説明

画面データ作成装置

【課題】描画要素に付与されている描画情報の設定を効率良く行うことができ、画面データの編集作業効率を向上させることができる画面データ作成装置を得る。
【解決手段】部品図形または文字を含む描画要素を配置した画面のデータを作成する画面データ作成装置1において、画面内に描画要素が配置され、且つ配置された描画要素の属性または種別を含む描画情報がまとまって変更される領域を設定する描画情報変更領域設定手段11と、描画情報変更領域設定手段により配置された描画情報変更領域に描画要素を配置するとともに描画要素の描画情報を設定する描画情報設定手段12と、描画情報変更領域に配置された描画要素の設定された描画情報を変更する描画情報変更手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御機器と接続するプログラマブル表示器に関連し、これに使用される画面データを作成する画面データ作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCと略称する)は、ベルトコンベアーなど産業用の種々のシステムを制御する制御装置として、広く使用されている。PLCへの制御指示は、PLCに接続される表示装置を使用して行われる。
従来の制御システムでは、PLCによって制御され、各PLCには、例えば、バルブやスイッチあるいはセンサなどのデバイスと、表示および制御指示を行う表示装置とが接続されている。
表示装置は、PLCからのデータに応じて表示したり、オペレータからの指示に応じてPLCに制御指示を出力したりする。制御指示は、予め作成された操作パネルなどを電子的に模擬した画面データを表示装置に格納し、これを介して行なう。
【0003】
画面データは、パーソナルコンピュータ上で動作する画面作成ソフトウェア(作画ソフト)を用いて作成され、作成された画像データが表示装置に伝送される。
画面データには、例えば、メーターなど、PLCからのデータに応じて、形状や数値、色あるいは位置などの表示状態が変化する部品を示すデータや、ボタンなど部品が表示されている領域の押圧など、各部品への操作指示をする際、この各部品への操作に対応したPLCへの制御指示や表示変更を示すデータが含まれる。
【0004】
このように表示装置は、画面データを介して、メーター、スイッチ、ボタンなどのデバイスを電子データとして模擬することによって、デバイスに対して指示したり、デバイスの稼働状況をモニタしたり、デバイスに対する設定値をタッチパネルにより入力する端末としての機能を備えている。
【0005】
このような表示装置で表示される画面データは、パーソナルコンピュータ上で動作する画面作成ソフトウェア(作画ソフト)を用いてユーザ独自で作成できるようになっている。作画ソフトはエディタ機能を有しており、エディタ画面上に、部品や文字列などの描画要素を配置したり、図形などを描画して画面のデータを作成したりする。
部品は、作画ソフトによって提供され、スイッチ、ランプ、テンキー、メーター表示器、グラフ表示器などがあり、また図形や文字列などは、作画ソフトの描画機能などを用いて描画および配置する。
【0006】
通常、描画要素は描画情報として、要素の種類を特定する種別と要素のサイズ、配置位置、色などの属性情報を持つ。
部品や文字列などは、ユーザがこれらを選択して属性変更のための一覧表を表示し、所望の画面データを作成するためにこれら属性情報を変更設定する。
画面データの作成では、画面全体の構成を考慮しながら、部品や文字列、図形を配置、および描画し、それらの属性を設定、変更する。
【0007】
画面データを作成するにあたって、ユーザが画面に部品などを配置する際は、部品の属性は部品ごとに設定していた(例えば、非特許文献1参照)
また、画面中の領域ごとに、部品の属性が予め決まっていることが多い操作パネルなどの画面データ作成の場合でも、配置位置によって部品ごとに属性の設定、変更をしていた。この属性の設定、変更は、複数の部品などをまとめて選択して実施できるものがあり、この場合、選択後に属性の設定、変更の操作をしていた(例えば、特許文献1参照)。
また、画面中である領域にある部品を設定すべき属性が異なる別の領域に移動する場合には、従来では部品を移動した後、その部品を選択して属性情報の変更をしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−67208号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】三菱電機株式会社、「画面作成ソフトウェアMELSOFT GT Works3」、2010年3月、p.1−20
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の画面データ作成では、上記のように画面中の領域ごとに、部品の属性が予め決まっている場合などは、配置位置によって部品ごとに属性の設定、変更をしなくてはならず、操作に煩わしさがあった。この場合、画面中である領域から別の領域に移動する際、従来では部品を移動した後、その部品を選択して属性情報の変更をしなくてはならないという操作の煩わしさもあった。
【0011】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、描画要素に付与されている描画情報の設定を効率良く行うことができ、画面データの編集作業効率を向上させることができる画面データ作成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る画面データ作成装置は、部品図形または文字を含む描画要素を配置した画面のデータを作成する画面データ作成装置において、前記画面内に前記描画要素が配置され、且つ配置された前記描画要素の属性または種別を含む描画情報がまとまって変更される領域を設定する描画情報変更領域設定手段と、前記描画情報変更領域設定手段により配置された描画情報変更領域に前記描画要素を配置するとともに前記描画要素の前記描画情報を設定する描画情報設定手段と、前記描画情報変更領域に配置された前記描画要素の設定された前記描画情報を変更する描画情報変更手段とを備える。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る画面データ作成装置は、描画情報変更領域に配置した描画要素の設定した描画情報を、描画情報変更領域に対して変更した描画情報に、一括して変更するので、描画情報の変更を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の画面データ作成装置とプログラマブル表示器を含むシステムとの関係を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画面データ作成装置の全体構成を示す図である。
【図3】図面データ作成装置の機能ブロック図である。
【図4】画面領域に描画情報変更領域を配置した様子を示す図である。
【図5】描画情報変更領域に描画要素の配置位置に関する情報を設定する様子を示す図である。
【図6】描画要素の配置位置に関する情報に含まれる選択項目を説明するための図である。
【図7】描画情報変更領域を画面領域に配置する雛形をウインドウに表示された様子である。
【図8】描画要素の描画情報を設定するための選択項目がウインドウに表示された様子を示す図である。
【図9】描画情報変更領域の部品種別を変更するための候補をウインドウに表示した様子を示す図である。
【図10】画面要素を図示するウインドウに図示される描画要素をドラッグ&ドロップして描画情報変更領域に移動する前の様子を示す図である。
【図11】図10のように移動された描画要素が描画情報変更領域に自動整形および整列された様子を示す図である。
【図12】描画要素を自動整形および整列するアルゴリズムを説明するときに使用する例である。
【図13】描画要素の数が奇数のときの自動整列する様子を説明するための図である。
【図14】描画要素の数が偶数のときの自動整列する様子を説明するための図である。
【図15】親の描画情報変更領域に子の描画情報変更領域を入れ子構造で設定する様子を示す図である。
【図16】図15の子の描画情報変更領域を自動整形および整列する様子を示す図である。
【図17】元の描画情報変更領域に分割線を発生する様子を示す図である。
【図18】図17の元の描画情報変更領域が2つの新の描画情報変更領域に分割される様子を示す図である。
【図19】2つの元の描画情報変更領域の間に結合線を発生する様子を示す図である。
【図20】図19の2つの描画情報変更領域が1つの新の描画情報変更領域に統合される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の画面データ作成装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
まず、この発明に係る画面データ作成装置の説明に先立って、この画面データ作成装置から画面データが送られるプログラマブル表示器を含むシステムについて説明する。
図1は、この発明の画面データ作成装置1とプログラマブル表示器を含むシステムとの関係を示す図である。
このプログラマブル表示器を含むシステムでは、PLC2に、例えば、バルブやスイッチまたはセンサなどのデバイス3と、表示および制御指示を行う表示装置4とが接続されている。
表示装置4は、PLC2からのデータを表示したり、オペレータからの制御指示をPLC2に出力したりする。制御指示においては、予め作成された操作パネルなどを電子的に模擬した画面データを表示装置4に格納し、格納された画面データを画面に表示して、オペレータがこの画面を見ながら指示を入力する。そして、画面データ作成装置1は、この画面データを作成し、作成した画面データを表示装置4に送信する。
【0016】
実施の形態1.
図2は、本発明の実施の形態1に係る画面データ作成装置1の全体構成を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る画面データ作成装置1は、汎用なパーソナルコンピュータを用いて構成しており、中央演算ユニット(CPU)やメモリからなる演算処理部6、作図ソフトウェアなどが記憶されている記憶装置7、エディタ画面などを表示するディスプレイ8、マウスやキーボードなどからなるユーザインターフェース9を備えている。
作図ソフトウェアには、それに含まれる作図プログラムの命令に従って演算処理部6が演算を実行することにより、画面データの作成を省力化する手順を提示し、その手順には、描画情報変更領域設定手順、描画情報設定手順、描画情報変更手順がある。
【0017】
従って、画面データ作成装置1は、作図ソフトウェアの描画情報変更領域設定手順、描画情報設定手順、描画情報変更手順に従って演算処理部6が演算を実行することにより、図3に示すように、描画情報変更領域設定手段11、描画情報設定手段12、描画情報変更手段13を備える。
【0018】
また、記憶装置7には、スイッチ、ランプ、テンキー、メーター表示器、グラフ表示器などの部品や文字列からなる描画要素の描画情報が記憶されている。
描画情報は、描画要素に付与されている情報であり、部品の種別や、部品(文字列)の色、サイズ、表示形態(二次元、三次元、表示/非表示など)、配置位置に関する情報(整列方向、部品間の間隔、マージン(余白))などの属性情報を含む。
【0019】
次に、描画情報変更領域設定手段11が描画情報変更領域の設定を行なう手順について説明する。
オペレータが画面データ作成装置1を起動すると、表示装置4の画面に対応する画面領域21をディスプレイ8上に表示する。オペレータがユーザインターフェース9を操作して描画情報変更領域設定メニューを起動し、ユーザインターフェース9を操作してディスプレイ8上に表示されているカーソルを画面領域21内に移動すると、カーソル記号を領域選択ツールに変える。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して領域選択ツールにより画面領域21内の2点を指定すると、図4に示すように、描画情報変更領域22を設定し、記憶装置7に設定した描画情報変更領域22の位置情報を描画情報として記憶する。
【0020】
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して描画情報変更領域22の枠を選択した後、さらにオペレータがユーザインターフェース9を操作して、ディスプレイ8上に表示された描画要素の配置位置に関する描画情報設定メニューを選択すると、図5に示すように、描画要素の配置位置に関する情報を選択するためのウインドウを開く。
描画要素の配置位置に関する情報としては、図6に示すように、(a)整列方向:部品などを縦方向、または横方向に配列するかを指定する。(b)部品間間隔d:配置される複数の部品同士の間隔を指定する。(c)マージン:部品など配置する際、領域枠に対しての左右上下の余白を指定するものが含まれる。
【0021】
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して描画要素の配置位置に関する情報のタイトル部分を選択すると、選択項目の一覧が引き出されるように垂れ下がる。例えば、部品間隔を選択すると、15mmから5mm於きに選択項目の一覧が表示される。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して所望の選択項目を選択すると、選択項目を指定する。
そして、描画要素の配置位置に関する情報の全ての選択項目の指定が完了すると、記憶装置7に配置位置に関する情報を描画情報として記憶する。
【0022】
なお、画面領域21に複数の描画情報変更領域22が異なるように設定された複数のテンプレートを予め用意して記憶装置7に記憶しておいても良い。そして、オペレータがユーザインターフェース9を操作して描画情報変更領域設定メニューを選択したとき、ディスプレイ8上に、図7に示すように、複数のテンプレートを表示し、オペレータがユーザインターフェース9を操作して所望のテンプレートを選択することにより、ディスプレイ8上に選択されたテンプレートに対応する描画情報変更領域22が描かれた画面領域21が表示される。
【0023】
次に、描画情報設定手段12が描画情報変更領域22に描画要素を設定する手順について説明する。
オペレータがユーザインターフェース9を操作して1つの描画情報変更領域22を選択した後、さらにオペレータがユーザインターフェース9を操作して、ディスプレイ8上に表示された描画要素の色情報などに関する描画情報設定メニューを選択すると、図8に示すように、部品に関する描画情報を設定するためのウインドウを開く。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作してウインドウ内の部品種別を選択すると、図8に示すように、選択された部品種別、この例では部品種別はボタンであり、ボタンに含まれる部品に関する描画情報を選択するためのウインドウを開く。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作してタイトル部分を選択すると、選択項目の一覧が引き出されるように垂れ下がる。例えば、ボタンのサイズを選択すると、6ポイントから2ポイント於きに選択項目の一覧が表示される。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して選択項目の一覧から所望の選択項目を選択する。
そして、描画情報の全ての選択項目の選択が完了すると、画面領域に部品または文字列が表示されるとともに、各部品または文字列の描画情報を記憶装置7に記憶する。
【0024】
次に、描画情報変更手段13が描画情報変更領域22に配置された描画要素の設定された描画情報を変更する手順について説明する。
オペレータがユーザインターフェース9を操作して、1つの描画情報変更領域22を選択した後、さらにオペレータがユーザインターフェース9を操作して、ディスプレイ8上に表示された描画要素の種別変更に関する描画情報設定メニューを選択すると、図9に示すように、描画要素の種別変更を選択するためのウインドウを開く。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して種別変更を選択すると、種別変更の候補の一覧が引き出されるように垂れ下がる。
次に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して候補を選択する。
【0025】
また、オペレータがユーザインターフェース9を操作して画面領域21の外側に表示された部品または文字列を、図10および図11に示すように、ドラッグ&ドロップして選択されている描画情報変更領域22に配置すると、描画要素を自動整形および整列する。
図10に示す画面領域21の2つの描画情報変更領域22にそれぞれ1つの部品または文字列を配置すると、自動整形および整列により、描画情報変更領域22の広さと部品数に応じて、部品または文字列の配置位置とサイズが再決定され、図11に示す画面領域21の画面データを生成する。
【0026】
このように描画情報変更手段13が、描画情報変更領域22に配置した描画要素の描画情報を、描画情報変更領域22に対して設定した描画情報に一括して自動的に変更する。従って、本発明によれば、描画情報の設定を効率よく行うことができる効果が得られる。
【0027】
次に、描画要素を自動整形および整列を行なうアルゴリズムの例について説明する。
図12に示すように、描画情報変更領域22の左下隅座標A(X,Y)、X軸方向の領域横方向長をL、Y軸方向の領域横方向長をM、配置する部品の直径をrとする。尚座標は、作画データの左下隅座標Aを原点とする。ここで、配置する部品の数をn、部品の間隔をdとする。
【0028】
部品数nが奇数の場合は、図13に示すように、領域の中央にシンボルSを配置し、シンボルSの右側に順次シンボルS、S、・・・、S(n−1)/2を配置し、シンボルSの左側に順次シンボルS−1、S−2、・・・、S−(n−1)/2を配置する。
そして、シンボルS−(n−1)/2、・・・、S−2、S−1、S、S、S、・・・、S(n−1)/2の中心座標は、式(1)〜(7)に求められる。
【0029】
−(n−1)/2(X+L/2−(n−1)(r+d)/2,Y+M/2) (1)



−2(X+L/2−2(r+d),Y+M/2) (2)
−1(X+L/2−(r+d),Y+M/2) (3)
(X+L/2,Y+M/2) (4)
(X+L/2+(r+d),Y+M/2) (5)
(X+L/2+2(r+d),Y+M/2) (6)



(n−1)/2(X+L/2+(n−1)(r+d)/2,Y+M/2) (7)
【0030】
ここで、最も右側に配置されるシンボルS(n−1)/2と描画情報変更領域22の枠との横方向マージンa、縦方向マージンbは、式(8)、式(9)で求められる。
【0031】
a={L−nr−(n−1)d}/2 (8)
b=(M−r)/2 (9)
【0032】
部品数nが偶数の場合は、図14に示すように、領域の中央から右側に順次シンボルS、S、・・・、Sn/2を配置し、領域の中央から左側に順次シンボルS−1、S−2、・・・、S−n/2を配置する。
そして、シンボルS−n/2、・・・、S−2、S−1、S、S、・・・、Sn/2の中心座標は、式(10)〜(15)で求められる。
【0033】
−n/2(X+L/2−n(r+d)/4,Y+M/2) (10)



−2(X+L/2−(r+d),Y+M/2) (11)
−1(X+L/2−(r+d)/2,Y+M/2) (12)
(X+L/2+(r+d)/2,Y+M/2) (13)
(X+L/2+(r+d),Y+M/2) (14)



n/2(X+L/2+n(r+d)/4,Y+M/2) (15)
【0034】
なお、図中の横方向マージンa、縦方向マージンbは、nが奇数の場合と同じである。
【0035】
このような構成により、設定された配置位置に関する描画情報や、描画情報変更領域22の大きさに応じて、描画要素の配置位置を自動的に整列および整形させることができるため、画面データの編集作業効率を向上させることができる。
【0036】
また、描画情報設定手段12は、これら機能の他に、画面データ作成時に動作する機能、および画面データ実行時(表示器での実行時)に動作する機能を持つ。
誤って編集されるのを防ぐために、描画情報設定手段12は、描画要素の入力を不可とする保護設定を行うことができる。
また、保護設定の有効/無効の切替えができ、これを有効にすることで、描画情報変更領域22への描画要素の入力が不可となる。このような構成とすることにより、描画情報変更領域ごとに配置対象外の部品を設定できるので、入力ミスをなくすことができる。
【0037】
また、描画情報設定手段12は、画面データ実行時(表示器での実行時)に、描画情報変更領域にある描画要素の表示を無効化する設定を行うことができる。例えば、表示形態を非表示にすることでこれを可能にする。表示の無効化設定は、描画情報変更領域にある特定の部品種別、当該領域にある全ての描画要素に対して設定が可能である。
これにより、この領域に配置された描画要素は表示器の実行時に、表示・非表示を切替えることができるので画面データを複数作製する手間を省くことができる。
【0038】
実施の形態2.
図15は、親の描画情報変更領域22Aに子の描画情報変更領域22Bを入れ子構造で設定する様子を示す図である。図16は、図15の子の描画情報変更領域22Bを自動整形および整列する様子を示す図である。
この発明の実施の形態2に係る画面データ作成装置は、この発明の実施の形態1に係る画面データ作成装置と描画情報変更領域設定手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
【0039】
この発明の実施の形態2に係る描画情報変更領域設定手段は、ディスプレイ8に表示されている画面領域21に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して領域選択ツールにより画面領域21内の2点を指定して描画情報変更領域(以下、親の描画情報変更領域と称す)22Aが設定されているときに、図15に示すように、オペレータがユーザインターフェース9を操作して領域選択ツールにより親の描画情報変更領域22A内の2点を指定して新たな描画情報変更領域(以下、子の描画情報変更領域と称す)22Bを指定すると、予め指定された横マージンおよび縦マージンを満足するように、図16に示すように、子の描画情報変更領域22Bの領域横方向長および領域縦方向長を自動整形して、子の描画情報変更領域22Bを親の描画情報変更領域22A内に自動整列する。
【0040】
また、描画情報変更領域設定手段は、このように設定した子の描画情報変更領域22Bの描画情報として、親の描画情報変更領域22Aの描画情報をコピーして貼り付け、記憶装置7に記憶させることもできる。なお、描画情報変更領域は常時追加や削除などの編集が可能である。
【0041】
実施の形態3.
図17は、元の描画情報変更領域22Cに分割線23を発生する様子を示す図である。図18は、図17の元の描画情報変更領域22Cが2つの新の描画情報変更領域22Dに分割される様子を示す図である。
この発明の実施の形態3に係る画面データ作成装置は、この発明の実施の形態1に係る画面データ作成装置と描画情報変更領域設定手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態3に係る描画情報変更領域設定手段は、ディスプレイ8に表示されている画面領域21に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して領域選択ツールにより画面領域21内の2点を指定して描画情報変更領域(以下、元の描画情報変更領域と称す)22Cが設定されているとき、オペレータがユーザインターフェース9を操作してカーソル記号を元の描画情報変更領域22Cの枠に合わせると、カーソル記号をポインターツールに変化する。
【0042】
そして、描画情報変更領域設定手段は、オペレータがユーザインターフェース9を操作してポインターツールで枠上の点を設定し、ポインターツールを移動すると、その点を始点とする線が描かれる。そして、ポインターツールで枠上の他の点を設定すると、分割線23を発生し、元の描画情報変更領域22Cを予め指定された隙間を有するようにして2つの描画情報変更領域(以下、新の描画情報変更領域と称す)22Dに分割する。
また、描画情報変更領域設定手段は、このように分割した新の描画情報変更領域22Dの描画情報として、元の描画情報変更領域22Cの描画情報をコピーして貼り付け、記憶装置7に記憶させる。
【0043】
このように描画情報変更領域22に分割線23を設定するだけで分割することができるので、簡単な操作により描画情報変更領域22を編集することができる。
【0044】
実施の形態4.
図19は、2つの元の描画情報変更領域22Eの間に結合線24を発生する様子を示す図である。図20は、図19の2つの描画情報変更領域22Eが1つの新の描画情報変更領域22Fに統合される様子を示す図である。
この発明の実施の形態4に係る画面データ作成装置は、この発明の実施の形態1に係る画面データ作成装置と描画情報変更領域設定手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態4に係る描画情報変更領域設定手段は、ディスプレイ8に表示されている画面領域21に、オペレータがユーザインターフェース9を操作して領域選択ツールにより画面領域21内の2点を指定して描画情報変更領域(以下、元の描画情報変更領域と称す)22Eが2つ設定されているとき、オペレータがユーザインターフェース9を操作してカーソル記号を1つの元の描画情報変更領域22Eの枠に合わせると、カーソル記号をポインターツールに変化する。
【0045】
そして、描画情報変更領域設定手段は、オペレータがユーザインターフェース9を操作してポインターツールでその元の描画情報変更領域22Eの枠上の点を設定し、ポインターツールを移動すると、その点を始点とする線が描かれる。そして、ポインターツールで他の元の描画情報変更領域22Eの枠上の点を設定すると、統合線24を発生し、元の2つの描画情報変更領域22Eを隙間も合わせて1つの描画情報変更領域(以下、新の描画情報変更領域と称す)22Fに統合する。
【0046】
なお、2つの描画情報変更領域22を統合するとき、これらの領域の描画情報のうち、どちらの描画情報を引き継ぐかがユーザで任意に選択できる。これにより、描画情報を新たに設定する必要がなく、描画情報の設定を効率よく行うことができる。
このように描画情報変更領域22に統合線24を設定するだけで統合することができるので、簡単な操作により描画情報変更領域22を編集することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 画面データ作成装置、2 PLC、3 デバイス、4 表示装置、6 演算処理部、7 記憶装置、8 ディスプレイ、9 ユーザインターフェース、11 描画情報変更領域設定手段、12 描画情報設定手段、13 描画情報変更手段、21 画面領域、22、22A、22B、22C、22D、22E、22F 描画情報変更領域、23 分割線、24 結合線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品図形または文字を含む描画要素を配置した画面のデータを作成する画面データ作成装置において、
前記画面内に前記描画要素が配置され、且つ配置された前記描画要素の属性または種別を含む描画情報がまとまって変更される領域を設定する描画情報変更領域設定手段と、
前記描画情報変更領域設定手段により配置された描画情報変更領域に前記描画要素を配置するとともに前記描画要素の前記描画情報を設定する描画情報設定手段と、
前記描画情報変更領域に配置された前記描画要素の設定された前記描画情報を変更する描画情報変更手段と
を備えることを特徴とする画面データ作成装置。
【請求項2】
前記描画情報変更手段は、前記描画要素の配置位置に関する情報が変更されたとき、変更された前記情報に基づいて前記描画要素を整形または整列することを特徴とする請求項1に記載の画面データ作成装置。
【請求項3】
前記描画情報設定手段は、前記描画情報変更領域内への前記描画要素の配置を許可または禁止することを特徴とする請求項1または2記載の画面データ作成装置。
【請求項4】
前記描画情報変更領域設定手段は、前記描画情報変更領域の任意のレイアウトを雛形として予め登録し、前記雛形の候補をディスプレイに表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画面データ作成装置。
【請求項5】
前記描画情報変更領域設定手段は、前記描画情報変更領域を複数の描画情報変更領域に分割することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画面データ作成装置。
【請求項6】
前記描画情報変更領域設定手段は、複数の前記描画情報変更領域を1つの描画情報変更領域に統合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画面データ作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−83883(P2012−83883A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228425(P2010−228425)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】