説明

画像読取装置

【課題】 複数の照明装置を必要とせず、短時間でホログラム画像を高精度で認識可能なコンパクトな画像読取装置を提供する。
【解決手段】 搬送送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、第1光源及び第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてからホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、導光体の全反射面のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、レンズ体により収束された光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域に関する電気信号を検出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機や金融端末装置などの画像読み取りや画像識別に用いる画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像情報を読み取る画像読取装置として、例えば、特開2007−249475号公報図1(特許文献1参照)には、被照射物のホログラム領域の画像を白色光源などで読み取り、被照射物に対する真偽判別する画像読取装置が開示されている。
【0003】
特開平11−215301号公報図1(特許文献2参照)には、2つの内壁面15a,15bによって挟まれた照射用光路14の高さ方向中間部に傾斜角度が相違する2つの傾斜面部16a,16bを設け、それらがLEDチップ6の上方に位置し、上部側になるほど画像読み取り領域Sに接近するように構成した画像読み取り装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−249475号公報(第1図)
【0005】
【特許文献2】特開平11−215301号公報(第1図)[段落0035]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、ホログラム領域における照射部3aに光を照射する第1光源4と、所定領域だけ搬送されたときのホログラム領域における照射部3bに光を照射する第2光源6とを設けているので、搬送方向の異なる位置に照明装置を配置する必要があると共にホログラムの同一画素の読み取りが一定時間経過後になるので正確に被照射物を搬送せねばならないという課題があった。
【0007】
特許文献2に記載のものは、照射用光路14の下部にLEDチップ6を設け、LEDチップ6から照射して光を上方の傾斜部16a、16bで反射させて上部側に位置する画像読み取り領域Sを照明するので、照射経路が高さ方向に長くなり、比較的大きなサイズの画像読み取り装置になるという課題があった。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、複数の照明装置を必要とせず、短時間でホログラム画像などを高精度で認識すると共に被照射物の搬送ぶれがあっても画質の劣化を軽減したコンパクトな画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の画像読取装置は、ホログラム領域を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、この導光体の全反射面のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域に関する電気信号を検出するものである。
【0010】
請求項2に係る発明の画像読取装置は、光を照射する前記第1光源及び前記第2光源の光軸中心は、前記導光体のそれぞれの全反射面中心に位置している請求項1に記載のものである。
【0011】
請求項3に係る発明の画像読取装置は、前記第1光源と前記第2光源のスペクトル波長は同一である請求項1又は2に記載のものである。
【0012】
請求項4に係る発明の画像読取装置は、前記点灯制御手段は、前記第1光源又は前記第2光源の一方が点灯しているときは他方は消灯するように前記露光比率を制御する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のものである。
請求項5に係る発明の画像読取装置は、前記導光体は、前記照射部周辺を切り欠き、互いに異なる角度で傾斜させた全反射面と前記照射部で反射した反射光を通過させる平坦面とからなる切り欠き部を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のものである。
【0013】
請求項6に係る発明の画像読取装置は、ホログラム領域を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源と面対称で対向設置され、前記第1光源と同一スペクトル光を前記第1光源と逆方向に照射する第3光源と、前記第2光源と面対称で対向設置され、前記第2光源と同一スペクトル光を前記第2光源と逆方向に照射する第4光源と、前記第1光源乃至前記第4光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する前記第1光源及び前記第3光源から導光された光と前記第2光源及び前記第4光源から導光された光との照射角度が互いに異なる全反射面を有する導光体と、この導光体の照射角度の前記異なる全反射面毎に入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域に関する電気信号を検出するものである。
【0014】
請求項7に係る発明の画像読取装置は、光を照射する前記第1光源乃至前記第4光源の光軸中心は、前記導光体のそれぞれの全反射面中心に位置している請求項6に記載のものである。
【0015】
請求項8に係る発明の画像読取装置は、前記第1光源乃至前記第4光源のスペクトル波長は同一である請求項6又は7に記載のものである。
【0016】
請求項9に係る発明の画像読取装置は、前記第1光源と前記第3光源とは同時に点灯・消灯動作を行い、前記第2光源と前記第4光源とは同時に点灯・消灯動作する請求項6乃至8のいずれか1項に記載のものである。
【0017】
請求項10に係る発明の画像読取装置は、前記点灯制御手段は、前記第1光源と前記第3光源、又は前記第2光源と前記第4光源、の一方の組が点灯しているときは他方の組は消灯するように前記露光比率を制御する請求項9に記載のものである。
【0018】
請求項11に係る発明の画像読取装置は、前記導光体は、前記照射部周辺を切り欠き、互いに異なる角度で傾斜させた全反射面と前記照射部で反射した反射光を通過させる平坦面とからなる切り欠き部を有する請求項6乃至10のいずれか1項に記載のものである。
【0019】
請求項12に係る発明の画像読取装置は、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を受光するセンサとを備えたものである。
【0020】
請求項13に係る発明の画像読取装置は、被照射物を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を受光するセンサとを備え、収束光が通過する前記レンズ体の光軸上の異なる前記搬送経路に照射角度の異なる前記全反射面の法線が交差するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係る画像読取装置によれば、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、導光体の異なる全反射面に入射する光の露光比率を時分割で制御し、レンズ体で収束された反射光を時分割毎にセンサで受光するので、個別に複数の照明装置を必要とせず、ホログラム画像の変化を短時間で認識できる効果がある。
【0022】
また、導光体内部で副走査方向に伝搬させてから照射部付近に近接した導光体の全反射面から被照射物を照明するので、平板形状のコンパクトな照明部分を搭載した画像読取装置となるという効果がある。
【0023】
また、複数の異なる角度から光りを照射可能なので結像光学系の光軸上に複数の光の照射位置を指定できるので被照射物の搬送ぶれに対しても画質の劣化を軽減した画像読取装置を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る画像読取装置(CISとも呼ぶ)について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1による画像読取装置の断面図である。図1において、1は紙幣や帳票などの被照射物(原稿とも呼ぶ)、2は被照射物1の搬送経路を調整又は支持する天板、3は被物照射物1を搬送するローラ又はプーリなどの搬送手段、4は搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を副走査方向に照射するLEDアレイや蛍光管などで構成した光源、5は光源4の光を副走査方向に導光するポリカーボネートやソーダガラス材などの透明部材で構成した導光体、6は被照射物1の搬送経路を形成すると共に内部に異物の混入などを防止する透明ガラス又は透明プラスチック材で構成した透過体、7は被照射物1に対する光の照射部(照射領域)である。
【0025】
8は照射部7からの散乱光を副走査方向に反射させる第1ミラー、9は第1ミラー8からの反射光を受光する凹型の第1レンズミラー(第1レンズ 第1非球面ミラーとも呼ぶ)、10は第1レンズ9からの平行光を受光するアパーチャー、10aは周囲が遮光され、アパーチャー10を通過する光の色収差を緩和するアパーチャー10の表面又は近傍に設けた開口部、11はアパーチャー10からの透過光を受光する凹型の第2レンズミラー(第2レンズ 第2非球面ミラーとも呼ぶ)、12は第2レンズ11からの光を受光し、反射させる第2ミラーである。
【0026】
13は開口部10aを通過した第2レンズ11からの反射光を第2ミラー12を介して受光し、光電変換する光電変換回路及びその駆動部からなるMOS半導体構成のセンサIC(センサとも呼ぶ)、14はセンサIC13を載置するセンサ基板であり、第1センサ基板14aと第2センサ基板14bからなる。15はセンサIC13で光電変換された信号を信号処理する信号処理IC(ASIC)、16はASIC15などを載置する信号処理基板、17はセンサ基板14と信号処理基板16とを電気接続する内部コネクタである。18は光源4からの発熱を緩和させるアルミ材などで構成した放熱ブロックである。
【0027】
19は第1ミラー8及び第2ミラー12のミラー系や第1レンズ9及び第2レンズ11などのレンズ系で構成した結像手段(レンズ体)であるテレセントリックな結像光学系を収納する筐体である。20は光源4及び導光体5などの照明光学系(照明装置)を収納する筐体である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0028】
図2は、図1に示した断面図の主走査方向の別位置における断面図であり、光の伝搬経路を形成する結像光学系部分は、読み取り位置に対して隣接するブロック毎に図1に示すものとシンメトリーの構造となっている。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0029】
図3は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系部分の平面図である。図3において、21は光源4に電源や制御信号を供給するコネクタ、22は多数の白色発光のLEDを主走査方向にアレイ状に配列した光源4を載置する基板である。
【0030】
図4は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系部分の読み取り位置から見た側面図である。図4において、23は白色発光LEDの照射方向に集光性を持たせるために基板22のLED載置部分を覆うようにシリコン材などの透明モールド樹脂をスポットコーティングした集光レンズであり、光源4の副走査方向への指向性の広がりを制限する役目を担う。また、単一波長のLEDチップを用いたものにおいては、蛍光発光させるため集光レンズ23に蛍光発光樹脂を使用しても良い。
【0031】
図5は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の導光体を除去した照明光学系部分の読み取り位置から見た側面図である。図5において、4aは搬送方向の垂直面に4.23mmピッチでアレイ状に配列した第1列目光源(第1光源)、4bは搬送方向の垂直面に第1列目光源4aと平行して配置した第2列目光源(第2光源)である。図3〜図5中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0032】
図6は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系部分の結線図である。図6において、光源4の第1列目光源4aと、平行配置した光源4の第2列目光源4bとは独立回路を形成し、それぞれLEDコントロール信号端子(LEDC−1)及びLEDコントロール信号端子(LEDC−2)の制御信号により、電源端子(VDD)から電力供給され点灯・消灯駆動する。
【0033】
図7は画像読取装置に搭載するセンサIC13の平面図であり、本実施の形態1では、約160mmの読み取り領域に対して、600DPIの画素密度で構成するので約0.042mmピッチで画素を配列し、3744画素としている。加えて図8に示すように各画素は、画素毎に赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)からなるゼラチン材などで構成したRGBフィルタを画素受光面に配置した構造としている。
【0034】
また、各画素に入射した光をRGBごとに光電変換し、その出力を保持・駆動する光電変換・RGBシフトレジスタ駆動回路(駆動回路)を具備し、センサIC13に信号や電源を入出力するワイヤボンディングパッド部を有する。なお、CNTは画素密度(600DPI/300DPI)やカラー/モノクロ切換用のワイヤボンディング端子である。
【0035】
図9は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の光源と導光体との関係を説明する照明光学系の断面図である。図9において、4aが光を副走査方向に照射する第1列目に配置した第1光源、4bが光を副走査方向に照射する第2列目の第2光源であるのに対して、4cは第1光源4aと面対称で対向設置され、第1光源4aと逆方向に光を照射する第3光源、4dは第2光源4bと面対称で対向設置され、第2光源4bと逆方向に光を照射する第4光源である。
【0036】
5aは第1光源4aの照射光軸中心に全反射面の中心がある第1反射面、5bは第2光源4bの照射光軸中心に全反射面の中心がある第2反射面、5cは第3光源4cの照射光軸中心に全反射面の中心がある第3反射面、5dは第4光源4dの照射光軸中心に全反射面の中心がある第4反射面、5eは照射部7で反射した反射光を通過させる平坦面である。
【0037】
なお、全反射面5a〜5dおよび平坦面5eは照射部7に近接した導光体5の一部を切り欠いて形成され、この部分を導光体5の切り欠き部と呼ぶ。また、一方の全反射面5aと全反射面5bは、他方の全反射面5cと全反射面5dと平坦面5eを含み面対称の関係にある。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0038】
従って光源4から照射されたそれぞれの光束は導光体5内部を通過し、照射部7に近接して設置された各導光体5の全反射面5a〜5dで全反射し、ホログラム領域を照射する。全反射面5aは光源4aからの光が主体に入射し、全反射面5aの法線に対して45〜49度の角度で入射するので照射部7には搬送方向と垂直方向にある結像光学系の光軸に対して比較的狭角で入射する。また、全反射面5bは光源4bからの光が主体に入射し、全反射面5bの法線に対して60〜64度の角度で入射するので照射部7には結像光学系の光軸に対して比較的広角で入射する。
【0039】
同様に、全反射面5cは光源4cからの光が主体に入射し、全反射面5cの法線に対して45〜49度の角度で入射するので照射部7には結像光学系の光軸に対して比較的狭角で入射する。また、全反射面5dは光源4dからの光が主体に入射し、全反射面5dの法線に対して60〜64度の角度で入射するので照射部7には結像光学系の光軸に対して比較的広角で入射する。なお、光源4aと光源4cはペアーで同時駆動し、光源4bと光源4dはペアーで同時駆動し、照射部7に対して副走査方向の両側から光を照射する。
【0040】
図10は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のブロック構成図であり、31はセンサIC13で光電変換された信号を増幅する増幅器、32は増幅された光電変換出力をアナログ・デジタル変換するアナログデジタル変換器(A/D変換器)、33はRGBフィルタを介して通過した各色波長のデジタル出力を信号処理する補正・照合回路(信号処理部)、34は各色のイメージ情報を収納するRAM、35は制御信号を送出し、信号処理するCPU、36は光源4を駆動する光源駆動回路(点灯制御手段)である。
【0041】
次にこの発明の実施の形態1による画像読取装置の動作について説明する。図10において、システムクロック信号(SCLK)に基づき、信号処理IC(ASIC)15のクロック信号(CLK)とこれに同期したスタート信号(SI)がセンサIC13に出力され、そのタイミングによりセンサIC13から各画素(n)の連続したアナログ信号(SO)が読み取りライン(m)毎に出力される。アナログ信号は図8に示す例では3744画素分を順次出力する。
【0042】
アナログ信号(SO)は増幅器31で増幅され、A/D変換器32でA/D変換されデジタル信号に変換され、A/D変換後に各画素(ビット)の信号出力をシェーディング補正や全ビット補正を行う補正回路33で処理される。この補正は、あらかじめ白原稿などの基準テストチャートで読み込んだデータを均一化処理した補正データを記憶したRAM34(RAM1データ)から補正データを読み出し、A/D変換されたイメージ情報に相当するデジタル信号を演算加工することにより行う。このような一連の動作はCPU35の制御により行われる。この補正データは、センサIC13の各素子間の感度ばらつきや各光源4の不均一性を補正するためのものである。
【0043】
次に実施の形態1による画像読取装置の駆動タイミングについて図11を用いて説明する。図11において、CPU35に連動してASIC15は光源点灯信号(LEDCー1)を0.15ms期間ON(閉)し、それを受けて光源駆動回路36は光源4a、4cに電源を供給することにより、光源4a及び光源4cは白色光を発する。その間連続的に駆動するCLK信号に同期してスタート信号(SI)はセンサIC13の駆動回路(RGB駆動回路)を形成する各素子(画素)のシフトレジスタの出力を順次ONし、対応するスイッチ群が共通ライン(SO)を順次開閉することでCLKに同期したRGBのイメージ情報(SO−R、SO−G、SO−Bで表示)を得る。
【0044】
その後光源点灯信号(LEDC−2)を0.15ms期間ON(閉)し、光源駆動回路36が光源4b、4dに電源を供給することにより、光源4b及び光源4dは白色光を発する。スタート信号(SI)はセンサIC13の駆動回路を形成する各素子のシフトレジスタの出力を順次ONし、対応するスイッチ群が共通ライン(SO)を順次開閉することでCLKに同期したRGBのイメージ情報(画像出力)を得る。
【0045】
以上からLEDC−1の点灯による画像出力とLEDC−2による画像出力とを約0.3msで読み取り1ラインの画像出力と見なす。例えば250mm/secの搬送速度においては、0.3ms経過後における被照射物1の移動量は約75μmであり、結像光学系に対して略同一画像を別の照射角度からセンサは認識することになる。
【0046】
なお、光源点灯信号は、光源4aと光源4c、又は光源4bと光源4d、の一方の組が点灯しているときは他方の組は消灯するようにしたが、露光比率を変えて制御する場合には同時点灯させて被照射物1を読み取っても良い。
【0047】
また、光源4は、光源4aと光源4bを一方側に設け、光源4cと光源4dを他方側に設けたが、高速読み取りを必要としない場合や搬送手段が高精度で構成されている場合には一方側にのみ設けて片方向側から照射角度を変えて照射部7を照射しても良い。
【0048】
次にホログラム読み取りについて説明する。通常、ホログラム領域の無い画像では、異なる照射角度から光を照射して画像読み取りを行っても被照射物1からの反射光は画素列のデジタル出力波形では相対的に変化するだけである。例えば各画素列のピーク値を結んだ包絡線形状は一致する。すなわち、光軸(照射部7と結像光学系の入射領域中心位置との軸)に対して狭角で照射された光源からの出力値は比較的高く、広角で照射された光源からの出力値は比較的低い傾向がある。
【0049】
図12はホログラム領域がある原稿1の画像出力波形の一例であり、図12(a)は広角照射した画素列に対するデジタル出力値を示し、図12(b)は狭角照射した画素列に対するデジタル出力値を示す。ホログラム領域以外では、出力値は変化するものの包絡線形状は相対的な出力しか変化しないのに対して、ホログラム領域では全く異なる出力波形となることが解かる。
【0050】
次にホログラム領域における被照射物の照合方法について説明する。図13は、図12に示すホログラム領域A部の画素列16ビットの出力値を示したものである。また、図14は、図13に示すデジタル出力値を4ビット単位で単純平均化したデジタル出力値を示したものであり、この平均化出力データを基本に照合する場合について説明する。
【0051】
ホログラム領域を有する原稿1は4ビット単位の平均化処理を実施してから照合処理するので3744画素の場合には936ビット分のデータを照合する。照合はあらかじめRAM34(RAM2データ)に収納されたライン毎のホログラムデータと比較・照合する。
【0052】
また、粗いホログラム画像では、センサIC13のCNT切換機能を使用して300DPIの画素密度に変更するので468ビット分のデータを照合することになる。
【0053】
また、カラー読み取りではRGBそれぞれの出力が得られるので照合に関してはいずれか1個の出力情報だけを利用して照合しても良い。
【0054】
照合範囲として、広角で認識したデータと狭角で認識したデータとの差分を取り、ホログラムの領域を求めてから、この領域内におけるRAM2データと照合する方法と、全画像領域をそのまま比較・照合する方法とがあるが、前者は特許文献1に詳細に記載されており、後者の手段を用いた場合について、次に機能説明する。
【0055】
図15は、信号処理部33の機能ブロック図である。まず、平均化部で単純平均化演算処理した後、データは936ビットシフトレジスタに収納される。次にホログラム領域の画像を比較するため、1024ビット双方向シフトレジスタに出力し、双方向シフトレジスタに収納された画像データを双方向に転送し、次ラインの読取期間中を利用してRAM2データ(1)と比較する。
【0056】
これは搬送精度により生じる原稿1の位置ずれを補完するために行なわれ、双方向に936ビットシフトレジスタで採取したデータをシフトして照合する。照合が一致したものに対して、1024ビット双方向シフトレジスタの転送を停止する。すなわち、1024ビット双方向シフトレジスタのシフト(転送)回数から対応する画素位置が特定されるので、次ラインでは特定画素位置におけるデータをシフトレジスタに転送し、ラッチ(LA)後、RAM2データの次ラインRAM2データ(2)と比較・照合する。この時点で、一致信号(A)を読取システムに送出してもよいが、同様に次々ラインの画像データをRAM2データ(3)と比較照合し、一致出力とすることにより2重照合された簡便な照合となる。なお、照合領域はあらかじめ決めておいてそれをRAM2データ(n)としても良い。
【0057】
また、RAM2データには照合加算データと照合減算データとしてRAM2データの基準値とは各画素データが±5digits程度の異なる範囲を収納しておくことが好ましい。すなわち、本実施の形態1では、高精度のホログラム画像を得ることも兼ねてA/D変換器32は8ビット分解能で256階調の識別としたが、ホログラムの真偽判別だけを必要とする場合には例えば6ビット分解能の64階調で識別することで、採取した画像データ出力値とRAM2データとを比較することにより、エラーの少ない照合が可能となる。
【0058】
また、本実施の形態1では、各画素データの出力値の絶対値を平均化処理して照合したが、別の照合方法としては隣接する各画素間の出力値の大小比較でもって照合しても良い。
【0059】
以上から実施の形態1に係わる画像読取装置によれば、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、導光体の異なる全反射面に入射する光の露光比率を時分割で制御し、レンズ体で収束された反射光を時分割毎にセンサで受光するので、個別に複数の照明装置を必要とせず、ホログラム画像の変化を短時間で認識できる効果がある。
【0060】
また、導光体内部で副走査方向に伝搬させてから照射部付近に近接した導光体の全反射面から被照射物を照明するので、平板形状のコンパクトな照明部分を搭載した画像読取装置を得ることが可能になる。
【0061】
実施の形態2.
実施の形態1では光源は副走査方向主体に光を放出させる構造としたが実施の形態2では導光体の導光路を分割した場合について説明する。
【0062】
この発明の実施の形態2に係る画像読取装置ついて図16を用いて説明する。図16は、実施の形態2による画像読取装置の照明光学系の断面図である。図16において、50は導光体であり、50aは第1光源4aの照射光軸中心に全反射面の中心がある第1反射面、50bは第2光源4bの照射光軸中心に全反射面の中心がある第2反射面、50cは第3光源4cの照射光軸中心に全反射面の中心がある第3反射面、50dは第4光源4cの照射光軸中心に全反射面の中心がある第4反射面、50eは照射部7で反射した反射光を通過させる平坦面、50fは光源4の導光路を分割する反射壁(溝部)である。
【0063】
なお、全反射面50a〜50dおよび平坦面50eは照射部7に近接した導光体50の一部を切り欠いて形成され、この部分を導光体50の切り欠き部と呼ぶ。また、一方の全反射面50aと全反射面50bは、他方の全反射面50cと全反射面50dと平坦面を含み面対称の関係にある。図中、図9と同一符号は、同一又は相当部分を示す。その他の構成については実施の形態1で説明したものと同一である。
【0064】
光源4aから副走査方向に照射され、集光レンズ23で集光された光は副走査方向に伝搬し、導光体50の全反射面50aから照射部7に光を照射するが、一部の光は全反射面50b側にも漏洩する場合がある。逆に光源4bから副走査方向に照射され、集光レンズ23で集光された光は副走査方向に伝搬し、導光体50の全反射面50bから照射部7に光を照射するが、一部の光は全反射面50a側にも漏洩する場合がある。
【0065】
従って光源4aから照射される光の導光路と光源4bから照射される光の導光路とを分離するために光源4aの導光路と光源4bの導光路の境界に副走査方向に溝部を形成し、比誘電率を1とした反射壁を設ける。この境界により、導光体50を通過する光源4aからの光の導光路と光源4bからの光の導光路とが分断され、反射壁50fで各々の光は全反射しながらそれぞれの全反射面50a、50bから光を照射部7に照射する。
【0066】
また、反射壁50fを形成する方法として光源4aからの光を導光する導光路及び全反射面50aと、光源4bからの光を導光する導光路及び全反射面50bとを分割形成しても良く、分割形成した互いに接する面に黒色塗料を蒸着又は印刷塗布して不要光を吸収して分断しても良い。
【0067】
以上から導光体の副走査方向に平行して導光される複数の光源からの光の干渉を防止することにより、全反射面50aから照射する光と全反射面50bから照射する光の露光比率をそれぞれの光源の照度で規定してから点灯制御手段で時分割制御することになるのでホログラム領域の中で変化する画像を高精度で画像読み取り又は真偽判別が可能になる。
【0068】
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、副走査方向に光を導光し、全反射面で反射した光を被照射物の照射部に照射する導光体とテレセントリックな結像光学系を用いて説明したが実施の形態3では、結像光学系にロッドレンズアレイを用いた場合について説明する。
【0069】
この発明の実施の形態3による画像読取装置ついて図17を用いて説明する。図17は、実施の形態3による画像読取装置の断面図である。図17において、60は被照射物1からの反射光を収束するロッドレンズアレイなどのレンズ体(結像手段)、140はセンサIC13を載置するセンサ基板、160はASIC15などを載置する信号処理基板、190はロッドレンズアレイ60を用いた結像光学系を収納する筐体、200は光源4及び導光体5などの照明光学系(照明装置)を収納する筐体である。図中、図1及び図9と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0070】
次に動作について説明する。図17において、主走査方向に延在する光源4から照射された光は導光体5内部を副走査方向に伝搬し、全反射面5a〜5dで全反射し被照射物1の照射部7を照明する。被照射物1で反射した光の散乱光はロッドレンズアレイ60で収束し、ロッドレンズアレイ60で収束された光はセンサIC13で受光される。センサIC13で光電変換されたアナログ信号はセンサ基板140を介して信号処理基板160で信号処理される。その他の機能については実施の形態1で説明したものに準ずる。
【0071】
本実施の形態3ではセンサIC13に入射した光に対応する受光面は一列に直線配置されているのでセンサ基板140及び信号処理基板160は各1個の基板で対応可能である。
【0072】
以上から実施の形態3に係る画像読取装置によれば、光源から照射した光を導光体内部で副走査方向に伝搬させて導光体の全反射面から被照射物を照明する照明ユニットと、被照射物から入射する光情報を結像する結像ユニットとを分離した、平板形状のコンパクトな画像読取装置を得る効果があると共にロッドレンズアレイやファイバレンズなどを用いた普及タイプの画像読取装置(CIS)にも適用可能である。
【0073】
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、副走査方向に光を導光し、全反射面で反射した光を被照射物の照射部に異なる角度から光りを照射する導光体を用いてホログラム領域画像を読み取ることを主体に説明したが実施の形態4では、ホログラム領域に限らず、搬送経路を通過する被照射物の搬送角度のぶれ、もしくは結像光学系の光軸方向の搬送位置ぶれについて説明する。
【0074】
この発明の実施の形態4による画像読取装置ついて図18を用いて説明する。図18は、実施の形態4による画像読取装置の照明光学系の断面図である。図18において、シータは被照射物1の搬送方向に対する角度ぶれを示し、Dは被照射物1の搬送方向平行面に対する位置ぶれを示す。なお、図9と同一符号は、同一又は相当部分を示す。図18においては、照射角度の異なる一方の導光体5からの光りを搬送ぶれや搬送位置ずれが生じる搬送経路の上限側位置に設け、他方の導光体5からの光りを搬送ぶれや搬送位置ずれが生じる搬送経路の下限側位置に設けている。すなわち、収束光が通過するレンズ体の光軸上の異なる点で導光体5のそれぞれの全反射面に対する法線が交差するようにしている。
【0075】
以上から実施の形態4に係る画像読取装置によれば、ホログラム領域においては、実施の形態1同様、搬送方向の垂直面に副走査方向に照射する平行配置された複数段の光源からの光を副走査方向に導光し、導光体の異なる全反射面に入射する光の露光比率を時分割で制御し、レンズ体で収束された反射光を時分割毎にセンサで受光するので、個別に複数の照明装置を必要とせず、ホログラム画像の変化を短時間で認識できる効果に加えて、レンズ体の光軸上の異なる位置に導光体5のそれぞれの全反射面に対する法線が交差する交点を設けているので被照射物1の搬送ぶれがあっても異なる角度から照射した光が照射部7においては、光が分散され、照射部7領域の光量が均一になるように補間し合うので搬送系に起因する画質むらの発生を防止できる。
【0076】
これは、ホログラム読み取りに限らず、異なる照射角度から照射させる時分割制御が不要な一般画像読み取りを対象とした普及タイプの画像読取装置(CIS)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】この発明の実施の形態1による画像読取装置の断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による画像読取装置の断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系の平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系の読み取り位置から見た側面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による画像読取装置の導光体を除去した照明光学系の読み取り位置から見た側面図である。
【図6】この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系の結線図である。
【図7】この発明の実施の形態1による画像読取装置のセンサICの平面図である。
【図8】この発明の実施の形態1による画像読取装置のセンサICにフィルタを付加した平面図である。
【図9】この発明の実施の形態1による画像読取装置の照明光学系の断面図である。
【図10】この発明の実施の形態1による画像読取装置のブロック構成図である。
【図11】この発明の実施の形態1による画像読取装置の駆動タイミング図である。
【図12】ホログラム領域がある原稿の画像出力波形図であり、図12(a)は広角照射した場合の画素のデジタル出力値、図12(b)は狭角照射した場合の画素のデジタル出力値を示す。
【図13】ホログラム領域一部の画素列16ビットの出力値を説明する図である。
【図14】デジタル出力値を4ビット単位で平均化した出力値を説明する図である。
【図15】この発明の実施の形態1による画像読取装置の信号処理部の機能を説明する図である。
【図16】この発明の実施の形態2による画像読取装置の照明光学系の断面図である。
【図17】この発明の実施の形態3による画像読取装置の断面図である。
【図18】この発明の実施の形態4による画像読取装置の照明光学系の断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1・・被照射物(原稿) 2・・天板 3・・搬送手段 4・・光源
4a・・第1光源 4b・・第2光源 4c・・第3光源 4d・・第4光源
5・・導光体 5a・・全反射面(第1反射面) 5b・・全反射面(第2反射面)
5c・・全反射面(第3反射面)5d・・全反射面(第4反射面)
5e・・平坦部(平坦面)
6・・透過体 7・・照射部 8・・第1ミラー
9・・第1レンズ(第1非球面ミラー) 10・・アパーチャー 10a・・開口部
11・・第2レンズ(第2非球面ミラー) 12・・第2ミラー
13・・センサIC
14・・センサ基板 14a・・第1センサ基板 14b・・第2センサ基板
15・・信号処理IC(ASIC)
16・・信号処理基板 17・・内部コネクタ 18・・放熱ブロック
19・・筐体(結像光学系を収納する筐体)
20・・筐体(照明光学系を収納する筐体)
21・・コネクタ 22・・基板 23・・集光レンズ
31・・増幅器 32・・A/D変換器 33・・信号処理部
34・・RAM(ランダムアクセスメモリ)
35・・CPU(セントラルプロセッサーユニット)
36・・光源駆動回路(光源駆動部 点灯制御手段)
50・・導光体 50a・・全反射面(第1反射面)
50b・・全反射面(第2反射面) 50c・・全反射面(第3反射面)
50d・・全反射面(第4反射面) 50e・・平坦部(平坦面)
50f・・反射壁
60・・ロッドレンズアレイ(レンズ体)
140・・センサ基板 160・・信号処理基板
190・・筐体(結像光学系を収納する筐体)
200・・筐体(照明光学系を収納する筐体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラム領域を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、この導光体の全反射面のそれぞれに入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域に関する電気信号を検出する画像読取装置。
【請求項2】
光を照射する前記第1光源及び前記第2光源の光軸中心は、前記導光体のそれぞれの全反射面中心に位置している請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1光源と前記第2光源のスペクトル波長は同一である請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記点灯制御手段は、前記第1光源又は前記第2光源の一方が点灯しているときは他方は消灯するように前記露光比率を制御する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記導光体は、前記照射部周辺を切り欠き、互いに異なる角度で傾斜させた全反射面と前記照射部で反射した反射光を通過させる平坦面とからなる切り欠き部を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
ホログラム領域を有する被照射物を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた複数波長の光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した複数波長の光を照射する第2光源と、前記第1光源と面対称で対向設置され、前記第1光源と同一スペクトル光を前記第1光源と逆方向に照射する第3光源と、前記第2光源と面対称で対向設置され、前記第2光源と同一スペクトル光を前記第2光源と逆方向に照射する第4光源と、前記第1光源乃至前記第4光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから前記ホログラム領域における照射部に光を照射する前記第1光源及び前記第3光源から導光された光と前記第2光源及び前記第4光源から導光された光との照射角度が互いに異なる全反射面を有する導光体と、この導光体の照射角度の前記異なる全反射面毎に入射する光の露光比率を時分割して制御する点灯制御手段と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を時分割毎に受光するセンサとを備え、被照射物のホログラム領域に関する電気信号を検出する画像読取装置。
【請求項7】
光を照射する前記第1光源乃至前記第4光源の光軸中心は、前記導光体のそれぞれの全反射面中心に位置している請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記第1光源乃至前記第4光源のスペクトル波長は同一である請求項6又は7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記第1光源と前記第3光源とは同時に点灯・消灯動作を行い、前記第2光源と前記第4光源とは同時に点灯・消灯動作する請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記点灯制御手段は、前記第1光源と前記第3光源、又は前記第2光源と前記第4光源、の一方の組が点灯しているときは他方の組は消灯するように前記露光比率を制御する請求項9に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記導光体は、前記照射部周辺を切り欠き、互いに異なる角度で傾斜させた全反射面と前記照射部で反射した反射光を通過させる平坦面とからなる切り欠き部を有する請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項12】
搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を受光するセンサとを備えた画像読取装置。
【請求項13】
被照射物を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送方向の垂直面に主走査方向に沿って設けた光を照射する第1光源と、この第1光源と同一前記垂直面内又はその周辺に平行して配置した光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の光を副走査方向に導光し、全反射させてから照射部に光を照射する互いに異なる照射角度の全反射面を有する導光体と、前記照射部における被照射物の反射部分により反射された反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体により収束された光を受光するセンサとを備え、収束光が通過する前記レンズ体の光軸上の異なる前記搬送経路に照射角度の異なる前記全反射面の法線が交差する画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−301199(P2009−301199A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153093(P2008−153093)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】