領域を覆い、前記第2ヒンジ部材の押圧が解除された状態で前記ハンドルの操作領域を開放することを特徴としている。
【0010】
また本発明は、上記構成の画像読取装置において、前記ギヤ機構は、前記第2ヒンジ部材に固定されたラックと、前記第1ヒンジ部材に回転可能に支持され前記ラックと噛み合うウォームギヤとで構成されることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の画像読取装置において、前記レバーは、前記第2ヒンジ部材との間に所定の間隔を有する回転軸に回転可能に支持されるとともに、前記回転軸から外周面までの外径が変化するカム部が設けられており、前記カム部には前記第2ヒンジ部材と前記回転軸との間隔よりも外径が大きい大径部が形成されることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の画像読取装置において、前記レバー及び前記ハンドルは、前記コンタクトガラスの上方から操作可能であることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の画像読取装置において、前記原稿搬送装置の前記画像読取位置に対向する部分に検知用パターンが設けられており、前記画像読取部が前記検知用パターンを読み取ることにより前記原稿搬送装置の傾きを検知することを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の画像読取装置が搭載された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の構成によれば、レバーを操作して第2ヒンジ部材の押圧を解除してハンドルを操作することにより、工具等を用いることなく画像読取部に対する原稿搬送装置の傾きを容易に調整することができる。また、調整後はレバーを操作して第2ヒンジ部材を押圧することにより、原稿搬送装置を調整後の位置に確実に位置決めすることができる。また、第2ヒンジ部材を押圧した状態ではレバーがハンドルの操作領域を覆い、第2ヒンジ部材の押圧が解除された状態ではレバーがハンドルの操作領域を開放することにより、第2ヒンジ部材を押圧した状態ではハンドルの操作が困難となるため、ハンドルの誤操作を防止することができる。
【0016】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像読取装置において、ギヤ機構をラックとラックに噛み合うウォームギヤとで構成することにより、ギヤのバックラッシュによるがたつきを軽減することができる。従って、画像読取部に対する原稿搬送装置の傾きを精度良く調整することができる。
【0017】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の画像読取装置において、レバーを回転させて大径部を第2ヒンジ部材に圧接させることで第2ヒンジ部材を第1ジンジ部材に押圧することができ、レバーを逆回転させて大径部を第2ヒンジ部材から退避させることで第2ヒンジ部材の押圧を解除することができる。従って、簡単な構成及び操作で第1ヒンジ部材に対する第2ヒンジ部材の押圧若しくは押圧解除を行うことができる。
【0018】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の画像読取装置において、レバー及びハンドルをコンタクトガラスの上方から操作可能とすることにより、画像読取装置が搭載された画像読取装置の正面側からレバー及びハンドルを簡単に操作できるため、原稿搬送装置の傾きを調整する際に画像形成装置の背後や側方に回り込んで作業する必要がなく、作業性が向上する。
【0019】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成の画像読取装置において、原稿搬送装置の画像読取位置に対向する部分に設けられた検知用パターンを画像読取部が読み取ることで原稿搬送装置の傾きを検知することにより、原稿搬送装置を開放することなく、また、実際に原稿を搬送することなく原稿搬送手段の傾きを迅速且つ精確に検知することができる。
【0020】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成の画像読取装置を搭載することにより、原稿搬送装置の傾きによる読取不良、及びそれに起因する画像不良を簡易な構成で防止でき、操作性にも優れた画像形成装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の全体構成を示す側面断面図
【図2】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の原稿搬送装置を下方から見た外観斜視図
【図3】本発明の一実施形態に係る画像読取装置のヒンジ部周辺の側面断面図
【図4】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の原稿搬送装置の内部構造を示す側面断面図
【図5】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の画像読取部の内部構造を示す側面断面図
【図6】本発明の一実施形態に係る画像読取装置のヒンジ部(画像形成装置100の正面から見て右側のヒンジ部80a)を背面側から見た概略斜視図
【図7】ヒンジ部80aを図6の左手前側から見た側面図
【図8】ヒンジ部80aを回動側(図7の左側)から見た正面図
【図9】ヒンジ部80aを上方から見た平面図
【図10】ヒンジ部80aの側面断面図(図9のAA′矢視断面図)
【図11】位置調整機構90のレバー97を露出させた状態を示す平面図
【図12】レバー97を引き上げて第2ヒンジ部材87の押圧を解除した状態を示すヒンジ部80aの斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。図1において、画像形成装置100(ここでは一例としてデジタル複合機を示す)では、コピー動作を行う場合、後述する画像読取部6において原稿の画像データを読み取り画像信号に変換する。一方、複合機本体2内の画像形成部3において、帯電ユニット4により図中のA方向に回転する感光体ドラム5が一様に帯電され、画像読取部6で読み取られた原稿画像データに基づく露光ユニット(レーザ走査ユニット等)7からのレーザビームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像ユニット8により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。この現像ユニット8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。
【0023】
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙が給紙機構10から用紙搬送路11及びレジストローラ対12を経由して画像形成部3に搬送され、この画像形成部3において転写ローラ13(画像転写部)により感光体ドラム5の表面におけるトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、定着ローラ対14aを有する定着部14に搬送されてトナー像が定着される。定着部14を通過した用紙は、複数方向に分岐した用紙搬送路15に送られて、用紙搬送路15の分岐点に設けられた複数の経路切換ガイドを有する経路切換機構21、22によって用紙の搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、用紙搬送路16に送られて両面コピーされた後に)、第1排出トレイ17a、第2排出トレイ17bから成る用紙排出部に排出される。
【0024】
また、図示しないが、感光体ドラム5の表面の残留電荷を除去する除電装置がクリーニング装置18の下流側に設けられている。さらに、給紙機構10は、複合機本体2に着脱自在に取り付けられ、用紙を収納する複数の給紙カセット10a、10bと、その上方に設けられるスタックバイパス(手差しトレイ)10cと、を備えてなり、これらは用紙搬送路11によって感光体ドラム5及び現像ユニット8等からなる画像形成部3に繋がっている。
【0025】
装置本体上部には、画像読取部6が配置されており、装置本体上面には画像読取部6のコンタクトガラス25(図4参照)上に載置される原稿を押さえて保持するプラテン(原稿押さえ)24が開閉可能に設けられており、プラテン24上には原稿搬送装置27が付設されている。画像読取部6と原稿搬送装置27は、画像読取装置28を構成している。
【0026】
用紙搬送路15は、具体的には、定着ローラ対14aの下流側において、まず左右二股に分岐し、一方の経路(図1では右方向に分岐する経路)は第1排出トレイ17aに連通するように構成されている。そして、他方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は搬送ローラ対19を経由して二股に分岐し、一方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は第2排出トレイ17bに連通するように構成されている。これに対し、他方の経路(図1では下方向に分岐する経路)は用紙搬送路16に連通するように構成されている。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置に搭載される原稿搬送装置を下方から見た外観斜視図である。原稿搬送装置27は、複数枚の原稿を整合して積載する原稿ガイド29aを備えた原稿給紙トレイ29と、原稿給紙トレイ29の下方に設けられた反転トレイ30(図4参照)とを有し、原稿給紙トレイ29及び反転トレイ30は原稿搬送装置27のフレームに対して各々の部材が装着されている。
【0028】
また、原稿搬送装置27のフレームに対し一端(図の左下)を回動支点としてカバー部材31が開閉可能に支持されており、カバー部材31を開放することで原稿搬送路d(図4参照)を開放し、ジャム処理が可能となっている。このカバー部材31の側方には原稿排出トレイ32がプラテン24の上面の一部に直付けで形成されている。プラテン24は2箇所のヒンジ部80a、80bによって画像読取部6の上面の一端に回動自在に支持されており、ヒンジ部80a、80bの下部にはヒンジ足81が付設されている。
【0029】
プラテン24の裏面には、コンタクトガラス25(図4参照)上に載置された原稿の略全面を覆い押さえる原稿マット24aが設けられている。原稿マット24aは、通常、シート部材とスポンジ等で形成されており、プラテン24の荷重により圧縮されてコンタクトガラス25上の原稿を確実に保持する。
【0030】
図3は、原稿搬送装置のヒンジ部周辺の構成を示す側面断面図である。図3において、原稿搬送装置27は、画像読取部6本体に対してヒンジ部80a、80bの回動支点82を中心として、開状態の姿勢27aから閉状態の姿勢27bまで回動可能に構成されている。なお、ヒンジ部80a、80bの回動部分の詳細な構成については後述する。
【0031】
ヒンジ部80a、80bは、コンタクトガラス25上に書籍等の厚手の原稿を置いて原稿搬送装置27を閉じた際に、ヒンジ部80a、80bの下部に設けられたヒンジ足81が、ヒンジ受け73の奥側ガイド面73a、側方ガイド面73b、及びベアリング74a、74bにより水平方向には移動せず、垂直方向に移動するように構成されている。原稿搬送装置27の重量に起因するモーメントによって大きな負荷を受ける装置前後方向(図3の左右方向)については、ベアリング74a、74bでガイドすることにより、ヒンジ部80a、80bの円滑な上下動を可能にしている。
【0032】
図4は、原稿搬送装置の内部構造を示す側面断面図である。カバー部材31内には、原稿給紙トレイ29から原稿排出トレイ32に至る原稿搬送路dが形成されており、原稿搬送路dに沿ってピックアップローラ33、給紙ベルト34及び分離ローラ35、レジストローラ対36、搬送ローラ対37、38、39、及び40、CISローラ41、反転ローラ対42、排出ローラ対43等から成る原稿搬送部材が設けられている。
【0033】
給紙ベルト34は駆動ローラ44aと従動ローラ44bに掛け回されており、下方から分離ローラ35が所定の圧力で接触している。分離ローラ35にはトルクリミッタが内蔵されており、回転負荷が所定トルクを下回る場合のみ給紙ベルト34と逆方向に回転し、回転負荷が所定トルクを上回る場合には給紙ベルト34と従動回転するようになっている。ピックアップローラ33の上方には原稿の上面位置を検知する上面検知センサ50が配置されている。
【0034】
コンタクトガラス25は、自動読取用ガラス25aと手置き原稿用ガラス25bから成り、自動読取用ガラス25aに対向して配置されたシェーディング補正用の白基準板と、白基準板の上部にあって白基準板を自動読取用ガラス25aに向けて押圧するための原稿押圧部(いずれも図示せず)とが設けられている。なお、原稿搬送路dはレジストローラ対36から自動読取用ガラス25aに至る間において反転するように湾曲している。また、原稿搬送路dには、原稿の存否或いは通過を検知するための給紙センサS1、排出センサS2を含む複数の用紙検知センサが適所に設けられている。
【0035】
次に、原稿搬送装置27を用いたシートスルー方式の原稿搬送動作について説明する。シートスルー方式においては、原稿給紙トレイ29に画像面を上向きにして複数枚の原稿をセットした後、画像形成装置100の操作パネル(表示手段)75(図1参照)のコピー開始ボタンがオンされると、昇降機構(図示せず)により上昇したリフト板45が原稿を介してピックアップローラ33を押し上げ、ピックアップローラ33を含む枠体(図示せず)の重さがリフト板45に加わることにより、原稿の上面が所定の圧力(給紙圧)でピックアップローラ33に押しつけられる。
【0036】
ここで、ピックアップローラ33、駆動ローラ44a、従動ローラ44b及び給紙ベルト34は、図示しない枠体に配置されている。また、ピックアップローラ33は駆動ローラ44aと不図示のギヤで連結されており、ローラ駆動モータ(図示せず)により駆動ローラ44aが回転すると、駆動ローラ44aと従動ローラ44bとにより張架された給紙ベルト34が回転駆動されると共に、ピックアップローラ33も回転駆動される。
【0037】
原稿給紙トレイ29にセットされた原稿は、ピックアップローラ33によって通常上段の複数枚が給紙ベルト34と分離ローラ35のニップ部に送られる。そして、複数枚の原稿のうち分離ローラ35により最上の1枚のみが分離されてレジストローラ対36に向けて搬送される。その際、原稿の先端が給紙センサS1によって検出されてから所定の距離だけその原稿が搬送された後、ローラ駆動モータの作動停止によってピックアップローラ33及び給紙ベルト34の回転駆動が停止され一次給紙が終了する。一次給紙された原稿は、その先端がレジストローラ対36のニップ部に撓みが形成された状態で停止させられる。
【0038】
一次給紙が終了してから所定時間経過後、二次給紙が開始される。つまり、二次給紙駆動モータ(図示せず)の作動によりレジストローラ対36が回転駆動される。原稿は、レジストローラ対36、搬送ローラ対37〜39、CISローラ41により、自動読取用ガラス25aを経て排出ローラ対43に向けて搬送された後、最終的には排出ローラ対43によって原稿排出トレイ32上に排出される。その際、排出センサS2により原稿の後端通過を検知したことによって、原稿1枚の画像読み取りの完了を検出するようになっている。
【0039】
ここで排出センサS2は、原稿の搬送完了毎に原稿枚数を計数するカウント機能を有しており、給紙センサS1が後続の原稿を検知していれば、2枚目以降の原稿搬送が上記と同様に続行される。なお、原稿は、自動読取用ガラス25aを通過する際に、搬送ガイド53と当接することによって上方から自動読取用ガラス25aに向けて軽く押圧されながら搬送され、その原稿の画像が自動読取用ガラス25aを通じて画像読取部6(図1参照)により読み取られるようになっている。
【0040】
また、両面原稿を読み取る場合は、CISローラ41に対向して設けられたコンタクトイメージセンサ51で原稿裏面の画像を読み取り、自動読取用ガラス25aで原稿表面の画像を読み取る一段階読み取り法と、自動読取用ガラス25aで原稿表面の画像を読み取った後、分岐爪47a、47b、及び47cにより原稿を反転トレイ30に振り分け、反転ローラ対42を逆転させて、原稿の裏面を上にした状態で再びレジストローラ対36の上流側に搬送し、自動読取用ガラス25aで原稿裏面の画像を読み取る二段階読み取り法とがある。
【0041】
コンタクトイメージセンサ51による読み取りは読み取り時間が短縮できる反面、自動読取用ガラス25aでの読み取りに比べて画質の面で劣る。そのため、文字原稿などの場合はコンタクトイメージセンサ51を用いた一段階読み取り法を用い、写真原稿など高画質、高精細な読み取りが要求される場合は反転トレイ30を用いた二段階読み取り法を用いることが好ましい。
【0042】
なお、二段階読み取り法を用いる場合、読み取り終了後の原稿をそのまま原稿排出トレイ32に順次排出すると、排出された原稿は原稿給紙トレイ29にセットした状態と表裏が逆になって積載されることになる。そこで、自動読取用ガラス25aで原稿裏面の画像を読み取った後、分岐爪47a〜47cを揺動させて原稿を再び反転トレイ30上へ導入し、搬送ローラ対40及び排出ローラ対43を介して原稿排出トレイ32へ排出する。これにより、各原稿の表裏が排出前にもう一度反転されるため、原稿給紙トレイ29にセットした状態を保持したまま原稿排出トレイ32上へ積載することができる。
【0043】
続いて、原稿の画像を電気信号として読み取るための画像読取部6の構成について説明する。図5は、本実施形態に係る画像読取装置の内部構造を示す側面断面図である。画像読取部6のフレーム6a内には、原稿の画像面に向けて光を照射するランプ(光源)61と、このランプ61からの光を効率よく原稿の画像面に与えるための反射板62と、原稿反射光を直接に受けて反射させる第1ミラー63と、この第1ミラー63からの反射光を受けて反射させる第2ミラー64と、この第2ミラー64からの反射光を受けて反射させる第3ミラー65と、が配設されている。
【0044】
また、この第3ミラー65からの反射光を導入して集光するレンズ群(不図示)を保持した鏡胴66と、この鏡胴66のレンズ群で集光された原稿反射光を受けて電気信号に変換する光電変換素子を備えたライン型のCCD(光電変換部材)センサ67と、がベースプレート70上に配設されている。なお、原稿反射光の光路を一点鎖線で示す。
【0045】
ここで、ランプ61、反射板62及び第1ミラー63は第1キャリッジ68上に一体的に固定され、また、第2ミラー64及び第3ミラー65は第2キャリッジ69上に一体的に固定されている。これらの第1及び第2キャリッジ68、69は、走査手段を構成しており、相互に独立しているが連携して往復移動可能になっている。
【0046】
つまり、上記のシートスルー方式で原稿画像の読取動作が行われる際は、第1キャリッジ68が自動読取用ガラス25aの第1画像読取領域(画像読取位置)R1の直下に移動して保持されるとともに、第2キャリッジ69が所定位置に保持され、他方、原稿固定方式の際は、第1キャリッジ68と第2キャリッジ69は相互に原稿反射光の光路長を一定に維持しながら手置き原稿用ガラス25bの第2画像読取領域R2の下方を往復移動(走査移動)する。また、第1キャリッジ68及び第2キャリッジ69は、不図示のキャリッジ駆動モータにより駆動されるようになっている。また、第1及び第2キャリッジ68、69は、白基準板(不図示)の直下をホームポジションとしている。
【0047】
このような構成のもと、ランプ61から照射されて原稿の画像面で反射した原稿反射光は、第1ミラー63〜第3ミラー65で反射して鏡胴66内のレンズ群に導入され、レンズ群で集光されてCCDセンサ67上に結像する。そして、このCCDセンサ67で光電変換処理がなされ、原稿画像は電気信号として読み取られる。
【0048】
次に、画像読取装置及び原稿搬送装置に装着されるヒンジ部の構成について詳述する。図6は、本実施形態の画像読取装置及び原稿搬送装置に装着されるヒンジ部(画像形成装置100の正面から見て右側のヒンジ部80a)を背面側から見た概略斜視図、図7は、ヒンジ部を図6の左手前側から見た側面図、図8は、ヒンジ部を回動側(図7の左側)から見た正面図、図9は、ヒンジ部を上方から見た平面図、図10は、ヒンジ部の側面断面図(図9のAA′矢視断面図)である。
【0049】
図に示すように、ヒンジ部80aは、画像読取部6(図5参照)のフレームに支持されるヒンジベース83と、支軸84によりヒンジベース83に回動可能に支持される第1ヒンジ部材85と、第1ヒンジ部材85の上面に支持される第2ヒンジ部材87と、を有しており、第2ヒンジ部材87には原稿搬送装置27(図4参照)のフレームに固定するためのビス穴87aが形成されている。また、第2ヒンジ部材87は第1ヒンジ部材85に対して原稿搬送方向に直交する方向(図の矢印BB′方向)に摺動可能に支持されており、ヒンジ部80aには、第2ヒンジ部材87を矢印BB′方向に摺動させることで原稿搬送装置27の傾きを調整する位置調整機構90が付設されている。
【0050】
位置調整機構90は、第2ヒンジ部材87の上面に固定されたラック91と、ラック91に噛み合うウォームギヤ93と、ウォームギヤ93を回転させるハンドル95と、第2ヒンジ部材87を第1ヒンジ部材85に押圧して固定するレバー97とで構成されている。ウォームギヤ93及びハンドル95はシャフト86に固定されており、レバー97はウォームギヤ93とハンドル95との間でシャフト86に回転可能に支持されている。シャフト86は第1ヒンジ部材85の上面から略垂直に起立する支持片85a、85bに回転自在に軸支されている。
【0051】
レバー97は、シャフト86の周囲にカム部97aが一体形成されており、カム部97aはシャフト86から外周面までの外径が徐々に変化する偏芯カム形状をなしている。具体的には、図6〜図10に示すようにレバー97を押し下げた状態で、カム部97aの最も外径の大きい大径部97aa(図12参照)が第2ヒンジ部材87に接触するようになっている。また、シャフト86と第2ヒンジ部材87との距離は大径部97aaの径よりも僅かに小さく設計されている。
【0052】
また、図6及び図7に示すように、レバー97を押し下げた状態では、ハンドル95の外周面の上部(操作領域)がレバー97で覆われるため、ハンドル95を操作できないようになっている。即ち、カバー97を押し下げておくことで、第1ヒンジ部材85と第2ヒンジ部材87とを固定するとともに、ハンドル95の誤操作も防止することができる。
【0053】
なお、ここでは画像形成装置100の正面から見て右側のヒンジ部80aについて説明したが、左側のヒンジ部80bについては上述した位置調整機構90は設けられておらず、代わりに第1ヒンジ部材85の内部に原稿搬送装置27を開放方向に付勢するヒンジスプリング(図示せず)が収納されている。このヒンジスプリングの付勢力は原稿搬送装置27の重量に応じて適宜選択される。その他の部分はヒンジ部80aと同一の構成であるため説明を省略する。
【0054】
次に、原稿搬送装置27の傾きの調整方法について説明する。先ず、原稿搬送装置27のカバー部材31に設けられた外蓋(図示せず)を取り外して収納凹部98(図11参照)を開放する。この収納凹部98にはコンタクトガラス25a、25bを清掃するためのパッドや、原稿を綴じていたクリップ、ステープル針等が収納される。そして、収納凹部98の直下にヒンジ部80aが位置しているため、収納凹部98の内蓋(図示せず)を取り外すことにより、図11に示すように位置調整機構90のレバー97を露出させる。
【0055】
次いで、図12に示すように、レバー97を引き上げることにより、カム部97の大径部97aaが第2ヒンジ部材87上から退避する。これにより、第2ヒンジ部材87を第1ヒンジ部材85に圧接する力が作用しなくなり、第2ヒンジ部材87は矢印BB′方向に摺動可能となる。
【0056】
この状態で、ハンドル95を一方向(図12の時計方向)に回転させることにより、シャフト86を介してウォームギヤ93も時計方向に回転するため、ラック91にはウォームギヤ93のギヤ歯の位相が進行する方向(図12の矢印B′方向)の力が作用する。従って、ラック91が固定された第2ヒンジ部材87は矢印B′方向に移動し、原稿搬送装置27の第2ヒンジ部材87に固定された側(装置正面から見て右側)も矢印B′方向(装置後側)に移動する。
【0057】
一方、ハンドル95を反対方向(図12の反時計方向)に回転させることにより、シャフト86を介してウォームギヤ93も反時計方向に回転するため、ラック91にはウォームギヤ93のギヤ歯の位相が進行する方向(図12の矢印B方向)の力が作用する。従って、ラック91が固定された第2ヒンジ部材87は矢印B方向に移動し、原稿搬送装置27の第2ヒンジ部材87に固定された側(装置正面から見て右側)も矢印B方向(装置前側)に移動する。
【0058】
原稿搬送装置27の傾きを調整した後、レバー97を再び押し下げることにより、カム部97aの大径部97aaが第2ヒンジ部材87に当接するため、第2ヒンジ部材87はカム部97aにより第1ヒンジ部材85側に押圧されて確実に固定される。
【0059】
上記実施形態によれば、第2ヒンジ部材87に固定されたラック91と、第1ヒンジ部材85に回転可能に支持されたラック91と噛み合うウォームギヤ93と、ウォームギヤ93を回転させるハンドル95とを設け、第1ヒンジ部材85と第2ヒンジ部材87とをレバー97で固定及び固定解除する構成としたので、ドライバー等の工具を用いずに原稿搬送装置27の傾きを容易に調整することができ、原稿搬送装置27を調整後の位置で確実に固定することができる。
【0060】
また、画像形成装置100の正面側からハンドル95及びレバー97を簡単に操作できるため、原稿搬送装置27の傾きを調整する際に画像形成装置100の背後や側方に回り込んで作業する必要がなく、作業性が向上する。さらに、レバー97を押し下げた状態ではレバー97がハンドル95を覆うことにより、ハンドル95の誤操作を防止することができる。
【0061】
なお、本実施形態ではラック91とウォームギヤ93との噛み合いにより第1ヒンジ部材85と第2ヒンジ部材87とを摺動させているが、例えば第2ヒンジ部材87に垂直方向に起立するラックを形成し、第1ヒンジ部材85にラックに噛み合うピニオンギヤを配置したラック・アンド・ピニオン型のギヤ構造を用いて、ハンドルによりピニオンギヤを回転させて第2ヒンジ部材87を移動させることも可能である。しかし、本実施形態のようにラック91とウォームギヤ93を用いた場合、ギヤのバックラッシュによるがたつきを軽減することができるため好ましい。
【0062】
また、ここでは原稿搬送装置27を閉じた状態で、位置調整機構90のレバー97を露出させて傾きの調整を行う方法について説明したが、原稿搬送装置27を開放し、位置調整機構90全体を画像読取部6の上面に露出させて傾きの調整を行うことも可能であるのは言うまでもない。
【0063】
原稿搬送装置27の傾きの調整は、実際に原稿を印字した結果に基づいてハンドル95を操作することにより微調整しても良いし、第1キャリッジ68及び第2キャリッジ69をシートスルー方式の読取位置に停止させて搬送ガイド53の下面部に形成された判定チャート(検知用パターン)を読み取ることにより、原稿搬送装置27の傾きを検知しても良い。
【0064】
具体的には、画像読取位置で第1及び第2キャリッジ68、69を停止させた状態でランプ61を読取ラインに沿って照射し、反射光をCCDセンサ67によって読み取ると、CCD出力値が操作パネル55に表示される。
【0065】
作業者は、操作パネル55に表示されたCCD出力値を目視により観察し、原稿搬送装置27が傾いている場合には、位置調整機構90のハンドル95を所定方向に所定量だけ回転させて、原稿搬送装置27の正面に向かって右側を前後方向に移動させる。
【0066】
そして、操作パネル55においてCCD出力値のピーク出現位置及びピーク幅が、予め記憶部(図示せず)に記憶された基準出力値のピーク出現位置及びピーク幅と一致したところでハンドル95の回転を停止してレバー97により固定する。これにより、実際に印字を行わずに原稿搬送装置27の傾きを調整することができる。
【0067】
なお、ここでは原稿搬送装置27の傾きを、CCD出力値及び基準出力値のピーク波形によって表示したが、その他、これらを数値として表示することもできる。この場合、例えば、基準出力値のピーク出現位置及びピーク幅を記憶部に基準数値として格納しておき、制御部(図示せず)により、基準出力値に対するCCD出力値のピーク出現位置のずれ(例えばプラス、マイナスで表示)を傾き方向、ピーク幅のずれ量(例えばミリメートルで表示)を傾き量として算出し、算出結果を表示することもできる。
【0068】
また、原稿搬送装置27の傾き方向とハンドル95の回転方向との関係、及び、傾き量とハンドル95の回転量との関係も予め記憶部に格納しておき、制御部による算出結果により、操作パネル55にハンドル95の回転方向及び回転量を表示させることもできる。また、ハンドル95に、表示された回転量に対応した目盛を形成することもでき、これにより、原稿搬送装置27の傾きの調整がさらに容易となる。
【0069】
そして、このように原稿搬送装置27の傾きが調整された状態で自動原稿搬送を行うことによって、原稿搬送装置27の傾きに起因する読取画像、及び印字画像の傾きや歪みを効果的に防止することができる。
【0070】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態に示したヒンジベース83、第1ヒンジ部材85、第2ヒンジ部材87、ハンドル95、レバー97等の形状等も、上記実施形態に特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。また、上記実施形態では、操作パネル55を画像形成装置100に設け、画像読取装置28と画像形成装置100とで共用としたが、その他、操作パネル55を画像読取装置28のみ専用に設けること等もできる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、画像読取部にヒンジ部を介して開閉可能に支持される原稿搬送装置を備えた画像読取装置に利用可能であり、ヒンジ部のうち少なくとも一方を、画像読取部に固定されるヒンジベースと、該ヒンジベースに回動可能に連結される第1ヒンジ部材と、該第1ヒンジ部材に対し回動軸と垂直な方向に摺動可能に支持される第2ヒンジ部材と、で構成し、第2ヒンジ部材を第1ヒンジ部材に対して押圧若しくは押圧解除するレバーと、該レバーにより第2ヒンジ部材の押圧が解除された状態で第2ヒンジ部材を第1ヒンジ部材に対して摺動させるギヤ機構と、該ギヤ機構を回転させるハンドルと、を含む位置調整機構を設けたものである。
【0072】
これにより、工具を用いずに原稿搬送装置の傾きを容易に調整することができ、原稿搬送装置を調整後の位置で確実に固定することができるメンテナンス作業性に優れた画像読取装置を簡易な構成で提供することができる。
【符号の説明】
【0073】
6 画像読取部
25 コンタクトガラス
25a 自動読取用ガラス
25b 手置き原稿用ガラス
27 原稿搬送装置
28 画像読取装置
80a、80b ヒンジ部
81 ヒンジ足
83 ヒンジベース
85 第1ヒンジ部材
87 第2ヒンジ部材
90 位置調整機構
91 ラック
93 ウォームギヤ
95 ハンドル
97 レバー
97a カム部
97aa 大径部
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置するコンタクトガラスと、
該コンタクトガラスに対して上方に開閉可能であり、原稿を前記コンタクトガラスの上面に搬送する原稿搬送装置と、
前記コンタクトガラスの下部に設けられ、前記コンタクトガラス上に載置された原稿画像、或いは前記原稿搬送装置により画像読取位置に搬送された原稿画像を読み取る画像読取部と、
前記原稿搬送装置を前記画像読取部に対して回動自在に保持する一対のヒンジ部と、
を備えた画像読取装置において、
前記ヒンジ部のうち少なくとも一方は、前記画像読取部に支持されるヒンジベースと、該ヒンジベースに回動可能に連結される第1ヒンジ部材と、該第1ヒンジ部材に対し回動軸と垂直な方向に摺動可能に支持されるとともに前記原稿搬送装置に固定される第2ヒンジ部材と、で構成され、
前記第2ヒンジ部材を前記第1ヒンジ部材に対して押圧若しくは押圧解除するレバーと、該レバーにより前記第2ヒンジ部材の押圧が解除された状態で前記第2ヒンジ部材を前記第1ヒンジ部材に対して摺動させるギヤ機構と、該ギヤ機構を回転させるハンドルと、を含む位置調整機構を設け、
前記レバーは、前記第2ヒンジ部材を押圧した状態で前記ハンドルの操作領域を覆い、前記第2ヒンジ部材の押圧が解除された状態で前記ハンドルの操作領域を開放することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記ギヤ機構は、前記第2ヒンジ部材に固定されたラックと、前記第1ヒンジ部材に回転可能に支持され前記ラックと噛み合うウォームギヤとで構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記レバーは、前記第2ヒンジ部材との間に所定の間隔を有する回転軸に回転可能に支持されるとともに、前記回転軸から外周面までの外径が変化するカム部が設けられており、前記カム部には前記第2ヒンジ部材と前記回転軸との間隔よりも外径が大きい大径部が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記レバー及び前記ハンドルは、前記コンタクトガラスの上方から操作可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記原稿搬送装置の前記画像読取位置に対向する部分に検知用パターンが設けられており、前記画像読取部が前記検知用パターンを読み取ることにより前記画像読取部に対する前記原稿搬送装置の傾きを検知することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像読取装置が搭載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−13097(P2013−13097A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166136(P2012−166136)
【出願日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【分割の表示】特願2010−69156(P2010−69156)の分割
【原出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】