説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】原稿の浮上がりを規制する読取ガイド部を大型化することなく、読取ガイド部の反りや振動等の発生を抑制可能な画像読取装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】原稿をプラテンガラス161へ給送する第1リードローラ12と、第1リードローラ12から給送された原稿の画像を、プラテンガラス161を介して読み取るリーダ部150と、リーダ部150と対向配置され、搬送される原稿を案内する読取ガイド部24と、原稿を機外に排出する排出ローラ対18と、を備え、読取ガイド部24は、原稿をプラテンガラス161に沿って案内するプラテンローラ対100と、プラテンローラ対100の回転軸方向に延びると共に、プラテンガラス161に沿って搬送される原稿を案内する白色板103aと、を有し、白色板103aは、プラテンローラ対100の回転軸の両端部及び両端部の間に位置する回転軸上の少なくとも1か所で支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像情報を読み取る画像読取装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セットされた原稿をプラテンガラス上の画像読取位置に送り、画像読取位置で画像情報を読み取った後、原稿を排出する原稿送り装置(Auto Document Feeder)を備えた画像読取装置が知られている。
【0003】
画像読取装置は、画像読取手段を画像読取位置の下方に移動させた後、ランプユニットから光を出射し、画像読取位置で原稿をプラテンガラスに沿って搬送させて原稿を走査する。そして、その反射光を画像読取手段で検出して原稿の画像情報を読み取る。そのため、画像読取装置は、搬送される原稿の浮き上がりにより生じる画像ボケやカブリ等の発生を防止するために、反射光を検出して画像情報を読み取るにあたり、画像読取位置での原稿の浮き上がりを規制する必要がある。
【0004】
これに対しては、ローラで原稿を抑えながらプラテンガラス上に原稿を案内すると共に、プラテンガラスと対向配置された読取ガイド部で原稿の浮き上がりを規制する画像読取装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。画像読取装置の読取ガイド部は、プラテンガラスに沿って原稿を案内するプラテンローラと、プラテンガラス上を案内される原稿をプラテンガラスに密着させる規制板と、を備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−189069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の画像読取装置は、プラテンガラスと対向配置される読取ガイド部の規制板が長手方向に細長い形状に形成されているため、規制板が長手方向に反りを生じさせ易い。また、原稿搬送時の振動により規制板が曲げ振動を起こす場合がある。そのため、プラテンガラスと規制板との間隔が安定せず、例えば、非定型サイズの原稿や穴あき原稿等を読み取った場合、光量の変化によりカブリや白抜けが発生するおそれがある。
【0007】
これに対しては、規制板の短手方向の長さ(横幅)を長くして規制板の反りや曲げ振動に対する強度を向上させることが考えられる。しかし、規制板の短手方向の長さを長くすると、これに合わせてプラテンガラスも大きくする必要があるため、装置全体が大きくなってしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、原稿の浮き上がりを規制する読取ガイド部を大きくすることなく読取ガイド部の反りや振動等の発生を好適に抑制し、画像品質を向上可能な画像読取装置及びこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、原稿をプラテンへ給送する給送部と、前記給送部から給送された原稿の画像を、前記プラテンを介して読み取る画像読取手段と、前記プラテンを介して前記画像読取手段と対向配置され、搬送される原稿を案内する読取ガイド部と、前記画像読取手段により画像が読み込まれた原稿を機外に排出する排出部と、を備え、前記読取ガイド部は、原稿を前記プラテンに沿って案内するローラ部と、前記ローラ部の回転軸方向に延びると共に、前記プラテンに沿って搬送される原稿を案内する案内板と、を有し、前記案内板は、前記ローラ部の回転軸の両端部及び両端部の間に位置する回転軸上の少なくとも1か所で支持される、ことを特徴とする画像読取装置に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、原稿を案内するローラ部の複数個所で、原稿をプラテンガラスに密着させる規制板を支持することにより、規制板の反りや振動を抑制し、形成される画像の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置を示す断面図である。
【図2】図1に示す画像読取装置の読取ガイド部を示す斜視図である。
【図3】図2に示す読取ガイド部の分解組立図である。
【図4】プラテンガラスの上方に位置する読取ガイド部の側面図である。
【図5】プラテンガラスの上方に位置する読取ガイド部の断面図である。
【図6】プラテンガラスの上方に位置する読取ガイド部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る画像読取装置1について、図面を参照しながら説明する。先ず、本実施形態に係る画像読取装置1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像読取装置1を示す断面図である。
【0013】
図1に示すように、画像読取装置1は、シート状の原稿Pを給送する原稿送り部2と、原稿送り部2により給送された原稿Pを載置するプラテンとしてのプラテンガラス161と、を備える。また、画像読取装置1は、プラテンガラス161に載置された原稿Pの画像の読み込みを行う画像読取手段としてのリーダ部150と、原稿Pを固定的に載置する載置台ガラス3と、載置台ガラス3に載置された原稿Pを押える圧板15と、を備える。
【0014】
原稿送り部2は、原稿Pを積載する原稿トレイ4と、原稿トレイ4に積載された原稿Pを給送する給送ローラ5と、原稿Pを1枚ずつ分離する分離ローラ8と、原稿Pの先端を揃えて搬送するレジストローラ対11と、を備える。また、原稿送り部2は、原稿をプラテンガラス161に搬送する給送部としての第1リードローラ12と、原稿をプラテンガラス161に密着させる読取ガイド部24と、読み取りの終了した原稿を搬送する第2リードローラ14と、を備える。更に、原稿送り部2は、読み取りの終了した原稿Pを機外に排出する排出部としての排出ローラ対18と、読み取りの終了した原稿Pが排出される排出トレイ10と、を備える。
【0015】
原稿トレイ4は、原稿Pの幅方向(原稿Pの搬送方向と直交する方向)にスライド自在に配置された一対の規制板(図示せず)を備える。原稿トレイ4は、不図示の規制板が原稿トレイ4に積載される原稿Pの幅方向を規制することにより、原稿Pの給送時における搬送安定性を確保している。
【0016】
給送ローラ5は、原稿トレイ4の上方に設けられており、作業者による原稿Pのセット作業を阻害しないようにホームポジション(図1に示す実線位置)に位置している。そして、原稿Pの給送動作が開始されると、給送ローラ5は、ホームポジションから給送位置(図1に示す破線位置)に移動し、原稿Pの上面に当接して原稿Pを給送する。なお、給送ローラ5は、不図示のアームに軸支されており、アームを揺動することにより上下方向に移動する。
【0017】
分離ローラ8は、給送ローラ5の下流に設けられており、給送ローラ5の回転駆動に連動して対向配置された分離パッド6を押圧しながら回転することで給送ローラ5により給送される原稿Pを1枚ずつ分離して搬送する。分離パッド6は、分離ローラ8よりも摩擦係数が小さいゴム材料により形成されている。
【0018】
レジストローラ対11は、分離ローラ8の下流に設けられており、分離ローラ8にて1枚ずつ分離して搬送される原稿Pの先端をニップ部に突き当て、原稿Pにループを生じさせることにより原稿Pの先端を揃える。その後、レジストローラ対11は、回転して原稿Pをプラテンガラス161に向かって搬送する。
【0019】
第1リードローラ12は、レジストローラ対11の下流に設けられており、レジストローラ対11で先端が揃えられた原稿Pをプラテンガラス161に向かって搬送する。読取ガイド部24は、第1リードローラ12の下流に設けられており、第1リードローラ12によってプラテンガラス161に搬送された原稿Pを、プラテンガラス161に密着させた状態でプラテンガラス161に沿って案内する。
【0020】
第2リードローラ14は、読取ガイド部24の下流に設けられており、読取ガイド部24により案内され、読み取りが終了した原稿Pを搬送する。排出ローラ対18は、第2リードローラ14の下流に設けられており、第2リードローラ14により搬送された原稿Pを機外に排出する。排出トレイ10は、排出ローラ対18により排出された原稿Pを積載するように収容する。
【0021】
載置台ガラス3は、原稿Pを1枚ずつ固定的に載置する場所であり、圧板15は、載置台ガラス3と対向するように原稿送り部2に保持されている。
【0022】
リーダ部150は、プラテンガラス161及び載置台ガラス3を保持するリーダ部本体150aと、原稿Pに光を照射するランプ152と、ランプ152に照射された光に対応する原稿Pからの反射光を誘導する複数のミラー153,155,156と、を備える。また、リーダ部150は、複数のミラー153,155,156によって誘導された反射光を集光するレンズ157と、レンズ157で集光された反射光を光電変換して画像信号として出力するCCD158とを備える。
【0023】
リーダ部本体150aは、原稿送り部2を載置台ガラス3が開閉自在となるように支持する。また、リーダ部本体150aは、プラテンガラス161を介して読取ガイド部24の下方にランプ152等が位置するようにランプ152等を収容する。
【0024】
ランプ152及びミラー153は、第1光学台159に取り付けられており、ミラー155及びミラー156は、第2光学台151に取り付けられている。第1光学台159及び第2光学台151は、リーダ部本体150aの内部に収容されている。また、第1光学台159及び第2光学台151は、ワイヤ(図示せず)によってモータ(図示せず)に結合されており、モータの回転駆動により載置台ガラス3と平行に移動制御される。第1光学台159及び第2光学台151は、ポジションセンサ(図示せず)により検知される位置を基準として、モータを正回転又は逆回転することにより移動し、載置台ガラス3に固定的に載置された原稿Pを光学的に走査する。
【0025】
CCD158は、ミラー153,155,156を介してレンズ157に導かれ、レンズ157によってCCD158に集光された反射光を光電変換し、電子的な画像信号として出力する。
【0026】
次に、本実施形態に係る画像読取装置1の読取ガイド部24について、図2から図6を参照しながら具体的に説明する。図2は、図1に示す画像読取装置1の読取ガイド部24を示す斜視図である。図3は、図2に示す読取ガイド部24の分解組立図である。図4は、プラテンガラス161の上方に位置する読取ガイド部24の側面図である。図5は、プラテンガラス161の上方に位置する読取ガイド部24の断面図である。図6は、プラテンガラス161の上方に位置する読取ガイド部24の断面図である。
【0027】
図2に示すように、読取ガイド部24は、プラテンガラス161に沿って原稿を搬送するローラ部としてのプラテンローラ対100と、一対の第1揺動アーム24c,24cと、一対の第2揺動アーム24g,24gと、案内板としての白基準板103と、を備える。
【0028】
プラテンローラ対100は、第1ローラとしての第1プラテンローラ104と、第1プラテンローラ104の下流側に設けられ、第2ローラとしての第2プラテンローラ105と、を備える。第1プラテンローラ104及び第2プラテンローラ105は、モータ、駆動プーリ及びタイミングベルト等を有する駆動伝達部(図示せず)に接続されており、第1リードローラ12と同じ速度で回転駆動されている。
【0029】
第1プラテンローラ104は、原稿Pを搬送するローラ部104aと、ローラ部104aが固着される回転軸104bとを備える。ローラ部104aは、ゴム部材により形成されており、固着される回転軸104bの軸方向における略中央に、回転軸104bを露出したスリット部104cが設けられている。回転軸104bは、金属材料により形成されており、回転軸104bに固着したローラ部104aを回転させる。
【0030】
第2プラテンローラ105は、原稿Pを搬送するローラ部105aと、ローラ部105aが固着される回転軸105bとを備える。ローラ部105aは、ゴム部材により形成されており、固着される回転軸105bの軸方向における略中央に、回転軸105bが露出したスリット部105cが設けられている。回転軸105bは、金属材料により形成されており、回転軸105bに固着したローラ部105aを回転させる。
【0031】
図3に示すように、第1揺動アーム24c,24cは、第1プラテンローラ104及び第2プラテンローラ105のそれぞれが回転自在となるように、回転軸104b及び回転軸105bの先端に取り付けられている。また、第1揺動アーム24c,24cは、一端が第1揺動アーム24cに係合し、他端が第2揺動アーム24gに係合した付勢ばね101(例えば、圧縮ばね)により、第2プラテンローラ105を回転中心として時計回りに付勢されている。
【0032】
図4に示すように、第1揺動アーム24cは、プラテンローラ対100とプラテンガラス161との距離(ギャップ)を一定に保つ第1突き当て部24b及び第2突き当て部24fと、を備える。第1突き当て部24b及び第2突き当て部24fは、プラテンガラス161に突き当たることで、第1プラテンローラ104とプラテンガラス161とのギャップ、及び第2プラテンローラ105とプラテンガラス161とのギャップを保持する。
【0033】
プラテンローラ対100とプラテンガラス161とのギャップ量としては、例えば、0.15〜0.5mm程度である。ギャップ量は、プラテンガラス161上において、原稿Pの浮き規制及び搬送性を両立するところで決められる。また、ギャップ量が0.15mm以下であると、厚紙原稿の場合、原稿Pが搬送される際に読取ガイド部24にショックが発生する場合がある。また、搬送負荷が増大することにより、搬送速度にブレが発生し、画像ブレの要因になるおそれがある。
【0034】
また、ギャップ量が0.5mm以上であるとプラテンガラス161における原稿Pの浮きが発生し、画像の読取中に原稿Pの位置がばらつき(浮きの発生の有り無し)、原稿Pの速度のバラつきや、輝度レベルの変動が発生する。これにより、画像ブレや画像カブリ、ムラ等の発生原因となるおそれがある。本実施形態においては、第1プラテンローラ104及び第2プラテンローラ105共に、プラテンガラス161とのギャップが、0.3mmとなるように設定している。
【0035】
第2揺動アーム24gは、第2プラテンローラ105及び第1リードローラ12の第1リードローラ12が回転自在となるように、第2プラテンローラ105の回転軸105b及び第1リードローラ12の回転軸の先端に取り付けられている。また、第2揺動アーム24gは、一端が第2揺動アーム24gに取り付けられ、他端が原稿送り部2に取り付けられた付勢ばね102(例えば、ねじりコイルばね)により第1リードローラ12の回転軸を回転中心として時計回りに付勢されている。
【0036】
付勢ばね101(圧縮バネ)と付勢ばね102(ねじりコイルバネ)の付勢力により、第1突き当て部24b及び第2突き当て部24fは、プラテンガラス161に突き当たる。つまり、第2プラテンローラ105を回転自在に保持すると共に、揺動自在な第2揺動アーム24gが付勢ばね102でプラテンガラス側に付勢されることで、第2プラテンローラ105の回転軸105bに近接した第2突き当て部24fが載置台ガラスに突き当る。
【0037】
さらに、第1プラテンローラ104を回転自在に保持すると共に、第2プラテンローラ105の回転軸105bに揺動自在に保持された第1揺動アーム24cが、付勢ばね101(圧縮バネ)によってプラテンガラス161側に付勢されている。そのため、第1プラテンローラ104の回転軸に近接した第1突き当て部24bが、プラテンガラス161に突き当る。
【0038】
第1突き当て部24b及び第2突き当て部24fは、第1プラテンローラ104及び第2プラテンローラ105の回転軸の両端近傍の第1揺動アーム24cに設けられ、プラテンガラス161に対して突き当たる。そのため、第1プラテンローラ104とプラテンガラス161とのギャップ、及び第2プラテンローラ105とプラテンガラス161とのギャップを一定距離に保持することができる。
【0039】
図3、図5及び図6に示すように、白基準板103は、第1プラテンローラ104の回転軸104b及び第2プラテンローラ105の回転軸105bと同方向(回転軸方向)に延び、第1プラテンローラ104と第2プラテンローラ105の間に配置されている。白基準板103は、長方形状の白色板103aと、第1プラテンローラ104の回転軸104bの複数個所に支持される第1係合部103bと、第2プラテンローラ105の回転軸105bの複数個所に支持される第2係合部103cと、を備える。
【0040】
白色板103aは、合成樹脂材料により形成されており、第1プラテンローラ104の回転軸104b及び第2プラテンローラ105の回転軸105bと同方向(回転軸方向)に延びると共に、プラテンガラス161と略平行になるように形成されている。また、白色板103aは、プラテンガラス161と対向する側が平面となっており、プラテンガラス161に搬送される原稿Pがプラテンガラス161に密着するように原稿Pをガイドする。
【0041】
第1係合部103bは、白基準板103の両端部と、長手方向における略中央部に設けられており、第1プラテンローラ104の回転軸104bの両端部及び回転軸上に形成されたスリット部104cに回転軸104bが回転自在となるように係合する。
【0042】
第2係合部103cは、白基準板103の両端と、長手方向における略中央部に設けられており、第2プラテンローラ105の回転軸105bの両端部及び回転軸上に形成されたスリット部105cに回転軸105bが回転自在となるように係合する。
【0043】
次に、画像読取装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。作業者による原稿Pの画像読取指示がなされると、給送ローラ5が揺動して原稿Pの上面に当接し、原稿Pを給送する。給送ローラ5により給送された原稿Pは、分離ローラ8により1枚ずつ分離され、レジストローラ対11に搬送される。レジストローラ対11では、搬送された原稿Pの先端をレジストローラ対11のニップ部に突き当て、原稿Pにループを生じさせることにより原稿Pの先端を揃える。先端が揃えられた原稿Pは、その後、レジストローラ対11が回転することにより、原稿Pを原稿配置部2に向かって搬送する。
【0044】
次に、第1リードローラ12により、プラテンガラス161に向けて原稿Pが搬送される。プラテンガラス161に原稿Pが搬送されると、プラテンガラス161上で原稿Pの画像がリーダ部150により読み取られる。ここで、白基準板103は、第1プラテンローラ104の回転軸104b及び第2プラテンローラ105の回転軸105bそれぞれの両端部及び略中央部(3か所)で支持されている。そのため、白色板103aの原稿搬送時の振動による曲げ振動や反りが抑制される。
【0045】
リーダ部150での原稿Pの読み取りが完了すると、第2リードローラ14が読取ガイド部24により搬送され、読み取りが終了した原稿Pを排出ローラ対18に案内する。第2リードローラ14により排出ローラ対18に案内された原稿Pは、排出ローラ対18により機外排出され、排出トレイ10によって積載するように収容される。
【0046】
なお、両面モードの場合には、排出ローラ対18で排出を行わず、スイッチバックして、上方のシートパス9に案内してレジストローラ対11に向けて搬送する。レジストローラ対11に到達すると上記と同様に原稿Pの裏面の読取が行われる。
【0047】
以上のような構成を有する本実施形態に係る画像読取装置1によれば、以下のような効果を奏する。本実施形態に係る画像読取装置1は、白基準板103が第1プラテンローラ104の回転軸104b及び第2プラテンローラ105の回転軸105bそれぞれの両端部及び略中央部(3か所)で支持されている。そのため、白色板103aの原稿搬送時の振動による曲げ振動や反りが抑制される。これにより、プラテンガラス161と白色板103aとの間隔を安定させることができる。その結果、例えば、非定型サイズの原稿や穴あき原稿等を読み取った場合においても、光量の変化によりカブリや白抜けの発生を抑制することができる。
【0048】
また、プラテンガラス161と白色板103aとは長手方向におけるギャップ及び平行性が担保され、例えば、薄紙時の画像読取での白色レベルの低下を防止することができる。また、白基準板103の横幅を大きくすることなく、白基準板103の反り、振動等に対する強度を向上させることができる。
【0049】
また、読取ガイド部24の横幅を広くする必要がないため、画像読取装置1を大きくすることなく第1プラテンローラ104と第2プラテンローラ105の間隔を狭くすることが可能になる。これにより、画像の読み取り位置での原稿Pの載置台ガラス3からの浮きを好適に押えることが可能となる。その結果、原稿Pのカブリを防止すると共に、原稿Pによるプラテンガラス161のセルフクリーニング効果を確保し、スジ画像等の発生を抑制することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0051】
例えば、本実施形態においては、白基準板103は、第1プラテンローラ104の回転軸104b及び第2プラテンローラ105の回転軸105bのそれぞれの両端部及び中央部(3箇所)で支持される構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、第1プラテンローラ104の回転軸104b及び第2プラテンローラ105の回転軸105bの両端部及びその間の2箇所以上に支持される構成であってもよい。
【0052】
また、本実施形態においては、白基準板103は、第1プラテンローラ104の回転軸104bと第2プラテンローラ105の回転軸105bの両方に3箇所で支持される構成としたが本発明においてはこれに限定されない。例えば、第1プラテンローラ104の回転軸104bと第2プラテンローラ105の回転軸105bのいずれか一方の回転軸に3箇所以上で支持される構成であってもよい。いずれか一方の回転軸に3箇所以上で支持されることにより、白基準板103の白色板103aの反りを少なくすることができる。そして、他方の回転軸によって白基準板103が3箇所未満で支持される構成であってもよい。例えば、白基準板103が、第1プラテンローラ104の回転軸104bに長手方向における3箇所で支持され、第2プラテンローラ105の回転軸105bによって長手方向の両端の2箇所で支持されるようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態においては、画像読取装置1を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。本実施形態に係る画像読取装置1及び画像形成部を備えた画像形成装置にも好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 画像読取装置
2 原稿送り部
3 載置台ガラス
5 給紙ローラ
12 第1リードローラ(給送部)
14 第2リードローラ
15 圧板(圧板部)
18 排出ローラ対(排出部)
24 読取ガイド部
100 プラテンローラ対(ローラ部)
103 白基準板(案内板)
103a 白色板
103b 第1係合部
103c 第2係合部
104 第1プラテンローラ(第1ローラ)
104c スリット部
105 第2プラテンローラ(第2ローラ)
105c スリット部
150 リーダ部(画像読取手段)
161 プラテンガラス(プラテン)
P 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿をプラテンへ給送する給送部と、
前記給送部から給送された原稿の画像を、前記プラテンを介して読み取る画像読取手段と、
前記プラテンを介して前記画像読取手段と対向配置され、搬送される原稿を案内する読取ガイド部と、
前記画像読取手段により画像が読み込まれた原稿を機外に排出する排出部と、を備え、
前記読取ガイド部は、
原稿を前記プラテンに沿って案内するローラ部と、前記ローラ部の回転軸方向に延びると共に、前記プラテンに沿って搬送される原稿を案内する案内板と、を有し、
前記案内板は、前記ローラ部の回転軸の両端部及び両端部の間に位置する回転軸上の少なくとも1か所で支持される、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記ローラ部は、前記給送部から給送された原稿を前記プラテンに案内する第1ローラと、前記第1ローラの下流側に配置された第2ローラと、を備え、
前記案内板は、前記第1ローラと前記第2ローラの間に配置されると共に、前記第1ローラ及び前記第2ローラに支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記案内板は、白基準板である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置で読み取られた画像をシートに形成する画像形成部と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−129911(P2012−129911A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281482(P2010−281482)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】