説明

画分回収時の液体のロスを低減する装置

液体保持手段(31)を備えるフラクションコレクターであって、分取ノズル(5)で流体先端を位置検出し、液体保持手段(31)を制御して流体先端を所定の位置に保つように構成された流体先端制御装置(43)をさらに備えるフラクションコレクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラクションコレクターで使用する装置に関し、具体的にはある回収容器から次の容器に切り換える際の取りこぼしを防ぐ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラクションコレクターは、液体クロマトグラフィーの分野など多くの用途で広く用いられている。フラクションコレクターは、液体の流れを複数の容器に分取するために用いられる。容器は、通例、ラックに載置された試験管又はプレートに形成された凹部として構成される。フラクションコレクターに関しては、2つの動作原理に大別することができる。すなわち、容器を回転運動によって分取手段に向けて供給する回転式フラクションコレクターと、容器を1方向又は2方向の直線運動によって分取手段に向けて供給するX−Yコレクターとに区別される。いうまでもなく、これらの原理は、容器を静止させて、分取手段を移動させるフラクションコレクターの原理と同一である。
【0003】
容器の種類又はフラクションコレクターの動作原理に関わらず、個々の容器の間には常にある距離が存在する。そのため、ある容器から次の容器に切り換える際、特に液体流が基本的に連続流である場合、分取される液体がこぼれる可能性がある。かかる取りこぼしが望ましくない理由は多々ある。貴重な物質が含まれていることもあるし、健康に有害なおそれもあるし、作業区域が汚れるおそれもある。
【0004】
取りこぼしを防ぐための方法は幾つか公知である。例えばGilson他の米国特許第4077444号には、分取管が移動する際の試験管からの取りこぼしを防ぐため、分取管を流れる液体の流れを中断させるための弁及び弁オペレータが記載されている。しかし、高精度液体クロマトグラフィーのような幾つかの用途では、待機期間中に液体の流れを遮断しておくのは不利である。待機期間中に分取手段付近のチューブ内に保持される液体容積中の成分が拡散してしまうので、液体クロマトグラフィーシステムの性能に悪影響を生じる。
【0005】
容器の交換時にシャント弁を用いて流体流を廃液へと搬送することも知られている。この方法には、貴重な物質が廃液流に存在しているかも知れず、それらが失われてしまうという明らかな欠点がある。
【0006】
特開平01−068657号公報には、カラムクロマトグラフィー溶出液の分取方法及び装置が記載されており、特開昭59−026058号公報には、分取方法及び分取手段が記載されている。
【0007】
米国特許6610208号には、フラクションコレクター(1)において、ある回収容器(3)から次の容器(3’)に切り換える際の画分回収時の液体の損失を防ぐための液体保持手段が設けられたフラクションコレクターが開示されており、液体保持手段は、ある容器から別の容器に移動する際に作動して分取ノズルからの出力流を停止させる拡張可能なチャンバー(以下、「拡張式チャンバー」という。)を備えている。
【0008】
しかし、移動時に拡張式チャンバーを作動させて流れを溜める際に、状況によっては、例えば実際の流れと報告された流れとの誤差の補償のため、蓄積率が高くなりすぎることがある。すると、分取ノズルからチャンバーへと空気が取り込まれかねない。その後、拡張式チャンバーが作動して蓄積された流れを放出する際に、チャンバー内からノズルを通して外に押し出される流体と空気の混合物が泡を生じ、その泡がはじけてあらゆる方向に細かな液滴が飛び散りかねない。こうした細かな液滴が、隣接する容器内の試料を汚染するおそれもあるし、センサー上に溜まって誤作動を引き起こすこともある。
【0009】
さらに、容器が静止して分取ノズルが移動するフラクションコレクターでは、分取ノズルが2つの容器間を移動する際に液滴が分取ノズルに残っていると、分取ノズルの加速によって、滴が垂れるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4077444号明細書
【特許文献2】特開平01−068657号公報
【特許文献3】特開昭59−026058号公報
【特許文献4】米国特許6610208号明細書
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、画分回収時の液体の損失を防ぐための新規方法及びフラクションコレクターであって、従来技術の1以上の短所を克服する方法及びフラクションコレクターを提供することである。これは、独立請求項に記載の方法及びフラクションコレクターによって達成される。
【0012】
このような方法及びフラクションコレクターに関する1つの利点は、ある回収容器から次の容器への切換時の取りこぼしを効果的に防止し、液体保持手段に空気が取り込まれる点である。
【0013】
本発明の適用し得る範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。ただし、詳細な説明及び具体例は、本発明の好ましい実施形態を示したものではあるが、例示を目的としたものにすぎない。本発明の技術的思想及び技術的範囲に属する様々な変更及び修正は、以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
【0014】
具体的には、本発明の方法及び装置の用途は、液体クロマトグラフィーの分野に関して例示した。しかし、ある回収容器から次の容器への切換時に液体をこぼさずにフラクションコレクターを使用することが望まれる他のあらゆる分野の用途においても同様に有用である。
【0015】
添付の図面と併せて本明細書の詳細な説明を参照することによって、本発明についての理解を深めることができるであろう。なお、図面は例示を目的としたものにすぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のフラクションコレクターの概略斜視図である。
【図2】4つの動作位置における本発明の一実施形態に係る流れ経路及び装置を示す概略図である。
【図3】液滴センサーの一実施形態の概略図である。
【図4】別の液滴センサーの一実施形態の概略図である。
【図5】さらに別の液滴センサーの一実施形態の概略図である。
【図6】本発明に係るフラクションコレクター及び液体保持手段を制御する制御手段の作動を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
背景技術として図1a及び図1bは、典型的なフラクションコレクター1の基本部品の概略を示す。図1aは回転式コレクター1を示し、図1bはX−Y並進式コレクター1’を示す。コレクター1は、中心(矢印で示す)の周りを回転するトレイ2を含む。トレイ2は、試験管3のような容器(受け器)を保持するためのラックを備えている。延長アーム4で、分取手段5(典型的には、注射針又はプラスチック管など)を保持している。分取手段は導入チューブ6からなる供給ラインと流体連通しており、この導入チューブを通して、液体クロマトグラフィーカラムのような所定の装置(図示せず)からフラクションコレクターの試験管へと分取すべき液体が供給される。
【0018】
作動中、トレイ2が回転して最初の試験管3を分取手段5の下に置き、チューブ6から分取手段5を介して供給された液体が試験管へと放出される。最初の試験管3が画分量の液体を受け取ったら、トレイ2が所定角度回転して分取手段の下に2番目の試験管3を配置して画分量を受け取る。こうした段階が所定の回数繰り返される。
【0019】
回転式トレイを備える従来のフラクションコレクターの部品及び作動段階についての上記の概説は、本発明をこのタイプのフラクションコレクターに限定することを意図したものではない。本発明がその他の慣用フラクションコレクターにも同様に有用であることは当業者には明らかであろう。例えば、図1bのように分取ノズルの直線運動を用いて試験管を分取装置の下に配置するフラクションコレクター、或いは図1bに概略を示すように、試験管以外の他の種類の容器(受け器)(例えばマイクロタイタープレート)も本発明で同様に使用することができる。
【0020】
フラクションコレクターの種類に関わらず、最初の容器が分取手段から放出される液体流から離れる時点と、次の容器が液体流を受ける位置に配置される時点の間に時間間隔Tが存在する。流速がFR(t)であると仮定すると(ただし、tは流速が経時的に変化する可能性があることを示す。)、何の対策も講じなければ、容器の切換時に体積Vが失われるてしまう。この体積は、以下の式を用いて算出できる。
【0021】
【数1】

取りこぼしを防ぐための慣用法の一つは、遮断弁を用いて分取手段を通る流れを止めることである。こうすると、液体は全く失われないが、流れの停止によりフラクションコレクターの上流機器に影響を与えるだけでなく、全体的な分離精度にも影響を与えてしまう。
【0022】
本発明の第1の態様では、以下の段階1)〜4)を実施することによって、液体の損失を起こさずに取りこぼしを防ぐ。
1)最初の容器から2番目の容器への切換のための時間間隔の間、拡張式チャンバーを作動させて液体流を蓄積させる段階、
2)ノズルにおける流体先端を位置検出する段階、
3)流体先端を所定の位置に保つため拡張式チャンバーの作動を制御する段階、及び
4)蓄積した液体を2番目の容器に放出するため拡張式チャンバーを作動させる段階。
【0023】
本発明の方法で用いる装置の一実施形態を図2a〜図2dに示し、液体保持手段31の一実施形態と流体先端制御装置43とを含む構成を示す。開示した実施形態では、流体先端制御装置43は、流体先端検出器40と流体先端制御ユニット42とを備える。流体先端検出器40は、信頼性をもって流体先端を位置検出できるものであれば、適当な任意のタイプのものでよい。流体先端検出器40の具体例は図3〜図5に開示されており、以下でさらに詳しく説明する。図2a〜図2dでは、制御ユニット42を独立した制御ユニットとして示しているが、コレクター1の他の機能を制御するコントローラ(例えば液体保持手段31)と統合してもよい。
【0024】
図2a〜図2dでは、液体保持手段31は、中空円筒形ボディ41の内壁と端板49とピストン部材37とによって画定される拡張式チャンバー34を備える。
【0025】
端板49には、入力チューブ6に接続された入口開口と、分取手段すなわちノズル5に接続された出口開口との2つの開口が設けられている。図2a〜図2dでは、入口開口が拡張式チャンバー34の上部に配置され、出口開口が下部に配置されているものを示す。ただし、実際には、システムに入り込むおそれのある気泡を脱気するため、出口開口は好ましくは拡張式チャンバーの上部に配置される。さらに、シャフト35が設けられている。シャフトは、円筒形ボディ41の軸方向に制御下に往復運動することができる。シャフト35とピストン部材37は、例えばねじ継手などで互いに固定されており、単一ユニットとして動かすことができる。
【0026】
駆動ユニット36(例えばマイクロプロセッサーで制御されるリニアステッピングモーターなど)は、シャフト35及びピストン部材37の変位量を制御する。
【0027】
ピストン部材37の円筒面には、円筒形ボディ41の内壁に対して封止するのに適した封止手段などが設けられている。
【0028】
拡張式チャンバー34は、ピストン部材37がチャンバー内でその最も左側の位置にあるとき、つまり拡張式チャンバーが「膨らんだ」ときに、入口開口と出口開口との間に流体経路が形成されてこの段階で液体が拡張式チャンバー34を通過することができるように形成される。
【0029】
図2aは、拡張式チャンバー34のピストン部材37がその最も左側の位置にある第1の状態の概略を示しており、入力チューブ6を経由して供給された液体が、分取ノズル5から容器3に放出される場合を表している。この状態では流体先端制御装置43は基本的に不活性である。
【0030】
図2bは、容器3から次の容器3’への切換のための時間間隔Tの初期部分での第2の状態が起きているところの概略を示す。この第2の状態では、ピストンシャフト35に作用する駆動ユニット36によってピストン部材37が後方に引かれる。入力チューブ6から流入する液体は、液体保持手段31の拡張式チャンバー34内に蓄積され、分取ノズル5から液体は全く放出されない。この状態で、ノズル5での流体先端を位置検出するために流体先端検出器40が配置され、流体先端がノズル5の所定の位置に基本的に保たれる一定の速度でピストン部材37が動くように駆動ユニット36を制御するために流体先端制御ユニット42が配置されている。ノズル5からの液体流が(図2aに概略を示すように)液滴の形態である実施形態では、流体先端検出器40は、液滴が分配されたときにそれを検知するように構成してもよく、それに応答して基本的に瞬時に所定の流体先端位置を確立すべく流体先端制御ユニット42で液体保持手段31を作動させてもよい。ノズル5からの液体流が連続流の形態である場合、流体先端制御ユニット42は、上述の所定の流体先端の位置を確認する前に、液体保持手段31が作動してノズル5からの流れを低減して流体先端検出器40による検知に適した頻度の滴下流となるように構成してもよい。流体先端制御装置43がこの状態に達したら、図2cに示すように次の容器3’への移動を実施できる。移動の際、流体先端制御装置43は、流体先端の位置を制御し続ける。静止型分取ノズルのフラクションコレクター1については、所定の流体先端の位置は、液体保持手段31の拡張式チャンバー34に空気が入り込まず、ノズルから滴が落ちない位置であればよい。ただし、可動式分取ノズル5のフラクションコレクター1の場合、所定の流体先端の位置は、2つの容器の間を移動する際の分取ノズルの加速によって滴が垂れないように位置づける必要がある。
【0031】
図2dは、次の容器3’が分取ノズル5の下に配置された後に起こる第4の状態の概略を示す。この第3の状態では、ピストンシャフト35に作用する駆動ユニット36によってピストン部材37が前方に押される。チャンバー34内に蓄積した液体は、出口開口を通して分取ノズル5から次の容器3’へと押し出される。同時に、入力チューブ6から供給された液体も、チャンバー34及び分取ノズル5を介して次の容器3’に放出される。この第4の状態は、ピストン要素がその最も左側の位置に戻るまで続き、そこで図2aに示す第1の状態が起こる。この状態では、流体先端制御装置43は基本的に不活性である。
【0032】
本発明に係る液体保持装置の設計に際して、当業者には当たり前のことであろうが、装置の様々な部品に関する寸法及び材料は、個々の用途による要件に基づいて選択しなければならない。ただし、本発明の第1の実施形態に係る装置の設計に際しては、幾つかの原則を考慮する必要がある。
【0033】
例えば、ピストン部材37は、導入チューブ6の流速に非常に近い対応速度で引かれるように制御され、導入チューブを通して供給される液体の単位時間当たりの体積(上記の式[1]などの式で算出される)は常に、拡張しつつあるチャンバー34の容積と実質的に等しくなる。こうして、流体先端が拡張式チャンバーから分取ノズルに吸い込まれるのを防ぐとともに、容器3と容器3’の間で液体が滴下又はこぼれるのを防ぐ。
【0034】
さらに、ピストン部材37は、導入チューブからの流れが実質的に妨害されずにチャンバー34を通過するとともにチャンバー内に溜まった液体体積が分取手段へと放出されるように、導入チューブ6内の圧力だけでなく出口開口の流通容量とも関連した速度で前方に押すべきである。さもないと、液体中の分離された物質の分解能に悪影響を生じかねない。
【0035】
図3a及び図3bは、流体先端検出器40の一実施形態の概略を示しており、検出器は、流体先端検出器40に向けて光を送るように構成された光源44をさらに備えており、流体先端検出器40はこうして受光した光を検出するように構成されている。図に示す通り、光源44と検出器はノズル5の両側に配置されており、ノズルの先の液滴によって、液滴が全く存在しない場合に比べて検出器に達する光の量が減少する。一実施形態では、光源はLEDであり、検出器は任意の好適な光検出手段である。図3b(本図はノズル及び流体先端センサー装置40,44の底面図である。)に示す実施形態では、センサー装置は、センサーを中心軸上に配置したときに起こりかねない反射の問題を回避するために軸外に配置される。
【0036】
図4には、光ファイバーに基づく流体先端センサー装置43を示す。センサー装置は、空気と合成石英ガラス(SFS)ファイバーなどの端部との界面及び緩衝液と上記端部との界面でのフレネル反射の強度差を利用する。開示した実施形態では、光源44’(例えば高輝度赤LED)を光ファイバー48に結合してビームスプリッター51を介してセンサーファイバー50へと光を導く。センサーファイバーは終端面52が分取ノズル5に配置され、開示した実施形態では、端面52は、液体が一滴ずつ分配されるノズルから突出している。液滴が落下した直後には端面52には空気が存在している。その界面での反射強度(R)はフレネルの式によって計算することができる。
【0037】
R=(n1−n22/(n1+n22
ただし、n1は600nmでのSFSの屈折率(=1.55)であり、n2は空気の屈折率(=1.00)又は緩衝液の屈折率(600nmでの水の屈折率=1.33)である。空気の場合のRは入射強度の4.6%であり、緩衝液の場合にはRは0.58%であるので、反射強度に約8倍の差がある。反射強度は、センサーファイバーを戻ってビームスプリッター51で集光ファイバー46へと導かれる。集光ファイバー46は光検出器40(例えばフォトダイオードなど)に光を誘導し、強度を測定する。
【0038】
図5には、導電率の検出に基づく流体先端検出装置43を示す。センサー40”は、分取ノズル5で導電率を測定して液体の有無を検出するための電極53を有する。
【0039】
本発明に係る装置に加えて、フラクションコレクターを含む液体クロマトグラフィーシステムのように本発明の方法を利用するシステムは、流体先端制御装置43と液体保持手段31とフラクションコレクターの動作を相関させる制御手段も含んでいるべきである。このような制御手段は、当技術分野で公知の適当なインターフェース回路を備えたパーソナルコンピューターのような任意の好適な手段で確立することができる。
【0040】
かかる制御手段で実行される制御段階を示すフローチャートを図6に示す。用途に応じて、容器内の液体の水位の検出、送供された液体体積の計算、液体中で運ばれた物質の顕著な特性のモニタリングなど、容器の切換の開始のため様々な種類の基準を用いることができる。
【0041】
選択した基準に関わらず、制御手段は、流体先端の位置を検出(90)し、流体先端が所定の位置に位置するように駆動ユニットを制御してピストンを引く(102)ことによって容器の切換えを開始する。次の段階では、次の回収容器に切り換える101。次の回収容器が分取ノズル5に対して正しい位置に置かれたら、制御手段は駆動ユニット36がピストンを引くのを止める107。その時点で、導入チューブ6からの液体が出口開口を介して分取手段5へと流れる。
【0042】
次いで、制御手段はピストンを押すように駆動ユニットに命令し(108)、チャンバーを圧縮して、チャンバーの内容物を分取ノズル5から分取する。
【0043】
本発明について説明してきたが、本発明を種々変更できることは明らかである。かかる変更は、本発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱するものではなく、このように当業者に自明な修正は、特許請求の範囲に属する。
【0044】
当然のことながら、液体クロマトグラフィーを適用分野の例として用いてきたが、本発明の方法及び装置の用途はこの分野に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0045】
1 フラクションコレクター
2 トレイ
3 最初の容器
3’ 次の容器
4 延長アーム
5,5’ 分取手段
6 導入チューブ
31 液体保持手段
34 拡張式チャンバー
35 ピストンシャフト
36 駆動ユニット
37 ピストン
40,40’,40” 流体先端検出器
41 円筒形ボディ
42 流体先端制御ユニット
43 流体先端制御装置
44,44’ 光源
49 プレート
50 センサーファイバー
51 ビームスプリッター
52 端面
53 電極配置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラクションコレクターにおいて、ある回収容器から次の容器に切り換える際の液体流の画分回収時の液体の損失を防ぐ方法であって、
・ある回収容器から次の容器への切換のための時間間隔の間、拡張式チャンバーを作動させて液体流を蓄積させる段階と、
・分取ノズルにおける流体先端を位置検出する段階と、
・流体先端を所定の位置に保つため拡張式チャンバーの作動を制御する段階と、
・拡張式チャンバーを作動させて蓄積した液体を次の容器に放出する段階と
を含む方法。
【請求項2】
液体保持手段(31)を備えるフラクションコレクターであって、さらに、分取ノズル(5)における流体先端を位置検出するとともに、流体先端を所定の位置に保つように液体保持手段(31)を制御するように構成された流体先端制御装置(43)を備える、フラクションコレクター。
【請求項3】
前記流体先端制御装置(43)が光学式流体先端検出器(40)を備える、請求項2記載のフラクションコレクター。
【請求項4】
前記光学式流体先端検出器(40)が、ノズル(5)で流体経路を横切るように光を向ける光源(44)と、光を受光するように構成された光学検出器(40)とを備える、請求項3記載のフラクションコレクター。
【請求項5】
前記光源(44)及び光学式流体先端検出器(40)が、ノズル(5)の中心に対して軸外に配置される、請求項4記載のフラクションコレクター。
【請求項6】
前記光学式流体先端検出器(40)が、分取ノズル(5)での流体経路内に終端面(52)が配置された光センサーファイバー(50)に光を結合するように構成された光源(44’)と、端面(52)からの反射強度を記録するように構成された光学検出器(40)とを備える、請求項3記載のフラクションコレクター。
【請求項7】
前記流体先端制御装置(43)が導電率式流体先端検出器(40)を備える、請求項2記載のフラクションコレクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−529649(P2012−529649A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514919(P2012−514919)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/SE2010/050621
【国際公開番号】WO2010/144036
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(597064713)ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ (109)
【Fターム(参考)】