説明

画像閲覧装置、画像閲覧方法、及びプログラムを提供する

【課題】画像データの元となった媒体の著作権による保護と、画像閲覧時のセキュリティの確保とを図りつつ、端末装置での画像の閲覧を可能にする、画像閲覧装置、画像閲覧方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像閲覧装置1は、画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するパスワード設定部3と、パスワードを含む電子メールを生成し、それを、画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信する電子メール送信部4と、端末装置10から認証情報が入力されると、端末装置10に、パスワードの入力を求め、入力されたパスワードが、パスワード設定部3が設定したパスワードと一致するかどうかを判定する認証処理部5と、一致すると判定された場合に、端末装置10による、入力されたパスワードに対応する画像データの画像の閲覧を可能にする画像閲覧部6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置による画像の閲覧を可能にする画像閲覧装置及び画像閲覧方法、更には、コンピュータによって画像閲覧装置を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図書館は、利用者に対して文献複写サービスを行っている。この文献複写サービスでは、申し込みを受けた図書館は、申し込まれた文献を所蔵していない場合は、他の図書館に対して文献の複写を依頼する。そして、複写物は、依頼を受けた図書館からファックスや郵便によって、利用者に届けられる。また、近年においては、図書館同士でのやり取りの効率化と、誤った複写物が届けられてしまうミスの除去とを図るため、コンピュータを利用した文献複写システムも開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、特許文献1に開示されている文献複写システムであっても、上述したように、複写物のデリバリは、ファックスや郵送によるため、利用者が複写物を注文してから受け取るまでに時間がかかるという問題がある。よって、従来からの文献複写システムにおいては、複写物のデリバリ方法について改善する必要がある。
【0004】
一方、現在においては、インターネットの普及により、各種の書類を画像データに変換してオンラインで送信する技術が知られている。従って、上記の文献複写システムに、文献の複写物を画像データに変換して、これを送信する技術を適用すれば、上述のデリバリの問題は解決できると考えられる。
【0005】
但し、文献の複写物を画像データに変換して、これを利用者に送信することは、既存の技術によって簡単に実現可能ではあるが、単に画像データを送信するだけでは、文献の著作権による保護が不十分になってしまう。このため、文献複写システムにおいては、文献の画像データの送信は、例えば、特許文献2に開示されているシステムを利用して行うことが望ましいと考えられる。特許文献2に開示されているシステムでは、送信された画像の閲覧のみが可能となり、画像データのコピーはできないようになっている。また、利用者は、閲覧する際に、認証IDとパスワードとを入力する必要がある。
【特許文献1】特開2004−362396号公報
【特許文献2】特開2004−287997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムと、特許文献2に開示されたシステムとを組み合わせたシステムであっても、画像を閲覧するまでに求められるパスワードの回数は一回限りである。このため、セキュリティの確保は十分でないと考えられる。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解消し、画像データの元となった媒体の著作権による保護と、画像閲覧時のセキュリティの確保とを図りつつ、端末装置での画像の閲覧を可能にする、画像閲覧装置、画像閲覧方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明における画像閲覧装置は、外部の端末装置による画像の閲覧を可能にするための画像閲覧装置であって、
前記画像の画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するパスワード設定部と、
設定された前記パスワードを含む電子メールを生成し、生成した前記電子メールを、前記パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信する、電子メール送信部と、
前記端末装置から予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、前記端末装置に、前記画像データに設定されたパスワードの入力を求め、そして、入力されたパスワードが、前記パスワード設定部が設定したパスワードと一致するかどうかを判定する認証処理部と、
前記認証処理部が、一致すると判定した場合に、前記端末装置による、入力された前記パスワードに対応する前記画像データの前記画像の閲覧を可能にする画像閲覧部とを備えている、ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明における画像閲覧方法は、外部の端末装置による画像の閲覧を可能にするための画像閲覧方法であって、
(a)前記画像の画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するステップと、
(b)設定された前記パスワードを含む電子メールを生成し、生成した前記電子メールを、前記パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信するステップと、
(c)前記端末装置から予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、前記端末装置に、前記画像データに設定されたパスワードの入力を求め、そして、入力されたパスワードが、前記パスワード設定部が設定したパスワードと一致するかどうかを判定するステップと、
(d)前記(c)のステップで一致すると判定した場合に、前記端末装置による、入力された前記パスワードに対応する前記画像データの前記画像の閲覧を可能にするステップとを有する、ことを特徴とする。
【0010】
更に、上記目的を達成するため、本発明におけるプログラムは、外部の端末装置による画像の閲覧をコンピュータによって可能にするためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記画像の画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するステップと、
(b)設定された前記パスワードを含む電子メールを生成し、生成した前記電子メールを、前記パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信するステップと、
(c)前記端末装置から予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、前記端末装置に、前記画像データに設定されたパスワードの入力を求め、そして、入力されたパスワードが、前記パスワード設定部が設定したパスワードと一致するかどうかを判定するステップと、
(d)前記(c)のステップで一致すると判定した場合に、前記端末装置による、入力された前記パスワードに対応する前記画像データの前記画像の閲覧を可能にするステップとを実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明における画像閲覧装置、画像閲覧方法、及びプログラムによれば、画像データの元となった媒体の著作権による保護と、画像閲覧時のセキュリティの確保とを図りつつ、端末装置での画像の閲覧を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態における画像閲覧装置、画像閲覧方法、及びプログラムについて、図1〜図5を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態における画像閲覧装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における画像閲覧装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態における画像閲覧装置1は、外部の端末装置11による画像の閲覧を可能にするための装置である。また、本実施の形態では、画像閲覧装置1は、図書館で所蔵されている文献から生成した画像データを閲覧する場合に、利用されており、既存の図書館システム20から、文献の画像データ、及び文献の閲覧を希望する利用者を特定する情報(利用者情報)を受け取っている。
【0014】
図1に示すように、画像閲覧装置1は、パスワード設定部3と、電子メール送信部4と、認証処理部5と、画像閲覧部6とを備えている。パスワード設定部3は、図書館システムから受け取った文献の画像データ毎に閲覧用のパスワードの設定を行っている。電子メール送信部4は、設定されたパスワードを含む電子メールを生成し、生成した電子メールを、パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信する。
【0015】
認証処理部5は、端末装置11によって、予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、つまり、利用者が端末装置11を介して入力した情報が設定された認証情報と一致すると、端末装置11に、画像データに設定されたパスワードの入力を求める。そして、認証処理部5に入力されたパスワードが、パスワード設定部3が設定したパスワードと一致するかどうかを判定する。画像閲覧部6は、認証処理部5によってパスワードが一致すると判定された場合に、端末装置11に、入力されたパスワードに対応する画像データを閲覧させる。
【0016】
このように、画像閲覧装置1は、利用者に対して、認証情報の入力と、閲覧用のパスワードの入力とを要求し、全ての入力が適切な場合に初めて、利用者に画像の閲覧を認めている。このため、画像閲覧装置1を用いれば、特許文献1のシステムと特許文献2のシステムとを組み合わせた場合よりも、セキュリティの確保が図られる。また、画像閲覧部6は、文献の画像の閲覧のみを利用者に認めるため、著作権による保護も図られることとなる。
【0017】
ここで、本実施の形態における画像閲覧装置1及びその周辺について、図2〜図4を用いて更に具体的に説明する。図2は、画像閲覧用のパスワードが記された電子メールの一例を示す図である。図3は、認証処理におけるログイン画面の一例を示す図である。図4(a)は、認証後に表示される一覧画面の一例を示す図であり、図4(b)は、閲覧されている画像の一例を示す図である。
【0018】
先ず、画像閲覧装置1との間でデータのやり取りを行う図書館システム20について説明する。図書館システム20は、大学や地方自体が運営する図書館に導入されているシステムであり、所蔵されている図書の情報(著者名、題名、出版社、発行年月日、棚の位置、貸し出し状況等)の管理を行っている。また、利用者は、自己の端末装置11や、図書館に備え付けの端末装置を用いて、図書システム20に対して文献の複写を求めることができる。
【0019】
文献複写が求められると、図書館システム20は、求められた文献が、当該図書館で所蔵されているかどうかの検索を行う。そして、図書館システム20は、当該図書館が所蔵している場合は、図書館員の端末装置にそのことを通知する。その後、検索された文献は、図書館員によってスキャンニングされ、文献の画像データが生成される。生成された画像データは、図書館システム20を介して、画像閲覧装置1に送信される。また、文献の画像に対して、それを閲覧可能な期限が設定されている場合は、画像データには、期限を特定する情報も付加されている。
【0020】
また、通常、画像データの生成には、時間がかかるため、図書館システム20は、文献複写が求められると、先に、画像データと連携する申込情報を生成し、これを画像閲覧装置1に送信する。申込情報は、申込番号や、画像の閲覧を申し込んだ利用者のID(識別番号)、更には、文献名(論文名)、著者名、刊行年月日といった書誌的事項を含んでいる。
【0021】
なお、図書館システム20は、当該図書館が所蔵していない場合は、利用者が使用している端末装置に、文献が所蔵されていない旨を通知する。但し、図書館によっては、求められた文献を所蔵している別の図書館をサーチし、サーチされた別の図書館に対して、利用者に代わって文献複写を依頼するサービスを行っている。
【0022】
次に、画像閲覧装置1の各部について具体的に説明する。本実施の形態では、画像閲覧装置1は、更に、図書館システム20が送信する画像データ及び利用者情報の入力を受け付けるデータ受付部2と、期限管理部7と、記憶装置8とを備えている。記憶装置8は、利用者情報が蓄積される利用者データベース9と、図書館システム20から送信された画像データが蓄積される画像データ・データベース10とを構築している。
【0023】
本実施の形態では、文献の複写を求める利用者は、予め、図書館システム20に登録しておく必要がある。登録されると、利用者には、ID(ログインID)と認証用のパスワード(認証パスワード)とが付与される。その後、利用者は、文献の複写を申し込むことが可能となる。また、利用者が、図書館システム20に対して、利用者登録を行うと、利用者情報が、利用者データベース9に記憶される。利用者情報には、利用者のID(ログインID)、認証パスワード、利用者の電子メールのアドレス等が含まれている。また、利用者の電子メールのアドレスは、利用者のIDと紐付けられており、利用者IDが特定されると、電子メールのアドレスも特定される。
【0024】
データ受付部2は、本実施の形態では、先ず、図書館システム20が送信した申込情報を受け付け、その後、それと連携する画像データを受け付けている。申込情報及び画像データは、画像データ・データベース10に送られ、そこで互いに連携された状態で蓄積される。本実施の形態では、画像データ・データベース10は、利用者毎(申込情報毎)に画像データを記憶している。例えば、同一の文献について閲覧を求める利用者が複数存在する場合は、画像データ・データベース10は、画像データが同一であっても、利用者毎に画像データを記憶する。
【0025】
また、データ受付部2は、画像データより先に、申込情報を受け取ると、画像データ・データベース10に申込レコードを生成する。これにより、後述の図4(a)に示すように、一覧画面上の該当する申込番号の状況の欄に、「受付中」が表示される。その後、データ受付部2は、先に受け取った申込情報と連携する画像データを受け取った場合は、申込レコードに、画像データに関する情報、例えば、画像のパスや有効期限等を追記する。この結果、後述の図4(a)に示すように、一覧画面の該当する申込番号の状況の欄には、「閲覧可能」が表示され、その横には、パスワードの入力欄が設けられる。
【0026】
パスワード設定部3は、本実施の形態では、データ受付部2によって画像データが受け付けられ、受け付けられた画像データが、画像データ・データベース10に蓄積される度に、各画像データにパスワードを設定している。また、パスワード設定部3は、例えば、アルファベット、数字、記号をランダムに組み合わせて、予め決められている桁数のパスワードを生成する。生成されたパスワードは、画像データと関連付けられた状態で、画像データ・データベース10に格納される。なお、本実施の形態では、パスワードの設定方法は、特に限定されるものではない。
【0027】
また、電子メール送信部4は、本実施の形態では、例えば、図2に示す電子メールを生成する。更に、電子メール送信部4は、画像データ・データベース9に蓄積されている申込情報から利用者のIDを特定し、このIDを手がかりにして、利用者データベース9に蓄積されている利用者情報から、送信先の電子メールアドレスを特定する。この結果、パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスが特定されたこととなる。
【0028】
更に、本実施の形態では、認証処理部5は、先ず、図3に示すように、利用者に、端末装置11を介して、認証を行わせる。具体的には、認証処理部5は、図3に示すように、端末装置11の表示画面に認証画面を表示させ、ログインID(利用者のID)とパスワードとを入力させる。
【0029】
利用者は、上述したように、文献複写を要求する前に、予め、画像閲覧装置1の管理者に対して登録を行い、ログインID及び認証パスワードを取得している。認証処理部5は、入力されたログインID及び認証パスワードが、利用者データベース9に記憶されているログインID及び認証パスワードと一致するかどうかを判定する。
【0030】
また、本実施の形態では、認証処理部5は、利用者のログイン(認証)を認める場合は、図4(a)に示すように、利用者の申し込み状況を示す一覧画面を、利用者の端末装置11の表示画面に表示させる。一覧画面には、申し込まれた文献複写の状況、例えば、「期限終了」、「閲覧可能」、「受付中」が申込番号毎に示されている。また、閲覧が可能な文献については、パスワードの入力欄が設けられている。利用者が入力欄にパスワードを入力すると、認証処理部5は、画像データ・データベース10にアクセスし、入力されたパスワードが、対応する画像に設定されたパスワードと一致するかどうかを判定し、判定結果を画像閲覧部6に通知する。
【0031】
画像閲覧部6は、パスワードが正しい場合は、図4(b)に示すように、利用者が、端末装置11の表示画面を介して、文献の画像を閲覧できるようにする。期限管理部7は、蓄積されている画像データ毎に有効期限を設定し、有効期限に達した画像データを記憶装置8から削除する。有効期限の開始時点は、画像データが蓄積された時点等に、適宜設定される。
【0032】
具体的には、期限管理部7は、画像データに付加されている期限に基づいて、画像データ・データベース10で蓄積する期間を設定する。そして、期限管理部7は、一定期間毎に、各画像データの有効期限が満了していないかどうかを判定する。判定の結果、有効期限が満了すると、期限管理部7は、画像データを画像データ・データベース10から削除する。この場合、認証処理部5は、図4(a)に示した一覧画面において、該当する画像データの対応する状況の欄に「期限終了」と表示させる。このように、本実施の形態では、画像閲覧装置1は、利用者が文献の画像を閲覧できる期間に制限を設けることができるため、よりいっそう著作権の保護が図られる。
【0033】
次に、本発明の実施の形態における画像閲覧方法について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態における画像閲覧方法で行われる処理を示すフロー図である。但し、本実施の形態では、画像閲覧方法は、図1に示した本実施の形態における画像閲覧装置を動作させることによって実施される。このため、以下の説明では、適宜図1〜図4を参酌しながら、画像閲覧装置の動作と共に画像閲覧方法を説明する。
【0034】
図5に示すように、画像閲覧装置1において、先ず、データ受付部2は、図書館システム20が送信した申込情報の入力を受け付けると、その後、暫くしてから、画像データの入力を受け付ける(ステップS1)。申込情報と画像データとは、互いに連携した状態で、記憶装置8の画像データ・データベース10に蓄積される。
【0035】
次に、パスワード設定部3が、ステップS1で受け付けられた画像データに対して、パスワードを設定する(ステップS2)。そして、パスワード設定部3は、ステップS2で設定されたパスワードを、電子メール送信部4に通知すると共に、画像データ・データベース10に、画像データと紐付けた状態で記憶させる。
【0036】
次に、電子メール送信部4が、ステップS2で設定されたパスワードを含む電子メールを生成し、それを、利用者の電子メールアドレスに送信する(ステップS3)。なお、ステップS3においては、送信者の電子メールアドレスは、画像データに関連付けられた申込情報中の利用者のIDから特定されている。
【0037】
そして、ステップS3によって利用者に電子メールが送信され、利用者が、端末装置10を介して、画像閲覧装置1にアクセスすると、認証処理部5は、図3に示したように、端末装置11の表示画面に認証画面を表示させる(ステップS4)。なお、ステップS3の終了後、即座にステップS4が実行される必要はなく、両者の間には、利用者に起因する期間(例えば、数時間、数日等)が存在する。
【0038】
次に、利用者が、認証画面から、ログインID及び認証パスワードを入力すると、認証処理部5は、入力されたログインID及び認証パスワードが、利用者データベース9に記憶されているログインID及び認証パスワードと一致するかどうかを判定する(ステップS5)。ステップS5の判定の結果、一致しない場合は、認証処理部5は、認証できなかったことを認証画面で通知し、処理を終了する。
【0039】
一方、ステップS5の判定の結果、一致する場合は、認証処理部5は、図4(a)に示した一覧画面を、端末装置10の表示画面に表示させる(ステップS6)。一覧画面の表示により、利用者は、画像閲覧用のパスワードを入力できる状態となる。なお、このとき、既に、閲覧の有効期限が過ぎてしまった画像データについては、パスワードを入力できる欄が表示されないため、利用者にとって閲覧は不可となる。
【0040】
次に、利用者がパスワードを入力すると、認証処理部5は、画像データ・データベース10にアクセスし、入力されたパスワードが、対応する画像に設定されたパスワードと一致するかどうかを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定の結果、一致しない場合は、認証処理部5は、パスワードが正しくない旨を一覧画面上で通知し、処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS7の判定の結果、一致する場合は、認証処理部5は、一致する旨を画像閲覧部6に通知する。画像閲覧部6は、認証処理部5から一致する旨の通知を受けると、文献の画像データを端末装置11に送信し、利用者が、端末装置11の表示画面によって文献の画像を閲覧できるようにする(ステップS8)。ステップS8の終了により、一連の処理は終了する。
【0042】
このように、本実施の形態における画像閲覧方法では、利用者に対して、認証情報の入力と、閲覧用のパスワードの入力とを要求し、全ての入力が適切な場合に初めて、利用者に画像の閲覧を認めている。画像閲覧装置1についての説明で既に述べたように、本実施の形態における画像閲覧方法によれば、セキュリティの確保が図られることとなる。また、同時に、文献の著作権による保護も図られることとなる。
【0043】
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図5に示すステップS1〜S8を実行させるプログラムであれば良い。本実施の形態におけるプログラムをコンピュータにインストールし、このプログラムを実行することによって、本実施の形態における画像閲覧装置を実現でき、また画像閲覧方法を実行できる。
【0044】
この場合、コンピュータのCPU(central processing unit)は、データ受付部2、パスワード設定部3、電子メール送信部4、認証処理部5、画像閲覧部6及び期限管理部7として機能し、処理を行なう。また、記憶装置8は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置によって、又はネットワークによって接続された別のコンピュータの記憶装置によって実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の画像閲覧装置、画像閲覧方法、及びプログラムは、文献、資料(特に秘匿性の高い資料)、写真といった情報を、特定の利用者にのみ閲覧させたい場合に有効であり、産業上の利用可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における画像閲覧装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像閲覧用のパスワードが記された電子メールの一例を示す図である。
【図3】図3は、認証処理におけるログイン画面の一例を示す図である。
【図4】図4(a)は、認証後に表示される一覧画面の一例を示す図であり、図4(b)は、閲覧されている画像の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態における画像閲覧方法で行われる処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0047】
1 画像閲覧装置
2 データ受付部
3 パスワード設定部
4 電子メール送信部
5 認証処理部
6 画像閲覧部
7 期限管理部
8 記憶装置
9 利用者データベース
10 画像データ・データベース
11 端末装置
20 図書館システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の端末装置による画像の閲覧を可能にするための画像閲覧装置であって、
前記画像の画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するパスワード設定部と、
設定された前記パスワードを含む電子メールを生成し、生成した前記電子メールを、前記パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信する、電子メール送信部と、
前記端末装置から予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、前記端末装置に、前記画像データに設定されたパスワードの入力を求め、そして、入力されたパスワードが、前記パスワード設定部が設定したパスワードと一致するかどうかを判定する認証処理部と、
前記認証処理部が、一致すると判定した場合に、前記端末装置による、入力された前記パスワードに対応する前記画像データの前記画像の閲覧を可能にする画像閲覧部とを備えている、ことを特徴とする画像閲覧装置。
【請求項2】
前記画像データを蓄積する記憶装置と、蓄積されている前記画像データ毎に有効期限を設定し、前記有効期限に達した前記画像データを前記記憶装置から削除する、前記期限管理部とを、更に備えている、請求項1に記載の画像閲覧装置。
【請求項3】
前記記憶装置が、前記画像データを、前記画像データの閲覧を求める利用者のIDと関連付けた状態で記憶している、請求項2に記載の画像閲覧装置。
【請求項4】
外部の端末装置による画像の閲覧を可能にするための画像閲覧方法であって、
(a)前記画像の画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するステップと、
(b)設定された前記パスワードを含む電子メールを生成し、生成した前記電子メールを、前記パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信するステップと、
(c)前記端末装置から予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、前記端末装置に、前記画像データに設定されたパスワードの入力を求め、そして、入力されたパスワードが、前記パスワード設定部が設定したパスワードと一致するかどうかを判定するステップと、
(d)前記(c)のステップで一致すると判定した場合に、前記端末装置による、入力された前記パスワードに対応する前記画像データの前記画像の閲覧を可能にするステップとを有する、ことを特徴とする画像閲覧方法。
【請求項5】
(e)前記画像データを記憶装置に蓄積させるステップと、
(f)蓄積されている前記画像データ毎に有効期限を設定し、前記有効期限に達した前記画像データを前記記憶装置から削除するステップとを、更に備えている、請求項4に記載の画像閲覧方法。
【請求項6】
前記(e)のステップで、前記画像データを、前記画像データの閲覧を求める利用者のIDと関連付けた状態で、前記記憶装置に蓄積させる、請求項5に記載の画像閲覧方法。
【請求項7】
外部の端末装置による画像の閲覧をコンピュータによって可能にするためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記画像の画像データ毎に閲覧用のパスワードを設定するステップと、
(b)設定された前記パスワードを含む電子メールを生成し、生成した前記電子メールを、前記パスワードが設定された画像データの閲覧を求める利用者の電子メールアドレスに送信するステップと、
(c)前記端末装置から予め設定された認証情報が入力されたことを条件として、前記端末装置に、前記画像データに設定されたパスワードの入力を求め、そして、入力されたパスワードが、前記パスワード設定部が設定したパスワードと一致するかどうかを判定するステップと、
(d)前記(c)のステップで一致すると判定した場合に、前記端末装置による、入力された前記パスワードに対応する前記画像データの前記画像の閲覧を可能にするステップとを実行させる、ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
(e)前記画像データを記憶装置に蓄積させるステップと、
(f)蓄積されている前記画像データ毎に有効期限を設定し、前記有効期限に達した前記画像データを前記記憶装置から削除するステップとを、更に前記コンピュータに実行させる、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記(e)のステップで、前記画像データを、前記画像データの閲覧を求める利用者のIDと関連付けた状態で、前記記憶装置に蓄積させる、請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−147718(P2010−147718A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321610(P2008−321610)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】