説明

画像読取装置

【課題】ユーザがスキャン&メール機能を利用する際に、電子メールの文字入力にかかる手間を軽減することが可能な画像読取装置を提供する。
【解決手段】MFP1は、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ11と、電子メールのテンプレートを記憶する記憶部22と、ユーザからの操作を受け付ける操作部16と、ユーザから選択されたテンプレートを利用して、電子メールを作成するメール作成部23と、画像データが添付された電子メールを送信するネットワークI/F18とを備える。記憶部22は、電子メールの件名及び本文を含むテキスト部分に、挿入される文字が予め設定された固定文字領域、及び、挿入される文字が電子メールの作成時に設定される置換文字領域を含むテンプレートを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読み取って生成した画像データを電子メールに添付して送信する機能を備えた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、「スキャン&メール」(又は「スキャンtoメール」)等と呼ばれる機能を有する画像読取装置が知られている。スキャン&メール機能は、原稿を読み取って画像データを生成し、電子メールに添付して送信する機能である。例えば、下記特許文献1には、電子メールのテキスト部に用件その他の通信内容が、ユーザによって入力された後、電子メールに画像データを添付して送信する通信装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−344174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、画像読取装置に搭載された操作パネルは、キーが小さく、その種類も限られているので、この操作パネルを用いて電子メールの文字を入力するには手間がかかる。このため、画像を添付した電子メールに件名及び本文を入力して、画像読取装置からパーソナルコンピュータへ送信するには手間がかかる。
【0005】
また、近年では、各種のネットストレージサービスが提供されている。ネットストレージサービスは、ユーザがアップロードしたデータファイルをサーバに蓄積するサービスである。ネットストレージサービスには、電子メールを利用してアップロードすることが可能で、電子メールの件名及び本文に入力した文字列をキーワードとして、サーバに蓄積されたデータファイルを検索できるものがある。しかしながら、画像読取装置のスキャン&メール機能を利用して、データファイルをアップロードする際には、上述したように、件名や本文の入力に手間がかかる。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、ユーザがスキャン&メール機能を利用する際に、電子メールの文字入力にかかる手間を軽減することが可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像読取装置は、原稿を読み取って画像データを生成する読取部と、ユーザから操作を受け付ける操作部と、電子メールのテンプレートを記憶する記憶部と、記憶部により記憶されたテンプレートのうち、操作部を介してユーザから選択されたテンプレートを利用して、電子メールを作成する作成部と、作成部によって作成され、画像データが添付された電子メールを送信する送信部とを備え、記憶部は、電子メールの件名及び本文を含むテキスト部分に、挿入される文字が予め設定された固定文字領域、及び、挿入される文字が電子メールの作成時に設定される置換文字領域を含むテンプレートを記憶することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像読取装置によれば、電子メールの件名及び本文を含むテキスト部分に固定文字領域及び置換文字領域を含むテンプレートが記憶されている。電子メールの作成時には、記憶されたテンプレートのうちユーザによって選択されたテンプレートが利用される。そして、作成された電子メールは、画像データが添付され、送信される。ここで、電子メールの作成時には、該作成時に設定された文字が置換文字領域に挿入され、予め設定された文字が固定文字領域に挿入される。このため、固定文字領域については、ユーザが文字を入力する手間を省くことができる。従って、ユーザがスキャン&メール機能を利用する際に、電子メールの文字入力にかかる手間を軽減することが可能となる。
【0009】
本発明に係る画像読取装置では、記憶部は、文字列のリストが予め設定された置換文字領域を含むテンプレートを記憶し、作成部は、置換文字領域に設定されたリストからユーザにより操作部を介して指定された文字列を置換文字領域に挿入することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、置換文字領域にリストが予め設定され、電子メールが作成される際に、ユーザがリストから文字列を指定すれば、指定された文字列が置換文字領域へ挿入される。このため、電子メールの作成時に、置換文字領域について、ユーザが文字を1つ1つ入力する手間を省くことができる。従って、電子メールの文字入力にかかる手間をより軽減することが可能となる。
【0011】
本発明に係る画像読取装置では、作成部が、操作部により受け付けられた操作に応じて、置換文字領域に挿入された文字列を編集することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、文字列が置換文字領域に入力された後、ユーザから受け付けられた操作に応じて、文字列が編集される。このため、例えば、ユーザが、予め設定された文字列と一部が異なる文字列を入力したい場合に、自動的に入力された文字列を利用して編集することができる。従って、文字入力にかかる手間をより軽減することができる。
【0013】
本発明に係る画像読取装置では、作成部が、ユーザにより操作部を介して指定された文字を置換文字領域に挿入することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ユーザが操作部を介して指定した文字が、置換文字領域に挿入される。このため、ユーザは、置換文字領域に任意の文字を入力することができる。
【0015】
本発明に係る画像読取装置では、作成部が、読取部によって生成された画像データの生成時刻を置換文字領域に入力することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、添付される画像データの生成時刻が置換文字領域に自動的に入力される。このため、ユーザが画像データの生成時刻を入力する手間を省くことができる。
【0017】
本発明に係る画像読取装置では、記憶部が、宛先のメールアドレスが設定されたテンプレートを記憶することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、テンプレートを利用して電子メールを作成することにより、電子メールには、宛先のメールアドレスが自動的に設定される。これにより、宛先のメールアドレスをユーザが入力する手間を省くことができる。従って、電子メールの文字入力にかかる手間を更に軽減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像読取装置によれば、ユーザがスキャン&メール機能を利用する際に、電子メールの文字入力にかかる手間を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係るMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】テンプレートの一例を示す図である。
【図3】スキャン&メール処理を実行する際の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。まず、図1を参照して、実施形態に係る画像読取装置が搭載されたMFP(Multifunction Peripheral)1の構成について説明する。図1は、MFP1の構成を示すブロック図である。
【0022】
MFP1は、スキャン機能の他に、プリント機能及びFAX(ファクシミリ機能)を含む複数の画像処理機能を有する複合機である。また、MFP1は、インターネット90に接続され、電子メールの送受信を行うことができる。更に、MFP1は、スキャン&メール機能を有している。スキャン&メール機能は、原稿を読み取って画像データを生成し、画像データを添付した電子メールを送信する機能である。MFP1は、スキャン&メール機能によって、画像データが添付された電子メールをパーソナルコンピュータ(PC)40及びサーバ41に送信することができる。
【0023】
続いて、MFP1が、上記の画像処理機能と、スキャン&メール機能を発揮するために備える各構成要素について説明する。MFP1は、画像処理を行うために、プリンタ10、スキャナ11、NCU(Network Control Unit)12、モデム13、コーデック14、及び画像記憶部15を備えている。
【0024】
本実施形態のプリンタ10は、電子写真方式により印刷を行うプリンタである。スキャナ11は、CCD等によって構成され、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。このスキャナ11が、特許請求の範囲に記載の読取部として機能する。NCU12は、モデム13と接続され、モデム13と公衆電話回線(PSTN)91との接続を制御する。NCU12及びモデム13によりFAXの送受信が行われる。
【0025】
コーデック14は、スキャナ11によって生成された画像データを符号化圧縮する。また、コーデック14は、符号化圧縮されている画像データを復号化する。画像記憶部15は、スキャナ11によって生成された画像データ、FAXにより受信されたFAXデータ、プリンタ10により印刷されるデータ等を記憶する。
【0026】
また、MFP1は、ユーザから操作を受け付けるために、操作部16及び表示部17を備えている。操作部16は、各種のキーを備えて構成され、ユーザから各種の操作を受け付ける。表示部17は、例えば液晶ディスプレイを含んで構成され、各種の情報を表示する。
【0027】
このMFP1は、インターネット90を介して情報の送受信を行うために、ネットワークI/F18を備えている。ネットワークI/F18は、インターネット90を介して電子メールの送受信を行う。このネットワークI/F18は、特許請求の範囲に記載の送信部として機能する。ネットワークI/F18は、LAN(Local Area Network)を介してインターネット90に接続されている。ユーザは、このLANに属するPCを介して、MFP1を操作することもできる。
【0028】
更に、MFP1は、自機を統合的に制御するための制御部20を備えている。この制御部20は、物理的には、CPU、フラッシュROM、SDRAM、及び、電池に接続されたSRAM等を備えている。フラッシュROMには、各種のプログラムが記憶されている。SDRAMは、主記憶メモリとして使用される。電池に接続されたSRAMには、短縮ダイヤル、エラー情報、及び各種の設定等が記憶される。
【0029】
制御部20は、機能的には、テンプレート作成部21、記憶部22、及びメール作成部23を備えている。テンプレート作成部21は、ユーザの操作に従って、電子メールのテンプレートを作成する。ユーザは、操作部16を利用してテンプレートを作成してもよい。また、MFP1からPCへ提供されるウェブページを利用して、PC上でテンプレートを作成してもよい。図2は、テンプレートの一例を示す図である。
【0030】
テンプレートには、電子メールのテキスト部分に、固定文字領域及び置換文字領域が含まれている。テキスト部分は、電子メールの件名及び本文を含んだ部分であり、ユーザが文字を入力する部分である。固定文字領域は、予め挿入される文字が設定された領域である。置換文字領域は、挿入される文字が電子メールの作成時に設定される領域である。また、テンプレートには、宛先のメールアドレスが設定されていてもよい。
【0031】
図2に示すテンプレートの例では、電子メールの件名に、固定文字領域31〜33および置換文字領域34〜36が設定されている。この例は、会議の議事録用のテンプレートである。固定文字領域31には、文字“[”が設定されている。次の固定文字領域32には、文字“]”が設定されている。2つの固定文字領域31,32の間には、置換文字領域34が設定されている。
【0032】
この置換文字領域34は、電子メールの作成時にユーザが“プロジェクト名”を指定する領域である。電子メールの作成時には、最初に、置換文字領域34に“プロジェクト名”と表示され、ユーザが、具体的なプロジェクト名を入力する。ユーザが置換文字領域34に挿入する文字を設定する方法として、「リスト選択」「リスト選択+編集」「フリー」の3つの方法がある。
【0033】
「リスト選択」は、置換文字領域に設定された文字列のリストを利用して文字を挿入する方法である。「リスト選択」では、ユーザが操作部16を介してリストから文字列を指定すれば、指定された文字列が置換文字領域に挿入される。テンプレートの作成時には、文字列のリストが、ユーザの操作により置換文字領域に設定される。図2の例では、置換文字領域34のリストとして、“プロジェクトA”“プロジェクトB”“プロジェクトC”の文字列が設定されている。
【0034】
「リスト選択+編集」は、ユーザによりリストから指定された文字列を置換文字領域に挿入した後、ユーザからの編集を受け付ける方法である。例えば、ユーザが“プロジェクトA”をリストから選択した後に、“A”の部分を編集して“D”に変更することができる。「フリー」は、ユーザが操作部16を利用して文字を1つ1つ入力する方法である。
【0035】
置換文字領域35は、置換文字領域34と同様にして、電子メールの作成時にユーザが“会議名”を指定する領域である。置換文字領域36は、添付される画像データの生成時刻が挿入される領域である。
【0036】
テンプレート作成部21は、ユーザによって固定文字領域が指定された場合、テキスト部に固定文字領域を設定し、ユーザによって指定された文字を固定文字領域に設定する。また、テンプレート作成部は、ユーザによって置換文字領域が指定された場合、置換文字領域を設定する。そして、テンプレート作成部は、ユーザの操作に応じて、置換文字領域に文字列のリストを設定する。テンプレート作成部21は、作成したテンプレートを記憶部22に記憶させる。
【0037】
記憶部22は、テンプレート作成部21が作成した1以上のテンプレートを記憶する。記憶部22により記憶されるテンプレートは、テンプレート作成部21によって作成されたテンプレート以外のテンプレートを含んでいてもよい。例えば、工場出荷時に記憶されたテンプレート、ネットワークを介してダウンロードされたテンプレート等を記憶部22が記憶していてもよい。
【0038】
メール作成部23は、記憶部22に記憶されたテンプレートを利用して電子メールを作成する。このメール作成部23は、特許請求の範囲に記載の作成部として機能する。最初に、メール作成部23は、記憶部22に記憶されたテンプレートの中からユーザにより指定されたテンプレートを表示部17に表示させる。そして、メール作成部23は、選択されたテンプレートを利用すると共に、ユーザの操作に従って電子メールのテキスト部分を作成する。
【0039】
メール作成部23は、新規の電子メールにおいて、テンプレートの固定文字領域に該当する領域に、予め設定されている文字を挿入する。メール作成部23は、置換文字領域34,35については、ユーザの操作に従って文字を挿入する。メール作成部23は、「リスト選択」がユーザによって指定された場合、置換文字領域に設定されたリストからユーザにより指定された文字列を置換文字領域に挿入する。
【0040】
メール作成部23は、「リスト選択+編集」がユーザによって指定された場合、ユーザによりリストから指定された文字列を置換文字領域に挿入する。その後、メール作成部23は、挿入した文字列を編集する。すなわち、メール作成部23は、操作部16により受け付けられた操作に応じて、置換文字領域に挿入された文字列を編集する。メール作成部23は、「フリー」がユーザによって指定された場合、1文字ずつ文字入力を受け付け、受け付けた文字を置換文字領域に挿入する。すなわち、メール作成部23は、ユーザにより操作部16を介して指定された文字を置換文字領域に挿入する。
【0041】
メール作成部23は、置換文字領域36については、スキャナ11によって生成された画像データの生成時刻を挿入する。生成時刻は、例えば、スキャナ11によるスキャン処理が完了した時刻である。また、生成時刻は、スキャン処理の開始時刻であってもよい。
【0042】
図2に示す例では、固定文字領域31,32に挟まれた置換文字領域34に入力される文字が少なければ、メール作成部23は、置換文字領域34の文字数に合わせて固定文字領域32を左側にシフトさせる。置換文字領域34に入力される文字が多ければ、メール作成部23は、固定文字領域32を右側にシフトさせる。メール作成部23は、ユーザの操作に応じて、固定文字領域及び置換文字領域の前後に文字を挿入してもよい。また、テンプレートにメールアドレスが設定されている場合、メール作成部23は、該メールアドレスを宛先に設定する。
【0043】
引き続いて、MFP1の動作について説明する。先に、図3を参照して、スキャン&メール処理を実行する際の手順について説明する。図3は、スキャン&メール処理を実行する際の手順を示すフロー図である。なお、電子メールのテンプレートが予め記憶部22に記憶されている。
【0044】
まず、ステップS101では、ユーザから操作部16を介してテンプレートの指定が受け付けられる。これにより、固定文字領域31〜33には、設定されている文字がメール生成部23によって入力される。メールアドレスが設定されている場合は、該メールアドレスが送信先として設定される。
【0045】
ステップS102では、ユーザから指定された文字が、置換文字領域34,35に挿入される。ここで、「リスト選択」がユーザによって指定された場合、設定されたリストからユーザにより指定された文字列が置換文字領域34,35に挿入される。「リスト選択+編集」がユーザによって指定された場合、ユーザによりリストから指定された文字列が置換文字領域34,35に挿入された後、文字の編集が受け付けられる。「フリー」がユーザによって指定された場合、1文字ずつ文字入力が受け付けられ、受け付けられた文字が置換文字領域34,35に挿入される。また、固定文字領域31〜33及び置換文字領域34,35に文字が挿入された状態のテキスト部が、表示部17に表示される。
【0046】
続いて、ステップS103では、MFP1にセットされた原稿がスキャナ11によって読み込まれ、画像データが生成される。すなわち、スキャン処理が行われる。ここで、テンプレートに「時刻」が指定された置換文字領域36が含まれている場合、画像データの生成時刻が、置換文字領域36に挿入される。そして、画像データの生成時刻が置換文字領域36に挿入された状態のテキスト部が、表示部17に表示される。続いて、ステップS104では、ステップS103において生成された画像データが、メール作成部23によって電子メールに添付される。そして、ステップS105では、ユーザによる電子メールの送信指示が操作部16によって受け付けられた後、画像データが添付された電子メールが、ネットワークI/F18により送信される。
【0047】
以上説明した本実施形態に係るMFP1によれば、電子メールが作成される際に、テンプレートが利用され、テキスト部分の固定文字領域には、予め設定された文字が挿入される。このため、電子メールの作成時に、固定文字領域について、文字を入力する手間を省くことができる。従って、ユーザがスキャン&メール機能を利用する際に、電子メールの文字入力にかかる手間を軽減することが可能となる。
【0048】
また、MFP1では、電子メールが作成される際に「リスト選択」が指定された置換文字領域については、ユーザがリストから文字列を指定すれば、指定された文字列が置換文字領域へ挿入される。このため、電子メールの作成時に、置換文字領域について、文字を1つ1つ入力する手間を省くことができる。従って、電子メールの文字入力にかかる手間をより軽減することが可能となる。
【0049】
電子メールが作成される際に「リスト選択+編集」が指定された置換文字領域については、置換文字領域に文字列が入力された後、更に、ユーザから受け付けられた操作に応じて、文字列が編集される。このため、例えば、ユーザが、予め設定された文字列と一部が異なる文字列を入力したい場合に、自動的に入力された文字列を利用して編集することができる。従って、文字入力にかかる手間をより軽減することができる。
【0050】
電子メールが作成される際に「フリー」が指定された置換文字領域については、ユーザが操作部16を介して指定した文字が、置換文字領域に挿入される。このため、ユーザは、電子メールの作成時に、任意の文字を置換文字領域に入力することができる。
【0051】
テンプレートにおいて「時刻」が指定された置換文字領域については、電子メールの作成時に、添付される画像データの生成時刻が、置換文字領域に自動的に入力される。このため、ユーザが画像データの生成時刻を入力する手間を省くことができる。
【0052】
更にMFP1では、宛先のメールアドレスが設定されたテンプレートを利用して電子メールを作成することにより、宛先のメールアドレスが自動的に入力される。これにより、宛先のメールアドレスをユーザが入力する手間を省くことができる。従って、電子メールの文字入力にかかる手間を更に軽減することができる。
【0053】
従来のMFPでは、文字入力に手間がかかるため、電子メールの件名及び本文には文字を入力せずにスキャン&メール機能を利用するユーザがいる。この場合、ユーザは、文字を入力せずに、画像データが添付された電子メールをスキャン&メール機能によりMFPからユーザのPCへ送信する。そして、ユーザは、PCにおいて電子メールの件名及び本文に文字を入力し、PCから電子メールで目的の宛先へ画像データを送信する。
【0054】
これに対して、本実施形態に係るMFP1によれば、文字入力にかかる手間を省くことができる。従って、ユーザは、MFP1のスキャン&メール機能を利用して、件名及び本文をより簡単に入力し、画像データ付き電子メールを目的の宛先(PC40)に直接送信することができる。また、ユーザがネットストレージサービスを利用する際には、スキャン&メール機能を利用して、より簡単に、画像データをサーバ41にアップロードすることができる。
【0055】
ネットストレージサービスは、ユーザがアップロードしたデータファイルをサーバに蓄積するサービスである。ネットストレージサービスには、電子メールを利用してアップロードすることが可能で、電子メールの件名及び本文に入力した文字列をキーワードとして、サーバに蓄積されたデータファイルを検索できるものがある。
【0056】
ユーザがMFP1のスキャン&メール機能を用いることにより、このネットストレージサービスを簡単に利用することができる。すなわち、ユーザは、上記のスキャン&メール機能を利用して、画像データを簡単にアップロードすることができる。また、ユーザは、固定文字領域に入力された文字列、又は、置換文字領域に設定されたリストに含まれる文字列をキーワードとして、アップロードした画像データを簡単に検索することができる。
【0057】
また、ネットストレージサービスの中には、タグを設定できるものがある。例えば、メールの件名又は本文において、「#」に挟まれた文字列をタグに設定するサービスがある。このようなサービスを利用する際には、2つの固定文字領域に「#」を設定し、2つの固定文字領域に挟まれた領域を置換文字領域に設定すれば、簡単に検索する文字を入力することができる。すなわち、ユーザは、メール作成時に、置換文字領域に入力する文字を指定するだけで、タグを示す「#」をユーザが入力する必要なく、タグを設定することができる。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、電子メールの件名に、固定文字領域と置換文字領域とが設定されている場合について説明したが、固定文字領域及び置換文字領域は、電子メールの本文に設定されてもよい。また、上記実施形態では、操作部16が各種のキーで構成されることとしたが、タッチパネルによって構成してもよい。
【0059】
また、テンプレートには、画像データのデータ形式(ファイル形式)を設定できるようにMFP1を構成してもよい。設定可能なデータ形式には、例えば、ビットマップ形式等がある。データ形式がテンプレートに設定されている場合、スキャン&メール処理の際、スキャナ11は、原稿を読み取って生成した画像データを、テンプレートにおいて設定されたデータ形式に変換する。そして、設定されたデータ形式の画像データが電子メールに添付され、送信される。この場合、スキャン&メール機能を利用する際に、画像データのデータ形式を設定する手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 MFP
10 プリンタ
11 スキャナ
12 NCU
13 モデム
14 コーデック
15 画像記憶部
16 操作部
17 表示部
18 ネットワークI/F
20 制御部
21 テンプレート作成部
22 記憶部
23 メール作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像データを生成する読取部と、
ユーザから操作を受け付ける操作部と、
電子メールのテンプレートを記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶されたテンプレートのうち、前記操作部を介してユーザから選択されたテンプレートを利用して、電子メールを作成する作成部と、
前記作成部によって作成され、前記画像データが添付された電子メールを送信する送信部と、
を備え、
前記記憶部は、電子メールの件名及び本文を含むテキスト部分に、挿入される文字が予め設定された固定文字領域、及び、挿入される文字が電子メールの作成時に設定される置換文字領域を含む前記テンプレートを記憶することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記記憶部は、文字列のリストが予め設定された前記置換文字領域を含む前記テンプレートを記憶し、
前記作成部は、前記置換文字領域に設定されたリストからユーザにより前記操作部を介して指定された文字列を前記置換文字領域に挿入することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記操作部により受け付けられた操作に応じて、前記置換文字領域に挿入された文字列を編集することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記作成部は、ユーザにより前記操作部を介して指定された文字を前記置換文字領域に挿入することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記作成部は、前記読取部によって生成された画像データの生成時刻を前記置換文字領域に挿入することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記記憶部は、宛先のメールアドレスが設定された前記テンプレートを記憶していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読取装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−238096(P2012−238096A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105306(P2011−105306)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】