画像読取装置
【課題】装置の小型化を実現できる画像読取装置を提供する。
【解決手段】駆動部30は搬送されるシート9の幅方向の一端側に設けられている。第1読取部100は搬送路P1と対向するように設けられている。第2読取部200及び基板5は搬送路P1を挟んで第1読取部100とは反対側に設けられている。第1配線ケーブル110は第1読取部100に設けられた第1端子部105と基板5とを電気的に接続する。第2配線ケーブル210は第2読取部200に設けられた第2端子部205と基板5とを電気的に接続する。第1端子部105は第1読取部100における幅方向の他端側100Rに設けられている。第2端子部205は第2読取部200における幅方向の一端200L側に設けられている。第1配線ケーブル110は幅方向の他端側で搬送路P1を迂回してから基板5に接続されている。第2配線ケーブル210は幅方向の一端側で基板5に接続されている。
【解決手段】駆動部30は搬送されるシート9の幅方向の一端側に設けられている。第1読取部100は搬送路P1と対向するように設けられている。第2読取部200及び基板5は搬送路P1を挟んで第1読取部100とは反対側に設けられている。第1配線ケーブル110は第1読取部100に設けられた第1端子部105と基板5とを電気的に接続する。第2配線ケーブル210は第2読取部200に設けられた第2端子部205と基板5とを電気的に接続する。第1端子部105は第1読取部100における幅方向の他端側100Rに設けられている。第2端子部205は第2読取部200における幅方向の一端200L側に設けられている。第1配線ケーブル110は幅方向の他端側で搬送路P1を迂回してから基板5に接続されている。第2配線ケーブル210は幅方向の一端側で基板5に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に画像読取装置が開示されている。この画像読取装置は、シートを搬送方向に搬送する搬送部と、搬送部により搬送されるシートと対向するように設けられた第1読取部と、搬送されるシートを挟んで第1読取部とは反対側に設けられた第2読取部とを備える。第1読取部及び第2読取部は、搬送されるシートの幅方向の一端側から他端側まで延びている。特許文献1の図1等において、搬送部は、符号26、28a、28bとして図示されている。第1読取部及び第2読取部は、符号2、3として図示されている。
【0003】
この画像読取装置では、第1読取部が搬送されるシートの一方の面の画像を読み取り、第2読取部が搬送されるシートの他方の面の画像を読み取るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−228044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記画像読取装置は、通常、シートを搬送方向に案内する搬送路、搬送部を駆動する駆動部、第1読取部及び第2読取部を制御する基板、第1読取部と基板とを接続する第1配線ケーブル、及び第2読取部と基板とを接続する第2配線ケーブルを備えているはずであるが、特許文献1には、それらについての図示及び説明が殆どなされていない。このため、第1、2読取部、搬送路、駆動部、基板及び第1、2配線ケーブルの相対位置関係については不明である。
【0006】
このような上記画像読取装置について、搬送されるシートの幅方向の一端側に駆動部が配置され、かつ基板が搬送路を挟んで第1読取部とは反対側、すなわち、第2読取部側に設けられている構成を採用することが考えられる。この場合において、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの少なくとも一方が駆動部と搬送路との間に割って入るように引き回してしまうと、駆動部と搬送路との間に空きスペースが必要となって、装置が大型化し易いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、装置の小型化を実現できる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像読取装置は、装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、シートを搬送方向に案内する搬送路と、
前記装置本体内に設けられ、前記シートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記装置本体内において搬送される前記シートの幅方向の一端側に設けられ、前記搬送部を駆動する駆動部と、
前記装置本体内において前記搬送路と対向するように設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの一方の面の画像を読み取る第1読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの他方の面の画像を読み取る第2読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記第1読取部及び前記第2読取部を制御する基板と、
前記第1読取部に設けられた第1端子部と前記基板とを電気的に接続する第1配線ケーブルと、
前記第2読取部に設けられた第2端子部と前記基板とを電気的に接続する第2配線ケーブルとを備え、
前記第1端子部は、前記第1読取部における前記幅方向の他端側に設けられ、
前記第2端子部は、前記第2読取部における前記幅方向の一端側に設けられ、
前記第1配線ケーブルは、前記幅方向の他端側で前記搬送路を迂回してから前記基板に接続され、
前記第2配線ケーブルは、前記幅方向の一端側で前記基板に接続されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の画像読取装置では、第1配線ケーブルは、搬送されるシートの幅方向の他端側、すなわち、駆動部から離れた側で搬送路を迂回してから基板に接続されている。また、第2配線ケーブルは、幅方向の一端側で、搬送路と駆動部との間に割って入ることなく、そのまま基板に接続されている。これにより、搬送路と駆動部との間を介して第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの少なくとも一方を基板まで引き回す場合と比較して、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの引き回しを簡素化でき、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの少なくとも一方の引き回しのために搬送路と駆動部との間に確保すべき空きスペースが不要となる。
【0010】
したがって、本発明の画像読取装置は、装置の小型化を実現できる。
【0011】
本発明の画像読取装置において、第1端子部は、第1読取部における搬送方向の下流側に位置していることが望ましい。また、第2端子部は、第2読取部における搬送方向の下流側に位置していることが望ましい。この構成によれば、第1端子部及び第2端子部に対して同じ方向から第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルを接続できるので、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの引き回しを簡素化できる。また、接続方向が異なる場合と比較して、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの第1端子部及び第2端子部に対する接続作業が容易になる。
【0012】
本発明の画像読取装置において、第1読取部と第2読取部とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットであることが望ましい。この構成によれば、第1読取部と第2読取部とを共通部品とすることにより、部品点数を削減できる。
【0013】
本発明の画像読取装置において、第1読取部は、搬送路に対して上側に位置していることが望ましい。また、第2読取部及び基板は、搬送路に対して下側に位置していることが望ましい。このような具体的構成によれば、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0014】
本発明の画像読取装置において、搬送路は、搬送方向の下流側に向かって下り傾斜していることが望ましい。また、基板は、第2読取部の下側に位置していることが望ましい。さらに、第2読取部は、搬送方向における第1読取部より上流側に位置していることが望ましい。この構成によれば、第2読取部を第1読取部に上下方向で接近させることができるので、装置の高さを小さくできる。
【0015】
上記の場合において、装置本体は、搬送路における搬送方向の最下流側で、搬送路から下方に延びる下壁を有することが望ましい。この構成によれば、下壁により、搬送路における搬送方向の最下流側に高さが確保される。これにより、搬送されるシートが下り傾斜したまま、搬送方向の最下流側から装置本体の外側にスムーズに排出され易い。また、搬送方向における第1読取部より上流側に位置する第2読取部は、下壁に対しても、搬送方向の上流側に離れる。これにより、下壁と第2読取部との間に、第2端子部に第2配線ケーブルを接続するためのスペースを広く確保できる。
【0016】
本発明の画像読取装置において、第1配線ケーブルと基板とが接続される第1接続部と、第2配線ケーブルと基板とが接続される第2接続部とは、幅方向にずれて配置されていることが望ましい。そして、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルは、第1接続部及び第2接続部から幅方向に互いに離れるように延びていることが望ましい。この構成によれば、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの引き回しが干渉し難い。
【0017】
本発明の画像読取装置において、第1端子部及び第2端子部は、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルに対して着脱可能なコネクタであることが望ましい。そして、第1端子部に第1配線ケーブルを差し込むための第1挿入口に対して、第2端子部に第2配線ケーブルを差し込むための第2挿入口が搬送方向の上流側に位置していることが望ましい。この構成によれば、第2配線ケーブルを第2端子部に接続するスペースを確保し易い。
【0018】
本発明の画像読取装置において、装置本体は、下面が搬送路の上面を構成する上部筐体と、上面が搬送路の下面を構成する下部筐体とを有することが望ましい。そして、上部筐体は、下部筐体に対して離接可能に設けられていることが望ましい。また、基板は、下部筐体内に設けられていることが望ましい。上部筐体に基板が設けられると、上部筐体が大型化し、大きなものを下部筐体に対して離接する構成となり、上部筐体の離接、即ち開閉が困難となる。この点、上記構成によれば、下部筐体に基板があるため、上部筐体の離接がし易い。
【0019】
本発明の画像読取装置は、第2読取部と対向する第1白基準面と、第1読取部と対向する第2白基準面と、を有することが望ましい。この構成によれば、第1読取部、及び第2読取部についてシェーディング補正を行う際に、各々、第2白基準面、及び第1白基準面を白色の基準とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の画像読取装置を具体化した一実施例の画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図2】上記実施例の供給トレイ50及び上部カバー93が開かれた状態において、画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の供給トレイ50、上部カバー93及び排出トレイ6が開かれた状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図4】上記画像読取装置1の側面図である。
【図5】上記画像読取装置1の要部拡大断面図である。
【図6】上記画像読取装置1に係り、駆動部30、ロアシュート60、基板カバー97、基板5、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210等を抜き出して、主に下方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図7】上記画像読取装置1に係り、第1読取部100、第2読取部200、基板5、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210等を抜き出して、主に下方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図8】上記画像読取装置1に係り、第1読取部100、第2読取部200、基板5、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210等を抜き出して、主に下方、かつ右方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図9】上記画像読取装置1に係り、上部カバー93内における第1配線ケーブル110の引き回し状態を示す斜視図である。
【図10】上記画像読取装置1に係り、基板カバー97を取り除いて、第2配線ケーブル210の引き回し状態を示す斜視図である。
【図11】上記画像読取装置1に係り、(a)は第1読取部100及び第2読取部200を読取面100A、200A側から見た平面図であり、(b)は第1読取部100及び第2読取部200を読取面100A、200Aとは反対側から見た平面図である。
【図12】上記画像読取装置1に係り、(a)は実施例の第1読取部100及び第2読取部200の相対位置関係を示す説明図であり、(b)は比較例の第1読取部100及び第2読取部200の相対位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の画像読取装置1は、本発明の画像読取装置の具体的態様の一例である。図1では、排出トレイ6側を装置の前側と規定し、排出トレイ6に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
【0023】
<構成>
画像読取装置1は、図1〜図4に示すように、筐体8と、供給トレイ50と、排出トレイ6とを備える。図4に示すように、筐体8内には、供給トレイ50から排出トレイ6にまでシート9が搬送される搬送路P1が設けられている。
【0024】
筐体8は、上部カバー93、背面部カバー90及び左右のサイドカバー95L、95Rと、それらに覆われた内部フレーム等とを有する箱状体である。内部フレームは、図3及び図5等に示すロアシュート60、図5及び図6等に示す基板カバー97、及び図示しないフレーム部材等が組み合わされてなる。筐体8は、本発明の「装置本体」の一例である。上部カバー93は、本発明の「上部筐体」の一例である。ロアシュート60及び基板カバー97は、本発明の「下部筐体」の一例である。
【0025】
図5等に示すように、通常、上部カバー93は、後方に向かって上り傾斜している。上部カバー93は、ロアシュート60に対して上方から対向する上側ガイド94を有する。上部カバー93の上側ガイド94の下面は、搬送路P1の上面を構成する上側案内面94Aとされている。図2及び図3に示すように、シート詰まりやメンテナンスの際には、上部カバー93は、後端縁側が上方に持ち上がるように揺動し、ロアシュート60に対して上方に離間する。これにより、後述するロアシュート60の下側ガイド61、供給ローラ71及び搬送ローラ72等が筐体8の外部に露出する。
【0026】
供給トレイ50は、一方の面が載置面51とされた平板形状である。供給トレイ50の左右の角部には、一対のヒンジ部50L、50Rが一体に形成されている。供給トレイ50は、両ヒンジ部50L、50Rを介して、筐体8の後方かつ上方に位置して左右方向に延びる揺動軸心X1周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0027】
図1に示すように、供給トレイ50が閉じられている場合、供給トレイ50は、載置面51を下方に向けて、筐体8の上部カバー93に対して上方から覆いかぶさっている。図1に示す供給トレイ50の位置を「収容位置」とする。
【0028】
そして、供給トレイ50は、図1に示す状態から揺動軸心X1周りに揺動して開かれることにより、図2〜図4に示すように、筐体8の後ろ側で載置面51を上方に向ける位置に変位する。図2等に示す供給トレイ50の位置を「使用位置」とする。
【0029】
図4に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、載置面51にシート9が載置される。載置面51に載置されたシート9は、供給トレイ50から排出トレイ6に向かう方向である搬送方向D1に搬送されて、搬送路P1に案内されるようになっている。
【0030】
本実施例では、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向とは、左右方向である。また、本実施例では、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向の一端側とは、筐体8内における左側である。さらに、本実施例では、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向の他端側とは、筐体8内における右側である。
【0031】
図2及び図3に示すように、ロアシュート60は、平板形状の下側ガイド61と、下側ガイド61を左右から挟む側壁部60L、60Rとを有する。下側ガイド61は、左右方向に延び、かつ筐体8の背面側から排出トレイ6まで下り傾斜で延びている。図5に示すように、下側ガイド61の上面は、上部カバー93の上側案内面94Aに対して下方から対向している。下側ガイド61の上面は、搬送路P1の下面を構成する下側案内面61Aとされている。図2等に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、下側案内面61Aは、載置面51に連続する傾斜面を構成する。
【0032】
図6に示すように、左側の側壁部60Lは、前後方向かつ上下方向に延びて下側ガイド61を左側から補強している。図示は省略するが、右側の側壁部60Rも左側の側壁部60Lと同様の形状であり、下側ガイド61を右側から補強している。
【0033】
図5及び図6に示すように、基板カバー97は、平板形状の基板カバー本体98と、基板カバー本体98を左右から挟む側壁部97L、97Rとを有する。基板カバー本体98は、ロアシュート60の下側ガイド61に対して下方に離間して、前後方向及び左右方向に延びている。基板カバー本体98の前端縁側は、下側ガイド61の前端縁側に沿って下方に下り傾斜する傾斜部98Aとされている。図5に示すように、基板カバー本体98の後方には、上方に向けて箱状に膨出する電源カバー98Bが一体に形成されている。
【0034】
図6に示すように、側壁部97L、97Rは、前後方向に延びて基板カバー本体98を左右から挟むように補強している。基板カバー97の左側の側壁部97Lは、ロアシュート60の左側の側壁部60Lに対して下方から組み付けられて、図示しない締結ねじにより固定されている。基板カバー97の右側の側壁部97Rも、ロアシュート60の右側の側壁部60Rに対して下方から組み付けられて、図示しない締結ねじにより固定されている。こうして、ロアシュート60と基板カバー97とが強固に結合されることにより、剛性の高い下部筐体が構成される。なお、図示は省略するが、背面部カバー90も、ロアシュート60及び基板カバー97に結合されることにより、下部筐体を補強している。
【0035】
また、画像読取装置1は、図2等に示すように、左右一対の幅規制ガイド57L、57Rを備える。幅規制ガイド57L、57Rは、載置面51上から下側案内面61A上まで、搬送方向D1と平行にリブ状に延びている。幅規制ガイド57L、57Rの搬送方向D1の中間部には、連結部56L、56Rが設けられている。連結部56L、56Rは、供給トレイ50が収容位置又は使用位置に変位する場合、幅規制ガイド57L、57Rが揺動軸心X1周りに折れ曲がり、又は展開することを許容する。
【0036】
左右の幅規制ガイド57L、57Rは、センター基準で左右方向に互いに接近又は離反可能とされている。これにより、幅規制ガイド57L、57Rは、例えば、名刺サイズからA4サイズまでの複数サイズのシート9が載置面51に載置される場合に、そのシート9の左右方向の位置決めをすることができる。
【0037】
排出トレイ6は、図1、図3及び図4に示すように、筐体8に対して引き出し及び収容可能に設けられている。図1に示すように、排出トレイ6が筐体8に収容されている場合、排出トレイ6の前端面のみが外部に露出した状態となっている。そして、排出トレイ6が筐体8から引き出されると、図3及び図4に示すように、排出トレイ6は、筐体8の前方で排出面6Aを、上方に向けた状態となる。
【0038】
また、画像読取装置1は、図4及び図5に示すように、筐体8の内部に、電源ユニット3と、基板5とを備える。また、画像読取装置1は、図6に示すように、筐体8の内部に、駆動部30を備える。また、画像読取装置1は、図5に示すように、筐体8の内部に、搬送部70と、第1読取部100と、第2読取部200とを備える。また、画像読取装置1は、図5〜図10に示すように、第1配線ケーブル110と、第2配線ケーブル210とを備える。
【0039】
図4に示すように、電源ユニット3は、筐体8内の背面側に設けられている。電源ユニット3は、家庭用コンセントの高圧の交流電圧を低圧の直流電圧に変換して、基板5等に給電するACアダプタである。電源ユニット3は、筐体8内において、電源カバー98Bにより、前方、上方及び左右の側方を覆われている。また、電源ユニット3は、背面部カバー90により後方から覆われている。
【0040】
図6に示すように、電源ユニット3のコンセント端子3Eは、基板カバー97の右側の側壁部97Rに隣接するように、基板カバー本体98の後端縁側の下方に配設されている。図3に示すように、背面部カバー90には、筐体8内のコンセント端子3Eに対面するように接続穴90Eが設けられている。家庭用コンセントと電源ユニット3とを電気的に接続する電源ケーブル99の一端側は、接続穴90Eを介してコンセント端子3Eに嵌入される。
【0041】
図5に示すように、基板5は、筐体8内において、電源ユニット3の下方に設けられている。図5及び図6に示すように、基板カバー97の基板カバー本体98は、基板5の上方に位置して、基板5全体を覆っている。基板カバー本体98の前方の傾斜部98Aは、基板5の前端縁よりも前方で下り傾斜している。また、基板カバー97の側壁部97L、97Rは、基板5を左右から挟むように位置している。こうして、基板カバー本体98は、基板カバー本体98及び側壁部97L、97Rにより、上方、前方及び左右の側方から覆われている。
【0042】
基板5は、図示しない電気配線により、電源ユニット3と電気的に接続されている。また、基板5は、図示しない電気配線により、後述する駆動部30を構成する図示しない電動モータと電気的に接続されている。また、基板5は、後述する通り、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210により、第1読取部100及び第2読取部200と電気的に接続されている。
【0043】
図6に示すように、基板5の下面における後端縁側の右方には、USBコネクタ5Eが配設されている。図3に示すように、背面部カバー90には、筐体8内のUSBコネクタ5Eに対面するように接続穴90Fが設けられている。コンピュータ端末やLAN等のネットワーク機器とUSBコネクタ5Eとを電気的に接続するUSB接続ケーブル599の一端側は、接続穴90Fを介してUSBコネクタ5Eに嵌入される。
【0044】
基板5の下面における前端縁側の中央には、第1接続部515が配設され、第1接続部515の左方には、第2接続部525が配設されている。第1接続部515及び第2接続部525は、フレキシブルフラットケーブルの端部に対して着脱可能なコネクタである。第1接続部515には、後述する第1配線ケーブル110の基板側端部110Aが接続される。第2接続部525には、後述する第2配線ケーブル210の基板側端部210Aが接続される。
【0045】
なお、基板5には、上述したものの他、多数の回路素子や配線パターン等が配設されているが、図示を省略している。
【0046】
図6に示すように、駆動部30は、筐体8内において搬送されるシート9の幅方向の一端側、すなわち筐体8内における左側に設けられている。より詳しくは、駆動部30は、図6に示すように、ロアシュート60の左側の側壁部60Lに回転可能に支持されて、互いに噛み合う複数個のギヤ等を有する。駆動部30が基板5に制御されることにより、複数個のギヤの一つに連結された図示しない電動モータが回転し、その回転が各ギヤに伝達されて、それぞれが回転するようになっている。
【0047】
図5に示すように、搬送部70は、搬送方向D1の上流側から下流側に向かって順番に、供給ローラ71と、分離パッド79と、搬送ローラ72と、排出ローラ73とを有する。
【0048】
供給ローラ71は、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の下側ガイド61に位置している。供給ローラ71の回転軸71Sは、左方に延びて、駆動部30を構成する複数個のギヤの一つに連結されている。これにより、供給ローラ71は、駆動部30に駆動されて、載置面51に載置されたシート9に当接しつつ回転することにより、そのシート9を搬送方向D1に送り出すようになっている。
【0049】
図3及び図5に示すように、分離パッド79は、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。分離パッド79は、ゴムやエラストマー等の摩擦部材からなる板状体である。図5に示すように、分離パッド79は、供給ローラ71に対向し、図示しない付勢部材に付勢されて、供給ローラ71に押し付けられている。これにより、分離パッド79は、搬送路P1において搬送されるシート9を供給ローラ71と挟んで一枚ずつ分離するようになっている。
【0050】
搬送ローラ72及び排出ローラ73はそれぞれ、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の下側ガイド61に位置している。搬送ローラ72の回転軸72S及び排出ローラ73の回転軸73Sも、それぞれ左方に延びて、駆動部30を構成する複数個のギヤの一つに連結されている。これにより、搬送ローラ72及び排出ローラ73は、駆動部30に駆動されて、供給ローラ71と同期回転する。
【0051】
搬送ローラ72の上方には、従動ローラ72Aが搬送ローラ72と対向するように設けられている。従動ローラ72Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。従動ローラ72Aは、図示しない付勢部材に付勢されて、搬送ローラ72に押し付けられている。これにより、搬送ローラ72は、搬送路P1において搬送されるシート9を従動ローラ72Aと挟んで回転し、搬送方向D1の下流側に搬送するようになっている。
【0052】
排出ローラ73の上方には、従動ローラ73Aが排出ローラ73と対向するように設けられている。従動ローラ73Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。従動ローラ73Aは、図示しない付勢部材に付勢されて、排出ローラ73に押し付けられている。これにより、排出ローラ73は、搬送路P1において搬送されるシート9を従動ローラ73Aと挟んで回転し、搬送方向D1の下流側の排出トレイ6に排出するようになっている。
【0053】
図5及び図6に示すように、ロアシュート60の下側ガイド61は、前方に向かって下り傾斜で排出ローラ73まで延びている。そして、ロアシュート60は、下側ガイド61の前端縁に連続し、搬送路P1から下方に延びる下壁69を有する。この下壁69により、排出ローラ73の排出面6Aに対する高さが充分に確保されている。
【0054】
図5等に示すように、第1読取部100及び第2読取部200は、搬送方向D1における搬送ローラ72より下流側、かつ排出ローラ73より上流側に位置している。第1読取部100は、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。第1読取部100は、読取面100Aを搬送路P1に向けている。第2読取部200は、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の下側ガイド61に位置している。第2読取部200は、読取面200Aを搬送路P1に向けている。すなわち、第1読取部100及び第2読取部200は、搬送路P1を上下方向から挟むように対向している。また、第2読取部200は、基板5及び基板カバー97の上側に位置している。
【0055】
本実施例では、第1読取部100及び第2読取部200として、コンタクトイメージセンサユニットが採用されている。図7及び図8に示すように、第1読取部100及び第2読取部200は、筐体8内における左側から右側まで延びている。
【0056】
図11(a)及び(b)に示すように、第1読取部100と第2読取部200とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットである。図7及び図8に示す第1読取部100の左端100Lと第2読取部200の右端200Rとを、図11(a)及び(b)において紙面右側に配置し、図7及び図8に示す第1読取部100の右端100Rと第2読取部200の左端200Lとを、図11(a)及び(b)において紙面左側に配置することにより、第1読取部100と第2読取部200とで図面を共用している。
【0057】
図11(a)に示すように、第1読取部100及び第2読取部200はそれぞれ、読取面100A、200A側に、光源部101、201、導光板102、202及び読取ライン103、203を有する。
【0058】
光源部101は、第1読取部100の右端100R側に位置している。光源部201は、第2読取部200の左端200L側に位置している。光源部101、201はそれぞれ、赤色、緑色及び青色の3色のLEDを有する。
【0059】
図11(a)に示すように、導光板102及び読取ライン103は、第1読取部100の左端100L側から右端100R側まで細長く延びている。図5に示すように、読取ライン103は、搬送方向D1における導光板102より下流側に位置している。第1読取部100は、光源部101の各色のLEDを時分割で点灯させ、導光板102を通して左右方向に延びるライン状の光を搬送されるシート9の上面9Aに照射する。そして、その反射光を読取ライン103、203が有するロッドレンズアレイによりラインセンサに集光して、搬送されるシート9の上面9Aの画像をライン状に読み取る。
【0060】
図11(a)に示すように、導光板202及び読取ライン203は、第2読取部200の左端200L側から右端200R側まで細長く延びている。図5に示すように、読取ライン203は、搬送方向D1における導光板202より下流側に位置している。第2読取部200は、光源部201の各色のLEDを時分割で点灯させ、導光板202を通して左右方向に延びるライン状の光を搬送されるシート9の下面9Bに照射する。そして、その反射光を読取ライン203が有するロッドレンズアレイによりラインセンサに集光して、搬送されるシート9の下面9Bの画像をライン状に読み取る。
【0061】
図11(b)に示すように、第1読取部100における読取面100Aとは反対側の右端100R側には、第1端子部105が設けられている。図5に示すように、第1端子部105は、第1読取部100における搬送方向D1の下流側に位置している。第1端子部105は、フレキシブルフラットケーブルの端部に対して着脱可能なコネクタである。第1端子部105には、後述する第1配線ケーブル110の第1読取部側端部110Bが接続される。読取ライン103が読み取った信号は、第1端子部105から出力される。
【0062】
図11(b)に示すように、第2読取部200における読取面200Aとは反対側の左端200L側には、第2端子部205が設けられている。図5に示すように、第2端子部205は、第2読取部200における搬送方向D1の下流側に位置している。第2端子部205は、第1端子部105と同様に、フレキシブルフラットケーブルの端部に対して着脱可能なコネクタである。第2端子部205には、後述する第2配線ケーブル210の第2読取部側端部210Bが接続される。読取ライン203が読み取った信号は、第2端子部205から出力される。
【0063】
図7及び図8に示す第1読取部100の姿勢について、前記方向に延びる回転軸周りに180°回転させる。そうすると、下方を向く読取面100Aが上方を向く。また、右端100Rが左側に、かつ左端100Lが右側に来る。そうすると、第1読取部100は、第2読取部200と同じ姿勢となる。このように、第1読取部100と第2読取部200とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットを採用することにより、部品が共通化されている。
【0064】
図5に示すように、第2読取部200は、搬送方向D1における第1読取部100より上流側に位置している。これにより、第2読取部200は、下壁69に対して後方に離間しており、双方の間に空きスペースが確保されている。
【0065】
画像読取装置1は、上側搬送面94Aとともに搬送路P1の上面を構成する透明板151と、透明板151の搬送路P1とは反対側を向く面に添うように設けられた第1白基準面150とを有する。第1白基準面150は、第2読取部200と対向している。また、画像読取装置1は、下側搬送面61Aとともに搬送路P1の下面を構成する透明板251と、透明板251の搬送路P1とは反対側を向く面に添うように設けられた第2白基準面250とを有する。第2白基準面250は、第1読取部100と対向している。第1白基準面150及び第2白基準面250は、第1読取部100及び第2読取部200についてシェーディング補正を行う際に、白色の基準となるものである。
【0066】
図6〜図10に示すように、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210は、複数本の被覆電線が帯状に束ねられてなるフレキシブルフラットケーブルである。なお、図8では、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の引き回し状態を見易くするため、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の長さを実際より長く図示している。また、図9では、上部カバー93を構成する上側ガイド94を図示し、上部カバー93のその他の部分については図示を省略している。さらに、図10では、基板5と、ロアシュート60との間に位置する基板カバー97の図示を省略している。
【0067】
図6〜図8に示すように、第1配線ケーブル110の基板側端部110Aは、基板5の第1接続部515に接続されている。
【0068】
第1配線ケーブル110は、基板側端部110Aから前方に延びた後、斜め45°の角度で折り曲げられて右方に延びる。次に、基板カバー97の右側の側壁部97Rの近くにおいて、斜め45°の角度で折り曲げられて前方に延びた後、ロアシュート60の右側の側壁部60Rに形成されたガイド穴60Cに進入し、上方に向きを変える。次に、図8及び図9に示すように、ガイド穴60Cの上方で後方に向きを変えて上部カバー93内に進入する。次に、斜め45°の角度で折り曲げられて左方に短く延びた後、さらに、斜め45°の角度で折り曲げられて後方に延びる。次に、下向きに180°の角度で折り曲げられて後方に延びた後、さらに、下向きに180°の角度で折り曲げられて前方に延びる。
【0069】
図5に示すように、上部カバー93の上側ガイド94には、第1読取部100を収容する第1凹部94Dが形成されている。そして、第1凹部94Dにおける第1端子部105の上方かつ前方には、第1挿入口94Gが開口している。図5及び図8に示すように、第1配線ケーブル110の第1読取部側端部110Bは、第1挿入口94Gに介して前方に延びて、第1端子部105に装着されている。
【0070】
すなわち、第1配線ケーブル110は、第1読取部100の右端100R側であって駆動部30から離れた側で搬送路P1を迂回して、第1読取部100の第1端子部105と、基板5の第1接続部515とを電気的に接続している。
【0071】
図6〜図8及び図10に示すように、第2配線ケーブル210の基板側端部210Aは、基板5の第2接続部525に接続されている。
【0072】
第2配線ケーブル210は、図6及び図7等に示すように、基板側端部210Aから前方に延びた後、斜め45°の角度で折り曲げられて左方に延びる。すなわち、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210は、左右方向にずれて配置された第1接続部525及び第2接続部525から、左右方向に互いに離れるように延びている。
【0073】
次に、第2配線ケーブル210は、基板カバー97の左側の側壁部97Lの近くにおいて、斜め45°の角度で折り曲げられて前方に延びた後、下壁69の近くで上向きに180°の角度で折り曲げられて後方に延びる。
【0074】
図5に示すように、ロアシュート60の下側ガイド61には、第2読取部200を収容する第2凹部61Dが形成されている。そして、第2凹部61Dにおける第2端子部205の下方かつ前方には、第2挿入口61Gが開口している。図5、図7及び図10に示すように、第2配線ケーブル210の第2読取部側端部210Bは、第2挿入口61Gに介して前方に延びて、第2端子部205に装着されている。
【0075】
すなわち、第2配線ケーブル210は、筐体8内における左側で、搬送路P1と駆動部30との間に割って入ることなく、そのまま延びて、第2読取部200の第2端子部205と、基板5の第2接続部525とを電気的に接続している。
【0076】
図5に示すように、第2挿入口61Gは、第1挿入口94Gに対して、搬送方向D1の上流側に位置している。これにより、図10に示すように、第2挿入口61Gは、下壁69に対して後方に離間しており、双方の間に空きスペースが確保されている。
【0077】
<画像読取動作>
上記構成である画像読取装置1では、以下のようにして、シート9の画像を読み取る。すなわち、基板5に制御されて、駆動部30が駆動を開始すると、供給ローラ71が分離パッド79とシート9を挟みながら回転して載置面51上のシート9を搬送方向D1に搬送する。この際、複数枚のシート9が重なった状態で搬送されようとしている場合、分離パッド79とシート9との間、及びシート9とシート9との間に摩擦力が作用することにより、シート9が一枚ずつ分離される。次に、搬送ローラ72が一枚ずつ分離されたシート9を第1読取部100及び第2読取部200に向けて搬送する。
【0078】
第1読取部100及び第2読取部200は、基板5に制御されて上述した画像読取動作を行うことにより、そのシート9の上面9A及び下面9Bの画像を読み取る。第1読取部100及び第2読取部200の出力信号は、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210を介して、基板5に伝達される。そして、基板5において、その出力信号を画像データ化する。そして、排出ローラ73が画像を読み取られたシート9を排出トレイ6に排出する。
【0079】
<作用効果>
実施例の画像読取装置1では、第1配線ケーブル110は、搬送されるシート9の幅方向の他端側、すなわち筐体8内における右側であって駆動部30から離れた側で搬送路P1を迂回して、第1読取部100の第1端子部105と、基板5の第1接続部515とを電気的に接続している。また、第2配線ケーブル210は、搬送されるシート9の幅方向の一端側、すなわち筐体8内における左側で、搬送路P1と駆動部30との間に割って入ることなく、そのまま延びて、第2読取部200の第2端子部205と、基板5の第2接続部525とを電気的に接続している。これにより、仮に、搬送路P1と駆動部30との間を介して第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の少なくとも一方を基板5まで引き回す場合と比較して、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の引き回しを簡素化でき、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の少なくとも一方の引き回しのために搬送路P1と駆動部30との間に確保すべき空きスペースが不要となる。
【0080】
したがって、実施例の画像読取装置1は、装置の小型化を実現できる。
【0081】
また、この画像読取装置1において、第1端子部105は、第1読取部100における搬送方向D1の下流側に位置している。また、第2端子部205は、第2読取部200における搬送方向D1の下流側に位置している。この構成によれば、第1端子部105及び第2端子部205に対して同じように前方から後方に向かって第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210を接続できるので、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の引き回しを簡素化できる。また、接続方向が異なる場合と比較して、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の第1端子部105及び第2端子部205に対する接続作業が容易になる。
【0082】
さらに、この画像読取装置1において、第1読取部100と第2読取部200とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットである。この構成によれば、第1読取部100と第2読取部200とが共通部品となっているので、部品点数を削減できる。
【0083】
また、この画像読取装置1において、第1読取部100は、搬送路P1に対して上側に位置している。また、第2読取部200及び基板5は、搬送路P1に対して下側に位置している。このような具体的構成によれば、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0084】
さらに、この画像読取装置1において、搬送路P1は、搬送方向D1の下流側に向かって下り傾斜している。また、基板5は、第2読取部200の下側に位置している。さらに、第2読取部200は、搬送方向D1における第1読取部100より上流側に位置している。この構成によれば、図12(a)に示すように、第2読取部200を第1読取部100に上下方向で接近させることができる。実施例における第1読取部100及び第2読取部200の高さをH1とする。これに対して、図12(b)に、搬送方向D1における第1読取部100の位置と第2読取部200との位置を同じにした比較例を示す。この比較例における第1読取部100及び第2読取部200の高さをH2とする。比較例の高さH2に対して、実施例の高さH1が大幅に小さい。その結果、この画像読取装置1では、装置の高さを小さくできる。
【0085】
また、図5等に示すように、この画像読取装置1において、筐体8を構成するロアシュート60は、搬送路P1における搬送方向D1の最下流側で、搬送路P1から下方に延びる下壁69を有する。この構成によれば、下壁69により、搬送路P1における搬送方向D1の最下流側に位置する排出ローラ73の排出面6Aに対する高さが確保される。これにより、搬送されるシート9が下り傾斜したまま、排出ローラ73により、排出面6Aにスムーズに排出され易い。また、搬送方向D1における第1読取部100より上流側に位置する第2読取部200は、下壁69に対しても、搬送方向D1の上流側に離れる。これにより、下壁69と第2読取部200との間に、第2端子部205に第2配線ケーブル210を接続するためのスペースを広く確保できる。
【0086】
さらに、この画像読取装置1において、第1配線ケーブル110と基板5とが接続される第1接続部515と、第2配線ケーブル210と基板5とが接続される第2接続部525とは、左右方向にずれて配置されている。そして、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210は、第1接続部515及び第2接続部525から左右方向に互いに離れるように延びている。この構成によれば、第1配線ケーブル110の引き回しと、第2配線ケーブル210の引き回しとが干渉し難い。また、仮に、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210が並んで同じ方向に延びる場合と比較して、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210が互いに電気的な干渉を及ぼすことを抑制できる。
【0087】
また、この画像読取装置1において、第1端子部105及び第2端子部205は、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210に対して着脱可能なコネクタである。そして、第1端子部105に第1配線ケーブル110を差し込むための第1挿入口94Gに対して、第2端子部205に第2配線ケーブル210を差し込むための第2挿入口61Gが搬送方向D1の上流側に位置している。この構成によれば、搬送方向D1における第1挿入口94Gの位置と第2挿入口61Gの位置とを同じにした場合と比較して、第2配線ケーブル210を第2端子部205に接続するスペースを確保し易い。
【0088】
さらに、この画像読取装置1において、筐体8は、上側案内面94Aが搬送路P1の上面を構成する上部カバー93と、下側案内面61Aが搬送路P1の下面を構成するロアシュート60及び基板カバー97とを有する。そして、上部カバー93は、ロアシュート60及び基板カバー97に対して離接可能に設けられている。また、基板5は、ロアシュート60及び基板カバー97内に設けられている。上部カバー93に基板5が設けられると、上部カバー93が大型化し、大きなものをロアシュート60及び基板カバー97に対して離接する構成となり、上部カバー93の離接、即ち開閉が困難となる。この点、上記構成によれば、ロアシュート60及び基板カバー97内に基板5があるため、上部カバー93の離接がし易い。
【0089】
また、この画像読取装置1は、第2読取部200と対向する第1白基準面150と、第1読取部100と対向する第2白基準面250と、を有する。この構成によれば、第1読取部100、及び第2読取部200についてシェーディング補正を行う際に、各々、第2白基準面250、及び第1白基準面150を白色の基準とすることができる。
【0090】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0091】
例えば、実施例では、第1端子部105は、第1読取部100における搬送方向D1の下流側に位置し、第2端子部205は、第2読取部200における搬送方向D1の下流側に位置しているが、この構成に限定されず、その逆の位置関係であってもよい。
【0092】
また、実施例では、第1読取部100が搬送路P1に対して上側に位置し、第2読取部200及び基板5が搬送路P1に対して下側に位置しているが、この構成に限定されず、その逆の位置関係であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は例えば、画像読取装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0094】
1…画像読取装置、8…装置本体(筐体)
9…シート、9A…シートの一方の面(上面)、9B…シートの他方の面(下面)
D1…搬送方向、P1…搬送路、70…搬送部、30…駆動部、5…基板
100…第1読取部、200…第2読取部
105…第1端子部、205…第2端子部
110…第1配線ケーブル、210…第2配線ケーブル
100R…第1読取部における幅方向の他端(第1読取部の右端)
200L…第2読取部における幅方向の一端(第2読取部の左端)
515…第1接続部、525…第2接続部
69…下壁、94G…第1挿入口、61G…第2挿入口
93…上部筐体(上部カバー)、94A…上部筐体の下面(上側案内面)
60、97…下部筐体(60…ロアシュート、97…基板カバー)
61A…下部筐体の上面(下側案内面)
150…第1白基準面、250…第2白基準面
【技術分野】
【0001】
本発明は画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に画像読取装置が開示されている。この画像読取装置は、シートを搬送方向に搬送する搬送部と、搬送部により搬送されるシートと対向するように設けられた第1読取部と、搬送されるシートを挟んで第1読取部とは反対側に設けられた第2読取部とを備える。第1読取部及び第2読取部は、搬送されるシートの幅方向の一端側から他端側まで延びている。特許文献1の図1等において、搬送部は、符号26、28a、28bとして図示されている。第1読取部及び第2読取部は、符号2、3として図示されている。
【0003】
この画像読取装置では、第1読取部が搬送されるシートの一方の面の画像を読み取り、第2読取部が搬送されるシートの他方の面の画像を読み取るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−228044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記画像読取装置は、通常、シートを搬送方向に案内する搬送路、搬送部を駆動する駆動部、第1読取部及び第2読取部を制御する基板、第1読取部と基板とを接続する第1配線ケーブル、及び第2読取部と基板とを接続する第2配線ケーブルを備えているはずであるが、特許文献1には、それらについての図示及び説明が殆どなされていない。このため、第1、2読取部、搬送路、駆動部、基板及び第1、2配線ケーブルの相対位置関係については不明である。
【0006】
このような上記画像読取装置について、搬送されるシートの幅方向の一端側に駆動部が配置され、かつ基板が搬送路を挟んで第1読取部とは反対側、すなわち、第2読取部側に設けられている構成を採用することが考えられる。この場合において、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの少なくとも一方が駆動部と搬送路との間に割って入るように引き回してしまうと、駆動部と搬送路との間に空きスペースが必要となって、装置が大型化し易いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、装置の小型化を実現できる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像読取装置は、装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、シートを搬送方向に案内する搬送路と、
前記装置本体内に設けられ、前記シートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記装置本体内において搬送される前記シートの幅方向の一端側に設けられ、前記搬送部を駆動する駆動部と、
前記装置本体内において前記搬送路と対向するように設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの一方の面の画像を読み取る第1読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの他方の面の画像を読み取る第2読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記第1読取部及び前記第2読取部を制御する基板と、
前記第1読取部に設けられた第1端子部と前記基板とを電気的に接続する第1配線ケーブルと、
前記第2読取部に設けられた第2端子部と前記基板とを電気的に接続する第2配線ケーブルとを備え、
前記第1端子部は、前記第1読取部における前記幅方向の他端側に設けられ、
前記第2端子部は、前記第2読取部における前記幅方向の一端側に設けられ、
前記第1配線ケーブルは、前記幅方向の他端側で前記搬送路を迂回してから前記基板に接続され、
前記第2配線ケーブルは、前記幅方向の一端側で前記基板に接続されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の画像読取装置では、第1配線ケーブルは、搬送されるシートの幅方向の他端側、すなわち、駆動部から離れた側で搬送路を迂回してから基板に接続されている。また、第2配線ケーブルは、幅方向の一端側で、搬送路と駆動部との間に割って入ることなく、そのまま基板に接続されている。これにより、搬送路と駆動部との間を介して第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの少なくとも一方を基板まで引き回す場合と比較して、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの引き回しを簡素化でき、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの少なくとも一方の引き回しのために搬送路と駆動部との間に確保すべき空きスペースが不要となる。
【0010】
したがって、本発明の画像読取装置は、装置の小型化を実現できる。
【0011】
本発明の画像読取装置において、第1端子部は、第1読取部における搬送方向の下流側に位置していることが望ましい。また、第2端子部は、第2読取部における搬送方向の下流側に位置していることが望ましい。この構成によれば、第1端子部及び第2端子部に対して同じ方向から第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルを接続できるので、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの引き回しを簡素化できる。また、接続方向が異なる場合と比較して、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの第1端子部及び第2端子部に対する接続作業が容易になる。
【0012】
本発明の画像読取装置において、第1読取部と第2読取部とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットであることが望ましい。この構成によれば、第1読取部と第2読取部とを共通部品とすることにより、部品点数を削減できる。
【0013】
本発明の画像読取装置において、第1読取部は、搬送路に対して上側に位置していることが望ましい。また、第2読取部及び基板は、搬送路に対して下側に位置していることが望ましい。このような具体的構成によれば、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0014】
本発明の画像読取装置において、搬送路は、搬送方向の下流側に向かって下り傾斜していることが望ましい。また、基板は、第2読取部の下側に位置していることが望ましい。さらに、第2読取部は、搬送方向における第1読取部より上流側に位置していることが望ましい。この構成によれば、第2読取部を第1読取部に上下方向で接近させることができるので、装置の高さを小さくできる。
【0015】
上記の場合において、装置本体は、搬送路における搬送方向の最下流側で、搬送路から下方に延びる下壁を有することが望ましい。この構成によれば、下壁により、搬送路における搬送方向の最下流側に高さが確保される。これにより、搬送されるシートが下り傾斜したまま、搬送方向の最下流側から装置本体の外側にスムーズに排出され易い。また、搬送方向における第1読取部より上流側に位置する第2読取部は、下壁に対しても、搬送方向の上流側に離れる。これにより、下壁と第2読取部との間に、第2端子部に第2配線ケーブルを接続するためのスペースを広く確保できる。
【0016】
本発明の画像読取装置において、第1配線ケーブルと基板とが接続される第1接続部と、第2配線ケーブルと基板とが接続される第2接続部とは、幅方向にずれて配置されていることが望ましい。そして、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルは、第1接続部及び第2接続部から幅方向に互いに離れるように延びていることが望ましい。この構成によれば、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルの引き回しが干渉し難い。
【0017】
本発明の画像読取装置において、第1端子部及び第2端子部は、第1配線ケーブル及び第2配線ケーブルに対して着脱可能なコネクタであることが望ましい。そして、第1端子部に第1配線ケーブルを差し込むための第1挿入口に対して、第2端子部に第2配線ケーブルを差し込むための第2挿入口が搬送方向の上流側に位置していることが望ましい。この構成によれば、第2配線ケーブルを第2端子部に接続するスペースを確保し易い。
【0018】
本発明の画像読取装置において、装置本体は、下面が搬送路の上面を構成する上部筐体と、上面が搬送路の下面を構成する下部筐体とを有することが望ましい。そして、上部筐体は、下部筐体に対して離接可能に設けられていることが望ましい。また、基板は、下部筐体内に設けられていることが望ましい。上部筐体に基板が設けられると、上部筐体が大型化し、大きなものを下部筐体に対して離接する構成となり、上部筐体の離接、即ち開閉が困難となる。この点、上記構成によれば、下部筐体に基板があるため、上部筐体の離接がし易い。
【0019】
本発明の画像読取装置は、第2読取部と対向する第1白基準面と、第1読取部と対向する第2白基準面と、を有することが望ましい。この構成によれば、第1読取部、及び第2読取部についてシェーディング補正を行う際に、各々、第2白基準面、及び第1白基準面を白色の基準とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の画像読取装置を具体化した一実施例の画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図2】上記実施例の供給トレイ50及び上部カバー93が開かれた状態において、画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の供給トレイ50、上部カバー93及び排出トレイ6が開かれた状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図4】上記画像読取装置1の側面図である。
【図5】上記画像読取装置1の要部拡大断面図である。
【図6】上記画像読取装置1に係り、駆動部30、ロアシュート60、基板カバー97、基板5、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210等を抜き出して、主に下方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図7】上記画像読取装置1に係り、第1読取部100、第2読取部200、基板5、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210等を抜き出して、主に下方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図8】上記画像読取装置1に係り、第1読取部100、第2読取部200、基板5、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210等を抜き出して、主に下方、かつ右方から見上げた状態を示す斜視図である。
【図9】上記画像読取装置1に係り、上部カバー93内における第1配線ケーブル110の引き回し状態を示す斜視図である。
【図10】上記画像読取装置1に係り、基板カバー97を取り除いて、第2配線ケーブル210の引き回し状態を示す斜視図である。
【図11】上記画像読取装置1に係り、(a)は第1読取部100及び第2読取部200を読取面100A、200A側から見た平面図であり、(b)は第1読取部100及び第2読取部200を読取面100A、200Aとは反対側から見た平面図である。
【図12】上記画像読取装置1に係り、(a)は実施例の第1読取部100及び第2読取部200の相対位置関係を示す説明図であり、(b)は比較例の第1読取部100及び第2読取部200の相対位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の画像読取装置1は、本発明の画像読取装置の具体的態様の一例である。図1では、排出トレイ6側を装置の前側と規定し、排出トレイ6に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
【0023】
<構成>
画像読取装置1は、図1〜図4に示すように、筐体8と、供給トレイ50と、排出トレイ6とを備える。図4に示すように、筐体8内には、供給トレイ50から排出トレイ6にまでシート9が搬送される搬送路P1が設けられている。
【0024】
筐体8は、上部カバー93、背面部カバー90及び左右のサイドカバー95L、95Rと、それらに覆われた内部フレーム等とを有する箱状体である。内部フレームは、図3及び図5等に示すロアシュート60、図5及び図6等に示す基板カバー97、及び図示しないフレーム部材等が組み合わされてなる。筐体8は、本発明の「装置本体」の一例である。上部カバー93は、本発明の「上部筐体」の一例である。ロアシュート60及び基板カバー97は、本発明の「下部筐体」の一例である。
【0025】
図5等に示すように、通常、上部カバー93は、後方に向かって上り傾斜している。上部カバー93は、ロアシュート60に対して上方から対向する上側ガイド94を有する。上部カバー93の上側ガイド94の下面は、搬送路P1の上面を構成する上側案内面94Aとされている。図2及び図3に示すように、シート詰まりやメンテナンスの際には、上部カバー93は、後端縁側が上方に持ち上がるように揺動し、ロアシュート60に対して上方に離間する。これにより、後述するロアシュート60の下側ガイド61、供給ローラ71及び搬送ローラ72等が筐体8の外部に露出する。
【0026】
供給トレイ50は、一方の面が載置面51とされた平板形状である。供給トレイ50の左右の角部には、一対のヒンジ部50L、50Rが一体に形成されている。供給トレイ50は、両ヒンジ部50L、50Rを介して、筐体8の後方かつ上方に位置して左右方向に延びる揺動軸心X1周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0027】
図1に示すように、供給トレイ50が閉じられている場合、供給トレイ50は、載置面51を下方に向けて、筐体8の上部カバー93に対して上方から覆いかぶさっている。図1に示す供給トレイ50の位置を「収容位置」とする。
【0028】
そして、供給トレイ50は、図1に示す状態から揺動軸心X1周りに揺動して開かれることにより、図2〜図4に示すように、筐体8の後ろ側で載置面51を上方に向ける位置に変位する。図2等に示す供給トレイ50の位置を「使用位置」とする。
【0029】
図4に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、載置面51にシート9が載置される。載置面51に載置されたシート9は、供給トレイ50から排出トレイ6に向かう方向である搬送方向D1に搬送されて、搬送路P1に案内されるようになっている。
【0030】
本実施例では、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向とは、左右方向である。また、本実施例では、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向の一端側とは、筐体8内における左側である。さらに、本実施例では、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向の他端側とは、筐体8内における右側である。
【0031】
図2及び図3に示すように、ロアシュート60は、平板形状の下側ガイド61と、下側ガイド61を左右から挟む側壁部60L、60Rとを有する。下側ガイド61は、左右方向に延び、かつ筐体8の背面側から排出トレイ6まで下り傾斜で延びている。図5に示すように、下側ガイド61の上面は、上部カバー93の上側案内面94Aに対して下方から対向している。下側ガイド61の上面は、搬送路P1の下面を構成する下側案内面61Aとされている。図2等に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、下側案内面61Aは、載置面51に連続する傾斜面を構成する。
【0032】
図6に示すように、左側の側壁部60Lは、前後方向かつ上下方向に延びて下側ガイド61を左側から補強している。図示は省略するが、右側の側壁部60Rも左側の側壁部60Lと同様の形状であり、下側ガイド61を右側から補強している。
【0033】
図5及び図6に示すように、基板カバー97は、平板形状の基板カバー本体98と、基板カバー本体98を左右から挟む側壁部97L、97Rとを有する。基板カバー本体98は、ロアシュート60の下側ガイド61に対して下方に離間して、前後方向及び左右方向に延びている。基板カバー本体98の前端縁側は、下側ガイド61の前端縁側に沿って下方に下り傾斜する傾斜部98Aとされている。図5に示すように、基板カバー本体98の後方には、上方に向けて箱状に膨出する電源カバー98Bが一体に形成されている。
【0034】
図6に示すように、側壁部97L、97Rは、前後方向に延びて基板カバー本体98を左右から挟むように補強している。基板カバー97の左側の側壁部97Lは、ロアシュート60の左側の側壁部60Lに対して下方から組み付けられて、図示しない締結ねじにより固定されている。基板カバー97の右側の側壁部97Rも、ロアシュート60の右側の側壁部60Rに対して下方から組み付けられて、図示しない締結ねじにより固定されている。こうして、ロアシュート60と基板カバー97とが強固に結合されることにより、剛性の高い下部筐体が構成される。なお、図示は省略するが、背面部カバー90も、ロアシュート60及び基板カバー97に結合されることにより、下部筐体を補強している。
【0035】
また、画像読取装置1は、図2等に示すように、左右一対の幅規制ガイド57L、57Rを備える。幅規制ガイド57L、57Rは、載置面51上から下側案内面61A上まで、搬送方向D1と平行にリブ状に延びている。幅規制ガイド57L、57Rの搬送方向D1の中間部には、連結部56L、56Rが設けられている。連結部56L、56Rは、供給トレイ50が収容位置又は使用位置に変位する場合、幅規制ガイド57L、57Rが揺動軸心X1周りに折れ曲がり、又は展開することを許容する。
【0036】
左右の幅規制ガイド57L、57Rは、センター基準で左右方向に互いに接近又は離反可能とされている。これにより、幅規制ガイド57L、57Rは、例えば、名刺サイズからA4サイズまでの複数サイズのシート9が載置面51に載置される場合に、そのシート9の左右方向の位置決めをすることができる。
【0037】
排出トレイ6は、図1、図3及び図4に示すように、筐体8に対して引き出し及び収容可能に設けられている。図1に示すように、排出トレイ6が筐体8に収容されている場合、排出トレイ6の前端面のみが外部に露出した状態となっている。そして、排出トレイ6が筐体8から引き出されると、図3及び図4に示すように、排出トレイ6は、筐体8の前方で排出面6Aを、上方に向けた状態となる。
【0038】
また、画像読取装置1は、図4及び図5に示すように、筐体8の内部に、電源ユニット3と、基板5とを備える。また、画像読取装置1は、図6に示すように、筐体8の内部に、駆動部30を備える。また、画像読取装置1は、図5に示すように、筐体8の内部に、搬送部70と、第1読取部100と、第2読取部200とを備える。また、画像読取装置1は、図5〜図10に示すように、第1配線ケーブル110と、第2配線ケーブル210とを備える。
【0039】
図4に示すように、電源ユニット3は、筐体8内の背面側に設けられている。電源ユニット3は、家庭用コンセントの高圧の交流電圧を低圧の直流電圧に変換して、基板5等に給電するACアダプタである。電源ユニット3は、筐体8内において、電源カバー98Bにより、前方、上方及び左右の側方を覆われている。また、電源ユニット3は、背面部カバー90により後方から覆われている。
【0040】
図6に示すように、電源ユニット3のコンセント端子3Eは、基板カバー97の右側の側壁部97Rに隣接するように、基板カバー本体98の後端縁側の下方に配設されている。図3に示すように、背面部カバー90には、筐体8内のコンセント端子3Eに対面するように接続穴90Eが設けられている。家庭用コンセントと電源ユニット3とを電気的に接続する電源ケーブル99の一端側は、接続穴90Eを介してコンセント端子3Eに嵌入される。
【0041】
図5に示すように、基板5は、筐体8内において、電源ユニット3の下方に設けられている。図5及び図6に示すように、基板カバー97の基板カバー本体98は、基板5の上方に位置して、基板5全体を覆っている。基板カバー本体98の前方の傾斜部98Aは、基板5の前端縁よりも前方で下り傾斜している。また、基板カバー97の側壁部97L、97Rは、基板5を左右から挟むように位置している。こうして、基板カバー本体98は、基板カバー本体98及び側壁部97L、97Rにより、上方、前方及び左右の側方から覆われている。
【0042】
基板5は、図示しない電気配線により、電源ユニット3と電気的に接続されている。また、基板5は、図示しない電気配線により、後述する駆動部30を構成する図示しない電動モータと電気的に接続されている。また、基板5は、後述する通り、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210により、第1読取部100及び第2読取部200と電気的に接続されている。
【0043】
図6に示すように、基板5の下面における後端縁側の右方には、USBコネクタ5Eが配設されている。図3に示すように、背面部カバー90には、筐体8内のUSBコネクタ5Eに対面するように接続穴90Fが設けられている。コンピュータ端末やLAN等のネットワーク機器とUSBコネクタ5Eとを電気的に接続するUSB接続ケーブル599の一端側は、接続穴90Fを介してUSBコネクタ5Eに嵌入される。
【0044】
基板5の下面における前端縁側の中央には、第1接続部515が配設され、第1接続部515の左方には、第2接続部525が配設されている。第1接続部515及び第2接続部525は、フレキシブルフラットケーブルの端部に対して着脱可能なコネクタである。第1接続部515には、後述する第1配線ケーブル110の基板側端部110Aが接続される。第2接続部525には、後述する第2配線ケーブル210の基板側端部210Aが接続される。
【0045】
なお、基板5には、上述したものの他、多数の回路素子や配線パターン等が配設されているが、図示を省略している。
【0046】
図6に示すように、駆動部30は、筐体8内において搬送されるシート9の幅方向の一端側、すなわち筐体8内における左側に設けられている。より詳しくは、駆動部30は、図6に示すように、ロアシュート60の左側の側壁部60Lに回転可能に支持されて、互いに噛み合う複数個のギヤ等を有する。駆動部30が基板5に制御されることにより、複数個のギヤの一つに連結された図示しない電動モータが回転し、その回転が各ギヤに伝達されて、それぞれが回転するようになっている。
【0047】
図5に示すように、搬送部70は、搬送方向D1の上流側から下流側に向かって順番に、供給ローラ71と、分離パッド79と、搬送ローラ72と、排出ローラ73とを有する。
【0048】
供給ローラ71は、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の下側ガイド61に位置している。供給ローラ71の回転軸71Sは、左方に延びて、駆動部30を構成する複数個のギヤの一つに連結されている。これにより、供給ローラ71は、駆動部30に駆動されて、載置面51に載置されたシート9に当接しつつ回転することにより、そのシート9を搬送方向D1に送り出すようになっている。
【0049】
図3及び図5に示すように、分離パッド79は、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。分離パッド79は、ゴムやエラストマー等の摩擦部材からなる板状体である。図5に示すように、分離パッド79は、供給ローラ71に対向し、図示しない付勢部材に付勢されて、供給ローラ71に押し付けられている。これにより、分離パッド79は、搬送路P1において搬送されるシート9を供給ローラ71と挟んで一枚ずつ分離するようになっている。
【0050】
搬送ローラ72及び排出ローラ73はそれぞれ、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の下側ガイド61に位置している。搬送ローラ72の回転軸72S及び排出ローラ73の回転軸73Sも、それぞれ左方に延びて、駆動部30を構成する複数個のギヤの一つに連結されている。これにより、搬送ローラ72及び排出ローラ73は、駆動部30に駆動されて、供給ローラ71と同期回転する。
【0051】
搬送ローラ72の上方には、従動ローラ72Aが搬送ローラ72と対向するように設けられている。従動ローラ72Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。従動ローラ72Aは、図示しない付勢部材に付勢されて、搬送ローラ72に押し付けられている。これにより、搬送ローラ72は、搬送路P1において搬送されるシート9を従動ローラ72Aと挟んで回転し、搬送方向D1の下流側に搬送するようになっている。
【0052】
排出ローラ73の上方には、従動ローラ73Aが排出ローラ73と対向するように設けられている。従動ローラ73Aは、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。従動ローラ73Aは、図示しない付勢部材に付勢されて、排出ローラ73に押し付けられている。これにより、排出ローラ73は、搬送路P1において搬送されるシート9を従動ローラ73Aと挟んで回転し、搬送方向D1の下流側の排出トレイ6に排出するようになっている。
【0053】
図5及び図6に示すように、ロアシュート60の下側ガイド61は、前方に向かって下り傾斜で排出ローラ73まで延びている。そして、ロアシュート60は、下側ガイド61の前端縁に連続し、搬送路P1から下方に延びる下壁69を有する。この下壁69により、排出ローラ73の排出面6Aに対する高さが充分に確保されている。
【0054】
図5等に示すように、第1読取部100及び第2読取部200は、搬送方向D1における搬送ローラ72より下流側、かつ排出ローラ73より上流側に位置している。第1読取部100は、上部カバー93に組み付けられており、搬送路P1の上側ガイド94に位置している。第1読取部100は、読取面100Aを搬送路P1に向けている。第2読取部200は、ロアシュート60に組み付けられており、搬送路P1の下側ガイド61に位置している。第2読取部200は、読取面200Aを搬送路P1に向けている。すなわち、第1読取部100及び第2読取部200は、搬送路P1を上下方向から挟むように対向している。また、第2読取部200は、基板5及び基板カバー97の上側に位置している。
【0055】
本実施例では、第1読取部100及び第2読取部200として、コンタクトイメージセンサユニットが採用されている。図7及び図8に示すように、第1読取部100及び第2読取部200は、筐体8内における左側から右側まで延びている。
【0056】
図11(a)及び(b)に示すように、第1読取部100と第2読取部200とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットである。図7及び図8に示す第1読取部100の左端100Lと第2読取部200の右端200Rとを、図11(a)及び(b)において紙面右側に配置し、図7及び図8に示す第1読取部100の右端100Rと第2読取部200の左端200Lとを、図11(a)及び(b)において紙面左側に配置することにより、第1読取部100と第2読取部200とで図面を共用している。
【0057】
図11(a)に示すように、第1読取部100及び第2読取部200はそれぞれ、読取面100A、200A側に、光源部101、201、導光板102、202及び読取ライン103、203を有する。
【0058】
光源部101は、第1読取部100の右端100R側に位置している。光源部201は、第2読取部200の左端200L側に位置している。光源部101、201はそれぞれ、赤色、緑色及び青色の3色のLEDを有する。
【0059】
図11(a)に示すように、導光板102及び読取ライン103は、第1読取部100の左端100L側から右端100R側まで細長く延びている。図5に示すように、読取ライン103は、搬送方向D1における導光板102より下流側に位置している。第1読取部100は、光源部101の各色のLEDを時分割で点灯させ、導光板102を通して左右方向に延びるライン状の光を搬送されるシート9の上面9Aに照射する。そして、その反射光を読取ライン103、203が有するロッドレンズアレイによりラインセンサに集光して、搬送されるシート9の上面9Aの画像をライン状に読み取る。
【0060】
図11(a)に示すように、導光板202及び読取ライン203は、第2読取部200の左端200L側から右端200R側まで細長く延びている。図5に示すように、読取ライン203は、搬送方向D1における導光板202より下流側に位置している。第2読取部200は、光源部201の各色のLEDを時分割で点灯させ、導光板202を通して左右方向に延びるライン状の光を搬送されるシート9の下面9Bに照射する。そして、その反射光を読取ライン203が有するロッドレンズアレイによりラインセンサに集光して、搬送されるシート9の下面9Bの画像をライン状に読み取る。
【0061】
図11(b)に示すように、第1読取部100における読取面100Aとは反対側の右端100R側には、第1端子部105が設けられている。図5に示すように、第1端子部105は、第1読取部100における搬送方向D1の下流側に位置している。第1端子部105は、フレキシブルフラットケーブルの端部に対して着脱可能なコネクタである。第1端子部105には、後述する第1配線ケーブル110の第1読取部側端部110Bが接続される。読取ライン103が読み取った信号は、第1端子部105から出力される。
【0062】
図11(b)に示すように、第2読取部200における読取面200Aとは反対側の左端200L側には、第2端子部205が設けられている。図5に示すように、第2端子部205は、第2読取部200における搬送方向D1の下流側に位置している。第2端子部205は、第1端子部105と同様に、フレキシブルフラットケーブルの端部に対して着脱可能なコネクタである。第2端子部205には、後述する第2配線ケーブル210の第2読取部側端部210Bが接続される。読取ライン203が読み取った信号は、第2端子部205から出力される。
【0063】
図7及び図8に示す第1読取部100の姿勢について、前記方向に延びる回転軸周りに180°回転させる。そうすると、下方を向く読取面100Aが上方を向く。また、右端100Rが左側に、かつ左端100Lが右側に来る。そうすると、第1読取部100は、第2読取部200と同じ姿勢となる。このように、第1読取部100と第2読取部200とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットを採用することにより、部品が共通化されている。
【0064】
図5に示すように、第2読取部200は、搬送方向D1における第1読取部100より上流側に位置している。これにより、第2読取部200は、下壁69に対して後方に離間しており、双方の間に空きスペースが確保されている。
【0065】
画像読取装置1は、上側搬送面94Aとともに搬送路P1の上面を構成する透明板151と、透明板151の搬送路P1とは反対側を向く面に添うように設けられた第1白基準面150とを有する。第1白基準面150は、第2読取部200と対向している。また、画像読取装置1は、下側搬送面61Aとともに搬送路P1の下面を構成する透明板251と、透明板251の搬送路P1とは反対側を向く面に添うように設けられた第2白基準面250とを有する。第2白基準面250は、第1読取部100と対向している。第1白基準面150及び第2白基準面250は、第1読取部100及び第2読取部200についてシェーディング補正を行う際に、白色の基準となるものである。
【0066】
図6〜図10に示すように、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210は、複数本の被覆電線が帯状に束ねられてなるフレキシブルフラットケーブルである。なお、図8では、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の引き回し状態を見易くするため、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の長さを実際より長く図示している。また、図9では、上部カバー93を構成する上側ガイド94を図示し、上部カバー93のその他の部分については図示を省略している。さらに、図10では、基板5と、ロアシュート60との間に位置する基板カバー97の図示を省略している。
【0067】
図6〜図8に示すように、第1配線ケーブル110の基板側端部110Aは、基板5の第1接続部515に接続されている。
【0068】
第1配線ケーブル110は、基板側端部110Aから前方に延びた後、斜め45°の角度で折り曲げられて右方に延びる。次に、基板カバー97の右側の側壁部97Rの近くにおいて、斜め45°の角度で折り曲げられて前方に延びた後、ロアシュート60の右側の側壁部60Rに形成されたガイド穴60Cに進入し、上方に向きを変える。次に、図8及び図9に示すように、ガイド穴60Cの上方で後方に向きを変えて上部カバー93内に進入する。次に、斜め45°の角度で折り曲げられて左方に短く延びた後、さらに、斜め45°の角度で折り曲げられて後方に延びる。次に、下向きに180°の角度で折り曲げられて後方に延びた後、さらに、下向きに180°の角度で折り曲げられて前方に延びる。
【0069】
図5に示すように、上部カバー93の上側ガイド94には、第1読取部100を収容する第1凹部94Dが形成されている。そして、第1凹部94Dにおける第1端子部105の上方かつ前方には、第1挿入口94Gが開口している。図5及び図8に示すように、第1配線ケーブル110の第1読取部側端部110Bは、第1挿入口94Gに介して前方に延びて、第1端子部105に装着されている。
【0070】
すなわち、第1配線ケーブル110は、第1読取部100の右端100R側であって駆動部30から離れた側で搬送路P1を迂回して、第1読取部100の第1端子部105と、基板5の第1接続部515とを電気的に接続している。
【0071】
図6〜図8及び図10に示すように、第2配線ケーブル210の基板側端部210Aは、基板5の第2接続部525に接続されている。
【0072】
第2配線ケーブル210は、図6及び図7等に示すように、基板側端部210Aから前方に延びた後、斜め45°の角度で折り曲げられて左方に延びる。すなわち、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210は、左右方向にずれて配置された第1接続部525及び第2接続部525から、左右方向に互いに離れるように延びている。
【0073】
次に、第2配線ケーブル210は、基板カバー97の左側の側壁部97Lの近くにおいて、斜め45°の角度で折り曲げられて前方に延びた後、下壁69の近くで上向きに180°の角度で折り曲げられて後方に延びる。
【0074】
図5に示すように、ロアシュート60の下側ガイド61には、第2読取部200を収容する第2凹部61Dが形成されている。そして、第2凹部61Dにおける第2端子部205の下方かつ前方には、第2挿入口61Gが開口している。図5、図7及び図10に示すように、第2配線ケーブル210の第2読取部側端部210Bは、第2挿入口61Gに介して前方に延びて、第2端子部205に装着されている。
【0075】
すなわち、第2配線ケーブル210は、筐体8内における左側で、搬送路P1と駆動部30との間に割って入ることなく、そのまま延びて、第2読取部200の第2端子部205と、基板5の第2接続部525とを電気的に接続している。
【0076】
図5に示すように、第2挿入口61Gは、第1挿入口94Gに対して、搬送方向D1の上流側に位置している。これにより、図10に示すように、第2挿入口61Gは、下壁69に対して後方に離間しており、双方の間に空きスペースが確保されている。
【0077】
<画像読取動作>
上記構成である画像読取装置1では、以下のようにして、シート9の画像を読み取る。すなわち、基板5に制御されて、駆動部30が駆動を開始すると、供給ローラ71が分離パッド79とシート9を挟みながら回転して載置面51上のシート9を搬送方向D1に搬送する。この際、複数枚のシート9が重なった状態で搬送されようとしている場合、分離パッド79とシート9との間、及びシート9とシート9との間に摩擦力が作用することにより、シート9が一枚ずつ分離される。次に、搬送ローラ72が一枚ずつ分離されたシート9を第1読取部100及び第2読取部200に向けて搬送する。
【0078】
第1読取部100及び第2読取部200は、基板5に制御されて上述した画像読取動作を行うことにより、そのシート9の上面9A及び下面9Bの画像を読み取る。第1読取部100及び第2読取部200の出力信号は、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210を介して、基板5に伝達される。そして、基板5において、その出力信号を画像データ化する。そして、排出ローラ73が画像を読み取られたシート9を排出トレイ6に排出する。
【0079】
<作用効果>
実施例の画像読取装置1では、第1配線ケーブル110は、搬送されるシート9の幅方向の他端側、すなわち筐体8内における右側であって駆動部30から離れた側で搬送路P1を迂回して、第1読取部100の第1端子部105と、基板5の第1接続部515とを電気的に接続している。また、第2配線ケーブル210は、搬送されるシート9の幅方向の一端側、すなわち筐体8内における左側で、搬送路P1と駆動部30との間に割って入ることなく、そのまま延びて、第2読取部200の第2端子部205と、基板5の第2接続部525とを電気的に接続している。これにより、仮に、搬送路P1と駆動部30との間を介して第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の少なくとも一方を基板5まで引き回す場合と比較して、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の引き回しを簡素化でき、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の少なくとも一方の引き回しのために搬送路P1と駆動部30との間に確保すべき空きスペースが不要となる。
【0080】
したがって、実施例の画像読取装置1は、装置の小型化を実現できる。
【0081】
また、この画像読取装置1において、第1端子部105は、第1読取部100における搬送方向D1の下流側に位置している。また、第2端子部205は、第2読取部200における搬送方向D1の下流側に位置している。この構成によれば、第1端子部105及び第2端子部205に対して同じように前方から後方に向かって第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210を接続できるので、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の引き回しを簡素化できる。また、接続方向が異なる場合と比較して、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210の第1端子部105及び第2端子部205に対する接続作業が容易になる。
【0082】
さらに、この画像読取装置1において、第1読取部100と第2読取部200とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットである。この構成によれば、第1読取部100と第2読取部200とが共通部品となっているので、部品点数を削減できる。
【0083】
また、この画像読取装置1において、第1読取部100は、搬送路P1に対して上側に位置している。また、第2読取部200及び基板5は、搬送路P1に対して下側に位置している。このような具体的構成によれば、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0084】
さらに、この画像読取装置1において、搬送路P1は、搬送方向D1の下流側に向かって下り傾斜している。また、基板5は、第2読取部200の下側に位置している。さらに、第2読取部200は、搬送方向D1における第1読取部100より上流側に位置している。この構成によれば、図12(a)に示すように、第2読取部200を第1読取部100に上下方向で接近させることができる。実施例における第1読取部100及び第2読取部200の高さをH1とする。これに対して、図12(b)に、搬送方向D1における第1読取部100の位置と第2読取部200との位置を同じにした比較例を示す。この比較例における第1読取部100及び第2読取部200の高さをH2とする。比較例の高さH2に対して、実施例の高さH1が大幅に小さい。その結果、この画像読取装置1では、装置の高さを小さくできる。
【0085】
また、図5等に示すように、この画像読取装置1において、筐体8を構成するロアシュート60は、搬送路P1における搬送方向D1の最下流側で、搬送路P1から下方に延びる下壁69を有する。この構成によれば、下壁69により、搬送路P1における搬送方向D1の最下流側に位置する排出ローラ73の排出面6Aに対する高さが確保される。これにより、搬送されるシート9が下り傾斜したまま、排出ローラ73により、排出面6Aにスムーズに排出され易い。また、搬送方向D1における第1読取部100より上流側に位置する第2読取部200は、下壁69に対しても、搬送方向D1の上流側に離れる。これにより、下壁69と第2読取部200との間に、第2端子部205に第2配線ケーブル210を接続するためのスペースを広く確保できる。
【0086】
さらに、この画像読取装置1において、第1配線ケーブル110と基板5とが接続される第1接続部515と、第2配線ケーブル210と基板5とが接続される第2接続部525とは、左右方向にずれて配置されている。そして、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210は、第1接続部515及び第2接続部525から左右方向に互いに離れるように延びている。この構成によれば、第1配線ケーブル110の引き回しと、第2配線ケーブル210の引き回しとが干渉し難い。また、仮に、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210が並んで同じ方向に延びる場合と比較して、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210が互いに電気的な干渉を及ぼすことを抑制できる。
【0087】
また、この画像読取装置1において、第1端子部105及び第2端子部205は、第1配線ケーブル110及び第2配線ケーブル210に対して着脱可能なコネクタである。そして、第1端子部105に第1配線ケーブル110を差し込むための第1挿入口94Gに対して、第2端子部205に第2配線ケーブル210を差し込むための第2挿入口61Gが搬送方向D1の上流側に位置している。この構成によれば、搬送方向D1における第1挿入口94Gの位置と第2挿入口61Gの位置とを同じにした場合と比較して、第2配線ケーブル210を第2端子部205に接続するスペースを確保し易い。
【0088】
さらに、この画像読取装置1において、筐体8は、上側案内面94Aが搬送路P1の上面を構成する上部カバー93と、下側案内面61Aが搬送路P1の下面を構成するロアシュート60及び基板カバー97とを有する。そして、上部カバー93は、ロアシュート60及び基板カバー97に対して離接可能に設けられている。また、基板5は、ロアシュート60及び基板カバー97内に設けられている。上部カバー93に基板5が設けられると、上部カバー93が大型化し、大きなものをロアシュート60及び基板カバー97に対して離接する構成となり、上部カバー93の離接、即ち開閉が困難となる。この点、上記構成によれば、ロアシュート60及び基板カバー97内に基板5があるため、上部カバー93の離接がし易い。
【0089】
また、この画像読取装置1は、第2読取部200と対向する第1白基準面150と、第1読取部100と対向する第2白基準面250と、を有する。この構成によれば、第1読取部100、及び第2読取部200についてシェーディング補正を行う際に、各々、第2白基準面250、及び第1白基準面150を白色の基準とすることができる。
【0090】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0091】
例えば、実施例では、第1端子部105は、第1読取部100における搬送方向D1の下流側に位置し、第2端子部205は、第2読取部200における搬送方向D1の下流側に位置しているが、この構成に限定されず、その逆の位置関係であってもよい。
【0092】
また、実施例では、第1読取部100が搬送路P1に対して上側に位置し、第2読取部200及び基板5が搬送路P1に対して下側に位置しているが、この構成に限定されず、その逆の位置関係であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は例えば、画像読取装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0094】
1…画像読取装置、8…装置本体(筐体)
9…シート、9A…シートの一方の面(上面)、9B…シートの他方の面(下面)
D1…搬送方向、P1…搬送路、70…搬送部、30…駆動部、5…基板
100…第1読取部、200…第2読取部
105…第1端子部、205…第2端子部
110…第1配線ケーブル、210…第2配線ケーブル
100R…第1読取部における幅方向の他端(第1読取部の右端)
200L…第2読取部における幅方向の一端(第2読取部の左端)
515…第1接続部、525…第2接続部
69…下壁、94G…第1挿入口、61G…第2挿入口
93…上部筐体(上部カバー)、94A…上部筐体の下面(上側案内面)
60、97…下部筐体(60…ロアシュート、97…基板カバー)
61A…下部筐体の上面(下側案内面)
150…第1白基準面、250…第2白基準面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、シートを搬送方向に案内する搬送路と、
前記装置本体内に設けられ、前記シートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記装置本体内において搬送される前記シートの幅方向の一端側に設けられ、前記搬送部を駆動する駆動部と、
前記装置本体内において前記搬送路と対向するように設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの一方の面の画像を読み取る第1読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの他方の面の画像を読み取る第2読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記第1読取部及び前記第2読取部を制御する基板と、
前記第1読取部に設けられた第1端子部と前記基板とを電気的に接続する第1配線ケーブルと、
前記第2読取部に設けられた第2端子部と前記基板とを電気的に接続する第2配線ケーブルとを備え、
前記第1端子部は、前記第1読取部における前記幅方向の他端側に設けられ、
前記第2端子部は、前記第2読取部における前記幅方向の一端側に設けられ、
前記第1配線ケーブルは、前記幅方向の他端側で前記搬送路を迂回してから前記基板に接続され、
前記第2配線ケーブルは、前記幅方向の一端側で前記基板に接続されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1端子部は、前記第1読取部における前記搬送方向の下流側に位置し、
前記第2端子部は、前記第2読取部における前記搬送方向の下流側に位置している請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1読取部と前記第2読取部とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットである請求項1又は2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第1読取部は、前記搬送路に対して上側に位置し、
前記第2読取部及び前記基板は、前記搬送路に対して下側に位置している請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記搬送路は、前記搬送方向の下流側に向かって下り傾斜し、
前記基板は、前記第2読取部の下側に位置し、
前記第2読取部は、前記搬送方向における前記第1読取部より上流側に位置している請求項4記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記装置本体は、前記搬送路における前記搬送方向の最下流側で、前記搬送路から下方に延びる下壁を有する請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記第1配線ケーブルと前記基板とが接続される第1接続部と、前記第2配線ケーブルと前記基板とが接続される第2接続部とは、前記幅方向にずれて配置され、
前記第1配線ケーブル及び前記第2配線ケーブルは、前記第1接続部及び前記第2接続部から前記幅方向に互いに離れるように延びている請求項5又は6記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記第1端子部及び前記第2端子部は、前記第1配線ケーブル及び前記第2配線ケーブルに対して着脱可能なコネクタであり、
前記第1端子部に前記第1配線ケーブルを差し込むための第1挿入口に対して、前記第2端子部に前記第2配線ケーブルを差し込むための第2挿入口が前記搬送方向の上流側に位置している請求項5乃至7のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記装置本体は、下面が前記搬送路の上面を構成する上部筐体と、上面が前記搬送路の下面を構成する下部筐体とを有し、
前記上部筐体は、前記下部筐体に対して離接可能に設けられ、
前記基板は、前記下部筐体内に設けられている請求項1乃至8のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記第2読取部と対向する第1白基準面と、
前記第1読取部と対向する第2白基準面と、を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、シートを搬送方向に案内する搬送路と、
前記装置本体内に設けられ、前記シートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記装置本体内において搬送される前記シートの幅方向の一端側に設けられ、前記搬送部を駆動する駆動部と、
前記装置本体内において前記搬送路と対向するように設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの一方の面の画像を読み取る第1読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記幅方向の一端側から他端側まで延びて、搬送される前記シートの他方の面の画像を読み取る第2読取部と、
前記装置本体内において前記搬送路を挟んで前記第1読取部とは反対側に設けられ、前記第1読取部及び前記第2読取部を制御する基板と、
前記第1読取部に設けられた第1端子部と前記基板とを電気的に接続する第1配線ケーブルと、
前記第2読取部に設けられた第2端子部と前記基板とを電気的に接続する第2配線ケーブルとを備え、
前記第1端子部は、前記第1読取部における前記幅方向の他端側に設けられ、
前記第2端子部は、前記第2読取部における前記幅方向の一端側に設けられ、
前記第1配線ケーブルは、前記幅方向の他端側で前記搬送路を迂回してから前記基板に接続され、
前記第2配線ケーブルは、前記幅方向の一端側で前記基板に接続されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1端子部は、前記第1読取部における前記搬送方向の下流側に位置し、
前記第2端子部は、前記第2読取部における前記搬送方向の下流側に位置している請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1読取部と前記第2読取部とは、同一のコンタクトイメージセンサユニットである請求項1又は2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第1読取部は、前記搬送路に対して上側に位置し、
前記第2読取部及び前記基板は、前記搬送路に対して下側に位置している請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記搬送路は、前記搬送方向の下流側に向かって下り傾斜し、
前記基板は、前記第2読取部の下側に位置し、
前記第2読取部は、前記搬送方向における前記第1読取部より上流側に位置している請求項4記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記装置本体は、前記搬送路における前記搬送方向の最下流側で、前記搬送路から下方に延びる下壁を有する請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記第1配線ケーブルと前記基板とが接続される第1接続部と、前記第2配線ケーブルと前記基板とが接続される第2接続部とは、前記幅方向にずれて配置され、
前記第1配線ケーブル及び前記第2配線ケーブルは、前記第1接続部及び前記第2接続部から前記幅方向に互いに離れるように延びている請求項5又は6記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記第1端子部及び前記第2端子部は、前記第1配線ケーブル及び前記第2配線ケーブルに対して着脱可能なコネクタであり、
前記第1端子部に前記第1配線ケーブルを差し込むための第1挿入口に対して、前記第2端子部に前記第2配線ケーブルを差し込むための第2挿入口が前記搬送方向の上流側に位置している請求項5乃至7のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記装置本体は、下面が前記搬送路の上面を構成する上部筐体と、上面が前記搬送路の下面を構成する下部筐体とを有し、
前記上部筐体は、前記下部筐体に対して離接可能に設けられ、
前記基板は、前記下部筐体内に設けられている請求項1乃至8のいずれか1項記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記第2読取部と対向する第1白基準面と、
前記第1読取部と対向する第2白基準面と、を有する請求項1乃至9のいずれか1項記載の画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−115689(P2013−115689A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261541(P2011−261541)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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