説明

画素セット

【課題】製造プロセスの変位誤差により生じるゲート・ドレイン寄生キャパシタンスの変量を補償するための設計を備える画素セットを提供する。
【解決手段】互いに平行な走査線と、走査線と交差するデータ線と、走査線間に位置する2つの画素を含む画素セットが提供される。画素がそれぞれデータ線の両側にある。各画素が、データ線に近くに配置されたアクティブデバイスと、画素電極と、画素電極に部分的に重複する保存キャパシタンス電極と、ブランチを含むドレイン補償パターンとを備える。ブランチがデータ線から遠い画素電極の一側に位置するとともに、データ線に近いブランチの一側に位置する凹所を有する。ドレイン補償パターンがアクティブデバイスのドレインに接続される。ドレイン補償パターンの一部分が凹所内部に位置する。ブランチがゲートから遠い凹所の一側においてドレイン補償パターンと重複しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画素セットに関し、特に、キャパシタンス補償設計を有する画素セットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(active matrix liquid crystal display = AM-LCD)は、主要に、アクティブデバイスと、カラーフィルター(color filter)と、液晶層(liquid crystal layer)とを含む。図1は、従来のアクティブデバイスアレイを示す概略的な平面図である。図1において、アクティブデバイスアレイ100は、主に、アレイを形成するために多数の画素110として配列される。各画素110は、走査線(scan line)112と、データ線(data line)114と、アクティブデバイス116と、アクティブデバイス116に対応する画素電極(pixel electrode)118とを備える。
【0003】
注意すべきは、データ線114の数量を節約し、駆動チップの負担または駆動チップの数量を節減するために、アクティブデバイスアレイ100において2つの隣接する画素110が1つのデータ線114を共用していることである。つまり、アクティブデバイスアレイ100の画素100が対(つい)として構成される。同時に、保存キャパシタンス電極(storage capacitance electrode)120が更に画素110中に配置されて、液晶ディスプレイの表示フレームを安定させている。また、アクティブデバイス116は、走査線112上に直接配置されることができ、画素電極118の配置面積を拡大する。つまり、走査線112およびアクティブデバイス116が同一スペースを共用する。
【0004】
図2は、図1のアクティブデバイスアレイに適用される液晶ディスプレイ(liquid crystal display =LCD)の等価回路図である。図2において、従来のアクティブマトリックスLCDは、通常、アクティブデバイス116と、液晶キャパシタンスCLCと、保存キャパシタンスCstとを備える。
【0005】
図1と図2とにおいて、液晶キャパシタンスCLCがアクティブデバイスアレイ100上の画素電極118およびカラーフィルター上の共通電極(common electrode図示せず)を連結することにより形成される。保存キャパシタンスCstが画素電極118および保存キャパシタンス電極120を連結することによって形成されるとともに、保存キャパシタンスCstが液晶キャパシタンスCLCと並列になる。また、アクティブデバイス116のゲートGとソースSとドレインDとがそれぞれ液晶キャパシタンスCLCの走査線112とデータ線114と画素電極118とに電気接続される。アクティブデバイス116のゲートGおよびドレインD間に重複領域が形成される。即ち、図1に示した斜線領域である。従って、ゲート・ドレイン寄生キャパシタンス(parasitic capacitance)CgdがゲートGおよびドレインD間に形成される。
【0006】
再び、図1と図2とにおいて、液晶キャパシタンスCLCに印加される電圧は、通常的に液晶の透光率と特定の関係を保持している。従って、もし表示したいフレームに従って液晶キャパシタンスCLCに印加される電圧を変調さえすれば、表示したいフレームがディスプレイにより表示される。しかし、ゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdが形成されるため、液晶キャパシタンスCLC中に維持される電圧がデータ線114の信号変化に伴って変化する。そのような電圧変動は、フィードスルー電圧(feed-through voltage)△Vと呼ばれ、かつ下記する数1で表される。
【0007】
【数1】

式中、△Vは、走査線112に印加されるパルス電圧の振幅を表す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
アクティブデバイスアレイの現在の製造プロセス中、機械移動時の変位誤差(displacement error)により各素子の位置において不整合(nonconformity)を生じる。とりわけ、アクティブデバイス116のゲートGおよびドレインD間の重複領域の面積が図1に示した斜線領域のように変化する時、ゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdが変化する。従って、対となる各画素100のフィードスルー電圧△Vが互いに異なるとともに、ディスプレイ時に不均一なディスプレイ輝度の問題が発生する。
【0009】
そこで、この発明の目的は、製造プロセスの変位誤差により生じるゲート・ドレイン寄生キャパシタンスの変動を補償するための設計を備える画素セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、2つの走査線とデータ線と2つの画素とを含む画素セットを提供する。2つの走査線が互いに平行であり、かつデータ線が2つの走査線と交差する。2つの画素がそれぞれ2つの走査線間およびデータ線の両側に位置する。2つの画素がそれぞれ2つの走査線と電気接続され、そのうち、各画素がアクティブデバイスと画素電極と保存キャパシタンス電極とドレイン補償パターンとを含む。アクティブデバイスがデータ線に近接して配置されるとともに、アクティブデバイスがゲートとドレインとソースとを含む。ゲートが2つの走査線の対応する1つに電気接続される。ソースがデータ線に電気接続される。ソースおよびドレインがそれぞれゲートの両側に位置する。画素電極がドレインに電気接続される。保存キャパシタンス電極が画素電極と少なくとも部分的に重複し、かつ保存キャパシタンス電極がブランチを含む。ブランチがデータ線から遠い画素電極の一側に位置するとともに、凹所を有する。凹所がデータ線に近いブランチの一側に位置する。ドレイン補償パターンがドレインに接続され、かつ少なくともドレイン補償パターンの一部分が凹所内部に位置する。ブランチの一部分がゲートから遠い凹所の一側においてドレイン補償パターンと重複しない。
【0011】
この発明の実施形態中、ブランチがゲートに近い凹所の一側においてドレイン補償パターンのエッジと実質的に整合する。
【0012】
この発明の実施形態中、1つの画素のブランチがゲートに近い凹所の一側においてドレイン補償パターンと部分的に重複するとともに、他の画素のブランチがドレイン補償パターンと重複しない。
【0013】
この発明の実施形態中、ゲートから遠い凹所の一側においてブランチおよび各画素のドレイン補償パターン間の第1距離が、例えば、ゲートに近い凹所の一側においてブランチおよびドレイン補償パターン間の第2距離より大きい。
【0014】
この発明の実施形態中、各画素の保存キャパシタンス電極がU型であり、かつ保存キャパシタンス電極が画素電極のエッジを実質的に取り囲むものである。
【0015】
この発明の実施形態中、各画素のアクティブデバイスが更にゲート、ソースおよびドレイン間に位置する半導体パターンを含むものである。
【0016】
この発明の実施形態中、各ゲートが、対応する1つの走査線中に位置するものである。
【0017】
この発明の実施形態中、画素セットが更に2つの画素の2つの保存キャパシタンス電極に電気接続する接続パターンを含むものである。例えば、接続パターンおよび2つの画素の2つの保存キャパシタンス電極が一体的に形成されるものである。
【0018】
この発明の実施形態中、各画素中のドレイン補償パターンおよびドレインが一体的に形成される。
【0019】
この発明の実施形態中、各画素中、凹所の位置する部分におけるブランチの幅が、他の部分におけるブランチの幅よりも小さいものである。
【0020】
上記の観点から、この発明に従って、凹所が画素セットの保存キャパシタンス電極中に形成されるとともに、ドレイン補償パターンが凹所へ延伸されるので、ゲートおよびドレイン間のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスの変量が補償される。従って、画素セットがディスプレイに適用される時、この発明の画素セットは、ディスプレイの表示均一性を向上させることができる。また、この発明の画素セットは、追加的な構成要素を必要としないため、製造コストが増大しない。
【発明の効果】
【0021】
つまり、ドレイン補償パターンおよび保存キャパシタンス電極中のブランチの凹所が、この発明の画素セット中の補償効果を提供するため、製造プロセス期間の変位誤差の悪い影響を減少させる。とりわけ、製造プロセス期間の変位誤差が、画素セット中の2つの画素のドレインおよびドレイン補償パターンを同時にシフトさせて、2つの画素中のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスならびに保存キャパシタンスのキャパシタンス値を変化させる。そのために、2つの画素のフィードスルー電圧が補償されるとともに、表示に応用されるこの発明の画素セットが良好なディスプレイ均一性を備える。また、この発明中のドレイン補償パターンがドレインから延伸され、かつブランチが保存キャパシタンスの一部であるから、この発明の画素セットは、いかなる追加的な構成要素も加えることなく形成される。言い換えれば、製造プロセス期間の変位誤差への補償を追加することにおいて、この発明の画素セットの製造方法は、製造プロセスを複雑化させることなく、従来の画素セットの製造方法と両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来のアクティブデバイスアレイを示す概略的な平面図である。
【図2】図1のアクティブデバイスアレイに適用される液晶ディスプレイの等価回路図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる画素セットを示す概略的な平面図である。
【図4】この発明の別な実施形態にかかる画素セットを示す概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図3は、この発明の実施形態にかかる画素セットを示す概略的な平面図である。図3において、画素セット200が2つの走査線201A,210Bとデータ線220と2つの画素230A,230Bを含む。2つの走査線201A,210Bが互いに平行であり、かつデータ線220が2つの走査線201A,210Bと交差する。2つの画素230A,230Bが2つの走査線201A,210B間に位置するとともに、それぞれデータ線220の両側にある。2つの画素230A,230Bがそれぞれ2つの走査線201A,210Bに電気接続される。
【0024】
画素230Aがアクティブデバイス232Aと画素電極234Aと保存キャパシタンス電極236Aとドレイン補償パターン238Aとを含む。同様に、画素230Bもまたアクティブデバイス232Bと画素電極234Bと保存キャパシタンス電極236Bとドレイン補償パターン238Bとを含む。この実施形態中、画素230Aおよびデータ線220の全要素間の配置関係と、画素230Bおよびデータ線220の全要素間の配置関係とは、互いに対応している。従って、以下、画素230Aだけが詳細に記述される。
【0025】
画素230Aのアクティブデバイス232Aがデータ線220に隣接して配置され、かつアクティブデバイス232AがゲートGとドレインDとソースSとを含む。ゲートGが走査線210Aの対応する1つに電気接続される。また、アクティブデバイス232Aが更にゲートGとドレインDとソースSとの間に位置する半導体パターンCを含む。この実施形態中、アクティブデバイス232Aが走査線210A上に位置する。つまり、画素230Aのゲートが走査線210A内部に位置するとともに、走査線210Aと一体的に形成される。ソースSがデータ線220に電気接続される。ソースSおよびドレインDがそれぞれゲートGの両側に位置する。画素電極234AがドレインDに電気接続される。
【0026】
保存キャパシタンス電極236Aが少なくとも部分的に画素電極234Aと重複し、かつ保存キャパシタンス電極236Aがブランチ240Aを含む。ブランチ240Aがデータ線220から離れた画素電極234Aの一側に位置するとともに、凹所242Aを有する。凹所242Aがデータ線220に近いブランチ240Aの一側に位置し、凹所242Aの位置する部分におけるブランチ240Aの幅が他の部分におけるそれよりも小さい。
【0027】
ドレイン補償パターン238AがドレインDに接続され、かつ少なくともドレイン補償パターン238Aの一部分が凹所242A内部に位置する。ゲートGから遠い凹所242Aの一側におけるブランチ240Aの一部分がドレイン補償パターン238Aと重複していない。この実施形態中、ドレイン補償パターン238Aが例えばドレインDと一体形成される。即ち、ドレイン補償パターン238AがドレインDから遠いデータ線220の方へ延伸され、かつブランチ240Aのエッジに沿って曲げられ、部分的に凹所242A中へ延伸される。
【0028】
この実施形態中、画素230A,230Bの保存キャパシタンス電極236A,236Bは、それぞれU型であるとともに、保存キャパシタンス電極236A,236Bがそれぞれ実質的に画素電極234A,234Bのエッジを取り囲んでいる。ブランチ240Aおよびブランチ240Bは、実質的にそれぞれデータ線220から遠いU型保存キャパシタンス電極236Aの1ブランチであるとともに、データ線220から遠いU型保存キャパシタンス電極236Bの1ブランチである。また、画素セット200が更に接続パターン250を含み、2つの保存キャパシタンス電極236A,236Bを電気接続している。例えば、接続パターン250および2つの保存キャパシタンス電極236A,236Bが一体的に形成される。U型保存キャパシタンス電極236A,236Bは、この実施形態中、実例として取り上げられるだけであるとともに、この発明がそれに限定されるものではない。
【0029】
「背景技術」の記述中に述べた「数1」に従い、ゲートGおよびドレインD間のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdが画素セット200に応用されるディスプレイの表示品質に影響を及ぼすとともに、ゲートG及びドレインDの重複面積がゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdにとって決定的なものとなる。従って、図3に示すように、画素230A中のゲートGおよびドレインD間の重複する領域の面積が画素230B中のそれに一致することが望ましい。この時、ブランチ240AがゲートGに近い凹所242Aの一側においてドレイン補償パターン238Aのエッジに整合(be aligned with)する。画素230B中、ブランチ240BもまたゲートGに近い凹所242Bの一側においてドレイン補償パターン238Bのエッジに整合する。
【0030】
もちろん、この発明は、この実施形態に限定されるものではない。別な実施形態中、ゲートGに近い凹所242Aの一側においてドレイン補償パターン238Aに部分的に重複することができる。同時に、ブランチ240BもまたゲートGに近い凹所242Bの一側においてドレイン補償パターン238Bのエッジに部分的に重複する。注意に値することは、ブランチ240Aおよびドレイン補償パターン238Aの重複する領域の面積がブランチ240Bおよびドレイン補償パターン238B間のそれに好ましくは等しいことである。
【0031】
アクティブデバイス232Aの構造とアクティブデバイス232Bのそれとは、実質的に点対称である。もし製造プロセス期間に何らかの変位誤差が発生すれば、アクティブデバイス232AのゲートGおよびドレインD間の重複する領域の面積がアクティブデバイス232Bのそれらと異なってしまう。この時、画素230A,230Bのゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdのキャパシタンス値が異なるから、画素230A,230Bのディスプレイ効果が影響を受ける。言い換えれば、変位誤差が画素セット200に応用されるディスプレイの不均一なディスプレイ効果を引き起こす。
【0032】
変位誤差の悪い影響を補償するために、この実施形態の画素230Aおよび画素230Bは、ドレイン補償パターン238A,238Bを配置する。また、この実施形態中の画素230Aおよび画素230Bの保存キャパシタンス電極236A,236Bは、それぞれ凹所242A,242Bを配列している。一旦、製造プロセス期間の変位誤差のためにドレインDの位置がシフトすれば、ドレイン補償パターン238Aの位置およびドレイン補償パターン238Bの位置が対応するように変化する。この時、画素230A中および画素230B中のゲートGならびにドレインD間の重複する領域の面積がそれぞれ異なってくる。また、ドレイン補償パターン238Aおよびブランチ240A間の重複する領域の面積が、ドレイン補償パターン238Bおよびブランチ240B間の重複する領域の面積と異なってくる。従って、変位誤差により引き起こされるゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdの変動を補償することができる。
【0033】
図4は、この発明の別な実施形態にかかる画素セットを示す概略的な平面図である。図4において、画素セット200`は、実質的に上記画素セット200と同じであるが、その間の主要な差異は、画素セット200`中のドレインD、ソースSおよびデータ線220の位置が走査線210A,210Bに対応して矢印A方向へシフトしていることである。言い換えれば、画素セット200`の構成要素(elements)が上記画素セット200と同じであるが、対応する構成要素の位置が画素セット200中のそれらと異なっている。
【0034】
具体的には、画素セット200`が製造される時、走査線210A、走査線210B、保存キャパシタンス電極236Aおよび保存キャパシタンス電極236Bが同一薄膜層により形成されるため、それらが同一プロセス中で図案化される。同様に、ドレインD、ソースS、ドレイン補償パターン238Bおよびデータ線220が同一薄膜層により形成されるので、それらが同一プロセス中で図案化される。そのため、もし変位誤差が1つのプロセス中で矢印A方向に沿って発生するのであれば、2つの薄膜層のパターンが反対方向へシフトする可能性もあり、画素セット200`のような構造が作られる。注意すべきは、画素セット200`中の構成要素の配置が実例として上げられたものであり、この発明がそれに限定されるものではないということである。もし別な変位誤差が製造プロセス時期に発生するなら、画素セット200`中の構成要素の配列またはレイアウトが変化する。
【0035】
もし変位誤差が製造プロセス期間に発生しなければ、画素230A中のゲートGおよびドレインD間の重複する領域の面積と画素230B中のそれとが、図3に示したそれと同一である。しかし、ドレインDの薄膜層が走査線210Aに対応する矢印Aの方向へシフトする時、画素230A中のゲートGおよびドレインD間の重複する領域の面積が相対的に減少する。同時に、画素230B中のゲートGおよびドレインD間の重複する領域の面積が相対的に増大する。そのため、画素230A中のゲートGおよびドレインD間のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdが、画素230B中のゲートGおよびドレインD間のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdと異なってくるので、不均一な表示という悪い影響が引き起こされる。
【0036】
この実施形態中、製造プロセス期間の変位誤差のため、ドレイン補償パターン238Aおよびドレイン補償パターン238Bもまた保存キャパシタンス電極236Aおよび保存キャパシタンス電極236Bに対応する矢印Aの方向へシフトする。従って、画素230B中、ゲートGに近い凹所242Bのサイド244Bにおいて、ブランチ240Bがドレイン補償パターン238Bと部分的に重複する。同時に、画素230A中、ブランチ240Aは、ドレイン補償パターン238と重複しない。具体的には、画素230A中、ゲートGから遠い凹所242Aのサイド244Aにおいてブランチ240Aおよびドレイン補償パターン238A間の第1距離d1が、例えば、ゲートGに近い凹所242Aのサイド244Aにおいてブランチ240Aおよびドレイン補償パターン238A間の第2距離d2より大きい。しかし、この発明は、それに限定されるものでないとともに、第1距離d1および第2距離d2間の関係は、変位誤差の程度により変化する。
【0037】
ドレイン補償パターン238Aおよびドレイン補償パターン238Bの変位(displacements)が、2つの画素230A,230B中のゲートGおよびドレインD間のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdを補償する。詳細には、画素230A中のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdが望ましい値より小さいとともに、画素230B中のゲート・ドレイン寄生キャパシタンスCgdが望ましい値より大きい。それ故に、「背景技術」の記述中に述べた「数1」に従って、画素セット200`中のドレイン補償パターン238A、ドレイン補償パターン238B、凹所242Aおよび凹所242Bを配置すること無しでは、画素230Bのフィードスルー電圧△Vが画素230Aのそれより大きくなる。この実施形態中、ブランチ240Bおよびドレイン補償パターン238Bが部分的に重複することにより生ずるキャパシタンス連結効果が、保存キャパシタンスCstを増大する助けとなるので、画素230Bのフィードスルー電圧△Vが減少する。従って、画素230A,230Bのフィードスルー電圧△V間の変量(variations)が消去されるため、画素セット200`の表示均一性が向上する。
【0038】
ドレイン補償パターン238A、ドレイン補償パターン238B、凹所242Aおよび凹所242Bの補償作用のもと、画素230A,230Bのフィードスルー電圧△Vが実質的に同一になる。つまり、この実施形態の設計は、変位誤差により引き起こされる画素セット200`の表示効果への悪い影響を有効に補償できる。より詳しくは、この実施形態の画素セット200`中、ドレイン補償パターン238A、ドレイン補償パターン238BおよびドレインDが一体的に形成されるとともに、同一の製造プロセス中で形成される。即ち、この実施形態の画素セット200`は、コストを増大させることなく、変位誤差による悪い影響を補償できる。
【0039】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0040】
100 アクティブデバイスアレイ
110,230A,230B 画素
112,210A,210B 走査線
114,220 データ線
116,232A アクティブデバイス
118,234A 画素電極
120,236A 保存キャパシタンス電極
200,200` 画素セット
238A,238B ドレイン補償パターン
240A,240B ブランチ
242A,242B 凹所
244A,244B,246A,246B 一側
C 半導体パターン
gd ゲート・ドレイン寄生キャパシタンス
LC 液晶キャパシタンス
st 保存キャパシタンス
D ドレイン
G ゲート
S ソース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの互いに平行な走査線と;
前記2つの走査線と交差するデータ線と;
前記2つの走査線間に位置し、それぞれ前記データ線の両側に位置するとともに、それぞれ前記2つの走査線に電気接続される2つの画素と
を備え、そのうち、前記した各画素が:
対応する前記走査線の1つに電気接続されるゲートと、それぞれ前記ゲートの両側に位置するドレインと前記データ線に電気接続されるソースとを含む、前記データ線に隣接して配置されるアクティブデバイスと;
前記ドレインに電気接続される画素電極と;
保存キャパシタンス電極であり、少なくとも部分的に前記画素電極と重複し、前記保存キャパシタンス電極が前記データ線から遠い前記画素電極の一側に位置するブランチを有するとともに、前記ブランチが前記データ線に近い一側に位置する凹所を含む保存キャパシタンス電極と;
ドレイン補償パターンであり、前記ドレインに接続され、少なくとも前記ドレイン補償パターンの一部分が前記凹所内部に位置するとともに、前記ブランチが前記ゲートから離れた前記凹所の一側において前記ドレイン補償パターンと重複しないドレイン補償パターンと
を備える画素セット。
【請求項2】
前記ブランチが、前記ゲートに近い前記凹所の一側において前記ドレイン補償パターンのエッジと実質的に整合する請求項1記載の画素セット。
【請求項3】
前記ブランチが、前記した2つの画素中で前記ゲートに近い前記凹所の一側において前記ドレイン補償パターンと部分的に重複するとともに、前記ブランチが、前記2つの画素の他の1つ中で前記ドレイン補償パターンと重複しない請求項1記載の画素セット。
【請求項4】
前記ゲートから遠い前記凹所の前記一側における前記ブランチおよび前記した各画素の前記ドレイン補償パターン間の第1距離が、前記ゲートに近い前記凹所の一側における前記ブランチおよび前記ドレイン補償パターン間の第2距離より大きい請求項1記載の画素セット。
【請求項5】
前記2つの各画素中で前記保存キャパシタンス電極がU型であり、かつ前記保存キャパシタンス電極が前記画素電極の前記エッジを実質的に取り囲む請求項1記載の画素セット。
【請求項6】
前記2つの各画素の前記アクティブデバイスが更に前記ゲート、前記ソースおよび前記ドレイン間に位置する半導体パターンを含む請求項1記載の画素セット。
【請求項7】
前記した各ゲートが、対応する1つの前記走査線の中に位置する請求項1記載の画素セット。
【請求項8】
更に、前記2つの画素の前記2つの前記保存キャパシタンス電極に電気接続する接続パターンを含む請求項1記載の画素セット。
【請求項9】
前記接続パターンおよび前記2つの画素の前記2つの前記保存キャパシタンス電極が一体的に形成される請求項8記載の画素セット。
【請求項10】
前記2つの画素の各前記画素の前記ドレイン補償パターンおよび前記ドレインが一体的に形成される請求項1記載の画素セット。
【請求項11】
前記凹所の位置する部分において前記2つの画素中の前記ブランチの幅が、他の部分における前記ブランチの幅よりも小さい請求項1記載の画素セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−8217(P2011−8217A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−20398(P2010−20398)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(509112785)中華映管股▲ふん▼有限公司 (6)
【Fターム(参考)】