説明

画像通信装置および撮像装置

【課題】撮像装置に対して遠隔操作可能な装置であって、ユーザが意図する指示内容を適用させた結果を、より適切に提示することができる画像通信装置を提供する。
【解決手段】画像通信装置は、撮像装置により撮像された撮像画像を、撮像装置から定期的に取得する取得部と、取得した撮像画像を表示する表示部と、ユーザによる、撮像装置における撮像条件を設定するための指示を受け付ける操作部と、操作部で受け付けた指示に基づく要求を撮像装置に送信する通信部と、要求を撮像装置に送信したときに、撮像装置から取得した撮像画像に、指示に応じた処理を施して表示画像を生成し、表示画像を表示部に表示させる制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像を撮像する撮像装置及びそれと通信可能な画像通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラを、他の電子制御装置を用いてリモート操作する技術が知られている。例えば、特許文献1は、デジタルカメラとホストコンピュータとを結合させて構成される撮像システムにおいて、露光量及びホワイトバランス等のカメラ制御パラメータの設定を、ホストコンピュータで可能にする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−219430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他の電子制御装置を用いてデジタルカメラを遠隔操作する場合、他の電子制御装置から遠隔操作した後、実際に操作内容が撮影画像に適用された結果が得られるまでの、通信処理及び画像処理等に要する時間に起因する遅延時間の発生が課題となる。この遠隔操作時における遅延時間の発生のために、ユーザは、意図する指示内容をデジタルカメラに反映させた結果を快適(適切)に得ることができなかった。すなわち、従来の遠隔操作はユーザの使い勝手が悪かった。
【0005】
本開示は、撮像装置を画像通信装置から遠隔操作する場合において、撮像装置においてユーザが意図する指示内容を適用させた結果を、ユーザにとってより快適に得ることができる撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における第1の画像通信装置は、撮像装置と通信可能な画像通信装置である。画像通信装置は、撮像装置により撮像された撮像画像を、撮像装置から定期的に取得する取得部と、取得した撮像画像を表示する表示部と、ユーザによる撮像装置における撮像条件を設定するための指示を受け付ける操作部と、操作部で受け付けた指示に基づく要求を撮像装置に送信する通信部と、要求を撮像装置に送信したときに、撮像装置から取得した撮像画像に、指示に応じた処理を施して表示画像を生成し、表示画像を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0007】
本開示における第2の画像通信装置は、撮像装置と通信可能な画像通信装置である。画像通信装置は、撮像装置により撮像された撮像画像を、撮像装置から定期的に取得する取得部と、取得した撮像画像を表示する表示部と、記録する画像の撮像を撮像装置に開始させるための、撮像装置に対するユーザによる指示を受け付ける操作部と、操作部で指示を受け付けたときに、指示に基づく要求と、指示を受け付けたときに撮像装置から取得した撮像画像を特定する識別情報とを撮像装置に送信する制御部と、を備える。
【0008】
本開示における第1の撮像装置は、第1の画像通信装置と通信可能な撮像装置である。第1の撮像装置は、撮像条件に基づき撮像画像を生成する撮像部と、第1の画像通信装置から要求を受信し、また、撮像部により生成された撮像画像を第1の画像通信装置に送信する通信部と、第1の画像通信装置から要求を受信したときに、要求に基づいて撮像部での撮像条件を変更する制御部とを備える。
【0009】
本開示における第2の撮像装置は、第2の画像通信装置と通信可能な撮像装置である。第2の撮像装置は、定期的に撮像画像を生成する撮像部と、撮像部により定期的に生成された画像を記録する記録媒体と、第2の画像通信装置から要求及び識別情報を受信し、また、撮像部により生成された撮像画像を第2の画像通信装置に送信する通信部と、通信部の動作を制御する制御部と、を備える。制御部は、第2の画像通信装置から要求を受信したときに、要求とともに受信した識別情報に基づいて、記録媒体に記録されている複数の画像の中から一の画像を特定し、その特定した一の画像を第2の画像通信装置に送信する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、撮像装置を画像通信装置において遠隔操作する場合において、ユーザの指示内容を適用させた結果を、ユーザにとってより快適に得ることができる撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】デジタルカメラ100とスマートフォン250のシステム構成図
【図2】デジタルカメラ100の電気的構成図
【図3】スマートフォン250の電気的構成図
【図4】デジタルカメラ100とスマートフォン250の接続動作に関するシーケンス図
【図5】従来のスマートフォン250におけるデジタルカメラ100のズーム操作を示したタイミングチャート図
【図6】実施の形態1に係るスマートフォン250におけるデジタルカメラ100のズーム操作を示したタイミングチャート図
【図7】実施の形態1に係るスマートフォン250におけるデジタルカメラ100のレリーズ操作を示したタイミングチャート図
【図8】実施の形態2に係るスマートフォン250におけるデジタルカメラ100のレリーズ操作を示したタイミングチャート図
【図9】複数台のデジタルカメラ100A、100Bとスマートフォン250の接続動作に関するシーケンス図
【図10】望遠側から広角側へのズーム操作における表示画像生成を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0014】
〔実施の形態1〕
デジタルカメラおよびスマートフォンを一例として用いて本実施の形態を説明する。
【0015】
〔1−1.構成〕
以下図面を用いて本実施形態の撮像システムの構成を説明する。
【0016】
〔1−1−1.撮像システムの構成〕
図1は、本実施形態の撮像システムの構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態の撮像システムは、デジタルカメラ100とスマートフォン250で構成される。
【0017】
デジタルカメラ100は、撮影待機画面での撮影画像データ(以下「スルー画像」と称す)および、記録した画像データ(以下「記録画像」と称す)をスマートフォン250へと送信する通信部を備える。一方、スマートフォン250は、デジタルカメラ100から送信されるスルー画像および記録画像を受信する通信部を備える。スマートフォン250は、デジタルカメラ100よりスルー画像を受信すると、スマートフォン250が備える表示部にスルー画像を表示する。また、スマートフォン250は、デジタルカメラ100へ、自己の通信部を介して、デジタルカメラ100のズーム操作やレリーズボタン押下などの指示(遠隔操作)を行うことができる。デジタルカメラ100は、スマートフォン250の指示を自己の通信部より受信し、その受信した指示に従った動作を行う。
【0018】
すなわち、本開示は、スマートフォン250からの、デジタルカメラ100に対する遠隔操作(ズーム操作、レリーズ操作等)を可能とする撮像システムを提供する。
【0019】
〔1−1−2.デジタルカメラの構成〕
図2は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は撮像した被写体像に基づく画像データを生成する。撮像により生成された画像データは、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像データはフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像データ(記録画像)は、使用者による操作部150での操作を受け付けて液晶モニタ123上に表示(再生)される。
【0020】
光学系110は、フォーカスレンズ111やズームレンズ112、絞り113、シャッタ114等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOISを含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0021】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。CCDイメージセンサ120は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。CCDイメージセンサ120の画像データ生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ130によって制御される。この画像データをスルー画像として逐一液晶モニタ123に表示することにより、使用者はリアルタイムに被写体の状況を液晶モニタ123で確認できる。
【0022】
AFE121では、CCDイメージセンサ120から読み出された画像データに対して相関二重サンプリングによる雑音抑圧、アナログゲインコントローラによるISO感度値に基づくゲインの乗算、及びADコンバータによるAD変換が施される。その後、AFE121は画像データを画像処理部122に出力する。
【0023】
画像処理部122は、AFE121から出力された画像データに対して各種の処理を施す。各種処理としては、BM(ブロックメモリ)積算、スミア補正、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。画像処理部122は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。またコントローラ130などとともに1つの半導体チップで構成してもよい。
【0024】
液晶モニタ123は、デジタルカメラ100の背面に設けられている。液晶モニタ123は、画像処理部122にて処理された画像データに基づく画像を表示する。液晶モニタ123が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。
【0025】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0026】
フラッシュメモリ142は、画像データ等を記録するための内部メモリとして機能する。また、フラッシュメモリ142は、オートフォーカス制御(AF制御)や、通信制御に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。
【0027】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0028】
カードスロット141は、メモリカード140を装着可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。
【0029】
メモリカード140は、内部にフラッシュメモリ等の記録部を備えた外部メモリである。メモリカード140は、画像処理部122で処理される画像データなどのデータを記録可能である。
【0030】
通信部171は、無線または有線の通信インターフェースであり、コントローラ130はこの通信部171を介して、アクセスポイント経由でインターネット網に接続することができる。例えば、USBやBluetooth(登録商標)、無線LAN、有線LAN等により実現可能である。
【0031】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0032】
〔1−1−3.スマートフォンの構成〕
図3は、スマートフォン250の電気的構成図である。図3を用いてスマートフォン250の構成について説明する。
【0033】
スマートフォン250は、コントローラ251、ワークメモリ252、フラッシュメモリ253、通信部254、液晶モニタ256、タッチパネル257等から構成されている。スマートフォン250はさらに撮像部や画像処理部を備えてもよい。
【0034】
コントローラ251は、スマートフォン250内の処理を全体的に制御する処理部である。コントローラ251は、ワークメモリ252、フラッシュメモリ253、通信部254、液晶モニタ256、及びタッチパネル257に電気的に接続されている。コントローラ251は、タッチパネル257を介した使用者の操作を示す操作情報を受け付ける。コントローラ251は、フラッシュメモリ253に格納されているデータを読み出すことができる。また、コントローラ251は、スマートフォン250の各部に供給される電力に関する制御も行う。また、コントローラ251は、電話機能や、インターネットを介してダウンロードした各種アプリケーションを実行する。
【0035】
ワークメモリ252は、コントローラ251が各種処理動作を実行するために必要な情報を一時的に格納するメモリである。
【0036】
フラッシュメモリ253は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、フラッシュメモリ253に格納された各種データは、適宜コントローラ251により読み出し可能である。なお、本実施の形態では、記録媒体として、フラッシュメモリ253を用いたが、フラッシュメモリでなくハードディスクドライブ等を用いても良い。
【0037】
液晶モニタ256は、コントローラ251から指示された画面を表示する表示デバイスである。
【0038】
タッチパネル257は、使用者の操作を受け付ける入力デバイスである。タッチパネル257は、受け付けた使用者の操作に応じた操作情報をコントローラ251に送信する。なお、本実施の形態では、使用者の操作を受け付ける入力デバイスとしてタッチパネル257を備えたが、タッチパネルでなくハードキーを設けても良い。
【0039】
通信部254は、コントローラ251から受け取った画像データを、インターネット網を介して他の機器に送信することができる。通信部254は、例えば、有線LANや、無線LANにより実現することが可能である。
【0040】
〔1−2.動作〕
〔1−2−1.デジタルカメラとスマートフォンの接続〕
図4は、デジタルカメラ100とスマートフォン250の接続動作に関するシーケンス図である。デジタルカメラ100とスマートフォン250の接続動作に関して図4を用いて説明する。
【0041】
まず、デジタルカメラ100側の動作について説明する。デジタルカメラ100のコントローラ130は、電源がONされると、デジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給して、デジタルカメラ100を撮影および通信が可能な状態に制御する。
【0042】
続いて、ユーザは、デジタルカメラ100の操作部150を操作して、液晶モニタ123にメニュー画面を表示させる。そして、ユーザは、操作部150を操作することにより、通信開始指示を行なうためのメニューを選択する。ユーザにより、通信開始指示を行なうためのメニューが選択されると(S400)、コントローラ130は、接続可能なアクセスポイントの探索を行う。その後、コントローラ130は、探索により発見できたアクセスポイントに接続し、デジタルカメラ100に割り当てられたIPアドレスを取得する。コントローラ130は、IPアドレスの取得を完了すると、スマートフォン250からの接続を待つ待機状態へ遷移する(S401)。
【0043】
次に、スマートフォン250側の動作について説明する。スマートフォン250のコントローラ251は、電源がONされると、スマートフォン250を構成する各部に電力を供給し、スマートフォン250を通信が可能な状態に制御する。
【0044】
続いて、ユーザは、スマートフォン250のタッチパネル257を操作して、液晶モニタ256にメニュー画面を表示させる。そして、ユーザは、タッチパネル257を操作することにより、通信開始指示を行なうためのメニューを選択する。ユーザにより、通信開始指示を行なうためのメニューが選択されると(S402)、コントローラ251は、接続可能なアクセスポイントの探索を行う。その後、コントローラ251は、探索により発見できたアクセスポイントに接続し、スマートフォン250に割り当てられたIPアドレスを取得する。スマートフォン250は、IPアドレスの取得を完了すると、デジタルカメラ100への接続を開始する状態へと遷移する(S403)。
【0045】
そして、スマートフォン250のコントローラ251は、スマートフォン250の通信部254を介して、デジタルカメラ100のコントローラ130に接続要求を通知する(E400)。
【0046】
デジタルカメラ100のコントローラ130は、接続要求を受け付けると、デジタルカメラ100の通信部171を介して、スマートフォン250に接続許可を通知する(E401)。これにより、デジタルカメラ100とスマートフォン250とは通信が確立される。
【0047】
通信が確立されると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、デジタルカメラ100の通信部171を介して、デジタルカメラ100の撮像部(CCDイメージセンサ120、画像処理部122など)により生成されたスルー画像をスマートフォン250に送信する(E402)。デジタルカメラ100において、撮像部は例えば、毎秒30フレームのスルー画像を生成しており、コントローラ130は、毎秒30フレームのスルー画像をスマートフォン250へ定期的に送信する。デジタルカメラ100のコントローラ130は、撮像部によりスルー画像が生成されている限り、かつスマートフォン250との通信状態が維持されている限り、定期的なスルー画像の送信動作を継続する。
【0048】
なお、上記においては、デジタルカメラ100およびスマートフォン250以外のアクセスポイントを経由して通信を確立する場合を例示したが、これ以外の方法によりデジタルカメラ100とスマートフォン250とは通信を確立してもよい。例えば、デジタルカメラ100およびスマートフォン250が、アドホックモードにより通信を確立するようにしてもよい。または、デジタルカメラ100およびスマートフォン250のどちらか一方がアクセスポイントの機能を有する場合、そのアクセスポイントの機能を有している一方の機器に、他方の機器が接続するようにして、通信の確立を行なうようにしてもよい。
【0049】
〔1−2−2.スマートフォンによるデジタルカメラの遠隔ズーム操作〕
スマートフォン250によるデジタルカメラ100の遠隔ズーム操作に関して図5、図6を用いて説明する。図5は、従来のスマートフォンにおけるデジタルカメラのズーム操作(ズーム倍率の変更操作)を示したタイミングチャート図である。図6は、実施の形態1に係るスマートフォン250におけるデジタルカメラ100のズーム操作を示したタイミングチャート図である。また、本実施の形態では、広角側から望遠側へのズーム操作を行った場合を例に説明を行う。
【0050】
まず、図5を用いて従来のスマートフォン250bによるデジタルカメラ100bの遠隔ズーム操作時の動作を説明する。スマートフォン250bからデジタルカメラ100bを遠隔操作する際、デジタルカメラ100やスマートフォン250内部での処理時間の遅延、及び、スマートフォン250とデジタルカメラ100の往復通信時間による遅延が発生する。このため、図5に示すように、スマートフォン250からデジタルカメラ100へ指示したズーム要求は、時刻Tだけ遅延して、スマートフォン250へのスルー画像へ反映されることとなる。
【0051】
この遅延時間Tの発生について具体的に説明する。まず、スマートフォン250bは、デジタルカメラ100bへズーム指示をする(S500)。デジタルカメラ100bは、スマートフォン250bからのズーム指示(E500)を受信すると、撮像部(CCDイメージセンサ120、画像処理部122など)による撮像画像に対してズーム処理(S501)を行い、ズーム操作結果に基づいたズーム処理結果の画像(E501)を送信する。スマートフォン250bは、デジタルカメラ100bから、ズーム処理後の画像、すなわちズーム後のスルー画像を受信すると、その画像を液晶モニタに表示する(S502)。このように、スマートフォン250bからデジタルカメラ100bに対する指示から、画像表示されるまでに、時間Tの処理遅延が発生することになる。以降、継続してデジタルカメラ100bに対してズーム指示を行なう場合においても(S503、E502、S504、E503)、常に時間Tの遅延時間が生じる。この遅延時間Tは、デジタルカメラ100において、直接ズーム操作したときと比較すると十分に長く、使用者の利便性を損なう。
【0052】
次に、図6を用いて、実施の形態1におけるスマートフォン250によるデジタルカメラ100に対する遠隔ズーム操作による動作を説明する。
【0053】
本実施の形態では、デジタルカメラ100のズーム操作前の焦点距離(画角)を25mm、ズーム操作1回当たりのズームの変化量を焦点距離に換算して5mmとした場合を例に説明する。
【0054】
デジタルカメラ100は、スマートフォン250と有線LANを介して接続され、スルー画像(E600、E601)をスマートフォン250に送信している状態である。このスルー画像(E600、E601)は、ズーム操作前のため、焦点距離25mmに相当する画角の画像である。スマートフォン250は、このスルー画像(E600、E601)をデジタルカメラ100から受信すると、スマートフォン250の液晶モニタ265に表示する(D600、D601)。このときは、スマートフォン250によりデジタルカメラ100に対して指示している焦点距離(画角)と、デジタルカメラ100から取得されるスルー画像の画角を示す焦点距離とが一致している。
【0055】
次に、スマートフォン250においてユーザによるズーム操作を受け付けた時の動作に関して説明する。
【0056】
ユーザがスマートフォン250のタッチパネル257を用いてデジタルカメラ100に対して第一のズーム指示を実施すると、スマートフォン250(コントローラ251)は第一のズーム指示を受け付ける(S600)。そして、スマートフォン250は、ユーザによる第一のズーム指示に基づき、デジタルカメラ100に対して、第一のズーム要求(E650)を送信する。第一のズーム要求(E650)は、デジタルカメラ100に対して焦点距離を30mmに変更することを要求する指示である。
【0057】
デジタルカメラ100は、スマートフォン250からの第一のズーム要求(E650)を受信すると、撮像部(CCDイメージセンサ120、画像処理部122など)による撮像画像に対して、焦点距離(画角)を30mmにするようズーム処理(S603)を行う。デジタルカメラ100は、このズーム処理の結果得られたスルー画像を、スマートフォン250へ送信する(E606)。このとき、スマートフォン250は、第一のズーム要求にしたがいズーム処理されたことにより得られる焦点距離30mmに相当する画像をデジタルカメラ100から受信する。
【0058】
第一のズーム指示(S600)の実施後、第一のズーム指示に基づくデジタルカメラ100からの結果(E606)を受信する前に、ユーザはスマートフォン250のタッチパネル257を用いて第二のズーム指示を実施する。スマートフォン250が第二のズーム指示を受け付けると(S601)、スマートフォン250は、第二のズーム指示(S601)に基づき、デジタルカメラ100に対して、第二のズーム要求(E651)を送信する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100に対して焦点距離を35mmに変更するようズーム要求を送信する。
【0059】
デジタルカメラ100は、スマートフォン250からの第二のズーム要求(E651)にしたがい、焦点距離(画角)を35mmにするようズーム処理(S604)を行う。デジタルカメラ100は、このズーム処理の結果得られたスルー画像を、スマートフォン250へ送信する(E607)。このとき、スマートフォン250は、第二のズーム要求にしたがいズーム処理されたことにより得られる焦点距離35mmに相当する画像をデジタルカメラ100から受信する。
【0060】
第二のズーム指示(S601)の実施後、第二のズーム指示に基づくデジタルカメラ100からの結果(E607)を受信する前に、ユーザは第三のズーム指示を実施する。スマートフォン250が第三のズーム指示を受け付けると(S602)、スマートフォン250は、第三のズーム指示に基づき、デジタルカメラ100に対して、第三のズーム要求(E652)を送信する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100に対して焦点距離を40mmに変更するようズーム要求を送信する。
【0061】
デジタルカメラ100は、スマートフォン250からの第三のズーム要求(E652)にしたがい、焦点距離(画角)を40mmにするようズーム処理(S605)を行う。デジタルカメラ100は、このズーム処理の結果得られたスルー画像を、スマートフォン250へ送信する(E608)。
【0062】
以上のようにして、スマートフォン250は、タッチパネル257を用いたユーザによるズーム操作にしたがいズーム要求をデジタルカメラ100に送信する。デジタルカメラ100は受信したズーム要求にしたがいズーム処理を行う。また、デジタルカメラ100は定期的にその時点で撮像されたスルー画像をスマートフォン250に送信している。
【0063】
ここで、前述の遅延時間Tの問題を解決するための、デジタルカメラ100に対する遠隔ズーム操作中における、スマートフォン250の液晶モニタ256におけるスルー画像の表示動作について説明する。
【0064】
スマートフォン250は、第一のズーム要求(E650)をデジタルカメラ100に送信した直後では、デジタルカメラ100から、焦点距離30mm相当のスルー画像は未だ受信しておらず、焦点距離25mm相当のスルー画像(E602)を受信しているのみである。本実施形態のスマートフォン250は、前述の遅延時間Tの問題を解決するため、受信している焦点距離25mm相当のスルー画像から、焦点距離30mm相当のスルー画像を生成し、液晶モニタ256に表示する(D602)。具体的には、スマートフォン250は、デジタルカメラ100から受信した焦点距離25mm相当のスルー画像(E602)から焦点距離30mm相当の画像を切り出し、この切り出した画像を液晶モニタ256に表示する(D602)。これにより、スマートフォン250は、デジタルカメラ100からの第一のズーム処理結果の画像(E606)を実際に受信する前に、あたかも第一のズーム処理がなされ得られたような画像を液晶モニタ256へ表示することが可能となる。これにより、使用者は、遅延時間Tを感じることなく、より快適にデジタルカメラ100のズーム操作を行うことができる。
【0065】
また、第二のズーム要求(E651)をデジタルカメラ100に送信した直後では、デジタルカメラ100から、焦点距離35mm相当のスルー画像は未だ受信しておらず、焦点距離25mm相当のスルー画像(E603)を受信しているのみである。スマートフォン250は、デジタルカメラ100から受信した焦点距離25mm相当のスルー画像(E603)から、焦点距離35mm相当の画像を切り出し、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する(D603)。
【0066】
同様に、第三のズーム要求(E652)の実施直後も、デジタルカメラ100から受信した焦点距離25mm相当のスルー画像(E604)から切り出しを行って、焦点距離40mm相当の画像を生成し、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示を行う(D604)。
【0067】
以上のように、スマートフォン250からデジタルカメラ100になされたズーム指示に応じた結果が返信されてくる前に、スマートフォン250は、すでに取得しているスルー画像と、ズーム指示内容とに基づき、あたかもデジタルカメラ100からズーム処理がなされたことにより得られるような画像を生成して表示する。これにより、使用者に対して遅延時間Tを感じさせることなく、デジタルカメラ100にて直接ズーム操作しているかのような操作感を提供することが可能となる。
【0068】
次に、スマートフォン250におけるズーム操作終了時の動作に関して説明する。ユーザは、第三のズーム指示(S602)にて、デジタルカメラ100へのズーム指示を終了したとする。
【0069】
スマートフォン250は、デジタルカメラ100に対する第三のズーム要求(E652)を送信した直後では、まだ第一のズーム要求(E650)の結果を受信していないため、引き続き焦点距離25mm相当のスルー画像(E605)を受信する。スマートフォン250は、あたかも焦点距離40mm相当のスルー画像をデジタルカメラ100から取得したかのように、焦点距離25mm相当のスルー画像から焦点距離40mm相当の画像を切り出してスルー画像を生成し、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する(D605)。
【0070】
その後、スマートフォン250は、第一のズーム要求(E650)に基づく、デジタルカメラ100におけるズーム処理(S603)の結果であるスルー画像(E606)を受信する。このとき、スマートフォン250が受信するスルー画像(E606)は、第一のズーム要求(E650)に基づく焦点距離30mm相当の画像となる。この時点で第三のズーム要求(焦点距離40mmへの変更要求)が送信済みであるため、スマートフォン250は、受信した第一のズーム要求(E650)に基づくスルー画像(E606)から、焦点距離40mm相当の画像を切り出したスルー画像を生成し、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する(D606)。同様に、焦点距離35mmへの変更を要求する第二のズーム要求(E651)に基づくスルー画像(E607)から、焦点距離40mm相当の画像を切り出したスルー画像を生成し、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する(D607)。
【0071】
最後に、焦点距離40mmへの変更を要求する第三のズーム要求(E652)に基づく、デジタルカメラ100におけるズーム処理(S605)の結果であるスルー画像(E608)に対しては、切り出しは行わずに、デジタルカメラ100から取得したスルー画像をそのまま、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する(D608)。
【0072】
一連のズーム操作終了後、デジタルカメラ100は、すべてのズーム操作が完了し、焦点距離40mm相当のスルー画像(E609)を送信している。また、スマートフォン250は、焦点距離40mm相当のスルー画像(E609)を受信しているため、画像切り出しを行わず、デジタルカメラ100から取得したままのスルー画像を用いて、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する(D609)。
【0073】
なお、本実施の形態では、ズーム操作毎の焦点距離換算のズーム変化量を固定値(焦点距離5mm)とし、特に、スマートフォン250からデジタルカメラ100へ通知していなかった。しかし、ズーム操作毎にズーム変化量(焦点距離25mmなど指定の焦点距離に対応するズーム量)を、スマートフォン250からデジタルカメラ100へ通知してもよい。または、デジタルカメラ100のズーム操作1回におけるズーム量を、スマートフォン250とデジタルカメラ100の接続時にデジタルカメラ100からスマートフォン250へ通知しても良い。
【0074】
〔1−2−3.スマートフォンにおけるデジタルカメラのレリーズ操作〕
スマートフォン250からのデジタルカメラ100の遠隔レリーズ操作に関して図7を用いて説明を行う。図7は、実施の形態1に係るスマートフォン250におけるデジタルカメラ100の遠隔レリーズ操作を示したタイミングチャート図である。
【0075】
図7を用いて本発明の実施の形態1におけるスマートフォン250でのデジタルカメラ100のレリーズ操作動作を説明する。
【0076】
図7は、スマートフォン250が、デジタルカメラ100のズーム操作直後に、デジタルカメラ100のレリーズ操作を行った場合の、撮像システムの動作の一実施例である。スマートフォン250における第二のズーム要求まで(E700〜E703、S700〜S701、E750〜E751)は、図6における第二のズーム要求(E600〜E603、S600〜S601、E650〜E651)までの動作と同様のため説明を省略する。
【0077】
なお、図7において、破線で示す第二のズーム要求(E751’)は、遅延なくデジタルカメラ100に到着したときの第二のズーム要求を示し、実線で示す第二のズーム要求(E751)はネットワーク遅延等により本来の到着時間より遅れてデジタルカメラ100に到着したときの第二のズーム要求を示す。以下の説明では、第二のズーム要求は、ネットワーク遅延等により本来の到着時間より遅れてデジタルカメラ100に到着したとする。
【0078】
ユーザは、スマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100に対する第二のズーム指示(S701)を実施した後、レリーズ指示(S702)を実施したとする。このとき、スマートフォン250は、デジタルカメラ100に対して、第二のズーム要求(E751)の直後にレリーズ要求(E752)を行う。その際、スマートフォン250は、レリーズ要求(E752)とともに、レリーズ指示(S702)を受けた時点でデジタルカメラ100に対して要求している最新の焦点距離(図7では焦点距離35mm相当)の情報を、デジタルカメラ100へ送信する。
【0079】
一方、デジタルカメラ100は、スマートフォン250からのレリーズ要求(E752)を受信すると、これとともに受信した最新の焦点距離の情報(図7では焦点距離35mm相当)に基づいてズーム処理を行う。具体的には、デジタルカメラ100は、現時点のズームの焦点距離が、受信した情報が示す最新の焦点距離と等しいか否かを判断し、現時点のズームの焦点距離が未だ最新の焦点距離に達していないときは、ズーム処理(ここでは、第二のズーム要求に基づくズーム処理)の完了を待つ。デジタルカメラ100は、そのズーム処理の完了後、レリーズボタン操作と同様の処理を実施し、レリーズ処理の結果得られた画像(記録画像E709)をスマートフォン250に送信する。
【0080】
上記構成によれば、レリーズ要求を受信する前に受信したズーム要求に基づくズーム処理が完了する前にレリーズ要求を受信したときでも、デジタルカメラ100は、ズーム処理の完了を待ってレリーズ処理を実行する。例えば、図7に示す例では、スマートフォン250から送信した第二のズーム要求(E751)のデジタルカメラ100への到着がネットワーク遅延により遅れ、ズーム処理の開始及びその完了が遅れている。このため、デジタルカメラ100が、レリーズ要求(E752)を受信した時点では、第二のズーム要求(E751)に基づくズーム処理が未だ完了していない。よって、デジタルカメラ100は、第二のズーム要求(E751)に基づくズーム処理の完了直後に、レリーズ処理を実行し(S705)、撮像された画像(E709)を記録画像としてスマートフォン250に送信する。同時に、撮像された画像はメモリカードに140に記録画像として記録される。
【0081】
これにより、ユーザが、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示されるスルー画像を見ながら所望のタイミング(画角)でレリーズ指示をしたときに、未だデジタルカメラ100からズーム指示に基づく画像を取得していなくても、レリーズ指示したタイミングに対応する画角(焦点距離)の画像を撮像することができる。すなわち、スマートフォン250にてレリーズ操作した使用者の意図通りの画角の画像を撮像することが可能となる。
【0082】
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、スマートフォン250上でのユーザによるレリーズ指示のタイミングに対応する画角(焦点距離)の画像データを記録した。これに対して、実施の形態2では、ユーザによるレリーズ指示のタイミングに対応する時点でデジタルカメラ100にて撮像された画像データを記録する。
【0083】
なお、実施の形態2にかかるシステムの構成と、デジタルカメラ100およびスマートフォン250の構成は実施の形態1と同様のため説明を省略する。また、デジタルカメラ100とスマートフォン250の接続動作についても図4を用いて説明したものと同様のため説明を省略する。
【0084】
本実施形態でのスマートフォン250におけるデジタルカメラ100の遠隔レリーズ操作に関して図8を用いて説明する。図8は、実施の形態2におけるスマートフォン250におけるデジタルカメラ100の遠隔レリーズ操作を示したタイミングチャート図である。なお、図8は、スマートフォン250においてデジタルカメラ100の遠隔レリーズ操作を行った場合におけるシステムの動作の一例である。
【0085】
デジタルカメラ100は、スマートフォン250と接続され、スマートフォン250にスルー画像(E800〜E807)を定期的に送信している。スマートフォン250は、このスルー画像(E800〜E807)を受信すると、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する。このとき、デジタルカメラ100が送信するスルー画像(E800〜E807)には、スルー画像を識別するための識別子が付与されている。識別子は例えば、デジタルカメラ100での画像生成時刻である。識別子は、ある一定期間において一意に識別可能なものであれば良く、単純にインクリメントされた番号、アルファベットなどでも良い。
【0086】
次に、ユーザは、スマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100に対してレリーズ指示(S800)を実施する。このとき、スマートフォン250は液晶モニタ256にスルー画像(E803)を表示している。スマートフォン250はユーザの指示にしたがいレリーズ要求(E850)をデジタルカメラ100に送信する。このレリーズ要求には、ユーザによるレリーズ指示を受けた時点で液晶モニタ256に表示されていた、デジタルカメラ100から送信されたスルー画像の識別子が付与される。例えば、図8の例において、ユーザからレリーズ指示を受けたときに液晶モニタ256にスルー画像(E803)が表示されていた場合、スマートフォン250は、レリーズ要求(E850)とともに、スルー画像(E803)の識別子をデジタルカメラ100に通知する。
【0087】
デジタルカメラ100は、スマートフォン250からのレリーズ要求(E850)およびスルー画像(E803)の識別子を受信すると、この識別子を参照して、その識別子に対応するスルー画像(E803)が生成された時刻に生成された画像データを特定する。この画像データの特定は以下のようにして行われる。本実施形態のデジタルカメラ100は、撮像部により生成された複数の画像を、スマートフォン250に送信した後も削除せずに、フラッシュメモリ142に保持している。このとき、デジタルカメラ100は、スマートフォン250側においてレリーズ指示がなされてから、実際にデジタルカメラ100でレリーズ処理が行なわれるまでの遅延時間の間に、デジタルカメラ100からスマートフォン250へ送信される画像データと、その画像データに対応する識別子とを、最低限フラッシュメモリ142上に保持している。このようにしてフラッシュメモリ142に保持された画像データと識別子を参照することにより、デジタルカメラ100は、遡った時刻における画像データを、レリーズ指示がなされたときに撮像された画像として特定することができる。
【0088】
デジタルカメラ100は、特定した画像データを記録画像(E808)として、記録画像としてメモリカード140に記録し、さらに、スマートフォン250に送信する。これにより、デジタルカメラ100は、遡った時刻における画像データを、記録画像として記録することを可能とするとともに、スマートフォン250に送信することを可能としている。
【0089】
以上のように、実施の形態2にかかるシステムでは、ユーザによるレリーズ指示のタイミングに対応する時刻の画像データを記録することができる。これにより、通信に起因するレリーズタイムラグの影響を除去することができ、ユーザが意図したタイミングにおける画像を記録することができる。
【0090】
〔実施の形態3〕
実施の形態1及び実施の形態2では、単一のデジタルカメラおよび単一のスマートフォンにより構成されたシステムにおける実施例を示した。実施の形態3では、複数のデジタルスチルカメラ(100A、100B)と、単一のスマートフォン250とにより構成されるシステムについて説明する。
【0091】
〔3−1.構成〕
実施の形態3におけるシステム構成は、デジタルスチルカメラが複数である点を除き、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。本実施の形態におけるデジタルカメラおよびスマートフォンそれぞれの構成は実施の形態1のものと同様のため、説明を省略する。
【0092】
〔3−2.動作〕
〔3−2−1.複数のデジタルカメラとスマートフォンの接続〕
複数台のデジタルカメラとスマートフォンとの接続動作に関して図9を用いて説明する。図9は、複数台(一例として2台)のデジタルカメラ100A、100Bとスマートフォン250との接続動作に関するシーケンス図である。
【0093】
デジタルカメラ100Aとスマートフォン250との接続動作(S900〜S903、E900〜E902)は、実施の形態1(図4のS400〜S403、E400〜E402)と同様のため説明を省略する。
【0094】
次に、デジタルカメラ100Aとスマートフォン250が接続された状態で、デジタルカメラ100Bとスマートフォン250を接続する際の動作に関して説明する。デジタルカメラ100Bのコントローラ130は、デジタルカメラ100Bの電源がONされると、デジタルカメラ100Bを構成する各部に電力供給し、デジタルカメラ100Bを撮影および通信が可能な状態に制御する。
【0095】
続いて、ユーザは、デジタルカメラ100Bの操作部150を操作して、液晶モニタ123にメニュー画面を表示させる。そして、ユーザは、操作部150を操作することにより、通信開始指示を行なうためのメニューを選択する。ユーザにより、通信開始指示を行なうためのメニューが選択されると(S904)、コントローラ130は、接続可能なアクセスポイントの探索を行う。コントローラ130は、探索により発見できたアクセスポイントに接続し、IPアドレスを取得する。デジタルカメラ100Bは、IPアドレスの取得を完了すると、スマートフォン250からの接続を待つ待機状態へ遷移する(S905)。
【0096】
次に、スマートフォン250側の動作について説明する。ユーザは、既にデジタルカメラ100Aと接続状態にあるスマートフォン250のタッチパネル257を操作して、液晶モニタ256にメニュー画面を表示させる。そして、ユーザは、タッチパネル257を操作することにより、デジタルカメラ100Bとの通信開始指示(接続指示)を行なうための選択項目を選択する。ユーザによるこの選択により、スマートフォン250のコントローラ251は、スマートフォン250の通信部254を介してデジタルカメラ100Bに接続要求を通知する(E903)。
【0097】
デジタルカメラ100Bのコントローラは、接続要求を受け付けると、デジタルカメラ100Bの通信部171を介して、スマートフォン250に接続許可を通知する(E904)。これにより、デジタルカメラ100Bとスマートフォン250間の通信が確立される。
【0098】
通信が確立されると、デジタルカメラ100Bのコントローラは、デジタルカメラ100Bの通信部を介して、デジタルカメラ100Bの撮像部(CCDイメージセンサ及び画像処理部など)により生成されたスルー画像を、スマートフォン250に送信する(E905)。デジタルカメラ100Bの撮像部は、例えば、毎秒30フレームのスルー画像を生成しており、デジタルカメラ100Bのコントローラは、毎秒30フレームのスルー画像を、スマートフォン250へ定期的に送信する。デジタルカメラ100Bのコントローラは、撮像部によりスルー画像が生成され、かつスマートフォン250との通信状態が維持されている限り、定期的なスルー画像の送信動作を継続する。
【0099】
スマートフォン250は、デジタルカメラ100Bからの定期的なスルー画像(E905)を受信する。スマートフォン250は、デジタルカメラ100Bから受信した定期的なスルー画像(E905)と、デジタルカメラ100Aから受信した定期的なスルー画像(E902)とをそれぞれ、スマートフォン250の表示モニタ256に2画面表示で表示する。
【0100】
以上の構成により、スマートフォン250は、複数台のデジタルカメラからスルー画像を同時に受信して表示することができる。
【0101】
なお、上記の説明においては、デジタルカメラ100A、100Bおよびスマートフォン250以外のアクセスポイントを経由して通信を確立する例を示したが、これ以外の方法によりデジタルカメラ100とスマートフォン250との通信を確立してもよい。例えば、デジタルカメラ100A、100Bおよびスマートフォン250が、アドホックモードにより通信を確立するようにしてもよい。または、デジタルカメラ100Aおよび100Bまたは、スマートフォン250のいずれかがアクセスポイントの機能を有し、そのアクセスポイントの機能を有している機器に、他の機器が接続しにいくことで、通信の確立を行なうようにしてもよい。
【0102】
また、本実施の形態では、スマートフォンと通信を確立するデジタルカメラの台数が2台の場合の例を説明したが、デジタルカメラの台数は3台以上でもよい。その場合は、スマートフォンは、液晶モニタ256に、通信が確立された3台以上のデジタルカメラから送信されるスルー画像をマルチ表示するようにしてもよい。さらに、本実施の形態では、スマートフォンの台数が1台の場合の例を説明したが、複数台のスマートフォンによりシステムを構築しても良い。複数台のスマートフォンから、同時にズーム指示等の指示が一台のデジタルカメラに通知された場合の処理の衝突を回避するために、デジタルカメラは、最も早くに指示を受けたスマートフォンからの指示内容を採用するようにしてもよいし、指示を受けることが可能なスマートフォンを予め決めておいてもよい。
【0103】
〔3−2−2.スマートフォンからの複数台のデジタルカメラに対する遠隔ズーム操作〕
スマートフォン250による複数のデジタルカメラ100A、100Bの操作に関して説明を行う。本実施の形態では、デジタルカメラ100Aのズーム操作前の焦点距離を25mm、ズーム操作1回当たりのズームの変更量を焦点距離に換算して5mmとする。また、デジタルカメラ100Bのズーム操作前の焦点距離を25mm、ズーム操作1回当たりのズームの変更量を焦点距離に換算して6mmとする。また、本実施の形態では、広角側から望遠側へのズーム操作を行った場合を例に説明を行う。
【0104】
デジタルカメラ100A、100Bは、図9に示すように、スマートフォン250と接続され、スルー画像(E902、E905)を送信している状態である。このスルー画像(E902、E905)は、ズーム操作前であるため、焦点距離25mmに相当する画角の画像である。スマートフォン250は、デジタルカメラ100A、100Bから、このスルー画像(E902、E905)を受信すると、スマートフォン250の液晶モニタ265に表示する。この時点では、スマートフォン250からデジタルカメラ100A、100Bに指示している焦点距離と、デジタルカメラ100から取得するスルー画像自体の画角に対応する焦点距離とが一致している。
【0105】
次に、ユーザは、スマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100A、100Bに対する第一のズーム指示を実施する。このとき、スマートフォン250は、ユーザによる第一のズーム指示に基づき、デジタルカメラ100A、100Bに対して第一のズーム要求を送信する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100Aに対して焦点距離30mmに変更するようズーム要求を送信し、デジタルカメラ100Bに対して焦点距離31mmに変更するようズーム要求を送信する。
【0106】
デジタルカメラ100A、100Bそれぞれにおけるズーム要求受信後の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
ユーザは、引き続きスマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100A、100Bに対する第二のズーム指示を実施する。このとき、スマートフォン250は、ユーザによる第二のズーム指示に基づき、デジタルカメラ100A、100Bに対して第二のズーム要求を送信する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100Aに対して焦点距離35mmに変更するようズーム要求を送信し、デジタルカメラ100Bに対して焦点距離37mmに変更するようズーム要求を送信する。
【0108】
また、スマートフォン250は、第一のズーム要求をデジタルカメラ100A、100Bに送信した直後に、デジタルカメラ100A、100Bから受信した焦点距離25mm相当のスルー画像(E902、E905)から切り出しを行い、表示のためのスルー画像を生成して表示する。すなわち、デジタルカメラ100A側のスルー画像については、スマートフォン250は、デジタルカメラ100Aから受信した焦点距離25mm相当のスルー画像(E902)から切り出しを行い焦点距離30mm相当の画像を生成し、液晶モニタ256に表示する。さらに、デジタルカメラ100B側のスルー画像については、スマートフォン250は、デジタルカメラ100Bから受信した焦点距離25mm相当のスルー画像(E905)から切り出しを行い焦点距離31mm相当の画像を生成し、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100A、100Bからの第一のズーム処理の結果得られる画像を受信する前に、あたかもデジタルカメラ100A、100Bにおいてズーム処理がなされた画像が液晶モニタ256に表示されているように画像表示を行うことが可能となる。これにより、使用者は、複数台のデジタルカメラの画像を受信しているときにおいても、遅延時間Tを感じることなく、より快適にデジタルカメラ100A、100Bのズーム操作を行うことができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、デジタルカメラ100A、100Bに対して同時にズーム要求を行ったが、同時に行なわず、どちらか一方にズーム要求を行なうようにしてもよい。このとき、ユーザは、ズーム要求を行なう対象のデジタルカメラとして、現在通信が確立されている方のデジタルカメラを選択する。例えば、ユーザがデジタルカメラ100Aをズーム要求を行う対象のデジタルカメラとして選択した場合、スマートフォン250は、デジタルカメラ100Aから受信するスルー画像に対してのみ切り出しを行い、あたかもデジタルカメラ100Aにおいてズーム処理がなされた画像が液晶モニタ123に表示されているように画像表示を行うことができる。これにより、単一のスマートフォンに対して複数台のデジタルカメラの通信が確立された状態において、所望の一つのデジタルカメラに対してのみズーム処理を要求することができる。
【0110】
〔3−2−3.スマートフォンからの複数台のデジタルカメラに対する遠隔レリーズ操作〕
デジタルカメラ100A、100Bは、図9に示すように、スマートフォン250と接続され、スルー画像(E902、E905)を定期的に送信している状態である。スマートフォン250は、このスルー画像(E902、E905)を受信すると、液晶モニタ256に対して映像表示を行う。このとき、デジタルカメラ100A、100Bが送信するスルー画像(E902、E905)には、スルー画像を識別する識別子と、送信元のデジタルカメラを識別するための識別子とが付与されている。デジタルカメラ100A、100Bにより付与されるスルー画像の識別子は、例えば、デジタルカメラ100A、100Bでの画像生成時刻である。なお、スルー画像の識別子は、ある一定期間で一意に識別可能なものであれば良く、単純にインクリメントされた番号、アルファベットなどでも良い。デジタルカメラ100A、100Bを識別するための識別子は、デジタルカメラのIPアドレス、無線LANデバイス等に付与されているMACアドレスなどである。なお、デジタルカメラを識別するための識別子は、スマートフォン250とデジタルカメラ100A、100Bとの接続時にスマートフォン250により割り当てられた番号等を用いても良い。
【0111】
このような状態で、ユーザはスマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100に対してレリーズ指示を実施する。このとき、スマートフォン250は、液晶モニタ256に対して、スルー画像(E902、E905)を表示している。スマートフォン250は、ユーザによるレリーズ指示に基づき、デジタルカメラ100A、100Bに対してレリーズ要求を送信する。このとき、スマートフォン250は、デジタルカメラ100A、100Bに対して、スマートフォン250からのレリーズ要求とともに、デジタルカメラ100A、100Bから送信されているスルー画像の識別子も合わせて通知する。
【0112】
デジタルカメラ100A、100Bは、スマートフォン250からのレリーズ要求およびスルー画像の識別子を受信すると、この識別子を参照して、その識別子に対応するスルー画像(E803)が生成された時刻に生成された画像データを特定する。デジタルカメラ100A、100Bは、特定した画像データを記録画像として、スマートフォン250に送信する。なお、デジタルカメラ100A、デジタルカメラ100Bは、撮像部により生成された画像を、スマートフォン250に送信した後も削除せずに、フラッシュメモリ上に保持している。このとき、デジタルカメラ100A、100Bは、スマートフォン250側においてレリーズ指示がなされてから、実際にデジタルカメラ100A、100Bでレリーズ処理が行なわれるまでの遅延時間の間に、デジタルカメラ100A、100Bからスマートフォン250へと送信される画像データと、その画像データに対応する識別子とを、最低限フラッシュメモリ上に保持している。これにより、デジタルカメラ100A、100Bは、遡った時刻における画像データを送信することを可能としている。
【0113】
以上のように、本実施の形態にかかるシステムでは、各デジタルカメラにおいてユーザによるレリーズ指示のタイミングに対応する時刻の画像データを記録することができる。これにより、複数台のデジタルカメラで構成されたシステムにおいても、通信に起因するレリーズタイムラグの影響を除去することができ、ユーザが意図したタイミングにおける画像を記録することができる。
【0114】
〔他の実施の形態〕
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1〜3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0115】
上記実施の形態では、スマートフォン上でのズーム操作およびレリーズ操作について説明したが、本開示の内容はこれらの操作に限定されず、他の操作に対しても適用可能である。例えば、スマートフォン250における露出やホワイトバランスなどの画質の変更操作に対しても、本開示の思想を適用可能である。このとき、スマートフォン250は、デジタルカメラ100から指示内容を反映したスルー画像を受信する前においては、取得済みのスルー画像に対して、操作指示内容に基づく画質の変更処理を行った後に、処理後の画像を液晶モニタ256に表示する。これにより、ユーザが意図したタイミングで画質変更後のスルー画像を確認することができる。
【0116】
さらに、デジタルカメラ100とスマートフォン250とが通信を確立するときに、スマートフォン250が、デジタルカメラ100のメニュー画面に関する情報をデジタルカメラ100から予め取得しておくようにしてもよい。これにより、スマートフォン250からデジタルカメラ100へメニュー画面表示の要求を行う際にも、あらかじめ取得したメニュー画面情報に基づき、スマートフォン250側でメニュー画面を作成し表示することが可能となり、メニュー画面表示に係る遅延時間Tを削減することが可能である。
【0117】
さらに、スマートフォン250において、画像を記録する前に、予め記録画像を送信する送信先(例えば、デジタルカメラ)を設定しておいてもよい。これにより、スマートフォン250においてレリーズ操作が実施されたときに、スマートフォン250はレリーズ操作に基づく記録画像を受信したときに、受信した記録画像を、設定された送信先に転送するようにしても良い。
【0118】
また、上記実施の形態では、広角側から望遠側へ画角を変更するズーム操作を説明したが、ズーム操作はこれに限定されない。望遠側から広角側へ画角を変更するズーム操作に対しても本開示の思想は適用できる。図10を用いて、望遠側から広角側へ画角を変更するズーム操作におけるデジタルカメラ100のスルー画像生成およびスマートフォン250におけるスルー画像の表示方法に関して一例を説明する。
【0119】
デジタルカメラ100は、当初、ズーム状態が焦点距離35mm相当の画角に設定されている状態とする。また、デジタルカメラ100に対するズーム指示は、ズーム操作1回当たりのズーム変更量を焦点距離に換算して5mmとした場合を例に説明する。
【0120】
ユーザは、スマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100に対して、望遠側から広角側へ画角を変更するためのズーム指示を行う。スマートフォン250は、ユーザによるズーム指示に基づき、デジタルカメラ100に対して、ズーム要求を送信する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100に対して、焦点距離30mmに変更するようズーム要求を送信する。
【0121】
このとき、スマートフォン250は、ユーザに対して、指定のズーム処理結果が反映されるまでの遅延時間Tを感じさせないようにするために、図10に示す(A)又は(B)に示す切り出し処理を行なう。
【0122】
図10(A)に示す例では、スマートフォン250は、ズーム要求をデジタルカメラ100に送信した直後に、デジタルカメラ100から受信した焦点距離35mm相当のスルー画像に対して、その周囲に帯(例えば、黒い領域)を付与して焦点距離30mm相当の画像を生成し(デジタルカメラ100から受信したスルー画像は適切にリサイズした後)、これをスマートフォン250の液晶モニタ256に表示する。このように表示された画像は、焦点距離30mm相当の画像全体のうち周囲の部分が帯びで隠され、中央部分のみ被写体の画像が示された画像となる。このような画像表示により、ユーザは、より広角側へ画角が変更されたことを感じることができる。よって、ズームを望遠側から広角側のズーム操作においても、ユーザは遅延時間Tを感じることなく、より快適にデジタルカメラ100のズーム操作を行うことができる。
【0123】
また、図10(B)に示す例では、スマートフォン250は、デジタルカメラ100から定期的に受信するスルー画像をあらかじめ余裕を持って切り出しを行い、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示するようにする。これにより、望遠側から広角側のズーム操作において、表示画像の周囲に帯を付与することなく、同様のズーム操作を提供することができる。
【0124】
例えば、図10(B)の例において、スマートフォン250は、デジタルカメラ100から定期的に送信されるスルー画像を、焦点距離換算で10mm相当分常に余裕を持って切り出して、スマートフォン250の液晶モニタ256で表示を行う。例えば、デジタルカメラ100から定期的に送信されるスルー画像が焦点距離25mm相当の画角の画像であるとき、スマートフォン250は、焦点距離25mm相当の画像から、焦点距離で10mm相当分大きい画像を切り出して、焦点距離35mm相当のスルー画像を生成し、液晶モニタ256に表示しておく。すなわち、ユーザには、焦点距離35mm相当のスルー画像を提示する。
【0125】
この状態で、ユーザがスマートフォン250のタッチパネル257を用いて、デジタルカメラ100に対して、より広角側へのズーム指示を行った場合、スマートフォン250は、ユーザによるズーム指示に基づき、デジタルカメラ100に対して、ズーム要求を送信する。すなわち、スマートフォン250は、デジタルカメラ100に対して、焦点距離20mmに変更するようズーム要求を送信する。
【0126】
このとき、スマートフォン250は、ズーム要求をデジタルカメラ100に送信した直後に、デジタルカメラ100から受信した焦点距離25mm相当のスルー画像に対して、焦点距離30mm(=20mm+10mm)相当の画像を切り出してスルー画像を生成して、スマートフォン250の液晶モニタ256に表示する。これにより、表示画像周囲に帯が付与されることなく、ユーザは、より広角側へのズーム処理がなされたことを感じることができ、遅延時間Tを感じることなく、より快適にデジタルカメラ100のズーム操作を行うことができる。
【0127】
実施の形態3では、複数のデジタルカメラと単一のスマートフォンにおいて、画像識別子に対応する記録動作を説明したが、図7と同様の動作にて、各デジタルカメラでのズームポジションに対応する画像の記録動作をするようにしても良い。
【0128】
なお、本開示の思想は、レンズ一体型のカメラに限定されず、レンズ交換式のカメラに対しても適用可能であることは言うまでも。
【0129】
以上のように、本開示における技術の例示として、上記の実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0130】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本開示は、画像を撮像する撮像装置と、その撮像装置と通信が可能で、その撮像装置に対して遠隔操作を行うことができる通信装置とに適用可能である。具体的には、本開示は、デジタルカメラ及びムービーカメラ並びにスマートフォンに適用可能である。
【符号の説明】
【0132】
100…デジタルカメラ
111…フォーカスレンズ
112…ズームレンズ
113…絞り
114…シャッタ
120…CCDイメージセンサ
121…AFE(アナログ・フロント・エンド)
122…画像処理部
123…液晶モニタ
124…バッファメモリ
130…コントローラ
140…メモリカード
141…カードスロット
142…フラッシュメモリ
150…操作部
171…通信部
250…スマートフォン
251…コントローラ
252…ワークメモリ
253…フラッシュメモリ
254…通信部
256…液晶モニタ
257…タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と通信可能な画像通信装置であって、
前記撮像装置により撮像された撮像画像を、前記撮像装置から定期的に取得する取得部と、
前記取得した撮像画像を表示する表示部と、
ユーザによる前記撮像装置における撮像条件を設定するための指示を受け付ける操作部と、
前記操作部で受け付けた指示に基づく要求を前記撮像装置に送信する通信部と、
前記要求を前記撮像装置に送信したときに、前記撮像装置から取得した撮像画像に、前記指示に応じた処理を施して表示画像を生成し、当該表示画像を前記表示部に表示させる制御部と、
を備えた画像通信装置。
【請求項2】
撮像条件はズーム倍率であり、
前記制御部は、前記要求を前記撮像装置に送信したときに、前記撮像装置から取得した撮像画像から、前記指示が示すズーム倍率に対応する画角の画像を生成し、当該画像を前記表示部に表示させる、
請求項1記載の画像通信装置。
【請求項3】
撮像条件は露出またはホワイトバランスであり、
前記制御部は、前記要求を前記撮像装置に送信したときに、前記撮像装置から取得した撮像画像から、前記指示が示す条件に対応する画質の画像を生成し、当該画像を前記表示部に表示させる、
請求項1記載の画像通信装置。
【請求項4】
撮像装置と通信可能な画像通信装置であって、
前記撮像装置により撮像された撮像画像を、前記撮像装置から定期的に取得する取得部と、
前記取得した撮像画像を表示する表示部と、
記録する画像の撮像を前記撮像装置に開始させるための、前記撮像装置に対するユーザによる指示を受け付ける操作部と、
前記操作部で前記指示を受け付けたときに、前記指示に基づく要求と、前記指示を受け付けたときに前記撮像装置から取得した撮像画像を特定する識別情報とを前記撮像装置に送信する制御部と、
を備えた、画像通信装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像通信装置と通信可能な撮像装置であって、
撮像条件に基づき撮像画像を生成する撮像部と、
前記画像通信装置から前記要求を受信し、また、前記撮像部により生成された撮像画像を前記画像通信装置に送信する通信部と、
前記画像通信装置から前記要求を受信したときに、該要求に基づいて前記撮像部での撮像条件を変更する制御部と、
を備えた撮像装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像通信装置と通信可能な撮像装置であって、
定期的に撮像画像を生成する撮像部と、
前記撮像部により定期的に生成された画像を記録する記録媒体と、
前記画像通信装置から前記要求及び前記識別情報を受信し、また、前記撮像部により生成された撮像画像を前記画像通信装置に送信する通信部と、
前記通信部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記画像通信装置から前記要求を受信したときに、前記要求とともに受信した前記識別情報に基づいて、前記記録媒体に記録されている複数の画像の中から一の画像を特定し、その特定した一の画像を前記画像通信装置に送信する、
撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−110738(P2013−110738A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236913(P2012−236913)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】